日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
老齢基礎年金の受給額の計算式
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 保険料納付済期間 / 合算対象期間
Aさん(49歳)が65歳から受給する老齢基礎年金の額(2021年度価額)を試算する場合の計算式として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、Aさんの公的年金加入歴(60歳までの見込みを含む)は、20歳から22歳までの国民年金未納期間が34月、22歳から46歳までの厚生年金保険被保険者期間が283月、46歳から60歳までの国民年金保険料納付済期間が163月である。
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解答
2
解説
老齢基礎年金の満額(2021年度は780,900円)は480月(40年)の全期間保険料を納付した場合に支給されます。20歳以上60歳未満における厚生年金保険の被保険者期間(第2号被保険者期間)は国民年金の保険料納付済期間として年金額の計算に含まれますが、保険料未納期間は年金額の計算には一切反映されません。
解き方
- 年金額の計算対象となる保険料納付済月数を集計します。厚生年金保険被保険者期間283月と国民年金保険料納付済期間163月を合算して446月となります。
- 未納期間34月は年金額の計算対象外(0月)であるため加算せず、満額に446月/480月を乗じる計算式を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 厚生年金保険の被保険者期間(283月)を反映せず、国民年金保険料納付済期間の163月のみで計算しているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 厚生年金被保険者期間(283月)と国民年金保険料納付済期間(163月)の合計446月を分子としており適切です。
- 選択肢 3不正解
- 未納期間(34月)は年金額計算に反映されないため、1/2等を乗じて加算する計算式は不適切です(保険料免除期間と混同しています)。
覚えるポイント
- 厚生年金保険の被保険者期間(20歳以上60歳未満)は、老齢基礎年金の受給額計算において保険料納付済期間として扱われます。
- 未納期間は受給資格期間にも年金額計算にも一切カウントされません。
間違えやすいところ
- 免除期間と未納期間を混同し、未納期間に国庫負担分(1/2など)を乗じて加算してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(2021年度の老齢基礎年金満額780,900円)
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模企業共済制度の仕組みと税務
ライフプランニングと資金計画 · 小規模企業共済 / 掛金限度額 / 小規模企業共済等掛金控除 / 共済金の税務
小規模企業共済制度に関する次の説明文の空欄①~③に入る語句・数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「小規模企業共済制度は、個人事業主が廃業等した場合に必要となる資金を準備しておくための制度です。毎月の掛金は、1,000円から( ① )の範囲内(500円単位)で選択でき、支払った掛金の( ② )を所得税の小規模企業共済等掛金控除として、総所得金額等から控除することができます。共済金(死亡事由以外)の受取方法には『一括受取り』『分割受取り』『一括受取りと分割受取りの併用』がありますが、このうち、『一括受取り』の共済金(死亡事由以外)は、( ③ )として所得税の課税対象となります」
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解答
3
解説
小規模企業共済制度は小規模企業の経営者や個人事業主のための退職金積立制度です。掛金月額は1,000円から70,000円まで(500円刻み)で自由に選択でき、全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除されます。また、廃業等による一括共済金は退職所得扱いとなり、税制上の優遇措置が講じられています。
解き方
- 掛金月額の上限を確認します。1,000円から70,000円(500円単位)であるため、①は70,000円となります。
- 所得控除の取扱いを確認します。支払った掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、②は全額となります。
- 共済金の税法上の所得区分を確認します。一括受取りの共済金は退職所得、分割受取りは公的年金等の雑所得となるため、③は退職所得となります。
- 選択肢 1不正解
- 掛金の控除限度は「全額」であり、一括受取り時の課税区分は「退職所得」であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 掛金の上限は「70,000円」(68,000円は国民年金基金・iDeCo等の上限額)であり、控除額は「全額」であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- ① 70,000円、② 全額、③ 退職所得というすべての空欄の組み合わせが適切です。
