令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2022年10月試験の概要
二重譲渡における背信的悪意者からの転得者の対抗関係
民法等 · 二重譲渡 / 対抗要件 / 背信的悪意者からの転得者
民法の規定、判例および提示された判例文に基づき、所有者甲から乙が不動産を買い受けて未登記の間に、丙が甲から二重に買い受け、丙から転得者丁が買い受けて登記を完了した場合の法律関係として、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
不動産の物権変動は登記が対抗要件となりますが、背信的悪意者は登記の欠缺を主張する正当な利益を有しない第三者として排除されます。背信的悪意者からの転得者については、転得者自身が第一買主との関係で背信的悪意者と評価されるか否かによって対抗関係が決まります。
解き方
- 提示された判例文から、背信的悪意者からの転得者が対抗力を有するための要件を読み取ります。
- 転得者自身が第一買主に対して背信的悪意者であるときは対抗できないという判例の規範を各選択肢に当てはめます。
- 選択肢 1不正解
- 背信的悪意者は登記の欠缺を主張する正当な利益を有しないため、登記を備えていても第一買主に対抗できません。
- 選択肢 2不正解
- 背信的悪意者ではない第二買主Cに対しては、第一買主Bであっても登記が未了であれば所有権を対抗できません。
- 選択肢 3正解
- 判例文のとおり、転得者D自身がBに対する関係で背信的悪意者と評価されるときは、Dは登記を完了していてもBに対抗できません。
- 選択肢 4不正解
- 単なる悪意者(Bが登記未了であることを知っている者)は背信的悪意者には該当せず、先に登記を備えれば所有権を対抗できます。
覚えるポイント
- 背信的悪意者からの転得者は、転得者自身を基準として背信的悪意者か否かを個別に判断する。
間違えやすいところ
- 単なる悪意者と背信的悪意者を混同しないように注意する。単なる悪意者は登記があれば対抗できる。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法および判例(最判平8.10.29)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
遺留分の放棄と相続の放棄の効力
民法等 · 遺留分の放棄 / 相続の放棄 / 兄弟姉妹の遺留分
民法の規定による相続に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
遺留分の放棄は被相続人の生前でも家庭裁判所の許可を得て行えますが、これによって相続権自体は失われません。一方、相続の放棄は相続開始後(死亡後)にしか行えず、最初から相続人とならなかったものとみなされます。
解き方
- 遺留分の放棄と相続の放棄の要件および開始時期の差異を確認します。
- 遺留分を放棄した相続人の相続権存否に関する法的効果を検討します。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人の生前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けることによって有効に行うことができます(民法1049条1項)。
- 選択肢 2不正解
- 相続の放棄は、相続の開始前(被相続人の生前)に行うことはできず、相続開始を知った時から3か月以内に行います(民法915条1項)。
- 選択肢 3正解
- 遺留分の放棄をしても相続人たる地位は失われないため、遺産を相続する権利は失いません。誤った記述であるため本肢が正解です。
- 選択肢 4不正解
- 兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子、直系尊属)にのみ遺留分が認められており、兄弟姉妹には遺留分がありません(民法1042条1項)。
覚えるポイント
- 遺留分の放棄は生前でも可能だが相続権は失われない。相続放棄は生前にはできない。
間違えやすいところ
- 遺留分の放棄をすると遺産相続もできなくなると誤認しやすいので明確に区別する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法(民法1042条、1049条、915条)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
成年後見人・保佐人の権限と欠格事由
民法等 · 成年後見人 / 利益相反行為 / 保佐人の権限 / 成年年齢
制限行為能力者に関する民法の規定および判例に基づき、正しい記述はどれか。
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解答
4
解説
未成年者は後見人の欠格事由とされていますが、成年年齢が18歳に引き下げられたことで、18歳以上の者は未成年を理由とする欠格には当たりません。また保佐人には家庭裁判所の審判により特定の法律行為について代理権が付与される制度が存在します。
解き方
- 民法改正による成年年齢引き下げ(20歳から18歳へ)と欠格事由の関係を確認します。
- 成年後見人の取消権、共同相続人間での相続放棄における利益相反の判例、保佐人への代理権付与制度を検証します。
- 選択肢 1不正解
- 成年後見人は単独で成年被後見人の法律行為を取り消すことができ、後見監督人の同意は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 相続の放棄であっても、成年後見人自身と被後見人が共同相続人である場合に被後見人のみ相続放棄をさせる行為などは利益相反行為に該当します(判例)。
- 選択肢 3不正解
- 家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求により、特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する審判をすることができます(民法876条の4第1項)。
- 選択肢 4正解
- 民法改正により成年年齢が18歳となったため、18歳の者は「未成年者」(民法847条1号)に該当せず、年齢を理由とする後見人の欠格事由に該当しません。
覚えるポイント
- 令和4年4月1日施行の民法改正により成年に達する年齢は18歳となった。
間違えやすいところ
- 保佐人には法定の代理権はないが、審判によって代理権を付与することができる点を見落とさないようにする。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法(民法4条、847条1号、876条の4第1項)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
抵当権の効力(代価弁済・法定地上権・建物一括競売等)
民法等 · 抵当権 / 代価弁済 / 一括競売 / 抵当権消滅請求
A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権が設定・登記された場合に関する民法の規定として、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
抵当権の目的不動産の第三取得者は、抵当権者の請求に応じて代価を弁済することで抵当権を消滅させることができます(代価弁済)。また、更地に抵当権を設定した後の築造建物の競売(一括競売)は権利であり義務ではありません。買受代金の支払猶予(6か月の明渡猶予)は建物賃借人に認められた制度で、土地賃借人には適用されません。主たる債務者は第三取得者となっても抵当権消滅請求を行えません。
解き方
- 民法378条の代価弁済の規定内容を確認します。
- 土地賃借人と建物明渡猶予制度(民法395条)の対象者の違い、一括競売(民法389条)が任意規定であること、債務者自身の消滅請求不可(民法380条)を検討します。
- 選択肢 1正解
- 抵当不動産について所有権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅します(民法378条)。
- 選択肢 2不正解
- 買受人の買受けの時から6か月の明渡猶予が認められるのは「建物の競売における建物の使用者」であり、土地の賃借人Eには適用されません(民法395条1項)。
- 選択肢 3不正解
- 抵当権設定後に土地に建物が築造された場合の一括競売申立ては抵当権者の権利であって義務ではなく、「申し立てなければならない」わけではありません(民法389条1項)。
- 選択肢 4不正解
- 主たる債務者、保証人およびこれらの承継人は、抵当権消滅請求をすることができません(民法380条)。主たる債務者Bは第三取得者となっても請求できません。
覚えるポイント
- 代価弁済は抵当権者の請求に応じて第三取得者が代価を弁済することで抵当権を消滅させる制度。
間違えやすいところ
- 6か月の明渡猶予は「建物」の賃借人にのみ適用され、「土地」の賃借人には適用されない。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法(民法378条、380条、389条、395条)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
民法における期間の計算
民法等 · 期間の計算 / 初日不算入の原則 / 暦法による計算
民法の規定による期間の計算に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、明記された日付は休日等には当たらないものとする。
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解答
2
解説
期間を日、週、月または年によって定めたときは、期間の初日は算入せず翌日から起算します(初日不算入の原則)。暦によって計算する場合、最後の月の起算日に応当する日の前日に満了しますが、その月に応当する日がないときはその月の末日に満了します。
解き方
- 午前0時からの開始でない限り、初日を参入せず翌日から起算する初日不算入の原則(民法140条)を確認します。
- 月による期間計算において応当日の前日満了ルール(民法143条2項)を適用して各肢の日付を検証します。
- 選択肢 1不正解
- 初日不算入により起算日は10月18日となり、1年後の応当日の前日である令和5年10月17日の終了をもって満了します。
- 選択肢 2正解
- 初日不算入により起算日は9月1日となり、1か月後の期間満了日は応当日の前日である令和4年9月30日の終了時となります(民法143条2項)。
- 選択肢 3不正解
- 期間の末日が休日等に当たり取引をしない慣習があるときは、期間は「その翌日」に満了します(民法142条)。前日ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 起算日は5月31日となり、1か月後は6月30日(応当日の前日)の終了をもって満了します。7月1日ではありません。
覚えるポイント
- 期間の初日は原則不算入。末日が休日の場合は「翌日」に満了する。
間違えやすいところ
- 休日の場合に「前日」に前倒しされると勘違いしやすいが、民法上は「翌日」に延長される。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法(民法140条、142条、143条)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
賃貸借契約と使用貸借契約の比較
民法等 · 賃貸借 / 使用貸借 / 中途解除 / 無断転貸 / 損害賠償請求期間
Aを貸主、Bを借主としてA所有の甲土地につき資材置場目的で期間2年として、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合に関する民法の規定として、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
賃貸借(有償・双務)と使用貸借(無償・片務)では借主の保護の度合いや解除権等の規律が異なります。使用貸借の借主はいつでも自由に契約を解除できます。なお、無断転貸の禁止や返還時からの損害賠償請求期間(1年)は両者に共通する規定です。
解き方
- 賃貸借および使用貸借の中途解約に関する民法の規定を比較します。
- 使用貸借の借主は民法597条3項によりいつでも解除できることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 賃貸借は諾成契約であり引き渡し前でも口頭のみを理由に自由解除はできません。使用貸借は書面によらない場合に限り引き渡し前解除が可能です(民法593条の2)。
- 選択肢 2不正解
- 使用貸借であっても、借主は貸主の承諾を得なければ第三者に借用物の使用または収益をさせることはできません(民法594条2項)。
- 選択肢 3正解
- 賃貸借では解約権留保がある場合に中途解約ができ(民法618条)、使用貸借の借主は特約がなくてもいつでも解除できます(民法597条3項)。
- 選択肢 4不正解
- 契約の本旨に反する使用による損害賠償請求は、使用貸借(民法600条1項)だけでなく賃貸借(民法622条)でも返還を受けた時から「1年以内」に行う必要があります。
覚えるポイント
- 使用貸借の借主はいつでも解除できる。損害賠償請求は賃貸借・使用貸借ともに返還から1年以内。
間違えやすいところ
- 契約本旨違反の使用損害賠償期間について、賃貸借は一般債権と同じ5年と誤認しやすいが、返還から1年である。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法(民法597条3項、600条、618条、622条)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
失踪宣告の取消しと善意の第三者
民法等 · 失踪宣告の取消し / 双方善意 / 善意でした行為
不在者Aの失踪宣告に基づき単独相続人Bが甲土地をCに売却・登記移転した後にAの失踪宣告が取り消された場合、Aの生存について(ア)双方善意、(イ)B悪意・C善意、(ウ)B善意・C悪意、(エ)双方悪意、のうちCが所有権をAに対抗できる場合の組合せとして正しいものはどれか。
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解答
4
解説
失踪宣告が取り消されると原則として宣告前の状態に復帰しますが、宣告後取消し前に「善意でした行為」の効力には影響を及ぼしません(民法32条1項但書)。契約等の双方行為においては、当事者双方が善意(本人の生存等について知らないこと)でなければ保護されません(判例)。
解き方
- 民法32条1項但書における「善意でした行為」に関する判例の規範(双方善意要件)を確認します。
- BおよびCの両者が善意である場合(ア)のみが該当することを導き出します。
- 選択肢 1不正解
- 契約当事者の一方が悪意である(イ)および(ウ)は「双方善意」の要件を満たさないため保護されません。
- 選択肢 2不正解
- 売主Bが悪意である(イ)の場合は双方善意とはならず、所有権を対抗できません。
- 選択肢 3不正解
- 買主Cが悪意である(ウ)の場合は双方善意とはならず、所有権を対抗できません。
- 選択肢 4正解
- 判例上、当事者双方(BとC)がともに善意である(ア)の場合に限り、取消しの効力の影響を受けず所有権をAに対抗できます。
覚えるポイント
- 失踪宣告取消し前の契約が保護されるには「当事者双方の善意」が必要である。
間違えやすいところ
- 第三者Cのみが善意であれば保護されると誤解しやすいが、判例は双方善意を要求している。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法および判例(民法32条1項但書、最判昭49.11.12)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
地上権と土地賃借権の差異
民法等 · 地上権 / 土地賃借権 / 修繕義務 / 抵当権設定 / 妨害排除請求権
AがB所有の甲土地を建物所有目的でなく利用するための権原が、①地上権である場合と②賃借権である場合に関する民法の規定および判例に基づき、正しい記述はどれか。なお、AもBも対抗要件を備えているものとする。
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解答
3
解説
地上権は直接に土地を支配する物権であり、地主の承諾なく譲渡・担保設定が可能ですが地主に修繕義務はありません。土地賃借権は賃貸人に対する債権であり、賃貸人に修繕義務がある反面、賃借権自体の抵当権設定は認められず譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要です。
解き方
- 地上権(物権)と賃借権(債権)における抵当権設定適格性の違いを確認します。
- 民法369条2項により地上権は抵当権の目的となり得るが、賃借権は目的とできないことから正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 賃貸借②では貸主に修繕義務がありますが(民法601条、606条1項)、地上権①では地主に修繕義務はなく、地上権者自らが修繕を行います。
- 選択肢 2不正解
- 地上権①は物権であるためBの承諾なく自由に譲渡でき、Bは明渡し請求できません(民法265条)。賃借権②の無断譲渡では明渡請求が可能です(民法612条)。
- 選択肢 3正解
- 地上権は抵当権の目的とすることができますが(民法369条2項)、賃借権を目的とする抵当権の設定は認められていません。
- 選択肢 4不正解
- 対抗要件を備えた不動産賃借権②であっても、第三者の不法占拠に対して妨害排除請求権を行使することができます(民法605条の4)。
覚えるポイント
- 抵当権の目的とできるのは「不動産」「地上権」「永小作権」に限られる(民法369条)。
