令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2021年12月試験の概要
自力救済の禁止と例外的な許容要件
民法・権利関係 · 自力救済 / 権利の侵害 / 判決文読解
次の判決文を読み、民法の規定、判例及び判決文によれば正しいものはどれか。 (判決文) 私力の行使は、原則として法の禁止するところであるが、法律に定める手続によつたのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許されるものと解することを妨げない。
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解答
4
解説
法治国家においては自力救済(私力の行使)は原則として禁止されており、権利の救済は法定の司法的裁判手続によらなければなりません。例外として認められるのは、法定手続では権利保全が不可能または著しく困難な緊急やむを得ない特別の事情が存在し、かつ必要最小限度にとどまる場合に限定されます。
解き方
- 判決文から原則(私力行使の禁止)と例外が許容される2大要件(緊急やむを得ない特別の事情、必要限度内)を把握する。
- 各選択肢について、判決文に反して原則的に自力救済を認めているものや要件を無視しているものを排除し、判決文通りの記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 判決文では「緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ」と限定されており、「事情のいかんにかかわらず許される」とする点は明確に誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 契約終了後の残置物であっても自力救済は原則禁止であり、明渡しや撤去の法定手続(強制執行等)を経る必要があり、原則として裁判なしに撤去できるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 賃料滞納が長期にわたる場合であっても、裁判手続を経ずに無断で鍵を交換して締め出す行為は違法な自力救済に該当し、原則として許されません。
- 選択肢 4正解
- 判決文の文言通り、法律手続では現状維持が不可能又は著しく困難な緊急やむを得ない特別の事情がある場合に限り、必要限度内で例外的に私力の行使が許されます。
覚えるポイント
- 自力救済は原則禁止であり、法定手続によらなければならない。
- 例外要件は「緊急やむを得ない特別の事情」と「必要限度を超えない範囲」の2点。
間違えやすいところ
- 滞納や契約終了などの明らかな違約状態があれば裁判なしで実力行使できると誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法および最高裁判所判決(最判昭40.12.7等)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
相隣関係における権利義務関係
民法・権利関係 · 相隣関係 / 境界標 / 囲障 / 低地への通水 / 雨水
相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
民法は互いに隣接する土地所有者の利用を調整するため、境界標の設置や囲障の共有推定、排水や雨水処理に関するルール(相隣関係)を定めています。高地が浸水した場合、乾かすために低地へ通水させる権利が認められています。
解き方
- 民法の相隣関係各条文(境界標設置、障壁の共有推定、浸水地の排水通水権、雨水注下の禁止)を想起する。
- 低地への排水通水が認められている規定(民法220条)と選択肢3の記述を対比し、誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 民法第223条により、土地の所有者は隣地の所有者と共同の費用で境界標を設けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 民法第229条により、境界線上に設けた障壁は相隣者の共有に属するものと推定されます。
- 選択肢 3正解
- 民法第220条本文により、高地の所有者は高地が浸水した場合にこれを乾かすため、公の水流又は下水道に至るまで低地に水を通過させることができます。
- 選択肢 4不正解
- 民法第218条により雨水を隣地に注ぐ工作物の設置は禁止されており、違反した場合は所有権に基づく妨害排除・予防請求が可能です。
覚えるポイント
- 高地所有者は過剰な水や浸水地を乾かすため、低地に水を通過させることができる(民法220条)。
- 雨水を直接隣地に注ぐ構造の屋根を設けてはならない(民法218条)。
間違えやすいところ
- 自然に流れてくる水(民法214条)だけでなく、浸水地を乾かすための人工的排水の通水も一定の制約のもと認められる点を見落としやすい。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法第218条、第220条、第223条、第229条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
成年被後見人の居住用財産の処分における許可
民法・権利関係 · 成年後見 / 居住用不動産の処分 / 家庭裁判所の許可
成年後見人が、成年被後見人を代理して行う次に掲げる法律行為のうち、民法の規定によれば、家庭裁判所の許可を得なければ代理して行うことができないものはどれか。
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解答
2
解説
成年後見人は被後見人の財産に関する包括的な代理権を持ちますが、被後見人の生活の本拠を奪うおそれのある「居住の用に供する建物又はその敷地」についての売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定その他これらに準ずる処分については、家庭裁判所の許可が必要です。
解き方
- 家庭裁判所の許可が要求される対象財産が「居住用不動産(建物および敷地)」に限定されていることを確認する。
- 各選択肢の目的物(乗用車、居住用建物、オフィスビル、倉庫)を比較し、居住用建物への処分行為である肢2を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 乗用車は動産であり、居住用不動産には該当しないため、売却にあたり家庭裁判所の許可は不要です。
- 選択肢 2正解
- 民法第859条の3に基づき、成年被後見人の居住の用に供する建物への抵当権設定は家庭裁判所の許可を受けなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- オフィスビルは事業用不動産であり被後見人の居住用不動産ではないため、抵当権設定に家庭裁判所の許可は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 倉庫は居住用不動産ではないため、賃貸借契約の解除を行うにあたって家庭裁判所の許可は不要です。
覚えるポイント
- 成年後見人が家庭裁判所の許可を要するのは「居住用不動産の売却・賃貸・解除・抵当権設定等」である(民法859条の3)。
間違えやすいところ
- 居住用以外の不動産(オフィスビルや別荘、倉庫等)の処分にも家庭裁判所の許可が必要と勘違いしないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法第859条の3
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
一般売買契約における手付・買戻し・契約不適合責任
民法・権利関係 · 解約手付 / 買戻し / 契約不適合責任 / 悪意の売主
いずれも宅地建物取引業者ではない売主Aと買主Bとの間で令和3年7月1日に締結した売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
契約不適合責任において、買主は不適合を知った時から1年以内に通知しなければ権利を失いますが、売主が引渡し時に悪意または重過失であった場合はこの期間制限を受けず、一般的な消滅時効の範囲内で責任追及できます。また、手付解除は相手方が履行に着手するまでに限られます。
解き方
- 肢1の手付解除可能期間(相手方の履行着手まで)を確認し、引き渡すまでいつでも解除できるとする記述を排除する。
- 肢2の買戻し特約の期間規定(期間の合意がないときは5年となる)を確認し、無効とする記述を排除する。
- 肢3の他人物売買における善意売主解除権(法改正により削除済み)を確認し、解除不可を判定する。
- 肢4の売主が悪意の場合の通知期間制限排除(民法566条ただし書)を確認し、正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 手付倍額提供による解除ができるのは「相手方が履行に着手するまで」であり、引渡しまではいつでも解除できるわけではありません(民法557条1項)。
- 選択肢 2不正解
- 買戻しの期間を定めなかったときは、その期間は5年となり、特約自体が無効になるわけではありません(民法580条1項)。
- 選択肢 3不正解
- 民法改正により善意の売主による解除権は削除されており、売主が善意であっても債務不履行の一般原則に従うため損害賠償なしに解除はできません。
- 選択肢 4正解
- 売主Aが引渡時に目的物の品質不適合を知っていた(悪意)場合、1年以内の通知期間制限は適用されず、消滅時効にかからない限り追及可能です(民法566条ただし書)。
覚えるポイント
- 売主が悪意・重過失の場合、買主の1年以内の通知期間制限は適用されない(民法566条ただし書)。
- 買戻しの期間の合意がない場合は5年となる(民法580条1項)。
間違えやすいところ
- 改正前民法にあった「善意の売主による他人物売買の解除権」が現在も存在すると混同しないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法第557条、第566条、第580条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
無権代理・表見代理および代理権の濫用
民法・権利関係 · 無権代理 / 表見代理 / 代理権の濫用 / 効果帰属
AがBの代理人として行った行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、いずれの行為もBの追認はないものとし、令和3年7月1日以降になされたものとする。
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解答
3
解説
無権代理行為は原則として本人に対して効力を生じません(民法113条1項)。相手方を保護する表見代理が成立するためには、本人側に帰責事由(代理権授与表示や基本代理権の授与等)が存在し、かつ相手方が善意無過失である必要があります。また代理権濫用において相手方が悪意等の場合は無権代理とみなされます。
解き方
- 肢1(代理権濫用:相手方悪意のときは無権代理とみなされ帰属しない)を誤りと判定する。
- 肢2(授与表示による表見代理:相手方善意無過失が必要であり悪意では不成立)を誤りと判定する。
- 肢3(単なる無権代理:本人の帰責性がなければ表見代理も成立せず効果不帰属が原則)の正誤を確認する。
- 肢4(代理権消滅後の表見代理:相手方が過失ある場合は不成立)を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相手方Cが代理人の背任目的を知っていた(悪意)場合、その行為は無権代理行為とみなされ、効果は本人Bに帰属しません(民法107条)。
- 選択肢 2不正解
- 代理権授与表示による表見代理は相手方が善意無過失であることが要件であり、Cが悪意の場合には表見代理は成立せず、Bは責任を負いません(民法109条1項ただし書)。
- 選択肢 3正解
- 本人の帰責事由がない勝手な肩書き等の詐称による無権代理行為は、相手方が信じたとしても原則として本人に効果は帰属しません(民法113条1項)。
- 選択肢 4不正解
- 代理権消滅後の表見代理が成立するには相手方が善意無過失である必要があり、Cに過失がある場合は成立せず本人Bは責任を負いません(民法112条1項ただし書)。
覚えるポイント
- 表見代理(109条、110条、112条)の保護を受けるには、相手方の「善意無過失」が必要。
- 代理権濫用(107条)は相手方が悪意または有過失のときは無権代理とみなされる。
間違えやすいところ
- 相手方が過失によって知らなかった場合(有過失)でも表見代理が成立すると勘違いしないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法第107条、第109条、第112条、第113条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
不動産物権変動の対抗要件と第三者
民法・権利関係 · 対抗要件 / 登記 / 民法177条の第三者 / 時効取得 / 共同相続
不動産に関する物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
民法177条における登記を要する「第三者」とは、当事者およびその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいいます。順次譲渡(転々譲渡)の前主と後主は実質的に当事者の関係にあり、対抗関係には立ちません。
解き方
- 肢1の転々譲渡における前主Aと転得者Dの関係が「対抗関係(二重譲渡など)」ではなく「承継取得(当事者関係)」であることを確認する。
- 肢2〜4の判例法理(借地権の対抗、時効完成前の第三者への登記なき対抗、共同相続における持分の登記なき対抗)がいずれも正しいことを確認する。
- 選択肢 1正解
- 順次譲渡された場合の前主Aと転得者Dは実質的な当事者(前主と承継人)の関係にあり、民法177条の対抗関係にある第三者には該当しません。
- 選択肢 2不正解
- 借地借家法10条1項により登記ある建物を所有する土地賃借人は、土地の新所有者に対して自己の借地権を対抗できる第三者に該当します。
- 選択肢 3不正解
- 時効完成前の第三者に対しては、時効完成者は登記なくして時効取得による所有権を対抗することができます(判例)。
- 選択肢 4不正解
- 共同相続人の一人が勝手に単独登記をして第三者に譲渡した場合、他の共同相続人は自己の本来の持分については登記なくして第三者に対抗できます(最判昭38.2.22)。
覚えるポイント
- 転々譲渡の前主と転得者は当事者関係であり、177条の第三者ではない。
- 時効完成前の第三者には登記不要で対抗可能だが、時効完成後の第三者とは対抗関係になり登記が必要。
間違えやすいところ
- 共同相続で無断で全部譲渡された場合、本来の持分権者は登記なくして持分を守れるという判例ルールを取り違えないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法第177条および最高裁判所判例
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
遺言の方式および遺贈の承認・放棄
民法・権利関係 · 自筆証書遺言 / 公正証書遺言 / 危急時遺言 / 遺贈の承認と放棄
令和3年7月1日になされた遺言に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
