ネットワークの役割分担とは
ネットワークの役割分担では、名前解決・中継・設定配布・暗号化など、目的の異なる仕組みが協力して通信を支えることを学びます。

Webページが開けないとき、名前を調べる段階と、宛先へ通信する段階を分けると原因を探せます。ネットワークでは役割の違う装置や仕組みが協力します。
基本の仕組み

DNSはドメイン名に対応するIPアドレス等を調べ、ルータは異なるネットワークへパケットを中継します。DHCPは端末へIPアドレス等の設定情報を配る仕組みです。
HTTPはWebの要求と応答の規約で、HTTPSはTLSによって通信を保護します。無線LANは端末とアクセスポイント等を無線で結びますが、無線につながることとインターネットへ到達できることは別です。
VPNは離れた拠点等を仮想的な専用の接続として扱う仕組みです。暗号化の有無や範囲は方式により、VPNだから全ての端末が安全になるわけではありません。HTTPSの鍵表示もサイト内容の正しさを保証しません。
電池で動く温度センサの値を離れた場所へ少しずつ送るなら、速度だけでなく通信距離と消費電力を比べます。LPWAは低消費電力で広い範囲を結ぶ通信の総称で、少量の測定値などを送る用途に適します。大容量映像を連続送信するための高速通信と同じ基準で選ばないようにします。
Bluetooth Low Energy(BLE)は低消費電力での動作を重視したBluetoothの方式で、身に着けたセンサとスマートフォンの間の通信などに使われます。LPWAとBLEはともに省電力を重視しますが、接続先や利用範囲、必要なデータ量から選びます。到達距離は方式・出力・周囲の障害物などで変わり、一定の距離を必ず保証するものではありません。
通信機器とプロトコル

アクセスポイントは無線端末をLANへ接続し、ルータは異なるネットワーク間の経路を選びます。DHCPは端末へIPアドレス等を割り当て、DNSは名前をIPアドレスへ変換します。HTTPはWebのやり取り、HTTPSはTLSで保護されたWeb通信です。
VPNは公衆網を使って拠点や端末間に保護された通信路を作ります。BLEは近距離の低消費電力通信、LPWAは比較的広い範囲で少量のデータを低消費電力で送る用途です。通信距離、速度、電力の条件から方式を選びます。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| DHCP | IPアドレスなどの自動設定 |
| DNS | 名前の解決 |
| HTTPS | Web通信の保護 |
| VPN | 公衆網上の保護された通信路 |
プロトコルの階層

インターネットの通信はTCP/IPの四つの階層で役割を分けます。同じ名前の「アドレス」でも、IPアドレスはインターネット層、ポート番号はトランスポート層で使う識別子です。
電子メールは、送信とサーバ間の転送にSMTP、受信にPOP3またはIMAPを使います。POP3はメールを端末へダウンロードして読むのが基本で、IMAPはメールをサーバ上に置いたまま複数の端末から同じ状態で読めます。
TCPは確認応答と再送で確実に届けることを重視し、UDPは確認を省いて即時性を重視します(音声通話や動画配信など)。IPv4のアドレスは32ビット、IPv6は128ビットです。組織内ではプライベートIPアドレスを使い、外部と通信するときにNAT(NAPT)でグローバルIPアドレスへ変換します。
| 層 | 役割 | 主なプロトコル・規格 |
|---|---|---|
| アプリケーション層 | アプリごとの通信手順 | HTTP、HTTPS、SMTP、POP3、IMAP、DNS、DHCP、FTP、NTP |
| トランスポート層 | 端末間の転送の信頼性、ポート番号によるアプリの区別 | TCP、UDP |
| インターネット層 | IPアドレスによる宛先指定と中継 | IP(IPv4、IPv6) |
| ネットワークインタフェース層 | 同じネットワーク内での物理的な伝送 | イーサネット、無線LAN(IEEE 802.11) |
試験に出る
- DNS(名前解決)・ルータ(中継)・DHCP(設定配布)の役割の違い。
- HTTPとHTTPSの違い(TLSによる通信の保護)。
- 無線LANにつながることと、インターネットへ到達できることは別であること。
- VPNの暗号化の有無や範囲は方式によって異なること。
- LPWAとBLEの用途の違いと、距離・消費電力・データ量での選択。
- メールの送信(SMTP)と受信(POP3・IMAP)の違い、TCPとUDPの違い。
重要な言葉
- ルータ
- 異なるネットワークの間でパケットを中継する装置。
- DHCP
- 端末にIPアドレスなどの設定情報を自動で配る仕組み。
- HTTPS
- TLSで通信を保護するHTTP。
- LPWA
- 低消費電力で広い範囲を結ぶ無線通信の総称。
- IMAP
- メールをサーバ上に置いたまま、複数の端末から閲覧・管理できる受信用プロトコル。
確認問題
確かめようDNSを使うとWeb通信が自動的に暗号化される?
いいえ。名前を調べる役割と通信を保護する役割は別です。
DNSを使えば、Web通信は自動的に暗号化される。
LPWAは、低消費電力で広い範囲を結ぶ通信に適する。
端末にIPアドレスなどの設定情報を配る仕組みは?
低消費電力で広い範囲を結ぶ無線通信の総称は?
Webページが開けないとき、名前を調べる段階と、宛先へする段階を分けると原因を探せます。ネットワークでは役割の違う装置や仕組みが協力します。
はドメイン名に対応するIPアドレス等を調べ、は異なるネットワークへパケットを中継します。DHCPは端末へIPアドレス等の設定情報を配る仕組みです。
はWebの要求と応答の規約で、はTLSによって通信を保護します。無線LANは端末とアクセスポイント等を無線で結びますが、無線につながることとインターネットへ到達できることは別です。
は離れた拠点等を仮想的な専用の接続として扱う仕組みです。の有無や範囲は方式により、VPNだから全ての端末が安全になるわけではありません。HTTPSの鍵表示もサイト内容の正しさを保証しません。
電池で動く温度センサの値を離れた場所へ少しずつ送るなら、速度だけでなく通信距離とを比べます。は低消費電力で広い範囲を結ぶ通信の総称で、少量の測定値などを送る用途に適します。大容量映像を連続送信するための高速通信と同じ基準で選ばないようにします。
Bluetooth Low Energy()は低消費電力での動作を重視したBluetoothの方式で、身に着けたセンサとスマートフォンの間の通信などに使われます。LPWAとBLEはともに省電力を重視しますが、接続先や利用範囲、必要なデータ量から選びます。は方式・出力・周囲の障害物などで変わり、一定の距離を必ず保証するものではありません。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- IPA:ITパスポート試験の内容・出題範囲 ↗
- IPA:過去問題・公開問題 ↗
- IPA:ITパスポート試験シラバス Ver.6.5(2026年1月) ↗
- Bluetooth SIG:Bluetooth Technology Overview ↗
- ルネサス:LoRaソリューションの低電力広域通信 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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