令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2021年10月試験の概要
家屋明渡債務と敷金返還債務の履行関係
権利関係 · 敷金 / 留置権 / 同時履行の抗弁権
民法の規定、判例及び提示された判決文に基づき、賃貸借終了時における賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務の関係に関する記述として、正しいものを1つ選べ。 (判決文) 賃貸人は、特別の約定のないかぎり、賃借人から家屋明渡を受けた後に前記の敷金残額を返還すれば足りるものと解すべく、したがつて、家屋明渡債務と敷金返還債務とは同時履行の関係にたつものではないと解するのが相当であり、このことは、賃貸借の終了原因が解除(解約)による場合であつても異なるところはないと解すべきである。
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解答
1
解説
敷金は賃貸借終了後から建物の明渡しまでに生じる賃料不払い等の損害賠償債務など、賃貸人の一切の債権を担保するものです。そのため家屋明渡債務が先履行であり、敷金返還債務と同時履行の関係には立ちません。
解き方
- 判決文から敷金返還債務と家屋明渡債務が同時履行ではなく、明渡しが先履行であることを確認する。
- 留置権の成立には被担保債権の弁済期が到来している必要があるが、明渡前には敷金返還請求権が発生していないため留置権を行使できないことを導く。
- 選択肢 1正解
- 家屋明渡債務が先履行であるため、明渡し完了前には敷金返還請求権の弁済期が到来しておらず、家屋に対する留置権を取得する余地はありません。
- 選択肢 2不正解
- 敷金返還義務は敷金契約に基づくものであり、賃貸借契約そのものから生じる対価的債務(同時履行の関係)ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 敷金は賃貸借終了時から家屋明渡完了時までに生じた一切の債権(賃料相当損害金など)をも担保するため、敷金から控除することができます。
- 選択肢 4不正解
- 同時履行の関係を認めると明渡しまでの損害担保という敷金の趣旨を害することになるため、敷金の性質に適合しません。
覚えるポイント
- 家屋明渡しが先履行であり、敷金返還債務とは同時履行の関係に立たない点。
間違えやすいところ
- 賃貸借契約の終了時ではなく「明渡し時」までに生じた債権が敷金から控除されることの誤解。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
連帯債務者間における相対的効力と絶対的効力
権利関係 · 連帯債務 / 相殺 / 時効 / 免除 / 更改
債務者A、B、Cの3名が、令和3年7月1日に、内部的な負担割合は各自等しいものとして債権者Dに対し300万円の連帯債務を負った場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものを1つ選べ。
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解答
2
解説
連帯債務では、弁済、相殺、更改、混同といった債権を満足させる事由のみが原則として絶対的効力を持ちます。他の連帯債務者が相殺援用権を直接行使することはできず、負担部分の限度での履行拒絶権が認められているにとどまります。
解き方
- 連帯債務者の一人に関する事由が他の連帯債務者に影響するか(絶対効か相対効か)を各肢ごとに分類する。
- 相殺権を有する連帯債務者が相殺を援用しない場合、他の連帯債務者に認められているのは相殺の行使ではなく「履行の拒絶」であることを適用する。
- 選択肢 1不正解
- 連帯債務者の一人に対する請求は相対的効力しか持たないため、特段の合意がない限り、他の債務者B・Cの消滅時効の完成には影響しません。
- 選択肢 2正解
- 相殺権を有するBが相殺を援用しない場合、CはBの負担部分の限度で履行を拒むことができるだけであり、自ら相殺の意思表示をすることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 債務の免除は相対的効力しか生じないため、特段の合意がなければDは他の債務者A・Bに対して全額(300万円)の請求が可能です。
- 選択肢 4不正解
- 連帯債務者の一人と債権者との間で更改がなされたときは絶対的効力が生じるため、すべての連帯債務者のために債務は消滅します。
覚えるポイント
- 相殺権を有する連帯債務者が援用しない間、他の債務者は自己の負担部分ではなく「その債務者の負担部分の限度で履行拒絶」ができるにとどまる点。
間違えやすいところ
- 民法改正により、免除や請求は原則として相対効となった点を絶対効と混同しないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
当事者の死亡と各種契約関係の承継・終了
権利関係 · 相続 / 準委任 / 賃貸借 / 売買 / 使用貸借
個人事業主Aが死亡した場合に関する次のアからエまでの記述のうち、民法の規定によれば誤っているものはいくつあるか。なお、いずれの契約も令和3年7月1日付で締結されたものとする。 ア AがBとの間でB所有建物の清掃に関する準委任契約を締結していた場合、Aの相続人は、Bとの間で特段の合意をしなくても、当該準委任契約に基づく清掃業務を行う義務を負う。 イ AがA所有の建物について賃借人Cとの間で賃貸借契約を締結している期間中にAが死亡した場合、Aの相続人は、Cに賃貸借契約を継続するか否かを相当の期間を定めて催告し、期間内に返答がなければ賃貸借契約をAの死亡を理由に解除することができる。 ウ AがA所有の土地について買主Dとの間で売買契約を締結し、当該土地の引渡しと残代金決済の前にAが死亡した場合、当該売買契約は原始的に履行が不能となって無効となる。 エ AがE所有の建物について貸主Eとの間で使用貸借契約を締結していた場合、Aの相続人は、Eとの間で特段の合意をしなくても、当該使用貸借契約の借主の地位を相続して当該建物を使用することができる。
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解答
4
解説
契約の当事者が死亡した場合、原則としてその地位や債権債務は相続人に包括承継されます。ただし、委任(準委任)や使用貸借の借主の地位など、当事者の個人的信頼関係を基礎とする一身専属的権利関係は死亡によって終了します。
解き方
- 各肢の契約関係(準委任・賃貸借・売買・使用貸借)について死亡により終了するか、相続されるかを判定する。
- ア(受任者の死亡で委任終了)、イ(賃貸人の地位は相続され当然には解除できない)、ウ(売買の債権債務は相続され無効にならない)、エ(借主の死亡で使用貸借終了)が全て誤りであることを確認し、誤りの個数を数える。
- 選択肢 1不正解
- 誤っている記述は1つだけではなく4つ全てであるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 誤っている記述は2つではなく4つ全てであるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 誤っている記述は3つではなく4つ全てであるため不適切です。
- 選択肢 4正解
- ア・イ・ウ・エの記述はいずれも誤りであるため、誤っているものは4つとなります。
覚えるポイント
- 受任者の死亡で委任は終了、使用貸借は借主の死亡で終了、賃貸借や売買は死亡により終了せず相続される。
間違えやすいところ
- 使用貸借の「貸主」の死亡では終了しないが、「借主」の死亡では終了するという違いを混同しやすい。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
配偶者居住権の存続期間と法的性質
権利関係 · 配偶者居住権 / 相続 / 対抗要件 / 譲渡性
被相続人Aの配偶者Bが、A所有の建物に相続開始の時に居住していたため、遺産分割協議によって配偶者居住権を取得した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものを1つ選べ。
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解答
1
解説
配偶者居住権は、残された配偶者が終身または一定期間無償で居住用建物を使用できる権利です。一身専属的な権利であるため譲渡や相続の対象とならず、第三者に対抗するには登記が必要です。また第三者に賃貸するには所有者の承諾を要します。
解き方
- 配偶者居住権の存続期間に関する規定(原則は終身、合意で別段の期間を定めた場合はその期間)と更新の可否を確認する。
- 一身専属性(譲渡・相続不可)、第三者への賃貸における所有者承諾の要否、対抗要件としての登記の必要性を検証して肢の正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 遺産分割協議等で存続期間を定めたときは期間満了により消滅し、存続期間の延長や更新の規定はありません。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者居住権を有する者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、第三者に建物の使用または収益(賃貸)をさせることができません。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者居住権は配偶者の一身に専属する権利であるため、配偶者の死亡によって消滅し、相続の対象にはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 建物の取得者等の第三者に対抗するためには、配偶者居住権の設定登記を備えなければなりません。
覚えるポイント
- 配偶者居住権は譲渡・相続不可の一身専属権であり、第三者対抗には登記が必要である。
間違えやすいところ
- 配偶者居住権の存続期間は原則として終身であるが、遺産分割等で年数を定めた場合はその期間で終了する点。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
行為能力および意思能力
権利関係 · 意思能力 / 成年年齢 / 営業を許された未成年者 / 養育費
民法の規定及び判例に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選べ。
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解答
4
解説
意思能力(自己の行為の結果を判断できる精神能力)を欠く状態で行われた法律行為は当然に無効です。成年後見制度の審判を受けていなくとも、行為時に意思能力がなければ効力は生じません。
解き方
- 令和3年4月1日時点での成年年齢(20歳)を確認し、肢1を判定する。
- 養育費支払義務と成年の関係、営業を許された未成年者の行為能力の範囲、意思無能力者の行為の効力を照らし合わせる。
- 選択肢 1不正解
- 本試験の基準日である令和3年4月1日時点では成年年齢は20歳であり、18歳の者は未成年者です(成年年齢18歳への引き下げは令和4年4月1日施行)。
- 選択肢 2不正解
- 養育費は子供が未成熟で経済的に自立できない期間に支払われるものであり、成年(成人)に達したからといって当然に義務が終了するわけではありません(大学在学中など)。
- 選択肢 3不正解
- 一種または数種の営業を許された未成年者は「その営業に関しては」成年者と同一の行為能力を有しますが、営業に関しない行為(負担付贈与の受諾等)は法定代理人の取消しの対象となります。
- 選択肢 4正解
- 意思能力を有しないときに行った法律行為は無効であり、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を生じません(民法第3条の2)。
覚えるポイント
- 意思能力のない法律行為は、制限行為能力の審判を受けていなくても無効となる。
間違えやすいところ
- 成年年齢引き下げ(18歳)の施行時期(令和4年4月1日)と当時の基準日(令和3年4月1日)の混同。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
債権譲渡の効力と対抗要件
権利関係 · 債権譲渡 / 譲渡制限特約 / 将来債権 / 対抗要件
売買代金債権(令和3年7月1日に譲渡契約が行われたもの)の譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものを1つ選べ。
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解答
2
解説
債権は将来発生するものであっても譲渡することが可能であり、発生時に譲受人が権利を取得します。また、当事者が譲渡制限の意思表示(特約)をしていても債権譲渡自体は原則として有効となります。
解き方
- 将来債権の譲渡性の規定(民法第466条の6)を確認し、契約時に未発生の債権でも譲渡契約により発生時に取得できるかを判定する。
- 譲渡制限特約がある場合の債権譲渡の効力、債務者の供託権・履行拒絶権、および第三者対抗要件(確定日付通知・承諾)のルールと照合する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡制限の意思表示がされていても譲渡自体は有効であり、債務者は債務履行の相手方の判断等の負担を避けるため債権全額を供託することができます。
- 選択肢 2正解
- 債権譲渡の意思表示の時に債権が現に発生していない場合(将来債権)であっても譲渡契約は有効であり、譲受人はその発生した債権を取得できます。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡制限特約について悪意または重過失の譲受人に対しては、債務者は履行を拒絶し、譲渡人に対する弁済等をもって対抗することができます。
- 選択肢 4不正解
- 債権譲渡は譲渡人からの通知または債務者の承諾が対抗要件であり、第三者に対抗するには確定日付のある証書による必要があります。
覚えるポイント
- 将来発生する債権も譲渡可能であり、発生と同時に譲受人が当然に取得する。
間違えやすいところ
- 譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は無効とならず原則有効である点。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
契約不適合責任と買主の救済手段
権利関係 · 契約不適合責任 / 追完請求 / 代金減額請求 / 契約解除 / 代金支払拒絶権
Aを売主、Bを買主として、A所有の甲自動車を50万円で売却する契約(令和3年7月1日締結)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものを1つ選べ。
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解答
3
解説
目的物が契約内容に適合しない場合、買主は追完請求、代金減額請求、解除、損害賠償請求が可能です。契約の解除については、債務不履行の一般原則に従い原則として催告が必要であり、修理が可能な場合に催告なしで直ちに解除することはできません。
解き方
- 買主の権利(追完請求権、代金減額請求権、契約解除権、代金支払拒絶権)の成立要件を確認する。
- 修理(追完)が可能な場合に催告を経ずに直ちに契約解除できるとする肢3の誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 引き渡された目的物が契約内容に適合しない場合、買主は追完請求として修補(修理)を請求することができます。
