日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金の支給額の計算式
公的年金制度 · 老齢基礎年金 / 保険料納付済期間 / 学生納付特例
設例の公的年金加入歴(20歳から60歳まで:学生納付特例期間35月、厚生年金保険被保険者期間207月、国民年金保険料納付予定期間238月)に基づき、Aさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額(2020年度価額)を試算する計算式として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
老齢基礎年金の額は、保険料納付済月数や免除期間月数に基づき満額に受給割合を乗じて算出されます。20歳以上60歳未満の第2号被保険者期間は納付済期間として全額算入されますが、学生納付特例期間は受給資格期間には算入されるものの、保険料を追納しない限り年金額の計算対象(国庫負担分を含む)には反映されません。
解き方
- 20歳から60歳までの期間のうち、保険料納付済期間となる月数を集計します(厚生年金保険期間207月+国民年金保険料納付予定期間238月=445月)。
- 学生納付特例期間(35月)は追納がない限り年金額計算に反映されない(0月相当)ことを確認し、満額781,700円に納付済月数445月/480月を乗じる計算式を導きます。
- 選択肢 1不正解
- 会社員としての厚生年金保険被保険者期間(20歳から60歳まで)である207月が保険料納付済期間から除外されているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 厚生年金保険期間207月と国民年金納付予定期間238月を合算した445月が算入され、学生納付特例期間は反映されないため最も適切です。
- 選択肢 3不正解
- 学生納付特例期間は追納しない限り国庫負担割合(1/2等)も含めて年金額計算に反映されないため不適切です。
覚えるポイント
- 学生納付特例期間は受給資格期間には算入されるが、年金額には反映されない点に注意が必要です。
間違えやすいところ
- 国庫負担が反映される一般の保険料全額免除期間(年金額に1/2反映)と学生納付特例期間(年金額への反映なし)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等(2020年度老齢基礎年金満額:781,700円)
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社退職後の公的年金制度の手続きと保険料納付
公的年金制度 · 被保険者の種別変更 / 第3号被保険者 / 国民年金保険料の納付方法 / 前納制度
会社員Aさんが退職して個人事業主として独立する場合における、Aさん夫妻の公的年金制度の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
国民年金の第3号被保険者となる要件は「第2号被保険者(厚生年金保険加入者等)の被扶養配偶者」であることです。扶養者である配偶者が会社を退職して第2号被保険者の資格を失った場合、被扶養配偶者は第3号被保険者であり続けることはできず、第1号被保険者への種別変更手続きが必要になります。
解き方
- Aさんが退職して会社員(第2号被保険者)から個人事業主(第1号被保険者)へ種別変更することを確認します。
- 第2号被保険者の扶養配偶者であることが要件となる妻Bさんの第3号被保険者資格の該当性を確認し、第3号を継続できず第1号被保険者への種別変更が必要であることを判断します。
- 選択肢 1正解
- 夫Aさんが第2号被保険者でなくなるため、専業主婦の妻Bさんも第3号被保険者の要件を欠き、第1号被保険者への変更手続が必要となるため不適切(本問の正解)です。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金第1号被保険者の保険料納付方法には納付書による現金納付のほか、口座振替やクレジットカード納付が認められているため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金保険料には一定期間分をまとめて前納する制度があり、前納期間や納付方法(口座振替等)に応じて保険料が割り引かれるため適切です。
覚えるポイント
- 配偶者が退職して第2号被保険者でなくなると、被扶養配偶者も第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更が必要です。
間違えやすいところ
- 妻自身が就業していない専業主婦であっても、夫が第1号被保険者になれば妻も第1号被保険者となり保険料納付義務が生じる点を見落としがちです。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の各種制度と年金額の増額方法
ライフプランニングと資金計画 · 学生納付特例の追納制限 / 付加年金の計算 / 国民年金基金とiDeCoの掛金限度額
会社を退職して国民年金の第1号被保険者となる予定のAさん(40歳)に対し、老後の年金収入を増やす方法や関連制度について説明した記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
第1号被保険者の上乗せ年金制度として付加年金や国民年金基金があり、基金とiDeCoは合算して月額68,000円が上限です。追納制度は追納可能期間が原則10年以内と定められています。
解き方
- 学生納付特例の追納可能期間(10年以内)とAさんの年齢(40歳、学生期間から10年超経過)を照らし合わせて追納の可否を判断する。
- 付加年金の受取額計算式(200円×納付月数)を用いて、180月納付時の年金額を正しく計算する。
