令和7年度の50問について、独自要約・公式正答・関連する知識を整理しています。問題文と選択肢の原文は公式PDFで確認してください。教材の法令基準日と出題年度の法令基準日は異なります。
2007年10月試験の概要
意思表示の効力(心裡留保・虚偽表示・強迫・意思能力)
権利関係 · 意思表示 / 心裡留保 / 通謀虚偽表示 / 強迫 / 意思無能力
A所有の甲土地についてのA・B間の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
意思表示に関する規定では、意思の欠缺(心裡留保・虚偽表示)や瑕疵ある意思表示(詐欺・強迫)、意思無能力の効果がそれぞれ異なります。強迫は本人の保護の必要性が極めて高いため、第三者による強迫であっても相手方の善意・悪意を問わず常に取り消すことが認められています。
解き方
- 各選択肢の意思表示の瑕疵・無能力の態様(心裡留保、通謀虚偽表示、第三者強迫、意思無能力)を整理する。
- それぞれの法意に基づき、意思表示の効力(無効か取消しうるか、有効に成立するか)を判断して正答を導く。
- 選択肢 1不正解
- 相手方が表意者の真意でないことを知っていた(悪意の)場合、心裡留保による意思表示は無効となるため、売買契約は有効には成立しません。
- 選択肢 2不正解
- 相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は原則として無効であり、動機を知っていたとしても契約が有効になることはありません。
- 選択肢 3正解
- 第三者が強迫を行った場合、詐欺の場合とは異なり相手方の善意・悪意を問わず、強迫を受けた者はその意思表示を取り消すことができます。
- 選択肢 4不正解
- 意思無能力者の行った法律行為は最初から当然に無効であり、取り消すことができる行為ではないため、追認を拒絶して初めて無効になるわけではありません。
覚えるポイント
- 第三者の強迫は相手方の善意・悪意に関わらず取消可能(第三者の詐欺は相手方悪意・有過失で取消可能)
- 意思無能力者の行為は最初から当然に無効
間違えやすいところ
- 第三者詐欺と第三者強迫の要件の違いを混同しやすいので注意が必要です。
- 意思無能力による無効と、制限行為能力者による取消しを混同しないようにしましょう。
出題の前提:民法93条、94条、96条2項・3項、および意思無能力に関する判例(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
任意代理における復代理人の選任及び責任
権利関係 · 代理 / 任意代理 / 復代理人 / 選任監督責任
Aは不動産の売却を妻の父であるBに委任し、売却に関する代理権をBに付与した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
任意代理人は本人の信任に基づくため、原則として自ら事務を処理すべきですが、本人の許諾がある場合、または急病・事故等のやむを得ない事由がある場合には復代理人を選任できます。復代理人が選任されても代理人の代理権自体は存続します。
解き方
- 任意代理人が復代理人を選任できる法定要件(本人の許諾またはやむを得ない事由)を確認する。
- 本人の許諾・指名に基づく場合の代理人の責任の範囲、及び復代理人選任に伴う代理人の代理権の消長を検討する。
- 選択肢 1正解
- 任意代理人は、本人の許諾を得たときのほか、やむを得ない事由があるときにも復代理人を選任することができます。
- 選択肢 2不正解
- 本人の許諾を得て復代理人を選任した場合であっても、代理人はその選任及び監督について本人に対し責任を負います。
- 選択肢 3不正解
- 本人の指名に従って復代理人を選任したときは、その者が不適任または不誠実であることを知りながら本人に通知せず、または解任を怠ったときに限り責任を負います。
- 選択肢 4不正解
- 復代理人が選任されても、代理人の代理権が消滅するわけではなく、代理権はそのまま存続します。
覚えるポイント
- 任意代理人の復代理人選任要件:本人の許諾 OR やむを得ない事由
- 復代理人が選任されても代理人の代理権は消滅しない
間違えやすいところ
- 法定代理人はいつでも復代理人を選任できるのに対し、任意代理人は要件が限定されている点を取り違えやすいです。
出題の前提:民法104条、105条、107条(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.2 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の物権変動と対抗要件(登記・即時取得・公信力)
権利関係 · 物権変動 / 登記 / 対抗要件 / 即時取得 / 登記の公信力
Aが所有者として登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
不動産の物権変動の対抗要件は登記です(民法177条)。しかし、登記がなければ対抗できない「第三者」とは、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者に限られ、不法占有者は含まれません。また、動産の即時取得の規定は不動産には適用されず、不動産登記に公信力はありません。
解き方
- 不動産における即時取得の成否、及び登記の公信力の有無を確認する。
- 登記なくして対抗できる相手方(不法占拠者等)の範囲、及び二重譲渡における優劣の基準(登記の具備)を検討する。
- 選択肢 1不正解
- 即時取得(民法192条)は動産のみに適用される制度であり、土地などの不動産には適用されません。
- 選択肢 2不正解
- 日本の民法では不動産登記に公信力は認められていないため、登記を信頼して取引しても原則として所有権を取得することはできません。
- 選択肢 3正解
- 正当な権原なく占有している不法占有者に対しては、登記がなくても所有権を主張して土地の明渡しを請求することができます。
- 選択肢 4不正解
- 不動産の二重譲受人相互間における優劣は、契約締結時期の先後ではなく、先に対抗要件(登記)を備えたかどうかによって決まります。
覚えるポイント
- 即時取得は動産のみ(不動産には適用されない)
- 不動産の登記に公信力はない
- 不法占拠者に対しては登記なくして所有権を対抗・明渡請求できる
間違えやすいところ
- 契約の日時が先であっても、対抗関係においては登記を備えなければ優位に立てない点を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:民法177条、192条、および判例(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
共有物の使用・管理・不分割特約・持分放棄
権利関係 · 共有 / 共有物の使用 / 共有物の管理 / 不分割特約 / 持分の放棄
A、B及びCが、持分を各3分の1とする甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
共有関係において、各共有者は持分に応じた使用権を有し、共有物の管理行為は各共有者の持分の価格の過半数で決します。また、共有物の不分割特約は5年を超えない期間で締結可能であり、共有持分の放棄があった場合は他の共有者に持分割合に応じて帰属します。
解き方
- 各共有者の持分権に基づく使用の許諾の効力を確認する。
- 賃貸借契約の解除(管理行為=持分価格の過半数)の可否を算定する(A+B = 2/3 > 1/2)。
- 不分割特約の期間上限(5年以内)を確認する。
- 持分放棄時の帰属先(他の共有者か国庫か)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 持分権者から占有使用を承認された第三者は、その持分の範囲内において共有物を占有使用する権原を有し、他の共有者は当然には明渡しを請求できません。
- 選択肢 2不正解
- 共有物の賃貸借契約の解除は管理行為に該当し、持分の過半数(AとBで3分の2)の合意があれば、他の共有者の合意がなくても行うことができます。
- 選択肢 3不正解
- 各共有者は、5年を超えない期間内であれば共有物を分割しない旨の不分割契約を締結することができます。
- 選択肢 4正解
- 共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は民法255条の規定により他の共有者に帰属し、国庫に帰属するわけではありません。
覚えるポイント
- 共有持分の放棄 → 他の共有者に帰属する(国庫帰属ではない)
- 共有物の管理行為(賃貸借解除など)は持分価格の過半数で決する
- 不分割特約の期間は5年以内
間違えやすいところ
- 無主の不動産は国庫に帰属する(民法239条2項)という原則と、共有持分の放棄による他共有者への帰属(民法255条)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:民法249条、252条、255条、256条(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.3 ↗(www.retio.or.jp)
不法行為による損害賠償(履行遅滞・慰謝料相続・共同不法行為・消滅時効)
権利関係 · 不法行為 / 履行遅滞 / 慰謝料請求権の相続 / 共同不法行為 / 消滅時効
不法行為による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
不法行為に基づく損害賠償債務は損害発生と同時に何らの催告なく遅滞に陥ります。精神的損害に対する慰謝料請求権も当然に相続されます。また共同不法行為の損害賠償債務(不真正連帯債務)においては、一人に対する請求の効力は他に及びません(相対効)。消滅時効期間は主観的起算点(知った時)から3年とされていました。
解き方
- 不法行為債務の履行遅滞発生時期(損害発生時)を確認する。
- 慰謝料請求権が生前請求意思表示なくとも相続される判例法理を確認する。
- 共同不法行為(不真正連帯債務)における請求の相対的効力を確認する。
- 不法行為による損害賠償請求権の時効期間(出題基準時:知った時から3年、行為時から20年)と照らし合わせ誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 不法行為に基づく損害賠償債務は、損害発生と同時に催告を要せず遅滞に陥るため、その時点から遅延損害金が発生します。
- 選択肢 2不正解
- 判例によれば、不法行為による慰謝料請求権は被害者が生前に請求の意思を表明していなくても当然に相続の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 共同不法行為者各自の連帯債務(不真正連帯債務)においては、連帯債務の絶対的効力に関する一部規定は準用されず、加害者1人に対する履行の請求は他の加害者に対して効力を生じません。
- 選択肢 4正解
- 出題時の民法724条では、損害及び加害者を知った時から3年(または不法行為の時から20年)と規定されており、「10年」ではありません。
覚えるポイント
- 不法行為債務は「損害発生時」から当然に履行遅滞
- 慰謝料請求権は生前に請求の意思表示がなくても相続される
- 不法行為の短期消滅時効は損害及び加害者を知った時から3年
間違えやすいところ
- 一般の契約債権の消滅時効(権利を行使できる時から10年)と不法行為の短期消滅時効(知った時から3年)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:民法709条、719条、724条、および判例(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の物権変動の対抗要件(取消・解除・共同相続・時効取得と登記)
権利関係 · 物権変動 / 登記 / 取消後の第三者 / 解除後の第三者 / 共同相続と登記 / 時効完成後の第三者
不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において、第三者とはいわゆる背信的悪意者を含まないものとする。
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解答
3
解説
取消後、解除後、時効完成後の第三者と原権利者との関係は対向関係に立ち、登記を先に備えた方が勝敗を決します。これに対し、共同相続における法定相続分は法律上当然に生じる物権変動であり、相続人は自己の法定相続分については登記なくして第三者に対抗できます。
解き方
- 取消後・解除後・時効完成後の第三者と復帰的物権変動における対抗要件(登記)の必要性を確認する。
- 共同相続後の無断単独処分における他の共同相続人の自己持分に関する登記の要否を検討する。
- 選択肢 1不正解
- 詐欺による意思表示の取消後の第三者と売主の関係は対抗関係となるため、売主は復帰の登記をしなければ第三者に所有権を対抗できません。
- 選択肢 2不正解
- 契約解除後の第三者と売主の関係も対抗関係となり、売主は登記を備えなければ解除後の第三者に所有権を対抗できません。
- 選択肢 3正解
- 共同相続人の一人が単独で所有権移転登記をして第三者に譲渡した場合でも、他の相続人は自己の法定相続分の持分については登記なくして第三者に対抗できます。
- 選択肢 4不正解
- 時効完成後の第三者と時効取得者の関係は対抗関係となるため、時効取得者は登記をしなければ第三者に所有権を対抗できません。
覚えるポイント
- 共同相続人は「自己の持分」なら登記なくして第三者に対抗できる
- 「〜後」の第三者(取消後・解除後・時効完成後)はすべて登記の早い者が勝つ(対抗関係)
間違えやすいところ
- 時効完成前の第三者(登記不要)と時効完成後の第三者(登記必要)の違いに注意が必要です。
- 共同相続における法定相続分の主張には登記が不要である判例法理を正しく押さえておく必要があります。
出題の前提:民法177条、898条、899条、および判例(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.4 ↗(www.retio.or.jp)
担保物権の効力・性質(先取特権・留置権・不動産質権・抵当権の効力の及ぶ範囲)
権利関係 · 担保物権 / 先取特権 / 留置権 / 質権 / 抵当権 / 従物
担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
担保物権には法定担保物権(留置権・先取特権)と約定担保物権(質権・抵当権)があります。留置権は目的物に関して生じた債権(牽連性)が必要であり、造作代金債権では建物に留置権は成立しません。また不動産質権も認められており、抵当権の効力は特段の定めのない限り従物にも及びます。
解き方
- 不動産工事の先取特権が法定担保物権であり事前合意を要しないことを確認する。
- 造作買取請求権と建物との牽連性(建物の留置権成立の可否)を判例に基づき判定する。
- 不動産質権の存在可否(民法356条等)を確認する。
- 抵当権設定当時の従物に対する抵当権の効力の及ぶ範囲(民法87条2項・370条、判例)を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 先取特権は法律の規定によって当然に発生する法定担保物権であるため、行使にあたってあらかじめ当事者間で合意しておく必要はありません。
- 選択肢 2不正解
- 判例によれば、造作買取代金債権は造作に関して生じた債権であって建物に関して生じた債権ではないため、建物の留置権を行使することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 民法上、質権は動産のみならず不動産や権利も目的とすることが認められており、不動産質権を設定することができます。
- 選択肢 4正解
- 判例によれば、抵当権設定当時に存在していた建物の従物(ガソリンスタンドの地下タンクや洗車機等)には、抵当権の効力が及びます。
覚えるポイント
