令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2024年10月試験の概要
法律行為の効力(意思能力・公序良俗・強迫・他人物売買)
権利関係 · 意思能力 / 公序良俗 / 意思表示 / 他人物売買
法律行為に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
まず要点:法律行為が有効になるには、意思能力(自分の行為の意味が分かる力)や公序良俗(社会のルール)などの条件を満たす必要があります。意思能力がない人がした行為は無効です。営業を許された未成年者でも、そのとき意思能力がなければ無効のままです。
解き方
- 各選択肢が扱うテーマ(意思能力・公序良俗・強迫・他人物売買)を1つずつ確認します。
- 民法の各部分(3条の2、90条、96条、561条)と照らして、正しいか誤りかを判断します。
- 選択肢 1正解
- 意思表示をした時に意思能力がなかった人の法律行為は無効です(民法3条の2)。営業を許された未成年者でも、そのとき意思能力がなければ無効です。
- 選択肢 2不正解
- 公の秩序や善良の風俗(社会の善悪のルール)に反する行為は無効です(民法90条)。当事者が合意していても有効にはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 強迫による意思表示は、当然に無効ではなく「取り消せる」行為です(民法96条1項)。取り消すと、初めから無効だったことになります。
- 選択肢 4不正解
- 他人の物を目的にした売買(他人物売買)でも、契約自体は有効に成立します(民法561条)。だから「無効」という記述が誤りです。
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覚えるポイント
- 意思能力を欠く法律行為は絶対的に無効であること、他人物売買契約は有効に成立することを確実に押さえる。
間違えやすいところ
- 強迫は「無効」と覚え違いしやすいですが、詐欺と同じく取り消せる行為です。ここに注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
委任契約・準委任契約の効力および性質
権利関係 · 委任 / 信義則上の義務 / 復受任者 / 代理権の消滅
委任契約・準委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
まず要点:委任契約は「事務の処理を頼む」契約で、仕事の完成を約束する請負契約とは別のものです。また、委任は原則として無償で、特約がなければ報酬はもらえません。
解き方
- 各記述が委任契約の性質や判例の考え方に合っているかを考えます。
- 肢4は請負(民法632条)の説明で、委任(民法643条)とは違う点に気づきます。
- 選択肢 1不正解
- 判例(最判平15.11.14)では、売主から販売の一切を任され一体となって販売していた宅地建物取引業者は、買主に信義則上の説明義務を負うことがあるとされました。
- 選択肢 2不正解
- 受任者は、委任者の許諾があるとき、またはやむを得ない事情があるときでないと、復受任者(さらに任せる人)を選べません(民法104条・644条の2第1項)。
- 選択肢 3不正解
- 判例(最判平4.9.22)で、本人が死亡しても代理権を消滅させないという合意は有効とされました。だから本人が亡くなっても代理権は残ります。
- 選択肢 4正解
- 「仕事の完成」と「報酬」を約束するのは請負です(民法632条)。委任は法律行為や事務の処理を頼む契約で(民法643条)、仕事の完成は必要ありません。
覚えるポイント
- 委任契約は事務処理の委託であり無償が原則。仕事の完成を目的として報酬を支払うのは請負契約。
間違えやすいところ
- 本人の死亡で委任が終わるのは任意規定(特約で変えられる決まり)です。特約で排除できることを忘れないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
共有(所在等不明共有者・管理行為・持分取得)
権利関係 · 共有物の変更 / 共有物の管理 / 保存行為 / 所在等不明共有者
甲土地につき、A、B、C、Dの4人がそれぞれ4分の1の共有持分を有していて、A、B、CのいずれもDの所在を知ることができない場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Dの共有持分は、相続財産には属していないものとする。
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解答
3
解説
まず要点:土地の賃貸借など、民法252条4項各号の期間を超えないものは「管理行為」で、共有者の持分の過半数で決められます。樹木の伐採・植栽を目的としない土地なら、5年以内が目安です。
解き方
- 各共有者の持分を確認します(A・B・C・Dとも4分の1、A+B+Cで4分の3=過半数)。
- 3年の資材置場の賃貸借は管理行為(5年以内の土地賃貸借)なので、過半数の同意でできると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 共有物を大きく変える(形状や効用が著しく変わる)ときは、原則として共有者全員の同意が必要です(民法251条1項)。過半数では足りません。
- 選択肢 2不正解
- 無権利者名義の登記の抹消請求は「保存行為」なので、各共有者が1人でできます(民法252条5項)。他の共有者の同意は不要です。
- 選択肢 3正解
- 樹木の伐採などを目的としない土地の5年以内の賃貸借は管理行為です(民法252条4項2号)。A・B・Cの持分は合わせて4分の3で過半数を超えるので、3人の同意で3年の賃貸借契約を結べます。
- 選択肢 4不正解
- 所在不明共有者の持分取得の決定(民法262条の2第3項)では、請求者が時価相当額をあらかじめ供託します。「3年以内に限り請求できる」という制限はありません。
覚えるポイント
- 管理行為(短期賃貸借など)は持分の過半数、保存行為(無権利者への抹消登記請求など)は単独、重い変更は全員一致。
間違えやすいところ
- 無権利者への不実の登記の抹消請求は保存行為で、1人でもできることを見落とさないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
売買契約後の売主の死亡と単独相続人の法律関係
権利関係 · 相続 / 契約解除 / 対抗要件 / 詐欺
Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された直後にAが死亡し、CがAを単独相続した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
まず要点:相続人は、被相続人の権利も義務も全部まとめて受け継ぎます(民法896条)。だから相続人は、契約の相手方から見て「当事者そのもの」で、第三者ではありません。
解き方
- 単独相続人Cが売主Aの地位(権利も義務も全部)を引き継ぐことを確認します。
- Cは第三者ではなく当事者なので、BはAに主張できた取消しをCにもそのまま主張できると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 債務の全部を履行しない意思をはっきり示したときは、催告なしで直ちに解除できます(民法542条1項2号)。
- 選択肢 2不正解
- 契約の解除権はAだけの特別な権利ではなく、相続の対象になります(民法896条)。だから相続人Cも解除できます。
- 選択肢 3不正解
- 単独相続人Cは売買契約の当事者そのものなので、買主Bは登記がなくてもCに甲土地の引渡しを請求できます。
- 選択肢 4正解
- 売主Aの詐欺による取消権は、Aを引き継いだCにもそのまま行使できます(民法96条1項・896条)。
覚えるポイント
- 相続人は被相続人の地位を包括承継するため、第三者ではなく当事者として扱われる。
間違えやすいところ
- 登記がなくても対抗できないのは第三者との関係です。当事者や包括承継人には、登記がなくても請求できます。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
債務不履行(履行遅滞の起算点)
権利関係 · 履行遅滞 / 不当利得 / 相殺 / 不確定期限
履行遅滞に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
まず要点:履行遅滞が始まる時期は、債務の種類で決まります。期限の定めのない債務は請求(催告)を受けた時から、確定期限があるものは期限が来た時から、不法行為の損害賠償は不法行為の時からです。
解き方
- 各債務について、履行遅滞がいつ始まるかの条文と判例を確認します。
- 善意の受益者の不当利得返還債務は「期限の定めのない債務」で、請求を受けた時から遅滞になると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 判例では、不法行為による損害賠償債務は催告がなくても、損害が生じた時(不法行為の時)から当然に遅滞になります。
- 選択肢 2正解
- 善意の受益者の不当利得返還債務は期限の定めのない債務なので、請求(催告)を受けた時から遅滞責任を負います(民法412条3項)。
- 選択肢 3不正解
- 判例(最判平9.7.15)では、相殺の効力は相殺できる状態になった時にさかのぼります。だから相殺後の残りについても、相殺前の請求時から遅滞責任を負います。
- 選択肢 4不正解
- 不確定期限があるときは、「期限が来た後に請求を受けた時」か「期限が来たことを知った時」の早い方から遅滞責任を負います(民法412条2項)。
覚えるポイント
- 不法行為に基づく損害賠償債務は不法行為時から直ちに履行遅滞、不確定期限は知った時か請求時のいずれか早い方から履行遅滞。
間違えやすいところ
- 不確定期限では「知った後に請求を受けた時」と、2つの条件がそろって必要だと間違えないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
物権の混同(後順位抵当権が存在する場合の地上権)
権利関係 · 地上権 / 抵当権 / 混同
Aの所有する甲土地にBを地上権者とする地上権(以下この問において「本件地上権」という。)が設定され、その旨の登記がされた後に、甲土地にCを抵当権者とする抵当権が設定され、その旨の登記がされた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア BがAとの売買契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。 イ Aが死亡してBがAを単独相続し、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。 ウ BがAとの代物弁済契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。 エ BがAとの贈与契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。
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解答
4
解説
まず要点:同じ物について所有権と別の物権が同じ人に集まると、その物権は混同で消えるのが原則です(民法179条1項本文)。ただし、その物権が第三者の権利の目的になっていたり、後順位の抵当権があって自分の利益を守る必要があったりするときは消えません(同項ただし書・判例)。
解き方
- 甲土地の権利の順番を確認します(1番:Bの地上権、2番:Cの抵当権)。
- Bが売買・相続・代物弁済・贈与のどれで所有権を得ても、後順位抵当権者Cがいるため、Bの地上権は消えないと考えます。
- ア〜エはすべて「消滅する」としているので全部誤りです。正しいものの数は「なし」と判断します。
- 選択肢 1不正解
- ア〜エはすべて誤りで、正しい記述は1つもありません。だから「一つ」は違います。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述は2つではありません。すべて誤りなので「二つ」は違います。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は3つではありません。すべて誤りなので「三つ」は違います。
- 選択肢 4正解
- 後順位の抵当権者Cがいると、先順位の地上権者Bが所有権を取得しても、Bを守るため地上権は混同で消えません(判例)。ア〜エは取得原因が何であっても消えないので、正しい記述は「なし」です。
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覚えるポイント
- 後順位抵当権等がある場合、先順位の物権者が所有権を取得しても混同により消滅しない。
間違えやすいところ
- 相続か売買か贈与かといった取得原因で、混同の例外の当てはめが変わると勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
占有権および賃貸借関係(占有回収の訴え・相続・死亡)
権利関係 · 占有回収の訴え / 間接占有 / 賃借権の相続
Aを貸主、Bを借主として甲建物の賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結され、Bが甲建物の引渡しを受けた場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
まず要点:占有回収の訴え(民法200条1項)は、占有を「侵奪」されたとき(自分の意思に反して奪われたとき)に使えます。だまされて自分から占有を渡した場合は侵奪になりません。
解き方
- 占有回収の訴えの要件「占有の侵奪(占有者の意思に反して奪われること)」を確認します。
- 肢1ではBが自分から渡しているので侵奪にならず、Aも訴えを出せないと判断します。
- 選択肢 1正解
- 占有回収の訴えは占有を「侵奪」されたことが必要です(民法200条1項)。だまされて自分から占有を渡した場合は侵奪ではないので、間接占有者のAは訴えを出せません。
- 選択肢 2不正解
- 直接占有者である借主Bが貸主Aの立ち入りを拒むのは、正当な占有の権利に基づく行為です。間接占有の侵奪にはならず、占有回収の訴えは使えません。
- 選択肢 3不正解
- 判例では、相続人は相続開始を知らなくても、被相続人の死亡と同時に当然に占有を引き継ぎます(民法896条)。
- 選択肢 4不正解
- 賃貸借契約は当事者が死亡しても当然には終わりません。貸主や借主の地位は相続人に引き継がれます。
覚えるポイント
- 占有回収の訴えは「侵奪(強奪・窃取等)」が必要。騙されて任意に渡した場合は侵奪にならない。
間違えやすいところ
- 委任や使用貸借と違い、賃貸借は貸主や借主が死亡しても終わらないことに注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
民法の条文規定(発信主義の廃止・原状回復・代理権濫用・未成年者)
権利関係 · 契約の成立 / 到達主義 / 原状回復義務 / 代理権の濫用
次の記述のうち、民法の条文として規定されていないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:今の民法では、遠くにいる人同士の契約は「承諾の通知が相手に届いた時」に成立します(到達主義、民法97条1項)。昔の「承諾の通知を発した時」に成立する発信主義(旧526条)は、2020年4月の改正でなくなりました。
解き方
- 各記述が今の民法の条文に実際にあるかどうかを確認します。
- 肢1の発信主義の規定は改正で削除され、今はないと見抜きます。
- 選択肢 1正解
- 昔は旧民法526条1項に「承諾の通知を発した時に契約が成立する(発信主義)」という規定がありましたが、改正で削除され、今の民法にはありません。
- 選択肢 2不正解
- 民法121条の2第1項に「無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う」と書かれています。
- 選択肢 3不正解
