令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2018年10月試験の概要
意思表示(詐欺・錯誤・虚偽表示)と契約解除に伴う原状回復義務
権利関係 · 第三者による詐欺 / 虚偽表示 / 錯誤 / 原状回復義務
AがBに対して甲土地を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
意思表示における瑕疵(詐欺や虚偽表示など)では、相手方や第三者の善意・悪意および過失の有無により保護要件や取消しの可否が厳格に定められています。
解き方
- 第三者による詐欺(民法96条2項)において、取消しの可否は契約の相手方の善意・悪意によって判断されることを確認する。
- 転得者が悪意であっても、相手方が善意無過失である場合には取り消すことができないという法理を適用して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 契約が取り消された場合、当事者双方は原状回復義務を負い、これらは公平の観点から同時履行の関係に立ちます。
- 選択肢 2不正解
- 表意者Aに重過失がある場合、表意者自ら無効(現行法では取消し)を主張できないだけでなく、相手方BもAの錯誤を主張することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 通謀虚偽表示による意思表示の無効は、善意の第三者(ここでは仮装譲渡の事実を知らないC)に対抗することができません。
- 選択肢 4正解
- 第三者による詐欺の場合、相手方Bがその事実を知っていた(または知り得た)ときに限り取り消せます。Bが知らなかったときは、転得者Dが悪意でもAは取り消せません。
覚えるポイント
- 第三者による詐欺は、相手方が悪意または過失あるときに限り取り消すことができる。
間違えやすいところ
- 転得者の悪意があれば相手方が善意無過失でも取り消せると混同しやすいので注意する。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の民法規程・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
代理権の消滅事由・制限行為能力・利益相反・代理権濫用
権利関係 · 代理権の消滅事由 / 制限行為能力者 / 双方代理 / 代理権の濫用
Aが所有する甲土地の売却に関する代理権をBに授与し、BがCとの間で、Aを売主、Cを買主とする甲土地の売買契約(本件契約)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
代理権は本人の死亡、代理人の死亡・破産手続開始の決定・後見開始の審判によって消滅し、消滅後の代理行為は原則として無権代理となります。
解き方
- 代理権授与後に代理人が後見開始の審判を受けた場合の代理権の消滅有無を民法111条に照らして確認する。
- 代理権消滅後に行われた契約締結行為が無権代理行為となることを導き出し、選択肢4が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 代理人が自己または第三者の利益を図る目的で権限内の行為をし、相手方がその目的を知りまたは知ることができたときは、無権代理行為とみなされ、効果は本人に帰属しません。
- 選択肢 2不正解
- 制限行為能力者であっても代理人となることができます。補助開始の審判を受けている者であっても有効に代理権を取得できます。
- 選択肢 3不正解
- 双方代理は原則として無権代理行為となりますが、本人があらかじめ許諾した場合には有効に行うことができます。無条件に無効となるわけではありません。
- 選択肢 4正解
- 代理人が後見開始の審判を受けると代理権は消滅するため、その審判後に行われた代理行為は無権代理行為となります。
覚えるポイント
- 代理権消滅事由:本人の死亡、代理人の死亡・破産手続開始・後見開始の審判(保佐・補助開始は消滅事由ではない)。
間違えやすいところ
- 後見開始の審判は代理権消滅事由であるが、保佐開始や補助開始の審判は消滅事由ではない点と混同しないようにする。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の民法規程・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
条件付法律行為(停止条件)と意思能力
権利関係 · 停止条件 / 条件付権利の侵害禁止 / 意思能力 / 効力発生時期
AとBとの間で、5か月後に実施される試験(本件試験)にBが合格したときにはA所有の甲建物をBに贈与する旨を書面で約した(本件約定)。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
停止条件付法律行為の効力は、条件が成就した時から発生するのが原則であり、過去に遡って発生する(遡及効を持つ)わけではありません。
解き方
- 停止条件が成就した際の法的効果の発生時期(民法127条1項)を確認する。
- 原則として条件成就時から将来に向かって効力が発生し、遡及しないことから選択肢3を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 将来発生するか否かが不確実な事実の成否にかからせる条項であり、合格により効力が発生するため停止条件付贈与契約です。
- 選択肢 2不正解
- 条件付法律行為の当事者は、条件の成否未定の間、相手方の利益を害することができず、故意に侵害した場合は損害賠償責任を負います。
- 選択肢 3正解
- 停止条件付法律行為は条件が成就した時からその効力を生ずるため、特約のない限り約定時にさかのぼって効力を生じることはありません。
- 選択肢 4不正解
- 契約締結時に意思能力を有していなかった者の法律行為は無効であるため、後から試験に合格したとしても所有権を取得することはできません。
覚えるポイント
- 停止条件成就の効力は原則として条件成就時から生じ、遡及しない(特約があれば遡及可能)。
間違えやすいところ
- 解除条件と停止条件の効果の違い、および条件成就の効果が当然に遡及すると誤解しやすい点に注意。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の民法規程・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
消滅時効の援用権者および時効利益の放棄・承認
権利関係 · 時効の援用権者 / 後順位抵当権者 / 時効完成後の承認 / 物上保証人・保証人
時効の援用に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして、誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
時効を援用できる者は、権利の消滅によって直接に法律上の利益を受ける者に限られ、単なる反射的利益・事実上の利益を受けるにすぎない者は援用権者に含まれません。
解き方
- 消滅時効の援用権者(民法145条)に後順位抵当権者が含まれるかどうかの判例法理を確認する。
- 順位上昇の利益は反射的利益にすぎず援用権者として認められないため、選択肢2が誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 主たる債務者による時効利益の放棄は相対的な効力しか持たないため、保証人は独自に消滅時効を援用することができます。
- 選択肢 2正解
- 後順位抵当権者は先順位抵当権の消滅により順位が上昇する反射的利益を有するにすぎず、直接の法律上の利益を有する者ではないため、消滅時効を援用できません。
- 選択肢 3不正解
- 詐害行為取消請求を受けた受益者は、取消請求を免れる直接の正当な利益を有するため、詐害行為の被保全債権の消滅時効を援用できます。
- 選択肢 4不正解
- 時効完成を知らずに債務を承認した場合でも、相手方に対し時効を主張しないという期待を生じさせるため、信義則上、以後は時効を援用することができなくなります。
覚えるポイント
- 後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。
間違えやすいところ
- 保証人や物上保証人は援用権者になれるが、後順位抵当権者は援用権者になれないという対比を取り違えやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の民法規程・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
事務管理における管理者の義務と費用償還
権利関係 · 事務管理 / 善管注意義務 / 緊急事務管理 / 費用償還請求権 / 報酬請求権
Aは、隣人Bの留守中に台風が接近して、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Bからの依頼なくB宅の屋根を修理した。この場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
事務管理は原則として善良な管理者の注意義務を負いますが、本人の身体・名誉・財産に対する急迫の危害を免れさせるための緊急事務管理では、悪意・重過失がない限り責任を負わないと軽減されています。
解き方
- 問題文の「甚大な被害が生じる差し迫ったおそれ」から、緊急事務管理(民法698条)に該当することを確認する。
- 緊急事務管理では善管注意義務が軽減され、悪意または重大な過失のみが問題となるため、善管注意義務を負うとする選択肢3を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 事務管理は無償が原則であるため、法律の規定または別段の合意がない限り、管理者は本人に対して報酬を請求することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 管理者は、本人の請求があるときはいつでも事務処理の状況を報告しなければなりません(民法701条で委任の規定645条を準用)。
- 選択肢 3正解
- 本人の財産に対する急迫の危害を免れさせるための緊急事務管理にあたるため、悪意または重過失がない限り責任を問われず、善管注意義務までは要求されません。
- 選択肢 4不正解
- 管理者が本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対しその全額の償還を請求することができます(民法702条1項)。
覚えるポイント
- 緊急事務管理(急迫の危害を免れさせる行為)では、管理者の責任は悪意・重過失に限定される。
間違えやすいところ
- 通常の事務管理における善管注意義務と、緊急事務管理における注意義務の軽減規定を混同しやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の民法規程・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
民法388条の法定地上権の成立要件
権利関係 · 法定地上権 / 建物所有権の登記 / 更地抵当 / 共同抵当と再築
Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。この場合の法定地上権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
民法388条の法定地上権は「抵当権設定当時に土地の上に建物が存在し、かつ土地と建物が同一人の所有に属すること」が基本要件であり、建物所有権移転登記の有無は成立要件ではありません。
解き方
- 抵当権設定時において土地と建物の実質的所有者が同一(A)であったかを確認する。
- 建物の登記名義が前所有者Bのままであっても法定地上権が成立するという判例法理を適用し、成立しないとする選択肢1を誤りと判定する。
- 選択肢 1正解
- 抵当権設定時に土地と建物が同一の所有者に属していれば足り、建物につき抵当権設定者名義の登記がなくても法定地上権は成立します。
- 選択肢 2不正解
- 更地に抵当権が設定された後に建物が建築された場合、抵当権者の担保価値を害するため法定地上権は成立しません。
- 選択肢 3不正解
- 土地・建物に共同抵当権が設定された後に建物が取り壊されて再築された場合、原則として再築建物のための法定地上権は成立しません。
- 選択肢 4不正解
- 抵当権設定時に同一所有者であれば、その後に建物が第三者に譲渡されて所有者が異なったとしても、競売実行により法定地上権が成立します。
覚えるポイント
- 抵当権設定時に同一所有者であれば、建物について自己名義の登記がなくても法定地上権は成立する。
間違えやすいところ
- 対抗要件としての建物の登記と、抵当権設定時における同一所有者の要件における登記の要否を混同しやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の民法規程・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
債権譲渡(譲渡禁止特約の効力と第三者保護)
権利関係 · 譲渡禁止特約 / 善意・重過失 / 転得者の保護 / 質権設定
債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして、誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
譲渡禁止特約に反する債権譲渡は原則無効ですが、善意かつ重大な過失のない第三者(転得者を含む)に対しては、その無効を対抗することができません。
解き方
- 譲渡禁止特約付き債権の転得者の地位に関する判例(直接の譲受人が悪意でも転得者が善意無重過失の場合)を確認する。
- 転得者が善意・無重過失であれば債務者は無効を対抗できないため、対抗できるとする選択肢2を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡禁止特約のある債権の譲受人は、特約の存在について悪意または重過失がある場合、債権を有効に取得できません。
- 選択肢 2正解
- 直接の譲受人が特約を知っていたとしても、その後の転得者が特約につき善意・無重過失であれば、債務者はその転得者に対して特約の存在を対抗できません。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡禁止特約を自ら破って譲渡した債権者は、信義則上、債務者に無効を主張する明らかな意思がある等の特段の事情がない限り、自ら無効を主張することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 譲渡禁止特約のある債権を目的とする質権設定についても債権譲渡と同様に扱われ、質権者が悪意であるときは無効となります。
覚えるポイント
- 譲受人が悪意でも、転得者が善意無重過失であれば、債務者は譲渡禁止特約を転得者に対抗できない。
間違えやすいところ
- 譲渡禁止特約の効力について、直接の譲受人の主観だけでなく転得者の善意・無重過失も保護の対象となる点を見落とさないようにする。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の民法規程・判例
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
