令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2016年10月試験の概要
民法の条文上の規定の有無
権利関係 · 契約 / 第三者のためにする契約 / 法定利率 / 敷金 / 債務引受
次の記述のうち、試験基準日(平成28年4月1日)時点における民法の条文に明文で規定されているものはどれか。
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解答
4
解説
民法の本則条文に明記されている規定と、条文には直接規定がなく判例の解釈によって認められてきた判例法理を区別して把握しておく必要があります。
解き方
- 各記述の内容が試験当時の民法の明文規定か、判例法理や異なる数値かを判別する。
- 第三者のためにする契約(民法第537条1項)の条文記述に合致する選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 試験基準日当時の民法第404条において法定利率は「年5分(5%)」と規定されており、年3%ではありませんでした。
- 選択肢 2不正解
- 試験基準日当時の民法には敷金に関する明文の条文規定はなく、裁判上の判例法理として処理されていました。
- 選択肢 3不正解
- 免責的債務引受の成立要件は、試験基準日当時の民法には条文上の明文規定がなく、判例によって認められていた法理でした。
- 選択肢 4正解
- 民法第537条第1項に「契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する」と明確に規定されています。
覚えるポイント
- 第三者のためにする契約は民法第537条に明文規定が存在します。
間違えやすいところ
- 判例で確立した実務上当然の法理であっても、当時の条文に直接規定されていたか否かの区別に注意が必要です。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
制限行為能力者制度
権利関係 · 制限行為能力者 / 未成年者 / 保佐人 / 成年後見人 / 詐術
制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
制限行為能力者制度は判断能力が不十分な者を保護するものですが、相手方の信頼を害して詐術を用いた場合には取消権が制限され取引の安全が図られます。
解き方
- 各行為能力者(未成年者・被保佐人・成年後見人・被補助人)の保護と取消権の限界を整理する。
- 詐術を用いた場合の民法第21条の取消権排除のルールを適用して正しい記述を導く。
- 選択肢 1不正解
- 特定の営業を許された未成年者はその営業に関しては成年者と同一の行為能力を有しますが、自己の居住用建物の購入は当該営業に関しない行為であるため、法定代理人は取り消すことができます。
- 選択肢 2不正解
- 民法第13条第1項第7号により、贈与の申込みを拒絶する行為についても保佐人の同意を得なければならないと規定されています。
- 選択肢 3不正解
- 成年被後見人が居住の用に供する建物の売却等の処分には、後見監督人の有無にかかわらず家庭裁判所の許可を得なければ効力を生じません(民法第859条の3)。
- 選択肢 4正解
- 民法第21条に基づき、制限行為能力者が行為能力者であることや同意を得ていることを相手方に信じさせるために詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません。
覚えるポイント
- 成年被後見人の居住用不動産の処分には後見監督人がいても家庭裁判所の許可が必須です。
間違えやすいところ
- 営業を許された未成年者の単独行為能力は、許された営業の範囲内に限定される点を見落とさないようにします。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
物権変動と意思表示
権利関係 · 二重譲渡 / 対抗要件 / 詐欺取消 / 背信的悪意者 / 動機の錯誤
AがA所有の甲土地をBに売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
不動産の二重譲渡において登記を備えた者が原則として優先しますが、取引の信義則に反する背信的悪意者は登記の欠缺を主張する正当な利益を欠くため保護されません。
解き方
- 各肢における当事者間の物権変動及び対抗関係の成否を分析する。
- 背信的悪意者(利益を得る目的で不当に割り込んだ者)の対抗力の排除に関する判例理論を適用する。
- 選択肢 1不正解
- 二重譲渡の関係にある買主同士は対抗関係に立ち、民法第177条により先に所有権移転登記を備えた側が優先するため、Cは登記なしにBに対抗できません。
- 選択肢 2不正解
- 詐欺による意思表示の取消し前の第三者であっても、悪意(詐欺の事実を知っていた)のDに対しては、Aは取消しを対抗して土地の所有権を主張できます。
- 選択肢 3正解
- Bの未登記に乗じて不当に高値で転売する目的で二重買主となったEは背信的悪意者にあたり、登記を備えていてもBに対して所有権を主張できません。
- 選択肢 4不正解
- 相手方の意思表示の錯誤(動機の錯誤)について、その動機が明示・黙示に表示されて法律行為の内容となっていなければ無効(取消し)の主張は認められず、また錯誤の主張権は原則として錯誤に陥った本人にあります。
覚えるポイント
- 背信的悪意者は民法第177条の第三者に該当せず、登記があっても先行買主に対抗できません。
間違えやすいところ
- 単に他者への二重譲渡の事実を知っているだけの「悪意者」と、信義則に反する「背信的悪意者」を区別する必要があります。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
抵当権の効力・順位変更・消滅請求
権利関係 · 抵当権 / 法定地上権 / 物上代位 / 抵当権の順位変更 / 抵当権消滅請求
Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
抵当権はその担保目的物の代位物(売買代金・損害賠償金・保険金等)に物上代位できますが、別個独立の不動産に生じた金銭債権には及びません。
解き方
- 土地抵当権の及ぶ目的物と、地上建物における火災損害保険金の法的性質を比較する。
- 土地と建物は独立の不動産であり、土地抵当権者が建物の火災保険金に物上代位することはできないと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 抵当権設定当時に土地と建物が同一所有者に属していたため法定地上権が成立し(民法第388条)、買受人Dは建物所有者Cに明渡しを請求できません。
- 選択肢 2正解
- 土地と建物は別個の独立した不動産であるため、土地の抵当権者Bが、抵当目的物ではない地上建物の焼失による火災保険金に物上代位して請求することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 抵当権の順位変更(民法第374条)には合意する抵当権者間の合意と利害関係人の承諾が必要ですが、抵当権設定者Aの同意は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 抵当不動産の第三取得者Fは、民法第379条及び第383条の規定に従って抵当権消滅請求を行うことができます。
覚えるポイント
- 土地抵当権者は、地上建物の滅失による火災保険金には物上代位できません。
間違えやすいところ
- 抵当権の順位変更には抵当権者間の合意が必要ですが、設定者の承諾は不要である点を取り違えやすいです。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
債権譲渡の効力と対抗要件
権利関係 · 債権譲渡 / 譲渡制限特約 / 将来債権譲渡 / 相殺の抗弁
Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
将来発生すべき債権であっても発生原因や範囲が特定されていれば有効に譲渡することができ、取引の柔軟な資金調達手段として保護されます。
解き方
- 将来債権譲渡の有効性に関する最高裁判所の判例法理を確認する。
- 取引の種類、金額、期間等で特定されている将来債権の譲渡契約が有効である旨の記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡禁止特約につき悪意の譲受人Cから譲り受けた転得者Dが善意・無重過失である場合、債務者BはDに対して特約の存在を対抗できません。
- 選択肢 2不正解
- 通知が到達していなくても、債務者B自身が承諾をした場合は対抗要件が具備されるため、Bは弁済を拒否できません。
- 選択肢 3正解
- 将来の取引に関する債権であっても、取引の種類、金額、発生期間等によって目的債権が特定されていれば有効に譲渡できます(最判平11.1.29)。
- 選択肢 4不正解
- 債務者Bが譲渡通知を受ける前にすでにAに対して相殺適状にある反対債権を有していたときは、通知後に相殺の意思表示をして譲受人Cに対抗することができます。
覚えるポイント
- 将来発生する債権でも、目的債権が特定されていれば有効に譲渡可能です。
間違えやすいところ
- 譲渡禁止特約の悪意者から譲り受けた転得者が善意無重過失の場合、保護される点に注意します。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
売主の担保責任(他人物売買と抵当権行使)
権利関係 · 売主の担保責任 / 他人物売買 / 抵当権の実行 / 善意・悪意の買主
Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合の売主の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
買主が買い受けた不動産について抵当権が実行され所有権を失った場合、買主の善意・悪意を問わず、契約の解除および損害賠償の請求が認められます。
解き方
- 他人物売買と抵当権付不動産の売買における悪意の買主の権利(解除・損害賠償)を対比する。
- 抵当権実行により所有権を失った買主は悪意でも損害賠償請求が可能である点から、請求できないとする記述を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 他人物売買において、目的物の権利を移転できない場合、悪意の買主は損害賠償請求を行うことができません(当時の民法第561条)。
- 選択肢 2不正解
- 他人物売買において、売主が権利を取得して買主に移転できない場合、買主は悪意であっても契約の解除ができます(当時の民法第561条)。
- 選択肢 3正解
- 設定された抵当権の実行によって所有権を失った買主は、抵当権の存在を知っていた(悪意)場合であっても、売主に対して損害賠償請求ができます(当時の民法第567条第3項)。
- 選択肢 4不正解
- 抵当権の実行によって買主が所有権を失ったときは、買主は悪意であっても契約の解除をすることができます(当時の民法第567条第1項)。
覚えるポイント
- 抵当権実行による所有権喪失では、悪意の買主でも「解除」と「損害賠償請求」の双方が可能です。
間違えやすいところ
- 他人物売買で悪意の買主が請求できるのは解除のみですが、抵当権実行の場合は悪意でも損害賠償請求まで可能です。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
賃貸借契約の一部滅失と使用者責任の求償
権利関係 · 賃貸借 / 一部滅失による賃料減額 / 賃貸借の解除 / 使用者責任 / 求償権の制限
AがBから賃借する甲建物に、運送会社Cに雇用されているDが居眠り運転するトラックが突っ込んで甲建物の一部が損壊した場合(以下「本件事故」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。なお、DはCの業務として運転をしていたものとする。 ア AはBに対し、甲建物の滅失した部分の割合に応じ、賃料の減額を請求することができる。 イ Aは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Bとの賃貸借契約を解除することができる。 ウ Cは、使用者責任に基づき、Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合、Dに対して求償することができるが、その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある。
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解答
3
解説
賃借物の一部滅失による賃料減額請求・解除権の規定、ならびに被用者の不法行為について損害賠償した使用者の求償権に関する信義則上の制限を理解します。
解き方
- ア・イ:賃借物の一部滅失時の賃料減額請求権及び契約解除権の可否を検討する。
- ウ:使用者責任における使用者から被用者への求償権行使に関する判例法理を検討する。
- 3つの記述がすべて正しいことを確認し、正しい個数を選択する。
- 選択肢 1不正解
- ア、イ、ウのすべてが正しい記述であるため、「一つ」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ア、イ、ウの3つすべてが正しい記述であるため、「二つ」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 3正解
- ア(減額請求可・旧民法611条1項)、イ(目的不達成時の解除可・旧民法611条2項)、ウ(求償権の信義則上の制限・最判昭51.7.8)のすべてが正しく、計3つです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述が3つ存在するため、「なし」とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 使用者の被用者に対する求償権は、信義則上相当と認められる限度に制限されます(茨城石炭商事事件)。
間違えやすいところ
- 賃料減額請求や契約解除は、賃借人の過失によらず一部滅失した場合に認められます。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の賃貸借と転貸借関係
権利関係 · 賃貸借 / 転貸借 / 賃料不払い解除 / 直接請求権 / 合意解除
AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
賃貸借契約が賃借人の債務不履行によって解除された場合、転貸借契約も終了し、適法な転借人であっても賃貸人に対して対抗できません。催告も転借人に対しては不要です。
解き方
- 適法な転貸借における原契約の解除要件(債務不履行解除と合意解除の違い)を整理する。
