令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2008年10月試験の概要
制限行為能力者制度における取消しと同意
権利関係 · 制限行為能力者 / 成年後見 / 保佐 / 詐術
行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
制限行為能力者制度は、判断能力が不十分な者を画一的な基準で保護しつつ、相手方の取引の安全との調和を図る民法の基本ルールです。
解き方
- 各選択肢が対象としている制限行為能力者の類型(成年被後見人、未成年者、被補助人、被保佐人)と行為を確認する。
- 行為の取消可否、同意の要否、詐術による取消権の制限などの民法の明文規定を照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 民法第9条により、成年被後見人の行為は原則取消可能ですが、日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消すことができません。
- 選択肢 2不正解
- 未成年者が婚姻をしたときは成年に達したものとみなされる(成年擬制)ため、単独で有効に法律行為を行え、取り消すことはできません。
- 選択肢 3不正解
- 民法第15条第2項により、本人以外の者の請求によって補助開始の審判をするには、本人の同意が必須とされています。
- 選択肢 4不正解
- 民法第21条により、制限行為能力者が相手方を誤認させるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができなくなります。
覚えるポイント
- 成年被後見人の法律行為は事理弁識能力の有無を問わず取消可能だが、日常生活に関する行為は例外として取り消せない。
間違えやすいところ
- 成年被後見人が一時的に正気に戻って行った行為であっても原則として取り消せる点を見落としやすいです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法の規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の物権変動と対抗要件
権利関係 · 不動産登記 / 虚偽表示 / 解除と第三者 / 強迫と第三者
所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
不動産取引では、登記に公信力がないこと、および意思表示の瑕疵(虚偽表示・解除・強迫)における第三者保護要件の相違を体系的に理解することが不可欠です。
解き方
- 各肢の権利変動事由(書類偽造、通謀虚偽表示、解除後の第三者、強迫による取消し)を特定する。
- 登記の公信力の有無や民法の第三者保護要件(登記の要否、善意・悪意の基準)を当てはめて判定する。
- 選択肢 1正解
- 登記に公信力はないため、登記を信頼して取引した者であっても無権利者からの取得は保護されず、真の所有者AはCに対抗できます。
- 選択肢 2不正解
- 虚偽表示(民法第94条第2項)の善意の第三者は、登記を備えていなくても保護されるため、Aは所有権をDに対して主張できません。
- 選択肢 3不正解
- 解除後の第三者Eと原所有者Aとの関係は対抗関係(民法第177条)に立つため、Aが先に登記を備えなければEに対抗できません。
- 選択肢 4不正解
- 強迫による取消し(民法第96条第1項・第3項)は善意無過失の第三者にも対抗できるため、Fの善意・悪意を問わずAは主張可能です。
覚えるポイント
- 不動産登記に公信力はない。また強迫による取消しは善意の第三者にも対抗できる。
間違えやすいところ
- 虚偽表示の第三者には登記が必要と誤認しやすいですが、94条2項の第三者は登記不要です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
代理権の限界と無権代理人の相続
権利関係 · 自己契約 / 双方代理 / 無権代理 / 相続
AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
代理権のない行為(自己契約・双方代理・無権代理)は原則として効果が帰属しませんが、相続関係の発生によって追認拒絶権の行使が制限される場合があります。
解き方
- 自己契約・双方代理の禁止原則(あらかじめの許諾の有無)を確認する。
- 無権代理人と本人の相続において、「無権代理人が本人を相続」したのか「本人が無権代理人を相続」したのかを判例法理に基づき区別する。
- 選択肢 1不正解
- 自己契約は本人の許諾がない限り無権代理行為となるため、売却の代理権が書面であっても当然には所有権を取得できません。
- 選択肢 2不正解
- 双方代理も本人の許諾等がない限り無権代理行為となるため、Cは当然には甲土地の所有権を取得できません。
- 選択肢 3正解
- 判例により、無権代理人が本人を単独相続した場合は追認拒絶権を行使できず、契約は当然に有効となり相手方Dは所有権を取得します。
- 選択肢 4不正解
- 判例により、本人が無権代理人を単独相続した場合は本人の資格で追認を拒絶できるため、当然に所有権を取得するわけではありません。
覚えるポイント
- 無権代理人が本人を単独相続した場合は当然有効となるが、本人が無権代理人を相続した場合は追認拒絶が可能。
間違えやすいところ
- どちらが死亡してどちらが相続したかによって結論が正反対になる点を取り違えやすいです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
抵当権と賃貸借の対抗力
権利関係 · 抵当権 / 借地借家法 / 対抗要件 / 短期賃貸借
Aは、Bから借り入れた2,000万円の担保として抵当権が設定されている甲建物を所有しており、抵当権設定の後である平成20年4月1日に、甲建物を賃借人Cに対して賃貸した。Cは甲建物に住んでいるが、賃借権の登記はされていない。この場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
抵当権実行による競落人と、任意売却による譲受人とでは賃借人に対する関係が異なります。借地借家法により建物の引渡しがあれば第三者に対抗できます。
解き方
- 建物の引渡しを受けた賃借人Cの対抗力の有無を確認する(借地借家法31条)。
- 抵当権実行(競売)の場合と、通常の任意売却(Fへの譲渡)の場合を区別して検討する。
- 選択肢 1不正解
- 抵当権者Bは賃料債権に物上代位することはできますが、賃貸借契約の当事者ではないためAC間の契約を解除することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 平成15年の民法改正により短期賃貸借の保護制度は廃止されたため、買受人Dに対して短期賃貸借の権利を主張することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 先順位抵当権者Bとの間で抵当権の順位変更の合意および登記を行えば、Eが優先して回収を図る方法があるため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 抵当権が実行されたわけではなく任意売却されたため、建物の引渡しを受けているCは新所有者Fに対して賃借権を対抗できます。
覚えるポイント
- 短期賃貸借保護制度は廃止されており抵当権に対抗できないが、抵当権実行前の一連の任意売却なら引渡しで対抗可能。
間違えやすいところ
- 抵当権が設定されている建物であっても、任意売却された場合は通常の賃貸人地位の承継となり対抗できる点を見落としやすいです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法及び借地借家法の規定並びに判例に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
詐害行為取消権の成立要件と行使方法
権利関係 · 詐害行為取消権 / 債務超過 / 登記請求 / 相当の対価
Aは、Bに対する債権者であるが、Bが債務超過の状態にあるにもかかわらずB所有の甲土地をCに売却し所有権移転登記を経たので、民法第424条に基づく詐害行為取消権(以下この問において「取消権」という。)の行使を考えている。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
詐害行為取消権は、債務者の責任財産を保全して総債権者の引き当てを維持する制度であり、直接自らへの権利移転を請求することは認められません。
解き方
- 詐害行為取消権の被保全債権の要件(履行期到来の要否)と主観的要件(受益者の悪意)を検討する。
- 取消権行使の効果として、不動産登記を債権者自らに直接移転請求できるかという判例法理を適用する。
- 選択肢 1不正解
- 被保全債権は詐害行為の前に発生していれば足り、履行期が到来している必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 民法第424条ただし書により、受益者Cが行為の当時債権者を害することを知らなかった(善意の)ときは取消権を行使できません。
- 選択肢 3不正解
- 不動産を金銭に換価することは消費・隠匿が容易になるため、相当の対価による売却であっても詐害行為となり得ます。
- 選択肢 4正解
- 詐害行為取消権は責任財産を債務者Bに回復させる制度であり、取消債権者Aが直接自己への所有権移転登記を求めることはできません。
覚えるポイント
- 詐害行為取消権では受益者・転得者の悪意が必要であり、登記請求は直接自分ではなく債務者への回復を求める。
間違えやすいところ
- 金銭の引渡しと異なり、不動産の所有権移転登記は自己宛てに直接求めることができない点に注意が必要です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法の規定及び判例に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
連帯債務と連帯保証における事由の効力
権利関係 · 連帯債務 / 連帯保証 / 履行の請求 / 絶対効
AからBとCが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れる場合と、DからEが1,000万円を借り入れ、Fがその借入金返済債務についてEと連帯して保証する場合とに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
当時の民法において、連帯債務の一体性に基づく絶対効事由(請求等)と、連帯保証における付従性および連帯保証人への請求の効力ルールを対比して整理します。
解き方
- 連帯債務(B・C)と連帯保証(主債務者E・連帯保証人F)の各事由(免除、請求、時効、無効)を比較する。
- 履行の請求が連帯債務者双方に及び、連帯保証においても双方に及ぶという当時の規定(旧法第434条、第458条)を適用する。
- 選択肢 1不正解
- 連帯保証人Fに対する免除の効果は主債務者Eには及ばないため、Eが全額の債務を免れるとする点が誤りです。
- 選択肢 2正解
- 当時の民法では連帯債務者の一人への請求は他方に及び、連帯保証人Fへの請求も主債務者Eに及ぶため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 連帯保証人Fについて時効が完成しても主債務者Eには影響しないため、Eが全額の債務を免れるとする点が誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 保証債務の付従性により、主債務DE間の契約が無効であれば保証人Fも債務を負わないため誤りです。
覚えるポイント
- 保証債務には付従性があるため、主債務が無効となれば保証債務も成立せず消滅する。
間違えやすいところ
- 連帯保証人に生じた事由(免除・時効完成)が主債務者に及ぶと誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法の規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
各種契約・地位における注意義務の程度
権利関係 · 善管注意義務 / 自己の財産と同一の注意 / 寄託 / 委任
注意義務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
3
解説
民法上の管理義務には「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」と軽減された「自己の財産と同一の注意義務」の2種類が存在します。
解き方
- 各選択肢の契約関係や地位(賃借人・借主、受任者、受寄者、相続人)における有償・無償の条件を確認する。
- 民法の条文が要求している注意義務のレベル(善管注意義務か自己同一注意義務か)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 使用貸借の借主(無償)も賃借人(有償)も、特定物引渡しの保存義務(民法第400条)に基づき善管注意義務を負います。
- 選択肢 2不正解
- 民法第644条により、委任事務の受任者は有償か無償かにかかわらず善管注意義務を負います。
- 選択肢 3正解
- 無報酬の受寄者は自己の財産と同一の注意で足りますが、有報酬の場合は善管注意義務を負うため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 民法第918条および第940条により、相続人は自己の固有財産におけると同一の注意をもって管理義務を負います。
覚えるポイント
- 委任は無償でも善管注意義務を負うが、寄託は無償のときだけ自己の財産と同一の注意に軽減される。
間違えやすいところ
- 無償の委任と無償の寄託で義務の重さが異なる(委任=善管注意、寄託=自己同一注意)点を取り違えやすいです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法の規定に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
利害関係を有する第三者の弁済と判決文読解
権利関係 · 判決文読解 / 第三者弁済 / 代物弁済 / 弁済供託
弁済に関する次の1から4までの記述のうち、判決文及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。 (判決文) 借地上の建物の賃借人はその敷地の地代の弁済について法律上の利害関係を有すると解するのが相当である。思うに、建物賃借人と土地賃貸人との間には直接の契約関係はないが、土地賃借権が消滅するときは、建物賃借人は土地賃貸人に対して、賃借建物から退去して土地を明け渡すべき義務を負う法律関係にあり、建物賃借人は、敷地の地代を弁済し、敷地の賃借権が消滅することを防止することに法律上の利益を有するものと解されるからである。
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解答
3
解説
法律上の利害関係を有する第三者は債務者の意思に反しても弁済できますが、本来の給付と異なる代物弁済には債権者の承諾が必要です。
解き方
- 判決文から、建物の賃借人が地代の弁済について「法律上の利害関係を有する」ことを読み取る。
