プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、作業の順序と限られた時間・費用・人員を整え、目標の達成を管理する仕事です。

イベントの準備では、会場が決まらないと案内状を作れません。プロジェクト管理は、作業の順序と限られた時間・費用・人員を整える仕事です。
基本の仕組み

Aが2日、Aの後にBが3日とCが5日、両方の完了後にDが1日なら、全体は2+5+1=8日です。Bを1日短縮しても全体の8日は変わりません。
WBSで成果物を作業へ分解し、依存関係を結んだ最長経路をクリティカルパスとして見ます。並行できる作業を単純に全部足さないのがポイントです。
期間短縮は品質や費用に影響することがあります。担当を増やせばいつでも比例して早く終わるわけではなく、分担や調整の時間も生まれます。
プロジェクトのリスクは、発生確率と起きた場合の影響を見て優先順位を付けます。事前に避ける、影響を減らす、保険等で移転(転嫁)する、対応費用との比較で受容するなどの判断をします。追加機能を無審査で受け入れると、当初の費用や納期の前提が崩れるため、変更の影響を合意します。
余裕日数と日程短縮

各作業について、前から積み上げた最早開始日と、全体の完了日から逆算した最遅開始日を求め、その差を余裕日数とします。余裕が0の作業を結んだ経路がクリティカルパスです。例では、Bは2日目の終了後に始められ、Dの開始(7日目の終了後)から逆算すると4日目の終了後までに始めればよいので、2日の余裕があります。
日程を短縮する方法には、クリティカルパス上の作業に要員などの資源を追加するクラッシング(費用が増える)と、本来は順番に行う作業を一部並行させるファストトラッキング(手戻りのリスクが増える)があります。クリティカルパス以外の作業を短縮しても全体は縮みません。
短縮すると、別の経路が新しいクリティカルパスになることがあります。例でCを5日から2日に縮めると、A→C→Dは5日になり、A→B→Dの6日が最長になるため、全体は6日です。
| 方法 | やり方 | 主な副作用 |
|---|---|---|
| クラッシング | クリティカルパス上の作業に資源を追加する | 費用の増加 |
| ファストトラッキング | 順番に行う作業を一部並行させる | 手戻りのリスク |
EVMで進捗とコストを測る

EVM(アーンドバリューマネジメント)は、進捗と費用を同じ金額の尺度で比べる方法です。PV(計画価値)は現時点までに終える予定だった作業の予算、EV(出来高、アーンドバリュー)は実際に終えた作業の予算、AC(実コスト)は実際に使った費用です。
スケジュール差異SV=EV−PV、コスト差異CV=EV−ACで、負ならそれぞれ遅れ・超過です。比率で見るときは、SPI=EV÷PV、CPI=EV÷ACが1未満なら遅れ・超過です。例えばPV100万円、EV80万円、AC90万円なら、SV=−20万円、CV=−10万円で、遅れと予算超過が同時に起きています。
完成時の総予算(BAC)をCPIで割ると、現在のコスト効率が続いた場合の完成時総コストの見積り(EAC)になります。EVだけ、ACだけを見ても判断できず、必ず比べる相手を確認します。
| 指標 | 計算 | 読み方 |
|---|---|---|
| SV(スケジュール差異) | EV−PV | 負なら予定より遅れ |
| CV(コスト差異) | EV−AC | 負なら予算超過 |
| SPI(スケジュール効率指数) | EV÷PV | 1未満なら遅れ |
| CPI(コスト効率指数) | EV÷AC | 1未満なら超過 |
見積り手法

ファンクションポイント法は、外部入力・外部出力・外部照会・内部論理ファイル・外部インタフェースファイルの数を、それぞれの複雑さで重み付けして合計し、ソフトウェアの規模を求めます。利用者から見える機能を数えるため、開発言語に依存せず、要件が固まった早い段階から使えます。
ほかに、過去の似たプロジェクトを基にする類推見積り、WBSの作業ごとに見積もって積み上げるボトムアップ見積り、規模などの変数と統計的な式から求めるパラメトリック見積り(COCOMOなど)、ソースコードの行数を基にするLOC法があります。三点見積り(PERT)では、期待値を(楽観値+4×最可能値+悲観値)÷6で求めます。
| 手法 | 見積りの基にするもの |
|---|---|
| ファンクションポイント法 | 機能の数と複雑さ |
| 類推見積り | 過去の類似プロジェクトの実績 |
| ボトムアップ見積り | WBSの作業ごとの見積りの合計 |
| パラメトリック見積り | 規模などの変数と統計的な式 |
| 三点見積り | 楽観値・最可能値・悲観値 |
リスク対応と変更管理