覚えるポイント
- 小規模企業共済の掛金は月額1,000円~7万円、全額所得控除、一括受取は退職所得扱いです。
- 分割受取の場合は公的年金等控除が適用される雑所得として課税されます。
間違えやすいところ
- 国民年金基金や確定拠出年金第1号被保険者の限度額(月額68,000円)と小規模企業共済の掛金上限(月額70,000円)を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の上乗せ制度(付加年金・国民年金基金・iDeCo)
ライフプランニングと資金計画 · 付加年金 / 国民年金基金 / 確定拠出年金
個人事業主であるAさんが老後の年金収入を増やすための制度に関する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
自営業者等の国民年金第1号被保険者は、老後の公的年金受給額を増やすために付加年金や国民年金基金、個人型確定拠出年金(iDeCo)などを活用できます。付加年金と国民年金基金は併用できませんが、iDeCoと国民年金基金(または付加年金)は一定の限度額内で併用可能です。
解き方
- 付加年金の年金額計算式(200円×付加保険料納付済月数)を確認し、選択肢1の金額が正しいかを判定する。
- 国民年金基金の加入要件および1口目の選択肢(A型・B型の終身年金)の規定を確認し、選択肢2の正誤を判断する。
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)と国民年金基金・付加年金の併用関係および拠出限度額のルールを確認し、選択肢3の誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 付加年金の年額は「200円×付加保険料納付済月数」で算出されるため、120月納付した場合は200円×120月=24,000円となります。48,000円としている記述は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 国民年金基金の給付は口数単位で設計されており、加入時の1口目は必ず終身年金(A型:15年保証期間付終身年金、またはB型:保証期間なし終身年金)から選択することと定められています。
- 選択肢 3不正解
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)と国民年金基金(または付加年金)は併用して加入することができます。ただし、掛金の合算限度額が月額68,000円(付加年金の場合はiDeCo月額68,000円との合算枠内)に制限されます。
覚えるポイント
- 付加年金の受給年額は「200円×納付月数」で計算し、2年受給すれば納付額の元が取れる設計である。
- 国民年金基金の1口目は終身年金(A型・B型)から選択する。
- 国民年金基金と付加保険料は併用不可だが、iDeCoとは併用可能(月額上限6.8万円)。
間違えやすいところ
- 付加保険料(月額400円)と受給する付加年金(年額200円×月数)の数値を混同して計算してしまう誤り。
- 国民年金基金とiDeCoが併用できないと誤解してしまうパターン。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の投資指標(PER・配当性向など)の計算と判断
金融資産運用 · PER / 配当性向 / 株式投資指標
設例のX社に関する資料(総資産1兆4,000億円、自己資本6,400億円、当期純利益480億円、年間配当金総額180億円、発行済株式数3億株、株価2,000円)に基づいて説明した次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
配当性向は企業が稼いだ当期純利益のうちどれだけを株主への配当に回したかを示す指標で、「年間配当金総額÷当期純利益×100」(または「1株当たり配当金÷1株当たり当期純利益×100」)によって求められます。PER(株価収益率)は株価を1株当たり純利益(EPS)で割って算出され、企業の利益水準に対する株価の割高・割安を測ります。
解き方
- PERを計算する:1株当たり純利益(EPS)=480億円÷3億株=160円。PER=株価2,000円÷160円=12.5倍となり、選択肢1が適切であることを確認する。
- 配当性向を計算する:配当性向=年間配当金総額180億円÷当期純利益480億円×100=37.5%(または1株当たり配当金60円÷EPS160円×100=37.5%)。3.0%としている選択肢2が不適切であることを確認する。
- 投資指標の活用方法として、同業他社や自社時系列比較が有効であるという選択肢3の記述が適切であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 1株当たり当期純利益(EPS)=480億円÷3億株=160円です。PER=株価2,000円÷160円=12.5倍となるため、記述は適切です。