- 第三者弁済の要件(民法第474条)および代物弁済の要件(民法第482条)を照らし合わせて誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 判決文により建物賃借人は利害関係人であるため、債務者(借地人)の意思に反しても地代を弁済できます。
- 選択肢 2不正解
- 債権者が受領を拒むときは、弁済者は供託によって債務を消滅させることができます(民法第494条)。
- 選択肢 3正解
- 代物弁済は債権者の承諾が不可欠な契約であるため、土地賃貸人の意思に反して行うことはできず誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 正当な権限に基づく第三者弁済により地代債務は消滅するため、地代不払いを理由に解除することはできません。
覚えるポイント
- 借地上の建物賃借人は地代弁済について法律上の利害関係を有するため、借地人の意に反しても代位弁済できる。
間違えやすいところ
- 利害関係人であっても、債権者の承諾なく一方的に代物弁済することはできない点に注意が必要です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている民法の規定及び判決文に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者が売主となる場合の担保責任
宅建業法 · 自ら売主制限 / 瑕疵担保責任の特約制限 / 民法の担保責任
宅地建物取引業者Aが自ら所有する甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合におけるAの担保責任に関する記述として、民法、宅地建物取引業法及び判例に照らし、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
宅地建物取引業者が自ら売主となり宅建業者でない者が買主となる場合、瑕疵担保責任について引渡しの日から2年以上となる特約を除き民法第570条等より買主に不利な特約は無効とされ、無効時は民法の原則が適用されます。
解き方
- 宅建業法第40条における自ら売主制限と民法の規定との優劣関係を確認する。
- 買主に不利な特約が無効となった場合に民法の原則に戻るという法的効果を各肢に当てはめて正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 一切の担保責任を負わないとする特約は買主に不利で無効となります。無効となった場合は宅建業法の引渡しから2年ではなく民法の原則(知った時から1年)が適用されるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 民法第567条により、抵当権の行使等によって買い受けた不動産の所有権を失った買主は、善意・悪意を問わず売買契約の解除をすることができます。
- 選択肢 3不正解
- 民法第570条・566条の権利行使期間(知った時から1年)は裁判外で権利行使の意思を通知すれば足り、裁判上の訴えを提起することまでは要しないとするのが最高裁判例です。
- 選択肢 4不正解
- 民法第572条により、売主が知っていて告げなかった瑕疵については担保責任を免れる特約を結んでいても免責されず、消滅時効にかかるまで損害賠償請求が可能です。
覚えるポイント
- 宅建業法40条違反の特約は無効となり、民法の原則規定がそのまま適用される。
間違えやすいところ
- 特約が無効になったときに「引渡しから2年」に縮縮されると誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の民法及び宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
建物賃貸借における敷金及び原状回復義務
民法等 · 敷金返還債務 / 原状回復特約 / 物上代位
Aが所有する甲建物をBに賃貸して引き渡し、敷金50万円を受領した場合における民法の規定及び判例に関する記述として、誤っているものはどれか。
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解答
1
解説
敷金は賃料債務その他賃貸借関係から生じる賃借人の債務を担保する金銭であり、明渡し完了時に残額の返還義務が生じます。通常損耗の回復負担特約は要件を満たせば有効と認められます。
解き方
- 通常損耗補修特約の有効性に関する最高裁判例の判断基準を確認する。
- 賃貸人の地位移転、賃借権の譲渡、抵当権の物上代位と敷金充当の関係を各選択肢ごとに検討する。
- 選択肢 1正解
- 通常損耗補修特約は、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が契約書等で具体的に明記され、明確な合意がある場合には有効となります。
- 選択肢 2不正解
- 賃貸中の建物が譲渡されて対抗要件が具備された場合、新所有者は賃借人の承諾なく賃貸人の地位を承継し、敷金返還債務も新所有者に当然に承継されます。
- 選択肢 3不正解
- 賃借権が譲渡された場合、特段の事情のない限り従前の賃借人の敷金返還請求権は新賃借人には当然には承継されず、従前の賃貸借関係で清算されます。
- 選択肢 4不正解
- 抵当権者が物上代位により賃料債権を差し押さえた場合でも、明渡し完了により敷金が未払賃料に当然に充当され、その限度で賃料債権は消滅します。
覚えるポイント
- 通常損耗特約は範囲が契約書等に具体的に明記され明確に合意されていれば有効となる。
間違えやすいところ
- 賃借権の移転時に敷金返還請求権が当然に新賃借人へ移転すると誤認しないよう注意する。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の民法及び最高裁判所判例
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp)
不法行為による損害賠償請求
民法等 · 不法行為 / 慰謝料請求権の相続 / 使用者の求償権 / 法人の名誉毀損
Aが故意又は過失によりBの権利を侵害し損害を生じさせた場合に関する記述として、民法の規定及び判例に照らし、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
不法行為において被害者が即死した場合でも観念的な一瞬に慰謝料請求権が発生して相続され、正当防衛は免責事由となり、使用者は相当と認められる限度で被用者に求償できます。
解き方
- 各肢における不法行為の成立要件、相続、正当防衛、使用者責任の原則を確認する。
- 法人に対する名誉毀損における無形の損害賠償請求の可否に関する判例法理を検討する。
- 選択肢 1不正解
- 被害者が即死した場合であっても、死亡の一瞬に慰謝料請求権を取得し、それが相続人に相続されるというのが最高裁判例の確立した見解です。
- 選択肢 2不正解
- 民法第720条第1項により、他人の不法行為に対し自己又は第三者の権利を防衛するためやむを得ず加害行為をした場合(正当防衛)、損害賠償責任そのものを負いません。
- 選択肢 3不正解
- 使用者責任(民法第715条3項)により使用者は被用者に求償できます。信義則上相当と認められる限度に制限されるものの、一切求償できないわけではありません。
- 選択肢 4正解
- 法人は精神的苦痛を感じないとしても、名誉毀損によって信用低下等の無形の損害を受けたときは、金銭評価が可能な損害として損害賠償請求が認められます。
覚えるポイント
- 法人の名誉毀損でも無形の財産的損害について金銭評価による損害賠償請求が可能である。
間違えやすいところ
- 即死の場合に慰謝料請求権が発生せず相続されないと誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の民法及び最高裁判所判例
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
相続と遺留分減殺請求
民法等 · 相続 / 遺留分 / 遺留分の放棄 / 遺留分減殺請求
子BとCを相続人とするAが「全資産をCに相続させる」旨の有効な遺言を残した場合におけるBの遺留分に関する記述として、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
遺留分を侵害する遺言も当然に無効とはならず減殺請求の対象となります。被相続人の生前の遺留分放棄には家庭裁判所の許可が必要であり、受遺者から価額弁償が選択できますが遺留分子側から金銭弁償請求はできませんでした。
解き方
- 遺留分侵害の遺言の効力および生前の遺留分放棄の要件(家庭裁判所の許可)を確認する。
- 登記後の遺留分減殺請求の可否、および価額弁償の請求権者が誰であるかを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 遺留分を侵害する遺言であっても当然に無効となるわけではなく、遺留分権利者が減殺請求権を行使することによって初めてその効力を失わせることができます。
- 選択肢 2不正解
- 相続開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けなければその効力を生じません。当事者への直接の書面通知だけでは無効です。
- 選択肢 3正解
- 遺言により受遺者に所有権移転登記がなされた後であっても、消滅時効等にかからない限り、遺留分権利者は遺留分減殺請求を行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- 減殺を受ける受遺者又は受贈者は目的物の価額を弁償して目的物の返還を免れることができますが、遺留分権利者の側から初めから金銭弁償を請求することはできません。
覚えるポイント
- 相続開始前の遺留分放棄には必ず家庭裁判所の許可が必要である。
間違えやすいところ
- 遺留分侵害の遺言が自動的に無効になると混同しないようにする。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の民法(平成30年相続法改正前の規定)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp)
土地賃貸借における民法と借地借家法の比較
民法等 · 借地借家法 / 土地賃貸借 / 対抗要件 / 更新の推定・擬制
A所有の甲土地を平置き駐車場用地としてBに貸す場合(民法適用)と、建物所有目的でCに貸す場合(借地借家法適用)に関する記述として、民法及び借地借家法に照らし、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
建物の所有を目的としない土地賃貸借には民法が適用され対抗要件は賃借権登記です。一方、建物所有目的の借地には借地借家法が適用され、借地上の登記ある建物により第三者対抗要件が備わります。
解き方
- 平置き駐車場(建物所有目的外=民法適用)と建物所有目的借地(借地借家法適用)の適用法規を切り分ける。
- 存続期間、更新の効力、解約申入れ、第三者対抗要件の相違点を精査する。
- 選択肢 1不正解
- 当時の民法上の賃貸借期間の上限は20年であるため60年の約定は無効(20年に短縮)です。一方、借地借家法では当初期間を50年超(例えば60年)と合意することも有効です。
- 選択肢 2不正解
- 民法第619条第1項により、期間満了後も賃借人が使用を継続し賃貸人が異議を述べないときは従前の契約と同一条件で更新したものと推定されます。
- 選択肢 3不正解
- 民法上、期間の定めのない土地賃貸借は各当事者がいつでも解約申入れができ、1年の経過は不要です。また借地借家法では期間の定めのない借地権は存続期間30年と定まり満了まで解約できません。
- 選択肢 4正解
- 民法上の賃借権は登記がなければ第三者に対抗できませんが、借地借家法第10条により借地権者が借地上に登記建物を所有していれば土地の譲受人に対抗できます。
覚えるポイント
- 借地上の自己名義登記建物があれば、借地権自体の登記がなくても土地譲受人に対抗できる。
間違えやすいところ
- 民法の賃貸借には更新の推定規定(民法619条)が存在しないと誤認しないようにする。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の民法及び借地借家法
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
定期建物賃貸借の成立要件と終了通知
民法等 · 借地借家法 / 定期建物賃貸借 / 事前説明書面 / 契約終了通知
借地借家法第38条の定期建物賃貸借に関する記述として、民法及び借地借家法に照らし、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
定期建物賃貸借(借地借家法38条)は書面によって契約し、かつ事前に更新がない旨の書面交付・説明を要します。期間1年以上の場合の終了通知義務や、一定規模以下の居住用における借家人からの中途解約権が定められています。
解き方
- 定期建物賃貸借の利用要件、事前説明手続き、期間終了通知義務を確認する。
- 居住用建物の借家人による中途解約権の対象となる床面積要件(200㎡未満)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 定期建物賃貸借にそのような限定事由はありません。選択肢の記載は良質賃貸住宅等の転勤等に伴う期限付き賃貸借(現行の借地借家法38条7項等)と混同しています。
- 選択肢 2不正解
- 公正証書等の書面で契約する場合であっても、契約締結に先立って「更新がなく期間満了により終了する」旨を記載した別個の書面を交付して説明しなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 期間1年以上の定期建物賃貸借では、賃貸人は期間満了の1年前から6か月前までの間に終了通知をしなければ、期間満了による終了を賃借人に対抗できません。
- 選択肢 4不正解
- やむを得ない事情による賃借人からの中途解約申入れが認められるのは、床面積が200平方メートル未満の居住用建物に限られます。「規模にかかわりなく」とする点が誤りです。
覚えるポイント
- 1年以上の定期建物賃貸借では期間満了の1年前から6か月前までの終了通知が必要。
間違えやすいところ
- 公正証書で契約しても事前説明書面の交付・説明が免除されるわけではない点に注意する。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の借地借家法第38条
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(管理組合・集会等)
区分所有法等 · 区分所有法 / 管理者 / 集会の招集 / 規約の保管
建物の区分所有等に関する法律に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
区分所有法において、管理者は毎年少なくとも1回集会を招集する義務を負い、集会の招集手続省略には全員の同意が必要です。管理者の選任・解任は規約に別段の定めがない限り集会決議で行われます。
解き方
- 管理者の招集義務回数(年1回以上)及び招集手続省略の要件(全員の同意)を確認する。
