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日本化粧品検定 · 学習ガイド

化粧品成分を働きから理解する

水性・油性成分、界面活性剤、色材や防腐剤が製品の形や働きを支える仕組みを学びます。保湿・美白・紫外線防止の成分を、配合目的と表示できる効能から読み分けます。

仕組みを理解する

水性成分・油性成分と剤型

水中油型と油中水型とは、水と油のどちらが連続相になるかで分けられる乳液やクリームの剤型です。

水の中に油滴が分散するO/Wと、油の中に水滴が分散するW/Oを比べる図。
O/Wは水の中に油滴が、W/Oは油の中に水滴が分散した状態です。乳液やクリームという製品名だけで乳化型は決まりません。

化粧品は一つの有名成分だけでできているのではありません。水・油・粉体などを安定して使える形へ組み合わせます。

水性成分・油性成分と剤型
成分・剤型主な働き・特徴
水性成分溶媒・保湿など
油性成分柔軟・蒸散抑制など
O/W水が連続相、油が液滴
W/O油が連続相、水が液滴

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央で縦に仕切った1つの透明な模型を描く。左は水の中に油の細かな粒が分散する水中油型、右は油の中に水の細かな粒が分散する油中水型とし、左右で連続相と粒が入れ替わることを示す。
覚えること:水中油型は水、油中水型は油が連続相

水と油をそのまま混ぜると分離しやすいですが、乳化剤等を用いて片方を細かな粒として分散させると乳液やクリームの基礎になります。

水中油型は水が連続相で油が分散し、油中水型は油が連続相で水が分散します。剤型・使用感・安定性は処方全体の関係です。

油分が多いという一情報だけで保湿力や刺激性を断定しないようにします。成分同士の組合せと使用量も関係します。

処方を水相・油相・分散相で見る

処方を水相・油相・分散相で見るの図解。画面中央の容器を縦に仕切り、左は水の中に油滴が散るO/W型、右は油の中に水滴が散るW/O型として並べる。左右で背景の色と液滴の色を入れ替え、どちらが連続相かを示す。
覚えること:O/Wは水、W/Oは油が連続相

化粧品は水性成分(水・エタノール・グリセリンやBGなどの多価アルコール)、油性成分(油脂・ロウ・炭化水素・エステル油・シリコーン等)、粉体、界面活性剤、高分子、防腐剤・酸化防止剤、香料などを組み合わせます。少量の成分名だけから製品の性質は決められません。

O/W(水中油)型は水が連続相で油滴が分散し、W/O(油中水)型は油が連続相で水滴が分散します。乳化は液滴を分散させ、可溶化は少量の油性成分を透明に近い形で水相へ取り込みます。乳液・クリーム・化粧水は見た目だけで全成分の割合や乳化型を断定しません。

処方を水相・油相・分散相で見る
油性成分の分類特徴例
油脂脂肪酸とグリセリンのエステル。動植物から得るオリーブ油、マカデミアナッツ油、シア脂
ロウ(ワックス)高級脂肪酸と高級アルコールのエステル。固形が多いが液状もあるミツロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油
炭化水素炭素と水素だけからなり、酸化されにくい。表面を覆うミネラルオイル、ワセリン、スクワラン
エステル油脂肪酸とアルコールを合成したもの。軽い感触に調整しやすいミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサノイン
シリコーンケイ素を含み、のびがよく撥水性があるジメチコン、シクロペンタシロキサン
高級脂肪酸・高級アルコール乳化の安定や硬さの調整ステアリン酸、セタノール
処方を水相・油相・分散相で見る
その他の配合成分主な目的例
水性成分溶媒・保湿・清涼感水、エタノール、グリセリン、BG
高分子増粘・ゲル化・皮膜形成・保湿カルボマー、キサンタンガム、ヒアルロン酸Na
有機合成色素(タール色素)鮮やかな発色。使える種類は省令で限定赤色202号、黄色4号
無機顔料着色(酸化鉄)、白さと隠蔽(酸化チタン)、のびや感触(体質顔料)酸化鉄、酸化チタン、タルク、マイカ
天然色素動植物由来の色カルミン、β-カロテン
パール剤真珠のような光沢雲母チタン、オキシ塩化ビスマス
防腐剤微生物の増殖を防ぐパラベン、フェノキシエタノール
酸化防止剤油性成分などの酸化を防ぐトコフェロール、BHT
香料香りづけ・原料臭のマスキング天然香料、合成香料