- 造作買取代金債権で「建物」の留置権は行使できない
- 不動産質権も設定可能(対抗要件は登記)
- 抵当権設定当時の従物には抵当権の効力が及ぶ
間違えやすいところ
- 「造作買取請求権」と「必要費・有益費の償還請求権」を混同しやすいです。費用償還請求権では建物に留置権が成立しますが、造作代金では成立しません。
出題の前提:民法87条2項、295条、327条、356条、370条、および判例(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
根抵当権(元本確定前の被担保債権の変更・譲渡・優先弁済の範囲・保証債権)
権利関係 · 根抵当権 / 被担保債権の範囲 / 元本の確定 / 随伴性の否定 / 極度額
Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保する特殊な抵当権です。元本確定前においては被担保債権の範囲の変更は利害関係人の承諾を要せず自由に行うことができ、個別債権が譲渡されても根抵当権は随伴しません。また、利息等の担保も極度額の限度内に限られ、枠を超えて優先弁済を受けることはできません。
解き方
- 元本確定前における被担保債権の範囲変更の要件(後順位者の承諾の要否)を確認する。
- 元本確定前における個別債権譲渡に伴う根抵当権の随伴性の有無を検討する。
- 根抵当権の行使限度額(極度額を上限とし、利息等を含めても枠を超えられない原則)を確認する。
- 判例における「信用金庫取引による債権」に保証債権が含まれるか否かを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 元本の確定前であれば、被担保債権の範囲の変更は後順位の抵当権者等の第三者の承諾を得ることなく当事者の合意のみで行うことができます。
- 選択肢 2不正解
- 根抵当権の元本確定前においては随伴性がないため、個別の被担保債権の譲渡を受けた者がその債権について根抵当権を行使することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 普通抵当権と異なり、根抵当権は元本および利息・損害賠償のすべてを含めて極度額の限度でのみ行使できるため、極度額を超えて行使することは一切できません。
- 選択肢 4正解
- 判例によれば、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」と定めた場合、信用金庫との保証契約に基づき発生する保証債権もこれに含まれ、根抵当権によって担保されます。
覚えるポイント
- 元本確定前の債権変更:後順位者の承諾不要
- 元本確定前の債権譲渡:随伴性なし(根抵当権は移転しない)
- 根抵当権は利息等も含め「極度額」が絶対の上限(極度額を超えて行使不可)
間違えやすいところ
- 普通抵当権の「利息その他の定期金は最後の2年分のみ」という規定(民法375条)と、根抵当権における極度額の優先弁済限度(民法398条の3)を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:民法398条の3、398条の4、398条の7、および判例(平成19年4月1日現在施行)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.5 ↗(www.retio.or.jp)
指名債権譲渡の対抗要件と将来債権譲渡の有効性
民法等 · 債権譲渡 / 対抗要件 / 将来債権譲渡
債権の譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らして正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
指名債権の譲渡は当事者の合意のみで成立しますが、債務者および第三者に対抗するためには確定日付ある証書による通知または承諾が必要です。また、将来発生する債権であっても特定されていれば譲渡の対象とすることが認められています。
解き方
- 各選択肢について、確定日付ある証書による対抗要件の要件と判例の立場を照合する。
- 将来債権譲渡の有効性に関する最高裁判所の判断基準に基づき、正解肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 確定日付のある通知が同時に到達した場合、各譲受人は債務者に対してそれぞれ全額の弁済を請求することができ、按分額に限定されるわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 預託金返還請求権という指名債権の性質を有するゴルフクラブ会員権の譲渡を第三者に対抗するには、確定日付ある通知または承諾が必要とされます。
- 選択肢 3正解
- 最判平11.1.29によれば、目的債権が特定されていれば将来債権の譲渡は有効であり、譲渡時の発生可能性が低いことのみをもって直ちに無効にはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 譲渡予約の通知は予約完結による本譲渡自体の対抗要件にはならないため、予約完結権の行使時に改めて対抗要件を備える必要があります。
覚えるポイント
- 将来債権譲渡は発生原因や金額で特定されていれば有効である
- 同時到達の債権譲受人は債務者に対してそれぞれ全額を請求できる
間違えやすいところ
- 同時到達した譲受人同士の関係において按分清算の問題は生じるが、債務者への請求自体は各自が全額請求できる点を見落としやすい
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の民法および最高裁判例
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
不動産売買における滅失と危険負担の特約
民法等 · 危険負担 / 債務不履行 / 特約の効力
平成19年9月1日にA所有の甲建物につきAB間で売買契約が成立し、同月30日をもってBの代金支払と引換えにAが建物を引き渡す合意がされていた。この場合に関する次の記述のうち、当時の民法の規定に照らして正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
契約成立から目的物引渡しまでの間に当事者の責に帰すことができない事由で目的物が滅失した場合の危険負担について、民法の原則規定は任意規定であり、当事者間の特約によって危険の移転時期や負担者を自由に定めることができます。
解き方
- 契約締結前の滅失(原始的不能)、債務者の帰責事由による滅失(履行不能)、債権者の帰責事由による滅失の各効果を確認する。
- 危険負担の規定が任意規定であり、引渡しまで売主負担とする特約が有効に機能することを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 契約締結日である9月1日より前の8月31日に滅失していた場合、原始的不能により契約自体が無効となり、契約が有効に成立するわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 売主Aの帰責事由による滅失はAの債務不履行(履行不能)となり、買主Bは契約の解除や損害賠償請求が可能ですが、契約が当然に無効となるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 買主Bの帰責事由によって滅失した場合、債権者の責に帰すべき事由による不能として、Bの代金支払義務は消滅せず代金を支払わなければなりません。
- 選択肢 4正解
- 民法の危険負担規定は任意規定であるため、「引渡しまで自然災害の危険を売主が負担する」という特約は有効であり、Aの引渡債務とともにBの代金債務も消滅します。
覚えるポイント
- 危険負担に関する民法の規定は任意規定であり特約が優先する
- 原始的不能は契約が無効、後発的不能は債務不履行または危険負担の問題となる
間違えやすいところ
- 債務者の有責による履行不能が起きたときに、契約が当然無効になると誤認しやすい点に注意する
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の民法第534条〜第536条等の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.6 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
一般私人間の不動産売買における瑕疵担保責任
民法等 · 売買契約 / 瑕疵担保責任 / 免責特約 / 除斥期間
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らして誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
民法の瑕疵担保責任(出題当時)において、隠れた瑕疵がある場合、契約の目的を達することができないときは契約の解除と損害賠償請求が可能であり、目的を達することができる場合であっても損害賠償の請求を行うことができます。
解き方
- 瑕疵担保責任における解除と損害賠償の請求要件の違いを確認する。
- 目的達成が可能な瑕疵であっても損害賠償責任が発生するため、責任を負わないとする選択肢2が誤りであると導く。
- 選択肢 1不正解
- 民法第572条により、担保責任を免除する特約をした場合であっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れることができません。
- 選択肢 2正解
- 契約の目的を達することができないときは解除と損害賠償ができますが、目的を達することができる場合でも買主は損害賠償請求ができるため、売主は瑕疵担保責任を負います。
- 選択肢 3不正解
- 瑕疵担保責任を追及できる買主は善意・無過失であることが必要であるため、悪意または有過失の買主に対して売主は責任を負いません。
- 選択肢 4不正解
- 民法第566条第3項に基づき、買主が瑕疵担保責任を追及できる期間は、瑕疵を知った時から1年以内と定められています。
覚えるポイント
- 瑕疵担保責任では契約の目的を達せなくても損害賠償請求は認められる
- 売主が知っていて告げなかった瑕疵は免責特約があっても免責されない
間違えやすいところ
- 契約解除ができる要件(目的不達成)と、損害賠償請求ができる要件を混同しないようにする
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の民法第570条、第566条、第572条
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
金銭債務の相続と限定承認・法定単純承認
民法等 · 相続の承認・放棄 / 限定承認 / 法定単純承認 / 金銭債務の共同相続
AがBに対して1,000万円の貸金債権を有していたところ、Bが相続人CおよびDを残して死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らして誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
共同相続人が複数存在する場合、限定承認は相続人全員が一致して共同で行わなければなりません(民法923条)。また、相続財産の処分は法定単純承認事由となり、金銭債務は法定相続分に応じて当然分割承継されます。
解き方
- 限定承認の共同要件(全員一致で行う必要があるか)を確認する。
- Cが単純承認を希望しDのみが限定承認をすることはできないため、選択肢1が誤りであると判断する。
- 選択肢 1正解
- 民法第923条により、共同相続人がいるときの限定承認は相続人全員が共同して行わなければならないため、各自が個別に単純承認と限定承認を選択することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 民法第921条第1号により、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされます。
- 選択肢 3不正解
- 判例上、可分債務である金銭債務は相続開始と同時に当然に分割され、各共同相続人の法定相続分に応じて承継されます。
- 選択肢 4不正解
- 相続人全員が放棄して相続人が不存在となった場合、債権者等の利害関係人は家庭裁判所に相続財産管理人の選任を請求し、清算手続きを通じて回収を図ることができます。
覚えるポイント
- 限定承認は共同相続人全員が共同して行わなければならない
- 可分債権・可分債務は相続開始により当然に法定相続分で分割される
間違えやすいところ
- 相続の放棄は単独で行えるのに対し、限定承認は全員一致で行わなければならない点を取り違えやすい
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の民法第921条、第923条および最高裁判例
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.7 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
土地上の建物所有者に対する土地明渡請求と借地権の保護
民法等 · 借地借家法 / 使用貸借 / 借地権の存続期間 / 明渡請求
Aが所有者として登記されている甲土地上に、Bが所有者として登記されている乙建物があり、CがAから甲土地を購入した場合に関する次の記述のうち、民法および借地借家法の規定並びに判例に照らして誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
借地借家法において、建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約では、期間の定めがないときは存続期間が30年とされます。民法の賃貸借と異なり、貸主から随時解約を申し入れることは認められません。
解き方
- 取得時効の成立可能性、使用借権の対抗力の有無、借地権満了時の更新請求等の各権利関係を検討する。
- 期間の定めのない借地権について借地借家法第3条の法定存続期間(30年)が適用されることを確認し、いつでも解約できるとする選択肢4を誤りと特定する。
- 選択肢 1不正解
- Bが自己の土地と信じて一定期間占有を継続していた場合、取得時効の完成等により所有権を取得していれば、Cは明渡請求をすることができません。
- 選択肢 2不正解
- 使用貸借による使用借権は債権であり第三者対抗力がないため、土地の新所有者Cに対して対抗できず、Cからの建物収去土地明渡請求が認められます。
- 選択肢 3不正解
- 借地権の存続期間が満了しても、建物が存在し借地権者が更新請求をした場合等、正当事由による遅滞ない異議がなければ更新されるため、直ちに収去明渡しを請求できない場合があります。
- 選択肢 4正解
- 借地借家法第3条により、期間の定めのない借地権の存続期間は30年と法定されるため、正当事由があっても地主からいつでも自由に解約申入れをして明渡しを求めることはできません。
覚えるポイント
- 期間の定めのない借地契約の存続期間は自動的に30年となる
- 使用借権は土地の買受人等の第三者に対抗することができない
間違えやすいところ
- 民法上の一般賃貸借(解約申入れ可能)と、借地借家法が適用される借地権(30年法定)のルールを混同しないようにする
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の借地借家法第3条、民法第597条等
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
定期建物賃貸借と一時使用目的建物賃貸借の比較
民法等 · 借地借家法 / 定期建物賃貸借 / 一時使用建物賃貸借
借地借家法第38条の定期建物賃貸借と、同法第40条の一時使用目的の建物賃貸借に関する次の記述のうち、民法および借地借家法の規定に照らして正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
