贈与税とは
贈与税とは、個人から財産をもらったときに、もらった人(受贈者)に課される国税です。

贈与は生前に財産を無償で移すことです。贈与税は、生前贈与で相続税を逃れることを防ぎ、相続税を補完する役割を持ちます。原則の暦年課税では受贈者が1年間に受けた贈与を合計し、選択制の相続時精算課税では贈与と相続をまとめて課税します。
暦年課税の計算と申告

父から80万円、母から70万円の贈与を同じ年に受けた場合、合計は150万円で、基礎控除110万円を引いた課税価格は40万円です。贈与者ごとに110万円を引くわけではありません。直系尊属から、贈与の年の1月1日に18歳以上の子・孫への贈与には、一般税率より低い特例税率を使います。
贈与税は受贈者が、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地の税務署へ申告・納付します。配偶者控除や住宅取得等資金の非課税は、税額が0円になる場合でも申告が必要です。法人から個人への贈与は、贈与税ではなく所得税(一時所得など)の対象です。
| 特例 | 主な要件 | 控除・非課税額 |
|---|---|---|
| 贈与税の配偶者控除 | 婚姻期間20年以上の配偶者から、居住用不動産またはその取得資金の贈与。同じ配偶者からは一生に1回 | 最高2,000万円(基礎控除と合わせ2,110万円) |
| 住宅取得等資金の非課税 | 2026年12月31日までの直系尊属からの贈与。受贈者は1月1日に18歳以上、合計所得金額2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満なら1,000万円以下) | 省エネ等住宅1,000万円、それ以外500万円 |
| 教育資金の一括贈与の非課税 | 2026年3月31日で終了。4月1日以後は適用を受けられない | 受贈者1人につき1,500万円まで(契約時30歳未満) |
相続時精算課税

