日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金の年金額計算
公的年金 · 老齢基礎年金 / 公的年金の加入可能年数 / 第2号被保険者 / 第3号被保険者
Mさんは、《設例》の<Aさん夫妻に関する資料>に基づき、Aさんおよび妻Bさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額(2019年度価額)を試算した。老齢基礎年金の年金額の計算式の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
老齢基礎年金の年金額は、満額の年金額に「20歳以上60歳未満の保険料納付済期間等の月数÷480月」を乗じて算出します。20歳未満または60歳以後の厚生年金被保険者期間は、老齢基礎年金の額面計算の月数には算入されません。
解き方
- Aさんの20歳以上60歳未満の納付済期間を計算する:未加入期間35月を除き、22歳から60歳までの厚生年金被保険者期間445月が算入されるため、計算式は「780,100円×445月/480月」となる。
- 妻Bさんの20歳以上60歳未満の納付済期間を計算する:18歳から20歳までの24月は除外され、20歳から60歳までの40年間(480月)は第2号または第3号被保険者期間として全期間納付済みとなるため、計算式は「780,100円×480月/480月」となる。
- 選択肢 1不正解
- 妻Bさんの計算式において結婚前の会社員期間(第2号被保険者期間のうち20歳以上分108月)が除外されてしまっているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- Aさんは445月/480月、妻Bさんは20歳以上60歳未満の480月がすべて納付済期間となり480月/480月で正しく計算されています。
- 選択肢 3不正解
- Aさんの未加入期間35月が反映されておらず、妻Bさんも20歳未満の期間(24月)を含めた500月で計算されているため不適切です。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の計算月数は原則として20歳以上60歳未満の期間のみが対象となる。
間違えやすいところ
- 20歳未満の厚生年金加入期間を老齢基礎年金の月数に含めてしまうミスに注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の受給要件と計算
公的年金 · 特別支給の老齢厚生年金 / 加給年金額 / 在職老齢年金・退職時改定
MさんがAさんに対して説明した、Aさんおよび妻Bさんに支給される老齢厚生年金に関する次の説明のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げスケジュールは男女で5年の差があります。また加給年金額は、厚生年金被保険者期間が20年以上ある受給権者が65歳到達時点で生計を維持している65歳未満の配偶者等がいる場合に加算されます。
解き方
- 特別支給の老齢厚生年金の対象判定:妻Bさんは女性であり1961年12月16日生まれ(1961年4月2日〜1966年4月1日生まれ)かつ厚生年金期間が1年以上あるため、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給権があります(1は誤り)。
- 加給年金額の加算要件の確認:Aさんが65歳に達した時、年上の妻Bさんは既に65歳に到達しているため、配偶者加給年金額は加算されません(2は誤り)。
- 65歳到達時の老齢厚生年金額の計算:60歳から65歳まで厚生年金に加入し勤務した期間は、65歳到達月までの被保険者記録を基に本来支給の老齢厚生年金として計算されます(3は正しい)。
- 選択肢 1不正解
- 女性の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は男性より5年遅れて引き上げられるため、1961年12月生まれの妻Bさんには支給されます。
- 選択肢 2不正解
- Aさんが65歳に到達した時点で妻Bさんは既に65歳以上となっているため、Aさんの老齢厚生年金に加給年金額は加算されません。
- 選択肢 3正解
- 60歳以降65歳まで被保険者として勤務した場合、65歳到達時における被保険者記録を反映して老齢厚生年金の受給額が計算されます。
覚えるポイント
- 特別支給の老齢厚生年金のスケジュールは女性の場合、男性に比べて5年遅く適用される。
間違えやすいところ
- 加給年金額は「配偶者が65歳未満」であることが要件であり、年上配偶者の場合は夫の65歳到達時点で対象外となる点を見落としやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的医療保険の一部負担金と高額療養費・傷病手当金
リスク管理 · 健康保険 / 一部負担金 / 高額療養費 / 傷病手当金
会社員であるAさん(57歳・協会けんぽ加入)に対する公的医療保険の概要説明として、次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして最も適切なものはどれか。 「Aさんに係る医療費の一部負担金の割合は、原則( ① )割となりますが、( ② )内に、医療機関等に支払った医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超えた場合、所定の手続により、自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給されます。 Aさんが病気やケガによる療養のために、連続して4日以上、業務に就くことができず、当該期間について事業主から報酬が支払われない場合は、所定の手続により、傷病手当金が支給されます。傷病手当金の支給期間は、その支給を始めた日から起算して( ③ )が限度となります」
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解答
3
解説
公的健康保険の被保険者が療養を受ける際の自己負担割合は年齢区分により決定され、小学校就学後から70歳未満は3割負担です。同一月(1日~末日)の自己負担額が限度額を超えた部分は高額療養費として払い戻されます。また、療養に伴う休業4日目以降に支給される傷病手当金の支給期間は支給開始日から起算して最長1年6カ月です。
