日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金の受給要件と繰上げ支給の減額率
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 受給資格期間 / 繰上げ支給 / 繰上げ減額率
個人事業主であるAさん(1974年10月22日生まれ、国民年金加入歴:未納30月、納付済305月、今後の納付予定145月)に対する老齢基礎年金の説明として、文中の空欄①〜③に入る語句または数値の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。 「老齢基礎年金を受給するためには、原則として、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が( ① )年必要です。Aさんは、( ① )年の受給資格期間を満たしていますので、原則として65歳から老齢基礎年金を受給することができます。 Aさんが希望すれば、60歳以上65歳未満の間に老齢基礎年金の繰上げ支給を請求することができます。ただし、老齢基礎年金の繰上げ支給を請求した場合は、( ② )減額された年金が支給されることになります。仮に、Aさんが60歳0カ月で老齢基礎年金の繰上げ支給を請求した場合の減額率は( ③ )%となります」
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解答
1
解説
公的年金の老齢基礎年金を受給するためには原則10年以上の受給資格期間が必要です。また、60歳以降65歳未満に繰上げ支給を請求すると、繰上げ月数に応じた減額率が生涯適用され、2022年4月以降に60歳へ達する者は月0.4%ずつ減額されます。
解き方
- 受給資格期間を確認する:保険料納付済期間と免除期間等の合計が原則10年以上必要であるため、空欄①には「10」が入ります。
- 繰上げ受給後の支給期間の性質を確認する:繰上げ支給による減額効果は一生涯継続するため、空欄②には「生涯」が入ります。
- 繰上げ減額率を計算する:Aさんは1974年生まれ(昭和37年4月2日以降生まれ)なので1月あたり0.4%の減額率が適用されます。60歳0カ月での繰上げは60カ月の繰上げとなるため、0.4%×60=24%となり、空欄③には「24」が入ります。
- 選択肢 1正解
- 受給資格期間は「10」年、減額期間は「生涯」、減額率は月0.4%×60月の「24」%となり、すべての空欄の組み合わせが適切です。
- 選択肢 2不正解
- 繰上げ減額は「75歳まで」ではなく生涯続き、減額率は法改正後の月0.4%が適用されるため「30%(旧制度の月0.5%計算)」ではなく24%となります。
- 選択肢 3不正解
- 老齢基礎年金の受給資格期間は法改正により「25年」から「10年」へ短縮されています。また減額率も30%ではなく24%です。
答えの内訳
- 空欄①:10
- 老齢基礎年金の受給資格期間は、保険料納付済期間と免除期間等を合算して原則として10年(120月)以上必要です。
- 空欄②:生涯
- 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けると、請求した月以降、減額された年金額が生涯にわたって支給されます(65歳や75歳になっても元の受給額に戻ることはありません)。
- 空欄③:24
- 2022年4月1日施行の法改正により、1962年(昭和37年)4月2日以降に生まれた人の繰上げ減額率は月0.4%となりました。1974年生まれのAさんが60歳0カ月で請求した場合、繰上げ月数は60月となるため、減額率は0.4%×60月=24%となります。
覚えるポイント
- 老齢年金の受給資格期間は原則10年(合算対象期間等を含む)
- 繰上げ減額率は月0.4%(昭和37年4月2日以降生まれ)、最大60月で24%減額され生涯継続する
間違えやすいところ
- 繰上げ請求による減額が65歳や75歳到達時にリセットされて満額に戻ると誤認すること
- 法改正前の月0.5%(最大30%減額)を新制度対象者にもそのまま適用して計算してしまうこと
出題の前提:2022年4月1日現在施行法令(年金制度改正法による繰上げ減額率の引き下げ・受給資格期間10年)
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の付加保険料と付加年金
ライフプランニングと資金計画 · 付加年金 / 付加保険料 / 老齢基礎年金の繰上げ / 国民年金基金
国民年金の付加保険料および付加年金に関するファイナンシャル・プランナーの説明として、次のうち最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
付加保険料(月額400円)を納付した第1号被保険者は、「200円×付加保険料納付済月数」で計算された付加年金を老齢基礎年金に上乗せして受給できます。付加年金は老齢基礎年金と一体として扱われるため、繰上げ・繰下げ時には老齢基礎年金と同じ率で減額・増額されます。また、国民年金基金加入者は付加保険料を納付できません。
解き方
- 付加年金の年金額計算を確認する:年額は「200円×納付月数」で求められます。145月納付した場合は200円×145月=年額29,000円となり、選択肢1は適切です。