判決文読解(建物の賃貸借における通常損耗補修特約の有効要件)
権利関係 · 賃貸借契約 / 通常損耗 / 原状回復義務 / 特約の有効性
次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。 (判決文) 賃借人は、賃貸借契約が終了した場合には、賃借物件を原状に回復して賃貸人に返還する義務があるところ、賃貸借契約は、賃借人による賃借物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とするものであり、賃借物件の損耗の発生は、賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものである。それゆえ、建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。そうすると、建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、(中略)その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。
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解答
1
解説
判決文読解問題では、判決文に書かれている限定条件(「社会通念上通常の使用をした場合」等)を精緻に読み取り、本文の論理と合致するかを厳密に対照します。
解き方
- 判決文における「通常損耗」の定義と賃料に含まれる範囲の文言を確認する。
- 選択肢1の「どのように使用しても」「全て」という過度な一般化が判決文の「社会通念上通常の使用をした場合」の限定と反することを見抜く。
- 選択肢 1正解
- 判決文では「社会通念上通常の使用をした場合に生ずる通常損耗」について賃料に含ませて回収していると述べており、「どのように使用しても全て賃料に含ませる」とはしていません。
- 選択肢 2不正解
- 判決文中に「賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗」と明記されています。
- 選択肢 3不正解
- 判決文によれば、特約が明確に合意されていない限り、通常損耗について原状回復義務を負わせるのは賃借人に予期しない特別の負担を課すことになります。
- 選択肢 4不正解
- 一般的な原状回復義務の定めがあるだけでは足りず、通常損耗補修特約が明確に合意されている必要があるため、記述は判決文の趣旨に適合しています。
覚えるポイント
- 判決文読解では「どのように〜しても」「すべて」等の極端な拡大解釈に注意する。
間違えやすいところ
- 一般常識で判断せず、問題文に提示された判決文の文言に忠実に照らし合わせて解答する。
出題の前提:最高裁判所判決(平成17年12月16日)および民法の原則
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
相殺の要件および制限
権利関係 · 民法 / 相殺 / 弁済期 / 差押え / 不法行為債権
Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。この場合の相殺に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
相殺を行うためには双方の債権が弁済期にあることが原則ですが、相殺を主張する側(自働債権を有する側)は期限の利益を放棄できない限り相手方の弁済期前の債権で相殺できません。また、不法行為債権は被害者保護のため受働債権とすることが禁じられますが、被害者が自働債権として相殺することは可能です。
解き方
- 各選択肢について、自働債権・受働債権の関係および弁済期や相殺禁止規定の該当性を確認する。
- 肢3において、Bは自動車事故の被害者であり、損害賠償請求権を自働債権として代金債務と相殺することは制限されないため正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- Bが相殺を主張する場合、Bの有する貸金債権が自働債権となりますが、自働債権の弁済期は12月31日であり12月1日時点では到来していないため相殺できません。
- 選択肢 2不正解
- 差押えを受けた後に取得した債権を自働債権として、差押えを受けた債権と相殺することは差押債権者に対抗できません。
- 選択肢 3正解
- 不法行為に基づく損害賠償債権を受働債権とする相殺は禁止されていますが、被害者側から自働債権として相殺することは禁止されておらず有効です。
- 選択肢 4不正解
- 時効によって消滅した債権で相殺できるのは、その消滅時効の完成前に相殺適状にあった場合に限られます。本問では時効完成後に売買契約が締結されており相殺できません。
覚えるポイント
- 不法行為債権の相殺禁止は「加害者からの相殺禁止」であり、被害者からの相殺は認められる。
間違えやすいところ
- 時効消滅した債権での相殺は、時効完成『前』に相殺適状にあったことが必須要件である点に注意する。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている民法の規定による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
相続および共有に関する総合問題
権利関係 · 民法 / 相続 / 無権代理 / 遺産分割 / 連帯債務 / 共有物明渡し
相続に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
共有物の占有者は、持分に応じた使用収益権を有するため、他の共有者は持分の過半数を有していても当然に明渡しを求めることはできません。明渡しを求めるには明渡しを求める正当な理由や協議等の適切な管理に関する決定が必要です。
解き方
- 相続および共有に関する判例規律を肢ごとに照合する。
- 過半数持分権者からの明渡請求について、判例上は自己への明渡しを当然に請求することはできないとされているため、肢4を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 無権代理人が本人を単独相続した場合、本人の追認拒絶権を行使することは信義則上許されず、本人が自ら売却したのと同様の効果が生じます。
- 選択肢 2不正解
- 遺産分割前の自己の法定相続分については、登記なくして第三取得者に対抗することができます。
- 選択肢 3不正解
- 連帯債務者が死亡した場合、共同相続人は債務を相続分に応じて分割承継し、承継した範囲で他の連帯債務者と連帯債務を負います。
- 選択肢 4正解
- 共有者は持分に応じて共有物全体を使用できるため、過半数の持分を有する者であっても占有している他の共有者に対して当然に明渡しを請求することはできません。
覚えるポイント
- 共有持分の過半数を有していても、占有している共有者に当然に明渡し請求はできない(管理方法の決定手続等が必要)。
間違えやすいところ
- 過半数の持分があれば管理行為として何でも単独で明渡しまで請求できると誤認しやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている民法の規定および判例による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法(借地権の存続期間および対抗要件)
権利関係 · 借地借家法 / 借地権 / 存続期間 / 事業用定期借地権 / 対抗要件
AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
借地借家法において、当初の借地権存続期間は最低30年であり、これを下回る定めは無効となって30年とされます。また、借地人に不利な更新排除特約も無効です。事業用定期借地権等の法定要件を満たさない限り普通借地権の強行規定が適用されます。
解き方
- 各選択肢について借地借家法の強行規定および対抗要件の判例を検討する。
- 肢2の期間20年および更新請求をしない特約は借地人に不利であり無効となるため正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 事業用建物の所有目的であっても、公正証書によらずに契約した場合は定期借地権にならないだけで、普通借地権として有効に成立します。
- 選択肢 2正解
- 存続期間を30年未満とする定めや、普通借地契約において更新請求をしない旨の特約は借地人に不利であるため無効となります。
- 選択肢 3不正解
- 借地権の存続期間を30年より長い60年と定めることは有効であり、公正証書による必要もありません。
- 選択肢 4不正解
- 借地上の建物登記による借地権の対抗要件は借地権者本人の名義である必要があり、同居の親族名義の保存登記では対抗要件になりません。
覚えるポイント
- 借地上建物の対抗要件となる登記は、借地権者本人名義でなければならない(家族名義は不可)。
間違えやすいところ
- 30年以上の期間を定める場合は契約方式の制限(公正証書等)は不要であることを見落としやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている借地借家法の規定および判例による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法(建物賃貸借の更新および造作買取請求)
権利関係 · 借地借家法 / 定期建物賃貸借 / 法定更新 / 造作買取請求権 / 転借人
AとBとの間で、Aが所有する甲建物をBが5年間賃貸借する旨の契約を締結した場合における次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか(借地借家法第39条に定める取壊し予定の建物の賃貸借及び同法第40条に定める一時使用目的の建物の賃貸借は考慮しないものとする。)。
解答・解説を表示
解答
3
解説
期間1年以上の定期建物賃貸借では期間満了の1年前から6か月前までの間に通知をしなければ終了を対抗できません。一方、普通建物賃貸借において所定の通知をしないときは法定更新され、更新後の契約は期間の定めのない契約となります。
解き方
- 普通建物賃貸借および定期建物賃貸借の終了・更新に関する規定を肢ごとに検討する。
- 肢3の普通建物賃貸借の法定更新とその効果(期間の定めのない契約となる)が借地借家法第26条に合致するため正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 期間1年以上の定期建物賃貸借では、賃貸人は期間満了の1年前から6か月前までの間に期間満了により終了する旨の通知をしなければ終了を対抗できません。
- 選択肢 2不正解
- 床面積200㎡未満の居住用建物の定期建物賃貸借では、やむを得ない事情がある場合、借家人から中途解約の申入れが可能です(特約による中途解約権留保も可能)。絶対に解約できないわけではありません。
- 選択肢 3正解
- 期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶等の通知をしないときは従前と同一条件で法定更新され、その期間は定めのないものとなります。
- 選択肢 4不正解
- 適法な転借人Cも、賃貸人Aの同意を得て付加した造作について、期間満了による終了時に賃貸人Aに対して造作買取請求権を行使できます。
覚えるポイント
- 普通建物賃貸借が法定更新された場合、更新後の契約期間は「期間の定めのないもの」となる。
間違えやすいところ
- 定期建物賃貸借において、期間1年以上なら終了通知(1年前〜6か月前)が対抗要件として必要であることを見落としやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている借地借家法の規定による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
区分所有法(規約の設定・保管および占有者の義務)
権利関係 · 区分所有法 / 規約 / 集会の決議 / 特別決議 / 規約の保管
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
区分所有法において、規約の設定・変更・廃止は区分所有関係の重要事項であるため特別多数決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上)を必要とします。普通決議(過半数)では行うことができません。
解き方
- 区分所有法における集会の決議要件および規約の管理に関する規定を確認する。
- 肢1で過半数決議とされている点は誤り(正しくは各4分の3以上の多数)であると判断する。
- 選択肢 1正解
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による特別決議が必要です。過半数ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 規約の保管者は正当な理由なく閲覧を拒んではならず、正当な理由なく拒んだ場合は20万円以下の過料に処されます。
- 選択肢 3不正解
- 規約を保管する者は、規約の保管場所を建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 占有者は、建物等の使用方法に関して区分所有者が規約や集会決議に基づき負う義務と同一の義務を負います。
覚えるポイント
- 規約の設定・変更・廃止の決議要件は「区分所有者及び議決権の各4分の3以上」。
間違えやすいところ
- 普通決議(過半数)で可能な事項と特別決議(4分の3以上)が必要な事項を取り違えやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている建物の区分所有等に関する法律の規定による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記法(申請義務および登記官の職権)
権利関係 · 不動産登記法 / 表示に関する登記 / 権利に関する登記 / 職権登記 / 申請義務
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
表示に関する登記には登記事項の現状を反映させるため1月以内の申請義務があり職権登記も認められますが、出題当時の権利に関する登記(名義人の氏名住所変更登記を含む)には原則として申請義務はありませんでした。
解き方
- 表示に関する登記と権利に関する登記(登記名義人の表示変更を含む)の申請義務を比較する。
- 建物の床面積の変更は表示に関する登記であり1月以内の申請義務があるが、所有権登記名義人の住所変更登記は当時申請義務がなかったため肢4が誤りとなる。
- 選択肢 1不正解
- 登記は当事者の申請または官庁・公署の嘱託がなければすることができないのが原則です(不動産登記法第16条)。
- 選択肢 2不正解
- 表示に関する登記は、登記官が職権ですることができます(不動産登記法第28条)。
- 選択肢 3不正解
- 建物の床面積の変更は建物の表題部の登記事項の変更であり、変更があった日から1月以内に申請しなければなりません。
- 選択肢 4正解
- 出題当時、登記名義人の住所変更登記は権利部の変更登記に属し、申請義務は定められていませんでした。
覚えるポイント
- 表示に関する登記は1か月以内の申請義務があり、職権で行うこともできる。
間違えやすいところ
