令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2017年10月試験の概要
代理の権限・復代理・日常家事代理
権利関係 · 代理 / 復代理 / 日常家事代理
代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
代理人は授権された範囲で本人に代わって法律行為を行い、その効果は直接本人に帰属します。復代理人は本人の代理人ですが、受託事務に関して受領した金銭を直接の選任者である代理人に引き渡せば、本人に対する引渡義務も消滅すると解されています。
解き方
- 代理権の範囲(受領権限を含むか)、任意代理における復任権の要件、復代理人の受領物引渡義務の法的位置づけ、日常家事代理権の有無を確認する。
- 復代理人が受領金を代理人に引き渡した場合に本人に対する引渡義務が残るかどうかを判例に基づき判定する。
- 選択肢 1不正解
- 契約締結の代理権には、特段の事情がない限り、相手方からの解除や取消しの意思表示を受領する受領代理権も含まれます。
- 選択肢 2不正解
- 委任による代理人(任意代理人)は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときに復代理人を選任することができます。
- 選択肢 3正解
- 判例によれば、復代理人が受領した金銭を代理人に引き渡したときは、特段の事情がない限り、本人に対する引渡義務も消滅します。
- 選択肢 4不正解
- 民法第761条により、夫婦の一方は日常の家事に関する事項について互いに代理権を有するため、個別の授権がなくとも有効に代理できます。
覚えるポイント
- 復代理人が代理人に金銭を引き渡せば、本人に対する引渡義務も消滅する。
間違えやすいところ
- 復代理人は本人の代理人であるため、代理人に渡しても本人に対する義務は残ると誤解しやすい。
出題の前提:平成29年4月1日施行の民法および最高裁判所判例
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
不動産所有権の移転および取得原因
権利関係 · 取得時効 / 他人物売買 / 所有権留保 / 強迫による取消し
所有権の移転又は取得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
意思表示の取消しには遡及効があり、取り消された行為は初めから無効であったものとみなされます(民法第121条)。一方、時効の効力は起算日に遡り、他人物売買では善意無過失でも即座に所有権は移転せず、所有権留保特約は当事者間で有効とされます。
解き方
- 各選択肢の所有権移転・取得時期に関する法的ルール(時効の遡及効、他人物売買、所有権留保、取消しの遡及効)を確認する。
- 強迫を理由とする取消しの法的効果(遡及的無効)が正しく記述されている選択肢4を正解と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 時効取得の効力は、時効完成時ではなく、その占有を開始した時(起算日)にさかのぼって生じます。
- 選択肢 2不正解
- 他人物売買であっても契約自体は有効ですが、不動産について善意無過失であっても即時取得は適用されず、契約成立時点で当然に所有権を取得するわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 所有権移転時期は特約によって自由に定めることができるため、代金完済まで移転しない旨の特約がある場合、売買契約締結時点では所有権は移転しません。
- 選択肢 4正解
- 取り消された行為は初めから無効であったものとみなされるため、売買契約が取り消されると所有権は初めから相手方に移転しなかったことになります。
覚えるポイント
- 取り消された法律行為は、初めから無効であったものとみなされる(民法121条)。
間違えやすいところ
- 取得時効の効力が完成時ではなく起算日に遡る点を見落としやすい。
出題の前提:平成29年4月1日施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
共有物の占有使用と明渡請求(判例文読解)
権利関係 · 共有 / 使用貸借 / 持分権 / 明渡請求
民法の規定及び掲げられた判決文(共有者の一部の承認を得て占有する第三者に対する明渡請求の可否に関するもの)に基づき、誤っているものはどれか。 【判決文】共有者の一部の者から共有者の協議に基づかないで共有物を占有使用することを承認された第三者は、その者の占有使用を承認しなかった共有者に対して共有物を排他的に占有する権原を主張することはできないが、現にする占有がこれを承認した共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用する権原を有するので、第三者の占有使用を承認しなかった共有者は右第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできないと解するのが相当である。
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解答
3
解説
共有物について他の共有者との協議を経ずに一部共有者から占有権原を付与された第三者は、承認した共有者の持分の限度で占有使用する権原を有するにとどまり、建物全体を排他的に占有する権原を主張することはできません。また、明渡しを拒絶された共有者も当然には明渡請求を行えません。
解き方
- 提示された判決文から、第三者が持たない権能(排他的占有権原の主張)と認められる権能(持分に基づく限度での占有権原)を読み取る。
- 選択肢3が「排他的に占有する権原を主張することができる」として判決文の明文と正反対の結論を述べていることを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 判決文および民法の原則通り、各共有者は協議に基づかないで当然に共有物を排他的に占有することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 判決文の後段において「第三者の占有使用を承認しなかった共有者は右第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできない」と述べられており正しいです。
- 選択肢 3正解
- 判決文の前段において第三者は「共有物を排他的に占有する権原を主張することはできない」と判示されており、主張できるとする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 民法第255条により、共有者の一人がその持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属します。
覚えるポイント
- 判例文読解問題では、判文の「~主張することはできないが」などの対比文言を正確に照合する。
間違えやすいところ
- 一部共有者から利用権を得た者が全体を適法に占有できると誤読しやすい。
出題の前提:平成29年4月1日施行の民法および最高裁判所判例
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
民法条文の直接規定の有無
権利関係 · 相隣関係 / 囲繞地通行権 / 民法条文規定 / 時効完成猶予
次の記述のうち、平成29年4月1日現在施行されている民法の条文に規定されているものはどれか。
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解答
2
解説
出題基準日(平成29年4月1日)当時、相隣関係における囲繞地通行権は民法第210条に明文で規定されていました。他の項目(協議合意による時効猶予、対抗要件具備義務、通常損耗等除外)は判例理論等として確立していましたが条文にはなく、のちの民法改正で明文化されました。
解き方
- 平成29年4月1日現在の民法典において条文自体に規定されていた項目を特定する。
- 選択肢2の囲繞地通行権(民法210条)が旧来からの条文規定であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 協議を行う旨の合意による時効完成猶予は、平成29年改正民法(令和2年施行)で新設されたものであり、当時の条文にはありません。
- 選択肢 2正解
- 民法第210条第1項に「他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる」と明定されています。
- 選択肢 3不正解
- 売主の対抗要件具備義務は判例で認められていたものの、当時の民法条文には明文がなく、平成29年改正(令和2年施行の第560条)で新設されました。
- 選択肢 4不正解
- 通常損耗や経年劣化を原状回復義務から除くルールは判例法理として定着していましたが、当時の条文にはなく、平成29年改正(令和2年施行の第621条)で明文化されました。
覚えるポイント
- 囲繞地通行権は民法制定当初から条文(第210条)に規定されている。
間違えやすいところ
- 判例として有名なルール(原状回復の通常損耗除外など)を、施行当時の条文にあったと勘違いしやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行されている民法の条文
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
他人物売買・媒介・手付解除の法的効力
権利関係 · 他人物売買 / 手付解除 / 瑕疵担保責任 / 同時履行の抗弁権
Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
売買契約は他人の権利を目的とする場合であっても有効に成立します(他人物売買)。媒介業者が介在しても売主と買主の同時履行の抗弁権は失われず、瑕疵担保責任(契約不適合責任)は契約当事者である売主に対してのみ追及可能であり、手付解除は相手方が履行に着手するまでに限られます。
解き方
- 売買契約における同時履行の抗弁権、担保責任の追及相手、手付解除の要件(期限)を検討する。
- 他人の物を目的とする売買契約(父親の自動車の売買)が有効に成立するかどうかを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 売買契約において代金支払と目的物の引渡しは特約がない限り同時履行の関係にあり、媒介の有無で先払い義務が生じることはありません。
- 選択肢 2不正解
- 瑕疵担保責任は売買契約の売主に対して追及するものであり、単なる媒介業者であるBに対して追及することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 手付倍額の償還による解除ができるのは「相手方が契約の履行に着手するまで」であり、「いつでも」解除できるわけではありません。
- 選択肢 4正解
- 他人の権利を売買の目的とした場合でも、売買契約そのものは有効に成立します(他人物売買)。
覚えるポイント
- 他人の所有物を目的とする売買契約も有効に成立する(民法第560条)。
間違えやすいところ
- 媒介業者が報酬を得ているからといって売買当事者としての瑕疵担保責任を負うと誤解しやすい。
出題の前提:平成29年4月1日施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
遺産共有・賃料債権の帰属・限定承認
権利関係 · 遺産分割 / 賃料債権 / 限定承認 / 代襲相続
Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
遺産共有中の不動産から生じた天然果実・法定果実(賃料等)は、遺産そのものとは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて確定的に取得します。したがって、その後の遺産分割によって不動産の取得者が決まっても、過去に取得した賃料債権は遡及して移転せず、清算義務は生じません。
解き方
- 法定相続分の比較、再転相続と代襲相続の区別、遺産から生じた賃料債権の帰属に関する最高裁判例、限定承認の要件(共同相続人全員による申述)を精査する。
- 遺産分割前の賃料債権に関する最高裁判例の法理に合致する選択肢3を正解と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者と子が相続人の場合の子の相続分は1/2、子2人が相続人の場合の子1人あたりの相続分も1/2であり、どちらも同じ(1/2)です。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人Aの死亡後に相続人Bが死亡した場合は「再転相続」であり、Bの相続人である配偶者Dと子E双方がBの地位を承継して分割協議に参加します(代襲相続ではない)。
- 選択肢 3正解
- 判例によると、遺産共有不動産から発生した賃料債権は各相続人が法定相続分に応じて確定的に取得し、その後の遺産分割の効力は及ばないため、清算する必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみ行うことができます(民法第924条)。1人が単独で申述しても他方が申述したとはみなされません。
覚えるポイント
- 遺産分割前の賃料は、各共同相続人が相続分に応じて確定的に取得し、遺産分割の影響を受けない。
間違えやすいところ
- 再転相続(相続開始後の相続人の死亡)を代襲相続(相続開始前の死亡等)と混同しやすい。
出題の前提:平成29年4月1日施行の民法および最高裁判所判例
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
請負契約の終了・報酬・担保責任
権利関係 · 請負契約 / 瑕疵担保責任 / 履行不能 / 中途終了
請負契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
請負契約において仕事の目的に瑕疵があるときは、注文者は瑕疵修補に代わる損害賠償を受けるまで請負報酬全額の支払を拒むことができます(同時履行の抗弁権)。請負人の債務不履行による中途解約時の損害額や注文者の責めに帰すべき履行不能時の利益償還(民法第536条2項)、免責特約の制限についても民法・判例の基本規律が存在します。
解き方
- 請負契約の中途終了、履行不能、瑕疵担保責任に関する各ルールの正誤を確認する。
- 瑕疵修補に代わる損害賠償請求と報酬支払の間の同時履行関係について検討し、支払拒絶ができる点に反する選択肢3を誤りと特定する。
- 選択肢 1不正解
- 判例によれば、請負人の帰責事由で中途終了した場合、注文者が残工事に要した費用のうち未施工部分の請負代金を超える額が請負人に請求できる損害となります。
- 選択肢 2不正解
- 注文者の帰責事由により履行不能となった場合、請負人は代金全額を請求できますが、自己の債務を免れたことで得た利益は注文者に償還する必要があります(民法第536条第2項)。
- 選択肢 3正解
- 瑕疵の修補に代わる損害賠償請求権と報酬支払請求権とは同時履行の関係にあるため、賠償を受けるまで注文者は報酬全額の支払を拒むことができます。
- 選択肢 4不正解
- 民法第640条により、担保責任を負わない特約をした場合でも、知りながら告げなかった事実については責任を免れることができません。
覚えるポイント
- 請負の目的物に瑕疵がある場合、損害賠償と報酬支払は同時履行の関係に立つ。
間違えやすいところ
