日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
老齢基礎年金の年金額の計算式
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 保険料納付済期間 / 合算対象期間
設例のAさん(1964年10月13日生まれ)が65歳から老齢基礎年金の受給を開始した場合の年金額の計算式として、2021年度価額に基づく最も適切なものを次の選択肢から1つ選びなさい。
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解答
1
解説
老齢基礎年金の受給額の計算において、厚生年金保険の被保険者期間(国民年金の第2号被保険者期間)のうち年金額に反映されるのは、原則として「20歳以上60歳未満」の期間に限られます。60歳以降の厚生年金加入期間は老齢厚生年金の額には反映されますが、老齢基礎年金の算定対象月数には算入されません。
解き方
- 20歳から60歳までの総月数(40年間=480月)を確認します。
- 学生時代の国民年金未加入期間30月を差し引き、20歳以上60歳未満の厚生年金加入期間を450月と求めます。
- 2021年度の満額780,900円に納付済月数の割合(450月/480月)を乗じる式を選択します。
- 選択肢 1正解
- 20歳以上60歳未満の厚生年金被保険者期間450月のみが算入されるため、計算式として適切です。
- 選択肢 2不正解
- 学生時代の国民年金未加入期間30月は保険料納付済期間に含まれないため、480月とするのは誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 60歳から65歳までの被保険者期間(60月)は老齢基礎年金の算定月数に含まれないため、510月とするのは誤りです。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の月数に算入される第2号被保険者期間は20歳以上60歳未満に限られます。
間違えやすいところ
- 60歳から65歳までの厚生年金加入期間を誤って老齢基礎年金の計算式に含めてしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等(2021年度価額)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の受給権・計算および加給年金
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 老齢厚生年金 / 加給年金額
設例のAさんに対する老齢厚生年金の説明として、最も適切なものを次の選択肢から1つ選びなさい。
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解答
2
解説
特別支給の老齢厚生年金は受給権者が65歳に達したときに消滅し、本来の老齢年金の受給権が発生します。また、加給年金額は被保険者期間が20年以上ある者が65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者または18歳到達年度末までの子等がいる場合に加算されます。
解き方
- 女性の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を確認し、1964年10月生まれのAさんは60歳受給開始ではないことを確認します。
- 65歳到達時の年金受給権の変動と裁定替え・計算ルールについて、選択肢2の内容が法令上正しいことを確認します。
- 加給年金額の対象となる要件(65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者や高校生以下の子等)を照合し、Aさんには対象者がいないことを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 1964年(昭和39年)10月13日生まれの女性の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢は62歳であるため、60歳から受給できるとする説明は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 65歳到達によって特別支給の老齢厚生年金の受給権は消滅し、65歳到達時の被保険者記録を基に計算された老齢厚生年金および老齢基礎年金を受給するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- Aさんが65歳に達する時点で長女Cさんは27歳であり加給年金の対象となる子に該当せず、配偶者もいないため加給年金額は加算されません。
覚えるポイント
- 加給年金額の対象となる子は、18歳到達年度末までの子(障害等級1・2級は20歳未満)に限られます。
間違えやすいところ
- 被保険者期間が20年以上あっても、65歳到達時に要件を満たす配偶者や子が不在の場合は加給年金額が加算されない点を見落としやすいです。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の学生納付特例制度の要件と取扱い
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金制度 / 学生納付特例制度 / 保険料追納
