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電気工事士試験 · 学習ガイド

変圧器

変圧器とは

変圧器は、電磁誘導を利用して交流の電圧を変える機器です。電圧比だけでなく、定格容量と鉄損・銅損による効率まで確認します。

変圧器は交流の電圧を変える。閉じた鉄心の左に巻数の多いコイル、右に巻数の少ないコイル。
変圧器は交流で変化する磁束を介して、巻数の比に応じた電圧を取り出します。電圧を変える機器であり、取り出すエネルギーを増やす機器ではありません。

変圧器を機器として選ぶときは、電圧を変える比率だけでなく、どれだけの負荷を供給できるかと損失を確認します。銘板のkVAと、負荷のkWの違いが大切です。

変圧器
項目要点
定格容量皮相電力〔kV・A〕で表す
鉄損無負荷でもほぼ一定に発生。一次電圧が高いと増える
銅損負荷電流の2乗に比例
最大効率鉄損と銅損が等しい負荷で最大
一次タップ低い電圧のタップに変えると二次電圧は上がる
変圧器
項目要点
並行運転の条件極性が一致、変圧比が等しい、%インピーダンス(インピーダンス電圧)が等しい、抵抗と漏れリアクタンスの比が等しい。三相では相回転と角変位も一致
並行運転に不要な条件効率が等しいこと。容量は異なってもよい
%インピーダンス定格電流時の内部電圧降下を定格電圧に対する百分率で表す。短絡電流=定格電流×100/%Z
V結線の出力単相変圧器1台の容量Pの√3倍(√3P)
V結線の利用率√3/2≒0.866(約86.6%)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に変圧器の鉄心と巻線を大きく描き、鉄心から左下の鉄損へ、巻線から右下の銅損へ矢印を伸ばす。下部は縦線で左右に仕切り、左に無負荷時の鉄損、右に負荷電流で変わる銅損を示す。
覚えること:定電圧・定周波数なら無負荷でも鉄損

容量50kVAの範囲で力率0.8の負荷を考える単純な例では、有効電力は50×0.8=40kWです。50kVAという表示を、そのままどの負荷でも50kWまでと読まないようにします。

鉄損は主に鉄心で発生し、一定電圧・周波数では負荷がなくても生じます。銅損は巻線の抵抗による損失で、負荷電流の二乗に応じて変化します。

出力を入力で割った効率と、定格容量は別の情報です。また同じ容量でも設置条件や冷却方式、周囲環境との適合を確認する必要があります。

変圧器の定格と損失

変圧器の定格と損失の図解。中央に負荷電流を横軸とするグラフを置き、一次電圧が一定のときの鉄損をほぼ水平線、銅損を右上がりの曲線で示す。2本の線が等しくなる位置に「効率最大」を記し、下側に変圧器と二次側の負荷を1組だけ描く。
覚えること:鉄損と銅損が等しい負荷で効率最大

変圧器の定格容量は通常VAで表し、負荷の有効電力Wだけで必要容量を決めません。一次・二次の電圧比は巻数比、電流比はその逆です。実際の容量選定は最大需要、力率、温度上昇、将来負荷も条件になります。

鉄損はヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷の大小に関係なくほぼ一定ですが、一次電圧が高くなると増えます。銅損は巻線のI²R損で、電流2倍なら4倍です。効率は鉄損と銅損が等しい負荷で最大になります。

試験に出る

  • 定格容量はkVA、負荷の有効電力はkWで表され、両者を同一視しない。
  • 鉄損は負荷の有無にかかわらず、一定電圧・周波数で生じる。
  • 銅損は負荷電流の二乗に比例する。
  • 効率は出力÷入力で求め、定格容量とは別の指標である。
  • 容量が同じでも冷却方式や設置環境への適合を確認する。
  • 並行運転の条件に「効率が等しいこと」は含まれない。
  • V結線の出力は1台の容量の√3倍、利用率は√3/2。
  • %Zが小さいほど短絡電流は大きい(短絡電流=定格電流×100/%Z)。
  • 負荷電流が2倍なら銅損は4倍。鉄損は負荷で変わらない。

重要な言葉

定格容量
変圧器が連続して扱える容量。kVAで表す。
鉄損
鉄心で生じ、負荷がない状態でも一定電圧・周波数で発生する損失。
銅損
巻線抵抗による損失で、負荷電流の二乗に比例する。
%インピーダンス
定格電流を流したときの変圧器内部の電圧降下を、定格電圧に対する百分率で表した値。
V結線
単相変圧器2台で三相電力を供給する結線。出力は1台の容量の√3倍。
並行運転
複数の変圧器の一次側・二次側をそれぞれ並列につなぎ、負荷を分担させる運転。

確認問題

確かめよう同じ巻線抵抗で電流が半分なら銅損は?

4分の1。無負荷でも残る鉄損との違いを説明できます。

定格容量50kVAの変圧器は、どの負荷でも有効電力50kWまで供給できる。

鉄損は、負荷がない状態でも発生する。

同一容量の単相変圧器を並行運転するには、各変圧器の効率が等しい必要がある。

同容量の単相変圧器2台をV結線したときの1台当たりの利用率は√3/2である。

定格容量50kVA、力率0.8の負荷の有効電力は?

負荷電流が半分になると、銅損はどうなる?

定格容量100kV・Aの単相変圧器2台をV結線したときの最大出力〔kV・A〕は?

同一容量の単相変圧器を並行運転するための条件として、必要でないものは?

変圧器を機器として選ぶときは、電圧を変える比率だけでなく、どれだけの負荷を供給できるかと損失を確認します。銘板のと、負荷のkWの違いが大切です。

容量50kVAの範囲で力率0.8の負荷を考える単純な例では、有効電力は50×0.8=です。50kVAという表示を、そのままどの負荷でも50kWまでと読まないようにします。

は主に鉄心で発生し、一定電圧・周波数では負荷がなくても生じます。は巻線の抵抗による損失で、負荷電流の二乗に応じて変化します。

出力を入力で割ったと、定格容量は別の情報です。また同じ容量でも設置条件や冷却方式、周囲環境との適合を確認する必要があります。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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