定期建物賃貸借(借地借家法38条)は更新がない契約であるため書面による契約が義務付けられています。一方、一時使用目的の賃貸借(40条)は借地借家法の主要規定が適用除外となり、一般民法の原則に従うため口頭でも成立します。
解き方
- 各制度における契約方式の要件(書面要否)を比較する。
- 期間の制限、中途解約の可否、対抗要件の規定をそれぞれ検討し、選択肢1が正解であることを導く。
- 選択肢 1正解
- 定期建物賃貸借は公正証書等の書面によって契約しなければ無効(更新ありの普通借家)となりますが、一時使用目的の建物賃貸借には書面の要件はなく口頭でも有効です。
- 選択肢 2不正解
- 一時使用目的の建物賃貸借であっても、客観的に一時使用の実態がある限り契約期間を1年以上とすることは妨げられません。
- 選択肢 3不正解
- 定期建物賃貸借でも床面積200㎡未満の居住用建物で転勤・療養等のやむを得ない事由があるときは借主からの中途解約が認められています。
- 選択肢 4不正解
- 登記も引渡しも経ていない賃借権は、定期賃貸借か一時使用賃貸借かを問わず、新所有者等の第三者に対抗することはできません。
覚えるポイント
- 定期建物賃貸借は公正証書等の書面による契約締結が絶対要件である
- 一時使用の賃貸借には借地借家法の強行規定が適用されず口頭でも有効
間違えやすいところ
- 定期建物賃貸借には1年未満の期間設定も可能であり、中途解約の法定権利が存在する例外を忘れないようにする
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の借地借家法第38条、第40条
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.8 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律における規約の保管と閲覧
法令上の制限・その他 · 区分所有法 / 規約の設定 / 規約の保管 / 掲示義務
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
区分所有法において、規約の保管者は原則管理者であり、利害関係人の閲覧請求に応じる義務を負います。保管場所については、建物内の見やすい場所に掲示すれば足り、全区分所有者への個別通知義務はありません。
解き方
- 規約の保管者(管理者または指定区分所有者等)、公正証書による規約設定、閲覧義務の各条文を確認する。
- 区分所有法第33条第3項の保管場所の公示方法を確認し、「各区分所有者に通知する」義務は課されていないことから選択肢4が誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有法第33条第1項の規定通り、規約は管理者が保管し、不在時は建物を使用する区分所有者または代理人で定めた者が保管します。
- 選択肢 2不正解
- 区分所有法第32条により、最初に専有部分の全部を所有する分譲主等は、公正証書により規約共用部分などを定めることができます。
- 選択肢 3不正解
- 区分所有法第33条第2項の規定通り、利害関係人からの閲覧請求に対し、正当な理由なく閲覧を拒むことはできません。
- 選択肢 4正解
- 区分所有法第33条第3項では「建物内の見やすい場所に掲示しなければならない」と規定されているのみで、各区分所有者への通知は義務付けられていません。
覚えるポイント
- 規約の保管場所は建物内の見やすい場所に掲示すれば足り、個別通知は不要である
- 公正証書規約を設定できるのは最初に専有部分全部を所有する者に限られる
間違えやすいところ
- 掲示義務に加えて「各区分所有者への通知」が必要であるかのように付け加えられた誤り肢に惑わされないようにする
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律第32条、第33条
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
不動産登記の手続きと申請方法
法令上の制限・その他 · 不動産登記法 / 所有権保存登記 / 単独申請 / 共同申請
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定に照らして誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所有権保存登記は原則として単独申請であり、申請適格者は表題部所有者またはその相続人その他の一般承継人等に限られます。区分建物を除き、表題部所有者からの特定承継人(買受人)が直接自己名義で所有権保存登記を申請することはできません。
解き方
- 不動産登記法第74条第1項における所有権保存登記の申請人適格を確認する。
- 土地の買受人Bは直接保存登記ができず、また保存登記自体が単独申請であるため「Aと共同して保存登記を申請できる」とする選択肢1が誤りであると導く。
- 選択肢 1正解
- 土地の表題部所有者から買い受けた者は直接保存登記を申請できず、表題部所有者名義で保存登記を経た後に移転登記をすべきであり、共同して保存登記を申請することもできません。
- 選択肢 2不正解
- 共有物分割禁止の定めの登記など共有者全員に利害が及ぶ変更登記は、共有者全員が共同して申請しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 不動産登記法第69条により、人の死亡または法人の解散により権利消滅する旨の定めがある場合、登記権利者は単独で登記抹消を申請できます。
- 選択肢 4不正解
- 遺贈による所有権移転登記は受遺者(登記権利者)と遺言執行者または相続人全員(登記義務者)との共同申請により行わなければなりません。
覚えるポイント
- 土地の表題部所有者からの買受人は直接保存登記を申請できない
- 法人の解散等による権利消滅の定めがある抹消登記は単独申請ができる
間違えやすいところ
- 区分建物において表題部所有者からの買受人に保存登記が認められる特例(74条2項)と、土地・一般建物の原則とを混同しないようにする
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の不動産登記法第69条、第74条等
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.9 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
国土利用計画法に基づく事後届出の要否と手続き
法令上の制限 · 国土利用計画法 / 事後届出 / 面積要件 / 罰則
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
国土利用計画法に基づく事後届出制度では、一定規模以上(市街化区域2,000㎡以上、市街化調整区域および非線引き都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上)の土地売買等の契約を締結した場合、権利取得者は契約締結日から起算して2週間以内に、土地が所在する市町村長を経由して都道府県知事に届け出る必要があります。宅地建物取引業者間の取引であっても届出免除の事由には該当しません。
解き方
- 各区域における事後届出の対象面積(市街化区域2,000㎡、その他の都市計画区域5,000㎡、都市計画区域外10,000㎡)と取引態様を確認する。
- 取引当事者が宅建業者であっても国土利用計画法の適用除外とならないことを確認し、届出義務の有無を判定する。
- 届出期限(契約締結日から2週間以内)および届出経路(市町村長経由で知事あて)、未届出に対する罰則規定(懲役または罰金)を確認して各肢の正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 市街化調整区域では5,000㎡以上の土地売買等について事後届出が必要です。宅建業者間の取引であっても適用除外にはならず、6,000㎡を取得したBは事後届出を行わなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 都市計画区域外では10,000㎡(1ha)以上の土地取引が事後届出の対象です。2ha(20,000㎡)の売買契約であるため、権利取得者であるDは届出を行わなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 事後届出を怠った者に対しては、知事から届出の勧告が行われるのではなく、直ちに罰則(6月以下の懲役または100万円以下の罰金)が科される対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 事後届出は、契約締結日から起算して2週間以内に、土地の所在する市町村長を経由して都道府県知事に届け出なければなりません。直接知事に提出する期間区分等は存在しません。
覚えるポイント
- 事後届出の面積要件:市街化区域2,000㎡以上、市街化調整区域・非線引き5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上。
- 当事者が宅建業者であっても国土法の届出は免除されない。
間違えやすいところ
- 宅建業法における自ら売主制限等の「業者間免除」と混同し、国土法でも業者間取引が免除されると誤解しやすい点。
- 事後届出違反(未届出)に対して勧告が前置されると誤認しやすい点(勧告は利用目的に対して行うもので、未届出は即罰則の対象)。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(国土利用計画法第23条、同法施行令第16条の4等)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法上の地域地区・区域区分・地区計画・提案制度
法令上の制限 · 都市計画法 / 高度地区 / 区域区分 / 地区計画 / 都市計画提案制度
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
都市計画法において、地域地区のひとつである高度地区は建築物の高さの最高限度または最低限度を定めます。一方、高度利用地区は容積率の最高・最低限度や建蔽率の最高限度などを定める地区です。また、都市計画区域における区域区分(線引き)は任意であり、地区計画区域内の開発・建築行為は着手前の事前届出が義務付けられています。
解き方
- 高度地区の定義(用途地域内、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める)を確認する。
- 区域区分の指定義務の有無(定めないことができる非線引き都市計画区域が存在する)を検討する。
- 地区整備計画区域内での行為の届出時期(着手する日の30日前までの事前届出)を確認する。
- 都市計画の提案権者の範囲(土地所有者等のほか、まちづくり推進NPOや開発事業者等も含まれる)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 都市計画法第9条第18項の規定どおりであり、高度地区は用途地域内において市街地の環境維持や土地利用増進のために建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区です。
- 選択肢 2不正解
- 区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)は、三大都市圏など一定の区域を除き、必ず定めなければならないものではなく、定めないこともできます(非線引き都市計画区域)。
- 選択肢 3不正解
- 地区計画の地区整備計画が定められている区域内で建築物の建築等を行おうとする者は、行為に着手する日の30日前までに市町村長へ届け出なければならず、着手後の事後届出ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画の決定等の提案ができるのは、土地所有者等だけでなく、まちづくりの推進を目的とする特定非営利活動法人(NPO)や一般社団法人、民間事業者等も含まれます。
覚えるポイント
- 高度地区=高さの最高限度・最低限度を定める(用途地域内)。
- 高度利用地区=容積率・建蔽率・建築面積の最低限度等を定める。
- 地区計画の届出は行為着手の「30日前まで」に行う。
間違えやすいところ
- 高度地区と高度利用地区の規定内容を取り違える誤り。
- 地区計画の届出を「着手後遅滞なく」とする事後届出と錯覚する誤り。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(都市計画法第7条、第9条、第21条の2、第58条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.10 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法上の開発行為等の制限・特例
法令上の制限 · 都市計画法 / 開発許可 / 完了公告後の建築制限 / 公益上必要な建築物
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
都市計画法では、開発工事完了公告後の予定建築物以外の建築は原則禁止され、知事の「許可」を受けた場合または用途地域等に適合している場合等に限られます。また、建蔽率等の制限を知事が開発許可に付加できるのは用途地域の定めのない区域に限られます。市街化調整区域の建築制限(43条)では、公民館等の公益上必要な建築物は許可が不要です。
解き方
- 完了公告後の予定建築物以外の建築制限(42条)における手続き要件(知事の「許可」であって届出ではない)を確認する。
- 完了公告後の建築制限において、地方公共団体であっても知事との協議制による特例は規定されていないことを確認する。
- 知事が建蔽率等の制限を定められる区域(用途地域の定めがない区域に限る)を確認し、市街化区域では定められないことを把握する。
- 市街化調整区域の未開発区域における建築規制(43条)の例外規定(公民館等の公益上必要な建築物)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 工事完了公告後、予定建築物以外の建築物を建築しようとする場合は、用途地域等が定められている場合等を除き、都道府県知事の「許可」を受けなければならず、単なる届出では認められません。
- 選択肢 2不正解
- 都市計画法第42条第1項ただし書において、工事完了公告後の予定建築物等以外の建築について国や地方公共団体との協議による特例は規定されておらず、原則通り知事の許可等の要件を満たす必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 都道府県知事が開発許可に際して建蔽率等の建築制限を定めることができるのは「用途地域の定められていない土地の区域」に限られ、用途地域が定められている市街化区域では定めることができません。
- 選択肢 4正解
- 公民館や図書館、駅舎などの公益上必要な建築物を建築する場合は、市街化調整区域内の開発区域外であっても都道府県知事の許可を受ける必要はありません(都市計画法第43条第1項第1号)。
覚えるポイント
- 公民館・変電所・駅舎等の公益上必要な建築物は、開発許可・建築許可ともに不要。
- 知事が開発許可時に建蔽率等の制限を定められるのは「用途地域の指定のない区域」のみ。
間違えやすいところ
- 公益上必要な建築物の例外(公民館など)と、学校・医療施設・庁舎(これらは法改正により例外から除外)を混同する誤り。
- 完了公告後の建築制限において「国・地方公共団体との協議」で例外的に建築できると錯覚する誤り(完了前制限と完了後制限の混同)。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(都市計画法第41条、第42条、第43条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
