令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2020年12月試験の概要
不法行為に関する民法の規定および判例
民法等 · 不法行為 / 使用者責任 / 監督義務者 / 消滅時効
不法行為(令和2年4月1日以降に行われたもの)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
不法行為では責任能力がない者の加害行為について監督義務者が責任を負いますが、同居配偶者であることのみをもって当然に法定の監督義務者となるわけではありません。
解き方
- 各選択肢について不法行為に関する条文規定および確立された最高裁判所判例の趣旨を確認する。
- 責任無能力者の配偶者が当然に法定の監督義務者となるわけではないという判例の規範を適用し、誤りである選択肢3を正解として特定する。
- 選択肢 1不正解
- 建物としての基本的な安全性を欠く設計・施工が行われた場合、契約関係のない第三者である居住者に対しても不法行為責任を負います(最判平19.7.6)。
- 選択肢 2不正解
- 被用者が損害を賠償したときは、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度で使用者に対して求償できます(最判平21.11.27)。
- 選択肢 3正解
- 同居の配偶者であることのみをもって直ちに民法第714条第1項にいう法定の監督義務者に当たると解することはできないとされています(最判平28.3.1)。
- 選択肢 4不正解
- 人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の主観的起算点からの消滅時効期間は、民法第724条の2により知った時から5年とされています。
覚えるポイント
- 認知症患者の配偶者は当然には法定監督義務者とならない(最判平28.3.1)。
- 生命身体害の不法行為時効は知った時から5年。
間違えやすいところ
- 配偶者という身分関係だけで自動的に民法714条の法定監督義務者になると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第714条、第724条の2および最高裁判所判例に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
代理権の行使と効力
民法等 · 代理権の濫用 / 双方代理 / 表見代理 / 無権代理の追認
AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和2年7月1日に授与した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
代理人が自己または第三者の利益を図る目的で権限内の行為をした場合、相手方が悪意または有過失であれば無権代理行為とみなされます(民法第107条)。
解き方
- 代理権の濫用(第107条)、双方代理(第108条)、代理権消滅後の表見代理(第112条)、無権代理の追認の効力発生時期(第116条)を確認する。
- 選択肢1が民法第107条の規定に完全に合致しており正しいと判断する。
- 選択肢 1正解
- 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で権限内の行為をし、相手方がその目的を知り又は知ることができたときは、無権代理とみなされます(民法第107条)。
- 選択肢 2不正解
- あらかじめ許諾を得ている等の例外を除き双方代理は禁止されており、損害発生の有無にかかわらず無権代理行為とみなされます(民法第108条第2項・第3項)。
- 選択肢 3不正解
- 代理権消滅後の表見代理(民法第112条第1項)が成立する場合、善意無過失の第三者Eに対して本人は引渡責任等の責任を負うことがあります。
- 選択肢 4不正解
- 無権代理行為の追認は、別段の意思表示がない限り契約の時にさかのぼって効力を生じます。「追認の時から」ではありません(民法第116条本文)。
覚えるポイント
- 代理権濫用は相手方が悪意または善意有過失のとき無権代理とみなされる。
- 追認の効力は契約時に遡及する。
間違えやすいところ
- 追認の効力が契約締結時に遡及する点を「追認の時から将来に向かって効力を生じる」と誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第107条、第108条、第112条、第116条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
親族(婚姻関係・未成年後見・共有推定等)
民法等 · 姻族関係の終了 / 財産分与 / 未成年後見人 / 夫婦財産の帰属
親族に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
婚姻中の財産関係において、いずれの特有財産であるか不明な財産は共有に属すると推定されます。また配偶者死亡による姻族関係終了には意思表示が必要です。
解き方
- 姻族関係の終了原因、財産分与の性質、未成年後見人の選任要件、夫婦の財産帰属に関する規定を順に検討する。
- 民法第762条第2項の規定に合致する選択肢4を正解として選択する。
- 選択肢 1不正解
- 離婚では姻族関係は当然に終了しますが、夫婦の一方が死亡した場合は当然には終了せず、生存配偶者の終了の意思表示によって終了します(民法第728条)。
- 選択肢 2不正解
- 財産分与は夫婦財産の清算や離婚後の扶養を主目的とするため、相手方に有責不法行為(不貞等)がなくても請求可能です(民法第768条第1項)。
- 選択肢 3不正解
- 家庭裁判所は請求等により未成年後見人を選任しますが、選任対象は「親族の中から」に限定されていません(民法第840条第1項)。
- 選択肢 4正解
- 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定されます(民法第762条第2項)。
覚えるポイント
- 配偶者死亡による姻族関係の終了は生存配偶者の意思表示が必要。
- 帰属不明の夫婦財産は共有と推定される。
間違えやすいところ
- 配偶者死亡時に姻族関係が自動的・当然に終了すると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第728条、第762条、第768条、第840条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
債務不履行の責任と費用負担
民法等 · 履行遅滞 / 受領遅滞 / 履行不能 / 原始的不能
債務不履行に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、債務は令和2年4月1日以降に生じたものとする。
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解答
2
解説
受領遅滞中に履行費用が増加したときは債権者の負担となります。また履行遅滞中に不可抗力で不能となった場合は債務者の帰責事由とみなされます。
解き方
- 債務不履行・受領遅滞に関する民法各条文(第412条、第413条、第413条の2、第415条等)を確認する。
- 受領遅滞における増加費用の負担者が債権者単独であることから、半額ずつ負担とする選択肢2が誤りであることを導く。
- 選択肢 1不正解
- 不確定期限のある債務は、期限到来後に履行の請求を受けた時又は期限到来を知った時のいずれか早い時から履行遅滞となります(民法第412条第2項)。
- 選択肢 2正解
- 債権者の受領遅滞により履行費用が増加したときは、その増加額は「債権者の負担」と規定されており、折半ではありません(民法第413条第2項)。
- 選択肢 3不正解
- 債務者が遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によって履行不能となったときは、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされます(民法第413条の2第1項)。
- 選択肢 4不正解
- 原始的不能であっても、契約成立時に債務者の帰責事由がある限り、債権者は債務不履行による損害賠償を請求することができます(民法第412条の2第2項、第415条)。
覚えるポイント
- 受領遅滞による増加費用は債権者が全額負担する。
- 不確定期限は「到来を知った時」又は「請求を受けた時」の早い方から遅滞。
間違えやすいところ
- 受領遅滞時の増加費用を公平の観点から債権者と債務者で折半すると誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第412条、第413条第2項、第413条の2、第415条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
消滅時効の援用権者・完成猶予・更新
民法等 · 時効の援用 / 裁判上の請求 / 権利の承認 / 夫婦間の時効の完成猶予
時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、時効の対象となる債権の発生原因は、令和2年4月1日以降に生じたものとする。
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解答
2
解説
裁判上の請求は手続中は時効の完成が猶予され、確定判決等で確定すれば更新されますが、取下げ等で確定なく終了した場合は終了から6箇月間の完成猶予にとどまります。
解き方
- 民法における時効の援用権者、時効の完成猶予および更新(第147条、第152条、第159条)の要件を整理する。
- 取下げの場合は「更新」ではなく「6箇月間の完成猶予」であることから、選択肢2を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 時効を援用できる当事者とは権利の消滅について正当な利益を有する者であり、保証人、物上保証人、第三取得者も含まれます(民法第145条)。
- 選択肢 2正解
- 裁判上の請求が確定判決等によらず取下げ等で終了したときは、その終了時から6箇月を経過するまで時効完成が猶予されるのみで、新たに時効は進行しません(民法第147条第1項)。
- 選択肢 3不正解
- 承認には処分能力や管理能力を要しないため、被保佐人等の制限行為能力者が保佐人の同意等を得ずに行った承認も有効です(民法第152条第2項)。
- 選択肢 4不正解
- 夫婦の一方が他方に対して有する権利は、婚姻の解消の時から6箇月を経過するまでの間は時効が完成しません(民法第159条)。
覚えるポイント
- 訴えを取り下げた場合は「終了から6箇月間の完成猶予」にとどまり更新しない。
- 権利の承認には処分能力は不要。
間違えやすいところ
- 裁判上の請求が取下げ等で終わった場合に時効がリセット(更新)されてゼロから再スタートすると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第145条、第147条、第152条、第159条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
賃貸借および適法転貸借の法律関係
民法等 · 転貸借 / 合意解除 / 用法違反 / 賃貸人の地位の移転 / 転借人の義務
AはBにA所有の甲建物を令和2年7月1日に賃貸し、BはAの承諾を得てCに適法に甲建物を転貸し、Cが甲建物に居住している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
適法転貸借において原賃貸借契約の合意解除は原則として転借人に対抗できませんが、解除当時に適法な解除権を有していたときは転借人に対抗できます(判例)。
解き方
- 適法転貸借における原契約の合意解除の対抗力、期間制限、賃貸人地位の移転、転借人の直接義務の規定・判例を確認する。
- 債務不履行による解除権が存在していた場合は合意解除であっても転借人に対抗できるとする判例に反する選択肢1を誤りと判断する。
- 選択肢 1正解
- 合意解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による法定解除権を有していたときは、合意解除であっても転借人に対抗することができます(最判昭37.3.29等)。
- 選択肢 2不正解
- 用法違反による損害賠償請求は、賃貸人が目的物の返還を受けた時から1年以内に行わなければなりません(民法第600条第1項、第622条)。
- 選択肢 3不正解
- 対抗要件を備えた建物の譲渡があった場合、別段の合意がない限り賃貸人の地位は譲受人に当然移転します(民法第605条の2第1項)。
- 選択肢 4不正解
- 転借人は賃貸人に対し直接義務を負い、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することはできません(民法第613条第1項・第3項)。
覚えるポイント
- 債務不履行解除権がある状態での合意解除は転借人に対抗できる。
- 転借人は賃料の前払いを賃貸人に対抗できない。
間違えやすいところ
- 合意解除はいかなる場合であっても絶対に転借人に対抗できないと一律に決めつけてしまう点に注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第600条、第605条の2、第613条および最高裁判所判例に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
売買契約における債務不履行・法定利率・錯誤
民法等 · 数量不足 / 履行不能の損害賠償 / 法定利率 / 錯誤取消し
Aを売主、Bを買主として、令和2年7月1日に甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
債務不履行による損害賠償は債務者に帰責事由がない場合を除き請求できます。なお改正民法により法定利率は年3%となり、錯誤は無効ではなく取消しの対象です。
解き方
- 売買契約不適合責任(権利・数量)、履行不能の損害賠償、法定利率(改正後)、錯誤の効力に関する規定を照合する。
- 民法第415条第1項の原則規定に正確に合致する選択肢2を正解と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 数量不足等の不適合には「知った時から1年以内の通知」という期間制限規定(民法第566条)は適用されず、また「2年以内」とする規定もありません。
- 選択肢 2正解
- 債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときを除き、債権者は損害賠償の請求をすることができます(民法第415条第1項)。
- 選択肢 3不正解
- 特段の定めがない場合の法定利率は、令和2年4月1日施行の民法改正により年3%(変動制)と規定されています(民法第404条第2項)。
- 選択肢 4不正解
- 民法改正により錯誤の効果は「無効」から「取消し」に変更され、また表意者に重大な過失がある場合は原則として取消しを主張できません(民法第95条)。
覚えるポイント
- 改正民法で法定利率は年3%(当初)。
- 錯誤の効果は「無効」ではなく「取消し」。
