日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金の受給額の計算式
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 公的年金の加入期間 / 未納期間
個人事業主のAさん(47歳)が、老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額(2020年度価額781,700円ベース)の計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、20歳から60歳までの480月のうち、国民年金保険料未納期間が33月、厚生年金保険被保険者期間が180月、国民年金保険料納付済期間が113月、国民年金保険料納付予定期間が154月である。
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解答
1
解説
老齢基礎年金の満額に対する年金額は、原則として「満額×(保険料納付済月数+免除期間に応じた月数)/ 480月」で算出されます。国民年金保険料未納期間は受給資格期間や年金額の計算には一切反映されません。
解き方
- 設例の各加入月数を分類し、納付済期間に合算できる月数を集計します(厚生年金期間180月+国民年金納付済113月+納付予定154月=447月)。
- 未納期間である33月は年金額計算の対象外(0月扱い)となるため、分子は447月となり、選択肢1の算式が適切であると判断します。
- 選択肢 1正解
- 厚生年金保険被保険者期間および国民年金保険料納付済(予定含む)期間の合計447月のみが反映され、未納期間は反映されないため正しい計算式です。
- 選択肢 2不正解
- 未納期間に1/2を乗じて年金額に加算する規定は存在しないため誤りです(免除期間の国庫負担割合等との混同)。
- 選択肢 3不正解
- 未納期間に1/3を乗じて年金額に加算する規定は存在しないため誤りです。
覚えるポイント
- 国民年金保険料の未納期間は、老齢基礎年金の年金額計算において一切反映されません。
間違えやすいところ
- 保険料免除期間の国庫負担割合(1/2や1/3)を未納期間に適用してしまう計算ミスに注意しましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の年金上乗せ制度(小規模企業共済・付加年金・国民年金基金)
ライフプランニングと資金計画 · 小規模企業共済 / 付加保険料 / 国民年金基金
老後の年金収入を増やすための各種方法に関する次の文章の空欄①~③に入る語句・数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)『小規模企業共済制度』の「一括受取り」の共済金(死亡事由以外)は、税法上、( ① )として課税の対象となる。 ⅱ)付加保険料(月額400円)を120月納付し、65歳から受給する場合、老齢基礎年金に付加年金として( ② )が上乗せされる。 ⅲ)国民年金基金に拠出することができる掛金の限度額は、原則として月額( ③ )である。
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解答
2
解説
個人事業主が利用できる自助努力年金制度等の税務・給付ルールでは、小規模企業共済の一括金は退職所得控除の対象、付加年金額は納付月数×200円、国民年金基金の掛金月額上限は6万8,000円と定められています。
解き方
- 小規模企業共済の共済金を一括で受け取った場合、税法上「退職所得」として扱われます(分割受取りは公的年金等控除適用の雑所得)。
- 付加年金の受給額の計算式は「200円×付加保険料納付月数」であるため、200円×120月=24,000円となります。
- 国民年金第1号被保険者の国民年金基金の拠出限度額は月額68,000円(個人型確定拠出年金と合算)です。以上から空欄の組合せは「①退職所得 ②24,000円 ③68,000円」の選択肢2です。
- 選択肢 1不正解
- ①の一括受取り共済金は一時所得ではなく退職所得であり、②の付加年金額も納付額(400円×月数)ではなく200円×月数=24,000円であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①退職所得、②24,000円、③68,000円となり、すべての空欄の記述が正しいため適切です。
- 選択肢 3不正解
- ②の付加年金額は24,000円であり、③の国民年金基金の掛金上限は月額68,000円(70,000円ではない)であるため誤りです。
覚えるポイント
- 付加年金の年金額は「200円×付加保険料納付月数」で計算され、2年受給すれば納付額(月400円)の元が取れます。
間違えやすいところ
- 付加年金額の計算において、納付した「400円×月数」と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金(個人型年金:iDeCo)の特徴
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / iDeCo / 掛金の拠出限度額・変更
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
個人型確定拠出年金(iDeCo)は掛金全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)となり、運用益も非課税ですが、運用リスクや各種手数料は加入者が負担します。掛金額の変更や拠出の一時停止も所定の手続きで可能です。
解き方
- 各選択肢の確定拠出年金の制度内容を確認します。
- 選択肢1および2は正しい記述です。