間違えやすいところ
- 対抗要件を備えた賃借人には妨害排除請求権が認められている(民法改正で明文化された)点に注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法(民法265条、369条2項、605条の4、606条1項、612条)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
委任・親権・後見・遺言執行者の辞任
民法等 · 委任契約 / 親権 / 後見人 / 遺言執行者 / 辞任
辞任に関する次のアからエまでの記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
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解答
1
解説
民法上の各種の任務や契約関係からの辞任・解除については、当事者の自由意思が尊重される委任と、保護される本人等の利益や公的監督が重視される親権・後見・遺言執行者とで要件や手続が異なります。
解き方
- 各記述における任務(委任受任者、親権者、後見人、遺言執行者)の辞任要件や手続を民法の規定に照らして吟味する。
- 正しい記述の個数を数え、該当する選択肢を特定する。
- 選択肢 1正解
- 正しいものは記述アの1つのみであるため、本肢が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、誤りです。
覚えるポイント
- 委任契約は有償であっても各当事者がいつでも解除(辞任)できる。親権・後見・遺言執行者の辞任には正当な事由と家庭裁判所の許可が必要。
間違えやすいところ
- 後見監督人がいる場合でも後見人の辞任許可を行うのは後見監督人ではなく家庭裁判所である点を見落としやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の二重譲渡と取得時効
民法等 · 取得時効 / 占有権 / 登記 / 所有の意思
AはBに対し甲土地を売却して引き渡したが、その後Cに対しても甲土地を売却して登記を移転した。この場合におけるBによる甲土地の所有権の時効取得に関する民法の規定及び判例の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
取得時効の成立には所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有し続けることが必要です。時効完成前の第三者に対しては時効取得者は登記なくして権利を対抗できます。
解き方
- 占有の形態(自己占有・間接占有)と占有回収の訴えの効果を確認する。
- 時効完成時の当事者に対する登記の要否を確認し、正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 目的物を他人に賃貸して引き渡した場合でも、賃貸人は賃借人を介して間接占有を継続するため、時効取得が妨げられることはありません。
- 選択肢 2正解
- 民法第203条ただし書により、占有を奪われても占有回収の訴えを提起して占有を回復したときは占有権は消滅しなかったものと扱われ、時効期間に算入されます。
- 選択肢 3不正解
- 自主占有の成否は占有開始の原因となった権原の客観的性質によって定まるため、第三者への二重譲渡を知ったとしても自主占有の性質は失われません。
- 選択肢 4不正解
- 時効完成前の譲受人(本問のC)は時効取得者との間で当事者に類似する関係に立つため、時効取得者Bは登記がなくても所有権をCに対抗できます。
覚えるポイント
- 時効完成前の第三者には登記不要で対抗可能。時効完成後の第三者には登記の先後で決まる(対抗関係)。
間違えやすいところ
- 二重譲渡の登記名義人に対して時効取得者が対抗するために登記が必要か否かを、時効完成の「前」か「後」かで混同しやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の民法及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
借地上の建物滅失・再築と特約の効力
借地借家法 · 借地権 / 建物滅失 / 建物再築 / 建物買取請求権 / 留置権
建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約(定期借地権及び一時使用目的の借地権を除く。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
借地借家法は借地権者を保護するため強行規定を設けており、同法の規定に反する特約で借地権者に不利なものは無効とされます。建物滅失後の再築に関する承諾の効果を制限する特約も無効です。
解き方
- 当初の存続期間中の建物再築における法定延長要件(借地権設定者の承諾)を確認する。
- 借地権者に不利な特約の効力(借地借家法第9条)を検討する。
- 建物買取請求権行使に伴う留置権の行使と敷地使用に伴う不当利得返還義務を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 借地権設定者の承諾(または承諾に代わる裁判所の許可)がない場合には、残存期間を超える建物を再築しても法定の期間延長効果は生じません。
- 選択肢 2不正解
- 借地上の建物が滅失しても、借地権や転借地権は当然には消滅せず、残存期間の範囲内等で建物を再築することができます。
- 選択肢 3正解
- 再築の承諾があった場合に生じる法定延長を制限・排除するような借地権者に不利な特約は、借地借家法第9条の強行規定違反として無効となります。
- 選択肢 4不正解
- 建物買取代金の支払があるまで建物及び敷地の引渡しを拒絶(留置)できますが、敷地占有による利益については不当利得として賃料相当額を支払う必要があります。
覚えるポイント
- 借地権者に不利な特約は原則無効。建物買取請求権行使後の敷地留置中であっても敷地利用の対価(賃料相当額)は支払義務がある。
間違えやすいところ
- 留置権を行使できることと、留置期間中の賃料相当額(不当利得)の支払いが免除されることとを混同しやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の借地借家法及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
定期建物賃貸借の要件及び効力
借地借家法 · 定期建物賃貸借 / 事前説明 / 中途解約権 / 敷金返還
Aは、B所有の甲建物(床面積100㎡)につき、居住を目的として、期間2年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約をBと締結して引渡しを受けた。この場合における民法及び借地借家法の規定並びに判例の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
定期建物賃貸借(借地借家法38条)を有効に成立させるためには、契約締結に先立って、契約書とは別個の書面を交付して「更新がなく期間満了により終了する」旨を説明しなければなりません。
解き方
- 定期建物賃貸借の成立要件(公正証書等の書面+契約書とは独立した事前説明書面の交付・説明)を確認する。
- 対抗要件(引渡し)、中途解約権(床面積200㎡未満の居住用建物)、敷金返還時期の各ルールと照らし合わせる。
- 選択肢 1正解
- 定期建物賃貸借の事前説明は、契約書面とは独立した別個の書面をあらかじめ交付して行わなければならず、契約書への記載のみでは要件を満たしません(最判平24.9.13)。
- 選択肢 2不正解
- 借地借家法第31条により、建物の引渡しを受けていれば、その後の建物取得者に対して賃借権を対抗できます。
- 選択肢 3不正解
- 床面積200㎡未満の居住用建物の定期賃貸借において、転勤・療養・親族の介護等のやむを得ない事情により生活の本拠として使用が困難となったときは、賃借人は中途解約の申入れができます。
- 選択肢 4不正解
- 敷金返還義務と建物の明渡義務は同時履行の関係にはなく、建物の明渡し(返還)が敷金返還の先履行となります。
覚えるポイント
- 定期建物賃貸借の事前説明は「契約書とは別の書面」を事前に交付して説明しなければならない。床面積200㎡未満の居住用建物には借家人からの中途解約権(法定)がある。
間違えやすいところ
- 契約書の中に終了する旨が明記されていれば事前説明書面を兼ねられると誤解しやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の借地借家法及び民法・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(管理規約・集会・管理組合法人)
区分所有法 · 管理者 / 訴訟担当 / 集会の招集 / 規約による別段の定め / 管理組合法人
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
区分所有法において管理者は区分所有者のために原告・被告となる権限を規約等で付与され得ますが、敗訴等の効果が区分所有者に及ぶため、訴訟当事者となった事実の通知は義務付けられています。
解き方
- 管理者の訴訟追行権と通知義務(法第26条第4項)の内容を確認する。
- 管理者不在時の集会招集権(法第34条第2項)および定数軽減の可否を確認する。
- 管理者の選任決議要件(普通決議)と管理組合法人の設立要件(4分の3以上の特別決議+登記)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 区分所有法第26条第4項により、管理者は職務に関し原告又は被告となったときは、遅滞なく区分所有者にその旨を通知しなければならず、規約によっても通知を省略することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 区分所有法第34条第2項により、管理者がないときは区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有する者が招集でき、この定数は規約で減ずることができます。
- 選択肢 3不正解
- 区分所有法第18条第1項・第25条第1項により、管理者の選任は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議で行います。
- 選択肢 4不正解
- 区分所有法第47条第1項により、管理組合は区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会決議で法人となる旨等を定め、主たる事務所の所在地で登記することにより法人となります。
覚えるポイント
- 管理者が原告・被告となったときは区分所有者への通知が必須。管理組合法人化の決議要件は各4分の3以上+登記。
間違えやすいところ
- 集会招集権の「定数を規約で減ずることができる」旨は正しいが、「増やせる」と勘違いしやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記の申請手続及び登記識別情報等
不動産登記法 · 登記識別情報 / 登記原因証明情報 / 登記完了証 / 代理申請
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所有権移転登記を申請する場合、申請人は登記原因証明情報および登記義務者の登記識別情報を提供しなければなりません。司法書士等の専門家代理人による申請であっても登記識別情報の提供は原則として省略できません。
解き方
- 登記申請における必要情報(登記原因証明情報・登記識別情報)の原則を確認する。
- 資格者代理人への委任が登記識別情報提供の例外事由となるかを検討する。
- 登記識別情報の「通知不要申出」および登記完了証の送付交付手続の適否を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産登記法第61条により、権利に関する登記を申請するときは原則として登記原因を証する情報(登記原因証明情報)を提供しなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 代理人を業とすることができる者(司法書士等)による申請であっても、登記識別情報を提供できない正当な理由とみなされることはなく、原則どおり登記識別情報の提供が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 不動産登記法第21条ただし書および規則第64条により、登記権利者があらかじめ通知を希望しない旨を申し出たときは登記識別情報は通知されません。
- 選択肢 4不正解
- 不動産登記規則第59条により、登記完了証の交付を送付により求めるときは、その旨および送付先の住所を申請情報の内容とする必要があります。
覚えるポイント
- 資格者代理人(司法書士等)が代理しても登記義務者の登記識別情報提供義務は免除されない。通知不要の申出をすれば登記識別情報は通知されない。
間違えやすいところ
- 事前通知制度や資格者代理人の本人確認情報作成制度と、当初の登記識別情報提供義務そのものの要否を混同しやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の不動産登記法及び同規則
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法上の地域地区(高度地区・用途地域等)
法令上の制限 · 都市計画法 / 用途地域 / 準都市計画区域 / 高度地区 / 工業地域
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
高度地区は建物の「高さ」の最高限度・最低限度を規定する地域地区です。「容積率」の最高限度・最低限度や建蔽率の最高限度等を定めるのは「高度利用地区」です。
解き方
- 市街化区域における用途地域の必須指定ルールを確認する。
- 準都市計画区域で定めることができる地域地区を確認する。
- 高度地区と高度利用地区の定義・規定内容を比較し、誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法第13条第1項第7号により、市街化区域については都市計画に少なくとも用途地域を定めるものとされています。
- 選択肢 2不正解
- 都市計画法第8条第2項により、準都市計画区域内においても特別用途地区を定めることができます。
- 選択肢 3正解
- 都市計画法第9条第18項により、高度地区は建築物の「高さ」の最高限度又は最低限度を定める地区です。容積率の限度を定めるのは高度利用地区(同条第19項)です。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画法第9条第11項により、工業地域は「主として工業の利便を増進するため定める地域」と定義されています。
覚えるポイント
- 高度地区=「高さ」の最高・最低限度。高度利用地区=「容積率」の最高・最低限度、「建蔽率」の最高限度等。
間違えやすいところ
- 「高度地区」と「高度利用地区」の名前が類似しているため、規定内容を取り違えやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の都市計画法
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法に基づく開発許可制度の要否及び基準
法令上の制限 · 開発許可 / 非線引き区域 / 土砂災害警戒区域 / 市街化調整区域 / 公益上必要な建築物
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、条例による特別の定めはなく、「都道府県知事」とは指定都市等の長を含むものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
都市計画法第29条に基づく開発行為では、市街地再開発事業の施行等の事業実施による場合や、一定の公益上必要な建築物の建築目的など、適用除外(許可不要)となる規定が整備されています。
解き方
- 市街化区域での市街地再開発事業の施行が開発許可不要事由に当たるか確認する。
- 区域区分非設定区域における博物館等の公益建築物の開発許可除外規定を確認する。
- 土砂災害警戒区域に関する開発許可の安全基準(制限対象建築物)を確認する。
- 市街化調整区域における開発審査会の議を経た特例許可要件を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 市街地再開発事業の施行として行う開発行為は、都市計画法第29条第1項第4号により開発許可が不要です。
- 選択肢 2正解
- 区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き区域)等において、博物館等の公益上必要な建築物の建築を目的とする開発行為は許可不要とされています(都市計画法第29条第1項第3号・第2項第2号)。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画法第33条第1項第8号の2(災害危険区域等の除外)は、自己の居住の用以外の住宅や自己の業務の用以外の施設の建築等を対象としており、自己の業務用の施設建築には本制限が適用されません。
- 選択肢 4不正解
- 市街化調整区域で開発審査会の議を経て許可できるのは、「市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められるもの」に限られます(都市計画法第34条第14号)。
覚えるポイント
- 駅・公民館・図書館・博物館等の公益上必要な建築物の建築目的の開発は開発許可不要。市街地再開発事業などの公的事業も開発許可不要。
間違えやすいところ