- 管理者の選退任方法および管理者がいない場合の規約保管者の要件を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有法第34条第2項により、管理者は「毎年少なくとも1回」集会を招集しなければなりません。「毎年2回」とする部分が誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 区分所有法第36条により、招集の手続を経ないで集会を開くには「区分所有者全員の同意」が必要であり、4分の3以上の多数の同意では開くことができません。
- 選択肢 3正解
- 区分所有法第25条第1項により、規約に別段の定めがない限り、集会の普通決議によって管理者を選任し、又は解任することができます。
- 選択肢 4不正解
- 管理者がいないときは「建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるもの」が保管します。「理事会」の決議で定めることはできません。
覚えるポイント
- 招集手続の省略は「全員の同意」が必要であり、多数決では行えない。
間違えやすいところ
- 通常総会の招集頻度は年1回以上であり、年2回以上と誤認しないようにする。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記法における登記申請および合筆制限
不動産登記法 · 不動産登記法 / 仮登記 / 単独申請 / 合筆の登記の制限
不動産の登記の申請に関する記述として、不動産登記法に照らし、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産登記は共同申請が原則ですが、仮登記権利者は登記義務者の承諾書(印鑑証明書付)があるとき等は単独申請が可能です。また合筆登記は所有者・持分・地目等が合致していなければ申請できません。
解き方
- 仮登記の申請要件(単独申請の特例)を確認する。
- 仮登記に基づく本登記における利害関係人の承諾、および土地合筆登記が制限される事由を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産登記法第109条第1項により、所有権の仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者があるときはその承諾がなければ申請できません。
- 選択肢 2正解
- 不動産登記法第107条第1項により、仮登記義務者の承諾があるとき(又は仮登記を命ずる処分があるとき)は、仮登記権利者が単独で申請することができます。
- 選択肢 3不正解
- 不動産登記法第41条第2号により、所有権の登記名義人が同一であっても持分が相互に異なる土地の合筆登記は申請することができません。
- 選択肢 4不正解
- 不動産登記法第41条第4号により、地目が相互に異なる土地の合筆の登記は申請することができません。
覚えるポイント
- 仮登記義務者の承諾があれば、仮登記権利者は単独で仮登記を申請できる。
間違えやすいところ
- 所有権仮登記の本登記には利害関係第三者の承諾が必要であるが、仮登記申請段階の単独申請特例と混同しないようにする。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の不動産登記法
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法における事後届出の要否
法令上の制限 · 国土利用計画法 / 事後届出 / 面積要件 / 適用除外
国土利用計画法第23条に基づく都道府県知事への届出(事後届出)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
国土利用計画法の事後届出は、一定規模以上の土地売買等の対価を伴う契約を締結した際に、権利取得者が知事に届け出る制度です。面積要件は市街化区域2,000㎡以上、市街化調整区域等のその他都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上であり、当事者の一方が国・地方公共団体等の場合や相続等の対価を伴わない移転は届出対象外となります。
解き方
- 取引の対象となる土地の所在地域と面積から届出対象規模に該当するかを判定する。
- 取引態様(売買か相続等か)および契約当事者(国や地方公共団体が含まれるか)から適用除外に当たるかを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 市街化区域内の土地取引で事後届出が必要となる面積基準は2,000㎡以上であるため、1,500㎡の土地の売買では事後届出を行う必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 当事者の一方が国や地方公共団体等である場合(本肢では甲市が売主)には、面積にかかわらず国土利用計画法の事後届出は適用除外となり不要です。
- 選択肢 3正解
- 市街化調整区域内の面積要件は5,000㎡以上であるため、6,000㎡の売買契約を締結した買主Eは、契約締結日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 事後届出の対象となるのは対価を得て行われる土地売買等の契約であり、相続による土地の取得は対価を伴う契約に該当しないため届出は不要です。
覚えるポイント
- 事後届出の面積基準は、市街化区域2,000㎡以上、その他の都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上です。
間違えやすいところ
- 当事者の一方が国・地方公共団体の場合は届出が免除される点や、相続・遺贈・収用など契約によらない取得は届出不要である点を見落としがちです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている国土利用計画法第23条の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における開発・事業等の規制
法令上の制限 · 都市計画法 / 都市計画施設等の区域内の建築規制 / 都市計画事業の認可 / 地区計画
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
都市計画法では、都市計画施設等の区域内における建築制限(53条)、事業認可後の事業地内における建築等の制限(65条)や土地建物等の先買い届出(67条)、地区計画区域内における行為の届出および不適合時の市町村長による勧告(58条の2)など、各段階における規制手段と手続き権限者を明確に定めています。
解き方
- 各肢の手続きが「許可」「届出」「同意」のいずれを要するか、権限者が「知事」か「施行者」か「市町村長」かを確認する。
- 事業認可告示後の先買いの届出時期が「事前」か「事後」かを照合する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画施設の区域等内において建築物の建築をしようとする者は、都道府県知事(指定都市等ではその長)の「許可」を受けなければならず、「届出」ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 都市計画事業の認可の告示後、事業地内における土地の形質の変更や建築等は、「施行者の同意」ではなく「都道府県知事等の許可」を受けなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、譲渡の後ではなく、あらかじめ(事前に)施行者にその旨を届け出なければなりません。
- 選択肢 4正解
- 地区整備計画が定められた地区計画区域内において、届出に係る行為が地区計画に適合しない場合、市町村長は設計の変更等の必要な措置をとることを勧告できます。
覚えるポイント
- 都市計画施設等の区域内建築は知事の「許可」、事業認可後の有償譲渡は施行者への「事前の届出」、地区計画の不適合時は市町村長による「勧告」です。
間違えやすいところ
- 都市計画事業認可後の有償譲渡の届出が事前届出であるにもかかわらず、事後届出と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている都市計画法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法における開発許可制度
法令上の制限 · 都市計画法 / 開発許可 / 公共施設管理者との協議同意 / 敷地面積の最低限度 / 違反是正命令
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
都市計画法第32条により、開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議しその同意を得る必要があります。開発許可後の工事中ではなく申請前であることが重要です。
解き方
- 公共施設管理者との協議・同意を行う法定期限(申請前か許可後か)を確認する。
- 他の選択肢(未同意者の権利行使、違反建築物の承継人への監督処分、条例による敷地面積最低限度規制)の法令適合性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法第43条等の規定により、開発許可に同意していない土地所有者は、自らの権利の行使として建築物の建築等をすることが妨げられません。
- 選択肢 2正解
- 開発行為に関係がある公共施設の管理者との協議および同意は、開発許可を「申請しようとするときにあらかじめ」得ておく必要があり、許可取得後ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画法第81条第1項により、違反行為者のみならず、違反の事実を知ってその建築物を承継(購入等)した者に対しても除却等の命令を行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画法第33条第4項に基づき、地方公共団体は条例で敷地面積の最低限度を定めることができ、その基準を満たさない開発行為は許可を受けることができません。
覚えるポイント
- 開発行為に関係がある公共施設の管理者とは「協議し、同意」が必要であり、時期は「開発許可の申請前(あらかじめ)」です。
間違えやすいところ
- 関係公共施設管理者との「同意」と、管理することとなる公共施設管理者との「協議」の区別、およびその実施時期(申請前)を混同しがちです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている都市計画法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における建ぺい率及び容積率の計算規制
法令上の制限 · 建築基準法 / 建ぺい率 / 容積率 / 特定道路緩和 / 共用部分の床面積不算入
建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(以下この問において「建ぺい率」という。)及び建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下この問において「容積率」という。)に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
建築基準法第52条第6項により、共同住宅等の共用の廊下や階段の床面積は、容積率の算定において延べ面積に算入されません(上限なし)。一方、地階の住宅等の用途に供する部分や自動車車庫等には延べ面積に対する一定割合(3分の1や5分の1)の不算入限度が定められています。
解き方
- 共同住宅の共用廊下・階段部分の容積率算定における床面積不算入の限度額(制限の有無)を確認する。
- 建ぺい率80%地域かつ防火地域内の耐火建築物の特例、特定道路による容積率緩和規定、壁面線の指定による建ぺい率緩和の各条文を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 建ぺい率の限度が80%とされている地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率の制限が適用されず100%となります。
- 選択肢 2不正解
- 特定道路(幅員15m以上)から70m以内の幅員6m以上12m未満の道路に接する敷地では、一定の計算式に基づき前面道路の幅員を加算して容積率を算定できます。
- 選択肢 3正解
- 共同住宅の共用の廊下や階段部分の床面積は、延べ面積の3分の1を限度とするのではなく、限度なくその全床面積が容積率算定の延べ面積に算入されません。
- 選択肢 4不正解
- 隣地境界線から後退した壁面線の指定がある敷地で、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可した建築物は、その許可の範囲内で建ぺい率が緩和されます。
覚えるポイント
- 共同住宅のエレベーターホール・共用廊下・階段部分は容積率算定の延べ面積に全部不算入(限度なし)です。3分の1限度は住宅の地階などです。
間違えやすいところ
- 共同住宅の共用廊下・階段の床面積不算入と、住宅の地階の不算入限度(敷地内建築物の住宅用途延べ面積の3分の1を限度)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている建築基準法第52条および第53条の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における用途規制・高さ制限
法令上の制限 · 建築基準法 / 用途地域 / 用途規制 / 北側斜線制限 / 特殊建築物の敷地制限
建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、用途地域以外の地域地区等の指定及び特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
建築基準法別表第2の用途規制において、床面積10,000㎡超の大規模店舗等の集客施設は、工業地域では建築が禁止されていますが、準工業地域では建築が認められています。また、北側斜線制限などの高さ制限は、敷地が複数地域にまたがる場合、過半主義によらず各地域内の部分ごとにそれぞれ適用されます。
解き方
- 10,000㎡超の大規模店舗が準工業地域および工業地域で建築可能かを用途規制表から判断する。
- カラオケボックスの建築可能地域、複数地域にわたる敷地の斜線制限の適用関係、火葬場の用途地域規制の適用を検討する。
- 選択肢 1正解
- 床面積10,000㎡を超える店舗は、準工業地域では建築可能ですが、工業地域では10,000㎡以下のものに限られるため20,000㎡の店舗は建築できません。
- 選択肢 2不正解
- カラオケボックスは第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域等で建築できますが、第一種住居地域では建築できません。
- 選択肢 3不正解
- 建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合、北側斜線制限等の高さ制限は過半主義が適用されず、第一種中高層住居専用地域内にある部分には北側斜線制限が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 火葬場は都市計画法・建築基準法第51条に基づく都市計画決定等の手続が必要であると同時に、別表第2の用途地域の制限も受けるため、第一種中高層住居専用地域では原則として建築できません。
