単線図とは
単線図とは、複数の電線を一本の線で代表させ、機器どうしの関係を見やすく表した図です。線の本数が導体の本数をそのまま意味するわけではありません。

単線図は複数の電線を一本の線で代表させ、機器どうしの関係を見やすくした図です。一本描かれているから導体も一本、という意味ではありません。
| 図面・機器 | 読み方・判断 |
|---|---|
| 主回路 | 引込→保護→変圧→分岐 |
| 計測・制御 | CT・VT等→計器・継電器 |
| ZCT | 零相電流を検出 |
| LA | 異常電圧を制限 |
基本の仕組み

電源から遮断器、変圧器、負荷へ順に指で追い、各区間に何相・何線の回路があるかを書き込みます。分岐した先の負荷も、どの保護装置の下にあるかを確認します。
全体の電力の流れと機器の役割を先に読むと、定格値や接地、計器の取付け位置が整理できます。細かい結線を読む前の案内図として使います。
単線図の線の本数を、そのまま材料の心数として数えるのは誤りです。施工に必要な一本ずつの電線は、回路方式と接続条件から展開します。
高圧受電の主回路と計測

単線図は三相3線を一本の線で代表します。引込から地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(PAS・UGS)、電力需給用計器用変成器(VCT)、主遮断装置、変圧器、低圧分岐へ追い、避雷器(LA)・変流器(CT)・計器用変圧器(VT)・継電器・電力量計(Wh)の位置と主回路との関係を読みます。
令和8年度上期の出題例(問41〜50)は1枚の単線結線図の10箇所で、零相変流器(ZCT)の役割、CVTケーブルの断面、VTの役割、断路器(DS)の開閉条件、機器と接地線の最小太さ、CTの端子記号、絶縁耐力試験の器材、図記号、配線用遮断器(MCCB)の目的を問いました。機器ごとに関わる区間の電圧・電流・事故を書き込みます。
| 略号 | 名称 | 役割 | 位置・接続の要点 |
|---|---|---|---|
| PAS・UGS | 地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(架空引込はPAS、地中引込はUGS) | 需要家側の地絡で自動開放。SOG機能付きは短絡時にロックし、配電線側の停止後に開放 | 責任分界点(引込口) |
| ZCT | 零相変流器 | 零相電流(地絡電流)を検出 | PAS・UGSに内蔵、またはケーブルを貫通させる |
| ZPD | 零相基準入力装置 | 零相電圧を検出 | DGRへ入力する |
| GR・DGR | 地絡継電器・地絡方向継電器 | 地絡を判定して開閉器・遮断器を開く。DGRは零相電流と零相電圧で方向を判別 | ZCT(DGRはZPDも)と組み合わせる |
| VCT | 電力需給用計器用変成器 | 取引用の電力量計(Wh)へ電圧・電流を変成 | Whとの間は6又は7心 |
| LA | 避雷器 | 雷などの異常電圧を制限し大地へ放電 | 断路器で切り離せるようにし、A種接地工事 |
| DS | 断路器 | 無負荷の回路を開閉・切り離す | 負荷電流・短絡電流は開閉できない |
| VCB・OCR | 真空遮断器・過電流継電器 | OCRがCT二次電流で過負荷・短絡を判定し、VCBを引き外す | CB形の主遮断装置 |
| PF・LBS | 限流ヒューズ・高圧交流負荷開閉器 | PFが短絡電流を遮断し、LBSが負荷電流を開閉 | PF・S形の主遮断装置(300kVA以下) |
| VT | 計器用変圧器 | 6600Vを110Vへ変成し、電圧計・電力計・継電器へ | 一次側に限流ヒューズ。2台のV結線が多い |
| CT | 変流器 | 主回路電流を5Aなどへ変成し、電流計・OCRへ | 二次側にD種接地工事。通電中に二次を開放しない |
| VS・AS | 電圧計切換スイッチ・電流計切換スイッチ | 1個の計器で各線間電圧・各相電流を切り換えて測る | VSはVT二次、ASはCT二次 |
| W・cosφ | 電力計・力率計 | 電圧と電流の両方から電力・力率を指示 | VT二次とCT二次の両方に結線 |
| PC | 高圧カットアウト | 変圧器などの一次側の開閉と保護 | 変圧器300kVA以下、進相コンデンサ50kvar以下に使う |
| SC・SR | 進相コンデンサ・直列リアクトル | 力率改善。SRは高調波の拡大と突入電流を抑える | SRは通常SCのリアクタンスの6% |
| T | 変圧器 | 6600Vを低圧(210V・210-105Vなど)へ変成 | 低圧側の中性点または一端子にB種接地工事 |
| MCCB | 配線用遮断器 | 低圧電路の過負荷と短絡を検出して遮断 | 変圧器二次側の低圧分岐 |
試験に出る
- 単線図が複数の電線を一本で代表すること。
- 電源から負荷へ順に追い、各区間の相数・線数を書き込むこと。
- 線の本数をそのまま材料の心数としないこと。
- 定格値・接地・計器位置の整理に使えること。
- 三相回路が一本線で描かれること。
- ZCTは零相電流、ZPDは零相電圧を検出する(令和8年度上期の出題例 問41)。
- DSは負荷電流が流れていない状態で開閉する(同 問44)。
- 電力計・力率計はVT二次とCT二次の両方に結線する。
- MCCBは低圧電路の過負荷と短絡を検出して遮断する(同 問50)。
重要な言葉
- 単線図
- 複数の電線を一本の線で代表させて機器の関係を示す図。
- 単線結線図
- 接続関係を一本の線で表した結線図。
- 回路方式
- 単相・三相などの回路の構成のしかた。
- 配線図読解
- 配線図から接続や材料を読み取ること。
- 零相変流器(ZCT)
- 三相の電流の不平衡分(零相電流)を取り出し、地絡を検出する変流器。
- 電力需給用計器用変成器(VCT)
- VTとCTを一つの箱に収め、取引用の電力量計へ電圧・電流を送る機器。
確認問題
確かめよう三相回路が一本線で描かれていたら単相回路?
いいえ。単線図は回路の接続関係を代表して表しています。
単線図に一本で描かれている線は、導体も一本であることを意味する。
単線図は回路の接続関係を代表して表す図である。
ZCTは零相電圧を検出する機器である。
断路器(DS)は負荷電流が流れていない状態で開閉する。
単線図の線の本数をそのまま使うと、何を誤る?
単線図で最初に読むとよいものは?
単線結線図のMCCBの使用目的として正しいものは?
単線図は複数の電線を一本の線で代表させ、機器どうしの関係を見やすくした図です。一本描かれているからも一本、という意味ではありません。
電源から遮断器、変圧器、負荷へ順に指で追い、各区間に何相・何線のがあるかを書き込みます。分岐した先の負荷も、どのの下にあるかを確認します。
全体の電力の流れと機器の役割を先に読むと、や接地、計器の取付け位置が整理できます。細かい結線を読む前のとして使います。
単線図の線の本数を、そのまま材料の心数として数えるのは誤りです。施工に必要な一本ずつの電線は、と接続条件から展開します。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第一種の学科出題範囲・受電設備の範囲 ↗
- 電気技術者試験センター:技能試験の欠陥基準・注意点 ↗
- 電気技術者試験センター:令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)問題 ↗(問34〜36、問41〜50)
- 電気技術者試験センター:令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)解答 ↗
- 経済産業省:電気設備の技術基準の解釈 ↗(第17条(接地工事の種類)、第28条(計器用変成器の2次側電路の接地))
編集:Pinternet Works · 更新日:
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