- 選択肢 2不正解
- 修理が不能であるなど追完が不能な場合、買主は催告をすることなく直ちに代金減額請求をすることができます。
- 選択肢 3正解
- 修理が可能な場合、原則として相当の期間を定めて催告しなければ解除できません。修理が可能か否かにかかわらず無催告で解除できるとする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 買い受けた権利を主張する第三者がいて所有権を失うおそれがある場合、売主が相当の担保を供しない限り、買主はその危険の限度に応じて代金の支払を拒絶できます。
覚えるポイント
- 契約不適合による解除は原則として催告が必要であり、無催告解除は履行不能等の場合に限られる。
間違えやすいところ
- 代金減額請求は原則として追完の催告が必要だが、追完不能なら直ちに減額請求できる点。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
土地工作物責任と不法行為の消滅時効
権利関係 · 土地工作物責任 / 占有者・所有者の責任 / 人の生命・身体の侵害 / 不法行為の消滅時効
Aが1人で居住する甲建物の保存に瑕疵があったため、令和3年7月1日に壁が崩れて通行人Bがケガをした場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものを1つ選べ。
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解答
1
解説
土地の工作物の設置・保存の瑕疵により他人に損害を生じたときは、まず第1次的に占有者が過失責任を負い、占有者が免責されたときは第2次的に所有者が無過失責任を負います。また、人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の時効は知った時から5年、不法行為時から20年です。
解き方
- 工作物責任(民法第717条)の責任構造(占有者の過失責任、所有者の無過失責任)を整理する。
- 人身損害における不法行為の消滅時効期間(主観的起算点から5年、客観的起算点から20年)を確認し、各選択肢の正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 賃借人(占有者)は損害発生の防止に必要な注意をしなかった場合、第1次的責任者としてBに対して損害賠償責任を負います。
- 選択肢 2不正解
- 工作物の所有者の責任は無過失責任であるため、必要な注意を尽くしていたとしても責任を免れることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 人の生命又は身体を侵害する不法行為による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時(事故の時)から20年間行使しないときは時効によって消滅します。
- 選択肢 4不正解
- 人の生命又は身体の侵害による不法行為の損害賠償請求権の消滅時効は、被害者又は法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年です。
覚えるポイント
- 工作物の占有者は過失責任、所有者は無過失責任。人身損害の時効は「知った時から5年・不法行為時から20年」。
間違えやすいところ
- 通常の不法行為の主観的時効は3年だが、生命・身体の侵害による損害賠償請求権は5年に伸長されている点。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の規定(令和3年度宅地建物取引士資格試験)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
配偶者および非嫡出子・連れ子の法定相続分
民法等 · 法定相続分 / 配偶者相続 / 直系卑属
Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子Fおよび子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが令和3年7月1日に死亡した場合における法定相続分として、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
被相続人の配偶者は常に相続人となり、子が相続人となる場合の法定相続分は配偶者が2分の1、子が2分の1です。子は実子であれば親権の有無や前妻の子であるかを問わず同順位・均等の相続分を有しますが、配偶者の連れ子(養子縁組をしていない子)は被相続人の相続人にはなれません。
解き方
- 被相続人Dの配偶者はAであり、常に相続人となるため法定相続分は2分の1であると確定します。
- Dの実子を確認すると、前妻Eとの間の子Fと子Gが該当します(親権が前妻にあっても実子である相続権に影響しません)。
- Aの前夫との子Cは、Dと養子縁組をした等の事情がない限りDの血族ではないため相続人にはなりません。
- 子の相続分である2分の1をFとGの2人で均等に按分し、Fが4分の1、Gが4分の1となる組み合わせを特定します。
- 選択肢 1正解
- 被相続人Dの配偶者Aが2分の1、Dの実子であるFとGが残りの2分の1を均等に分けて各4分の1となります。親権の所在は相続権に影響を与えません。
- 選択肢 2不正解
- Cは配偶者Aの連れ子にすぎず、Dと養子縁組を行っていないためDの相続人にはなれません。したがってCに相続分はありません。
- 選択肢 3不正解
- 親権を前妻Eが有していても実子FはDの第1順位の相続人です。Fを排除してGのみを相続人とする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 連れ子であるCには相続権がなく、実子であるFには親権がなくても相続権があります。したがって本肢の配分は誤りです。
覚えるポイント
- 親権の有無や離婚は親子の血縁関係を変動させないため、実子である限り相続権と法定相続分は同等です。
間違えやすいところ
- 離婚した配偶者は相続人になりませんが、その配偶者との間の子(実子)は依然として相続人になる点を混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:民法第890条、第900条(令和3年4月1日施行規定)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
選択債権の選択権の帰属・行使方法および給付不能
民法等 · 選択債権 / 選択権の帰属 / 給付の不能
AとBとの間で、Aを売主、Bを買主とする、等価値の美術品甲又は乙のいずれか選択によって定められる美術品の売買契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
選択債権において、選択権は別段の意思表示がなければ債務者に属します。第三者が選択すべき場合にその者が選択できないときは債務者に移転し、第三者の選択は債務者または債権者のいずれか一方への意思表示で行います。また、給付の目的物の一部が不能となった場合、それが選択権者の過失によるものであれば残存するものに特定されます。
解き方
- 選択権者が債務者Aである設定において、目的物甲が選択権者Aの過失(失火)で不能となった状況を把握します。
- 民法410条により、選択権を有する者の過失により給付不能となったときは残存する給付(乙)に債権が特定される規定を適用し、肢2を正解と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 民法409条2項により、第三者が選択することができないときは選択権は債務者(本件では売主A)に移転します。買主Bに移転するわけではありません。
- 選択肢 2正解
- 民法410条により、選択権を有する者の過失によって給付が不能となったときは、債権の目的は残存するものとして存在することになるため、目的物は乙となります。
- 選択肢 3不正解
- 民法406条により、選択権についての別段の合意がないときは、選択権は債務者(引渡債務を負う売主A)に属します。買主Bではありません。
- 選択肢 4不正解
- 民法409条1項により、第三者による選択権の行使は、債務者または債権者のいずれか一方に対する意思表示によって行えば足り、両者に対して行う必要はありません。
覚えるポイント
- 選択権の原則的な帰属は「債務者」。第三者が選択できないときの移転先も「債務者」です。
間違えやすいところ
- 給付不能による特定に関して、不能が「選択権のない当事者」の過失による場合は残存給付への特定が生じない例外がありますが、選択権者の過失であれば残存物に特定します。
出題の前提:民法第406条、第409条、第410条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法に基づく各種定期借地権等の成立要件
借地借家法 · 一般定期借地権 / 事業用定期借地権等 / 建物譲渡特約付借地権 / 一時使用目的の借地権
Aは、所有している甲土地につき、Bとの間で建物所有を目的とする賃貸借契約(以下「借地契約」という。)を締結する予定であるが、期間が満了した時点で、確実に借地契約が終了するようにしたい。この場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
借地借家法において契約更新等を排除する一般定期借地権は存続期間50年以上・書面が必要であり、事業用定期借地権等は事業用建物限定で期間10年以上50年未満・公正証書作成が必須です。また建物譲渡特約付借地権は30年以上経過した日に建物を相当の対価で譲渡する特約が必要です。
解き方
- 各肢の定期借地権類型(一般定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的借地権)と要件を照合します。
- 肢3の建物譲渡特約付借地権(第24条)について、特約で定める経過期間が「30年以上」であるという規定を確認します。
- 本肢は「20年が経過した日」としているため誤り(無効)であり、正解肢(誤っているもの)と決定します。
- 選択肢 1不正解
- 存続期間を50年以上とする借地権については、事業用であっても一般定期借地権(第22条)を設定できます。一般定期借地権は公正証書に限らず書面によって合意すれば成立するため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 居住用建物について更新のない定期借地権を設定するには50年以上の一般定期借地権にする必要があり、10年以上50年未満の事業用定期借地権等(第23条)は居住用を目的として設定できないため、20年とする合意はできません。
- 選択肢 3正解
- 建物譲渡特約付借地権(第24条1項)において、建物を譲渡する特約を有効に定めるためには、借地権設定後「30年以上」を経過した日を定める必要があります。20年経過後とする特約は定められません。
- 選択肢 4不正解
- 一時使用目的の借地権(第25条)には、存続期間や契約更新等に関する保護規定が適用されないため、期間を5年とし更新がない旨を有効に定めることができます。
覚えるポイント
- 建物譲渡特約付借地権の期間は「30年以上」、一般定期借地権は「50年以上」、事業用定期借地権等は「10年以上50年未満」です。
間違えやすいところ
- 事業用の建物であっても、期間が50年以上であれば事業用定期借地権等(公正証書必須)ではなく、一般定期借地権(公正証書以外の書面でも可)として契約できます。
出題の前提:借地借家法第22条、第23条、第24条、第25条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
建物賃貸借における敷金承継・解約申入れ・転貸借等の規律
借地借家法 · 建物賃貸借 / 敷金の承継 / 解約申入れ / 転貸借 / 定期建物賃貸借
Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
賃貸不動産が譲渡され賃貸人の地位が移転すると、敷金返還義務は新所有者に引き継がれますが、引渡しまでに生じていた未払賃料債務は当然に敷金から充当控除されます。また、賃貸人からの解約申入れの猶予期間は6か月であり、適法な転貸借において原賃貸借が期間満了・解約申入れで終了する場合の転借人への通知後の猶予期間も6か月です。
解き方
- 肢2の敷金承継について、民法第605条の2第4項の規定(旧賃貸人に対する未払賃料債務を控除した残額が新賃貸人に承継される)と合致しているか確認し、正しいと判断します。
- 他の選択肢の猶予期間(肢1は3月ではなく6月、肢3は3月ではなく6月)および定期建貸の通知を怠った場合の効果(肢4は法定更新されるのではなく、通知後6か月経過で終了可能となる)の誤りを検証します。
- 選択肢 1不正解
- 借地借家法第27条1項により、賃貸人からの解約申入れの場合、契約が終了するのは申入れの日から「6か月」を経過したときです(正当事由も必要です)。3月ではありません。
- 選択肢 2正解
- 民法第605条の2第4項により、賃貸人の地位が移転したときは敷金返還債務は新賃貸人Cに承継されますが、旧賃貸人Aに対する未払賃料債務があれば当然に敷金に充当され、その残額が承継されます。
- 選択肢 3不正解
- 借地借家法第40条により、適法な転貸借において期間満了等で原契約が終了するときは、賃貸人が転借人に通知してから「6か月」を経過することによって転貸借が終了します。3月ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 借地借家法第38条4項・5項により、1年以上の定期建物賃貸借で終了通知をしなかった場合、賃貸人は終了を対抗できなくなるだけであり、通知をした日から6月経過後に契約は終了します。同一条件で更新されたものとみなされるわけではありません。
覚えるポイント
- 建物賃貸借において賃貸人から解約を申し入れる場合の猶予期間、および転借人に対する通知後の猶予期間は、いずれも「6か月」です。
間違えやすいところ
- 借家人が解約を申し入れる場合は民法上3か月で終了しますが、賃貸人から申し入れる場合は借地借家法が適用され6か月となる点を混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:民法第605条の2第4項、借地借家法第27条、第38条、第40条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
区分所有法における集会・共用部分・敷地利用権・持分割合
民法等 · 区分所有法 / 書面決議 / 共用部分の変更 / 敷地利用権の分離処分禁止 / 共用部分の持分
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
区分所有法では、書面決議は区分所有者全員の承諾が必要であり、共用部分の重大変更は原則区分所有者及び議決権の各4分の3以上(定数のみ規約で過半数まで減軽可能)で決します。また専有部分と敷地利用権の分離処分は原則禁止されています。専有部分の床面積は、同法上は内側線(内法)で算定します。
解き方
- 各肢の規定内容(書面決議の要件、共用部分変更決議の要件緩和、分離処分の禁止、専有部分の床面積の算定基準)を検討します。
- 肢4の専有部分の床面積について、区分所有法第14条3項が「壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積」と定めていることを確認します。
