日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金の年金額の計算式
公的年金 · 老齢基礎年金 / 公的年金加入歴 / 保険料納付済期間
《設例》の<Aさん夫妻に関する資料>に基づき、Aさんおよび妻Bさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額(2021年度価額)を試算した計算式の組合せとして、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
老齢基礎年金の年金額は、満額の年金額に「20歳以上60歳未満の保険料納付済月数」等の割合を乗じて計算されます。厚生年金保険の被保険者期間(第2号被保険者期間)のうち20歳以上60歳未満の期間や国民年金の第3号被保険者期間は保険料納付済期間に含まれますが、学生等の未加入期間(合算対象期間)や20歳未満の厚生年金被保険者期間は老齢基礎年金の計算対象月数には算入されず、算入月数は最大480月となります。
解き方
- Aさんの保険料納付済月数は、20歳以上60歳未満の厚生年金保険被保険者期間212月と国民年金保険料納付済期間239月を合計した451月となります(未加入の29月は合算対象期間であり年金額には反映されません)。
- 妻Bさんの保険料納付済月数は、20歳から60歳までの40年間(480月)すべて納付済(第2号・第3号・第1号)となるため上限の480月となります(18歳から20歳未満の厚生年金期間は老齢基礎年金の計算式には含めません)。
- 選択肢 1不正解
- Aさんの厚生年金被保険者期間(第2号)や妻Bさんの厚生年金期間が適切に合算・反映されていないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- Aさんは212月+239月=451月、妻Bさんは20歳から60歳までの480月が対象となり上限480月となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 妻Bさんの計算式において20歳未満の厚生年金被保険者期間まで含めて496月としているため不適切です。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の額面計算の対象月数は「20歳以上60歳未満」の期間に限られ、上限は480月です。
間違えやすいところ
- 20歳未満や60歳以後の厚生年金保険被保険者期間を老齢基礎年金の計算月数に含めてしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金の繰上げ支給および繰下げ支給
公的年金 · 老齢基礎年金 / 繰下げ支給 / 繰上げ支給 / 増額率
老齢基礎年金の繰上げ支給および繰下げ支給に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「Aさんが( ① )歳に達する前に老齢基礎年金の請求をしなかった場合、Aさんは( ① )歳に達した日以後の希望するときから、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることができます。支給開始を繰り下げた場合は、繰り下げた月数に応じて年金額が増額されます。仮に、Aさんが70歳0カ月で老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、年金の増額率は( ② )%となります。 また、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求をすることもできますが、繰り上げた月数に応じて年金額は減額されます。仮に、Aさんが老齢基礎年金の繰上げ支給の請求をする場合、その請求と同時に老齢厚生年金の繰上げ支給の請求を( ③ )」
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解答
3
解説
老齢基礎年金の繰下げ支給は、受給権取得日(原則65歳到達日)から1年を経過した日(66歳到達日)以後に申出が可能です。繰下げ増額率は1月あたり0.7%(最大42%=60月繰下げ時、2021年度基準)となります。一方、繰上げ請求を行う場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の受給権があるときは同時に繰上げ請求を行わなければなりません。
解き方
- 繰下げ申出可能時期:65歳に達した日から1年間請求しなかった場合、66歳に達した日以降に申出ができるため、①は「66」となります。
- 繰下げ増額率の計算:65歳から70歳0カ月まで繰り下げた場合の月数は60月であり、増額率は 0.7% × 60月 = 42% となるため、②は「42」となります。
- 繰上げ請求の要件確認:老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ請求は同時に行わなければならないため、③は「しなければなりません」となります。
- 選択肢 1不正解
- 繰下げの申出可能時期は66歳到達日以後であり、70歳0カ月時点の増額率は42%であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 70歳0カ月時点の増額率は42%であり、繰上げ請求は老齢厚生年金と同時に行わなければならないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- ①66歳、②42%、③しなければなりません、というすべての空欄の記述が正しいため最も適切です。
覚えるポイント
- 繰下げ増額率は「月数×0.7%」(最大42%)、繰上げ請求は基礎年金・厚生年金を同時に行います。
間違えやすいところ
- 繰下げ申出が受給権発生(65歳)の直後からできると誤認したり、繰上げ請求を片方のみ選択できると混同しがちです。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の老齢給付(任意加入・加給年金・特別支給)