- 選択肢 2正解
- 配当性向=年間配当金総額÷当期純利益×100=180億円÷480億円×100=37.5%です。記述の3.0%は配当利回り(1株当たり配当金60円÷株価2,000円×100=3.0%)の数値であり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- PERやPBRなどの株価評価指標は、同業他社との相対比較や自社の過去推移と比較することによって、より客観的な投資判断材料となります。
覚えるポイント
- PER(倍)=株価÷1株当たり当期純利益(EPS)
- 配当性向(%)=配当金総額÷当期純利益×100(利益から配当への還元割合)
- 配当利回り(%)=1株当たり年間配当金÷株価×100(株価に対する配当の割合)
間違えやすいところ
- 配当性向(配当金÷当期純利益)と配当利回り(配当金÷株価)の分母を取り違えて計算してしまうミス。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資における課税口座と一般NISAの非課税投資枠
金融資産運用 · 特定口座(源泉徴収あり) / 上場株式等の譲渡所得等 / 一般NISAの非課税投資枠
上場株式の取引における税制および一般NISAに関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
上場株式の譲渡益には所得税15.315%(復興特別所得税含む)および住民税5%の合計20.315%が課税されますが、一般NISAを活用すると年間120万円までの新規投資について配当や売買益が最長5年間非課税となります。ただし、その年の非課税投資枠の未使用分を翌年以降に繰り越すことはできません。
解き方
- 特定口座(源泉徴収あり)での譲渡益計算((2,400円-2,000円)×100株=4万円)と税率20.315%の適用を確認する。
- 一般NISAの年間非課税投資枠が120万円であること、および未使用枠の翌年繰越が不可であるルールと照合して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 売買益は(2,400円-2,000円)×100株=4万円となり、特定口座(源泉徴収あり)では20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 一般NISAの勘定に新規で受け入れ可能な年間投資限度額は120万円であるため、記述は適切です。
- 選択肢 3正解
- 一般NISAの非課税投資枠の未使用分を翌年以降に繰り越して使用することはできないため、本記述は不適切であり正解です。
覚えるポイント
- 一般NISAの年間非課税投資枠は120万円であり、枠の未使用分を翌年以降に繰り越すことはできません。
間違えやすいところ
- 一般NISAの年間枠を未使用のまま残した場合に、翌年の枠に上乗せして利用できると誤認しないように注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場不動産投資信託(J-REIT)の仕組みと税務上の取扱い
金融資産運用 · J-REITの概要 / NISAの対象商品 / 分配金の所得区分
上場不動産投資信託(J-REIT)に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
上場不動産投資信託(J-REIT)は証券取引所に上場されている上場株式等として扱われます。したがって、一般NISAでの買付けが可能であり、受け取る分配金は不動産所得ではなく「配当所得」として課税されます。
解き方
- J-REITの基本的仕組み(投資家から資金を集めて不動産運用し分配する金融商品)を確認する。
- J-REITが上場株式等として一般NISAの対象になる点、および税法上の所得区分が配当所得である点を確認して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- J-REITの基本的仕組みについての正しい説明であり、記述は最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- J-REITは金融商品取引所に上場している投資信託(上場株式等)であるため、一般NISAを利用して購入することが可能です。
- 選択肢 3不正解
- J-REITの分配金は不動産所得ではなく、税務上「配当所得」として課税されます。
覚えるポイント
- J-REITは一般NISAの買付け対象であり、受け取る分配金の所得区分は配当所得です。
間違えやすいところ
- 不動産から得られる収益を原資とするため、分配金の所得区分を「不動産所得」と勘違いしやすいので注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算
タックスプランニング · 給与所得 / 一時所得 / 総所得金額