試験に出る

  • 水中油型(O/W)は水が連続相で油が分散し、油中水型(W/O)は油が連続相で水が分散する。
  • 乳化は一方を細かな粒にして分散させること、可溶化は少量の油性成分を透明に近い状態で水に溶かし込むこと。
  • 油性成分は油脂・ロウ・炭化水素・エステル油・シリコーンなどに分かれ、ホホバ油は名前に「油」とあってもロウに分類される。
  • ワセリン・ミネラルオイル・スクワランは炭化水素で、酸化されにくく表面を覆う働きがある。
  • 色材は有機合成色素(タール色素)・無機顔料・天然色素に分かれ、パール剤は雲母チタンなどで真珠のような光沢を出す。
  • 防腐剤(パラベン・フェノキシエタノール等)は微生物の増殖を防ぎ、酸化防止剤(トコフェロール等)は油性成分などの酸化を防ぐ。
  • 油分の多さだけで保湿力や刺激性を断定できない。

重要な言葉

水中油型
水が連続相で、油が細かな粒として分散する剤型。
油中水型
油が連続相で、水が細かな粒として分散する剤型。
乳化
水と油の一方を細かな粒にして、もう一方へ安定して分散させること。
可溶化
少量の油性成分を界面活性剤の働きで透明に近い状態のまま水に溶かし込むこと。
油脂
脂肪酸とグリセリンのエステル(トリグリセリド)。オリーブ油・シア脂など。
ロウ(ワックス)
高級脂肪酸と高級アルコールのエステル。ミツロウ・キャンデリラロウのほか、液状のホホバ油も含む。
炭化水素
炭素と水素だけからなる油性成分。ミネラルオイル・ワセリン・スクワランなど。
シリコーン
ケイ素を含む油性成分。のびがよく撥水性があり、ジメチコンなどがある。
タール色素
有機合成色素。化粧品に使えるものは省令で定められ、赤色202号のように表示される。
防腐剤
開封後などに入り込む微生物の増殖を防ぐ成分。パラベン・フェノキシエタノールなど。
旧表示指定成分
2001年4月に全成分表示が義務化される前、表示が義務付けられていた102種類(香料を加えて103種類)の成分。

確認問題

確かめよう水中油型で外側を連続して満たすのは水と油のどちら?

水(水相)です。

水中油型では水が連続相となる。

油分が多い製品ほど必ず保湿力が高く刺激も強い。

ホホバ油は、名前に「油」とあるので油脂に分類される。

パラベンやフェノキシエタノールは防腐剤として使われる。

水が連続相で油が分散している剤型は?

油性成分の分類で、ホホバ油が該当するのは?

化粧品のパール剤として使われる代表的な成分は?

化粧品は一つの有名成分だけでできているのではありません。水・油・粉体などを安定して使える形へます。

水と油をそのまま混ぜると分離しやすいですが、等を用いて片方を細かな粒として分散させると乳液やクリームの基礎になります。

は水が連続相で油が分散し、は油が連続相で水が分散します。剤型・使用感・安定性は処方全体の関係です。

油分が多いという一情報だけで保湿力や刺激性を断定しないようにします。成分同士の組合せとも関係します。

界面活性剤の構造と種類

界面活性剤とは、水になじむ親水基と油になじむ親油基を一つの分子に持ち、水と油の境界に働く成分です。

青い親水基と緑の親油基を区別し、油滴へ尾を向けて取り囲む界面活性剤を示す図。
親油基を油汚れへ、親水基を水側へ向けると、油を水の中へ分散させやすくなります。洗浄だけでなく乳化や可溶化にも使います。

水と油が混ざりにくい境界へ働くのが界面活性剤です。一つの分子に水になじむ部分と油になじむ部分を持ち、界面張力を下げます。

界面活性剤の構造と種類
種類(電荷)主な用途成分例
陰イオン(アニオン)洗顔料・シャンプー・ボディ洗浄料石ケン素地、ラウレス硫酸Na
陽イオン(カチオン)リンス・コンディショナー、殺菌ベヘントリモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド
両性洗浄料の補助(泡質の調整・刺激の緩和)コカミドプロピルベタイン
非イオン(ノニオン)乳化・可溶化・クレンジングポリソルベート80、ステアリン酸グリセリル