都市計画法上の開発許可を要しない行為の組合せ
法令上の制限 · 都市計画法 / 開発許可不要事由 / 第二種特定工作物 / 公益上必要な建築物 / 農林漁業用建築物
土地の区画形質の変更に関する次の記述のうち、都市計画法による開発許可を受ける必要のないものの組合せとして、正しいものはどれか。 ア 市街化調整区域内における庭球場の建設の用に供する目的で行う5,000㎡の土地の区画形質の変更 イ 市街化調整区域内における図書館の建築の用に供する目的で行う3,000㎡の土地の区画形質の変更 ウ 市街化区域内における農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う1,500㎡の土地の区画形質の変更
解答・解説を表示
解答
1
解説
開発許可制度において、区画形質の変更が「建築物」または「特定工作物」の用に供するものでない場合は開発行為に該当しません。ゴルフ場以外の庭球場や野球場等の運動施設は1ha(10,000㎡)以上で第二種特定工作物となります。また、図書館等の公益上必要な建築物は区域を問わず許可不要です。さらに農林漁業用建築物の特例は「市街化区域以外」にのみ認められます。
解き方
- 記述アについて、庭球場が第二種特定工作物に該当する面積基準(1ha以上)を満たしているか確認し、5,000㎡では特定工作物に該当しないため開発行為に当たらず許可不要と判断する。
- 記述イについて、図書館が公益上必要な建築物に該当するか確認し、区域・規模に関わらず許可不要と判断する。
- 記述ウについて、農家住宅の例外規定が市街化区域では適用されないことを確認し、1,000㎡以上であるため許可が必要と判断する。
- 許可不要な肢(アとイ)の組合せを選択肢から特定する。
- 選択肢 1正解
- アは工作物の規模が1ha未満のため開発行為に当たらず許可不要、イは公益上必要な建築物のため許可不要であり、許可不要の組合せとして正しいです。
- 選択肢 2不正解
- ウは市街化区域内のため農林漁業用建築物の特例が適用されず開発許可が必要となるため、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- アが開発許可不要であることを見落とし、ウ(開発許可が必要)を含んでいるため、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- ウは市街化区域内で行われる1,500㎡の区画形質変更であり開発許可が必要なため、ア・イ・ウ全てが不要とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 第二種特定工作物:ゴルフ場(面積不問)、庭球場・遊園地・墓園等(1ha以上)。
- 図書館・公民館・駅舎等の公益上必要な建築物は開発許可不要。
- 農林漁業用建築物の例外規定は市街化区域では「適用されない」。
間違えやすいところ
- 農家住宅・農業用施設がどこでも許可不要であると誤解し、市街化区域でも許可不要と判断してしまう誤り。
- 庭球場を面積に関わらず特定工作物であると勘違いする誤り(ゴルフ場と他の運動施設との基準の違い)。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(都市計画法第4条第11項・第12項、第29条第1項各号)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.11 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法上の建築確認・石綿規制・防火規定
法令上の制限 · 建築基準法 / 建築確認 / 石綿(アスベスト) / 防火地域・準防火地域 / 防火壁
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
建築基準法第6条第1項各号では建築確認を要する建築物の規模・用途を定めています。特殊建築物については一定規模以上の新築・増改築および大規模修繕・大規模模様替が確認の対象です。また、石綿(アスベスト)は使用そのものが原則禁止されています。防火地域・準防火地域では階数や延べ面積に応じて耐火建築物または準耐火建築物とすることが求められ、耐火・準耐火建築物には防火壁の設置義務が免除されます。
解き方
- 肢1について、出題当時の特殊建築物(共同住宅)の大規模修繕における確認対象基準(床面積100㎡超)と対比し、180㎡は確認が必要であると判断する。
- 肢2について、石綿添加建材の規制内容(換気設備での対応ではなく使用そのものの禁止)を確認する。
- 肢3について、準防火地域において延べ面積1,000㎡超1,500㎡以下の建築物は準耐火建築物でもよいことを確認し、「すべて耐火建築物」とする誤りを排除する。
- 肢4について、防火壁の設置義務(延べ面積1,000㎡超)から耐火建築物及び準耐火建築物が除外されていることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 共同住宅は特殊建築物であり、試験当時の建築基準法では床面積の合計が100㎡を超えるものの大規模の修繕を行う場合、工事着手前に建築主事等の確認を受ける必要がありました。
- 選択肢 2不正解
- 建築材料への石綿等の添加・使用は原則として全面的に禁止されており、換気設備を技術的基準に適合させることによって使用を認める規定はありません。
- 選択肢 3不正解
- 準防火地域内では、延べ面積が1,500㎡を超える場合に耐火建築物とする必要がありますが、1,000㎡超1,500㎡以下の建築物は準耐火建築物とすることも可能です。
- 選択肢 4不正解
- 延べ面積が1,000㎡を超える建築物には原則として防火壁による区画義務がありますが、耐火建築物又は準耐火建築物についてはこの防火壁区画の規定が適用除外とされています。
覚えるポイント
- 延べ面積1,000㎡超の防火壁設置義務は、耐火建築物・準耐火建築物には適用されない。
- 準防火地域では「地階を除く階数が4以上」または「延べ面積1,500㎡超」で耐火建築物が必要。
- 石綿(アスベスト)は居室内において使用そのものが禁止。
間違えやすいところ
- 防火壁の設置義務が耐火建築物にも及ぶと勘違いする誤り。
- 防火地域と準防火地域を混同し、準防火地域でも延べ面積1,000㎡超ならすべて耐火建築物にしなければならないと誤認する点。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(建築基準法第6条第1項、第26条、第28条の2、第61条・第62条等)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
建築基準法上の第二種低層住居専用地域の建築規制
法令上の制限 · 建築基準法 / 第二種低層住居専用地域 / 用途制限 / 外壁後退 / 絶対的高さ制限 / 斜線制限
第二種低層住居専用地域に指定されている区域内の土地(以下この問において「区域内の土地」という。)に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、特定行政庁の許可については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
低層住居専用地域は良好な住居の環境を保護するための地域であり、絶対的高さ制限(10mまたは12m)、外壁後退距離(1.5mまたは1m)、北側斜線制限等の厳格な形態規制が課される一方で、隣地斜線制限の適用はありません。また、第二種低層住居専用地域では一定規模以下(床面積150㎡以内かつ2階以下)の店舗や理髪店・美容院などの日常生活に必要な小規模施設の建築が許容されています。
解き方
- 第二種低層住居専用地域で建築可能な用途(床面積150㎡以下の美容院等)を確認し、肢1の建築可否を判定する。
- 低層住居専用地域における外壁の後退距離の限度(1.5mまたは1m)を確認し、肢2の数値(2mまたは1.5m)の誤りを排除する。
- 低層住居専用地域における建築物の絶対的高さ制限の数値(都市計画で10mまたは12m)を確認し、9m超で直ちに建築不可となるわけではないことを判定する。
- 低層住居専用地域に適用される斜線制限(道路斜線・北側斜線)と適用されない制限(隣地斜線制限)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 第二種低層住居専用地域では、美容院等の用途に供する部分の床面積の合計が150㎡以内で2階建て以下のものは建築可能です。100㎡の2階建て美容院は建築できます。
- 選択肢 2不正解
- 低層住居専用地域において都市計画で定めることができる外壁の後退距離の限度は「1.5m又は1m」であり、2mと定めることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 低層住居専用地域における建築物の高さの限度(絶対的高さ制限)は、都市計画で「10m又は12m」と定められるため、高さが9mを超える建築物であっても指定限度以下であれば建築可能です。
- 選択肢 4正解
- 第一種・第二種低層住居専用地域内の建築物には、隣地斜線制限の適用はありません(道路斜線制限及び北側斜線制限が適用されます)。
覚えるポイント
- 低層住居専用地域には「隣地斜線制限」の適用がない(北側斜線と絶対的高さ制限があるため)。
- 外壁後退の限度は「1.5m」または「1m」。
- 絶対的高さ制限は都市計画で「10m」または「12m」。
間違えやすいところ
- 第一種低層と第二種低層の用途制限を混同し、第二種でも店舗等の建築が全面的に不可であると誤認する点。
- 隣地斜線制限の適用除外地域(低層住居専用地域)と北側斜線制限の適用地域を取り違える誤り。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(建築基準法第48条、第54条、第55条、第56条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.12 ↗(www.retio.or.jp)
宅地造成等規制法上の造成宅地防災区域等の指定及び措置
法令上の制限 · 宅地造成等規制法 / 造成宅地防災区域 / 宅地造成工事規制区域 / 改善命令・勧告
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地造成等規制法(当時)における「造成宅地防災区域」は、宅地造成工事規制区域外の一団の造成宅地について、崩壊等の災害発生のおそれが大きい場合に都道府県知事が指定する制度です。両区域は重層的に指定されるものではなく、規制区域外を対象とします。造成宅地防災区域内の所有者等は擁壁設置等の保全努力義務を負い、知事は勧告や改善命令を行うことができます。
解き方
- 造成宅地防災区域の指定対象区域を確認し、「宅地造成工事規制区域外」に限定されていることを把握する。
- 肢1が「宅地造成工事規制区域内においても指定できる」としている点に誤りがあることを特定する。
- 肢2の指定解除規定、肢3の所有者等の保全努力義務、肢4の知事による勧告規定が条文に適合していることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域外の区域を対象として指定されるため、宅地造成工事規制区域内に指定することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 都道府県知事は、造成宅地防災区域について指定の事由がなくなったと認めるときは、その指定を解除することができます。
- 選択肢 3不正解
- 造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者、管理者又は占有者は、災害が生じないよう擁壁の設置等の措置を講ずるよう努めなければなりません(責務・努力義務)。
- 選択肢 4不正解
- 都道府県知事は、災害の防止のため必要があると認めるときは、造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者等に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができます。
覚えるポイント
- 造成宅地防災区域は「宅地造成工事規制区域外」において指定される(重複指定不可)。
- 造成宅地防災区域内の所有者等の義務は「努力義務」。知事は勧告・改善命令を行うことができる。
間違えやすいところ
- 造成宅地防災区域と宅地造成工事規制区域が重複して指定できると誤認する点。
- 所有者等の措置が最初から法的義務(罰則付き)であると誤解する点(努力義務であり、命令違反で罰則)。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地造成等規制法第20条、第21条、第22条)※現行の盛土規制法以前の規定
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
土地区画整理法上の土地区画整理組合の設立・事業要件
法令上の制限 · 土地区画整理法 / 土地区画整理組合 / 組合設立要件 / 経費賦課 / 建築等の制限
土地区画整理法における土地区画整理組合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
3
解説
土地区画整理組合は、宅地の所有者又は借地権者が7人以上共同して、定款及び事業計画を定めて都道府県知事の認可を受けて設立されます。組合は組合員に対して経費を賦課徴収できますが、賦課徴収に知事の認可は不要です。また、組合設立認可公告後の施行地区内における建築等の制限において、建築や形質の変更等の許可権者は「都道府県知事等」であり、組合ではありません。
解き方
- 土地区画整理組合の設立人数(7人以上共同)および設立認可時の必要図書(定款及び事業計画)を確認し、肢1の誤り(5人以上、事業計画先行免除等)を排除する。
- 経費の賦課徴収手続きを確認し、知事の認可を要しないことを確認して肢2を排除する。
- 所有権者または借地権者による組合設立と施行要件(第3条第2項)を確認し、肢3が正しいことを判断する。
- 施行地区内の建築行為等の制限(法第76条)における許可権者が「都道府県知事等(市の区域内では市長)」であり、土地区画整理組合ではないことを確認して肢4を排除する。
- 選択肢 1不正解
- 土地区画整理組合を設立するには、「7人以上」共同して定款及び「事業計画」を定め、知事の認可を受けなければなりません。事業計画の決定に先立って設立することは認められていません。
- 選択肢 2不正解
- 組合は事業経費に充てるため組合員に対して金銭(賦課金)を賦課徴収することができますが、賦課徴収を行うにあたって都道府県知事の認可を受ける必要はありません。
- 選択肢 3正解
- 土地区画整理法第3条第2項の規定どおり、宅地について所有権又は借地権を有する者は、組合を設立してその権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について事業を施行することができます。
- 選択肢 4不正解
- 設立認可の公告後から換地処分公告の日まで、事業の施行障害となる建築物の新築等を行う場合に受けるべき許可は、「都道府県知事等」の許可であり、土地区画整理組合の許可ではありません。
覚えるポイント
- 土地区画整理組合の設立発起人は「7人以上共同」(定款および事業計画を定める)。
- 施行地区内の建築行為等の制限(76条)の許可権者は「都道府県知事等」(組合ではない)。
- 賦課金の徴収に都道府県知事の認可は不要。
間違えやすいところ
- 組合設立の発起人数を「5人以上」と誤認する点(開発許可等の他制度との混同)。
- 施行地区内の建築等の制限(76条)において、許可権者を「土地区画整理組合」と勘違いする誤り。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(土地区画整理法第3条、第14条、第40条、第76条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.13 ↗(www.retio.or.jp)