国民年金の学生納付特例制度に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「本制度は、国民年金の第1号被保険者で大学等の所定の学校に在籍する学生について、( ① )の前年所得が一定額以下の場合、被保険者等からの申請に基づき、国民年金保険料の納付を猶予する制度です。なお、本制度の適用を受けた期間は、老齢基礎年金の( ② )。 本制度の適用を受けた期間の保険料は、( ③ )年以内であれば、追納することができます。ただし、本制度の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます」
解答・解説を表示
解答
2
解説
国民年金の学生納付特例は、所定の学校に在籍する学生本人の所得が基準以下の場合に保険料納付が猶予される制度です。承認期間は受給資格期間や障害・遺族基礎年金の受給要件には反映されますが、追納しない限り将来の老齢基礎年金額の計算には反映されません。追納可能期間は10年以内と定められています。
解き方
- 空欄①について、保険料免除制度とは異なり、学生納付特例制度は世帯主や親の所得は問われず「学生本人」の前年所得のみで判定されることを確認します。
- 空欄②について、学生納付特例を受けた期間は老齢基礎年金の「受給資格期間」には合算されますが、追納を行わない限り「年金額には反映されません」。選択肢の文脈から「年金額には反映されません」が適切です。
- 空欄③について、免除・猶予された国民年金保険料を追納できる期間は承認を受けた月から「10」年以内であることを確認し、組合せとして2を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 所得基準の判定対象は「世帯主」ではなく「学生本人」であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 所得要件は「学生本人」、未追納の場合は「年金額には反映されません」、追納可能期間は「10」年以内であり、すべての空欄の記述が適切です。
- 選択肢 3不正解
- 所得要件は「学生本人」であり、受給資格期間には「算入される」ため「算入されません」は誤りです。また追納可能期間も「10年」であるため不適切です。
覚えるポイント
- 学生納付特例の所得判定は「学生本人」のみ(親・世帯主の所得は無関係)。
- 猶予期間は受給資格期間に含まれるが、年金額には反映されない(追納が必要)。
- 免除・猶予分の追納可能期間は原則として10年以内。
間違えやすいところ
- 一般の保険料免除制度(本人・配偶者・世帯主の所得が審査対象)と学生納付特例(本人のみ審査対象)を混同すること。
- 追納可能期間を時効である2年と取り違えること。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の国民年金法令基準
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の各種費用(手数料・信託報酬・信託財産留保額)
金融資産運用 · 投資信託 / 運用管理費用(信託報酬) / 購入時手数料 / 信託財産留保額
設例のX投資信託(日経225インデックスファンド)の費用に関するファイナンシャル・プランナーの説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
投資信託にかかる主な費用には、購入時の「購入時手数料」、保有期間中に信託財産から日々差し引かれる「運用管理費用(信託報酬)」、換金時に基準価額等から差し引かれる「信託財産留保額」があります。信託報酬は投資家の取引口座から直接引き落とされるのではなく、ファンドの日々の基準価額計算において純資産総額から間接的に控除されます。
解き方
- 選択肢1を確認:購入時手数料がない投資信託は「ノーロードファンド」と呼ばれ、設例資料でも購入時手数料「なし」とあるため適切です。
- 選択肢2を確認:運用管理費用(信託報酬)の徴収方法は、保有期間中に「信託財産(純資産総額)から日々間接的に差し引かれる」ものであり、「取引口座から毎月1回差し引かれる」とする記述は誤り(不適切)です。
- 選択肢3を確認:信託財産留保額の趣旨(途中換金に伴う売却コストを換金者に負担させ、継続保有者との公平性を保つこと)および設例資料における「信託財産留保額:なし」の記載と整合しており適切です。
- 選択肢 1不正解
- 購入時手数料がかからない投資信託は「ノーロードファンド」と呼ばれ、設例でも購入時手数料は「なし」となっているため適切です。
- 選択肢 2正解
- 運用管理費用(信託報酬)は保有期間中に信託財産から日々差し引かれるものであり、預金口座や取引口座から毎月引き落とされるものではないため、最も不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 信託財産留保額は途中換金に伴う売却費用を解約者に負担させる目的で差し引かれる費用であり、設例のX投資信託では「なし」とされているため適切です。
覚えるポイント
- 購入時手数料なし=ノーロードファンド。
- 運用管理費用(信託報酬)は信託財産から毎日差し引かれ、別途口座引き落としされるものではない。
- 信託財産留保額はペナルティではなく、残る保有者との公平性を図るための費用精算。
間違えやすいところ
- 信託報酬が取引口座や証券口座から月次・年次で直接引き落とされると誤解すること。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令・一般的な投資信託の制度規約