設例のAさんの2021年分の所得税における総所得金額として、最も適切なものを次のうちから1つ選びなさい。 <Aさんの2021年分の収入等に関する資料> ・給与収入の金額:720万円 ・一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金 契約年月:2013年9月 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん 死亡給付金受取人:妻Bさん 解約返戻金額:600万円、一時払保険料:500万円 ※給与所得控除額の算出には問題文記載の速算表(給与収入660万円超850万円以下:収入金額×10%+110万円)を使用すること。
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解答
1
解説
総所得金額は、給与所得などの総合課税の各所得の金額を合計して求めます。生命保険の解約返戻金は一時所得に該当し、特別控除額(最高50万円)を差し引いた後の金額の2分の1が総所得金額に算入されます。
解き方
- 給与所得控除額を「720万円×10%+110万円=182万円」と計算し、給与所得を「720万円-182万円=538万円」と求める。
- 一時所得の金額を「600万円-500万円-特別控除50万円=50万円」と算出し、総所得金額算入額を「50万円×1/2=25万円」とする。
- 給与所得538万円と一時所得の総所得金額算入額25万円を合算して「563万円」を算出する。
- 選択肢 1正解
- 給与所得538万円と一時所得の課税対象額25万円(50万円×1/2)の合計である563万円であり、適切です。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得について2分の1を乗じる前の金額(50万円)をそのまま給与所得538万円に加算した588万円となっており、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の特別控除額50万円や2分の1基準を適用せず、差益100万円をそのまま加算した638万円となっており、誤りです。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入額は「(総収入金額-支出金額-特別控除額最高50万円)×1/2」で計算する。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除50万円を控除し忘れたり、総所得金額に合算する際に1/2にするのを忘れたりするミスが多い。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族
Aさんの2021年分の所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 ⅰ)「Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の額は、( ① )万円です」 ⅱ)「長女Cさんの合計所得金額は( ② )万円を超えますので、Aさんは長女Cさんに係る扶養控除の適用を受けることはできません」 ⅲ)「Aさんが適用を受けることができる長男Dさんに係る扶養控除の額は、( ③ )万円です」
解答・解説を表示
解答
1
解説
配偶者控除は納税者の合計所得金額が900万円以下であれば38万円が控除されます。また、扶養控除の判定要件は「合計所得金額48万円以下」であり、19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当する場合の控除額は63万円となります。
解き方
- Aさんの合計所得金額(563万円)が900万円以下であり、妻Bさんの所得が0円であるため、配偶者控除額が38万円(①)であることを確認する。
- 控除対象扶養親族の所得要件は合計所得金額48万円以下であるため、空欄②が「48」であることを特定する。
- 長男Dさんは19歳で所得15万円(48万円以下)であるため特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円(③)であることを特定する。
- 選択肢 1正解
- ①が38万円、②が合計所得金額要件の48万円、③が特定扶養親族控除額の63万円となっており、全て適切です。
- 選択肢 2不正解
- ②は「合計所得金額」の判定基準であるため103万円ではなく48万円であり、③の19歳の長男Dに対する控除額は一般扶養親族の38万円や48万円ではなく特定扶養親族の63万円であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- ①の配偶者控除の額は38万円であり(48万円は基礎控除等の額)、②は給与収入の目安(103万円)ではなく合計所得金額の判定基準であるため48万円となり誤りです。
答えの内訳
- 空欄①:38
- 控除を受ける納税者本人の合計所得金額が900万円以下で、控除対象配偶者(専業主婦で所得0円の妻Bさん)を有する場合の配偶者控除の額は38万円となる。
- 空欄②:48
- 扶養控除の対象となる控除対象扶養親族の要件は、年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)であるため、空欄②には所得要件の48が入る。
- 空欄③:63
- 長男Dさんは19歳(19歳以上23歳未満)であり、給与収入70万円から給与所得控除55万円を引いた所得金額が15万円(48万円以下)で特定扶養親族に該当するため、控除額は63万円となる。
