日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
遺族基礎年金の年金額の計算
リスク管理 · 遺族基礎年金 / 子の加算額
会社員のAさん(35歳、厚生年金加入期間157月、国民年金納付済32月)が死亡した場合、生計を一にする妻Bさん(32歳)および長男Cさん(0歳)がいる。現時点(2022年5月22日)において妻Bさんに支給される遺族基礎年金の年金額(2021年度価額)として、次のうち最も適切なものを選びなさい。
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解答
2
解説
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡したときに、生計を維持されていた「子のいる配偶者」または「子」に支給されます。年金額は基本額に子の数に応じた加算額を合算して計算されます。
解き方
- 受給要件を確認し、妻Bさんが対象となる子(長男Cさん・0歳)を養育していることを確認します。
- 基本額(780,900円)に第1子の加算額(224,700円)を合算し、年金額1,005,600円を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 子の加算額が含まれておらず、基本額のみの計算となっているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 基本額780,900円に第1子の加算額224,700円を加えた合計1,005,600円となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 第3子以降の加算額である74,900円が余分に加算されているため不適切です。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金の子の加算額は第1子・第2子が各224,700円、第3子以降が各74,900円(2021年度価額)です。
間違えやすいところ
- 子が1人だけであるにもかかわらず、第3子以降の加算額まで加算してしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(2021年度価額)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の仕組みと中高齢寡婦加算
リスク管理 · 遺族厚生年金 / 短期要件 / 中高齢寡婦加算
Aさんが死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族厚生年金の金額および中高齢寡婦加算に関する説明文について、空欄①~③に入る語句の組合せとして最も適切なものを選びなさい。 「遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ① )に相当する額になります。ただし、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が( ② )に満たないときは、( ② )とみなして年金額が計算されます。また、長男Cさんの( ③ )到達年度の末日が終了すると、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。その後、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金には、中高齢寡婦加算が加算されます」
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解答
3
解説
遺族厚生年金は、死亡した被保険者の報酬比例部分の4分の3相当額が支給され、被保険者期間が300月未満の場合は300月として計算する短期要件の最低保障があります。また遺族基礎年金における「子」とは原則18歳到達年度末終了前(障害等級該当時は20歳未満)を指します。
解き方
- 遺族厚生年金の報酬比例部分に対する支給割合が4分の3であることを確認します(①は4分の3)。
- 短期要件による被保険者期間のみなし月数の最低保障が300月であることを確認します(②は300月)。
- 遺族基礎年金の受給要件となる子の年齢要件が原則として18歳到達年度の末日終了までであることを確認します(③は18歳)。
- 選択肢 1不正解
- 遺族厚生年金の割合は3分の2ではなく4分の3、最低保障月数は480月ではなく300月であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 最低保障月数は480月ではなく300月であり、障害状態にない子の遺族基礎年金受給要件は20歳ではなく18歳到達年度末までであるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 空欄①=4分の3、空欄②=300月、空欄③=18歳の組み合わせがすべて正しいため適切です。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の額は報酬比例部分の4分の3、加入期間300月未満のときは300月みなし保障が適用されます。
間違えやすいところ
- 老齢基礎年金の満額月数である480月や、障害年金・障害等級該当時の子の年齢要件である20歳と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族年金の支給方法と税務上の取扱い
リスク管理 · 遺族基礎年金 / 遺族厚生年金 / 公的年金等の課税関係 / 支給月
現時点(2022年5月22日)において会社員であるAさん(35歳)が死亡した場合の、妻Bさん(32歳)に係る遺族給付の各種取扱いに関するファイナンシャル・プランナーMさんの説明として、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