- 肢4は「中心線で囲まれた部分の水平投影面積」と記載しているため明確に誤りであり、これを正解と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有法第45条1項により、書面による決議を行うには区分所有者全員の承諾が必要であるため、1人でも反対する者がいる場合は書面決議を行えません。
- 選択肢 2不正解
- 区分所有法第17条1項により、共用部分の重大変更は原則4分の3以上の多数で決しますが、区分所有者の定数(頭数)のみは規約で過半数まで減ずることができます。
- 選択肢 3不正解
- 区分所有法第22条1項により、敷地利用権が数人で有する権利である場合、規約に別段の定めがあるときを除き、専有部分と敷地利用権を分離して処分することは禁止されています。
- 選択肢 4正解
- 区分所有法第14条3項により、専有部分の床面積は「壁その他の区画の内側線」で囲まれた部分の水平投影面積(内法計算)によります。中心線(壁芯計算)とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 区分所有法における専有部分の床面積は「内法(うちのり)」計算です。建築基準法では「壁芯(へきしん)」計算、不動産登記法でも区分建物は内法計算です。
間違えやすいところ
- 共用部分の重大変更で規約により過半数まで引き下げられるのは「区分所有者の定数(頭数)」だけであり、「議決権の割合」は引き下げられない点に注意してください。
出題の前提:建物の区分所有等に関する法律第14条、第17条、第22条、第45条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記の申請手続(単独申請・代理権の不消滅)
不動産登記法 · 登記申請手続 / 単独申請 / 法人の合併 / 代理権の消滅
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産登記は原則として登記権利者と登記義務者の共同申請によりますが、相続や法人の合併などの包括承継による登記は、登記権利者が単独で申請できます。また、登記申請の委任による代理権は民法の原則と異なり本人の死亡等によって消滅しません。信託登記も受託者が単独で申請可能です。
解き方
- 不動産登記法第63条2項(相続その他の一般承継による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請できる)を確認します。
- 「法人の合併」は一般承継(包括承継)に該当するため、登記権利者が単独申請できるとした肢3が正しいと特定します。
- 選択肢 1不正解
- 所有権の抹消登記を所有権の登記名義人が単独で申請できるのは、所有権移転の登記がない場合に限られます(不動産登記法第77条)。所有権移転登記がある場合は共同申請等によらなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 不動産登記法第17条1号により、登記申請の委任による代理人の権限は、本人の死亡によって消滅しません。
- 選択肢 3正解
- 不動産登記法第63条2項により、相続その他の一般承継(法人の合併を含む)による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができます。
- 選択肢 4不正解
- 不動産登記法第98条1項により、信託の登記は、受託者が単独で申請することができます。
覚えるポイント
- 不動産登記法では、申請代理権は「本人の死亡」によって消滅しません(民法の代理権消滅事由の例外規定)。
間違えやすいところ
- 民法上の委任は本人の死亡で終了しますが、不動産登記の委任代理権は手続の安定のため本人が死亡しても消滅しない点を取り違えないよう注意してください。
出題の前提:不動産登記法第17条、第63条第2項、第77条、第98条第1項
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における地区計画の決定内容
都市計画法 · 地区計画 / 地区整備計画 / 区域区分
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
地区計画には「地区計画の方針」と「地区整備計画」があります。地区計画の都市計画には、地区計画の目標や区域の面積等を定めるよう努めるものとされています。地区整備計画では地区レベルの建築物の用途制限、建蔽率の最高限度、壁面の位置の制限などを定めますが、区域区分の有無などの広域的都市計画を地区整備計画で定めることはできません。
解き方
- 都市計画法第12条の5第2項、第7項等の地区計画に関する規定を確認します。
- 肢1および肢2は「定めるよう努めるものとする」という努力義務規定(法12条の5第2項)に合致していることを確認します。
- 肢3の「市街化区域と市街化調整区域との区分の決定の有無(区域区分)」は都市計画法第7条の独立した都市計画であり、地区計画(地区整備計画)で定める事項ではないため誤りと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法第12条の5第2項により、地区計画については、都市計画に当該地区計画の目標を定めるよう努めるものとされています。
- 選択肢 2不正解
- 都市計画法第12条の5第2項により、地区計画については、都市計画に区域の面積を定めるよう努めるものとされています。
- 選択肢 3正解
- 市街化区域と市街化調整区域の区分(区域区分)は法第7条に基づく都市計画であり、地区整備計画(法第12条の5第7項)で定める事項ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画法第12条の5第7項3号により、地区整備計画においては建築物の建蔽率の最高限度を定めることができます。
覚えるポイント
- 区域区分(市街化区域と市街化調整区域の区分)は都市計画区域全体で定める基本的な都市計画であり、地区整備計画で定める事項ではありません。
間違えやすいところ
- 地区整備計画で定められるのは建築物の用途制限や建蔽率・容積率の最高限度、敷地面積の最低限度など、建築物や敷地に関する詳細なルールです。
出題の前提:都市計画法第7条、第12条の5第2項・第7項
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における開発許可の要否(規模要件と適用除外)
都市計画法 · 開発許可 / 開発行為の規模 / 都市公園施設 / 土地区画整理事業
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積については、条例による定めはないものとし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
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解答
2
解説
開発許可が必要となる面積基準は原則として市街化区域1,000㎡以上(三大都市圏の既成市街地等では500㎡以上)、非線引き・準都市計画区域3,000㎡以上、区域外10,000㎡以上です。また、都市公園施設や土地区画整理事業の施行としての開発行為などは、面積に関わらず適用除外(許可不要)とされています。
解き方
- 各肢の開発行為について、目的建築物・施行事業による特例(適用除外)の有無と、区域別の規模基準を確認します。
- 肢1:公園施設は法第29条1項3号により公益上必要な建築物として許可不要です。
- 肢2:三大都市圏の既成市街地等における市街化区域では500㎡以上で許可が必要となるため、800㎡は知事の許可が必要となり、正しい記述です。
- 肢3:準都市計画区域では3,000㎡以上で許可が必要となるため、2,000㎡は規模未満で許可不要です。
- 肢4:土地区画整理事業の施行として行う開発行為は法第29条1項6号により許可不要です。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法第29条1項3号により、都市公園法に規定する公園施設である建築物の建築を目的とする開発行為は、公益上必要な建築物等として開発許可が不要です。
- 選択肢 2正解
- 都市計画法施行令第19条により、首都圏整備法の既成市街地等の市街化区域では開発許可を要する規模が「500㎡以上」に引き下げられています。800㎡の開発行為は許可が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画法第29条1項1号・令第19条により、準都市計画区域において許可を要する規模は「3,000㎡以上」です。2,000㎡の開発行為は許可を要しません。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画法第29条1項6号により、土地区画整理事業の施行として行う開発行為は、面積に関わらず開発許可を受けることを要しません。
覚えるポイント
- 三大都市圏の市街化区域は「500㎡以上」で開発許可が必要です。また、土地区画整理事業や市街地再開発事業などの施行として行う開発行為は常に許可不要です。
間違えやすいところ
- 都市公園施設などの公益上必要な建築物は、駅舎や公民館・変電所等と同様に「市街化区域であっても常に許可不要」となる例外対象です。
出題の前提:都市計画法第29条第1項各号、都市計画法施行令第19条
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法(各種規定)
法令上の制限 · シックハウス対策 / 避難施設 / 防火・耐火構造 / 完了検査前の仮使用
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建築基準法では、居住者の健康・避難安全・延焼防止等を目的とした技術基準や、工事完了後の安全性を担保するための検査済証取得と仮使用承認の制度が定められています。
解き方
- シックハウス対策、避難通路幅、外壁の隣地境界線への接合要件に関する各条文の規定を確認する。
- 完了検査済証交付前の建築物の使用制限と、特定行政庁による仮使用承認の特例要件を照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- ホルムアルデヒドを発散させる建築材料は、種別(放散速度)に応じて居室内での使用面積が制限されているものの、使用そのものが全面的に禁止されているわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 階数が3以上または延べ面積が500㎡を超える建築物の敷地内に設けるべき避難通路の幅員は、原則として1.5m以上と定められており、2m以上ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 建築基準法第65条において、外壁を隣地境界線に接して設けることができるのは「防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のもの」であり、防火構造では足りません。
- 選択肢 4正解
- 建築基準法第7条の6第1項第1号により、新築工事において特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、検査済証の交付を受ける前であっても仮使用が可能です。
覚えるポイント
- 隣地境界線に接して外壁を設けられるのは「防火・準防火地域内の耐火構造」である点に注意する。
間違えやすいところ
- 「防火構造」と「耐火構造」の混同や、避難通路幅の基準値(1.5m)の誤記に注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の建築基準法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法(集落地区計画・建蔽率・特殊建築物等)
法令上の制限 · 建蔽率の緩和 / 集落地区計画 / 居住環境向上用途誘導地区 / ごみ焼却場の特例許可
建築基準法の規定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法は、用途地域内外の地区計画に応じた制限や、耐火建築物・角地による建蔽率緩和、都市施設等の新築制限の例外許可についてそれぞれ詳細な要件を定めています。
解き方
- 指定建蔽率に対する防火地域・準防火地域等の耐火性能による緩和、角地緩和の合算可否を計算する。
- 集落地区計画が対象とする区域区分および用途制限の補正規定の適用の有無を確認する。
- 居住環境向上用途誘導地区および法51条の特定行政庁の許可特例の条文に照らす。
- 選択肢 1不正解
- 準防火地域内の耐火建築物であることにより1/10加算され、特定行政庁が指定する角地であることによりさらに1/10加算されるため、指定建蔽率6/10に2/10を加えた8/10(10分の8)となります。
- 選択肢 2正解
- 集落地区計画は用途地域の定めのない土地(主に市街化調整区域内の集落地域)に定められるものであり、「用途地域における用途制限を緩和する」という規定は存在しません。
- 選択肢 3不正解
- 建築基準法第53条第6項等の規定により、居住環境向上用途誘導地区内で都市計画に建蔽率の最高限度が定められた場合、原則としてその最高限度以下でなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 建築基準法第51条本文によりごみ焼却場等の位置は都市計画決定が必要ですが、同条ただし書により、特定行政庁が都市計画審議会の議を経て支障がないと認めて許可した場合は都市計画決定がなくても新築できます。
覚えるポイント
- 集落地域整備法に基づく集落地区計画は、用途地域が定められていない区域が対象である。
間違えやすいところ
- 角地緩和(+1/10)と準防火地域内の耐火建築物緩和(+1/10)が併用可能であることを見落とさないように注意する。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の建築基準法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法(許可要件・造成宅地防災区域等)
法令上の制限 · 宅地造成の定義 / 許可処分の通知 / 技術的基準の強化 / 造成宅地防災区域
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地造成等規制法では、崖崩れや土砂の流出を防止するため、一定規模以上の宅地造成工事に知事の許可を義務付ける一方、規制区域外の危険な造成宅地に対して造成宅地防災区域を指定します。
解き方
- 宅地造成の定義(切土で2m超、盛土で1m超、切盛合わせて2m超、面積500㎡超)と設問の数値を比較する。
- 許可申請に対する処分の通知方法および規則による技術基準の強化・付加の規定を確認する。
- 造成宅地防災区域の指定対象が「宅地造成工事規制区域外」であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 盛土を生じない切土の場合、崖の高さが2mを超え、又は切土部分の面積が500㎡を超えるものが宅地造成に該当します。本肢は高さ1.5m、面積500㎡(超ではない)であるため宅地造成に当たらず、知事の許可は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 宅地造成等規制法第8条第2項により、知事は許可の申請があったときは、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を通知しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 宅地造成等規制法第9条第2項により、都道府県等は土地の状況等により必要があると認めるときは、規則で技術的基準を強化し、又は付加することができます。