- 損害額の限度でのみ支払拒絶ができるのではなく、賠償を受けるまで報酬全額の支払を拒むことができる。
出題の前提:平成29年4月1日施行の民法および最高裁判所判例
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
連帯債務の効力(請求・相殺・時効・求償)
権利関係 · 連帯債務 / 絶対効 / 相殺 / 求償権
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。
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解答
2
解説
連帯債務において、一人の債務者が債権者に対して有する反対債権をもって相殺を援用したときは、債権はすべての連帯債務者の利益のために消滅します(相殺の絶対的効力)。出題当時の民法では相殺は絶対効とされ、弁済については自己の負担部分の額に達していなくても他債務者に各自の負担割合に応じて求償可能でした。
解き方
- 連帯債務者の一人について生じた事由(請求、相殺、時効完成)の効力(絶対効か相対効か)および求償権の成立要件を確認する。
- 相殺が絶対的効力を有し、他の債務者の債務も消滅することを述べている選択肢2を正解と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 当時の民法において連帯債務者の一人に対する履行の請求は絶対的効力を有していたため、他の債務者が知らなくてもその効力(時効中断等)が生じました。
- 選択肢 2正解
- 連帯債務者の一人がした相殺は絶対的効力を有するため、相殺された200万円の限度で他の債務者の連帯債務も消滅します。
- 選択肢 3不正解
- 当時の民法において連帯債務者の一人に時効が完成した場合、その者の負担部分(300万円)の限度でのみ絶対効が生じるため、全部が消滅するわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 弁済額が自己の負担部分以下であっても、共同の免責を得させた以上、その弁済額について各連帯債務者の負担部分の割合に応じて求償することができます。
覚えるポイント
- 連帯債務者の一人がした相殺は、他の連帯債務者に対しても絶対的な効力を及ぼす。
間違えやすいところ
- 自己の負担部分を超えて弁済しなければ求償できないと誤認しやすいが、一部弁済でも負担割合に応じて求償できる。
出題の前提:平成29年4月1日施行の民法
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
相続人の確定と代襲相続および法定相続分
民法等 · 相続 / 代襲相続 / 相続放棄 / 相続欠格
1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aには配偶者がなく、子としてB、C、Dがいる。またBには子Eが、Cには子Fがいる。Bは相続を放棄し、Cは生前のAを強迫して遺言作成を妨害したため相続欠格となった。この場合における法定相続分として、民法の規定によれば正しいものはどれか。
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解答
3
解説
相続の放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされるため代襲原因になりませんが、相続欠格や廃除は代襲原因となるためその直系卑属が代襲相続します。
解き方
- 相続放棄したBの扱いを確認し、代襲相続が発生しないため子Eが相続人とならないことを判断します。
- 遺言妨害で相続欠格となったCについて、代襲原因に該当するため子Fが代襲相続人となることを導きます。
- 有効な相続人が子Dと代襲相続人Fの2名となるため、1億2,000万円を均等に2分割して各6,000万円と算定します。
- 選択肢 1不正解
- 相続を放棄したBの子Eは代襲相続人とならないため、Eに法定相続分が認められる記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 相続欠格となったCの子Fが代襲相続人となるため、Dが単独ですべてを相続するわけではなく誤りです。
- 選択肢 3正解
- 相続人は子DとCを代襲相続したFの2人であり、法定相続分は各自2分の1ずつで各6,000万円となり正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 相続放棄したBの子Eは代襲できず、欠格となったCの子Fが代襲するため、Eに権利があるとする点は誤りです。
覚えるポイント
- 相続放棄は代襲相続の原因にならないが、相続欠格と廃除は代襲相続の原因となる。
間違えやすいところ
- 相続放棄でも代襲相続が起きると勘違いして子を相続人に含めてしまう誤りに注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の民法規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
不動産質権と抵当権の比較
民法等 · 不動産質権 / 抵当権 / 担保物権
①不動産質権と②抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
不動産質権は目的物の使用収益・果実収取権を質権者が有する要物契約であり存続期間に制限がありますが、抵当権は目的物の占有を移転しない諾成契約で後順位者保護のため利息担保範囲が最後の2年分に制限されます。
解き方
- 不動産質権における利息の原則(果実収取により利息請求権を有しないこと)と抵当権の利息担保範囲(最後の2年分)を確認します。
- 選択肢1が不動産質権と抵当権の利息に関するルールを混同・逆転させて記述していることを見抜きます。
- 選択肢 1正解
- 不動産質権は原則として利息を請求できず、抵当権において満期となった最後の2年分が担保されるため記述が誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 不動産質権の存続期間は最長10年(民法360条)ですが、抵当権には存続期間の制限がないため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 質権は引渡しが効力発生要件である要物契約(民法344条)であり、抵当権は引渡しを要しない諾成契約であるため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 不動産質権も抵当権も不動産に関する物権であり、登記が対抗要件(民法177条)となるため正しいです。
覚えるポイント
- 不動産質権の存続期間の上限は10年であり、引渡しが必要な要物契約である。
間違えやすいところ
- 抵当権の優先弁済範囲(利息等の最後の2年分制限)を質権の規定と混同しないよう注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の民法規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
土地賃貸借における存続期間と借地借家法の適用関係
民法等 · 借地借家法 / 賃貸借 / 借地権の存続期間 / 地代等増減請求権
A所有の甲土地につき、平成29年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
借地借家法は建物所有を目的とする地上権または土地賃借権にのみ適用され存続期間は最短30年とされますが、資材置場等の更地利用の土地賃貸借には民法が適用されます。
解き方
- 建物所有を目的とする賃貸借契約には借地借家法が適用され、存続期間を30年未満と定めても30年になることを確認します。
- 資材置場目的の土地賃貸借には民法の賃貸借規定が適用され、約定した10年の存続期間が有効であることを確認して肢2が正しいと導きます。
- 選択肢 1不正解
- 二重賃貸借における優先関係は対抗要件(登記や土地引渡し等)の具備で決まり、契約順序や目的だけでCが優先するわけではありません。
- 選択肢 2正解
- 建物所有目的の借地は借地借家法により30年となり、資材置場目的の賃貸借は民法が適用され定めた10年となるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 借地借家法11条の減額請求権を排除する特約は借地人に不利なため無効であり、賃料不相当となったときは減額請求ができるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 事前書面交付・説明義務は定期建物賃貸借(借地借家法38条)の要件であり、定期借地権(22条)では公正証書等の書面作成が必要ですが事前説明義務の規定はなく誤りです。
覚えるポイント
- 借地借家法は「建物所有を目的とする」土地賃借権にのみ適用される。
間違えやすいところ
- 定期建物賃貸借における事前の書面交付説明義務を、定期借地権の成立要件と混同しないようにする。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の民法及び借地借家法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
建物賃貸借の終了・解約申入れおよび定期建物賃貸借
民法等 · 借地借家法 / 建物賃貸借 / 定期建物賃貸借 / 正当事由
Aが所有する甲建物をBに対して3年間賃貸する旨の契約をした場合における次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
定期建物賃貸借(借地借家法38条)では契約締結に先立って書面を交付して更新がない旨を説明することが義務付けられており、説明を欠いた場合は更新なしの特約が無効となり普通借家契約になります。
解き方
- 普通建物賃貸借の更新拒絶や解約申入れには正当事由が必要であり、解約申入れ期間の短縮特約は借家人に不利で無効となる点を確認します。
- 定期建物賃貸借の要件として、契約前の書面交付説明を怠った場合の効果(更新がない旨の約定が無効となること)を確認して肢4を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 賃貸人からの更新拒絶通知には借地借家法28条の正当な事由が必要であり、単に1年前に通知しただけでは当然に終了しないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 賃貸人からの解約申入れによる終了期間(6か月)を短縮する特約は借家人に不利な特約として無効となるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 賃貸借契約が期間満了で終了する場合、賃貸人Aが転借人Cに対して通知をし、その通知から6か月を経過しなければ終了をCに対抗できないため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 法38条の定期建物賃貸借では事前の書面交付説明が必要であり、これを欠くと更新がない旨の約定が無効となるため正しいです。
覚えるポイント
- 定期建物賃貸借の事前説明書面は、賃貸借契約書とは別個に交付して説明しなければならない。
間違えやすいところ
- 普通借家契約において事前に合意していても賃借人に不利な解約期間短縮特約は無効となる点に注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の借地借家法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律における集会の招集手続
区分所有法等 · 区分所有法 / 集会の招集 / 規約による変更 / 全員の同意
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
区分所有法では少数区分所有者の権利を守るため集会招集請求権(5分の1以上)が定められていますが、招集をより容易にする趣旨から規約でこの定数を引き下げる(減ずる)ことが認められています。
解き方
- 区分所有法34条における集会招集請求の要件(区分所有者の5分の1以上かつ議決権の5分の1以上)を確認します。
- 同条5項により、この5分の1という定数は規約で減ずることができると規定されているため、肢2が誤りであると判定します。
- 選択肢 1不正解
- 管理者は少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない(区分所有法34条2項)ため正しいです。
- 選択肢 2正解
- 区分所有者・議決権の5分の1以上という招集請求の定数は、規約で減ずることができる(同法34条5項)ため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 区分所有者があらかじめ通知を受ける場所を管理者に通知したときは、管理者はその場所にあてて招集通知を発すれば足ります(同法35条2項)。
- 選択肢 4不正解
- 区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで集会を開催することができる(同法36条)ため正しいです。
覚えるポイント
- 集会招集請求権の定数(5分の1以上)は、規約で「減ずる」ことができるが「増やす」ことはできない。
間違えやすいところ
- 定数を厳しくする(増やす)ことはできず、緩和する(減ずる)ことのみ可能である点を取り違えないようにする。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記法における登記事項
不動産登記法 · 不動産登記法 / 登記事項 / 賃借権設定登記 / 敷金
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
不動産登記法において、賃借権設定登記では賃料のほか、敷金の定めや存続期間の定め等の別段の定めがあるときは、それらも登記事項(任意的登記事項)として登記することができます。
解き方
- 不動産登記法81条における賃借権の登記事項を確認します。
- 敷金があるときは敷金に関する定めも登記事項として登記できるため、「登記事項とならない」とする選択肢3を誤りと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 建物の名称があるときは、建物の表示に関する登記事項となる(不動産登記法44条1項2号)ため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 地上権設定登記において、存続期間の定めがあるときは登記事項となる(不動産登記法78条1号)ため正しいです。
- 選択肢 3正解
- 賃借権設定登記において敷金の定めがあるときは登記事項となる(不動産登記法81条7号)ため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 事業用定期借地権の定めがある賃借権の設定登記では、その定めも登記事項となる(不動産登記法81条8号)ため正しいです。
覚えるポイント
- 賃借権の設定登記において、賃料は必要的登記事項、敷金は任意的登記事項である。
間違えやすいところ
- 敷金は登記できないと誤解しやすいが、定めがあれば登記事項となる点に注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の不動産登記法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