- 数量不足には1年の通知期間制限の適用がない。
間違えやすいところ
- 法定利率が旧民法の「年5%」のままであると誤認したり、錯誤の効果を「無効」と誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第95条、第404条、第415条、第565条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
法定相続分の計算(代襲相続および直系尊属の相続)
民法等 · 代襲相続 / 直系尊属の相続分 / 法定相続分の割合
1億2,000万円の財産を有するAが死亡した場合の法定相続分についての次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものの組み合わせはどれか。 ア Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 イ Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、B及びCがそれぞれ3,000万円、Dが6,000万円である。 ウ Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 エ Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、E及びFがそれぞれ3,000万円、Gが6,000万円である。
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解答
3
解説
代襲相続人は被代襲者が受けるべきであった相続分を承継して均等分します。直系尊属が同順位で複数人いる場合は、父方母方に関係なく頭数で均等に分割します。
解き方
- ア・イの検討:長男の系統と次男の系統が1/2(6,000万円)ずつ。長男の子B・Cは長男分を等分して各3,000万円、次男の子Dは6,000万円となり、イが正しい。
- ウ・エの検討:直系尊属のみが相続人の場合、相続分は各自均等(民法第900条第4号)となり、祖父母3人(E, F, G)で1億2,000万円を等分して各4,000万円となるため、ウが正しい。
- イとウの組み合わせである選択肢3を正解として決定する。
- 選択肢 1不正解
- アが誤りでウが正しいため、この組み合わせは誤りです。代襲相続分は孫同士の頭割りにはなりません。
- 選択肢 2不正解
- アおよびエの双方が誤りであるため、この組み合わせは誤りです。
- 選択肢 3正解
- イとウの双方が民法の法定相続分の算定方法に合致して正しいため、正解の組み合わせとなります。
- 選択肢 4不正解
- イは正しいですがエが誤り(直系尊属間で父方母方による分配は行わない)であるため、誤りです。
覚えるポイント
- 代襲相続人は被代襲者の枠の中で均等分割する。
- 直系尊属が複数いる場合は父方・母方に関係なく頭割り。
間違えやすいところ
- 祖父母が相続人になる場合に「父方半分・母方半分」に分けてから分割すると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の民法第887条、第889条、第900条、第901条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
地役権の成立および対抗関係
権利関係 · 地役権 / 時効取得 / 付従性
地役権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
地役権は、自己の土地(要役地)の便益のために他人の土地(承役地)を利用する物権です。地役権の時効取得には、他人の土地の平穏を害さないよう「継続的な行使」と「外形上の認識可能性」の双方が求められます。
解き方
- 地役権の時効取得の成立要件(民法第283条)を確認し、接続詞が「かつ」であるか「又は」であるかを検証する。
- 肢1は要件を「又は」としており誤りであるため、正答肢として特定する。
- 選択肢 1正解
- 民法第283条により、地役権を時効取得するには「継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるもの」でなければならないため、誤り(正解)です。
- 選択肢 2不正解
- 民法第280条本文に定められている通り、地役権者は設定行為の目的に従い承役地を要役地の便益に供する権利を有するため、記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 民法第286条により、承役地の所有者が負担した工作物の設置・修繕義務は、その特定承継人に対しても承継されるため、記述は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 判例によれば、地役権の付従性により、要役地の所有権取得を承役地所有者に対抗できるときは、特段の登記がなくても地役権の取得を対抗できるため、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 地役権の時効取得要件は「継続的に行使」かつ「外形上認識可能」の両方が必須
間違えやすいところ
- 「かつ」と「又は」のすり替えを見落とすミスに注意する
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(民法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
共有持分の性質と帰属
権利関係 · 共有 / 持分の放棄 / 相続人不存在
不動産の共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
共有物において共有者の一人が持分を放棄したとき、または相続人なくして死亡したときは、民法第255条の規定により、その持分は他の共有者に帰属します(特別縁故者への財産分与の手続きを経た後も残余がある場合を含む)。
解き方
- 共有持分の割合の推定、変更、保存行為に関する民法各条文の正誤を検討する。
- 相続人が不存在の共有持分は民法第255条により他の共有者に帰属することを確認し、国庫帰属とする肢4を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 民法第250条により、各共有者の持分の割合が明らかでないときは、その持分は平等なものと推定されるため、記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 民法第251条により、各共有者は他の共有者全員の同意を得なければ共有物に変更を加えることができないため、記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 民法第252条ただし書により、共有物の保存行為は各共有者が単独で行うことができるため、記述は正しいです。
- 選択肢 4正解
- 民法第255条により、共有者の一人が死亡して相続人がないときはその持分は他の共有者に帰属するため、「国庫に帰属する」とする本記述は誤り(正解)です。
覚えるポイント
- 共有者が相続人なしで死亡した場合、その持分は他の共有者に帰属する(民法第255条)
間違えやすいところ
- 相続財産一般が国庫に帰属するルール(民法959条)と共有持分の特別規定を混同しないようにする
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(民法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
借地権の対抗力
権利関係 · 借地借家法 / 対抗要件 / 登記 / 建物滅失
借地権の対抗力に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
借地借家法第10条第1項により、借地権は土地上に登記された建物を所有していれば第三者に対抗できます。この建物登記には権利に関する登記のみならず表示に関する登記(表題登記)も含まれます。また、一筆の土地上の複数建物のうち1棟に登記があれば土地全部に対抗力が及びます。
解き方
- 肢1〜3の各対抗要件(表示登記の可否、滅失後の要件、転借人の対抗力)についての規定・判例を精査する。
- 一筆の土地上にある複数建物の登記効力に関する判例を確認し、肢4が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 借地借家法第10条第1項における「建物の登記」には、所有権の登記だけでなく建物の表示の登記(表題登記)も含まれるため、誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 建物滅失の場合に対抗力を維持するには、所定事項の見やすい掲示が必要であり、かつ滅失日から2年を経過した後は新たに建物を築造してその登記をしなければ対抗力を失うため、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適法な転貸借においては、原賃借人(転貸人)が借地権の対抗要件を備えていれば、転借人自らが対抗要件を備えていなくても第三者に対抗できるため、誤りです。
- 選択肢 4正解
- 判例(最判昭40.3.17)により、一筆の土地上に複数の建物がある場合、そのうちの1棟に登記があれば借地権の対抗力は土地全体に及ぶため、正しいです。
覚えるポイント
- 一筆の土地上の数棟の建物のうち1棟でも登記があれば土地全部に借地権の対抗力が及ぶ
間違えやすいところ
- 借地権の対抗要件となる建物の登記には「表示の登記(表題登記)」も含まれる点を見落とさないこと
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(借地借家法・民法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
居住用建物の賃貸借における修繕・解除・終了・承継
権利関係 · 借家 / 定期建物賃貸借 / 賃借権の承継 / 修繕権
賃貸人Aと賃借人Bとの間で令和2年7月1日に締結した居住用建物の賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
定期建物賃貸借(借地借家法第38条)では、契約締結に先立って、建物の賃貸借は契約の更新がなく期間満了により終了する旨を記載した「書面を交付して説明」しなければなりません。交付を欠く場合は更新がない旨の定めが無効となります。
解き方
- 民法上の賃借人による修繕権(民法第607条の2)、無断転貸における信頼関係破壊の法理、内縁の配偶者による承継(借地借家法第36条)の正誤を確認する。
- 定期建物賃貸借の成立要件として「書面の交付による事前説明」が必要であることを確認し、肢3を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 民法第607条の2第1号により、賃借人が修繕の必要を通知したのに賃貸人が相当期間内に修繕しないときは、賃借人が自ら修繕できるため、記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 判例(信頼関係破壊の法理)により、無断転貸があっても賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは解除できないため、記述は正しいです。
- 選択肢 3正解
- 借地借家法第38条第2項により、定期建物賃貸借の事前説明はあらかじめ「書面を交付して」行わなければならないため、書面交付の要件を欠く本記述は誤り(正解)です。
- 選択肢 4不正解
- 借地借家法第36条により、居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、事実上の婚姻関係にあった同居者は1か月以内に反対の意思表示をしない限り賃借権を承継するため、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 定期建物賃貸借の事前説明は「あらかじめ書面を交付して説明」することが必須要件
間違えやすいところ
- 契約書自体の書面化だけでなく、事前説明にも独立した書面の交付が必要であることの失念
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(民法・借地借家法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
区分所有法における規約・集会決議・管理者
権利関係 · 区分所有法 / 規約 / 管理所有 / 特定承継人 / 管理者の解任
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
区分所有法では、建物および敷地の円滑な共同管理を維持するため、規約および集会の決議の効力は、決議後に専有部分を買い受けた特定承継人(買主など)に対してもそのまま及びます(区分所有法第46条第1項)。
解き方
- 規約の保管場所の掲示義務(法33条2項)、管理所有(法27条1項)、管理者の解任要件(法25条1項)を確認する。
- 規約および集会決議の特定承継人に対する効力(法46条1項)を確認し、効力を否定する肢3を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有法第33条第2項により、規約の保管場所は建物内の見やすい場所に掲示しなければならないため、記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 区分所有法第27条第1項により、管理者は規約に特別の定めがあるときは共用部分を所有(管理所有)することができるため、記述は正しいです。
- 選択肢 3正解
- 区分所有法第46条第1項により、規約及び集会の決議は区分所有者の特定承継人に対しても効力を生じるため、「効力を生じない」とする本記述は誤り(正解)です。
- 選択肢 4不正解
- 区分所有法第25条第1項により、管理者は規約に別段の定めがない限り集会の普通決議によって選任・解任できるため、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 区分所有法の規約・集会決議は区分所有者の包括承継人だけでなく特定承継人にも効力を及ぼす
間違えやすいところ
- 包括承継人(相続人)には及ぶが特定承継人(買主等)には及ばないと勘違いする誤り
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(区分所有法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記法における分筆・表題登記・閲覧
権利関係 · 不動産登記法 / 分筆の登記 / 表題登記 / 附属書類の閲覧
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産登記において、土地の分筆登記は土地に所有権以外の権利(抵当権等)が設定・登記されていても禁止されておらず、申請が可能です。一方、登記申請書などの附属書類の閲覧は個人情報保護等の観点から利害関係を有する部分に限られます。
解き方
- 不動産登記法における分筆の登記の制限事項を検討する(合筆には厳格な制限があるが分筆には制限が極めて少ない)。