マイナスのリスクへの対応は、回避・転嫁(移転)・軽減・受容に分けられます。不慣れな技術を使わない設計へ変えるのが回避、保険や契約で損失の負担を他者へ移すのが転嫁、試作で問題を早めに見つけて影響を小さくするのが軽減、影響が小さいものを予備費などで受け止めるのが受容です。
進捗の遅れや追加要求による変更は、スコープ・スケジュール・費用・品質への影響を評価し、決められた承認者(変更管理委員会など)の承認を得てから計画に反映します。承認前に作業を進めると、費用や納期の前提が崩れたまま管理できなくなります。
| リスク対応 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 回避 | リスクの原因を取り除く | 不慣れな技術を使わない設計に変える |
| 転嫁(移転) | 損失の負担を第三者へ移す | 保険や契約で負担を移す |
| 軽減 | 発生確率や影響を小さくする | 試作で問題を早めに見つける |
| 受容 | 対策をとらず受け入れる | 予備費で受け止める |
| 方法 | 目的 |
|---|---|
| WBS | 作業の分解 |
| クリティカルパス | 全体期間を決める経路 |
| 変更管理 | 影響評価と承認 |
試験に出る
- クリティカルパスは依存関係を結んだ最長経路で、並行作業を全て足すのではない点。
- 最長経路上の作業が遅れると全体の期間もそのまま延びる点。
- WBSで成果物を作業へ分解する考え方。
- 期間短縮は品質や費用へ影響し、担当を増やしても比例して早くならない点。
- リスクは発生確率と影響で優先順位を付け、回避・転嫁(移転)・軽減・受容を使い分ける点。
- EVMでは、SV=EV−PV、CV=EV−ACが負なら遅れ・超過、SPI・CPIが1未満なら遅れ・超過と読む点。
- クラッシングは資源の追加で費用が増え、ファストトラッキングは作業の並行で手戻りのリスクが増える点。
- ファンクションポイント法は機能の数と複雑さから規模を見積もり、開発言語に依存しない点。
重要な言葉
- WBS
- 成果物を実現する作業へ分解して整理したもの。
- クリティカルパス
- 依存関係を結んだ最長経路。遅れが全体の遅れにつながる。
- リスク対応
- 回避・転嫁(移転)・軽減・受容など、リスクへの対処を選ぶこと。
- EVM
- 計画価値・出来高・実コストを金額で比べ、進捗とコストを評価する手法。
- ファンクションポイント法
- 外部入出力やファイルなど機能の数と複雑さから規模を見積もる手法。
- クラッシング
- クリティカルパス上の作業に資源を追加して期間を短縮する方法。
確認問題
確かめようCが1日遅れたら全体は?
9日。最長経路上の作業がそのまま遅れるためです。
クリティカルパスは、並行できる作業をすべて足した合計期間である。
最長経路上の作業が1日遅れると、全体の期間も1日延びる。
A=2日、Aの後にB=3日とC=5日、その後D=1日のとき全体は?
リスクの優先順位を付けるときに見るものは?
PV=100万円、EV=80万円、AC=90万円のときの状況は?
イベントの準備では、会場が決まらないと案内状を作れません。プロジェクト管理は、作業のと限られた時間・費用・人員を整える仕事です。
Aが2日、Aの後にBが3日とCが5日、両方の完了後にDが1日なら、全体は2+5+1=です。Bを1日短縮しても全体の8日は変わりません。
で成果物を作業へ分解し、依存関係を結んだ最長経路をとして見ます。並行できる作業を単純に全部足さないのがポイントです。
期間短縮は品質や費用に影響することがあります。担当を増やせばいつでも比例して早く終わるわけではなく、の時間も生まれます。
プロジェクトのリスクは、発生確率と起きた場合の影響を見て優先順位を付けます。事前に避ける、影響を減らす、保険等で移転(転嫁)する、対応費用との比較で受容するなどの判断をします。追加機能を無審査で受け入れると、当初の費用や納期の前提が崩れるため、変更のします。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- IPA:基本情報技術者試験 ↗
- IPA:現行制度の公開問題 ↗
- IPA:試験要綱・シラバス ↗
- IPA:基本情報技術者試験シラバス Ver.9.2(2026年1月) ↗
- 経済産業省:システム監査基準・システム管理基準 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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