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の油汚れを水が囲む一つの図にし、境界に並ぶ界面活性剤の親油基を油側、親水基を水側へ向ける。油から水中の小さな油滴へ矢印を引き、分散しやすくなる様子を示す。
覚えること:油に親油基、水に親水基で分散しやすい

親油基を油汚れへ、親水基を水側へ向けると、油を水の中へ分散させやすくなります。洗浄だけでなく乳化や可溶化にも使います。

水に溶けたときの電荷で陰イオン(アニオン)・陽イオン(カチオン)・両性・非イオン(ノニオン)の4種類に分けます。洗浄料やコンディショナーなど用途の傾向はありますが、成分・濃度・処方全体で性質が変わります。

界面活性剤が入る製品はすべて強い刺激性を持つ、という一括りはできません。分類名だけで安全性を断定しません。

洗浄・乳化・可溶化を分ける

洗浄・乳化・可溶化を分けるの図解。一続きの水の図を点線で左右に分け、左は油滴と水の境界が安定する「乳化」、右は少量の油性成分が水に取り込まれる「可溶化」を描く。別々の場面にはせず、エルくんは1体だけ中央に置く。
覚えること:乳化は油滴安定、可溶化は少量油を水へ

界面活性剤は親水基と親油基を一分子に持ち、界面張力を下げて洗浄、乳化、可溶化、分散などに働きます。洗浄では油汚れを水で流しやすくし、乳化では油滴と水の境界を安定させ、可溶化では香料など少量の油性成分を水に取り込みます。

陰イオンは泡立ちと洗浄力から洗顔料・シャンプー(石けんを含む)に、陽イオンはマイナスに帯電した毛髪に吸着するためリンス・コンディショナーや殺菌剤に、両性は洗浄料の補助に、非イオンは乳化・可溶化に多く使われます。刺激性は成分名だけでなく濃度・組合せで判断します。

試験に出る

  • 界面活性剤は親水基と親油基を一分子に持ち、水と油の界面張力を下げる。
  • 働きは洗浄・乳化・可溶化・分散・起泡など、用途によって使い分ける。
  • 水に溶けたときの親水基の電荷で、陰イオン(アニオン)・陽イオン(カチオン)・両性・非イオン(ノニオン)の4種類に分ける。
  • 陰イオンは洗浄料・シャンプー(石けんを含む)、陽イオンはリンス・コンディショナーや殺菌、両性は洗浄料の補助、非イオンは乳化・可溶化に多い。
  • 陽イオン界面活性剤はマイナスに帯電した毛髪に吸着し、柔軟・帯電防止に働く。
  • HLBは親水性と親油性のバランスを示す指標で、値が大きいほど親水性が高い。
  • 分類名だけで刺激性や安全性を断定できない。

重要な言葉

親水基
界面活性剤の分子のうち、水になじむ部分。
親油基
界面活性剤の分子のうち、油になじむ部分。疎水基とも呼ぶ。
可溶化
本来水に溶けにくい少量の油性成分を、界面活性剤の働きで透明に近い状態のまま溶かし込むこと。
界面張力
水と油のように混ざらない物質の境界面で、面積をできるだけ小さくしようとする力。
HLB
界面活性剤の親水性と親油性のバランスを数値で示す指標。値が大きいほど水になじみやすい。

確認問題

確かめよう親水基は油だけになじむ部分?

いいえ。親水基は水になじむ部分で、油になじむのは親油基です。

界面活性剤は親水基と親油基の両方を持つ。

界面活性剤が入る製品はすべて強い刺激性を持つ。

リンスやコンディショナーに主に使われるのは陰イオン(アニオン)界面活性剤である。

界面活性剤の分子で、水になじむ部分は?

水中でイオンにならず、乳化や可溶化に多く使われる界面活性剤は?