- 所有権以外の登記がある土地でも分筆できることを確認し、肢2を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産登記法第30条により、表題部所有者について相続があったときは、その相続人が当該表示に関する登記を申請できるため、記述は正しいです。
- 選択肢 2正解
- 所有権以外の権利に関する登記がある土地であっても分筆の登記をすることは可能であるため、「することができない」とする本記述は誤り(正解)です。
- 選択肢 3不正解
- 不動産登記法第48条第1項により、新築された区分建物の表題登記申請は、一棟の建物についての表題登記の申請と併せて行わなければならないため、記述は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 不動産登記法第121条第2項により、登記の申請書等の附属書類の閲覧は請求人が利害関係を有する部分に限り認められるため、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 合筆の登記には多くの制限があるが、分筆の登記は担保権等の登記があっても可能
間違えやすいところ
- 合筆制限(権利関係が合致しないと合筆できない)のルールを分筆と混同しないこと
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(不動産登記法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における区域・施設および事業の指定
法令上の制限 · 都市計画法 / 市街地開発事業 / 都市計画区域 / 準都市計画区域 / 高度地区
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」であるため、面的開発を伴う市街地開発事業を定めることはできません。また、都市計画区域の指定権者は原則として都道府県(2以上の都府県にまたがる場合は国交大臣)です。
解き方
- 義務的都市施設(法13条1項11号)の内容を確認する(「道路・公園・下水道」であり病院ではない)。
- 市街化調整区域における市街地開発事業の定めの可否(法13条1項12号)を確認し、肢2が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法第13条第1項第11号により、少なくとも定めなければならない義務的都市施設は「道路、公園及び下水道」であり、病院は含まれないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 都市計画法第13条第1項第12号により、市街地開発事業は市街化調整区域内においては定めることができないため、記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画法第5条により、都市計画区域の指定は市町村ではなく、原則として都道府県(複数の都府県にまたがる場合は国土交通大臣)が行うため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画法第8条第1項等により、準都市計画区域においても高度地区を定めることができるため、誤りです。
覚えるポイント
- 市街化調整区域には市街地開発事業を定めることができない(市街化を抑制するため)
- 義務的都市施設は「道路、公園、下水道」の3つ
間違えやすいところ
- 都市計画区域の指定権者を市町村と誤認するミスに注意する
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(都市計画法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における開発許可の要否
法令上の制限 · 開発許可 / 市街化調整区域 / 公益上必要な建築物 / 適用除外
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積については、条例による定めはないものとし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
都市計画法上の開発許可では、公益上必要な建築物(公民館、鉄道施設、図書館など)の建築や非常災害の応急措置を目的とする開発行為は、区域区分や面積を問わず全国一律で許可不要とされています。一方、市街化調整区域では農林漁業従事者の住宅等の特例を除き、自己居住用住宅であっても規模にかかわらず開発許可が必要です。
解き方
- 各選択肢の区域区分(市街化区域、市街化調整区域、非線引区域)と目的・規模を整理する。
- 公民館が法第29条第1項第3号の公益上必要な建築物として許可不要であることを確認し、肢2を正しいと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法第29条第1項第4号および第2項により、非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為は、区域や面積に関係なく許可不要であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 都市計画法第29条第1項第3号により、公民館等の公益上必要な建築物の建築を目的とする開発行為は、区域や面積を問わず許可が不要であるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 非線引都市計画区域において許可が必要となる開発行為の面積は原則として3,000㎡以上であるため、2,000㎡の開発行為は許可不要であり、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 市街化調整区域では、自己の居住用住宅であっても小規模による適用除外はなく、面積にかかわらず都道府県知事の許可が必要であるため誤りです。
覚えるポイント
- 公民館・駅舎・図書館・変電所等の公益上必要な建築物は、どこでも開発許可不要(病院・学校・庁舎等は許可必要)
間違えやすいところ
- 公民館が公益上必要な建築物として許可不要であることと、病院・診療所・学校等の扱いを混同しないこと
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(都市計画法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法の規定(防火地域・耐火建築物・避雷設備・階段の手すり)
法令上の制限 · 建築基準法 / 防火地域・準防火地域 / 避雷設備 / 階段の手すり
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
建築基準法における地域内外にわたる制限の適用ルールでは、用途地域等の敷地制限は過半主義(面積が大きい方)がとられますが、防火地域・準防火地域にわたる建築物については火災の延焼を防ぐため、原則としてより厳しい地域の規定が建築物全体に適用されます。
解き方
- 建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合の適用基準(原則としてより厳しい防火地域の規定が全部に及ぶ)を確認する。
- 特殊建築物の耐火義務、避雷設備の設置義務高さ(20m超)、階段手すりの設置義務免除(高さ1m以下)を照合して誤りを含む選択肢を特定する。
- 選択肢 1正解
- 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、原則としてその全部について、より厳しい「防火地域」内の建築物に関する規定が適用されます。敷地の過半(面積が大きい方)の規定が適用されるわけではないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 倉庫などの特殊建築物で、その用途に供する3階以上の部分の床面積の合計が200㎡以上(本肢では500㎡)であるものは、耐火建築物としなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 高さ20mを超える建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければなりません。本肢の建築物は高さ25mであるため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 階段には手すりを設けることが義務付けられていますが、高さ1m以下の階段の部分については手すりを設けなくてもよいため正しい記述です。
覚えるポイント
- 建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合は、原則として厳しい方の防火地域の規定が建築物全部に適用される。
間違えやすいところ
- 用途地域の制限(敷地の過半が属する地域を適用)と、防火規制(厳しい方を全部に適用)を混同しないように注意する。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の建築基準法第65条、第27条、第33条、同法施行令第25条
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法の規定(壁面線・特別用途地区・建蔽率の適用除外・北側斜線制限)
法令上の制限 · 建築基準法 / 壁面線 / 特別用途地区 / 建蔽率 / 北側斜線制限
次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
北側斜線制限は北側隣地の通風・採光等を保護する目的で設けられており、低層住居系の良好な住居環境を守る地域(第1種・第2種低層住居専用地域、田園住居地域)および中高層住居専用地域に適用されます。
解き方
- 壁面線制限、特別用途地区における用途制限の緩和手続、建蔽率100%(適用除外)の要件を照合する。
- 北側斜線制限が適用される用途地域(低層・中高層・田園住居地域)を確認し、田園住居地域に適用されないとする肢4の誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 壁面線が指定された場合、建築物の壁もしくは柱は原則として壁面線を越えて建築できません。地盤面下の部分や特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱等は適用除外となるため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 特別用途地区内では、地方公共団体はその地区の指定目的に応じて、国土交通大臣の承認を得て条例により用途制限を強化または緩和することができるため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 指定建蔽率が80%の地域内で、かつ「防火地域内にある耐火建築物等」に該当する場合は、建蔽率の制限が適用除外となり、建蔽率は100%となるため正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- 北側斜線制限は、第1種・第2種低層住居専用地域、田園住居地域、および第1種・第2種中高層住居専用地域に適用されます。田園住居地域に適用されないとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 北側斜線制限が適用されるのは「低層(1・2種)」「中高層(1・2種)」「田園住居地域」の5つの用途地域である。
間違えやすいところ
- 田園住居地域は低層住居専用地域に準じた厳しい環境基準が課されるため、北側斜線制限や高さ制限(10mまたは12m)が適用される点を見落としやすい。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の建築基準法第47条、第49条第2項、第53条第6項第1号、第56条第1項第3号
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法(規制区域の指定権者・擁壁の設計資格・立入調査・工事完了検査)
法令上の制限 · 宅地造成等規制法 / 宅地造成工事規制区域 / 擁壁の設計資格 / 損失補償 / 完了検査
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地造成等規制法において、宅地造成工事規制区域を指定するのは関係市町村長の意見を聴いた都道府県知事(または指定都市等の長)です。国土交通大臣が指定するわけではありません。
解き方
- 宅地造成工事規制区域の指定権者が誰であるか(都道府県知事等)を確認する。
- 肢1の「国土交通大臣が指定することができる」という記述が誤りであることを特定する。
- 選択肢 1正解
- 宅地造成工事規制区域の指定を行う権限を持つのは「都道府県知事等」であり、国土交通大臣ではありません。したがって誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 高さが5mを超える擁壁の設置や、切土・盛土をする土地の面積が1,500㎡を超える土地における排水施設の設置等は、政令で定める一定の資格を有する者の設計による必要があるため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 都道府県知事等は区域指定の調査のために他人の土地に立ち入ることができますが、これによって損失を与えたときは、通常生ずべき損失を補償しなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 宅地造成の工事許可を受けた造成主は、工事が完了したときは都道府県知事等の完了検査を受けなければならないため正しい記述です。
覚えるポイント
- 宅地造成工事規制区域の指定権者は「都道府県知事等」であり、国土交通大臣ではない。
間違えやすいところ
- 資格者設計が必要な擁壁の高さ要件(5m超)と、宅地造成工事の許可対象となる擁壁の高さ要件(切土2m超・盛土1m超等)を混同しないように区別する。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の旧宅地造成等規制法第3条第1項、第5条、第6条、第9条第2項、第13条第1項
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法の規定(照応の原則・過小宅地・清算金・減価補償金)
法令上の制限 · 土地区画整理法 / 照応の原則 / 仮換地 / 清算金 / 過小宅地
土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
土地区画整理法第89条第1項により、換地計画における換地の指定は「位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等」が従前の宅地と照応するように定めなければならないと規定されています(照応の原則)。
解き方
- 各肢の規定(減価補償金の対象者、清算金の時期、換地計画の照応の原則、過小宅地特例の施行者要件)を照合する。
- 肢3の照応の原則が法第89条第1項の条文そのままの正しい規定であると確認する。
- 選択肢 1不正解