公的年金給付は原則として偶数月の15日に直近2カ月分が支給されます。また、遺族年金や障害年金は税制上非課税所得として扱われ、在職老齢年金による支給停止の仕組みは老齢厚生年金にのみ適用されます。
解き方
- 公的年金の定期支払期月(偶数月に前月・前々月の2カ月分支給)の原則を確認します。
- 遺族年金および障害年金が非課税所得(課税対象外)であることを確認します。
- 受給権者が就労して得た給料によって年金額が支給停止される在職老齢年金の仕組みは、老齢厚生年金が対象であり遺族厚生年金には適用されないことを確認します。
- 選択肢 1正解
- 遺族年金を含む公的年金は、原則として偶数月(年6回)に各前月までの2カ月分が支給されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 遺族基礎年金および遺族厚生年金は所得税法上非課税とされており、雑所得として総合課税の対象にはならないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与収入に応じて年金額の一部または全部が支給停止される在職老齢年金制度は老齢厚生年金が対象であり、遺族厚生年金には適用されないため不適切です。
覚えるポイント
- 公的年金は偶数月の15日に前月・前々月の2カ月分が支給される。
- 遺族年金・障害年金は全額非課税であり、税金はかからない。
間違えやすいところ
- 老齢年金は雑所得として課税対象となるが、遺族年金・障害年金は非課税である点を取り違えないように注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職・独立に伴う社会保険(公的医療保険・国民年金)の手続き
リスク管理 · 健康保険任意継続被保険者 / 国民健康保険 / 国民年金被保険者種別変更
会社員であるAさん(55歳、協会けんぽ・厚生年金保険加入)が退職して個人事業主(飲食店を開業)となり、専業主婦である妻Bさん(53歳)と暮らす場合の社会保険の取扱いについて、ファイナンシャル・プランナーMさんの説明として最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
会社員が退職して個人事業主になると、公的年金は第2号から第1号被保険者へ移行し、扶養されていた配偶者も第3号から第1号へ種別変更して保険料を納める義務が生じます。公的医療保険では、任意継続の期間上限(最長2年)や国民健康保険に扶養の概念がない点などを理解する必要があります。
解き方
- 健康保険の任意継続被保険者でいられる期間の上限が「最長2年間」であることを確認し、60歳まで無条件に加入できるわけではない点を見抜きます。
- 国民健康保険には「被扶養者」の制度がなく、家族全員が被保険者として扱われることを確認します。
- 夫が厚生年金の被保険者資格を喪失した場合、扶養されていた第3号被保険者の妻は第1号被保険者へ種別変更し、保険料納付が必要になることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 健康保険の任意継続被保険者として加入できる期間は、原則として資格取得の日から「最長2年間」であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 国民健康保険には被扶養者という概念がなく、加入者全員が個別に被保険者となるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 厚生年金の被保険者に扶養されていた第3号被保険者は、夫が退職して第2号被保険者資格を失った場合、第1号被保険者への種別変更届を提出して保険料を納める必要があるため適切です。
覚えるポイント
- 健康保険の任意継続期間は最長2年間である。
- 国民健康保険には「被扶養者」の制度は存在しない。
- 配偶者が第2号被保険者でなくなると、被扶養配偶者は第3号から第1号へ種別変更が必要となる。
間違えやすいところ
- 健康保険には扶養制度があるが、国民健康保険には扶養制度がなく家族全員に均等割などが課される点を見落とさないようにする。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主が直面する社会保障・公的保険リスク
リスク管理 · 公的介護保険の給付要件 / 国民健康保険の高額療養費制度 / 個人事業主の所得保障リスク
会社員から個人事業主へ転身する55歳のAさんに対してファイナンシャル・プランナーが想定されるリスクを説明した。次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
公的医療保険(健康保険や国民健康保険)には自己負担が高額になった際の高額療養費制度が共通して用意されていますが、国民健康保険には原則として傷病手当金制度がないため、個人事業主は就労不能時の所得補償を私的保険等で手当てする必要があります。また、40歳以上65歳未満の公的介護保険第2号被保険者は加齢に伴う所定の16の特定疾病が原因で要介護・要支援状態になった場合にのみ給付対象となります。
解き方
- 公的介護保険の受給要件を被保険者の区分(第1号と第2号)ごとに確認し、55歳の第2号被保険者には特定疾病要件があることを判定する。
- 国民健康保険における法定給付内容(高額療養費制度の有無など)を確認し、誤っている説明を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 公的介護保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満)は、加齢に起因する特定疾病(16種類)によって要介護・要支援状態となった場合に限り保険給付を受けることができます。
- 選択肢 2正解
- 国民健康保険にも高額療養費制度は設けられており、所得に応じた自己負担限度額を超える医療費は支給されます。制度が設けられていないとする本記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 国民健康保険には会社員の健康保険にある傷病手当金が原則としてないため、病気やケガで就業不能となった際に収入減少リスクが高まり、所得補償の備えを検討することは適切です。