- 「建物の床面積の変更(表示)」と「登記名義人の住所変更(権利部の付記登記)」の申請義務の有無を混同しやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている不動産登記法の規定による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法(事後届出の手続および要件)
法令上の制限 · 国土利用計画法 / 事後届出 / 勧告 / 公表 / 適用除外 / 面積要件
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
国土利用計画法に基づく事後届出において、知事は利用目的について勧告を行うことができ、勧告に従わないときはその事実および内容を公表することができます。また、当事者の一方が国や地方公共団体である場合は届出不要であり、宅建業者間の取引であっても免除規定はありません。
解き方
- 各選択肢について、国土利用計画法の届出手続・適用除外・勧告効果を照合する。
- 肢1の「勧告に従わない場合の公表」の規定が同法第24条第2項に合致するため正しいと判断する。
- 選択肢 1正解
- 都道府県知事は、勧告を受けた者が正当な理由がなくその勧告に従わないときは、その旨及び勧告の内容を公表することができます。
- 選択肢 2不正解
- 当事者の一方が地方公共団体(乙県)である場合、国土利用計画法の事後届出は適用除外となり届出は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 事後届出は、土地が所在する市町村の長を経由して都道府県知事に届け出なければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 市街化区域内の2,000㎡以上の土地売買では事後届出が必要であり、当事者がともに宅建業者であっても免除されません。
覚えるポイント
- 当事者の一方が国や地方公共団体の場合は国土利用計画法の届出が不要。
間違えやすいところ
- 宅建業者相互間の取引であっても国土法の届出免除にはならない点に注意する。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている国土利用計画法の規定による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法(都市計画区域・準都市計画区域等の指定)
法令上の制限 · 都市計画法 / 田園住居地域 / 風致地区 / 市街化区域 / 準都市計画区域 / 区域区分
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
都市計画区域外で指定される準都市計画区域においては、無秩序な開発を防止するために用途地域等を定めることができますが、市街化区域と市街化調整区域の「区域区分(線引き)」を定めることはできません。
解き方
- 準都市計画区域に定めることができる都市計画の内容を確認する。
- 区域区分(市街化区域と市街化調整区域の区分)は都市計画区域内でのみ定められるものであり、準都市計画区域には定められないため肢4を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 田園住居地域内の農地において土地の形質変更等を行う場合、市町村長の許可が必要です(都市計画法第52条)。
- 選択肢 2不正解
- 風致地区内における建築等の規制は地方公共団体の条例で定めることができます(都市計画法第58条)。
- 選択肢 3不正解
- 市街化区域には少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域には原則として用途地域を定めないものとされています(都市計画法第13条第1項)。
- 選択肢 4正解
- 区域区分(市街化区域と市街化調整区域の区分)は準都市計画区域において定めることができません。
覚えるポイント
- 準都市計画区域には「区域区分(市街化区域・市街化調整区域の線引き)」を定めることはできない。
間違えやすいところ
- 準都市計画区域内でも用途地域の一部などは定められるが、区域区分は定めることができない点を取り違えやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている都市計画法の規定による。
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
開発許可制度の適用対象と例外規定
法令上の制限 · 都市計画法 / 開発行為 / 開発許可の要否 / 市街化調整区域 / 準都市計画区域
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積については、条例による定めはないものとし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
都市計画法では、無秩序な市街化を防止し計画的な土地利用を図るため開発行為を原則として知事等の許可制としていますが、公益性の高い行為や市街化区域外における農林漁業用の建築等については例外的に許可を不要としています。
解き方
- 各選択肢の開発行為が行われる区域区分(市街化調整区域、区域外、準都市計画区域等)および開発目的を確認する。
- 開発許可の規模要件または例外規定(非常災害の応急措置、農林漁業用建築物、工事完了公告後の制限)に照らし合わせて適否を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為は、市街化調整区域内を含め区域を問わず開発許可を受ける必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 用途地域の定めのない開発区域内では、工事完了公告後は予定建築物等以外の建築物を新築等できませんが、知事の許可を受けた場合は新築が可能です。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画区域及び準都市計画区域外において開発許可が必要となる規模は10,000㎡以上であるため、8,000㎡の開発行為は許可不要です。
- 選択肢 4正解
- 市街化区域以外の区域(準都市計画区域を含む)では、農業等を営む者の居住用建築物を建築する目的の開発行為は許可不要であるため、本記述は誤りです。
覚えるポイント
- 農林漁業用の建築物および農林漁業従事者の居住用建築物の例外は、市街化区域以外の区域で適用され、市街化区域では適用されない。
間違えやすいところ
- 市街化区域では農林漁業従事者の住宅であっても開発許可が必要となる点と混同しないように注意する。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における安全基準および手すり壁の設置規定
法令上の制限 · 建築基準法 / 非常用進入口 / 完了検査 / バルコニーの手すり / 既存不適格
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
建築基準法および同施行令では、利用者の安全確保や火災時の避難・消防活動を担保するための構造設備基準(手すりの高さ、進入口の設置、検査手続き、既存不適格の扱い)を詳細に定めています。
解き方
- 各選択肢の対象(非常用進入口の設置義務階、防火地域内の増築と完了検査、バルコニーの手すり高さ、既存建築物への法改正遡及)を確認する。
- 法令の基準(手すり壁1.1m以上、防火地域での確認要否、既存不適格の取扱い)を適用して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 非常用の進入口は、高さ31m以下の部分にある「3階以上の階」に設ける必要があり、1階や2階など「全ての階」に設ける必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 防火地域内では床面積10㎡以内の増築であっても建築確認が必要であり、確認を受けた建築物は工事完了後に完了検査を受ける必要があります。
- 選択肢 3正解
- 屋上広場又は2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、高さ1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設ける必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 法改正時に現存する基準不適合建築物は既存不適格建築物として扱われ、直ちに適合させる義務はなく、原則として一定の増改築等の機会に適合させます。
覚えるポイント
- 屋上広場や2階以上のバルコニーの手すり壁・さく・金網の安全上必要な高さは1.1m以上である。
間違えやすいところ
- 防火地域・準防火地域外では10㎡以内の増築で確認申請不要となるが、防火地域・準防火地域内では面積にかかわらず建築確認が必要となる点を見落としやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における用途制限と道路・容積率規定
法令上の制限 · 建築基準法 / 田園住居地域 / 用途地域の過半主義 / 2項道路 / 壁面線と容積率
建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法では、敷地が複数の用途地域にまたがる場合、過半が属する地域の建築物の用途に関する制限を敷地全体に適用します(過半主義)。各用途地域ごとの建築可能建築物の把握が重要です。
解き方
- 敷地面積の割合を確認し、第二種低層住居専用地域(40%)と第一種中高層住居専用地域(60%)のどちらが過半かを判断する。
- 過半である第一種中高層住居専用地域において、大学が建築可能であるかを判定する(建築可能)。
- 選択肢 1不正解
- 田園住居地域内では、低層住居専用地域と同様に、都市計画で定められた10m又は12mの絶対的高さ制限が適用されます。
- 選択肢 2正解
- 敷地の過半(60%)が第一種中高層住居専用地域にあるため敷地全体に同地域の制限が適用され、第一種中高層住居専用地域では大学を建築できるため本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 法第3章適用時に現に建築物が立ち並んでいた幅員4m未満(1.8m以上)の道で特定行政庁が指定したものは、2項道路として法上の道路とみなされます。
- 選択肢 4不正解
- 前面道路から後退した壁面線の指定があり特定行政庁が認めて許可した建築物については、道路境界線が当該壁面線にあるものとみなして容積率を算定します。
覚えるポイント
- 敷地が複数の用途地域にまたがる場合、建築物の用途制限は「過半の属する地域」の制限が敷地全体に適用される。
間違えやすいところ
- 低層住居専用地域では大学を建築できないが、中高層住居専用地域では大学を建築できる点を取り違えやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法における宅地造成の定義と許可要件
法令上の制限 · 宅地造成等規制法 / 宅地造成の定義 / 保全義務 / 許可の条件 / 切土・盛土の規模要件
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地造成等規制法において「宅地造成」とは、宅地以外の土地を宅地にするため、又は宅地において行う土地の形質の変更であって一定規模を超えるものをいい、規制区域内で行う場合は知事の許可を要します。
解き方
- 各肢の保全義務、許可への条件付加、宅地造成の定義、許可を要する規模基準を確認する。
- 切土の規模基準(高さ2m超の崖、または面積500㎡超)に本問の数値(高さ1m、面積400㎡)を照らし合わせ、宅地造成に該当しない(許可不要)と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 宅地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するよう努めなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 都道府県知事は、宅地造成工事の許可に際して、工事の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができます。
- 選択肢 3不正解
- 宅地造成とは「宅地以外の土地を宅地にする」又は「宅地において行う」工事をいうため、宅地を農地等(宅地以外)にする工事は宅地造成に該当しません。
- 選択肢 4正解
- 切土の場合、高さ2mを超える崖を生じるもの、又は切土面積が500㎡を超えるものが宅地造成に該当します。高さ1m・面積400㎡は要件を満たさず許可不要です。
覚えるポイント
- 宅地造成の規模基準:切土は崖2m超、盛土は崖1m超、切盛合わせて崖2m超、生じる崖に関係なく面積500㎡超。
間違えやすいところ
- 盛土(高さ1m超)と切土(高さ2m超)の数値を混同して、切土1mでも許可が必要と誤認しやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法における施行手順と仮換地指定
法令上の制限 · 土地区画整理法 / 土地区画整理事業の定義 / 建築等の制限 / 建築物の移転・除却 / 仮換地の使用収益開始日
土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
土地区画整理法では、公共施設整備と宅地の利用増進を図るため、換地計画・仮換地指定・換地処分等の手続きを定めており、事業を円滑に進めるため施行者には建築物の移転・除却等の権能が認められています。
解き方
- 土地区画整理事業の施行対象地域(都市計画区域内のみ)を確認する。
- 事業中の建築制限(知事等の許可)、仮換地における使用収益開始日の決定規定、施行者の移転・除却権能を確認して正誤を判別する。
- 選択肢 1不正解
- 土地区画整理事業は「都市計画区域内」の土地について行われる事業であり、都市計画区域外の土地を対象とすることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 施行地区内における建築物等の新築の許可権者は「都道府県知事等(市の区域内では市長)」であり、知事と市町村長の双方から許可を受ける必要はありません。
- 選択肢 3正解
- 施行者は、仮換地を指定した場合において、従前の宅地に存する建築物を移転し、又は除却することが必要となったときは、これを移転又は除却することができます。
- 選択肢 4不正解
- 施行者は、仮換地を使用・収益できる日を、仮換地の効力発生の日とは別に定めることができるため、「同一の日として定めなければならない」とする本記述は誤りです。
覚えるポイント
- 仮換地指定の効力発生日と、実際に使用収益を開始できる日は別個に定めることができる。
間違えやすいところ
- 土地区画整理事業は都市計画区域「外」では実施できない点を見落とさないように注意する。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
農地法の権利移動および転用規制
法令上の制限 · 農地法 / 第5条届出 / 市街化区域の特例 / 遺産分割 / 農地所有適格法人 / 農地の判定
農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