- 減価補償金が支払われる相手方は、従前の宅地についての所有権者および借地権者等(宅地そのものの権利者)であり、従前の宅地に存する建築物の賃借権者ではありません。したがって誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 清算金の徴収または交付は、原則として換地処分の公告があった後に確定して行われます。仮換地を指定した時に清算金を徴収・交付するわけではないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 換地計画において換地を定める場合、換地および従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければなりません(法第89条第1項、照応の原則)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 過小宅地とならないように換地を定めることができる特例(増換地等)が認められているのは、都道府県、市町村、機構等の公的施行者に限られており、土地区画整理組合(民間施行)には認められていないため誤りです。
覚えるポイント
- 換地計画の基本原則は「位置・地積・土質・水利・利用状況・環境等」が照応するように定める「照応の原則」である。
間違えやすいところ
- 清算金の決定・徴収・交付の時期は「仮換地指定時」ではなく「換地処分後」である点に注意する。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の土地区画整理法第89条第1項、第91条第4項、第109条第1項、第110条
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
農地法の規定(農地の定義・贈与・競売による取得・転用許可)
法令上の制限 · 農地法 / 農地の定義 / 第3条許可 / 競売 / 転用許可
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
農地法上の農地であるかは登記簿の地目ではなく現況によって判断されます(現況主義)。また、農地の権利移転(法3条)は売買だけでなく贈与や競売による取得であっても原則として許可が必要です。
解き方
- 農地法の現況主義(地目が山林でも現況が農地なら農地法が適用される)を確認する。
- 権利移転において生前贈与や競売であっても第3条許可が原則として必要であることを確認し、肢3が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 農地に該当するかどうかは登記簿上の地目にかかわらず、その土地の現況によって判断されます(現況主義)。現に耕作されている土地であれば農地に該当するため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 親から子への贈与(生前贈与)であっても権利移転にあたるため、原則として農地法第3条第1項の許可を受ける必要があります(相続の場合は届出で足りるが、贈与は許可が必要)。したがって誤りです。
- 選択肢 3正解
- 競売によって農地を取得する場合であっても、農地法第3条第1項の許可を受ける必要があります(入札にあたってあらかじめ農業委員会の買受適格証明書が必要となります)。したがって正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 市街化区域外で4haを超える農地を転用する場合であっても、許可権者は都道府県知事(指定市町村の区域内では指定市町村の長)であり、農林水産大臣の許可ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 農地法では「現況主義」が徹底されており、登記簿上の地目が何であれ客観的現況が農地なら農地法の対象となる。
- 競売や生前贈与による権利取得も第3条許可が必要である(相続による取得は許可不要で届出)。
間違えやすいところ
- 相続による農地取得(許可不要・届出必要)と、生前贈与による農地取得(原則通り3条許可必要)を混同しないようにする。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の農地法第2条第1項、第3条第1項、第4条第1項
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法の規定(事後届出の対象面積・対象契約・勧告・罰則)
法令上の制限 · 国土利用計画法 / 事後届出 / 地上権設定 / 勧告 / 罰則
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
国土利用計画法の事後届出は、都市計画区域外では10,000㎡以上の土地売買等の契約(対価を得て権利の設定・移転をする契約)について、権利取得者が契約締結日から2週間以内に知事へ届け出なければなりません。当事者の一方が国や地方公共団体等の場合は免除されます。
解き方
- 各肢の要件(勧告の対象事項、無届出の罰則、当事者が国である場合の適用除外、都市計画区域外の面積基準と契約類型)を確認する。
- 都市計画区域外(基準面積10,000㎡以上)における11,000㎡の地上権設定契約(対価あり)は事後届出が必要であるため、肢4が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 事後届出において都道府県知事が勧告できるのは「土地の利用目的」のみであり、「対価の額」について勧告することはできません。したがって誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 事後届出を怠った者には「6月以下の懲役又は100万円以下の罰金」という罰則が科されます。また知事から届出を行うよう勧告される規定もないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 売買等の契約の当事者の一方または双方が国や地方公共団体等である場合には、事後届出を行う必要はありません。本肢は国から購入しているため届出不要であり、誤りです。
- 選択肢 4正解
- 都市計画区域外における事後届出の規模基準は10,000㎡以上です。対価を支払って地上権を設定する契約は「土地売買等の契約」に該当し、11,000㎡であるため権利取得者Cは事後届出を行わなければなりません。したがって正しい記述です。
覚えるポイント
- 事後届出の面積基準:市街化区域2,000㎡以上、市街化調整区域及び非線引き5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上。
- 事後届出制で知事が勧告できるのは「利用目的」のみ(対価の額は勧告不可)。無届出には罰則がある。
間違えやすいところ
- 事前届出制(注視区域・監視区域)では「対価の額」も勧告対象となるが、通常の「事後届出制」では対価の額は勧告対象外である点を取り違えやすい。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の国土利用計画法第23条、第24条第1項、第47条第1号
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
住宅用家屋の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置
税・その他 · 登録免許税 / 住宅用家屋の軽減税率 / 取得後1年以内 / 課税標準
住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
租税特別措置法に基づく住宅用家屋の軽減税率は、個人が自己の居住の用に供する家屋を取得(売買・競落)し、新築または取得後1年以内に登記を受ける場合に適用されます。課税標準は実際の売買代金ではなく固定資産課税台帳登録価格です。
解き方
- 住宅用家屋の所有権移転登記の特例の要件(取得後1年以内の登記、売買または競落による取得、固定資産課税台帳登録価格の適用、利用回数制限の有無)を確認する。
- 肢1の「取得後1年以内に登記を受けなければならない」が正しい規定であることを特定する。
- 選択肢 1正解
- 住宅用家屋の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置を受けるためには、やむを得ない事情がある場合を除き、取得後1年以内に登記を受けなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- この軽減措置が適用される取得原因は「売買」または「競落」に限られており、相続や贈与による取得には適用されないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 登録免許税の課税標準となる不動産の価額は、売買契約書に記載された実際の取引価格ではなく、原則として「固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)」であるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- この軽減措置には利用回数の制限はなく、要件を満たせば過去に適用を受けた者であっても再度適用を受けることができるため誤りです。
覚えるポイント
- 登録免許税の住宅用家屋軽減措置は「取得後1年以内の登記」「自己居住用」「売買・競落限定(相続・贈与は対象外)」が主要要件である。
間違えやすいところ
- 課税標準は実際の取引価格ではなく「固定資産税評価額(固定資産課税台帳登録価格)」である点を取り違えやすい。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の租税特別措置法第73条
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
固定資産税の規定(納税義務者・税率・納期・住宅用地の課税標準の特例)
税・その他 · 地方税 / 固定資産税 / 納期 / 小規模住宅用地の特例
固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
地方税法において固定資産税の賦課期日は毎年1月1日であり、年度途中の譲渡による還付制度はありません。標準税率は1.4%で制限税率はなく、納期は原則4回(特別の事情があるときは別段の定め可)とされ、小規模住宅用地(200㎡以下)の特例割合は6分の1です。
解き方
- 固定資産税の賦課期日と納税義務者(1月1日現在の所有者、月割還付なし)を確認する。
- 税率の性格(標準税率1.4%・制限税率なし)および住宅用地特例(200㎡以下は6分の1)を照合する。
- 納期に関する地方税法第362条第1項ただし書の規定(条例で異なる納期を定めることができる)を確認し、肢3が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 固定資産税は毎年1月1日時点の所有者にその年度分が課税され、年度途中に土地を譲渡しても月割による税額の還付制度はありません。したがって誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 固定資産税の標準税率は1.4%と定められていますが、制限税率は定められていないため、財政上特別な必要があるときは1.7%を超える税率を定めることも可能です。したがって誤りです。
- 選択肢 3正解
- 固定資産税の納期は原則として4月、7月、12月及び2月中において条例で定めますが、特別の事情があるときはこれと異なる納期を定めることができるため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 住宅用地のうち200㎡以下の部分(小規模住宅用地)に対する固定資産税の課税標準は、価格の「6分の1」とする特例措置が講じられています。2分の1ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 小規模住宅用地(200㎡以下)の固定資産税の課税標準特例は「6分の1」(都市計画税は3分の1)。
- 固定資産税の賦課期日は1月1日。年度途中に所有権移転があっても月割還付等はない。
間違えやすいところ
- 住宅用地の特例割合(固定資産税は小規模6分の1、一般3分の1)を「2分の1」等の誤った分数と混同しないように整理する。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行の地方税法第349条の3の2、第350条、第359条、第362条
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
地価公示法における標準地の選定と公示価格の規準
価格の評定 · 地価公示法 / 標準地 / 正常な価格 / 土地収用
地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
地価公示法において、標準地の正常な価格は土地に建物や地上権等の利用を制限する権利があっても、それらが存在しない更地の状態として判定されます。したがって借地権等の権利が付着していても標準地に選定できます。
解き方
- 地価公示法における標準地選定の要件および正常な価格の定義(更地評価)を確認する。
- 不動産鑑定士による個別評価書の提出義務や、公示事項、土地収用時の規準義務の内容を照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 地上権その他の使用収益を制限する権利が存する場合であっても、これらが存しないものとして正常な価格を判定するため、標準地として選定することができます。
- 選択肢 2不正解
- 2人以上の不動産鑑定士は連名で提出するのではなく、それぞれ別個に鑑定評価を行い、各自が鑑定評価書を提出しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 公示される事項は標準地の単位面積(1㎡)当たりの価格であり、標準地全体の価格の総額は公示事項に含まれていません。
- 選択肢 4不正解
- 土地収用等を行う者は、公示価格を「規準」としなければならないとされていますが、「同額」としなければならないわけではありません。
覚えるポイント
- 標準地選定は更地でなくても可能(評価は更地として行う)。
- 不動産鑑定士は各自別個に評価書を提出する。
- 収用時の補償金額等は公示価格を「規準」とする(同額拘束ではない)。
間違えやすいところ
- 更地でなければ標準地に選定できないと誤解しやすいので注意が必要です。
- 公示事項に土地全体の総額が含まれると誤認しないようにしましょう。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(地価公示法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
宅建業法の規制対象と欠格事由
宅地建物取引業法 · 信用供与の禁止 / 登録消除処分 / 自ら貸主 / 帳簿の備付け
宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人が不正な行為等により免許取消処分を受けた場合、その事由が発生した前60日以内に役員であった者は欠格事由となり、宅建士登録を受けている場合はその登録が消除されます。