遺言は厳格な要式行為であり、方式に従わなければ無効となります。財産目録のパソコン作成等は署名押印があれば許容され(968条2項)、公正証書遺言の証人欠格には推定相続人等が含まれます(974条)。また受遺者が催告期間内に確答しないときは、法的な安定のため遺贈を承認したものとみなされます(987条)。
解き方
- 肢1(自筆証書遺言の財産目録自書不要規定:民法968条2項)の適法性を確認する。
- 肢2(公正証書遺言の証人欠格:推定相続人は欠格者である民法974条)の適法性を確認する。
- 肢3(船舶遭難者の危急時遺言:証人2人以上の立会いによる口頭遺言民法979条)の適法性を確認する。
- 肢4(受遺者に対する催告の効果:期間内無返答は「承認」とみなす民法987条)の記述と照らし合わせ誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 自筆証書遺言に添付する財産目録については、各葉に署名押印すれば自書によらないもの(パソコン作成等)も認められます(民法968条2項)。
- 選択肢 2不正解
- 公正証書遺言には証人2人以上の立会いが必要ですが、推定相続人並びにその配偶者及び直系血族は証人となることができません(民法974条2号)。
- 選択肢 3不正解
- 船舶が遭難した場合において死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いがあれば口頭で遺言をすることができます(民法979条1項)。
- 選択肢 4正解
- 受遺者が催告期間内に遺贈の承認又は放棄をしないときは、遺贈を「承認」したものとみなされます(民法987条)。放棄とみなすわけではありません。
覚えるポイント
- 受遺者への催告に対する無返答は「遺贈を承認」したものとみなされる(民法987条)。
- 自筆証書遺言の財産目録は毎葉に署名押印すればパソコン打ちでも有効。
間違えやすいところ
- 相続放棄の熟慮期間経過(単純承認とみなす)と混同しないようにしつつ、催告に対して返答しない場合に「承認」となる点に注意する。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法第968条、第969条、第974条、第979条、第987条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
契約の申込みと申込者の死亡・契約成立時期
民法・権利関係 · 契約の申込み / 申込者の死亡 / 意思表示の効力 / 到達主義
AはBに対して、Aが所有する甲土地を1,000万円で売却したい旨の申込みを郵便で令和3年7月1日に発信した(以下この問において「本件申込み」という。)。が、本件申込みがBに到達する前にAが死亡した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
意思表示の発信後に表意者が死亡しても意思表示の効力は妨げられません(民法97条3項)。しかし申込みについては特則があり、申込者が「死亡時に効力を失わせる旨の意思表示」をしていた場合、または「相手方が承諾の通知を発するまでに死亡の事実を知った場合」には効力を失います(民法526条)。また、契約の成立は到達主義が原則です。
解き方
- 申込みの発信後死亡に関する特則(民法526条:死亡時に効力を失わせる意思表示、相手方が死亡を知った場合)を確認する。
- 各選択肢を検討し、申込者の効力消滅の意思表示によりBの不知にかかわらず失効することを認める肢2を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 相手方Bが承諾の通知を発する前にAの死亡を知ったときは、本件申込みは効力を失います(民法526条後段)。
- 選択肢 2正解
- Aが自己死亡時に申込みの効力を失わせる意思を表示していたときは、相手方Bが死亡を知らない場合でも申込みは効力を失います(民法526条前段)。
- 選択肢 3不正解
- 承諾期間の定めのない申込みは、承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは撤回することができません(民法525条3項)。いつでも撤回できるわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 民法改正により発信主義は廃止され、契約は承諾の意思表示が申込者に「到達した時点」で成立します(民法97条1項、523条)。
覚えるポイント
- 申込者死亡時の申込み失効事由:①失効させる意思表示をしていたとき、②相手方が承諾発信前に死亡を知ったとき(民法526条)。
- 契約成立時期は「到達主義」である(発信主義ではない)。
間違えやすいところ
- 旧民法にあった承諾通知の発信主義(旧526条1項)が民法改正により到達主義に統一された点を忘れないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法第97条、第525条、第526条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の売買契約と賃貸借契約の差異および効力
民法等 · 売買 / 賃貸借 / 危険負担 / 不法占有者への対抗要件
Aが所有する甲建物について、令和3年7月1日にBに対して売却した場合(契約①)および賃貸した場合(契約②)に関する記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
売買契約は所有権を移転させる契約であり、買主は完全な処分権を取得します。一方、賃貸借契約は目的物を使用収益させる継続的契約であり、解除の効力や無断転貸の禁止などにおいて売買と法意が異なります。また、登記なくして対抗できない「第三者」とは正当な利益を有する者に限られ、不法占有者は含まれません。
解き方
- 売買契約(所有権移転)と賃貸借契約(使用収益権の付与)における各契約関係と当事者の権利義務を比較する。
- 不法占有者に対する対抗関係において、民法第177条の登記を要する第三者に不法占有者が該当するかを判例法理に照らして判断する。
- 選択肢 1不正解
- 売買契約が解除されると原状回復義務が生じ、使用収益による果実・利益も返還する必要があります。一方、賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じるため、それまでの既経過期間の賃料を返還する必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 売買契約によってBは所有権を取得するため承諾なく賃貸できますが、賃貸借契約では賃借権の譲渡や転貸には賃貸人Aの承諾が必要とされます(民法第612条第1項)。
- 選択肢 3正解
- 不法占拠者は民法第177条の登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないため、所有者となったBは登記を備えていなくてもDに対して所有権を対抗できます。したがって記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 目的物が第三者の放火で滅失した場合、売買では買主は代金の支払いを拒絶できます(民法第536条第1項)。賃貸借では目的物の全部滅失により契約が当然に終了します(民法第616条の2)。
覚えるポイント
- 不法占有者に対しては所有権移転登記がなくても明渡し等の請求や所有権の対抗が可能であること。
- 賃貸借契約の解除の効力は将来に向かってのみ生じる(遡及効がない)こと。
間違えやすいところ
- 不法占有者に対しても対抗要件(登記)が必要であると勘違いしやすい。
- 賃貸借の解除において、売買と同じように契約締結時まで遡って原状回復が行われると誤解しやすい。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法規定及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
抵当権と目的不動産の賃貸借の優劣関係
民法等 · 抵当権 / 物上代位 / 借地借家法 / 対抗力 / 引渡し猶予制度
Aは、Bからの借入金の担保として、A所有の甲建物に第一順位の抵当権(本件抵当権)を設定し登記を行った。AC間にCを賃借人とする甲建物の一時使用目的ではない賃貸借契約がある場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
抵当権設定後に設定された賃貸借の賃借人は競売の買受人に対抗できませんが、債務不履行後は抵当権者が賃料債権に物上代位できます。また、抵当権登記前に引渡しを受けた賃借人は競買人に対抗でき、登記後に対抗要件を備えた賃借人には競売落札時から6か月間の明渡し猶予制度が認められています。
解き方
- 抵当権設定登記と賃貸借契約の対抗要件(建物の引渡し)の先後関係を確認する。
- 抵当権の効力(物上代位、法第372条・第304条、法第371条)および競売時における賃借人の対抗関係・明渡し猶予期間の要件を照合する。
- 選択肢 1正解
- 抵当不動産の債務不履行があった後は、抵当権の効力はその法定果実である賃料にも及ぶため、抵当権者は賃料債権を差し押さえることができます(民法第371条)。
- 選択肢 2不正解
- 抵当権設定登記前に建物の引渡しを受けていれば、借地借家法第31条により賃借権の対抗力が生じ、契約期間の定めの有無にかかわらず買受人に対抗できます。
- 選択肢 3不正解
- 抵当権登記に対抗できない賃借人が買受人に対して建物の明渡しを猶予される期間は、買受けの時から「6か月間」であり、賃貸借期間満了まで引き渡しを拒絶できるわけではありません(民法第395条第1項)。
- 選択肢 4不正解
- 抵当権設定登記前に引渡しを受けて対抗要件を具備している賃借人は、競落後も引き続き建物を賃借・使用収益できるため、1年経過した時点で引き渡さなければならない義務はありません。
覚えるポイント
- 債務不履行が生じた後は、抵当権者は不動産の賃料債権に対しても抵当権を行使(差押え)できる。
- 抵当権に対抗できない建物賃借人の引渡し猶予期間は競売の買受け時から「6か月」である。
間違えやすいところ
- 賃貸借契約の期間の定めの有無が、抵当権に対する対抗要件の成否に影響すると誤読してしまうこと。
- 登記後賃借人の明渡し猶予期間を契約期間満了までと取り違えてしまうこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法及び借地借家法の規定並びに判例
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法に基づく借地権の更新・対抗力・先取特権
借地借家法 · 借地権存続期間 / 更新 / 借地上の建物登記 / 敷地 / 先取特権
借地借家法に関する次の記述のうち、同法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
借地権者が借地権設定登記をしていなくても、借地上に自己名義の登記建物を有していれば第三者に対抗できますが、その公示の効力は建物登記の敷地表示に合致する範囲に限られます。更新後の期間は原則として最初20年・以後10年であり、異議申出には正当事由が要件となります。
解き方
- 借地契約の更新後の存続期間に関する法定期間と当事者の合意による制限(借地借家法第4条)を確認する。
- 更新請求に対する借地権設定者の異議申し出要件(借地借家法第5条、第6条)を検討する。
- 建物登記による借地権対抗力の効力範囲に関する判例法理(借地借家法第10条)を照合する。
- 借地権設定者の先取特権の担保範囲となる地代の年数(借地借家法第14条)を精査する。
- 選択肢 1不正解
- 更新後の存続期間は最初の更新では20年、以後は10年と定められており、当事者がそれ以上の長い期間を定めることは有効です。30年以下に定めることができないわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 建物が存在する場合の更新請求であっても、借地権設定者は「正当の事由」があるときは遅滞なく異議を述べることが認められています(借地借家法第5条第1項ただし書、第6条)。
- 選択肢 3正解
- 判例によれば、建物の登記を通じて第三者に対抗できる借地権の土地の範囲は、建物登記の表題部に敷地として表示・記載されている土地に限定されます。
- 選択肢 4不正解
- 借地権設定者が借地上の建物に対して有する先取特権は、弁済期の到来した「最後の2年分」の地代等についてです。最後の3年分ではありません(借地借家法第14条、民法第313条第2項)。
覚えるポイント
- 建物登記による借地権対抗力の範囲は、登記簿の敷地の表示に記載された土地に限られる。
- 地代滞納に関する借地権設定者の先取特権は「最後の2年分」である。
間違えやすいところ
- 借地権設定者の先取特権の年数を「3年分」と「2年分」で取り違えて覚えていること。
- 建物があれば地主は一切異議を述べることができないと誤解すること(正当事由があれば異議可能)。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の借地借家法規定及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
建物賃貸借契約の終了事由と借地借家法
借地借家法 · 建物賃貸借 / 法定更新 / 解約申入れ / 転貸借の終了 / 造作買取請求権
賃貸人Aと賃借人Bとの間で令和3年7月1日に締結した一時使用目的ではない建物賃貸借契約(本件契約)の終了に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
期間の定めのない建物賃貸借の解約申入れには正当事由が必要であり、賃貸人からの申入れでは6か月の経過により終了します。法定更新された契約は期間の定めのないものとなり、賃借人の債務不履行解除では転借人に対しても直ちに終了を対抗できます。また、造作買取請求権の特約による排除は有効です。
解き方
- 更新拒絶がない場合の法定更新の効果(借地借家法第26条第1項)を検討する。
- 期間の定めのない建物賃貸借における賃貸人からの解約申入れの予告期間と終了時期(借地借家法第27条第1項、第28条)を確認する。
- 原賃貸借契約が債務不履行で解除された場合の転借人に対する通知期間の要否(判例法理)を照合する。
- 造作買取請求権を排除する特約の効力(借地借家法第33条、第37条)の任意規定性を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 期間満了時に更新拒絶等の通知がなく法定更新された場合、更新後の契約は「期間の定めのない契約」となります。従前と同じ2年になるわけではありません(借地借家法第26条第1項)。
- 選択肢 2正解
- 賃貸人からの解約申入れは正当事由を要し、申入れがなされてから6月を経過することによって建物賃貸借契約が終了します(借地借家法第27条第1項、第28条)。
- 選択肢 3不正解
- 賃借人(転貸人)の債務不履行によって賃貸借が解除された場合は、賃貸人は転借人に通知して6月を待つことなく、直ちに契約終了を転借人に対抗できます。
- 選択肢 4不正解
- 借地借家法第33条の造作買取請求権の規定は任意規定であるため、これを排除する特約(造作買取請求権を行使できない旨の特約)は有効です(借地借家法第37条参照)。
覚えるポイント
- 法定更新された建物賃貸借契約は「期間の定めのない契約」となる。
- 賃貸人からの解約申入れには正当事由が必要で、申入れから6か月経過後に終了する。
- 造作買取請求権を排除する特約は有効である(任意規定)。
間違えやすいところ
- 法定更新によって直前の契約と同一の期間(2年)で再更新されると誤認しやすい。