- 選択肢3において、掛金額の変更や拠出の停止は認められているため、「途中で減額することや掛金の拠出を停止することができない」とする点が誤りです。
- 選択肢 1不正解
- 拠出した掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となるため、記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 加入・移換時や運用期間中に手数料が発生し、運用商品の選択に応じた運用リスクは加入者自身が負うため、記述は適切です。
- 選択肢 3正解
- 掛金の拠出額は年1回変更可能であり、拠出を停止して運用指図者になることもできるため、本記述は不適切(正答)です。
覚えるポイント
- iDeCoの掛金変更は年1回可能であり、掛金の拠出を停止することも可能です。
間違えやすいところ
- 原則60歳まで資産を引き出せない(中途解約不可)というルールと、掛金額の変更・拠出停止の可否を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の被保険者・要介護認定・自己負担割合
リスク管理 · 公的介護保険 / 第1号被保険者・第2号被保険者 / 要介護認定
公的介護保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
公的介護保険の被保険者は65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の第2号被保険者に区分されます。保険給付を受けるには保険者である市区町村から認定を受ける必要があり、利用者の基本自己負担割合は1割です。
解き方
- 選択肢1:被保険者の年齢区分(第1号は65歳以上、第2号は40歳以上65歳未満)を確認し、不適切と判断します。
- 選択肢2:給付受給には市町村(特別区を含む)による要介護認定・要支援認定が必要であるため適切と判断します。
- 選択肢3:介護保険サービスの自己負担割合は原則1割(所得により2割または3割、ただし第2号被保険者は所得に関わらず一律1割)であるため不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 第1号被保険者は「65歳以上」、第2号被保険者は「40歳以上65歳未満の医療保険加入者」であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 給付を受けるには、市町村(特別区を含む)に申請し、要介護認定または要支援認定を受ける必要があるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 公的介護保険のサービス利用時の自己負担割合は原則として1割であり、第2号被保険者は所得水準にかかわらず一律1割負担であるため誤りです。
覚えるポイント
- 公的介護保険の第1号は65歳以上、第2号は40〜64歳です。原則の自己負担は1割です。
間違えやすいところ
- 公的年金の受給開始年齢(原則65歳)と同様、介護保険の第1号被保険者も「65歳以上」である点を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の見直し(契約転換制度の仕組み)
リスク管理 · 契約転換制度 / 保険の見直し / 必要保障額
生命保険の見直しに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
契約転換制度は、加入中の保険の責任準備金や解約返戻金相当額(転換価格)を下取りに出して新たな保険へ加入する仕組みです。新しい契約の保険料率は転換時の被保険者の年齢・料率で計算されます。
解き方
- 選択肢1および2は、保険見直しや必要保障額の算定・特約減額に関する一般的な適切なアドバイスです。
- 選択肢3について、契約転換制度における転換後の保険料の計算基準を確認します。転換時の年齢・保険料率により計算されるため、加入時の年齢で計算されるとする本肢は誤りです。
- 選択肢 1不正解
- 就労不能や要介護状態による収入減少・費用増加のリスクに備えて介護保障を確保することは適切な提案です。
- 選択肢 2不正解
- 必要保障額を再計算し、余分な定期保険特約を減額して保険料負担を調整することは適切な見直し手法です。
- 選択肢 3正解
- 転換後契約の保険料は「転換時の年齢および保険料率」により計算されるため、「転換前契約の加入時の年齢により算出される」とする記述は不適切(正答)です。
覚えるポイント
- 契約転換制度では、下取り価格(転換価格)が充当されますが、保険料は「転換時の年齢・保険料率」で再計算されます。
間違えやすいところ
- 更新型の特約の更新と同様に、転換時も現在の年齢で計算されるため、保険料が一般に高くなる点を見落としがちです。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
介護保険の税務(介護医療保険料控除・給付金の非課税)
リスク管理 · 生命保険料控除 / 介護医療保険料控除 / 身体の傷害に基因する保険給付の非課税
提案を受けた無配当終身介護保障保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
2012年1月1日以後に締結した新契約の生命保険料控除には「一般・介護医療・個人年金」の3区分があり、各限度額は所得税4万円・住民税2.8万円です。疾病・傷害・介護等に基因して受け取る年金や一時金は原則非課税です。
解き方
- 選択肢1:新制度における介護医療保険料控除の所得税限度額(4万円)および住民税限度額(2.8万円)と照らし合わせ、適切と判断します。