- 選択肢 4正解
- 宅地造成等規制法第20条第1項において、造成宅地防災区域は「宅地造成工事規制区域の区域外」の土地について指定されるため、規制区域内で指定することはできません。
覚えるポイント
- 造成宅地防災区域は「宅地造成工事規制区域外」から指定される二重指定排除ルールを覚える。
間違えやすいところ
- 面積要件が「500㎡超」であるため、ちょうど500㎡の場合は面積要件を満たさない点を見落としやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地造成等規制法(当時)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法(組合施行・換地計画・建築等の制限)
法令上の制限 · 参加組合員の換地処分 / 照応の原則 / 建築等の制限許可権者 / 役員の解任請求
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
土地区画整理事業では、適正な換地計画の策定ルール(照応の原則等)や権利帰属時期が規定されているほか、事業施行の障害となる行為を制限するための知事等の許可制度が置かれています。
解き方
- 換地処分公告の翌日における参加組合員の権利取得について条文を確認する。
- 換地計画策定における照応の原則の定義を確認する。
- 事業施工中の建築行為や土地形質変更の許可権者が誰であるかを特定する。
- 組合役員の解任請求手続きの定足数・書面要件を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 土地区画整理法第104条第6項により、参加組合員に対して与えるべきものとして定められた宅地は、換地処分の公告の日の翌日において参加組合員が取得します。
- 選択肢 2不正解
- 土地区画整理法第89条第1項により、換地計画における換地は、従前の宅地と位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければなりません(照応の原則)。
- 選択肢 3正解
- 土地区画整理法第76条第1項により、事業施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更等を行おうとする者が受けるべき許可は「都道府県知事等(市の区域内では市長)」の許可であり、組合の許可ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 土地区画整理法第35条第1項により、組合員は総組合員の3分の1以上の連署をもって、理事又は監事の解任を請求することができます。
覚えるポイント
- 土地区画整理法第76条の建築等の制限に係る許可権者は「知事等(市町村長)」であり、施行者(組合)ではない。
間違えやすいところ
- 組合施行の場合に許可権者が「組合」であると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の土地区画整理法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
農地法(権利移動・転用の許可基準)
法令上の制限 · 遺産分割による取得 / 3条無許可契約の効力 / 一時転用の5条許可 / 国・都道府県等の特例協議
農地に関する次の記述のうち、農地法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
農地法は、耕作者の地位の安定と農業生産力の維持を目的に、農地の権利移転(3条)や転用を伴う権利移転(5条)を厳格に規制しています。一時的な転用・借入れであっても適用対象となります。
解き方
- 遺産分割による権利取得における3条許可不要と3条の3の届出義務を確認する。
- 3条許可を受けない権利移転契約の効力(無効)を確認する。
- 砂利採取等の他法令の認可に伴う一時的借受け・転用に対する5条許可の要否を検討する。
- 都道府県が農地を取得して転用する場合の協議みなし規定を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 遺産分割による農地の取得は相続等に準じ農地法第3条第1項の許可は不要ですが、取得後遅滞なく農業委員会へその旨を届け出なければなりません(農地法第3条の3)。
- 選択肢 2不正解
- 農地法第3条第7項により、同条第1項の許可を受けないでした売買等の行為は、その効力を生じません(私法上無効となります)。
- 選択肢 3正解
- 砂利採取法による認可を受けて一時的に砂利採取のために農地を借り受けて転用する場合であっても、農地法第5条の許可は除外されず、一時転用として許可を受ける必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 農地法第5条第4項により、国又は都道府県等が農地を転用目的で取得する場合、知事等との協議が成立することによって農地法第5条第1項の許可があったものとみなされます。
覚えるポイント
- 農地を農地以外に転用する行為は、一時的な利用であっても農地法第4条・第5条の許可が必要である。
間違えやすいところ
- 他法令(砂利採取法や採石法等)の許認可があれば農地法の許可が不要になると誤解しないようにする。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の農地法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法(事後届出制)
法令上の制限 · 事後届出の期間 / 助言の内容 / 無届出の罰則 / 準都市計画区域の規模要件と公的主体の適用除外
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
国土利用計画法の事後届出制では、一定規模以上の土地取引について権利取得者が契約締結日から起算して2週間以内に知事等へ届け出る必要があります。当事者の一方が国や地方公共団体等の場合は適用除外です。
解き方
- 事後届出の届出期間(契約締結日から2週間以内)を確認する。
- 事後届出における知事の助言・勧告の対象(利用目的に限られ、対価の額は対象外)を確認する。
- 届出を怠った場合の罰則(6月以下の懲役又は100万円以下の罰金)を確認する。
- 準都市計画区域における面積要件(10,000㎡以上)と当事者の一方が地方公共団体である場合の適用除外を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 国土利用計画法第23条第1項により、事後届出は土地売買等の契約を締結した日から起算して「2週間以内」に行わなければなりません(翌日起算の3週間ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 事後届出において知事が助言や勧告をすることができるのは「土地の利用目的」についてのみであり、「対価の額」について助言や勧告をすることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 事後届出を怠った者に対して勧告がなされる規定はなく、届出をしなかった者には直ちに罰則(6月以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科されます(勧告に従わない場合の罰則がないこととの混同に注意)。
- 選択肢 4正解
- 当事者の一方が国や地方公共団体(B市)である契約は届出不要です。一方、準都市計画区域の届出対象面積は10,000㎡以上であるため、10,000㎡を取得するCは届出が必要です。
覚えるポイント
- 事後届出制で審査・勧告・助言の対象となるのは「利用目的」のみで、「対価の額」は対象外。
間違えやすいところ
- 「無届出」には刑事罰があるが、「勧告に従わないこと」には罰則がないという区別を混同しやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の国土利用計画法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
所得税法(譲渡所得の計算・特別控除)
税・その他 · 特別控除の控除順序 / 取得費に含まれる費用 / 借地権設定の対価(譲渡か不動産所得か) / 短期譲渡所得の課税標準
所得税法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税法における譲渡所得は、保有期間5年以下を短期、5年超を長期として区分し、50万円の特別控除はまず短期から差し引きます。土地賃借権設定の一時金で土地価額の5/10を超えるものは譲渡所得として取り扱われます。
解き方
- 総合譲渡所得における50万円の特別控除の控除順序(短期優先)を確認する。
- 取得費の範囲に設備費・改良費が含まれるかを確認する。
- 借地権設定の権利金が土地価額の5/10を超える場合の所得区分(譲渡所得)を確認する。
- 短期譲渡所得と長期譲渡所得における課税標準の計算方法(短期は全額、長期が1/2)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 所得税法第33条第3項により、譲渡所得の特別控除(最高50万円)は、まず短期譲渡所得(所有期間5年以内)の譲渡益から控除し、なお残額がある場合に長期譲渡所得から控除します。
- 選択肢 2不正解
- 所得税法第38条第1項により、取得費には購入代金や購入手数料のほか、取得後に支出した設備費及び改良費の額も含まれます。
- 選択肢 3不正解
- 建物の所有を目的とする借地権等の設定対価として受ける権利金等の額が、土地の価額の10分の5(5/10)を超えるときは、不動産所得ではなく「譲渡所得」として課税されます(所得税法施行令第79条)。
- 選択肢 4不正解
- 所有期間5年以内の総合短期譲渡所得は、特別控除後の金額の全額が総所得金額に算入されます。金額を「2分の1」にするのは総合長期譲渡所得です。
覚えるポイント
- 特別控除50万円は「短期から先に引く」、2分の1にするのは「長期譲渡所得」である。
間違えやすいところ
- 借地権設定の一時金で「土地価額の5/10超」は譲渡所得となり、5/10以下が不動産所得となる区分を混同しやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の所得税法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
地方税(不動産取得税の課税標準・税率等)
税・その他 · 既存住宅の課税標準の特例控除 / 新築家屋の取得みなし時期 / 徴収方法(普通徴収) / 税率(標準税率)
不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
不動産取得税は、不動産の取得に対して課される道府県税であり、自己居住用住宅取得時の各種特例控除、普通徴収方式、標準税率の枠組みが定められています。
解き方
- 既存住宅取得の課税標準特例における新築年月・床面積要件と控除額(平成9年4月以降は1,200万円)を照合する。
- 新築家屋の取得みなし時期(原則6月、特例で1年等であり3年ではない)を確認する。
- 不動産取得税の徴収方法が「普通徴収」であることを確認する。
- 4%が「標準税率」であって「制限税率」ではないため、条例で超えることが可能であることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 平成9年4月1日以後に新築された既存住宅(床面積50㎡以上240㎡以下)を自己の居住用として取得した場合、課税標準から1,200万円が控除されます。平成28年新築・床面積210㎡はこの要件を満たします。
- 選択肢 2不正解
- 新築住宅で最初の使用又は譲渡が行われない場合に取得があったとみなされる期間は「6か月(宅建業者が取得した新築住宅等の特例では1年)」を経過した日であり、3年ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 不動産取得税の徴収方法は、納税通知書の交付による「普通徴収」であり、納税者が自ら計算して納付する「申告納付」ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 地方税法に規定されている税率4%(特例で土地・住宅は3%)は「標準税率」であり、財政上その他特別の必要がある場合は都道府県が条例によりこれを超える税率を定めることができるため、4%を超えることができないわけではありません。
覚えるポイント
- 不動産取得税の徴収方法は「普通徴収」であり「申告納付」ではない。
間違えやすいところ
- 標準税率(条例で引き上げ可能)と制限税率(超えてはならない上限)の違いを取り違えやすいです。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の地方税法
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の鑑定評価基準
税・価格の評定 · 不動産鑑定評価基準 / 事情補正 / 時点修正 / 再調達原価
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
取引事例比較法において、取引事例に個別的・特殊な動機が介在している場合には「事情補正」を行い、取引の時点から価格時点までの間に相場変動がある場合には「時点修正」を行います。
解き方
- 取引事例比較法における各補正・修正の定義を確認する。
- 特殊な事情が価格に影響を及ぼしている補正が事情補正か時点修正かを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 確認が困難な特定の価格形成要因がある場合、利用者の利益を害するおそれがないと判断されるときに限り、調査の範囲に係る条件を設定することができます。
- 選択肢 2不正解
- 建設資材や工法等の変遷により再調達原価を直接求めることが困難な場合、同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価(置換原価)を再調達原価とみなすことができます。
- 選択肢 3正解
- 取引事例等の特殊な事情を補正することは「事情補正」です。「時点修正」とは、取引時点から価格時点までの価格水準の変動を修正する作業を指します。
- 選択肢 4不正解
- 不動産鑑定評価によって求める賃料は一般に正常賃料または継続賃料ですが、隣接不動産の併合による増分価値等を考慮する依頼目的に応じ、限定賃料を求めることができる場合があります。
覚えるポイント
- 特殊事情の補正は事情補正、時期的ズレの修正は時点修正
間違えやすいところ
- 事情補正と時点修正の用語の混同に注意する
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令(不動産鑑定評価基準)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明書の記載事項(法35条)
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 法35条 / 法37条書面との比較
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに対し建物の売却を行う場合における宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
宅地建物取引業法第35条(重要事項説明)と第37条(契約成立後交付書面)では記載事項が異なり、引渡時期や登記申請時期は37条書面の必要的記載事項ですが35条の記載事項ではありません。