覚えるポイント
- 国民健康保険にも高額療養費制度はあるが、傷病手当金や出産手当金は原則として支給されない。
間違えやすいところ
- 国民健康保険にない制度は「傷病手当金」等であり、「高額療養費制度」は公的医療保険共通で適用される点を混同しないようにする。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の見直しと払済保険への変更
リスク管理 · 必要保障額の算定要因 / 払済保険への変更に伴う特約の取扱い / 最近の医療保険・特約トレンド
会社員から個人事業主へ転身する予定のAさんに対してファイナンシャル・プランナーが生命保険の見直しについてアドバイスした。次のアドバイスのうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
保険料の払込みを中止して変更する払済保険は、その時点の解約返戻金をもとに元の保険期間を変えずに同種の保険(または終身保険等)へ保障額を減額して変更する制度です。以後の保険料の払込みは不要になりますが、元の主契約に付加されていた各種特約は原則としてすべて消滅します。
解き方
- 独立開業に伴う遺族保障等の変化(遺族厚生年金の減少や死亡退職金の喪失)により必要保障額の再計算が必要になる点を確認する。
- 生命保険の契約内容変更手続きである「払済保険」の性質(保険料払込免除、保険金額減額、特約消滅)と選択肢の記述を照合して誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 個人事業主になると死亡時に支給される遺族年金が原則として遺族基礎年金のみとなり、死亡退職金もないため、必要保障額を再算定して見直すことは適切です。
- 選択肢 2不正解
- 短期入院の増加に伴い、入院一時金給付や退院後通院特約など多様な商品が提供されており、ニーズに合わせて比較検討する提案は適切です。
- 選択肢 3正解
- 払済保険へ変更すると、以後の保険料払込みは不要(軽減ではなくゼロ)になりますが、付加されていた入院特約などの特約は原則として消滅するため、特約が残るという説明は不適切です。
覚えるポイント
- 払済保険・延長定期保険に変更すると、以後の保険料払込みは中止(不要)となり、付加していた各種特約は原則として消滅する。
間違えやすいところ
- 保険料が「軽減」されるのではなく「不要」になり、特約は「継続」ではなく「消滅」する点を取り違えやすい。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の金額 / 役員退職金
X社がAさんに役員退職金4,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの勤続年数(役員在任期間)は35年とし、他の退職手当等はなく、障害者となったことが退職の直接原因ではないものとする。
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解答
2
解説
退職所得の金額は、原則として「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」により計算されます。勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。なお、特定役員退職手当等(勤続5年以下の役員等)については1/2を乗じる措置が除外されますが、本問のように5年を超える役員在任期間であれば通常の1/2計算が適用されます。
解き方
- 勤続年数35年に基づき退職所得控除額を「800万円+70万円×(35年-20年)=1,850万円」と算出します。
- 役員在任期間が5年を超えるため一般の算式を用い、「(4,000万円-1,850万円)×1/2=1,075万円」と退職所得の金額を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 775万円という金額は退職所得控除額や課税対象額の計算過程のいずれにも該当せず誤りです。
- 選択肢 2正解
- 退職所得控除額1,850万円を差し引いた後の金額(2,150万円)に2分の1を乗じた1,075万円となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 2,150万円は「収入金額4,000万円-退職所得控除額1,850万円」の金額であり、2分の1を乗じる前の数値であるため誤りです。
覚えるポイント
- 勤続年数20年超の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算する。
間違えやすいところ
- 控除後の金額に2分の1を掛けるのを忘れて「2,150万円」を選んでしまうミスに注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約する医療保険の経理処理および給付内容
リスク管理 · 法人契約の医療保険 / 経理処理 / 手術給付金
<資料1>の無配当総合医療保険(無解約返戻金型)に関するMさんの説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
法人が契約者および給付金受取人となり、役員や従業員を被保険者とする無解約返戻金型の医療保険に加入した場合、解約返戻金がないため支払保険料は全額を損金(福利厚生費や保険料等)に算入します。法人が受け取った入院給付金や手術給付金は、雑収入等として全額が益金に算入されます。
解き方
- 資料1の契約形態(契約者・受取人:X社、被保険者:Aさん、無解約返戻金型)を確認し、支払保険料が全額損金算入されるルールを適用して選択肢1の誤りを判断します。
- 法人が受け取る保険給付金の税務処理(全額益金算入)および給付倍率に基づく支払額の計算(入院中手術:15,000円×20=30万円、外来手術:15,000円×5=7.5万円)を確認し、選択肢2・3が正しいことを確認します。