- 繰上げ支給時の付加年金の取扱いを検討する:付加年金は老齢基礎年金と同時に繰り上げられ、同一の割合で減額されるため、選択肢2の「減額されない」という記述が誤り(不適切)であると判断します。
- 国民年金基金との併用制限を確認する:国民年金基金の加入者は付加保険料を併せて納付することはできないため、選択肢3は適切です。
- 選択肢 1不正解
- 付加年金の年額は「200円×付加保険料納付月数」で計算されるため、200円×145月=29,000円となり記述は適切です。
- 選択肢 2正解
- 老齢基礎年金を繰上げ請求すると付加年金も同時に繰上げ請求したものとみなされ、老齢基礎年金と同率で減額されるため、本記述は不適切(正解)です。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金基金には付加年金に相当する給付が含まれているため、国民年金基金加入者は付加保険料を納付することができず、記述は適切です。
覚えるポイント
- 付加年金の受給額は「200円×納付月数」(2年で支払った保険料400円×月数と同額を回収可能)
- 付加年金は老齢基礎年金の繰上げ・繰下げに連動して減額・増額される
- 国民年金基金と付加保険料の納付は重複して利用できない
間違えやすいところ
- 付加保険料の月額(400円)と受給年額の計算式(200円×月数)の数値を混同すること
- 国民年金基金とiDeCo(確定拠出年金)の併用制限と、国民年金基金と付加年金の併用制限を混同すること
出題の前提:2022年4月1日現在施行法令(国民年金法第43条、第87条の2等)
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模企業共済制度の掛金・控除・共済金の課税関係
リスク管理 · 小規模企業共済 / 所得控除 / 退職所得
小規模企業共済制度に関する説明文の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを選びなさい。 「小規模企業共済制度は、個人事業主が廃業等した場合に必要となる資金を準備しておくための制度です。毎月の掛金は、1,000円から( ① )円までの範囲内(500円単位)で選択でき、支払った掛金は( ② )の対象となります。共済金(死亡事由以外)の受取方法には『一括受取り』『分割受取り』『一括受取りと分割受取りの併用』がありますが、このうち、『一括受取り』の共済金(死亡事由以外)は、( ③ )として所得税の課税対象となります」
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解答
3
解説
小規模企業共済は小規模企業の経営者や個人事業主のための退職金積立制度です。掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となり、受取時の一括共済金は退職所得、分割共済金は公的年金等の雑所得として税制上の優遇措置が講じられています。
解き方
- 掛金月額の範囲を確認する:1,000円から70,000円まで(500円単位)であるため、①は70,000となります。
- 支払った掛金の税法上の取扱いを確認する:小規模企業共済等掛金控除として課税標準から差し引く「所得控除」となるため、②は所得控除となります。
- 共済金の受取時の所得区分を確認する:死亡以外の廃業等による共済金を一括受領した場合は「退職所得」となるため、③は退職所得となります。
- 選択肢 1不正解
- 掛金の税法上の取扱いは税額控除ではなく所得控除であり、一括受取りの共済金は一時所得ではなく退職所得として課税されるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 毎月の掛金上限は70,000円(68,000円は国民年金基金・iDeCoの拠出限度額)であり、掛金は税額控除ではなく所得控除であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 掛金上限は月額70,000円、支払掛金は全額が所得控除、一括受取りの共済金は退職所得として課税されるため適切です。
覚えるポイント
- 小規模企業共済の掛金上限は月額7万円(全額が所得控除)である点と、一括受取共済金は退職所得扱いになる点。
間違えやすいところ
- 月額上限6.8万円(国民年金基金や個人型確定拠出年金の第1号限度額)と混同しないように注意する。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令(小規模企業共済法および所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族の必要保障額の計算
リスク管理 · 必要保障額 / 団体信用生命保険 / 生活資金