水と油が混ざりにくい境界へ働くのが界面活性剤です。一つの分子に水になじむ部分と油になじむ部分を持ち、を下げます。

を油汚れへ、を水側へ向けると、油を水の中へ分散させやすくなります。洗浄だけでなく乳化や可溶化にも使います。

界面活性剤が入る製品はすべて強い刺激性を持つ、という一括りはできません。分類名だけでを断定しません。

保湿成分の働きの違い

保湿成分とは、水分を保持する・細胞間の脂質を補う・表面を覆うなど、異なる働きで肌のうるおいを助ける成分の総称です。

エルくんが説明する図解。水保持成分/細胞間脂質/表面油分を角層の異なる位置へ対応。
グリセリンやヒアルロン酸等は水分保持に関わり、セラミドは角層細胞間脂質の構成成分、スクワラン等の油性成分はエモリエント作用に関わります。

保湿成分は同じ役割だけを持つわけではありません。水分を保持する、細胞間の脂質を補う、表面を覆うという違いで整理します。

保湿成分の働きの違い
働き主な成分例・注意
水分を抱え込む(ヒューメクタント)グリセリン、BG、ヒアルロン酸Na、アミノ酸、PCA-Na
細胞間脂質を補うセラミド
表面を覆い蒸散を抑える(エモリエント)ワセリン、ミネラルオイル、スクワラン
塗布したコラーゲン等角層で保湿する。真皮の同名成分にはならない

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。一つの角層の模式図の上を縦線で3区画に分け、左はグリセリン等→水分保持、中央はセラミド→角層細胞間脂質の構成成分、右はスクワラン等→エモリエント作用を示す。中央ではエルくんがセラミドの小片を角層細胞の間にはめ込む。
覚えること:成分の働きで製品を比較

グリセリンやヒアルロン酸等は水分保持に関わり、セラミドは角層細胞間脂質の構成成分、スクワラン等の油性成分はエモリエント作用に関わります。

成分名と働きを結び付けると、似た製品を役割から比較できます。化粧品中の成分の働きと、体内で同じ名前の物質が持つ働きは区別します。

コラーゲン入り化粧品を塗れば、そのまま真皮のコラーゲンになるとはいえません。化粧品の浸透範囲は角層までと考え、製品での配合目的を確認します。

吸湿・細胞間脂質・閉塞の三役

吸湿・細胞間脂質・閉塞の三役の図解。一続きの角層断面に、上から表面の油性成分の膜、角層内で水を保つ保湿剤、細胞間のセラミドを描く。各ラベルから短い矢印を伸ばし、表面を覆う・水を保つ・細胞間を補う位置を示す。
覚えること:水を保つ・細胞間を補う・表面を覆う

グリセリン・ヒアルロン酸・アミノ酸などは水を保持する保湿剤です。セラミドは角層の細胞間脂質の一成分で、水分蒸散を抑えるバリアに関わります。ワセリン・スクワランなどの油性成分は表面を覆い、なめらかさや蒸散抑制に役立ちます。

同じ「保湿」でも水を抱え込む、細胞間を補う、表面を覆う働きを分けます。塗ったコラーゲンやヒアルロン酸は角層で水分を保つもので、真皮の同名成分を直接補充するものではありません。化粧品の広告で「浸透」と表現できるのは角層までです。

試験に出る

  • 保湿成分は、水分を抱え込む(ヒューメクタント)、角層の細胞間脂質を補う、油分で表面を覆う(エモリエント)の3つの働きで整理する。
  • グリセリン・BGなどの多価アルコール、ヒアルロン酸Na、アミノ酸、PCA-Naは水分を抱え込む。
  • セラミドは角層の細胞間脂質の主成分で、水分の蒸散を防ぐバリアに関わる。
  • ワセリン・ミネラルオイル・スクワランなどは表面を覆い、水分の蒸散を抑える。
  • 化粧品の「浸透」は角層までで、広告で浸透をうたうときは作用部位が角層であることを明示する。
  • 塗ったコラーゲンやヒアルロン酸は角層で水分を保つ成分で、真皮の同名成分を補充するものではない。

重要な言葉

ヒアルロン酸
水分を抱え込む保湿成分。化粧品ではヒアルロン酸Naとして配合されることが多い。
スクワラン
スクワレンに水素を添加して安定させた炭化水素。エモリエント作用に関わる。
エモリエント
油分で表面を覆い、なめらかさを与える働き。
ヒューメクタント
水分を抱え込んで保持する保湿成分の総称。グリセリン・ヒアルロン酸Naなど。
セラミド
角層の細胞間脂質の主成分。水分の蒸散を防ぐバリアに関わる。
浸透(化粧品広告)
化粧品で表現できる浸透の範囲は角層まで。広告では作用部位が角層であることを明示する。

確認問題

確かめよう化粧品のコラーゲンは真皮へそのまま補充される?