- 民法107条に、代理権の濫用について「相手方がその目的を知り、または知ることができたときは、代理権を有しない者がした行為とみなす」と書かれています。
- 選択肢 4不正解
- 民法5条1項に「未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要。ただし、単に権利を得たり義務を免れたりする行為は不要」と書かれています。
覚えるポイント
- 契約の成立時期は改正により発信主義が廃止され、意思表示の到達主義(民法97条1項)に統一された。
間違えやすいところ
- 改正前の知識のまま「遠くの人同士は発信主義」と思い込むと間違えるので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
債務引受及び賃貸借における承諾
民法等 · 免責的債務引受 / 併存的債務引受 / 賃借権の譲渡・転貸
民法に規定される「承諾」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
まず要点:債務引受には「免責的(元の債務者が抜ける)」と「併存的(元の債務者が残る)」の2種類があります。誰と誰が契約したかによって、誰の承諾が必要かが民法で細かく決まっています。
解き方
- 各選択肢について、債務引受の種類(免責的・併存的)と契約した人の組み合わせを確認します。
- 民法の条文(470条・472条・612条など)と照らして、効力が生じる条件や承諾の必要性を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 債務者と第三者の契約でする免責的債務引受は、債権者が引受人に承諾をすると効力が生じます(民法472条2項)。だから債権者の承諾は必要です。
- 選択肢 2正解
- 債務者と第三者の契約でする併存的債務引受は、第三者を受益者とする契約なので、債権者が引受人に承諾をした時に効力が生じます(民法470条3項)。
- 選択肢 3不正解
- 債権者と第三者の契約でする併存的債務引受は、債権者と第三者の合意だけで成立します(民法470条2項)。債務者の承諾は効力の条件ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 借主は、貸主の承諾がなければ、賃借権を譲ったり目的物を転貸したりできません(民法612条1項)。承諾は必要です。
覚えるポイント
- 債務者と第三者の併存的債務引受は「債権者の承諾」で効力発生
- 債権者と第三者の併存的債務引受は債務者の意思・承諾に関わらず成立
間違えやすいところ
- 併存的債務引受で、誰と誰が合意しているか(債権者と引受人か、債務者と引受人か)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている民法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
契約不適合責任における買主の権利行使要件
民法等 · 契約不適合責任 / 損害賠償請求 / 解除権 / 追完請求 / 代金減額請求
売買契約の目的物が品質に関して契約の内容に適合しない場合において、当該契約不適合が売主及び買主のいずれの責めにも帰することができない事由によるものであるとき、履行の追完請求権、代金の減額請求権、損害賠償請求権及び契約の解除権のうち、民法の規定により買主が行使することができない権利のみを掲げたものはどれか(なお、帰責性以外の権利行使を妨げる事情はないものとする)。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:契約不適合(売った物が契約の内容と合わない)ときの救済手段のうち、損害賠償請求だけは売主の責めに帰す事由が必要です。追完請求・代金減額請求・解除は、売主に帰責事由がなくてもできます。
解き方
- 問題文から「売主に帰責事由がない」という状況をつかみます。
- 追完請求(562条)・代金減額請求(563条)・解除(541条・542条)・損害賠償(415条・564条)のそれぞれで、売主の帰責事由が必要かを確認します。
- 売主に帰責事由がないと「できない」権利が損害賠償請求権だけだと導きます。
- 選択肢 1不正解
- 履行の追完請求と契約の解除は、売主に帰責事由がなくてもできます。だから「できない権利」だけを並べたものではありません。
- 選択肢 2不正解
- 代金の減額請求と契約の解除は、売主に帰責事由がなくてもできます。だから「できない権利」だけを並べたものではありません。
- 選択肢 3不正解
- 履行の追完請求と代金の減額請求は、買主に帰責事由がない限りできます(売主の帰責事由は不要)。だから誤りです。
- 選択肢 4正解
- 民法415条1項ただし書により、不履行が売主の責めに帰せられない事情によるなら、損害賠償は請求できません。一方、追完・代金減額・解除には売主の帰責事由は不要です。だから「できない権利」は損害賠償請求権だけです。

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覚えるポイント
- 損害賠償請求のみ債務者(売主)の帰責事由が必要
- 解除・追完請求・代金減額請求は売主無過失でも行使可能
間違えやすいところ
- 民法改正で解除は売主の帰責事由が不要になりました。解除もできないと勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている民法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法における借地契約の期間・更新
借地借家法 · 借地権の存続期間 / 法定更新期間 / 定期借地権 / 事業用定期借地権
建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約(一時使用目的の借地契約を除く。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
まず要点:普通借地権の存続期間は、契約で決めなければ30年です(借地借家法3条)。更新すると、最初は20年、2回目以降は10年になります(同法4条)。
解き方
- 普通借地権の当初の存続期間(借地借家法3条)と更新後の期間(同法4条)を確認します。
- 事業用定期借地権の方式(公正証書限定)や建物譲渡特約付借地権の要件(期間30年以上)を確認して、各肢の正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 事業用定期借地権などの設定契約は「公正証書」でしないと効力が生じません(借地借家法23条3項)。「公正証書による等書面」では足りません。
- 選択肢 2不正解
- 借地権設定から30年以上たった日に、建物を借地権設定者に相当の対価で譲る特約(建物譲渡特約付借地権)は、居住用でも有効に定められます(借地借家法24条1項)。だから「無効」は誤りです。
- 選択肢 3正解
- 借地権の存続期間は30年で、契約でもっと長く定めたときはその期間になります。期間を定めなかったときも30年です(借地借家法3条)。
- 選択肢 4不正解
- 借地契約を更新して期間を定めなかったときは、最初の更新は「更新の日から20年」、2回目以降は10年になります(借地借家法4条)。10年とするのは誤りです。
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覚えるポイント
- 借地権の存続期間(定めなし):当初30年、1回目の更新20年、2回目以降10年
- 事業用定期借地権は「公正証書」必須(一般定期借地権は「公正証書等の書面」)
間違えやすいところ
- 最初の更新は20年、2回目以降は10年です。この2つを混同しないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている借地借家法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法における定期建物賃貸借と普通建物賃貸借の比較
借地借家法 · 定期建物賃貸借 / 普通建物賃貸借 / 対抗要件 / 賃料減額請求 / 内縁配偶者の承継
賃貸人Aと賃借人Bとが、居住目的で期間を3年として借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約(契約①)を締結した場合と、普通建物賃貸借契約(契約②)を締結した場合とに関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:定期建物賃貸借(借地借家法38条)と普通建物賃貸借には違いがあります。ただし、建物の引渡しによる対抗力(31条)や、相続人のない場合に同居の内縁配偶者等が引き継ぐ規定(36条)は、どちらにも共通して適用されます。
解き方
- 各選択肢の論点(対抗要件、賃料減額特約、借地借家法36条の承継、契約方式と正当事由)を整理します。
- 定期建物賃貸借だけの特則(賃料改定特約の有効性、書面契約)と、共通の規定を見分けて正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 建物の引渡しがあれば、登記がなくても、その後建物を買った第三者に対抗できます(借地借家法31条1項)。定期借家(契約①)でも普通借家(契約②)でも同じです。
- 選択肢 2不正解
- 普通借家(契約②)では「減額しない」特約は借家人に不利なので無効で、減額請求できます。でも定期建物賃貸借(契約①)では賃料改定の特約が有効で、特約があれば32条は適用されません(借地借家法38条9項)。
- 選択肢 3正解
- 居住用建物の借主が相続人なしで死亡したときは、事実上夫婦と同様の関係にあった同居者は、貸主に反対の意思を示さなければ借主の権利義務を引き継ぎます(借地借家法36条)。これは定期借家(契約①)でも普通借家(契約②)でも同じです。
- 選択肢 4不正解
- 定期借家(契約①)は「公正証書による等書面」で契約すれば足り、公正証書に限りません(借地借家法38条1項)。普通借家(契約②)は口頭契約でも、正当な理由がなければ更新を拒めません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 借家人が相続人なく死亡した際の内縁同居者の権利義務承継(36条)は定期借家にも適用
- 定期借家では「賃料を増減額しない」特約は有効(普通借家では減額しない特約は無効)
間違えやすいところ
- 定期建物賃貸借の契約方式は「公正証書による等書面」で、公正証書に限りません。ここを見落とさないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている借地借家法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の規定
区分所有法 · 共用部分の持分割合 / 規約及び集会の決議の効力 / 管理者の報告義務 / 集会の招集通知
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:区分所有法では、共用部分の持分は各専有部分の床面積の割合で決まります。規約や集会決議の効力は、区分所有者だけでなく、部屋を買い受けた特定承継人にも及びます。
解き方
- 各肢の区分所有法の内容(持分割合、決議等の効力範囲、管理者の義務、招集通知の到達擬制)を照合します。
- 肢1の共用部分の持分が床面積割合か等分かを確認して、誤りを特定します。
- 選択肢 1正解
- 共用部分の持分は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積の割合で決まります(区分所有法14条1項・4項)。人数で等分するのではないので、本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 規約や集会の決議は、区分所有者の特定承継人(部屋を買い受けた人等)にも効力が及びます(区分所有法46条1項)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 管理者は、集会で毎年1回一定の時期に、事務の報告をしなければなりません(区分所有法43条)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 通知を受ける場所を知らせなかったときは、専有部分のある場所に送れば足り、通常届く時に届いたとみなされます(区分所有法35条2項・3項)。したがって正しい記述です。
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覚えるポイント
- 共用部分の持分は原則「専有部分の床面積割合」(等分ではない)
- 規約・集会決議は特定承継人(購入者)にも効力が及ぶ
間違えやすいところ
- 民法の一般共有(特約がなければ持分は平等と推定)と、区分所有法の共用部分の持分(専有部分の床面積割合)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている建物の区分所有等に関する法律の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記法における単独申請
不動産登記法 · 買戻しの特約の抹消 / 収用による所有権移転登記 / 遺贈による所有権移転登記 / 登記名義人表示変更登記
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:不動産の権利の登記は原則として共同申請です。例外として単独申請できる場合があり、遺贈による所有権移転登記は、受遺者が「相続人である場合」だけ単独申請できます。
解き方
- 登記の申請の原則(共同申請)と、単独申請できる例外を確認します。
- 遺贈の移転登記で、受遺者が「相続人」か「相続人以外」かで要件が変わる点を比べて正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 買戻しの特約の登記がある場合、契約の日から10年を過ぎると、登記権利者は単独でその登記の抹消を申請できます(不動産登記法69条の2)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 収用による所有権移転の登記は、起業者が単独で申請できます(不動産登記法118条1項)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 遺贈による所有権移転登記を登記権利者の単独で申請できるのは、受遺者が「相続人である場合」だけです(不動産登記法63条3項)。相続人でない人への遺贈は、受遺者と遺言執行者などの共同申請になります。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 登記名義人の氏名・名称や住所の変更・更正の登記は、登記名義人が単独で申請できます(不動産登記法64条1項)。したがって正しい記述です。
覚えるポイント
- 相続人への遺贈による所有権移転登記は単独申請可能
- 相続人以外への遺贈による所有権移転登記は共同申請(単独不可)
- 買戻特約の抹消:契約日から10年経過で単独申請可能
間違えやすいところ
- 「遺贈の移転登記は単独でできる」と大ざっぱに覚え、受遺者が相続人であるという条件を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている不動産登記法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法上の区域・地域・施設計画
都市計画法 · 都市計画区域外の都市施設 / 準都市計画区域 / 準住居地域 / 地区計画
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:地区計画は、用途地域がある区域だけでなく、用途地域がない区域(市街化調整区域や準都市計画区域など)でも定められます。
解き方
- 各肢の都市計画決定の対象(区域外の都市施設、準都市計画区域で定められるもの、準住居地域の定義)を法令と照合します。