農地法の許可要件および届出等の例外
法令上の制限 · 農地法 / 農地転用 / 市街化区域の特例
農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
農地法において、農地の権利移転(3条)、自己転用(4条)、転用目的の権利移動(5条)は原則として許可が必要ですが、市街化区域内の農地転用については、あらかじめ農業委員会に届出を行うことで都道府県知事等の許可が不要となる特例が設けられています。
解き方
- 各肢で扱われている行為が農地法の第3条・第4条・第5条のいずれの規制対象になるかを確認する。
- 転用対象となる農地の所在場所(市街化区域か市街化調整区域か)や土地の現況、届出等の特例適用の有無を判別して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 相続により農地を取得すること自体は3条許可が不要ですが、その後に市街化調整区域内の農地を自己の住宅用地へ転用する場合には原則通り法第4条第1項の許可が必要となります。
- 選択肢 2正解
- 市街化区域内にある農地を農地以外に転用する目的で権利を取得する場合、あらかじめ農業委員会に届出を行えば法第5条第1項の許可は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 農地法第3条の規制対象は「農地又は採草放牧地」の権利取得です。取得の時点で原野である土地は農地等に該当しないため、取得後に造成して農地にする場合であっても第3条第1項の許可は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 現況が遊休地化して耕作されていなくても、登記や客観的実態として農地である土地を市街化調整区域において駐車場へ転用する場合には、法第4条第1項の許可が必要です。
覚えるポイント
- 市街化区域内の農地転用(4条・5条)は農業委員会への事前届出で許可不要。現況農地でない山林や原野の取得には3条許可は不要。
間違えやすいところ
- 相続による農地取得自体は許可不要だが、取得した後に自己転用する行為は4条許可が必要であることを見落としやすい。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(農地法第3条、第4条、第5条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例
税・その他 · 譲渡所得 / 居住用財産の買換えの特例 / 租税特別措置法
租税特別措置法第36条の2の特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
特定の居住用財産の買換え特例(租税特別措置法第36条の2)は、長期保有した居住用財産を売却して新たな住宅に買い換えた場合に課税を繰り延べる制度です。適用には譲渡対価の上限(1億円以下等)、譲渡資産の居住期間・所有期間(ともに10年超)、買換資産の取得時期(譲渡の前年中から翌年末まで)、買換資産の床面積要件(自己の居住用部分が50㎡以上)などを満たす必要があります。
解き方
- 譲渡資産の対価上限、所有期間要件(10年超)、買換資産の取得期間(前年1月1日〜翌年12月31日)などの諸要件を確認する。
- 買換資産の家屋床面積要件について50㎡以上と規定されていることを照合して正誤を判別する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡資産の譲渡対価の額の要件は「1億円以下」(本試験当時・現行基準)であり、5,000万円以下ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 買換資産の取得時期は、譲渡の日の属する年の「前年1月1日から翌年12月31日まで」とされており、譲渡当年の12月31日までに限定されていません。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡資産とされる家屋は、譲渡の年の1月1日において所有期間が「10年を超えるもの(10年超)」かつ居住期間が10年以上であることが要件であり、5年超ではありません。
- 選択肢 4正解
- 買換資産とされる家屋については、自己の居住の用に供する部分の床面積が50㎡以上であることが適用要件として定められています。
覚えるポイント
- 居住用財産の買換え特例は、譲渡資産の所有期間・居住期間が10年超、譲渡対価1億円以下、買換家屋の床面積50㎡以上。
間違えやすいところ
- 軽減税率の特例(所有期間10年超)や一般の長期譲渡所得(5年超)と、買換え特例の要件(10年超)を取り違えやすい。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(租税特別措置法第36条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.14 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例
税・その他 · 贈与税 / 相続時精算課税 / 住宅取得等資金贈与の特例
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(「65歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置」及び「住宅取得等資金の贈与に限り相続時精算課税の特別控除(2,500万円)に加え、1,000万円の住宅資金特別控除が認められる措置」)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅取得等資金の贈与に係る特例では、父母等からの資金贈与によって住宅を新築・取得・増改築することが求められますが、配偶者や直系血族などの特別の関係がある者から取得した場合は適用対象外となります。また、床面積要件(50㎡以上で1/2以上が居住用)や取得期限(贈与の翌年3月15日まで)などの定めがあります。
解き方
- 各選択肢の条件(取得相手、費用制限、併用店舗の床面積割合、取得期限)を特例要件と対比する。
- 配偶者等一定の親族からの取得は特例の対象から除外される規定を確認し、正しい選択肢を選ぶ。
- 選択肢 1正解
- 配偶者や直系血族等、一定の特別の関係がある者からの家屋取得については、住宅取得等資金の贈与の特例の対象とならないため適用を受けることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 住宅の新築や取得に要した費用の額に2,500万円以上という下限要件は設けられていません。
- 選択肢 3不正解
- 店舗併用住宅等の場合、床面積の2分の1以上が居住用であれば特例の適用が可能です。床面積の3分の1が店舗であれば居住用は3分の2(2分の1以上)となるため、適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 取得・新築等の期限は、資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までとされており、贈与を受けた年の12月31日ではありません。
覚えるポイント
- 配偶者や直系血族等の特別関係者からの住宅取得は住宅取得等資金特例の対象外。居住用床面積は全体の1/2以上必要。期限は翌年3月15日まで。
間違えやすいところ
- 居住用割合が2分の1以上あればよいのに、併用住宅というだけで適用不可と誤解しやすい点に注意。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(租税特別措置法旧第70条の3等)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
不動産取得税の課税標準・税率・非課税
税・その他 · 地方税 / 不動産取得税 / 免税点 / 軽減措置
不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産取得税は不動産の取得に課される道府県税です。標準税率は原則4%ですが、土地および住宅の取得については特例により3%に軽減されています。土地の免税点は10万円未満、中古住宅の特例控除は個人が自己の居住の用に供するものが対象であり法人は対象外、相続による取得は非課税となります。
解き方
- 土地の免税点(10万円未満)を確認し、30万円という数値を検証する。
- 中古住宅の価格からの控除要件(個人の自己居住用)を確認し、法人の取得への適用の可否を判断する。
- 土地(商業地含む)取得に係る税率特例(3%)の正誤を確認する。
- 相続による不動産取得が非課税とされる規定を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 土地の取得に係る不動産取得税の免税点は、課税標準となるべき額が「10万円」未満の場合です。30万円未満ではありません(家屋の新築等の免税点が23万円未満、その他の家屋取得が12万円未満)。
- 選択肢 2不正解
- 既存住宅(中古住宅)を取得した場合の課税標準の特例控除(1,200万円控除等)は、「個人が自己の居住の用」に供するために取得した場合に限り適用され、法人が取得した場合には適用されません。
- 選択肢 3正解
- 土地の取得に係る不動産取得税の税率は、特例により住宅用・商業用等の用途を問わず100分の3(3%)とされています。
- 選択肢 4不正解
- 相続、包括遺贈、法人の合併などによる不動産の取得に対しては、不動産取得税は課税されません(形式的な移転として非課税)。
覚えるポイント
- 土地および住宅の不動産取得税率は3%。土地の免税点は10万円未満。相続による取得は非課税。中古住宅の1,200万円控除は個人の自己居住用限定。
間違えやすいところ
- 商業ビルの敷地だから本則の4%になるのではないかと誤解しやすいが、土地の税率は住宅地・商業地を問わず特例で3%となる。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(地方税法第73条の2、第73条の7、第73条の14、第73条の15等)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.15 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の鑑定評価手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)
税・その他 · 不動産の鑑定評価基準 / 原価法 / 収益還元法 / DCF法
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
収益還元法には「直接還元法」と「DCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法」の2つがあります。一期間の純収益を還元利回りで還元する方法は直接還元法であり、連続する複数の期間の純収益および復帰価格を現在価値に割り引いて合計する方法をDCF法といいます。
解き方
- 三手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)の基本用語(積算価格・比準価格・収益価格)と再調達原価の定義を確認する。
- 収益還元法の分類(直接還元法とDCF法)の定義を比較し、肢4の用語の取り違えを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 記述の通り、価格を求める手法は原価法(積算価格)、取引事例比較法(比準価格)、収益還元法(収益価格)に大別されます。
- 選択肢 2不正解
- 取引事例比較法の取引事例は適切・合理的な計画に基づき収集され、投機的取引など適正さを欠くものであってはならないとされています。
- 選択肢 3不正解
- 再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合に必要とされる適正な原価の総額をいいます。
- 選択肢 4正解
- 一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法は「直接還元法」です。DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益および期末の復帰価格をそれぞれ現在価値に割り引いて合計する手法です。
覚えるポイント
- 一期間の純収益を還元利回りで還元=直接還元法。複数期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合算=DCF法。
間違えやすいところ
- 直接還元法とDCF法の定義が逆転して出題されるパターンを正確に見抜けるようにする。
出題の前提:不動産鑑定評価基準
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
専任の取引主任者(現・宅地建物取引士)の設置義務
宅建業法 · 専任の取引主任者 / 宅地建物取引士 / 案内所 / 変更の届出
取引主任者の設置に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅建業者は事務所等ごとに一定数の専任の取引主任者(取引士)を置かなければなりません。専任主任者の氏名は業者名簿の登載事項であるため変更があれば30日以内の届出が必要です。また、契約締結や申込みの受付を行う案内所には少なくとも1名以上の専任主任者の設置が義務付けられています。
解き方
- 案内所における申込み受付時の専任主任者の設置要否を検討する(契約締結だけでなく申込み受付も1名以上必要)。
- 専任主任者の変更時の業者名簿変更届出手続き(30日以内)を確認する。
- 設置要件を欠いた場合の監督処分(指示処分だけでなく業務停止処分の対象にもなり得る)を判断する。
- 常勤役員が専任主任者になれるかどうか(常勤であれば算入可能)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 契約の締結だけでなく「契約の申込みの受付」を行う案内所等には、成年者である専任の取引主任者を少なくとも1名置かなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 専任の取引主任者の氏名は宅地建物取引業者名簿の登載事項であり、変更があったときは30日以内に免許権者に届け出なければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 専任の取引主任者の法定数を欠いた場合に2週間以内に是正措置をとらなかったときは、指示処分だけでなく業務停止処分の対象にもなり得ます。
- 選択肢 4不正解
- 法人の役員であっても、その事務所に常勤して専ら宅建業の業務に従事するものであれば、その事務所の専任の取引主任者として算入することができます。
覚えるポイント
- 契約申込み・締結を行う案内所等は専任主任者1名以上必要。専任主任者の氏名変更は業者名簿の変更届出事項(30日以内)。
間違えやすいところ
- 役員は専任になれないと思い込む誤りや、案内所で「契約」せず「申込み」だけなら設置不要と勘違いする誤りが多い。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第9条、第15条、第31条の3、第65条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.16 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
取引主任者資格登録および主任者証の交付・更新
宅建業法 · 資格登録 / 取引主任者証 / 登録の消除 / 重要事項説明