- 国民年金基金と個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金上限ルールの整合性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 学生納付特例などの承認を受けた期間の保険料を追納できるのは追納が承認された月の前10年以内の期間です。Aさんは現在40歳であり、学生特例期間(20歳〜22歳頃)から10年以上経過しているため追納できません。
- 選択肢 2不正解
- 付加年金の年額は「200円×付加保険料納付月数」で計算されるため、180月納付した場合の受取額は年額36,000円(200円×180月)となります。72,000円ではありません。
- 選択肢 3正解
- 国民年金の第1号被保険者は国民年金基金に加入できます。掛金の拠出限度額は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金と合算して月額68,000円です。
覚えるポイント
- 付加保険料は月額400円で付加年金年額は200円×月数、2年受給で元が取れる計算です。
間違えやすいところ
- 付加年金の受給額の計算で、納付保険料である400円に月数を掛けてしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の第2号被保険者の給付要件と自己負担
リスク管理 · 第2号被保険者の受給要件 / 介護保険の利用者負担割合 / 高額介護サービス費
公的介護保険制度に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「介護保険の被保険者が介護給付を受けるためには、市町村(特別区を含む)から要介護認定を受ける必要があります。また、介護保険の第2号被保険者は、( ① )要介護状態となった場合に介護給付を受けることができます。 介護保険の第2号被保険者が介護給付を受けた場合、実際にかかった費用(食費、居住費等を除く)の( ② )割を自己負担する必要がありますが、同一月内の介護サービス利用者負担額が、一定の上限額を超えた場合、所定の手続により、( ③ )の支給を受けることができます」
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解答
2
解説
公的介護保険において、40歳以上65歳未満の第2号被保険者は政令で定められた16種類の特定疾病により要介護・要支援状態となった場合に限定して給付を受けられます。自己負担割合は原則1割です。
解き方
- 第2号被保険者の要介護認定要件(特定疾病による要介護状態であること)を確認し、①を特定する。
- 第2号被保険者の介護サービス利用者負担割合(一律1割負担)を確認し、②を特定する。
- 介護保険制度における同一月内の上限超過分を補填する制度名が高額介護サービス費(公的医療保険の高額療養費ではない)であることを確認し、③を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 第2号被保険者は原因を問わず受給できるわけではなく、特定疾病が原因である必要があります。また、同一月内の負担超過額を支給する介護保険の制度は高額介護サービス費です。
- 選択肢 2正解
- 第2号被保険者は「特定疾病が原因で」要介護等になった場合に給付を受けられ、自己負担割合は「1割」です。月間上限額を超えた負担額は「高額介護サービス費」から支給されます。
- 選択肢 3不正解
- 第2号被保険者の介護保険の自己負担割合は所得に関わらず一律1割です(2割・3割負担は第1号被保険者の所得区分に応じた判定)。また、介護保険の超過負担補填制度は高額介護サービス費です。
覚えるポイント
- 第2号被保険者の介護給付は16種類の特定疾病が原因の場合に限られ、自己負担割合は一律1割です。
間違えやすいところ
- 健康保険等の医療保険の「高額療養費」と、介護保険の「高額介護サービス費」の名称を取り違えないように注意しましょう。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
介護保障保険および個人年金保険の保障内容
リスク管理 · 介護保険 / 個人年金保険 / 平均寿命 / 死亡保険金
40歳の会社員であるAさんが提案を受けた「無配当終身介護保障保険」および「5年ごと利差配当付個人年金保険」の保障内容等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
民間の介護保障保険は、公的介護保険の自己負担分や就労不能による収入減を補填する目的で活用されます。また、個人年金保険の年金開始前死亡給付は既払込保険料相当額が基本であり、年金受取総額とは異なります。
解き方
- 介護発生時の経済的リスク(収入の減少と介護費用などの支出増加)と民間介護保険の役割を確認します。
- 簡易生命表における平均寿命の男女の数値(女性のほうが長い)を照らし合わせます。
- 個人年金保険の年金支払開始前の被保険者死亡時における死亡保険金の仕組み(既払込保険料相当額が支払われる点)を判断します。
- 選択肢 1正解
- 被保険者が要介護状態となって就労困難になると、収入減と介護費用の支出増が重なるため、生命保険で介護年金や一時金を準備することは適切なリスク管理です。
- 選択肢 2不正解
- 厚生労働省「令和元年簡易生命表」における平均寿命は男性が81.41年、女性が87.45年であり、女性のほうが平均寿命が長いため、記述の男女数値が逆になっています。
- 選択肢 3不正解
- 個人年金保険で年金受取開始前に被保険者が死亡した場合、受取人が受け取る死亡保険金は原則として「既払込保険料相当額」であり、契約時の年金受取総額ではありません。
覚えるポイント
- 令和元年の簡易生命表では男性約81歳・女性約87歳と女性の方が長い。
- 個人年金保険の年金開始前死亡保険金は、既払込保険料相当額となるのが一般的。
間違えやすいところ