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
つみたてNISAの制度概要と対象商品
金融資産運用 · つみたてNISA / 非課税投資枠 / 積立買付け / 対象投資信託
ファイナンシャル・プランナーのMさんが、投資信託による資産運用を検討しているAさんに対して行った、つみたてNISAに関する次のアドバイスのうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。年間の非課税投資枠は40万円で、定期・継続的な積立買付けが要件となっています。対象商品は、手数料水準が低く長期投資に適した国内外の株式投資信託やETFが指定されています。
解き方
- 非課税投資枠(年間40万円)および未使用分の翌年繰越しが不可である点を確認する。
- 買付け方法が累積投資契約に基づく定期・継続的な買付けに限定され、一括買付けができない点を確認する。
- 対象商品に国内資産型のみならず海外資産型や内外複合型の投資信託が含まれているかを確認して誤りを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおり適切です。つみたてNISAの年間の非課税投資枠は40万円であり、その年に使い切らなかった非課税投資枠の未使用分を翌年以降に繰り越すことはできません。
- 選択肢 2不正解
- 記述のとおり適切です。つみたてNISAによる買付けは、累積投資契約に基づいて定期かつ継続的な買付け(積立)を行う方法に限られており、一時金でまとめて一括購入することはできません。
- 選択肢 3正解
- 記述は不適切です。つみたてNISAの対象商品には、一定の要件を満たす国内株式を投資対象とするインデックス型投信だけでなく、海外株式を組み入れたインデックス型投信や一定のアクティブ型投信、ETFなども対象に含まれています。
覚えるポイント
- つみたてNISAの年間非課税枠は40万円(翌年繰越し不可)
- 買付け方法は定期・継続的な積立のみ(一括購入不可)
- 対象商品には国内外の株式を対象とする公募株式投資信託やETFが含まれる
間違えやすいところ
- 一般NISAとつみたてNISAで一括買付けができるか混同しやすい点に注意する。
- つみたてNISAの対象商品が国内資産限定であると誤認しないようにする。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
つみたてNISAの課税関係と損益通算
金融資産運用 · つみたてNISA / 普通分配金 / 譲渡益 / 損益通算の不可
ファイナンシャル・プランナーのMさんが、Aさんに対してアドバイスした、つみたてNISAを利用して購入した投資信託に係る課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
つみたてNISA(少額投資非課税制度)の口座内で生じた普通分配金や譲渡益はすべて非課税となります。一方で、売却時に損失が生じた場合でも、税制上はその損失は「生じなかったもの」とみなされるため、特定口座や一般口座等の課税口座で生じた配当金・譲渡益との損益通算や繰越控除を行うことはできません。
解き方
- つみたてNISA口座内で生じる利益(譲渡益・普通分配金)に対する非課税の取扱いを確認する。
- 購入した年に解約(売却)した場合であっても、非課税が適用されることを確認する。
- NISA口座内の損失については税務上ないものとみなされ、特定口座等の利益と損益通算ができないことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 不適切です。つみたてNISAを利用して購入した株式投資信託は、購入した年に解約した場合であっても、得られた譲渡益は全額非課税となり、源泉徴収は行われません。
- 選択肢 2正解
- 適切です。つみたてNISA口座を利用して購入した公募株式投資信託から受け取る普通分配金は、非課税となります(元本払戻金である特別分配金も税法上非課税です)。
- 選択肢 3不正解
- 不適切です。つみたてNISA口座で生じた損失は税務上存在しないものとみなされるため、特定口座や一般口座で生じた上場株式等の譲渡益や配当等と損益通算することはできません。
覚えるポイント
- つみたてNISA口座内の普通分配金・譲渡益は全額非課税
- 購入当年に売却しても非課税措置は有効
- NISA口座で生じた譲渡損失は、特定口座・一般口座の利益と損益通算できない
間違えやすいところ
- つみたてNISAの売却損を特定口座の利益と相殺(損益通算)できると誤認しやすい。
- 購入した同一年内の売却は非課税が適用されないと誤解しないように注意する。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告制度の特典(青色申告特別控除と純損失の繰越し等)
タックスプランニング · 青色申告特別控除 / 純損失の繰越控除 / 青色申告の特典
所得税における青色申告制度に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高( ① )万円を控除することができます。( ① )万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することに加えて、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う必要があります。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、青色申告特別控除額は最高( ② )万円となります」 ⅱ)「青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、( ③ )の3年間の繰越控除、( ③ )の繰戻還付、棚卸資産の評価について低価法を選択することができることなどが挙げられます」