- 判例上、賃貸人は賃借人の賃料不払いを理由に解除する際、転借人に催告をする義務はないことを適用する。
- 選択肢 1正解
- 賃貸人Aが賃借人Bの賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除する際、転借人Cに対して代払いの機会を与える催告を行う必要はありません(最判昭37.3.29)。
- 選択肢 2不正解
- 賃貸人は転借人に対して直接義務の履行を請求でき(民法第613条第1項)、原賃借料10万円を限度として直接請求できます。
- 選択肢 3不正解
- 原賃貸借契約がBの債務不履行により適法に解除された場合、転貸借も終了し、AはCに対し明渡しを求めることができます(最判昭48.12.14)。
- 選択肢 4不正解
- 賃貸人と賃借人が合意解除しても、信義則上、適法な転借人の権利を消滅させることはできず、AはCに対して当然には明渡しを求められません(最判昭37.2.1)。
覚えるポイント
- 賃借人の債務不履行による解除では、適法な転借人への催告は不要です。
間違えやすいところ
- 合意解除の場合は転借人に対抗できませんが、債務不履行解除の場合は転借人に対抗できます。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
判決文読解(信義則上の説明義務違反と不法行為責任)
民法等 · 契約締結上の過失 / 信義則 / 不法行為責任 / 消滅時効
次の判決文に基づき、民法の規定及び判例の趣旨に関する記述として、誤っているものはどれか。 【判決文】 契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことによつて被つた損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。(中略)上記のような場合の損害賠償請求権は不法行為により発生したものである(略)。
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解答
2
解説
契約締結前の説明義務違反は、契約関係が成立する前の行為であるため債務不履行ではなく不法行為責任を構成します。不法行為による損害賠償請求権には、被害者が損害及び加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年という期間制限が適用されます。
解き方
- 判決文から、説明義務違反の効果が「債務不履行」ではなく「不法行為」による賠償責任であることを把握する。
- 不法行為債権の消滅時効期間・除斥期間(知った時から3年、不法行為時から20年)および相殺禁止のルールと各選択肢を照合して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは時効によって消滅するため正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 不法行為による損害賠償請求権の長期の権利消滅期間は不法行為の時から20年であり、10年ではないため本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 不法行為によって生じた債権を受働債権として相殺することは禁止されているため、売主側から相殺を対抗することはできず正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 判決文に明記されている通り、契約上の債務不履行による賠償責任を負うことはないため、債務不履行責任を追及できないとする本記述は正しいです。
覚えるポイント
- 契約準備段階の説明義務違反は債務不履行ではなく不法行為責任となる。
間違えやすいところ
- 不法行為の長期制限期間(20年)を一般債権の消滅時効(10年)と混同しないよう注意する。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の民法規定及び最高裁判所判決に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
相続の承認及び放棄(単純承認の擬制と熟慮期間)
民法等 · 相続 / 単純承認 / 限定承認 / 熟慮期間
甲建物を所有するAが死亡し、相続人がそれぞれAの子であるB及びCの2名である場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に単純承認、限定承認または放棄をしなければなりません。保存行為は単純承認に当たりませんが、相続財産の処分を行うと法定単純承認が成立します。また限定承認は共同相続人全員が共同してのみ行えます。
解き方
- 相続人が行う保存行為(明渡し請求など)と財産処分行為(未払賃料の収受領得など)を区別する。
- 限定承認の共同行使要件および熟慮期間の起算点(知った時)に関する規定を各選択肢に適用する。
- 選択肢 1不正解
- 不法占拠者に対する明渡請求は相続財産の保存行為に該当するため、単純承認をしたものとはみなされず正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 相続債権である未払賃料を取り立てて領得する行為は相続財産の処分に該当し、法定単純承認とみなされるため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 限定承認は共同相続人の全員が共同してのみ行うことができるため、他の相続人Cが単純承認を既にした場合、Bは単独で限定承認をすることはできず正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- 熟慮期間(3か月)は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算されるため、相続開始を知らない場合に相続開始時から3か月経過しても単純承認とはみなされず誤りです。
覚えるポイント
- 相続の熟慮期間は「自己のために相続開始があったことを知った時」から起算する。
間違えやすいところ
- 熟慮期間の起算点を「被相続人が死亡した時(相続開始の時)」と誤解しやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の民法規定及び判例に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法(借地権の対抗要件と効力)
民法等 · 借地借家法 / 借地権の対抗力 / 建物登記名義 / 定期借地権
Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Aは借地権登記を備えていないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
借地権自体が未登記であっても、借地権者が地上建物を自己名義で登記していれば土地の譲受人等に対抗できます。登記表示に軽微な差異があっても建物の同一性が認められれば対抗力は失われません。また定期借地権の設定要件や、債務不履行解除時の建物買取請求権の不発生といった基本要件を満たす必要があります。
解き方
- 借地上の建物登記による対抗力の要件(借地権者本人名義であること)を確認する。
- 登記の軽微な相違、定期借地権の期間要件(50年以上)、債務不履行解除時の買取請求権の有無を順次検討する。
- 選択肢 1正解
- 借地上の建物登記による対抗力は借地権者本人名義の登記が必要であり、子の名義で保存登記を備えていても土地取得者Dに対抗できないため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 登記上の表示と現況に多少の相違があっても建物の同一性が認められる範囲であれば、借地権を第三者に対抗できるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 居住用建物の所有を目的とする定期借地権(一般定期借地権)の期間は50年以上でなければならず、期間30年で更新なしの特約を有効に定めることはできないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 借地権者の賃料不払い等の債務不履行により土地賃貸借契約が解除された場合、借地権者に建物買取請求権は認められないため誤りです。
覚えるポイント
- 借地権の対抗要件となる建物登記は、借地権者本人名義でなければならない。
間違えやすいところ
- 債務不履行解除の場合でも借地借家法上の建物買取請求ができると誤解しやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の借地借家法規定及び最高裁判所判例に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
借地借家法(建物賃貸借の更新拒絶・造作買取請求・定期建物賃貸借)
民法等 · 借地借家法 / 建物賃貸借 / 法定更新 / 正当事由 / 造作買取請求権 / 定期建物賃貸借
AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
建物の賃貸借において、当事者が通知を怠ると期間の定めのない契約として法定更新されます。賃貸人からの更新拒絶や解約申入れには正当事由が必要であり、立退料の申出は正当事由を補足する材料にすぎません。また賃貸人の同意を得て付加した造作には買取請求権が認められ、期間1年以上の定期建物賃貸借の終了には満了1年前から6か月前までの通知が必要です。
解き方
- 借地借家法26条による法定更新の効果(期間の定めのない賃貸借)を確認する。
- 借地借家法28条の正当事由の判断要件(立退料は単なる補足事由であり当然に正当事由を満たすわけではない)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 期間満了前の更新拒絶通知を欠く法定更新の場合、従前と同一条件で更新されますが期間の定めはないものとなるため正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 財産上の給付(立退料)の申出は正当事由を補完する要素の一つにすぎず、申出により正当事由があるとみなされるわけではないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適法な転借人が賃貸人の同意を得て付加した造作は、期間満了による賃貸借終了時に賃貸人に対して時価での造作買取請求権を行使できるため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 期間が1年以上の定期建物賃貸借では、賃貸人は期間満了の1年前から6か月前までの間に終了通知をしなければ終了を対抗できないため正しい記述です。
覚えるポイント
- 立退料の提供は正当事由を補完・補足する要素であり、それ単独で正当事由とみなされるわけではない。
間違えやすいところ
- 「正当事由があるとみなされる」という断定表現を見落とさないようにする。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の借地借家法規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(管理者・共用部分)
民法等 · 区分所有法 / 管理者 / 共用部分の所有 / 持分割合
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
区分所有法において、管理者は区分所有者以外の者(第三者や法人)からも選任でき、集会での事務報告義務は毎年1回です。共用部分は規約に別段の定めを置くことで管理者が所有(管理所有)することが認められており、原則としての持分割合は専有部分の床面積の割合によります。
解き方
- 管理者の義務(報告回数)や資格要件(区分所有者限定の有無)を法令と突き合わせる。
- 管理所有(27条1項)および共用部分の持分割合の原則(14条1項)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 管理者が集会において事務に関する報告をしなければならないのは「毎年1回」一定の時期であり、年2回ではないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 区分所有法第27条第1項の規定に基づき、管理者は規約に特別の定めがあるときは共用部分を所有することができるため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 管理者は自然人でも法人でもよく、また区分所有者以外の第三者から選任することも認められているため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 共用部分の持分は、規約に別段の定めがない限り、各専有部分の床面積の割合によると規定されており、頭数等分ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 管理者は第三者や法人でも就任可能であり、規約により共用部分を所有(管理所有)できる。
間違えやすいところ
- 管理者の集会報告義務の頻度(毎年1回)を年2回と混同しやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記法(所有権保存登記・滅失登記・登記可能権利)
民法等 · 不動産登記法 / 所有権保存登記 / 表題登記 / 建物滅失登記
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産登記法上、表示に関する登記(表題登記や滅失登記)には1か月以内の申請義務が課されていますが、権利に関する登記(所有権保存登記や権利の設定登記等)の申請は任意であり、申請期限の義務はありません。
解き方
- 表示に関する登記の申請義務(1か月以内)と権利に関する登記の任意性を確認する。
- 所有権保存登記の申請権者(区分建物の例外)および登記可能な権利の種類を検討する。
- 選択肢 1正解
- 1月以内に申請義務があるのは建物の「表題登記」であり、権利の登記である「所有権の保存の登記」を申請する義務はないため本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 不動産登記法第3条に列挙されている登記可能な権利には、所有権・抵当権のほか賃借権も含まれているため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 建物が滅失した場合、表題部所有者又は登記名義人は滅失の日から1月以内に建物滅失登記を申請しなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 区分建物については、表題部所有者から直接所有権を取得した者も自ら所有権保存登記を申請することができるため正しい記述です。
覚えるポイント