いいえ。化粧品の作用は角層までで、真皮のコラーゲンを補充するとは断定できません。

セラミドは角層細胞間脂質の構成成分である。

コラーゲン入り化粧品を塗ると、そのまま真皮のコラーゲンになる。

ワセリンは水分を抱え込むヒューメクタントの代表である。

エモリエント作用に関わる油性成分は?

角層の細胞間脂質の主成分で、バリア機能に関わる保湿成分は?

保湿成分は同じ役割だけを持つわけではありません。水分を保持する、細胞間の脂質を補う、表面を覆うというで整理します。

や等は水分保持に関わり、セラミドは角層細胞間脂質の構成成分、スクワラン等の油性成分はエモリエント作用に関わります。

コラーゲン入り化粧品を塗れば、そのまま真皮のコラーゲンになるとはいえません。化粧品のは角層までと考え、製品での配合目的を確認します。

美白有効成分と表示の意味

美白有効成分とは、メラニンの生成を抑えるなど、医薬部外品として承認された範囲でシミ・そばかすを防ぐ働きを持つ成分です。

エルくんが説明する図解。紫外線等→メラニン生成過程→生成抑制という作用点、除去保証はしない。
薬用美白化粧品では、メラニンの生成を抑えシミ・ソバカスを防ぐなど、承認された効能の範囲で表示されます。

美白という表示は、すでにあるシミが何でも消えるという意味ではありません。認められた効能と成分の作用を分けて読みます。

美白有効成分と表示の意味
作用点美白有効成分の例
チロシナーゼの働きを抑えるアルブチン、エラグ酸、ルシノール、コウジ酸
メラノサイトへの情報伝達を抑えるトラネキサム酸、カモミラET
メラニンの受け渡しを抑えるニコチン酸アミド
メラニンの生成を抑える・還元するビタミンC誘導体
美白有効成分と表示の意味
区分表示できる効能の例
医薬部外品(薬用美白)メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ
化粧品(日焼け止め)日やけによるシミ・そばかすを防ぐ
どちらも不可シミを消す、シミを治す

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央にメラニン生成過程を左から右への矢印と複数の段階で描く。チロシナーゼの働きへの作用は一例として一つの段階にだけ示し、ほかの段階とは仕切って区別する。
覚えること:作用点は成分ごとに同一でない

薬用美白化粧品では、メラニンの生成を抑えシミ・そばかすを防ぐなど、承認された効能の範囲で表示されます。

メラニン生成過程には複数の段階があり、美白有効成分の作用点も同一ではありません。チロシナーゼの働きへの作用など、成分ごとの説明と承認範囲を対応させます。

成分名が似ているだけで、すべて同じ有効成分・濃度・効能と考えないようにします。医薬品としての治療効果とも区別します。

有効成分・作用点・承認効能

有効成分・作用点・承認効能の図解。中央の薬用美白製品から右へ矢印を伸ばし、「メラニンの生成を抑える」→「シミ・そばかすを防ぐ」の順に配置する。下部は仕切り線で分け、既存のシミを消す効果ではないことを示す。
覚えること:メラニン生成を抑えシミ・そばかすを防ぐ

薬用美白製品は医薬部外品として「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」等、承認された効能の範囲で表示します。既存のシミを消す治療効果を意味しません。同じ成分名でも化粧品の配合成分か医薬部外品の有効成分かを区別します。

アルブチン・エラグ酸・ルシノール・コウジ酸はチロシナーゼの働きを、トラネキサム酸やカモミラETはメラノサイトへの情報伝達を、ニコチン酸アミドはメラニンの受け渡しを抑えるなど、作用点は成分ごとに違います。レチノールはシワ改善の有効成分として承認された例があり、美白有効成分とは区別します。