下記の<算式>および<条件>に基づき、Aさんが現時点で死亡した場合の必要保障額として、最も適切なものを選びなさい。 <算式> 必要保障額=遺族に必要な生活資金等の支出の総額-遺族の収入見込金額 <条件> 1.現在の毎月の日常生活費は35万円であり、Aさん死亡後の妻Bさんの生活費は、現在の日常生活費の50%とする。 2.現時点の妻Bさんの平均余命は、30年とする。 3.Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等)・緊急予備資金は、500万円とする。 4.住宅ローン(団体信用生命保険に加入)の残高は、400万円とする。 5.死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額は、2,000万円とする。 6.Aさん死亡後に妻Bさんが受け取る公的年金等の総額は、4,500万円とする。 7.現在加入している生命保険の死亡保険金額は考慮しなくてよい。
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解答
2
解説
必要保障額は、世帯主に万一のことがあった場合に遺族が必要とする「支出の総額」から「遺族の収入見込額」を差し引いて算出します。団体信用生命保険に加入している住宅ローンは死亡時に保険金で残債が弁済されるため、死亡後の支出には含めません。
解き方
- 遺族に必要な支出の総額を計算する:妻Bさんの生活費は月額35万円×50%=17.5万円、年間210万円で30年間分は210万円×30年=6,300万円です。これに死亡整理資金・緊急予備資金500万円を加算し、合計6,800万円となります(住宅ローン残高は団信により完済されるため支出に含めません)。
- 遺族の収入見込金額を計算する:死亡退職金・その他金融資産2,000万円+公的年金等の総額4,500万円=合計6,500万円となります。
- 必要保障額を算出する:支出の総額6,800万円-収入見込金額6,500万円=300万円となります。
- 選択肢 1不正解
- 必要保障額の算式に基づく計算結果は300万円となるため、200万円は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 支出総額6,800万円から収入総額6,500万円を差し引くと300万円となり、計算結果と一致するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 団体信用生命保険で弁済される住宅ローン残高400万円を誤って支出総額に加算してしまうと700万円になりますが、団信加入のため支出には含めず不適切です。
覚えるポイント
- 団体信用生命保険に加入している住宅ローン残高は、死亡時に弁済されるため遺族の支出に加算しない。
間違えやすいところ
- 団信に加入している住宅ローン残高400万円を支出総額に誤って加算してしまうミスに注意する。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令・ファイナンシャル・プランニング技法
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の見直しと特約・保険種別の留意点
リスク管理 · 民間介護保険の支払要件 / 払済保険の特約の取扱い / 平均在院日数の傾向
定年退職を控えたAさん(59歳)が加入している定期保険特約付終身保険の見直しについて、ファイナンシャル・プランナーのMさんが行ったアドバイスのうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
生命保険の見直しでは、近年の医療動向(入院日数の短期化と通院治療の増加)や、保険料の払込みを中止して保険を継続する払済保険(特約は原則消滅する)の特徴、民間介護保険における公的制度連動型・独自基準型といった支払要件の違いを正しく把握しておく必要があります。
解き方
- 厚生労働省の患者調査等における入院日数の動向(短期化傾向)と選択肢1の記述を照合する。
- 民間の介護保険における給付金支払要件(独自基準型と公的介護保険連動型)の特徴を確認する。
- 払済保険への変更に伴う主契約の保障額や各種特約の取扱い(特約は消滅)を確認し、最も適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 厚生労働省の患者調査によれば、平均在院日数(入院日数)は年々「短期化」傾向にあります。長期化しているとする本記述は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 民間介護保険の支払基準には、公的介護保険の要介護度(要介護2以上など)に連動するものと、保険会社独自の基準によるものがあるため、事前に確認しておくことが適切です。
- 選択肢 3不正解
- 払済保険に変更した場合、その時点の解約返戻金をもとに保険金額が再計算されて減少しますが、付加されていた各種特約は原則としてすべて消滅します。
覚えるポイント
- 払済保険や延長保険へ変更した場合、付加されていた特約は原則としてすべて消滅する。
- 医療技術の進歩や国の施策により、近年の平均在院日数(入院日数)は短期化の傾向にある。
間違えやすいところ
- 払済保険に変更した際に、特約部分だけそのまま残せると誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職後の公的医療保険制度(任意継続と国民健康保険)
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険の任意継続被保険者 / 国民健康保険の被扶養者の有無 / 高額療養費制度