解き方
- 重要事項説明を担当する宅建士に専任要件があるかを確認する。
- 代金以外の金銭授受、登記申請時期、引渡時期が35条と37条のどちらの規定事項かを区別する。
- 選択肢 1不正解
- 重要事項説明を行う宅地建物取引士は、事務所等に置かれる「専任」の宅建士である必要はなく、専任でない宅建士が行っても差し支えありません。
- 選択肢 2正解
- 宅地建物取引業法第35条第1項第7号に基づき、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、その授受の目的についても重要事項として説明しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 登記された権利の種類・内容は35条の重要事項説明事項ですが、所有権移転登記の申請時期は法37条書面の必要的記載事項であり、35条の記載事項ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 建物の引渡しの時期は法37条書面の必要的記載事項であり、法35条の重要事項説明書に記載して説明すべき事項ではありません。
覚えるポイント
- 引渡時期と移転登記申請時期は37条のみ、35条にはない
間違えやすいところ
- 35条書面と37条書面の記載事項を混同しやすい
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許(欠格事由)
宅地建物取引業法 · 免許の基準 / 欠格事由 / 刑罰 / 役員の欠格
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
法人の役員が宅地建物取引業法第5条第1項の欠格事由(宅建業法違反による罰金刑等)に該当する場合、その法人自身も免許を受けることができません。
解き方
- 取消事由、破産の復権、有罪確定の有無、罰金刑対象法令の各欠格要件を検討する。
- E社役員の罰金刑が欠格事由に該当し、5年間免許を受けられない旨が正しいことを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 不正の手段により免許を受けたとして取り消された場合でも、その取消しの日から5年を経過すれば再び免許を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 破産手続開始の決定を受けても、復権を得れば直ちに欠格事由から外れ、免許を受けることができるようになります。
- 選択肢 3不正解
- 判決に対して控訴中で裁判が係属している間は刑が確定していないため、欠格事由には該当せず、C社は免許を受けることができます。
- 選択肢 4正解
- 宅建業法違反により罰金刑に処せられた者は刑の執行終了等から5年間欠格となり、その者が役員にいる法人E社も同様に免許を受けることができません。
覚えるポイント
- 宅建業法違反での罰金刑は欠格事由(5年間)、役員の欠格は法人に及ぶ
間違えやすいところ
- 控訴中の未確定判決を欠格と誤認しないようにする
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録
宅地建物取引業法 · 資格登録 / 登録の移転 / 登録消除 / 試験地と登録先
宅地建物取引士の登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
宅地建物取引士の登録は、合格した試験を実施した都道府県知事に対して行います。登録の移転は任意であり、現登録知事を経由して行います。
解き方
- 登録の移転の手続き経路(経由の要否)を確認する。
- 資格者証未交付時の事務禁止違反における登録消除の要件(情状が特に重いとき)を検討する。
- 登録簿の登記事項(勤務先宅建業者名簿)と変更登録義務を確認する。
- 新規登録の申請先が試験実施地の知事であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 登録の移転の申請は、現在登録を受けている知事(甲県知事)を経由して、移転先の知事(乙県知事)に対して行わなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 宅建士証の交付を受けずに事務を行ったときは、事務禁止処分または「情状が特に重いとき」に登録が消除されます。情状のいかんを問わず消除されるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 宅地建物取引業者の商号・名称等は宅建士資格登録簿の登記事項であるため、専任であるか否かを問わず、勤務先業者の変更登録を申請しなければなりません。
- 選択肢 4正解
- 登録を受けようとするときは、宅地建物取引士資格試験に合格した試験地の都道府県知事(甲県知事)に対して申請しなければなりません。
覚えるポイント
- 試験合格後の登録申請先は合格した試験地の知事一択
間違えやすいところ
- 専任でなくても勤務先の宅建業者の変更登録が必要である点を見落としやすい
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者の業務規制(名簿・標識・専任宅建士)
宅地建物取引業法 · 従業者名簿 / 標識の掲示 / 報酬額の掲示 / 案内所の専任宅建士
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
案内所等において、標識の掲示は契約締結・申込みの有無にかかわらず常に義務付けられますが、専任宅建士の設置や届出は契約締結または申込みの受付を行う場合にのみ義務付けられます。
解き方
- 従業者名簿の保存期間(10年)を確認する。
- 案内所における標識掲示義務の範囲(契約締結の有無を問わず必要)を検討する。
- 報酬額の掲示義務が課される場所(事務所のみ)を確認する。
- 案内所等における専任宅地建物取引士の設置要件(契約・申込みを行う場合のみ)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 従業者名簿は、最終の記載をした日から「10年間」保存しなければなりません(5年間保存なのは業務に関する帳簿です)。
- 選択肢 2不正解
- 一団の宅地建物の分譲を行う案内所には、契約の締結や申込みの受付を行わない場合であっても、公衆の見やすい場所に標識を掲示しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 国土交通大臣が定めた報酬の額の掲示義務があるのは「事務所」のみであり、契約を行う案内所であっても報酬額の掲示は義務付けられていません。
- 選択肢 4正解
- 事務所等以外の継続的施設を有する場所(案内所等)であっても、契約の締結も申込みの受付も行わない場合は、専任の宅地建物取引士を置く必要はありません。
覚えるポイント
- 従業者名簿は10年保存、帳簿は5年保存(新築自らは10年)
- 報酬額掲示は事務所のみ
間違えやすいところ
- 案内所で契約をする場合に報酬額掲示が必要と勘違いしやすい
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
広告に関する規制
宅地建物取引業法 · 誇大広告の禁止 / 広告の特約・費用受領 / 取引態様の明示 / 広告開始時期の制限
宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地の販売広告において、宅地に対する将来の利用の制限について、著しく事実に相違する表示をしてはならない。 イ 建物の貸借の媒介において広告を行った場合には、依頼者の依頼の有無にかかわらず、報酬の限度額を超えて、当該広告の料金に相当する額を受領することができる。 ウ 複数の区画がある宅地の売買について、数回に分けて広告するときは、最初に行う広告に取引態様の別を明示すれば足り、それ以降は明示する必要はない。 エ 賃貸マンションの貸借に係る媒介の依頼を受け、媒介契約を締結した場合であっても、当該賃貸マンションが建築確認申請中であるときは広告をすることができない。 1 一つ 2 二つ 3 三つ 4 四つ
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解答
2
解説
宅建業法では、誇大広告の禁止、取引態様の明示義務、未完成物件に対する広告開始時期の制限(建築確認等の処分後でなければ賃貸媒介でも不可)などの厳格な規制が設けられています。
解き方
- 記述ア:将来の利用制限に対する著しく事実に相違する表示の禁止(誇大広告禁止)について成否を検討する(正)。
- 記述イ:広告料金の受領要件(依頼者の依頼が必要)について成否を検討する(誤)。
- 記述ウ:数回に分ける広告における取引態様明示の都度義務を検討する(誤)。
- 記述エ:建築確認申請中の賃貸マンションの広告開始時期制限を検討する(正)。
- 正しい記述の個数をカウントして正解肢(二つ)を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はアとエの二つ存在するため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ア(誇大広告の禁止対象に現在・将来の利用制限が含まれる)とエ(建築確認申請中は貸借媒介でも広告不可)の2つが正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は二つのため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述は二つのため誤りです。
覚えるポイント
- 未完成物件の広告は貸借媒介でも建築確認前は禁止(契約締結の制限とは異なる)
間違えやすいところ
- 貸借の媒介契約では確認前でも契約できる特例と、広告開始時期の制限(貸借でも広告禁止)を混同しやすい
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会
宅地建物取引業法 · 保証協会 / 還付充当金 / 弁済業務 / 苦情の解決
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
弁済業務保証金の還付があった場合、国土交通大臣から保証協会へ通知がなされ、保証協会が当該社員に還付充当金の納付通知を行います。社員の2週間の納付起算日は「保証協会から通知を受けた日」です。
解き方
- 加入前の取引に対する担保提供請求権の規定(法64条の8第4項)を確認する。
- 苦情解決申出に対する資料提出協力義務(法64条の5第2項)を確認する。
- 還付充当金納付の起算日(通知を受けた日)と期間(2週間)を確認する。
- 社員の地位喪失時の免許権者への報告義務(法64条の10第3項)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 加入前の取引により生じた債権の還付で運営に支障が生じるおそれがある場合、保証協会は当該社員に対して担保の提供を求めることができます。
- 選択肢 2不正解
- 苦情の解決のために保証協会から資料の提出や説明を求められた場合、社員である宅建業者は正当な理由がなければ拒絶できません。
- 選択肢 3正解
- 還付充当金の納付期限は、還付がなされた日ではなく「保証協会から還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日」から2週間以内です。
- 選択肢 4不正解
- 還付充当金の未納により社員の地位を失った場合、保証協会はその旨を直ちに当該業者の免許権者(国交大臣又は都道府県知事)に報告しなければなりません。
覚えるポイント
- 還付充当金の納付起算日は「保証協会から通知を受けた日」から2週間以内
間違えやすいところ
- 還付がなされた日(弁済日)が起算日であると誤読しやすい
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の定義と免許の要否
宅地建物取引業法 · 宅地の定義 / 宅建業の定義 / 免許不要の特例 / 国・地方公共団体
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、いずれの場合も、その行為を業として営むものとする。
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解答
1
解説
宅建業法上の「宅地」とは、①用途地域内の土地(道路等を除く)、②用途地域外で建物の敷地に供される土地をいいます。用途地域外の非建物敷地(太陽光発電施設用地等)の取引媒介は宅建業に該当しません。
解き方
- 用途地域外かつ建物敷地以外の土地が「宅地」に該当するかを検討する(該当せず、免許不要)。
- 土地区画整理事業の換地(住宅用地)の分譲が宅建業に該当するかを確認する(免許必要)。
- 農業協同組合に宅建業法の免許適用除外の特例があるかを確認する(特例なし、免許必要)。
- 地方公共団体が当事者となる取引を民間のD社が媒介する場合に免許が必要かを判断する(D社は免許必要)。
- 選択肢 1正解
- 用途地域外にあり建物の敷地としない土地(ソーラーパネル設置用)は「宅地」に該当しないため、その売買を媒介する行為に免許は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 換地処分により取得した住宅用地を反復継続して分譲(自ら売買)する行為は宅建業に該当し、免許が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 農業協同組合には宅地建物取引業法の免許適用除外の規定がないため、組合員の宅地売却の代理を業として行うには免許が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 地方公共団体自身は免許不要ですが、地方公共団体が行う売却取引の媒介を民間業者D社が業として行う場合は、D社に免許が必要です。
覚えるポイント
- 用途地域外の土地は建物の敷地に供される目的がなければ「宅地」ではない
間違えやすいところ
- 国・地方公共団体が当事者であっても、媒介を行う民間業者には免許が必要である点
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
水害ハザードマップに関する重要事項説明
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 水害ハザードマップ / 宅建業法第35条
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明において、水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村が提供する図面(水害ハザードマップ)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業法第35条に基づき、市町村が提供する水害ハザードマップ(洪水・内水・高潮)における対象宅地・建物の位置は、売買・交換だけでなく貸借においても重要事項として説明および図面の提示が必要です。マップ自体が存在しない場合は、その旨を記載・説明することとされています。
解き方
- 水防法に基づくハザードマップ(洪水・内水・高潮)の配布・公表状況を自治体に照会して確認する。
- ハザードマップが存在しないときは、存在しない旨を重説に記載し相手方に説明すれば適法となることを確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 市町村が対象物件の位置を含む水害ハザードマップを作成・公表していない場合、重要事項説明書にその旨を記載し、提示すべきマップが存在しない旨を説明することで足ります。