解き方
- 各選択肢の行為が宅建業法上の禁止行為や義務、あるいは適用対象であるかを確認する。
- 法人の免許取消に伴う役員の宅建士登録消除の規定を検討し、正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 金融機関等による売買代金の貸借(住宅ローン等)のあっせんを行うことは禁止されておらず、手付金の貸付け等による契約誘引が禁止されています。
- 選択肢 2正解
- 法人が不正行為により情状が特に重いため免許を取り消された場合、その役員であった宅建士は登録の欠格事由に該当し、登録を消除されます。
- 選択肢 3不正解
- 自ら借主となる行為は宅建業に該当しないため、宅建業法の契約締結時期の制限等の規定は適用されず、契約締結が禁止されることはありません。
- 選択肢 4不正解
- 業務に関する帳簿は事務所ごとに備え付ける義務があり、案内所等には備え付ける義務はありません。
覚えるポイント
- 帳簿は「事務所ごと」に備え付ける(案内所には不要)。
- 自ら貸主・自ら借主は宅建業法の適用対象外。
- 手付金の貸付け等の信用供与による契約誘引は禁止だが、通常の代金ローンのあっせんは可能。
間違えやすいところ
- 案内所で契約を行う場合であっても、帳簿の備付けが必要な場所は「事務所」のみである点を見落としやすいです。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
宅建業法における広告の規制
宅地建物取引業法 · 誇大広告の禁止 / 広告開始時期の制限 / 未完成物件
宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業法では、未完成物件について開発許可や建築確認等の処分があった後でなければ広告を開始できませんが、処分後であれば工事完了前であっても広告を開始できます。
解き方
- 広告開始時期の制限(法第33条)および誇大広告の禁止(法第32条)の要件を確認する。
- 処分があった後であれば工事完了前でも広告可能である規定と選択肢3を照らし合わせる。
- 選択肢 1不正解
- 誇大広告等の禁止違反は、実際に誤認による損害が発生したかどうかにかかわらず成立し、監督処分の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 建築確認申請中である旨を表示したとしても、確認等の処分を受ける前には販売に関する広告を行うことはできません。
- 選択肢 3正解
- 造成工事の完了前であっても、工事に必要な許可等の処分があった後であれば、宅地の販売に関する広告を行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- テレビやインターネットを利用した広告も、チラシ等と同様に宅建業法上の広告規制の対象となります。
覚えるポイント
- 未完成物件の広告開始は「許可・確認等の処分後」であれば工事完了前でも可能。
- 確認申請中である旨を記載しても広告は不可(契約締結も不可)。
- 誇大広告は実際に損害が生じていなくても違反となる。
間違えやすいところ
- 工事完了前は広告できないと勘違いしやすいですが、必要な処分があれば工事完了前でも広告可能です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約の書面記載事項および義務
宅地建物取引業法 · 専任媒介契約 / 指定流通機構 / 報告義務 / 一般媒介契約
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「専任媒介契約」とは、専属専任媒介契約ではない専任媒介契約をいうものとする。 ア AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約をしているときを除き、Aは、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該宅地の所在地等を指定流通機構に登録しなければならない。 イ AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。 ウ AがBとの間で一般媒介契約を締結し、当該契約において、Bが他の宅地建物取引業者に重ねて依頼するときは当該他の宅地建物取引業者を明示する義務がある旨を定める場合、Aは、Bが明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買の契約を成立させたときの措置を宅地建物取引業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。 エ AがBとの間で一般媒介契約を締結した場合、AがBに対し当該宅地の価額について意見を述べるときは、不動産鑑定士に評価を依頼して、その根拠を明らかにしなければならない。
解答・解説を表示
解答
1
解説
媒介契約においては、媒介の種類(一般、専任、専属専任)に応じて、指定流通機構への登録義務や業務処理状況の報告頻度、34条の2書面記載事項が法定されています。専任媒介の登録義務を免除する特約は無効です。
解き方
- 各記述(ア~エ)の正誤を検討する。
- ア:専任媒介におけるレインズ登録義務は特約で排除できないため誤り。
- イ:専任媒介の報告頻度は2週間に1回以上であるため誤り(1週間に1回以上は専属専任)。
- ウ:明示型一般媒介契約で非明示の業者と契約させた場合の措置は記載事項であるため正しい。
- エ:価額の意見を述べる際に不動産鑑定士への依頼義務まではないため誤り。
- 正しい記述の個数を数えて該当する選択肢を選ぶ。
- 選択肢 1正解
- 正しい記述はウの1つのみであるため、選択肢1が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はウの1つのみです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はウの1つのみです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述はウの1つのみです。
覚えるポイント
- 専任媒介:登録7日以内、報告2週間に1回以上(登録しない特約は無効)。
- 専属専任媒介:登録5日以内、報告1週間に1回以上。
- 価額の根拠明示義務はあるが、不動産鑑定士に評価を依頼する義務はない。
間違えやすいところ
- 専任媒介と専属専任媒介の報告頻度(2週間に1回以上 vs 1週間に1回以上)や登録日数(7日 vs 5日)を混同しやすいです。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
免許制度および宅地建物取引士の登録・処分
宅地建物取引業法 · 免許換え / 登録の移転 / 事務禁止処分 / 案内所
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建士が事務禁止処分を受けたときは、速やかに交付を受けた都道府県知事(登録知事)に宅建士証を提出しなければなりません。業務を行った場所の知事から処分を受けた場合であっても、提出先は登録を受けた知事です。
解き方
- 免許換え後の免許の有効期間(新たに5年)を確認する。
- 登録の移転に伴い交付される宅建士証の有効期間(従前の残存期間)を確認する。
- 事務禁止処分を受けた場合の宅建士証の提出先(交付を受けた知事)を確認する。
- 案内所の設置は「事務所」の新設ではないため免許換えが不要であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 免許換えによって新たに免許を受けた場合、その有効期間は従前の免許期間を引き継ぐのではなく、新たに5年間となります。
- 選択肢 2不正解
- 登録の移転に伴って新たに交付される宅地建物取引士証の有効期間は、従前の宅地建物取引士証の有効期間の残存期間となります(5年ではありません)。
- 選択肢 3正解
- 他の都道府県知事から事務禁止処分を受けた場合であっても、宅建士証は交付を受けた知事(甲県知事)に速やかに提出しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 案内所の設置は事務所の設置には該当しないため、他の都道府県に案内所を設置しても国土交通大臣への免許換えの申請は不要です。
覚えるポイント
- 免許換え後の有効期間は新しく「5年間」。
- 登録の移転に伴う宅建士証の有効期間は「従前の残存期間」。
- 事務禁止処分を受けた場合の証の提出先は「交付を受けた知事(登録知事)」。
間違えやすいところ
- 案内所で契約の締結を行う場合であっても、案内所は「事務所」ではないため免許換えは不要である点に注意してください。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会の制度
宅地建物取引業法 · 弁済業務保証金分担金 / 還付充当金 / 二重加入の禁止 / 還付手続
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
保証協会の社員は、弁済業務保証金から還付がなされたときは、保証協会から通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を保証協会に納付する義務があります。
解き方
- 弁済業務保証金分担金の額(主たる事務所60万円、従たる事務所1か所につき30万円)を計算する。
- 還付充当金の納付期間(通知を受けた日から2週間以内)を確認する。
- 保証協会の重複加入の禁止(1つの保証協会のみ)を確認する。
- 弁済を受ける権利の実行における認証者(保証協会)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 分担金の額は主たる事務所60万円、従たる事務所1か所につき30万円であるため、本店と支店3つの場合は60万円+(30万円×3)=150万円を納付しなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 還付充当金の通知を受けた社員等は、その通知を受けた日から2週間以内に、通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業者は、同時に2つ以上の保証協会の社員となることは禁止されています(重複加入の禁止)。
- 選択肢 4不正解
- 還付を受ける権利を実行する際に弁済額の認証を受ける相手は、免許権者(甲県知事)ではなく「保証協会」です。
覚えるポイント
- 分担金:本店60万円、支店1か所30万円。
- 還付充当金の納付期限:通知を受けた日から2週間以内。
- 保証協会の二重加入は禁止。
- 還付の認証をするのは「保証協会」。
間違えやすいところ
- 認証を受ける先を免許権者(都道府県知事や国土交通大臣)と勘違いしやすいので注意が必要です。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許基準と免許の条件
宅地建物取引業法 · 免許の基準 / 欠格事由 / 免許の条件 / 変更の届出
宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業法上、免許権者は免許または免許の更新に当たって条件を付すことができます。また、免許取消処分のうち事業開始遅延による取消しは5年間の欠格事由に該当せず、役員の「住所」は変更届出事項ではありません。
解き方
- 事業未開始による免許取消しが5年欠格事由に該当するか検討する(該当しない)。
- 破産者の復権後の期間要件を検討する(復権を得れば直ちに免許取得可能、5年経過は不要)。
- 免許および更新時の条件付加に関する規定(法第3条の2第1項)を確認する。
- 役員に関して変更の届出が必要な事項(氏名であり、住所は不要)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 免許を受けてから1年以内に事業を開始せず免許を取り消された場合は、不正による取消処分等の欠格事由(5年間の排除)には該当しないため、直ちに再免許を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 破産手続開始決定を受けた者であっても、復権を得れば直ちに欠格事由から外れます。復権後5年を経過していなくても免許を受けることができます。
- 選択肢 3正解
- 免許権者は、免許に条件を付すことができ、免許の更新に当たっても条件を付すことができます。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業者名簿の登載事項において役員については「氏名」が対象であり、「住所」は含まれていないため、住所変更があっても届出の必要はありません。
覚えるポイント
- 破産者は「復権を得れば」直ちに免許取得可能(5年待つ必要はない)。
- 1年以内未開始等による免許取消しは5年の欠格期間の対象外。
- 宅建業者の役員は「氏名」が変更届出事項で、「住所」は届出不要(宅建士の場合は氏名・住所ともに変更登録が必要)。
間違えやすいところ
- 宅建士個人についての変更登録(氏名・住所・本籍・従事先)と、宅建業者の役員に関する変更の届出(氏名のみ)を混同しやすいです。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明における法令上の制限等の説明対象
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 土砂災害警戒区域 / 急傾斜地崩壊危険区域 / 津波防護施設区域
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 ア 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。 イ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。 ウ 宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。 エ 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
解答・解説を表示
解答
4
解説
重要事項説明において、各種個別法に基づく制限(急傾斜地崩壊危険区域、津波防護施設区域等)は売買媒介で説明が必要です。土砂災害警戒区域は建物の貸借を含むすべての取引類型で説明が必要であり、文化財の譲渡制限は宅地の貸借では説明不要です。
解き方
- ア:急傾斜地崩壊危険区域内の行為制限は、宅地の売買で説明が必要であるため正しい。
- イ:土砂災害警戒区域内にある旨は、建物の貸借を含めすべての取引で説明が必要であるため正しい。
- ウ:重要文化財の「譲渡」の制限は、宅地の「貸借」においては説明対象外(必要ない)であるため正しい。
- エ:津波防護施設区域内における行為制限は、宅地の売買で説明が必要であるため正しい。
- すべて正しいことを確認し、四つ(選択肢4)を選択する。
- 選択肢 1不正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- ア、イ、ウ、エの記述はすべて正しいため、選択肢4が正解です。