- 自己の居住用や自己の業務用に対する安全基準(土砂災害特別警戒区域等の除外規定)の適用有無を混同しやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行の都市計画法
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法の諸規定(既存不適格・確認・条例による制限・災害危険区域)
法令上の制限 · 建築基準法 / 既存不適格建築物 / 建築確認 / 条例による制限の付加 / 災害危険区域
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
建築基準法では、法令改正時に適法に存在していた建築物を「既存不適格建築物」として扱い直ちに違反とはしません。また、地方の安全・環境向上のため、地方公共団体は条例によって制限を付加したり災害危険区域を指定したりすることができます。
解き方
- 既存不適格と違反建築物の法的位置づけの違い、および建築確認の要否を検討する。
- 建築基準法第40条の条例による付加制限と第39条の災害危険区域における制限の内容を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 法令の改正によって現行規定に適合しなくなった建築物は「既存不適格建築物」となり、原則として直ちに違反建築物となるわけではなく、直ちに是正する義務もありません(法第3条2項)。
- 選択肢 2不正解
- 延べ面積が500㎡を超える建築物は(木造等の別にかかわらず)大規模建築物等に該当し得るほか、木造で延べ面積500㎡超の特殊建築物等にあっては都市計画区域外であっても大規模修繕・模様替に確認が必要です(法第6条1項)。よって「都市計画区域外であれば受ける必要はない」とする記述は誤りです。
- 選択肢 3正解
- 地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認める場合、条例で敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を付加することができます(法第40条)。
- 選択肢 4不正解
- 災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築制限は、地方公共団体の条例で定めることとされており、一律に建築が禁止されるわけではありません(法第39条2項)。
覚えるポイント
- 法改正で不適合となったものは違反建築物ではなく既存不適格建築物である。
- 地方公共団体は法第40条により条例で安全上等の必要な制限を付加できる。
間違えやすいところ
- 災害危険区域内において建築が一律に禁止されると誤解しやすい点に注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(建築基準法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法(用途制限・総合設計・みなし道路・高さ制限)
法令上の制限 · 建築基準法 / 用途地域における用途制限 / 2項道路(みなし道路) / 絶対的高さ制限
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
幅員4m未満の道でも、特定行政庁の指定等により法上の道路とみなされる規定があります。特に1.8m未満の道については、あらかじめ建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定することで道路とみなされる例外措置が存在します。
解き方
- 用途制限、総合設計制度の緩和対象、幅員1.8m未満のみなし道路の要件、高さ制限の対象地域を各選択肢で検証する。
- 建築基準法第42条第3項(および同条第2項)により、建築審査会の同意を経て指定された幅員1.8m未満の道が道路とみなされる規定を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 神社、寺院、教会等の宗教施設は、第一種低層住居専用地域内であっても建築することができます(法第48条第1項・別表第2(い)項)。
- 選択肢 2不正解
- 総合設計制度(法第59条の2第1項)により許可の範囲内で限度を超えることができるのは「容積率」や「各部分の高さ」等であり、「建蔽率」を限度超えとすることは認められていません。
- 選択肢 3正解
- 法第3章の規定が適用された際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道であっても、あらかじめ建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、道路とみなされます(法第42条3項・2項)。
- 選択肢 4不正解
- 10m又は12mの絶対的高さ制限が都市計画で定められるのは、「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「田園住居地域」であり、第一種住居地域には適用されません(法第55条1項)。
覚えるポイント
- 神社・寺院・教会はすべての用途地域で建築可能である。
- 低層住居専用地域・田園住居地域にのみ10m又は12mの絶対的高さ制限がある。
間違えやすいところ
- 総合設計制度で緩和される項目に建蔽率は含まれないことを見落としやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(建築基準法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法(工事の許可・届出・保全義務・造成宅地防災区域)
法令上の制限 · 宅地造成等規制法 / 宅地造成工事規制区域 / 工事の許可と届出 / 保全義務 / 造成宅地防災区域
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地造成工事規制区域外において知事は災害の防止のため「造成宅地防災区域」を指定できます。大規模盛土造成地(谷埋め型盛土造成地や腹付け型盛土造成地など)の要件に該当すれば、盛土の高さが5m未満であっても指定が可能です。
解き方
- 宅地造成工事規制区域内における届出事項(排水施設等の除却工事)の要否を確認する。
- 切土で2m超の崖を生じる宅地造成工事の知事許可要件を確認する。
- 宅地の所有者等の保全義務(努力義務)の規定を確認する。
- 造成宅地防災区域の指定要件(盛土の高さだけでなく面積・勾配等の基準があること)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 宅地造成工事規制区域内において、排水施設等の除却工事を行おうとする者は、工事に着手する日の14日前までに知事に届け出なければなりません(宅地造成等規制法第15条3項)。
- 選択肢 2不正解
- 切土であって高さ2mを超える崖を生ずることとなる工事は宅地造成に該当し、開発許可を受けた工事等の例外を除き、着手前に知事の許可を受けなければなりません(法第8条1項)。高さ3mの崖を生ずる場合は該当します。
- 選択肢 3不正解
- 規制区域内の宅地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければなりません(法第16条1項)。現在の所有者にも保全義務が課されます。
- 選択肢 4正解
- 造成宅地防災区域に指定できる一団の造成宅地には、盛土の高さが5m以上となるものだけでなく、盛土をする前の地盤面の勾配が20度以上で盛土の高さが2m以上のもの等も含まれるため、5m未満であっても指定できる場合があります(法第20条1項、令第7条)。よって「指定することができない」とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 宅地造成規制区域内の保全義務は所有者・管理者・占有者に課される(努力義務)。
- 造成宅地防災区域は宅地造成工事規制区域外に指定される。
間違えやすいところ
- 造成宅地防災区域の指定要件は盛土の高さ5m以上だけではなく、傾斜角と高さ2m以上の基準等もある点に注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地造成等規制法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法(建築行為等の制限・換地処分・仮換地・清算金)
法令上の制限 · 土地区画整理法 / 第76条の建築等の制限 / 換地処分 / 仮換地 / 清算金
土地区画整理法の規定及び判例に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
土地区画整理事業の施行地区内での建築行為等の制限(法第76条)における許可権者は都道府県知事等です。施行者が組合であっても組合の許可ではありません。また、清算金債権債務は換地処分時の所有者と施行者間で一身専属的に発生するため、土地の所有権移転に伴って当然に移転するものではありません。
解き方
- 法第76条に定める建築行為等の許可権者(都道府県知事等)を確認する。
- 換地処分の時期の例外、仮換地指定後の管理権の所在、清算金債権債務の帰属に関する最高裁判例を順に検討する。
- 選択肢 1正解
- 設立認可の公告後、換地処分の公告までの間、事業の障害となるおそれがある建築物の新築等を行おうとする者は、「都道府県知事等」の許可を受けなければならず、土地区画整理組合の許可ではありません(法第76条1項)。したがって誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 換地処分は原則として工事完了後に行いますが、規約、定款又は施行規程に別段の定めがある場合は、工事完了前であっても換地処分をすることができます(法第103条2項但書)。
- 選択肢 3不正解
- 仮換地を指定したことにより使用収益権者がいなくなった従前の宅地は、換地処分の公告がある日まで施行者が管理します(法第100条の2)。
- 選択肢 4不正解
- 最高裁判所の判例によると、清算金に関する権利義務は換地処分の公告により施行者と換地処分時の換地所有者との間に確定的に発生し、換地処分後の土地所有権移転に伴って当然に移転する性質のものではありません。
覚えるポイント
- 法第76条の建築等の制限の許可権者は「都道府県知事等」であり施行者(組合等)ではない。
- 清算金の権利義務は換地処分時点の所有者に確定的に帰属する。
間違えやすいところ
- 組合施行の場合に許可権者が組合であると勘違いしやすいので注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(土地区画整理法)及び最高裁判例
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
農地法(対抗要件・法人による借入れ・原状回復命令・地積の算定)
法令上の制限 · 農地法 / 農地の賃貸借の対抗要件 / 農地所有適格法人以外の法人の借入れ / 原状回復命令の対象 / 面積の算定
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
農地法において賃借権は引渡しで対抗できますが、使用貸借は対抗要件が認められません。また、農地所有適格法人以外の法人でも一定の条件のもと賃借等の借入れは可能です。原状回復命令の対象には工事請負人も含まれます。土地面積は原則登記簿地積ですが著しい相違時は農業委員会の認定に基づきます。
解き方
- 農地の賃貸借・使用貸借の対抗要件の規定(法第16条)を確認する。
- 農地所有適格法人以外の一般法人による農地借入れの可否(法第3条3項)を確認する。
- 原状回復命令(法第51条)の名宛人に工事施工業者・請負人が含まれるか確認する。
- 土地面積の算定基準(登記簿地積と農業委員会認定)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 登記がなくても引渡しによって第三者に対抗できるのは農地の「賃貸借」のみであり、「使用貸借」にはこの対抗要件の規定は適用されません(農地法第16条)。
- 選択肢 2不正解
- 農地所有適格法人以外の一般株式会社であっても、契約解除条件付き等の一定の要件を満たせば、耕作目的で農地を借り入れる(賃借権や使用貸借権を設定する)ことが可能です(法第3条3項)。
- 選択肢 3不正解
- 都道府県知事等による原状回復等の命令の対象となる者には、違反者やその承継人だけでなく、「当該違反に係る土地について工事その他の行為を請け負った者」も含まれます(法第51条1項)。
- 選択肢 4正解
- 農地法の適用に当たって土地の面積は登記簿の地積によりますが、登記簿の地積が著しく事実と相違する場合および地積の登記がない場合には、実測に基づき農業委員会が認定したところによります(農地法施行規則等)。
覚えるポイント
- 農地の引渡しによる対抗要件は賃貸借に限定され、使用貸借にはない。
- 原状回復命令は違反者本人だけでなく工事請負人にも出せる。
間違えやすいところ
- 農地所有適格法人以外の一般企業でも賃借による農業参入は認められている点に注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(農地法・同法施行規則)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法(事後届出の要否・届出事項・一団の土地・勧告の効果)
法令上の制限 · 国土利用計画法 / 事後届出 / 面積要件(一団の土地) / 届出事項 / 勧告と契約の効力
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
国土利用計画法の事後届出は、買主が権利を取得する一団の土地の面積が基準面積以上となる場合に義務付けられます。公社や当事者の一方が国・地方公共団体である場合は届出が免除されます。また、対価の額は届出事項ですが、知事の勧告に従わないことを理由に契約が取り消されることはありません。
解き方
- 当事者の一方が地方公共団体(A市)である場合の届出適用の有無(適用除外)を確認する。
- 対価の額が事後届出事項(法第23条1項)に含まれるか確認する。
- 市街化区域以外の都市計画区域における面積基準(5,000㎡以上)と「買主基準の一団の土地(3,500㎡+2,500㎡=6,000㎡)」の該当性を判断する。
- 利用目的の変更勧告に従わない場合の効果(公表にとどまり契約の取消権はない)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 当事者の一方又は双方が国や地方公共団体等である場合には、国土利用計画法の事後届出は不要とされています(法第23条2項)。したがってBは届出不要です。
- 選択肢 2不正解
- 事後届出において「対価の額」は法定の届出事項に含まれています(法第23条1項3号)。価格勧告の対象にはなりませんが、届出自体は必要です。
- 選択肢 3正解
- 市街化区域を除く都市計画区域内の基準面積は5,000㎡以上です。買い手Eから見て一団の土地として取得する面積の合計が6,000㎡(3,500㎡+2,500㎡)となり、5,000㎡以上となるため、Eは事後届出を行わなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 知事は勧告に従わない場合にその旨を公表することができますが、契約を取り消す権限はありません(法第24条・26条)。契約自体も有効なままです。
覚えるポイント
- 国・地方公共団体が当事者の一方のときは事後届出不要。
- 事後届出でも「対価の額」は届出事項である(ただし価格勧告はない)。
- 買い手基準で一団の土地の合計面積が基準以上なら届出が必要。
間違えやすいところ
- 事後届出制では対価の額について勧告されないことから、届出事項ではないと勘違いしないよう注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(国土利用計画法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
印紙税(課税文書の判定・記載金額・契約内容の変更・駐車場賃貸借)
税・その他 · 印紙税 / 覚書の課税 / 不動産の譲渡に関する契約書 / 契約期間の変更 / 土地の賃貸借契約
印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下の覚書又は契約書はいずれも書面により作成されたものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
印紙税の課税文書に該当するかどうかは、表題(契約書・覚書等)にかかわらず文書の内容で判断されます。また、重要な事項を変更する文書も変更前の課税文書と同じ号の課税文書として扱われます。なお、設備の整った駐車場の利用契約は土地賃貸借ではなく施設の保管・利用契約とみなされ課税されません。
解き方
- 覚書であっても権利移転を証する文書は課税文書となる原則を確認する。
- 同一号(不動産譲渡)の複数物件が区分記載された場合の記載金額の通算ルールを確認する。
- 土地賃借権の契約期間変更覚書が「重要な事項の変更」として課税文書(1号文書)となることを確認する。
- 設備のある駐車場の一区画の契約が土地賃貸借に該当しない(非課税)ことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 「覚書」や「仮契約書」という名称であっても、後日正式な契約書を作成することが明記されていても、契約の成立や譲渡を証明する事実があれば課税文書(第1号文書)となり、印紙税が課されます。
- 選択肢 2不正解
- 同一文書に第1号文書に該当する契約が複数記載されている場合、記載金額はそれぞれの金額を合算した額となります。したがって6,000万円+3,000万円=9,000万円が記載金額となります。
- 選択肢 3正解