- 造作買取請求権を強行規定と勘違いし、特約排除を無効と判断しやすい。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の民法及び借地借家法の規定並びに判例
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律の諸規定
区分所有法 · 専有部分の占有者 / 公正証書規約 / 共用部分の管理所有 / 管理組合法人
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
区分所有法において、専有部分の賃借人等の占有者は利害関係のある集会で意見陳述権を有しますが議決権はありません。また、分譲業者等の全専有部分所有者が公正証書で設定できる規約(単独規約)は、規約共用部分や規約敷地等に限られ、構造上当然に共用とされる法定共用部分について規約を定めることはできません。
解き方
- 専有部分の適法占有者の集会参加権利(区分所有法第44条第1項・第2項)を確認する。
- 最初に専有部分の全部を所有する者が公正証書により規約設定できる事項(区分所有法第32条、第4条第2項等)と法定共用部分(第4条第1項)の性質を区別する。
- 共用部分の所有関係と管理所有(区分所有法第11条、第27条第1項)を検討する。
- 管理組合法人の理事の設置および職務決定のルール(区分所有法第49条第1項・第4項)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、利害関係がある事項について集会に出席して意見を述べることはできますが、議決権を行使することはできません(区分所有法第44条)。
- 選択肢 2正解
- 廊下や階段室などの構造上共用に供されるべき部分(法定共用部分)は当然に共用部分となり、規約によって定める対象ではありません。単独設定できる公正証書規約は集会所などの規約共用部分等に限られます。
- 選択肢 3不正解
- 共用部分は原則として区分所有者全員の共有ですが、規約に特別の定めを設けることで管理者を共用部分の所有者(管理所有)と定めることができます(区分所有法第27条第1項)。
- 選択肢 4不正解
- 管理組合法人には必ず理事を置かなければならず、理事が複数いる場合は規約に別段の定めがない限り事務は理事の過半数で決します(区分所有法第49条第1項、第4項)。
覚えるポイント
- 専有部分の占有者(賃借人)は集会で意見陳述権はあるが議決権はない。
- 法定共用部分(廊下、階段等)は公正証書規約の設定対象にならない(規約共用部分のみ設定可)。
- 管理組合法人の事務は、別段の定めがなければ理事の過半数で決する。
間違えやすいところ
- 規約共用部分(集会室・管理人室等)と法定共用部分(階段・廊下等)の区別を見落としてしまうこと。
- 管理所有(管理者が共用部分を所有する定め)が認められている点を受験知識から漏らしてしまうこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記法における表題登記および合体・合併等の規定
不動産登記法 · 表題登記の申請義務 / 合併の登記 / 登記官の実地調査権 / 区分建物の表題登記
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
不動産登記法では、表示に関する登記に関して申請義務(取得から1月以内)や登記官の職権実地調査権が定められています。建物の合併登記においては、権利関係の混同や公示上の混乱を防ぐため、共用部分である旨の登記がある建物などを合併することは禁止されています。
解き方
- 土地の表題登記の申請義務期間(不動産登記法第36条)を確認する。
- 建物の合併の登記の制限規定(不動産登記法第54条第1項各号)に共用部分である旨の登記がある建物が含まれるかを検討する。
- 登記官の実地調査権限(不動産登記法第29条)の規定を照合する。
- 区分建物新築時の一般承継人による表題登記申請(不動産登記法第47条第2項)の規定を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その取得の日から1月以内に表題登記を申請する義務があります(不動産登記法第36条)。
- 選択肢 2正解
- 共用部分である旨の登記がある建物については、建物の合併の登記をすることができないと明確に制限されています(不動産登記法第54条第1項第4号)。したがって記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 登記官は、表示に関する登記の申請があった場合において、必要があると認めるときは、実地調査等によって不動産の表示に関する事項を調査できます(不動産登記法第29条)。
- 選択肢 4不正解
- 区分建物を新築した所有者に一般承継が生じた場合、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする表題登記の申請が可能です(不動産登記法第47条第2項)。
覚えるポイント
- 表題登記の申請義務は土地・建物ともに取得・新築の日から「1月以内」である。
- 共用部分である旨の登記がある建物は合併の登記ができない。
間違えやすいところ
- 表題登記の申請義務期間を「3か月」や「遅滞なく」と取り違えてしまうこと。
- 表示に関する登記において登記官に職権実地調査権があることを見落とすこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の不動産登記法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における地域地区の定義および指定対象
法令上の制限 · 用途地域 / 近隣商業地域 / 準工業地域 / 特定用途制限地域 / 高層住居誘導地区
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
都市計画法第9条では用途地域ごとの目的が定義されています。また、特定用途制限地域は用途地域が定められていない区域に限定して定める地区であり、高層住居誘導地区は住居系・近隣商業・準工業地域等の用途地域内に指定できる地域地区です。
解き方
- 近隣商業地域の定義(都市計画法第9条第9項)および準住居地域・商業地域の定義と照合する。
- 準工業地域の定義(都市計画法第9条第12項)を確認する。
- 特定用途制限地域を定められる指定可能区域(都市計画法第8条第1項第2号の2、用途地域無指定区域)を判定する。
- 高層住居誘導地区を定めることができる対象用途地域(都市計画法第8条第1項第4号の2)に第一種住居地域が含まれるか確認する。
- 選択肢 1不正解
- 近隣商業地域は「近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給その他の業務を行うための地域」です。「商業その他の業務の利便を増進しつつ住居の環境を保護する」という記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 準工業地域は「主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域」であり、「住居の環境を保護するため」という要件は含まれません。
- 選択肢 3不正解
- 特定用途制限地域は「用途地域が定められていない土地の区域」において指定される地域地区であるため、用途地域である第一種低層住居専用地域には指定できません。
- 選択肢 4正解
- 高層住居誘導地区は、第一種住居地域のほか、中高層住居専用地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域について定めることができます(都市計画法第8条第1項第4号の2)。
覚えるポイント
- 特定用途制限地域は「用途地域が定められていない区域(非線引き・白地)」にのみ指定できる。
- 高層住居誘導地区は住居系・近商・準工の各用途地域に定めることができる。
間違えやすいところ
- 特定用途制限地域を用途地域内に定めることができると誤認すること。
- 用途地域の目的規定における「住居の環境を保護」などのキーワードを別の用途地域と混同すること。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の都市計画法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法に基づく開発許可の手続き・規制
法令上の制限 · 開発許可申請書 / 軽微な変更 / 工事の廃止の届出 / 完了公告前の建築制限
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
都市計画法における開発許可手続において、工事の廃止は「遅滞なく届出」をすれば足り、行政庁の許可は不要です。一方、開発行為の変更は原則として許可制ですが軽微な変更は届出で足ります。また、工事完了公告前の建築制限には、開発に不同意の地権者が自己権利を行使する場合の例外が認められています。
解き方
- 開発許可申請書の必要的記載事項(都市計画法第30条第1項)を確認する。
- 開発許可事項の変更手続および軽微な変更の届出手続(都市計画法第35条の2第3項)を照合する。
- 工事の廃止における手続規定(都市計画法第38条:届出制か許可制か)を判定する。
- 工事完了公告前における建築禁止の例外要件(都市計画法第37条第1号)を精査する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法第30条第1項第4号の規定により、工事の請負人または自ら施行する者を記載した申請書を提出しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく都道府県知事に届け出ることで足ります(都市計画法第35条の2第3項)。
- 選択肢 3正解
- 開発許可を受けた者が工事を廃止したときは、遅滞なく都道府県知事に「届け出なければならない」とされており、許可を受ける必要はありません(都市計画法第38条)。
- 選択肢 4不正解
- 開発行為に同意していない者は、工事完了公告前であっても自己の権利の行使として土地に建築物を建築することができます(都市計画法第37条第1号)。
覚えるポイント
- 開発工事の廃止は知事への「遅滞のない届出」で足り、「許可」は不要である。
- 工事完了公告前でも、不同意者は権利行使として建築が可能である。
間違えやすいところ
- 工事の廃止を「許可」が必要であると思い込んでしまうこと。
- 完了公告前の例外規定において、不同意者の権利行使建築が認められている点を見落とすこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の都市計画法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法(単体規定・避難施設・用途変更)
法令上の制限 · 避難施設 / 類似用途の変更 / 居室の採光・換気 / 排煙設備
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
建築基準法の単体規定では、居室の衛生環境を確保するため採光や換気に必要な開口部面積の基準を定めています。換気のための有効面積は床面積の20分の1以上、採光のための有効面積は住宅居室で7分の1以上と規定されています。
解き方
- 各肢における建築基準法および同施行令の技術的基準・手続規定を確認する。
- 肢3の居室の換気有効開口面積の割合が法定数値(20分の1)に合致しているかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 劇場等の用途に供する階で客席を有するものについては、避難階以外の階である場合、2以上の直通階段の設置が義務付けられています。
- 選択肢 2不正解
- 映画館と演芸場は令で定める類似の用途相互間の変更に該当するため、用途変更に伴う建築確認を受ける必要はありません。
- 選択肢 3正解
- 換気のための窓等の開口部の有効面積は、居室の床面積に対して20分の1以上で足りるため、10分の1以上とする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 排煙設備の設置義務がある特殊建築物等であっても、階段部分や昇降機の昇降路部分は排煙設備の設置義務から除外されています。
覚えるポイント
- 居室の必要開口割合は、換気が20分の1以上、採光(住宅)が7分の1以上です。
間違えやすいところ
- 採光の割合(住宅は7分の1、学校等は5分の1など)と換気の割合(20分の1)を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(建築基準法第28条2項、令121条1項、令126条の2第1項、令137条の18)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法(道路斜線制限・用途制限・敷地複数地域の規制)
法令上の制限 · 道路斜線制限 / 用途地域規制 / 建蔽率の適用 / 道路の定義
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築物の高さ制限(道路斜線制限)は、前面道路の反対側境界線からの距離に所定の数値を乗じて算定します。また、敷地が異なる規制区域にまたがる場合、過半主義が採られる用途制限等と、按分計算(加重平均)が行われる建蔽率・容積率とで扱いが明確に分かれます。
解き方
- 肢2の準工業地域(指定容積率500%)における道路斜線制限の斜線勾配(1.5)および適用距離(35m)を確認する。
- 肢4の敷地が2以上の区域にまたがる場合の建蔽率制限ルール(按分計算か過半主義か)を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で特定行政庁が指定したものがみなし道路(法42条2項)であり、本肢の条例制定規定とは根拠が異なります。
- 選択肢 2正解
- 準工業地域で指定容積率が500%の場合、道路斜線の勾配は1.5、適用距離は35mと定められているため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 第一種住居地域内で建築可能な畜舎の床面積の上限は3,000㎡以下とされているため、4,000㎡の畜舎を建築することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 建蔽率が異なる地域に敷地がわたる場合は、過半の属する地域ではなく、それぞれの地域の敷地面積に応じた加重平均によって適用されます。
覚えるポイント
- 建蔽率・容積率は「加重平均(按分計算)」、用途地域制限・防火規制は原則「過半(または厳しい方)」の適用です。
間違えやすいところ
- 用途地域の過半主義ルールを、建蔽率や容積率の計算にも当てはめて過半の地域の制限が全体に及ぶと誤認しやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(建築基準法第42条、第53条2項、第56条1項1号別表第3、別表第2(へ)項)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法(規制区域外の届出・監督処分・設計資格)
法令上の制限 · 規制区域外の工事 / 擁壁の設計資格 / 報告徴収 / 許可の取消し
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地造成等規制法は、宅地造成に伴い崖崩れや土砂の流出等の災害が生ずるおそれが大きい市街地等の区域を「宅地造成工事規制区域」に指定し、その区域内で行われる工事等に対して規制や監督を行う法律です。区域外に対して事前届出等の義務を課す規定はありません。
解き方