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金の任意加入 / 加給年金の要件 / 特別支給の老齢厚生年金
MさんがAさん夫妻に対して公的年金制度の老齢給付について説明した次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
公的年金の老齢給付では、老齢基礎年金の満額要件である480月に満たない場合の任意加入制度、厚生年金保険の被保険者期間が原則240月以上必要な配偶者加給年金、および生年月日と性別に応じた特別支給の老齢厚生年金の支給開始要件を正確に把握する必要があります。
解き方
- Aさんの年金加入月数を確認し、合計451月で480月に不足しているため60歳以降65歳未満の任意加入による増額が可能かを検討する。
- 加給年金の要件である厚生年金被保険者期間240月(20年)以上を満たしているか、Aさんの期間(212月)と照合する。
- 妻Bさんの生年月日(1966年8月22日)に基づき、特別支給の老齢厚生年金の対象となるかを確認する。
- 選択肢 1正解
- 国民年金の保険料納付済期間等が480月に満たない場合、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人は国民年金に任意加入して保険料を納付することで、老齢基礎年金の受給額を増額することができます。
- 選択肢 2不正解
- 老齢厚生年金に配偶者加給年金額が加算されるためには、原則として厚生年金保険の被保険者期間が20年(240月)以上必要ですが、Aさんの被保険者期間は212月であるため加算の対象になりません。
- 選択肢 3不正解
- 女性の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)は段階的に受給開始年齢が引き上げられており、1966年(昭和41年)4月2日以降に生まれた女性は支給対象外(支給なし)となるため、妻Bさん(1966年8月22日生まれ)は受給できません。
覚えるポイント
- 加給年金の加算要件は厚生年金被保険者期間原則20年(240月)以上であること
- 女性の特別支給の老齢厚生年金は昭和41年4月2日以降生まれから完全に廃止されていること
間違えやすいところ
- 女性の特別支給の老齢厚生年金の生年月日区分を男性の生年月日区分(昭和36年4月2日以降廃止)と混同すること
- 合算対象期間や未加入期間があっても任意加入で年金額そのものを増やせる仕組みを見落とすこと
出題の前提:2021年4月1日現在施行の公的年金各法(国民年金法・厚生年金保険法)
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の加入手続き(告知義務・クーリング・オフ・責任開始期)
リスク管理 · 告知義務 / クーリング・オフ制度 / 責任開始日と免責期間
MさんがAさんに対して生命保険の加入手続き等について説明した次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
保険契約は信義誠実の原則に基づく最大善意の契約であり、保険契約者等には告知義務が課されます。また、契約者保護のためのクーリング・オフ手続きは書面等で行うこと、責任開始期は申込み・告知・第1回保険料相当額の払込みの3要素が揃った時点となる基本ルールが存在します。
解き方
- 告知義務の内容(保険会社からの質問事項にありのまま回答する義務)が適切に記述されているか判定する。
- クーリング・オフの方法について、口頭ではなく書面(または電磁的記録)で行う必要がある点を確認する。
- 責任開始期の成立要件(申込み・告知・保険料払込みの完了)およびがん保険等の免責期間(通例3カ月または90日)と選択肢記述を比較検証する。
- 選択肢 1正解
- 生命保険の締結にあたって、契約者や被保険者は、過去の傷病歴や現在の健康状態など保険会社が指定した事項について事実を正確に告げる義務(告知義務)があります。
- 選択肢 2不正解
- 保険業法に基づくクーリング・オフ(申込みの撤回等)は、書面または電磁的記録によって行う必要があり、口頭による申出は認められていません。
- 選択肢 3不正解
- 責任開始日は「申込み」「告知」「第1回保険料の払込み」の3つがすべて完了した時となり、告知日単独で決まるわけではありません。また、がん保障の免責期間(待機期間)は通常3カ月(または90日)です。
覚えるポイント
- クーリング・オフの申し出は書面(または電磁的記録)で行うこと(口頭不可)
- がん保険等の免責期間(待機期間)は一般的に3カ月または90日間であること
- 保険会社の責任開始期は「申込み」「告知(診査)」「第1回保険料充当金領収」のすべてが揃った時点であること
間違えやすいところ
- クーリング・オフが口頭や電話でも有効であると誤認すること
- がん保険の免責期間(待機期間)を6カ月と誤って覚えてしまうこと
出題の前提:2021年4月1日現在施行の保険業法および生命保険契約約款基準
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
引受基準緩和型医療保険と各種特約の取扱い
リスク管理 · 引受基準緩和型医療保険 / 先進医療特約 / 身体の障害・疾病に起因する給付金の非課税
Aさん(40歳)が提案を受けた無配当引受基準緩和型医療保険およびその保障内容に関するMさんの説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
引受基準緩和型保険は持病や既往症がある人でも加入しやすいよう告知項目が限定されていますが、保険金支払リスクが高くなるため一般の保険より保険料が割高です。また、給付金の税務や先進医療特約の対象判定基準を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 引受基準緩和型医療保険の特徴(告知項目の緩和と保険料の割高性)を確認し、選択肢1の正誤を判断します。