農地法における各種手続・許可および届出
法令上の制限 · 農地法 / 農地法3条 / 市街化調整区域 / 相続届出
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
農地法において、耕作目的の権利取得(3条)には市街化区域内の特例届出は存在せず、また4ヘクタール超の転用等の許可権者は都道府県知事等であり、相続による取得時は許可不要ですが農業委員会への届出が必要です。
解き方
- 3条許可における市街化区域の届出特例の有無を確認し、特例があるのは4条・5条転用のみであることを確認します。
- 抵当権設定が権利移動に該当しないこと、4ha超の転用許可権者が知事等であることを順次確認します。
- 相続による農地取得は許可不要である一方、農業委員会への遅滞ない届出義務(3条の3)があることを確認し肢4を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 市街化区域内の届出特例があるのは4条・5条の転用であり、耕作目的の権利移動(3条)では市街化区域内でも3条許可が必要なため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 4ヘクタールを超える農地の転用であっても、許可権者は農林水産大臣ではなく都道府県知事等(指定市町村長含む)であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 抵当権の設定は使用収益権の移転や設定を伴わないため、農地法3条・5条の権利移動に該当せず許可は不要であり誤りです。
- 選択肢 4正解
- 相続等により農地の権利を取得した者は、遅滞なく農業委員会にその旨を届け出なければならない(農地法3条の3第1項)ため正しいです。
覚えるポイント
- 市街化区域の農業委員会への届出特例は4条・5条のみで、3条には存在しない。
間違えやすいところ
- 平成27年改正により、4ヘクタール超の農地転用許可の権限が農林水産大臣から都道府県知事等に移譲された点に注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の農地法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における開発・建築等の各種規制と許可手続
法令上の制限 · 都市計画法 / 都市計画施設 / 地区計画 / 都市計画事業
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 ア 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 イ 地区整備計画が定められている地区計画の区域内において、建築物の建築を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 ウ 都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 エ 都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該事業の施行者の許可を受けなければならない。
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解答
1
解説
都市計画施設の区域内での建築や事業認可告示後の事業地内での形質変更等は都道府県知事等の「許可」を要しますが、地区計画区域内の建築は市町村長への事前の「届出」、事業地内土地建物の有償譲渡は施行者への「届出」となります。
解き方
- 記述ア:都市計画施設・市街地開発事業の施行区域内での建築は都道府県知事等の許可を要するため正しいと判断します。
- 記述イ:地区整備計画区域内での建築等は行為着手の30日前までに市町村長へ届出を要するものであり、許可ではないため誤りと判断します。
- 記述ウ:都市計画事業の認可告示後の土地形質変更等は都道府県知事等の許可を要するため正しいと判断します。
- 記述エ:認可告示後の事業地内の土地建物の有償譲渡は施行者への事前の書面届出を要するものであり、許可ではないため誤りと判断します。
- 正しい記述はアとウであるため、組合せとして選択肢1を選択します。
- 選択肢 1正解
- アとウがともに正しく、正しいものの組合せとして適切です。
- 選択肢 2不正解
- アは正しいですが、エは施行者の許可ではなく施行者への届出であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- ウは正しいですが、イは都道府県知事等の許可ではなく市町村長への届出であるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- イは市町村長への届出、エは施行者への届出であり、いずれも許可制ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 地区計画区域内での建築行為は「着工30日前までに市町村長へ届出」である。
間違えやすいところ
- 手続が「許可」なのか「届出」なのか、相手方が「都道府県知事等」「市町村長」「施行者」のいずれかを正確に区別する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の都市計画法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法に基づく開発許可の要否
法令上の制限 · 都市計画法 / 開発許可 / 開発行為の規模要件 / 適用除外
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積について条例による定めはないものとし、本問における「都道府県知事」とは地方自治法に基づく指定都市・中核市・施行時特例市にあってはその長を指すものとする。
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解答
2
解説
開発許可制度では、区域区分(市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域、準都市計画区域、区域外)ごとに許可を要する面積基準が定められています。農林漁業用の建築物や居住用建築物の例外規定は市街化区域内では適用されず、公益上必要な建築物は区域を問わず適用除外となります。また、第二種特定工作物は規模要件を満たさないと開発行為に該当しません。
解き方
- 各選択肢の区域区分、建築物・工作物の種類、敷地規模(面積)を確認する。
- 区域ごとの面積要件(市街化区域1,000㎡、準都市計画区域3,000㎡、区域外10,000㎡等)および適用除外規定(農林漁業用、公益用、第二種特定工作物基準)と照合して許可要否を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 準都市計画区域内において開発許可が必要となる規模は原則として3,000㎡以上です。1,000㎡の開発行為には都道府県知事の許可は不要です。
- 選択肢 2正解
- 農林漁業者用の居住用建築物等についての開発許可不要の特例は市街化区域内には適用されません。市街化区域内では1,000㎡以上の開発行為は都道府県知事の許可を受ける必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画区域及び準都市計画区域外では10,000㎡以上の開発行為が対象となるため1,000㎡では規模要件を満たしません。また変電所などの公益上必要な建築物の建築目的の開発行為は区域を問わず許可が不要です。
- 選択肢 4不正解
- 遊園地などの第二種特定工作物に該当するためには規模が1ヘクタール(10,000㎡)以上である必要があります。3,000㎡の遊園地は特定工作物に該当しないため開発許可は不要です。
覚えるポイント
- 市街化区域では農林漁業関連の建築物であっても開発許可の例外とならない点に注意する。
- 第二種特定工作物はゴルフコース(面積不問)と、遊園地・運動施設・墓園等の1ha以上の土地である。
間違えやすいところ
- 農林漁業用建築物の特例が市街化調整区域だけでなく市街化区域でも適用されると誤解しやすい。
- 準都市計画区域の規模要件(3,000㎡)を市街化区域の1,000㎡と混同しやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の都市計画法第29条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法の諸規定(仮使用・界壁・便所・用途変更)
法令上の制限 · 建築基準法 / 仮使用承認 / 長屋の界壁 / 用途変更 / 建築確認
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
建築基準法では、建築物の安全性や衛生環境を確保するため、完了検査前の仮使用承認、長屋等の界壁による遮音・防火、下水道処理区域内の水洗化、特殊建築物への用途変更時の建築確認など各種の手続きや技術的基準を定めています。
解き方
- 各選択肢の規定(仮使用承認、界壁の構造基準、下水道処理区域内の便所、用途変更の確認対象)を確認する。
- 用途変更において、特殊建築物への変更で基準面積を超える場合に建築確認が義務付けられているルールを適用し誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 建築基準法第7条の6第1項第1号により、一定の建築物の新築工事において特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めて承認したときは、検査済証の交付前でも仮使用が可能です。
- 選択肢 2不正解
- 建築基準法第30条及び同法施行令第114条第1項により、長屋又は共同住宅の各戸の界壁は小屋裏又は天井裏に達するものとしなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 建築基準法第31条第1項により、下水道法に規定する処理区域内においては便所は汚水管が公共下水道に連結された水洗便所としなければならないと規定されています。
- 選択肢 4正解
- 共同住宅は特殊建築物に該当します。特殊建築物への用途変更でその部分の床面積の合計が一定規模を超える場合(本問の300㎡は当時の100㎡超および現行の200㎡超のいずれにも該当)は建築確認が必要となるため誤りです。
覚えるポイント
- 特殊建築物への用途変更で一定規模を超える場合は建築確認が必要となる。
- 長屋・共同住宅の界壁は天井裏・小屋裏まで達していなければならない。
間違えやすいところ
- 類似の用途相互間の変更であれば確認不要となる場合があるが、ホテルから共同住宅への変更は類似用途相互間ではない点を見落としやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の建築基準法第6条、第7条の6、第30条、第31条、第87条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法の用途地域・道路・容積率・建ぺい率
法令上の制限 · 建築基準法 / 用途地域の指定のない区域 / 建ぺい率 / 第二種中高層住居専用地域 / 道路の定義 / 道路幅員による容積率制限
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
用途地域の指定のない区域の建ぺい率は法定選択肢から特定行政庁が審議会の議を経て決定します。用途制限においてホテル・旅館は中高層住居専用地域では建築できません。基準時において現に存在する幅員4m以上の道は当然に法上の道路となり、2以上の前面道路がある場合の道路容積率の制限では幅員の「最大」の数値を用います。
解き方
- 各肢の論点(無指定区域の建ぺい率の決定手続、用途規制、道路の要件、複数道路の容積率算定)を整理する。
- 法53条1項6号の建ぺい率指定手続の整合性を確認し、正しい選択肢を特定する。
- 選択肢 1正解
- 建築基準法第53条第1項第6号により、用途地域の指定のない区域内の建ぺい率の上限は、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し、都道府県都市計画審議会の議を経て定めます。
- 選択肢 2不正解
- 第二種中高層住居専用地域内では、ホテル又は旅館を建築することは原則としてできません(法第48条別表第二)。建築可能なのは第一種・第二種住居地域、準住居地域、商業系地域、準工業地域などです。
- 選択肢 3不正解
- 幅員4m以上で法の施行時等に現に存在する道は、法第42条第1項第3号道路として当然に建築基準法上の道路となり、特定行政庁の指定は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 前面道路が2以上ある場合の幅員による容積率制限は、前面道路の幅員の「最大」の数値を用いて算定します(法第52条第2項)。最小ではありません。
覚えるポイント
- 2以上の前面道路がある場合、容積率制限で用いる幅員は「最大」の数値である。
- 4m以上の既存道(3号道路)は指定不要で当然に法上の道路となる。
間違えやすいところ
- ホテル・旅館が建てられる地域は住居地域以上(住居地域・準住居地域など)であり、中高層住居専用地域では不可である点を間違えやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の建築基準法第42条、第48条、第52条、第53条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法における監督処分・工事報告・排水施設
法令上の制限 · 宅地造成等規制法 / 改善命令 / 報告徴収 / 技術的基準の強化 / 除却工事の届出
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地造成等規制法では、区域内の宅地の安全を保つための知事の改善命令権、工事に関する報告徴収権、地方の実情に応じた条例・規則による技術的基準の強化付加が認められています。また、造成宅地の安全に関わる擁壁や政令で定める排水施設の除却工事については知事への事前の届出が義務付けられています。
解き方
- 法第17条(改善命令)、第18条(報告徴収)、第9条(技術的基準の強化)の各規定の正誤を照合する。
- 法第15条第3項および施行令に規定される除却届出の対象要件を検討し、誤っている肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 法第17条第1項により、都道府県知事は災害発生のおそれが大きいと認める場合、所有者・管理者・占有者に対し相当の猶予期限をつけて擁壁の設置等の改善を命ずることができます。
- 選択肢 2不正解
- 法第18条第1項により、知事は宅地において行われている工事が宅地造成に関する工事であるか否かにかかわらず、所有者等に対して工事の状況を報告させることができます。
- 選択肢 3不正解
- 法第9条第2項により、都道府県等は土地の状況等により必要があると認めるときは、規則で技術的基準を強化し又は付加することができます。
- 選択肢 4正解
- 宅地造成等規制法第15条第3項及び同法施行令第18条によれば、除却工事の届出が必要な排水施設は令第14条の技術的基準を満たして設置されたもの等に限定されており、基準を満たす必要のない排水施設を前提とする本肢の記述は法令の定めに照らして不適切であり誤りです。