相続時精算課税は、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、受贈者が贈与者ごとに選択できる制度です(年齢はいずれも贈与の年の1月1日現在)。最初の贈与の翌年2月1日から3月15日までに届出書を提出し、選択後はその贈与者からの贈与を暦年課税に戻せません。
2024年1月1日以後の贈与では、毎年110万円の基礎控除(暦年課税の基礎控除とは別枠)を引き、その後の累計2,500万円までは特別控除で非課税、超える部分には一律20%が課税されます。相続時には、基礎控除後の贈与財産を贈与時の価額で相続財産に加算し、納めた贈与税を差し引きます。基礎控除以下の贈与は申告不要で、加算もされません。
| 項目 | 暦年課税 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 年110万円の控除 | 基礎控除(受贈者1人につき年110万円) | 基礎控除(2024年以後の贈与。暦年課税とは別枠) |
| 税率 | 基礎控除後の額に累進税率(一般税率・特例税率) | 累計2,500万円の特別控除を超える部分に一律20% |
| 相続時の加算 | 相続開始前3年〜7年以内の贈与(経過措置あり) | 選択後の贈与をすべて加算(基礎控除分を除く) |
試験に出る
- 暦年課税は、受贈者が1月1日〜12月31日に受けた贈与の合計から基礎控除110万円を引く。贈与者ごとには引かない。
- 直系尊属から、贈与の年の1月1日に18歳以上の子・孫への贈与には特例税率を使う。
- 申告は翌年2月1日〜3月15日に受贈者の住所地の税務署へ。法人からの贈与は所得税の対象。
- 贈与税の配偶者控除は婚姻期間20年以上、居住用不動産またはその取得資金で最高2,000万円(基礎控除と合わせ2,110万円)。
- 住宅取得等資金の非課税は2026年12月31日までの贈与で、省エネ等住宅1,000万円・その他500万円。受贈者の合計所得金額は2,000万円以下。
- 相続時精算課税は60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫へ。年110万円の基礎控除後、累計2,500万円の特別控除を超える部分に20%。
- 教育資金の一括贈与の非課税は2026年3月31日で終了し、同年4月1日以後は適用を受けられない。
重要な言葉
- 暦年課税
- 1月1日から12月31日までに受けた贈与の合計から基礎控除110万円を引き、累進税率で課税する原則の方式。
- 特例税率
- 直系尊属からその年1月1日に18歳以上の子・孫への贈与に使う、一般税率より低い暦年課税の税率。
- 相続時精算課税
- 贈与時は特別控除後の額に20%で課税し、相続時に贈与財産を相続財産に加算して精算する選択制の方式。
- 贈与税の配偶者控除
- 婚姻期間20年以上の配偶者から居住用不動産やその取得資金の贈与を受けたとき、最高2,000万円を控除できる特例。
- 定期贈与
- 毎年一定額を一定期間贈与すると最初に約束する贈与。約束した年に総額の権利(定期金に関する権利)の贈与として課税されることがある。
確認問題
確かめよう「毎年110万円ずつ10年間贈与する」と最初に約束すれば、毎年基礎控除以下なので必ず非課税になるでしょうか。
いいえです。約束した年に1,100万円の定期金に関する権利の贈与を受けたものとして、贈与税がかかることがあります。
父と母からそれぞれ贈与を受けた場合、贈与者ごとに基礎控除110万円を引ける。
相続時精算課税には、2024年1月1日以後の贈与について年110万円の基礎控除がある。
贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が10年以上あれば適用を受けられる。
相続時精算課税を選択した後でも、同じ贈与者からの贈与について暦年課税に戻すことができる。
父80万円・母70万円の贈与を同じ年に受けた。暦年課税の基礎控除後の課税価格は?
暦年課税の説明として正しいものは?
2026年中に相続時精算課税を選択した子が、父から3,000万円の贈与を受けた(この年が初めての贈与)。贈与税額は?
住宅取得等資金の贈与税の非課税で、受贈者の合計所得金額の要件(床面積50㎡以上の場合)は?
贈与は生前に財産を無償で移すことです。贈与税は、生前贈与で相続税を逃れることを防ぎ、相続税を補完する役割を持ちます。原則のではが1年間に受けた贈与を合計し、選択制の相続時精算課税では贈与と相続をまとめて課税します。
父から、母から70万円の贈与を同じ年に受けた場合、合計は150万円で、110万円を引いた課税価格は40万円です。贈与者ごとに110万円を引くわけではありません。直系尊属から、贈与の年の1月1日に18歳以上の子・孫への贈与には、一般税率より低い特例税率を使います。
は、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、受贈者が贈与者ごとに選択できる制度です(年齢はいずれも贈与の年の1月1日現在)。最初の贈与の翌年2月1日から3月15日までに届出書を提出し、選択後はその贈与者からの贈与を暦年課税に戻せません。
2024年1月1日以後の贈与では、毎年110万円の基礎控除(暦年課税の基礎控除とは別枠)を引き、その後の累計までは特別控除で非課税、超える部分には一律20%が課税されます。相続時には、基礎控除後の贈与財産を贈与時の価額で相続財産に加算し、納めた贈与税を差し引きます。基礎控除以下の贈与は申告不要で、加算もされません。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 日本FP協会:2級・3級FP技能検定 試験要綱 ↗
- きんざい:FP技能検定 ↗
- 国税庁:No.4132 相続人の範囲と法定相続分 ↗
- 法務省:自筆証書遺言書保管制度 ↗
- 国税庁:No.4152 相続税の計算 ↗
- 国税庁:No.4155 相続税の税率 ↗
- 国税庁:No.4108 相続税がかからない財産 ↗
- 国税庁:No.4157 相続税額の2割加算 ↗
- 国税庁:No.4158 配偶者の税額の軽減 ↗
- 国税庁:No.4124 小規模宅地等の特例 ↗
- 国税庁:No.4614 貸家建付地の評価 ↗
- 国税庁:No.4638 取引相場のない株式の評価 ↗
- 国税庁:No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除 ↗
- 国税庁:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税 ↗
- 国税庁:No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税(令和8年4月1日現在法令等) ↗
- 国税庁:No.4103 相続時精算課税の選択 ↗
- 国税庁:No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税) ↗
- 中小企業庁:事業承継税制と経営承継円滑化法 ↗
- 日本FP協会:3級 試験範囲の細目(2026年9月確認) ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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