- 先進医療特約における判定基準時(契約時ではなく「療養を受けた時点」)を確認し、選択肢2を判定します。
- 被保険者本人が受け取る三大疾病一時金の税制上の取扱い(非課税)を確認し、選択肢3を判定します。
- 選択肢 1正解
- 引受基準緩和型医療保険は健康状態に関する告知項目が限定されている反面、支払リスクの高さから同条件の通常の医療保険より保険料が高く設定されています。
- 選択肢 2不正解
- 先進医療特約の給付対象となるかは「療養を受けた時点」で厚生労働大臣により定められた先進医療であるかで判定されるため、承認取消後の療養は対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 被保険者本人が病気やケガの治療等のために受け取る三大疾病一時金や入院給付金は、所得税法上、非課税所得とされ課税されません。
覚えるポイント
- 先進医療特約の対象可否は「契約時」ではなく「療養を受けた時点」で判定される点。
間違えやすいところ
- 疾病や身体の傷害に起因して本人が受け取る給付金(三大疾病一時金等)を一時所得として課税対象と誤認しやすい点。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の傷病手当金の支給要件と給付内容
リスク管理 · 健康保険 / 傷病手当金 / 待期期間 / 支給期間
健康保険の傷病手当金に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「仮に、Aさんが業務外の事由による負傷または疾病の療養のために労務に服することができず、連続して一定期間休業し、かつ、( ① )日目以降の休業した日について事業主から賃金の支払がない場合、所定の手続により、( ① )日目以降の休業した日について、傷病手当金が支給されます。 傷病手当金の支給額は、休業1日につき、原則として、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の( ② )に相当する額となり、その支給を開始した日から( ③ )を限度として支給されます」
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解答
2
解説
健康保険の傷病手当金は、業務外の負傷・疾病の療養により労務不能となった被保険者の生活を保障する制度です。支給要件(待期3日間の完成後の4日目から支給)、給付額(標準報酬日額の3分の2相当額)、および最長支給期間の基本ルールを正確に整理しておく必要があります。
解き方
- 傷病手当金の待期期間(連続3日間の療養休業)を確認し、支給が始まるのが「4」日目以降であることから空欄①を特定します。
- 1日あたりの支給額が直近12カ月の標準報酬月額の平均額の30分の1に「3分の2」を乗じた額であることを確認し、空欄②を特定します。
- 支給期間が支給開始日から起算して「1年6カ月」を限度とすることを確認し、空欄③を特定して適切な選択肢を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 支給開始は連続3日間の待期完成後の「4」日目からであり、支給日額の割合も3分の1ではなく「3分の2」であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 傷病手当金は「4」日目以降の休業日に支給され、支給額は標準報酬日額の「3分の2」、支給期間の限度は支給開始日から「1年6カ月」であり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 支給額の割合は3分の1ではなく「3分の2」、支給限度期間は2年ではなく「1年6カ月」であるため不適切です。
覚えるポイント
- 傷病手当金は連続3日の待期完成後「4日目」から支給、支給額は日額の「3分の2」、期間は最長「1年6カ月」。
間違えやすいところ
- 待期期間の「3日」と支給開始日である「4日目」を取り違えて空欄①を3日としてしまう誤り。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除額 / 役員退職金
将来X社が役員であるAさんに役員退職金3,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、最も適切なものを選択肢の中から1つ選びなさい。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)は36年とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。
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解答
1
解説
退職所得の金額は原則として「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」により計算されます。勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。なお、役員等としての勤続年数が5年以下の場合は1/2計算が適用されませんが、本問の勤続年数は36年であるため通常の計算式が適用されます。
解き方
- 勤続年数36年に基づいて退職所得控除額を計算します。800万円+70万円×(36年-20年)=800万円+1,120万円=1,920万円となります。
- 退職所得の計算式「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」に数値を当てはめ、(3,000万円-1,920万円)×1/2=540万円を求めます。
- 選択肢 1正解