- 表題登記や滅失登記(表示に関する登記)は1か月以内に申請義務があるが、所有権保存登記は任意である。
間違えやすいところ
- 表題登記の申請義務と所有権保存登記の申請義務を取り違えないよう注意する。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の不動産登記法に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法(事後届出の要件と届出期間)
法令上の制限 · 国土利用計画法 / 事後届出 / 一団の土地 / 届出期間
国土利用計画法第23条に規定する届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
国土利用計画法の事後届出は、権利取得者が契約締結日から起算して2週間以内に行う必要があります。面積基準は市街化区域が2,000㎡以上、市街化調整区域・非線引き都市計画区域が5,000㎡以上、都市計画区域外が10,000㎡以上であり、一団の土地は合算した面積で判定します。
解き方
- 各区域の事後届出の面積基準(市街化区域2,000㎡、都市計画区域外10,000㎡など)と届出期間(2週間以内)を確認する。
- 一団の土地の合計面積(6,000㎡+5,000㎡=11,000㎡)が都市計画区域外の基準を満たすか計算する。
- 選択肢 1不正解
- 事後届出の届出期間は、契約締結日から起算して「2週間以内」であり、3週間以内ではないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 監視区域内の土地取引は事前届出の対象であり事後届出ではなく、また事後届出の届出義務者は当事者双方ではなく権利取得者のみであるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 都市計画区域外の面積要件は10,000㎡以上であり、一団の土地の合計面積が11,000㎡(6,000㎡+5,000㎡)となるため、買主は事後届出を行わなければならず正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 契約締結ごとにその日から起算して2週間以内に届出を行わなければならず、後日の別契約と併せて届出を先送りすることはできないため誤りです。
覚えるポイント
- 事後届出の期間は「契約締結日から起算して2週間以内」、都市計画区域外は「10,000㎡以上」で対象となる。
間違えやすいところ
- 届出期間を3週間や1か月と誤認しないようにする。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の国土利用計画法規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法(都市計画の内容・地域地区・予定区域等)
法令上の制限 · 都市計画法 / 市街地開発事業等予定区域 / 準都市計画区域 / 地域地区 / 地区計画
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
都市計画法において、市街地開発事業等予定区域の都市計画には施行予定者の指定が義務付けられています。また準都市計画区域で定めることができる地域地区には限定があり、防火・準防火地域は含まれません。高度利用地区と高度地区の定義の違い、地区計画の必須決定事項等の区分も正確に把握する必要があります。
解き方
- 都市計画法12条の2第2項(予定区域における施行予定者の記載要件)を確認する。
- 準都市計画区域の指定可能地区、高度地区と高度利用地区の定義、地区計画の法定記載事項をそれぞれ検討する。
- 選択肢 1正解
- 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画には、施行予定者を定めなければならないと法12条の2第2項に規定されているため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 準都市計画区域で定めることができる地域地区には防火地域及び準防火地域は含まれていないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 本肢の内容は「高度地区」の説明であり、高度利用地区は容積率の最高・最低限度や建ぺい率の最高限度等を定める地区であるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 地区計画において建ぺい率や容積率の最高限度は地区整備計画で定める事項等であり、都市計画として必ず定めなければならない必須事項ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 準都市計画区域で防火地域・準防火地域を定めることはできない。
間違えやすいところ
- 建築物の高さ制限を定める「高度地区」と、容積率や建ぺい率等を定める「高度利用地区」を取り違えやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の都市計画法規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における開発許可制度と制限
法令上の制限 · 開発許可 / 用途地域無指定地 / 特定承継 / 工事廃止の届出
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
都市計画法上の開発許可制度では、適正な都市水準を保つため用途制限がない区域でも知事が個別制限を課すことが認められています。一方で工事廃止は許可不要の届出事項であり、特定承継には知事承認が必要です。
解き方
- 開発工事廃止や承継手続の要件を各法令規定に照らして吟味する。
- 用途地域が未指定の区域における都道府県知事の権限規定(第41条1項)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出る必要がありますが、許可を受ける必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 開発行為が二以上の都府県にまたがる場合であっても、国土交通大臣の許可ではなく、関係する各都道府県知事の許可を受ける必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 開発許可を受けた者から土地所有権等を取得した特定承継人が開発許可に基づく地位を承継するには、都道府県知事の承認を受けなければなりません。
- 選択肢 4正解
- 都道府県知事は、用途地域の定められていない区域内の開発行為について開発許可をする場合、必要に応じて建物の敷地・構造・設備の制限を定めることができます。
覚えるポイント
- 用途地域無指定地での開発許可では敷地・構造・設備を制限可能
- 工事廃止は届出で足りる
間違えやすいところ
- 二以上の都府県にまたがる開発許可を国土交通大臣許可と誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(都市計画法第38条、第41条第1項、第45条)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における単体規定・集団規定の制限
法令上の制限 · 外壁の隣地境界線 / 非常用昇降機 / 準防火地域 / 防火壁
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
建築基準法第65条により、防火地域又は準防火地域にある耐火構造の外壁は民法の制限(50cm離隔)にかかわらず境界線に接して設置可能です。その他の防災規定の適用数値も正確に把握する必要があります。
解き方
- 防火地域内における耐火構造外壁の隣地境界線への接近規定を確認する。
- 非常用昇降機の設置義務高さ(31m超)や防火壁区画除外基準(耐火建築物等の除外)を精査する。
- 選択肢 1正解
- 防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 非常用の昇降機を原則として設けなければならないのは、高さ31mを超える建築物です。高さ30mの建築物には設置義務はありません。
- 選択肢 3不正解
- 準防火地域内において延べ面積が1,500㎡を超える建築物は、原則として耐火建築物としなければならず、準耐火建築物では足りません。
- 選択肢 4不正解
- 延べ面積が1,000㎡を超える建築物であっても、耐火建築物または準耐火建築物については防火壁による区画規定の適用から除外されています。
覚えるポイント
- 耐火外壁は境界線に接して設置可能
- 非常用昇降機は31m超から必要
間違えやすいところ
- 耐火建築物そのものが防火壁による区画義務の除外対象であることを見落としやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(建築基準法第26条、第34条第2項、第62条、第65条)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における用途地域・容積率・建ぺい率・外壁後退
法令上の制限 · 用途規制の特例許可 / 前面道路幅員による容積率 / 建ぺい率適用除外 / 外壁後退制限
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
第一種低層住居専用地域等の低層住宅地環境を守るために外壁後退距離制限(1mまたは1.5m)が規定されていますが、この制限は中高層住居専用地域や住居地域には設けられていません。
解き方
- 用途地域における特定行政庁の個別許可や前面道路幅員の算定基準を精査する。
- 建築基準法第54条の外壁後退制限が適用される対象用途地域(低層住居専用地域等)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 第一種低層住居専用地域内であっても、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可した場合には飲食店を建築することができます。
- 選択肢 2不正解
- 前面道路の幅員による容積率制限が適用されるのは前面道路の幅員が12m未満の場合であり、12m以上ある場合は指定容積率のみが適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 公園、広場、道路その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が許可したものについては、建ぺい率の制限が適用されません。
- 選択肢 4正解
- 都市計画において外壁の後退距離の限度を定めることができるのは第一種・第二種低層住居専用地域等であり、第一種住居地域には適用されません。
覚えるポイント
- 外壁後退距離制限は低層住居専用地域等のみ
- 前面道路幅員制限は12m未満で発動
間違えやすいところ
- 「第一種低層住居専用地域」と「第一種住居地域」の名称の違いを見落とすミスが多い。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(建築基準法第48条、第52条第2項、第53条第6項、第54条)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法における指定基準と工事届出
法令上の制限 · 造成宅地防災区域 / 排水施設設計資格 / 擁壁除却の届出 / 宅地転用の届出
宅地造成等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
造成宅地防災区域は谷埋め盛土(盛土高5m以上かつ盛土面積3,000㎡以上)のほか、急傾斜地盛土(勾配20度以上かつ盛土高2m以上)等でも指定可能です。また規制区域内の擁壁除却は14日前事前届出、転用は14日以内事後届出となります。
解き方
- 造成宅地防災区域の指定要件(急傾斜地崩壊防止等の基準)を確認し盛土高5m未満の例外を調べる。
- 排水施設の設計者資格要件(1,500㎡超)および各種届出期間(14日前、14日以内)の妥当性を確認する。
- 選択肢 1正解
- 造成宅地防災区域は、盛土前の地盤の勾配が20度以上かつ盛土高が2m以上の腹付盛土等であれば、盛土高が5m未満であっても指定することができます。
- 選択肢 2不正解
- 排水施設の設計に政令で定める資格が必要となるのは、切土又は盛土をする土地の面積が1,500㎡を超える場合であり、600㎡では有資格者の設計は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 宅地造成工事規制区域内において、高さ2mを超える擁壁を除去する工事を行おうとするときは、工事着手の14日前までに知事へ届け出なければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用した者は、転用した日から14日以内に都道府県知事に届け出なければなりません。
覚えるポイント
- 造成宅地防災区域は急傾斜盛土なら盛土2m以上で指定可
- 排水施設の資格者設計は1,500㎡超
間違えやすいところ
- 擁壁除去の届出(14日前までの事前届出)と宅地転用の届出(14日以内の事後届出)の期日を混同しやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(旧宅地造成等規制法第8条、第15条、施行令第18条等)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法における仮換地指定と事業施行中の制限
法令上の制限 · 仮換地指定 / 使用収益権の移行 / 使用収益開始日の別段指定 / 建築行為等の制限許可権者
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
土地区画整理法第76条に基づく建築等の制限において、工事の障害となる行為を行う際の許可権者は「都道府県知事等(市の区域では市長)」であり、施行者である組合自身ではありません。
解き方
- 仮換地指定の効力(従前の宅地の使用収益停止と仮換地の使用収益開始)および開始日の別段指定規定を確認する。
- 土地区画整理法第76条における施行地区内の制限にかかる許可権者が誰であるかを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 施行者は、換地処分を行う前において必要があるときは、換地計画に基づき仮換地を指定することができます。
- 選択肢 2不正解
- 仮換地が指定されると、効力発生日から換地処分公告日まで、従前の宅地の使用収益権原を有する者は仮換地を使用収益することができます。
- 選択肢 3不正解
- 施行者は、特別な事情があるときは、仮換地の使用収益を開始できる日を仮換地指定の効力発生日と別に定めることができます。
- 選択肢 4正解
- 事業の障害となる土地の形質の変更等を行おうとする者が許可を受けなければならないのは、施行者である組合ではなく「都道府県知事等」です。