- 宅地造成等規制法が効力を及ぼす地理的範囲(規制区域内か区域外か)を確認する。
- 肢1における規制区域外工事への事前届出義務の有無を検討し、誤りであることを特定する。
- 選択肢 1正解
- 宅地造成等規制法の届出・許可制度は規制区域内を対象としており、規制区域外の造成工事について知事へ事前届出を行う義務はありません。
- 選択肢 2不正解
- 都道府県知事は、規制区域内の宅地の所有者・管理者・占有者に対し、土地や工事の状況について報告を求める権限を有しています。
- 選択肢 3不正解
- 高さ5mを超える擁壁の設置や切土・盛土面積が1,500㎡超の土地の排水施設工事は、政令で定める一定の資格を有する者の設計による必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 不正な手段により宅地造成に関する工事の許可を受けた者に対しては、都道府県知事はその許可を取り消すことができます。
覚えるポイント
- 宅地造成等規制法の義務(許可・届出)は「宅地造成工事規制区域内」の行為にのみ適用されます。
間違えやすいところ
- 都市計画法等の開発許可制度と混同し、区域外であっても一定規模以上なら届出が必要であると誤解しやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(宅地造成等規制法第8条、第9条、第14条、第19条)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法(組合員資格・公共施設・換地処分公告)
法令上の制限 · 土地区画整理組合 / 組合員の資格 / 公共施設の定義 / 換地処分の公告
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
土地区画整理組合が事業を施行する場合、施行地区内の宅地について所有権を有する者だけでなく、借地権を有する者も当然に組合員となります。事業施行に直結する強い権利を有する関係者全員を組合員として関与させる仕組みになっています。
解き方
- 土地区画整理法第25条第1項における組合員の構成員要件(所有権者および借地権者)を確認する。
- 肢1の「借地権のみを有する者は組合員とはならない」という記述が条文に反することを見抜く。
- 選択肢 1正解
- 施行地区内の宅地の所有者のみならず、借地権を有する者もすべて土地区画整理組合の組合員となります。
- 選択肢 2不正解
- 土地区画整理法上の「公共施設」とは、道路、公園、広場、河川その他政令で定める公共用の施設を指し、定義通り正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 換地処分の公告が行われた際、施行者は直ちに管轄の登記所にその旨を通知しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 公的施行(市町村施行等)の場合には土地区画整理審議会が設置され、換地計画や仮換地指定等の重要事項について同意等の権限を行使します。
覚えるポイント
- 土地区画整理組合の組合員は「宅地の所有権者」+「借地権者」の全員です。
間違えやすいところ
- 組合員になれるのは土地所有者だけであり、借家権者や借地権者は含まれないと誤解してしまうパターンがあります(借家権者は含まれませんが借地権者は含まれます)。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(土地区画整理法第2条5項、第25条1項、第56条、第107条1項)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
農地法(権利移動・賃貸借解除・転用届出の特例)
法令上の制限 · 農地法3条 / 農地法4条 / 農地法18条 / 市街化区域の特例
農地法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
農地法は現況主義を採用しており、登記簿の地目にかかわらず農地であるか否かで判断されます。また、市街化区域内の農地転用(4条・5条)については、計画的な市街化を促す観点から都道府県知事の許可に代えて農業委員会への事前届出で足りる特例が設けられています。
解き方
- 肢1〜肢4それぞれのシチュエーションにおける許可要否・対象範囲を整理する。
- 肢4の市街化区域内の農地転用特例(あらかじめ農業委員会へ届出をすれば許可不要)が正しいことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 抵当権の設定は使用収益権の移転を伴わないため、農地法第3条第1項の許可を受ける必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 農地の賃貸借の解約申入れや解除等は、賃借人保護のため原則として都道府県知事等の許可が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 農地法は客観的な現況で判断する「現況主義」を採っているため、登記簿上の地目が宅地であっても現況が農地であれば規制の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 市街化区域内の農地を転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届け出ることにより農地法第4条の許可を受ける必要がなくなります。
覚えるポイント
- 市街化区域内の農地転用(4条・5条)は農業委員会への事前届出でOKです(許可不要)。
間違えやすいところ
- 抵当権設定を所有権移転等と同様に農地法3条の許可が必要と勘違いしやすいです(抵当権は対象外)。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(農地法第2条1項、第3条1項、第4条1項8号、第18条1項)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法(事後届出・遊休土地・一団の土地)
法令上の制限 · 事後届出 / 対象面積 / 一団の土地の買買いの一方基準 / 遊休土地制度
国土利用計画法(以下この問において「法」という。)第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)及び法第28条の届出に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
国土利用計画法の事後届出は、対価を得て土地の権利を移転・設定する契約(所有権や地上権等)を結んだ権利取得者が、契約締結日から起算して2週間以内に知事へ届け出ます。対象面積は市街化区域2,000㎡以上、市街化調整区域及び非線引き都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上です。
解き方
- 都市計画区域外の面積要件(10,000㎡以上)および地上権設定が対象取引に含まれるかを確認する。
- 肢1が対象面積および権利の種類を満たしており事後届出が必要な取引に当たることを判定する。
- 選択肢 1正解
- 都市計画区域外の10,000㎡以上の土地に対価を伴う地上権を設定する場合、権利取得者であるBは事後届出を行う必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 遊休土地に係る通知を受けた者が利用・処分計画を届け出るべき期間は、通知のあった日から起算して「6週間以内」であり、1月以内ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 市街化調整区域では5,000㎡以上が届出対象であり、買主Dを基準として一団の土地の合計が5,000㎡に達するため、Dは事後届出が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 勧告に従わない場合に都道府県知事はその旨及び内容を公表「することができる」とされており、公表が義務付けられているわけではありません。
覚えるポイント
- 事後届出面積:市街化2,000㎡、都市計画(市街化除く)5,000㎡、都市計画区域外10,000㎡。
間違えやすいところ
- 勧告に従わない場合の公表は「任意(できる)」であるところを「義務(しなければならない)」とひっかける問題が頻出です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(国土利用計画法第23条、第24条、第26条、第28条)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
税法(登録免許税の住宅用家屋の所有権移転登記の軽減税率)
税・その他 · 登録免許税 / 住宅用家屋の軽減 / 床面積要件 / 取得原因
住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
租税特別措置法に基づく住宅用家屋の所有権移転登記の登録免許税の軽減税率の適用対象は、個人が自己の居住の用に供する床面積50㎡以上の家屋で、売買または競落によって取得したものに限定されます。土地の登記は対象外であり、添付すべき証明書は市町村長(区長)が発行します。
解き方
- 住宅用家屋の登録免許税軽減税率の要件(床面積、取得原因、対象物件、証明者)を整理する。
- 肢2の取得原因が「売買又は競落に限られる」旨が法令上の正確な要件であることを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 軽減措置の適用対象となる住宅用家屋の床面積要件は「50㎡以上」であり、100㎡以上とする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 所有権移転登記の軽減税率の対象となる取得原因は、有償取得である「売買」または「競落」に限定されており正しいです。
- 選択肢 3不正解
- この軽減規定は「住宅用家屋」の建物登記を対象とするものであり、その敷地である土地の所有権移転登記には適用されません。
- 選択肢 4不正解
- 登記申請書に添付すべき住宅用家屋証明書を発行するのは「家屋が所在する市町村長(特別区長)」であり、都道府県知事ではありません。
覚えるポイント
- 住宅用家屋の登録免許税軽減:床面積50㎡以上、取得原因は売買・競落、証明者は市町村長。
間違えやすいところ
- 新築建物の所有権保存登記と混同しやすいですが、既存住宅の所有権移転登記の軽減は贈与や交換では適用されず売買・競落に限られます。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(租税特別措置法第73条、同施行令第42条)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
税法(固定資産税の台帳修正・審査の申出・小規模住宅用地)
税・その他 · 固定資産課税台帳 / 重大な錯誤の修正 / 審査の申出期間 / 住宅用地の特例
固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)現在の登記簿等に記載された所有者に課税されます。課税台帳に登録された価格に不服がある納税義務者は固定資産評価審査委員会に審査の申出を行うことができ、期間は公示日から納税通知書交付後3月以内です。また、住宅用地の特例では小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は価格の6分の1となります。
解き方
- 地方税法における固定資産課税台帳の錯誤修正義務規定(法417条1項)を確認する。
- 肢2(期間は3月)、肢3(賦課期日現在の所有者に全額納付義務)、肢4(小規模住宅用地は6分の1)の誤りを排除し、肢1が正しいと判定する。
- 選択肢 1正解
- 市町村長は、台帳に登録された価格等に重大な錯誤があることを発見したときは、直ちに修正して登録しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 固定資産評価審査委員会への審査の申出期間は、公示の日から納税通知書の交付を受けた日後「3月」を経過する日までの間です。
- 選択肢 3不正解
- 固定資産税は1月1日時点の所有者が全額の公法上の納付義務を負います。売買当事者間の日割按分清算は私法上の取り決めにすぎません。
- 選択肢 4不正解
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)の課税標準の特例割合は価格の「6分の1」であり、3分の1(一般住宅用地の特例割合)ではありません。
覚えるポイント
- 住宅用地の課税標準特例:小規模住宅用地(200㎡以下)は6分の1、一般住宅用地(200㎡超)は3分の1。
間違えやすいところ
- 小規模住宅用地(6分の1)と一般住宅用地(3分の1)の特例割合を逆に覚えてしまいやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(地方税法第349条の3の2、第359条、第417条1項、第432条1項)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
地価公示法
法令上の制限・税・その他 · 地価公示法 / 鑑定評価の規準 / 公示価格
地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
地価公示法に基づき、公示区域内の土地について鑑定評価を行う不動産鑑定士は「公示価格」を規準とする義務を負いますが、「実際の取引価格」を規準とする義務はありません。
解き方
- 地価公示法8条における不動産鑑定士の公示価格規準義務の内容を確認します。
- 規準とすべき対象が公示価格のみであるかを判断し、誤っている選択肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示法第1条に定められた法の目的に関する記述であり、正しい内容です。
- 選択肢 2正解
- 法第8条では公示価格を規準としなければならないと定められており、実際の取引価格を規準とする規定はないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 法第4条に規定されている標準地の鑑定評価の基準(取引事例比較法、収益還元法、原価法の考え方の勘案)に適合しており正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 法第10条に基づき、関係市町村長は送付を受けた公示事項記載書面等を一般の閲覧に供しなければならないとされており正しいです。
覚えるポイント
- 不動産鑑定士が公示区域内の土地を鑑定評価するときは「公示価格を規準」とする。
間違えやすいところ
- 「実際の取引価格」も規準に含めると錯覚しやすい点に注意します。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の地価公示法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第37条の書面
宅建業法 · 37条書面 / 記載事項 / 必要的記載事項 / 任意的記載事項
宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
37条書面は契約内容を確定・証明する契約書面であり、借賃以外の金銭授受の定めがあるときは額・時期・目的が記載事項となります。また、37条書面について宅建士による説明は不要です。
解き方
- 37条書面の売買と貸借それぞれの必要的・任意的記載事項を照合します。