- 選択肢 1正解
- 無解約返戻金型の医療保険の支払保険料は、解約返戻金等の資産価値がないため資産計上ではなく全額を損金に算入します。したがって最も不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 法人が受取人として受給した入院給付金は、法人の事業上の収益となるため全額を雑収入として益金の額に算入します。
- 選択肢 3不正解
- 入院給付金日額15,000円に対し、入院中手術は20倍の30万円、外来手術は5倍の7万5,000円が支払われるため適切です。
覚えるポイント
- 無解約返戻金型の定期・医療保険の保険料は全額損金算入、法人が受け取る給付金は全額益金算入となる。
間違えやすいところ
- 個人契約の医療保険給付金は非課税だが、法人契約で法人が受け取る給付金は益金算入(課税対象)となる点を取り違えないよう注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の定期保険の税務および経理処理
リスク管理 · 法人保険の経理処理 / 解約返戻金 / 契約者貸付
X社が加入を検討している<資料2>の定期保険(無配当定期保険・保険期間70歳満了・年払保険料100万円・最高解約返戻率48%)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
法人が契約者となる定期保険の保険料の税務処理は、最高解約返戻率に応じて取り扱いが区分され、最高解約返戻率が50%以下の保険については支払時に全額損金算入が認められます。
解き方
- <資料2>より、対象となる定期保険の最高解約返戻率が48%であることを確認します。
- 最高解約返戻率が50%以下の場合の法人税法上の取扱い(全額損金算入)に照らし合わせて正しい選択肢を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 定期保険の解約返戻金は保険期間の中間付近でピークを迎え、満期に向けて逓減して保険期間満了時にはゼロとなるため、満了直前にピークを迎えるわけではありません。
- 選択肢 2正解
- 最高解約返戻率が50%以下の定期保険であるため、支払った保険料はその全額を損金の額に算入することができます。
- 選択肢 3不正解
- 法人が契約者貸付制度を利用して資金の貸付けを受けた場合、その金額は借入金(負債)として処理されるため、雑収入として益金算入するわけではありません。
覚えるポイント
- 法人契約の定期保険は、最高解約返戻率が50%以下であれば支払保険料の全額を損金算入できます。
間違えやすいところ
- 定期保険の解約返戻金は終身保険とは異なり、保険期間満了時には0円になる点を忘れないように注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算(給与所得および一時所得)
タックスプランニング · 給与所得控除 / 一時所得 / 総所得金額
会社員Aさんの2021年分の収入等(給与収入800万円、2013年10月契約の一時払変額個人年金保険の解約返戻金600万円・正味払込保険料500万円)に基づく所得税における総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
総所得金額は、給与所得などの総合課税の所得を合計して求めます。一時所得については特別控除額(最高50万円)を控除した後の金額の2分の1が総所得金額に算入されます。
解き方
- 給与所得控除額を計算します:800万円×10%+110万円=190万円。これにより給与所得は 800万円-190万円=610万円 となります。
- 個人年金保険の解約返戻金に係る一時所得を計算します:600万円-500万円-50万円(特別控除額)=50万円。総所得金額に算入する金額はその2分の1の25万円となります。
- 給与所得610万円に一時所得の算入額25万円を加算して、総所得金額635万円を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得の610万円のみとなっており、解約返戻金に係る一時所得の金額(25万円)が含まれていません。
- 選択肢 2正解
- 給与所得610万円と、総所得金額に算入される一時所得の金額25万円(差益100万円-特別控除50万円の2分の1)を合計した635万円が総所得金額となります。
- 選択肢 3不正解
- 各種所得控除や一時所得の特別控除・2分の1算入ルール等を適切に反映していない誤った金額です。
覚えるポイント
- 一時所得を総所得金額へ合算する際は、特別控除後の金額を2分の1にすることを忘れないようにしましょう。
間違えやすいところ
- 契約から5年超経過した一時払変額個人年金の解約返戻金は源泉分離課税ではなく総合課税の一時所得となる点に留意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の控除額の判定
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族 / 合計所得金額要件
Aさんの2021年分の所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「妻Bさんの2021年分の合計所得金額は30万円です。妻Bさんの合計所得金額は( ① )万円以下となりますので、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます。Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の額は、( ② )万円です」 ⅱ)「Aさんが適用を受けることができる扶養控除の額は、( ③ )万円です」
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税の配偶者控除は、生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である場合に適用されます。扶養控除は、扶養親族のうち年末時点で16歳以上の人が対象となり、そのうち19歳以上23歳未満は特定扶養親族として控除額が加算されます。