覚えるポイント
- 土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域、造成宅地防災区域、水害ハザードマップは貸借を含むすべての取引で説明必要。
- 譲渡に関する制限(文化財保護法等)は売買で説明するが、貸借では説明不要。
間違えやすいところ
- 「貸借」における重要事項説明で、法令上の制限のうち「譲渡」に関する規制は説明不要となる点を見落としやすいです。
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金の供託・保管替え・取戻し・届出
宅建業法 · 営業保証金 / 保管替え / 公告 / 免許取消し
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
営業保証金制度では、主たる事務所の最寄りの供託所に一括供託する点、金銭のみで供託している場合のみ保管替え請求ができる点、免許失効時の取戻しには原則6か月以上の公告が必要な点、届出遅延に対する催告・取消し手続きの期間が重要論点となります。
解き方
- 従たる事務所増設時や主たる事務所移転時の供託場所・保管替えの手続き要件を確認する。
- 有効期間満了に伴う取戻しの公告要否、および供託届出の遅延に伴う免許取消手続の規定と各選択肢を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 従たる事務所を新設した場合であっても、営業保証金は従たる事務所の最寄りではなく「主たる事務所のもよりの供託所」に供託しなければなりません(法25条2項)。
- 選択肢 2不正解
- 金銭のみをもって営業保証金を供託している場合に限り保管替えを請求できます。国債証券などの有価証券が含まれる場合は保管替えを請求できず、二重供託後に従前の保証金を取り戻す必要があります(法29条)。
- 選択肢 3不正解
- 免許の有効期間満了により宅建業を営まなくなった場合、営業保証金を取り戻すには、原則として6か月以上の期間を定めて還付請求権者に対し公告を行わなければなりません(法30条2項)。
- 選択肢 4正解
- 免許日から3月以内に供託の届出をしないときは免許権者による催告義務があり、催告到達から1月以内に届出がないときは免許を取り消すことができます(法25条6項・7項)。
覚えるポイント
- 保管替えができるのは金銭のみで供託している場合だけです。
- 従たる事務所分の供託も主たる事務所の最寄りの供託所に行います。
間違えやすいところ
- 有価証券で供託している場合でも保管替え請求ができると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:宅地建物取引業法第25条、第29条、第30条
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者が受領できる報酬の制限
宅建業法 · 報酬額の上限 / 不当な報酬要求 / 貸借の媒介報酬 / 広告料金
宅地建物取引業者(消費税課税事業者)が受けることができる報酬に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅建業者の受領できる報酬は国土交通省告示の限度額により厳格に規制されており、依頼者の承諾があっても上限超過受領は禁止されます。例外的に受領できる広告料等は「依頼者の依頼に基づく特別の広告料金」等に限られます。
解き方
- 報酬限度額規制の基本ルール(依頼者の承諾の有無、要求行為自体の適否)を確認する。
- 貸借媒介における限度額規定と、報酬以外の金員受領の特例要件を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 国土交通大臣が定める報酬上限額は強行規定であり、依頼者が承諾していたとしてもこれを超えて報酬を受領することは禁止されています(法46条2項)。
- 選択肢 2不正解
- 不当に高額の報酬を要求する行為自体が禁止されており、実際に金銭を受領していなくても法違反が成立します(法47条2号)。
- 選択肢 3不正解
- 居住用建物以外の貸借媒介では、双方から受領できる合計額が借賃1か月分×1.1以内であれば、承諾の有無に関わらず当事者間の負担割合に特段の制限はありません。
- 選択肢 4正解
- 報酬上限を超えて受領できる広告料は「依頼者の依頼によって行う特別の広告」に限定されます。依頼者の依頼によらない広告費用を受領することはできません。
覚えるポイント
- 不当な高額報酬は「要求しただけ」でも違反となります。
- 広告費用の受領は「依頼者の依頼に基づく特別の広告」に限られます。
間違えやすいところ
- 居住用建物の貸借媒介(原則0.55か月以内)と事業用建物の貸借媒介(双方合算で1.1か月以内なら自由に配分可)のルールの違いを混同しないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第46条、第47条、昭和45年建設省告示第1552号
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第37条書面の交付・記載事項
宅建業法 · 37条書面 / 交付担当者 / 貸借の記載事項 / 公正証書
宅地建物取引業者Aが行う媒介業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、同法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。 ア Aが建物の売買契約を成立させた場合においては、37条書面を買主に交付するに当たり、37条書面に記名押印した宅地建物取引士ではないAの従業者が当該書面を交付することができる。 イ Aが建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。 ウ Aが建物の売買契約を成立させた場合において、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、重要事項説明書にその旨記載していたとしても、その内容を37条書面に記載しなければならない。 エ Aが事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合においては、公正証書とは別に37条書面を作成し交付するに当たり、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければならない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
37条書面は契約成立後に遅滞なく交付する書面です。取引士の記名押印は義務付けられますが、書面の物理的な交付自体は取引士以外の従業員が行っても問題ありません。また、貸借では登記申請時期は記載不要事項であり、不可抗力免責の定めがある場合は重説と重複しても記載が必要です。業者間取引でも37条書面の交付義務は免除されません。
解き方
- 記述ア〜エそれぞれの正誤を宅建業法第37条の規定に基づいて個別に判定する。
- ア(正)、イ(誤:貸借で登記申請時期は記載不要)、ウ(正)、エ(正)となり、正しい記述の個数をカウントする。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はア・ウ・エの3つであるため、一つとする選択肢1は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はア・ウ・エの3つであるため、二つとする選択肢2は誤りです。
- 選択肢 3正解
- アは正しい(交付は取引士以外の従業員でも可)、イは誤り(賃借権設定登記申請の時期は貸借の37条書面の記載事項ではない)、ウは正しい(危険負担の定めがあるときは記載必須)、エは正しい(公正証書で作成しても別途37条書面の交付・取引士記名押印が必要であり業者間でも免除されない)。正しい記述は3つです。
- 選択肢 4不正解
- イが誤りであるため、四つとする選択肢4は誤りです。
覚えるポイント
- 37条書面の交付は取引士でなくてもよいが、記名押印は取引士が行う必要があります。
- 建物の貸借の37条書面では「引渡しの時期」は記載事項ですが「登記申請の時期」は記載事項ではありません。
間違えやすいところ
- 重要事項説明書に記載した事項であっても、37条書面の必要記載事項(危険負担の特約など)であれば省略することはできません。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者の秘密を守る義務
宅建業法 · 守秘義務 / 正当な理由 / 重要事項説明義務 / 証言義務
宅地建物取引業者の守秘義務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業者は業務上知り得た秘密を他に漏らしてはなりませんが、「正当な理由」がある場合は解除されます。本人の承諾がある場合や法律上の証言義務の履行は正当な理由に該当します。また廃業後も義務は存続し、法令上の重要事項説明義務は秘密保持より優先します。
解き方
- 守秘義務の適用範囲(在職中・廃業後)と「正当な理由」の定義を確認する。
- 各選択肢における承諾・裁判証言・重要事項説明義務の優先関係を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 秘密の保有者である本人の承諾がある場合は「正当な理由」に該当するため、他に漏らしても違反になりません。
- 選択肢 2不正解
- 宅地建物取引業を営まなくなった後(廃業後)であっても、業務上知り得た秘密を守る義務は継続します(法45条)。
- 選択肢 3正解
- 民事訴訟法等に基づき裁判所で証人として証言を求められた場合は、法律上の義務の履行として「正当な理由」があり、証言することができます。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業法第35条で義務付けられている重要事項の説明は強行法規による義務であり、売主が秘密を希望しても買主への説明を省略することはできません。
覚えるポイント
- 廃業後も守秘義務は存続します。
- 本人の承諾や裁判での証言義務は守秘義務解除の「正当な理由」に当たります。
間違えやすいところ
- 売主が秘密を求めた場合でも、35条の法定重要事項説明義務を免れることはできません。
出題の前提:宅地建物取引業法第45条
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第37条書面の記載事項(必要的記載と相対的記載)
宅建業法 · 37条書面 / 必要的記載事項 / 相対的記載事項 / 建物状況確認事項
宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
37条書面の記載事項には、定めがなくても必ず記載しなければならない「必要的記載事項」と、定めがある場合に限り記載すれば足りる「相対的記載事項」があります。既存建物の現況確認事項は必要的記載事項であるため、該当事項がないときはその旨を記載する必要があります。
解き方
- 提示された4つの事項が「必要的記載事項」か「相対的記載事項(定めがあるときに記載)」かを分類する。
- 既存建物の構造耐力上主要な部分等の確認事項は必要的記載事項、金銭貸借あっせん・違約金・公課負担は相対的記載事項であることを確認して正答を導く。
- 選択肢 1正解
- 既存建物の構造耐力上主要な部分等の状況について双方が確認した事項は必要的記載事項です。確認した事項がないときでも「確認事項がない旨」を記載しなければなりません(法37条1項2号の2)。
- 選択肢 2不正解
- 代金等の金銭貸借のあっせんに関する事項は相対的記載事項であるため、定めがない場合には記載する必要はありません。
- 選択肢 3不正解
- 損害賠償額の予定や違約金に関する事項は相対的記載事項であるため、定めがない場合には記載する必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 租税その他の公課の負担に関する事項は相対的記載事項であるため、定めがない場合には記載する必要はありません。
覚えるポイント
- 37条書面で「定めがない旨」を書く必要があるのは必要的記載事項(代金等以外の金銭授受、構造確認事項など)です。
- 違約金・ローンあっせん・危険負担・公課負担等は定めがあるときだけ記載する相対的記載事項です。
間違えやすいところ
- 重要事項説明書(35条書面)と37条書面で記載事項・必要/相対の扱いが異なる点を混同しないよう整理が必要です。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条第1項第2号の2、第8号、第9号、第11号
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の設置・要件・登録・提示義務
宅建業法 · 専任の宅地建物取引士 / 未成年者 / 取引士証の提示 / 登録欠格事由
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。 イ 未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。 ウ 宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。 エ 成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。
解答・解説を表示
解答
1
解説
専任取引士の不足補充は2週間以内、届出は30日以内です。営業許可を受けた未成年者は成人と同一の行為能力を有するため専任取引士に就任できます。重説時の取引士証提示は相手方が宅建業者であっても省略できず、成年被後見人等は心身の故障の有無を個別審査するため一律登録拒否とはなりません。
解き方
- 記述ア〜エそれぞれの正誤を宅建業法の規定に基づき検討する。
- ア(誤:設置2週間・届出30日の期間が逆)、イ(正:営業許可を得た未成年者は就任可)、ウ(誤:重説時の提示は請求がなくても必須)、エ(誤:令和元年改正により個別審査制へ移行)を判定し、個数を特定する。
- 選択肢 1正解
- イのみが正しい記述です。アは設置が2週間以内で届出が30日以内であるため誤り、ウは重説時には請求の有無にかかわらず提示義務があるため誤り、エは個別審査規定となったため一律に登録を受けられないわけではなく誤りです。したがって正しいものは1つです。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はイの1つのみであるため、二つとする選択肢2は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はイの1つのみであるため、三つとする選択肢3は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述イが正しいため、なしとする選択肢4は誤りです。
覚えるポイント
- 専任取引士の欠員補充は「2週間以内」、変更の届出は「30日以内」です。
- 重要事項説明時の取引士証提示は、相手方が宅建業者であっても請求なしで必ず提示しなければなりません。
