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ITパスポート試験 · 学習ガイド

法務と標準化

法務と標準化とは

法務と標準化とは、創作や発明を守る権利の仕組みと、互換性や品質の共通条件を決める仕組みを扱う領域です。

エルくんが説明する図解。表現を守る著作権・発明を守る特許・互換性を支える標準化の三列比較。
自分で作成した文章には、原則として創作した時点で著作権が生じます。一方、発明の特許権は出願しただけでは成立せず、審査を経た設定登録が必要です。

ネットで見つけた画像を会社の広告に使う前に、利用できる権利があるかを確認します。法務は、便利さだけでは判断できない仕事の境界を定めます。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の大きな原稿では自分の文章を主にし、その中へ小さな引用部分を従として置く。引用部分をかぎ括弧で囲み、出所を直下に記す。左の「公表済みの著作物」から引用部分へ矢印を引く。
覚えること:引用は公表・主従・区別・出所などが必要

自分で作成した文章には、原則として創作した時点で著作権が生じます。一方、発明の特許権は出願しただけでは成立せず、審査を経た設定登録が必要です。

著作権は創作的な表現、特許権は技術的な発明を守ります。標準化は互換性や品質の共通条件を作る仕組みで、権利保護とは目的が違います。

出典を書けばどんな転載も許されるわけではありません。著作権法上の引用と認められるには、公表された著作物であること、自分の文章が主で引用部分が従であること、引用部分をかぎ括弧などで明確に区別すること、出所を明示することなどが必要です。写真をそのまま広告に使う場合は、通常は引用ではなく権利者の利用許諾が必要です。

個人情報は利用目的をできる限り特定し、目的外に利用するには原則として本人の同意が必要です。第三者への提供も原則として本人の同意が必要ですが、業務の委託に伴って委託先へ渡す場合は第三者提供に当たらず、委託元が委託先を監督します。病歴や犯罪歴などの要配慮個人情報は、取得にも原則として本人の同意が必要です。

不正アクセス禁止法は、他人のID・パスワード(識別符号)を無断で入力して、利用が制限されたコンピュータを使う行為を禁止します。脆弱性を突いてアクセス制御を回避する行為、他人の識別符号を不正に取得・保管する行為、正当な理由なく第三者へ教える行為、フィッシングサイトで入力させる行為も対象です。パスワードを知っていることと、アクセスする権限があることは同じではありません。

業務委託では、成果や作業の内容、検収、権利帰属を契約で明らかにします。特に取決めがなければ、請負で開発したプログラムの著作権は開発した受託側に帰属するため、発注者が権利を得るには契約で譲渡を定めます。一方、会社の発意に基づき従業員が職務上作成したプログラムは、別段の定めがなければ会社が著作者になります(職務著作)。

労働者派遣では、労働者と雇用契約を結んで給与を払うのは派遣元、日々の業務を指揮命令するのは派遣先です。請負では受託側が自社の労働者を指揮命令し、発注者は受託側の労働者へ直接指示しません。契約名が請負でも発注者が直接指示していれば、実態は派遣(偽装請負)と判断され得ます。

下請法は2026年1月1日に改正され、中小受託取引適正化法(取適法)となりました。シラバスVer.6.5もこの名称を用います。資本金や従業員数で一定の関係にある委託事業者(発注者)は、発注内容を書面や電子メール等で明示し、給付の受領日から60日以内に定めた支払期日までに代金を支払います。受領拒否、代金の減額、支払遅延、買いたたき、協議に応じない一方的な代金決定、手形による支払などは禁止されます。

権利・取引・標準の分類

権利・取引・標準の分類の図解。画面を縦に二分し、左は「創作的な表現」から「著作権」へ直結する矢印、右は「特許庁へ出願」から「設定登録」を経て「特許権」に至る矢印を描く。左右の間には仕切りを置き、発生条件の違いを示す。
覚えること:著作権は創作時/特許権は出願・設定登録

知的財産権には、創作と同時に発生する著作権と、特許庁への出願と設定登録で発生する産業財産権があります。産業財産権は特許権、実用新案権、意匠権、商標権の四つで、保護対象が発明・考案・デザイン・標識と異なります。実用新案権は実体審査を経ずに登録される点で特許権と異なります。

プログラムは著作物として保護されますが、プログラム言語、規約(プロトコル)、解法(アルゴリズム)は著作権法の保護対象外です。操作マニュアルは文章の著作物として保護されます。

不正競争防止法は、営業秘密の不正な取得・使用・開示、周知・著名な商品表示の不正使用、他人の商品名等に類似したドメイン名の不正取得などを規制します。営業秘密として保護されるには、秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業に有用であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の三要件を満たす必要があります。

標準には、ISOやIECなどの国際規格、JISなどの国家規格、業界団体の規格、市場で広く使われて事実上の標準となったデファクトスタンダードがあります。規格への適合と法令の遵守は別の問題です。