覚えるポイント
- 76条の制限の許可権者は知事等(組合ではない)
- 仮換地指定により従前の宅地は使用収益不能になる
間違えやすいところ
- 施行者が土地区画整理組合である場合でも、建築等の制限の許可権者は知事(または市長)である点に注意する。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(土地区画整理法第76条第1項、第98条、第99条)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
農地法における権利移動および転用の許可基準
法令上の制限 · 特定遺贈 / 農地所有適格法人以外の賃借 / 許可を受けない契約の効力 / 市街化調整区域内の農地転用
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
農地法第3条・第5条の許可は効力発生要件であり、無許可の売買契約は無効となります。相続による取得は届出で足りますが特定遺贈(包括遺贈や相続人への遺贈を除く)は3条許可を要します。
解き方
- 相続人と非相続人に対する遺贈の取扱いの差異を検討する。
- 一般法人の農地借入れ要件および調整区域における農地転用規制の原則を法令から確認する。
- 選択肢 1不正解
- 相続や包括遺贈、相続人に対する特定遺贈は3条許可が不要ですが、相続人以外の者に対する特定遺贈は農地法第3条第1項の許可が必要です。
- 選択肢 2不正解
- 農地所有適格法人以外の法人(一般の株式会社等)であっても、一定の要件(解除条件付き賃貸借契約等)を満たせば、耕作目的で農地を借り受けることができます。
- 選択肢 3正解
- 農地法第3条第1項又は第5条第1項の許可を受けるべき農地の売買について、許可を得ずに行った契約は所有権移転の効力を生じません。
- 選択肢 4不正解
- 農業委員会への届出のみで農地転用ができる特例は「市街化区域内」に限られます。市街化調整区域内の場合は都道府県知事等の許可が必要です。
覚えるポイント
- 無許可の農地売買契約は効力を生じない
- 市街化調整区域では自己転用でも知事等の4条許可が必要
間違えやすいところ
- 市街化区域の農業委員会届出特例を、市街化調整区域にも適用できると誤解しないこと。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(農地法第3条第1項・第7項、第4条第1項、第5条第3項)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
印紙税法における課税文書と記載金額・過怠税の計算
税・その他 · 過怠税の割合 / 交換契約書の記載金額 / 贈与契約書 / 領収書の消費税免税判定
印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
印紙税法では、交換契約書に双方の対価が記載されているときは高い方の額を記載金額とします。また贈与契約書は記載金額のないものとして扱われ、領収書は消費税抜の金額(5万円未満)で非課税判定を行います。
解き方
- 交換契約書に双方の価額が明記されている場合の記載金額ルール(高い方の金額)を適用する。
- 過怠税率(原則3倍)、贈与契約書の性格(契約金額なし)、領収書の非課税限度額(5万円未満判定)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 印紙税を納付せず税務調査により判明した場合の過怠税は、納付しなかった印紙税額にその2倍を加えた合計3倍(納付しなかった税額+200%)が徴収されます。
- 選択肢 2正解
- 交換契約書に交換対象である双方の資産の価額が記載されているときは、いずれか高い方の金額(本肢では3,500万円)が記載金額となります。
- 選択肢 3不正解
- 贈与契約は無償の契約であるため、契約書に土地の評価額等の記載があっても印紙税法上は「契約金額の記載のないもの」として扱われます。
- 選択肢 4不正解
- 受領金額48,600円(うち消費税等3,600円)の場合、税抜金額は45,000円となり、売上代金以外の受取書の非課税限度額(5万円未満)に収まるため非課税です。
覚えるポイント
- 交換契約書は高い方の価額が記載金額
- 贈与契約書は記載金額なしの文書
間違えやすいところ
- 平成26年4月以降、領収書の非課税限度額は「3万円未満」から「5万円未満」に引き上げられている点に注意する。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(印紙税法第8条、第20条、別表第一、基本通達)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
不動産取得税における課税標準の特例と税率
税・その他 · 取得時期の擬制 / 法人合併に伴う取得 / 新築住宅の課税標準特例 / 不動産取得税の税率特例
不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産取得税における新築住宅の課税標準の特例控除(1,200万円控除)は床面積50㎡以上240㎡以下の住宅に適用されます。法人の合併による取得は形式的な移転として非課税とされ、土地の税率は住宅用か否かを問わず軽減税率(3%)が適用されます。
解き方
- 新築住宅における課税標準の特例の床面積要件(50㎡以上240㎡以下)に240㎡が合致するか確認する。
- みなし取得時期の原則(1年)、法人合併の非課税規定、土地の特例税率(一律3%)の正誤を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 家屋の新築後最初の使用または譲渡が行われない場合、取得とみなされるのは原則として新築日から「1年」を経過した日です(宅建業者取得の特例住宅等は3年)。
- 選択肢 2不正解
- 法人の合併による不動産の取得は形式的な所有権の移転であるため、不動産取得税は非課税とされています。
- 選択肢 3正解
- 特例適用住宅(床面積50㎡以上240㎡以下)を新築した場合、課税標準となる価格から1戸につき最高1,200万円が控除されます。床面積240㎡は要件内です。
- 選択肢 4不正解
- 不動産取得税の税率について、住宅用以外の家屋の本則税率は4%ですが、土地については住宅用地であるか否かを問わず軽減措置により3%とされています。
覚えるポイント
- 新築住宅の控除額は1,200万円(50㎡以上240㎡以下)
- 法人の合併による不動産取得は非課税
間違えやすいところ
- 住宅以外の家屋は4%だが、土地は用途を問わず税率3%に軽減されている点を見落としやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(地方税法第73条の4、第73条の14、附則第11条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
不動産鑑定評価基準における価格の種類および評価手法
価格の評定 · 不動産鑑定評価基準 / 価格の種類 / 同一需給圏 / 取引事例比較法 / 収益還元法
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産鑑定評価基準における価格の種別(正常価格・限定価格・特定価格・特殊価格)の定義、同一需給圏の概念、取引事例の収集要件(事情補正)、収益還元法の適用意義を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 各選択肢の定義や記述が不動産鑑定評価基準の基本理念・総論各章の規定に合致しているか確認する。
- 市場性を有しない不動産に求められる価格種別や、事情補正の可否、収益還元法の適用対象などの誤りを除外して正解を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 市場性を有しない不動産について求められるのは特殊価格(文化財等)であり、限定価格は市場性を有する不動産が前提となるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 不動産鑑定評価基準における「同一需給圏」の定義および地域的範囲の決定に関する記述として完全に正当です。
- 選択肢 3不正解
- 売り急ぎや買い進み等の特殊な事情があっても、適正に補正できるものであれば取引事例等として採用できるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 市場価格が急上昇している局面であっても、不動産の収益価格を算出して価格を検証することは極めて重要であり、手法の適用を避けるべきではありません。
覚えるポイント
- 特殊価格は文化財等で市場性を有しない不動産について求める価格。
- 特殊な事情がある取引事例でも適正に事情補正できれば採用可能。
間違えやすいところ
- 限定価格と特殊価格の適用前提(市場性の有無)を混同しやすい。
- 特殊な事情のある事例は一切使えないと思い込む誤りに注意する。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の規定及び不動産鑑定評価基準
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者に対する監督処分
宅地建物取引業法 · 監督処分 / 業務停止処分 / 重要事項説明 / 免許権者
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に対する監督処分に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業法違反に対する監督処分(指示・業務停止・免許取消)において、免許権者と業務地を管轄する都道府県知事の権限の違い、および処分の要件・期間の上限を把握することが不可欠です。
解き方
- 各設問における業者の行為が宅建業法の適用範囲内(宅地建物取引業に該当するか)を確認する。
- 処分権者(免許権者か業務地知事か)と命じることができる処分の内容・期間の制限を照合する。
- 選択肢 1正解
- 法35条違反に対しては、免許権者である甲県知事は指示処分または1年以内の業務停止処分を命じることができます。
- 選択肢 2不正解
- 業務を行った場所を管轄する乙県知事も、その管轄区域内で行われた不当行為に対して指示処分や業務停止処分を命じることができます。
- 選択肢 3不正解
- 業務停止処分の期間は「1年以内」と法定されており、1年を超える期間を定めて命ずることはできません。
- 選択肢 4不正解
- 自ら所有する物件を直接賃貸する行為(自ら貸主)は宅地建物取引業に該当しないため、重要事項説明義務違反とならず業務停止処分の対象にもなりません。
覚えるポイント
- 業務停止処分の期間は上限が1年以内である。
- 自ら賃貸借を行う行為は宅建業に該当せず法35条の適用はない。
間違えやすいところ
- 業務地知事は業務停止処分ができない(指示処分のみ可能である)と誤認しやすい。
- 自ら貸主の取引に重説義務違反が適用されると勘違いしやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第65条
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約書の記載事項と宅建士の関与
宅地建物取引業法 · 媒介契約 / 34条の2書面 / 指定流通機構 / 記名押印
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却に係る媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において一般媒介契約とは、専任媒介契約でない媒介契約をいう。
解答・解説を表示
解答
3
解説
媒介契約書(34条の2書面)の必要的記載事項(標準約款基準の別、売買すべき価額等)および指定流通機構への成約通知義務、宅建士が記名押印を要する書面(35条・37条書面であり媒介契約書面は不要)を整理して覚える必要があります。
解き方
- 媒介契約の種類(一般・専任)にかかわらない共通ルールと、専任特有のルールを切り分ける。
- 34条の2書面の必要的記載事項及び作成権者・記名義務者を法令に照らして判定する。
- 選択肢 1不正解
- 標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別は、一般媒介契約であっても34条の2書面の必要的記載事項です。
- 選択肢 2不正解
- 専任媒介契約において登録宅地の売買契約が成立したときは、引渡しの完了を待たず遅滞なく指定流通機構に通知しなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 34条の2書面に記名押印するのは宅建業者(代表者等)であり、宅地建物取引士が記名押印する必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 売買すべき価額(およびその意見の根拠)は、一般・専任を問わず34条の2書面の必要的記載事項です。
覚えるポイント
- 媒介契約書面(34条の2)に宅建士の記名押印義務はない(宅建業者の記名押印が必要)。
- 専任媒介で契約が成立したときは、引渡しを待たずに遅滞なく指定流通機構へ通知する。
間違えやすいところ
- 35条書面・37条書面と同様に34条の2書面にも宅建士の記名が必要と混同しやすい。
- 成約通知の契機を「代金決済や引渡し」と誤認しやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第34条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限(手付金等の保全・手付解除・損害賠償額の予定)
宅地建物取引業法 · 自ら売主制限 / 手付金等の保全措置 / 手付解除 / 損害賠償額の予定
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間でマンション(代金4,000万円)の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものの組合せはどれか。 ア Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際に、Bから手付金200万円を受領し、さらに建築工事中に200万円を中間金として受領した後、当該手付金と中間金について法第41条に定める保全措置を講じた。 イ Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、法第41条の2に定める保全措置を講じることなくBから手付金400万円を受領した。 ウ Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際に、Bから手付金500万円を受領したが、Bに当該手付金500万円を償還して、契約を一方的に解除した。 エ Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,000万円とする特約を定めた。