覚えるポイント
- 宅造法上の報告徴収は、行われている工事が宅地造成工事であるか否かにかかわらず可能である。
- 改善命令の対象は所有者・管理者・占有者であり、必要な擁壁等の設置を命じることができる。
間違えやすいところ
- 知事が報告を求められるのは「宅地造成工事」に限られると誤認しやすいが、造成工事か否かにかかわらず報告を求められる。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の宅地造成等規制法第9条、第15条、第17条、第18条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法における組合施行の諸手続
法令上の制限 · 土地区画整理法 / 土地区画整理組合 / 解散認可 / 組合員の地位承継 / 借地権者
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「組合」とは、土地区画整理組合をいう。
解答・解説を表示
解答
4
解説
土地区画整理組合施行において、施行地区内の宅地の所有権者及び借地権者はすべて強制的に組合員となります。事業の完成による解散は都道府県知事の認可が必要であり、組合員の権利義務は宅地の所有権等を承継した者に移転します。また一定の場合に事業計画決定先行型の設立認可(定款及び事業基本方針の認可)も認められています。
解き方
- 土地区画整理組合の構成員(組合員資格)の規定(法25条1項)を確認する。
- 所有権者だけでなく借地権者も組合員となる基本ルールに基づき、肢4の誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 土地区画整理法第45条第2項により、組合は事業の完成や不能等により解散しようとする場合、都道府県知事の認可を受けなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 土地区画整理法第26条第1項により、組合員の宅地に関する所有権等を承継した者は、組合に対する従前の組合員の権利義務を承継します。
- 選択肢 3不正解
- 土地区画整理法第3条第2項及び第5条により、事業計画決定に先立って組合を設立する必要がある場合、7人以上共同して定款及び事業基本方針を定めて知事の設立認可を受けることができます。
- 選択肢 4正解
- 土地区画整理法第25条第1項により、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員となります。借地権者も組合員となるため誤りです。
覚えるポイント
- 組合施行の土地区画整理事業では、施行地区内の「所有権者」と「借地権者」は全員組合員となる。
- 事業完成による組合の解散には都道府県知事の認可が必要である。
間違えやすいところ
- 借家人は組合員にならないが、借地権者は組合員となる点を取り違えやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の土地区画整理法第3条、第25条、第26条、第45条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
諸法令(津波防災地域づくり法・国土法・景観法・道路法)
法令上の制限 · 津波防災地域づくり法 / 国土利用計画法 / 景観法 / 道路法
次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産取引に関わる各種個別法において、津波防護施設区域内での掘削等の制限(管理者の許可)、国土利用計画法での事後届出対象(「対価」を伴う契約に限られ贈与は対象外)、景観計画区域内での行為の届出(あらかじめ事前届出)、道路予定区域内での工作物新築制限(権原取得前でも許可要)が定められています。
解き方
- 各肢の個別法令の制限内容と手続きのタイミング・要件(許可権者、届出時期、対価の有無)を照合する。
- 肢1の津波防災地域づくり法の許可規定が条文通り正しく、他肢に明らかな誤りがあることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 津波防災地域づくりに関する法律第22条第1項により、津波防護施設区域内における土地の掘削、盛土、切土等を行おうとする者は原則として津波防護施設管理者の許可を受けなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 国土利用計画法の事後届出の対象となるのは「対価を得て行われる土地に関する権利の移転又は設定」に関する契約です。贈与は無償の契約であるため届出は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 景観法第16条第1項により、景観計画区域内における建築物の新築等の行為は「あらかじめ(工事に着手する日の30日前までに)」届出が必要であり、工事着手後ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 道路法第91条第1項により、道路の区域決定後供用開始前であれば、道路管理者が権原を取得する前であっても、工作物の新築等には道路管理者の許可が必要です。
覚えるポイント
- 国土法上の届出は「対価の授受を伴う取引」に限定される(贈与や相続は届出不要)。
- 景観法の行為届出は「事前(着手前)」に行う必要がある。
間違えやすいところ
- 市街化区域の面積要件(2,000㎡以上)だけを見て、贈与が無償契約(対価なし)であることによる届出不要を見落としやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の津波防災地域づくり法第22条、国土利用計画法第23条、景観法第16条、道路法第91条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
所得税法における譲渡所得等の課税区分と計算
税・その他 · 所得税法 / 譲渡所得 / 生活に通常必要でない資産 / 借地権設定の権利金 / 相続取得資産の引継ぎ
所得税法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税法において、生活に通常必要でない資産の災害損失は譲渡所得から控除(当年・翌年)可能です。土地の借地権設定に伴う権利金等のうち土地価格の5/10を超えるものは譲渡所得として課税されます。営利目的で継続的に行われる譲渡は事業所得等となり、通常の相続により取得した資産の取得費は被相続人の取得時期・取得価額を引き継ぎます。
解き方
- 各肢の所得区分および課税ルールの条件を精査する。
- 肢1の生活に通常必要でない資産の災害損失の控除ルール(譲渡所得からの控除)が正しいことを確認する。
- 選択肢 1正解
- 所得税法第62条第1項及び同法施行令第178条により、別荘等の生活に通常必要でない資産について生じた災害損失は、雑損控除の対象にはならないものの、その年の譲渡所得の金額から控除し、控除しきれないときは翌年分の譲渡所得から控除することができます。
- 選択肢 2不正解
- 借地権設定の対価として受ける権利金等の額が、土地の時価の10分の5(50%)を超えるときは、不動産所得ではなく「譲渡所得」として課税されます(所得税法施行令第79条)。
- 選択肢 3不正解
- 営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得は、譲渡所得ではなく「事業所得」又は「雑所得」として課税されます(所得税法第33条第2項第1号)。
- 選択肢 4不正解
- 相続(限定承認を除く)により取得した資産を譲渡した場合、取得費や取得時期は被相続人のものをそのまま引き継ぎます。相続時の価額で取得したものとして計算するわけではありません(所得税法第60条第1項)。
覚えるポイント
- 土地の借地権設定対価(権利金等)が更地価格の50%超なら譲渡所得、50%以下なら不動産所得となる。
- 相続取得資産の取得費・取得時期は被相続人のものをそのまま引き継ぐ。
間違えやすいところ
- 別荘の損失は雑損控除できないことから一切控除不可と即断しがちだが、譲渡所得からは控除できる例外がある点に注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の所得税法第33条、第60条、第62条等に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
固定資産税の納税義務者・縦覧・審査申出・住宅用地特例
税・その他 · 地方税 / 固定資産税 / 納税義務者 / 縦覧制度 / 固定資産評価審査委員会 / 住宅用地の特例
固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定資産税の納税義務者は原則として1月1日(賦課期日)現在の所有者です。賦課期日現在の現況によって課税や住宅用地特例の適用が判定されます。価格の比較のための縦覧は縦覧期間内に限られ、登録価格への不服は文書で固定資産評価審査委員会に審査申出を行います。
解き方
- 固定資産税の基本ルール(納税義務者=所有者、縦覧=期間内のみ、不服申出先=固定資産評価審査委員会、賦課期日=1月1日現況主義)を確認する。
- 肢3の審査申出の要件が地方税法の規定に完全に合致していることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 地方税法第343条第1項により、固定資産税の納税義務者は原則として固定資産の所有者です。賃借人に対して課税されるわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 地方税法第416条第1項により、家屋価格等縦覧帳簿を縦覧できるのは「縦覧期間内(通常は毎年4月1日から最初の納期限まで等の期間)」に限られます。「いつでも」縦覧できるわけではありません。
- 選択肢 3正解
- 地方税法第432条第1項により、固定資産税の納税者は固定資産課税台帳に登録された「価格」について不服があるときは、一定の場合を除き文書をもって固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができます。
- 選択肢 4不正解
- 地方税法第359条により、固定資産税の賦課期日は「1月1日」であり、特例適用の可否は賦課期日現在の現況で判断されます。1月1日現在で更地である場合は住宅用地の特例は適用されません。
覚えるポイント
- 固定資産評価審査委員会への不服申出は「登録された価格」に対するものであり、文書で行う。
- 固定資産税の課税・特例判定は賦課期日(1月1日)の現況による。
間違えやすいところ
- 自己の資産の内容を確認する「閲覧」は通年可能だが、他の資産と比較する「縦覧」は縦覧期間内に限られる点を取り違えやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の地方税法第343条、第359条、第416条、第432条に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
地価公示法における標準地の選定及び公示手続き
法令上の制限・税・その他 · 地価公示法 / 標準地の選定 / 正常な価格の公示
地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
地価公示法は、都市計画区域等における標準地の正常な価格を判定・公示し、一般の土地取引価格の指標とするとともに適正な地価の形成に寄与することを目的としています。
解き方
- 地価公示法における公示事項、評価頻度・基準日、標準地選定の要件を確認する。
- 土地取引の当事者に対する公示価格の効力(努力義務か強制義務か)を照合して判断する。
- 選択肢 1不正解
- 官報で公示すべき事項に「前回の公示価格からの変化率」は含まれていないため誤りです(地価公示法第6条)。
- 選択肢 2不正解
- 標準地の正常な価格の判定及び公示は「毎年1回」(基準日は1月1日)行われるものであり、「毎年2回」ではないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 地価公示法第2条第1項の規定通りであり、類似の利用価値を有すると認められる地域において利用状況や環境が通常である一団の土地から選定されます。
- 選択肢 4不正解
- 土地の取引を行う者は公示価格を指標として取引を行うよう「努めなければならない」(努力義務)とされており、公示価格で取引する義務はありません。
覚えるポイント
- 地価公示の判定頻度は「毎年1回」、基準日は「1月1日」であること。
- 公示価格に対する一般の土地取引の当事者の義務は「指標とする努力義務」にとどまること。
間違えやすいところ
- 公示事項に価格の「変化率」が含まれると誤認しやすい。
- 不動産鑑定士の鑑定評価は「2人以上」だが、公示自体は年2回ではなく年1回である。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(地価公示法)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
建物の貸借媒介における報酬限度額等の計算と受領制限
宅建業法 · 報酬額の制限 / 貸借の媒介 / 権利金 / 重要事項説明の対価
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は貸主Bから建物の貸借の媒介の依頼を受け、宅地建物取引業者C(消費税課税事業者)は借主Dから建物の貸借の媒介の依頼を受け、BとDの間での賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、1か月分の借賃は9万円(消費税等相当額を含まない。)である。
解答・解説を表示
解答
1
解説
建物の貸借の媒介報酬は原則として借賃1か月分+税が合算上限ですが、居住用建物以外の貸借で返還されない権利金等の授受がある場合は、その額を売買代金とみなして売買報酬の規定を適用して算定できます。
解き方
- 居住用建物か事業用(店舗等)かを確認し、権利金の性質(返還不要か否か)を把握する。
- 権利金200万円に基づく売買みなし計算:200万円×5%=10万円、消費税8%を加算して108,000円。双方からの合計上限は108,000円×2=216,000円。借賃計算(9万円×1.08=97,200円)より高額な方を上限として適用できるため、正しいと判定する。
- 選択肢 1正解
- 店舗等の居住用以外の建物貸借において返還されない権利金200万円がある場合、売買媒介の計算(200万円×5%×1.08=108,000円)を適用でき、AとCが受領できる合計上限は216,000円となります。
- 選択肢 2不正解
- 依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、報酬の限度額とは別に受領することが認められているため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 重要事項説明は宅地建物取引業法上義務付けられた業務であり、その対価として報酬とは別に金銭を受領することは禁止されています。
- 選択肢 4不正解
- 退去時に全額返還される保証金は権利金に該当せず、また居住用建物の貸借であるため、報酬上限は借賃1か月分+税の97,200円(90,000円×1.08)となります。108,000円ではありません。
覚えるポイント
- 居住用以外の建物貸借における権利金(返還されないもの)は売買代金とみなして報酬限度額を計算可能。