解き方
- 妻Bさんの所得要件を確認する:給与収入85万円から給与所得控除55万円を差し引いた合計所得金額は30万円であり、配偶者控除の所得要件である48万円以下を満たします(①=48)。
- Aさんの所得要件と配偶者控除額を判定する:給与所得610万円と一時所得の課税対象25万円の合計所得金額は635万円(900万円以下)であるため、一般の配偶者控除額は38万円となります(②=38)。
- 扶養控除の対象親族と控除額を判定する:長男Dさん(10歳)は16歳未満のため対象外、長女Cさん(20歳)は19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当するため控除額は63万円となります(③=63)。
- 選択肢 1正解
- 配偶者の合計所得金額要件は48万円以下、本人の合計所得金額900万円以下における配偶者控除額は38万円、特定扶養親族の控除額は63万円であり、正しい組合せです。
- 選択肢 2不正解
- Aさんの合計所得金額は900万円以下であるため配偶者控除額は38万円(26万円ではない)となり、扶養控除額も特定扶養親族の63万円(76万円ではない)であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 空欄①は給与収入ではなく合計所得金額を指すため103万円ではなく48万円となり、扶養控除額は一般扶養親族の38万円ではなく特定扶養親族の63万円であるため誤りです。
覚えるポイント
- 配偶者控除の合計所得金額要件は48万円以下(給与収入基準では103万円以下)。
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の扶養控除額は63万円、16歳未満は控除対象外。
間違えやすいところ
- 設問の条件が「給与収入」か「合計所得金額」かを見落とし、48万円と103万円を取り違える。
- 16歳未満の年少扶養親族を一般扶養親族(38万円)と誤認して扶養控除額に含めてしまう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一時所得の課税方法および確定申告義務・寄附金控除
タックスプランニング · 一時所得 / 確定申告の要否 / ふるさと納税 / 寄附金控除 / 源泉分離課税
Aさんの2021年分の所得税の課税等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
給与を1カ所から受けていて年末調整を受けている給与所得者であっても、給与所得および退職所得以外の各種所得金額の合計額が20万円を超える場合には、原則として所得税の確定申告が必要です。保険契約から5年を超えて解約された一時払変額個人年金保険の差益は一時所得として総合課税の対象になります。
解き方
- 一時払変額個人年金保険の解約返戻金の課税区分を確認する:2013年10月契約で2021年解約と5年を超えているため、金融類似商品の源泉分離課税ではなく総合課税の一時所得となります。
- 総所得金額に算入される一時所得の金額を算出する:(解約返戻金600万円-正味払込保険料500万円-特別控除50万円)×1/2=25万円となります。
- 確定申告義務を判定する:給与所得以外の所得金額が25万円であり、基準となる20万円を超えているため所得税の確定申告が必要です。
- 選択肢 1不正解
- 契約日から解約日までの期間が5年を超えているため、金融類似商品としての源泉分離課税の対象にはならず、総合課税の一時所得となります。
- 選択肢 2正解
- 総所得金額に算入される一時所得の金額は25万円であり、給与以外の所得が20万円を超えるため、Aさんは確定申告をしなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- ふるさと納税による寄附金控除は自己負担額2,000円を除いた額が対象となり、所得控除(所得税)および税額控除(住民税)を通じて控除されるため、全額が所得税額から直接控除されるわけではありません。
覚えるポイント
- 給与所得者で給与以外の各種所得の合計額が20万円を超える場合は確定申告が必要。
- 一時払保険等の差益は、保険期間5年以内や5年以内解約なら源泉分離課税、5年超なら一時所得(総合課税)。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除前(100万円)や1/2にする前(50万円)の金額と、総所得金額に算入される金額(25万円)を取り違える。
- ふるさと納税の控除を税額控除の全額控除と誤認し、所得控除と住民税の税額控除に分かれる仕組みを忘れる。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言の方式と生命保険金の非課税限度額
相続・事業承継 · 自筆証書遺言 / 公正証書遺言 / 生命保険金の非課税枠
設例のAさんの相続等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
自筆証書遺言は改変や偽造を防ぐため、遺言の本文・日付・氏名を遺言者本人が自書しなければなりません。添付する財産目録に限ってはパソコン作成や通帳コピー等の添付が認められています。また、死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算されます。
解き方
- 自筆証書遺言の作成要件(本文・日付・氏名の自書と押印、財産目録のみパソコン作成可)を確認し、選択肢1の「全文をパソコンで作成できる」という誤りを判定する。
- 公正証書遺言の作成手続き(証人2人以上の立会い、公証人への口授・筆記)を確認し、選択肢2の正誤を判定する。
- Aさんの法定相続人(妻Bさん、長男Cさん、二男Dさんの計3人)を確認し、死亡保険金の非課税限度額(500万円×3人=1,500万円)および課税価格算入額(2,000万円-1,500万円=500万円)を計算して選択肢3の妥当性を確認する。