- 取引士による記名押印と説明義務の要否を識別し、正しい肢を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 建物の引渡しの時期および移転登記の申請の時期は、いずれか一方ではなく両方とも37条書面の必要的記載事項であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項の記載は、建物の売買・交換における記載事項であり、貸借では記載不要であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額、授受の時期および授受の目的を37条書面に記載して交付しなければならないため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 37条書面には宅建士の記名押印(現在法令では記名)が必要ですが、書面内容の説明までは義務付けられていないため誤りです。
覚えるポイント
- 37条書面は宅建士の「記名押印(交付)」が必要だが「説明」は不要。
間違えやすいところ
- 重要事項説明書(35条)と37条書面の交付時における説明の要否を混同しないようにします。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
8種制限(損害賠償額の予定・手付の額・手付金等の保全措置)
宅建業法 · 自ら売主制限 / 手付金等保全措置 / 損害賠償額の予定 / 手付の額の制限
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅建業者が自ら売主となる場合、手付金等の保全措置を講じなければ手付金等を受領できず、講じない場合は買主が支払を拒絶できます。未完成物件では指定保管機関による保管は利用できず、手付額や損害賠償額の予定には2割の制限があります。
解き方
- 各選択肢の8種制限のルール(法38条、39条、41条等)を確認します。
- 保全措置不履行時の買主の拒絶権について整合性を確認し、正しい肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 損害賠償額の予定等の特約が代金の10分の2を超える場合、全体が無効となるのではなく、10分の2を超える部分についてのみ無効となるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 建築工事完了前(未完成物件)では、指定保管機関による保管措置を利用することはできず、保証委託契約または保証保険契約でなければならないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業者が自ら売主となる場合、買主の承諾があっても代金の10分の2を超える手付を受領することは禁止されているため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 工事完了前で代金の10分の2の手付金を受領するには保全措置が必要であり、Aが保全措置を講じないときは、買主Bは手付金の支払を拒否できるため正しいです。
覚えるポイント
- 未完成物件の保全方法は銀行等の保証または保険のみ(指定保管機関は完成物件のみ)。
間違えやすいところ
- 代金の2割を超える損害賠償額の予定特約は「超過部分のみ無効」であり「全部無効」ではない点に注意します。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
監督処分及び罰則
宅建業法 · 監督処分 / 免許取消 / 罰則 / 両罰規定
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に関する監督処分及び罰則に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア Aが、不正の手段により甲県知事から免許を受けたとき、甲県知事はAに対して当該免許を取り消さなければならない。 イ Aが、法第3条の2第1項の規定により付された条件に違反したときは、甲県知事はAの免許を取り消さなければならない。 ウ Aが、事務所の公衆の見やすい場所に国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなかった場合、Aは甲県知事から指示処分を受けることはあるが、罰則の適用を受けることはない。 エ Aの従業者名簿の作成に当たり、法第48条第3項の規定により記載しなければならない事項についてAの従業者Bが虚偽の記載をした場合、Bは罰則の適用を受けることはあるが、Aは罰則の適用を受けることはない。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不正手段による免許取得は必要的免許取消事由です。条件違反は指示処分等の対象ですが必要的取消事由ではありません。報酬額の不掲示や従業者名簿の虚偽記載には罰則があり、両罰規定により法人・業者本人も罰金刑に処せられます。
解き方
- アからエまでの記述について、監督処分(必要的取消か等)および罰則・両罰規定の有無を判定します。
- 正しい記述が「ア」の1つであることを導き、選択肢1を選定します。
- 選択肢 1正解
- 正しいものはアの1つのみであるため、選択肢1が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述は1つのため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は1つのため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述は1つのため誤りです。
覚えるポイント
- 不正の手段による免許取得は必要的免許取消事由(法66条1項1号)。
間違えやすいところ
- 従業者名簿の虚偽記載等は両罰規定(法84条)の対象となり、業者自身も罰則を受けることを見落としやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許・廃業等の届出
宅建業法 · 免許の有効期間 / 更新申請 / 失効 / 廃業等の届出
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業者が死亡した場合の廃業届の届出義務者は相続人であり、その期間の起算点は「死亡の日」ではなく「その事実を知った日」から30日以内です。
解き方
- 免許の有効期間・更新期間・更新申請中の効力存続に関する規定を確認します。
- 死亡や合併時の廃業等の届出の起算点と届出義務者を照合し、誤っているものを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 免許の有効期間は5年であり、更新申請は有効期間満了の日の90日前から30日前までに行うと定められているため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 有効期間満了日までに更新申請に対する処分がなされないときは、従前の免許は処分がなされるまで効力を有するため正しいです。
- 選択肢 3正解
- 個人業者が死亡した場合、相続人は「その事実を知った日」から30日以内に届け出る必要があり、「死亡の日」からではないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 法人が合併により消滅した場合、その法人を代表する役員であった者が「その日(消滅の日)」から30日以内に届け出なければならないため正しいです。
覚えるポイント
- 個人の死亡による届出は「相続人が死亡の事実を知った日」から30日以内。
間違えやすいところ
- 法人の消滅・破産・解散の届出起算点(その日・決定の日等)と、個人の死亡の起算点(知った日)を混同しないようにします。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
業務上の規制(広告に関する規制)
宅建業法 · 広告の開始時期の制限 / 取引態様の明示 / おとり広告の禁止 / みなし業者
宅地建物取引業者Aがその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
おとり広告(法32条違反)や取引態様不明示(法34条違反)、確認前の広告(法33条違反)は、広告を行った時点で直ちに業法違反が成立し、成約等の結果は影響しません。
解き方
- 広告規制(取引態様の明示、広告開始時期の制限、誇大広告等の禁止)の要件を確認します。
- おとり広告が成約の有無を問わず違反・処分の対象となることを確認し、正しい肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 取引態様の明示義務は広告を行う際に必須であり、問合せや契約に至らなくても明示しなかった時点で違反となるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 建築確認申請中である旨を明示しても、確認が下りる前に広告することは禁止されているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 売る意思のない条件の良い物件を広告する行為(おとり広告)は禁止されており、注文や成約がなくても監督処分の対象となるため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 免許取消後の「みなし業者」規定は結了事務(既締結契約の決済・引渡し等)に限られ、新たに売買契約を締結することは認められないため誤りです。
覚えるポイント
- 確認申請中と明示しても、確認取得前の広告は禁止。
間違えやすいところ
- 免許取消後のみなし規定で「契約の締結」まで行えると誤解しないようにします(結了事務のみ)。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
報酬額の制限(貸借の媒介・代理)
宅建業法 · 報酬計算 / 賃貸借の媒介・代理 / 居住用建物 / 権利金の売買みなし
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が貸主Bから建物の貸借の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C(消費税課税事業者)が借主Dから媒介の依頼を受け、BとDとの間で賃貸借契約を成立させた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。なお、1か月分の借賃は8万円とし、借賃及び権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)には、消費税等相当額を含まないものとする。 ア 建物を住居として貸借する場合、Cは、媒介の依頼を受けるに当たってDから承諾を得ているときを除き、44,000円を超える報酬をDから受領することはできない。 イ 建物を店舗として貸借する場合、AがBから受領する報酬とCがDから受領する報酬の合計額は88,000円を超えてはならない。 ウ 建物を店舗として貸借する場合、200万円の権利金の授受があるときは、A及びCが受領できる報酬の額の合計は、110,000円を超えてはならない。 エ Aは、Bから媒介報酬の限度額まで受領する他に、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を別途受領することができる。
解答・解説を表示
解答
2
解説
貸借の媒介・代理報酬の合計限度額は原則1か月分+税です。居住用建物の媒介では承諾がない限り一方から受託できるのは0.5か月分+税までとなります。店舗用等(居住用以外)で権利金授受がある場合は売買とみなして算定可能であり、依頼者の依頼のない広告費用は別途受領できません。
解き方
- ア・イの計算(居住用の原則0.5か月分上限、合計上限1か月分+税=8.8万円)を確認します。
- ウの権利金計算(200万×5%×1.1=11万円、代理を含むため合計上限22万円)とエの広告料要件を確認し、誤りの個数を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 誤っている記述は2つのため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ウ(権利金による売買みなし計算で合計上限は22万円となるため誤り)とエ(依頼によらない広告料は受領不可のため誤り)の2つが誤りであるため正解です。
- 選択肢 3不正解
- 誤っている記述は2つのため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 誤っている記述は2つのため誤りです。
覚えるポイント
- 居住用以外の賃貸で権利金授受がある場合、権利金を売買代金とみなして報酬計算できる。
間違えやすいところ
- 広告料を別途受領できるのは「依頼者の依頼に基づく特別な広告」に限られる点に注意します。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第35条の2(供託所等に関する説明)
宅建業法 · 供託所等の説明 / 説明の時期 / 説明の方法 / 保証協会
宅地建物取引業法第35条の2に規定する供託所等に関する説明についての次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、特に断りのない限り、宅地建物取引業者の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法35条の2の供託所等の説明は「契約が成立するまでの間」に行う必要があり、書面交付や宅建士による説明までは要求されていません。相手方が宅建業者であるときは説明不要であり、保証協会の社員の場合は弁済業務保証金に関する供託所等を説明します。
解き方
- 供託所等の説明の時期(契約成立まで)、方法(書面交付義務なし)、相手方(業者間は不要)を確認します。
- 保証協会の社員である場合の具体的説明事項(弁済業務保証金の供託所等)を確認し、正しい肢1を選定します。
- 選択肢 1正解
- 供託所等の説明は書面交付までは義務付けられていませんが、重要事項説明書に記載して説明することが望ましいとされているため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 取引の相手方が宅地建物取引業者であるときは、供託所等の説明を行うことを要しないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 供託所等の説明は契約成立後ではなく、「契約が成立するまでの間」に行わなければならないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 保証協会の社員である場合は、弁済業務保証金が供託されている供託所等(東京法務局等)について説明するのであり、営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 供託所等の説明は「契約成立前」に行う(書面交付義務はなし、業者間は免除)。
間違えやすいところ
- 重要事項説明(35条)と同様に、供託所等の説明(35条の2)も宅建業者間取引では免除される点に注意します。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約(専任媒介・一般媒介)の規制
宅建業法 · 媒介契約 / 指定流通機構 / 業務処理状況報告 / 価額の意見