覚えるポイント
- 10,000㎡超の店舗は商業・近隣商業・準工業地域でのみ建築可能です。斜線制限(高さ制限)は敷地過半主義が適用されず、地域ごとに適用されます。
間違えやすいところ
- 用途規制は「敷地の過半が属する地域の規定」が適用されますが、高さ制限や防火規制は過半主義ではなく敷地の各部分や最も厳しい規定が適用される点と混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている建築基準法第48条および第56条の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法における工事の許可・届出及び保全措置
法令上の制限 · 宅地造成等規制法 / 宅地造成の定義 / 擁壁の除却届出 / 立入調査 / 勧告
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地造成工事規制区域内において、許可を要しない一定の工事(高さ2mを超える擁壁の除却工事など)を行う場合は、都道府県知事への事前の届出が必要とされ、その届出期限は「工事に着手する日の14日前まで」と定められています。
解き方
- 高さ3mの擁壁除却工事が届出対象行為に該当するかを確認する。
- その届出の期限が着手前のいつまでに設定されているか(14日前)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 宅地以外の土地を宅地にするための切土で高さ2mを超えるがけを生じるものは宅地造成に該当し、都市計画法の開発許可を受けた場合を除き知事の許可が必要です。
- 選択肢 2正解
- 高さ2mを超える擁壁の除却工事の届出期限は、工事に着手する日の「前日」ではなく、「14日前まで」です。
- 選択肢 3不正解
- 知事またはその命じた者等は、規制区域や防災区域の指定のための測量・調査に必要な限度において、他人の土地に立ち入ることができます。
- 選択肢 4不正解
- 知事は造成宅地防災区域内の宅地について、災害防止のため必要があるときは、所有者だけでなく管理者や占有者に対しても擁壁等の設置等の措置を勧告できます。
覚えるポイント
- 宅地造成工事規制区域内の届出(擁壁除却、宅地転用等)の期限は「工事に着手する日の14日前まで」です。転用届出は「転用した日から14日以内」です。
間違えやすいところ
- 工事に着手する前の届出(14日前まで)と、宅地への転用等工事を伴わない事後届出(14日以内)の期限設定の違いに注意しましょう。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている宅地造成等規制法第15条第2項等の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法における仮換地指定の効力と手続
法令上の制限 · 土地区画整理法 / 仮換地指定 / 土地区画整理審議会 / 仮清算金 / 従前の宅地の管理
土地区画整理法における仮換地指定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
土地区画整理法において、土地区画整理審議会は公的施行の場合に設置され、仮換地指定の際に意見を聴く必要があります。一方、民間施行である土地区画整理組合が施行者の場合は審議会自体が存在せず、あらかじめ総会等の同意や規約で定めた総代会の議決等を経ることとされています。
解き方
- 仮換地指定を行う施行者が「土地区画整理組合」であることを確認する。
- 土地区画整理審議会の設置対象が誰であるか(公的施行)を想起し、組合施行の場合の手続きと照合する。
- 選択肢 1正解
- 土地区画整理審議会は公的機関が施行する場合に設置されるものであり、土地区画整理組合施行の場合には設置されないため、審議会の意見を聴く必要はありません(総会の同意等を要します)。
- 選択肢 2不正解
- 施行者は、仮換地を指定した場合において必要があると認めるときは、換地計画決定前に仮清算金を徴収し、又は交付することができます。
- 選択肢 3不正解
- 仮換地が指定されると、指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、従前の宅地の権利者は仮換地を使用・収益することができます。
- 選択肢 4不正解
- 仮換地の指定等により使用収益権者のいなくなった従前の宅地は、換地処分の公告がある日まで施行者が管理します。
覚えるポイント
- 土地区画整理審議会が置かれるのは「公的施行(都道府県、市町村、機構等)」のみであり、組合施行や個人施行には置かれません。
間違えやすいところ
- 仮換地が指定されても「従前の宅地の所有権」は移転せず、換地処分の公告の日の翌日に移転する点と、使用収益権の移行とを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている土地区画整理法の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
農地法における権利移動及び転用の許可要件
法令上の制限 · 農地法 / 第3条 / 第4条 / 第5条 / 一時的転用 / 市街化区域の特例
農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
農地法上の「農地」の判断は登記簿上の地目にかかわらず「現況」で判断されます。また、一時的な転用であっても農地を農地以外の用途に供するために権利を取得・設定する場合は法第5条第1項の許可が必要です。さらに農業委員会への届出で足りる特例は市街化区域内農地のみに認められています。
解き方
- 農地性の判定基準(登記簿地目ではなく現況主義)を確認する。
- 一時的転用の権利移動に5条許可が必要かどうかを確認する。
- 市街化調整区域と市街化区域における許可と届出の違いを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 農地法上の農地であるかは登記簿の地目ではなく現況で判断されるため、現況が農地であれば駐車場にするための取得には法第5条の許可が必要です。
- 選択肢 2正解
- 将来農地に復元して返還する一時的な転用目的であっても、農地以外のものにするために賃借する行為は法第5条第1項の許可を受けなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- あらかじめ農業委員会への届出で済む特例は「市街化区域内」の農地に限られ、市街化調整区域内の農地を転用する場合は知事等の法第4条許可が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 市街化区域内の農地を転用目的で取得する場合、あらかじめ農業委員会に「届出」をすれば足り、許可を受ける必要はありません。
覚えるポイント
- 農地の定義は現況主義であり、一時的転用であっても4条・5条の許可が必要です。農業委員会への事前の「届出」特例があるのは市街化区域内農地のみです。
間違えやすいところ
- 市街化区域内の届出特例を市街化調整区域にも適用できると誤解しないようにしましょう。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行されている農地法第2条・第4条・第5条の規定に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
土地利用規制・諸法令の制限
法令上の制限 · 自然公園法 / 土壌汚染対策法 / 密集市街地法 / 急傾斜地崩壊防止法
土地の利用規制等に関する次の記述のうち、諸法令の規定によれば誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産に関する諸法令では、協定の承継効(自然公園法)、区域指定に伴う届出義務(土壌汚染対策法)、1人協定の効力発生要件(密集市街地法)、危険区域内の行為制限(急傾斜地崩壊防止法)などの基本要件が正確に問われます。
解き方
- 各選択肢が根拠としている個別法令の要件および効力発生要件を照合する。
- 密集市街地法における1人協定が認可の日から直ちに効力を生じるのか、それとも土地所有者が複数になった時点から効力を生じるのかを確認して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 自然公園法第46条により、公告がなされた風景地保護協定は、公告後に区域内の土地所有者となった特定承継人に対しても効力が及びます。
- 選択肢 2不正解
- 土壌汚染対策法第9条により、指定区域の指定時に既に土地の形質の変更に着手している者は、指定の日から起算して14日以内に都道府県知事に届け出る必要があります。
- 選択肢 3正解
- 密集市街地法第33条等によれば、土地所有者が1人のみで定める避難経路協定は認可の日から直ちに効力を生じるのではなく、3年以内に2人以上の土地所有者となった時から効力を生じます。
- 選択肢 4不正解
- 急傾斜地崩壊防止法第2条及び第7条により、傾斜度30度以上の土地が急傾斜地とされ、危険区域内での土石の集積等の行為は原則として都道府県知事の許可が必要です。
覚えるポイント
- 密集市街地法等の1人協定は、認可時点で直ちに効力が発生するのではなく、将来2人以上になった時から効力を生じる点に注意が必要です。
間違えやすいところ
- 自然公園法の風景地保護協定や建築基準法の建築協定などの承継効と、1人協定の効力発生時期の仕組みを混同しやすいです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の自然公園法、土壌汚染対策法、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
譲渡所得の課税区分と計算
税法 · 所得税法 / 譲渡所得 / 総合課税 / 取得費 / 特別控除
所得税法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税における譲渡所得では、土地建物等の分離課税と機械等の総合課税で長期・短期の判定基準日が異なること、取得費の範囲、50万円の特別控除の控除順序、低額譲渡時の損失の取扱いが明確に定められています。
解き方
- 総合課税の譲渡所得の長期・短期の判定日(譲渡日時点)を確認する。
- 取得費に含まれる費用(購入代金・手数料・設備費・改良費)を確認する。
- 総合課税の50万円特別控除の順序(短期譲渡から先に控除)を確認する。
- 個人に対する著しい低額譲渡(時価の2分の1未満)によって生じた損失の取扱い(損失はなかったものとみなす)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 総合課税の譲渡所得における長期・短期の区分は、土地建物等とは異なり「譲渡の日」において所有期間が5年を超えているかどうかで判定します。
- 選択肢 2不正解
- 譲渡資産の取得費には、取得時に支出した購入代金や購入手数料だけでなく、取得後に支出した設備費や改良費の額も含まれます。
- 選択肢 3不正解
- 総合課税の譲渡所得の特別控除(50万円)は、まず「短期譲渡所得」から先に控除し、残額があれば「長期譲渡所得」から控除します。
- 選択肢 4正解
- 個人に対し時価の2分の1未満の著しい低額で譲渡し損失が生じた場合、その損失は譲渡所得の金額の計算上ないものとみなされます(所得税法第59条第2項)。
覚えるポイント
- 総合課税の譲渡所得特別控除(最大50万円)は「短期」から先に引き、残りを「長期」から引きます。
間違えやすいところ
- 土地建物(分離課税)の長期・短期判定基準(1月1日現在で5年超)と、総合課税の機械等の判定基準(譲渡日時点で5年超)を混同しがちです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の所得税法第33条、第38条、第59条
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp)
印紙税の課税・非課税・消印
税法 · 印紙税法 / 記載金額 / 非課税文書 / 消印の方法 / 国等の作成文書
印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
印紙税法では、金銭の受取書は後日返還予定であっても課税文書となること、消印は代理人や従業員の印章・署名でも有効であること、契約金額を減額する変更契約書は記載金額のない文書として課税されること、国と民間が共同作成した文書で民間が保存するものは国が作成したとみなされ非課税となることが規定されています。
解き方
- 返還義務のある敷金の領収証が印紙税の課税対象(売上代金以外の金銭受取書等)になるかを確認する。
- 印紙の消印における代理人・従業者の印章や署名の有効性を判断する。
- 契約金額を減額する変更契約書が「記載金額のない文書」として課税されるかを確認する。
- 国等と民間が作成する契約書において、民間側が保存する文書の非課税扱い(国が作成した文書とみなす規定)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 敷金は将来返還される予定のものであっても、金銭を受領した事実を証する受取書(第17号文書)に該当するため、原則として印紙税が課税されます。
- 選択肢 2不正解
- 消印は契約当事者本人だけでなく、その代理人や使用人・従業者の印章または署名によって行っても有効な消印となります。
- 選択肢 3不正解
- 減額する金額のみ又は減額後の金額が記載された変更契約書は「契約金額のない文書」として取り扱われ、200円の印紙税が課税されます。
- 選択肢 4正解
- 国と民間企業(A社)が共同作成した場合、A社が保存する契約書は国が作成したものとみなされ、印紙税法第5条により非課税となります。
覚えるポイント
- 国等と民間企業が共同で文書を作成した場合、民間企業が保存する文書は「国が作成した文書」とみなされて非課税になります。
間違えやすいところ
- 金額を減額する変更契約書は非課税になると勘違いしやすいですが、「記載金額のない文書」として200円が課税されます。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の印紙税法第5条、第8条、別表第一
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
固定資産税の納税義務者と制度
税法 · 地方税法 / 固定資産税 / 使用者課税 / 免税点 / 固定資産評価基準
固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
固定資産税は毎年1月1日現在の固定資産の所有者に課されるのが原則ですが、所有者不明の場合の使用者課税、同一市町村内での合算による免税点判定、総務大臣が告示する評価基準、課税台帳の縦覧期間などが定められています。
解き方
- 所有者所在不明時の使用者課税(地方税法第343条第4項)の規定を確認する。
- 土地の免税点(同一市町村内に同一人が所有する土地の課税標準額合計が30万円未満)の単位を確認する。
- 固定資産評価基準を定める主体(総務大臣)を確認する。
- 固定資産課税台帳の登録期日や縦覧期間の終了日要件を確認する。
- 選択肢 1正解