- 選択肢2:被保険者本人が受け取る介護終身年金は、身体の障害・介護に基因する保険給付として非課税であるため、確定申告は不要です。
- 選択肢3:指定代理請求人によって請求・受取が行われた場合でも、実質的な帰属者である被保険者の非課税給付となるため、一時所得課税されるとする記述は誤りです。
- 選択肢 1正解
- 介護医療保険料控除の控除上限額は所得税40,000円、個人住民税28,000円(新制度)であるため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 被保険者本人が受け取る介護年金・給付金は、所得税法上非課税となるため確定申告は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 指定代理請求人が代わりに受取を行った場合でも、身体の障害等に基因する非課税給付の性質は変わらず、所得税は課税されません。
覚えるポイント
- 疾病や傷害、介護状態により支払われる保険金・給付金・年金は、原則として非課税です。
間違えやすいところ
- 入院給付金や介護一時金を指定代理請求人が受け取った場合でも、贈与税や所得税の課税対象にはならない点に注意してください。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金の退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の計算 / 勤続年数
役員在任期間(勤続年数)30年のAさんが、X社から役員退職金5,000万円を受け取った場合における退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、他の退職手当等はなく、障害者となったことによる退職ではないものとする。
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解答
2
解説
退職所得の金額は、原則として「(収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2」により計算されます。勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)」となります。
解き方
- 勤続年数30年の退職所得控除額を計算します:800万円 + 70万円 × (30年 - 20年) = 800万円 + 700万円 = 1,500万円。
- 退職手当等の収入金額から退職所得控除額を差し引きます:5,000万円 - 1,500万円 = 3,500万円。
- 2分の1を乗じて退職所得の金額を算出します:3,500万円 × 1/2 = 1,750万円。よって選択肢2が正解です。
- 選択肢 1不正解
- 1,500万円は「退職所得控除額」そのものの金額であり、退職所得の金額ではありません。
- 選択肢 2正解
- 退職所得控除額1,500万円を差し引いた3,500万円に1/2を乗じた1,750万円が退職所得の金額となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 3,500万円は退職手当等の収入金額から退職所得控除額を差し引いた金額であり、1/2を乗じていないため誤りです。
覚えるポイント
- 勤続20年超の控除額=800万円+70万円×(年数-20年)、退職所得=(収入-控除)×1/2 です。
間違えやすいところ
- 退職所得控除額を引いた後、最後に1/2を乗じるのを忘れてしまうミスが非常に多いです。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の長期平準定期保険の特徴と解約返戻金の活用
リスク管理 · 長期平準定期保険 / 解約返戻金の使途 / 払済保険
設例の法人契約の長期平準定期保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
定期保険は保険期間満了時に満期保険金はありません。解約返戻金は法人の一般資産(現金預金)となるため使途は自由です。また、払済保険への変更時の損益は変更時の解約返戻金相当額と資産計上額の差額で判定されます。
解き方
- 選択肢1:長期平準定期保険は「定期保険」であるため、満期になっても満期保険金は支払われません(ゼロになります)。したがって不適切です。
- 選択肢2:現時点の解約返戻金(4,000万円)は過去の資産計上額(1/2資産計上の場合2,200万円)を上回っているため、変更時に雑損失ではなく雑収入(差額1,800万円)が計上されます。したがって不適切です。
- 選択肢3:法人が受領した解約返戻金の使途に制約はなく、退職金のみならず事業資金等に充当可能です。したがって適切です。
- 選択肢 1不正解
- 定期保険であるため、保険期間満了時に満期保険金の支払いはなく解約返戻金もゼロとなるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 現時点の解約返戻金額(4,000万円)が資産計上額(2,200万円)を上回っているため、計上されるのは雑損失ではなく「雑収入」となり誤りです。
- 選択肢 3正解
- 法人が受領した解約返戻金は会社の使途自由な資金となるため、退職金原資のほか借入金返済や設備投資にも充当可能であり適切です。
覚えるポイント
- 「定期保険」には満期保険金はありません。満期時の解約返戻金は0円になります。
間違えやすいところ
- 長期平準定期保険を養老保険や終身保険と混同して、満期保険金があると誤解しないようにしましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
長期平準定期保険の解約時における経理処理