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解答
4
解説
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限のうち、手付金等保全措置(未完成物件は代金の5%超かつ1,000万円超、完成物件は代金の10%超かつ1,000万円超で受領前に要保全)、手付解除(買主は放棄、売主は倍額償還)、損害賠償額の予定等の制限(代金の20%以内)の要件を正確に適用します。
解き方
- 各肢ア〜エの金銭受領・特約内容について、業法違反となるか個別に判断する。
- ア:工事完了前のマンション(4,000万円)で手付金200万円+中間金200万円=合計400万円(10%>5%)を受領する前に保全措置が必要。受領後に講じているため違反。
- イ:工事完了後のマンション(4,000万円)で手付金400万円(ちょうど10%)は「10%超」ではないため保全措置不要。違反しない。
- ウ:売主Aが手付解除するには「手付金の倍額(1,000万円)」を現実に提供して解除しなければならない。同額の500万円を償還するだけでは解除できず、業法39条に反し違反。
- エ:代金4,000万円の2割は800万円。損害賠償の予定額を1,000万円とする特約は2割を超える部分が無効であり業法違反。
- 違反するものはア、ウ、エであるため、選択肢4を正解とする。
- 選択肢 1不正解
- エも業法に違反するため、アとウのみとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- イは代金の10%以下で保全措置が不要なため適法であり、本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- イは適法であり、ウが含まれていないため誤りです。
- 選択肢 4正解
- ア、ウ、エの記述が宅建業法の規定に違反するため正しい組合せです。
覚えるポイント
- 未完成物件の保全措置基準は「代金の5%超」または「1,000万円超」。
- 損害賠償額の予定+違約金の合計は代金の2割(20%)を超えることができない。
間違えやすいところ
- 保全措置の基準(超か以上か)を取り違えて代金の10%ちょうどの受領を違反と判断しやすい。
- 売主からの手付解除には現実に倍額の提供が必要である点を見落としやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第38条、第39条、第41条、第41条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
業務上の規制(標識掲示・不当勧誘・帳簿・割賦販売)
宅地建物取引業法 · 標識の掲示 / 手付の貸付け等 / 帳簿の備付け / 割賦販売の解除
宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものの組合せはどれか。 ア Aは、マンションを分譲するに際して案内所を設置したが、売買契約の締結をせず、かつ、契約の申込みの受付も行わない案内所であったので、当該案内所に法第50条第1項に規定する標識を掲示しなかった。 イ Aは、建物の売買の媒介に際し、買主に対して手付の貸付けを行う旨を告げて契約の締結を勧誘したが、売買は成立しなかった。 ウ Aは、法第49条の規定によりその事務所ごとに備えるべきこととされている業務に関する帳簿について、取引関係者から閲覧の請求を受けたが、閲覧に供さなかった。 エ Aは、自ら売主となるマンションの割賦販売の契約について、宅地建物取引業者でない買主から賦払金が支払期日までに支払われなかったので、直ちに賦払金の支払の遅延を理由として契約を解除した。
解答・解説を表示
解答
3
解説
標識掲示は業務を行うすべての場所で必須である点、手付貸付け等の禁止は契約成否を問わず勧誘行為自体が禁止される点、業務帳簿は従業者名簿と異なり取引関係者への閲覧義務がない点、割賦販売解除の要件(30日以上の催告)を正確に把握します。
解き方
- ア〜エの各行為について業法違反の有無を検討する。
- ア:契約等の有無にかかわらず、法50条1項の標識掲示はすべての案内所で義務付けられているため違反。
- イ:手付金貸付け等の信用の供与により契約締結を誘引する行為は、契約の成立に至らなくても勧誘した時点で違反。
- ウ:法49条の業務帳簿には取引関係者に対する閲覧供与義務は規定されていない(法48条の従業者名簿にはある)ため違反しない。
- エ:割賦販売において賦払金不払いを理由とする契約解除は、30日以上の相当期間を定めて書面で催告しなければならず、直ちに解除するのは違反。
- 違反するものはア、イ、エであり、選択肢3を選択する。
- 選択肢 1不正解
- エも業法に違反するため、アとイのみとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ウは閲覧供与義務がないため違反せず、またイ・エが含まれていないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- ア、イ、エの3つが宅建業法の規定に違反するため正しい組合せです。
- 選択肢 4不正解
- ウは違反しておらず、アが含まれていないため誤りです。
覚えるポイント
- 案内所での標識掲示は契約締結・申込みの受付を行わない場合でも必須。
- 業務帳簿は閲覧義務なし、従業者名簿は取引関係者から請求があれば閲覧義務あり。
間違えやすいところ
- 手付貸付勧誘は契約が不成立なら違反にならないと誤解しやすい。
- 帳簿と従業者名簿の閲覧義務の有無を混同しやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第42条、第47条、第49条、第50条
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明書(35条)と契約締結時交付書面(37条)の比較
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 35条書面 / 37条書面 / 宅地建物取引士
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
35条書面と37条書面の記載事項の違い(借賃等の額・支払時期は37条の記載事項だが35条の説明事項ではない)、宅建士証の提示義務(請求の有無にかかわらず提示)、書面作成・記名と交付行為者の規程を明確に区別します。
解き方
- 35条説明事項と37条記載事項の異同を確認する。
- 宅建士証の提示義務、書面交付の担い手についての規定を検討して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 借賃の額・支払時期・方法は37条書面の記載事項ですが、35条の重要事項説明事項ではないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 宅建士証は重要事項説明の開始時に相手方から請求されなくても必ず提示しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 本試験基準日時点において、37条書面を書面に代えて電磁的記録で交付することは認められていませんでした。
- 選択肢 4正解
- 37条書面への記名押印は宅建士が行う必要がありますが、作成された書面の相手方への交付は宅建士以外の従業者に行わせることができます。
覚えるポイント
- 借賃の額・代金の額やその支払時期・方法は37条の記載事項であり35条の重説事項ではない。
- 37条書面の交付行為は宅建士以外の一般従業者でも行うことができる。
間違えやすいところ
- 重説時の宅建士証提示は「請求されたときのみ」と勘違いしやすい(取引関係者からの請求時提示と混同)。
- 代金や借賃の額そのものが重要事項説明に含まれると誤解しやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第35条、第37条
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会の社員と弁済業務
宅地建物取引業法 · 宅地建物取引業保証協会 / 弁済業務保証金分担金 / 還付充当金 / 還付限度額
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
保証協会の重複加入禁止、事務所新設に伴う分担金の追加納付期間(設置から2週間以内)、還付充当金の納付先(供託所ではなく保証協会)および納付期間(2週間以内)、弁済を受けられる限度額の算定ルールを理解します。
解き方
- 保証協会の加入制限(二重加入禁止)と手続期間を確認する。
- 分担金から事務所数を算出し、本来供託すべき営業保証金の相当額(還付限度額)を計算する。
- 選択肢 1不正解
- 宅建業者は2つ以上の保証協会の社員(二重加入)となることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 支店を新設したときは、その日から2週間以内に追加の弁済業務保証金分担金を納付しなければならず、1月以内ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 還付充当金は通知を受けた日から2週間以内に「保証協会」に納付するものであり、供託所に直接供託するものではありません。
- 選択肢 4正解
- 分担金150万円は主たる事務所(60万円)+従たる事務所3箇所(30万円×3)に相当し、単独で営業保証金を供託していた場合の2,500万円(1,000万円+500万円×3)が還付限度額となります。
覚えるポイント
- 保証協会の重複加入は禁止されている。
- 支店新設時の分担金納付期限は設置から「2週間以内」。
- 還付充当金の納付先は「保証協会」である。
間違えやすいところ
- 支店新設の分担金納付期限を「1月以内」と誤解しやすい。
- 還付充当金の納付先を保証協会ではなく「最寄りの供託所」と勘違いしやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第64条の4、第64条の8、第64条の9、第64条の10
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
広告開始時期の制限および広告規制
宅地建物取引業法 · 広告の開始時期の制限 / 取引態様の明示 / 業務停止処分中の広告
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)がその業務に関して広告を行った場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業法第33条(広告開始時期の制限)では、開発許可や建築確認等の処分があった後でなければ広告を開始できないと定めています。また取引態様の明示義務(法34条)、業務停止期間中の禁止業務(契約締結のみならず広告も停止対象)を理解する必要があります。
解き方
- 広告開始時期の制限(法33条)について、工事完了前でも「処分後」であれば広告可能であることを確認する。
- 確認申請中の広告や、取引態様明示の欠如、業務停止中の広告が業法違反となることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 必要な許可等の処分があった後であれば、工事完了前であっても当該処分があったことを明示して広告を行うことができます。
- 選択肢 2不正解
- 建築確認の「申請中」であることを明示しても、確認処分を受ける前である以上、販売広告を行うことは禁止されており違反します。
- 選択肢 3不正解
- 取引態様の別(売主・媒介・代理の別)の明示は義務であり、問い合わせや契約成立がなかったとしても広告を掲載した時点で違反します。
- 選択肢 4不正解
- 業務の全部停止処分期間中に広告を行うことは業務停止処分に違反し、契約の締結を期間経過後に行っても違法です。
覚えるポイント
- 広告開始時期の制限は「許可・確認等の処分があった後」であれば工事完了前でも広告可能。
- 建築確認申請中である旨を明示しても広告はできない(契約だけでなく広告も禁止)。
間違えやすいところ
- 「申請中」と記載すれば広告してもよいと誤認しやすい。
- 契約を停止期間後に行えば停止期間中の広告は許されると勘違いしやすい。
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第33条、第34条、第65条
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者が受領できる報酬
宅建業法 · 報酬限度額 / 実費の受領 / 居住用建物の賃貸借の媒介 / 権利金
宅地建物取引業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引業法第46条に基づく告示では、業者が媒介・代理等に関して受け取ることができる報酬の上限が厳格に定められています。いかなる名目であっても法定限度額を超える金銭を受領することは禁止されており、通常の広告費や調査費用を上乗せして受領することはできません。また、居住用建物の賃貸借媒介においては権利金の授受があってもこれを売買代金とみなして報酬計算することは認められません。
解き方
- 各記述(ア、イ、ウ)の正誤を検討する。
- ア:売買差額を受け取る取引形態であっても、法定の報酬限度額の適用は排除されないため誤り。
- イ:通常の広告料金は報酬限度額に含まれるべき営業経費であり、別途依頼者から受領することはできないため誤り。
- ウ:居住用建物の賃貸借では権利金を売買代金とみなして計算することはできず(居住用以外のみ適用可)、誤り。
- 誤っているものの個数(3つ)に対応する選択肢3を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 誤っている記述はア、イ、ウの3つすべてであるため、1つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 誤っている記述はア、イ、ウの3つすべてであるため、2つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3正解
- 記述ア、イ、ウはいずれも誤っているため、誤っているものは「三つ」となり、本肢が正解です。
- 選択肢 4不正解
- 誤っている記述が存在しないわけではなく、ア、イ、ウの3つが誤りであるため本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 居住用建物の賃貸借媒介では権利金を売買代金とみなす特例は使えない