試験に出る

  • 薬用美白化粧品(医薬部外品)が表示できるのは「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」など予防の範囲で、「シミを消す」とはうたえない。
  • 美白有効成分は作用点で整理する:チロシナーゼの働きを抑える、メラノサイトへの情報伝達を抑える、メラニンの受け渡しを抑える、など。
  • アルブチン・エラグ酸・ルシノール・コウジ酸はチロシナーゼの働きを抑える例。
  • 同じ成分名でも化粧品の配合成分としては美白の効能を表示できない。ただし化粧品の日焼け止めは「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」と表示できる。
  • 純粋レチノールはシワを改善する有効成分として承認された例があり、美白有効成分とは効能が異なる。

重要な言葉

メラニン
シミやそばかすの色のもとになる色素。メラノサイトで作られる。
チロシナーゼ
チロシンをメラニンへ変える反応を進める酵素。
医薬部外品
人体への作用が緩和で、承認を受けた有効成分と効能を表示できる薬機法上の区分。薬用化粧品が該当する。
トラネキサム酸
メラノサイトへメラニンをつくるよう伝える情報伝達を抑える美白有効成分の例。
ニコチン酸アミド
できたメラニンが表皮の細胞へ受け渡されるのを抑える美白有効成分の例。

確認問題

確かめよう美白表示は全てのシミを取り去る保証?

いいえ。「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」など承認された予防の範囲です。

美白有効成分は、メラニンの生成を抑えてシミ・そばかすを防ぐ効能で承認されることがある。

美白表示があれば、どんなシミも必ず消える。

医薬部外品でない化粧品でも、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」と表示できる。

チロシナーゼの働きを抑える美白有効成分の例は?

医薬部外品でない化粧品の日焼け止めで表示できる効能は?

美白という表示は、すでにあるシミが何でも消えるという意味ではありません。認められたと成分の作用を分けて読みます。

薬用美白化粧品では、の生成を抑えシミ・そばかすを防ぐなど、承認された効能の範囲で表示されます。

メラニン生成過程には複数の段階があり、美白有効成分の作用点も同一ではありません。の働きへの作用など、成分ごとの説明と承認範囲を対応させます。

成分名が似ているだけで、すべて同じ有効成分・濃度・効能と考えないようにします。医薬品としてのとも区別します。

紫外線防止成分の役割

紫外線防止成分とは、紫外線を吸収したり散乱・反射したりして、肌へ届く量を減らす成分です。

エルくんが説明する図解。吸収剤のエネルギー変換と粉体の散乱反射/吸収を対比、純反射にしない。
紫外線吸収剤は紫外線のエネルギーを吸収して別の形へ変えます。酸化チタンや酸化亜鉛などの散乱剤と呼ばれる粉体は、散乱・反射や吸収により防御へ寄与します。

紫外線防止成分は、紫外線が肌へ届くのを減らすために使われます。仕組みの違いと処方全体の効果を分けます。

紫外線防止成分の役割
分類・表示特徴・注意
紫外線吸収剤紫外線を吸収し熱などに変える。白浮きしにくい。配合できる種類と上限がある
紫外線散乱剤酸化チタン・酸化亜鉛などの粉体。白浮きしやすく、微粒子化で透明感を高める
SPF・PA成分ではなく完成製品を試験した指標
ノンケミカル表示吸収剤を含まないという意味で、防御力の目安ではない

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の縦線で左右を分け、上から両側へ紫外線の矢印を向ける。左は吸収剤に入った矢印が熱などのエネルギーとして出る様子、右は酸化チタンの粉体で矢印が散乱・反射し、一部は吸収される様子を描く。
覚えること:吸収剤は熱等へ、散乱剤は散乱・反射や吸収