- 肢4の地区計画の対象区域(用途地域の内外)と地区整備計画の定め(都市計画法12条の4・12条の5)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 都市施設は原則として都市計画区域内に定めますが、特に必要があるときは都市計画区域外にも定められます(都市計画法11条1項)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 準都市計画区域では、市街地開発事業を定めることはできません(都市計画法13条1項13号等)。用途地域があっても定められないので正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 準住居地域は「道路の沿道という地域の特性に合った業務の利便を高めつつ、それと調和した住居環境を守るため定める地域」です(都市計画法9条7項)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- 地区計画は、用途地域がない区域でも一定の要件を満たせば定められます(都市計画法12条の5第1項)。また、地区計画を定めるときに地区整備計画を必ず最初から定めなければならないわけではありません。だから本肢は誤りです。
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覚えるポイント
- 地区計画は用途地域が定められていない区域でも定められる
- 準都市計画区域では市街地開発事業は定められない
- 都市計画区域外でも都市施設を定めることができる
間違えやすいところ
- 地区計画は「市街化区域や用途地域の中だけ」と思い込まないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている都市計画法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における開発許可の要否及び手続き
都市計画法 · 開発許可の要否 / 医療施設・公益上必要な建築物 / 都市計画事業 / 開発登録簿
都市計画法(法)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか(なお、条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする)。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:開発許可(都市計画法29条)では、病院や学校、庁舎などの建築を目的とする開発行為も、原則どおり許可が必要です。昔の適用除外は法改正でなくなりました。
解き方
- 各肢の開発行為の規模、用途(病院、都市計画事業等)、行為の内容(建築だけか開発行為か)を確認します。
- 公益上必要な建築物の例外(病院は除かれない)、開発行為の定義、都市計画事業の例外、開発登録簿の調製主体を確かめます。
- 選択肢 1正解
- 病院や診療所、学校などの建築を目的とする開発行為は、以前は適用除外でしたが改正で外れました。市街化区域内で1,000㎡以上の土地の区画形質の変更をするときは知事の許可が必要です(都市計画法29条1項)。
- 選択肢 2不正解
- 29条の許可が必要なのは「開発行為」(主に建物の建築のために行う土地の区画形質の変更)です。開発行為を伴わない建物の建築だけなら、市街化区域内でも29条の許可は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画事業として行う開発行為は、市街化調整区域内でも開発許可は不要です(都市計画法29条1項6号・2項3号)。
- 選択肢 4不正解
- 開発登録簿を調べて登録する義務があるのは「都道府県知事等」で、許可を受けた人ではありません(都市計画法46条・47条)。
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覚えるポイント
- 病院・診療所・学校等の建築目的の開発行為は許可が必要(適用除外ではない)
- 都市計画事業の施行としての開発行為は全区域で許可不要
- 開発登録簿を調製・登録するのは都道府県知事
間違えやすいところ
- 駅舎や公民館など今も許可不要の公益施設と、病院・学校など許可が必要な施設を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている都市計画法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における各種規制・手続き
法令上の制限 · 避雷設備 / 違反建築物に対する措置 / 建築確認 / 用途変更
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、建築副主事の確認にあっては、建築基準法に定める大規模建築物以外の建築物に限るものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:建築基準法では、避雷設備の基準、違反建築物への是正命令の手続き、用途変更や増築での建築確認の要否などが決まっています。安全を守るための手続きと基準を正しく押さえましょう。
解き方
- 各選択肢の条文の要件(避雷設備の高さ、緊急時の仮の命令の手続、増築時の確認の要否、用途変更の類似性)を確認します。
- 緊急時の使用禁止命令で事前通知が不要な例外と照らし合わせ、誤っている肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 高さ20mを超える建築物には、周囲の状況で安全上問題がない場合を除き、有効な避雷設備を設けなければなりません(建築基準法33条)。高さ25mはこれに当たります。
- 選択肢 2正解
- 特定行政庁は、緊急の必要があって仮に使用禁止や使用制限を命じるときは、事前の通知や意見書提出の手続きをする必要がありません(建築基準法9条7項)。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 防火地域・準防火地域内では、増築部分の床面積が10㎡以内でも建築確認が必要です(建築基準法6条2項)。
- 選択肢 4不正解
- 劇場から映画館への用途変更は、政令で定める「類似の用途相互間」の変更なので、建築確認は必要ありません(建築基準法87条1項、令137条の18)。
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覚えるポイント
- 防火地域・準防火地域内の増築は10㎡以内でも建築確認が必要となる点に注意する。
間違えやすいところ
- 類似の用途同士の変更では、床面積に関係なく確認が不要になる点を見落としやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている建築基準法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における用途規制および形態規制
法令上の制限 · 特定用途誘導地区 / 用途地域 / 天空率 / 建蔽率緩和
次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:特定用途誘導地区では、都市計画で高さの最高限度が決まっていても、特定行政庁が用途上・構造上やむを得ないと認めて許可すれば、その限度を超えられます(建築基準法60条の3第3項)。
解き方
- 映画館の用途地域制限、特定用途誘導地区の最高限度、天空率の判定基準、建蔽率80%の区域で防火地域内の耐火建築物の扱いを整理します。
- 特定用途誘導地区で特定行政庁の許可を定めた建築基準法60条の3第3項に当てはまる肢2が正解だと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 客席部分の床面積が200㎡以上の映画館は、第二種住居地域でも準住居地域でも建築できません(建築基準法別表第二(わ)項)。
- 選択肢 2正解
- 特定用途誘導地区では、都市計画で高さの最高限度が決まっていても、特定行政庁が用途上・構造上やむを得ないと認めて許可すれば、その限度を超えられます(建築基準法60条の3第3項)。
- 選択肢 3不正解
- 計画する建築物の天空率が、斜線制限に適合する建築物の天空率「以上」なら斜線制限は適用されません。「未満」では適用されません(建築基準法56条7項)。
- 選択肢 4不正解
- 建蔽率80%の区域で、防火地域内にある耐火建築物等は、建蔽率制限そのものが適用されません(100%)。だから特定行政庁の許可は不要です(建築基準法53条6項1号)。
覚えるポイント
- 指定建蔽率80%かつ防火地域内の耐火建築物は、特定行政庁の許可なく建蔽率無制限となる。
間違えやすいところ
- 天空率の緩和は「以上」か「未満」かを読み違えやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている建築基準法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成及び特定盛土等規制法の規制内容
法令上の制限 · 基礎調査のための立入 / 改善勧告 / 住民への事前周知 / 届出制度
宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:盛土規制法では、危険な盛土を防ぐため、立入調査、保全勧告、住民への事前周知、工事の届出など、段階に応じた規制があります。
解き方
- 基礎調査の立入、保全措置の勧告、工事主の周辺住民への周知義務の時期、特定盛土等規制区域での届出を比べます。
- 周辺住民への周知は工事着手の前に行う必要があるので、肢3が誤りだと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 知事等は基礎調査のため、他人の土地に立ち入れます。土地の占有者は、正当な理由がなければ立入りを拒んだり妨げたりできません(法5条1項・5項)。
- 選択肢 2不正解
- 知事は、災害を防ぐため必要と認めるとき、土地の所有者などに擁壁の設置などの改善を勧告できます(法22条1項)。
- 選択肢 3正解
- 工事主は、宅地造成等の工事の許可を受けようとするとき、あらかじめ(工事着手前・申請前に)周辺住民へ説明会などの周知措置をします(法12条4項)。「工事着手後2週間以内」ではないので本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 特定盛土等規制区域内の一定規模の特定盛土等は、着手する日の30日前までに知事へ届け出ます(法27条1項)。
覚えるポイント
- 盛土規制法における住民説明会等の周知義務は「事前(許可申請前)」に行う必要がある。
間違えやすいところ
- 工事の完了後や着手後にする届出・措置と、事前にしておく手続きを混同しやすいので気をつけましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地造成及び特定盛土等規制法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法における仮換地および換地処分
法令上の制限 · 仮換地 / 換地処分の公告 / 保留地 / 使用収益の停止
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において、同法第 136 条の 3 による大都市等の特例及び条例で定める事務処理の特例は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:土地区画整理事業では、仮換地の指定で使用収益できるようになる時期、保留地を取得する時期、換地処分の公告をする人が決まっています。
解き方
- 仮換地の効力(使用収益権)、換地処分の公告の主体、保留地の帰属時期、使用収益開始日の別定の規定を確認します。
- 市町村施行の換地処分の公告は知事が行うこと(法103条3項・4項)に反する記述を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 仮換地が指定されると、従前の宅地の使用収益権者は、指定の効力発生日から換地処分の公告がある日まで、仮換地を従前と同じように使用・収益できます(土地区画整理法99条1項)。
- 選択肢 2正解
- 市町村が換地処分をしたときは、市町村はその旨を知事に届け出ます。公告をするのは「都道府県知事」です(法103条3項・4項)。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 換地計画で定めた保留地は、換地処分の公告があった日の「翌日」に施行者が取得します(土地区画整理法104条11項)。
- 選択肢 4不正解
- 施行者は、特別な事情があるときは、仮換地の使用収益を始められる日を、指定の効力発生日と別に定められます(土地区画整理法99条2項)。
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覚えるポイント
- 市町村施行の換地処分は、市町村ではなく「都道府県知事」が公告する。
間違えやすいところ
- 公的施行でも、市町村が自分で公告するわけではない点に注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている土地区画整理法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
農地法における各種手続きおよび規制
法令上の制限 · 停止条件付仮登記 / 第5条許可申請の手続き / 農地の賃貸借の更新 / 農地の賃貸借の合意解約
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:農地法3条は農地の権利の移転などを規制しますが、「許可があったら所有権が移る」という停止条件付き売買の仮登記を申請する時点では、まだ権利は移っていないので許可書は要りません。
解き方
- 停止条件付き仮登記で農地法3条の許可が必要かを、登記実務と法令の解釈で確認します。
- 5条許可の共同申請(連署)、賃貸借の更新拒絶通知の期間(1年前〜6か月前)、合意解約等の知事許可を確認します。
- 停止条件付き仮登記の申請に農業委員会の許可は不要なので、肢1が誤りだと特定します。
- 選択肢 1正解
- 「許可があったときに所有権が移る」という停止条件付き売買に基づく所有権移転請求権の仮登記の申請には、農業委員会の許可は要りません。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 農地法5条1項の許可申請は、民事調停が成立した場合などの一定の例外を除き、当事者が連署した申請書を出さなければなりません(農地法施行規則等)。正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 農地法17条により、期間の定めがある農地の賃貸借は、期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知をしないと、同じ条件で更新されたものとみなされます。正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 農地法18条1項により、農地の賃貸借の解除や合意解約などは、農事調停による場合など政令の例外を除き、都道府県知事等の許可を受けないと効力が生じません。正しい記述です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 農地法3条・5条の許可を停止条件とする仮登記では、仮登記申請時には許可書の添付は不要。
間違えやすいところ
- 本登記のときは許可書が必要でも、仮登記のときは条件付き契約書で足ります。ここを取り違えやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている農地法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法における事後届出および監視区域の事前届出
法令上の制限 · 権利移転(地上権) / 交換と面積合算 / 罰則と勧告 / 監視区域における事前届出