覚えるポイント
- 扶養控除の所得要件は「合計所得金額48万円以下」、19歳以上23歳未満の特定扶養親族の控除額は「63万円」。
間違えやすいところ
- 「給与収入103万円以下」と「合計所得金額48万円以下」の記述の主語を混同してしまうミスが多い。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
医療費控除の対象範囲と給与所得者の確定申告義務
タックスプランニング · 医療費控除 / 給与所得者の確定申告義務 / 一時所得
Aさんの2021年分の所得税における医療費控除および確定申告に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
医療費控除は、自己または生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費について適用できますが、自家用車通院のガソリン代・駐車料金は対象外です。また給与所得者は給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が義務付けられます。
解き方
- 通院費における公共交通機関利用と自家用車利用の取り扱いの違いを確認し、選択肢1の可否を判断する。
- 医療費控除の足切り額の基準(総所得金額等200万円以上は10万円)を確認し、選択肢2の正誤を判断する。
- 一時所得の課税対象額(一時所得の金額×1/2)を計算し、20万円超による確定申告義務の有無から選択肢3の妥当性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 通院費として医療費控除の対象となるのは原則として電車やバス等の公共交通機関の運賃であり、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金は医療費控除の対象外です。
- 選択肢 2不正解
- 医療費控除額の算出における足切り額は「10万円」と「総所得金額等の5%」のいずれか低い方の額です。Aさんの総所得金額等は200万円を超えているため、10万円を超える医療費を支払っていれば控除額が算出されます。
- 選択肢 3正解
- 一時所得は(収入金額600万円-支出金額500万円-特別控除50万円)=50万円となり、総所得金額へ算入される額はその2分の1の25万円です。給与所得以外の所得が20万円を超えるため、確定申告を行う義務があります。
覚えるポイント
- 自家用車通院のガソリン代・駐車場代は医療費控除の対象外であること
- 給与所得以外の所得が年20万円を超える給与所得者は確定申告が必要であること
間違えやすいところ
- 一時所得の金額そのもの(50万円)と、総所得金額に算入される金額(1/2の25万円)を取り違えないように注意する。
- 医療費控除の足切り限度額(10万円)を20万円と混同しないようにする。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法に基づく建蔽率・容積率の上限計算
不動産 · 建蔽率の緩和 / 指定容積率 / 前面道路幅員制限
甲土地に賃貸マンション(耐火建築物)を建築する場合の、①建蔽率の上限となる建築面積と、②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
建蔽率は特定行政庁が指定する角地要件および防火・準防火地域内の耐火建築物等の要件を満たすことでそれぞれ10%ずつ加算緩和されます。容積率は指定容積率と前面道路幅員による制限値(道路幅員×法定乗数)の小さい方が適用されます。
解き方
- 甲土地の指定建蔽率(60%)に対し、特定行政庁指定角地の緩和(+10%)と準防火地域内の耐火建築物の緩和(+10%)を加算して適用建蔽率(80%)を求め、建築面積の上限(900㎡×80%=720㎡)を計算する。
- 前面道路の広い方の幅員(8m)に第一種住居地域の法定乗数(4/10)を乗じて道路幅員制限(320%)を算出し、指定容積率(300%)と比較して小さい方(300%)を採用する。
- 敷地面積(900㎡)に採用容積率(300%)を乗じて延べ面積の上限(2,700㎡)を求め、該当する選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 建築面積の上限が630㎡(建蔽率70%計算)となっていますが、角地緩和(+10%)に加えて準防火地域内の耐火建築物緩和(+10%)も重複適用されるため80%(720㎡)となり不適切です。
- 選択肢 2正解
- 建蔽率の上限は60%+10%+10%=80%で建築面積720㎡、容積率の上限は指定容積率300%(道路制限320%より小さい方)で延べ面積2,700㎡となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 延べ面積の上限が2,880㎡となっていますが、これは前面道路幅員による制限(8m×4/10=320%)のみを誤って適用した値(900㎡×320%)であり、より厳しい指定容積率(300%)が適用されるため不適切です。
覚えるポイント