宅地建物取引主任者資格登録(以下この問において「登録」という。)及び宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
主任者証(取引士証)の交付を受けていない者は重要事項説明等の事務を行うことができません。これに違反して情状が特に重い場合は登録の消除処分を受け、消除の日から5年間は再登録が禁止されます。なお登録の移転は任意であり、更新講習の指定実施者は知事、再交付後に発見したときは旧証を返納します。
解き方
- 登録の移転が義務か任意かを確認する(「しなければならない」は誤り)。
- 主任者証未交付での重要事項説明による情状重過失での登録消除および5年間の欠格期間を照合する。
- 主任者証の更新講習の実施主体(知事指定か大臣指定か)を確認する。
- 亡失した証を発見したときに返納すべき対象(発見された旧証か、新証か)を判別する。
- 選択肢 1不正解
- 登録の移転は任意の手続きであり、「申請しなければならない」という義務規定ではありません(申請することができる)。
- 選択肢 2正解
- 取引主任者証の交付を受けていない者が重要事項説明を行い、その情状が特に重いときは登録が消除され、その消除の日から5年間は再登録を受けることができません。
- 選択肢 3不正解
- 取引主任者証の更新に際して受講すべき法定講習は、「登録をしている都道府県知事(本肢では丙県知事)が指定する講習」であり、国土交通大臣の指定する講習ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 再交付を受けた後に亡失した元の取引主任者証を発見したときは、速やかに「発見した(以前の)取引主任者証」を返納しなければならず、再交付された新しい主任者証を返納するわけではありません。
覚えるポイント
- 登録の移転は「できる」(任意)。更新前6か月以内の法定講習は「知事が指定」。紛失証の発見時は「発見した旧証」を速やかに返納。
間違えやすいところ
- 再交付後に発見された証ではなく、新しく交付された証を返納すると書かれている引っ掛けに注意する。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第18条、第19条の1、第22条の2、第22条の3、第68条の2)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の「宅地」「取引」「業」の定義と免許要件
宅建業法 · 宅地建物取引業の定義 / 自ら貸借 / 破産管財人 / 媒介・代理
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引業とは、宅地・建物の売買・交換、または売買・交換・貸借の代理・媒介を、不特定多数を相手に反復継続して業として行うことをいいます。自ら貸主として賃貸する行為(自ら貸借)や単なる管理業務は宅建業に当たりませんが、その代理・媒介を行う者や、代理を依頼して自ら分譲(売買)を行う売主自身は宅建業の免許が必要です。
解き方
- 各主体の行為(自ら売買、自ら貸借、媒介・代理、あっせん等)が宅建業法第2条第2号の「取引」に該当するかを区分する。
- 業者に代理・媒介を依頼していても売主自身が免許を要することを確認する。
- 破産管財人の媒介を行う者、建築条件付き土地売買のあっせんを行う者が免許を要するかを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 宅建業者に販売代理を依頼した場合であっても、自ら売主となって不特定多数に宅地を分譲(売買)するA自身が宅建業を営むことになるため、Aは免許を受ける必要があります。
- 選択肢 2正解
- 自ら貸主となって賃貸借を行うBおよび建物の管理業務のみを行うDは宅建業に該当せず免許不要です。一方、貸借の媒介(募集・契約)を業として行うCは宅建業に該当するため免許が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 破産管財人自身は裁判所の監督下で換価業務を行うため免許不要ですが、その依頼を受けて反復継続して媒介を行うEは宅建業に該当し、免許を受ける必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 建設工事の請負契約を前提としている場合であっても、不特定多数に対して土地の売買を反復継続してあっせん(媒介)する行為は宅建業に該当するため、Fは免許を受ける必要があります。
覚えるポイント
- 自ら貸借と管理業務は宅建業に非該当(免許不要)。自ら売主となる者は代理・媒介を業者に丸投げしても免許が必要。
間違えやすいところ
- 「代理を宅建業者に頼むから本人は免許不要」という誤答パターンに引っ掛からないよう注意する。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第2条、第3条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.17 ↗(www.retio.or.jp) / 公式問題・正解番号表 p.28 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業の免許基準と欠格事由
宅建業法 · 免許の基準 / 欠格事由 / 役員の欠格
宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引業法では、不正や不当な行為を防止するため厳格な欠格事由を定めています。知事免許と国土交通大臣免許の区分、刑罰や行政処分に伴う欠格要件、破産者の復権による復帰要件を正しく把握することが重要です。
解き方
- 複数の都道府県に事務所を設置する場合の免許権者のルールを確認します。
- 役員の刑罰や行政処分、破産手続の各事由が宅建業法上の欠格事由に該当するかどうかを照合します。
- 選択肢 1不正解
- 支店で宅建業を営む場合、本店は宅建業を行わなくても業法上の事務所とみなされるため、2以上の都道府県に事務所を有することになり国土交通大臣の免許が必要です。
- 選択肢 2不正解
- 刑法で罰金刑が欠格事由となるのは傷害罪や暴行罪、脅迫罪、背任罪など特定の罪に限られます。過失傷害罪による罰金刑は欠格事由に該当せず、免許取消しにはなりません。
- 選択肢 3正解
- 業務停止処分に違反して免許を取り消された場合、その取消しの日から5年を経過しない者は免許を受けることができない欠格事由に該当します。
- 選択肢 4不正解
- 破産者であっても復権を得れば直ちに欠格事由から除かれます。復権から5年の経過を待つ必要はありません。
覚えるポイント
- 破産者は復権を得れば直ちに免許取得可能(5年の経過は不要)
- 支店で宅建業を営むなら本店も事務所扱いとなり大臣免許が必要
間違えやすいところ
- 罰金刑ですべて欠格になると誤解しやすいが、刑法上の対象犯罪は限定されている点に注意する。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
自ら売主制限と手付金等の保全措置
宅建業法 · 手付解除 / 手付金等の保全措置 / 自ら売主の制限
宅地建物取引業者Aが、自ら売主となって宅地建物取引業者でない買主Bに建築工事完了前のマンションを1億円で販売する場合において、AがBから受領する手付金等に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において「保全措置」とは、同法第41条第1項の規定による手付金等の保全措置をいう。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅建業者が自ら売主となり一般消費者と売買契約を結ぶ際、買主保護のため手付解除や手付金等の保全措置について厳しい制限が課されます。手付解除の要件や保全措置が不要となる例外規定を正しく理解する必要があります。
解き方
- 売主側から手付解除を行う際の金銭支払要件(手付倍返し)を確認します。
- 未完成物件における保全措置が必要となる金額基準および登記による例外規定を確認します。
- 選択肢 1正解
- 売主側が手付解除をするためには、受領した手付金の倍額(本問では1,000万円)を現実に提供しなければならず、受領額の500万円を償還するだけでは解除できません。
- 選択肢 2不正解
- 宅建業者は、保全措置を講ずる場合、契約締結前に行う重要事項説明においてその保全措置の概要を買主に対して説明しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 未完成物件であっても、買主への所有権移転登記がなされたときは、手付金等の保全措置を講じる必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 銀行等による保証委託契約に基づき保全措置が講じられている場合、売主の倒産等により引渡しが不能となったときは、買主は保証銀行に対して手付金全額の返還を請求できます。
覚えるポイント
- 売主からの手付解除は「手付倍返し(倍額の現実の提供)」が必要
- 所有権移転登記がなされたときは未完成物件でも保全措置不要
間違えやすいところ
- 買主からの解除は手付放棄で足りるが、売主からの解除は受領額の返還だけではなく倍額提供が必要である点を取り違えないようにする。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.18 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明の記載・説明事項
宅建業法 · 重要事項の説明 / 35条書面 / 造成宅地防災区域 / アスベスト調査
宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項について説明する場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
宅地建物取引業法第35条に基づく重要事項説明では、取引の態様(売買か貸借か、宅地か建物か)によって説明を要する事項が細かく規定されています。特に法令上の制限や建物の安全性に関する記録の説明義務を整理する必要があります。
解き方
- 各記述の取引態様(売買・貸借、宅地・建物)を確認します。
- 規定されている説明義務の対象(石綿調査、造成宅地防災区域、耐震診断、瑕疵担保措置)と適用範囲を照合します。
- 選択肢 1不正解
- 石綿(アスベスト)の使用の有無の調査結果が記録されているときは、使用されていないという結果であってもその内容を借主に説明しなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 造成宅地防災区域内にあるか否かは、建物の貸借の媒介においても重要事項説明の対象とされています。
- 選択肢 3不正解
- 耐震診断結果の説明が義務付けられているのは、昭和56年5月31日以前に新築工事に着手した旧耐震基準の建物に限られます。平成19年新築の建物は対象外です。
- 選択肢 4不正解
- 瑕疵担保責任の履行に関する措置については、講じる予定がない場合であっても「講じない旨」を買主に説明しなければなりません。
覚えるポイント
- 造成宅地防災区域内である旨は建物の貸借でも説明が必要
- 石綿調査の記録がある場合は結果が「不使用」でも説明を要する
- 耐震診断の説明対象は旧耐震(昭和56年5月31日以前着工)の建物
間違えやすいところ
- 措置を講じない場合は説明が免除されると勘違いしやすいが、講じない旨自体の説明が必要である。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
監督処分および罰則の適用関係
宅建業法 · 監督処分 / 指示処分 / 業務停止処分 / 両罰規定
法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に関する監督処分及び罰則に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
2
解説
宅建業法上の監督処分権限は、免許を与えた知事だけでなく、違反行為等が行われた地域を管轄する知事にも一定の処分権(指示処分や当該区域内での業務停止処分)が認められています。また、従業者の違反行為に対する法人両罰規定の罰金額上限も重要論点です。
解き方
- 業務地を管轄する知事(行為地知事)が行える監督処分の種類を確認します。
- 広告違反、秘密保持義務違反、重要事項不告知に対する行政処分および刑事罰(両罰規定)の規定をそれぞれ照合します。
- 選択肢 1不正解
- 誇大広告等の禁止規定に違反したときは指示処分の対象となり、その指示に従わない場合には業務停止処分を受けることがあります。
- 選択肢 2正解
- 業務が行われた区域の都道府県知事(乙県知事)は、その区域内で行われた業務に関して損害を与えるおそれがある場合、指示処分を行うことができます。
- 選択肢 3不正解
- 守秘義務違反は業務停止処分等の監督処分の対象となるほか、刑罰(懲役や罰金)の適用対象でもあります。
- 選択肢 4不正解
- 重要事項の故意の不告知等の禁止違反について、法人の従業者に対する違反に対して法人に科される両罰規定の罰金額の上限は1億円以下と定められています。
覚えるポイント
- 行為地知事も自らの管轄区域内の業務について指示処分・業務停止処分ができる
- 免許取消処分は免許権者のみが行うことができる
- 重要事項不告知等の両罰規定において法人に対する罰金上限は1億円
間違えやすいところ
- 指示処分を行えるのは免許権者だけであると誤認しやすいが、行為地知事も指示処分を行える点に注意する。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.19 ↗(www.retio.or.jp)
営業保証金の還済・届出・事務所要件
宅建業法 · 営業保証金 / 還済の範囲 / 取戻しの公告 / 案内所の供託義務
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、Aは、甲県内に本店と一つの支店を設置して事業を営んでいるものとする。
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解答
3
解説
営業保証金制度は宅地建物の取引によって生じた債権者を保護するための制度です。還済の対象となる債権の範囲、取戻し時の公告と届出、事務所の増減に伴う追加供託の要否、および供託金全額を対象とする還済限度額のルールを把握することが重要です。
解き方
- 案内所や現地出張所が営業保証金の追加供託を要する「事務所」に該当するかを判断します。
- 還済対象債権の性質(宅建業取引債権か否か)および還済限度額(供託総額)を照合します。
- 選択肢 1不正解
- 営業保証金から還済を受けられるのは宅建業に関する取引により生じた債権者に限られ、広告代理店の広告代金債権のような一般取引債権者は還済を受けられません。
- 選択肢 2不正解
- 営業保証金を取り戻すために公告を行ったときは、遅滞なくその旨を免許権者である知事に届け出なければなりません。
- 選択肢 3正解
- 現地出張所(案内所)は契約締結業務を行う場所であっても業法上の「事務所」ではないため、営業保証金の追加供託は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 本店(1,000万円)と支店1か所(500万円)で計1,500万円が供託されており、支店での取引者であっても供託された総額1,500万円を上限として還済を受けることができます。
覚えるポイント
- 現地案内所等で契約を行う場合でも営業保証金の追加供託は不要
- 広告代金や印刷代金などの一般債権は営業保証金の還済対象外
- 還済限度額は支店ごとの額ではなく業者が供託している総額
間違えやすいところ
- 契約を行う案内所には専任取引士の設置届出が必要だが、営業保証金の供託は不要である点を混同しやすい。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
広告開始時期・契約締結時期の制限およびおとり広告の禁止