- 土地の賃貸借契約書における契約期間は「重要な事項」に該当し、これを変更する覚書は第1号の4文書(契約金額の記載のないものとして200円)として印紙税が課されます。
- 選択肢 4不正解
- 車止めや舗装等の設備がある駐車場の特定区画の賃貸借契約書は、土地の賃貸借契約書ではなく施設の利用・寄託等に係る契約書とみなされ、印紙税は課されません。
覚えるポイント
- 重要な事項(期間や金額など)を変更する覚書は課税文書となる。
- 設備のある駐車場賃貸借は「土地の賃貸借」とはならず非課税である。
間違えやすいところ
- 仮契約書や覚書なら後日作成する本契約書にのみ課税されると誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(印紙税法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
固定資産税(徴収方法・縦覧期間・賦課期日・納税義務者)
税・その他 · 固定資産税 / 徴収方法(普通徴収) / 縦覧帳簿の縦覧期間 / 賦課期日 / 納税義務者
固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
固定資産税は普通徴収の方法により徴収されます。賦課期日は毎年1月1日と法律で定められており、納税義務者は原則として賦課期日現在の所有者です。縦覧帳簿の縦覧期間は納税者が他の土地・家屋の価格と比較できるように設けられています。
解き方
- 固定資産税の徴収方法が「普通徴収」であることを確認する(特別徴収ではない)。
- 地方税法第416条第1項による縦覧帳簿の縦覧期間の規定を確認する。
- 賦課期日が条例ではなく法律(地方税法第359条)で「1月1日」と定められていることを確認する。
- 賃借権者ではなく「所有者」が納税義務者であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 固定資産税の徴収方法は、納税通知書を交付して徴収する「普通徴収」の方法によらなければなりません(地方税法第364条)。特別徴収ではありません。
- 選択肢 2正解
- 土地価格等縦覧帳簿及び家屋価格等縦覧帳簿の縦覧期間は、毎年4月1日から、4月20日又は当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間です(地方税法第416条1項)。
- 選択肢 3不正解
- 固定資産税の賦課期日は、市町村の条例ではなく、法律(地方税法第359条)により「毎年1月1日」と定められています。
- 選択肢 4不正解
- 固定資産税は固定資産の「所有者」に課されるものであり、対象固定資産が賃貸されていても、賃借権者に対して課されることはありません(地方税法第343条1項)。
覚えるポイント
- 固定資産税は普通徴収である(特別徴収ではない)。
- 賦課期日は法律で「毎年1月1日」と定められている。
- 縦覧期間は4月1日~4月20日又は最初の納期限のいずれか遅い日以後の日まで。
間違えやすいところ
- 賦課期日が市町村ごとに条例で異なると誤解しないようにする。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(地方税法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
地価公示法における正常な価格および公示等の規定
価格の評定 · 地価公示法 / 正常な価格 / 更地評価 / 公示事項
地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
地価公示法における正常な価格とは、更地としての価格を意味し、土地に建物等の定着物や使用収益を制約する権利がある場合でも、それらがない更地の状態を想定して評価を行います。
解き方
- 地価公示法における正常な価格の定義(更地評価の原則)を確認する。
- 選択肢2が建物が存するものとして評価する旨を記述しているため、誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示法第6条各号により、公示事項には単位面積当たりの価格のほか、地積及び形状、周辺の土地の利用の現況等が含まれるため正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 正常な価格は土地に建物がある場合でも、当該建物がないもの(更地)として通常成立すると認められる価格をいうため、本記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 地価公示法第8条および第11条の規定通り、公示区域内の鑑定評価で正常な価格を求める際は公示価格を規準とし、対象地と標準地の客観的諸要因を比較して均衡を保たせる必要があるため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 地価公示法第2条第1項により、公示区域とは都市計画区域その他の国土交通省令で定める区域のうち、国土利用計画法の規制区域を除いた区域を指すため正しい記述です。
覚えるポイント
- 地価公示法の正常な価格は建物等の定着物がない更地として評価される。
間違えやすいところ
- 建物が存在する場合に建物付きとして評価すると誤認しやすい点。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(地価公示法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における「事務所」の定義と義務
宅建業法 · 事務所の定義 / 専任の宅地建物取引士 / 標識・帳簿等の備付け
宅地建物取引業法第3条第1項に規定する事務所(以下この問において「事務所」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業法上の事務所とは、本店(主たる事務所)は兼業のみでも常に事務所となりますが、支店(従たる事務所)は宅建業を営むもののみが該当します。また商業登記の有無は実質で判断されます。
解き方
- 本店と支店の宅建業法上の事務所該当要件(本店は常に該当、支店は宅建業を営む場合のみ該当)を確認する。
- 支店が兼業業務のみを営んでいる場合、事務所に該当しないとする選択肢2を正解と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 契約締結権限を有する者を置き継続的に業務を行う施設であれば、商業登記簿に登載されていなくても宅建業法上の事務所に該当するため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 従たる事務所(支店)は、宅建業を営むものだけが法上の事務所となるため、兼業業務のみを営む支店は事務所に該当せず正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 事務所に掲示が義務付けられているのは「標識」および「報酬額」であり、免許証を掲示する義務はないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 専任の宅地建物取引士の法定設置数を満たさなくなった場合に必要な措置を執るべき期間は、「30日以内」ではなく「2週間以内」であるため誤りです。
覚えるポイント
- 本店は宅建業を営まなくても常に事務所、支店は宅建業を営む場合のみ事務所。
間違えやすいところ
- 専任の宅建士の欠員補充期間(2週間以内)を名簿変更等の届出期間(30日以内)と混同しやすい点。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者が受領できる報酬
宅建業法 · 報酬額の計算 / 現地調査費用の特例 / 特別の費用
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることができる報酬についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業者の受領できる報酬上限は告示で定められており、原則として報酬以外は受領できませんが、依頼者の特別な依頼による遠隔地への旅費等はあらかじめ依頼者の承諾を得て別途請求できます。
解き方
- 依頼者の特別依頼による費用受領要件(依頼者の依頼+事前承諾)を確認し、選択肢1が正当であることを確認する。
- 他の選択肢(使用貸借の規定、貸借の報酬合計算定上限、低廉な空家等の特例上限計算)の誤りを順次確認する。
- 選択肢 1正解
- 依頼者の特別の依頼に基づき発生する実費相当額については、事前の承諾があれば報酬とは別に受領できるため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 使用貸借の媒介について通常の借賃をもとに不動産鑑定評価を求めなければならない旨の規定は存在しないため誤りです(宅建業法における貸借の媒介の規定は賃貸借を想定しています)。
- 選択肢 3不正解
- 承諾がある場合でも、双方から受領できる報酬の合計額は借賃の1か月分の1.1倍(税込)を超えることはできないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 建物代金(税抜)は(300万-80万)/1.1=200万円、土地代金80万円で合計税抜280万円。低廉な空家等の特例により売主から受領できる上限は18万円+消費税10%=19万8,000円が限度であるため、20万200円とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 低廉な空家等の媒介における売主からの特例上限は税抜最大18万円(税込19万8,000円)。
間違えやすいところ
- 低廉な空家等において通常の計算額に費用全額を無制限に加算できると誤認しやすい点。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法、報酬告示)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第35条の重要事項説明
宅建業法 · 第35条書面 / 説明の相手方 / 重要事項説明の義務者
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
重要事項説明は、権利を取得しようとする者(買主・借主等)を保護するための制度であるため、相手方が売主の場合や、自らが買主となる場合には、相手方に対して重要事項説明を行う義務は課されません。
解き方
- 宅建業法第35条第1項における重要事項説明義務の対象者(買主等)を確認する。
- 宅建業者が買主となる場合、売主に対して説明書面の作成・交付・説明義務がないため選択肢1を正しいと判定する。
- 選択肢 1正解
- 重要事項説明は買主等に対して行う義務であるため、宅建業者が自ら買い受ける場合は非業者の売主に対して説明書面を作成・説明する義務はなく正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 重要事項説明において調査不足により事実と異なる記載をした場合、過失であっても法第35条違反や指示処分等の対象となるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 重要事項説明の対象は取得者等(買主)であり、売却する売主に対して重要事項の説明をする義務はないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 宅地建物取引士の法定独占業務は重要事項説明書への記名(法改正前は記名押印)および「説明」であり、書面の作成自体は宅建士以外の補助者等が行っても違反ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 重説は「買主・借主(取得・借受け側)」に行う。売主への重説義務はない。
間違えやすいところ
- 37条書面(契約成立後・双方交付)と35条書面(契約前・買主等のみ)の交付相手を混同しやすい点。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士に関する規定
宅建業法 · 宅地建物取引士 / 法定講習 / 事務禁止処分 / 登録事項の変更
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
宅地建物取引士証の交付・更新に必要な講習は、登録をしている都道府県知事が指定する講習(法定講習)を受講する必要があります(登録実務講習の国土交通大臣登録と混同しないことが重要です)。
解き方
- 宅建士証の更新要件における講習実施・指定の権限者(都道府県知事)を確認する。
- 選択肢3が「国土交通大臣が指定する講習」と記載しているため誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 宅建業法第21条第1号により、登録を受けている者が禁錮以上の刑等の欠格事由に該当したときは、本人が30日以内に都道府県知事に届け出なければならないため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 事務禁止処分を受けたときは速やかに宅建士証を交付を受けた知事に提出しなければならず(法第22条の2第7項)、提出を怠った場合は10万円以下の過料(第86条の2)等の罰則があるため正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 宅建士証の更新に際して受講すべき講習は「都道府県知事が指定する講習」であり、国土交通大臣が指定する講習ではないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 法第15条の2(信用失墜行為の禁止)における信用を害する行為には、職務上の行為のみならず、職務に直接関係しない私的な行為であっても宅建士の品位を損なうものが含まれるため正しい記述です。
覚えるポイント
- 宅建士証交付・更新の法定講習を指定するのは「都道府県知事」。
間違えやすいところ
- 国土交通大臣の登録講習(登録実務講習等)と知事指定の交付・更新講習(法定講習)の管轄主体の混同。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第22条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法および犯罪収益移転防止法に関する複合問題
宅建業法 · 割賦販売 / 犯罪収益移転防止法 / 従業者の教育 / 秘密保持義務
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)及び犯罪による収益の移転防止に関する法律の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 法第35条第2項の規定による割賦販売とは、代金の全部又は一部について、目的物の引渡し後6か月以上の期間にわたり、かつ、2回以上に分割して受領することを条件として販売することをいう。 イ 犯罪による収益の移転防止に関する法律において、宅地建物取引業者のうち、宅地若しくは建物の売買契約の締結又はその代理若しくは媒介が特定取引として規定されている。 ウ 宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならないと法に定められている。 エ 宅地建物取引業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないと法に定められている。
解答・解説を表示
解答
3
解説
割賦販売の定義(引渡し後1年以上・2回以上分割)、犯罪収益移転防止法における宅建業者の売買取引の位置付け、従業者の教育努力義務、従業者自身の秘密保持義務など、業法および関連法令の横断的規定の正確な知識が求められます。
解き方
- 記述ア:割賦販売の期間要件(引渡し後「1年以上」)を確認し、6か月以上とする記述を誤りと判定する。
- 記述イ:犯罪収益移転防止法における宅建業者の特定取引(売買・媒介等)を確認し、正しいと判定する。
- 記述ウ:法第31条の2における従業者の教育努力義務を確認し、正しいと判定する。
- 記述エ:法第45条における従業者の秘密保持義務を確認し、正しいと判定する。
- 正しい記述が「イ、ウ、エ」の3つであることを数え上げ、選択肢3を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述は3つあるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述は3つあるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- イ、ウ、エの三つが正しいため、本肢が正解です。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述は3つあるため誤りです。
答えの内訳
- ア:正
- 法第2条第6号および第35条第2項において、割賦販売とは「目的物の引渡し後1年以上」の期間にわたり2回以上分割受領することを指すため、「6か月以上」とする記述は誤りです。
- イ:正
- 犯罪収益移転防止法において、宅地建物取引業者が行う宅地若しくは建物の売買契約の締結又はその代理・媒介は特定取引(特定業務)として本人確認等の対象に規定されているため正しい記述です。
- ウ:正
- 宅建業法第31条の2において、宅地建物取引業者は従業者に対し必要な教育を行うよう努めなければならない(努力義務)と規定されているため正しい記述です。
- エ:正
- 宅建業法第45条において、使用人その他の従業者は正当な理由がある場合でなければ業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならないと規定されているため正しい記述です。
- 30:3
