テスト技法とは
テスト技法とは、誤りを見つけやすくするために、試す入力を工夫して選ぶ方法です。

大量の入力をすべて試すのは難しいため、誤りが出やすい代表値を選びます。特に条件が切り替わる境目は重要です。
基本の仕組み

18歳以上を受け付ける処理なら、17・18・19を試すと境界の前後を確認できます。19だけでは「18より大きい」と実装された誤りを見逃すかもしれません。
同値分割は同じ扱いになる入力をグループ化し、境界値分析はその境目を重視します。ホワイトボックステストでは、分岐や経路など内部構造を基に確認します。
テストに通っても誤りが一切ないと証明できるわけではありません。正しい入力だけでなく、異常値や欠落、操作順の違いも仕様に沿って考えます。
テストの段階と結合テストの進め方

単体テストはモジュール内部の処理、結合テストはモジュール間のインタフェース、システムテストは性能や負荷を含めた要件全体、受入テスト(運用テスト)は発注者や利用者が業務で使えるかを確かめます。修正後に、変更していない部分へ悪影響が出ていないかを確かめるのが回帰テスト(リグレッションテスト)です。
結合テストを上位のモジュールから進めるトップダウンテストでは、まだできていない下位モジュールの代わりにスタブを使います。下位から進めるボトムアップテストでは、呼出し元となる上位モジュールの代わりにドライバを使います。
| テストの段階 | 主な確認対象 | 主に実施する側 |
|---|---|---|
| 単体テスト | モジュール内部の処理 | 開発者 |
| 結合テスト | モジュール間のインタフェース | 開発者 |
| システムテスト | 性能・負荷を含む要件全体 | 開発者(開発側) |
| 受入テスト(運用テスト) | 業務で使えるか | 発注者・利用者 |
| 進め方 | テストする順序 | 代わりに用意するもの |
|---|---|---|
| トップダウンテスト | 上位から下位へ | スタブ(下位モジュールの代用) |
| ボトムアップテスト | 下位から上位へ | ドライバ(上位の呼出し元の代用) |
ブラックボックステストと網羅の基準

ブラックボックステストは内部構造を見ずに仕様から入力を選びます。「18歳以上を受け付ける」なら、18以上が有効同値クラス、17以下が無効同値クラスで、同値分割ではそれぞれから代表値を一つずつ選びます。境界値分析(限界値分析)では、境目の17と18を必ず含めます。
ホワイトボックステストは、内部の命令や分岐をどこまで実行したか(網羅、カバレージ)を基準にします。「AかつBなら処理Xを行う」という判定一つなら、命令網羅はAとBがともに真の1ケースで満たせますが、判定条件網羅(分岐網羅)には判定が偽になるケースも必要です。
条件網羅は、AとBがそれぞれ真と偽をとればよいので、(A真・B偽)と(A偽・B真)の2ケースでも満たせます。ただし、この2ケースでは判定がどちらも偽になるため、処理Xが一度も実行されず、判定条件網羅も命令網羅も満たしません。条件の真偽のすべての組合せを試す複数条件網羅が最も強い基準です。
| 網羅の基準 | 満たす条件 | 「AかつB」での最少ケース数 |
|---|---|---|
| 命令網羅 | すべての命令を1回以上実行する | 1 |
| 判定条件網羅(分岐網羅) | 各判定の真と偽を1回以上実行する | 2 |
| 条件網羅 | 各条件の真と偽を1回以上とる(判定結果は問わない) | 2 |
| 複数条件網羅 | 条件の真偽のすべての組合せを試す | 4 |
試験に出る
- 同値分割は同じ扱いになる入力のグループ化、境界値分析はその境目を重視する点の区別。
- 18歳以上なら17・18・19のように、境界の前後と境界値そのものを試す考え方。
- ホワイトボックステストは分岐や経路など内部構造を基に確認する点。
- テストが通っても誤りがないと証明できるわけではない点。
- 異常値・欠落・操作順の違いも仕様に沿って試す必要がある点。
- トップダウンテストでは下位の代わりにスタブ、ボトムアップテストでは上位の代わりにドライバを使う点。
- 条件網羅を満たしても判定条件網羅を満たすとは限らず、複数条件網羅が最も強い基準である点。
重要な言葉
- 同値分割
- 同じ扱いになる入力をグループに分けて代表値を試す技法。
- 境界値分析
- 条件が切り替わる境目の値に注目して試す技法。
- ホワイトボックステスト
- 分岐や経路など内部構造を基に確認するテスト。
- スタブ
- トップダウンテストで、未完成の下位モジュールの代わりに呼び出される仮のモジュール。
- ドライバ
- ボトムアップテストで、上位の呼出し元の代わりにテスト対象を呼び出す仮のモジュール。
- 回帰テスト
- 修正や変更によって、変更していない部分に悪影響が出ていないかを確かめるテスト。
確認問題
確かめよう18歳以上の条件で境界の直前の値は?
17です。境界値18と組み合わせます。
境界値分析では、条件が切り替わる境目の値を重視する。
テストに通れば、誤りが一切ないと証明できる。
条件が切り替わる境目を重視するテスト技法は?
ホワイトボックステストが基にするのは?
トップダウンテストで、未完成の下位モジュールの代わりに使うものは?
大量の入力をすべて試すのは難しいため、誤りが出やすい代表値を選びます。特に条件が切り替わるは重要です。
18歳以上を受け付ける処理なら、17・18・19を試すと境界の前後を確認できます。19だけでは「18より大きい」と実装された誤りをかもしれません。
は同じ扱いになる入力をグループ化し、はその境目を重視します。ホワイトボックステストでは、分岐や経路など内部構造を基に確認します。
テストに通っても誤りが一切ないと証明できるわけではありません。正しい入力だけでなく、異常値や欠落、の違いも仕様に沿って考えます。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- IPA:基本情報技術者試験 ↗
- IPA:現行制度の公開問題 ↗
- IPA:試験要綱・シラバス ↗
- IPA:基本情報技術者試験シラバス Ver.9.2(2026年1月) ↗
- Scrum Guides:The Scrum Guide(2020) ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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