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解答
3
解説
所得税の青色申告制度では、正規の簿記の原則による記帳・貸借対照表および損益計算書の添付・法定申告期限内の申告に加え、e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存を行うことで最高65万円(要件を満たさない複式簿記は55万円)の特別控除が受けられます。期限後申告の場合は簡易帳簿と同様に最高10万円の控除にとどまります。また、事業等で生じた赤字である純損失については、3年間の繰越控除や前年分の所得税額に対する繰戻還付の適用を受けることができます。
解き方
- 正規の簿記の原則に従った記帳・財務諸表の添付・期限内申告を満たし、さらにe-Tax申告または電子帳簿保存を行う場合の最高控除額は65万円であるため、①は「65」と判断します。
- 確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、複式簿記の要件を満たしていても最高控除額は10万円となるため、②は「10」と判断します。
- 事業所得などの赤字から生じる損失は「純損失」であり、青色申告者は純損失の3年間の繰越控除および前年への繰戻還付が認められるため、③は「純損失」と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 期限後申告の場合の青色申告特別控除額は最高10万円(55万円ではない)であり、3年間の繰越控除や繰戻還付が認められるのは雑損失ではなく「純損失」であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- e-Taxによる申告または電子帳簿保存を行っている場合の青色申告特別控除額は最高65万円(55万円ではない)であり、繰越控除の対象は雑損失ではなく「純損失」であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- ①65万円、②10万円、③純損失の組合せは、税法上の規定とすべて合致しており最も適切です。
覚えるポイント
- 青色申告特別控除額は、e-Taxまたは電子帳簿保存+複式簿記+期限内申告で65万円、それ以外の複式簿記+期限内申告で55万円、単式簿記または期限後申告で10万円となります。
- 青色申告の特典として繰越控除(3年間)や繰戻還付ができるのは「純損失」です。
間違えやすいところ
- 期限後申告をした場合に55万円控除が認められると誤認しやすいですが、期限後になると10万円控除に引き下げられます。
- 災害等による「雑損失」の繰越控除(白色申告でも可能)と、事業等の赤字による「純損失」の繰越控除(青色申告限定)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人の所得税の課税(配偶者控除・公的年金等控除・一時払養老保険の差益)
タックスプランニング · 配偶者控除の適用要件 / 公的年金等に係る雑所得 / 一時払養老保険の課税関係
設例のAさん(63歳・個人事業主)の2021年分の所得税の課税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 <設例の条件> ・妻Bさん(58歳)はAさんの事業に専ら従事し、青色事業専従者給与(2021年分:84万円)の支払を受けている。 ・一時払養老保険(10年満期、契約年月:2011年7月、契約者・被保険者・満期受取人はAさん、満期保険金額212万円、一時払保険料200万円)の満期保険金を受領した。 ・特別支給の老齢厚生年金(年金額:50万円)を受給している。
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解答
2
解説
所得税において、青色事業専従者給与の支払を受ける者は控除対象配偶者となれないため配偶者控除は適用できません。公的年金等に係る雑所得は収入金額から公的年金等控除額(65歳未満は最低60万円)を控除して計算するため、収入が60万円以下の場合は雑所得が算出されません(0円となります)。また、保険期間が5年超で契約から満期まで5年超経過した一時払養老保険の満期保険金差益は、金融類似商品の源泉分離課税の対象外であり、一時所得として総合課税の対象になります。
解き方
- 配偶者控除の可否を確認する:妻Bさんは青色事業専従者給与の支払を受けているため、控除対象配偶者に該当せず、配偶者控除は適用できません。
- 公的年金等に係る雑所得の有無を確認する:Aさんは63歳(65歳未満)で、受給した公的年金等の収入金額は50万円です。65歳未満の公的年金等控除額は最低60万円であるため、50万円-60万円≦0円となり、公的年金等に係る雑所得の金額は算出されません。
- 一時払養老保険の課税関係を確認する:契約期間が10年(5年超)であり、実際に10年満期を迎えているため、金融類似商品としての源泉分離課税(20.315%)は適用されず、一時所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 1不正解