- 退職所得控除額1,920万円を控除した残額1,080万円に1/2を乗じた540万円となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 1,080万円は退職手当等の金額から退職所得控除額を差し引いた金額であり、1/2を乗じる前の金額であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 1,920万円は退職所得控除額そのものであり、退職所得の金額ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 勤続年数20年超の退職所得控除額:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
- 原則的な退職所得の計算式:(収入金額-退職所得控除額)×1/2
間違えやすいところ
- 退職手当等の額から退職所得控除額を差し引いた後、1/2を掛けるのを忘れてしまうミスに注意が必要です。
- 勤続年数5年以下の特定役員等退職手当等における1/2計算の不適用ルールと混同しないようにしましょう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の定期保険における保険料払込時の経理処理
リスク管理 · 法人保険 / 定期保険の経理処理 / 最高解約返戻率
《設例》の定期保険(契約者:X社、被保険者:Aさん、死亡・高度障害保険金受取人:X社、最高解約返戻率:48%、年払保険料:90万円)の第1回保険料払込時の経理処理(仕訳)として、最も適切なものを選択肢の中から1つ選びなさい。
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解答
3
解説
法人が契約者で受取人を法人とする定期保険等の支払保険料の税務上の取扱いは、最高解約返戻率に応じて区分されます。最高解約返戻率が50%以下の保険については、資産計上を行わず、支払った保険料の全額を支払時の損金の額(定期保険料)に算入します。
解き方
- 資料より保険の種類(無配当定期保険)、契約者・受取人(いずれも法人であるX社)、最高解約返戻率(48%)を確認します。
- 最高解約返戻率が50%以下であるため、年払保険料90万円の全額を損金算入する「(借方)定期保険料 90万円 / (貸方)現金・預金 90万円」の仕訳を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 最高解約返戻率が50%超70%以下などの場合に適用される資産計上と損金算入を按分する仕訳であり、本問(48%)では全額損金となるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 全額を保険料積立金(資産)として処理するのは養老保険(満期受取人・死亡受取人ともに法人)などの処理であり、最高解約返戻率48%の定期保険には該当しないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 最高解約返戻率が50%以下の定期保険では、支払った保険料全額を「定期保険料」として損金算入するため適切です。
覚えるポイント
- 法人定期保険の経理処理:最高解約返戻率50%以下は全額損金算入
間違えやすいところ
- 最高解約返戻率による資産計上割合の区分(50%以下は資産計上なし、50%超70%以下は4割資産計上等)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約する定期保険の活用と各種制度
リスク管理 · 企業向け生命保険 / 契約者貸付制度 / 払済保険
法人が役員を被保険者として加入する定期保険の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
法人が契約者および受取人となる生命保険は、経営者の万一の事態に伴う法人の資金ショートを防ぎ、債務の弁済や事業継続資金を確保する目的で広く活用されます。契約内容の変更や契約者貸付等の利用にあたっては、各制度の限度額や手続条件(解約返戻金の範囲内、変更時の診査・告知不要など)を正しく理解しておく必要があります。
解き方
- 契約者貸付制度の借入限度額は既払込保険料ではなく解約返戻金の一定範囲内であることを確認し、選択肢1の誤りを判断する。
- 法人受取の死亡保険金が借入金返済などの事業資金に活用できることを確認し、選択肢2の正しさを判断する。
- 払済保険への変更時は保障額が縮小または据え置きとなり保険会社の引き受けリスクが高まらないため、告知や診査が不要であることを確認して選択肢3の誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 契約者貸付制度により借り入れることができる限度額は、利用時点での既払込保険料相当額ではなく、その時点での解約返戻金の一定範囲内(一般的に70%~90%程度)です。
- 選択肢 2正解
- 法人が契約者・受取人である保険契約において、被保険者である代表取締役等の死亡により法人が受け取った死亡保険金は、借入金の返済や当面の運転資金などの事業資金として有効に活用できます。
- 選択肢 3不正解
- 以後の保険料払込みを中止して払済保険に変更する場合、変更時点の解約返戻金をもとに保険契約を継続させるため、新たな危険選択を伴わず、改めて健康状態等の告知や医師の診査を受ける必要はありません。
覚えるポイント
- 契約者貸付の借入限度額は「解約返戻金」の所定の割合(既払込保険料ではない)。
- 払済保険や延長保険への変更時には診査・告知が不要。
間違えやすいところ
- 契約者貸付の限度基準を「払込保険料の総額」と勘違いしやすいので注意する。
- 保険契約の変更(払済保険への変更など)において、保障額を増額しない限り診査・告知は求められない点を忘れないようにする。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得と変額個人年金保険解約返戻金に係る総所得金額の計算