宅地建物取引業者Aが依頼者BからB所有宅地の売却媒介を依頼された場合における、宅地建物取引業法の規定に関する次の記述ア~エのうち、正しいものの個数として適切なものはどれか。なお、本問における「専任媒介契約」とは専属専任媒介契約ではないものを指す。 ア AがBと専任媒介契約を締結した場合、AはBに対し、業務処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。 イ AがBと専任媒介契約を締結した場合、Bの要望により指定流通機構へ登録しない特約があるときを除き、契約締結日から7日以内(休業日数を除く)に指定流通機構へ登録しなければならない。 ウ AがBと一般媒介契約を締結した場合、AはBに対し、遅滞なく宅地建物取引業法第34条の2第1項に定める書面を交付しなければならない。 エ AがBと一般媒介契約を締結した場合、AがBに対して宅地の価額について意見を述べるときは根拠を明らかにしなければならないが、その明示は口頭でも書面でもよい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
媒介契約には一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3類型があり、業務処理状況の報告頻度や指定流通機構への登録義務などの規制が段階的に定められています。専任媒介契約においては、指定流通機構への登録義務を免除する特約は依頼者の利益を害するため無効とされます。また、物件価額に関する意見表明の根拠明示は媒介類型を問わず義務付けられていますが、明示方法には口頭も含まれます。
解き方
- 各記述の正誤を宅建業法第34条の2の規定に基づき判定する。
- ア:専任媒介(専属専任以外)の報告頻度は2週間に1回以上であるため誤り。
- イ:専任媒介での指定流通機構登録義務は強行規定であり特約で排除できないため誤り。
- ウ:一般媒介契約であっても34条の2書面の交付は必須であるため正しい。
- エ:価額意見の根拠明示は書面・口頭のいずれでも認められているため正しい。
- 正しい記述の個数を数え、該当する選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はウとエの2つ存在するため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 記述ウおよびエの2つが正しいため、正解となります。
- 選択肢 3不正解
- 記述アおよびイは誤りであり、正しいものは2つのため本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 全記述が正しいわけではないため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 専任媒介の報告は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上。登録義務免除の特約は無効。
間違えやすいところ
- 専任媒介と専属専任媒介の報告義務・登録日数の基準を混同しないようにする。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第34条の2に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における宅地および建物の定義
宅建業法 · 宅地の定義 / 建物の定義 / 宅地建物取引業の定義
宅地及び建物に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業法第2条において、「宅地」とは建物の敷地に供せられる土地(用途地域内の土地を含むが道路・公園等を除く)を指し、「建物」には用途を問わずマンションの1室や公共的施設も含まれます。また、建物の一部の売買等の代理・媒介を反復継続して行う行為も宅建業に該当します。
解き方
- 宅地建物取引業法第2条各号の定義規定を確認する。
- 選択肢1:建物の敷地に供せられる土地であっても公共施設用地(道路等)は除かれるため正しい。
- 選択肢2:建物の一室等の売買の代理を業として行う行為も宅建業に該当するため誤り。
- 選択肢3:学校や官公庁施設等の公共施設であっても建物に該当するため誤り。
- 選択肢4:現に建物の敷地に供されていなくても、目的や用途地域によって宅地に該当するため誤り。
- 選択肢 1正解
- 宅地建物取引業法第2条第1号により、道路、公園、河川、広場、水路の用に供されている土地は宅地から除外されるため、記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- マンションの1室など建物の一部の売買の代理を業として行う行為も、宅建業に該当します。
- 選択肢 3不正解
- 学校や病院、官公庁施設などの公共的施設であっても、宅建業法上の「建物」に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 宅地には現に敷地である土地だけでなく、敷地に供する目的で取引される土地や用途地域内の土地も含まれるため誤りです。
覚えるポイント
- 用途地域内の土地は、現況が農地や山林であっても道路・公園等を除きすべて宅地として扱われる。
間違えやすいところ
- 「現況」だけで判断して、建物の敷地に供する目的の土地を用途地域外だからと宅地から除外してしまう誤り。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第2条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明(法35条)および書面交付の手続き
宅建業法 · 重要事項説明 / 35条書面 / IT重説 / 業者間取引
宅地建物取引業者が宅地及び建物の売買の媒介を行う場合における宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項説明書の交付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法第35条における重要事項説明は、契約締結「前」に行わなければなりません。また、買主が宅地建物取引業者である場合、プロ同士の取引として宅地建物取引士による口頭の説明は省略できるものの、35条書面の交付義務は免除されません。IT重説であっても取引士証の提示を省略することはできません。
解き方
- 重要事項説明の時期、担当者、方式、相手方の資格に応じた例外規定を確認する。
- 選択肢1:IT重説でも取引士証の提示(画面表示等)は必須であり省略不可のため誤り。
- 選択肢2:重要事項説明書は「契約成立前」に交付・説明する必要があるため誤り。
- 選択肢3:書面への記名押印(現行法は記名)は取引士(専任でなくてもよい)が行い、当事者の記名押印義務はないため誤り。
- 選択肢4:買主が業者である場合、説明は不要だが書面交付は省略できないため正しい。
- 選択肢 1不正解
- ITを活用した重要事項説明を行う場合でも、取引士証の提示を省略することは一切認められていません。
- 選択肢 2不正解
- 重要事項説明書の交付及び説明は、契約が成立する前に行わなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 35条書面に記名押印する取引士は専任である必要はなく、契約当事者の記名押印も法律上の要件ではありません。
- 選択肢 4正解
- 買主が宅建業者である場合、説明は不要とされていますが、重要事項説明書の交付は省略できないため正しい記述です。
覚えるポイント
- 業者間取引では、35条の「説明」は免除されるが「書面交付」は免除されない。
間違えやすいところ
- 37条書面(契約成立後遅滞なく交付)と35条書面(契約成立前に説明・交付)の交付時期を混同しやすい。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第35条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許制度および失効・取消し
宅建業法 · 免許の基準 / 廃業等の届出 / 免許換え / 必要的取消事由
宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業の免許において、法人が破産したときの届出義務者は「破産管財人」です。また、免許換え申請中であっても従前の免許は有効であり営業を継続できます。免許証の返納義務があるのは取消処分や廃業等の場合であり、有効期間満了による失効では返納義務はありません。1年以上の事業休止は必要的免許取消事由に該当します。
解き方
- 免許手続き、廃業届出義務者、失効時の免許証返納、免許取消事由を確認する。
- 選択肢1:破産手続開始決定の場合の届出義務者は代表役員ではなく破産管財人であるため誤り。
- 選択肢2:免許換え申請中も従前の免許は有効であり、35条・37条書面の交付など取引業務を行えるため誤り。
- 選択肢3:有効期間満了により免許が失効した場合は免許証の返納義務が定められていないため誤り。
- 選択肢4:引き続いて1年以上事業を休止したときは、必要的取消事由に該当するため正しい。
- 選択肢 1不正解
- 法人が破産手続開始の決定により解散した場合、届出義務者は「破産管財人」となります。代表役員ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 免許換えの申請中であっても、従前の免許が有効に存続しているため、重要事項説明書や37条書面の交付を行うことができます。
- 選択肢 3不正解
- 免許の有効期間満了によって効力を失った場合には、宅建業法上、免許証の返納義務は規定されていません。
- 選択肢 4正解
- 引き続いて1年以上事業を休止したときは、免許権者は必ず免許を取り消さなければならないと定められています(法第66条第1項第6号)。
覚えるポイント
- 法人の破産届出は「破産管財人」が行う。1年以上の事業休止は「必要的取消事由」。
間違えやすいところ
- 免許証返納が必要な場合(免許取消、廃業届出、新免許証交付等)と期間満了失効とを混同しないようにする。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第10条、第11条、第66条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録および名簿・欠格事由
宅建業法 · 登録の移転 / 登録簿と業者名簿の閲覧 / 欠格事由 / 未成年者の登録
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「登録」とは、宅地建物取引士の登録をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引士の登録移転は任意(「申請することができる」)であり、義務ではありません。また、登録簿自体は個人情報保護のため非公開ですが、宅地建物取引業者名簿に記載される専任の宅地建物取引士の氏名は一般閲覧に供されます。罰金刑による欠格事由の期間は「刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年間」であり、消除処分の日からではありません。営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は登録を受けることができます。
解き方
- 取引士の登録移転、閲覧制度、欠格事由起算点、未成年者登録の規定を整理する。
- 選択肢1:登録の移転は義務ではなく任意(できる)であるため誤り。
- 選択肢2:取引士資格登録簿は非公開だが専任取引士が記載される業者名簿は一般閲覧されるため正しい。
- 選択肢3:欠格期間の起算点は「登録が消除された日」ではなく「刑の執行が終わった日等」から5年であるため誤り。
- 選択肢4:営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は登録可能であるため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 登録の移転は任意であり、他の都道府県に所在する事務所の業務に従事する場合でも申請する義務はありません。
- 選択肢 2正解
- 宅地建物取引士資格登録簿は一般の閲覧に供されませんが、専任の宅地建物取引士の氏名が登載される宅地建物取引業者名簿は一般の閲覧に供されます。
- 選択肢 3不正解
- 傷害罪により罰金刑に処せられた場合の欠格期間は、「刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日」から5年間です。
- 選択肢 4不正解
- 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、成年に達していなくても登録を受けることができます。
覚えるポイント
- 登録の移転は任意。欠格期間の起算点は「刑の執行終了等の日」から5年。
間違えやすいところ
- 取引士登録簿と業者名簿の閲覧可否の違い(登録簿は非公開、業者名簿は一般公開)を取り違えないように注意。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第8条、第18条、第19条の2に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
広告開始時期・契約締結時期の制限および他人物売買の制限
宅建業法 · 広告開始時期の制限 / 契約締結時期の制限 / 他人物売買 / 業者間適用除外
次の記述ア~エのうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものの組合せとして、正しいものはどれか。なお、この問において「建築確認」とは、建築基準法第6条第1項の確認をいうものとする。 ア 宅地建物取引業者Aは、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Bから当該住宅の貸借の媒介を依頼され、取引態様を媒介と明示して募集広告を行った。 イ 宅地建物取引業者Cは、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Dから当該住宅の貸借の代理を依頼され、代理人として借主Eとの間で当該住宅の賃貸借契約を締結した。 ウ 宅地建物取引業者Fは、自己の所有に属しない宅地について、自ら売主として、宅地建物取引業者Gと売買契約の予約を締結した。 エ 宅地建物取引業者Hは、農地の所有者Iと建物の敷地に供するため農地法第5条の許可を条件とする売買契約を締結したので、自ら売主として宅地建物取引業者ではない個人JとI所有の農地の売買契約を締結した。
解答・解説を表示
解答
3
解説
未完成物件の広告開始時期の制限(法第33条)は「売買・交換・貸借」のすべてに適用されるのに対し、契約締結時期の制限(法第36条)は「売買・交換」のみに適用され「貸借」には適用されません。また、他人物売買の制限(法第33条の2)は自ら売主となる場合に適用されますが、宅地建物取引業者相互間の取引では適用が除外されます(法第78条第2項)。なお、停止条件付契約で取得した土地の他人物売買は原則禁止されています。
解き方
- ア~エの各行為について業法違反の有無を検討する。
- ア:建築確認前の貸借の広告は法33条に違反する。
- イ:建築確認前の貸借の契約締結・代理は法36条の制限対象外(貸借は除外)のため違反しない。
- ウ:業者間取引では法33条の2(他人物売買の制限)が適用除外(法78条2項)となるため違反しない。
- エ:農地法第5条の許可を停止条件とする契約は他人物売買制限の解除要件(確実に取得する契約)に該当しないため違反する。
- 違反しないもの(イ、ウ)の組合せを選択肢から選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- アが違反するため、この組合せは誤りです。