- 選択肢 2不正解
- 市町村が洪水・雨水出水(内水)・高潮の水害ハザードマップを作成している場合は、いずれか1種類ではなく該当する全ての水害ハザードマップを提示して説明しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 水害ハザードマップにおける対象物件の位置の説明は、売買・交換のみならず、建物の貸借や宅地の貸借の媒介の場合であっても説明および提示が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 水害ハザードマップを重要事項説明書に添付するだけでなく、説明の際にマップを提示し、取引対象物件の所在位置を具体的に指し示して説明する必要があります。
覚えるポイント
- 水害ハザードマップ(洪水・内水・高潮)の説明は売買だけでなく賃貸でも義務
- 自治体がマップ未作成・未公表の場合は「存在しない旨」を記載・説明する
間違えやすいところ
- 水害ハザードマップの提示義務は売買等に限られ賃借には不要と誤認しやすい
- 自治体が複数種類のハザードマップを定めている場合に1種類のみの提示で足りると誤解しやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第1項第14号、同法施行規則第16条の4の3第3号の2(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金制度に関する規定
宅地建物取引業法 · 営業保証金 / 供託 / 還付請求権者 / 有価証券の評価額
宅地建物取引業法の規定に基づく営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
営業保証金制度は消費者等の一般取引者を保護するための制度です。そのため、宅建業者と取引した者であっても、同じ宅建業者である者は営業保証金の還付を受けることができません。また供託後は免許権者への届出が事業開始要件となっています。
解き方
- 営業保証金から弁済を受けられる還付請求権者の範囲(業者間取引の除外規定)を確認する。
- 供託の届出義務、金銭と有価証券の併用可否、有価証券の換算評価率(国債100%、地方債90%)を法令に照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 宅建業者は営業保証金を供託したときは、その供託物受け入れの記載ある供託書の写しを添えて、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならず、供託所からの通知で代行されることはありません。
- 選択肢 2正解
- 宅地建物取引業に関し取引をした者は営業保証金から弁済を受ける権利を有しますが、宅地建物取引業者に該当する者はこの還付を受ける権利を有しないと規定されています。
- 選択肢 3不正解
- 営業保証金は、金銭のみや有価証券のみの供託だけでなく、金銭と国土交通省令で定める有価証券とを併用して供託することも認められています。
- 選択肢 4不正解
- 営業保証金に充てる有価証券の評価額は、国債証券はその額面金額の100%、地方債証券はその額面金額の90%(政令で定める債券は80%)と定められています。
覚えるポイント
- 宅地建物取引業者は営業保証金の還付を受けることができない(業者間除外)
- 有価証券の評価額:国債100%、地方債・政府保証債90%、その他政令債券80%
間違えやすいところ
- 供託所が免許権者へ自動通知するため業者による届出が不要と誤認しやすい
- 金銭と有価証券の併用供託が禁止されていると勘違いしやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第25条第4項・第27条第1項、同法施行令第2条の4・第2条の5(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録及び宅建士証に関する個数問題
宅地建物取引業法 · 宅地建物取引士の登録 / 宅地建物取引士証 / 事務禁止処分 / 登録の移転
宅地建物取引士の登録(以下この問において「登録」という。)及び宅地建物取引士証に関する次の記述ア~エのうち、正しいものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建士が事務禁止処分を受けた場合、宅建士証を交付を受けた知事に速やかに提出しなければならず、違反には過料が科されます。また事務禁止期間中に自主的に登録を消除しても禁止期間中は再登録できません。登録の移転は他の都道府県の宅建業者の業務に従事する場合にのみ可能です。
解き方
- 記述ア:事務禁止処分時の宅建士証提出義務および過料罰則の存否を検討する(正しい)。
- 記述イ:事務禁止処分中に登録消除された場合の欠格期間(事務禁止期間満了まで再登録不可)を確認する(正しい)。
- 記述ウ:住所変更のみで登録の移転ができるか要件(他県の事務所で従事)を確認する(誤り)。
- 記述エ:本籍変更時の変更の登録申請義務を確認する(正しい)。
- 正しい記述の個数を集計し、3つ(選択肢3)を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はア、イ、エの3つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はア、イ、エの3つであるため、二つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3正解
- ア・イ・エの3つが正しく、ウのみが誤りであるため、正しいものは3つとなります。
- 選択肢 4不正解
- ウは誤りであり、全てが正しいわけではないため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 登録の移転は「他県の宅建業者の事務所で業務に従事する(または従事しようとする)」ことが要件で、単なる住所移転では申請できない
- 事務禁止処分を受けた者が宅建士証を速やかに提出しないときは10万円以下の過料に処される
間違えやすいところ
- 他県へ住所を変更しただけで登録の移転ができると誤解しやすい(住所変更は単なる「変更の登録」を行う)
- 事務禁止期間中に自ら登録消除を申請した場合、他県で試験に受かれば直ちに再登録できると誤認しやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第18条第1項・第19条の1・第22条の2第7項・第86条の2(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明事項(第35条)における賃貸と売買の差異
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 宅建業法第35条 / 建物の貸借 / 都市計画法に基づく制限
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、同法の規定に少なくとも説明しなければならない事項として掲げられていないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業法第35条第1項第2号に基づく「法令に基づく制限」において、建物の貸借の場合には、都市計画法第29条の開発許可制度など、建物を建てるための土地利用規制に関する制限は借主の利用に直接関係しないため、説明事項から除外されています。
解き方
- 設問の各事項について、取引態様(建物の貸借、宅地の貸借)における重説事項(法35条)に該当するかを照合する。
- 建物の貸借において「法令に基づく制限」で説明対象となるのは新住宅市街地開発法等の利用制限等に限られ、都市計画法29条の開発許可制限は除外されていることを特定する。
- 選択肢 1正解
- 建物の貸借の媒介においては、都市計画法第29条第1項の規定に基づく開発許可に関する制限は重要事項説明の対象として掲げられていません。
- 選択肢 2不正解
- 建物の貸借の媒介において、石綿(アスベスト)の使用の有無の調査結果が記録されているときのその内容は、説明しなければならない事項として規定されています。
- 選択肢 3不正解
- 建物の貸借の媒介において、台所、浴室、便所その他の設備の整備状況は、重要事項として説明しなければならない事項です。
- 選択肢 4不正解
- 宅地の貸借の媒介において、敷金その他契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項は、重要事項として説明しなければならない事項です。
覚えるポイント
- 建物の貸借では都市計画法29条(開発許可)や建築基準法等の主要な建築制限の説明は不要
- 石綿調査の記録内容や設備の整備状況は建物の貸借でも重要事項説明事項となる
間違えやすいところ
- 宅地売買で必須の法令上の制限が建物の貸借でも一律に全て必須であると混同しやすい
- 敷金等の精算に関する事項は建物の貸借だけでなく宅地の貸借でも説明事項である点を見落としやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第1項第2号・第14号、同法施行規則第16条の2・第16条の4の3(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明書(35条)と契約締結時交付書面(37条)の比較
宅地建物取引業法 · 重要事項説明書 / 37条書面 / 必要的記載事項 / 自ら貸主
宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業法第35条書面(事前説明)と第37条書面(契約内容確認)は記載事項が異なります。代金等以外の金銭の授受の額・時期・目的は37条書面の必要的記載(定めがある場合の相対的記載事項)です。一方、「自ら貸主」となる行為には宅建業法そのものが適用されず、37条書面の交付義務もありません。
解き方
- 選択肢1:マンション専有部分の利用制限規約は35条の記載事項だが、37条の記載事項ではない点を確認する。
- 選択肢2:保全措置の概要は35条の記載事項だが、措置を講じない場合は37条に記載する義務はない(講じる措置の内容が37条の任意記載事項)。
- 選択肢3:代金以外の金銭の授受(手付等の額・時期・目的)は37条書面の相対的記載事項であることを確認する。
- 選択肢4:「自ら貸主」には宅建業法が適用されないため37条書面交付義務がないことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有建物の専有部分の用途その他の利用制限に関する規約の定めは重要事項説明(35条)の対象ですが、契約締結時交付書面(37条)の記載事項ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 手付金等の保全措置を講ずる必要がなく講じない場合、重要事項説明(35条)では保全措置の概要を説明しますが、37条書面に「保全措置を講じないこと」を記載する義務はありません(講ずる場合にその措置を記載する)。
- 選択肢 3正解
- 代金、交換差金及び借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに授受の時期及び目的を37条書面に記載しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 自ら貸主となる行為は宅地建物取引業の定義(宅建業法第2条第2号)に含まれないため宅建業法の適用がなく、37条書面を作成・交付する義務はありません。
覚えるポイント
- 自ら貸主には宅建業法が一切適用されないため、35条説明も37条交付も不要
- 代金以外の金銭の授受の額・時期・目的は37条の相対的記載事項
間違えやすいところ
- 35条の記載事項(マンション利用規約など)がそのまま37条書面にも必要であると混同しやすい
- 「自ら売主」と「自ら貸主」を同一視してしまい、自ら貸主にも業法規制が及ぶと誤認しやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第2条第2号、第35条、第37条第1項第4号(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
一般媒介契約における宅建業法の規制
宅地建物取引業法 · 媒介契約 / 一般媒介契約 / 有効期間 / 業務処理状況の報告 / 指定流通機構
宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業者BからB所有の建物の売却を依頼され、Bと一般媒介契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述ア~エのうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
一般媒介契約には、専任媒介契約に課されている「有効期間の上限(3か月)」「定期的な業務処理状況報告義務」「指定流通機構への登録義務および登録証の引渡し期限」の規定が適用されません。また、賃貸借の媒介契約には媒介契約書面(第34条の2)の規定自体が適用されません。
解き方
- 記述ア:一般媒介契約では法令上の有効期間制限(3か月)はなく、協議で定めた3か月は適法(違反しない)。
- 記述イ:一般媒介契約では業務処理状況の報告義務の規定がないため、口頭・14日に1回以上の報告でも適法(違反しない)。
- 記述ウ:一般媒介契約では指定流通機構への登録義務も登録証交付義務(引渡期限規定)もないため、任意登録後に14日後に交付しても適法(違反しない)。
- 記述エ:建物の賃貸の媒介契約には第34条の2の媒介契約規制そのものが適用されないため、有効期間を定めなくても適法(違反しない)。
- 違反しないものはア~エの4つ全てであるため、四つ(選択肢4)を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 違反しないものはア~エの四つ全てであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 違反しないものはア~エの四つ全てであるため、二つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 違反しないものはア~エの四つ全てであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが宅地建物取引業法の規定に違反しないため、四つが正解となります。
覚えるポイント
- 専任・専属専任媒介の諸制限(期間上限、報告頻度、レインズ登録義務等)は一般媒介契約には適用されない
- 賃貸借の媒介には宅建業法第34条の2(媒介契約書面の作成交付・期間制限等)の適用がない
間違えやすいところ
- 一般媒介契約にも3か月の有効期間上限やレインズ登録証交付義務があると勘違いしやすい
- 建物の賃借の媒介契約にも売買と同様の媒介契約規制が及ぶと錯覚しやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第34条の2各項(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
クーリング・オフ制度における告知書面の記載事項
宅地建物取引業法 · クーリング・オフ / 告知書面 / 損害賠償・違約金の請求禁止 / 効力発生時期