農地法では耕作者の地位安定や農業生産力確保のため、権利移動(3条)や転用(4条・5条)を許可制にしていますが、市街化区域内の農地転用については農業委員会への届出で足りる特例が設けられています。
解き方
- 各肢の事由(市街化区域内の転用目的権利移動、遺産分割による権利取得、一般法人の賃貸借、現況主義)を整理する。
- 法令の適用除外や現況主義(地目ではなく現況で判断、相続等は許可不要、一般法人も借入れ可能)を適用して正誤を判別する。
- 選択肢 1正解
- 市街化区域内の農地を転用目的で権利取得する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば法第5条第1項の許可を受ける必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 遺産分割による農地の取得は相続等による包括承継・共有物分割に準ずるため、法第3条第1項の許可を受ける必要はありません(農業委員会への届出は必要)。
- 選択肢 3不正解
- 農地所有適格法人以外の一般法人であっても、解除条件付きの賃貸借契約を結ぶ等の一定の要件を満たせば、耕作目的で農地を借り入れることが可能です。
- 選択肢 4不正解
- 農地法における「農地」の該否は登記簿の地目ではなく現況によって判断されるため、登記簿上雑種地であっても現に耕作されている土地は農地として扱われます。
覚えるポイント
- 市街化区域内の農地を転用(4条)または転用目的で権利移動(5条)する場合、農業委員会への届出で足り、許可は不要である。
間違えやすいところ
- 登記簿の地目にとらわれず、農地法は「現況主義」で判断する点を取り違えやすい。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
登録免許税の住宅用家屋の所有権移転登記に係る軽減特例
税・その他 · 登録免許税 / 住宅用家屋の軽減税率 / 共有持分と床面積 / 取得原因の制限 / 築年数要件 / 住宅用家屋証明書
住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
租税特別措置法に基づく住宅用家屋の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置は、自己の居住用住宅を取得する個人の負担を軽減するための特例であり、取得原因、床面積、築年数、市区町村長の証明書添付などの要件が定められています。
解き方
- 各肢の要件(床面積の判定方法、取得原因、耐火建築物の築年数要件、添付証明書の証明主体)を確認する。
- 床面積は家屋全体で判定、取得原因は売買・競落限定、耐火建築物は築25年以内で証明不要、証明者は市区町村長であるという各規定を適用する。
- 選択肢 1不正解
- 床面積が50㎡以上であるかどうかの要件は、家屋全体の登記事項証明書上の床面積で判断するため、自己の持分割合を乗じた面積で判断するわけではありません。
- 選択肢 2正解
- 所有権移転登記の税率軽減の対象となる取得原因は「売買」又は「競落」に限られており、交換や贈与を原因とする移転登記には適用されません。
- 選択肢 3不正解
- 耐火建築物の場合、取得の日以前25年以内に建築されたものであれば、耐震基準適合証明書等による証明がなくても本軽減措置の適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 本軽減措置の適用を受けるために添付が必要な書類は、「税務署長」ではなく家屋の所在地の「市区町村長」が発行する住宅用家屋証明書です。
覚えるポイント
- 所有権移転登記の登録免許税軽減の取得原因は「売買」と「競落」のみ(贈与・交換・相続は不可)。証明書は「市区町村長」が発行する。
間違えやすいところ
- 証明書の発行者を「税務署長」とする引っ掛けや、共有持分の面積割合で床面積要件を計算する誤りに注意する。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
不動産取得税の課税対象・非課税および徴収方法
税・その他 · 不動産取得税 / 普通徴収 / 改築による価格増加 / 相続の非課税 / 免税点
不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産取得税は不動産の所有権取得に対して課される都道府県税ですが、形式的な移転である相続は非課税とされ、納税方法として普通徴収が採用されています。また改築による価格増加も取得とみなされます。
解き方
- 各肢の論点(徴収方法、改築による価格増加、相続取得の課税・非課税、免税点の基準)を確認する。
- 不動産取得税は普通徴収であること、改築増価分は課税対象であること、相続は非課税であること、免税点は面積ではなく価格基準であることを照合する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産取得税は都道府県から送付される納税通知書によって納付する「普通徴収」により徴収されるため、申告納付ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 家屋を改築したことにより家屋の価格が増加した場合、その増加した価格の部分については家屋の取得とみなされ、不動産取得税が課されます。
- 選択肢 3正解
- 相続(包括遺贈を含む)による不動産の取得は形式的な移転とみなされるため、不動産取得税は課されません(非課税規定)。
- 選択肢 4不正解
- 不動産取得税の免税点は課税標準となる「価格(土地の場合は10万円未満)」により定められており、「面積」による免税点は存在しません。
覚えるポイント
- 相続による不動産取得は不動産取得税が非課税となる。徴収方法は申告納付ではなく普通徴収である。
間違えやすいところ
- 免税点の判定基準を「面積」と混同しないこと(土地は課税標準額10万円未満、新築建物は23万円未満、売買等既存建物は12万円未満)。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行されている規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の鑑定評価基準
税・その他 · 不動産鑑定評価基準 / 最有効使用の原則 / 鑑定評価の手法 / 価格の種類
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産鑑定評価基準において、不動産の価格は最有効使用(その効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用)を前提として把握されます。価格を求める手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)は原則として併用すべきであり、特定の目的に応じた価格概念(正常価格・限定価格・特定価格・特殊価格)の正確な区別が求められます。
解き方
- 最有効使用の原則、三手法の適用方法、価格の種類の定義を不動産鑑定評価基準に基づき確認します。
- 各選択肢を照合し、最有効使用の原則を正確に記述している選択肢1を正解と判定します。
- 選択肢 1正解
- 不動産鑑定評価基準において、「不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成される」と定められており、これを最有効使用の原則と呼びます。
- 選択肢 2不正解
- 収益還元法は、賃貸用や事業用不動産だけでなく、自用の不動産であっても賃貸を想定することにより適用が可能であり、適用すべきではないとする記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 鑑定評価の手法(原価法、取引事例比較法、収益還元法)は、原則として複数の手法を併用して適用すべきとされており、いずれか1つのみを選択して適用するわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 記述の内容(法令等による社会的要請を背景として早期売却等を前提に求められる価格)は「特定価格」の説明であり、隣接地の買増し等により市場が限定される場合に成立する「限定価格」の説明ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 三手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)は原則として併用する。
- 民事再生法等による早期売却前提の価格は「特定価格」である。
間違えやすいところ
- 限定価格(隣接地併合等)と特定価格(証券化や民事再生法等による正常価格からの乖離)の定義を取り違えないよう注意が必要です。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の不動産鑑定評価基準
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
広告に関する規制(誇大広告・広告開始時期)
宅建業法 · 誇大広告等の禁止 / おとり広告 / 広告開始時期の制限 / 罰則
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業法第32条は、取引物件の所在・規模・形質・利用制限・代金等について著しく事実に相違する表示や著しく優良・有利であると誤認させる表示(誇大広告等)を禁止しています。成約済み物件の継続掲載(おとり広告)や不都合な事実の不表示による誤認も違反となります。違反には監督処分および刑事罰(懲役・罰金の併科含む)が科されます。
解き方
- 誇大広告等の禁止規定(法第32条)および広告開始時期の制限(法第33条)の適用要件を確認します。
- 各肢の違反の有無、広告開始時期の賃貸への適用、罰則の有無を検証し、正しい選択肢2を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 契約成立後に広告を掲載し続ける行為は、実際には取引できない物件を掲載する「おとり広告」に該当し、法第32条の誇大広告等の禁止に違反します。
- 選択肢 2正解
- 誇大広告等の禁止違反に対しては、監督処分(指示処分や業務停止処分など)が科されるほか、6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらが併科されることがあります(法第82条)。
- 選択肢 3不正解
- 建築確認申請中などの未完成物件については、売買だけでなく「貸借の媒介」に関する広告であっても、確認等を受ける前に行うことは禁止されています(法第33条)。
- 選択肢 4不正解
- 利用の制限の一部を表示しないこと(不作為)によって著しく優良又は有利であると誤認させる場合も、法第32条の誇大広告等の禁止に違反します。
覚えるポイント
- 広告開始時期の制限(法第33条)は売買・賃貸の別を問わず適用される。
- 契約締結時期の制限(法第36条)は貸借には適用されないが、広告開始制限(法第33条)は貸借にも適用される。
間違えやすいところ
- 契約締結時期の制限(賃貸は対象外)と広告開始時期の制限(賃貸も対象)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
建物状況調査と重要事項説明・37条書面
宅建業法 · 建物状況調査(インスペクション) / 重要事項説明 / 37条書面 / 業者間取引
宅地建物取引業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅地建物取引業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「建物状況調査」とは、法第34条の2第1項第4号に規定する調査をいうものとする。
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解答
4
解説
既存住宅の売買における建物状況調査に関して、媒介契約締結時にはあっせんの有無の記載・説明、重要事項説明(法第35条)では過去1年以内に実施された調査結果の概要及び書類の保存状況の説明が求められます。37条書面の記載事項(構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項)は、業者間取引であっても省略できません。
解き方
- 媒介契約時、重要事項説明時、37条書面交付時における建物状況調査関連の規定を整理します。
- 重要事項説明の対象となる調査の有効期間(1年以内)や書類説明の範囲(保存状況のみで記載内容は不要)を確認します。
- 37条書面の交付・記載義務は業者間取引でも免除されないことを適用し、肢4が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項は媒介契約締結時に自らの依頼者に対して行うものであり、売主側媒介業者Aが買主Dに対してあっせんの有無を確認する義務はありません。
- 選択肢 2不正解
- 法第35条で説明が求められているのは「建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況」であり、「それぞれの書類に記載されている内容」まで説明する義務はありません。
- 選択肢 3不正解
- 重要事項説明の対象となる建物状況調査は「過去1年以内に実施されたもの」に限られます。2年前に実施された調査結果の概要を説明する義務はありません。
- 選択肢 4正解
- 法第37条の書面交付義務および記載事項に関する規定は宅建業者相互間の取引であっても適用除外とされていないため、買主Dが宅建業者であっても確認事項があるときはその記載を省略できません。
覚えるポイント
- 重要事項説明の対象となる建物状況調査は過去1年以内に実施されたものに限る。
- 37条書面の交付義務は業者間取引でも適用除外されない。
間違えやすいところ
- 書類の「保存状況」の説明義務を、書類の「内容」の説明義務と誤認しないように注意しましょう。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
宅建業法の適用範囲と業者間取引の特則
宅建業法 · 契約締結時期の制限 / 業者間取引の適用除外 / 37条書面 / 供託所の説明 / 媒介契約の業務処理状況報告
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地建物取引業者が、買主として、造成工事完了前の宅地の売買契約を締結しようとする場合、売主が当該造成工事に関し必要な都市計画法第29条第1項の許可を申請中であっても、当該売買契約を締結することができる。 イ 宅地建物取引業者が、買主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結した場合、法第37条の規定により交付すべき書面を交付しなくてよい。 ウ 営業保証金を供託している宅地建物取引業者が、売主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結しようとする場合、営業保証金を供託した供託所及びその所在地について、買主に対し説明をしなければならない。 エ 宅地建物取引業者が、宅地の売却の依頼者と媒介契約を締結した場合、当該宅地の購入の申込みがあったときは、売却の依頼者が宅地建物取引業者であっても、遅滞なく、その旨を当該依頼者に報告しなければならない。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法第33条(契約締結時期の制限)は宅建業者が自ら買主として買い受ける場合には適用されません。法第37条書面の交付は業者間でも免除されません。法第35条の2(供託所等の説明)は業者間取引では適用除外です。媒介契約における購入申込み時の報告義務は専任(専属専任含む)媒介契約に課されるものであり、一般媒介契約も含む全体の義務ではありません。