- 正しいものはイ、ウ、エの三つであり、肢3が正解となります。
覚えるポイント
- 割賦販売の要件は「引渡し後1年以上」かつ「2回以上に分割」。
間違えやすいところ
- 割賦販売の期間要件を半年(6か月)と勘違いしやすい点。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法、犯罪による収益の移転防止に関する法律)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約(法第34条の2)の規定
宅建業法 · 媒介契約書面 / 価額査定の根拠明示 / 一般媒介契約 / 専任媒介契約
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の土地付建物の売却について媒介の依頼を受けた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
媒介契約締結に際して行われる物件の価格査定は報酬の範囲内で行われるべき性質のものであり、一般媒介契約であっても査定費用を別途依頼者に請求することはできません。また媒介契約書面(34条の2書面)は売買価格等の法定事項を記載し、買主に対しても交付義務があります。
解き方
- 価格査定費用の請求可否について確認し、原則として請求できないことから選択肢1を正しいと判定する。
- 媒介契約書の必要的記載事項(売買すべき価額は一般媒介でも必須)を確認する。
- 専任媒介契約の更新期間上限(更新時も3か月以内)を確認する。
- 媒介契約書の交付対象(売買・交換の媒介であれば買主側の依頼にも交付必須)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 価額の査定に要した費用は媒介報酬の範囲内に含まれ、別途依頼者に請求することはできないため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 売買すべき価額または評価額は媒介契約書面の必要的記載事項であり、一般媒介契約であっても記載を省略できないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 専任媒介契約の有効期間は更新のときであっても3か月を超えることができず、超える期間を定めた場合は3か月に短縮されるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業法第34条の2の媒介契約書面は、売主だけでなく買主から媒介の依頼を受けた場合にも交付しなければならないため誤りです。
覚えるポイント
- 媒介の価額査定費用は別途請求不可。媒介契約書は買主に対しても交付必須。
間違えやすいところ
- 専任媒介契約の更新時なら3か月を超えて合意できると誤認しやすい点。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第34条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第37条の書面(契約書面)
宅建業法 · 37条書面 / 宅地建物取引士の記名 / 手付金の保全措置 / 契約不適合担保責任の特約
宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
売主業者と媒介業者の双方が関与する取引において、37条書面を共同で作成・交付する場合であっても、関与したそれぞれの宅建業者の宅地建物取引士が記名を行う義務があります。
解き方
- 複数の宅建業者が関与した場合の37条書面への宅建士の記名義務(関与した全業者の宅建士の記名が必要)を確認する。
- 選択肢1が媒介業者Bの宅建士のみで足り、売主Aの宅建士の記名押印は不要としているため、これが誤り(本問の正解)であると判断する。
- 選択肢 1正解
- 共同で作成する場合であっても、売主業者Aと媒介業者Bのそれぞれの宅地建物取引士に記名(基準日時点は記名押印)をさせる必要があるため、誤った記述です。
- 選択肢 2不正解
- 宅建業法第22条の4により、宅建士は取引の関係者から請求があったときは宅建士証を提示しなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 手付金等保全措置の概要は重要事項説明(35条)の記載・説明事項ですが、37条書面の必要的・任意的記載事項には含まれていないため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 契約不適合担保責任に関する特約は、定めがあるときは37条書面に記載しなければならない事項(相対的記載事項)であるため正しい記述です。
覚えるポイント
- 複数業者が関与する場合、37条書面には関与したすべての業者の宅建士の記名が必要。
間違えやすいところ
- 手付金の保全措置が37条書面の記載事項に含まれると混同しやすい点。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第37条)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録および宅地建物取引士証に関する規律
宅建業法 · 宅地建物取引士 / 登録の移転 / 欠格事由 / 宅地建物取引士証の有効期間
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地建物取引士資格試験は未成年者でも受験することができるが、宅地建物取引士の登録は成年に達するまでいかなる場合にも受けることができない。 イ 甲県知事登録の宅地建物取引士が、宅地建物取引業者(乙県知事免許)の専任の宅地建物取引士に就任するためには、宅地建物取引士の登録を乙県に移転しなければならない。 ウ 丙県知事登録の宅地建物取引士が、事務の禁止の処分を受けた場合、丁県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときでも、その禁止の期間が満了するまで、宅地建物取引士の登録の移転を丁県知事に申請することができない。 エ 戊県知事登録の宅地建物取引士が、己県への登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付を申請した場合、己県知事が宅地建物取引士証を交付するときは、戊県で交付された宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅地建物取引士証を交付しなければならない。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引士の登録制度において、登録の要件・欠格事由、登録移転の手続や制限、移転後の宅地建物取引士証の有効期間に関する規定を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 各記述(ア~エ)の正誤を宅地建物取引業法の各条文に基づき判定する。
- 正しい記述の個数を数え、対応する選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はウとエの二つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 記述ウと記述エの二つが正しい記述であるため、本肢が正解です。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は二つであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- アとイが誤りであり、正しい記述は二つであるため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、欠格事由に該当せず登録可能である。
- 事務禁止処分期間中は、登録の移転を申請することができない(法19条の1第1項ただし書)。
- 登録移転に伴い交付される新取引士証の有効期間は、従前の取引士証の残存期間となる(法22条の2第4項)。
間違えやすいところ
- 登録の移転は任意であり、他の都道府県にある業者の専任の宅建士に就任する場合であっても義務ではない。
- 事務禁止期間中の登録移転申請の禁止を見落としやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第18条第1項、第19条の1第1項、第22条の2第4項(令和4年4月1日現在施行の規定)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明事項(建物売買の媒介)
宅建業法 · 重要事項説明 / 建物状況調査 / 造成宅地防災区域 / アスベスト / 耐震診断
宅地建物取引業者が建物の売買の媒介の際に行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 1 当該建物が既存の建物であるときは、宅地建物取引業法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を過去1年以内に実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。 2 当該建物が宅地造成等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。 3 当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。 4 当該建物(昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したもの)が指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その旨を説明しなければならない。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建物の売買媒介における重要事項説明(35条書面)において、既存建物の耐震診断の結果が記録されているときは「その内容」を説明する必要があります。「その旨」のみの説明では足りません。
解き方
- 各選択肢の事項が宅地建物取引業法第35条および施行規則の重要事項説明事項と合致しているか確認する。
- 肢4における旧耐震建物の耐震診断の説明要件を検討し、「その内容」の説明が必要である点に着目して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 既存建物の売買媒介では、過去1年以内に実施した建物状況調査の有無および実施している場合におけるその結果の概要は重要事項として説明しなければなりません(法35条1項6号の2、規則16条の4の3第4号)。記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 造成宅地防災区域内に位置するときは、その旨を重要事項として説明しなければなりません(法35条1項2号、令3条の2第2号)。記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 建物の売買において、石綿(アスベスト)の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容を説明しなければなりません(法35条1項6号の2、規則16条の4の3第6号)。記述は正しいです。
- 選択肢 4正解
- 昭和56年5月31日以前に着工された建物について耐震診断を受けたものであるときは、単に「その旨」だけでなく、「その内容」を説明しなければならないため誤りです(法35条1項6号の2、規則16条の4の3第5号)。
覚えるポイント
- 昭和56年5月31日以前着工の既存建物についての耐震診断は、受けた「旨」だけでなく「内容」まで説明が必要。
- 石綿(アスベスト)調査も「結果が記録されているとき」に「その内容」を説明する。
間違えやすいところ
- 造成宅地防災区域、津波災害警戒区域、土砂災害警戒区域などは「その区域内にある旨」の説明で足りるが、耐震診断や石綿は「内容」の説明が求められる点を混同しない。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第1項第6号の2、宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3第5号
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
従業者証明書・35条説明・37条書面交付義務の対象
宅建業法 · 従業者証明書 / 重要事項説明 / 37条書面 / 宅建業者間取引
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。 1 宅地建物取引業者の従業者である宅地建物取引士は、取引の関係者から事務所で従業者証明書の提示を求められたときは、この証明書に代えて従業者名簿又は宅地建物取引士証を提示することで足りる。 2 宅地建物取引業者Aが所有する甲建物を法人Bに売却するに当たり、Bが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、宅地建物取引士をして、法第35条の規定に基づく書面を交付し説明をさせなければならない。 3 法人Cが所有する乙建物の個人Dへの賃貸を宅地建物取引業者Eが媒介し、当該賃貸借契約が成立したときは、EはDに対し、宅地建物取引士をして、法第35条の規定に基づく書面を交付し説明をさせなければならない。 4 宅地建物取引業者Fが所有する丙宅地を法人Gに売却する契約を締結したとき、Gが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、FはGに対し、法第37条の規定に基づく書面を交付しなければならない。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業者間の取引において、重要事項説明(35条)は説明が不要(書面交付のみで可)とされますが、37条書面(契約成立時書面)の作成・交付義務は業者間取引でも免除されません。
解き方
- 肢1:従業者証明書の提示義務は他の証明書等で代用できるか確認する。
- 肢2:買主が宅建業者である場合の重要事項説明義務の有無を確認する。
- 肢3:重要事項説明の実施時期(契約成立前か否か)を確認する。
- 肢4:相手方が宅建業者である場合の37条書面交付義務の有無を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 従業者は取引の関係者から請求があったときは従業者証明書を提示しなければならず、従業者名簿や宅地建物取引士証で代用することは認められていません(法48条2項)。
- 選択肢 2不正解
- 相手方が宅建業者である場合、法35条に基づく重要事項の説明は不要とされており(書面の交付は必要)、説明をさせなければならないとする本肢は誤りです(法35条6項)。
- 選択肢 3不正解
- 重要事項説明は「契約が成立するまでの間」に行わなければならず、契約成立後に行うとする本肢は誤りです(法35条1項)。
- 選択肢 4正解
- 法37条書面の交付義務は、取引の相手方が宅地建物取引業者であっても適用除外とされておらず、必ず交付しなければなりません(法37条1項、法78条2項参照)。したがって正しいです。
覚えるポイント
- 業者間取引では、35条の「説明」は不要(書面交付は必要)。
- 業者間取引であっても、37条の「書面交付」は省略できない。
間違えやすいところ
- 業者間取引で35条書面交付と37条書面交付の両方が免除されると誤解しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第6項、第37条第1項、第48条第2項、第78条第2項
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明事項と37条記載事項の区別
宅建業法 · 重要事項説明 / 確認済証・検査済証 / 水害ハザードマップ / 37条書面との差異
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 1 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が既存の住宅であるときは当該建物の建築確認済証、検査済証等(宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3第2号に定めるもの)の保存の状況について説明しなければならず、当該建築確認済証、検査済証等が存在しない場合はその旨を説明しなければならない。 2 宅地の売買の媒介を行う場合、売買代金の額並びにその支払の時期及び方法について説明しなければならない。 3 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が、水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村(特別区を含む。)の長が提供する図面にその位置が表示されている場合には、当該図面が存在していることを説明すれば足りる。 4 自ら売主となって建物の売買契約を締結する場合、当該建物の引渡しの時期について説明しなければならない。
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解答
1
解説
法第35条の重要事項説明事項と、法第37条の書面記載事項を厳密に区別することが重要です。代金の額・支払時期・方法や引渡しの時期は37条書面の必要記載事項であり、35条の重要事項説明事項ではありません。
解き方
- 肢1:既存住宅における確認済証・検査済証等の保存状況の説明義務を確認する。
- 肢2・肢4:売買代金の額・支払時期・引渡時期が35条説明事項か37条記載事項か判別する。
- 肢3:水害ハザードマップ(水防法に基づく図面)における説明方法を確認する。
- 選択肢 1正解