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者Bの媒介により、宅地建物取引業者ではないCを買主とするマンションの売買契約を締結した場合における宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づく、いわゆるクーリング・オフについて告げるときに交付すべき書面(以下この問において「告知書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業法第37条の2および同法施行規則第16条の6に基づき、クーリング・オフの告知書面には、解除に伴う損害賠償・違約金の請求ができないことや、書面を発した時に効力が生じること等を記載しなければなりません。またクーリング・オフができなくなる要件は引渡しと代金全額支払の「双方」が満たされた場合です。
解き方
- クーリング・オフ告知書面の必要的記載事項(規則第16条の6)を確認する。
- 損害賠償・違約金請求不可の記載義務があるため、肢1が正しいと判断する。
- 肢2の「引渡し又は代金全額支払(正しくは両方)」、肢3の「到達時(正しくは発信時)」、肢4の「媒介業者Bの記載(売主Aのみ)」の誤りをそれぞれ確認する。
- 選択肢 1正解
- 申込みの撤回又は売買契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない旨は、告知書面の記載事項として規定されています。
- 選択肢 2不正解
- 買主が解除できなくなる要件は、目的物の引渡しを受け「かつ」代金の全部を支払った場合であり、「又は」とする本記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- クーリング・オフによる申込みの撤回又は解除は、その旨を記載した書面を「発した時」(発信主義)に効力が生じるため、「到達した時点」と記載するのは誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 告知書面に記載すべきは自ら売主である宅地建物取引業者Aの商号又は名称、住所及び免許証番号であり、媒介業者Bの記載までは求められていません。
覚えるポイント
- クーリング・オフの解除効力は書面を「発信した時」に生じる(到達時ではない)
- クーリング・オフができなくなるのは「引渡しを受け」かつ「代金の全額を支払った」とき(両方の充足が必要)
間違えやすいところ
- 引渡し「または」全額支払のいずれか一方でクーリング・オフができなくなると誤解しやすい
- 民法の原則(到達主義)に引きずられてクーリング・オフも相手方に到達した時に効力を生じると誤認しやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2第1項・第3項、同法施行規則第16条の6(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅建業法における諸規制(帳簿・行為能力・標識・秘密保持)
宅地建物取引業法 · 標識の掲示 / 帳簿の備付け / 行為能力の制限 / 秘密を守る義務
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業法上、標識の掲示は事務所だけでなく、一団の宅地建物の分譲を行う現地(物件の所在場所)や契約を行う案内所等にも義務付けられています。帳簿は事務所ごとに備え付ける必要があり、税務署等の適法な質問検査権への回答は「正当な理由」に該当するため守秘義務違反になりません。
解き方
- 肢1:帳簿の備付け場所を確認する(支店は事務所であるため必要)。
- 肢2:営業を許可された未成年者等の行為能力規定を確認するが、本肢は「成年である宅建業者」であり行為能力制限取消の前提を欠く。
- 肢3:法第50条第1項の標識掲示場所を確認する(一団の分譲をする現地の所在場所には標識掲示が必要)。
- 肢4:秘密を守る義務(法第45条)の「正当な理由がある場合」に法令上の質問検査権への回答が含まれるかを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 帳簿は「事務所ごとに」備え付けなければならないため、支店(事務所)には備え付ける必要があります(案内所には備付け不要)。
- 選択肢 2不正解
- 成年者はそもそも制限行為能力者ではないため、行為能力の制限を理由に取り消すことはできません。また成年と同一の行為能力を認められた未成年者も同様に取り消すことはできません。
- 選択肢 3正解
- 宅建業者は、事務所のほか、一団の宅地建物の分譲をする場合における当該物件の所在する場所にも標識を掲示しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 国税通則法等に基づく税務署職員の質問検査権への回答は法律上の義務であり、宅建業法上の秘密を守る義務の「正当な理由」に該当するため、回答することができます。
覚えるポイント
- 標識の掲示場所:事務所、一団の宅地建物分譲を行う現地、契約行為等を行う案内所など
- 帳簿は「事務所ごと」に備え付ける(支店は事務所なので必要、案内所は不要)
間違えやすいところ
- 帳簿を支店にも置く必要がある点(支店=事務所)を見落としやすい
- 法令上の調査・質問検査権に対する回答が守秘義務違反になると誤解しやすい
出題の前提:宅地建物取引業法第45条、第48条、第49条、第50条第1項(令和3年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
37条書面の記載事項および交付義務
宅地建物取引業法 · 37条書面 / 記名押印 / 手付金 / 記載事項
宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、本問において「37条書面」とは、同法第37条の規定により交付すべき書面を指す。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業法第37条書面は、契約内容を明確にして紛争を防止するために契約成立後遅滞なく交付される書面であり、専任・非専任を問わず宅地建物取引士の記名(押印※出題当時)が必要とされます。媒介や代理の業者だけでなく、自ら売主となる業者も原則として交付・記名義務を負います。
解き方
- 記述ア〜エについて、37条書面の交付義務者・記名義務者、必要的記載事項等の該当性を個別に判断する。
- 正しい記述の個数を数え、該当する選択肢を選択する。
- 選択肢 1正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、選択肢1が正解である。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、二つとする本肢は誤りである。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、三つとする本肢は誤りである。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、四つとする本肢は誤りである。
覚えるポイント
- 自ら売主Aと媒介業者Bの双方が関与する場合、双方の宅地建物取引士が37条書面に記名押印する必要がある。
- 37条書面の交付および記名は、取引の相手方が宅建業者であっても免除されない。
間違えやすいところ
- 代金以外の金銭の授受の定めがあるときは、その額だけでなく授受の時期・目的も必要的記載事項である点を見落としやすい。
- 重要事項説明(35条)は業者間取引で免除されるが、契約成立等書面(37条)の交付は業者間でも免除されない点。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法に基づく(出題当時の記名押印規定を前提とする)。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限(手付金等保全・損害賠償額の予定・割賦販売)
宅地建物取引業法 · 8種制限 / 手付金等保全措置 / 損害賠償額の予定 / 割賦販売
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないBを買主とする土地付建物の売買契約(代金3,200万円)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業者が自ら売主となり非宅建業者が買主となる場合、手付金等の保全措置(未完成物件は5%以下かつ1,000万円以下なら保全不要)、損害賠償額の予定の制限(合算で代金の2割以内)、割賦販売の所有権留保等の制限(代金の10分の3を超える額の支払を受けるまでに登記等を行う)などの8種制限が適用されます。
解き方
- 肢1:割賦販売の登記移転義務の基準額を計算する(代金3,200万円の10分の3=960万円)。800万円は3割を超えていないため義務は生じない。
- 肢2:未完成物件の保全措置基準を計算する(代金3,200万円の5%=160万円)。手付金100万+中間金60万=160万円は5%を超えていないため受領可能と判定する。
- 肢3:代金の2割=640万円に対し、予定額400万+違約金240万=640万円であり、2割を超えておらず有効である(超えても無効になるのは超過分のみ)。
- 肢4:予定額を定めていない場合は実損害額を請求できるため、請求額が2割に制限されるわけではない。
- 選択肢 1不正解
- 所有権の移転登記等を行わなければならない基準は代金の10分の3(960万円)を超える支払を受けるまでであり、800万円の段階では登記義務は生じないため誤りである。
- 選択肢 2正解
- 未完成物件では代金の5%(160万円)を超えて受領する場合に保全措置が必要となるが、合計160万円は5%を超えていないため保全措置なしで受領でき、正しい。
- 選択肢 3不正解
- 損害賠償の予定額と違約金の合計は代金の2割(640万円)以下であるため有効であり、特約が無効となるわけではないため誤りである。
- 選択肢 4不正解
- あらかじめ予定額を定めていないときは、債務不履行による実損害額を請求でき、請求額が代金の2割に制限されるわけではないため誤りである。
覚えるポイント
- 未完成物件の手付金等保全措置基準:代金の5%超または1,000万円超。
- 割賦販売における所有権留保禁止の解除基準:代金の10分の3を超える支払を受けるときまでに登記等を行う。
間違えやすいところ
- 「5%以下」なら不要であるところ、「5%」ちょうどを受領する場合に保全が必要と誤認しやすい。
- 2割制限を超えた場合も「全部無効」ではなく「2割を超える部分のみ無効」となる点。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第41条、第38条、第43条等に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
業務上の禁止事項・不当な勧誘等の禁止
宅地建物取引業法 · 手付の貸付け等 / 不当な勧誘 / 電話勧誘 / 手付金返還拒否
宅地建物取引業者の業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法第47条の2および施行規則等では、信用の供与による契約締結の誘引(手付の分割受領等)、事実を歪めた勧誘、勧誘に先立って行うべき事項(業者名・目的・勧誘者の氏名の告知)、申込み撤回時の預り金返還拒否などを厳格に禁止しています。
解き方
- 記述ア:手付の分割受領による契約締結誘引は手付貸付け等に該当し違反(第47条第3号)。
- 記述イ:事実を歪めて「今日しか待てない」と告げる行為は不当な勧誘等に該当し違反(第47条の2第3項)。
- 記述ウ:電話勧誘に先立って商号・名称だけでなく、勧誘を行う者の氏名および契約締結を勧誘する目的である旨を告げなければ違反(規則第16条の12第1号イ)。商号のみ告げるのは違反。
- 記述エ:賃貸借の申込み撤回時に実費等を理由として預り金の返還を拒むことは違反(規則第16条の12第1号ニ)。
- 違反するものの数を合算すると4つとなり、肢4を選択する。
- 選択肢 1不正解
- ア〜エのすべて(4つ)が違反するため、一つとする本肢は誤りである。
- 選択肢 2不正解
- ア〜エのすべて(4つ)が違反するため、二つとする本肢は誤りである。
- 選択肢 3不正解
- ア〜エのすべて(4つ)が違反するため、三つとする本肢は誤りである。
- 選択肢 4正解
- ア、イ、ウ、エの4つすべてが宅地建物取引業法の規定に違反するため、選択肢4が正解である。
覚えるポイント
- 電話勧誘の際、商号・名称だけでなく「勧誘を行う者の氏名」「勧誘目的である旨」を告げる必要がある。
- 申込みの撤回があった場合、受領した預り金は理由を問わず返還を拒んではならない。
間違えやすいところ
- 電話勧誘で商号・名称を名乗っているから適法と早合点しないこと(勧誘者の氏名と目的告知も必須)。
- 物件調査等の実費が発生していても、預り金からの差し引きや返還拒否は許されない。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第47条、第47条の2、施行規則第16条の12に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
報酬額の計算および受領限度額
宅地建物取引業法 · 報酬額の計算 / 媒介 / 代理 / 居住用建物 / 低廉な空家等
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることができる報酬額についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物の売買・貸借において宅建業者が受け取れる報酬額の上限は国土交通省告示により定められています。売主から代理、買主から媒介を受ける場合、業者全体で受け取れる報酬の限度額は媒介報酬限度額の2倍以内でなければなりません。
解き方
- 肢1:居住用建物の賃貸借では権利金をベースとした売買みなし計算は適用されず、賃料1か月分+税(22万円)が双方合計の上限となるため11万円とするのは誤り。
- 肢2:1,000万円の媒介上限は(1,000万×3%+6万)×1.1=39.6万円。依頼者双方からの受領合計上限は代理限度額である79.2万円。買主から30.3万円受領するため、売主からは79.2万-30.3万=48.9万円が上限となり正しい。
- 肢3:低廉な空家等の特例は400万円以下の宅地建物に適用されるが、現地調査費用等を加算できるのは売主(等)側のみであり、かつ上限は18万円+税(19.8万円)である。買主側や双方合計で44万円受領することはできない。
- 肢4:居住用建物以外の貸借では承諾がなくても一方から1か月分+税(22万円)まで受領可能であり、店舗兼住宅全体として11万円に制限されるわけではない。
- 選択肢 1不正解
- 居住用建物の賃貸借媒介では権利金を売買代金とみなす計算はできず、双方からの合計限度額は借賃1か月分に消費税を加えた22万円であるため誤りである。
- 選択肢 2正解
- 双方からの合計報酬上限は代理限度額の792,000円であり、買主から303,000円受領する場合、売主からは差引489,000円が上限となるため正しい。
- 選択肢 3不正解
- 低廉な空家等の特例による調査費用の加算は売主側からの受領に限られ(上限18万円+税)、双方合計で44万円を受領することはできないため誤りである。
- 選択肢 4不正解
- 店舗兼住宅は完全な「居住用建物」ではないため、依頼者の承諾の有無に関わらず一方から借賃1か月分(消費税等込で22万円)まで受領できる場合があり誤りである。
覚えるポイント
- 代理と媒介を同時に行う場合の報酬合計上限は、媒介報酬限度額の2倍(代理の限度額)。
- 居住用建物の賃貸借では、権利金があっても売買みなし計算はできない。
間違えやすいところ
- 低廉な空家等の特例において、買主側からも現地調査費用を加算して受領できると誤認しやすい(売主側のみ合算で18万円+税が上限)。