解き方
- 各記述(ア〜エ)について宅建業法の規定および業者間取引での適用除外関係を判定します。
- アは買主として購入する場合の制限対象外なので「正しい」。
- イは37条書面が業者間でも適用されるため「誤り」。
- ウは供託所等の説明が業者間取引で適用除外となるため「誤り」。
- エは一般媒介契約を含め法律上一律に義務付けられているわけではないため「誤り」。
- 正しいものはアの1つであるため、正解を「1(一つ)」と決定します。
- 選択肢 1正解
- 正しい記述はアのみの「一つ」であるため、本肢が正解となります。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、二つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- アが正しい記述であるため、なしとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 契約締結時期の制限(法第33条)は、宅建業者が「自ら買主」となる場合には適用されない。
- 37条書面の交付義務は業者間取引でも適用除外されないが、供託所等の説明(法第35条の2)は業者間取引では適用除外される。
間違えやすいところ
- 法第33条が適用除外条項(法第78条第2項)に載っていないことと、業者が買主となる場合にそもそも適用されないことの趣旨を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限と業者間取引の適用除外
宅建業法 · 8種制限の適用除外 / 37条書面の記名押印 / 損害賠償額の予定の制限 / 手付の額の制限 / 契約不適合責任(瑕疵担保責任)
Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限(法第37条の2〜第43条)は、買主が宅建業者である場合には適用されません(法第78条第2項)。一方、法第37条書面の交付および取引士による記名(旧記名押印)義務は、業者間取引であっても免除されず適用されます。
解き方
- 当事者双方(AおよびB)が宅建業者であるか、あるいは買主が一般消費者であるかを確認します。
- 業者間取引における8種制限の適用除外と、37条書面義務の適用有無を照合します。
- 選択肢2は8種制限(法第38条の損害賠償額の予定の制限)が適用除外となるため違反せず、正解と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 法第37条書面への宅地建物取引士による記名押印義務(施行当時の規定)は業者間取引でも免除されないため、取引士でない者が記名押印することは法に違反します。
- 選択肢 2正解
- 宅建業者間の取引においては損害賠償額の予定等の制限(法第38条)が適用除外となるため、代金の2割(400万円)を超える600万円の損害賠償額を予定する特約を定めても違反しません。
- 選択肢 3不正解
- 買主が非業者の場合、受領できる手付の額は代金の2割(2,000万円×20%=400万円)が上限であるため(法第39条第1項)、500万円の手付を受領することは法に違反します。
- 選択肢 4不正解
- 買主が非業者の場合、瑕疵担保責任(契約不適合責任)の通知期間を「引渡しの日から2年以上」とする場合を除き民法より不利な特約は無効となるため(法第40条)、「引渡しの日から1年以内」とする特約は法に違反します。
覚えるポイント
- 自ら売主の8種制限は宅建業者間の取引ではすべて適用除外される。
- 37条書面の交付および取引士の記名義務は業者間取引でも適用除外されない。
間違えやすいところ
- 業者間取引で適用除外される規定(8種制限・重要事項説明等)と、適用除外されない規定(37条書面交付・取引士記名等)を混同しないように整理しましょう。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
賃貸借媒介の報酬限度額
宅建業法 · 報酬額の制限 / 定期建物賃貸借 / 権利金の売買代金みなし計算 / 広告料金の請求 / 再契約の媒介
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、Bが所有する建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とし、1か月分の借賃を10万円(消費税等相当額を含まない。)、CからBに支払われる権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものであり、消費税等相当額を含まない。)を150万円とする定期建物賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
賃貸借の媒介報酬の限度額は、依頼者双方から受ける合計で借賃1か月分+税が上限です。権利金を売買代金とみなして計算できる特例は「居住用建物以外」の賃貸借に限定されます。また、報酬以外に請求できる広告費用は「依頼者の依頼によって行う特別の広告」に限られ、定期賃貸借の終了後の再契約の媒介であっても宅建業法の報酬規制が適用されます。
解き方
- 店舗用・居住用それぞれの借賃および権利金計算の適用関係を確認します。
- 双方から受領できる合計上限(借賃1か月+税)を超えていないかを検証します。
- 広告費用の請求要件(依頼者の依頼に基づくもののみ)を確認します。
- 定期借家の再契約における媒介行為への業法適用性を判断し、選択肢4が正しいと結論づけます。
- 選択肢 1不正解
- 貸借の媒介において宅建業者が受け取ることができる報酬の合計額は、双方承諾があっても借賃1か月分+税(10万円×1.08=10万8,000円)が上限であり、双方からそれぞれ10万8,000円(合計21万6,000円)を受領することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 権利金を売買代金とみなして報酬を計算できる規定は「居住用建物以外」に限定されているため、居住用建物である場合には権利金をベースにした計算は適用できません。
- 選択肢 3不正解
- 報酬とは別に広告料金を請求できるのは「依頼者の依頼に基づいて行う特別の広告」に要した実費に限られ、依頼に基づかない広告の費用はいかに成約に寄与しても請求できません。
- 選択肢 4正解
- 定期建物賃貸借の終了に伴う再契約であっても、新たな賃貸借契約の成立を媒介する行為であることに変わりはないため、受領する報酬には宅建業法の報酬規定が適用されます。
覚えるポイント
- 権利金のみなし計算特例は「居住用建物以外」にのみ適用される。
- 賃貸借媒介の報酬合計額は、承諾の有無にかかわらず最大でも借賃1か月分+税までである。
間違えやすいところ
- 依頼者の承諾があれば貸主・借主それぞれから借賃1か月分ずつ(計2か月分)もらえると誤解しないように注意しましょう。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法および国土交通省告示
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
低廉な空家等の売買媒介報酬の特例
宅建業法 · 報酬額の計算 / 低廉な空家等の特例 / 現地調査等費用 / 売買媒介と賃貸媒介
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることができる報酬の上限額に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
平成30年1月施行の特例により、売買代金400万円以下の低廉な空家等については、通常の報酬計算額に現地調査等の費用を合算して、売主(譲渡人)から最大18万円+消費税(8%時194,400円)まで受け取ることができます。この特例は買主側からの受領や、貸借の媒介には適用されません。
解き方
- 低廉な空家等の売買特例の適用要件(代金400万円以下、売主等からの受取、事前説明・合意)を確認します。
- 肢1は代金500万円で特例対象外(400万円超)のため誤り。
- 肢2は買主からの受領であるため特例対象外で誤り。
- 肢3は代金350万円の売主媒介で通常額16万円+費用2万円=18万円(税込194,400円)となり正しい。
- 肢4は貸借の媒介であるため特例対象外で誤りと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 代金が500万円であり400万円を超えているため低廉な空家等の特例は適用されず、受取上限額は通常計算の21万円+税=226,800円となります。
- 選択肢 2不正解
- 低廉な空家等の特例(現地調査費用の合算上限18万円+税)は「売主(譲渡人)」から受け取る場合に限られ、「買主」からは通常の計算上限(14万円+税=151,200円)しか受領できません。
- 選択肢 3正解
- 代金350万円の売主からの媒介依頼であり特例が適用されます。通常の報酬上限16万円に現地調査費用2万円を合算した18万円に消費税等(8%)を加えた194,400円が受取上限額となります。
- 選択肢 4不正解
- 低廉な空家等の調査費用合算特例は「売買又は交換の媒介・代理」に適用されるものであり、「貸借の媒介」には適用されません。
覚えるポイント
- 低廉な空家等の特例は「400万円以下の売買・交換」で「売主側」からのみ受領可能(上限18万円+税)。
- 買主側からの受領や「貸借」には低廉な空家等の特例は適用されない。
間違えやすいところ
- 買主に対しても18万円+税まで請求できると誤認しないように注意しましょう。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法および国土交通省告示(平成30年1月1日施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
監督処分及び宅地建物取引士の規定
宅建業法 · 監督処分 / 指示処分 / 登録消除処分 / 事務禁止処分 / 宅地建物取引士証の提出
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建士への処分原因について所属宅建業者に帰責事由がある場合、免許権者は業者に対しても監督処分(指示処分等)を行うことができます。取引士に対する事務禁止処分において取引士証の提出先は「交付を受けた都道府県知事(登録知事)」であり処分知事ではありません。また不正登録時の処分は登録消除であり試験合格の取消しではありません。
解き方
- 取引士の違反行為に伴う所属宅建業者への指示処分規定(法第65条第3項)を確認します。
- 不正登録に対する処分内容(登録消除処分)と試験合格取消しの違いを精査します。
- 国土交通大臣の指導・助言・勧告の対象者(宅建業者等)を確認します。
- 事務禁止処分を受けた際の取引士証の提出先(交付知事)を照合し、肢1を正解と判断します。
- 選択肢 1正解
- 取引士が指示処分を受けた場合において、宅建業者の責めに帰すべき理由があるときは、その免許権者である国土交通大臣(知事免許なら知事)は当該業者に対して指示処分をすることができます(法第65条第3項)。
- 選択肢 2不正解
- 不正の手段により登録を受けたときは「登録の消除処分」を行わなければなりませんが、「試験合格の決定の取消し」を行う規定ではありません(合格取消しは不正受験者等に対する措置です)。
- 選択肢 3不正解
- 法第71条に基づく指導、助言及び勧告の対象は「宅地建物取引業者」等であり、「すべての宅地建物取引士」に対して国土交通大臣が直接行うものではありません。
- 選択肢 4不正解
- 事務禁止処分を受けた取引士は、速やかに宅地建物取引士証をその「交付を受けた都道府県知事(甲県知事)」に提出しなければならず、処分を行った乙県知事に提出するわけではありません。
覚えるポイント
- 事務禁止処分を受けた際の宅建士証の提出先は、処分知事ではなく「交付知事(登録知事)」である。
- 不正手段による登録への処分は「登録消除」であり、試験合格自体の取消しではない。
間違えやすいところ
- 他県知事から処分を受けた場合でも、宅建士証の提出や返納は一貫して「交付を受けた(登録している)知事」に行う点を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約書の記載事項と業務規制
宅建業法 · 媒介契約 / 建物状況調査 / 指定流通機構
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の居住用甲住宅の売却の媒介依頼を受けた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法第34条の2第1項では、媒介契約締結時に交付すべき書面(34条の2書面)に記載すべき事項を定めており、媒介契約の種類に応じた義務規定や契約違反時の措置を明確にすることが義務付けられています。
解き方
- 建物状況調査のあっせんに関する記載義務について、希望の有無による例外の有無を確認する。
- 専属専任媒介契約における指定流通機構への登録期限(休業日除き5日以内)の規定と照合する。
- 媒介報酬以外に依頼者へ費用請求できる例外要件(依頼者の承諾等の有無)を確認する。
- 媒介契約書の必要的記載事項(他の業者を通じて成約させた場合の措置)を法令に基づき判定する。
- 選択肢 1不正解
- 建物状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんに関する事項は、依頼者があっせんを希望しなかった場合であっても、あっせんの「無」として書面に記載する必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 専属専任媒介契約を締結したときは、契約締結日から「5日以内(休業日を除く)」に指定流通機構へ登録しなければなりません(7日以内とするのは専任媒介契約の場合です)。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業者が受け取れるのは原則として規定の報酬のみであり、通常の物件調査や事例調査の費用を別途請求することはできず、依頼者の承諾がない請求は認められません。
- 選択肢 4正解
- 専任媒介契約を締結した場合、依頼者が他の宅建業者の媒介・代理により契約を成立させたときの措置は、法第34条の2第1項の媒介契約書面の必要的記載事項とされています。
覚えるポイント
- 専任媒介は7日以内、専属専任媒介は5日以内に指定流通機構へ登録する(休業日不算入)。
間違えやすいところ
- あっせんを希望しない場合でも、媒介契約書面にあっせん「無」の記載自体は省略できない点を見落としやすいです。
出題の前提:宅地建物取引業法第34条の2第1項、同法施行規則第15条の7
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
