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日商簿記検定 · 学習ガイド

未実現利益の消去

未実現利益の消去とは

未実現利益の消去とは、グループ内で付いた利益のうち外部へまだ売れていない部分を取り除き、連結上の利益を外部取引だけに基づかせる手続きです。

エルくんが説明する図解。原価8→内部売価10→外部未販売、差2を消して在庫8へ戻す。
考え方の例:原価8万円の商品を子会社へ10万円で売り、その全量が期末に残るなら、内部利益2万円を期末商品から控除します。連結上の商品は原価8万円です。

グループ内で内部利益を付けて売っても、商品が外部へ出ていなければグループ全体の利益はまだ実現していません。

未実現利益の消去
場面・論点連結上の処理
期末商品外部未販売分の内部利益を商品から控除
翌期の商品前期の消去を引き継ぎ、外部販売時に利益を実現
土地外部売却まで内部の固定資産売却益を消し、売り手の売却前の帳簿価額に戻す
アップストリーム全額消去し、非支配株主の持分比率分を非支配株主持分に負担させる

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に期末商品10万円を「原価8万円」と「内部利益2万円」の2区画で描く。エルくんが利益の区画を取り外し、右向き矢印の先に残った「連結商品8万円」を示す。
覚えること:全量期末残なら内部利益2万円消去

原価8万円の商品を子会社へ10万円で売り、その全量が期末に残るなら、内部利益2万円を期末商品から控除します。連結上の商品は原価8万円です。

期末在庫に含まれる内部利益を消去し、翌期に外部へ売れたときに実現させます。子会社が売り手の場合は非支配株主持分への影響にも注意します。

内部売価の20%が利益という条件と、原価に20%上乗せという条件は違います。売価12万円なら、前者の利益は12万円×20%=2.4万円、後者は12万円×0.2÷1.2=2万円です。

商品・土地と翌期の扱い

商品・土地と翌期の扱いの図解。中央に土地を一つ描き、左の「内部売価10万円」から右の「連結上の土地8万円」へ矢印でつなぐ。矢印の途中で売却益2万円を取り除く様子を示し、外部売却までは右の金額を保つ。
覚えること:外部売却まで土地は8万円

期末商品の内部利益は、期末にまだグループ外へ販売されていない部分だけ消します。内部売価10万円に対し原価8万円なら利益2万円、半分だけ期末に残るなら未実現利益は1万円です。

前期末に消した商品利益は翌期の外部販売時に実現します。翌期の開始仕訳で前期の修正を引き継ぎ、当期の売上原価を減らして実現を反映する流れを押さえます。期首と期末の商品を同じ向きに消し続けません。

土地をグループ内で帳簿価額8万円から10万円で売っても、外部へ売却するまで連結上の土地は8万円です。固定資産売却益2万円を消去し、土地を2万円減らします。商品は外部への販売時、土地は外部への売却時に内部利益を実現させます。

ダウンストリームでは未実現利益を全額消去し、親会社株主だけが負担します。アップストリームでは全額消去したうえで、非支配株主の持分比率分を非支配株主持分に負担させます(非支配株主持分を減らし、非支配株主に帰属する当期純利益も減らします)。

商品・土地と翌期の扱い
場面(未実現利益2万円、非支配株主20%)借方金額貸方金額
期末商品(ダウンストリーム)売上原価2万円商品2万円
期末商品(アップストリーム)売上原価2万円商品2万円
非支配株主持分4,000円非支配株主に帰属する当期純利益4,000円
翌期:開始仕訳(ダウンストリーム)利益剰余金2万円商品2万円
翌期:外部販売による実現商品2万円売上原価2万円
土地の売却(ダウンストリーム)固定資産売却益2万円土地2万円

試験に出る

  • 期末在庫に含まれる内部利益の計算と消去が問われます。
  • 内部売価の利益率と原価への上乗せ率を混同させる問題に注意します。
  • 子会社が売り手の場合、非支配株主持分への影響を考える問題があります。
  • 未実現利益は翌期に外部へ売れた時点で実現することを押さえます。
  • グループ内で売れても外部へ出ていなければ利益は実現しない点が問われます。
  • アップストリームでは未実現利益を全額消去したうえで、非支配株主の持分比率分を非支配株主持分に負担させます。

重要な言葉

未実現利益
グループ内の取引で付いた利益のうち、外部へまだ売れていない商品に含まれる部分。
アップストリーム
子会社が親会社へ商品を売る取引。
期末商品
決算時に在庫として残っている商品。
ダウンストリーム
親会社が子会社へ商品などを売る取引。未実現利益は全額消去し、非支配株主には負担させない。

確認問題

確かめよう原価8万円の商品を子会社へ10万円で売り、全量が期末に残るとき、未実現利益はいくら?

2万円です。

原価8万円の商品を10万円で子会社へ売り、全量が期末に残る場合、連結上の商品は10万円である。

期末在庫の未実現利益は、翌期に外部へ売れた時点で実現する。

原価8万円の商品を子会社へ10万円で売り、全量が期末在庫のとき、消去する未実現利益は?

子会社が親会社へ商品を売る取引を何という?

グループ内でを付けて売っても、商品が外部へ出ていなければグループ全体の利益はまだ実現していません。

原価8万円の商品を子会社へ10万円で売り、その全量が期末に残るなら、内部利益2万円を期末商品から控除します。連結上の商品はです。

期末在庫に含まれる内部利益を消去し、翌期に外部へ売れたときに実現させます。子会社が売り手の場合はへの影響にも注意します。

内部売価のが利益という条件と、原価に20%上乗せという条件は違います。売価12万円なら、前者の利益は12万円×20%=2.4万円、後者は12万円×0.2÷1.2=2万円です。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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