国土利用計画法(以下この問において「法」という。)第 23 条の届出(以下この問において「事後届出」という。)及び法第 27 条の 7 の監視区域内の届出(以下この問において「事前届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:国土利用計画法では、面積の基準(市街化区域は2,000㎡以上、市街化調整区域などは5,000㎡以上、都市計画区域外は10,000㎡以上)と、対価を得て行う土地売買等の契約に、事後届出や事前届出の義務がかかります。
解き方
- 地上権の設定契約(対価の有無が不明なときの判断と、面積基準5,000㎡未満)を確認します。
- 交換契約で各当事者が取得する面積(Cは12,000㎡、Dは3,000㎡)と届出義務を検討します。
- 届出をしなかった場合の罰則の有無を確認します(懲役や罰金があります)。
- 監視区域の事前届出の期限(6週間前)と面積要件を満たすかを照合します。
- 選択肢 1不正解
- 市街化調整区域や非線引き都市計画区域(市街化区域以外の都市計画区域)の事後届出の基準は5,000㎡以上です。4,000㎡は基準未満なので届出は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 交換契約では双方が権利を取得します。Cは都市計画区域外の12,000㎡(基準10,000㎡以上)、Dは市街化区域内の3,000㎡(基準2,000㎡以上)を取得するので、C・Dとも事後届出が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 届出をしなかったり、うその届出をした人は、懲役や罰金の罰則を受けます(事後届出違反は法47条で6月以下の懲役または100万円以下の罰金)。
- 選択肢 4正解
- 監視区域内の事前届出は、原則として事後届出の面積基準(市街化区域は2,000㎡以上など)を満たす土地について、契約締結の少なくとも6週間前までに行わなければなりません(法27条の7第1項)。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 国土利用計画法の無届出には罰則(懲役・罰金)がある。勧告に従わないこと自体には罰則はない。
間違えやすいところ
- 交換契約では双方が土地を取得するので、それぞれが取得する面積が基準以上かどうかで判断します。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている国土利用計画法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
税金・その他 · 住宅ローン控除 / 譲渡損失の損益通算との重複 / 居住年と控除開始年 / 償還期間要件
住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(以下この問において「住宅ローン控除」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下の居住用家屋は、令和 5 年に建築基準法第 6 条第 1 項の確認(建築確認)を受けたものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:住宅ローン控除(租税特別措置法41条)は、住み始めた年から使えて、ローンの返済期間が10年以上であることなどが条件です。譲渡所得の他の特例と重ねて使えるかどうかも大事なポイントです。
解き方
- 居住用財産の譲渡所得の特例(3,000万円特別控除や軽減税率など)と重ねて使えるかの制限を確認します。
- 居住用財産の買換えなどの譲渡損失の損益通算と重ねて使えるかを確認します(使えます)。
- 住宅ローン控除が始まる年(住み始めた年)と返済期間の条件(10年以上)を確認し、正しい肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 住んだ年とその前2年または後3年の間に、居住用財産の買換え特例や軽減税率の特例などを使っていると、住宅ローン控除は受けられません。
- 選択肢 2正解
- 居住用財産の買換えなどの「譲渡損失の損益通算と繰越控除」の特例は、住宅ローン控除と重ねて使えます。
- 選択肢 3不正解
- 住宅ローン控除は、住宅を新築・取得して「住み始めた年」以降の年分に適用されます。まだ住んでいない令和5年分には使えません。
- 選択肢 4不正解
- 住宅ローン控除の対象になるローンは、返済期間が「10年以上」でなければなりません。3年では対象外です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 居住用財産の「譲渡益の特例」は住宅ローン控除と併用不可、「譲渡損失の特例」は併用可能。
間違えやすいところ
- 土地を先に買っても、家を建てて実際に住んだ年より前の年分には適用できません。ここに注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている所得税法及び租税特別措置法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
不動産取得税の課税標準・免税点・税率等
税金・その他 · 課税標準 / 免税点 / 非課税(法人の合併) / 標準税率と特例税率
不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:不動産取得税(道府県税)は、不動産を取得したときに、固定資産課税台帳に登録された価格をもとに課税されます。一定の非課税や免税点、住宅と土地の軽減税率(3%)の特例があります。
解き方
- 課税標準が実際の取引価格ではなく「固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)」である点を確認します。
- 免税点の数値(土地10万円、建築家屋23万円、その他の家屋12万円)を確認します。
- 法人の合併や相続による取得が「形だけの移転」として非課税になることを確認します。
- 土地の税率の特例(住宅用地に限らず土地全般が3%)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 不動産取得税の課税標準は、原則として実際の売買価格ではなく、固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)です(地方税法73条の13)。
- 選択肢 2正解
- 課税標準となる額が、土地10万円、建築家屋は1戸23万円、その他の家屋は1戸12万円に満たないときは、不動産取得税は課されません(免税点、地方税法73条の15の2)。
- 選択肢 3不正解
- 法人の合併や相続で不動産を取得するのは包括承継という形だけの移転なので、不動産取得税は非課税です(地方税法73条の7)。
- 選択肢 4不正解
- 土地の税率は、住宅用地でもそれ以外でも3%に軽減されています。住宅以外の家屋が本則の4%です(地方税法附則11条の2)。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 不動産取得税の免税点:土地10万円、家屋(新築・増改築)23万円、家屋(売買等)12万円。
間違えやすいところ
- 土地の軽減税率は住宅用地だけでなく土地全般に適用されます。ここに注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている地方税法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の鑑定評価基準
税・その他 · 不動産鑑定評価基準 / 最有効使用の原則 / 同一需給圏 / 収益還元法
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:不動産の価格は、その不動産が最も有効に使われる使い方を前提に考えます。これを「最有効使用の原則」といい、周囲の環境に合っているべきという「適合の原則」とは別のものです。
解き方
- 不動産鑑定評価基準の各用語の定義(同一需給圏、条件設定、収益還元法、価格形成の諸原則)を確認します。
- 「効用が最高度に発揮される可能性が最も高い使用」は「適合の原則」ではなく「最有効使用の原則」だと確認して、誤りを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 不動産鑑定評価基準では、同一需給圏とは「対象不動産と代替関係が成り立ち、価格の形成に互いに影響するような他の不動産がある圏域」とされています。
- 選択肢 2不正解
- 鑑定評価では、依頼目的に応じて、地域要因や個別的要因について想定上の条件を設定して評価することがあります。
- 選択肢 3正解
- 設問の記述は「最有効使用の原則」の説明です。「適合の原則」とは、不動産の効用が最高度に発揮されるには周囲の環境に適合している必要がある、という原則です。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 収益還元法は、将来生み出す純収益の現在価値の合計を求める方法で、賃貸用不動産や事業用不動産の試算価格を求めるときに特に有効です。
覚えるポイント
- 不動産の効用を最高度に発揮する使用を前提とする原則は「最有効使用の原則」である。
間違えやすいところ
- 「最有効使用の原則」と、環境との調和をいう「適合の原則」の定義を混同しないようにしましょう。
出題の前提:不動産鑑定評価基準(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明(法35条)の記載・説明義務
宅建業法 · 重要事項説明 / 宅地建物取引士の記名押印廃止 / 区分所有建物 / 修繕積立金
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次のアからエの記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 ア ガス配管設備等に関して、住宅の売買後においても宅地内のガスの配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売会社にあるものとする場合には、その旨を説明しなければならない。 イ 重要事項の説明を行う宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなくてもよいが、書面に記名する宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなければならない。 ウ 区分所有建物である事務所ビルの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあっては、その商号又は名称)及び住所(法人にあっては、その主たる事務所の所在地)を説明しなければならない。 エ 区分所有建物である中古マンションの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額について説明しなければならない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:宅建業法35条の重要事項説明は、取引の判断に重要な影響を与える事項を対象にしています。区分所有建物なら管理の委託先や修繕積立金など、特有の事項も説明します。また、説明や書面への記名は専任でない宅地建物取引士でもできます。
解き方
- ア〜エの各内容を、法35条と同法施行規則に照らして正誤を判断します。
- ア(正)、イ(誤)、ウ(正)、エ(正)なので、正しい記述は3つ(選択肢3)になります。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はア、ウ、エの3つです。だから誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はア、ウ、エの3つです。だから誤りです。
- 選択肢 3正解
- ア、ウ、エの3つが正しく、イだけが誤りです。だから正解です。
- 選択肢 4不正解
- イが誤りなので、「四つ」とする本肢は誤りです。
答えの内訳
- ア:正
- 飲用水・都市ガス等の供給施設等の整備状況において、配管設備等の所有権が第三者(プロパンガス販売会社等)に属する場合には、その旨を説明しなければなりません。
- イ:誤
- 重要事項説明書への記名を行う宅地建物取引士は専任である必要はなく、専任以外の宅地建物取引士であっても記名を行うことができます。
- ウ:正
- 区分所有建物の売買・交換の媒介において、建物及び敷地の管理が委託されているときは、受託者の氏名(商号・名称)及び住所(主たる事務所の所在地)を説明しなければなりません。
- エ:正
- 区分所有建物の売買・交換の媒介において、計画的な維持修繕積立金の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額を説明しなければなりません。
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覚えるポイント
- 重要事項説明を行う者および書面に記名する者は専任の宅建士である必要はない。
間違えやすいところ
- 35条書面の記名者を「専任の宅地建物取引士に限る」と誤解しないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条、同法施行規則(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金制度
宅建業法 · 営業保証金 / 保管替え / 還付対象債権 / 有価証券の評価額 / 供託場所
宅地建物取引業者Aに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業保証協会の社員ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:宅地建物取引業者の営業保証金は、主たる事務所の最寄りの供託所にまとめて供託します。還付を受けられるのは「宅地建物取引業に関する取引」で生じた債権だけです。
解き方
- 各選択肢の要件(保管替え、還付対象債権の範囲、有価証券の評価率、従たる事務所新設時の供託先)を順に確認します。
- 従たる事務所の新設時に主たる事務所の最寄りの供託所へ供託するとした肢4が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- お金だけで営業保証金を供託している場合は、新たに供託するのではなく、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への「保管替えの請求」をします。
- 選択肢 2不正解
- 還付の対象は「宅地建物取引業に関する取引」で生じた債権です。現地案内中の交通事故による損害賠償請求権は取引で生じた債権ではないので、還付の対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 供託に使う有価証券の評価額は、国債証券は額面の100%(全額)、地方債証券などは額面の90%です。「国債90%・地方債80%」は誤りです。
- 選択肢 4正解
- 従たる事務所を設置したときは、その1か所につき500万円の営業保証金を「主たる事務所の最寄りの供託所」に供託しなければなりません。
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覚えるポイント
- 有価証券の評価額:国債=100%、地方債・政府保証債=90%、その他の債券=80%。
間違えやすいところ
- お金だけで供託しているときの最寄り供託所の変更は「保管替え」で、新たに供託するわけではありません。
出題の前提:宅地建物取引業法第25条、第27条、第29条(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
報酬額の計算と受領制限
宅建業法 · 報酬計算 / 居住用建物の賃貸 / 事業用建物の賃貸・権利金 / 売買媒介 / 現地調査費用