37条書面の記載事項(既存建物の貸借媒介)
宅建業法 · 37条書面 / 賃貸借 / 既存建物
宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、宅地建物取引業法第37条の規定により、当該貸借の契約当事者に対して交付すべき書面に必ず記載しなければならない事項の組合せはどれか。 ア 瑕疵担保責任の内容 イ 当事者の氏名(法人にあっては、その名称)及び住所 ウ 建物の引渡しの時期 エ 建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業法第37条に規定する契約成立後の交付書面(37条書面)において、「売買・交換」と「貸借」で記載事項の要否が異なるため、貸借における必要的記載事項を正確に区別して把握する必要があります。
解き方
- 各記述について、売買・交換のみの記載事項か、貸借でも必要な記載事項かを分類する。
- ア(契約不適合担保責任・瑕疵担保責任)およびエ(構造耐力上主要な部分等の状況の確認事項)が貸借では記載不要であることを確認する。
- イ(当事者の氏名及び住所)およびウ(引渡しの時期)が貸借の37条書面における必要的記載事項であることを確認し、該当する組合せを選択する。
- 選択肢 1不正解
- イは貸借でも必ず記載すべき事項ですが、アの瑕疵担保責任(契約不適合担保責任)に関する事項は売買・交換のみの記載事項であり、貸借では不要です。
- 選択肢 2正解
- イの当事者の氏名・住所、およびウの建物の引渡しの時期は、建物の貸借の37条書面における必要的記載事項です。
- 選択肢 3不正解
- イは必要的記載事項ですが、エの既存建物における当事者双方が確認した事項は売買・交換の記載事項であり、貸借では記載不要です。
- 選択肢 4不正解
- ウは必要的記載事項ですが、エの構造耐力上主要な部分等の確認状況は貸借の37条書面には記載不要です。
覚えるポイント
- 貸借の37条書面では、瑕疵担保責任や既存建物の構造耐力上主要な部分等の確認事項は記載不要です。
間違えやすいところ
- 既存建物の現況確認事項が売買等のみの記載事項であることを見落とし、貸借でも必要と誤認しやすいです。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条第1項・第2項
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明等の規定(業者間取引等)
宅建業法 · 重要事項説明 / 業者間取引 / 瑕疵担保責任履行措置
宅地建物取引業者間の取引における宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項を記載した書面(以下この問において「重要事項説明書」という。)の交付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
宅地建物取引業者間の取引においては、宅地建物取引業法第35条第6項により「取引士による説明」は免除されますが、「重要事項説明書の交付」は依然として義務付けられています。また記載事項自体も法令の規定に適合していなければなりません。
解き方
- 耐震診断に関する説明義務の要件(受診している場合の記録内容であり、新たに診断を受ける義務まではない)を検討する。
- 業者間取引における「書面交付」と「取引士による説明」の適用の違いを確認する。
- 建物の瑕疵担保責任履行に関する措置の記載義務が業者間取引でも適用されるかを確認する。
- 支払金・預り金の保全措置(法35条1項11号)における金額要件(50万円未満は対象外)等を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 旧耐震基準の建物であっても耐震診断を新たに受ける義務はなく、耐震診断を受けている場合にその内容を説明・記載する義務にとどまります。
- 選択肢 2不正解
- 宅地建物取引業者間の取引においては、重要事項説明書の交付は必要ですが、宅地建物取引士による重要事項の説明は不要とされています。
- 選択肢 3正解
- 瑕疵担保責任の履行に関する保証保険契約等の締結の措置を講ずるかどうか、講ずる場合はその概要は、重要事項説明書の記載事項であり、業者間取引でも書面の記載・交付が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 受領しようとする支払金・預り金が50万円未満の場合には、保全措置を講ずるかどうかの記載義務の対象から除外されています(本肢は30万円)。
覚えるポイント
- 業者間取引では、35条の「説明」は不要だが、「書面交付」は省略できない。
間違えやすいところ
- 業者間取引だからといって重要事項説明書自体の交付まで不要になると誤認しないよう注意が必要です。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第1項第14号、第35条第6項、同法施行規則第16条の4の3
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許基準と欠格事由
宅建業法 · 免許の有効期間 / 免許換え / 欠格事由 / 変更の届出
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業法第5条第1項において、禁錮以上の刑に処せられた者は刑の執行終了日から5年間免許を受けることができないと定められています。また、免許換えは事務所の設置場所に基づくものであり、業務を行う取引物件の所在地には左右されません。
解き方
- 免許更新申請中の従前免許の効力(処分が下されるまで有効)の規定を確認する。
- 事務所の設置場所と取引物件の所在地における免許換えの要否を判断する。
- 懲役刑に処せられた場合の欠格期間(執行終了から5年)の規定を照合する。
- 役員の変更届出における「役員」の範囲(非常勤役員も対象)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 有効期間満了までに更新処分の決定がなされない場合、従前の免許は処分がなされるまで効力を有します(満了により直ちに効力を失うわけではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 免許換えが必要となるのは事務所を増減・移転して異なる都道府県にまたがって設置する場合であり、他県にある物件の媒介を行うだけであれば免許換えは不要です。
- 選択肢 3正解
- 禁錮以上の刑(懲役刑を含む)に処せられた者は、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまで免許を受けることができません。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業者の役員の氏名の変更届出は、非常勤の取締役であっても届出が必要であり、DだけでなくEについても届出を要します。
覚えるポイント
- 禁錮以上の刑に処せられた場合、罪名を問わず刑の執行終了から5年間は免許を受けられない。
間違えやすいところ
- 免許換えが必要となる基準は「事務所の所在地」であり、「扱う物件の所在地」ではない点を取り違えやすいです。
出題の前提:宅地建物取引業法第3条第4項、第5条第1項第4号、第7条、第9条
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
クーリング・オフ制度(申込場所・特約等)
宅建業法 · クーリング・オフ / 申込場所 / 発信主義 / 告知書面
宅地建物取引業者である売主Aが、宅地建物取引業者Bの媒介により宅地建物取引業者ではない買主Cと新築マンションの売買契約を締結した場合において、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア AとCの間で、クーリング・オフによる契約の解除に関し、Cは契約の解除の書面をクーリング・オフの告知の日から起算して8日以内にAに到達させなければ契約を解除することができない旨の特約を定めた場合、当該特約は無効である。 イ Cは、Bの事務所で買受けの申込みを行い、その3日後に、Cの自宅近くの喫茶店で売買契約を締結した場合、クーリング・オフによる契約の解除はできない。 ウ Cは、Bからの提案によりCの自宅で買受けの申込みを行ったが、クーリング・オフについては告げられず、その10日後に、Aの事務所で売買契約を締結した場合、クーリング・オフによる契約の解除はできない。 エ クーリング・オフについて告げる書面には、Bの商号又は名称及び住所並びに免許証番号を記載しなければならない。
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解答
2
解説
クーリング・オフ(法第37条の2)は買主を保護する規定であり、買主に不利な特約は無効です。また解除の効力は書面を発した時に生じます(発信主義)。買受けの申込みと契約締結の場所が異なる場合は、買受けの「申込みの場所」を基準にクーリング・オフ適用の可否が判断されます。
解き方
- 記述ア:書面の到達を効力発生要件とする特約は買主に不利な特約として無効(正しい)と判定する。
- 記述イ:専任媒介業者の事務所で買受けの申込みを行っているためクーリング・オフできない(正しい)と判定する。
- 記述ウ:申込み場所が自宅(業者からの提案によるため事務所等に該当しない)であり、事務所で契約しても解除可能であるため「解除できない」とする記述は誤りと判定する。
- 記述エ:告知書面に記載すべきは売主たる宅建業者の情報であり媒介業者ではないため誤りと判定する。
- 正しい記述の個数を集計する(アとイの2つ)。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はアとイの2つであるため、一つとする選択肢1は誤りです。
- 選択肢 2正解
- ア(発信主義に反する買主に不利な特約は無効)とイ(媒介業者の事務所で申込みをしたためクーリング・オフ不可)の2つが正しいため、選択肢2が正解です。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は2つのため、三つとする選択肢3は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述が2つ存在するため、なしとする選択肢4は誤りです。
覚えるポイント
- クーリング・オフは書面を発信した時に効力が生じる。また場所の基準は「買受けの申込みをした場所」である。
間違えやすいところ
- 業者提案による自宅での申込みは「事務所等」に該当せずクーリング・オフが可能である点を見落としやすいです。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2、同法施行規則第16条の6
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
手付金等の保全措置(完成・未完成の基準)
宅建業法 · 自ら売主制限 / 手付金等の保全措置 / 工事完了前後
宅地建物取引業者である売主は、宅地建物取引業者ではない買主との間で、戸建住宅の売買契約(所有権の登記は当該住宅の引渡し時に行うものとする。)を締結した。この場合における宅地建物取引業法第41条又は第41条の2の規定に基づく手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
宅建業者が自ら売主となる売買において、工事完了前は代金の5%超または1,000万円超、工事完了後は代金の10%超または1,000万円超の手付金等を受領する場合に保全措置が必要です。受領済みの額を含めて基準を超えるときは、既に受領した額を含めた全額について保全措置を講じなければなりません。
解き方
- 工事完了後の保全基準(代金の10%超または1,000万円超)を確認する。
- 代金3,000万円の10%は300万円であり、手付金200万円受領後に中間金300万円を受領すると合計500万円となり基準を超えるため、全額(500万円)の保全が必要であると判断する。
- 工事完了前の基準(5%超または1,000万円超)と照合し、他の選択肢の誤りを検証する。
- 選択肢 1正解
- 工事完了後の基準は代金の10%超または1,000万円超です。手付金200万円と中間金300万円の合計500万円は代金の10%(300万円)を超えるため、受領済みの手付金を含めた全額を保全しなければ中間金を受領できません。
- 選択肢 2不正解
- 工事完了前の保全基準は代金の5%超または1,000万円超です。代金2,500万円の5%は125万円であり、手付金150万円はこれを超えるため、保全措置を講じなければ受領できません。
- 選択肢 3不正解
- 指定保管機関による保管(寄託契約)の方法は、建築工事の完了「後」にのみ利用できる保全方法であり、工事完了前には利用できません。
- 選択肢 4不正解
- 保証契約における保証期間は、「建築工事の完了まで」ではなく、買主への「引渡し及び所有権の移転の登記」の時まで継続するものでなければなりません。
覚えるポイント
- 保全措置の基準は、工事完了前が5%超・1,000万円超、完了後が10%超・1,000万円超。
間違えやすいところ
- 指定保管機関による保管制度が工事完了後にしか適用できない点を取り違えやすいです。
出題の前提:宅地建物取引業法第41条、第41条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明(建物の貸借媒介・IT重説等)
宅建業法 · 重要事項説明 / 貸借 / 建物状況調査 / IT重説
宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合における宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特に断りのない限り、当該建物を借りようとする者は宅地建物取引業者ではないものとする。
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解答
4
解説
宅建業法第35条において、重要事項説明を実施する際には宅地建物取引士証の提示が義務付けられています(法第35条第4項)。これはITを活用して行う重要事項説明(IT重説)であっても例外ではなく、相手方の承諾があっても提示を省略することはできません。
解き方
- 業者間取引における重要事項の「説明省略・書面交付必須」の規定を確認する。
- 貸借における既存住宅の建物状況調査(インスペクション)の概要説明義務の有無を確認する。
- 建物の貸借における設備の整備状況の説明義務を確認する。
- IT重説における宅地建物取引士証の提示義務の適用(省略の可否)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 買主・借主が宅建業者である場合、書面の交付は必要ですが、宅地建物取引士による重要事項の説明は不要とされています(法第35条第6項)。
- 選択肢 2不正解
- 既存の住宅であるときは、建物状況調査を実施しているかどうか、及び実施している場合におけるその結果の概要は貸借の重要事項説明事項となります。
- 選択肢 3不正解
- 建物の貸借の媒介において、台所、浴室、便所その他の設備の整備の状況は重要事項説明事項として規定されています。