タックスプランニング · 給与所得控除 / 一時所得 / 総所得金額
給与収入金額750万円を有し、契約から5年超が経過した一時払変額個人年金保険の解約返戻金500万円(正味払込保険料400万円)を受け取ったAさんの2021年分の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
総所得金額は、総合課税の対象となる各種所得の金額を合計して求めます。給与所得は給与等の収入金額から給与所得控除額を控除して算定します。一時払個人年金保険を契約から5年超経過後に解約して得た利益は一時所得(総合課税)に分類され、総収入金額から支出金額と特別控除額(最高50万円)を差し引いた残額の2分の1が総所得金額に算入されます。
解き方
- 給与所得控除額を速算表から計算する:750万円×10%+110万円=185万円。給与所得の金額は750万円-185万円=565万円となる。
- 契約から5年超の一時払変額個人年金保険の解約返戻金に係る一時所得の金額を計算する:(解約返戻金500万円-払込保険料400万円)-特別控除額50万円=50万円。
- 一時所得の金額を2分の1にして総所得金額への算入額を求める:50万円×1/2=25万円。
- 給与所得と一時所得の算入額を合算して総所得金額を算出する:565万円+25万円=590万円。
- 選択肢 1不正解
- 565万円は給与所得の金額のみであり、一時払変額個人年金保険の解約返戻金に係る一時所得が加算されていません。
- 選択肢 2正解
- 給与所得565万円と、一時所得の金額50万円の2分の1である25万円を合算した590万円が総所得金額となります。
- 選択肢 3不正解
- 615万円は、一時所得の金額50万円を2分の1にせずにそのまま給与所得565万円に加算した金額(565万円+50万円=615万円)であり、誤りです。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入率は2分の1(総所得金額算入時に1/2を掛ける)。
- 一時所得の計算式:総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)。
- 保険期間5年超(または5年超経過後解約)の一時払養老保険・個人年金保険等の差益は一時所得として総合課税。
間違えやすいところ
- 総所得金額を求める際に、一時所得の金額に「1/2」を掛けるのを忘れて全額を合算してしまう。
- 一時払養老保険・個人年金等の差益について、契約から5年以内の解約(源泉分離課税)と5年超の解約(一時所得・総合課税)の取扱いを取り違える。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の所得控除(配偶者控除・扶養控除・基礎控除)
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 基礎控除
Aさんの2021年分の所得税における所得控除の控除額に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ① )万円です」 ⅱ)「母Cさんは老人扶養親族の同居老親等に該当するため、Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、( ② )万円です」 ⅲ)「Aさんが適用を受けることができる基礎控除の控除額は、( ③ )万円です」
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の所得控除額は、控除対象者(配偶者や親族)の年齢・同居区分や合計所得金額、および納税者本人の合計所得金額の区分によって法令で定められています。
解き方
- Aさんの合計所得金額(590万円)と妻Bさんの所得状況(収入なし)から配偶者控除額が38万円であることを確認する。
- 母Cさんの所得(非課税の遺族年金を除き雑所得0円)と71歳・同居の要件から同居老親等の扶養控除額が58万円であることを確認する。
- Aさんの合計所得金額が2,400万円以下であることから基礎控除額が48万円であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者控除額が26万円、扶養控除額が38万円とされており誤りです。同居老親等の扶養控除額は58万円、本人の合計所得金額900万円以下における配偶者控除額は38万円です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者控除額が26万円、基礎控除額が38万円とされており誤りです。基礎控除額は本人の合計所得金額が2,400万円以下の場合48万円です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者控除額38万円、同居老親等に係る扶養控除額58万円、基礎控除額48万円の組合せであり、最も適切です。
答えの内訳
- ①:38
- 妻Bさんは収入がなく合計所得金額が48万円以下であり、控除を受けるAさんの合計所得金額は900万円以下であるため、配偶者控除の控除額は38万円となります。
- ②:58
- 母Cさんは70歳以上で同居している同居老親等に該当し、合計所得金額が48万円以下であるため、老人扶養親族(同居老親等)としての扶養控除額は58万円となります。
- ③:48
- Aさんの合計所得金額は2,400万円以下であるため、適用される基礎控除の控除額は48万円となります。
覚えるポイント
- 同居老親等の老人扶養控除額は58万円(同居以外の老人扶養親族は48万円)です。
- 合計所得金額2,400万円以下の納税者に適用される基礎控除額は一律48万円です。
間違えやすいところ
- 遺族年金は非課税所得であるため、合計所得金額の計算に含めない点に注意が必要です。