- 依頼者の依頼によらない広告費用は受領不可
間違えやすいところ
- 賃貸借における権利金の売買代金みなす規定が「居住用建物以外」に限定される点を見落とすミス
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第46条、昭和45年建設省告示第1552号)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
業務に関する禁止事項(法第47条及び第47条の2)
宅建業法 · 重要事項の不告知 / 断定的判断の提供 / 手付解除の妨害 / 手付貸付け等の禁止
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第47条及び第47条の2に規定されている業務に関する禁止事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業者である。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引業法第47条及び第47条の2では、取引の公正と相手方の保護を図るため、重要事項の不告知や不実告知、将来の不確実な事項に対する断定的判断の提供、手付の貸付け等による契約締結の誘引、手付解除の不当な妨害などを厳しく禁じています。
解き方
- 各選択肢の行為が法第47条または第47条の2の禁止事項に該当するか確認する。
- 選択肢2では「間違いなく〜駅ができる」と告げており、不確実な事項について断定的判断を提供しているため、たとえ故意の欺罔でなくとも法違反となる。
- したがって選択肢2が「法には違反しない」としている点で誤り(本問の正解)である。
- 選択肢 1不正解
- 重要事項について故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為に該当するため、法に違反し正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 不確実な事項について断定的判断を提供する行為は、相手方を欺く故意の有無にかかわらず法第47条の2第1項に違反するため、本肢の記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 相手方が契約の履行に着手した後は手付放棄による解除はできないため、登記・引渡しを済ませている売主は解除を拒むことができ、法に違反しません。
- 選択肢 4不正解
- 手付金の分割払いを持ちかける行為は手付の信用供与による契約締結の誘引(法第47条第3号)に該当し、契約が不成立であっても違反となり正しい記述です。
覚えるポイント
- 断定的判断の提供は故意・過失を問わず禁止される
- 手付の貸付けや分割払いの提案は、契約が不成立でも禁止違反となる
間違えやすいところ
- 相手方が履行に着手している場合に手付解除を拒絶することが解除妨害にあたると誤解する点
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第47条、第47条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許
宅建業法 · 免許証の返納 / 免許の更新 / 廃業等の届出 / みなし宅地建物取引業者
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法において、免許の効力、更新手続、免許証返納義務、廃業届出の義務者、および廃業等に伴う結了目的のみなし業者規定がそれぞれ厳密に規定されています。有効期間満了による失効では免許証返納義務は課されておらず、破産時の届出義務者は破産管財人です。業務停止期間中であっても更新を受けること自体は拒否されません。
解き方
- 選択肢1:免許失効事由と免許証返納事由(取消処分、廃業届出等)を照合する。有効期間満了は返納事由に含まれないため誤り。
- 選択肢2:業務停止処分は更新の拒否事由(欠格事由)ではないため誤り。
- 選択肢3:法人が破産した場合の届出義務者は代表役員ではなく破産管財人であるため誤り。
- 選択肢4:法第76条の規定により、死亡した場合の一般承継人は生前契約の取引結了目的の範囲内で宅建業者とみなされるため正しい。
- 選択肢 1不正解
- 免許の有効期間満了により免許が失効した場合は、法第10条に規定する免許証返納事由に含まれていないため、返納義務はなく誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 業務の停止処分を受けていること自体は免許の欠格事由(更新拒否事由)ではないため、更新を受けることができ、本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 破産手続開始の決定があった場合の届出義務者は「破産管財人」であり、代表する役員ではないため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 宅建業者であった個人が死亡した場合、一般承継人は生前締結した契約を結了する目的の範囲内でなお宅建業者とみなされる(法第76条)ため正しい記述です。
覚えるポイント
- 法人の破産による廃業届出義務者は「破産管財人」
- 有効期間満了による免許失効は免許証返納義務がない
- 個人の死亡による一般承継人は契約結了の目的範囲内でみなし宅建業者となる
間違えやすいところ
- 破産手続開始時の届出義務者を法人の代表役員と混同するミス
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第10条、第11条、第76条等)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明(法第35条)の対象項目
宅建業法 · 定期借地権 / 法令に基づく制限 / 代金以外の授受金 / 未完成物件の説明
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法第35条では、相手方が不測の損害を被らないよう契約締結前に説明すべき重要事項を定めています。これには敷地利用権の内容、法令上の制限、代金以外に授受される金銭の額・目的、未完成物件における完了時形状・構造・図面交付などが含まれます。
解き方
- アの検討:区分所有建物の敷地利用権が定期借地権である場合、登記の有無にかかわらずその内容を説明しなければならず正しい。
- イの検討:宅地賃貸借において流通業務市街地の整備に関する法律第5条第1項等の制限概要は説明事項とされているため正しい。
- ウの検討:売買代金の額・支払時期は35条の対象外(37条事項)だが、代金以外の授受金(手付金等)の額と目的は35条説明事項であるため正しい。
- エの検討:建築工事完了前(未完成)建物の貸借においては、図面を交付した上で主要構造部や内装外装・設備等を説明しなければならず正しい。
- 全て正しい(4つ)ため選択肢4を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述は4つ全てであるため、1つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述は4つ全てであるため、2つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は4つ全てであるため、3つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4正解
- ア、イ、ウ、エのすべてが法令の規定に合致しており正しいため、本肢が正解です。
覚えるポイント
- 「代金そのもの」は37条書面の必要的記載事項であり、35条の重要事項説明事項ではない
- 「代金以外に授受される金銭」の額と授受の目的は35条でも37条でも説明・記載対象となる
間違えやすいところ
- 代金自体の説明義務と、代金以外の授受金の額・目的の説明義務を取り違えるミス
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第35条、同法施行規則第16条の2〜第16条の4)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法(免許制度・免許換え・業務規制)
宅建業法 · 免許換え / みなし業者 / 欠格事由 / 免許換え申請中の営業
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
免許換えを怠った場合は監督処分等の対象となり得ます。また、免許失効等があっても従前の契約を結了する目的の範囲内ではみなし業者として残務処理業務を行うことができます。一方、不正・不当な行為による欠格事由には刑罰や一定の処分要件が定められており単なる不正行為のみで一律に欠格となるわけではありません。また、免許換え申請中であっても従前の免許の効力が存続しているため、適法に業務を行うことができます。
解き方
- アの正誤:免許換えの義務を怠ったことは業務停止処分の対象となり得るため正しい。
- イの正誤:契約成立後に有効期間が満了した場合でも、法第76条により取引結了の範囲内で宅建業者とみなされ業務を行えるため正しい。
- ウの正誤:免許申請前5年以内に不正・著しく不当な行為をしたことのみ(情状が特に重いとして免許取消等を受けていない場合など)では直ちに欠格事由に該当するわけではないため誤り。
- エの正誤:免許換え申請中であっても、従前の免許は有効であるため、35条書面や37条書面の交付などの宅建業の業務を行うことが可能であり、「交付することができない」とする記述は誤り。
- 正しい記述はアとイの2つであるため、選択肢2を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はアとイの2つあるため、1つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- アとイが正しく、ウとエが誤りであるため、正しいものは「二つ」であり本肢が正解です。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はアとイの2つのみであるため、3つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述はアとイの2つのみであるため、4つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 免許換えの申請中でも、新たな免許処分があるまでは従前の免許の効力が存続する
- 期間満了等の失効後も契約結了目的の範囲内でみなし業者として業務が可能
間違えやすいところ
- 免許換え申請中は従前の免許による営業が一切できないと誤解する点
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第7条、第8条、第65条、第76条)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引士資格登録及び宅地建物取引士
宅建業法 · 登録の移転 / 取引士証の提示 / 後見開始の届出 / 資格登録簿の閲覧
宅地建物取引士資格登録(以下この問において「登録」という。)又は宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
登録の移転に伴い交付される宅建士証の有効期間は、従前の宅建士証の残存期間となります。従業者証明書は取引関係者から請求された場合に提示が必要であり代表取締役であっても免除されません。また後見開始等の審判を受けた際の登録消除等の届出義務期間は30日以内です。宅地建物取引士資格登録簿は一般の閲覧には供されませんが、業者名簿は一般閲覧に供され専任の取引士の氏名が掲載されます。
解き方
- アの検討:登録移転に伴い交付される宅建士証の有効期間は「従前の宅建士証の有効期間の残存期間」であり新たに5年ではないため誤り。
- イの検討:代表取締役であっても宅建業者の従業者であるため、従業者証明書の提示を求められたら提示を拒むことはできず誤り。
- ウの検討:成年被後見人となったときの届出期間は「30日以内」であり、3月以内ではないため誤り。
- エの検討:宅地建物取引士資格登録簿は一般閲覧に供されないが、宅地建物取引業者名簿は一般閲覧に供され、専任の取引士の氏名が記載されているため正しい。
- 正しい記述はエの1つのみであるため、選択肢1を選択する。
- 選択肢 1正解
- 記述エのみが正しく、ア、イ、ウはすべて誤りであるため、「一つ」となり本肢が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述はエの1つだけであるため、2つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はエの1つだけであるため、3つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述エが存在するため、「なし」とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 登録の移転により新たに交付される取引士証の有効期間は「従前の残存期間」
- 取引士資格登録簿は閲覧非公開、業者名簿は一般閲覧可能
- 後見人等による届出期間は事由発生から30日以内
間違えやすいところ
- 代表取締役は従業者証明書を持たなくてよい・提示しなくてよいと勘違いする点
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第10条、第21条の5、第48条第2項等)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明書(第35条書面)と契約締結時交付書面(第37条書面)の記載事項の比較
宅建業法 · 35条書面と37条書面の比較 / 専有部分の利用制限 / 契約解除の定め / 借賃の支払方法 / 天災等による危険負担
宅地建物取引業者が媒介により区分所有建物の貸借の契約を成立させた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「重要事項説明書」とは法第35条の規定により交付すべき書面をいい、「37条書面」とは法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法第35条(重要事項説明書)と法第37条書面は目的が異なるため、重複する事項(代金以外の授受金、解除、損害賠償額の予定など)であっても原則として両方に記載する必要があります。利用制限規約等は35条の区分所有建物固有の説明事項ですが37条の記載事項ではありません。一方、解除に関する定めは37条書面の相対的記載事項(定めがあれば必ず記載)です。
解き方
- 各選択肢について35条書面・37条書面の記載事項かどうかを判定する。
- 選択肢1:利用制限規約等は35条の記載・説明事項だが37条書面の記載事項ではないため誤り。