- 依頼者の依頼に基づく特別の広告料金等は、報酬とは別途受領可能。
間違えやすいところ
- 全額返還される保証金や敷金は権利金扱いできない点を見落とすこと。
- 居住用の建物貸借では権利金が存在しても売買みなし計算は使えない点に注意。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法・昭和45年建設省告示第1552号※消費税率8%)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限における瑕疵担保責任特約の有効性
宅建業法 · 8種制限 / 瑕疵担保責任の特約制限 / 民法との比較
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 売買契約において、瑕疵担保責任を負う期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。 イ 売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。 ウ Aが瑕疵担保責任を負う期間内においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業者が自ら売主となり非業者と宅地建物を売買する場合、瑕疵担保責任について民法の規定より買主に不利となる特約は無効です。ただし、引渡しの日から2年以上とする特約のみ例外的に有効とされます。
解き方
- 記述ア:引渡しの日から2年間とする特約は法第40条第1項ただし書により有効であるため、「無効となる」は誤り。
- 記述イ:帰責事由がある場合に限定し期間も1年とする特約は民法より買主に不利であり無効となるため、「無効となる」は正しい。
- 記述ウ:契約解除権を排除する特約は民法第570条・第566条より買主に不利であり無効となるため、「有効である」は誤り。
- 正しい記述の個数を集計するとイの「一つ」となる。
- 選択肢 1正解
- 正しい記述はイの1つだけであるため、選択肢1が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はイの1つのみであるため、2つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はイの1つのみであるため、3つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- イが正しい記述であるため、「なし」とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 宅建業法第40条:担保責任の期間を「引渡しの日から2年以上」とする特約以外で、民法より買主に不利な特約は無効。
- 無効となった場合、民法の原則(瑕疵を知った時から1年間通知・解除・損害賠償等)が適用される。
間違えやすいところ
- 引渡しから2年間とする特約を無効と誤解しやすいが、業法で特別に許容されている唯一の例外である。
- 責任追及の内容(解除を認めず損害賠償のみにする等)を制限する特約も買主に不利として無効になる点を見落としやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第40条、民法)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における業務規制の遵守と違反の判断
宅建業法 · 帳簿の保存 / 指定流通機構の登録 / 不当な勧誘等の禁止 / 手付解除
宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはいくつあるか。 ア Aは、法第49条に規定されている業務に関する帳簿について、業務上知り得た秘密が含まれているため、当該帳簿の閉鎖後、遅滞なく、専門業者に委託して廃棄した。 イ Aは、宅地の売却を希望するBと専任代理契約を締結した。Aは、Bの要望を踏まえ、当該代理契約に指定流通機構に登録しない旨の特約を付したため、その登録をしなかった。 ウ Aの従業者Cは、投資用マンションの販売において、勧誘に先立ちAの名称を告げず、自己の氏名及び契約締結の勧誘が目的であることを告げたうえで勧誘を行ったが、相手方から関心がない旨の意思表示があったので、勧誘の継続を断念した。 エ Aは、自ら売主として新築マンションを分譲するに当たり、売買契約の締結に際して買主から手付を受領した。その後、当該契約の当事者の双方が契約の履行に着手する前に、Aは、手付を買主に返還して、契約を一方的に解除した。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法は、帳簿の閉鎖後5年間の保存義務、専任媒介・代理契約での指定流通機構登録の強行規定性、勧誘開始時の業者名等の明示義務、手付解除における倍額償還義務をそれぞれ厳格に定めています。
解き方
- 記述ア:帳簿は閉鎖後5年間保存しなければならず、直ちに廃棄することは違反。
- 記述イ:専任媒介(専任代理含む)の指定流通機構登録義務は強行規定であり特約で排除できず違反。
- 記述ウ:勧誘に先立って業者の商号・名称を告げる義務があり、これを告げないことは違反。
- 記述エ:売主からの手付解除は「手付の倍額を現実に提供」しなければならず、手付の返還のみでの解除は違反。
- 違反しないものの個数を数えると0個(なし)となる。
- 選択肢 1不正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが宅地建物取引業法に違反しているため、「一つ」は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが違反しているため、「二つ」は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが違反しているため、「三つ」は誤りです。
- 選択肢 4正解
- ア〜エの記述はすべて宅地建物取引業法に違反しており、違反しないものは「なし」となります。
覚えるポイント
- 業務に関する帳簿は各事業年度の末日に閉鎖し、閉鎖後5年間(自ら売主の新築は10年間)保存義務がある。
- 専任媒介・代理契約の指定流通機構登録義務に反する特約は無効。
- 契約締結の勧誘に先立ち、業者の商号又は名称及び勧誘を行う者の氏名を告げなければならない。
- 買主は手付放棄、売主は手付倍額償還により履行着手前まで契約解除ができる。
間違えやすいところ
- 専任「代理」契約でも専任媒介契約の規定が準用され、指定流通機構への登録義務があることを見落としやすい。
- 勧誘目的を告げていても業者の名称を告げていなければ業法違反になる点に注意。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第34条の2、第39条、第47条の2、第49条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
監督処分・免許取消処分及び立入検査等に関する規定
宅建業法 · 監督処分 / 免許取消し / 所在不明時の公告 / 立入検査拒否の罰則
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法では、適正な業務運営を確保するために行政庁による監督処分や事務所への立入検査権限を規定しており、検査の拒否等に対しては罰則が定められています。
解き方
- 肢1:マンション管理適正化法違反による指示処分要件(業法第65条)に該当するかを検討する。
- 肢2:知事免許業者の事務所所在不明による免許取消権者は誰か(知事のみ)を確認する。
- 肢3:国土交通大臣から内閣総理大臣への通知規定の有無・対象事由を確認する。
- 肢4:立入検査拒否に対する罰則(50万円以下の罰金)の規定の有無を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 他の法令(マンション管理適正化法等)違反を理由として宅建業法上の指示処分を行うことができるのは「宅地建物取引業の業務に関し」不正・不当な行為をした場合等であり、マンション管理業に関する違反のみでは指示処分を行うことはできません。
- 選択肢 2不正解
- 乙県知事免許の業者に対する免許取消権者は乙県知事であり、国土交通大臣が取り消すことはできません(法第66条)。
- 選択肢 3不正解
- 業務停止を命じた際に内閣総理大臣へ通知する旨の規定は宅地建物取引業法には存在しません。
- 選択肢 4正解
- 法第72条第1項に基づく当該職員の立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、50万円以下の罰金に処せられることがあります(法第83条第1項第6号)。
覚えるポイント
- 知事免許の宅建業者に対する免許取消処分ができるのはその「免許権者である知事」のみ。
- 都道府県職員等の立入検査を正当な理由なく拒んだ場合は50万円以下の罰金刑の対象となる。
間違えやすいところ
- 国土交通大臣は知事免許業者に対して指示処分や業務停止処分はできるが、免許取消処分はできない。
- 他法違反による指示処分は、その違反が宅建業の業務に関連している必要がある。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第65条、第66条、第72条、第83条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録・届出及び案内所の届出義務
宅建業法 · 登録の移転 / 案内所の届出 / 法定講習の免除 / 廃業等の届出
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「登録」とは、宅地建物取引士の登録をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引士の登録の移転は業務に従事する事務所の所在地を基準に行われます。住所変更の場合は現在登録を受けている知事に対して変更の登録を申請するにとどまります。
解き方
- 肢1:登録の移転の要件(他県の事務所に従事等)と住所変更手続き(変更の登録)の違いを確認する。
- 肢2:案内所の届出先(免許権者及び案内所の所在地を管轄する知事)と届出期日(業務開始日の10日前まで)を確認する。
- 肢3:取引士証交付講習の受講義務(試験合格後1年以内の免除規定)を確認する。
- 肢4:法人の合併による消滅時の届出義務者(代表役員であった者)と期間(30日以内)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 登録の移転は他の都道府県の事務所の業務に従事する場合に認められるものであり、単に住所を移転しただけでは登録の移転を申請することはできず、本肢が誤り(正解)です。
- 選択肢 2不正解
- 契約申込み等を行う案内所を設置する場合、業務開始日の10日前までに免許権者(甲県知事)と案内所の所在地を管轄する知事(乙県知事)の双方に届出が必要であるため記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 試験合格後1年を超えて取引士証の交付を受けようとする者は、知事が指定する講習(法定講習)を申請前6月以内に受講しなければならないため記述は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 法人が合併により消滅した場合、消滅した法人の代表役員であった者が、その日から30日以内に免許権者に届け出なければならないため記述は正しいです。
覚えるポイント
- 登録の移転は「事務所の業務に従事(又は従事予定)」が要件であり、「住所の移転」では移転できない。
- 案内所の届出は「業務開始の10日前まで」に「免許権者」と「案内所所在地の知事」の双方に行う。
間違えやすいところ
- 取引士の住所が変わったときは「変更の登録」をすべきところを、「登録の移転」ができると勘違いしやすい。
- 法人の合併消滅時の届出義務者を「合併後存続する代表役員」と混同しやすい(正しくは「消滅した法人の代表役員であった者」)。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第19条の1、第22条の2、第50条第2項、第11条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限におけるクーリング・オフ及び損害賠償額の予定等
宅建業法 · 8種制限 / クーリング・オフ / 損害賠償額の予定等の制限
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間でマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結しようとする場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア Bは自ら指定した自宅においてマンションの買受けの申込みをした場合においても、法第37条の2の規定に基づき、書面により買受けの申込みの撤回を行うことができる。 イ BがAに対し、法第37条の2の規定に基づき、書面により買受けの申込みの撤回を行った場合、その効力は、当該書面をAが受け取った時に生じることとなる。 ウ Aは、Bとの間で、当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う違約金について300万円とする特約を定めた場合、加えて、損害賠償の予定額を600万円とする特約を定めることができる。
解答・解説を表示
解答
4
解説
自ら売主制限において、買主が自ら申し出た自宅での申込み等はクーリング・オフの対象外であり、クーリング・オフ通知は書面を発信した時に効力が生じます。また損害賠償額の予定と違約金の合計額は代金の20%を超えることができません。
解き方
- 記述ア:買主自ら指定した自宅・勤務場所での申込みはクーリング・オフ適用除外のため誤りと判定。
- 記述イ:クーリング・オフの効力発生時期は「書面を発した時」(発信主義)であり、「受け取った時(到達主義)」とする記述は誤りと判定。
- 記述ウ:違約金(300万)+損害賠償予定額(600万)=900万円となり、代金の2割(3,000万×20%=600万円)を超えているため誤りと判定。
- 正しい記述の個数を集計すると0個(なし)となる。
- 選択肢 1不正解
- ア、イ、ウのすべてが誤りであるため、「一つ」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ア、イ、ウのすべてが誤りであるため、「二つ」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- ア、イ、ウのすべてが誤りであるため、「三つ」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 4正解
- ア・イ・ウの記述はすべて誤りであるため、正しいものは「なし」が正解です。
覚えるポイント
- 買主が自ら申し出た自宅や勤務場所での買受けの申込みはクーリング・オフできない。
- クーリング・オフの申出は書面を「発した時」に効力が生じる(発信主義)。
- 損害賠償額の予定額と違約金の合計は代金額の10分の2(20%)を超えてはならない。
間違えやすいところ
- 買主の自宅であっても、買主が自ら申し出た場合と業者が訪問した場合でクーリング・オフ適否が分かれる点に注意。
