変圧器とは
変圧器は、電磁誘導を利用して交流の電圧を変える機器です。電圧比だけでなく、定格容量と鉄損・銅損による効率まで確認します。

変圧器を機器として選ぶときは、電圧を変える比率だけでなく、どれだけの負荷を供給できるかと損失を確認します。銘板のkVAと、負荷のkWの違いが大切です。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 定格容量 | 皮相電力〔kV・A〕で表す |
| 鉄損 | 無負荷でもほぼ一定に発生。一次電圧が高いと増える |
| 銅損 | 負荷電流の2乗に比例 |
| 最大効率 | 鉄損と銅損が等しい負荷で最大 |
| 一次タップ | 低い電圧のタップに変えると二次電圧は上がる |
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 並行運転の条件 | 極性が一致、変圧比が等しい、%インピーダンス(インピーダンス電圧)が等しい、抵抗と漏れリアクタンスの比が等しい。三相では相回転と角変位も一致 |
| 並行運転に不要な条件 | 効率が等しいこと。容量は異なってもよい |
| %インピーダンス | 定格電流時の内部電圧降下を定格電圧に対する百分率で表す。短絡電流=定格電流×100/%Z |
| V結線の出力 | 単相変圧器1台の容量Pの√3倍(√3P) |
| V結線の利用率 | √3/2≒0.866(約86.6%) |
基本の仕組み

容量50kVAの範囲で力率0.8の負荷を考える単純な例では、有効電力は50×0.8=40kWです。50kVAという表示を、そのままどの負荷でも50kWまでと読まないようにします。
鉄損は主に鉄心で発生し、一定電圧・周波数では負荷がなくても生じます。銅損は巻線の抵抗による損失で、負荷電流の二乗に応じて変化します。
出力を入力で割った効率と、定格容量は別の情報です。また同じ容量でも設置条件や冷却方式、周囲環境との適合を確認する必要があります。
変圧器の定格と損失

変圧器の定格容量は通常VAで表し、負荷の有効電力Wだけで必要容量を決めません。一次・二次の電圧比は巻数比、電流比はその逆です。実際の容量選定は最大需要、力率、温度上昇、将来負荷も条件になります。
鉄損はヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷の大小に関係なくほぼ一定ですが、一次電圧が高くなると増えます。銅損は巻線のI²R損で、電流2倍なら4倍です。効率は鉄損と銅損が等しい負荷で最大になります。
試験に出る
- 定格容量はkVA、負荷の有効電力はkWで表され、両者を同一視しない。
- 鉄損は負荷の有無にかかわらず、一定電圧・周波数で生じる。
- 銅損は負荷電流の二乗に比例する。
- 効率は出力÷入力で求め、定格容量とは別の指標である。
- 容量が同じでも冷却方式や設置環境への適合を確認する。
- 並行運転の条件に「効率が等しいこと」は含まれない。
- V結線の出力は1台の容量の√3倍、利用率は√3/2。
- %Zが小さいほど短絡電流は大きい(短絡電流=定格電流×100/%Z)。
- 負荷電流が2倍なら銅損は4倍。鉄損は負荷で変わらない。
重要な言葉
- 定格容量
- 変圧器が連続して扱える容量。kVAで表す。
- 鉄損
- 鉄心で生じ、負荷がない状態でも一定電圧・周波数で発生する損失。
- 銅損
- 巻線抵抗による損失で、負荷電流の二乗に比例する。
- %インピーダンス
- 定格電流を流したときの変圧器内部の電圧降下を、定格電圧に対する百分率で表した値。
- V結線
- 単相変圧器2台で三相電力を供給する結線。出力は1台の容量の√3倍。
- 並行運転
- 複数の変圧器の一次側・二次側をそれぞれ並列につなぎ、負荷を分担させる運転。
確認問題
確かめよう同じ巻線抵抗で電流が半分なら銅損は?
4分の1。無負荷でも残る鉄損との違いを説明できます。
定格容量50kVAの変圧器は、どの負荷でも有効電力50kWまで供給できる。
鉄損は、負荷がない状態でも発生する。
同一容量の単相変圧器を並行運転するには、各変圧器の効率が等しい必要がある。
同容量の単相変圧器2台をV結線したときの1台当たりの利用率は√3/2である。
定格容量50kVA、力率0.8の負荷の有効電力は?
負荷電流が半分になると、銅損はどうなる?
定格容量100kV・Aの単相変圧器2台をV結線したときの最大出力〔kV・A〕は?
同一容量の単相変圧器を並行運転するための条件として、必要でないものは?
変圧器を機器として選ぶときは、電圧を変える比率だけでなく、どれだけの負荷を供給できるかと損失を確認します。銘板のと、負荷のkWの違いが大切です。
容量50kVAの範囲で力率0.8の負荷を考える単純な例では、有効電力は50×0.8=です。50kVAという表示を、そのままどの負荷でも50kWまでと読まないようにします。
は主に鉄心で発生し、一定電圧・周波数では負荷がなくても生じます。は巻線の抵抗による損失で、負荷電流の二乗に応じて変化します。
出力を入力で割ったと、定格容量は別の情報です。また同じ容量でも設置条件や冷却方式、周囲環境との適合を確認する必要があります。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第一種の学科出題範囲・受電設備の範囲 ↗
- HIOKI:接地抵抗計と測定方式の説明 ↗
- HIOKI:高圧受電設備の測定と測定器の使い分け ↗
- 電気技術者試験センター:第一種学科・電気応用の出題範囲 ↗
- Panasonic:光束と照度の違い ↗
- 電気技術者試験センター:第一種電気工事士試験の範囲 ↗
- GSユアサ:鉛蓄電池の安全な取扱い ↗
- GSユアサ:バッテリーのメンテナンス ↗
- e-Gov法令検索:電気設備に関する技術基準を定める省令 ↗(第58条(低圧の電路の絶縁性能))
編集:Pinternet Works · 更新日:
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