- 青色事業専従者として給与の支払を受けている人は配偶者控除の対象外となるため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができません。
- 選択肢 2正解
- 65歳未満の者の公的年金等控除額は最低60万円であるため、収入金額が50万円であれば公的年金等に係る雑所得の金額は0円(算出されない)となり、適切です。
- 選択肢 3不正解
- 保険期間が5年を超える一時払養老保険を5年超経過して満期受取した場合の保険差益は、金融類似商品に該当せず、一時所得として総合課税の対象となるため誤りです。
覚えるポイント
- 青色事業専従者給与の支払を受ける配偶者は、合計所得金額にかかわらず配偶者控除・配偶者特別控除の対象外となります。
- 公的年金等控除額の最低額は、65歳未満は60万円、65歳以上は110万円です(公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合)。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険の差益はすべて源泉分離課税になると誤認しがちですが、源泉分離課税(20.315%)となるのは「保険期間が5年以下」または「保険期間5年超で5年以内に解約(解約返戻金を受領)した場合」に限られます。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 一時所得 / 公的年金等控除 / 事業所得
Aさんの2021年分の収入等(事業所得500万円、一時払養老保険の満期保険金212万円・保険料200万円、特別支給の老齢厚生年金50万円)に基づく、所得税における総所得金額として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得(2分の1後)、雑所得などの総合課税対象となる所得金額を合算して算出します。
解き方
- 一時所得の金額を「総収入金額212万円-支出金額200万円-特別控除額(最高50万円、ここでは差額12万円)」により0円と計算します。
- 65歳未満の公的年金等控除額は最低60万円であるため、年金額50万円に対する雑所得の金額を0円と計算します。
- 事業所得の金額500万円に他の一時所得・雑所得(ともに0円)を合算し、総所得金額500万円を求めます。
- 選択肢 1正解
- 一時所得および公的年金等に係る雑所得がいずれも0円となるため、事業所得500万円がそのまま総所得金額となります。
- 選択肢 2不正解
- 養老保険の差益12万円から特別控除額(最高50万円)を差し引かずに加算しているため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 公的年金等の雑所得の計算において公的年金等控除額(60万円)を差し引かずに50万円を加算しているため誤りです。
覚えるポイント
- 一時所得の特別控除額は最高50万円(差益が50万円未満ならその差益の額)です。
- 65歳未満の公的年金等控除額の最低額は60万円(公的年金等の収入が60万円以下なら雑所得は0円)です。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険の差益に対して特別控除50万円の適用を忘れてそのまま総所得金額に加算してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築面積および延べ面積の上限計算
不動産 · 建蔽率の緩和 / 容積率の制限 / 準防火地域 / 耐火建築物
甲土地(敷地面積400㎡、近隣商業地域、指定建蔽率80%、指定容積率300%、準防火地域、前面道路幅員6m公道、法定乗数6/10)に耐火建築物を建築する場合の、①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
建蔽率の限度は用途地域の指定値に防火地域等の緩和を考慮して敷地面積に乗じ、容積率の限度は指定容積率と前面道路幅員制限(幅員×法定乗数)のいずれか厳しい方を敷地面積に乗じて算出します。
解き方
- 準防火地域内で耐火建築物を建築する場合、建蔽率が10%緩和されるため、適用建蔽率は80%+10%=90%となり、建築面積の上限は400㎡×90%=360㎡と求まります。
- 前面道路幅員制限による容積率は6m×6/10=360%となり、指定容積率300%と比較して小さい方の300%が上限となるため、延べ面積の上限は400㎡×300%=1,200㎡と求まります。
- 選択肢 1不正解
- 容積率の制限について、指定容積率300%ではなく前面道路幅員制限の360%(400㎡×360%=1,440㎡)を誤って適用しています。
- 選択肢 2正解
- 建築面積の上限は400㎡×90%=360㎡、延べ面積の上限は400㎡×300%=1,200㎡となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 建蔽率80%の地域で建蔽率制限なし(100%)となるのは「防火地域内の耐火建築物」等であり、本問は準防火地域であるため建蔽率は90%(上限360㎡)です。
覚えるポイント
- 準防火地域内で耐火建築物または準耐火建築物を建築する場合は、建蔽率が10%緩和されます。
- 指定建蔽率が80%の地域で建蔽率制限が撤廃(100%)されるのは防火地域内の耐火建築物等の場合であり、準防火地域では撤廃されません。
間違えやすいところ