- 民法の到達主義の原則と異なり、宅建業法のクーリング・オフは発信主義が採られている点を見落としやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第37条の2、第38条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法に規定する営業保証金制度
宅建業法 · 主たる事務所の移転 / 保管替え / 公告を要しない取戻し / 還付と不足額の供託
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
営業保証金を供託している業者が主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変更となった場合、供託物が「金銭のみ」のときは保管替え請求をしなければならず、「有価証券のみ」又は「金銭と有価証券」の場合は二重供託後に従前の供託金を取り戻します。
解き方
- 肢1:供託物が金銭のみの場合の供託所変更手続き(保管替え請求義務)を確認する。
- 肢2:事務所新設時の供託届出義務(事業開始前に供託書の写しを添付して届出)を確認する。
- 肢3:一部事務所廃止による営業保証金取戻し時の公告義務(6か月以上の公告が必要)を確認する。
- 肢4:還付による不足額供託の期限(通知書送付を受けた日から2週間以内)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 金銭のみをもって供託しているときは、遅滞なく従前の供託所に対して「保管替えを請求」しなければならず、取戻し後に新規供託するわけではないため本肢が誤り(正解)です。
- 選択肢 2不正解
- 事務所を新設したときは、営業保証金を供託し、供託書の写しを添えて免許権者に届け出なければ業務を開始できないため記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 一部の事務所廃止による取戻しは、還付請求権者を保護するために6か月以上の申出期間を定めた公告が必要であるため記述は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 還付により営業保証金に不足が生じたときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければならないため記述は正しいです。
覚えるポイント
- 主たる事務所移転で最寄り供託所が変わる場合、金銭のみなら「保管替え請求」、有価証券を含むなら「新規供託(二重供託)後に取戻し」。
- 還付による不足額の供託は「通知書の送付を受けた日から2週間以内」。
間違えやすいところ
- 金銭のみの場合に「二重供託をしてから取り戻す」と誤解しやすい。
- 不足額供託の起算点を「還付された日」ではなく「通知書の送付を受けた日」であることを見落としやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第28条、第29条、第30条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明の対象者および記載事項
宅建業法 · 重要事項説明 / 宅地建物取引業法第35条 / 金銭の貸借のあっせん
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
重要事項説明(法35条)は契約締結前に取得者・借主に対して取引判断に必要な情報を説明する制度であり、契約成立後に双方へ交付される37条書面とは記載事項や交付相手が異なります。
解き方
- 法35条の重要事項説明の相手方が取得者や借主に限られる点を確認します。
- 取引態様(売買か貸借か、宅地か建物か)ごとの法定記載事項と37条記載事項の区別を照合します。
- 選択肢 1不正解
- 重要事項説明は買主や借主などの権利を取得しようとする者に対して行う義務があり、売主に対して説明する義務はありません。
- 選択肢 2正解
- 代金または交換差金に関する金銭の貸借のあっせん内容および成立しないときの措置は、売買の媒介における重要事項説明事項と定められています。
- 選択肢 3不正解
- 私道に関する負担に関する事項は宅地の売買・貸借、建物の売買では説明が必要ですが、建物の貸借においては説明不要とされています。
- 選択肢 4不正解
- 天災その他不可抗力による損害の負担(危険負担)の定めは第37条書面の必要的記載事項ですが、第35条の重要事項説明事項ではありません。
覚えるポイント
- 重要事項説明の相手方は買主・借主のみで売主・貸主は対象外となります。
- 建物の貸借では私道負担の説明は不要と定められています。
間違えやすいところ
- 重要事項説明書(35条)と契約締結時交付書面(37条)の記載事項を混同しやすいので注意が必要です。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第35条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
業務上の禁止行為および監督・罰則
宅建業法 · 不当な勧誘等の禁止 / 手付についての信用の供与 / 媒介報酬
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業法では取引の公正と相手方保護のため、手付金についての信用の供与(貸付や後払い等)による契約誘引や勧誘目的を隠した不当な勧誘等を禁止しています。
解き方
- 各選択肢の行為が法第47条第3号(手付貸与等の禁止)や法第47条の2(不当勧誘の禁止)に該当するか検討します。
- 媒介報酬の支払い条件の変更や手付金の正当な減額が禁止行為に該当しないことを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 手付金の額そのものを減額して契約締結を促す行為は信用の供与(手付の貸付けや後払い等)には該当せず適法です。
- 選択肢 2不正解
- 勧誘に先立って宅建業者の商号・名称及び勧誘目的である旨を告げずに勧誘を行う行為は法第47条の2第3項等により禁止されています。
- 選択肢 3正解
- 媒介報酬の分割受領に応じることは手付金についての信用の供与には当たらず、相手方の要望に応じる便宜にすぎないため法に違反しません。
- 選択肢 4不正解
- 手付金について貸付けその他信用の供与をして契約を誘引する行為は禁止されており、指示処分・業務停止処分等の監督処分や罰則の対象となります。
覚えるポイント
- 手付の貸付け・後払いは禁止ですが手付金の純粋な減額は禁止されていません。
- 報酬の分割払いに応じることは手付信用の供与に該当しません。
間違えやすいところ
- 手付金の減額や報酬の分割受領を「手付の貸付け等」と同列に考えて違法と誤認しないようにします。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第47条、第47条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
業務に関する帳簿および従業者名簿
宅建業法 · 帳簿の備付け / 従業者名簿 / 監督処分
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建業者は事務所ごとに業務に関する帳簿および従業者名簿を備える義務があり、帳簿には取引ごとの報酬額等の記載が必須です。
解き方
- 自ら貸借が宅地建物取引業に該当するかを確認します。
- 帳簿と従業者名簿の備付け場所(事務所ごと)および記載対象者(一時的補助者を含む全従業者)を精査します。
- 選択肢 1不正解
- 自ら貸主として行う建物の賃貸借は宅建業に該当しないため、宅建業法上の業務に関する帳簿への記載義務はありません。
- 選択肢 2不正解
- 業務に関する帳簿は事務所ごとに備え付ける義務があるため、主たる事務所だけに一括して備えることは認められません。
- 選択肢 3正解
- 業務に関する帳簿には受領した報酬の額を記載しなければならず、これに違反した場合には指示処分の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 従業者名簿には、一時的に事務の補助のために雇用したアルバイト等も含め、すべての従業者を記載しなければなりません。
覚えるポイント
- 帳簿と従業者名簿はすべての事務所ごとに備え付ける必要があります。
- 従業者名簿は雇用形態に関わらず一時的な補助者も記載対象です。
間違えやすいところ
- 自ら貸借を宅建業の適用範囲と誤解して帳簿義務があると判断しやすい点に注意します。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第48条、第49条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許制度
宅建業法 · 免許の更新 / みなし業者 / 無免許営業の禁止 / 届出事項
宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「免許」とは、宅地建物取引業の免許をいう。
解答・解説を表示
解答
4
解説
免許の有効期間や更新手続、無免許営業・無免許広告の禁止、結了目的のみなし業者制度(法第12条)に関する規律が定められています。
解き方
- 更新申請中の有効期間満了時の効果(従前の免許の効力存続)を判定します。
- 免許取得前の広告禁止規定および宅建業者名簿の登載・届出事項に兼業業務が含まれるかを確認します。
- 合併等で消滅した業者の一般承継人に対するみなし規定(法12条1項)を適用します。
- 選択肢 1不正解
- 免許の有効期間満了日までに更新申請に対する処分がなされないときは、処分がなされるまで従前の免許の効力が存続し、業務を行うことができます。
- 選択肢 2不正解
- 免許を受けていない者は、免許申請中であっても宅建業を営む旨の広告や顧客の募集を行うことはできません。
- 選択肢 3不正解
- 宅地建物取引業者名簿の変更の届出事項に「兼業業務の内容」は含まれていないため、届出は不要です。
- 選択肢 4正解
- 宅建業者が合併により消滅した場合、その一般承継人は消滅業者が締結した契約に基づく取引を結了する範囲内で宅建業者とみなされます。
覚えるポイント
- 更新処分が遅れている場合でも従前の免許が効力を有します。
- 結了目的の範囲内では一般承継人や相続人は宅建業者とみなされます。
間違えやすいところ
- 免許申請中であっても広告行為は一切行えない点を見落としやすいです。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第3条、第12条、第33条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士の登録および業務上の義務
宅建業法 · 登録要件 / 宅地建物取引士証の提示 / 登録の移転 / 従業者証明書
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅建士制度では登録要件(実務経験・講習)、登録の移転(任意手続)、取引士証の提示義務(重要事項説明時および請求時)、従業者証明書との区別が厳格に定められています。
解き方
- 重要事項説明時の取引士証提示義務が免除される例外がないかを確認します。
- 登録の移転が義務か任意かを判断します。
- 登録の資格要件(法18条第1項)の適合性を確認します。
- 取引士証と従業者証明書の提示代替可能性を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 重要事項説明を行う際は、過去に提示したことがあっても相手方の請求の有無にかかわらず宅建士証を提示しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 登録の移転は他の都道府県に所在する事務所の業務に従事する場合に「申請することができる」任意の手続きであり、義務ではありません。
- 選択肢 3正解
- 法第18条第1項により、試験合格者で2年以上の実務経験または大臣認定講習修了等を有し、欠格事由に該当しないことが登録の要件です。
- 選択肢 4不正解
- 宅建士証と従業者証明書は根拠規定と目的が異なる別個の証明書であり、宅建士証の提示をもって従業者証明書の提示に代えることはできません。
覚えるポイント
- 登録の移転は義務ではなく任意(申請できる)です。
- 宅建士証と従業者証明書は相互に代用することはできません。
間違えやすいところ
- 重説時の取引士証提示は請求がなくても必須であり、事前提示による免除はありません。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第18条、第19条の2、第22条の2、第35条、第48条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
37条書面の必要的記載事項
宅建業法 · 契約締結時交付書面 / 宅地建物取引業法第37条 / 業者間取引
宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、法の規定に違反しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
37条書面は契約内容を明確にする書面であり、交付相手(代理・媒介を含む双方当事者)や必要的記載事項(必要的・相対的)が定められています。手付金等保全措置は35条の事項であり37条の事項ではありません。
解き方
- 代理における37条書面の交付相手が双方当事者であることを確認します。
- 手付金等の保全措置が37条の記載事項に含まれているか検討します。
- 解除や瑕疵担保特約(定めがある場合の必要的記載事項)の扱いを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 宅建業者が代理として売買契約を締結した場合は、買主だけでなく代理された売主に対しても37条書面を交付しなければならず違反となります。
- 選択肢 2正解
- 手付金等の保全措置の概要は重要事項説明(35条)の記載事項ですが、37条書面の記載事項ではないため、記載しなくても法に違反しません。
- 選択肢 3不正解
- 契約の解除に関する定めがあるときは37条書面にその内容を必ず記載しなければならず、記載しなかった場合は違反となります。
- 選択肢 4不正解
- 業者間取引であっても瑕疵担保責任に関する特約を定めたときは37条書面に記載しなければならず、省略することはできません。
覚えるポイント
- 手付金等の保全措置は35条の記載事項であり37条の記載事項ではありません。
- 解除や瑕疵担保責任の特約は「定めがあれば」37条書面に必ず記載が必要です。
間違えやすいところ
- 業者間取引では8種制限の適用は除外されますが、37条書面の交付・記載義務は免除されない点に注意します。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第37条、第78条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金および弁済業務保証金
宅建業法 · 営業保証金の供託場所 / 弁済業務保証金の還付 / 社員の地位喪失 / 還付充当金