定年退職を控えたAさんに対し、退職後の公的医療保険(健康保険の任意継続制度および国民健康保険)についてMさんが説明した内容のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
会社を退職した後の公的医療保険の選択肢には、従前の健康保険の「任意継続被保険者」となる方法や、市区町村の「国民健康保険」に加入する方法等があります。任意継続では最長2年間加入可能で保険料は全額自己負担(事業主負担なし)となります。一方、国民健康保険には「被扶養者」の制度がなく、全員が加入者(被保険者)となります。なお高額療養費制度はどちらの保険制度にも設けられています。
解き方
- 任意継続被保険者の加入可能期間(最長2年)および保険料負担(全額自己負担)の要件を確認する。
- 国民健康保険における被扶養者制度の有無(国民健康保険には被扶養者の概念がない)を確認する。
- 国民健康保険と健康保険における高額療養費制度の適用(双方に存在する)を確認し、最も適切な肢を選択する。
- 選択肢 1正解
- 健康保険の任意継続被保険者は、最長2年間加入することができ、在職中に労使折半であった保険料は全額自己負担(一定の上限あり)となります。
- 選択肢 2不正解
- 国民健康保険には被扶養者という概念がありません。妻Bさんもそれぞれ国民健康保険の被保険者として加入することになります。
- 選択肢 3不正解
- 国民健康保険においても高額療養費制度は存在し、自己負担限度額を超えた医療費について払い戻しを受けることができます。
覚えるポイント
- 任意継続被保険者の要件:退職日までに継続して2カ月以上の被保険者期間、退職日の翌日から20日以内の申請、最長2年間の加入、保険料は全額自己負担。
- 国民健康保険には「被扶養者」の概念がなく、家族全員が被保険者として保険料算出の対象となる。
間違えやすいところ
- 国民健康保険にも健康保険と同様に「被扶養者」制度があると勘違いしやすい。
- 高額療養費が国民健康保険には適用されないと誤認しやすい。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除 / 役員退職金
将来、X社が役員であるAさんに対して役員退職金5,000万円を支給した場合における、Aさんの退職所得の金額として最も適切なものを選択肢の中から1つ選びなさい。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)は40年とし、他の退職手当等の収入はなく、障害者となったことによる退職ではないものとする。
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解答
1
解説
退職所得の金額は、原則として「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算されます。勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。また、勤続年数5年以下の役員等に対する「特定役員退職手当等」では1/2計算が適用されませんが、勤続年数が40年である場合は通常の1/2計算が適用されます。
解き方
- 勤続年数40年に基づいて退職所得控除額を計算する(800万円+70万円×(40年-20年)=2,200万円)。
- 退職金収入5,000万円から退職所得控除額2,200万円を差し引く(5,000万円-2,200万円=2,800万円)。
- 役員勤続年数は5年超であるため1/2を乗じて退職所得金額を求める(2,800万円×1/2=1,400万円)。
- 選択肢 1正解
- 退職所得控除額2,200万円を控除した後の金額2,800万円に1/2を乗じた1,400万円が正しく算出されています。
- 選択肢 2不正解
- 2,200万円は退職所得控除額そのものであり、退職所得の金額ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 2,800万円は収入金額から控除額を引いた金額であり、1/2を乗じる処理が漏れています。
覚えるポイント
- 勤続年数20年超の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」であること。
- 役員等勤続年数が5年以下の場合は「特定役員退職手当等」として1/2計算が適用されないこと。
間違えやすいところ
- 退職所得控除額を引いた後の金額に「1/2」を掛け忘れるミス。
- 勤続年数が20年を超える場合の計算式で「40万円×勤続年数」と混同するミス。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
無配当低解約返戻金型終身保険の特徴と契約者貸付制度
リスク管理 · 低解約返戻金型終身保険 / 契約者貸付 / 役員退職金準備
設例の無配当低解約返戻金型終身保険について、FPのMさんがAさんに対して説明した内容のうち、最も不適切なものを選択肢の中から1つ選びなさい。
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解答
3
解説