- 準防火地域内の耐火建築物または準耐火建築物は建蔽率が+10%緩和されること
- 2つ以上の前面道路がある場合は幅員の広い方の道路幅員を用いて計算すること
- 容積率は指定容積率と道路幅員による制限のうち厳しい方(小さい方)が上限となること
間違えやすいところ
- 準防火地域における耐火建築物の建蔽率10%緩和を見落として角地緩和の10%しか加算しないミス。
- 道路幅員による容積率制限と指定容積率を比較せず、大きい方の数値を誤って適用してしまうミス。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
路線価の見方と貸家建付地の相続税評価
不動産・相続 · 相続税路線価 / 借地権割合 / 貸家建付地の評価
甲土地に関する路線価表示および貸家建付地としての評価方法に関する文章中の空欄①~③に入る語句または数値の適切な組合せを選択しなさい。
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解答
3
解説
相続税路線価図の数値は1㎡当たり「千円」単位で表され、末尾のアルファベットはA(90%)からG(30%)まで10%刻みで借地権割合を示します(Dは60%)。また、所有する土地に賃貸物件を建てた場合の貸家建付地の評価額は、自用地価額から借地権割合・借家権割合・賃貸割合を乗じた控除分を差し引いて計算します。
解き方
- 路線価図における数値「250」の単位を確認し、千円単位(250千円=25万円/㎡)であることを把握する。
- 路線価の末尾記号「D」に対応する借地権割合を判定する(A:90%、B:80%、C:70%、D:60%)。
- 貸家建付地の評価算式である「自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」と照合して正しい組み合わせを選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 記号Dの借地権割合は70%ではなく60%であり、貸家建付地の算式に「借家権割合」や「1-」が抜けているため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 路線価の表示単位は万円ではなく千円であり、記号Dの借地権割合は60%、さらに算式に「借家権割合」が含まれていないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 路線価は千円単位、記号Dの借地権割合は60%、貸家建付地の算式は「自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」であるため適切です。
覚えるポイント
- 路線価記号の借地権割合:A=90%からG=30%まで10%刻み(D=60%、C=70%)
- 貸家建付地の評価算式:自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
間違えやすいところ
- 路線価の数字を万円単位と誤認すること
- 貸家建付地の減額計算で借家権割合(通常30%)を掛け忘れること
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
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土地の有効活用方式と賃貸経営に伴う税務
不動産・相続 · 土地活用手法 / 小規模住宅用地の特例 / 相続税の債務控除
甲土地の有効活用(賃貸マンション建築)やそれに伴う税務上の取扱いに関する記述として、最も適切なものを選択しなさい。
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解答
3
解説
土地所有者が金融機関から融資を受けて賃貸建物を建築した場合、その借入金残高は確実な債務として相続税の計算上「債務控除」の対象となります。土地有効活用のうち出資割合に応じて区分所有権等を取得する手法は等価交換方式であり、自己建設方式は土地所有者自身が資金調達・建築を行う方式です。また、住宅用地の固定資産税の課税標準の特例において、小規模住宅用地(1戸あたり200㎡以下の部分)は価格の「6分の1」に減額されます。
解き方
- 自己建設方式と等価交換方式の定義の違いを確認し、選択肢1の正誤を判断する。
- 固定資産税における住宅用地の特例(小規模住宅用地は価格の6分の1、一般住宅用地は3分の1)を確認し、選択肢2の正誤を判断する。
- 被相続人が賃貸建物建築のために借り入れた借入金残高が相続税の債務控除対象となることを確認し、選択肢3の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 記述の内容は「等価交換方式」に関する説明です。自己建設方式は、土地所有者自らが企画・資金調達を行い建物を建設・所有する方式です。
- 選択肢 2不正解
- 固定資産税の住宅用地の特例では、住宅1戸につき200㎡以下の小規模住宅用地の課税標準は「6分の1(都市計画税は3分の1)」とされ、「2分の1」ではありません。
- 選択肢 3正解
- 被相続人が賃貸マンションを建築するために金融機関から調達した借入金の残高は、確実と認められる債務であるため相続税の債務控除の対象となります。