営業保証金を供託している宅地建物取引業者Aと宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Bに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア A(国土交通大臣免許)は、甲県内にある主たる事務所とは別に、乙県内に新たに従たる事務所を設置したときは、営業保証金をその従たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。 イ Aは、平成29年5月1日に、Bに手付金500万円を支払い、宅地の売買契約を締結した。宅地の引渡しの前にBが失踪し、宅地の引渡しを受けることができなくなったときは、Aは、手付金について、弁済業務保証金から弁済を受けることができる。 ウ Bは、保証協会の社員の地位を失ったときは、その地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければならない。 エ Bの取引に関して弁済業務保証金の還付があったときは、Bは、保証協会から当該還付額に相当する額の還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
解答・解説を表示
解答
2
解説
営業保証金はすべて主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。また宅建業者は保証協会からの還付対象外であり、社員資格喪失時は1週間以内の営業保証金供託、還付発生時は通知から2週間以内の還付充当金納付が義務付けられています。
解き方
- 記述ア:従たる事務所増設時の供託場所が主たる事務所の最寄り供託所であるか確認します(誤り)。
- 記述イ:宅建業者間取引において宅建業者が還付を受けられるか判定します(誤り)。
- 記述ウ:保証協会社員の地位喪失時の営業保証金供託期限(1週間以内)を確認します(正しい)。
- 記述エ:還付充当金の納付期限(通知から2週間以内)を確認します(正しい)。
- 正しい記述の個数を集計します(2つ)。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はウとエの2つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- ア(誤り:主たる事務所の最寄り供託所に供託)、イ(誤り:宅建業者は還付を受けられない)、ウ(正しい:1週間以内に供託)、エ(正しい:2週間以内に納付)より、正しいものは2つです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はウとエの2つであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述はウとエの2つであるため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 営業保証金は従たる事務所分も含めてすべて「主たる事務所」の最寄り供託所に供託します。
- 宅地建物取引業者は弁済業務保証金および営業保証金の還付を受ける権利を有しません。
間違えやすいところ
- 保証協会の還付充当金納付期限(2週間)と社員地位喪失時の供託期限(1週間)の日数を混同しないようにします。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第25条、第64条の8、第64条の10、第64条の15)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
37条書面の交付手続および宅建士の記名押印
宅建業法 · 契約締結時交付書面 / 宅建士の記名押印 / 宅建士証の提示 / 自ら売主
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、法の規定に違反しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
37条書面は契約成立後遅滞なく交付され、宅建士の記名押印(関与した全業者の宅建士)が必須ですが、交付時の宅建士証提示は請求がない限り義務付けられていません。
解き方
- 重説で説明済みであっても37条必要的記載事項の省略が可能かを検討します。
- 複数業者が関与した場合の宅建士の記名押印義務(双方必須)を確認します。
- 37条書面交付時の取引士証提示義務の有無を精査します。
- 買主業者が非業者売主に対して負う37条書面交付義務を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 代金の支払時期および引渡しの時期は37条書面の必要的記載事項であり、重要事項説明書に記載してあっても省略することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 複数の宅建業者が関与した場合、37条書面には関与したすべての宅建業者の宅建士が記名押印しなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 重要事項説明と異なり、37条書面の交付の際には相手方から請求されない限り宅地建物取引士証を提示する義務はありません。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業者は自ら買主となる場合であっても、相手方である売主に対して37条書面を遅滞なく交付する義務があります。
覚えるポイント
- 37条書面の交付時には請求がなければ宅建士証の提示は不要です。
- 複数の業者が関与した取引では全員の業者の宅建士が記名押印を行う必要があります。
間違えやすいところ
- 重要事項説明(提示義務あり)と37条書面交付(請求がなければ提示義務なし)における取引士証提示義務を混同しやすいです。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第37条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明(35条書面)の記載・説明事項
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 35条書面 / 37条書面
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業法第35条の重要事項説明は契約締結前に契約するか否かを判断させるための情報提供であり、第37条書面は契約成立後に契約内容を確認するための書面です。移転登記申請の時期や引渡しの時期、代金の支払時期等は37条書面の記載事項であり、35条の重要事項説明書面には記載・説明義務がありません。
解き方
- 各肢の項目が法第35条の重要事項説明事項か、法第37条の書面記載事項かを区別する。
- 選択肢2の移転登記申請時期は法第37条の記載事項であり法第35条の対象外であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有建物の売買媒介において、建物の管理が委託されているときは、その受託者の氏名・住所(法人の場合は商号・主たる事務所所在地)を説明する必要があります。
- 選択肢 2正解
- 移転登記の申請時期は契約成立後に交付する法第37条書面の記載事項であり、法第35条の重要事項として説明する事項ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 飲用水・電気・ガスの供給施設等の整備状況の説明において、宅地内の配管設備等の所有権が第三者に留保される場合は、その旨を重要事項として説明しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 区分所有建物の売買等において、修繕積立金等の規約の定めがあるときは、その内容だけでなく既に積み立てられている額についても説明する必要があります。
覚えるポイント
- 登記申請時期や引渡時期、代金支払時期は37条書面記載事項で35条重要事項ではない
間違えやすいところ
- 登記された権利の種類・内容は35条重要事項だが、登記申請の時期は37条書面事項である点を取り違えやすい
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第35条、第37条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における広告規制
宅地建物取引業法 · 誇大広告の禁止 / おとり広告 / 取引態様の明示
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地の販売広告において、宅地の将来の環境について、著しく事実に相違する表示をしてはならない。 イ 宅地又は建物に係る広告の表示項目の中に、取引物件に係る現在又は将来の利用の制限があるが、この制限には、都市計画法に基づく利用制限等の公法上の制限だけでなく、借地権の有無等の私法上の制限も含まれる。 ウ 顧客を集めるために売る意思のない条件の良い物件を広告することにより他の物件を販売しようとした場合、取引の相手方が実際に誤認したか否か、あるいは損害を受けたか否かにかかわらず、監督処分の対象となる。 エ 建物の売却について代理を依頼されて広告を行う場合、取引態様として、代理であることを明示しなければならないが、その後、当該物件の購入の注文を受けたとき、広告を行った時点と取引態様に変更がない場合でも、遅滞なく、その注文者に対し取引態様を明らかにしなければならない。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅建業法では一般消費者の保護と適正な取引確保のため、広告に関して誇大広告の禁止(第32条)、取引態様の明示義務(第34条)、広告開始時期の制限(第33条)を設けています。おとり広告は実際に被害が生じなくても違反となり、取引態様の明示は広告時と注文受託時の双方で必要です。
解き方
- 記述アからエまでの各記述について宅建業法および関係規則に照らし適法性を確認する。
- ア(誇大広告禁止)、イ(利用制限の範囲)、ウ(おとり広告の違反成立要件)、エ(取引態様の明示)が全て正しいことを確認し、正答を4とする。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述は四つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述は四つであるため、二つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は四つであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4正解
- ア・イ・ウ・エの記述はいずれも正しく、正しいものの個数は四つとなります。
覚えるポイント
- 取引態様の明示義務は広告を行う時と注文を受けた時の両方で発生する
間違えやすいところ
- 広告時に取引態様を明示していれば注文受託時の明示が省略できると誤認しやすい
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第32条、第34条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約(専任媒介契約のルール)
宅地建物取引業法 · 専任媒介契約 / 業務処理状況の報告 / 指定流通機構 / 報酬と費用請求
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の中古マンションの売却の依頼を受け、Bと専任媒介契約(専属専任媒介契約ではない媒介契約)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア Aは、2週間に1回以上当該専任媒介契約に係る業務の処理状況をBに報告しなければならないが、これに加え、当該中古マンションについて購入の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨をBに報告しなければならない。 イ 当該専任媒介契約の有効期間は、3月を超えることができず、また、依頼者の更新しない旨の申出がなければ自動更新とする旨の特約も認められない。ただし、Bが宅地建物取引業者である場合は、AとBの合意により、自動更新とすることができる。 ウ Aは、当該専任媒介契約の締結の日から7日(ただし、Aの休業日は含まない。)以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならず、また、法第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なくBに提示しなければならない。 エ 当該専任媒介契約に係る通常の広告費用はAの負担であるが、指定流通機構への情報登録及びBがAに特別に依頼した広告に係る費用については、成約したか否かにかかわらず、国土交通大臣の定める報酬の限度額を超えてその費用をBに請求することができる。
解答・解説を表示
解答
1
解説
専任媒介契約において、業務処理状況の報告頻度は2週間に1回以上であり、買受け申込みがあったときは遅滞なく報告しなければなりません。指定流通機構への登録時は登録を証する書面を依頼者に「交付」する必要があります。また、媒介契約の規定は業者間取引であっても適用除外されません。
解き方
- アの報告義務:2週間に1回以上の定期報告に加え、申込み時の遅滞ない報告義務があるため正しい。
- イの自動更新特約:媒介契約の規制は業者間でも適用されるため、自動更新特約は合意があっても無効で誤り。
- ウの書面交付:指定流通機構の登録を証する書面は「提示」ではなく「交付」しなければならないため誤り。
- エの費用請求:指定流通機構への登録費用は通常の媒介業務に含まれ、別途依頼者へ請求できないため誤り。
- 選択肢 1正解
- 正しい記述はアの1つのみであるため、正解は選択肢1となります。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述は1つだけであるため、二つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は1つだけであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述は1つだけであるため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 指定流通機構の登録証は依頼者に「提示」ではなく「遅滞なく交付」しなければならない
間違えやすいところ
- 媒介契約書の作成・交付等の規定は自ら売主制限(8種制限)と異なり業者間でも適用される
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第34条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許・廃業等の届出
宅地建物取引業法 · 免許の承継 / 法人の解散届 / 死亡による免許失効
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業の免許は一身専属的な性質を有するため、合併による存続会社や新規設立法人への承継は認められず、新たに免許を取得する必要があります。また、個人業者が死亡した場合は「死亡の時」に免許が失効し、法人が株主総会決議で解散した場合は清算人が「解散の日から30日以内」に届け出る必要があります。
解き方
- 肢1・肢2:合併や法人化による免許の承継は認められないため誤り。
- 肢3:個人業者の死亡による免許失効時点は届出日ではなく「死亡時」であるため誤り。
- 肢4:法人の解散時は清算人が解散日から30日以内に届出を行うため正しい。