- 既存住宅の売買媒介において、建築確認済証や検査済証等の書類の保存状況は重要事項説明事項であり、それらが存在しないときはその旨を説明しなければなりません(法35条1項6号の2、規則16条の4の3第2号)。したがって正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 売買代金の額並びにその支払の時期および方法は、法第37条書面の記載事項(必要的記載事項)であり、法第35条の重要事項説明事項ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 水害ハザードマップについて説明する際は、単に図面が存在することを説明するだけでなく、当該図面を提示して対象建物の「所在する位置」を説明しなければなりません(法35条1項14号、規則16条の4の3第3号)。
- 選択肢 4不正解
- 建物の引渡しの時期は法第37条書面の必要的記載事項であり、法第35条の重要事項説明事項ではありません。
覚えるポイント
- 代金の額・支払時期・方法、目的物の引渡時期は「37条書面」記載事項であり、35条重説事項ではない(35条では代金以外に授受される金銭の額・目的を説明する)。
- 水害ハザードマップは図面を提示して対象物件の位置を説明しなければならない。
間違えやすいところ
- 35条説明事項と37条書面記載事項の入れ替え問題は頻出であるため、代金や引渡時期を見たら37条事項と即座に判断できるようにする。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第1項第6号の2・第14号、第37条第1項第3号・第4号、施行規則第16条の4の3
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
広告に関する規制(広告開始時期、誇大広告、取引態様の明示)
宅建業法 · 広告開始時期の制限 / 誇大広告の禁止 / 取引態様の明示
宅地建物取引業者Aがその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア Aが未完成の建売住宅を販売する場合、建築基準法第6条第1項に基づく確認を受けた後、同項の変更の確認の申請書を提出している期間においては、変更の確認を受ける予定である旨を表示し、かつ、当初の確認内容を合わせて表示すれば、変更の確認の内容を広告することができる。 イ Aが新築住宅の売買に関する広告をインターネットで行った場合、実際のものより著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示を行ったが、当該広告について問合せや申込みがなかったときは、法第32条に定める誇大広告等の禁止の規定に違反しない。 ウ Aが一団の宅地の販売について、数回に分けて広告をするときは、そのたびごとに広告へ取引態様の別を明示しなければならず、当該広告を見た者から売買に関する注文を受けたときも、改めて取引態様の別を明示しなければならない。
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解答
2
解説
宅建業法は、広告開始時期の制限(33条)、誇大広告等の禁止(32条)、および取引態様の明示義務(34条)を規定し、消費者被害の防止と公正な取引環境を確保しています。
解き方
- 記述ア:建築確認後の計画変更申請中における広告表示の取扱い(ガイドラインの例外要件)を確認する。
- 記述イ:誇大広告の禁止違反の成否において、問合せや申込みなどの実被害の要否を確認する。
- 記述ウ:広告時および注文時における取引態様の明示義務を検討する。
- 正しい記述の個数を集計し、該当する選択肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はアとウの二つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 記述アと記述ウの二つが正しいため、本肢が正解です。
- 選択肢 3不正解
- イが誤りであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- アとウの二つが正しい記述であるため、なしとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 変更確認の申請中は、原則として変更内容の広告不可だが、「変更確認を受ける予定である旨」と「当初の確認内容」を併せて表示する場合は変更内容の広告が可能(国交省解釈・運用の考え方)。
- 誇大広告の禁止は、実際に誤認した者や問合せ・損害が発生しなくても、広告を行った時点で直ちに違反となる。
- 取引態様の明示は、広告の「その都度」および注文を受けたときの「遅滞なく」の両方で義務付けられている。
間違えやすいところ
- 問合せや実害がなかったからといって誇大広告違反が免除されるわけではない点に注意する。
出題の前提:宅地建物取引業法第32条、第33条、第34条、「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
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自ら売主規制(クーリング・オフ制度)
宅建業法 · クーリング・オフ / 事務所等以外の場所 / 業者間取引の適用除外 / 返還義務
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、買受けの申込みを喫茶店で行った場合における宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づく、いわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 買受けの申込みをした者が、売買契約締結後、当該宅地の引渡しを受けた場合、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことができない。 2 買受けの申込みをした者が宅地建物取引業者であった場合、クーリング・オフについて告げられていなくても、申込みを行った日から起算して8日を経過するまでは、書面により買受けの申込みの撤回をすることができる。 3 売主業者の申出により、買受けの申込みをした者の勤務先で売買契約を行った場合、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことはできない。 4 クーリング・オフによる売買契約の解除がなされた場合において、宅地建物取引業者は、買受けの申込みをした者に対し、速やかに、当該売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
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解答
4
解説
法第37条の2に規定するクーリング・オフにおいて、解除要件の消滅事由(告げられた日から8日経過、または引渡しを受け「かつ」代金全額を支払ったとき)、適用除外(買主が宅建業者)、および解除時の金銭全額返還義務についての正確な知識が問われます。
解き方
- 肢1:クーリング・オフができなくなる要件(引渡しと代金全額支払の双方充足)を確認する。
- 肢2:買主が宅建業者である場合のクーリング・オフ適用の有無を確認する。
- 肢3:買主の勤務先での契約において、業者の申出による場合にクーリング・オフができるか確認する。
- 肢4:クーリング・オフ解除に伴う売主業者の手付金等の返還義務を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 引渡しのみではクーリング・オフは制限されず、「宅地の引渡しを受け、かつ、その代金の全部が支払われたとき」に初めて解除ができなくなります(法37条の2第1項第2号)。
- 選択肢 2不正解
- 買主が宅地建物取引業者である場合、法第37条の2(クーリング・オフ)の規定は適用されません(法78条2項)。
- 選択肢 3不正解
- 買主の勤務先が「事務所等」に該当するのは買主自らが申し出た場合に限られます。売主業者の申出によって勤務先で契約した場合はクーリング・オフが可能です(法37条の2第1項、規則16条の5第2号)。
- 選択肢 4正解
- クーリング・オフによる契約解除がなされた場合、宅建業者は速やかに受領済みの手付金その他の金銭を全額返還しなければなりません(法37条の2第3項)。違約金等の請求もできません。
覚えるポイント
- クーリング・オフ消滅要件は「引渡し」+「代金全額支払い」の両方。
- 買主が宅建業者の場合は自ら売主規制(クーリング・オフ含む)が一切適用されない。
- 買主の自宅や勤務先は「買主自らが申し出た場合」にのみ事務所等として扱われ解除不可となる。
間違えやすいところ
- 引渡しを受けただけで解除権が消滅すると誤解しやすい(代金全額支払も必要)。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2、第78条第2項、宅地建物取引業法施行規則第16条の5
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会(弁済業務、分担金、還付対象債権)
宅建業法 · 宅地建物取引業保証協会 / 弁済業務保証金分担金 / 認証 / 還付債権者
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 保証協会は、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者から認証申出書の提出があり、認証に係る事務を処理する場合には、各月ごとに、認証申出書に記載された取引が成立した時期の順序に従ってしなければならない。 2 保証協会は、当該保証協会の社員から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を当該社員の主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。 3 保証協会の社員が弁済業務保証金分担金を納付した後に、新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に保証協会に納付すべき弁済業務保証金分担金について、国債証券をもって充てることができる。 4 宅地建物取引業者と宅地の売買契約を締結した買主(宅地建物取引業者ではない。)は、当該宅地建物取引業者が保証協会の社員となる前にその取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する。
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解答
4
解説
保証協会の弁済業務保証金制度において、社員となる前の取引から生じた債権も弁済の対象となります。また分担金の納付は金銭に限られ、供託先は大臣指定の供託所となります。
解き方
- 肢1:保証協会における認証事務の処理順序の基準(受理順か取引成立順か)を確認する。
- 肢2:保証協会が弁済業務保証金を供託する供託所を確認する。
- 肢3:弁済業務保証金分担金の納付を有価証券で行うことができるか確認する。
- 肢4:社員となる前の取引により生じた債権が弁済業務保証金の還付対象となるか確認する。
- 選択肢 1不正解
- 認証事務は、取引成立順ではなく「認証申出書の受理の順序」に従って処理しなければなりません(施行規則第26条の7)。
- 選択肢 2不正解
- 保証協会が弁済業務保証金を供託する場所は、社員の事務所の最寄りではなく「法務大臣及び国土交通大臣の指定する供託所(保証協会の主たる事務所の最寄り)」です(法64条の7第1項)。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業者が保証協会に納付する弁済業務保証金分担金は「金銭」に限られており、国債証券等の有価証券で充てることはできません(法64条の9第1項・2項)。
- 選択肢 4正解
- 宅建業者と取引をした一般の買主は、その業者が保証協会の社員となる前の取引によって生じた債権についても、弁済業務保証金から弁済を受けることができます(法64条の8第1項)。したがって正しいです。
覚えるポイント
- 社員となる前の取引で生じた債権も弁済業務保証金の対象に含まれる。
- 分担金は「金銭」でのみ納付可能(国債証券等の有価証券は不可)。
- 営業保証金制度では有価証券での供託が可能だが、保証協会の分担金は金銭限定である。
間違えやすいところ
- 営業保証金(有価証券可)と保証協会の分担金(金銭のみ)の取扱いを混同しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第64条の7第1項、第64条の8第1項、第64条の9第1項・第2項、施行規則第26条の7
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
IT重説および重要事項説明の実施方法
宅建業法 · IT重説 / 重要事項説明 / 記名押印 / 取引士証の提示
建物の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者が、その取引の相手方(宅地建物取引業者を除く。)に対して、次のアからエの発言に続けて宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明を行った場合のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはいくつあるか。 ア 本日は重要事項の説明を行うためにお電話しました。お客様はIT環境をお持ちでなく映像を見ることができないとのことですので、宅地建物取引士である私が記名押印した重要事項説明書は現在お住まいの住所に郵送いたしました。このお電話にて重要事項の説明をさせていただきますので、お手元でご覧いただきながらお聞き願います。 イ 建物の貸主が宅地建物取引業者で、代表者が宅地建物取引士であり建物の事情に詳しいことから、その代表者が作成し、記名押印した重要事項説明書がこちらになります。当社の宅地建物取引士は同席しますが、説明は貸主の代表者が担当します。 ウ この物件の担当である弊社の宅地建物取引士が本日急用のため対応できなくなりましたが、せっかくお越しいただきましたので、重要事項説明書にある宅地建物取引士欄を訂正の上、宅地建物取引士である私が記名押印をし、代わりに説明をいたします。私の宅地建物取引士証をお見せします。 エ 本日はお客様のご希望ですので、テレビ会議を用いて重要事項の説明を行います。当社の側の音声は聞こえていますでしょうか。十分に聞き取れたとのお返事、こちらにも聞こえました。では、説明を担当する私の宅地建物取引士証をお示ししますので、画面上でご確認をいただき、私の名前を読み上げていただけますでしょうか。そうです、読み方も間違いありません。それでは、双方音声・映像ともやりとりできる状況ですので、説明を始めます。事前にお送りした私が記名押印した重要事項説明書をお手元にご用意ください。
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解答
2
解説
法第35条の重要事項説明は、宅地建物取引士が取引士証を提示して行わなければならず、ITを活用した説明(IT重説)を行う場合は映像と音声を双方向で送受信できる環境が必要です。また、説明を行う宅建士自らが記名押印(法改正により現在は記名)しなければなりません。
解き方
- 発言ア:電話のみ(音声のみ)での重要事項説明が許容されるか検討する。
- 発言イ:媒介業者の宅建士以外の者(貸主業者の代表者)が説明を行うことの可否を検討する。
- 発言ウ:担当外の宅建士が書面を訂正・記名押印し、証を提示して自ら説明することの適法性を検討する。
- 発言エ:IT重説の実施要件(双方向の映像・音声通信、証の画面提示確認、事前送付等)が満たされているか検討する。
- 違反しないものの個数を集計し、選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 違反しないものはウとエの二つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 違反しないものはウとエの二つであるため、本肢が正解です。
- 選択肢 3不正解
- 違反しないものは二つであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- アとイが違反するため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- IT重説はテレビ会議など「映像と音声が双方向でやりとりできる」環境が必要であり、電話(音声のみ)は不可。
- 媒介業者は自社の宅建士をして重要事項を説明させなければならず、相手方業者が説明することはできない。
- 別の宅建士が説明を行う場合、書面を訂正し説明を行う宅建士が記名(押印)して説明すれば適法。
間違えやすいところ
- 発言ウのように別の宅建士が説明を交代する場合、書面を訂正・記名して自ら証を提示して行えば適法であることを見落とさないようにする。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第1項・第4項・第5項、ITを活用した重要事項説明のガイドライン
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金及び宅地建物取引業保証協会
宅建業法 · 営業保証金の取戻し / 営業保証金の不足額の供託 / 苦情の解決業務 / 弁済業務保証金からの還付額