- 代理の限度額(2倍)と複数受領時の合計額規制(全体でも2倍以内)の計算関係。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第46条および国土交通省告示に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法
その他関連法規 · 住宅瑕疵担保履行法 / 指定住宅紛争処理機関 / 瑕疵担保保証金の供託 / 新築住宅
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅瑕疵担保履行法では、宅建業者が自ら売主として新築住宅を宅建業者以外の者に引き渡す際、資力確保措置(供託または保険加入)を義務付けています。保険契約を締結した場合は指定住宅紛争処理機関による紛争解決手続きを利用できますが、供託のみの場合は利用できません。
解き方
- 肢1:買主が宅建業者でない限り(建設業者であっても)、資力確保措置の義務は免除されないため誤り。
- 肢2:保険期間は引渡しから「10年以上」でなければならず、2年以上とするのは誤り。
- 肢3:保険契約を締結した場合、売主・買主双方が指定住宅紛争処理機関に申請できるため正しい。
- 肢4:瑕疵担保責任を免除・軽減する特約は品確法により無効であり、資力確保義務を免れることはできないため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 買主が宅地建物取引業者である場合は義務を負わないが、建設業者であっても宅建業者でなければ資力確保義務を負うため誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 住宅販売瑕疵担保責任保険契約の保険期間は、原則として引渡しの日から「10年以上」有効なものでなければならないため誤りである。
- 選択肢 3正解
- 保険契約を締結した場合、当事者は指定住宅紛争処理機関によるあっせん・調停・仲裁の申請を行うことができるため正しい。
- 選択肢 4不正解
- 構造耐力上主要な部分等の瑕疵担保責任を免除する特約は品確法により無効であり、資力確保義務がなくなることはないため誤りである。
覚えるポイント
- 指定住宅紛争処理機関を利用できるのは「保険」を締結した場合であり、「供託」のみの場合は利用できない。
- 資力確保措置が免除されるのは、買主が「宅地建物取引業者」である場合のみ。
間違えやすいところ
- 買主が「建設業者」である場合に資力確保措置が免除されると誤解しやすい(宅建業者のみ免除)。
- 供託方式と保険方式の違い(紛争処理機関の利用可否)を取り違えないこと。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
住宅金融支援機構の業務範囲
免除科目(その他) · 住宅金融支援機構 / 証券化支援事業 / 直接融資業務 / フラット35
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅金融支援機構の主たる業務は、民間金融機関の住宅ローン債権を買い取る証券化支援事業(買取型・保証型)です。その対象は自ら居住する住宅や親族の居住用住宅に限られ、投資用・賃貸用の住宅購入資金は対象外とされています(直接融資業務等で一定の賃貸住宅建設融資はあるが、買取型証券化支援の対象ではない)。
解き方
- 肢1:証券化支援事業(買取型)における譲受け対象債権の要件を確認する。賃貸住宅の購入資金は対象外であるため誤りと判断する。
- 肢2:機構の直接融資業務として、市街地再開発や合理的な土地利用に寄与する建築物の建設資金貸付けは行っているため正しい。
- 肢3:フラット35Sなど、省エネルギー性等に優れた住宅を取得する場合に金利を一定期間引き下げる制度が設けられているため正しい。
- 肢4:経済事情の変動等で返済が著しく困難になった場合の償還期間延長などの条件変更業務を行っているため正しい。
- 選択肢 1正解
- 証券化支援事業(買取型)の対象は自らまたは親族が居住するための住宅取得資金であり、賃貸住宅の購入資金に係る貸付債権は対象外であるため誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 機構は一定の市街地再開発・土地の合理的利用に寄与する建築物の建設資金の直接貸付けを行っているため正しい。
- 選択肢 3不正解
- 省エネルギー性や耐震性等に優れた住宅を取得する際に金利を引き下げる優遇措置(フラット35S等)を設けているため正しい。
- 選択肢 4不正解
- 返済が困難となった者に対して、償還期間の延長などの貸付条件の変更を行う業務を実施しているため正しい。
覚えるポイント
- 証券化支援事業(買取型)の対象は「自ら居住する住宅」または「親族の居住用住宅」であり、賃貸住宅は対象外。
- 機構の直接融資は、民間では困難な災害復興・都市再生・子育て世帯向け賃貸住宅等に限定される。
間違えやすいところ
- 機構が子育て共生賃貸住宅等の「建設」資金を直接融資する業務と、証券化支援事業(買取型)における「購入」資金の対象範囲を混同しやすい点。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行の独立行政法人住宅金融支援機構法第13条等に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の表示に関する公正競争規約(広告表示基準)
免除科目(その他) · 景品表示法 / 公正競争規約 / 駅からの距離 / 畳の広さ / 完成予想図
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
不動産の表示に関する公正競争規約では、消費者が誤認しないよう徒歩所要時間・距離、居室の広さ、完成予想図、二重価格表示等に明確な表示基準を定めています。団地の場合、駅に最も近い地点を基準とし、区分して取引するときは各区分ごとの表示が求められます。
解き方
- 肢1:居室の広さを畳数で表示する場合、畳1枚あたり1.62㎡以上の換算基準が定められており、敷かれている畳の枚数そのものをそのまま表示するわけではないため誤り。
- 肢2:団地と駅の距離は最も近い地点を起点・着点とし、区分して取引するときは各区分ごとに表示することとされており正しい。
- 肢3:完成予想図であっても、周囲に存在しない公園や施設を表示して周囲の環境を優良誤認させる表示は禁止されているため誤り。
- 肢4:二重価格表示において過去の公表価格を比較対照価格とできる期間は、値下げ時期から「6か月以内」等と規定されており、1年以内とするのは誤り。
- 選択肢 1不正解
- 居室の広さを畳数で表示する場合、畳1枚あたり1.62㎡(各室の壁心面積を1.62㎡で除した数値)で換算して表示する必要があるため誤りである。
- 選択肢 2正解
- 団地と駅の距離は最も近い地点を基準とし、数区に区分して取引するときは各区分ごとに距離を算出して表示しなければならないため正しい。
- 選択肢 3不正解
- 完成予想図であっても、現に存在しない周囲の公園等を描いて環境を著しく良好に見せるような表示は禁止されているため誤りである。
- 選択肢 4不正解
- 過去の公表価格を比較対照価格として用いることができる期間は、値下げ時期から6か月以内(公表後3か月以上販売されていたこと等が必要)であり、1年以内ではないため誤りである。
覚えるポイント
- 畳1枚の広さは「1.62㎡以上」として換算する。
- 団地と駅の距離:最も近い地点を基準とし、区分して取引するときは各区分ごとに表示する。
間違えやすいところ
- 完成予想図と注記すれば架空の緑地等を描いてもよいと誤認しやすい点。
- 二重価格表示の過去価格対照可能期間は「6か月以内」である点(1年ではない)。
出題の前提:不動産の表示に関する公正競争規約および同施行規則(令和3年4月1日基準)に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
不動産に関する統計データ(令和3年版)
免除科目(その他) · 地価公示 / 建築着工統計 / 土地白書 / 法人企業統計
次の記述のうち、公表されている統計資料によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
宅建士試験の問48では、試験年度の公表統計(地価公示、建築着工統計、法人企業統計、土地白書など)から最新の動向が出題されます。令和3年地価公示では、新型コロナウイルス感染症の影響により住宅地と商業地が下落に転じる一方、EC需要等を背景に工業地が堅調に上昇を維持しました。
解き方
- 肢1:令和2年の新設住宅着工戸数は約81.5万戸であるが、4年連続の「減少」であったため誤り。
- 肢2:令和2年の土地取引件数は約128万件であるが、前年比で減少し増加連続記録は途切れているため誤り。
- 肢3:令和3年地価公示では、全国平均で住宅地・商業地が下落に転じ、工業地は5年連続の上昇となったため正しい。
- 肢4:令和元年度の不動産業の営業利益は約4兆円台であり、5兆円を超えておらず前年度を下回ったため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 令和2年の新設住宅着工戸数は約81.5万戸であるが、4年連続の減少であり「増加に転じた」とする本肢は誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 令和2年の売買による土地所有権移転登記件数は約128万件であるが、前年比で減少(約131万件から減少)しており誤りである。
- 選択肢 3正解
- 令和3年地価公示において、全国平均で住宅地・商業地は下落に転じたが、工業地は5年連続の上昇を維持したため正しい。
- 選択肢 4不正解
- 令和元年度の不動産業の営業利益は約4兆4,400億円であり、5兆円を下回り前年度比でも減少したため誤りである。
覚えるポイント
- 令和3年地価公示:住宅地・商業地は下落に転落、工業地のみ5年連続上昇。
- 令和2年新設住宅着工戸数:約81.5万戸で4年連続減少。
間違えやすいところ
- 住宅着工戸数の戸数自体(約81.5万戸)は合っているが「増加に転じた」という増減トレンドの誤りに注意。
- 地価公示において全用途が下落したと誤認しやすい(物流需要等により工業地は上昇を維持)。
出題の前提:令和3年3月公表地価公示、令和3年1月公表建築着工統計等に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
土地の性質と自然災害の危険性
税・その他 · 土地の地形 / 自然災害 / 土石流
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
4
解説
土地の地形や地質構造は斜面災害の発生しやすさに直結します。崖錐(崖から崩れ落ちた土砂が堆積した場所)や谷の出口など堆積物が厚く存在する斜面や扇状地周辺は、大雨時に土石流の直撃を受ける危険性が極めて高い土地です。
解き方
- 各選択肢に示された地形・地質(森林、火山麓、破砕帯・崖錐、小河川の出口等)の防災上の特徴を確認する。
- 崖錐や小河川出口の堆積物が土石流に対して危険が大きいか少ないかを照らし合わせ、不適当な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおりです。森林は木材資源として有用であるだけでなく、表土の流出防止や雨水を蓄えて徐々に流出させる水源涵養機能、洪水緩和機能など多面的な防災機能を持っています。
- 選択肢 2不正解
- 記述のとおりです。活動度の高い火山の火山麓においては、噴火に伴う降灰や火砕流・溶岩流、噴出物と融雪・降雨による泥流などの火山災害に十分留意する必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 記述のとおりです。地表の林相が良好に見えても、地盤が脆弱な断層破砕帯や不安定な崖錐堆積物の上にある人工植林地(杉など)は、根系が深く定着しにくいため豪雨時に崩壊する危険があります。
- 選択肢 4正解
- 崖錐や小河川の出口で土砂などの堆積物が多い場所は、上流からの不安定な土砂が集中して流下しやすく、土石流の発生や被害の危険性が極めて高いため誤りです。
覚えるポイント
- 崖錐や谷出口の堆積地は土石流や斜面崩壊の危険が高い。
- 森林は水源涵養や洪水緩和の機能を持つが、地盤が破砕帯や崖錐なら豪雨で崩壊し得る。
間違えやすいところ
- 「堆積物が多い=地盤が平らで安全」と誤認して土石流リスクを過小評価してしまう。
- 森林で木が生えていればいかなる地質・斜面でも崩壊しないと誤認する。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令・一般的地形防災知識に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
建物の構造(鉄骨構造の特徴・用途)
税・その他 · 建築構造 / 鉄骨構造 / 建物の構造形式
建物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
3
解説
鉄骨構造(S造)は鋼材を骨組に用いた構造で、軽量かつ高強度・高靭性であるため、柱間隔の広い大空間建築や高層建築のほか、プレハブ住宅や一般店舗にも極めて広く普及しています。火熱に弱いため耐火被覆が必要となりますが、それによって住宅や店舗での利用が排除されるわけではありません。
解き方
- 鉄骨構造の構造形式(ラーメン、トラス等)や床材の工法(ALC板等)に関する記述の正誤を判定する。
- 鉄骨構造の実際の用途(高層ビル、大空間建物、住宅、店舗など)を検討し、実態と反する選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおりです。鉄骨構造は材料強度が高く部材断面を小さくできるため、トラスやラーメン等の骨組形式を用いて超高層建築や長スパン架構に好適に用いられます。
- 選択肢 2不正解
- 記述のとおりです。鉄骨造の床構造には、デッキプレート打ち込みコンクリートのほか、ALC板(既製気泡コンクリート板)やPC板(プレキャストコンクリート板)などが広く用いられます。
- 選択肢 3正解
- 鉄骨構造は耐火被覆を行うことで火熱に対する弱点を補っており、鉄骨プレハブ住宅をはじめとする戸建住宅や共同住宅、ロードサイド店舗など極めて多くの建物で広く実用化されています。
- 選択肢 4不正解
- 記述のとおりです。鉄骨構造は柱の少ない大きな無柱スパン架構(トラス構造等)を形成しやすいため、体育館、工場、倉庫などの大空間施設に頻繁に採用されます。
覚えるポイント
- 鉄骨構造は戸建住宅(軽量鉄骨造等)や店舗にも極めて一般的に用いられている。
- 鉄骨は高熱で強度が急減するため耐火被覆が必要となる。
間違えやすいところ
- 耐火被覆が必要というデメリットがあることから「住宅や店舗には使われない」と短絡的に思い込んでしまう。
- 鉄骨構造は工場や高層建築専用であり一般住宅には使われないと誤認する。
出題の前提:令和3年4月1日現在施行法令・建築構造の一般的知識に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2021年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.29 ↗(www.retio.or.jp)
2021年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2021年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・29ページ)