覚えるポイント
- 住宅用地の固定資産税の特例:200㎡以下の小規模住宅用地は課税標準が価格の6分の1(200㎡超は3分の1)
- 不動産投資のための金融機関借入金残高は、相続開始時に債務控除の対象となる
間違えやすいところ
- 自己建設方式と等価交換方式の仕組みを混同すること
- 固定資産税の小規模住宅用地の軽減割合(6分の1)と新築建物の税額軽減(2分の1)を混同すること
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
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生前贈与(相続時精算課税制度・教育資金の一括贈与)
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 教育資金の一括贈与の非課税制度
Aさん(74歳)からの生前贈与に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを選びなさい。 ⅰ)「Aさんが生前贈与を実行するにあたっては、暦年課税制度による贈与、相続時精算課税制度による贈与、教育資金の非課税制度を活用した贈与などが考えられます。仮に、Aさんからの贈与について、長男Cさんが相続時精算課税制度を選択した場合、累計で( ① )万円までの贈与について贈与税は課されませんが、その額を超える部分については、一律( ② )%の税率により贈与税が課されます」 ⅱ)「『直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度』の適用を受けた場合、受贈者1人につき( ③ )万円までは贈与税が非課税となります。ただし、学習塾などの学校等以外の者に対して直接支払われる金銭については、500万円が限度となります」
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続時精算課税制度は原則60歳以上の父母・祖父母から20歳(改正後18歳)以上の子・孫への生前贈与で選択でき、特別控除額累計2,500万円・超過分一律20%課税となります。教育資金の一括贈与は受贈者1人あたり1,500万円(学校等以外は500万円)まで非課税となります。
解き方
- 相続時精算課税制度における特別控除額の累計限度額(2,500万円)および超過部分の一律税率(20%)を確認する。
- 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税限度額(1,500万円、学校等以外は500万円)を確認する。
- 空欄①=2,500、②=20、③=1,500の組合せを選択肢から探す。
- 選択肢 1不正解
- 特別控除限度額は2,000万円ではなく2,500万円であり、超過部分の税率は25%ではなく20%であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 空欄①が2,500(万円)、空欄②が20(%)、空欄③が1,500(万円)となっており、すべて正しく適切です。
- 選択肢 3不正解
- 超過部分の税率は25%ではなく20%であり、教育資金非課税制度の限度額は1,000万円ではなく1,500万円であるため不適切です。
答えの内訳
- 空欄①:2,500
- 相続時精算課税制度の特別控除限度額は、同一の贈与者からの贈与につき累計で2,500万円です。
- 空欄②:20
- 相続時精算課税制度において累計2,500万円の特別控除額を超えた部分には、一律20%の税率で贈与税が課されます。
- 空欄③:1,500
- 教育資金の一括贈与の非課税制度では、受贈者(子・孫等)1人につき1,500万円までが非課税限度額となります。
覚えるポイント
- 相続時精算課税:累計2,500万円まで非課税、超過分は一律20%
- 教育資金一括贈与:受贈者1人あたり最大1,500万円(習い事等は500万円まで)
間違えやすいところ
- 贈与税の配偶者控除(最高2,000万円)と相続時精算課税の特別控除(2,500万円)の数値を混同しないようにする。
- 教育資金非課税限度額(1,500万円)と結婚・子育て資金非課税限度額(1,000万円)を取り違えないように注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
暦年課税における贈与税額の計算(特例税率の適用)
相続・事業承継 · 贈与税の計算 / 暦年課税 / 特例贈与財産
仮に、長男Cさんが暦年課税(各種非課税制度の適用はない)により、2022年中に父Aさんから現金900万円の贈与を受けた場合の贈与税額として、最も適切なものを選びなさい。 なお、贈与時の長男Cさんの年齢は18歳以上(設例では44歳)であり、贈与者は直系尊属(父Aさん:74歳)である。
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解答
1
解説
暦年課税の贈与税額は、課税価格から基礎控除額110万円を差し引いた後の金額に所定の税率を乗じ、控除額を差し引いて計算します。直系尊属から成人(贈与年の1月1日時点で18歳以上、2022年3月31日以前は20歳以上)の子や孫への贈与には「特例贈与財産」の税率(特例税率)が適用されます。