- 準防火地域と防火地域を混同し、建蔽率を制限なし(100%、400㎡)と誤認してしまうケースが多いです。
- 容積率で前面道路制限(360%)と指定容積率(300%)の厳しい方(小さい方)を選ぶルールを取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産を譲渡した場合の各種特例の要件
不動産 · 居住用財産の3,000万円特別控除 / 居住用財産の軽減税率の特例 / 特定の居住用財産の買換え特例
自宅(建物およびその敷地である甲土地)の譲渡に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「仮に、Aさんがタワーマンションに転居し、その後、居住していない現在の自宅を譲渡した場合に、Aさんが『居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例』の適用を受けるためには、家屋に自己が居住しなくなった日から( ① )を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること等の要件を満たす必要があります。また、『居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例』の適用を受けた場合、課税長期譲渡所得金額が( ② )以下の部分については、軽減税率が適用されます」 ⅱ)「Aさんが自宅を譲渡し、マンションを購入した場合、譲渡した年の1月1日において譲渡した居住用財産の所有期間が( ③ )を超えていること等の要件を満たせば、『特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例』の適用を受けることができます」
解答・解説を表示
解答
3
解説
居住用財産(マイホーム)の譲渡には税負担を軽減する複数の特例があります。3,000万円特別控除は住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡が要件です。また、10年超所有している場合の軽減税率の特例では課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分に軽減税率が適用されます。特定の居住用財産の買換え特例は所有期間10年超かつ居住期間10年以上の居住用財産が対象となります。
解き方
- 3,000万円特別控除について、転居後の適用期限が「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」であることを確認し、①を「3年」と判定します。
- 居住用財産の軽減税率の特例において、軽減税率が適用される課税長期譲渡所得金額の限度額が「6,000万円」以下であることを確認し、②を「6,000万円」と判定します。
- 特定の居住用財産の買換え特例における譲渡資産の所有期間要件が、譲渡した年の1月1日時点で「10年超」であることを確認し、③を「10年」と判定します。
- 選択肢 1不正解
- ②は6,000万円、③は10年が正しいため、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- ①は3年、②は6,000万円が正しいため、不適切です。
- 選択肢 3正解
- ①3年、②6,000万円、③10年であり、すべての空欄の記述が正しいため適切です。
覚えるポイント
- 居住用財産の3,000万円特別控除と軽減税率の特例は重複して適用を受けることが可能です。
間違えやすいところ
- 軽減税率の適用限度額である「6,000万円」と、買換え特例の譲渡対価要件である「1億円以下」を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の税法および関連諸法令
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地有効活用における相続税評価およびリスク
不動産 · 土地の有効活用 / 貸家建付地 / 小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)
自己建設方式による甲土地の有効活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
土地所有者が自ら建物を建築して他人に賃貸する場合、その敷地は「貸家建付地」として自用地評価額から借地権割合×借家権割合×賃貸割合を控除して評価されます。他人に土地を貸して借地人が建物を所有している敷地である「貸宅地(借地権の目的となっている宅地)」とは評価上の区分が異なります。
解き方
- 自己建設方式により所有地へ賃貸マンションを建てた場合の土地評価区分を確認します。自己所有の建物を賃貸に供する土地は「貸家建付地」であり、「貸宅地」ではないため、選択肢1が不適切と判定します。
- 小規模宅地等の減額特例において、貸付事業用宅地等の適用限度面積が200㎡、減額割合が50%であることを確認し、選択肢2が適切であることを確認します。
- 賃貸事業に伴う空室リスクや金利上昇・返済リスクなどの計画上の留意点を確認し、選択肢3が適切であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 自ら建築した建物を賃貸する場合の敷地は「貸家建付地」として評価されるため、「貸宅地として評価されます」とする記述は誤りであり、本問で最も不適切な選択肢です。
- 選択肢 2不正解