- 個人年金保険の年金開始前死亡時に、将来もらえる予定だった年金総額が支払われると誤解しないように注意する。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等および公表統計データに基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約に係る税務(保険料控除・受取金の課税)
リスク管理 · 生命保険料控除 / 個人年金保険の年金受取 / 介護一時金 / 非課税所得 / 雑所得
Aさんが加入を検討している「無配当終身介護保障保険(資料1)」および「5年ごと利差配当付個人年金保険(資料2)」の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
契約者と受取人が同一人である個人年金保険の年金は雑所得(総合課税)となります。一方、身体の傷害や疾病・介護に起因して支払われる給付金・一時金は非課税であり、2012年以降の新契約の生命保険料控除限度額は所得税4万円・住民税2.8万円です。
解き方
- 新契約における生命保険料控除の各枠の限度額(所得税最高40,000円、住民税最高28,000円)を確認します。
- 個人年金保険の契約形態(契約者=年金受取人=本人)から受取年金の税区分が雑所得(総合課税)であることを確認します。
- 介護一時金などの疾病・身体障害に起因する給付金の税務上の取扱い(非課税)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 2012年1月1日以後の新契約における控除枠ごとの適用限度額は、所得税が最高40,000円、住民税が最高28,000円です。所得税50,000円・住民税35,000円は旧契約の限度額です。
- 選択肢 2正解
- 契約者と受取人が同一人である個人年金保険の確定年金を受給した場合、総収入金額から必要経費を差し引いた金額が「雑所得」として総合課税の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 本人が受け取る身体の疾病や障害・要介護状態に基因して支払われる介護一時金や給付金は、所得税法上「非課税」とされ、一時所得として課税されることはありません。
覚えるポイント
- 契約者=受取人の年金保険の受取年金は雑所得(総合課税)。
- 病気・ケガ・介護等により被保険者本人が受け取る給付金・一時金は非課税。
- 新契約の生命保険料控除の各限度額は所得税4万円・住民税2.8万円。
間違えやすいところ
- 入院給付金や介護一時金を一時所得として課税対象と誤解してしまう点。
- 新契約(所得税4万円)と旧契約(所得税5万円)の生命保険料控除限度額を取り違える点。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の所得税法・地方税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除額
役員在任期間(勤続年数)40年のAさんが、役員退職金として5,000万円を受け取った場合における退職所得の金額として、最も適切なものはどれか。なお、他に退職手当等の収入はなく、障害者となったことが退職の直接原因ではないものとする。
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解答
1
解説
退職所得の金額は、原則として「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算します。勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。
解き方
- 勤続年数40年に基づいて退職所得控除額を算出します:800万円+70万円×(40年-20年)=2,200万円。
- 退職手当等の収入金額から控除額を差し引いて1/2を乗じます:(5,000万円-2,200万円)×1/2=1,400万円。
- 選択肢 1正解
- 退職所得控除額2,200万円を差し引いた2,800万円に2分の1を乗じた1,400万円となり、適切です。
- 選択肢 2不正解
- 2,200万円は退職所得控除額そのものの金額であり、退職所得の金額ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 2,800万円は収入金額から退職所得控除額を差し引いた金額であり、2分の1を乗じる前の計算結果です。
覚えるポイント
- 勤続年数20年超の退職所得控除額の計算式「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」と「1/2を乗じる」手順を正確に覚えましょう。
間違えやすいところ
- 収入金額から退職所得控除額を引いたあとに、2分の1を掛け忘れて誤答するケースが多いため注意が必要です。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約する終身保険の保険料払込時の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 保険料積立金 / 経理処理
契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人が法人(X社)、被保険者が役員(Aさん)である終身保険について、第1回保険料(年払200万円)払込時の経理処理(仕訳)として、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
法人が契約者かつ受取人となる終身保険は、満期はないものの被保険者の死亡時または中途解約時に法人が保険金・返戻金を受け取る資産性の高い契約であるため、支払保険料の全額を資産(保険料積立金等)に計上します。
解き方
- 契約形態を確認します:契約者=法人、被保険者=役員、死亡保険金受取人=法人、保険種類=終身保険。
- 終身保険(契約者・受取人が法人)の支払保険料は全額資産計上となるため、借方に保険料積立金200万円、貸方に現金・預金200万円を計上します。
- 選択肢 1正解