- 選択肢 1正解
- 自筆証書遺言において、添付する財産目録はパソコン等で作成することができますが、遺言の全文(本文)、日付、氏名は遺言者本人が自書しなければ無効となります。
- 選択肢 2不正解
- 公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもとで、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成します。
- 選択肢 3不正解
- 法定相続人は妻B・長男C・二男Dの3人です。非課税限度額は「500万円×3人=1,500万円」となるため、死亡保険金2,000万円から1,500万円を控除した500万円が課税価格に算入されます。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言でパソコン作成が可能なのは「財産目録」のみであり、本文・日付・氏名は自書必須です。
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です。
間違えやすいところ
- 民法改正により自筆証書遺言の「全文」がパソコン作成できるようになったと誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生前贈与の非課税制度と課税方式
相続・事業承継 · 暦年課税 / 相続時精算課税制度 / 教育資金の一括贈与非課税制度
設例の生前贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税は受贈者(もらった人)が申告・納税を行います。暦年課税では年間110万円の基礎控除額を超える場合に申告が必要です。相続時精算課税制度では特別控除額が累計2,500万円まで認められます。教育資金の一括贈与非課税特例の非課税限度額は受贈者1人につき1,500万円(学校等以外への支払いは500万円限度)です。
解き方
- 暦年課税における申告義務者(受贈者)と基礎控除額(110万円)超の要件を確認し、選択肢1が適切であることを判定する。
- 相続時精算課税制度の特別控除限度額(累計2,500万円まで非課税)を確認し、選択肢2が適切であることを判定する。
- 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度額(1,500万円)を確認し、選択肢3の「2,000万円」が誤りであることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の納税義務者は財産を取得した受贈者であり、暦年課税により年間の贈与財産の合計額が基礎控除額(110万円)を超える場合には、受贈者である二男Dさんが申告・納税を行う必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 相続時精算課税制度を選択した場合、同一の贈与者からの贈与について特別控除額として累計2,500万円までは贈与税が課されません。
- 選択肢 3正解
- 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度における非課税限度額は、受贈者1人につき「1,500万円」まで(学校等以外の習い事等は500万円まで)です。2,000万円ではありません。
覚えるポイント
- 教育資金の一括贈与の非課税限度額は受贈者ごとに1,500万円です(結婚・子育て資金は1,000万円)。
- 相続時精算課税制度の特別控除額は累計2,500万円です。
間違えやすいところ
- 贈与税の申告義務者は贈与者(あげる側)ではなく受贈者(もらう側)である点に注意してください。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
暦年課税における贈与税額の計算
相続・事業承継 · 贈与税の計算 / 暦年課税 / 特例贈与財産 / 基礎控除
二男Dさん(43歳)が暦年課税(各種非課税制度の適用はない)により、2022年中に直系尊属である父Aさん(73歳)から現金600万円の贈与を受けた場合における贈与税額として、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
直系尊属(父母や祖父母など)から贈与を受けた年の1月1日において18歳以上(成人に達している)の子や孫が受贈者となる場合、特例贈与財産の税率が適用されます。贈与税額は、1年間に受けた贈与財産の価額の合計から基礎控除額110万円を差し引いた「基礎控除後の課税価格」に、速算表の税率を乗じて控除額を差し引いて計算します。
解き方
- 贈与財産の価額600万円から暦年課税の基礎控除額110万円を差し引き、基礎控除後の課税価格を求めます(600万円-110万円=490万円)。
- 490万円は資料の速算表「400万円超600万円以下」の区分に該当するため、税率20%を乗じて控除額30万円を差し引きます(490万円×20%-30万円=68万円)。
- 選択肢 1正解
- 課税価格490万円に対して特例贈与財産の速算表を正しく適用すると、490万円×20%-30万円=68万円となります。
- 選択肢 2不正解
- 基礎控除額110万円を差し引かずに600万円に税率20%と控除額30万円を適用した誤り(600万円×20%-30万円=90万円)です。
- 選択肢 3不正解
- 基礎控除後の課税価格に対する計算式や速算表の控除額の適用を誤った不適切な金額です。
覚えるポイント
- 暦年課税の基礎控除額は年110万円であり、贈与財産額からまず110万円を控除して課税価格を求めます。
間違えやすいところ
- 基礎控除額110万円を差し引く前に速算表の金額区分に当てはめて計算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2022年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