間違えやすいところ
- 専任取引士の「補充2週間」と「届出30日」の日数を逆に混同しやすいので注意してください。
出題の前提:宅地建物取引業法第15条、第18条、第31条の3、第35条第4項
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
クーリング・オフによる売買契約の解除
宅建業法 · クーリング・オフ / 引渡しと代金全額支払 / 申込み・契約場所 / 期間の特約
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
クーリング・オフは事務所等以外の場所で買受けの申込み等を行った場合に適用されます。書面告知から8日を経過したとき、または「宅地建物の引渡しを受け、かつ、代金の全額を支払ったとき」に解除ができなくなります。買主に有利な特約は有効です。
解き方
- クーリング・オフができる場所での申込みか、解除権行使が制限される事由(8日経過、引渡し+代金全額支払の両方具備)があるかを判定する。
- 肢1では代金全額支払のみで引渡しが完了していないため、クーリング・オフ可能であり解除を拒めないことを確認する。
- 選択肢 1正解
- クーリング・オフが制限されるのは「宅地若しくは建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全額を支払ったとき」です。代金全額が支払われていても引渡しを受けていない段階では解除できるため、Aは解除を拒むことができません。
- 選択肢 2不正解
- 喫茶店は買主が自ら申し出た場所であっても事務所等には該当せずクーリング・オフ可能です。また告知書面が交付された日から起算して8日以内であれば解除できるため、告知から7日後(契約締結から10日後)であれば解除できます。
- 選択肢 3不正解
- クーリング・オフの期間を法定の8日間より長い14日間とする特約は買主に有利であるため有効です。したがって締結日(告知日)から10日後であっても解除することができます。
- 選択肢 4不正解
- 買主自ら指定した場所であっても、代理・媒介の依頼を受けていない第三者である宅建業者の事務所は「事務所等」に該当しません。告知から6日後であればクーリング・オフ期間内であるため、Aは解除を拒むことができません。
覚えるポイント
- クーリング・オフの適用除外は「引渡しを受け、かつ代金全額を支払ったとき」です(片方だけでは解除可能)。
- 買主に有利な特約(期間延長など)は有効です。
間違えやすいところ
- 買主が自ら申し出た場合でも、「自宅」や「勤務先」以外の場所(喫茶店やホテル等)は事務所等にはならずクーリング・オフが可能です。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における業務上の禁止事項
宅建業法 · 不当な勧誘 / 手付けの貸付け / 再勧誘の禁止 / 条件交渉
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に規定する業務に関する禁止事項についての次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅建業法では手付貸付け等による信用供与の禁止(法47条3号)、相手方が契約を締結しない旨の意思表示をした後の継続勧誘の禁止(規則16条の12第1号ヘ)などが規定されています。通常の価格交渉や条件変更の提示は違法ではありません。
解き方
- 各選択肢の行為(再勧誘、手付貸付け、判断時間の付与、代金減額交渉)が宅建業法および施行規則の禁止事項に該当するか照合する。
- 代金値下げの提案は通常の条件提示であり違反とならない(肢4が正しい)ことを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相手方が契約を締結しない旨の意思表示をしたにもかかわらず勧誘を継続することは、不当な勧誘行為として明確に禁止されています(法47条の2第3項、施行規則16条の12第1号ヘ)。
- 選択肢 2不正解
- 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約締結を誘引する行為は禁止されており、事後に貸付金が全額償還されたとしても違反となります(法47条3号)。
- 選択肢 3不正解
- 相手方を困惑させる行為として「時間を与えることを拒むこと」が禁止されていますが、「理由の如何を問わず」無条件に拒んではならないとする規定ではありません。
- 選択肢 4正解
- 相手方の金銭的不安に応じて売買代金の減額を提案し勧誘することは、適法な条件交渉・取引条件の変更提示であり、宅建業法に違反しません。
覚えるポイント
- 断られた後の再勧誘は禁止されています。
- 手付の貸付けによる誘引は事後返済されても直ちに違法です。
間違えやすいところ
- 相手方に有利な条件変更(代金値下げ)を提案する通常の営業活動まで禁止されていると誤認しないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法第47条第3号、第47条の2第3項、施行規則第16条の12
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における帳簿の備付け及び保存
宅建業法 · 帳簿の備付け / 帳簿の記載事項 / 保存期間 / 電磁的記録
宅地建物取引業法第49条に規定する帳簿に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引業者は、業務の適正な運営を確保するため、事務所ごとに帳簿を備え、取引のあったつど一定事項を記載して保存する義務を負います。電磁的記録による備付け・保存も認められています。
解き方
- 帳簿の備付け場所が事務所ごとであるか確認する。
- 取引のつど記載すべき義務および法定記載事項の正誤を判断する。
- 保存期間の原則(5年)と特例(自ら売主となる新築住宅のみ10年)の適用範囲を照合する。
- 電磁的記録による帳簿の作成・保存が可能であるか確認する。
- 選択肢 1不正解
- 帳簿は「事務所ごと」に備え付けなければならないため、支店に備え付けず本店にまとめることは違反となります。
- 選択肢 2正解
- 宅地建物取引業法第49条本文の規定通りであり、取引のあった都度、所定の事項を記載しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 自ら売主となる新築住宅に係る帳簿は10年間の保存が必要ですが、新築住宅の「売買の媒介」は特例の対象外であり原則の5年間保存です。
- 選択肢 4不正解
- 電子計算機のハードディスク等に記録し、必要に応じ明確に紙面に表示できる電磁的記録による方法は、帳簿への記載・保存に代えることができます。
覚えるポイント
- 帳簿は事務所ごとに備付けが必要
- 保存期間は原則5年、自ら売主となる新築住宅は10年(媒介は対象外)
間違えやすいところ
- 新築住宅の「媒介」まで10年保存と勘違いしやすい点
- 従業者名簿(最終記載から10年)と帳簿(閉鎖から原則5年)の保存期間の混同
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第49条、施行規則第18条)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明の対象事項
宅建業法 · 重要事項説明 / 35条書面 / 法令上の制限 / 建物状況調査等の書類
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業法第35条第1項各号では、取引の対象となる宅地・建物について、相手方が購入や賃借の判断を行う上で極めて重要な権利関係、法令上の制限、物件の状態・設備等に関する事項をあらかじめ説明することを義務付けています。
解き方
- 歴史的風致維持向上法による制限が重要事項説明の対象(令3条)に含まれるか確認する。
- 既存建物の売買において確認済証等の建築関係書類の保存状況の説明義務を確認する。
- 区分所有建物特有の説明事項(一棟の維持修繕の実施状況)を確認する。
- 建物の貸借における設備の整備状況の説明義務を確認する。
- 選択肢 1正解
- 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項の規定に基づく増築等の届出制限は、重要事項として説明しなければならない事項に含まれます。
- 選択肢 2不正解
- 既存建物の売買において建築確認済証等の保存状況を説明する際、書類が存在しない(なくなっている)場合は、その旨を説明すれば足ります。
- 選択肢 3不正解
- マンション等区分所有建物の売買等の媒介では、一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容を説明する必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 建物の貸借の媒介においては、台所、浴室、便所等の設備の整備状況は契約成立前の重要事項説明の対象となります。
覚えるポイント
- 歴史的風致維持向上法に関する制限は建物売買の重説事項に含まれる
- 既存建物の建築確認済証等の書類は、保存がない場合は「なし」と説明すれば足りる
間違えやすいところ
- 確認済証が存在しない場合に再発行を受けなければ取引できないと誤認するミス
- 建物の貸借において設備の状況説明が不要であると勘違いするミス
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第35条、施行令第3条)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録及び登録の基準・効力
宅建業法 · 宅地建物取引士 / 登録の欠格事由 / 登録の移転 / 事務禁止処分 / 罰金刑
宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士及びその登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
宅建士の登録基準・欠格事由には刑罰(禁錮以上やすべての宅建業法違反罰金、刑法の一部罪による罰金など)が定められており、脅迫罪による罰金刑は欠格事由に該当し5年間の排除期間が適用されます。
解き方
- 心身の故障に関する届出義務者(本人・法定代理人・同居親族)の範囲を確認する。
- 登録の移転に伴う宅建士証交付時の知事指定講習受講義務の要否(不要)を確認する。
- 事務禁止処分時の宅建士証提出義務違反に対する罰則(10万円以下の過料)を確認する。
- 刑法第222条(脅迫)の罪による罰金刑が欠格事由に該当し、5年間登録を受けられない規定を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 精神の機能の障害により事務を行えなくなった場合、本人、その法定代理人又は同居の親族が届け出ることとされています(本人が届け出ることも可能です)。
- 選択肢 2不正解
- 登録の移転に伴い新たな宅建士証の交付を受ける場合は、知事が指定する講習を受講する必要はありません。
- 選択肢 3不正解
- 事務禁止処分を受けて宅地建物取引士証を提出しなかった場合の罰則は、50万円以下の罰金ではなく「10万円以下の過料」です。
- 選択肢 4正解
- 刑法第222条(脅迫)の罪により罰金の刑に処せられた者は登録の欠格事由に該当し、刑の執行を終わり又は受けることがなくなった日から5年を経過するまで登録を受けられません。
覚えるポイント
- 登録の移転に伴う宅建士証交付では講習受講が不要
- 刑法で罰金刑が欠格事由となる罪:傷害罪、暴行罪、凶器準備集合罪、脅迫罪、背任罪等
間違えやすいところ
- 事務禁止処分に伴う宅建士証不提出の罰則を「罰金刑」と「過料」で取り違えるミス
- 心身の故障の届出について「本人は届け出られない」と思い込むミス
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第18条第1項、第22条の2第2項但書、第86条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における「宅地」の定義
宅建業法 · 用語の定義 / 宅地 / 用途地域内外 / 公共施設
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地には、現に建物の敷地に供されている土地に限らず、将来的に建物の敷地に供する目的で取引の対象とされる土地も含まれる。 イ 農地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであっても、宅地には該当しない。 ウ 建物の敷地に供せられる土地であれば、都市計画法に規定する用途地域外に存するものであっても、宅地に該当する。 エ 道路、公園、河川等の公共施設の用に供せられている土地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであれば宅地に該当する。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引業法第2条第1号における「宅地」とは、①現在建物の敷地に供せられている土地、②将来建物の敷地に供する目的で取引される土地、③用途地域内の土地(ただし道路、公園、河川、広場、水路等を除く)を指します。
解き方
- 記述ア:将来建物の敷地に供する目的の土地が宅地に含まれるか確認する(正しい)。
- 記述イ:用途地域内の農地が宅地に該当するか確認する(原則すべて宅地となるため誤り)。
- 記述ウ:用途地域外であっても建物の敷地に供せられる土地は宅地となるか確認する(正しい)。
- 記述エ:用途地域内であっても道路・公園・河川等は宅地から除外されるか確認する(除外されるため誤り)。
- 正しい記述の個数をカウントして肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はアとウの2つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 正しい記述はアとウの2つのため、本肢が正解です。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は2つのため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述は2つのため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 用途地域内の土地は原則としてすべて宅地(道路・公園・河川・広場・水路等は除く)
- 用途地域外であっても建物の敷地・敷地目的の土地は宅地となる
間違えやすいところ
- 用途地域内にある農地や山林を「現況が建物敷地でないから宅地ではない」と誤認するミス
- 用途地域内にある道路や公園まで「用途地域内だから宅地」と勘違いするミス
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第2条第1号)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法に基づく資力確保措置