タックスプランニング · 法人保険の経理処理 / 長期平準定期保険 / 解約返戻金
X社(契約者・死亡保険金受取人:X社、被保険者:Aさん)が加入している長期平準定期保険を以下の条件で解約した場合の仕訳として、最も適切なものはどれか。 <条件> ・解約時までに支払った保険料の累計額:4,400万円 ・解約返戻金の額:4,000万円 ・保険期間・払込期間:95歳満了(契約年月日:1999年3月1日) ・配当等、上記以外の条件は考慮しないものとする。
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解答
1
解説
法人契約の長期平準定期保険の解約時には、受取額を資産に計上するとともに、過去に資産計上されていた前払保険料を取り崩し、受取額と前払保険料との差額を雑収入(または雑損失)として計上します。
解き方
- 過去の資産計上額(前払保険料)を計算する:4,400万円 × 1/2 = 2,200万円。
- 解約返戻金(現金・預金)4,000万円と前払保険料2,200万円を取り崩す仕訳を立て、差額4,000万円 - 2,200万円 = 1,800万円を貸方(雑収入)に計上する。
- 選択肢 1正解
- 解約返戻金4,000万円を受け取り、資産計上されていた前払保険料2,200万円を取り崩し、差額の1,800万円を雑収入として計上する適切な仕訳です。
- 選択肢 2不正解
- 解約返戻金4,000万円が資産計上額2,200万円を上回っているため、雑損失ではなく雑収入が生じるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 解約返戻金を受け取る処理であるため現金・預金は借方に計上されるべきであり、貸方に計上されている点も誤りです。
覚えるポイント
- 長期平準定期保険(旧ルール)の前半6割期間は「1/2資産計上・1/2損金算入」である。
間違えやすいところ
- 払込保険料累計額全体(4,400万円)と解約返戻金(4,000万円)を比較して雑損失400万円と誤認しないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の控除額
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 所得税の人的控除
Aさん(43歳・会社員・給与収入800万円)の2020年分の所得税における各種控除に関する記述について、空欄①~③に入る数値の組合せとして最も適切なものはどれか。 ・妻Bさん(42歳):収入なし ・長男Cさん(19歳):収入なし(特定扶養親族) ・父Dさん(72歳):老齢基礎年金72万円のみ、同居・生計を一にしている(老人扶養親族・同居老親等) ⅰ)Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ① )万円である。 ⅱ)長男Cさんに係る扶養控除の控除額は、( ② )万円である。 ⅲ)父Dさんに係る扶養控除の控除額は、( ③ )万円である。
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解答
2
解説
所得税の人的控除において、控除対象配偶者(納税者の合計所得900万円以下)は38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は63万円、同居老親等(70歳以上で同居)は58万円がそれぞれ控除されます。
解き方
- 配偶者控除の控除額を判定する:Aさんの所得は900万円以下、妻の合計所得は0円であるため配偶者控除は38万円(①)。
- 特定扶養親族(19歳)の控除額を判定する:長男Cさんは特定扶養親族であるため63万円(②)。
- 同居老親等(72歳同居)の控除額を判定する:父Dさんは同居老親等に該当するため58万円(③)。
- 選択肢 1不正解
- 特定扶養親族の控除額は38万円ではなく63万円、同居老親等の控除額は48万円ではなく58万円であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 配偶者控除38万円、特定扶養親族63万円、同居老親等58万円の組合せが正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者控除は38万円であり48万円ではありません。また、同居老親等の控除額も48万円ではなく58万円であるため誤りです。
覚えるポイント
- 特定扶養親族の控除額は63万円、同居老親等の扶養控除額は58万円(同居以外は48万円)である。
間違えやすいところ
- 老人扶養親族において「同居老親等(58万円)」と「同居以外の老親等(48万円)」の控除額を混同しない。
出題の前提:2020年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得および一時所得を合算した総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得 / 一時所得 / 損益通算
Aさんの2020年分の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。 <条件> ・給与収入金額:800万円 ・終身保険の解約返戻金:100万円、正味払込済保険料:120万円 ・一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金:620万円、一時払保険料:500万円(契約年月:2011年5月) ※給与所得控除額は「660万円超~850万円以下:収入金額×10%+110万円」とする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は、給与所得や一時所得の金額(一時所得は総収入金額から支出金額と特別控除額最高50万円を控除した後の金額の2分の1)などを合計して算出します。