- 所有者の所在が震災・風水害・火災等により不明な場合は、その使用者を所有者とみなして課税台帳に登録し、固定資産税を課すことができます。
- 選択肢 2不正解
- 土地の免税点(30万円)は一筆ごとではなく、「同一市町村内に同一人が所有する土地の課税標準額の合計額」で判定されます。
- 選択肢 3不正解
- 固定資産評価基準を定めて告示するのは「都道府県知事」ではなく「総務大臣」です。
- 選択肢 4不正解
- 縦覧期間は4月1日から4月20日又は当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日「まで」とされており、「遅い日以後の日までの間」とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 固定資産税の免税点(土地30万円・家屋20万円・償却資産150万円)は、同一人が同一市町村内に所有する合計額で判断します。
間違えやすいところ
- 固定資産評価基準を告示するのは総務大臣ですが、都道府県知事や市町村長と入れ替える引っかけが頻出です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の地方税法第343条、第351条、第388条、第415条
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の鑑定評価の手法と価格の種類
価格の評定 · 不動産鑑定評価基準 / 原価法 / 収益還元法 / 特殊価格 / 特定価格
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
不動産鑑定評価基準では、価格を求める手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)の原則三手法併用、原価法における造成地の熟成度の加算、各種価格(正常価格・限定価格・特定価格・特殊価格)の定義、自用不動産を含む収益還元法の適用対象が定められています。
解き方
- 鑑定評価の手法適用の原則(三手法すべてを併用するのが原則)を確認する。
- 土地の原価法適用における「熟成度」の加算の可否を確認する。
- 「特殊価格」と「特定価格」の定義の違いを照合する。
- 自用の住宅地に対する収益還元法の適用の可否(賃貸を想定して適用可能)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 鑑定評価に当たっては、原則として三手法のすべてを併用すべきとされており、「少なくとも二つを選択して適用」とする記述は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 公共施設等の整備等により環境の変化が価格水準に影響を与えていると認められる場合、地域要因の変化の程度に応じた増加額を「熟成度」として加算できます。
- 選択肢 3不正解
- 記述の内容は「特定価格」の定義です。「特殊価格」とは、文化財等の市場性を有しない不動産についてその経済価値を表示する価格をいいます。
- 選択肢 4不正解
- 収益還元法は賃貸用不動産だけでなく、自用の住宅地を含む自用不動産であっても賃貸を想定することにより広く適用すべきものとされています。
覚えるポイント
- 不動産鑑定評価では原則として三手法すべてを併用し、自用住宅地であっても収益還元法は適用されます。
間違えやすいところ
- 特定価格(法令等の要請で正常価格の前提を満たさない価格)と特殊価格(文化財など市場性がない不動産の価格)の定義の取り違えに注意が必要です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の不動産鑑定評価基準
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅建業者・取引士の登録と免許換え
宅建業法 · 宅地建物取引主任者 / 登録の移転 / 主任者証 / 免許換え / 廃業届
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しい内容のものはどれか。
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解答
3
解説
宅建業法において、取引士登録は試験合格地の知事に行うこと、登録移転時は移転先知事からの主任者証交付を受ける必要があること、事務所の所在地変更に伴う免許区分変更は免許換え申請により行い廃業届を行わないことなどが規定されています。
解き方
- 取引主任者(取引士)の登録申請先が「試験を受けた都道府県知事」であるかを確認する。
- 登録移転後の主任者証(宅建士証)が移転先の知事から新たに交付される必要があるかを確認する。
- 大臣免許から1県のみの知事免許へ移行する場合の免許換えの手続きを確認する。
- 知事免許から他県知事免許への移転時に廃業届を出すべきか(廃業届ではなく免許換え申請のみを行う)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 資格登録の申請は、転居先の知事ではなく、試験に合格した都道府県知事(甲県知事)に対して行わなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 登録の移転をした場合、移転前の主任者証は効力を失うため、移転先の乙県知事から新たな主任者証の交付を受ける前に事務を行うことはできません。
- 選択肢 3正解
- 複数都道府県に事務所を置いていた大臣免許業者が、事務所を甲県内のみに集約する場合は、甲県知事に対して免許換えの申請を行わなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 他の都道府県にのみ事務所を設置する場合は「免許換えの申請」を行うのであって、甲県知事に「廃業の届出」をする必要はありません(廃業届を出すと業者としての地位を失ってしまいます)。
覚えるポイント
- 免許換えの手続きにおいて廃業届を出す必要はありません。廃業届を出すと無免許になってしまいます。
間違えやすいところ
- 取引士登録は引越し先ではなく「試験を受けた都道府県知事」に対して行うという初歩的要件を見落とさないように注意しましょう。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第7条、第18条、第19条の2、第22条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許基準と欠格事由
宅建業法 · 免許の基準 / 欠格事由 / 役員の欠格 / 破産者と復権 / 刑罰
宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業法第5条において、役員が欠格事由(禁錮以上の刑、一定の罪による罰金以上の刑、破産者で復権を得ないものなど)に該当する場合、法人は免許を受けることができず、就任した場合は免許取消処分となります。執行猶予期間満了後は直ちに免許を受けられます。
解き方
- 道路交通法違反による懲役刑(執行猶予中)が欠格事由に該当するか(禁錮以上は罪名を問わず執行猶予中も欠格)を確認する。
- 破産者で復権を得ている者が欠格事由に該当するかを確認する。
- 刑法犯での「科料」が欠格事由に該当するか(対象は罰金以上)を確認する。
- 執行猶予期間が満了した者について、満了後5年を待つ必要があるか(猶予満了により直ちに欠格事由でなくなる)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 道路交通法違反であっても禁錮以上の刑(懲役刑)に処せられた場合、執行猶予期間中は欠格事由に該当するため、役員就任によりA社の免許は取り消されます。
- 選択肢 2正解
- 破産者であっても既に復権を得ていれば欠格事由に該当しないため、その者が役員に就任してもB社の免許が取り消されることはありません。
- 選択肢 3不正解
- 現場助勢罪等の一定の刑法犯により欠格事由となるのは「罰金以上の刑」に処せられた場合であり、「科料」に処せられた場合は欠格事由になりません。
- 選択肢 4不正解
- 懲役刑に処せられても執行猶予期間が満了した場合は刑の言渡しの効力が失われるため、満了の日から5年を経過しなくても直ちに免許を受けることができます。
覚えるポイント
- 執行猶予が付いた場合、猶予期間中は欠格事由ですが、期間が無事に満了すればその翌日から直ちに免許を受けられます(5年待つ必要はありません)。
間違えやすいところ
- 刑罰による欠格事由について、「禁錮以上はすべての罪」「罰金は暴力団関係や傷害・暴行・背任などの一定の罪」「科料は対象外」という線引きを混同しやすいです。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第5条第1項、刑法第34条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
宅建業法の広告・取引態様規制と罰則
宅建業法 · 広告の開始時期 / 取引態様の明示 / 誇大広告の禁止 / 監督処分と罰則
宅地建物取引業法に規定する業務規制に関する次の記述のうち、同法の規定によれば正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅建業法では、無免許段階での広告の禁止、未完成物件における広告開始時期の制限(許可・確認の「処分後」)、広告時と注文時の取引態様の明示義務、誇大広告違反に対する監督処分および刑事罰が定められています。
解き方
- 未免許者が「免許申請中」と表示して広告を行うことの可否(禁止)を確認する。
- 工事完了前物件の広告開始時期の制限基準(申請後ではなく許可・確認等の処分後)を確認する。
- 取引態様の明示義務のタイミング(広告時と注文を受けた時の双方で必要)を確認する。
- 誇大広告等の禁止(法第32条)違反に対するペナルティ(監督処分と懲役・罰金刑)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 宅建業の免許を受けていない者は、免許申請中であってもその旨を表示して広告をすることはできず、違反すると無免許営業等の禁止に抵触します。
- 選択肢 2不正解
- 工事完了前においては、開発許可や建築確認等の「申請をした後」ではなく、実際にこれらの「処分(許可・確認等)があった後」でなければ広告をしてはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 取引態様の別は、広告をするときだけでなく、顧客から注文を受けたときにも改めて遅滞なく明示しなければなりません。
- 選択肢 4正解
- 著しく事実に相違する表示等(誇大広告)を行った場合、指示処分等の監督処分を受けるほか、法第81条により6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(又はその併科)に処せられることがあります。
覚えるポイント
- 工事完了前の広告開始時期は「許可・確認の申請時」ではなく「許可・確認処分が下りた後」です。
間違えやすいところ
- 広告時に取引態様を明示していれば注文時の明示は不要であると誤認しやすいですが、両方のタイミングで明示が必要です。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の宅地建物取引業法第32条、第33条、第34条、第81条
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引主任者の登録および主任者証の取扱い
宅地建物取引業法 · 取引士の登録 / 登録の消除 / 宅地建物取引士証の書換え交付 / 変更の登録
宅地建物取引業法に定める取引主任者(現・宅地建物取引士)の登録および主任者証に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引士の登録事項(氏名、住所、本籍、業務に従事する宅建業者の名称等)に変更が生じた場合は、遅滞なく変更の登録を申請する必要がある。また、証の記載事項に変更がある場合は書換え交付の申請もあわせて行う。
解き方
- 各肢の欠格事由、登録要件、記載事項変更時の手続、欠格該当時の届出義務者を照合する。
- 肢3において住所変更時に変更の登録と書換え交付の双方が求められる点を確認し、正当と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 禁錮以上の刑に処せられたことによる欠格期間の起算点は「登録の消除処分の日」ではなく、「刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日」から5年間であるため誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 2年以上の実務経験と同等以上の能力を有すると認める権限を持つのは「都道府県知事」ではなく「国土交通大臣」(登録実務講習修了者など)であるため誤りである。
- 選択肢 3正解
- 住所は登録簿の登記事項かつ主任者証の記載事項であるため、住所を変更したときは遅滞なく変更の登録申請を行うとともに、交付を受けた知事に対して主任者証の書換え交付を申請しなければならない。
- 選択肢 4不正解
- 成年被後見人となった場合の届出義務者は「本人」ではなく「その成年後見人」がその事由が生じた日から30日以内に届け出なければならないため誤りである。
覚えるポイント
- 実務経験2年未満の者が受ける講習の認定権者は国土交通大臣である。
- 住所や氏名の変更は登録簿の変更登録と主任者証の書換え交付の両方が必要となる。
間違えやすいところ
- 刑に処せられた場合の5年の起算点を消除処分の処分日と混同しやすい。
- 成年後見開始の届出義務者を本人と混同しないように注意する。
出題の前提:宅地建物取引業法第18条、第20条、第21条、第22条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金の供託・保管替え・不足額の補填
宅地建物取引業法 · 営業保証金 / 保管替え / 還付と不足額の供託 / 有価証券の変換
甲県知事免許の宅地建物取引業者A(本店X・支店Y、額面1,000万円の国債証券と500万円の金銭を営業保証金として供託中。最寄り供託所は異なる)に関する営業保証金の規定のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
営業保証金が還付等により不足したときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託し、さらに2週間以内に届出を行わなければならない。これらを怠ると監督処分(指示・業務停止・情状により免許取消)の対象となる。
解き方
- 各肢の手続(支店新設時の届出義務、保管替えの可否要件、有価証券変換の届出要否、不足額未供託の効果)を精査する。
- 肢4において、2週間以内の不足額供託を怠った場合は監督処分の対象となり免許取消処分を受け得ることが正当であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 支店を新設したときは、供託しただけでは事業を開始できず、供託した旨を免許権者に届け出た後でなければ事業を開始できないため誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 保管替えの請求ができるのは営業保証金を「金銭のみ」をもって供託している場合に限られる。有価証券が含まれている場合は保管替えを請求できず、二重供託と取戻しの手続きによるため誤りである。