宅建業法 · 広告の開始時期 / 契約締結の時期 / おとり広告 / 建築確認
宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
2
解説
宅地建物取引業法第33条(広告開始時期)および第36条(契約締結時期)により、工事完了前の宅地・建物について開発許可や建築確認等の処分前における広告および売買等の契約・予約の締結が禁止されています。これらの制限は業者間取引にも適用されます。
解き方
- 未完成物件の広告開始および契約締結に必要な確認・許可処分の有無を判断します。
- 貸借の広告制限や業者間取引における適用除外の有無をそれぞれ確認します。
- 選択肢 1不正解
- 実在する物件であっても、実際に販売する意思がない物件について広告を出すことは、おとり広告として明確に禁止されています。
- 選択肢 2正解
- 工事完了前において、建築確認を受ける前は広告を行うことも売買契約を締結することもともに禁止されています。
- 選択肢 3不正解
- 開発許可等の処分を受ける前は、売買のみならず貸借に関しても広告を開始することが禁止されています。
- 選択肢 4不正解
- 許可等の処分前の契約締結制限(予約を含む)は業者間取引であっても適用されるため、相手方が宅建業者であっても予約を締結することはできません。
覚えるポイント
- 処分前の広告・契約制限は業者間取引でも適用される(自ら売主制限とは異なる)
- 処分前の広告制限は貸借にも適用される(処分前の契約制限は貸借には適用されない)
間違えやすいところ
- 貸借において「契約締結」は処分前でも禁止されないが、「広告」は処分前には禁止されている点を取り違えやすい。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.20 ↗(www.retio.or.jp)
媒介契約の書面記載事項および有効期間の制限
宅建業法 · 媒介契約 / 34条の2書面 / 専任媒介契約 / 自動更新特約
宅地建物取引業者Aは、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
宅建業法第34条の2では、媒介契約締結時の書面記載事項、価額意見の根拠明示義務、指定流通機構への登録義務、および専任媒介契約の有効期間・更新ルールが定められています。特に自動更新特約は依頼者に不利となるため禁止されています。
解き方
- 媒介契約書の法定記載事項(標準約款該否など)と意見提示義務を確認します。
- 専任媒介契約および専属専任媒介契約の登録日数と、有効期間の更新要件(自動更新の禁止)を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別は、法第34条の2第1項に規定する書面の必要記載事項です。
- 選択肢 2不正解
- 宅地の価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 専属専任媒介契約を締結したときは、契約締結日から休業日を除き5日以内に指定流通機構に所定事項を登録しなければなりません。
- 選択肢 4正解
- 専任媒介契約の更新は依頼者の申出に基づいてのみ行うことができ、申出がない場合に自動的に更新する特約は無効となります。
覚えるポイント
- 専任媒介契約の自動更新特約は無効(必ず依頼者からの更新の申出が必要)
- 指定流通機構の登録期限:専属専任は5日以内、専任は7日以内(休業日除外)
間違えやすいところ
- 有効期間が2か月と上限3か月以内であっても、自動更新特約そのものが法違反となる点を見落とさないようにする。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
重要事項説明書(35条書面)と契約締結後交付書面(37条書面)の比較
宅建業法 · 35条書面 / 37条書面 / 共同媒介 / 取引主任者の記名押印
宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う場合に交付する「35条書面」又は「37条書面」に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、35条書面とは、同法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面を、37条書面とは、同法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
35条書面は契約前の重要事項説明のための書面(主任者による説明が必要)であり、37条書面は契約後の合意内容を確定・確認するための書面(記名押印が必要だが説明は不要)です。また、共同媒介を行う場合は双方の業者が法定書面および記載内容について連帯的な責任を負います。
解き方
- 35条書面と37条書面における取引主任者の記名押印・説明義務の差異を確認します。
- 業者間取引における書面交付義務の有無と、共同媒介における業者の監督責任を検討します。
- 選択肢 1不正解
- 35条書面は取引主任者による記名押印および内容の説明が必要ですが、37条書面は取引主任者の記名押印は必要なものの内容の説明までは義務付けられていません。
- 選択肢 2不正解
- 相手方が宅建業者であっても、37条書面の交付を省略することはできません(承諾があっても省略不可)。
- 選択肢 3不正解
- 相手方の承諾があっても、35条書面・37条書面ともに交付を省略することはできません(出題当時の法令基準)。
- 選択肢 4正解
- 複数の業者が共同媒介を行う場合、各業者がそれぞれ重要事項の調査・説明に責任を負うため、相手方の調査誤りについて過失があるときは共同媒介業者も業務停止処分を受けることがあります。
覚えるポイント
- 35条書面は「記名押印+説明」が必要、37条書面は「記名押印」のみで説明不要
- 共同媒介の場合は関与した全業者が連帯して責任を負い処分対象となり得る
間違えやすいところ
- 37条書面にも説明義務があると勘違いしやすいが、37条書面は交付のみで説明は不要である。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.21 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における自ら売主制限(8種制限)の適用
宅建業法 · 他事物件売買の制限 / 損害賠償額の予定等の制限 / 瑕疵担保責任の特約制限 / クーリング・オフ
宅地建物取引業者Aが自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Bと建物の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
1
解説
宅建業法は宅建業者が自ら売主となり一般消費者が買主となる取引において、買主を保護するため8つの厳格な制限(自ら売主制限)を課しています。他人物売買の制限、損害賠償額の予定の制限、瑕疵担保責任の特約制限、クーリング・オフはその典型です。
解き方
- 宅建業法第33条の2に基づき、停止条件付取得契約締結時の他人物売買の可否を判定する。
- 損害賠償額の予定の2割超過時の無効範囲、瑕疵担保特約の有効性、クーリング・オフの適用除外要件を順次検討して正誤を確定する。
- 選択肢 1正解
- 宅建業法第33条の2により、自己の所有に属しない宅地建物について取得契約を締結していても、停止条件付きであるときは原則どおり売買契約を締結することが禁止されます。
- 選択肢 2不正解
- 宅建業法第38条第2項により、損害賠償の予定額と違約金の合算額が代金の2割を超える特約をした場合、すべてが無効になるのではなく、2割を超える部分のみが無効となります。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業法第40条により、民法の規定より買主に不利となる瑕疵担保特約は無効です。民法の瑕疵担保責任は無過失責任であるため、売主の無過失免責特約は無効となります。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業法第37条の2第1項第2号により、買主が目的物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払った後は、クーリング・オフによる契約解除を行うことはできません。
覚えるポイント
- 停止条件付取得契約では他人物売買契約の締結不可
- 損害賠償額の予定は2割を超える部分のみ無効
- 代金全額支払いかつ物件引渡し完了でクーリング・オフ不可
間違えやすいところ
- 損害賠償予定特約が全額無効になると誤認しやすい点
- 事務所等以外での申込みであっても代金全額支払と引渡し完了で解除権が消滅する点の見落とし
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第33条の2、第37条の2、第38条、第40条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業者が受領できる媒介報酬の計算と制限
宅建業法 · 賃貸借媒介の報酬限度額 / 定期借家契約 / 広告料金の受領要件 / 保証金の扱い
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、B所有の建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とする定期借家契約を成立させた。1か月分の借賃が13万円、保証金(退去時にCに全額返還)が300万円である場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
賃貸借の媒介報酬限度額は借賃の1か月分に消費税等を加算した額が上限です。居住用建物の媒介では依頼者一方からは承諾がない限り0.5か月分+税が上限となります。また、全額返還される保証金は権利金とみなして計算することはできません。
解き方
- 全額返還される保証金は権利金に該当せず、借賃13万円を基礎として上限額を計算することを確認する。
- 居住用建物の場合の一方からの受領限度額(承諾なしのときは0.5か月分+消費税5%)を算出して選択肢3の妥当性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 退去時に全額返還される保証金は返還されない権利金ではないため、売買代金とみなして計算することはできず、借賃(13万円×1.05=136,500円)が双方合算の限度となるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 広告料金を受領できるのは依頼者の依頼によって行う特別の広告等の実費に限られ、依頼者の依頼によらない通常の広告費用を請求・受領することはできません。
- 選択肢 3正解
- 居住用建物の賃貸借媒介において、依頼者の承諾がない限り一方から受領できる限度額は借賃の0.5か月分+税(13万円×0.5×1.05=68,250円)となります。
- 選択肢 4不正解
- 定期借家契約の終了に伴う再契約の媒介であっても、宅建業者が媒介業務を行う以上、宅地建物取引業法の報酬制限規定が適用されます。
覚えるポイント
- 居住用建物の賃貸借媒介は承諾なしの場合一方から受領できるのは借賃0.5か月分+税
- 全額返還される保証金・敷金は権利金みなし計算の対象外
- 依頼のない広告費は請求不可
間違えやすいところ
- 返還される保証金を権利金と混同して売買扱いで計算してしまう誤り
- 居住用建物の0.5か月ルールにおいて「依頼を受けるにあたっての承諾」要件を忘れること
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第46条、昭和45年建設省告示第1552号)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.22 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業法における諸規制(契約時期制限・保全措置・態様明示・解約手付)
宅建業法 · 契約締結等の時期の制限 / 手付金等の保全措置 / 取引態様の明示義務 / 手付の性質
宅地建物取引業法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
未完成物件の自ら売主取引では代金の5%超または1,000万円超の手付金等を受領する前に保全措置が必要です。また開発許可等の処分前は停止条件付であっても売買契約は締結できません。手付は特約がなくとも解約手付とみなされます。
解き方
- 建築工事完了前(未完成)における手付金等保全措置の基準(代金の5%超または1,000万円超)を確認する。
- 手付金1,500万円は500万円を超えているため受領前に保全措置が必要であり、中間金受領時も同様に保全措置が必要であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 宅建業法第36条により、開発許可等の処分を受ける前は停止条件付きの特約を付したとしても売買契約を締結することはできません。
- 選択肢 2正解
- 未完成物件の売買であり、代金の5%(500万円)を超える金銭を受領するため、手付金受領前および中間金受領前のそれぞれにおいて事前に保全措置を講じる必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業法第34条第2項により、広告時のみならず注文を受けた際にも遅滞なく取引態様を明示しなければならず、相手方が業者であっても省略できません。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業法第39条第2項により、自ら売主として手付を受領したときは特約がなくとも解約手付とみなされるため、相手方が履行に着手するまでは手付放棄により解除できます。
覚えるポイント
- 未完成物件の手付金等保全措置基準は代金の5%超または1,000万円超
- 完成物件の手付金等保全措置基準は代金の10%超または1,000万円超
- 許可等の処分前は停止条件付でも契約締結不可
間違えやすいところ
- 広告で取引態様を明示していれば注文時の明示が不要になると誤解する点
- 手付金について「解約手付」と特約しないと解約手付にならないと誤解する点
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第34条、第36条、第39条、第41条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物取引業保証協会の制度と仕組み
宅建業法 · 保証協会の社員資格 / 二重加入の禁止 / 弁済業務保証金分担金 / 加入報告義務
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
保証協会制度は営業保証金の供託に代わる負担軽減措置です。加入は任意ですが二重加入は固く禁止されています。弁済業務保証金分担金は加入しようとする日までに納付する必要があり、加入前の取引債務に関して担保提供を求められることがあります。
解き方
- 保証協会の重複加入の可否について宅建業法第64条の2第2項の規定を確認する。
- 分担金の納付時期(加入まで)、担保提供要求の有無、届出義務者(保証協会側が報告)を照合して選択肢1が正解であることを導く。
- 選択肢 1正解
- 宅建業法第64条の2第2項により、保証協会の社員である者は、他の保証協会の社員となることができないため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 宅建業法第64条の9第1項により、加入しようとする者は「加入しようとする日までに」分担金を納付しなければならず、加入後2週間以内ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業法第64条の4により、保証協会は加入しようとする者に対し、加入前の取引により生じた債務について担保の提供を求めることができます。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業法第64条の5により、社員が加入・脱退したときに免許権者に報告する義務を負うのは「保証協会」であり、加入した宅建業者自身ではありません。