営業保証金及び宅地建物取引業保証協会に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。 ア 宅地建物取引業者の代表者が、その業務に関し刑法第222条(脅迫)の罪により懲役の刑に処せられたことを理由に宅地建物取引業の免許を取り消された場合、当該宅地建物取引業者であった者は、当該刑の執行を終わった日から5年間は供託した営業保証金を取り戻すことができない。 イ 営業保証金の還付により、営業保証金が政令で定める額に不足することとなったため、国土交通大臣又は都道府県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた宅地建物取引業者は、その送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。 ウ 保証協会の社員は、自らが取り扱った宅地建物取引業に係る取引の相手方から当該取引に関する苦情について解決の申出が保証協会にあり、保証協会から関係する資料の提出を求められたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。 エ 保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内において弁済を受ける権利を有する。
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解答
2
解説
営業保証金制度と保証協会制度は、取引の相手方を保護するための弁済資力を確保する仕組みです。免許取消時等の保証金取戻し要件や、還付・苦情解決の義務、および保証協会利用時の還付限度額(単なる分担金額ではなく本来供託すべき営業保証金相当額まで弁済を受けられる点)を正確に整理しておく必要があります。
解き方
- 各記述の正誤を検討する。アは取戻し制限の有無、イは不足額供託の期限、ウは苦情解決時の資料提出義務、エは保証協会からの弁済限度額を判定する。
- アが誤り、イが正しい、ウが正しい、エが誤りであるため、誤っているものはアとエの2つとなり、正解を「2」と導く。
- 選択肢 1不正解
- 誤っている記述はアとエの2つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- ア(取戻し期間の誤り)とエ(弁済限度額の誤り)の2つが誤りであるため、本肢が正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 誤っている記述は2つであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 誤っている記述は2つであるため、四つとする本肢は誤りです。
答えの内訳
- ア:誤り
- 免許取消処分を受けた場合、宅地建物取引業者であった者は原則として6か月以上の公告手続を経ることで、直ちに営業保証金の取戻し手続を行うことができます。刑の執行終了から5年間取り戻せないとする規定はありません。
- イ:正しい
- 営業保証金の還付により不足額が生じた場合、業者は免許権者から通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければなりません(宅建業法第28条1項)。
- ウ:正しい
- 保証協会から苦情解決のために取引関係資料の提出等を求められた社員は、正当な理由がある場合を除き、これを拒むことができません(宅建業法第64条の5第2項)。
- エ:誤り
- 保証協会の社員と取引をした者が弁済を受けることができる限度額は、「納付した分担金の額」ではなく、当該社員が「社員でないとしたならば供託すべき営業保証金の額に相当する額」の範囲内です(宅建業法第64条の8第1項)。
覚えるポイント
- 保証協会の還付限度額は「その社員が単独で供託すべき営業保証金相当額(主たる事務所1,000万円+従たる事務所1箇所につき500万円)」である。
- 不足額供託の期限は通知書の「送付を受けた日」から2週間以内である。
間違えやすいところ
- 欠格事由による免許取消し後の「5年間免許を受けられない」規定と「営業保証金の取戻し」の可否を混同しないようにする。
- 弁済業務保証金分担金の額(主たる事務所60万円、従たる事務所30万円)そのものが還付上限であると誤認しないように注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第28条、第30条、第64条の5、第64条の8等)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
専属専任媒介契約
宅建業法 · 媒介契約の種類 / 業務処理状況の報告義務 / 価額の意見と根拠明示 / 指定流通機構への登録
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却を依頼され、Bと専属専任媒介契約(以下この問において「本件媒介契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
媒介契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、専属専任媒介契約は自己発見取引も禁止される最も拘束力が強い契約形態です。そのため、有効期間の上限(3か月)、指定流通機構への登録義務(5日以内)および登録証書の引渡義務、さらに高頻度の業務処理状況報告義務(1週間に1回以上)が課されています。
解き方
- 選択肢1の報告頻度を確認:専属専任は1週間に1回以上(専任は2週間に1回以上)であるため誤り。
- 選択肢2の価額の根拠明示方法を確認:意見の根拠明示は義務だが、口頭でも書面でもよいため正しい。
- 選択肢3の有効期間を確認:依頼者の書面申出があっても3か月を超えることはできないため誤り。
- 選択肢4の登録証書の交付義務を確認:依頼の有無にかかわらず遅滞なく引き渡す義務があるため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 専属専任媒介契約における報告義務は1週間に1回以上であるため、2週間に1回以上とする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 意見の根拠を明らかにする義務はありますが、その方法については口頭でも書面でもよいため、本肢は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 契約締結時にいかなる特約や書面の申出があっても、専任媒介契約の有効期間を3か月超とすることはできないため、本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 指定流通機構に登録したときは、依頼者からの依頼の有無にかかわらず、遅滞なく登録を証する書面を引き渡さなければならないため、本肢は誤りです。
答えの内訳
- 1:誤り
- 専属専任媒介契約における業務処理状況の報告は「1週間に1回以上」行わなければなりません。「2週間に1回以上」は(専属ではない)専任媒介契約の基準です。
- 2:正しい
- 媒介契約において、宅地の価額または評価額について意見を述べるときはその根拠を明らかにしなければなりませんが(法第34条の2第2項)、その根拠の明示方法について書面によることまでは義務付けられておらず、口頭で行っても差し支えありません。
- 3:誤り
- 専任媒介契約(専属専任を含む)の有効期間は3か月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは3か月となります。あらかじめ依頼者からの書面による申出があっても3か月を超えることはできません。
- 4:誤り
- 指定流通機構に登録したときは、遅滞なく、登録を証する書面を依頼者に引き渡さなければなりません(法第34条の2第6項)。依頼者からの請求や申出を待つ必要はありません。
覚えるポイント
- 専任媒介:有効期間3か月以内、登録7日以内、報告2週間に1回以上。
- 専属専任媒介:有効期間3か月以内、登録5日以内、報告1週間に1回以上。
- 価額の根拠明示義務は書面交付までは求められておらず口頭でも可能。
間違えやすいところ
- 重要事項説明等と混同し、価額意見の根拠明示に書面が必須であると誤認しやすい。
- 更新時には依頼者の申出により最長3か月の更新ができるが、当初契約締結時に3か月を超える期間を定めることは依頼者の申出があってもできない。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第34条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限(8種制限)
宅建業法 · 手付の性質(解約手付) / 契約不適合責任の特約制限 / 損害賠償額の予定等の制限 / 所有権留保等の禁止
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として行う売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
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解答
2
解説
宅建業者が自ら売主となり、非業者を買主とする取引では買主保護のために「8種制限」が適用されます。手付の解約手付化、損害賠償額の予定の上限(2割)、所有権留保等の制限(3割受領後の担保化禁止)、契約不適合責任の通知期間(引渡しから2年以上とする特約のみ有効)などを正確に押さえる必要があります。
解き方
- 選択肢1:手付の法的性質を確認。手付受領時は解約手付とみなされるため正しい。
- 選択肢2:担保責任の特約制限を確認。引渡しから2年以上でなければ無効(1年間は不可)であるため誤り。
- 選択肢3:損害賠償額の予定の上限(20%)を計算:2,500万円×0.2=500万円であり、500万円の設定は上限内であるため正しい。
- 選択肢4:割賦販売における所有権留保等の禁止基準(代金の10分の3超受領後)を確認。担保目的での譲受け禁止に該当するため正しい。
- 選択肢 1不正解
- どのような名目であっても解約手付としての効力が認められるため、記述は正しいです。
- 選択肢 2正解
- 民法の原則より買主に不利な特約は無効ですが、例外的に有効とされるのは「引渡しの日から2年以上」となる特約であり、「1年間」とする特約は無効であるため本肢が誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 代金2,500万円の2割(500万円)ちょうどで設定することは法令の制限(2割を超えてはならない)に適合するため、記述は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 代金の10分の3を超える額の支払を受けた後は、担保目的で当該建物を譲り受けることが禁止されているため、記述は正しいです。
答えの内訳
- 1:正しい
- 業者が自ら売主として受領した手付は、名目のいかんにかかわらず解約手付とみなされるため、相手方が履行に着手するまでは買主は手付を放棄して契約を解除できます(法第39条第2項)。
- 2:誤り
- 宅建業者が自ら売主となる場合、契約不適合責任に関して民法より買主に不利な特約は無効です。例外として「引渡しの日から2年以上」とする特約のみが認められているため、「引渡しの日から1年間」とする特約は無効となり、民法の原則(不適合を知った時から1年以内の通知)が適用されます(法第40条)。
- 3:正しい
- 損害賠償の額の予定及び違約金の合計額は代金の額の10分の2(20%)を超えることができません。2,500万円の20%は500万円であるため、500万円と設定することは適法です(法第38条第1項)。
- 4:正しい
- 宅建業者が自ら売主として割賦販売を行う場合、目的物を引き渡し、代金の10分の3を超える額の支払を受けた後は、残代金支払のための担保の目的であっても建物を譲り受けてはなりません(法第43条)。
覚えるポイント
- 自ら売主の契約不適合責任特約:引渡しの日から2年以上とする特約のみ有効(これ以外で民法より不利な特約は無効となり、民法原則『知った時から1年以内通知』に戻る)。
- 損害賠償額の予定・違約金:合算で代金の20%以下。
間違えやすいところ
- 民法上の期間制限(知った時から1年以内)と業法上の例外特約(引渡しの日から2年以上)の文言・起算点を混同しないように注意する。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第38条、第39条、第40条、第43条)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第37条書面
宅建業法 · 37条書面の交付義務 / 業者間取引における37条書面 / 宅建士の記名と交付の担当者 / 賃貸借における記載事項
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業者Aが法の規定に違反するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法第37条に規定する書面(契約成立書面)は、取引条件の明確化と後日の紛争防止を目的として遅滞なく交付が義務付けられています。この37条書面の交付義務および宅建士の記名義務は、業者間取引であっても適用除外とならない重要規定です(8種制限と異なり免除されない)。書面の交付行為そのものは宅建士以外の補助者が行っても構いません。
解き方
- 選択肢1の当事者・代理人への交付を確認:代理人に交付しても法令違反ではないため適法。
- 選択肢2の交付者を確認:記名は宅建士が行う必要があるが、交付の使者は非宅建士の従業員でも適法。
- 選択肢3の記載事項を確認:借賃以外の金銭の授受があるときの「目的・額・時期」は記載事項であり適法。
- 選択肢4の業者間取引での交付義務を確認:業者間であっても37条書面の交付義務は免除されないため、交付を省略して保管する行為は業法違反。
- 選択肢 1不正解
- 買主Bのみならず代理人Cに対しても交付することは適法であり、法に違反しません。
- 選択肢 2不正解
- 37条書面への記名は宅建士が行う必要がありますが、交付の手続き自体は宅建士以外の従業員が行ってもよいため、法に違反しません。
- 選択肢 3不正解
- 借賃以外の金銭の授受の額・時期・目的は37条書面の法定記載事項であるため、正しく記載して交付した本肢は違反しません。
- 選択肢 4正解
- 業者間取引であっても37条書面の交付義務は省略できないため、互いに交付せずに保管のみを行った行為は法に違反し、本肢が正解です。
答えの内訳
- 1:違反しない
- 37条書面は契約当事者に交付しなければなりませんが、買主Bの代理人である業者Cにも交付することは業法に違反しません。
- 2:違反しない
- 37条書面には宅建士の記名が必要ですが、書面の実際の交付自体は宅地建物取引士以外の従業員が行っても違反にはなりません。
- 3:違反しない
- 借賃以外の金銭の授受がある場合、その額、授受の時期および「目的」は賃貸借契約における37条書面の必要的記載事項(定めがあるときの記載事項)です。
- 4:違反する
- 37条書面の交付義務は、宅地建物取引業者相互間の取引(業者間取引)であっても免除されません(法第78条第2項)。契約当事者に対して遅滞なく書面を交付しなければならず、各自が作成・保管して交付を省略することは違反となります。
覚えるポイント
- 37条書面の交付義務・宅建士の記名義務は業者間取引でも適用される(省略不可)。
- 37条書面は「宅建士の記名」が必要だが「説明」は不要であり、交付自体も宅建士以外の従業員で可能。
間違えやすいところ
- 重要事項説明(35条)は業者間取引で説明不要(書面交付のみ)となるが、37条書面の交付義務は業者間でも一切緩和されない点を取り違えやすい。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第37条、第78条第2項)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法
その他関連法規 · 保証金の供託 / 責任保険の有効期間 / 基準日と供託義務 / 保証金の取戻し要件
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅瑕疵担保履行法は、新築住宅の売主等に対し、引渡しから10年間の瑕疵担保責任(契約不適合責任)の履行を担保するため、供託または保険加入を義務付けています。対象は非業者への新築住宅引渡しであり、業者間取引は除外されます。また、基準日ごとの管理や取戻しには免許権者の承認が必要です。
解き方
- 選択肢1の買主属性を確認:買主が宅建業者の場合は適用除外となるため誤り。
- 選択肢2の保険期間短縮可否を確認:引渡しから10年以上必須であり、承諾があっても短縮不可のため誤り。
- 選択肢3の供託維持期間と対象を確認:基準日前10年間引渡し分について基準日から3週間を経過する日までの間供託が必要であるため正しい。
- 選択肢4の取戻し手続きを確認:超過額の取戻しには免許権者の承認が必要であるため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 買主が宅建業者である場合、住宅瑕疵担保履行法の規定は適用されないため、供託等の義務を負うとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 保険期間は原則として10年以上でなければならず、買主の承諾があっても期間を短縮することはできないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 基準日から3週間を経過する日までの間、過去10年間に引き渡した新築住宅に対応する供託金を維持しなければならないため、本肢は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 供託金が基準額を超えた場合でも、免許権者の承認を受けなければ超過額を取り戻すことができないため誤りです。
答えの内訳
- 1:誤り