- 選択肢 3不正解
- 有価証券を変換したときは供託所が同一であれば足り、免許権者への変換の届出は規定されていないため誤りである。
- 選択肢 4正解
- 還付により営業保証金に不足が生じた場合、通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければならず、これに違反すると情状が特に重い場合には免許取消処分を受けることがあるため正しい。
覚えるポイント
- 支店新設時は「供託」だけでなく「届出」をしてから営業を開始する。
- 保管替え請求は「金銭のみ」で供託している場合に限られる。
間違えやすいところ
- 有価証券と金銭の併用供託時に金銭部分だけを保管替えできると誤認しやすい。
- 有価証券の差替え(変換)に届出が必要であると誤認しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第28条、第29条、第66条第1項第9号
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約の書面記載事項および指定流通機構への登録・通知
宅地建物取引業法 · 媒介契約書面 / 一般媒介契約 / 専任媒介契約 / 指定流通機構(レインズ)
宅地建物取引業者AがBから自己所有の宅地の売却媒介を依頼された場合の媒介契約に関する次の記述ア〜ウのうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア Aが一般媒介契約を締結したときは、指定流通機構への登録に関する事項を媒介契約書面に記載する必要はない。 イ Aが専任媒介契約を締結し、所定の事項を登録したときは、遅滞なく、その旨を記載した書面を作成してBに交付しなければならない。 ウ Aが専任媒介契約を締結し、売買契約を成立させたときは、遅滞なく、所在、取引価格、売買契約の成立した年月日を指定流通機構に通知しなければならない。
解答・解説を表示
解答
4
解説
媒介契約書面(34条の2書面)には、一般媒介であっても指定流通機構への登録に関する事項を記載しなければならない。登録時は機構が発行した登録を証する書面を引き渡す義務があり、成約通知においては所在ではなく登録番号などを通知する。
解き方
- 記述アを検討:一般媒介契約でも指定流通機構への登録の有無等の登録に関する事項は法定記載事項であるため誤り。
- 記述イを検討:登録時に交付するのは「自ら作成した書面」ではなく「機構が発行した登録を証する書面」であるため誤り。
- 記述ウを検討:専任媒介契約成立後の成約通知事項は「登録番号」「取引価格」「成立年月日」であり、「所在」は含まれないため誤り。
- すべて誤りであるため「なし(4)」を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 正しい記述は存在しないため誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 正しい記述は存在しないため誤りである。
- 選択肢 3不正解
- 正しい記述は存在しないため誤りである。
- 選択肢 4正解
- ア、イ、ウの記述がすべて誤りであるため、「なし」とする本肢が正しい。
覚えるポイント
- 指定流通機構への成約通知事項は「登録番号」「取引価格」「成立年月日」であり「所在」ではない。
- 登録済証は指定流通機構が発行したものを引き渡す必要があり、業者が自ら作成するのではない。
間違えやすいところ
- 一般媒介では機構への登録義務がないため、書面記載事項からも除外されると誤認しやすい。
- 成約通知事項に物件の所在が含まれると思い込みやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第34条の2第1項・第6項・第7項、同法施行規則第15条の11
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
信託の受益権の販売における重要事項説明
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 信託受益権 / 特定投資家 / 説明の省略
宅地建物取引業者Aが建物に係る信託の受益権を販売する場合において、法第35条に基づく重要事項説明に関する次の記述ア〜エのうち、宅地建物取引業法に違反しないものの組合せはどれか。 ア 販売対象が信託受益権であったので、買主Bに対し、取引主任者でない従業員に説明をさせた。 イ 売買契約締結の半年前、買主Cに対し当該契約と同一内容について書面を交付して説明していたので、今回は説明を省略した。 ウ 買主Dが金融商品取引法に規定する特定投資家であったので、説明を省略した。 エ 当該信託財産である建物の瑕疵担保責任履行に関して保証保険契約を締結していたが、買主Eに対しその説明を省略した。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物に係る信託受益権の売買でも重要事項説明は原則として取引主任者(現・宅地建物取引士)が行う必要がある。ただし、相手方が特定投資家(プロ)である場合や、過去1年以内に同一内容の説明・書面交付がすでになされている場合は説明を省略できる。
解き方
- 記述ア:信託受益権の重説も取引主任者が行う必要があり、無資格者に説明させるのは違反(×)。
- 記述イ:1年以内に同一内容の契約につき書面交付して説明済みの場合、再度の説明は省略可能で違反しない(〇)。
- 記述ウ:相手方が金融商品取引法上の特定投資家である場合、重要事項説明を省略できるため違反しない(〇)。
- 記述エ:瑕疵担保責任の履行措置等の説明は省略対象ではないため違反する(×)。
- 違反しないものはイとウであり、選択肢2を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 記述アは取引主任者以外の従業員に説明させているため違反しており、組合せとして誤りである。
- 選択肢 2正解
- 記述イ(1年以内の同一説明による省略)および記述ウ(特定投資家に対する説明の省略)はいずれも適法であり、違反しない組合せとして正しい。
- 選択肢 3不正解
- 記述エは法定の重要事項説明を勝手に省略しており違反するため、組合せとして誤りである。
- 選択肢 4不正解
- 記述エが違反するため、組合せとして誤りである。
覚えるポイント
- 信託受益権の売買等では特定投資家に対する重要事項説明は省略できる。
- 1年以内に同一内容の契約について書面交付・説明済みの場合も重要事項説明を省略可能である。
間違えやすいところ
- 信託受益権の売買だからといって無資格の従業員が重説を行ってよいと誤認しやすい。
- 一般媒介等と混同し、特定投資家に対する重説省略特例を見落としやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第3項・第6項、同法施行規則第16条の4の5
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
区分所有建物(マンション)の分譲における重要事項説明
宅地建物取引業法 · 重要事項説明 / 区分所有建物 / 専有部分の利用制限 / 修繕積立金
宅地建物取引業者Aが、マンションの分譲に際して行う宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
区分所有建物の重要事項説明では、専有部分の利用制限、共用部分に関する規約、修繕積立金等の定めが定められている場合(規約案を含む)はその内容を説明しなければならない。費用減免などの定めも、買主本人が対象者であるかどうかにかかわらず全員に説明する必要がある。
解き方
- 専有使用権の定めについて、使用者の氏名・住所まで説明事項に含まれるか検討(含まれない)。
- 規約が案の段階である場合の取扱いを検討(設定を待つ必要はなく、案の内容を説明する)。
- 修繕積立金に関して既積立額の説明要否を検討(既積立額も説明事項である)。
- 費用減免規約について、減免対象者か否かにかかわらず説明義務があるかを確認し、肢4を正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 専用使用権に関する規約の定めがあるときはその内容を説明すれば足り、使用者の氏名や住所まで説明する必要はないため誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 共用部分等に関する規約がまだ定まっていないときは、その「案」の内容を説明すればよく、規約の設定を待つ必要はないため誤りである。
- 選択肢 3不正解
- 計画的な維持修繕費用の積立を行う規約の定めがあるときは、その内容だけでなく「既に積み立てられている額」も説明しなければならないため誤りである。
- 選択肢 4正解
- 特定の者に対して修繕費用等を減免する旨の規約がある場合、買主が減免対象者であるかどうかにかかわらず、その規約の定めを説明しなければならないため正しい。
覚えるポイント
- マンションの追加重説事項は「案」の段階でも案の内容を説明する。
- 修繕積立金については規約の内容に加え、「既に積み立てられている総額」や「滞納額」も説明事項となる。
間違えやすいところ
- 規約が未確定なら説明しなくてよいと誤認しやすい。
- 買主自身に関係のない減免特約は説明不要であると思い込みやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条第1項第6号、同法施行規則第16条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者の業務上の禁止事項・義務
宅地建物取引業法 · 不当な履行遅滞の禁止 / 預り金の返還 / 不実告知の禁止 / 手付の貸付け等の禁止
宅地建物取引業者Aが行う業務に関する行為のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業法では重要事項説明(35条)は取引士が行う必要があるが、物件案内時の一般的な説明や重要事実の告知自体を従業員が行うことは禁じられていない。一方、契約不成立時の預り金返還拒否、不実告知(過失を含む)、手付の後日付約束(手付けの信用供与)は禁止されている。
解き方
- 肢1:主任者でない者の現地案内時における事実の説明が違反となるか検討(違反しない)。
- 肢2:契約不成立時に預り金から報酬を差し引く行為の適否を検討(預り金返還拒否等に該当し違反)。
- 肢3:思い込みによる不実告知および契約不成立の場合の責任を検討(契約に至らなくても不実告知として違反)。
- 肢4:手付金の後日付約束の適否を検討(手付けの信用の供与として違反)。
- 違反しないものとして肢1を選択する。
- 選択肢 1正解
- 取引主任者でない従業員が現地で重要な事実を告げる行為は、重要事項説明書の交付・説明義務とは別であり、重要事実の不告知を防ぐ適法な行為であるため違反しない。
- 選択肢 2不正解
- 契約が成立しなかった場合、媒介報酬は発生しないため、預り金から報酬相当額を差し引いて返還することは返還拒否の禁止に抵触し違反となる。
- 選択肢 3不正解
- 契約の締結に至らなかったとしても、また過失や思い込みによるものであっても、不実のことを告げる行為はそれ自体で宅建業法に違反する。
- 選択肢 4不正解
- 手付金の分割払いや後払いを認めることは「手付けについての信用の供与」に該当し、契約締結を誘引する行為として禁止されているため違反する。
覚えるポイント
- 不実告知は「故意」だけでなく過失・思い込みでも違反となり、契約が成立しなくても成立する。
- 手付金の後日払いの約束は「手付けの信用の供与」として禁止される。
間違えやすいところ
- 主任者証を持たない従業員は現地で一切の説明をしてはならないと誤解しやすい。
- 契約が成立しなかった場合は不実告知違反が問われないと誤認しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第47条、第47条の2、同法施行規則第16条の12
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限:クーリング・オフによる売買契約の解除
宅地建物取引業法 · 自ら売主 / クーリング・オフ / 申込みの場所 / 解除権の消滅事由
宅地建物取引業者Aが自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主との間で締結した宅地の売買契約について、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅建業者が自ら売主となる売買において、事務所以外の場所(喫茶店、ホテルのロビー等)で申込みをした買主はクーリング・オフができる。クーリング・オフの告知書面を受けた日から8日を経過したとき、または「目的物の引渡しを受け、かつ代金の全額を支払ったとき」に解除権が消滅する。解除は書面(電磁的記録含む)で行う必要がある。
解き方
- 肢1:買主から申し出た勤務先での申込みはクーリング・オフ適用除外となるため解除不可(誤り)。
- 肢2:告知書面が交付されていない場合、8日の起算日は開始せず、10日後でも解除可能(誤り)。
- 肢3:クーリング・オフの解除は書面を発して行う必要があるため、書面なしでは解除不可(誤り)。
- 肢4:代金の全額を支払っていない(80%)ため解除権は消滅しておらず、8日以内なら解除できる(正しい)。
- 選択肢 1不正解
- 買主が自ら申し出た自宅または勤務先において買受けの申込みをした場合は、クーリング・オフの適用対象外となるため解除することはできず誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 書面でクーリング・オフについて告げられていない場合は、8日間の熟慮期間のカウントが始まらないため、引渡しと全額支払いが完了していなければ10日後でも解除でき誤りである。
- 選択肢 3不正解
- クーリング・オフによる契約解除は書面によって行わなければ効力を生じないため、「書面を発しなくても」解除できるとする点は誤りである。
- 選択肢 4正解
- クーリング・オフによる解除権が消滅する要件は「物件の引渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったとき」であるため、代金の80%を支払った段階では8日を経過する前であれば解除できるため正しい。
覚えるポイント
- 買主の申出による自宅・勤務先での申込みはクーリング・オフできない。
- 解除権が消滅するのは「引渡し」と「代金全額支払い」の双方が完了したときである。
間違えやすいところ
- 代金の一部(大部分)を支払っていればクーリング・オフできなくなると誤認しやすい。
- 書面告知がない場合でも契約締結から8日経過でクーリング・オフ期間が終わると誤解しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限:手付解除・損害賠償額の予定・瑕疵担保特約
宅地建物取引業法 · 自ら売主 / 手付解除 / 損害賠償の予定等の制限 / 瑕疵担保責任(契約不適合責任)