法人が契約者貸付制度を利用して保険会社から資金を借り入れた場合、保険契約自体は継続しますが、会社には借入金としての負債および現預金の増加が生じるため、借方に「現預金」、貸方に「借入金」等の勘定科目を用いた経理処理が必要となります。
解き方
- 低解約返戻金型終身保険の特徴(払込期間中の返戻金を抑制することで保険料が割安になる仕組み)の正誤を確認する。
- 役員退職金の現物支給として契約者名義を個人へ変更し、個人保険として継続できるかを確認する。
- 法人が契約者貸付制度を利用した場合に経理処理が必要であるか(金銭の借入れであるため仕訳が必須)を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 低解約返戻金型終身保険は、払込期間中の解約返戻金を低く抑えることで通常の終身保険より保険料が割安に設定されているため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 法人が契約する生命保険を役員退職金の一部として現物支給し、名義変更により個人の保険として継続することは可能であるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 契約者貸付制度による借入れを行うと、現預金の受入れと負債(借入金)の計上が発生するため、経理処理が必要となり本記述は不適切です。
覚えるポイント
- 低解約返戻金型終身保険は保険料払込期間中の解約返戻金が通常の約7割程度に抑えられている分、割安な保険料となる。
- 契約者貸付制度を利用した場合は、保険会社からの借入れとなるため経理処理(借入金等の計上)が必要となる。
間違えやすいところ
- 契約者貸付は自己の解約返戻金の範囲内での借入れであるため、経理処理が不要であると誤認してしまうこと。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の終身保険に係る保険料払込時の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 経理処理 / 終身保険 / 保険料積立金
法人が契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人、役員を被保険者として加入した無配当低解約返戻金型終身保険において、第1回保険料(年払310万円)を払い込んだ際の経理処理(仕訳)として最も適切なものを選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人が契約者で死亡保険金受取人となる終身保険は、いつ解約しても解約返戻金があり、将来必ず死亡保険金または解約返戻金として資金が法規上戻ってくる積立型の保険であるため、支払った保険料の全額を資産計上(保険料積立金等の勘定科目)として処理します。
解き方
- 契約形態を確認する(契約者=法人、被保険者=役員、死亡保険金受取人=法人)。
- 保険の種類が「終身保険」であることを確認し、定期保険のような損金算入ではなく全額資産(保険料積立金)計上となるルールを適用する。
- 選択肢 1不正解
- 定期保険料や前払保険料として損金および前払費用計上する処理は定期保険等の通達に基づくものであり、終身保険には適用されません。
- 選択肢 2不正解
- 支払った保険料全額を定期保険料(損金)として計上する処理は終身保険の経理処理として誤りです。
- 選択肢 3正解
- 法人が受取人となる終身保険の保険料は、支払時に全額を保険料積立金として資産計上するため適切です。
覚えるポイント
- 法人が契約者・死亡保険金受取人となる終身保険や養老保険(満期受取人も法人)の保険料は全額資産計上となる。
間違えやすいところ
- 最高解約返戻率に応じた損金算入ルールは定期保険や第三分野保険に適用されるものであり、終身保険は全額資産計上となる点を見落としやすい。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得および満期保険金に係る一時所得を踏まえた総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得控除 / 一時所得 / 満期保険金
給与収入金額が800万円あり、2012年6月に契約した一時払養老保険(10年満期)の満期保険金330万円(正味払込保険料300万円)を受け取ったAさんの2022年分の所得税における総所得金額を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
総所得金額は、給与所得や一時所得などの総合課税の対象となる所得金額を合算して計算します。満期保険金による差益は一時所得として計算され、差益が特別控除額(最高50万円)以下の場合は一時所得の金額が0円となります。
解き方
- 給与所得控除額を計算する:給与収入800万円 × 10% + 110万円 = 190万円。給与所得の金額は 800万円 - 190万円 = 610万円となる。
- 満期保険金に係る一時所得の金額を計算する:満期保険金330万円 - 正味払込保険料300万円 = 30万円。特別控除額(最高50万円)を控除すると差益30万円全額が控除され0円となる。
- 総所得金額を算出する:給与所得610万円 + 一時所得0円 = 610万円となる。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得控除額等の計算誤りにより算出された数値であり不適切です。