- 貸付事業用宅地等に該当すれば、200㎡を限度として課税価格から50%減額されるため、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 賃貸マンションの建築・経営には空室リスクや資金収支の悪化リスクが伴うため慎重な計画が必要であるという説明は適切です。
覚えるポイント
- 自らが建物を建てて人に貸す敷地は「貸家建付地」、他人に土地を貸して他人が建物を建てる敷地は「貸宅地」となります。
間違えやすいところ
- 貸宅地(他人に土地そのものを賃貸)と貸家建付地(自己所有の賃貸物件の敷地)の定義を取り違えないよう区別して整理する必要があります。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の税法および関連諸法令
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言書の検認・準確定申告・相続税申告の手続きと期限
相続・事業承継 · 自筆証書遺言の検認 / 準確定申告の期限 / 相続税の申告期限
被相続人Aさんの相続手続きに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
自筆証書遺言を自宅等で発見した相続人は、偽造や改ざんを防止するために遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を受けなければなりません。また、被相続人の死亡に伴う所得税の準確定申告は相続開始を知った日の翌日から4カ月以内、相続税の申告・納付は10カ月以内に行う必要があります。
解き方
- 自宅等に保管されていた自筆証書遺言の検認の請求先が家庭裁判所であることを確認する。
- 所得税の準確定申告の期限が「相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内」であることを確認する。
- 相続税申告の提出先(被相続人の住所地の所轄税務署長)および期限(相続開始を知った日の翌日から10カ月以内)を確認し、不適切な選択肢を特定する。
- 選択肢 1正解
- 自宅等で保管されていた自筆証書遺言の検認を請求する提出先は「家庭裁判所」であり、法務局ではありません(法務局での自筆証書遺言書保管制度を利用している場合を除く)。したがって本記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 納税義務のある被相続人が死亡した場合、相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に準確定申告書を提出しなければなりません。記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 相続税の申告書は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署長に対して提出・納付します。記述は適切です。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言(自宅保管)の検認請求先は家庭裁判所であること
- 準確定申告の期限は相続開始を知った日の翌日から4カ月以内、相続税申告は10カ月以内であること
間違えやすいところ
- 自筆証書遺言書保管制度(法務局保管)と自宅保管遺言書の取扱いの混同に注意する
- 相続税申告書の提出先は「相続人の住所地」ではなく「被相続人の死亡時の住所地」を所轄する税務署長である点に注意する
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
基礎控除額・死亡退職金の非課税金額・小規模宅地等の特例による課税価格
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 死亡退職金の非課税限度額 / 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)
Aさんの相続に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、( ① )万円です」 ⅱ)「妻Bさんが受け取った死亡退職金6,000万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は、( ② )万円です」 ⅲ)「妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、その敷地の全部について、特定居住用宅地等として『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額5,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( ③ )万円とすることができます」
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出し、生命保険金や死亡退職金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算します。また、小規模宅地等の特例において特定居住用宅地等は330㎡まで80%減額されるため、課税価格に算入すべき額は評価額の20%相当額となります。
解き方
- 親族関係図から法定相続人の数(妻B、長男C、二男Dの計3人)を把握する。
- 遺産に係る基礎控除額を計算する:3,000万円+600万円×3人=4,800万円。