宅地建物取引業者Aが自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bと建物の売買契約を締結する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業法第8つの制限(8種制限)において、民法や業法の規定よりも買主に有利な特約は有効であり、買主に不利な特約のみが無効とされる。手付解除について売主が解除するための償還額を引き上げる特約は買主に有利である。
解き方
- 肢1:売主からの手付解除の要件を厳格化(倍額ではなく3倍償還)する特約は買主に有利か検討し、有効と判断する。
- 肢2:損害賠償額の予定・違約金の定めについて検討する(法第38条により合算で代金の10分の2を超える定めは無効)。
- 肢3:クーリング・オフ解除における損害賠償請求の可否を検討する(業者は違約金や損害賠償の請求不可)。
- 肢4:瑕疵担保責任の特約について検討する(引渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効)。
- 正しい記述として肢1を選択する。
- 選択肢 1正解
- 手付解除において売主が倍額ではなく「手付の3倍」を償還しなければ解除できないとする特約は、買主に有利な特約であるため有効に定めることができる。
- 選択肢 2不正解
- 宅建業法第38条により、当事者の債務不履行による契約解除に伴う損害賠償額の予定・違約金の合算額は代金の額の10分の2(20%)を超えることができず、超える部分は無効となるため誤りである。
- 選択肢 3不正解
- クーリング・オフによる解除がなされた場合、売主である宅建業者は履行に着手していたとしても、買主に対して損害賠償や違約金の支払いを請求することはできないため誤りである。
- 選択肢 4不正解
- 瑕疵担保責任の期間を引渡しから2年とする特約は有効だが、「発見から30日以内」とする制限を付加することは民法の規定(現行民法では通知期間1年)より買主に不利な特約となり無効であるため誤りである。
覚えるポイント
- 8種制限に反する特約であっても、「買主に有利な特約」は有効となる。
- クーリング・オフによる解除に対して業者は損害賠償や違約金を一切請求できない。
間違えやすいところ
- 手付倍額償還の規定は絶対的なもので変更できないと誤解しやすい(買主に有利な変更は可能)。
- 瑕疵担保責任期間を引渡しから2年としていれば、他の不利な条件(発見後30日など)を付加しても有効だと誤認しやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第37条の2第3項、第38条、第39条第3項、第40条
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限における手付金等の保全措置
宅地建物取引業法 · 8種制限 / 手付金等の保全措置 / 業者間取引の適用除外
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、買主Bとの間で締結した売買契約に関して行う次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業者が自ら売主となる場合、買主が宅建業者でなければ手付金等の保全措置が義務付けられます。未完成物件では代金の5%超または1,000万円超、完成物件では代金の10%超または1,000万円超の手付金等を受領する際に保全措置が必要です。一方、買主が宅建業者である業者間取引には本制限が適用されません。
解き方
- 買主が宅建業者であるか否かを確認し、8種制限の適用対象か判断する。
- 物件が工事完了前(未完成)か工事完了後(完成)かを確認する。
- 受領する手付金等の額が、未完成物件基準(5%超または1,000万円超)または完成物件基準(10%超または1,000万円超)に達しているかを算出し、保全措置の要否を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 工事完了前(未完成)物件において、代金5,000万円の5%は250万円です。受領した200万円は代金の5%以下かつ1,000万円以下であるため、保全措置を講じる必要はなく、宅建業法に違反しません。
- 選択肢 2正解
- 工事完了後(完成)物件において、代金5,000万円の10%は500万円です。受領額700万円は10%を超えているため保全措置が必要となり、保全措置を講じずに受領した本行為は宅建業法に違反します。
- 選択肢 3不正解
- 代金1億円の工事完了前物件について、手付金1,500万円は代金の5%(500万円)を超えていますが、適法に手付金等の保全措置を講じた上で受領しているため、宅建業法に違反しません。
- 選択肢 4不正解
- 買主Bが宅地建物取引業者であるため、宅建業法第78条第2項により手付金等の保全措置に関する規定(8種制限)は適用されません。したがって、保全措置を講じずに2,500万円を受領しても法に違反しません。
覚えるポイント
- 保全措置の基準は未完成物件が5%超または1,000万円超、完成物件が10%超または1,000万円超です。
- 自ら売主制限(8種制限)は宅建業者間の取引には適用されません。
間違えやすいところ
- 買主が宅建業者であることを見落として、金額基準だけで違反と誤認してしまうミス。
- 完成物件の基準割合(10%)と未完成物件の基準割合(5%)を取り違えて計算してしまうミス。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第41条、第41条の2、第78条第2項)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
標識・帳簿・従業者名簿・従業者証明書の規制
宅地建物取引業法 · 標識の掲示 / 帳簿の備付け / 従業者名簿 / 従業者証明書
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業者は、業務の適正化と取引関係者の保護のため、事務所や案内所等への標識掲示、事務所ごとの帳簿や従業者名簿の備付け、従業者への証明書携帯が義務付けられています。それぞれの制度趣旨により、適用対象者や閲覧義務の有無が厳格に定められています。
解き方
- 案内所等における標識掲示義務の範囲(契約行為の有無に関わらず掲示が必要か)を確認する。
- 帳簿と従業者名簿の備付け場所および閲覧請求権の有無の違いを整理する。
- 従業者証明書の携帯義務の対象に例外があるかを判定する。
- 選択肢 1正解
- 宅建業者は、事務所や案内所等だけでなく、販売予定の展示会を実施する場所にも、契約締結や申込みの受付を行うか否かにかかわらず標識を掲示しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 業務に関する帳簿は事務所ごとに備え付ける必要がありますが、取引関係者からの請求に対して閲覧に供する義務はありません(閲覧義務があるのは従業者名簿です)。
- 選択肢 3不正解
- 従業者名簿は事務所ごとに備え付ける必要があり、主たる事務所であっても自らの事務所の従業者名簿を備えれば足り、他のすべての事務所の名簿を合括して備える義務はありません。
- 選択肢 4不正解
- 非常勤役員や単に一時的に事務の補助を行う者であっても、宅地建物取引業の業務に従事する以上は、従業者証明書を携帯させなければならず、例外はありません。
覚えるポイント
- 標識は契約行為を行わない展示会場等であっても掲示義務があります。
- 取引関係者からの閲覧義務があるのは「従業者名簿」であり、「帳簿」には閲覧義務がありません。
間違えやすいところ
- 「案内所の標識掲示」と「案内所の専任取引士設置や届出(契約等を行う場合のみ必要)」の要件を混同するミス。
- 従業者証明書の携帯義務について、パート・アルバイトや非常勤役員には不要であると誤解するミス。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第48条、第49条、第50条)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
報酬額の制限(媒介・代理、居住用・事業用、権利金計算)
宅地建物取引業法 · 報酬計算 / 貸借の媒介 / 権利金の授受 / 代理の報酬上限
宅地建物取引業者A及び宅地建物取引業者B(共に消費税課税事業者)が受領する報酬に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、借賃には、消費税相当額を含まないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業者が受領できる報酬額の上限は告示で定められています。居住用建物貸借では承諾がない限り一方からは0.525か月分(税率5%当時)が上限であり、承諾は依頼を受けるにあたって得ておく必要があります。居住用以外の貸借では、権利金の額を売買代金とみなして計算した額を上限とすることが認められます。また、複数業者が関与する売買では全体の受領合計額に代理限度額の枠が適用されます。
解き方
- 居住用建物の貸借における一方からの上限引上げ要件(承諾の時期)を確認する。
- 事業用建物の貸借における双方からの報酬受領割合の自由度を確認する。
- 権利金を授受する事業用貸借における権利金ベースと借賃ベースの上限額を計算して比較する。
- 売主側代理業者と買主側媒介業者が関与する場合の全体上限額(2倍枠制限)を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 居住用建物の貸借媒介において一方から借賃の0.525か月分を超える報酬を受領するには、「媒介の依頼を受けるに当たって」あらかじめ依頼者の承諾を得ておく必要があり、「報酬請求時まで」では遅いため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 事業用建物の貸借媒介では、双方から受け取る合計額が借賃の1.05か月分以内(当時の消費税5%含む)であれば、双方から受ける配分割合に制限はなく、どのような割合で受領しても適法です。
- 選択肢 3不正解
- 権利金315万円(税抜300万円)を売買代金とみなすと報酬限度額は(300万×4%+2万)×1.05=14.7万円であり双方合計29.4万円です。借賃25万円(税抜約23.8万円)ベースでは25万円が上限です。いずれを採用しても合計29.4万円が上限であり、30万円を受領することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 代金4,000万円の売買における一方の媒介報酬上限は(4,000万×3%+6万)×1.05=132万3,000円です。複数業者が関与する場合、関与業者全体で受領できる上限は代理限度額である264万6,000円までとなります。Aが264万6,000円、Bが132万3,000円をそれぞれ受けると合計396万9,000円となり上限を超過します。
覚えるポイント
- 居住用貸借の0.525か月分(現行0.55か月分)超えの承諾は「媒介依頼を受けるに当たって」必要です。
- 複数業者が媒介・代理で関与する場合でも、業者全員が受領できる報酬の合計額は売買代金の代理上限額(媒介上限の2倍)を超えることができません。
間違えやすいところ
- 権利金ベース計算で消費税込みの金額をそのまま料率計算に当てはめてしまうミス。
- 代理業者と媒介業者が両方いる場合に、それぞれが上限一杯を同時に満額受領できると誤認するミス。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行法令(昭和45年建設省告示第1783号・消費税率5%時)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会と社員の義務
宅地建物取引業法 · 宅地建物取引業保証協会 / 弁済業務保証金分担金 / 特別弁済業務保証金分担金 / 社員の地位喪失
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)又はその社員に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
保証協会の社員と取引した者は、その社員が単独で営業保証金を供託していた場合に相当する額の限度で弁済を受ける権利を有します。還付があった場合、社員は還付充当金を供託所ではなく「保証協会」へ納付しなければなりません。また、特別分担金を期限内に納付しない社員は地位を失い、地位を失った業者は一定期間内に営業保証金を供託する必要があります。
解き方
- 分担金額から主たる事務所及び従たる事務所の構成を逆算し、営業保証金相当額(弁済限度額)を算出する。
- 還付充当金の納付先が保証協会か供託所かを確認する。
- 特別弁済業務保証金分担金の未納による地位喪失要件(1か月以内)を確認する。
- 社員の地位喪失後における営業保証金の供託期限(1週間以内か2週間以内か)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 分担金300万円の内訳は主たる事務所60万円+従たる事務所8か所(30万円×8=240万円)となります。この業者が営業保証金を供託していたとすれば1,000万円+500万円×8=5,000万円であり、弁済を受けられる限度額は5,000万円となります(6,000万円ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 保証協会が還付に係る社員等に対して通知するのは、還付充当金を「保証協会に納付すべきこと」であり、供託所に供託すべきことではありません。
- 選択肢 3正解
- 保証協会の社員は、特別弁済業務保証金分担金の納付通知を受けた日から1か月以内にその額を保証協会に納付しなければ、社員の地位を失います。
- 選択肢 4不正解
- 保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、その地位を失った日から「1週間以内」に営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならず、2週間以内ではありません。
覚えるポイント
- 還付充当金の納付先は「保証協会」、納付期限は通知を受けてから「2週間以内」です。
- 保証協会の社員資格を失った場合の営業保証金供託期限は「1週間以内」です。
間違えやすいところ
- 地位喪失時の営業保証金供託期限(1週間)と、還付充当金の納付期限(2週間)を混同するミス。
- 還付充当金の納付先を供託所と勘違いしてしまうミス。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第64条の8、第64条の9、第64条の10、第64条の12)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者に対する監督処分
宅地建物取引業法 · 指示処分 / 免許取消処分 / 所在不明による取消 / 公告
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に対する監督処分に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