- 選択肢 2正解
- 給与所得610万円と一時所得0円を合算した総所得金額は610万円となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得控除額の適用区分を誤るか、一時所得の控除を考慮していない計算であり不適切です。
覚えるポイント
- 一時所得の計算式は「総収入金額 - 支出金額 - 特別控除額(最高50万円)」であり、総所得金額に算入する際はさらに2分の1を乗じる。
間違えやすいところ
- 保険期間が5年超の一時払養老保険の満期保険金は金融類似商品(源泉分離課税)ではなく一時所得の対象となるが、差益が50万円以下の場合は一時所得が0円になる点を見落としやすい。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における配偶者控除および扶養控除
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族
Aさんの2022年分の所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「妻Bさんの合計所得金額は( ① )万円以下であるため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます。Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の額は、( ② )万円です」 ⅱ)「Aさんが適用を受けることができる長男Cさんに係る扶養控除の額は、( ③ )万円です」
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解答
3
解説
配偶者控除は生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)の場合に適用され、控除額は納税者本人の合計所得金額に応じて決定されます。また、扶養控除では12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族とされ、通常の一般控除対象扶養親族(38万円)よりも控除額が加算されて63万円となります。
解き方
- 妻Bさんの給与収入90万円から給与所得控除額55万円を差し引き、合計所得金額が35万円(48万円以下)であることを確認します(①は48)。
- Aさんの合計所得金額は給与所得610万円(一時所得は特別控除内で0円)で900万円以下であり、70歳未満の控除対象配偶者に対する配偶者控除額は38万円となります(②は38)。
- 長男Cさんは19歳で生計を一にしており収入がないため、19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円となります(③は63)。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者控除額が26万円、長男Cさんの扶養控除額が38万円とされており、いずれも計算誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 空欄①は給与等の「収入金額」ではなく「合計所得金額」を問うているため103万円ではなく48万円が適切であり、扶養控除額58万円も誤りです。
- 選択肢 3正解
- 合計所得金額要件48万円以下、配偶者控除額38万円、特定扶養親族の控除額63万円の組合せであり正しいです。
覚えるポイント
- 控除対象配偶者の所得要件は合計所得金額48万円以下(給与年収103万円以下)
- 特定扶養親族は19歳以上23歳未満で控除額は63万円
間違えやすいところ
- 配偶者の「給与収入103万円」と「合計所得金額48万円」の基準を混同すること
- 19歳以上23歳未満の大学生などを一般の扶養控除額38万円としてしまうこと
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の控除額の計算
タックスプランニング · 生命保険料控除 / 旧契約 / 新契約 / 介護医療保険料控除
設例の<Aさんが2022年中に支払った生命保険の保険料に関する資料>に基づき、Aさんの2022年分の所得税における生命保険料控除の控除額として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
所得税の生命保険料控除には、2011年12月31日以前に締結した「旧契約」と2012年1月1日以後に締結した「新契約」で異なる控除限度額が適用されます。旧契約(一般・個人年金)は年間支払保険料10万円超で各区分上限5万円、新契約(一般・介護医療・個人年金)は年間支払保険料8万円超で各区分上限4万円となり、全体の適用限度額は最高12万円です。
解き方
- 終身保険は2007年5月契約のため「旧契約」の一般生命保険料控除が適用され、支払保険料18万円(10万円超)に対する控除額は上限の5万円となります。
- 終身介護保険は2022年7月契約のため「新契約」の介護医療保険料控除が適用され、支払保険料12万円(8万円超)に対する控除額は上限の4万円となります。