- 納税者本人の合計所得金額が900万円を超える場合は配偶者控除額が段階的に逓減しますが、本問のAさんは900万円以下であるため減額されません。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の所得税法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の区分と年末調整の手続き
リスク管理 · 生命保険料控除 / 介護医療保険料控除 / 年末調整
Aさんの2021年分の所得税における生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
2012年1月1日以後の新契約に基づく生命保険料控除は、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3区分で構成され、各控除枠の最高限度額は所得税において4万円(住民税は2万8,000円)です。
解き方
- Aさんが2021年3月に加入した終身医療保険は2012年1月以後の新契約であり、疾病・傷害の医療費支払を保障する保険であるため「介護医療保険料控除」に該当することを確認する。
- 新契約における介護医療保険料控除の控除額計算式(年払保険料8万円超の場合は一律最高4万円)を適用し、支払保険料全額が控除されるわけではないことを判定する。
- 初年度加入の生命保険料であっても、保険会社交付の控除証明書を提出すれば給与所得者の年末調整で適用可能であることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 2012年1月1日以後に締結した終身医療保険の保険料は、新制度における介護医療保険料控除の対象となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 新契約の生命保険料控除各区分の最高限度額は所得税において40,000円であるため、年間払込保険料100,000円であっても控除額は40,000円となります。
- 選択肢 3不正解
- 生命保険に加入した年分であっても、所定の生命保険料控除証明書を提出することで勤務先の年末調整で控除の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 新契約の生命保険料控除の最高限度額は、各区分4万円、合計で最高12万円です。
- 医療保険やがん保険などの入院・通院等を保障する保険料は介護医療保険料控除に区分されます。
間違えやすいところ
- 支払った年間保険料額がそのまま全額控除されると誤認しないように計算式の限度額(新制度は8万円超で上限4万円)を確認してください。
- 住宅借入金等特別控除の初年度とは異なり、生命保険料控除は加入1年目であっても年末調整で手続きが可能です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の所得税法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自筆証書遺言の方式と保管制度および遺留分
相続・事業承継 · 自筆証書遺言の作成方式 / 自筆証書遺言保管制度 / 検認手続 / 兄弟姉妹の遺留分
Aさん(70歳、妻Bさん・弟Cさんが親族)の設例に基づき、自筆証書遺言等に関する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
自筆証書遺言は全文・日付・氏名の自書と押印が原則ですが、財産目録に限ってはパソコン等による作成が認められています。また、法務局で保管された自筆証書遺言は検認不要であり、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。
解き方
- 自筆証書遺言の方式緩和の規定(財産目録のパソコン作成可否)を確認する。
- 遺言書保管制度における家庭裁判所の検認不要規定、および兄弟姉妹の遺留分の有無を照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 民法改正により、自筆証書遺言に添付する財産目録については、自書によらずパソコン等で作成したものや通帳のコピー等を添付することが認められています(各頁への署名押印が必要です)。
- 選択肢 2不正解
- 法務局(遺言書保管所)に保管された自筆証書遺言については、家庭裁判所による検認の請求は不要とされています。
- 選択肢 3不正解
- 遺留分権利者は配偶者、子(直系卑属)、直系尊属に限られており、兄弟姉妹(本問の弟Cさん)には遺留分がありません。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言の財産目録はパソコン作成可能だが毎葉に署名押印が必要
- 法務局保管の自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が不要
- 兄弟姉妹には遺留分が認められていない
間違えやすいところ
- 自宅で保管していた自筆証書遺言には検認が必要だが、法務局保管分は不要である点を取り違えやすい
- 直系尊属や配偶者と混同して兄弟姉妹にも遺留分があると誤認しやすい
出題の前提:2021年4月1日現在施行の民法および遺言書保管法
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者の税額軽減・小規模宅地特例・死亡保険金の非課税限度額
相続・事業承継 · 配偶者に対する相続税額の軽減 / 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 / 生命保険金の非課税限度額
Aさんの設例(法定相続人は妻Bさんと弟Cさんの2人、自宅敷地400㎡、一時払終身保険の死亡保険金1,000万円)に基づき、Aさんの相続に関する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算されます。配偶者の税額軽減に婚姻期間の要件はなく、特定居住用宅地等の小規模宅地特例の限度面積は330㎡までです。