- 選択肢 2不正解
- アおよびエの双方が違反するため誤りです。
- 選択肢 3正解
- イ(貸借の契約締結時期制限の対象外)とウ(業者間取引における他人物売買制限の適用除外)はともに適法であり、正しい組合せです。
- 選択肢 4不正解
- エが違反するため、この組合せは誤りです。
覚えるポイント
- 広告開始時期の制限は「貸借」にも適用されるが、契約締結時期の制限は「貸借」には適用されない。
間違えやすいところ
- 業者間取引における「8種制限」の適用除外規定を見落として他人物売買を一律無効と判断しないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第33条、第33条の2、第36条、第78条第2項に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会の制度および社員の義務
宅建業法 · 保証協会 / 弁済業務保証金分担金 / 届出義務 / 苦情の解決
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引業保証協会への加入手続において、弁済業務保証金分担金は「加入しようとする日までに」納付する必要があります(法第64条の9第1項)。加入後に納付が認められるのは、新たに事務所を設置した場合(増設の日から2週間以内)や、還付充当金を納付する場合(通知を受けた日から2週間以内)など限定された局面です。
解き方
- 保証協会の届出、報告、分担金納付時期、苦情解決義務について確認する。
- 選択肢1:名称等の変更はあらかじめ国土交通大臣に届出が必要であるため正しい。
- 選択肢2:社員加入時は直ちに所轄免許権者へ報告する義務があるため正しい。
- 選択肢3:分担金の納付は「加入前(加入しようとする日まで)」に行う必要があるため、「加入後1週間以内」とする記述は誤り。
- 選択肢4:苦情解決における説明要求を正当な理由なく拒否してはならないため正しい。
- 選択肢 1不正解
- 保証協会が名称・住所・事務所所在地を変更しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣への届出が必要であり、記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 新たに社員が加入したときは、直ちにその旨を当該社員の免許権者に報告しなければならず、記述は正しいです。
- 選択肢 3正解
- 弁済業務保証金分担金は、保証協会に「加入しようとする日までに」納付しなければならないため、加入後1週間以内とする本肢は誤りであり正解です。
- 選択肢 4不正解
- 社員は保証協会からの苦情解決に関する説明要求に対し、正当な理由がない限り拒絶してはならず、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 加入時の分担金納付は「加入しようとする日まで」。事務所新設時は「設置の日から2週間以内」。
間違えやすいところ
- 事務所新設時の2週間以内や供託金納付の期間制限と、新規加入時の納付期限を混同しないようにする。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第64条の2第2項、第64条の4、第64条の5第2項、第64条の9第1項に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第37条書面の記載事項および交付義務
宅建業法 · 37条書面 / 記名押印 / 契約不適合責任 / 自ら貸主
宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)についての宅地建物取引業者Aの義務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引業法第37条において、宅建業者は契約成立後遅滞なく契約当事者双方に37条書面を交付しなければなりません。契約不適合責任に関する特約の定めがあるときは任意的記載事項として記載・交付が必要です。自ら貸主となる行為は宅建業に該当しないため37条書面の交付義務はありません。また、複数の宅建業者が関与する場合は全業者の取引士が記名(当時押印)する必要があり、自ら買主となる場合も相手方への交付義務を負います。
解き方
- 37条書面の交付義務者、対象取引、記載事項、取引士の関与ルールを確認する。
- 選択肢1:複数業者が関与する場合、関与したすべての業者の取引士が記名押印しなければならないため誤り。
- 選択肢2:契約不適合担保責任の特約は任意的記載事項であり、定めがあれば記載して双方に交付するため正しい。
- 選択肢3:自ら買主となる場合であっても、売主に対して37条書面を交付する義務があるため誤り。
- 選択肢4:「自ら貸主」となる行為は宅建業法の適用対象外であるため、37条書面の作成・交付義務はなく誤り。
- 選択肢 1不正解
- 複数の業者が関与する場合、それぞれの業者の宅地建物取引士が37条書面に記名押印しなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 契約不適合担保責任に関する特約を定めた場合、その内容は37条書面の必要的記載事項(定めがあるときの記載事項)であり、売主・買主の双方に交付しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業者が自ら買主となる場合であっても、売買契約の相手方に対して37条書面を交付する義務があります。
- 選択肢 4不正解
- 自ら貸主となる取引は宅地建物取引業に該当しないため、宅建業法第37条の書面交付義務は発生しません。
覚えるポイント
- 「自ら貸主」は宅建業法の適用対象外であるため、35条・37条書面ともに交付義務はない。
間違えやすいところ
- 複数業者が関与した場合に「片方の業者の取引士だけで足りる」と誤認しないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第2条第2号、第37条第1項、第37条第3項に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
専任の宅地建物取引士の設置義務及び要件
宅建業法 · 専任の宅地建物取引士 / 案内所等の設置基準 / 未成年者の専任要件
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業者には、事務所や一定の要件を満たす案内所等に専任の宅地建物取引士を設置する義務が課されています。案内所等においては、契約の締結または申込みの受付を行う場所に限り、1名以上の専任の宅建士を置く必要があります。
解き方
- 案内所等において専任の宅地建物取引士の設置が必要となる要件(契約締結または申込み受付の有無)を確認します。
- 選択肢1の案内所では契約も申込みも行わないため設置義務が生じないことを確認し、誤りであると判定します。
- 選択肢 1正解
- 契約の締結や申込みの受付を行わない案内所には、専任の宅地建物取引士を置く義務はないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 専任の宅建士の数が法定数を下回った場合、業者は2週間以内に必要な是正措置を執る必要があるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 契約の申込みのみを受ける案内所であっても、1名以上の専任の宅地建物取引士の設置が必要となるため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者であっても、法人の役員である場合等を除き専任宅建士にはなれないため正しいです。
覚えるポイント
- 案内所等に専任宅建士が必要なのは契約締結または契約の申込みを受ける場所に限られます。
- 専任宅建士の不足が生じた場合の是正措置は2週間以内に行う必要があります。
間違えやすいところ
- 案内所等であればどのような業務内容でも専任宅建士が必要と誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第31条の3、同法施行規則第15条の5の2等)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
建物貸借契約における37条書面の記載事項
宅建業法 · 37条書面 / 記載事項 / 建物の貸借
宅地建物取引業者が媒介により既存建物の賃貸の契約を成立させた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法第37条の規定により当該貸借の契約当事者に対して交付すべき書面に記載しなければならない事項はいくつあるか。 ア 借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的 イ 設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書面で、国土交通省令で定めるものの保存の状況 ウ 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容 エ 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引業法第37条に基づく書面交付において、建物の貸借契約では、借賃以外の金銭の授受に関する定め、契約の解除に関する定め、天災等による損害の負担(危険負担)に関する定めがあるときは記載しなければなりません。一方で、維持保全に関する書類の保存状況は重要事項説明(35条)における売買等の対象事項であり、37条書面の記載事項ではありません。
解き方
- 各記述が建物の貸借契約における37条書面の必要的記載事項または定めがある場合の記載事項に該当するか検討します。
- ア(借賃以外の金銭授受)、ウ(解除)、エ(危険負担)は記載事項に該当し、イ(書類の保存状況)は該当しないことを確認します。
- 該当する項目の個数(3つ)を数え、選択肢3を選定します。
- 選択肢 1不正解
- 記載事項に該当するものはア・ウ・エの3件であるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 記載事項に該当するものはア・ウ・エの3件であるため、二つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3正解
- ア、ウ、エの3項目が記載すべき事項に該当するため、正しい個数は三つです。
- 選択肢 4不正解
- イは37条書面の記載事項ではないため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 建物の貸借における37条書面では、借賃以外の金銭の授受、解除、損害賠償額の予定、危険負担などの定めがあるときは記載が必要です。
- 維持保全に関する書類の保存状況は35条の売買・交換における説明事項であり、37条書面には不要です。
間違えやすいところ
- 35条の重要事項説明事項と37条書面の記載事項を混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第37条第2項)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限におけるクーリング・オフ制度
宅建業法 · クーリング・オフ / 告知書面 / 発信主義
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない法人B又は宅地建物取引業者ではない個人Cをそれぞれ買主とする土地付建物の売買契約を締結する場合において、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、買主は代金の全部を支払っておらず、土地付建物の引渡しを受けていないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業法第37条の2のクーリング・オフ制度では、申込みが事務所等以外の場所(仮設案内所等)でなされた場合、クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過するまでは解除が可能です。書面の交付がない限り期間は進行しません。また、買主に有利な特約は有効であり、意思表示は書面を発信した時に効力を生じます。
解き方
- 申込み場所が仮設案内所であるためクーリング・オフの適用対象となることを確認します。
- クーリング・オフの期間制限の起算には書面の交付による告知が必須であることを確認します。
- 選択肢1では書面が交付されていないため期間が経過せず解除可能であることを見出し、誤り(正解)と判定します。
- 選択肢 1正解
- クーリング・オフに関する告知は書面を交付して行う必要があり、口頭のみでは期間が進行しないため8日後でも解除でき、記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 法定の8日間よりも買主に有利となる14日間の解除特約は有効であるため、12日後であっても解除でき正しいです。
- 選択肢 3不正解
- クーリング・オフの解除効力は発信主義が適用されるため、8日目に発信していれば到達がその後であっても有効であり正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 買受けの申込みを業者の事務所で行っている場合、契約締結が喫茶店であってもクーリング・オフは適用されないため正しいです。
覚えるポイント
- クーリング・オフの告知は必ず書面を交付して告げなければ起算されません。
- クーリング・オフによる契約解除は書面を発信した瞬間に効力を生じる発信主義です。
間違えやすいところ
- 申込み場所と契約場所が異なる場合、申込みを行った場所が基準となる点に留意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第37条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明の記載・説明事項
宅建業法 · 重要事項説明 / 水害ハザードマップ / 建物状況調査 / 契約不適合責任履行確保措置
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明についての次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 ア 賃貸借契約において、取引対象となる宅地又は建物が、水防法施行規則第11条第1項の規定により市町村(特別区を含む。)の長が提供する図面に当該宅地又は建物の位置が表示されている場合には、当該図面における当該宅地又は建物の所在地を説明しなければならない。 イ 賃貸借契約において、対象となる建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。 ウ 建物の売買において、その建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結などの措置を講ずるかどうか、また、講ずる場合はその措置の概要を説明しなければならない。
- 1
- 一つ
- 2
- 二つ
- 3
- 三つ
- 4
- なし
解答・解説を表示
解答
2又は3
解説
宅地建物取引業法第35条に基づく重要事項説明では、水防法に基づく水害ハザードマップにおける目的物の所在地、既存住宅における建物状況調査(インスペクション)の実施状況および結果の概要、建物の契約不適合責任履行確保措置の有無および概要が法定の説明事項として規定されています。
解き方