宅建業法 · 住宅瑕疵担保履行法 / 瑕疵担保保証金 / 瑕疵担保責任保険 / 対象部分
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅瑕疵担保履行法では、新築住宅の売主等に対し、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分の瑕疵担保責任を確実に果たすため、保証金の供託または保険への加入を義務付けています。保険契約の締結義務者・保険料負担者は売主である宅建業者です。
解き方
- 床面積の特例(2戸を1戸と数える小規模住宅の基準面積:55㎡以下)を確認する。
- 転売に伴う保険契約の効力および解除義務の有無を確認する。
- 保険の対象となる瑕疵の範囲(構造耐力上主要な部分・雨水浸入防止部分のみ。給排水・ガス等の設備は除外)を確認する。
- 保険契約の締結主体および保険料負担者(売主)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 供託金の算定において「2戸をもって1戸」と数える小規模住宅の床面積の基準は「55㎡以下」であり、100㎡以下ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 買主が住宅を転売したとしても、売主が保険契約を解除しなければならないとする規定はありません(契約は解除されず継続します)。
- 選択肢 3不正解
- 保険の対象となるのは「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」であり、給水設備やガス設備は対象に含まれません。
- 選択肢 4正解
- 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、売主である宅建業者Aが保険法人と締結し保険料を支払うものであり、買主Bが保険料を支払うものではありません。
覚えるポイント
- 小規模住宅特例:床面積55㎡以下で「2戸をもって1戸」
- 資力確保措置の対象は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」のみ
間違えやすいところ
- 55㎡以下の特例面積を100㎡や50㎡と取り違えるミス
- 住宅設備(給排水・電気・ガス)まで瑕疵担保履行法の義務対象に含まれると誤認するミス
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第2条、第11条、第19条)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
独立行政法人住宅金融支援機構の業務
免除科目(その他業務関連) · 住宅金融支援機構 / 証券化支援業務(買取型) / 直接融資業務 / 高齢者向け返済特例
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅金融支援機構は、民間金融機関を補完・支援する機関であり、フラット35などの証券化支援事業を中心に、直接融資(災害復興、耐震改修、高齢者向けバリアフリー工事等)を行っています。買取型の対象資金には、住宅の建設・購入資金のほか、それに付随するリフォーム資金も含まれます。
解き方
- 機構の直接融資業務(耐震改修資金の貸付け)の有無を確認する。
- 証券化支援事業(買取型)における金利決定方式(各金融機関が独自に決定)を確認する。
- 高齢者向け返済特例制度(死亡時一括償還)の有無を確認する。
- 買取型の対象債権に購入に付随する住宅改良資金が含まれるか確認する。
- 選択肢 1不正解
- 機構は自ら行う直接融資業務として、住宅の耐震改修等(地震に対する安全性向上を主たる目的とする改良)に必要な資金の貸付けを行っています。
- 選択肢 2不正解
- 証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン(フラット35等)の適用金利は、各取扱金融機関が決定するため、金融機関によって異なります。
- 選択肢 3不正解
- 高齢者が自ら居住する住宅のバリアフリー工事や耐震改修について、毎月は利息のみを支払い、元金は死亡時に一括して返済する高齢者向け返済特例制度が設けられています。
- 選択肢 4正解
- 証券化支援事業(買取型)において、住宅の購入に必要な資金の貸付債権には、その住宅購入に付随するリフォーム(改良)資金も含まれます。
覚えるポイント
- 買取型(フラット35等)の金利は金融機関ごとに異なる
- 購入に付随する改良(リフォーム)資金も買取型債権に含まれる
- 耐震改修や災害復興、高齢者バリアフリー等は直接融資の対象
間違えやすいところ
- フラット35の金利は機構が一律に決定していると思い込むミス
- リフォーム一体型住宅ローンの存在を見落とし、改良資金は含まれないと判断するミス
出題の前提:令和2年4月1日現在施行法令(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約)
免除科目(その他業務関連) · 不当表示防止法 / 不動産の表示に関する公正競争規約 / セットバック / 取引態様 / 予告広告
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産の表示に関する公正競争規約では、一般消費者が誤認することのないよう取引態様の明示方法や各種広告基準を厳格に定めています。おとり広告は過失であっても禁止され、また条件を満たせば価格未定の予告広告も認められます。
解き方
- セットバック部分の面積表示義務の要件(10%以上で面積表示、10%未満ならその旨のみで可)を確認する。
- 取引態様の規定用語(売主、貸主、代理、媒介・仲介)以外の使用可否を確認する。
- 契約済み物件の掲載継続(おとり広告)が過失でも不当表示となるか確認する。
- 価格未定時における所定条件を満たした予告広告の可否(可能)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- セットバックを要する旨は表示が必要ですが、その面積がおおむね10%以上である場合に面積の表示が義務付けられるため、「必ず面積を表示しなければならない」わけではありません。
- 選択肢 2正解
- 取引態様は規約に定める法定用語(売主、貸主、代理、媒介・仲介)で表示する必要があり、「直販」「委託」などの独自用語は取引態様の表示として認められません。
- 選択肢 3不正解
- 成約済みとなり取引できなくなった物件をインターネット上に掲載し続ける行為は「おとり広告」に該当し、故意でなくても過失による更新漏れ等であっても不当表示となります。
- 選択肢 4不正解
- 価格が未定であっても、取引開始時期等を明示した上で一定の要件を満たせば予告広告を行うことができます。
覚えるポイント
- 取引態様の用語は「売主」「貸主」「代理」「媒介(仲介)」のみ(直販や委託は不可)
- 成約済物件の掲載継続は故意でなくても不当表示(おとり広告)となる
- セットバックの面積表示は概ね10%以上の場合に必要
間違えやすいところ
- セットバックを要する土地ではいかなる場合も面積表示が必要と誤認するミス
- 予告広告自体が一切禁止されていると誤解するミス
出題の前提:令和2年4月1日現在施行規則・規約(不動産の表示に関する公正競争規約第8条、第15条、第21条等)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不動産に関する統計データ・白書(令和2年版)
免除科目(その他業務関連) · 建築着工統計 / 国土交通白書 / 土地白書 / 法人企業統計調査
不動産の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
本問は不動産市場に関する最新統計(建築着工統計、国土交通白書、土地白書、法人企業統計等)の動向を問う出題です。宅建業者数は近年微増傾向が続いており、平成31年3月末時点で12万4,000業者を超えています。
解き方
- 令和元年の新設住宅着工戸数の増減動向(約90.5万戸、3年連続減少)を確認する。
- 平成31年3月末時点の宅建業者数(124,443業者で12.4万超)を確認する。
- 平成30年の全国の宅地面積の動向(約196万ha、微増傾向で横ばい)を確認する。
- 不動産業の売上高営業利益率及び売上高経常利益率(いずれも10%超)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 令和元年の新設住宅着工戸数は約90.5万戸で前年比4.0%減となり、「3年連続の減少」であったため増加に転じたとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 令和2年版国土交通白書によると、平成31年3月末現在の宅地建物取引業者数は12万4,443業者であり、12万4,000を超えているため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 平成30年の宅地面積(約196万ha)は前年に比べて微増傾向(ほぼ横ばい)にあり、「大きく減少した」わけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 平成30年度法人企業統計調査において、不動産業の売上高営業利益率は13.8%、売上高経常利益率は13.0%であり、いずれも10%を超えています。
覚えるポイント
- 宅建業者数は5年連続増加傾向で12.4万業者超
- 新設住宅着工戸数は約90.5万戸で3年連続減少
- 不動産業の利益率は営業・経常ともに10%超で高水準
間違えやすいところ
- 新設住宅着工戸数が消費増税前等で増加したと誤認するミス
- 不動産業の売上高利益率が全産業平均並み(低水準)であると思い込むミス
出題の前提:令和2年試験時点の公表統計資料(建築着工統計、国土交通白書、土地白書、法人企業統計調査)
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
各種地形の特徴と自然災害に対する危険度
免除科目(その他・土地・建物) · 土地の形質 / 埋立地と干拓地 / 地盤の安全性
土地の地形的特徴および自然災害に対する安全性に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
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解説
土地の災害リスクを評価する際は、標高・地盤構成・成因を把握することが不可欠です。海沿いの造成地である埋立地と干拓地を比較した場合、海面下に位置しやすい干拓地のほうが水害等の危険性が高くなります。
解き方
- 山地、低地、台地、沿岸造成地(埋立地・干拓地)の地形的成因と地盤性状を確認する。
- 埋立地(土砂を投入して海面より高く造成)と干拓地(堤防で囲い排水して陸地化し、海面下になりやすい)の標高差および災害リスクを比較し、誤りを含む肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 山地は傾斜が急峻な地形が多く、日本の山地の大部分は森林として利用・保全されています。
- 選択肢 2不正解
- 低地は軟弱な沖積層から成ることが多く、河川の氾濫による浸水や地震時の揺れの増幅・液状化が生じやすいため、防災面からは住宅地として好ましくありません。
- 選択肢 3正解
- 干拓地は海面より標高が低いゼロメートル地帯が生じやすく水害リスクが極めて高いのに対し、埋立地は土砂を盛って海面より数メートルの高さを確保するため、干拓地と比べれば相対的に危険度は低くなります。
- 選択肢 4不正解
- 台地は洪積世に形成された比較的締まった地盤で構成されており、低地と比較して浸水被害や地震の揺れに対する安全性が高いため、宅地として適しています。
覚えるポイント
- 干拓地は堤防を築いて排水した土地で海面下になりやすく水害危険度が非常に高い。
- 埋立地は土砂を投入して海面より数メートル高く造成した土地である。
間違えやすいところ
- 埋立地も干拓地も海・水辺に関する人工地形であるため混同しやすいが、標高が海面より高いか低いかで災害危険度の序列が逆になる点に注意する。
出題の前提:令和2年度宅地建物取引士資格試験(12月実施)出題基準・公式解答
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
建築物の構造と材料の特性
免除科目(その他・土地・建物) · 建築構造 / 鉄骨造 / 防錆処理 / 木造・RC造
建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
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解説
建築物の各構造種別(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)にはそれぞれ物理的特性や弱点が存在します。鉄骨造に用いられる鋼材は粘り強さ(靭性)に優れる反面、錆による強度低下と高温下での耐力低下が生じるため、防錆処理および耐火被覆が必須となります。
解き方
- 各記述における建築構造(基礎構造、木造の耐力設計、鉄骨造の耐久性対策、鉄筋コンクリート造の材料技術)の適否を検証する。
- 鉄骨造における鋼材の性質(耐火性・防食性)に着目し、防錆処理が不要とされている誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 建物の不同沈下や倒壊を防ぐため、基礎は十分な耐力を有する支持地盤に達して設置し、上部構造体と基礎をアンカーボルト等で堅固に緊結することが必要です。
- 選択肢 2不正解
- 建物の平面・立面形態が単純で整形式であるほど地震力や風圧力が局所に偏って集中(ねじれ現象など)するのを防げるため、耐震・耐風上好ましい設計となります。
- 選択肢 3正解
- 鋼材は水分や酸素に触れると錆びて断面欠損や強度低下を引き起こすため、原則としてさび止め塗装等の防錆処理を行う必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 材料技術の進歩により高強度コンクリートや高強度鉄筋が実用化され、従来の低・中層中心から鉄筋コンクリート造による超高層タワーマンション等の建設が可能となっています。
覚えるポイント
- 鉄骨造(鋼材)の弱点は「熱(高温で急激に軟化)」と「錆(腐食)」。
- 耐火被覆と防錆処理は鉄骨造において欠かせない措置である。
間違えやすいところ
- 鉄骨は不燃材料であるため「火災に強い」「防錆も不要」と短絡的に思い込みがちだが、熱で強度が激減し酸化で錆びるため適切な被覆・塗装が必要となる点に注意する。
出題の前提:令和2年度宅地建物取引士資格試験(12月実施)出題基準・公式解答
出典:不動産適正取引推進機構『2020年12月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
2020年12月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2020年12月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・28ページ)