- 選択肢2:契約解除の定めは35条の必要的記載事項かつ37条の相対的記載事項であるため、定めがある以上37条書面にも必ず記載しなければならず正しい。
- 選択肢3:借賃の支払方法は37条の絶対的記載事項であり、当事者の承諾があっても省略できないため誤り。
- 選択肢4:天災等の損害負担(危険負担)は相対的記載事項であり、定めがないときは記載不要であるため誤り。
- 選択肢 1不正解
- 専有部分の利用制限に関する規約は法第35条の重要事項説明事項ですが、法第37条書面の記載事項ではないため、37条書面への記載義務はなく誤りです。
- 選択肢 2正解
- 契約の解除に関する定めは法第37条書面の相対的記載事項であり、定めがあるときは35条で説明済みであっても37条書面に記載しなければならず正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 借賃の支払方法等は法第37条第2項における必要的記載事項(絶対的記載事項)であり、当事者の承諾があっても記載を省略できないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 天災その他不可抗力による損害の負担は相対的記載事項(定めがある場合に記載)であるため、定めがない場合に「定めていない旨」を記載する義務はなく誤りです。
覚えるポイント
- 定めがある場合に限り記載する事項(解除、危険負担、損害賠償予定等)は定めがなければ記載不要
- 借賃の額・支払時期・支払方法は37条の絶対的記載事項で省略不可
間違えやすいところ
- 37条の相対的記載事項について「定めのない旨」を記載しなければならないと誤認するミス
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第35条、第37条)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金制度
宅建業法 · 主たる事務所の移転 / 営業保証金の保管替え・二重供託 / 還付充当金の供託届出 / 還付請求権者
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。この場合に関する次の記述のうち宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
営業保証金を金銭のみで供託している場合は費用を予納して保管替えを請求できますが、有価証券が含まれている場合は保管替えが認められず、新供託所への二重供託を行った上で従前の保証金を取り戻すことになります。この場合の従前保証金の取戻しでは、二重供託によって権利者の利益が害されないため公告は不要です。また還付充当金の届出期限は供託した日から2週間以内であり、還付限度額は供託した総額(本店+支店分)です。
解き方
- Aは本店(1,000万)と支店1か所(500万)を有し、合計1,500万円を「金銭+国債証券」で併託している状況を確認する。
- 選択肢1:金銭のみではない(有価証券を含む)ため保管替えはできず、移転先の新供託所に新たに営業保証金を供託しなければならず、正しい。
- 選択肢2:不足額を供託したときは、その日から「2週間以内」に届出が必要である(30日以内ではないため誤り)。
- 選択肢3:還付を受ける権利を有する者は、供託されている営業保証金総額(本問では1,500万円)を限度として弁済を受けることができるため誤り。
- 選択肢4:本店の移転に伴う二重供託後の取戻しの場合、権利者の保護が新供託金で図られているため公告手続きは不要であり、誤り。
- 選択肢 1正解
- 有価証券を用いて供託している場合は保管替えができないため、移転後の最寄り供託所に新たに全額を供託しなければならず、正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 還付充当金を供託した日から免許権者への届出期限は「2週間以内」であり、30日以内ではないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 還付を受けられる限度額は供託されている営業保証金の全額(本店1,000万円+支店500万円=合計1,500万円)であるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 本店の移転に伴い新たに営業保証金を供託した後に従前の供託金を取り戻す場合は、権利者保護に欠けるところがないため公告を要せず、誤りです。
覚えるポイント
- 営業保証金に有価証券が含まれる場合は「保管替え」ができず「二重供託」となる
- 二重供託による従前の営業保証金の取戻しでは公告は不要
- 還付充当金の供託は通知から2週間以内、届出は供託から2週間以内
間違えやすいところ
- 本店での取引相手方は本店の供託額(1,000万円)までしか還付を受けられないと勘違いする点(供託総額まで還付可能)
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第25条、第28条、第29条、第64条の2等)
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法に基づく業務規制(代理・37条書面・他人物売買・媒介契約)
宅建業法 · 代理契約 / 37条書面 / 他人物売買の制限 / 専属専任媒介契約
宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引業法における自ら売主制限(8種制限)は、買主となる一般消費者を保護するための規定であるため、業者間取引においては適用が除外されます(法第78条第2項)。一方で、媒介・代理契約書面の交付や指定流通機構への登録日数などの手続要件は、法令の文言に沿って厳格に適用されます。
解き方
- 各選択肢の取引主体(業者間取引か否か)および取引形態(媒介・代理・売買)を確認する。
- 他人物売買の制限が業者間取引で適用除外となる規定(法第78条第2項)と照らし合わせ、正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 宅地建物取引業法第34条の2の規定は代理契約にも準用されているため(同法第34条の3)、代理契約を締結した場合でも書面の交付が必要です。
- 選択肢 2不正解
- 法第37条書面は交付義務および宅地建物取引士の記名押印義務が課されていますが、重要事項説明(第35条)とは異なり、内容の説明までは義務付けられていません。
- 選択肢 3正解
- 他人物売買の制限(法第33条の2)は宅地建物取引業者間の取引には適用されないため(法第78条第2項)、買主が業者Dであれば売買契約を締結することができます。
- 選択肢 4不正解
- 専属専任媒介契約を締結したときは契約締結の日から5日以内に指定流通機構に登録しなければなりませんが、この期間の計算には業者の「休業日数を含まない」と規定されています。
覚えるポイント
- 8種制限は業者間取引では適用除外となる。
- 37条書面は記名押印と交付が必要だが、内容の説明は不要である。
間違えやすいところ
- 指定流通機構への登録日数(専任7日、専属専任5日)において休業日数が算入除外されることを見落としやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第33条の2、第34条の2、第34条の3、第37条、第78条第2項
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面
宅建業法 · 37条書面 / 記載事項 / 記名押印 / 代理・媒介における交付義務
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業者(消費税課税事業者)である。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法第37条書面は契約内容を明確にして後日の紛争を防ぐための契約成立時交付書面です。必要的記載事項(代金、引渡時期、移転登記申請時期など)は業者間取引であっても省略できません。また代理・媒介に関与した業者は、それぞれ取引の当事者双方に対して書面の作成・記名押印・交付の義務を負います。
解き方
- 各選択肢について、37条書面の記載事項、記名押印義務、交付の相手方に関するルールを確認する。
- 代理業者の交付相手は依頼者のみならず相手方にも及ぶという規定を適用して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 引渡しの時期は37条書面の必要的記載事項であり、宅地建物取引業者間の取引であっても記載を省略することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 課税事業者である業者が建物の売買を行う場合、代金の額だけでなく、代金に含まれる消費税等相当額についても明記する必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 複数の宅地建物取引業者が関与する場合、関与したすべての宅地建物取引業者が自社の宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければなりません。
- 選択肢 4正解
- 建物の賃貸借を代理した宅地建物取引業者は、法第37条第2項に基づき、契約の当事者双方(貸主F及び借主G)に対して37条書面を交付しなければなりません。
覚えるポイント
- 37条書面は契約成立後遅滞なく当事者双方に交付しなければならない。
- 複数の業者が関与したときは、原則として関与した全業者の宅建士による記名押印が必要である。
間違えやすいところ
- 37条書面の記載事項(引渡時期等)が業者間取引で省略できると誤解しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条、同法施行規則第16条の4の4
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
手付金等の保全措置(建築工事完了前・未完成物件)
宅建業法 · 8種制限 / 手付金等保全措置 / 工事完了前 / 解除権
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結した場合、宅地建物取引業法第41条の規定に基づく手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業者が自ら売主となる未完成物件の売買では、受領する手付金等の額が売買代金の5%を超えるか、又は1,000万円を超える場合に事前に保全措置を講じなければ受領できません。保全措置が講じられない場合、買主は手付金等の支払いを拒むことができます。また受領済みの額と新たに受領する額の合計が基準を超えるときは、既受領額も含めた全額の保全が必要です。
解き方
- 代金3,000万円の建築工事完了前(未完成)における保全基準を計算する(3,000万円×5%=150万円、かつ1,000万円以下)。
- 各記述における受領額と保全措置の要否を照合し、ア(正)、イ(誤)、ウ(正)、エ(誤)を判定して正しいものの個数を数える。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述はアとウの2つであるため、一つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- ア(手付金の支払拒絶権)とウ(受領済額を含む合計額の保全義務)が正しく、イとエが誤りであるため、正しいものは二つです。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述はアとウの2つであるため、三つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正しい記述はアとウの2つであるため、四つとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 工事完了前の保全不要基準は代金の5%以下かつ1,000万円以下である。
- 保全措置が必要であるにもかかわらず業者が講じない場合、買主は支払を拒絶できる。
間違えやすいところ
- 追加で受領して基準を超える場合、追加分だけでなく既受領分も含めた全額の保全が必要である点を見落としやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第41条
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
クーリング・オフの告知書面の記載事項
宅建業法 · 8種制限 / クーリング・オフ / 告知書面 / 発信主義
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結した場合、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づく、いわゆるクーリング・オフについてAがBに告げるときに交付すべき書面の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
クーリング・オフの告知書面には、買主を保護するため解除の要件・効果等を正確に記載しなければなりません(規則第16条の6)。クーリング・オフの適用除外となるのは、告知日から8日経過したとき、または「目的物の引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払ったとき」の両方を満たした場合に限られます。
解き方
- クーリング・オフによる解除権が消滅する要件(8日経過、又は引渡し+全額支払)を確認する。
- 選択肢2が「代金の全部を支払った場合を除き」と引渡しの要件を欠いている点を見抜き、誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 告知書面の記載事項として、売主業者の商号・名称、住所、免許証番号および買主の氏名・住所を記載することが定められています。
- 選択肢 2正解
- 引渡しを受けておらず代金の全部を支払っただけであればクーリング・オフは可能です。「宅地の引渡しを受け、かつ、代金の全額を支払った場合を除き」と記載すべきところ、引渡しの要件が欠落しているため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- クーリング・オフの意思表示は発信主義が採られており、書面を発した時に効力を生ずる旨を書面に記載しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- クーリング・オフによる解除に伴う損害賠償・違約金の請求禁止および受領済み金銭の遅滞なき全額返還義務は書面の必要記載事項です。
覚えるポイント