- 選択肢 1不正解
- 免許は一身専属的であり、合併により消滅する会社の免許を存続会社が承継することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 個人業者が法人化して代表者に就任する場合であっても、新会社は個人の免許を承継できず、新規に免許を受ける必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 相続人は死亡を知った日から30日以内に届け出なければなりませんが、免許は届出日ではなく「死亡の時」に効力を失います。
- 選択肢 4正解
- 法人が株主総会の決議等により解散した場合、清算人は解散の日から30日以内にその旨を免許権者へ届け出なければなりません。
覚えるポイント
- 個人の死亡による免許失効の時期は「死亡の時」、廃業等の届出期間は「知った日から30日以内」
間違えやすいところ
- 個人の死亡による免許失効の効力発生時を「届出があった日」と混同しやすい
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第10条、第11条)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法(資力確保措置と供託・保険)
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 · 住宅瑕疵担保履行法 / 住宅販売瑕疵保証金 / 新築住宅の合計戸数算定
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
住宅瑕疵担保履行法において、保証金の供託額算定の基礎となる戸数計算では、床面積55㎡以下の小規模住宅は2戸で1戸として算定されます。また、供託所所在地等の書面交付・説明は「売買契約締結までに」行う必要があり、基準日届出を怠った場合の新規売買契約締結制限は基準日の翌日から起算して「50日を経過した日以後」です。
解き方
- 肢1:供託所の説明時期は引渡しまでではなく「契約締結まで」であるため誤り。
- 肢2:床面積55㎡以下の住宅は2戸をもって1戸と数える規定があるため正しい。
- 肢3:届出を怠った場合の契約締結禁止時期は「基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後」のため誤り。
- 肢4:瑕疵担保責任保険の対象は構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分であり、給水・ガス設備は対象外のため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 保証金を供託して引き渡す場合、供託所の所在地等に関する書面交付および説明は「契約締結までに」行わなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 住宅販売瑕疵担保保証金の算定において、床面積55㎡以下の新築住宅は2戸をもって1戸として算定されます。
- 選択肢 3不正解
- 基準日の届出を怠った場合に契約締結が禁止されるのは、基準日から1か月後ではなく「基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後」です。
- 選択肢 4不正解
- 住宅瑕疵担保責任保険の対象は構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分であり、給水設備やガス設備の瑕疵は対象となりません。
覚えるポイント
- 瑕疵担保履行法の小規模住宅特例:床面積55㎡以下は2戸で1戸換算
間違えやすいところ
- 供託所等の説明時期を「引渡しまで」と「契約締結まで」で混同しやすい
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
住宅金融支援機構の業務(フラット35等)
住宅金融支援機構法 · 証券化支援業務 / 直接融資業務 / 団体信用生命保険業務
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅金融支援機構の証券化支援業務(買取型・フラット35)において、住宅ローンを実行するのは民間の提携金融機関であり、貸付利率は各金融機関がそれぞれ設定するため全国一律ではありません。また、機構は高齢者向け返済特例(リバースモーゲージ型)による非遡及型融資(ノンリコース)や団信業務を行っています。
解き方
- 肢1:機構の団信は死亡だけでなく重度障害時も債務弁済に充当可能であるため正しい。
- 肢2:高齢者の死亡時一括償還(リバースモーゲージ)では担保不動産の限度を超えて弁済請求しない特約(非遡及型)が可能であるため正しい。
- 肢3:買取型の貸付利率は取扱金融機関がそれぞれ決定するため「どの金融機関においても同一の利率」とする点が誤り。
- 肢4:住宅の購入に付随するリフォーム(改良)資金も買取債権に含まれるため正しい。
- 選択肢 1不正解
- 機構の団体信用生命保険業務では、加入者が死亡した場合のほか、重度障害となった場合にも保険金を債務弁済に充てることができます。
- 選択肢 2不正解
- 高齢者向け返済特例制度において、抵当権の目的物の処分代金等を超える債務の弁済を求めない特約を付すことができます。
- 選択肢 3正解
- 証券化支援業務(買取型)の貸出金利は各取扱金融機関が独自に定めるため、金融機関によって利率が異なります。
- 選択肢 4不正解
- 住宅の購入資金だけでなく、それに付随して行われる住宅の改良(リフォーム)に必要な資金も買取の対象となります。
覚えるポイント
- フラット35(買取型)の貸出金利は各民間金融機関が独自に決定する
間違えやすいところ
- 機構が債権を買い取るため金利も機構が一律に決定していると誤解しやすい
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(独立行政法人住宅金融支援機構法)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
景品表示法・不動産の表示に関する公正競争規約
不当景品類及び不当表示防止法 · 不動産の公正競争規約 / 徒歩所要時間 / 広告表示基準
宅地建物取引業者がインターネット不動産情報サイトにおいて行った広告表示に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産の表示に関する公正競争規約では、徒歩所要時間は道路距離80mにつき1分として計算し、端数は「切り上げ」て1分と算定します(四捨五入不可)。また、他の物件の写真(施工例)を使用する場合は規模・形質・外観等が同一のものでなければならず、他者から得た情報であっても誤りがあれば不当表示の責任を免れません。
解き方
- 肢1:他業者からの情報であっても誤りがあれば不当表示となるため誤り。
- 肢2:外観写真として他の施工例を用いるには規模・外観等が同一でなければならないため誤り。
- 肢3:徒歩分数の端数は四捨五入ではなく切り上げのため、5.25分は「6分」としなければならず誤り。
- 肢4:全戸数の面積表示が困難な媒体では、最小面積及び最大面積のみを表示することが認められているため正しい。
- 選択肢 1不正解
- 他業者から得た情報であっても、事実に反する広告を行えば過失の有無にかかわらず不当表示の責任を問われます。
- 選択肢 2不正解
- 未完成物件の施工例写真を使用する場合、規模・形質・外観等が同一の建売住宅の写真でなければ不当表示となります。
- 選択肢 3不正解
- 徒歩所要時間は80mを1分とし、1分未満の端数は「切り上げ」て計算するため、5.25分は「6分」と表示しなければなりません。
- 選択肢 4正解
- インターネット広告等で全戸の面積表示が困難な場合、パンフレット等で全戸表示があれば最小面積及び最大面積のみを表示することができます。
覚えるポイント
- 徒歩所要時間の計算は道路距離80mで1分、端数は「切り上げ」
間違えやすいところ
- 端数計算で四捨五入(5.25分→5分)にしてしまう誤解が多い
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令(不当景品類及び不当表示防止法、不動産の表示に関する公正競争規約)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不動産に関する統計データ(平成29年問48)
統計 · 地価公示 / 建築着工統計 / 土地白書 / 法人企業統計
次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
宅建試験の統計問題では、地価公示、建築着工統計、土地白書、法人企業統計などの最新公表値から動向(増加・減少、連続年数、転換)が問われます。平成28年の新設住宅着工戸数において持家は3年ぶりの増加を示しました。
解き方
- 肢1:平成29年地価公示の住宅地全国平均は下落ではなく「横ばい(0.0%)」となったため誤り。
- 肢2:平成28年着工統計の持家は29.2万戸で3年ぶりの増加に転じたため正しい。
- 肢3:土地白書の土地取引件数(所有権移転登記)は約129万件で「3年連続の増加」であったため誤り。
- 肢4:平成27年度法人企業統計の不動産業経常利益は約4兆3,000億円で「前年度比7.5%減」であったため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 平成29年地価公示における住宅地の全国平均は9年連続の下落から脱し、横ばい(変動率0.0%)に転じました。
- 選択肢 2正解
- 平成28年の持家の新設住宅着工戸数は約29.2万戸となり、前年比3.1%増で3年ぶりに増加へ転じました。
- 選択肢 3不正解
- 平成28年の売買による土地所有権移転登記件数は約129万件で、2年連続の減少ではなく3年連続の増加となりました。
- 選択肢 4不正解
- 平成27年度の不動産業の経常利益は約4兆3,000億円ですが、前年度比7.5%増ではなく7.5%減(減少)でした。
覚えるポイント
- 平成28年建築着工統計:持家は前年比増加で3年ぶりに増加転換
間違えやすいところ
- 地価公示の住宅地全国平均の下落脱却(横ばい転換)を見落としやすい
出題の前提:平成29年試験時公表の各種統計資料(地価公示、建築着工統計等)
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
地形・地盤の特性と災害危険度
免除科目(その他) · 土地 / 扇状地 / 三角州 / 台地 / 埋立地・干拓地
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
4
解説
土地の地形ごとの成り立ちと特性を把握することが重要です。山地・丘陵地・台地・低地(扇状地、三角州、埋立地、干拓地など)それぞれにおいて、地盤の締まり具合や地下水位、浸水や地震時の液状化リスクなどの特徴が異なります。
解き方
- 各選択肢に登場する地形(扇状地、三角州、台地、埋立地・干拓地)の形成プロセスと地盤の安定性を確認する。
- 埋立地と干拓地の造成方法および海面との高低差(比高)を比較し、水害リスクの高低関係を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 扇状地は、河川が山地から平野部に出る谷口において、流速が急減することにより砂礫が扇状に堆積して形成された地形であり、記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 三角州(デルタ)は、河川の河口付近で泥や細砂が堆積して形成された低平地であり、地下水位が高く軟弱な地盤が多いため、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 台地は、周囲の低地よりも一段高く地盤が固く締まっているため、洪水や地震動などの自然災害に対する安全性は一般に低地よりも高く、記述は適切です。
- 選択肢 4正解
- 埋立地は土砂を盛って造成するため海面より高くなりますが、干拓地は堤防で囲んで排水した土地で海面下にあることが多く、高潮や水害リスクは干拓地の方が高いため記述は不適当です。
覚えるポイント
- 干拓地は海面下に位置することが多く、埋立地よりも水害に対して危険である。
- 台地は一般に地盤が堅固で水害・地震災害に対して安全性が高い。
間違えやすいところ
- 埋立地と干拓地の造成方法(土砂を盛る埋立地と、排水して陸地化する干拓地)を混同してリスクを逆にしてしまうミス。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令および土地・地形に関する一般的知見
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
建築材料の特性と構造耐力
免除科目(その他) · 建物の構造と材料 / 木材 / 含水率 / 鉄筋 / 鉄筋コンクリート造
建物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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解答
1
解説
建築材料(木材、鋼材・鉄筋、コンクリート)の物理的・機械的性質に関する基本事項を押さえます。特に木材の含水率と強度の関係、鋼材の炭素含有量と強度の関係、鉄筋とコンクリートの一体化を可能にする熱膨張率の一致は頻出のポイントです。
解き方
- 各選択肢で取り上げられている材料(木材、鉄筋、コンクリート)の性質と物理的特徴を照合する。
- 木材の含水率が低下(乾燥)した場合に強度がどのように変化するかを確認し、誤りの選択肢を特定する。
- 選択肢 1正解
- 木材は繊維飽和点以下では含水率が小さく乾燥している状態の方が強度は高くなるため、「含水率が小さい状態の方が低くなる」とする記述は不適当です。
- 選択肢 2不正解
- 鉄筋(鋼材)は炭素含有量が多くなるほど引張強度や硬度が増大し、伸び(靭性)が低下・脆化する傾向があるため、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 鉄筋と普通コンクリートの線膨張係数(熱膨張率)はほぼ等しいため、温度変化によって部材間に過度な熱応力が発生せず一体として機能します。記述は適切です。
- 選択肢 4不正解
- 鉄筋コンクリート構造(RC造)は、コンクリートの耐火性・圧縮強度と鉄筋の引張強度が組み合わされており、耐火性、耐久性、耐震性、耐風性に優れた構造です。
覚えるポイント
- 木材は乾燥して含水率が小さくなるほど強度が高くなる(繊維飽和点以下)。
- 鉄筋とコンクリートの熱膨張率はほぼ等しいため一体として挙動できる。
間違えやすいところ
- 「乾燥すると木が脆くなって強度が落ちる」と直感で誤解し、含水率と強度の相関を逆にしてしまうミス。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行法令および建築構造・材料に関する一般的知見
出典:不動産適正取引推進機構『2017年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
2017年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2017年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・27ページ)