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)及び宅地建物取引業者B(消費税免税事業者)が受領した報酬に関するアからウの記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものの組合せは1から4のうちどれか。なお、代理、媒介に当たり、広告の依頼は行われていないものとする。 ア 居住用建物(1か月の借賃12万円。消費税等相当額を含まない。)について、Aは貸主から代理を依頼され、Bは借主から媒介を依頼され、Aは貸主から6.7万円、Bは借主から6.5万円を報酬として受領した。なお、Bは、媒介の依頼を受けるに当たって、報酬について借主から特段の承諾を得ていない。 イ Bは、事業用建物について、貸主と借主双方から媒介を依頼され、借賃1か月分10万円(消費税等相当額を含まない。)、権利金90万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもので、消費税等相当額を含まない。)の賃貸借契約を成立させ、貸主と借主からそれぞれ5万円を報酬として受領した。 ウ Aは、土地付建物について、売主と買主双方から媒介を依頼され、代金3,500万円(消費税等相当額を含み、土地代金は2,400万円である。)の売買契約を成立させ、売主と買主からそれぞれ110万円を報酬として受領したほか、売主の特別の依頼に基づき行った遠隔地への現地調査に要した実費の費用について、売主が事前に負担を承諾していたので、売主から9万円を受領した。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:居住用建物の賃貸の媒介では、依頼者の承諾がない限り、一方から受け取れる報酬は0.5か月分+税が上限です。事業用建物の賃貸や売買の媒介の報酬計算、特別の依頼による遠隔地調査の実費の扱いも押さえましょう。
解き方
- ア:Bは借主から受けるときに特段の承諾を得ていないので、上限は12万円×0.5×1.04=6.24万円です。受領額6.5万円は超えているので違反です。
- イ:B(免税)が双方から合計10万円を受領。借賃基準の上限は10万円×1.04=10.4万円以内なので適法(違反しません)。
- ウ:税抜価格3,400万円に対する片方の上限は118.8万円なので110万円は適法。事前承諾済みの遠隔地調査の実費受領も適法です(違反しません)。
- 違反しないものの組合せは「イ、ウ」です。
- 選択肢 1不正解
- アが違反しているので誤りです。
- 選択肢 2正解
- イとウはどちらも宅地建物取引業法の規定に違反していません。
- 選択肢 3不正解
- アが違反しているので誤りです。
- 選択肢 4不正解
- アが違反しているので誤りです。
答えの内訳
- ア:違反する
- 居住用建物の賃貸媒介において、依頼者の承諾を得ていない場合、一方から受領できる報酬限度額は借賃の0.5か月分+税相当額です。B(免税事業者)が借主から受領できる限度は12万円×0.5×1.04=6.24万円であり、6.5万円を受領したことは業法違反となります。
- イ:違反しない
- 事業用建物の賃貸借では通常の賃料基準または権利金を売買代金とみなす基準を選択できます。賃料基準では双方合計で1か月分+税(10万円×1.04=10.4万円)以内であればよく、各5万円(合計10万円)の受領は限度額内であり違反しません。
- ウ:違反しない
- 建物代金1,100万円(税込・税抜1,000万円)と土地代金2,400万円より税抜物件価格は3,400万円。報酬限度額は(3,400万円×3%+6万円)×1.1=118.8万円であり各110万円の受領は適法です。また、依頼者の特別の依頼による遠隔地調査の実費9万円の事前承諾受領も認められているため違反しません。
覚えるポイント
- 居住用建物の賃貸媒介は事前の承諾がない限り、一方からの上限は賃料0.5か月分+税相当である。
間違えやすいところ
- 消費税免税事業者の計算は4%(×1.04)です。掛け忘れに注意しましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第46条、国土交通省告示(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士制度
宅建業法 · 宅地建物取引士 / 登録実務講習 / 宅建士証の返納 / 名義貸し / 専任の宅建士の不足措置
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:宅地建物取引士の登録、宅建士証の交付・失効・返納、名義貸しの禁止、事務所の専任宅建士の人数についての決まりを確認する問題です。
解き方
- 各選択肢の条文(法18条の実務経験要件、法22条の2の返納事由、名義貸しの禁止対象、法31条の3第3項の欠員補充期間)を照合します。
- 専任宅建士が欠けたときの是正期間は2週間以内なので、肢4が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 実務経験が2年未満の人が受ける登録実務講習は「国土交通大臣の登録を受けた機関」が行うもので、「都道府県知事が指定する講習」ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 宅建士証が効力を失ったときは、速やかに交付を受けた都道府県知事に返納しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 名義貸しの禁止は、名義を借りる相手が宅地建物取引士の登録を受けていても適用され、例外なく処分の対象になります。
- 選択肢 4正解
- 事務所の専任の宅地建物取引士が不足したときは、宅建業者は2週間以内に必要な措置をとらなければなりません(法31条の3第3項)。
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覚えるポイント
- 専任の宅建士が不足した場合は2週間以内に必要な補充措置を執らなければならない。
間違えやすいところ
- 登録実務講習(大臣登録機関)と法定講習(知事指定)の実施主体を混同しないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第18条、第22条の2、第31条の3、第68条(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
クーリング・オフ制度(法37条の2)
宅建業法 · クーリング・オフ / 告知書面の記載事項 / 買受申込み場所 / 銀行の窓口
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない個人Bとの間で宅地の売買契約を締結し、手付金を支払ったBが、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフにより、当該売買契約を契約締結の日の翌日に解除しようとしている。この場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:自ら売主のクーリング・オフで、買主が自分から申し出た場合に適用除外になる場所は「買主の自宅」と「買主の勤務先」だけです。銀行などの店舗は含まれません。
解き方
- クーリング・オフが適用除外になる場所(事務所等、専任宅建士のいる案内所等、買主が申し出た自宅・勤務先)を確認します。
- 買主が申し出た銀行での契約締結は適用除外にならず解除できるので、「解除できない」とする肢4が誤りだと判断します。
- 選択肢 1不正解
- クーリング・オフの告知書面に宅地建物取引士の記名は不要です(売主である宅建業者の商号・名称、住所、免許番号などの記載が必要です)。
- 選択肢 2不正解
- 買主が自分から申し出た「勤務先」での申込みと契約締結は、クーリング・オフが適用除外になる場所なので解除できません。
- 選択肢 3不正解
- 買主が自分から申し出ても、喫茶店やレストランなどは適用除外の場所ではなく、クーリング・オフによる解除ができます。
- 選択肢 4正解
- 買主が自分から申し出ても、銀行の店舗は「自宅」や「勤務先」に当たらないので、クーリング・オフで解除できます。「解除できない」とする記述は誤りです。
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覚えるポイント
- 買主自らの申出によってクーリング・オフ不可となる場所は「自宅」と「勤務先」のみである。
間違えやすいところ
- 銀行(融資を受ける金融機関)を買主が指定しても、自宅・勤務先ではないのでクーリング・オフはできます。ここを見落とさないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2、同法施行規則第16条の5(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
監督処分及び公告
宅建業法 · 監督処分 / 業務停止処分 / 必要的免許取消し / 所在確知不能の公告 / 聴聞 / 処分の公告
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:宅建業法の監督処分には指示処分・業務停止処分・免許取消処分があります。命令違反に対してはより重い処分がされ、特に業務停止処分に違反すると必ず免許を取り消されます。また聴聞は公開が原則で、免許取消しも業務停止も公告の対象です。
解き方
- 各肢の記述(指示違反時の業務停止と停止違反時の必要的免許取消、確知できないときの公告期間、聴聞の公開性、処分の公告義務)を法令と照合します。
- 肢1の、指示違反に対する業務停止と、業務停止違反に対する必要的取消の規定が合っていることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 指示処分に従わないときは1年以内の業務停止を命じられます(法65条2項1号)。業務停止の処分に違反したときは、免許を取り消さなければなりません(法66条1項9号)。
- 選択肢 2不正解
- 事務所の所在地を確知できないときの公告期間は「30日」です。「2週間」とする本肢は誤りです(法67条1項)。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業法の監督処分のための聴聞は、原則として「公開」で行います(法69条)。非公開が原則だとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 公告が必要なのは免許取消処分だけではありません。業務停止処分をしたときも、その旨を公告しなければなりません(法70条)。

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覚えるポイント
- 業務停止処分違反は必要的免許取消事由である。事務所所在確知不能の公告期間は30日である。
間違えやすいところ
- 監督処分(指示・業務停止・取消)の聴聞は、行政手続法の特則として「公開」で行います。ここに注意しましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第65条、第66条、第67条、第69条、第70条(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約(専任媒介・34条の2書面)
宅建業法 · 専任媒介契約 / 指定流通機構の登録 / 報告義務 / 建物状況調査 / 34条の2書面
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の中古住宅の売却の依頼を受け、Bと専任媒介契約(専属専任媒介契約ではないものとする。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:媒介契約(法34条の2)では、専任媒介契約だと2週間に1回以上の業務処理状況の報告義務があります(報告は書面でなくてもよい)。指定流通機構への成約通知や34条の2書面の必要事項は、相手が業者でも省略できません。
解き方
- 専任媒介契約の各義務(指定流通機構への成約通知の時期、34条の2書面の記載事項、業務報告の頻度と方法、建物状況調査のあっせん記載義務)を確認します。
- 肢3が、報告の頻度(2週間に1回以上)と方法(書面でなくてもよい)の点で正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 指定流通機構に登録した物件で売買契約が成立したときは、引渡しの完了を待たず、遅滞なくその旨を指定流通機構に通知しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 法34条の2(媒介契約書面の交付)は、依頼者が宅地建物取引業者でも適用除外にならず、標準媒介契約約款に基づくかどうかの別を記載しなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 専任媒介契約(専属ではない)では2週間に1回以上報告が必要で、買受けの申込みがないときも報告義務があります。報告の方法は書面に限られず、口頭やメールでもよいです。
- 選択肢 4不正解
- 既存建物の売買媒介では、建物状況調査の実施者のあっせんを希望しないときでも、34条の2書面に「あっせんの有無(無)」を記載しなければなりません。
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覚えるポイント
- 媒介契約に係る業務処理状況の報告は、書面に限られず口頭やメール等でも可能である。
間違えやすいところ
- 専属専任媒介(1週間に1回以上)と専任媒介(2週間に1回以上)の報告頻度を混同しないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第34条の2(令和6年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における広告規制
宅建業法 · 広告規制 / おとり広告 / 取引態様の明示 / 広告開始時期の制限
宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:宅建業法の広告規制は、取引の公正と消費者の保護のため、誇大広告の禁止、広告できる時期、取引態様の明示義務などを定めています。
解き方
- 各選択肢が対象とする広告規制の条文(誇大・おとり広告、自ら貸借の適用除外、取引態様の明示、広告開始時期)を確認します。
- 許可処分後の広告で取引態様の明示が必要かを検討し、誤っている記述を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 売買契約が成立して実際には取引できない物件をインターネットに載せ続けるのは、おとり広告として法32条(誇大広告等の禁止)に違反します。
- 選択肢 2不正解
- 自分が貸主となって行う賃貸借(転貸を含む)は宅地建物取引業に当たらないので、法34条の取引態様の明示義務は適用されず、違反しません。
- 選択肢 3正解
- 宅地の販売広告では、法34条により取引態様の別(売主・代理・媒介の別)を明示する義務があります。造成工事完了前で許可処分があったことを表示しても、取引態様の明示は省略できません。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 分譲地について複数回広告するときは、取引態様の明示は広告のたびに必要なので、次回以降の広告でも明示しなければなりません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 取引態様の明示義務は広告を行う都度必要であり、いかなる場合も省略できない。
間違えやすいところ
- 自ら貸借は宅建業法の適用対象外である点と、媒介・代理で行う貸借の規制を混同しやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限における手付金等の保全措置
宅建業法 · 手付金等の保全措置 / 自ら売主の制限 / 未完成物件 / 完成物件
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない個人Bとの間で土地付建物を4,000万円で売却する売買契約(所有権移転登記は引渡し時)を締結する場合における手付金等の保全措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:宅建業者が自ら売主の売買では、買主を守るため、受け取る手付金等が一定の額(未完成なら5%超・1,000万円超、完成なら10%超・1,000万円超)を超えるときに保全措置が必要です。