- 合計控除額は、旧契約の一般5万円+新契約の介護医療4万円=9万円(最高限度額12万円以下)と算出されます。
- 選択肢 1不正解
- 介護医療保険料控除の新契約分4万円のみしか計上しておらず不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 両方を新契約(各上限4万円)として合算した8万円となっており不適切です。
- 選択肢 3正解
- 旧契約の一般5万円と新契約の介護医療4万円を合算した9万円であり、最も適切です。
覚えるポイント
- 所得税の生命保険料控除の上限は旧契約が各5万円、新契約が各4万円
- 所得税全体の生命保険料控除の最高限度額は12万円
間違えやすいところ
- 契約年月を確認せずに全て新契約(上限4万円)として計算してしまうこと
- 旧契約の上限額を新契約と同じ4万円と誤認すること
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公正証書遺言の要件と効力
相続・事業承継 · 公正証書遺言 / 証人の欠格事由 / 遺言の保管・作成要件
公正証書遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
公正証書遺言は民法第969条に基づき、証人2人以上の立会いのもと公証人が作成し、原本は公証役場に原則として長期間保管されます。推定相続人やその配偶者・直系血族は証人となることができません。
解き方
- 公正証書遺言の作成手順(証人2人以上の立会い、遺言者による公証人への口授、公証人による筆記)を確認する。
- 公正証書遺言の原本保管場所(公証役場)および証人の欠格事由(推定相続人等)を検討し、正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 公正証書遺言の原本が保管される場所は公証役場であり、家庭裁判所ではありません。
- 選択肢 2正解
- 公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもとで遺言者が趣旨を公証人に口授し、公証人が筆記して作成するため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 推定相続人およびその配偶者・直系血族は証人の欠格事由に該当するため、妻Bさんだけでなく長女Cさんや二女Dさんも証人になれません。
覚えるポイント
- 公正証書遺言の原本は家庭裁判所ではなく公証役場に原則20年間保管される。
- 推定相続人・受遺者およびその配偶者・直系血族は遺言の証人になれない。
間違えやすいところ
- 自筆証書遺言に係る遺言書保管制度(法務局での保管)や家庭裁判所での検認手続きと、公正証書遺言の手続きを混同しやすい。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例・死亡保険金の非課税限度額・遺留分の計算
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等) / 生命保険金の非課税限度額 / 遺留分算定
Aさんの相続に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、当該敷地の全部について、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額5,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( ① )万円とすることができます」 ⅱ)「Aさんが加入を検討している一時払終身保険の死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。当該生命保険に加入後、Aさんの相続が開始した場合、長女Cさんが受け取る死亡保険金2,000万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は( ② )万円となります」 ⅲ)「遺言により妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、二女Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が3億6,000万円である場合、二女Dさんの遺留分の金額は( ③ )万円です」
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解答
1
解説
小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等は330㎡まで80%減額(算入額は20%)。生命保険金の非課税枠は500万円×法定相続人の数。配偶者と子が相続人の場合の遺留分は全体で1/2、各人の遺留分は「総遺留分×法定相続分」により求めます。
解き方
- 空欄①:自宅敷地300㎡は特定居住用宅地等の限度面積330㎡以下なので全面積で80%減額が適用され、課税価格算入額は5,000万円×20%=1,000万円。
- 空欄②:法定相続人は妻B・長女C・二女Dの3人。非課税限度額は500万円×3人=1,500万円。保険金2,000万円から1,500万円を引いた課税価格算入額は500万円。