知事等の免許権者は、宅建業者や取引主任者が法令に違反した場合に指示処分、業務停止処分、免許取消処分等の監督処分を行います。業者の責めに帰すべき事由があれば個人の処分に伴い業者自身も処分対象となります。また、事務所所在地が確知できない場合は一定の公告手続きが必要であり、指示違反による取消は任意的取消であること、指示処分には公告が不要であることなどが規定されています。
解き方
- 取引主任者の事務禁止処分に伴う業者への指示処分権限を確認する。
- 事務所所在地確知不能時の手続(公告期間の要否)を確認する。
- 指示処分違反時の免許取消処分の性質(必要的取消か任意的取消か)を判定する。
- 監督処分における公告義務の対象(取消・業務停止か、指示処分か)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 取引主任者が事務禁止処分を受けた場合において、宅建業者の責めに帰すべき理由があるときは、免許権者である甲県知事はその宅建業者に対して指示処分をすることができます。
- 選択肢 2不正解
- 事務所の所在地を確知できないときは、その旨を公告し、公告の日から30日を経過しても申出がないときに初めて免許を取り消すことができ、直ちに取り消すことはできません。
- 選択肢 3不正解
- 指示処分に違反した場合は免許を取り消すことができる「任意的取消事由」であり、「取り消さなければならない(必要的取消事由)」ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 監督処分において公報による公告が義務付けられているのは「免許取消処分」および「業務停止処分」であり、「指示処分」については公告の対象とされていません。
覚えるポイント
- 所在地確知不能による免許取消は、公告後30日経過の猶予が必要です。
- 監督処分で公報等への公告が必要なのは「免許取消」と「業務停止」のみであり、指示処分は公告不要です。
間違えやすいところ
- 指示処分違反を「必要的免許取消事由」と思い込んでしまうミス(任意的取消事由です)。
- 所在地不明時に直ちに免許取消ができると勘違いするミス。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第65条、第66条、第67条、第69条)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
独立行政法人住宅金融支援機構の業務範囲
免除科目(その他業務) · 住宅金融支援機構 / 住宅融資保険 / 直接融資業務 / 返済条件の変更
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅金融支援機構は、民間金融機関を支援する証券化支援業務を主軸としつつ、住宅融資保険の引受け、団体信用生命保険業務、政策上必要な直接融資(災害復興・財形等)を行っています。債務者が経済事情等で支払困難となった場合には元利金の支払方法の変更(期間延長等)に応じることはできますが、債権を免除する業務は認められていません。
解き方
- 機構の証券化支援以外の業務(保険引受け、補完融資、団信)の適否を確認する。
- 債務者の支払困難時における機構の対応措置(条件変更と支払免除の区別)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 機構は民間金融機関の住宅ローン貸付けにおける債務不履行損害をてん補する住宅融資保険業務を行っており、記述は正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 機構は災害復興融資、財形住宅融資、子育て・高齢者向け賃貸住宅融資など、民間を補完する直接融資業務を行っており、記述は正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 機構は借入者の死亡等に備えて債務弁済に充当する団体信用生命保険(機構団信)業務を行っており、記述は正しいです。
- 選択肢 4正解
- 機構は、経済的事情等により元利金の支払が困難になった者に対して返済期間の延長や据置などの「支払方法の変更(条件変更)」を行うことはできますが、元利金の支払を「免除」することは認められていないため、本記述は誤りです。
覚えるポイント
- 機構が行えるのは「返済方法の変更(据置や期間延長)」であり、「債務・元利金の免除」はできません。
- 機構の直接融資は災害復興や財形融資など政策的に民間を補完するものに限定されます。
間違えやすいところ
- 返済猶予や返済期間延長の措置を「債務の免除」と混同して正しいと判断してしまうミス。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行法令(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の表示に関する公正競争規約(広告表示基準)
免除科目(その他業務) · 不当景品類及び不当表示防止法 / 不動産の公正競争規約 / 通勤時間表示 / 取引態様 / おとり広告 / 都市計画道路
宅地建物取引業者が行う広告等に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産の表示に関する公正競争規約では、消費者の誤認を避けるため、取引態様の明示、通勤所要時間における乗換え時間等の表示、都市計画道路等の公法上の制限の明示が義務付けられています。また、成約済みとなり実際には取引できない物件を広告し続ける行為はおとり広告として固く禁止されています。
解き方
- 通勤所要時間の表示規律(乗換え時間の明示義務)を確認する。
- 広告媒体ごとの取引態様の表示義務の有無を確認する。
- 成約済み物件の継続掲載がおとり広告に該当するか判定する。
- 都市計画道路区域内の土地に関する表示省略の可否(未着手の場合)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 通勤時間を表示する場合、乗換えを要するときはその旨および乗換えに要する時間を乗車時間に含めて表示しなければならず、表示を省略することはできません。
- 選択肢 2正解
- 新聞広告や折込チラシにおいて物件の表示を行うときは、面積や価格等と併せて、取引態様の別(媒介、売主等)を明示しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 成約済みとなった物件を掲載し続ける行為は、実際には取引できない物件を掲載する「おとり広告」に該当し、不当表示として禁止されています。
- 選択肢 4不正解
- 土地が都市計画道路の区域に含まれている場合は、事業の工事が未着手であっても、その旨を明示しなければならず省略することはできません。
覚えるポイント
- 電車等の所要時間表示では、乗換え時間や待ち時間を含めるか、その旨を明示する必要があります。
- 成約済みとなった物件の掲載継続はおとり広告として禁止されます。
間違えやすいところ
- 都市計画道路工事が「未着手」であれば表示義務がないと誤解するミス。
- 折込チラシ等の紙面制約がある広告媒体では取引態様の表示を省略できると勘違いするミス。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行規定(不動産の表示に関する公正競争規約・施行規則)
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物の統計等(地価公示・着工統計・土地白書・法人企業統計)
免除科目(その他業務) · 地価公示 / 建築着工統計 / 土地白書 / 法人企業統計年報
宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅建本試験の問48では、直近公表された地価公示、建築着工統計、土地白書、法人企業統計年報などの公的統計データから出題されます。各統計の総数、対前年・対前年度比の動向(増加・減少・横ばい、増減の連続年数など)の把握が正否判断の根拠となります。
解き方
- 平成20年地価公示における地方圏の住宅地・商業地の下落幅動向を確認する。
- 平成19年度建築着工統計の新設住宅着工戸数および前年度比増減(改正建築基準法影響による大幅減)を確認する。
- 平成20年版土地白書の所有権移転登記件数の増減傾向を確認する。
- 平成18年度法人企業統計年報における不動産業の経常利益額および連続増減年数を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 平成20年地価公示によれば、地方圏の住宅地の下落率はマイナス1.8%で前年(マイナス2.7%)に比べて下落幅は縮小しており、拡大したとする記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 平成19年度新設住宅着工戸数は建築基準法改正の影響等により約103.6万戸、対前年度比19.4%の大幅減となっており、約2.9%増とする記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 平成20年版土地白書によれば、平成19年の売買による土地所有権移転登記件数は全国で約141万件でしたが、前年比で減少(4年ぶりの減少)しており、2年連続の上昇とする記述は誤りです。
- 選択肢 4正解
- 平成18年度法人企業統計年報によれば、不動産業の経常利益は約3兆5,000億円(前年度比約12.6%増)となり、3年連続して増益を記録したため正しい記述です。
覚えるポイント
- 統計問題では「対前年比が増加か減少か」「連続年数」などのキーワードが正誤の分かれ目となります。
- 平成19年度着工統計は改正建築基準法の影響で着工戸数が大幅に減少した歴史的な年度です。
間違えやすいところ
- 下落幅の「縮小」と「拡大」の数値表現を逆に捉えてしまうミス。
- 年度統計と年(暦年)統計の対象期間を混同するミス。
出題の前提:平成20年地価公示、平成19年度建築着工統計、平成20年版土地白書、平成18年度法人企業統計年報
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
等高線と土地の形質の読図
その他法令・免除科目 · 土地の形質 / 等高線の読図 / 扇状地 / 浸水リスク
土地の形質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
地形図の等高線において、間隔が密な場所は傾斜が急であり、間隔が広い場所は緩傾斜を示します。等高線が標高の高い側へ入り込んでいる(弧を描く)場所は「谷」となり、標高の低い側へ張り出している場所は「尾根」となります。
解き方
- 各選択肢の等高線および地形の特徴に関する記述を確認する。
- 等高線が山頂側(高い方)に切れ込んでいる地形は谷、平野側(低い方)へ突き出している地形は尾根であることを照合し、肢3が逆であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 等高線の間隔が狭く密度が高い場所ほど急傾斜地であり、間隔が広く密度が低い場所ほど緩傾斜地を示しているため、正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 扇状地は山地から平野部への出口で土砂が堆積して形成される扇状の地形で、等高線は谷口を中心とした同心円状(弧状)の形態を示すため、正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 等高線が高い方(山頂側)に向かって入り込んで弧を描く部分は「谷」であり、逆に低い方へ張り出している部分が「尾根」であるため、本記述は誤り(正解肢)です。
- 選択肢 4不正解
- 河口付近で等高線の間隔が大きい場所は平坦な低地・氾濫平野であるため、河川氾濫時に水が広範囲に及び、河川から離れた場所でも浸水被害が生じやすく、正しい記述です。
覚えるポイント
- 等高線が高い方へ食い込む部分は「谷」、低い方へ張り出す部分は「尾根」となる。
間違えやすいところ
- 等高線の張り出し方向と尾根・谷の関係を逆に思い込みやすいので注意する。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行法令及び自然地理・地形図読図の基準に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法における建築物の構造計算・構造安全性の確認
その他法令・免除科目 · 建築基準法 / 構造計算 / 超高層建築物 / 異種基礎 / 構造計算適合性判定
建築物の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法第20条では建築物の規模・構造に応じて構造計算の義務付けを定めています。高さ60m超の建築物は大臣認定が必要であり、木造建築物では階数3以上、延べ面積500㎡超等の規模で構造計算が求められます。また異種基礎の併用時は不同沈下防止のため構造計算による安全確認が必要です。
解き方
- 各選択肢に示された建築物の構造・規模と義務付けられる規定(大臣認定、構造計算、適合性判定)を比較する。
- 木造建築物の構造計算義務要件(階数3以上、延べ面積500㎡超、高さ13m超、軒高9m超)を確認し、肢2の基準数値が誤っていることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 建築基準法第20条第1号により、高さが60mを超える建築物は、その構造方法が政令で定める基準に従った構造計算によって確かめられ、国土交通大臣の認定を受けたものでなければならず、正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 木造建築物で構造計算が義務付けられる基準は、階数が3以上、延べ面積が500㎡超、高さが13m超、または軒の高さが9m超等であり、「階数2以上又は延べ面積50㎡超」とする記述は誤り(正解肢)です。
- 選択肢 3不正解
- 建築基準法施行令第38条第2項により、建築物に異なる構造方法による基礎を併用した場合は、構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめなければならず、正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 建築基準法第6条の3第1項等の規定により、所定の構造計算について大臣認定プログラムによって安全性を確認した場合であっても、構造計算適合性判定が必要となるため、正しい記述です。
覚えるポイント
- 木造の構造計算義務は「階数3以上・延べ面積500㎡超・高さ13m超・軒高9m超」のいずれかに該当する場合である。
間違えやすいところ
- 木造以外の建築物基準(2階以上または200㎡超)や小規模木造の数値と混同しないよう注意する。
出題の前提:平成20年4月1日現在施行の建築基準法第20条及び同施行令に基づく。
出典:不動産適正取引推進機構『2008年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
2008年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2008年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・27ページ)