解き方
- 売買代金4,000万円に対する未完成物件(5%=200万円)と完成物件(10%=400万円)の保全基準額を計算します。
- 受け取る手付金等の累計額が基準を超えるかを、各選択肢で判定します。
- 選択肢 1不正解
- 重要事項説明書(法35条)には保全措置を講じないときもその旨を記載しますが、契約成立時の書面(法37条)には保全措置を講じるときだけその概要を書けば足ります。
- 選択肢 2不正解
- 完成物件の基準は10%(400万円)または1,000万円超です。手付金100万円だけなら保全は不要ですが、中間金400万円を受けると累計500万円で基準を超えるので、既にもらった分を含む全額(500万円)に保全措置が必要です。
- 選択肢 3正解
- 未完成物件の基準は代金の5%(200万円)または1,000万円超です。手付金300万円は200万円を超えるので、事前に保全措置を講じなければ受け取れません。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 売主が保全措置を講じるべき手付金等について保全措置を講じないときは、買主はその手付金等の支払いを拒めます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 保全措置の基準は、未完成物件が代金の5%超または1,000万円超、完成物件が代金の10%超または1,000万円超。
間違えやすいところ
- 受け取った額の累計で基準を超えるときは、新たに受け取る分だけでなく、既にもらった分を含めた全額に保全が必要です。ここを見落とさないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法第41条および第41条の2に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
37条書面の電磁的方法による提供
宅建業法 · 37条書面 / 電磁的方法による提供 / IT重説・書面電子化
宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:法37条書面は、相手方の承諾を得るなどの一定の要件を満たせば、電磁的方法(電子データ)で提供できます。
解き方
- 電磁的方法による提供の要件(承諾の手続、取引士の関与・明示、撤回の効力、書面交付義務との関係)を確認します。
- 取引士による事前説明の有無、撤回後の提供可否、書面交付の要否、取引士の明示義務を検討します。
- 選択肢 1不正解
- 電磁的方法の種類と内容を示して相手方の承諾を得る必要はありますが、それを宅地建物取引士に説明させることまでは義務づけられていません。
- 選択肢 2正解
- 電磁的方法で提供するときは、その電磁的記録に、書面の作成等に係る宅地建物取引士が明示される措置を講じなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 相手方から電磁的方法による提供を受けない旨の書面などでの申出があったときは、電磁的方法で提供してはいけません。書面を交付しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 適法に電磁的方法で提供したときは、法に基づく書面の交付があったものとみなされるので、重ねて紙の書面を交付する必要はありません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 電磁的方法により提供する場合でも、作成に係る宅地建物取引士が明示されなければならない。
間違えやすいところ
- 相手方が一度承諾しても撤回できないと誤解しやすいですが、電磁的方法を受けない旨の申出があれば書面交付に戻ります。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法第37条および施行規則の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金及び弁済業務保証金制度
宅建業法 · 営業保証金 / 宅地建物取引業保証協会 / 弁済業務保証金分担金 / 公告手続き
営業保証金及び宅地建物取引業保証協会に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:営業保証金を取り戻すときは、債権者を守るため、原則として公告が必要です。一部の事務所を廃止して取り戻すときも公告が要ります。
解き方
- 保証協会の加入要件、還付を受けられる範囲、社員の地位を失ったときの分担金返還の手順を確認します。
- 営業保証金の取戻しで公告が必要な場合と不要な場合(例外)を当てはめて、正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 保証協会に加入しようとする業者は、加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を保証協会に納めなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 保証協会の社員と取引した人(宅建業者を除く)は、その社員が1人で供託すべきだった営業保証金の相当額を限度に、弁済を受けられます。
- 選択肢 3不正解
- 社員が地位を失ったときは、保証協会が還付請求権者に6か月以上の期間で申し出るよう公告し、その期間が過ぎた後でなければ分担金を返してもらえません。
- 選択肢 4正解
- 一部の従たる事務所を廃止して営業保証金を取り戻すときは、債権者を守るため6か月以上の期間を定めた公告の手続きが必要で、公告なしでは取り戻せません。だから本肢は誤りです。
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覚えるポイント
- 一部事務所の廃止による営業保証金の取戻しには、原則通り6か月以上の公告が必要である。
間違えやすいところ
- 主たる事務所の移転に伴う二重供託や、保証協会への新規加入による取戻しでは公告が不要という例外と混同しやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法第30条および第64条関連規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明の記載・説明事項
宅建業法 · 重要事項説明 / 水害ハザードマップ / 建物状況調査 / 私道負担
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項説明に関する次の記述アからエのうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 ア 建物の貸借の媒介を行う場合、水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村の長が提供する水害ハザードマップに当該建物の位置が含まれているときは、その所在地を示して説明しなければならない。 イ 既存住宅の売買を行う場合、宅地建物取引業法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査の実施後、1年を経過していないものについては、建物状況調査の実施の有無、実施している場合の結果の概要について説明しなければならない。 ウ 宅地の売買を行う場合、宅地の造成に関する工事の完了前のものであるときは、完了時における当該宅地に接する道路の構造及び幅員を説明しなければならない。 エ 建物の貸借の媒介を行う場合、私道に関する負担の有無や内容を事前に調査し、説明しなければならない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:法35条の重要事項説明では、取引の種類(売買・交換か貸借か、宅地か建物か)に応じて、説明する事項が細かく決まっています。
解き方
- ア〜エについて、売買・貸借・既存住宅・工事完了前などの取引の種類と対象不動産に応じた説明義務の有無を確かめます。
- ア(正)、イ(正)、ウ(正)、エ(誤)と判断し、正しい記述の個数を数えます。
- 選択肢 1不正解
- ア、イ、ウの3つが正しいので、「一つ」は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ア、イ、ウの3つが正しいので、「二つ」は誤りです。
- 選択肢 3正解
- ア(水害ハザードマップは建物の貸借でも説明が必要)、イ(実施後1年以内の建物状況調査の概要説明が必要)、ウ(造成工事完了前の道路の構造・幅員の説明が必要)の3つが正しいです。
- 選択肢 4不正解
- エは誤り(私道の負担は建物の貸借では説明不要)なので、「四つ」は誤りです。
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覚えるポイント
- 私道に関する負担は売買・交換や宅地貸借では重要事項だが、建物の貸借では説明不要。
間違えやすいところ
- 水害ハザードマップの説明は貸借でも必要ですが、私道の負担は建物の貸借では不要です。この違いを取り違えやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法第35条第1項各号および施行規則に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許制度
宅建業法 · 免許の有効期間 / 免許の更新 / 名義貸しの禁止 / 免許換え / 免許の条件付与
宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:宅地建物取引業の免許は5年間有効で、更新制です。業務を適正に行うため、条件を付けたり名義貸しを禁止したりする厳しい決まりがあります。
解き方
- 免許更新中の前の免許の効力、名義貸しの絶対的禁止、知事免許業者が業務できる地域を確認します。
- 免許の付与・更新時の条件付与と、条件違反時の必要的取消の規定に当てはめて正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 免許の更新を申請した場合、有効期間の満了までに処分がされなければ、処分がされるまでの間は前の免許が引き続き効力を持ちます。
- 選択肢 2不正解
- 名義貸しは、相手が宅建業者でも、書面で指示していても全面的に禁止されています(法13条)。違反になります。
- 選択肢 3不正解
- 知事免許の業者でも、事務所の所在地に関わらず全国どこの物件でも売買や媒介ができます。他県の物件を扱うために大臣免許へ換える必要はありません。
- 選択肢 4正解
- 免許の更新のときに条件を付すことができ、その条件に違反したときは免許取消処分(必要的取消)になります。
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覚えるポイント
- 知事免許であっても日本全国すべての地域の不動産取引を行うことができる。
間違えやすいところ
- 他の都道府県で業務することと、他の都道府県に事務所を新設すること(免許換えが必要)を混同しやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法第3条、第3条の2、第13条、第66条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
法第50条第2項の案内所等の届出
宅建業法 · 案内所等の届出 / 専任の宅地建物取引士 / クーリング・オフ / 業務場所の届出先
契約締結等を行う宅地建物取引業法第50条第2項の届出をすべき場所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:案内所などで契約行為を行うときは、業務開始の10日前までに、標識の掲示、専任取引士の設置、免許権者と所在地知事への届出が必要です。
解き方
- 法50条2項の案内所等の要件(専任取引士の設置、クーリング・オフの適用除外になる場所、複数業者が関与する場合の届出義務)を照合します。
- 届出先の決まり(免許権者と案内所所在地の知事の両方に届け出る)を確認して、誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 契約行為などを行う事務所以外の継続的な業務施設には、1名以上の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 土地に定着する建物内にあり、専任取引士が置かれた案内所で申込みや契約締結をしたときは、クーリング・オフの適用が除外されます。
- 選択肢 3不正解
- 代理・媒介業者が設置した案内所でも、売主業者自身がそこで契約の申込みを受けるときは、売主業者も法50条2項の届出が必要です。
- 選択肢 4正解
- 催しを行う場所の届出は、業務開始の10日前までに、実施場所の都道府県知事だけでなく、自分の免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)にもしなければなりません。だから本肢は誤りです。
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覚えるポイント
- 法50条2項の案内所等の届出先は「免許権者」と「案内所の所在地の知事」の双方である。
間違えやすいところ
- 届出先が案内所のある都道府県知事だけで足りると勘違いしやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法第50条第2項および施行規則第19条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
37条書面の記載事項(既存建物の貸借)
宅建業法 · 37条書面 / 必要的記載事項 / 建物の貸借 / 既存建物
宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、宅地建物取引業法第37条の規定により当該貸借の契約当事者に対して交付すべき書面に必ず記載しなければならない事項の組合せとして正しいものは次のうちどれか。 ア 当該建物に係る租税その他の公課の負担 イ 敷金や共益費など借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的 ウ 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容 エ 建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分として国土交通省令で定めるものの状況
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:法37条書面の記載事項には、必ず書く事項と、定めがあるときに書く事項があります。また、売買・交換だけに適用され、貸借には適用されない事項もあります。
解き方
- ア〜エの各事項(公課負担、借賃以外の金銭、違約金等、建物の現況)が、建物の貸借の37条書面に必要かを区別します。
- ア(売買交換のみで不要)、イ(貸借で必要)、ウ(貸借で必要)、エ(売買交換のみで不要)と判定し、イとウの組合せを選びます。
- 選択肢 1不正解
- アの租税公課の負担は売買・交換特有の記載事項で、貸借の37条書面には記載不要なので不適当です。
- 選択肢 2正解
- イ(借賃以外の金銭の授受)とウ(損害賠償額の予定・違約金)は、どちらも定めがあるときに貸借の37条書面に書かなければならない事項です。
- 選択肢 3不正解
- エの構造耐力上主要な部分などの状況は、既存建物の売買・交換での記載事項で、貸借では不要なので不適当です。
- 選択肢 4不正解
- アもエも売買・交換特有の記載事項で、貸借では不要なので不適当です。
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覚えるポイント
- 公課の負担や建物状況調査に伴う現況確認事項は、貸借の37条書面では記載不要。