- 死亡退職金の非課税限度額を計算し(500万円×3人=1,500万円)、課税価格算入額を求める:6,000万円-1,500万円=4,500万円。
- 特定居住用宅地等の減額割合(80%)を適用し、課税価格に算入すべき額を求める:5,000万円×(1-0.8)=1,000万円。
- 選択肢 1不正解
- 基礎控除額(①)を法定相続人2人として計算した4,200万円とし、課税価格算入額(③)を減額される額(4,000万円)としているため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 死亡退職金について課税価格に算入される金額(②)を非課税限度額そのもの(1,500万円)とし、課税価格算入額(③)を減額金額(4,000万円)としているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- ①基礎控除額は4,800万円、②死亡退職金の課税価格算入額は4,500万円、③特定居住用宅地等の課税価格算入額は1,000万円であり、すべて正しい組合せです。
答えの内訳
- ①:4,800
- 法定相続人は妻B、長男C、二男Dの3人です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算するため、3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。
- ②:4,500
- 死亡退職金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で、500万円×3人=1,500万円です。課税価格に算入される金額は、受け取った6,000万円から非課税額1,500万円を控除した4,500万円となります。
- ③:1,000
- 特定居住用宅地等の適用対象面積は330㎡まで、減額割合は80%です。敷地300㎡は全額対象となり、減額額は5,000万円×80%=4,000万円です。課税価格に算入すべき価額は5,000万円-4,000万円=1,000万円となります。
覚えるポイント
- 相続税の基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の数
- 死亡保険金・死亡退職金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数
- 特定居住用宅地等:限度面積330㎡、減額割合80%(課税価格は20%)
間違えやすいところ
- 死亡退職金の「非課税限度額」をそのまま「課税価格算入額」と答えてしまうミス
- 小規模宅地等の特例で「減額される金額(80%相当)」と「課税価格に算入すべき価額(20%相当)」を取り違えるミス
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
課税遺産総額から求める相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分に応ずる取得金額 / 相続税の速算表
被相続人Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が2億9,000万円であった場合、相続税の総額として最も適切なものを1つ選びなさい。なお、法定相続人は妻Bさん、長男Cさん、二男Dさんの計3人である。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定して各人の取得金額を計算し、それぞれに相続税の速算表を適用して税額を算出し、それらを合算して求めます。
解き方
- 法定相続人と法定相続分を確認する。妻Bさんは2分の1、長男Cさんは4分の1、二男Dさんは4分の1である。
- 法定相続分に応ずる取得金額を計算する。妻Bさんは2億9,000万円×1/2=1億4,500万円、長男Cさんと二男Dさんはそれぞれ2億9,000万円×1/4=7,250万円となる。
- 速算表を用いて各人の税額を求める。妻Bさんは1億4,500万円×40%-1,700万円=4,100万円。長男Cさん・二男Dさんはそれぞれ7,250万円×30%-700万円=1,475万円となる。
- 各人の算出税額を合算して相続税の総額を算出する。4,100万円+1,475万円+1,475万円=7,050万円となる。
- 選択肢 1正解
- 妻Bさんの税額4,100万円、長男Cさんの税額1,475万円、二男Dさんの税額1,475万円を合算した7,050万円であり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 計算結果と一致しない誤った金額です。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額2億9,000万円を法定相続分に按分せず、そのまま速算表に当てはめた誤った計算結果(2億9,000万円×45%-2,700万円=1億350万円)です。
覚えるポイント
- 相続税の総額の計算では、実際の遺産分割割合ではなく「法定相続分」で按分して各人の税額を計算したうえで合計します。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額を法定相続分で按分するのを忘れ、直接速算表に当てはめて計算してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2021年9月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