- クーリング・オフの消滅要件は「引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払ったとき」である(どちらか一方のみでは消滅しない)。
- クーリング・オフは書面を発した時に効力が生じる(発信主義)。
間違えやすいところ
- 「代金の全額を支払ったとき」だけでクーリング・オフができなくなると誤認しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2、同法施行規則第16条の6
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
住宅瑕疵担保履行法(供託・保険・説明義務)
その他関連法令 · 住宅瑕疵担保履行法 / 供託所の説明 / 新築住宅の戸数算定 / 届出時期
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅瑕疵担保履行法では、新築住宅の売主業者に対して瑕疵担保保証金の供託または瑕疵担保責任保険への加入を義務付けています。供託を選択した場合は契約締結前までに供託所等に関する書面交付説明が必要であり、基準日(3月31日)ごとに届出を行います。小規模住宅(床面積55㎡以下)の戸数算定特例なども規定されています。
解き方
- 各選択肢の要件(床面積特例の数値、届出の基準日、契約前の書面交付説明、転売時の保険契約の取扱い)を検討する。
- 供託による場合の契約締結前の書面交付・説明義務を規定した選択肢3が正しいと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 合計戸数の算定において2戸をもって1戸と数える特例の対象となるのは、床面積が「55㎡以下」の新築住宅です(100㎡以下ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 保証金の供託等の状況の届出は、引渡しの都度行うのではなく、基準日(毎年3月31日)から3週間以内に行う必要があります。
- 選択肢 3正解
- 法第15条に基づき、保証金を供託する場合は、売買契約を締結するまでに買主に対して供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 新築住宅の買主が10年以内に転売した場合であっても、売主業者が保険契約を解除する規定はありません(保険の対象は継続します)。
覚えるポイント
- 供託所の説明は「契約締結前までに」「書面を交付して」行う。
- 戸数算定特例(2戸で1戸)の床面積基準は「55㎡以下」である。
間違えやすいところ
- 届出時期を「引渡しから3週間以内」と誤解しやすい(正しくは「基準日から3週間以内」)。
出題の前提:特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第11条、第12条、第15条
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
独立行政法人住宅金融支援機構の業務範囲
免除科目(その他業務) · 住宅金融支援機構 / 証券化支援事業(買取型) / 直接融資業務 / 共用部分リフォーム融資
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
住宅金融支援機構の主たる業務は、民間金融機関の住宅ローン債権を買い取って証券化を支援する証券化支援事業(買取型・保証型)です。買取型の対象住宅は「自ら居住または親族が居住する住宅」に限られます。また、民間では対応が困難な分野(高齢者・子育て向け賃貸住宅融資、マンション共用部分改良融資、災害復興融資等)については直接融資業務を行っています。
解き方
- 各選択肢の業務が機構の直接融資業務か証券化支援事業かを確認する。
- 選択肢2の証券化支援事業(買取型)の対象に賃貸住宅が含まれている点に着目し、誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 機構は直接融資業務として、子どもを育成する家庭や高齢者世帯向けの良質な賃貸住宅の建設・改良資金の貸付けを行っています。
- 選択肢 2正解
- 証券化支援事業(買取型)の対象となるのは自ら居住又は親族が居住するための住宅資金債権であり、賃貸住宅の建設・購入資金は買取の対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 省エネルギー性や耐震性等に優れた住宅を取得する場合に金利を一定期間引き下げるフラット35S等の制度を実施しています。
- 選択肢 4不正解
- 機構は直接融資業務として、マンション管理組合や区分所有者に対する共用部分の改良(リフォーム)に必要な資金の貸付けを行っています。
覚えるポイント
- 証券化支援事業(買取型)の対象は「自己または親族居住用」住宅に限定され、賃貸住宅は含まれない。
- 共用部分のリフォームや災害復興、子育て・高齢者向け賃貸住宅融資は直接融資業務として行われる。
間違えやすいところ
- 機構が直接融資を行う分野(補完的業務)と証券化支援事業の対象範囲を混同しやすい。
出題の前提:独立行政法人住宅金融支援機構法第13条
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約)
免除科目(その他業務) · 不当表示防止法 / 公正競争規約 / おとり広告 / 市街化調整区域 / 新駅表示
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産の公正競争規約では、実際には取引できない物件を掲載し続ける行為(おとり広告)や、道路距離を省略した曖昧な利便性表現を厳格に禁止しています。また、市街化調整区域で建築不可の土地についてはその旨の明記が義務付けられ、新駅等の新設交通機関は事業者が公表している場合に限り時期を明示して表示できます。
解き方
- 各選択肢の表示内容(おとり広告、市街化調整区域の制限表示、施設までの距離表示、新設予定駅の表示)を検討する。
- 鉄道事業者が公表している新駅の予定時期を明示して表示することは認められているため、選択肢4を正しいと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 契約済みで取引できない物件を広告し続ける行為はおとり広告に該当し、問合せに対して取引できない旨を説明したとしても不当表示となります。
- 選択肢 2不正解
- 建築等ができない市街化調整区域の土地を広告する場合、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません」と16ポイント以上の文字で明示しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 学校や市役所等の公共施設・生活関連施設を表示する場合、当該物件からの道路距離を明示しなければならず、省略して単に「近し」等と表示することは禁止されています。
- 選択肢 4正解
- 鉄道事業者等の運行主体が新駅の設置及び予定時期を公表している場合は、その予定時期を明示して表示することが認められています。
覚えるポイント
- 成約済みの物件を掲載し続けるとおとり広告となり、説明しても免責されない。
- 新駅表示は、運行事業者が公表している場合に限り予定時期を明記して表示可能である。
間違えやすいところ
- 学校等の施設までの表示で、直線距離や「近し」等の抽象的表現が許容されると誤解しやすい(必ず道路距離を明記する)。
出題の前提:不動産の表示に関する公正競争規約第10条、第15条、同施行規則
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不動産に関する需給・統計動向(地価公示・土地白書・着工統計・宅建業者数)
免除科目(その他業務) · 地価公示 / 土地白書 / 建築着工統計 / 宅地建物取引業者数
土地及び住宅の需給や取引状況に関する次の記述のうち、平成28年版の各種統計データによれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建本試験の統計問題では、試験年度の地価公示、土地白書、建築着工統計、国土交通白書(宅建業者数)の最新数値・トレンド(上昇・下落・横ばい、増加・減少)が問われます。平成28年試験においては、全国の地価が全用途平均で下落から上昇に転じた点が最大のポイントでした。
解き方
- 平成28年公表の各公的統計における主要トレンドを確認する。
- 地価公示において全国平均の全用途平均が下落から上昇に転じ、住宅地の下落幅が縮小したとする記述1を正答と判定する。
- 選択肢 1正解
- 平成28年地価公示において、全国平均の住宅地は下落幅の縮小傾向が続き、全用途平均では8年ぶりに下落から上昇に転じました。
- 選択肢 2不正解
- 平成28年版土地白書によれば、全国の宅地面積(約193万ヘクタール)は近年微増または増加傾向にあり、減少傾向とする点は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 建築着工統計(平成27年分)によれば、分譲住宅のうちマンションは前年比で増加に転じており、2年連続減少ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 平成27年3月末時点の宅建業者数は122,685業者であり、前年3月末(122,504業者)に比べて微増(増加)に転じました。
覚えるポイント
- 平成28年地価公示では、全国全用途平均が8年ぶりに上昇に転じた。
- 全国の宅地面積は長期的に微増傾向にある。
間違えやすいところ
- 宅建業者数が長年減少傾向だったことから「減少した」と即断しやすいが、平成27年3月末は微増に転じている。
出題の前提:平成28年地価公示、平成28年版土地白書、平成27年計建築着工統計、平成27年度国土交通白書
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
土地の性質と各種土砂災害の危険性
土地・建物 · 土地の安全性 / 土砂災害 / 深層崩壊 / まさ土
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
土地の安全性を見極める際は、その地形の成り立ち(成因)を正しく把握することが重要です。崩壊土砂や土石流の堆積によってできた地形は地盤が脆く軟弱であり、集中豪雨等によって同種の災害が再発する可能性が高いため、居住用敷地としては危険性が高いと判断されます。
解き方
- 各選択肢で述べられている地形の特徴や災害リスク(深層崩壊、風化花崗岩であるまさ土、崩壊堆積地形、傾斜角と崩壊頻度)を確認します。
- 土石流や土砂崩壊による堆積地が住宅地として好適か否かを評価し、危険性を過小評価している最も不適当な選択肢を選定します。
- 選択肢 1不正解
- 深層崩壊は表層のみならず基盤岩を含む深部から崩壊する現象であり、巨大な岩塊が滑落して集落等に甚大な被害を及ぼすため記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 花崗岩が風化して生じるまさ土は水を含むと極めて崩れやすく、近年の豪雨に伴う土石流災害等でその危険性が広く認識されているため正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 過去に土石流や土砂崩壊で堆積した場所は地盤が緩く不安定であり、再度の土砂災害を受ける危険性が極めて高いため、住宅地として好適とする本肢は誤り(最も不適当)です。
- 選択肢 4不正解
- 丘陵地や台地縁辺部の斜面崩壊は、山腹の傾斜角が25度を超えると急激に発生頻度が増加することが知られており正しい記述です。
覚えるポイント
- 土石流や土砂崩壊による堆積地形は再度の被災リスクが高く住宅地に不適
- 花崗岩の風化土であるまさ土は豪雨時に崩落しやすく土石流の危険大
間違えやすいところ
- 緩傾斜に見える扇状地や崖錐などの堆積地を安定地盤と過信してしまい安全と誤認するミス
出題の前提:平成28年4月1日現在施行法令および国土交通省・国土地理院等の自然災害知見
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
建築物の構造形式と各種構造の特徴
土地・建物 · 建築物の構造 / 鉄骨造 / 鉄筋コンクリート造 / 鉄骨鉄筋コンクリート造 / ブロック造
建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
建築構造材料の特徴として、鉄骨(鋼材)は引張・曲げに強く靭性に優れ、単位重量あたりの強度が大きいため高層・大空間に適します。一方、コンクリートは圧縮に強いため、鉄筋や鉄骨と併用して剛性と耐震性を両立させる構造計画が行われます。組積造であるブロック造は一体性を確保するために基礎や梁による補強が不可欠です。
解き方
- 各建築構造(鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、ブロック造)の材料力学的特性と耐震上の特徴を整理します。
- 鉄骨造の重量(自重)、靭性、および大空間・高層建築への適用性に関する記述の妥当性を検討し、誤り(不適当なもの)を特定します。
- 選択肢 1正解
- 鉄骨造は自重が比較的小さく(軽く)、靭性(粘り強さ)が大きいため、体育館などの大空間建築や超高層建築に極めて多く採用されており、本肢の記述は誤り(最も不適当)です。
- 選択肢 2不正解
- 鉄筋コンクリート造(RC造)の骨組形式には、柱と梁を剛接合したラーメン構造が広く一般的に用いられており正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、鉄骨の骨組の周囲に鉄筋を組みコンクリートを打設したもので、RC造よりもさらに強度と靭性を高めた構造であり正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 補強コンクリートブロック造では、耐震性を高めるために底部を鉄筋コンクリート布基礎で一体化し、頂部を鉄筋コンクリートの臥梁(がりょう)で連結して固めることが必須とされており正しい記述です。
覚えるポイント
- 鉄骨造は自重が軽く靭性(粘り強さ)が大きいため大空間・高層建築に好適
- ブロック造は布基礎(底部)と臥梁(頂部)で壁体を拘束して耐震性を高める
間違えやすいところ
- 鉄筋コンクリート造の重量感と混同して鉄骨造の自重を重いと勘違いしてしまう誤り
出題の前提:平成28年4月1日現在施行の建築基準法および建築構造力学の基礎知識
出典:不動産適正取引推進機構『2016年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
2016年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2016年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・27ページ)