間違えやすいところ
- 重要事項説明(35条)と契約成立時書面(37条)の違い、売買・交換と貸借の記載事項の違いを混同しやすいので注意しましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行されている宅地建物取引業法第37条第2項に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明(35条書面)の記載・説明事項
宅建業法 · 重要事項説明 / 登記された権利 / 建物の取壊し特約 / 住宅性能評価 / 法令に基づく制限
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条の重要事項説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 ア 中古マンションの一室の売買の媒介を行う場合、抵当権が設定されていても、契約日までにその登記が抹消される予定であるときは、当該抵当権の内容について説明しなくてもよい。 イ 宅地の貸借の媒介を行う場合、借地権の存続期間を50年とする賃貸借契約において、当該契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容を説明しなければならない。 ウ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨を説明しなければならない。 エ 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条の規定に基づく急傾斜地崩壊危険区域内にあることは説明しなければならないが、当該区域内における行為の制限の概要については説明しなくてもよい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:重要事項説明(法35条)は、契約するかどうかを決めるためにとても大事な制度です。売買と貸借で説明する事項が違うこと、将来抹消する予定の登記でも今の登記内容は説明する必要があることなどを押さえましょう。
解き方
- ア〜エについて、売買と貸借の区分と、法35条で説明が必要かを判定します。
- 正しい記述の個数を数え、当てはまる選択肢を選びます。
- 選択肢 1正解
- 正しい記述はイの1つだけです。だから正解です。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はイの1つだけなので、「二つ」は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はイの1つだけなので、「三つ」は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述イが正しいので、「なし」は誤りです。
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覚えるポイント
- 登記された権利は抹消予定であっても説明が必要であること。
- 定期借地等に伴う建物の取壊しに関する事項は宅地の貸借でも説明事項であること。
- 住宅性能評価を受けた新築住宅であることの説明義務は建物の売買・交換のみであり、貸借では不要であること。
間違えやすいところ
- 契約のときまでに抹消する予定の抵当権なら説明不要と誤解しやすいので注意しましょう。
- 急傾斜地崩壊危険区域は、区域だけでなく行為の制限の概要まで説明が必要な点を見落としやすいです。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第35条および同法施行規則に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
業務上の禁止事項及び人の死の告知に関するガイドライン
宅建業法 · 不当な勧誘等の禁止 / 故意の不実告知 / 人の死の告知に関するガイドライン / 心理的瑕疵
宅地建物取引業法の規定及び「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。 2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買の契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、宅地又は建物の引渡しの時期について故意に不実のことを告げた場合であっても、契約が成立したときに宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に当該事項を正確に記載すればよい。 3 「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によれば、売買取引の対象となる居住用不動産において、自然死や日常生活の中での不慮の死が発生した場合であっても、過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴ういわゆる特殊清掃や大規模リフォーム等が行われていなければ、宅地建物取引業者は、原則として、買主に対してこれを告げなくてもよい。 4 「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によれば、賃貸借取引の対象となる居住用不動産において、自然死や日常生活の中での不慮の死以外の死が発生した場合であっても、特段の事情がない限り、当該死が発覚してから概ね3年間を経過した後は、宅地建物取引業者は、原則として、借主に対してこれを告げなくてもよい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:宅建業法は、勧誘のときに「必ず利益が出る」と誤解させる断定的判断を示したり、わざとうその説明をしたりすることを厳しく禁止しています。あとで37条書面に正しく書いても、勧誘時の違法は消えません。
解き方
- 宅建業法47条1号の不実告知の禁止規定を確認します。
- 勧誘時に不実告知をした場合、あとで37条書面に正確に書けば免責されるかを検討します(免責されません)。
- ガイドラインの人の死の告知基準(自然死、自殺・他殺などの経過年数)を照合して、誤っている選択肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 「必ず利益が出る」と誤解させる断定的判断を示す行為は、法47条の2第1項などで禁止されています。正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 勧誘のときに引渡し時期などについてわざとうその説明をするのは禁止です。37条書面に正しく書いても違反は消えません。だから本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 自然死や日常生活での不慮の死は原則として告知不要で、特殊清掃などが行われていなければ、売買取引でも告げなくてよいです。正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 賃貸借取引では、自殺・他殺など自然死や不慮の死以外の死でも、発覚からおおむね3年が過ぎた後は原則として告げなくてよいです。正しい記述です。
覚えるポイント
- 勧誘時の故意の不実告知は即座に法違反となり、事後の書面記載で治癒されない。
- 賃貸借における他殺・自殺等の告知は事案発覚から「概ね3年」が経過すれば原則不要となる。
間違えやすいところ
- 37条書面に本当のことを書けば、契約前のうそが許されると勘違いしないようにしましょう。
- 売買と賃貸での人の死の告知基準(3年ルールの適用の有無)を混同しやすいので注意しましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第47条、第47条の2及び国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録及び取引士証
宅建業法 · 宅地建物取引士の登録 / 変更の登録 / 信用失墜行為の禁止 / 取引士証の提示と旧姓併記
宅地建物取引士の登録及び宅地建物取引士証に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1 宅地建物取引士の登録を受けている者は、宅地建物取引士証の交付を受けていない場合でも、その住所に変更があれば、登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請しなければならない。 2 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならず、この行為には宅地建物取引士としての職務に必ずしも直接関係しない行為や私的な行為も含まれる。 3 宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければならないが、その際、個人情報保護の観点から宅地建物取引士証の住所欄にシールを貼った上で提示することが認められている。 4 宅地建物取引士証に記載される宅地建物取引士の氏名については現姓を用いなければならず、旧姓を併記することは認められていない。
解答・解説を表示
解答
4
解説
まず要点:宅地建物取引士の登録事項(氏名・住所・本籍・勤務先)に変更があれば、遅滞なく変更登録を申請します。取引士証には、プライバシー保護や社会生活上の便利のため、住所欄へのシール貼付や旧姓の併記が認められています。
解き方
- 登録事項に変更があったときの変更登録義務(取引士証の交付の有無に関係なし)を確認します。
- 信用失墜行為の禁止の範囲が私生活上の行為にも及ぶかを確認します。
- 取引士証の住所欄のシール貼付と、氏名の旧姓併記に関する法令・通達の規定を確認して、誤りを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 取引士証の交付を受けていなくても、住所などの登録事項が変われば、遅滞なく変更登録を申請する必要があります。正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 法15条の2の信用失墜行為の禁止は、業務上の行為だけでなく、職務に直接関係しない私的な行為でも、信用を害するものは含まれます。正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 個人情報保護のため、取引士証を提示するときに住所欄へシールなどを貼って隠すことが認められています。正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- 取引士証には旧姓を併記することが認められています。「併記は認められない」とする点が誤りです。だから本肢は誤りです。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 取引士証の交付を受けていなくても住所等が変われば変更登録の申請が必要。
- 取引士証提示の際は住所欄にシール貼付が可能。
- 取引士証への旧姓併記は認められている。
間違えやすいところ
- 取引士証を持っていなければ変更登録も不要だと誤解しやすいので注意しましょう。
- 公的な証明書である取引士証に旧姓を併記できないと勘違いしやすいです。
出題の前提:宅地建物取引業法第15条の2、第20条、第22条の2および同法施行規則に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
37条書面の記載事項及び交付義務
宅建業法 · 37条書面 / 物件の特定 / 借賃の額・支払時期 / 業者間取引の特則 / 交付義務の強行性
宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(37条書面)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。 1 Aは、建築工事完了前の建物の売買契約を媒介したときに、37条書面に記載する当該建物を特定するために必要な表示について、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明において使用した図書を交付することによって行った。 2 Aは、貸主Bと借主Cとの間で締結された建物の賃貸借契約を媒介したときに、借賃の額、支払時期及び支払方法について定められていたが、BとCの承諾を得たので、37条書面に記載しなかった。 3 Aは、宅地建物取引業者Dと宅地建物取引業者Eとの間で締結された宅地の売買契約を媒介したときに、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなかった。 4 Aが建物の売買契約を買主として締結した場合に、売主Fに承諾を得たので、37条書面をFに交付しなかった。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:37条書面は契約内容をはっきりさせて後のトラブルを防ぐ書面です。当事者が承諾しても、交付義務や必ず書く事項は省略できません。業者同士の取引でも37条書面の作成・交付義務はかかります。
解き方
- 建物を特定する方法として、添付図書の利用が認められているかを確認します(認められます)。
- 必ず書く事項(借賃の支払時期や引渡しの時期)を、当事者の承諾や業者間取引を理由に省略できるかを確認します(できません)。
- 書面の交付義務そのものが相手の承諾で免除されるかを確認します(免除されません)。
- 選択肢 1正解
- 工事完了前の建物などについて、35条書面で使った図書を交付して目的物を特定することは認められており、違反しません。
- 選択肢 2不正解
- 借賃の額・支払時期・支払方法は必ず書く事項なので、当事者が承諾しても省略できず、違反します。
- 選択肢 3不正解
- 37条書面の規定は宅建業者同士の取引にも適用されるので、引渡しの時期を省略することはできず、違反します。
- 選択肢 4不正解
- 37条書面の交付義務は強行規定なので、相手の承諾があっても交付を省略できず、違反します。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 37条書面の必要的記載事項(引渡時期、代金・借賃の支払時期等)は合意や承諾で省略できない。
- 37条書面の交付義務は業者間取引でも免除されない(8種制限と異なる)。
間違えやすいところ
- 「当事者が承諾すれば書かなくてよい」という引っかけに注意しましょう。
- 宅建業者同士の取引だから37条書面が不要になる、と混同しないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条および宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法に基づく保証金の供託・保険契約
宅建業法 · 住宅瑕疵担保履行法 / 基準日届出 / 契約締結の制限(50日ルール) / 床面積による戸数算定特例
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主に引き渡した新築住宅の戸数が、基準日前10年間に10戸あるが、当該基準日前1年間は0戸である場合、当該売主である宅地建物取引業者は、当該基準日に係る保証金の供託又は保険契約の締結の状況について届出を行う必要はない。 2 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者ではない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る保証金の供託及び保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。 3 保険契約は、新築住宅の引渡し時から有効でなければならないが、買主が当該住宅の引渡し時から10年以内に当該住宅を転売した場合、当該保険契約は解除される。 4 自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主に新築住宅を引き渡した宅地建物取引業者が、保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が25㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、3戸をもって1戸と数えることになる。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:新築住宅の売主である宅建業者は、資力確保措置(供託か保険加入)をし、基準日(年1回・3月31日)ごとにその状況を免許権者へ届け出ます。届出をしないと、基準日の翌日から50日が過ぎた日以降、新規の売買契約を結べません。