- 買主が宅地建物取引業者である場合、特定住宅瑕疵担保責任の履行確保等の法律の対象外となり、資力確保措置(供託または保険加入)を講じる義務はありません。
- 2:誤り
- 住宅販売瑕疵担保責任保険契約の保険期間は、新築住宅の引渡しから10年以上有効でなければならず、買主の承諾があっても短縮することはできません。
- 3:正しい
- 新築住宅を自ら売主として販売する宅建業者は、各基準日から3週間を経過する日までの間、基準日前10年間に引き渡した新築住宅(保険加入分を除く)について保証金の供託をしていなければなりません(法第11条第1項)。
- 4:誤り
- 供託額が基準額を超えることとなった場合であっても、その超過額を取り戻すには免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)の承認を受けなければなりません(法第14条)。
覚えるポイント
- 住宅瑕疵担保履行法は「買主が宅建業者」の場合は適用除外。
- 超過額の取戻しには免許権者(国交大臣または知事)の承認が必要。
- 保険期間は引渡しから10年以上(短縮不可)。
間違えやすいところ
- 営業保証金制度における取戻しの「公告」手続きと、瑕疵担保保証金の「免許権者の承認」を混同しないようにする。
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第11条、第14条、第19条等)
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
独立行政法人住宅金融支援機構
免除科目(その他) · 証券化支援事業(買取型) / 土地取得資金の対象 / 団体信用生命保険業務 / MBSの発行
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅金融支援機構は、民間金融機関の長期固定金利住宅ローン(フラット35等)を支援する「証券化支援事業(買取型・保証型)」を中核業務としています。対象資金には住宅本体のほか敷地・借地権の取得資金も含まれ、返済方法には元利均等と元金均等の双方が認められています。
解き方
- 選択肢1の譲受対象資金を確認:土地や借地権の取得資金も対象に含まれるため、「対象としていない」とする記述は誤り。
- 選択肢2の団信の補償範囲を確認:死亡のみならず重度障害も債務弁済の対象となるため正しい。
- 選択肢3の償還方法を確認:元利均等返済のほか元金均等返済も可能であるため正しい。
- 選択肢4の資金調達手法を確認:資産担保証券(MBS)を発行して債券市場から調達するため正しい。
- 選択肢 1正解
- 住宅の建設・購入に付随する土地や借地権の取得資金も譲受け(買取)の対象となるため、「対象としていない」とする本肢が誤り(正解肢)です。
- 選択肢 2不正解
- 団信は死亡だけでなく重度障害時にも適用され保険金が債務弁済に充当されるため、記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 買取対象債権の償還方法には元利均等および元金均等の双方が認められているため、記述は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- MBS(資産担保証券)の発行により投資家から資金調達を行う仕組みであるため、記述は正しいです。
答えの内訳
- 1:誤り
- 証券化支援事業(買取型)において、住宅の建設・購入に必要な資金だけでなく、それに付随して取得する土地や借地権の取得資金に係る貸付債権についても譲受け(買取)の対象に含まれます。
- 2:正しい
- 機構の団体信用生命保険業務では、加入者が死亡した場合のほか、所定の高度障害・重度障害状態となった場合にも保険金が支払われ、残債務の弁済に充当されます。
- 3:正しい
- 機構が譲り受ける貸付債権の償還方法には、元利均等返済だけでなく、元金均等返済の方法も対象とされています。
- 4:正しい
- 機構は買取型証券化支援事業において、買い取った住宅ローン債権を信託・裏付けとしてMBS(資産担保証券)を発行し、債券市場から長期安定資金を調達しています。
覚えるポイント
- 機構の証券化支援事業(買取型)は「住宅取得に付随する土地・借地権の取得資金」も対象。
- 償還方法は「元利均等」と「元金均等」の両方が可能。
間違えやすいところ
- 機構が自ら直接融資を行う「直接融資業務」(災害復興や財形住宅融資など限定的)と、民間債権を買い取る「証券化支援事業」を混同しないようにする。
出題の前提:独立行政法人住宅金融支援機構法第13条
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約)
免除科目(その他) · 徒歩所要時間の表示 / おとり広告 / 管理費の表示方法 / 建築条件付土地の表示
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産の表示に関する公正競争規約は、一般消費者に誤認を与えない適正な広告表示ルールを定めています。徒歩時間は80m=1分で端数は切り上げること、契約済み物件を放置するおとり広告の禁止、条件付土地における「対象は土地である」旨や条件成就・不成就時の明示義務などを正確に把握する必要があります。
解き方
- 選択肢1の徒歩所要時間ルールを確認:端数は切り上げが原則(切り捨て不可)であるため誤り。
- 選択肢2のおとり広告該当性を確認:契約済み物件の広告は問い合わせ対応に関係なくおとり広告となるため誤り。
- 選択肢3の管理費表示ルールを確認:困難な場合は最低額と最高額の表示が必要(最高額のみは不可)であるため誤り。
- 選択肢4の建築条件付土地の表示要件を確認:土地であること、条件内容、不成就時の措置の全てを明示する必要があるため正しい。
- 選択肢 1不正解
- 徒歩所要時間で1分未満の端数が生じた場合は「切り上げ」て1分として計算するため、切り捨てとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 契約済みの物件を広告掲載し続けることはおとり広告に該当し、問合せ時に説明しても不当表示となるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 住戸ごとに管理費が異なる場合に全住戸の記載が困難なときは「最低額および最高額」を表示する必要があるため、最高額のみとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4正解
- 建築条件付土地の広告では、対象が土地であること、建築請負契約の条件内容、条件不成立時の措置(受領済み金銭の返還等)を明確に表示しなければならないため、本肢は正しいです。
答えの内訳
- 1:誤り
- 徒歩による所要時間は、道路距離80mにつき1分として計算し、1分未満の端数が生じたときは「切り上げて1分」として算出しなければなりません。切り捨ては認められません。
- 2:誤り
- 契約済みで取引することができない物件の広告を継続して掲載することは「おとり広告」に該当し、問合せ時に契約済みである旨を説明したとしても不当表示(おとり広告の禁止違反)となります。
- 3:誤り
- 住戸により管理費の額が異なる場合で、全住戸の管理費の表示が困難なときは、「最低額及び最高額」を表示しなければなりません。「最高額のみ」の表示は認められません。
- 4:正しい
- 建築条件付土地の広告においては、取引の対象が土地であること、当該条件の内容(一定期間内に建物の建築請負契約が成立することなど)、および条件が成就しなかったときの措置(受領済み金銭の全額返還等)を明示して表示しなければなりません。
覚えるポイント
- 徒歩所要時間:道路距離80m=1分(端数は必ず「切り上げ」)。
- 建築条件付土地:取引の対象が土地であること、条件内容、条件不成就時の措置を明記する。
- 成約済み物件の掲載継続はおとり広告として禁止(問合せ時の口頭説明でも免責されない)。
間違えやすいところ
- 管理費や価格で全額表示が難しい場合に「平均額」や「最高額のみ」でよいと誤解しやすい(正しくは「最低額および最高額」)。
出題の前提:不動産の表示に関する公正競争規約及び同施行規則
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
不動産に関する統計(令和4年度試験・没問・全員正解)
免除科目(その他) · 建築着工統計 / 地価公示 / 土地白書 / 不動産価格指数 / 没問(全員正解)
次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 建築着工統計調査報告(令和3年計。令和4年1月公表)によれば、令和3年の新設住宅着工戸数のうち、持家は前年比で増加したが、貸家及び分譲住宅は前年比で減少した。 2 令和4年地価公示(令和4年3月公表)によれば、令和3年1月以降の1年間の住宅地の地価は、三大都市圏平均では下落したものの、それ以外の地方圏平均では上昇した。 3 令和4年版土地白書(令和4年6月公表)によれば、令和3年の全国の土地取引件数は約133万件となり、土地取引件数の対前年比は令和元年以降減少が続いている。 4 国土交通省の公表する不動産価格指数のうち、全国の商業用不動産総合の季節調整値は、2021年(令和3年)においては第1四半期から第4四半期まで連続で対前期比増となった。
- 1
- 建築着工統計調査報告(令和3年計。令和4年1月公表)によれば、令和3年の新設住宅着工戸数のうち、持家は前年比で増加したが、貸家及び分譲住宅は前年比で減少した。
- 2
- 令和4年地価公示(令和4年3月公表)によれば、令和3年1月以降の1年間の住宅地の地価は、三大都市圏平均では下落したものの、それ以外の地方圏平均では上昇した。
- 3
- 令和4年版土地白書(令和4年6月公表)によれば、令和3年の全国の土地取引件数は約133万件となり、土地取引件数の対前年比は令和元年以降減少が続いている。
- 4
- 国土交通省の公表する不動産価格指数のうち、全国の商業用不動産総合の季節調整値は、2021年(令和3年)においては第1四半期から第4四半期まで連続で対前期比増となった。
解答・解説を表示
解答
なし
解説
不動産に関する統計問題は、試験実施年の基準日時点で公表されている最新統計数値に基づいて出題されます。本問では公表後のデータ遡及改訂によって正解肢として設定されていた肢4の前提条件が崩れ、全選択肢が誤りとなったため、試験実施機関により全員正解(正解なし)の措置が取られました。
解き方
- 肢1〜3が公表資料の数値と合致せず誤りであることを確認する。
- 肢4について、国土交通省のデータ改訂(令和4年9月30日)により第2四半期がマイナスに改訂されたため、正しい記述ではなくなったことを確認する。
- すべての選択肢が誤りとなり、正解番号が存在しないため、試験実施機関の判定に従い「正解なし(全員正解)」とする。
- 選択肢 1不正解
- 令和3年の新設住宅着工戸数は持家・貸家・分譲住宅のすべてで前年比増加となったため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 三大都市圏の住宅地平均は上昇(+0.5%)に転じたため、下落とした本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 令和3年の土地取引件数は前年比で増加(+3.2%)したため、減少が続いているとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 令和4年9月30日のデータ改訂により第2四半期の対前期比がマイナス(▲0.0%)となったため連続増ではなくなり、本問には正解肢がなくなりました。
答えの内訳
- 1:誤り
- 令和3年の新設住宅着工戸数は、持家・貸家・分譲住宅のいずれも前年比で増加しました(持家9.4%増、貸家4.8%増、分譲住宅1.5%増)。
- 2:誤り
- 令和4年地価公示において、住宅地の地価は三大都市圏平均で0.5%の上昇となっており、下落していません。
- 3:誤り
- 令和4年版土地白書によると、令和3年の全国の土地取引件数は約133万件で、前年比では3.2%の増加となっており、減少が続いているわけではありません。
- 4:誤り(公表後データ改訂)
- 本問作成時点では正解肢として意図されていましたが、令和4年9月30日の国土交通省によるデータ改訂に伴い、第2四半期の対前期比が「+0.7%」から「▲0.0%」に改訂されたため、4四半期連続の対前期比増ではなくなり誤りとなりました。この結果、正解肢のない問題となったため全員正解(正解なし)として取り扱われました。
覚えるポイント
- 本問は試験直前の統計改訂により正解肢がなくなり全員正解となった特殊な問題。
- 統計問題は前年比での「増加」「減少」「上昇」「下落」のトレンドを正確に把握しておくことが基本。
間違えやすいところ
- 試験実施直前の公式統計改訂により、出題時点で意図された正解肢が不正解肢に転じる事例がある点に留意する。
出題の前提:令和4年10月試験問題、令和4年9月30日国土交通省データ改訂、試験実施機関公表の正解番号表備考
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
地形・地盤の特徴と防災上の留意点
免除科目(土地・建物) · 土地の形質 / 台地・低地・埋立地 / ハザードマップ
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
住宅地としての土地の安全性は地形や地盤の性状に大きく左右されます。台地や段丘は一般に地盤が堅固で洪水被害を受けにくいのに対し、低地は軟弱地盤で水害や地震災害のリスクが高くなります。
解き方
- 各選択肢で取り上げられている地形(台地の浅い谷、低地、埋立地)の特徴およびハザードマップポータルサイトの機能を確認する。
- 低地の防災上の適性について、洪水や地震に対する脆弱性の観点から正誤を判定し、誤っている肢2を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 台地は一般に水害に強い地形ですが、台地上の浅い谷(開析谷)には周囲から雨水が集まりやすく、集中豪雨時には一時的に浸水する危険性があるため注意が必要です。
- 選択肢 2正解
- 低地は一般に地下水位が高く軟弱な粘土や砂からなるため、洪水時の浸水被害や地震時の強い揺れ・液状化に対して脆弱であり、防災的見地から住宅地として好ましいとはいえません。
- 選択肢 3不正解
- 海面の埋立地であっても、平均海面に対して十分な高さ(4〜5m程度)が確保され、周囲の護岸が強固に整備されていれば、住宅地として利用することが可能です。
- 選択肢 4不正解
- 国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」の重ねるハザードマップでは、洪水、土砂災害、高潮、津波などの各種災害リスク情報を地図や写真に重ね合わせて閲覧できます。
覚えるポイント
- 低地は軟弱地盤が多く水害や地震に弱い
- 台地上の浅い谷は豪雨時に一時的浸水の恐れあり
間違えやすいところ
- 台地全体が一律に安全と思い込み、台地内の浅い谷や窪地の水害リスクを見落とすこと
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令・基準
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
木造建築物の構造と部材・壁の構法
免除科目(土地・建物) · 建築物の構造 / 在来軸組構法 / 真壁と大壁
建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
木造在来軸組構法では、垂直材の柱と水平材の土台・梁等で軸組を組み、屋根荷重を支える小屋組、床を支える床組で骨組みを形成します。壁の納まりには、柱を見せる「真壁」と柱を覆い隠す「大壁」があり、用途や意匠に応じて併用されます。
解き方
- 木構造および在来軸組構法の基本構成(軸組・小屋組・床組)と各構成部材の役割を確認する。
- 壁の仕上げ形式である真壁(和風に多い)と大壁(洋風に多い)の特徴を照合し、併用可能である点と記述の誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 木構造は主要構造を木質系材料で構成する構造形式であり、在来軸組構法の主要構造部は一般に基礎の上の軸組、屋根を支える小屋組、床を支える床組から構成されます。
- 選択肢 2不正解
- 軸組は建物の骨組みとなる壁面部分であり、水平材である土台・桁・胴差し、垂直材である柱、および水平力に抵抗する耐力壁(筋かいや構造用合板等)から構成されます。
- 選択肢 3不正解
- 小屋組は屋根を支える骨組みで、梁や束・母屋・垂木を組み合わせた伝統的な「和小屋」と、陸梁や斜材等を組み合わせてトラスを形成する「洋小屋」に大別されます。
- 選択肢 4正解
- 真壁は柱が露出する和風の仕上げ、大壁は柱を壁下地の中に隠す洋風の仕上げであり記述の対応が逆です。さらに、1棟の住宅内で和室を真壁、洋室を大壁とするように併用することは極めて一般的です。
覚えるポイント
- 真壁:柱が見える(和風に多い)
- 大壁:柱が見えない(洋風に多い)
- 1棟の建築物の中で真壁と大壁の併用は可能
間違えやすいところ
- 真壁と大壁の定義(柱が外に露出しているか隠れているか)を取り違えること
- 住宅内で和風仕上げと洋風仕上げを併用できないと誤認すること
出題の前提:令和4年4月1日現在施行法令・建築技術基準
出典:不動産適正取引推進機構『2022年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
2022年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2022年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・29ページ)