紫外線吸収剤は紫外線を吸収し、熱などのエネルギーへ変えて放出します。酸化チタンや酸化亜鉛などの散乱剤と呼ばれる粉体は、散乱・反射や吸収により防御へ寄与します。

成分の種類や組合せ、粒子の状態、配合量、塗布状態が製品の紫外線防止効果を左右します。SPF・PAは完成製品での指標です。

散乱剤は全く吸収しない、吸収剤は必ず危険、といった二分法は避けます。製品表示と自分の使用状況に合わせて確認します。

吸収剤・散乱剤・完成品の表示

吸収剤・散乱剤・完成品の表示の図解。左の「紫外線防止成分」から中央の「完成製品」へ、さらに右の「SPF・PA」へ矢印をつなぐ。中央には配合量・分散状態・膜の均一さも試験値に関わることを添える。
覚えること:SPF・PAは完成製品の試験値

紫外線吸収剤は紫外線エネルギーを吸収し、散乱剤は主に粉体で光を散乱・反射して防ぎます。酸化亜鉛・酸化チタンは散乱剤の代表例です。「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)」は吸収剤の有無を示すもので、製品の安全性や防御力を単独で決めるものではありません。

SPF・PAは吸収剤・散乱剤の種類だけでなく、配合量、分散状態、膜の均一さなどを含む完成製品の試験値です。同じ紫外線防止成分を含む二製品でも同じSPFにはなりません。紫外線吸収剤・防腐剤・タール色素は、化粧品基準等で配合できる種類と上限が決められています。

試験に出る

  • 紫外線吸収剤は紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて放出する。白浮きしにくい。
  • 吸収剤の例:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(主にUV-B)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(主にUV-A)。
  • 紫外線散乱剤は酸化チタン・酸化亜鉛などの粉体で、紫外線を散乱・反射する(吸収もする)。白浮きしやすく、微粒子化で透明感を高める。
  • 「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)」は吸収剤を含まないことを示すだけで、防御力や安全性を単独で示さない。
  • SPF・PAは成分ではなく完成製品を試験して得る指標で、同じ成分を含んでも同じ値にはならない。
  • 化粧品基準では防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素について、配合できる種類と上限を定めたリスト(ポジティブリスト)がある。

重要な言葉

紫外線吸収剤
紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて放出する成分。
紫外線散乱剤
粉体で紫外線を散乱・反射させて防ぐ成分。酸化チタン・酸化亜鉛など。
酸化チタン
白色の無機顔料。紫外線散乱剤や、ファンデーションの隠蔽力を出す成分として使われる。
ノンケミカル
紫外線吸収剤を配合していないことを示す表示。防御力の高さを示すものではない。
ポジティブリスト
配合してよい成分と上限をあらかじめ定めた一覧。化粧品では防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素が対象。

確認問題

確かめよう成分が一つ同じならSPFも同じ?

いいえ。SPFは処方全体で決まり、完成製品の試験結果で表示します。

酸化チタンは散乱剤の例である。

散乱剤は紫外線を全く吸収しない。

SPFは、配合した紫外線防止成分の量から計算して決まる。

紫外線吸収剤に分類される成分は?

化粧品基準で、配合できる種類と上限が定められている(ポジティブリスト)成分は?

紫外線防止成分は、紫外線が肌へ届くのを減らすために使われます。仕組みの違いと処方全体のを分けます。

は紫外線を吸収し、熱などのエネルギーへ変えて放出します。や酸化亜鉛などの散乱剤と呼ばれる粉体は、散乱・反射や吸収により防御へ寄与します。

覚えるポイント

  • 水性成分・油性成分と剤型:水中油型(O/W)は水が連続相、油中水型(W/O)は油が連続相です。油性成分は油脂・ロウ・炭化水素・エステル油・シリコーンに分かれ、ホホバ油はロウです。
  • 界面活性剤の構造と種類:陰イオン(アニオン)は洗浄、陽イオン(カチオン)はリンス・殺菌、両性は洗浄の補助、非イオン(ノニオン)は乳化・可溶化に多く使われます。
  • 保湿成分の働きの違い:グリセリンやヒアルロン酸Naは水分を抱え込み、セラミドは細胞間脂質を補い、ワセリンやスクワランは表面を覆います。化粧品の作用は角層までです。
  • 美白有効成分と表示の意味:医薬部外品の美白は「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」など予防の範囲です。作用点は成分ごとに違い、「シミを消す」とはうたえません。
  • 紫外線防止成分の役割:吸収剤は紫外線を吸収して熱などに変え、散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)は散乱・反射します。SPF・PAは完成製品の試験値です。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

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