覚えるポイント
- 保証協会の二重加入は一律禁止
- 新規加入時の分担金は加入の日までに納付(事務所新設時は2週間以内)
- 免許権者への報告義務は保証協会にある
間違えやすいところ
- 新設事務所の追加分担金納付期限(2週間以内)と新規加入時の納付期限(加入日まで)を混同する点
- 免許権者への報告主体が業者本人ではなく保証協会であることの見落とし
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第64条の2、第64条の4、第64条の5、第64条の9)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.23 ↗(www.retio.or.jp)
従業者証明書・従業者名簿・帳簿・標識の備付け及び取扱い
宅建業法 · 従業者証明書 / 取引主任者証(宅建士証)の提示 / 従業者名簿の電磁的記録 / 帳簿の備付け / 標識の掲示場所
宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。)、従業者証明書、従業者名簿、帳簿及び標識に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
従業者証明書と取引主任者証(宅建士証)は趣旨・発行主体が異なる別個の証明書であり、提示の代替は認められません。また従業者名簿や業務帳簿は、一定の要件を満たす電磁的記録による作成・保存・表示が認められています。
解き方
- 従業者証明書の携帯・提示義務と取引主任者証の代替可否に関する宅建業法第48条の規定を確認する。
- 従業者名簿・帳簿の電磁的記録による代替要件および案内所・物件現地双方への標識掲示義務を確認し、誤りである選択肢1を特定する。
- 選択肢 1正解
- 宅建業法第48条第1項・第2項により、取引主任者証の提示をもって従業者証明書の提示に代えることは認められていないため、本記述は誤り(正解肢)です。
- 選択肢 2不正解
- 従業者名簿は事務所のパソコンのハードディスクに記録し、画面上に明瞭に表示する方法で閲覧に供することが認められています。
- 選択肢 3不正解
- 業務に関する帳簿について、磁気ディスクに記録し、必要に応じて直ちに紙面に印刷できる環境を整えていれば、帳簿への記載に代えることができます。
- 選択肢 4不正解
- 宅建業法第50条第1項により、一団の宅地建物の分譲を行う場合、目的物件が所在する場所と案内所の双方に標識を掲示しなければなりません。
覚えるポイント
- 取引主任者証(宅建士証)で従業者証明書の代用は不可
- 名簿や帳簿は要件を満たせば電磁的記録で代替可能
- 物件所在場所と現地から離れた案内所の双方に標識が必要
間違えやすいところ
- 取引主任者証(宅建士証)の方が上位だから従業者証明書の代わりにできると勘違いする点
- 帳簿・名簿のパソコン保存が認められていないと誤解する点
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(宅地建物取引業法第48条、第49条、第50条、同法施行規則)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.24 ↗(www.retio.or.jp)
独立行政法人住宅金融支援機構の業務範囲と公庫からの移行措置
住宅金融支援機構法 · 住宅金融支援機構の業務 / 情報提供・相談業務 / 直接融資業務 / 旧公庫からの承継貸付け
平成19年4月1日に住宅金融公庫(以下この問において「公庫」という。)は廃止され、独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)が設立された。機構の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
住宅金融公庫の廃止に伴い設立された住宅金融支援機構は、証券化支援業務を中心としつつ、子育て世帯・高齢者向け賃貸住宅や災害復興などの直接融資、情報提供相談業務等を行います。旧公庫が受理した申込みに係る貸付けも制限なく機構が引き継ぎます。
解き方
- 独立行政法人住宅金融支援機構法第13条等に定める機構の本来業務(情報提供、子育て・高齢者賃貸住宅融資、財形融資)を確認する。
- 法附則に基づく公庫の受理した申込みの引継ぎ規定を確認し、「半年以内に実行するものに限る」とする不当な制限がある選択肢4を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第11号により、良質な住宅の設計・建設や資金調達に関する情報の提供・相談等は機構の業務です。
- 選択肢 2不正解
- 同法第13条第1項第3号により、子どもの育成家庭や高齢者家庭に適した賃貸住宅の建設資金の貸付け(直接融資)は機構の業務です。
- 選択肢 3不正解
- 同法第13条第1項第4号により、勤労者財産形成促進法に基づく財形住宅貸付業務は機構の業務として規定されています。
- 選択肢 4正解
- 公庫が設立前に受理した申込みに係る資金の貸付けは機構が引き継ぎますが、「半年以内に実行するものに限る」という制限はないため誤り(正解肢)です。
覚えるポイント
- 機構の直接融資は子育て・高齢者向け賃貸住宅や災害復興等に限定
- 情報提供・相談や財形住宅融資も機構の業務
- 旧公庫の受理済み貸付案件は半年限定などの制限なく承継実行される
間違えやすいところ
- 機構が民間金融機関の支援(フラット35)のみを行い、直接融資を一切行わないと思い込む誤り
- 経過措置の引継ぎ要件に勝手な期間制限を正しいと錯覚してしまう点
出題の前提:平成19年4月1日現在施行法令(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条、同法附則第3条)
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
不動産の表示に関する公正競争規約に基づく広告表示ルール
景品表示法 · 住宅ローンの表示基準 / 新築の定義 / 新聞折込チラシの省略制限 / 建物面積・車庫面積の表示
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
不動産広告では消費者の誤認を防ぐため厳格な表示基準が定められています。「新築」は建築後1年未満かつ未入居である必要があります。また建物面積表示において車庫面積を含む場合はその旨と面積の明記が必要です。
解き方
- 住宅ローンの表示基準、新築の定義(1年未満・未入居)、新聞折込チラシの必須表示事項を確認する。
- 建物延べ面積に車庫を含む場合の規約上の表示要件を照合し、選択肢4が正しい記述であることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローン等の返済例を表示する場合は、金融機関の名称・借入金利・融資限度額等の基本条件を併せて表示しなければならず、省略できません。
- 選択肢 2不正解
- 「新築」とは建築後1年未満であって居住の用に供されたことがないものを指すため、建築後2年経過している物件は未入居でも「新築」と表示できません。
- 選択肢 3不正解
- 多数物件を一括掲載する場合であっても、交通の利便(最寄り駅や所要時間等)は必須表示事項であり、スペース不足を理由に省略することはできません。
- 選択肢 4正解
- 建物の面積は延べ面積を表示し、これに車庫の面積を含むときは、車庫の面積を含む旨及びその面積を表示しなければならないと規定されています。
覚えるポイント
- 「新築」の条件:建築後1年未満かつ未入居
- 車庫面積を延べ面積に含むときはその旨と車庫面積の明記が必須
- 住宅ローン広告は金融機関名や金利・限度額等の明示が必須
間違えやすいところ
- 人が住んだことがなければ年数に関係なく新築と呼べると勘違いする点
- 広告スペースが狭いチラシなら重要事項を任意に省略できると誤認する点
出題の前提:不動産の表示に関する公正競争規約及び同施行規則
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.25 ↗(www.retio.or.jp)
宅地建物に関する統計情報の動向(平成18年・19年公表資料)
統計 · 地価公示の動向 / 新設住宅着工戸数 / 土地白書(所有権移転登記件数) / 法人企業統計年報
宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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解答
4
解説
宅建試験の統計問題では、試験年の春から初夏にかけて公表される地価公示、建築着工統計、土地白書、法人企業統計年報などの最新数値や前年同期比の増減トレンドが正確に問われます。
解き方
- 平成19年地価公示(住宅地・商業地ともに16年ぶり上昇)の動向を確認し、選択肢1の下落記述を排除する。
- 住宅着工戸数(増加トレンド)、土地取引件数の各データを検討し、正確な統計数値を反映している法人企業統計年報の記述(選択肢4)を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成19年地価公示では、商業地だけでなく住宅地も全国平均でプラス(16年ぶりに上昇へ転換)となったため、「住宅地は引き続き下落」とする記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 平成17年度の新設住宅着工戸数は約124.9万戸で対前年度比約4.7%増となり、3年連続の増加傾向であったため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 平成18年版土地白書によると、平成17年の売買による土地所有権移転登記件数は約177万件(前年比増)であり、記述の数値と異なります。
- 選択肢 4正解
- 平成17年度法人企業統計年報によれば、不動産業の売上高は約34兆5,000億円で、全産業売上高の約2.3%を占めており正しいです。
覚えるポイント
- 平成19年地価公示は全国平均で住宅地・商業地ともに16年ぶりに上昇
- 法人企業統計における不動産業の売上高シェアは約2〜3%水準
- 統計問題は最新年度の増加・減少のトレンドを押さえる
間違えやすいところ
- 地価公示で三大都市圏と全国平均の動向を取り違えること
- 着工戸数の増加・減少の年次トレンドを取り違えてしまう点
出題の前提:平成17年度法人企業統計年報(財務省)、平成19年地価公示、平成17年度建築着工統計、平成18年版土地白書
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
地盤の特徴と宅地適性
その他(免除科目等) · 地形・地盤 / 宅地防災 / 液状化
地盤の特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
地形ごとの形成過程と地盤の強弱を把握することが重要です。一般に台地や段丘は良好な地盤ですが、谷底平野、後背湿地、三角州、旧河道などの低地は泥や砂が堆積した軟弱地盤が多く、液状化や不同沈下のリスクがあります。
解き方
- 選択肢1の谷底平野の特徴を確認し、良質な地盤で宅地に適しているか検証する。
- 低地地形(後背湿地・三角州・旧河道)の軟弱地盤としての特徴と災害リスク(液状化・不同沈下)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 谷底平野は周辺の台地や丘陵の谷間に泥や粘土が堆積した軟弱な低地で地下水位が高いため、宅地として適した良質地盤とする記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 後背湿地は自然堤防の背後に形成される排水不良の軟弱地盤であり、水田に利用されることが多く宅地適地ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 三角州(デルタ)は河川の河口付近に砂や泥が堆積して形成された軟弱地盤で、地下水位が高く地震時の液状化リスクが高いため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 旧河道はかつての川筋が埋められた地形であり、軟弱な粘土質土や有機質土が厚く堆積しているため不同沈下が発生しやすく正しい記述です。
覚えるポイント
- 台地・段丘は地盤が良く宅地適地、低地(谷底平野・後背湿地・旧河道・三角州)は軟弱地盤で不同沈下や液状化のリスクが高い。
間違えやすいところ
- 「谷底平野」という名称から平らで安定した地盤と勘違いしやすいが、実態は軟弱な低地である点に注意する。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の関連法令及び地理的知見に基づく
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.26 ↗(www.retio.or.jp)
建築物の構造規制と構造計算等の基準
法令上の制限 · 建築基準法 / 構造耐力 / 耐久性等関係規定 / 積雪荷重 / 風圧力
建築物の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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解答
4
解説
建築基準法における構造計算基準では、超高層建築物(高さ60m超)について高度な構造計算と国土交通大臣の認定を義務付けていますが、部材の劣化防止等の基本的な基準である耐久性等関係規定への適合は免除されません。
解き方
- 建築基準法令における基礎ぐい、風圧力の割引き、積雪荷重の軽減特例に関する各規定(施行令第38条・第87条・第86条)の適合性を確認する。
- 建築基準法第20条第1号および同法施行令第36条の規定を照合し、大臣認定を受けた超高層建築物における耐久性等関係規定の適用の有無を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 基礎に用いる木ぐいは腐食を防ぐため原則として常水面下にあるようにしなければならず、平家建ての木造建築物以外は仮設建築物であっても同様です(施行令38条6項)。
- 選択肢 2不正解
- 風の方向に対して有効に遮蔽する他の建築物や防風林がある場合、その方向の速度圧は一定限度まで減らすことができます(施行令87条3項)。
- 選択肢 3不正解
- 雪下ろしの慣習がある地方では、垂直積雪量が1mを超える場合でも実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算できます(施行令86条6項)。
- 選択肢 4正解
- 高さ60mを超える建築物で大臣認定を受けた場合でも、耐久性等関係規定(施行令第3章第8節の2)には必ず適合させなければなりません。
覚えるポイント
- 高さ60m超の建築物は大臣認定の構造計算が必要だが、耐久性等関係規定の適用は除外されない。
間違えやすいところ
- 大臣認定を受ければ全ての構造規定が免除されると誤解しやすいが、耐久性等関係規定への適合は必須である。
出題の前提:平成19年4月1日現在施行の建築基準法及び同法施行令
出典:不動産適正取引推進機構『2007年10月 宅建士試験』
公式問題・正解番号表 p.27 ↗(www.retio.or.jp)
2007年10月 宅建士試験
参照した公式資料
不動産適正取引推進機構が公開した2007年10月 宅建士試験の問題・解答資料です。
- 公式問題・正解番号表 ↗ — www.retio.or.jp(PDF・28ページ)