- 終身保険(契約者・死亡受取人が法人)の保険料は全額資産計上となるため、借方「保険料積立金 200万円」とする処理が適切です。
- 選択肢 2不正解
- 定期保険料や前払保険料として損金・前払計上する処理は定期保険等の一定の基準によるものであり、終身保険には適用されません。
- 選択肢 3不正解
- 全額を定期保険料として損金算入する処理は掛け捨て型定期保険等の経理処理であり、終身保険では全額資産計上となります。
覚えるポイント
- 契約者・受取人が法人の終身保険は、支払保険料の「全額を資産計上(保険料積立金)」と覚えます。
間違えやすいところ
- 解約返戻金のある定期保険の法人税基本通達ルール(ピーク時解約返戻率に応じた資産・損金区分)と終身保険を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の終身保険の特徴および名義変更
リスク管理 · 終身保険 / 高度障害保険金 / 契約者貸付制度 / 契約者名義変更
法人が役員(創業社長)を被保険者として加入する終身保険の特徴や契約上の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
生命保険契約では高度障害保険金の支払により契約が消滅し、二重払いは行われません。また契約者貸付や名義変更などの契約保全手続きにおいては、実質的な経済取引に応じた会計・税務処理が必要となります。
解き方
- 高度障害保険金の支払いがあると契約そのものが消滅し、その後に死亡しても死亡保険金は支払われない点を確認します。
- 契約者貸付は借入金等の負債が発生するため、仕訳処理が必要不可欠であることを確認します。
- 役員の退職時に保険契約の権利を解約返戻金相当額で現物支給し、個人契約に移行できる規定を確認して正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 高度障害保険金が支払われると保険契約は消滅するため、その後に被保険者が死亡しても死亡保険金は重ねて支払われません。
- 選択肢 2不正解
- 契約者貸付制度を利用した場合は、法人が保険会社から借入れを行ったことになるため、借入金等の勘定科目を用いた経理処理が必要です。
- 選択肢 3正解
- 役員の勇退時に、解約返戻金相当額を役員退職金の一部として現物支給し、契約者・受取人を名義変更して個人契約として継続することができます。
覚えるポイント
- 高度障害保険金を受け取ると保険契約は消滅し、死亡保険金は重複して受給できません。
間違えやすいところ
- 契約者貸付を解約返戻金の単なる前払いと混同し、経理処理が不要であると誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
セルフメディケーション税制および社会保険料控除
タックスプランニング · 所得税 / セルフメディケーション税制 / 医療費控除の特例 / 社会保険料控除 / 年末調整
給与所得者であるAさんの2020年分の所得税における所得控除(セルフメディケーション税制および社会保険料控除)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)や従来の医療費控除は、年間を通じた医療費支出の適格性や証明書類を確認する必要があるため、勤務先の年末調整では適用できず確定申告が必要です。
解き方
- セルフメディケーション税制の控除限度額(支払額-保険金等-12,000円、上限88,000円)の要件を確認します。
- 医療費控除およびセルフメディケーション税制が年末調整の対象外であり、確定申告が必須であることを判定します。
- 生計を一にする親族の負担すべき国民年金保険料を本人が支払った場合、本人の社会保険料控除に対象となる規定を確認します。
- 選択肢 1不正解
- セルフメディケーション税制の控除額は、支払った対象医薬品の合計額から保険金等補填額と12,000円を差し引いた額(上限88,000円)となります。
- 選択肢 2正解
- 医療費控除およびセルフメディケーション税制は年末調整では手続きできず、適用を受けるためには確定申告を行う必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 生計を一にする親族の社会保険料を本人が実際に支払った場合、その全額を支払った本人の社会保険料控除の対象とすることができます。
覚えるポイント
- 医療費控除・寄附金控除・初年度の住宅ローン控除は年末調整で適用できず、確定申告が必要です。
間違えやすいところ
- 生計を一にする家族の国民年金保険料であっても、実際に支払った者が社会保険料控除として全額適用できる点を見落としやすいです。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得 / 一時所得 / 雑所得
設例の<Aさんの2020年分の収入等に関する資料>に基づき、Aさんの2020年分の所得税における総所得金額として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
総所得金額は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の金額を合計したものです。一時所得の金額は「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」で算出し、その2分の1の金額を総所得金額に算入します。
解き方
- 給与所得の金額を計算する:給与収入800万円に対する控除額は「800万円×10%+110万円=190万円」となるため、給与所得は「800万円-190万円=610万円」です。
- 満期保険金に係る一時所得を計算する:契約者と受取人が同一の一時金は一時所得となり、「500万円-400万円-特別控除50万円=50万円」です。総所得金額に算入する額はその2分の1の「25万円」です。
- 個人年金保険に係る雑所得を計算する:「収入金額100万円-必要経費70万円=30万円」です。