- 選択肢 4正解
- ITを活用して重要事項説明を行う場合でも、相手方の承諾の有無にかかわらず、宅地建物取引士証を画面を通じて明確に提示しなければならず、提示を省略することはできません。
覚えるポイント
- IT重説であっても取引士証の提示は省略できず、画面上で鮮明に提示する必要がある。
間違えやすいところ
- 相手方の承諾があれば取引士証の提示を省略できるという例外規定は存在しない点に注意してください。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第4項・第6項、IT重説に関する実施マニュアル
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
業務上の禁止事項・勧誘規制
宅建業法 · 手付についての信用供与 / 値引き / 説明義務 / 迷惑勧誘・再勧誘の禁止
宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。 ア Aは、自ら売主として、建物の売買契約を締結するに際し、買主が手付金を持ち合わせていなかったため手付金の分割払いを提案し、買主はこれに応じた。 イ Aは、建物の販売に際し、勧誘の相手方から値引きの要求があったため、広告に表示した販売価格から100万円値引きすることを告げて勧誘し、売買契約を締結した。 ウ Aは、土地の売買の媒介に際し重要事項の説明の前に、宅地建物取引士ではないAの従業者をして媒介の相手方に対し、当該土地の交通等の利便の状況について説明させた。 エ Aは、投資用マンションの販売に際し、電話で勧誘を行ったところ、勧誘の相手方から「購入の意思がないので二度と電話をかけないように」と言われたことから、電話での勧誘を諦め、当該相手方の自宅を訪問して勧誘した。
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解答
2
解説
宅建業法第47条第3号は契約締結の誘引における手付の信用供与(分割払い等の貸付け)を禁止しています。また同法規則第16条の12第1号ヘにより、相手方が契約を締結しない旨の意思(拒絶の意思)を表示したにもかかわらず勧誘を継続する再勧誘は禁止されています。
解き方
- 記述ア:手付金の分割払いの提案(手付の信用供与)は業法第47条第3号に違反すると判断する。
- 記述イ:相手方の求めに応じた正規の値引き交渉・販売は違法ではない(違反しない)と判断する。
- 記述ウ:重要事項説明そのものではなく、事前の事実関係の一般的な説明を補助者・従業者が行うことは違反しないと判断する。
- 記述エ:電話勧誘で拒絶された後に自宅を訪問して勧誘を継続することは再勧誘の禁止(規則第16条の12第1号ヘ)に違反すると判断する。
- 違反するものの個数を集計する(アとエの2つ)。
- 選択肢 1不正解
- 違反するものはアとエの2つあるため、一つとする選択肢1は誤りです。
- 選択肢 2正解
- ア(手付金の分割払いの提案・信用供与)とエ(勧誘拒絶の意思表示を受けた後の訪問勧誘・再勧誘禁止違反)の2つが違反するため、選択肢2が正解です。
- 選択肢 3不正解
- 違反するものは2つのため、三つとする選択肢3は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 違反するものは2つのため、四つとする選択肢4は誤りです。
覚えるポイント
- 手付金の分割払いや後払いの提案は「手付についての信用供与」として禁止されている。
間違えやすいところ
- 相手方が契約しない意思を示した後の再勧誘は、電話から訪問に手段を変えても禁止される点に注意が必要です。
出題の前提:宅地建物取引業法第47条第3号、同法施行規則第16条の12第1号ヘ
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の「宅地建物取引業」の定義・免許を要する行為
宅建業法 · 宅地建物取引業の定義 / 免許の要否 / 自ら賃貸 / 代理・媒介
宅地建物取引業法の免許を要する業務が含まれるものはどれか。
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解答
3
解説
宅地建物取引業法において「宅地建物取引業」とは、宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものを指します。自ら貸借(賃貸)する行為は取引に含まれませんが、貸借の代理・媒介は含まれます。
解き方
- 各行為が宅地建物取引業法第2条第2号の「取引」に該当するか確認する。
- 「自ら貸借」や「建築請負」は取引に該当しないことを確認し、他人の貸借の「代理・媒介」が含まれる選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 自ら所有する建物を不特定多数に貸し付ける行為(自ら貸借)は、宅地建物取引業の「取引」に該当しないため免許は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 自社所有のビルの一部を複数のテナントに賃借させる行為(自ら賃貸)は、「取引」に該当しないため免許は不要です。
- 選択肢 3正解
- 管理業務自体は宅建業に該当しませんが、「貸主を代理して行う賃貸借契約の締結」は建物の貸借の代理を業として行うものであり、宅地建物取引業に該当し免許が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 建物の建設を請け負う工事請負契約は建設業の分野であり、宅地建物取引業法上の「取引」には該当しないため免許は不要です。
覚えるポイント
- 「自ら貸借(賃貸)」は宅地建物取引業法の免許不要
- 「貸借の代理・媒介」を業として行う場合は免許が必要
間違えやすいところ
- 管理業務の一部として貸借の代理・媒介が含まれている場合でも免許が必要であることを見落としやすい
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第2条第2号
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録及び宅地建物取引士証に関する規定
宅建業法 · 死亡等の届出 / 登録の移転 / 事務禁止処分と証の提出 / 宅地建物取引士証の提示
宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士に関する記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
宅地建物取引士証の提示義務には、重要事項説明時における必要的提示義務と、取引の関係者から請求された場合における請求時提示義務があります。また、死亡時の届出期間(知った日から30日以内)、登録の移転の任意性(できる規定)、事務禁止処分時の宅建士証の提出義務(速やかに交付した知事に提出)が定められています。
解き方
- 肢1:死亡の届出起算日(死亡した日か、知った日か)を検証する。
- 肢2:登録の移転が義務か任意かを確認する。
- 肢3:事務禁止処分および登録消除処分における宅建士証の提出・返納義務を検証する。
- 肢4:請求があった場合の宅建士証の提示義務の適用範囲(専任・非専任の別等)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 宅地建物取引士が死亡した場合、相続人は「死亡した日」からではなく、「その事実を知った日から30日以内」に届け出なければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 他の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事するときは、登録の移転の申請を「することができる」のであり、義務(受けなければならない)ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 事務禁止の処分を受けたときは、速やかに宅建士証を交付を受けた都道府県知事に「提出」しなければなりません(提出しなくてよいとする点が誤り)。
- 選択肢 4正解
- 宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、専任・非専任の別を問わず、宅地建物取引士証を提示しなければなりません(宅建業法第22条の4)。
覚えるポイント
- 死亡の届出は「相続人が知った日から30日以内」
- 登録の移転は「任意(できる)」
- 事務禁止処分は「提出」、登録消除・失効等は「返納」
- 取引関係者からの請求があれば、いつでも宅建士証を提示しなければならない
間違えやすいところ
- 死亡の届出起算点を「死亡した日」と「知った日」で取り違えやすい
- 重説時以外の提示義務の有無を混同しやすい
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第21条、第22条の2、第22条の4等
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金制度に関する規定
宅建業法 · 営業保証金の供託届出と免許取消 / 還付請求権者の範囲 / 事業開始前の届出 / 供託有価証券の評価額
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
営業保証金は、免許取得後3月以内に供託して届け出なければならず、届出をしない場合は催告が行われ、催告到達から1月以内に届出をしないときは免許を取り消すことができます。また事業開始「前」に届出が必要であり、還付請求できる債権は宅建業に関する取引によって生じたものに限られます。有価証券の評価額は国債100%、地方債90%等と定められています。
解き方
- 肢1:供託の届出の催告と免許取消の要件(催告後1月以内の不届出による任意取消)を照合する。
- 肢2:還付を受けられる債権の範囲に家賃収納代行業務が含まれるかを検討する。
- 肢3:届出の時期(業務開始前か開始後1週間以内か)を確認する。
- 肢4:事務所2か所の増設に必要な供託額(1か所500万円×2=1,000万円)と地方債証券(90%評価)の計算を行う。
- 選択肢 1正解
- 宅建業法第25条第7項により、免許権者からの催告が到達した日から1月以内に営業保証金の供託の届出をしないときは、その免許を取り消すことができます。
- 選択肢 2不正解
- 営業保証金の還付を受けられるのは「宅地建物取引業に関する取引」により生じた債権を有する者であり、単なる家賃収納代行業務などの管理業務に関する債権者は還付を受けられません。
- 選択肢 3不正解
- 営業保証金を供託した旨の届出は、事業の開始「後」ではなく、事業を開始する「前」に行わなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 事務所2か所増設に必要な営業保証金は1,000万円(500万円×2)です。地方債証券の評価は額面の90%なので、額面800万円の地方債は720万円として評価されます。したがって不足額は280万円であり、国債証券(額面の100%)は額面280万円分が必要となります。
覚えるポイント
- 催告受領から1月以内の不届出は「免許を取り消すことができる(任意的取消)」
- 営業保証金の供託届出は必ず「業務開始前」
- 還付の対象は「宅地建物取引業に関する取引」による債権者のみ
- 有価証券の評価:国債100%、地方債・政府保証債90%、その他指定社債等80%
間違えやすいところ
- 地方債の評価額を80%や100%と計算間違いしやすい
- 宅建業者の管理業務(家賃回収など)による債権も還付対象になると誤解しやすい
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第25条
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会に関する規定
宅建業法 · 保証協会 / 地位を失った場合の供託義務 / 苦情の解決 / 弁済業務保証金分担金の返還と公告
宅地建物取引業保証協会(以下「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Aに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
保証協会の社員である宅建業者が社員の地位を失った場合、その日から1週間以内に主たる事務所のもよりの供託所に営業保証金を供託しなければなりません。供託すべき営業保証金の額は法所定の金額(主たる事務所1,000万円+従たる事務所1か所につき500万円)です。苦情解決業務において保証協会は社員に説明等を求めることができます。また、一部の事務所廃止による分担金返還には公告は不要です。
解き方
- 肢1:社員の地位を失った際に6月以上の公告をする必要があるのは「保証協会」が供託所から取り戻す場合等であり、宅建業者自身が公告する義務はないことを確認する。
- 肢2:苦情解決における保証協会の説明要求権限(宅建業法第64条の5)を確認する。
- 肢3:弁済業務保証金分担金150万円(主たる事務所60万円+従たる事務所30万円×3=計4事務所)から、供託すべき営業保証金の額(主1,000万円+従500万円×3=2,500万円)を算出する。
- 肢4:事務所一部廃止による分担金返還において、保証協会の供託金取戻し時の公告不要例外(第64条の11)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 社員の地位を失った業者自身が権利申出の公告をする規定はありません。保証協会が弁済業務保証金を取り戻す際に公告を行う等の手続きとなります。
- 選択肢 2正解
- 保証協会は、苦情の申出があったときは、関係する社員に対して文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができます(法第64条の5第2項)。
- 選択肢 3不正解
- 分担金150万円は主たる事務所(60万円)と従たる事務所3か所(30万円×3)の合計です。営業保証金として供託すべき額は主たる事務所1,000万円+従たる事務所1,500万円(500万円×3)の計2,500万円となります。
- 選択肢 4不正解
- 一部の事務所を廃止したことにより保証協会が弁済業務保証金を取り戻す場合、還付請求権者に対する公告の手続きは不要とされています。したがって公告を経る必要はありません。
覚えるポイント
- 保証協会の社員資格喪失時は「1週間以内」に営業保証金を供託する
- 事務所一部廃止時の分担金返還・保証金取戻しには「公告不要」
- 分担金60万円(主)、30万円(従)に対し、営業保証金は1,000万円(主)、500万円(従)
間違えやすいところ
- 分担金の比率と営業保証金の比率から事務所数を逆算する計算を間違えやすい
- 事務所一部廃止による取戻しで公告が必要と錯覚しやすい
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第64条の5、第64条の9、第64条の11
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法に基づく資力確保措置
住宅瑕疵担保履行法 · 資力確保措置の義務者 / 基準日の届出と新築住宅の売買契約締結制限 / 保険金の請求権者 / 対象となる瑕疵
