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日商簿記検定 · 学習ガイド

資本金と利益剰余金

資本金とは

資本金とは、株主からの出資として受け入れた元手で、利益の蓄積とは区別して純資産に計上します。

エルくんが出資100の札と利益5の札を別々の純資産の箱へ入れる図。
考え方の例:出資100万円を全額資本金とする条件です。出資は売上ではなく、当期利益5万円は繰越利益剰余金へつながります。 箱は純資産の内訳を表す比喩で、現金の保管場所を示しているわけではありません。

株主から受け入れた出資と、営業などで稼いだ利益は、どちらも純資産へつながりますが増えた理由が違います。3級では貸借対照表の資本金と繰越利益剰余金を区別します。

資本金と利益剰余金
変動資本金繰越利益剰余金P/Lの利益
新たな出資増加変化なし変化なし
当期純利益変化なし増加増加
配当変化なし減少(配当額と利益準備金の積立額)変化なし

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に「株式発行」、その下を縦線で借方・貸方に分け、左に「現金100万円」、右に「資本金100万円」を同じ高さで配置する。株式発行から左右へ矢印を下ろし、最下部に「当期純利益は増えない」を置く。
覚えること:株式発行で全額資本金なら当期純利益増えず

株式発行で現金100万円を受け入れ全額資本金とする条件なら、借方現金100万円、貸方資本金100万円です。売上ではないため、この取引だけで当期純利益は増えません。

当期の収益から費用を引いた利益は、決算で損益勘定から繰越利益剰余金へ振り替えます。期首の繰越利益剰余金20万円、当期純利益5万円、他の変動なしなら期末は25万円です。

配当は株主への利益の分配であり、営業の費用とは区別します。株主資本等変動計算書の作成は2級で学ぶ範囲なので、ここでは出資と利益が貸借対照表へつながる関係を押さえます。

出資・利益・配当の三方向

出資・利益・配当の三方向の図解。正方形の左側に出資から資本金・資産へ向かう矢印、右側に期首の繰越利益剰余金へ当期純利益が入り、配当と利益準備金が出ていく矢印を配置する。左右を縦線で仕切り、出資100万円から繰越利益剰余金へは矢印を引かない。
覚えること:20万+5万-2万-2千=22万8千円

出資を受けると資本金と資産が増えます。事業の利益は収益と費用の差で、決算振替により繰越利益剰余金を増やします。株主総会で配当を決議すると、繰越利益剰余金を減らして未払配当金と利益準備金(積立額は問題文で与えられます)を計上します。出資と配当はP/Lの売上や費用ではありません。

例えば期首繰越利益剰余金20万円から配当2万円と利益準備金の積立2千円を行い、当期純利益が5万円なら、期末の繰越利益剰余金は22万8千円です。資本金への出資100万円が別にあっても、この金額へ足しません。株主資本等変動計算書そのものの作成は2級の範囲です。

貸借対照表の繰越利益剰余金

貸借対照表の繰越利益剰余金の図解。左の試算表額1,671,680円に、中央の当期純利益350,050円を「+」で合流させ、右の貸借対照表の額2,021,730円へ矢印でつなぐ。左・中央・右を薄い仕切りで分け、加算の流れを一場面で示す。
覚えること:当期純利益なら試算表額に加算

決算整理前(整理後)残高試算表の繰越利益剰余金は、期中の配当などを反映した額で、当期純利益はまだ含みません。当期純利益は決算で損益勘定から繰越利益剰余金勘定へ振り替えるため、貸借対照表には試算表の金額に当期純利益を加えた額を記入します。

サンプル5では、試算表の繰越利益剰余金1,671,680円に当期純利益350,050円を加え、2,021,730円と表示します。当期純損失なら、その分を差し引きます。

試験に出る

  • 株主からの出資は資本金、営業で稼いだ利益は繰越利益剰余金と区別する点が頻出です。
  • 株式発行で受け入れた現金は売上ではないため、当期純利益を増やさない点に注意します。
  • 期首の繰越利益剰余金20万円に当期純利益5万円を足して、期末25万円とする計算を押さえます。
  • 配当は営業の費用ではなく、利益の分配であることを確認します。
  • 株主資本等変動計算書の作成は、2級の範囲であることを押さえます。
  • 貸借対照表の繰越利益剰余金は、試算表の金額に当期純利益を加えて記入する点が第3問で問われます。

重要な言葉

資本金
株主からの出資として受け入れた元手。
繰越利益剰余金
稼いだ利益を蓄積し、次期へ繰り越す純資産。
配当
株主へ利益を分配すること。

確認問題

確かめよう100万円の出資と5万円の当期利益は同じ勘定へ入る?

いいえ。この条件では出資は資本金、利益は繰越利益剰余金へつながります。

株式発行で受け入れた現金は、売上なので当期純利益が増える。

配当は営業の費用として損益計算書に計上する。

財務諸表を作成するとき、貸借対照表の繰越利益剰余金は決算整理後残高試算表の金額をそのまま記入する。

株式発行で現金100万円を受け入れ、全額を資本金とした仕訳は?

期首繰越利益剰余金20万円・当期純利益5万円・他の変動なしの期末は?

株主から受け入れた出資と、営業などで稼いだ利益は、どちらも純資産へつながりますが増えた理由が違います。3級では貸借対照表のと繰越利益剰余金を区別します。

株式発行で現金100万円を受け入れ全額資本金とする条件なら、借方現金100万円、貸方100万円です。売上ではないため、この取引だけで当期純利益は増えません。

当期の収益から費用を引いた利益は、決算で損益勘定からへ振り替えます。期首の繰越利益剰余金20万円、当期純利益5万円、他の変動なしなら期末は25万円です。

は株主への利益の分配であり、営業の費用とは区別します。株主資本等変動計算書の作成は2級で学ぶ範囲なので、ここでは出資と利益が貸借対照表へつながる関係を押さえます。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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