- 各所得金額を合計して総所得金額を求める:「給与所得610万円+雑所得30万円+一時所得(1/2後)25万円=665万円」となります。
- 選択肢 1不正解
- 一時所得の算入額(25万円)や雑所得(30万円)の合算処理を正しく行っておらず、誤りです。
- 選択肢 2正解
- 給与所得610万円、一時所得の算入額25万円、雑所得30万円の合計が665万円となり、適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の2分の1課税を適用せずに50万円のまま合算(合計690万円)しているため、不適切です。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入は特別控除後さらに2分の1にすることを忘れないようにしましょう。
間違えやすいところ
- 一時所得について特別控除50万円を差し引いた後、2分の1にする手順を失念して全額合算してしまうミスが頻出です。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の適用控除額
タックスプランニング · 所得控除 / 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族 / 同居老親等
Aさんの2020年分の所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 ⅰ)「Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ① )万円です」 ⅱ)「長女Cさんは特定扶養親族に該当するため、Aさんが適用を受けることができる長女Cさんに係る扶養控除の控除額は、( ② )万円です」 ⅲ)「母Dさんは老人扶養親族の同居老親等に該当するため、Aさんが適用を受けることができる母Dさんに係る扶養控除の控除額は、( ③ )万円です」
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の配偶者控除は納税者の合計所得金額が900万円以下で配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合38万円です。扶養控除は一般扶養親族が38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)が63万円、老人扶養親族(70歳以上)は同居老親等が58万円(別居等は48万円)と定められています。
解き方
- 配偶者控除を判定する:妻Bさんは収入0円で合計所得金額48万円以下、Aさんの合計所得金額は665万円(900万円以下)であるため、配偶者控除額は38万円(①)となります。
- 長女Cさんに係る扶養控除を判定する:長女Cさんは20歳で給与収入50万円(給与所得控除55万円により所得0円)、19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当するため、控除額は63万円(②)です。
- 母Dさんに係る扶養控除を判定する:母Dさんは80歳で遺族年金は非課税、老齢基礎年金50万円は公的年金等控除(110万円)により所得0円です。70歳以上の同居老親等に該当するため、控除額は58万円(③)です。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者控除額26万円は合計所得金額950万円超1,000万円以下の場合の額であり、特定扶養親族(63万円)および同居老親等(58万円)の金額も誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 特定扶養親族の控除額が63万円ではなく58万円となっており、同居老親等の控除額も58万円ではなく非同居の48万円となっているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- ①配偶者控除38万円、②特定扶養親族控除63万円、③同居老親等である老人扶養親族控除58万円の組合せであり、適切です。
覚えるポイント
- 扶養控除額の区分(一般38万円、特定63万円、老人扶養の同居老親等58万円・非同居48万円)を整理して確実に暗記しましょう。
間違えやすいところ
- 遺族年金は非課税であるため合計所得金額に含めない点や、老人扶養親族で同居老親等とそれ以外(48万円)を取り違えるミスに注意してください。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生前贈与における贈与税の申告および相続時精算課税制度
相続・事業承継 · 生前贈与 / 暦年課税の申告義務者 / 相続時精算課税制度
Aさんが長女Cさんに対して現金の生前贈与を行う場合の税務上の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税は財産の取得者である受贈者が申告・納税する税金です。受贈者が特定の贈与者について相続時精算課税制度を選択した後は、その贈与者からの贈与財産について暦年課税に戻すことは認められません。
解き方
- 贈与税の申告義務者が受贈者(もらった人)である原則を確認し、贈与者が申告義務を負うとする記述を排除します。
- 相続時精算課税制度における特別控除の限度額(累計2,500万円)および暦年課税への変更不可という撤回制限の規定を確認して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の申告・納税義務を負うのは財産を取得した受贈者(長女Cさん)であり、贈与したAさんではありません。
- 選択肢 2不正解
- 相続時精算課税制度における特別控除限度額は、同一の贈与者からの贈与について累計で2,500万円までです。
- 選択肢 3正解
- 相続時精算課税制度を選択した受贈者は、その選択をした年分以降、同一の贈与者から贈与を受ける財産について暦年課税へ変更することはできません。
覚えるポイント