- 空欄③:二女Dの法定相続分は1/2(配偶者以外の持分)×1/2(姉妹均等)=1/4。遺留分割合は1/2×1/4=1/8。遺留金額は3億6,000万円×1/8=4,500万円。
- 選択肢 1正解
- 空欄①が1,000万円、空欄②が500万円、空欄③が4,500万円で全て正しく一致しています。
- 選択肢 2不正解
- 特定居住用宅地等の減額割合は50%ではなく80%(算入20%)であるため①が誤り、また③の遺留分計算で総遺留分1/2を乗じておらず誤りです。
- 選択肢 3不正解
- ②の1,500万円は非課税限度額そのものであり課税価格算入額は500万円です。また③の遺留分も誤りです。
答えの内訳
- 空欄①:1,000
- 特定居住用宅地等は限度面積330㎡まで80%減額されます。敷地300㎡は全額対象となり、課税価格に算入すべき価額は5,000万円×(1-0.8)=1,000万円です。
- 空欄②:500
- 生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」であり、500万円×3人=1,500万円です。課税価格に算入される額は2,000万円-1,500万円=500万円となります。
- 空欄③:4,500
- 相続人が配偶者と子の場合、総遺留分は財産の1/2です。二女Dさんの法定相続分は1/4(子の持分1/2×1/2)なので、遺留分割合は1/2×1/4=1/8となり、3億6,000万円×1/8=4,500万円となります。
覚えるポイント
- 特定居住用宅地等の減額割合は80%(課税価格算入は20%)、限度面積は330㎡。
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」。
- 遺留分の計算では、全体遺留分(原則1/2)に各人の法定相続分を乗じる。
間違えやすいところ
- 小規模宅地等の特例で「減額される額」と「課税価格に算入される額」を取り違えてしまう。
- 生命保険金について、非課税限度額そのものと課税価格に算入される額(受取額-非課税枠)を混同する。
- 遺留分の計算において、法定相続分(1/4)をそのまま掛けてしまい、総遺留分割合(1/2)を掛け忘れる。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の租税特別措置法・相続税法・民法
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
資産設計提案業務・相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 税率の適用
設例において、Aさんの相続に係る課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が2億8,000万円であった場合の相続税の総額として、最も適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。
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解答
1
解説
相続税の総額を計算する際は、課税遺産総額を実際の遺産分割割合ではなく、各法定相続人が「法定相続分」に応じて取得したものと仮定して各人の取得金額を計算し、速算表の税率を乗じて控除額を差し引いた後、各人の税額を合計します。
解き方
- 法定相続人と法定相続分を確認する。配偶者である妻Bさんが2分の1、子である長女Cさんと二女Dさんがそれぞれ4分の1(2分の1×2分の1)となる。
- 法定相続分に応ずる取得金額を計算する。妻Bさんは2億8,000万円×1/2=1億4,000万円、長女Cさん・二女Dさんはそれぞれ2億8,000万円×1/4=7,000万円となる。
- 速算表を適用して各人の算出税額を計算する。妻Bさんは1億4,000万円×40%-1,700万円=3,900万円。長女Cさん・二女Dさんはそれぞれ7,000万円×30%-700万円=1,400万円となる。
- 各人の算出税額を合算して相続税の総額を求める。3,900万円+1,400万円+1,400万円=6,700万円となる。
- 選択肢 1正解
- 計算手順のとおり、各人の算出税額を合算した相続税の総額は6,700万円(妻Bさん3,900万円+長女Cさん1,400万円+二女Dさん1,400万円)となるため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 速算表の控除額を差し引かないなどの計算誤りがある数値であり、正しくありません。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額に直接税率を適用するなど誤った計算による数値であり、正しくありません。
覚えるポイント
- 相続税の総額の計算は、実際の遺産分割割合ではなく「法定相続分」で按分して各人の税額を計算し合算する。
間違えやすいところ
- 遺言や実際の分割割合で課税遺産総額を分けて税額計算してしまうミスに注意する。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2022年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