権利・取引・標準の分類
権利保護対象発生と存続期間
著作権創作的な表現(プログラムを含む)創作時に発生。原則として著作者の死後70年
特許権技術的な発明設定登録で発生。出願から20年
実用新案権物品の形状・構造などの考案設定登録で発生。出願から10年
意匠権物品・建築物・画像のデザイン設定登録で発生。出願から25年
商標権商品・サービスの識別標識設定登録で発生。登録から10年、更新可

試験に出る

  • 著作権は創作した時点で発生し、特許権は出願・審査・設定登録が必要という違い。
  • プログラムは著作権で保護されるが、プログラム言語・規約・アルゴリズムは保護されないこと。
  • 引用の要件(主従関係・明瞭区分・出所明示など)と、出典表示だけでは利用許諾にならないこと。
  • 営業秘密の三要件(秘密管理性・有用性・非公知性)と、不正競争防止法の規制対象。
  • 個人情報は利用目的を特定し、第三者提供と委託では必要な手続が異なること。
  • 不正アクセス禁止法が、他人のID・パスワードの無断入力だけでなく不正取得や提供も規制すること。
  • 労働者派遣(雇用は派遣元、指揮命令は派遣先)と請負の違い、中小受託取引適正化法の義務と禁止行為。

重要な言葉

著作権
文章や音楽など創作的な表現を、創作した時点で守る権利。
特許権
技術的な発明を、出願・審査・設定登録を経て守る権利。
標準化
互換性や品質のために共通の条件を決めること。
個人情報
特定の個人を識別できる情報。利用目的の特定が必要。
営業秘密
秘密管理性・有用性・非公知性を満たし、不正競争防止法で守られる技術・営業上の情報。
職務著作
会社の発意で従業員が職務上作成した著作物について、会社を著作者とする扱い。

確認問題

確かめよう他人の写真に出典を添えれば広告へ自由に掲載できる?

いいえ。出典表示と利用許諾は別の問題です。

著作権は、作品を創作した時点で発生する。

出典を表示すれば、他人の写真を広告に自由に使える。

プログラムのアルゴリズムは、著作権法で保護される。

出願しただけでは権利が成立せず、審査を経た設定登録が必要なのは?

他人の識別符号の不正な利用を規制する法律は?

労働者派遣で、派遣労働者に日々の業務を指揮命令するのは?

ネットで見つけた画像を会社の広告に使う前に、利用できるがあるかを確認します。は、便利さだけでは判断できない仕事の境界を定めます。

自分で作成した文章には、原則として創作した時点でが生じます。一方、発明のは出願しただけでは成立せず、審査を経た設定登録が必要です。

著作権は創作的な表現、特許権は技術的な発明を守ります。はや品質の共通条件を作る仕組みで、権利保護とは目的が違います。

出典を書けばどんな転載も許されるわけではありません。著作権法上のと認められるには、公表された著作物であること、自分の文章が主で引用部分が従であること、引用部分をかぎ括弧などで明確に区別すること、出所を明示することなどが必要です。写真をそのまま広告に使う場合は、通常は引用ではなく権利者の利用許諾が必要です。

は利用目的をできる限り特定し、目的外に利用するには原則として本人の同意が必要です。第三者への提供も原則として本人の同意が必要ですが、業務の委託に伴って委託先へ渡す場合は第三者提供に当たらず、委託元が委託先を監督します。病歴や犯罪歴などの要配慮個人情報は、取得にも原則として本人の同意が必要です。

は、他人のID・パスワード(識別符号)を無断で入力して、利用が制限されたコンピュータを使う行為を禁止します。脆弱性を突いてアクセス制御を回避する行為、他人の識別符号を不正に取得・保管する行為、正当な理由なく第三者へ教える行為、フィッシングサイトで入力させる行為も対象です。パスワードを知っていることと、アクセスする権限があることは同じではありません。

では、成果や作業の内容、検収、権利帰属を契約で明らかにします。特に取決めがなければ、請負で開発したプログラムの著作権は開発した受託側に帰属するため、発注者が権利を得るには契約で譲渡を定めます。一方、会社の発意に基づき従業員が職務上作成したプログラムは、別段の定めがなければ会社が著作者になります(職務著作)。

では、労働者と雇用契約を結んで給与を払うのは派遣元、日々の業務を指揮命令するのは派遣先です。請負では受託側が自社の労働者を指揮命令し、発注者は受託側の労働者へ直接指示しません。契約名が請負でも発注者が直接指示していれば、実態は派遣(偽装請負)と判断され得ます。

下請法は2026年1月1日に改正され、(取適法)となりました。シラバスVer.6.5もこの名称を用います。資本金や従業員数で一定の関係にある委託事業者(発注者)は、発注内容を書面や電子メール等で明示し、給付の受領日から以内に定めた支払期日までに代金を支払います。受領拒否、代金の減額、支払遅延、買いたたき、協議に応じない一方的な代金決定、手形による支払などは禁止されます。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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