解き方
- 給与所得を計算する:給与所得控除額 = 800万円 × 10% + 110万円 = 190万円。給与所得 = 800万円 - 190万円 = 610万円。
- 一時所得の金額を計算する:総収入金額(100万+620万=720万円)- 支出金額(120万+500万=620万円)- 特別控除額50万円 = 50万円。
- 総所得金額に算入する一時所得の額を求める:50万円 × 1/2 = 25万円。
- 総所得金額を計算する:610万円 + 25万円 = 635万円。
- 選択肢 1正解
- 給与所得610万円に一時所得の総所得金額算入額25万円を加算した635万円が正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得を1/2する前の50万円を加算して660万円としたり、計算上の誤りにより650万円としたものは不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得控除や特別控除、1/2の掛け合わせが正しく反映されていないため誤りです。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入は「(一時所得の金額)× 1/2」である。
間違えやすいところ
- 一時所得の金額に特別控除50万円を引いたあと、1/2にするのを忘れて総所得金額に加算してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の適用手続きと要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 確定申告 / 年末調整 / 適用要件
住宅借入金等特別控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅借入金等特別控除は、初年度のみ確定申告が必要ですが、給与所得者は2年目以降について勤務先での年末調整により適用を受けることが可能です。
解き方
- 初年度の手続きを確認する:初年度は所轄税務署長への確定申告が必須である。
- 翌年以降の手続きを確認する:給与所得者であれば年末調整で適用を受けることができるため、記述3が正しい。
- 選択肢 1不正解
- 2020年入居の場合の控除期間は最長10年(消費税10%による特例適用時でも最長13年)であり、15年ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 本人が転勤等のやむを得ない事由により単身赴任した場合でも、生計を一にする家族(配偶者等)が引き続き居住していれば控除の適用を継続して受けることができます。
- 選択肢 3正解
- 初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で適用を受けることができるため適切です。
覚えるポイント
- 給与所得者の住宅ローン控除は「1年目は確定申告、2年目以降は年末調整」で適用可能である。
間違えやすいところ
- 単身赴任時に家族が居住し続けている場合でも控除が打ち切られると誤解しないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除額、死亡保険金の非課税限度額および申告期限
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 生命保険金の非課税限度額 / 相続税の申告期限
父Cさんの相続に関する文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ・法定相続人:子2人(Aさん、妹Bさん。母は既に死亡) ・妹Bさんが受け取る死亡保険金:2,500万円 ⅰ)「父Cさんの相続における相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は、( ① )万円となります」 ⅱ)「妹Bさんが受け取る死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることで、相続税の課税価格に算入される金額は、( ② )万円となります」 ⅲ)「相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )カ月以内に提出しなければなりません」
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解答
2
解説
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」、生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算され、申告期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内です。
解き方
- 法定相続人の数を数える:子は2人なので法定相続人は2人。
- 遺産に係る基礎控除額を計算する:3,000万円 + 600万円 × 2 = 4,200万円(①)。
- 生命保険金の非課税限度額および課税価格算入額を計算する:非課税限度額は 500万円 × 2 = 1,000万円。課税価格への算入額は 2,500万円 - 1,000万円 = 1,500万円(②)。
- 相続税の申告期限を確認する:相続開始を知った日の翌日から10カ月以内(③)。
- 選択肢 1不正解