解き方
- 贈与財産の金額(900万円)から暦年課税の基礎控除額(110万円)を控除し、基礎控除後の課税価格(790万円)を求める。
- 贈与者(父74歳)と受贈者(子44歳)の関係から、特例贈与財産の速算表を使用することを判定する。
- 速算表の「600万円超1,000万円以下」の区分(税率30%、控除額90万円)を適用して税額を算出する:790万円×30%-90万円=147万円。
- 選択肢 1正解
- 特例税率を適用して計算した(900万円-110万円)×30%-90万円=147万円であり、適切です。
- 選択肢 2不正解
- 基礎控除額110万円を控除せずに900万円×30%-90万円=180万円と誤って計算した数値であり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一般贈与財産の税率を適用して(900万円-110万円)×40%-125万円=191万円と誤って計算した数値であり、不適切です。
答えの内訳
- 基礎控除後の課税価格:790万円
- 贈与財産の価額900万円から暦年課税の基礎控除額110万円を控除すると、900万円-110万円=790万円となります。
- 贈与税額:147万円
- 直系尊属から20歳(18歳)以上の子への贈与であるため特例税率を適用します。「600万円超1,000万円以下」の区分により、790万円×30%-90万円=147万円となります。
覚えるポイント
- 暦年課税の基礎控除額は年間110万円
- 直系尊属から成人の子・孫への贈与は「特例税率」を適用
間違えやすいところ
- 直系尊属からの贈与であるにもかかわらず、一般税率の速算表を使って計算してしまうミス。
- 基礎控除110万円を引き忘れて、贈与総額に直接税率を掛けてしまう計算ミス。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除・小規模宅地等の特例・配偶者の税額軽減
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 小規模宅地等の特例 / 配偶者に対する相続税額の軽減
現時点(2022年1月23日)において、Aさんの相続が開始した場合に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の税額計算では、法定相続人の数に応じた基礎控除額の算出、特定居住用宅地等における課税価格の80%減額特例、および配偶者が取得する遺産に対する税額軽減(1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額まで非課税)などの優遇措置が規定されています。
解き方
- 法定相続人の数(妻B・長男Cの2人)から遺産に係る基礎控除額を「3,000万円+600万円×2=4,200万円」と算出し、記述1の正誤を確認する。
- 特定居住用宅地等の適用(敷地300㎡は上限330㎡以内、80%減額)から課税価格「8,000万円×(1-0.8)=1,600万円」を算出し、記述2の正誤を確認する。
- 配偶者の税額軽減の要件である「1億6,000万円」と「配偶者の法定相続分相当額」の「いずれか多い金額」という基準に照らし、記述3の誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- Aさんの法定相続人は妻Bさんと長男Cさんの2人です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数(2人)=4,200万円」となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人の配偶者が取得する自宅敷地(特定居住用宅地等)は限度面積330㎡まで80%減額されます。敷地300㎡は全額対象となり、課税価格に算入すべき価額は「8,000万円×(1-0.8)=1,600万円」となるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者に対する相続税額の軽減は、取得財産の額が「1億6,000万円」と「配偶者の法定相続分相当額」の「いずれか多い金額(大きい金額)」まで相続税がかかりません。「いずれか少ない金額」としている点が不適切です。
覚えるポイント
- 配偶者の税額軽減は「1億6,000万円」または「法定相続分」の「いずれか多い金額」まで非課税となる。
- 特定居住用宅地等の限度面積は330㎡、減額割合は80%である。
間違えやすいところ
- 「いずれか多い金額」と「いずれか少ない金額」を取り違えて判断してしまう。
- 特定居住用宅地等の計算で減額される額(6,400万円)と課税価格に算入する残額(1,600万円)を取り違える。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2022年1月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
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