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
住宅瑕疵担保履行法では、自ら売主として新築住宅を宅建業者でない買主に引き渡す宅建業者に対し、住宅瑕疵担保保証金の供託または住宅瑕疵担保責任保険の締結による資力確保措置を義務付けています。基準日(年2回等、試験当時の法改正状況に応じる)から3週間以内に免許権者へ届け出る必要があり、届出をしない場合は基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後、新築住宅の自ら売主となる売買契約締結が制限されます。
解き方
- 肢1:義務者が「自ら売主」に限られるか、「媒介」にも及ぶかを検証する。
- 肢2:届出のタイミング(引渡しごと3週間以内か、基準日から3週間以内か)を確認する。
- 肢3:届出を怠った場合の契約締結制限(50日ルール)の規定を確認する。
- 肢4:担保責任保険の対象となる瑕疵(構造耐力上主要な部分に加え、雨水の浸入を防止する部分)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 資力確保措置が義務付けられているのは「自ら売主」となる宅建業者であり、売買の「媒介」をする業者はこの義務を負いません。
- 選択肢 2不正解
- 届出は住宅を引き渡した日から3週間以内に行うのではなく、年2回の「基準日」ごとに、基準日から3週間以内に行わなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 基準日における状況の届出をしなかった宅建業者は、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができません(法第13条)。
- 選択肢 4不正解
- 保険の対象となるのは、「構造耐力上主要な部分」だけでなく「雨水の浸入を防止する部分」の瑕疵も含まれます。「のみ」とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 資力確保措置の義務者は「新築住宅を自ら売主として宅建業者以外に引き渡す業者」
- 届出は「基準日から3週間以内」
- 届出を怠ると「基準日の翌日から50日経過後、新築住宅の売買契約締結禁止」
- 対象となる瑕疵は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」
間違えやすいところ
- 届出の時期を引き渡しごとと勘違いしやすい
- 対象瑕疵に雨水の浸入を防止する部分が含まれることを見落としやすい
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第11条、第12条、第13条等
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
独立行政法人住宅金融支援機構の業務
免除科目(その他業務関連知識) · 住宅金融支援機構 / 証券化支援事業(買取型) / 住宅融資保険業務 / 直接融資業務
独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
住宅金融支援機構法に基づき、機構は民間金融機関による長期・固定金利の住宅ローン供給を支援するための証券化支援事業(買取型・保証型)や住宅融資保険事業を中心に行っています。買取型では住宅の建設・購入資金のほか、付随する土地等の取得資金の貸付債権も譲受けの対象となります。また、高齢者向けバリアフリー改良工事など政策的に必要な分野については直接融資を実施しています。
解き方
- 肢1:証券化支援事業(買取型)における対象債権の範囲に「土地又は借地権の取得資金」が含まれるか確認する。
- 肢2:住宅融資保険事業の内容を確認する。
- 肢3:証券化支援事業におけるMBS(資産担保証券)発行による資金調達の仕組みを確認する。
- 肢4:機構が行う直接融資業務(高齢者向け住宅改良資金等)の範囲を確認する。
- 選択肢 1正解
- 機構が買い受ける金融機関の貸付債権には、住宅の建設・購入に必要な資金だけでなく、それに付随する土地又は借地権の取得に必要な資金も含まれるため、「対象としていない」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 機構は、金融機関が貸し付けた住宅ローンについて保険を引き受ける住宅融資保険業務を行っています。
- 選択肢 3不正解
- 機構は、買い受けた貸付債権を裏付け資産としてMBS(資産担保証券)を発行し、債券市場の投資家から長期資金を調達しています。
- 選択肢 4不正解
- 機構は、高齢者が自ら居住する住宅をバリアフリー等に改良するために必要な資金の直接融資を業務として行っています。
覚えるポイント
- 買取型では住宅本体だけでなく「付随する土地・借地権の取得資金」も対象
- 高齢者向け住宅改良資金や災害復興住宅資金等は機構の「直接融資」対象
間違えやすいところ
- 民間金融機関を補完する直接融資業務は原則廃止されたが、高齢者改良や災害復興など限定的に存続している点を見落としやすい
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の独立行政法人住宅金融支援機構法第13条
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約)
免除科目(景表法) · 不当表示の禁止 / 二重価格表示 / 古家付き土地(売地表示) / 取引態様の明示
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
不動産の表示に関する公正競争規約では、過去の販売価格を比較対照価格として二重価格表示を行う場合、過去の価格の公表時期および値下げ時期の明示が必要です。また、完成予想図等の修整・加工は事実と異なり消費者を誤認させるものは禁止されます。複数の物件広告では物件ごとに取引態様を明示する必要があります。古家が存在する土地は、古家がある旨を明示すれば売地と表示可能です。
解き方
- 肢1:二重価格表示の要件(公表時期および値下げ時期の表示要否)を確認する。
- 肢2:古家付き土地を「売地」として広告表示する要件を確認する。
- 肢3:完成図・パース等から周囲の電柱・電線を無断で消去する加工の可否を確認する。
- 肢4:複数物件の広告における「取引態様の明示」方法を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 二重価格表示を行う場合には、過去の販売価格の公表時期及び値下げの時期を明示しなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 土地上に古家が存在する場合、住宅として使用可能な状態であっても、古家が存在する旨を明示して「売地」と表示して販売することは認められています。
- 選択肢 3不正解
- 敷地内の電柱や電線などを消去するような加工を施すことは、物件の周囲の状況を実際より有利・優良に見せる誤認表示となり不当表示に該当します。
- 選択肢 4不正解
- 取引態様が複数混在している場合は、単にまとめて表示するだけでなく、それぞれの物件ごとにどの取引態様であるかを明確に表示しなければなりません。
覚えるポイント
- 古家がある旨を明示すれば「売地」として広告表示可能
- 二重価格表示には「旧価格の公表時期」と「値下げ時期」の明示が必要
- 電柱・電線の消去など景観を過大によく見せる画像加工は不当表示
間違えやすいところ
- 住宅として使用できる古家がある場合は「中古住宅」としてしか広告できないと誤解しやすい
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の不動産の表示に関する公正競争規約及び同施行規則
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不動産に関する統計データの動向(平成30年版)
免除科目(統計) · 建築着工統計 / 法人企業統計年報 / 地価公示 / 土地白書(土地取引件数)
不動産の需給動向等の統計に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
不動産に関する公的統計(建築着工統計、法人企業統計、地価公示、土地白書等)の最新数値・動向は宅建士試験の免除科目(問48)で毎年出題されます。平成30年試験では、平成29年の住宅地全国平均地価が10年ぶりに上昇に転じたことが最大のトピックでした。
解き方
- 肢1:平成29年新設住宅着工戸数全体の増減(0.3%減)と分譲住宅(1.9%増)を確認する。
- 肢2:平成28年度法人企業統計の不動産業売上高(前年比増)を確認する。
- 肢3:平成30年地価公示の住宅地全国平均変動率の動向(10年ぶりの上昇)を確認する。
- 肢4:平成30年版土地白書の所有権移転登記件数の推移(おおむね横ばい傾向)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 平成29年の新設住宅着工戸数は前年比0.3%減(3年ぶりの減少)であり、分譲住宅は前年比1.9%増(3年連続の増加)でした。増減の記述が逆になっています。
- 選択肢 2不正解
- 平成28年度法人企業統計年報において、不動産業の売上高は前年度比9.1%の増加(減少ではない)となりました。
- 選択肢 3正解
- 平成30年地価公示によれば、住宅地の全国平均地価変動率は前年の横ばい(0.0%)から上昇に転じ、これは10年ぶりのことでした。
- 選択肢 4不正解
- 平成29年の全国の土地取引件数(売買による所有権移転登記件数)は約132万件で、近年はほぼ横ばいで推移しており、5年連続で減少したわけではありません。
覚えるポイント
- 平成30年地価公示:住宅地の全国平均変動率が10年ぶりに上昇
- 着工戸数・法人統計・地価公示・土地白書は最新の前年公表数値を正確に把握する
間違えやすいところ
- 増加と減少が入れ替えられて出題されるパターンを見落としやすい
出題の前提:平成30年試験における公表統計(平成30年地価公示等)
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
土地の性質と災害の危険度
土地・建物 · 地形分類 / 自然災害リスク / 低地の微地形
土地の性質および各種地形における災害リスクに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
4
解説
低地や山麓などの微地形によって自然災害(浸水・液状化・斜面崩壊など)の危険度は大きく異なります。微高地は水害リスクが比較的低く、旧河道やデルタ等の低湿地はリスクが高いという地形特性を正しく把握することが重要です。
解き方
- 選択肢1から3について、地すべり地形、台地上の浅い谷、大都市が立地する沖積低地などの災害特性が正しく記述されているかを確認する。
- 選択肢4における微高地(自然堤防等)と低湿地(デルタ地域・旧河道等)の危険度の高低関係を照合し、説明が逆になっている誤りを見極める。
- 選択肢 1不正解
- 地すべり地形は滑動土塊により緩傾斜地を形成し一見良好に見えますが、末端急斜面部や側壁部などで崩壊が生じやすいため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 台地上の浅い谷(隠れた凹地)は豪雨時に雨水が集まり一時的な浸水が発生しやすく、平坦に見えても注意が必要であるため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 大都市が広がる沖積低地は軟弱地盤や旧水域が多く、地震時の揺れの増幅や液状化、洪水・高潮・津波等のリスクが高いため正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- 自然堤防や旧天井川などは微高地で危険度が比較的低く、逆に沿岸部のデルタ地域や旧河道は浸水や液状化の危険度が高いため、記述が逆で最も不適当です。
覚えるポイント
- 自然堤防・天井川・砂州などの微高地は周囲の低地に比べて水害リスクが低い。
- 後背湿地・旧河道・三角州(デルタ)は軟弱地盤で浸水や液状化のリスクが高い。
間違えやすいところ
- 微高地と後背湿地の災害リスクを逆に覚えてしまうこと。
- 台地の上であればいかなる場所でも浸水被害がないと誤解すること。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行法令・一般的地形防災知識
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
建築物の構造と各種材料の特徴
土地・建物 · 建築構造 / 鉄骨構造 / 木材の乾燥 / RC構造の中性化
建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
3
解説
建築物の各構造種別(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)にはそれぞれ物理的・力学的長所と短所があります。鉄骨は燃えない材料ですが高温で強度が激減するため、耐火構造とするためにはロックウールや耐火塗料などの耐火被覆が必要となります。
解き方
- 各選択肢の構造材料(木材、集成木材、鉄骨、鉄筋コンクリート)の特徴および弱点への対策を確認する。
- 選択肢3において、鉄骨が高熱に弱い特性と耐火被覆の要否の関係を照合し、耐火被覆が不要とされている誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 木材は乾燥によって含水率を下げることで強度が高まり、変形や腐朽・蟻害を防止できるため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 断面の大きな集成木材を用いる集成木材構造は、大スパン架構が可能であり大規模な木造建築物にも広く用いられるため正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 鉄骨構造は燃えないものの高温時に急激に耐力が低下するため、耐火構造とするためには耐火材料による耐火被覆が必須であり、最も不適当です。
- 選択肢 4不正解
- 鉄筋コンクリート構造では、コンクリートが中性化したりひび割れが生じると内部の鉄筋が発錆して耐久性が損なわれるため、これらを防ぐ配慮が必要であり正しい記述です。
覚えるポイント
- 鉄骨は不燃材料であるが、高熱(500〜600℃程度)で急激に強度が低下するため耐火被覆が必要。
- 木材は乾燥状態を保つことで強度と耐久性が向上する。
- 鉄筋コンクリート造の劣化主要因は中性化とひび割れによる鉄筋の腐食。
間違えやすいところ
- 「不燃材料であること」と「耐火性があること(高温でも耐力を維持できること)」を混同してしまうこと。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行法令・建築基準法および建築構造力学の基礎知識
出典:不動産適正取引推進機構『2018年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
2018年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2018年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・27ページ)