- 相続時精算課税を選択すると二度と同一贈与者からの贈与について暦年課税へ戻すことはできません。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税の特別控除額(2,500万円)と贈与税の配偶者控除額(最高2,000万円)等の数値を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例・自筆証書遺言・死亡保険金の非課税限度額
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 自筆証書遺言の要件 / 死亡保険金の非課税金額
Aさんの相続対策や遺産分割等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
被相続人が保険料を負担した死亡保険金を相続人が取得した場合、「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税となります。小規模宅地等の特例では減額率適用後の価額が課税価格となり、自筆証書遺言の本文は自筆が必要です。
解き方
- 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)について、330㎡まで80%減額された後の「課税価格に算入すべき価額」を算定し、選択肢1の金額が減額分である誤りを確認します。
- 自筆証書遺言においてパソコン作成が認められているのは財産目録のみであり、本文は自書が必要である点から選択肢2の誤りを確認します。
- 生命保険金の非課税限度額の計算式「500万円×法定相続人の数」と受取人要件を確認し、選択肢3が適切であると判定します。
- 選択肢 1不正解
- 自宅敷地(300㎡)は特定居住用宅地等に該当し80%減額されます。課税価格に算入すべき価額は7,000万円×(1-0.8)=1,400万円です。5,600万円は減額される金額です。
- 選択肢 2不正解
- 自筆証書遺言においてパソコン等での作成が認められているのは添付する財産目録のみであり、遺言の全文、日付および氏名は自書しなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 被相続人が保険料を負担し被相続人を被保険者とする生命保険金を相続人が受け取る場合、「500万円×法定相続人の数」を限度として非課税となります。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言でパソコン作成が可能なのは財産目録のみで、本文・日付・氏名は必ず自書が必要です。
間違えやすいところ
- 小規模宅地等の特例で「減額される額(80%相当額)」と「課税価格に算入する額(20%相当額)」を読み違えないように注意が必要です。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 相続税の速算表
Aさんの相続が開始し、相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額から基礎控除額を控除した額)が9,000万円であった場合における相続税の総額として、最も適切なものを次の1)〜3)の中から1つ選びなさい。なお、Aさんの法定相続人は妻Bさん、長女Cさん、長男Dさんの3人である。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を実際の遺産分割割合ではなく各法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定して各人の取得金額を計算し、それぞれに税率・控除額を適用した算出税額を合算して求めます。
解き方
- 法定相続人(妻B、長女C、長男D)の法定相続分を確認し、妻Bは2分の1、長女Cは4分の1、長男Dは4分の1とします。
- 課税遺産総額9,000万円を各法定相続分で按分し、妻Bは4,500万円、長女Cは2,250万円、長男Dは2,250万円の取得金額を求めます。
- 速算表を用いて妻Bの税額(4,500万円×20%-200万円=700万円)、長女Cおよび長男Dの各税額(2,250万円×15%-50万円=287.5万円)を計算します。
- 全員の税額を合計して相続税の総額(700万円+287.5万円+287.5万円=1,275万円)を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 1,200万円は誤りです。法定相続分に応じた取得金額に速算表の税率および控除額を適用して正しく合算すると1,275万円になります。
- 選択肢 2正解
- 妻Bの税額700万円と、長女C・長男Dの税額各287.5万円(合計575万円)を合算すると1,275万円となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 2,000万円は課税遺産総額9,000万円に直接税率等を掛けるなどの誤った計算による数値であり、不適切です。
覚えるポイント
- 相続税の総額の計算では、実際の遺産分割割合にかかわらず「法定相続分」で按分して各人の税額を計算・合算します。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額に直接税率を乗じて計算してしまう誤りや、子の人数で割る前の法定相続分(2分の1)をそのまま各子の按分比率としてしまう計算ミスに注意が必要です。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等(設例の日時:2021年5月23日)
出典:金融財政事情研究会『2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2021年5月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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