解き方
- 法定相続人の数を確認し、死亡保険金の非課税限度額「500万円×2人=1,000万円」を計算して受け取り保険金額1,000万円と比較する。
- 配偶者の税額軽減の要件(婚姻期間要件の有無)および特定居住用宅地等の適用限度面積(330㎡)を確認して各選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続税の「配偶者に対する相続税額の軽減」には婚姻期間の要件はありません。婚姻期間20年以上が必要なのは贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)です。
- 選択肢 2不正解
- 特定居住用宅地等の減額対象面積の上限は330㎡まで(減額率80%)です。敷地面積が400㎡あるため敷地全体について80%減額を適用することはできず、課税価格に算入すべき価額は1,000万円にはなりません(5,000万円-5,000万円×330㎡/400㎡×80%=1,700万円となります)。
- 選択肢 3正解
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」であり、法定相続人は妻Bと弟Cの2人のため限度額は1,000万円です。受け取る死亡保険金1,000万円全額に非課税枠が適用されるため、課税価格には算入されません。
覚えるポイント
- 死亡保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人の数
- 相続税の配偶者控除(税額軽減)に婚姻期間の要件はない
- 特定居住用宅地等の適用対象面積は330㎡まで(80%減額)
間違えやすいところ
- 贈与税の配偶者控除(婚姻期間20年以上が必要)と相続税の配偶者税額軽減の要件を混同しやすい
- 小規模宅地特例の特定居住用宅地等の上限面積(330㎡)を見落として敷地全体に80%減額を適用してしまう
出題の前提:2021年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
資産設計提案業務・相続 · 相続税の総額の計算 / 法定相続分 / 配偶者と兄弟姉妹の相続分
設例において、Aさんの相続が開始し、相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億8,000万円であった場合の相続税の総額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、親族関係は配偶者である妻Bさんと、実弟である弟Cさん(直系尊属および子はなし)である。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の総額を計算する際は、課税遺産総額を各法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定して各人の取得金額を求め、それぞれに速算表の税率・控除額を適用して算出した税額を合計します。配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合の法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。
解き方
- 法定相続人と法定相続分を確定します。被相続人に子がおらず、父母(直系尊属)が既に死亡しているため、法定相続人は妻Bさんと弟Cさんです。法定相続分は妻Bさんが4分の3、弟Cさんが4分の1となります。
- 課税遺産総額1億8,000万円に対する各人の法定相続分に応じた取得金額を計算します。妻Bさん:1億8,000万円 × 3/4 = 1億3,500万円、弟Cさん:1億8,000万円 × 1/4 = 4,500万円です。
- 速算表を適用して各人の算出税額を計算します。妻Bさん:1億3,500万円 × 40% - 1,700万円 = 3,700万円。弟Cさん:4,500万円 × 20% - 200万円 = 700万円。
- 各人の算出税額を合算して相続税の総額を求めます。3,700万円 + 700万円 = 4,400万円となります。
- 選択肢 1不正解
- 妻Bさんの税額3,700万円と弟Cさんの税額700万円の合計は4,400万円となるため、4,000万円とする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 法定相続分(妻4分の3、弟4分の1)に応じて計算した各人の算出税額(3,700万円および700万円)を合算すると4,400万円となり、適切です。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額1億8,000万円にそのまま速算表(税率40%、控除額1,700万円)を適用した誤った計算(1億8,000万円×40%-1,700万円=5,500万円)の数値であり、不適切です。
覚えるポイント
- 配偶者と兄弟姉妹が法定相続人の場合、法定相続分は「配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1」となる。
- 相続税の総額は、課税遺産総額に直接税率を掛けるのではなく、法定相続分で按分した取得金額ごとに速算表を適用して合算する。
間違えやすいところ
- 配偶者と兄弟姉妹の法定相続分を、配偶者と子の割合(各2分の1)や配偶者と親の割合(3分の2と3分の1)と取り違える。
- 課税遺産総額全体に速算表を一度だけ直接適用して税額を求めてしまう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2021年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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