解き方
- 基準日の前1年間の引渡しが0戸でも、過去10年間の累計の引渡し実績があれば届出義務があることを確認します。
- 届出をしない場合の売買契約締結禁止の期間(基準日の翌日から起算して50日経過後)を確認します。
- 転売時に保険が解除されるか(解除されない)と、床面積55㎡以下の戸数算定の特例(2戸で1戸)を照合します。
- 選択肢 1不正解
- 過去10年間に引き渡した新築住宅があれば資力確保措置の対象なので、直前1年間の引渡しが0戸でも届出は必要です。
- 選択肢 2正解
- 基準日の届出をしない宅建業者は、基準日の翌日から起算して50日を過ぎた日以降、新たに新築住宅の売買契約を結べません。正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 瑕疵担保責任保険は住宅の基本構造部分の瑕疵を保障するもので、10年以内に転売されても契約は解除されません。
- 選択肢 4不正解
- 床面積55㎡以下の小規模住宅は2戸を1戸として数える特例がありますが、3戸を1戸とする決まりはありません。
覚えるポイント
- 基準日届出をしないと基準日の翌日から50日経過後に新築住宅の売買契約締結が禁止される。
- 床面積55㎡以下の住宅は2戸をもって1戸と算定する。
間違えやすいところ
- 直近1年間の引渡しが0戸なら届出も不要と勘違いしやすいので注意しましょう。
- 小規模住宅の戸数算定の特例(55㎡以下、2戸で1戸)の数字を正確に覚えましょう。
出題の前提:特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第11条、第12条、第13条等に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
住宅金融支援機構の業務範囲
免除科目(その他関連知識) · 住宅金融支援機構 / 証券化支援業務(買取型) / 住宅融資保険 / 直接融資業務
独立行政法人住宅金融支援機構(機構)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1 証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する当該住宅の改良に必要な資金は含まれない。 2 機構は、地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。 3 機構は、民間金融機関による住宅資金の供給を支援するため、民間金融機関が貸し付けた住宅ローンについて、住宅融資保険を引き受けている。 4 機構は、住宅のエネルギー消費性能(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律第2条第1項第2号に規定するエネルギー消費性能をいう。)の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:住宅金融支援機構は、民間金融機関を支えることを主な目的とし、証券化支援業務(買取型・保証型)や住宅融資保険の引受けをします。直接融資は、災害復興・耐震改修・省エネ改修など、民間では対応しにくい政策的なものに限られます。
解き方
- 証券化支援業務(買取型)の対象となる債権の範囲を確認します(住宅購入に付随するリフォーム資金も含まれます)。
- 直接融資業務の対象(耐震改修、省エネ改修などの特定の改良)を確認します。
- 住宅融資保険業務の有無を確認し、誤りの選択肢を特定します。
- 選択肢 1正解
- 証券化支援業務(買取型)で買い取る債権には、住宅の購入に付随する改良の資金も含まれます。「含まれない」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 耐震改修など、地震への安全性を高める住宅改良の資金を直接貸し付けるのは、機構の業務として認められています。正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 民間金融機関の住宅ローン融資のリスクを軽くするため、機構は住宅融資保険を引き受けています。正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 住宅の省エネ改修(エネルギー消費性能の向上)のための資金の貸付けは、機構の直接融資業務です。正しい記述です。
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覚えるポイント
- フラット35(買取型)は住宅取得に付随するリフォーム資金(改良資金)も対象。
- 直接融資は耐震改修、省エネ改修、高齢者向けバリアフリー、災害復興等に限定される。
間違えやすいところ
- 購入資金だけが対象で、改良資金は一切含まれないと思い込まないようにしましょう。
- 機構が民間を押しのける一般的な直接融資をしている、と誤解しないようにしましょう。
出題の前提:独立行政法人住宅金融支援機構法第13条に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
不当景品類及び不当表示防止法(不動産の公正競争規約)
免除科目(その他関連知識) · 公正競争規約 / 新築の表示基準 / 所要時間の表示(通勤ラッシュ時) / 古家・廃屋の表示 / 予告広告
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。 1 新築分譲住宅の予告広告(価格が確定していないため、直ちに取引することができない物件について、取引開始時期をあらかじめ告知する広告)を新聞折込チラシを用いて行った場合は、本広告を新聞折込チラシ以外の媒体を用いて行ってはならない。 2 土地取引において、当該土地上に廃屋が存在するとき、実際の土地を見れば廃屋が存在することは明らかであるため、廃屋が存在する旨を明示する必要はない。 3 交通の利便性について、電車、バス等の交通機関の所要時間を表示する場合は、朝の通勤ラッシュ時の所要時間ではなく、平常時の所要時間を明示しなければならない。 4 居住の用に供されたことはないが建築後1年以上経過した一戸建て住宅について、新築である旨を表示することはできない。
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解答
4
解説
まず要点:不動産の表示に関する公正競争規約では、消費者の誤解を防ぐため「新築」などの言葉に明確な基準を決めています。建築後1年以上たった物件は、まだ誰も住んでいなくても「新築」と表示できません。
解き方
- 規約の「新築」の定義(建築後1年未満かつ未入居)を確認します。
- 予告広告と本広告の媒体制限、土地の古家・廃屋の表示義務、交通機関の所要時間(朝のラッシュ時表示義務)の各ルールを照合します。
- 正しい記述を選択肢4と特定します。
- 選択肢 1不正解
- 予告広告をした媒体と本広告をする媒体を同じに限る決まりはないので、誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 土地上に廃屋や古家があるときは、現地を見れば分かる場合でも、広告にその旨を明示しなければならないので誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 交通機関の所要時間は「朝の通勤ラッシュ時」の時間を明示することが義務で、平常時だけの表示は認められないので誤りです。
- 選択肢 4正解
- 建築後1年以上たったものは、住まれたことがなくても「新築」と表示できません。正しい記述です。
覚えるポイント
- 「新築」の表示要件:建築後1年未満かつ未入居。
- 所要時間の表示:朝の通勤ラッシュ時の所要時間を明示する(平常時の併記は可)。
間違えやすいところ
- 誰も住んでいなければ、建築後何年たっても新築と呼べると誤解しやすいので注意しましょう。
- 電車の所要時間は平常時が原則だという古い知識で判断しないようにしましょう。
出題の前提:不動産の表示に関する公正競争規約及び同施行規則に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
不動産統計(地価公示・業者施行状況・住宅土地統計・着工統計)
免除科目(その他関連知識) · 地価公示(令和6年) / 宅建業法施行状況調査 / 住宅・土地統計調査 / 建築着工統計
不動産に関する最新統計の記述のうち、正しいものはどれか。 1 令和6年地価公示(令和6年3月公表)によれば、令和5年1月以降の1年間の地価の動向は、三大都市圏・地方圏ともに、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇した。 2 令和4年度宅地建物取引業法の施行状況調査(令和5年10月公表)によれば、令和5年3月末における宅地建物取引士の総登録者数は、200万人を超えている。 3 令和5年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(速報集計)結果(令和6年4月公表)によれば、令和5年10月1日現在における賃貸・売却用及び二次的住宅(別荘など)を除く空き家は、900万戸に達している。 4 建築着工統計(令和6年1月公表)によれば、令和5年の新設住宅着工戸数は90万戸を超え、3年連続で増加した。
解答・解説を表示
解答
1
解説
まず要点:宅建試験の統計問題では、地価公示、住宅着工統計、宅建業者数・取引士数、住宅・土地統計調査などの公表数値の傾向(上がった・下がった、何年連続か)が出ます。
解き方
- 令和6年地価公示の動向(全国・大都市圏・地方圏の上昇トレンド)を確認します。
- 取引士登録者数(約114万人)、その他の空き家数(約385万戸、全体で約900万戸)、着工戸数(約82万戸で減少)の各数値を照合します。
- 正しく書かれている選択肢1を特定します。
- 選択肢 1正解
- 令和6年地価公示では、三大都市圏・地方圏ともに、全用途平均・住宅地・商業地のすべてで3年連続の上昇でした。正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 令和5年3月末時点の宅地建物取引士の総登録者数は約114万人で、200万人は超えていません。
- 選択肢 3不正解
- 約900万戸に達したのは空き家の「総数」です。賃貸・売却用などを除く空き家(その他の空き家)は約385万戸です。
- 選択肢 4不正解
- 令和5年の新設住宅着工戸数は約81.9万戸で、90万戸を下回り、3年ぶりの減少でした。
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覚えるポイント
- 令和6年地価公示:三大都市圏・地方圏ともに全用途・住宅・商業地いずれも3年連続上昇。
- 令和5年新設住宅着工戸数:約82万戸(減少)。
- 空き家総数は約900万戸(約899.5万戸)。
間違えやすいところ
- 空き家の「総数」と「その他の空き家数」の定義・数値を混同しやすいので注意しましょう。
- 住宅着工戸数が90万戸を超えたか、減少したかの傾向を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:令和6年地価公示(国土交通省)、令和4年度宅地建物取引業法施行状況調査、令和5年住宅・土地統計調査、令和5年建築着工統計に基づく出題。
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
擁壁の安全性と土地の性質
免除科目(その他業務・基礎知識) · 擁壁の構造 / 水抜き穴の機能 / 土壌汚染 / がけ崩れ防止
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
まず要点:擁壁の裏側の土に水がたまると水圧が急に高まり、土圧と一緒に擁壁を倒そうとする力が働きます。そのため、高さに関係なく、水抜き孔でしっかり排水する必要があります。
解き方
- 各選択肢の擁壁の構造や土地の防災対策、土壌汚染に関する内容を確認します。
- 水抜き孔の有無が地震被害に与える影響を検討し、「被害が生じることはない」とする誤り(不適当)を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 傾斜角が30度を超える斜面は崩壊の危険がある崖とされるので、擁壁の設置や法面保護などの安全対策が必要です。
- 選択肢 2正解
- 高さ2m以下の擁壁でも、水抜き孔がないと裏側に水圧がたまり、地震のときなどに倒れる危険があります。「被害が生じることはない」とする点が不適当です。
- 選択肢 3不正解
- 重力式擁壁は、無筋コンクリートなどの自重で、裏側からの土圧に抵抗する形式の擁壁です。
- 選択肢 4不正解
- 化学工場の跡地や埋立地などでは、有害な重金属や揮発性有機化合物(VOC)などの土壌汚染が問題になることがあります。
覚えるポイント
- 擁壁には壁高に関係なく背面水圧を逃がす水抜き孔が必須であること。
間違えやすいところ
- 建築基準法や宅造法で高さ2mを超える擁壁が許可・確認の対象になることと、2m以下なら水抜き孔が不要になることを混同しないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行法令および宅地造成・擁壁技術基準
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
建築物の構造と特徴
免除科目(その他業務・基礎知識) · ラーメン構造 / ブレース構造 / 壁式構造 / 耐震構造
建物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
まず要点:建物の耐震構造には、柱と梁を強く接合するラーメン構造、斜め材で水平力に抵抗するブレース構造、面で支える壁式構造があります。これらは特性に応じて組み合わせて使われます。
解き方
- ラーメン構造・ブレース構造・壁式構造の基本定義と構成部材を整理します。
- ブレース構造の使われ方と他構造との併用の可否を検討し、「併用することはない」という断定的な誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- ラーメン構造は、垂直の柱と水平の梁を剛接合(一体化して強固に接合)した骨組構造です。記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- ブレース構造は、柱と梁で作る四角形の対角線に筋交い(ブレース)を入れて、水平の力に抵抗する構造です。
- 選択肢 3正解
- ブレースは骨組の一部に設けることが多く、耐震改修や鉄骨ラーメン構造の補強など、他の構造と併用されます。「併用することはない」とする点が不適当です。
- 選択肢 4不正解
- 壁式構造(壁式鉄筋コンクリート造など)は、板状の耐力壁と床を箱のように組み合わせて支えるので、原則として柱や梁を使いません。
覚えるポイント
- ラーメン構造にブレースを配置する「ブレース付ラーメン構造」など、併用事例は多い。
間違えやすいところ
- 「骨組すべてに用いる」「併用することはない」といった極端な限定表現を見逃さないようにしましょう。
出題の前提:令和6年4月1日現在施行法令および建築構造基準
出典:不動産適正取引推進機構『2024年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
2024年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2024年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・29ページ)