- ②の課税価格に算入される金額は1,500万円(非課税限度額が1,000万円)であり、③の申告期限は4カ月(準確定申告の期限)ではなく10カ月であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①4,200万円、②1,500万円、③10カ月の組合せが正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 法定相続人は2人なので基礎控除額は4,800万円ではなく4,200万円であり、申告期限も4カ月ではなく10カ月であるため誤りです。
覚えるポイント
- 相続税の申告期限は10カ月以内、所得税の準確定申告は4カ月以内である。
間違えやすいところ
- 死亡保険金の非課税限度額(1,000万円)そのものを問われているのではなく、「課税価格に算入される金額(差引額)」を問われている点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言書の検認・空き家譲渡特例・小規模宅地等の特例
相続・事業承継 · 自筆証書遺言の検認 / 空き家の譲渡所得の特別控除 / 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
父Cさんの相続等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 ・Aさんおよび妹Bさんは、それぞれが所有する持家に居住しており、今後、実家に戻る予定はない。
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解答
3
解説
小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の適用にあたり、別居親族が適用を受ける(家なき子)要件として、相続開始前3年以内に自己所有の持家に居住していないことなどが定められています。
解き方
- 各選択肢の要件を確認する:選択肢1の検認先は税務署長ではなく「家庭裁判所」である。
- 選択肢2の空き家譲渡特例の控除限度額を確認する:最高「3,000万円」である。
- 選択肢3の小規模宅地等の特例の要件を確認する:自己の持家に居住しているため家なき子の要件を満たさず、適用を受けることはできない。
- 選択肢 1不正解
- 自筆証書遺言の検認を請求する先は所轄税務署長ではなく「家庭裁判所」であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例による控除額は、最高「3,000万円」であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- Aさんも妹Bさんもそれぞれ所有する持家に居住しているため、特定居住用宅地等としての要件(家なき子特例の要件等)を満たさず特例を受けることはできません。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言(自宅保管等)の検認は「家庭裁判所」に請求する。
間違えやすいところ
- 被相続人の居住用財産の譲渡所得特別控除の限度額(3,000万円)と他の特別控除額(1,000万円等)を取り違えないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続分に応じた相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額の計算 / 法定相続分 / 税率
父Cさんの相続に係る課税遺産総額が5,000万円であった場合の相続税の総額として、最も適切なものはどれか。 ・法定相続人:子2人(Aさん、妹Bさん) <相続税の速算表(抜粋)> ・1,000万円以下:10%(控除額なし) ・1,000万円超~3,000万円以下:15%(控除額50万円) ・3,000万円超~5,000万円以下:20%(控除額200万円)
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解答
2
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして各人の取得金額を算出し、速算表を適用して算出した税額を合計して計算します。
解き方
- 法定相続人ごとの法定相続分に応ずる取得金額を算出する:5,000万円 × 1/2 = 2,500万円(Aさん・妹Bさんそれぞれ)。
- 速算表を適用して各人の相続税額を計算する:2,500万円 × 15% - 50万円 = 325万円。
- 全員分の税額を合算して相続税の総額を求める:325万円 × 2人 = 650万円。
- 選択肢 1不正解
- 325万円は法定相続人1人分の税額であり、相続税の総額(2人分の合計)ではないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 各人の税額325万円を2人分合計した650万円が正しい相続税の総額です。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額5,000万円に直接税率20%を掛けて控除額200万円を差し引く(5,000万円×20%-200万円=800万円)誤った計算による数値です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は「法定相続分で按分 → 各自の税額計算 → 全員の税額を合算」の手順で計算する。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額に直接速算表の税率を掛けてしまったり、1人分の税額を総額と取り違えないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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