- アについて水防法施行規則に基づく水害ハザードマップにおける物件位置の説明義務を確認します(なお出題文に条文番号の誤植あり)。
- イについて既存建物の賃貸借契約における建物状況調査の有無および結果概要の説明義務(第35条第1項第6号の2)を確認し、正しいと判定します。
- ウについて建物の売買契約における担保責任履行確保措置の説明義務(第35条第1項第14号)を確認し、正しいと判定します。
- 試験実施機関の正解発表により、アの正誤を問わず2または3が正解とされた経緯を反映します。
- 選択肢 1不正解
- イとウの少なくとも2つが確実に正しいため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- アに誤植があったため正誤不問とされ、イ・ウの2つが正しいとする選択肢2が正解として認められています。
- 選択肢 3正解
- ア・イ・ウの3つがすべて正しいとする選択肢3も、公式発表によりいずれも正解として認められています。
- 選択肢 4不正解
- イおよびウが正しい内容であるため、なしとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 水害ハザードマップにおける物件の所在地の説明は売買・賃貸借を問わず重要事項説明事項です。
- 建物状況調査の実施有無および概要は既存建物の賃貸借でも説明事項となります。
間違えやすいところ
- 建物状況調査は売買だけでなく賃貸借でも説明義務がある点に注意してください。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第35条第1項)※本問設問文アに誤植(誤:第1項、正:第1号)があるため公式正解は複数解
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法に基づく資力確保措置
宅建業法 · 住宅瑕疵担保履行法 / 保険契約 / 直接請求権
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅瑕疵担保履行法に基づき、宅建業者が自ら売主として新築住宅を引き渡す場合、資力確保措置(保証金供託または保険加入)が義務付けられます。買主の承諾等で免除・減額することはできず、売主が瑕疵担保責任を履行しないときは買主が直接保険法人に保険金を請求できます。
解き方
- 資力確保措置が強行規定であり買主の承諾があっても免除や保険金減額ができない点を確認します(肢1・肢3除外)。
- 基準日の届出を怠った場合の契約締結制限期間(基準日の翌日から50日を経過した日以後)を確認します(肢2除外)。
- 売主が責任を履行しない場合の買主からの直接請求権を定めた規定(法第19条第2号)を確認し、選択肢4が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 資力確保措置は強行規定であり、買主の承諾を得た場合であっても措置を免除することはできないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 届出を怠った場合に新築住宅の売買契約締結が禁止されるのは基準日の翌日から起算して「50日」を経過した日以後であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 保険金額は原則として2,000万円以上であり、買主の承諾を得たとしても減額することはできないため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 売主が相当の期間を経過しても修補等の責任を履行しない場合、買主は直接保険金の請求を行うことができるため正しいです。
覚えるポイント
- 売主が倒産等で瑕疵担保責任を履行しない場合、買主は保険法人へ直接請求が可能です。
- 基準日の届出を怠った場合の販売停止期間は「基準日の翌日から起算して50日経過後」です。
間違えやすいところ
- 買主の承諾があっても資力確保義務や法定の保険金額基準を免除・変更できない点に注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
住宅金融支援機構の直接融資業務及び証券化支援業務
免除科目(その他) · 住宅金融支援機構 / 直接融資業務 / 証券化支援事業
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅金融支援機構は、民間金融機関を補完する役割として、証券化支援事業(買取型・保証型)を主軸としつつ、政策上特に重要な分野(災害復興、耐震・省エネ改修、子育て・高齢者向け賃貸住宅、マンション共用部分の改良等)に限定して直接融資業務を実施しています。
解き方
- 機構の直接融資業務の対象範囲を確認します。
- 子育て世帯や高齢者世帯に適した優良な賃貸住宅の建設資金は、直接融資の対象業務に含まれていることを確認します。
- 「業務として行っていない」とする選択肢1が誤り(正解)であると判定します。
- 選択肢 1正解
- 子どもを育成する家庭や高齢者世帯向けの良好な居住環境を持つ賃貸住宅の建設資金融資は機構の直接業務に含まれるため、行っていないとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 災害復興住宅資金(災害により住宅が滅失した場合の代替建築・購入資金等)の貸付けは機構の直接業務であるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 証券化支援事業(買取型)の対象債権は、申込者本人またはその親族が居住するための住宅取得資金貸付けに係るものと定められており正しいです。
- 選択肢 4不正解
- マンション管理組合等を対象とするマンション共用部分改良資金の貸付けは機構の直接融資業務の一つであり正しいです。
覚えるポイント
- 機構の直接融資は原則廃止されましたが、災害復興、マンション共用部分改良、子育て・高齢者向け賃貸住宅建設資金などは例外的に行われています。
間違えやすいところ
- 機構は直接貸付けを一切行っていないと誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約)
免除科目(その他) · 不動産の表示に関する公正競争規約 / 修繕積立金 / 商業施設等の表示 / 名称の使用制限
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産の表示に関する公正競争規約において、生活関連施設は新設予定時期等を明示すれば表示可能であり、地名・旧跡等の名称使用は直線距離300m以内等の基準があります。また、修繕積立金は住戸ごとに異なる場合、最低額と最高額を表示すべきとされ、平均額表示は禁止されています。
解き方
- 商業施設が将来開設予定であっても確実に利用できるものであれば明示の上表示できるため、肢1が誤りであることを確認します。
- 旧跡名称の使用基準距離(直線距離300m以内)を適用し、1,100mの地点では使用できないため肢2が誤りであることを確認します。
- 価格表示は1区画当たりの価格を表示すれば足りるため、肢3が誤りであることを確認します。
- 修繕積立金の表示ルール(平均額表示不可、最低額・最高額表示)を確認し、選択肢4が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 商業施設等は、現に利用できるもののほか、新設されることが確実な施設であれば開設予定時期を明示して表示できるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 旧跡等の名称を物件名に用いることができるのは、当該旧跡からの直線距離が300m以内などの場合に限られるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 土地の価格表示は1区画当たりの価格を表示すればよく、1㎡当たりの価格の併記までは義務付けられていないため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 修繕積立金が住戸により異なる場合は全住戸の1戸当たりの最低額及び最高額を表示しなければならず、平均額表示は禁止されているため正しいです。
覚えるポイント
- 修繕積立金や管理費が住戸ごとに異なる場合は、平均額ではなく最低額および最高額を表示します。
- 公園・旧跡等の名称を物件名に冠する場合は直線距離300m以内などの制約があります。
間違えやすいところ
- 商業施設等の将来施設について、確実であっても一切表示できないと誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行表示規約(不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
土地・建物に関する統計データ
免除科目(その他) · 建築着工統計 / 宅建業者数 / 地価公示 / 土地白書
次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
宅建試験の統計分野では、公表された各種統計資料(建築着工統計、宅地建物取引業者数、地価公示、土地白書等)の最新の動向や数値の比較が問われます。
解き方
- 宅地建物取引業者数(約12万6千業者で10万業者を超えている)を確認し、肢1を除外します。
- 令和3年地価公示において工業地は上昇を維持しており全用途下落ではないことを確認し、肢2を除外します。
- 土地利用現況において森林面積(約2,500万ha)が宅地と農地の合計を大幅に上回っていることを確認し、肢3を除外します。
- 建築着工統計における令和2年の分譲マンション着工戸数が三大都市圏・その他地域ともに前年割れであったことを確認し、選択肢4が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 令和元年度末における宅建業者数は約12万6千業者であり、10万業者を下回っていないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 令和3年地価公示では、全国平均において住宅地と商業地は下落に転じたものの、工業地は上昇を維持していたため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 日本の国土面積のうち森林が約2,500万ha(約66%)を占めており、宅地と農地の合計面積を大きく上回っているため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 令和2年の新設住宅着工統計において、マンション着工戸数は三大都市圏計・その他の地域のいずれも前年比で減少しているため正しいです。
覚えるポイント
- 宅地建物取引業者数は増加傾向にあり約12万業者を超えています。
- 日本の国土の約3分の2は森林であり、農地や宅地より圧倒的に大きな面積を占めます。
間違えやすいところ
- 地価公示の変動において全用途が同じ動き(下落など)をしたと早合点しないよう、工業地の動向等に注意が必要です。
出題の前提:令和3年実施試験対象の公式公表統計資料(国土交通白書、地価公示、土地白書、建築着工統計)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
土地の性質と地質・地形に関する災害リスク
その他・免除科目 · 土地 / 地質 / 風化花崗岩(マサ土) / 土砂災害
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
2
解説
地質ごとの特徴として、凝灰岩や頁岩は風化や軟弱化が進みやすく、花崗岩が風化してできたマサ土は豪雨等で極めて崩壊・流失しやすい性質を持ちます。
解き方
- 各選択肢の地形・地質の特徴と防災上のリスクについて記述を検討する。
- 選択肢2の凝灰岩・頁岩・風化花崗岩(マサ土)の性質が「崩壊しにくい」とされている誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 防波堤などの構造物には設計上の想定限界があり、想定を超える規模の巨大津波を完全に防ぐことは困難であるため、記述は適当です。
- 選択肢 2正解
- 凝灰岩や頁岩は層理や節理が多く風化しやすく、風化してマサ土化した花崗岩は水を含むと極めて崩壊しやすいため、「崩壊しにくい」とする記述は不適当です。
- 選択肢 3不正解
- 低地は平坦で水利に恵まれ交通の便が良いことから、水田や宅地として高度に利用され、日本の大都市の多くが立地しているため、記述は適当です。
- 選択肢 4不正解
- 平地が不足する都市周辺では丘陵や山麓の斜面を切り盛りして宅地開発が行われており、土砂崩れや地すべり等の災害を招く例が多いため、記述は適当です。
覚えるポイント
- 花崗岩が風化してできるマサ土は、水を含むと結合力を失い極めて崩壊しやすい代表的な土砂災害要因です。
間違えやすいところ
- 新鮮な花崗岩は硬質で堅固ですが、風化してマサ土化すると一転して極めて脆くなる点を見落とさないように注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令基準
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
建物の構造(組積式構造及び補強コンクリートブロック造)
その他・免除科目 · 建築構造 / 組積式構造 / 補強コンクリートブロック造 / 耐力壁
建物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
補強コンクリートブロック造は、ブロックの空洞部に鉄筋を配筋しモルタル等を充填して耐震補強した壁式構造であり、地震力に対抗するため多くの耐力壁(壁量)を必要とし小規模建物に用いられます。
解き方
- 組積式構造および補強コンクリートブロック造の構造形式、耐震性、断熱・遮音等の特徴を整理する。
- 選択肢4の「壁量を多く必要とはせず」「住宅等に使用されていない」という2点の誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 組積式構造(レンガ造・石造等)は引張力に弱く耐震性に劣る一方、厚い壁体により断熱性や遮音性、耐火性に優れるため、記述は適当です。
- 選択肢 2不正解
- 組積式構造の耐震性を高めるには、耐力壁の壁厚を十分に確保し、強度低下の原因となる大きな開口部の設置を避ける必要があるため、記述は適当です。
- 選択肢 3不正解
- 補強コンクリートブロック造は、コンクリートブロックに鉄筋とモルタルを配置して補強した壁体で荷重を支える壁式構造の一種であるため、記述は適当です。
- 選択肢 4正解
- 補強コンクリートブロック造は壁で地震力を負担するため多くの壁量を必要とし、住宅や倉庫等の小規模建物に広く採用されているため、不適当です。
覚えるポイント
- 補強コンクリートブロック造は壁式構造であるため十分な耐力壁の量(壁量)が必要で、主に小規模な建物に利用されます。
間違えやすいところ
- 補強コンクリートブロック造を骨組みで支えるラーメン構造と混同し、壁量が不要であると誤認しないように整理しておく必要があります。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令基準
出典:不動産適正取引推進機構『2021年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
2021年12月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2021年12月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・29ページ)