解き方
- Aさんの年齢(57歳)を確認し、70歳未満の自己負担割合が原則3割(①)であることを判断します。
- 高額療養費の算定期限が「同一月(暦月である1日から末日まで)」(②)であることを確認します。
- 健康保険から支給される傷病手当金の最長支給期間が「1年6カ月」(③)であることを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 一部負担金の割合は1割ではなく3割であり、傷病手当金の支給期間の限度は3年ではなく1年6カ月であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 一部負担金の割合は1割ではなく3割であり、高額療養費の算定は同一年ではなく同一月(暦月単位)であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 一部負担金は3割(①)、高額療養費の計算は同一月(②)、傷病手当金の支給限度は1年6カ月(③)であり、正しい組合せです。
覚えるポイント
- 公的医療保険の一部負担割合は、未就学児が2割、70歳未満が3割、70〜74歳は原則2割(現役並み3割)です。
間違えやすいところ
- 高額療養費の算定単位は1年間ではなく、1日〜末日までの「同一月」単位で計算される点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の健康保険法に基づく出題条件に準拠しています。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の提案内容と入院動向・各種特約の特徴
リスク管理 · 入院日数動向 / 先進医療特約 / 指定代理請求特約
FPのMさんが、会社員であるAさん(25歳)が提案を受けた定期保険特約付終身保険について説明した内容のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
医療技術の進歩や国の在宅医療推進政策等により、近年の平均在院日数は年々「短期化」の傾向にあります。これに伴い医療保険も短期入院や通院保障を重視する形へシフトしています。また、先進医療の技術料は公的医療保険対象外で全額自己負担となり、被保険者本人が請求できない事情に備えて指定代理請求特約が付加されます。
解き方
- 選択肢1における「入院日数が年々長期化している」という記述について、厚生労働省の患者調査の実態(短期化傾向)と照合し誤りであると判断します。
- 選択肢2の先進医療における技術料(全額自己負担)と診察料・投薬料(保険診療対象)の費用区分が適切であることを確認します。
- 選択肢3の指定代理請求特約の内容(被保険者本人が請求できない所定の事情がある場合に指定代理人が代理請求できる)が適切であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 厚生労働省の患者調査等では平均在院日数は年々「短期化」の傾向にあるため、「年々長期化しており」とする本記述は最も不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 先進医療を受けた場合、技術料は全額自己負担ですが、基礎的な診察・検査・投薬費用等は公的医療保険が適用されるため適切な説明です。
- 選択肢 3不正解
- 被保険者本人が昏睡状態や重度の認知症、病名の告知を受けていない等の事情で請求できない場合に指定代理人が請求できる特約であり、適切な説明です。
覚えるポイント
- 厚生労働省「患者調査」における平均在院日数(入院日数)は「年々短期化(短縮化)」している傾向を正確に覚えておきましょう。
間違えやすいところ
- 「高齢化が進んでいるから入院日数は長期化している」と錯覚しやすいため、医療政策と医療技術の向上により短期化している統計事実を誤解しないように注意してください。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の諸法令および厚生労働省統計等に基づく出題条件に準拠しています。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の告知義務および契約後の見直し・契約転換制度
リスク管理 · 告知義務 / 告知受領権 / ライフサイクルと必要保障額 / 契約転換制度
生命保険の加入手続きや加入後の保障の見直しに関するファイナンシャル・プランナー(FP)のアドバイスとして、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
生命保険は契約時の告知義務の厳守が求められ、募集人には告知受領権がありません。また、保障の見直しを行う際には契約転換制度等でも新規契約と同様に再度の告知や診査が必要となります。
解き方
- 生命保険募集人に告知受領権があるか、口頭での告知が有効かを確認して選択肢1の正誤を判断します。
- ライフステージの変化に応じた必要保障額の増減と定期的な見直しの妥当性を確認して選択肢2の正誤を判断します。
- 契約転換制度を利用する際に告知や診査が必要か免除されるかを確認して選択肢3の正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 生命保険募集人には告知受領権がないため、募集人に口頭で伝えても告知義務を果たしたことにはならず、所定の書面等で告知する必要があります。
- 選択肢 2正解
- 結婚や子の誕生、独立などのライフステージの変化に伴い必要保障額は変動するため、定期的に保障内容を見直すことは適切です。
- 選択肢 3不正解
- 契約転換制度は既存の契約の責任準備金等を下取りにして新たな保険を契約する仕組みであるため、原則として改めて告知や医師の診査等が必要です。
覚えるポイント
- 一般の生命保険募集人には告知受領権がない(指定医師や面接士にはある)
- 契約転換制度では新規契約と同様に診査や告知が必要となる
間違えやすいところ
- 損害保険の代理店とは異なり、生命保険募集人には告知受領権がない点を取り違えやすい
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の区分および給付金受取時の課税関係
リスク管理 · 新生命保険料控除 / 介護医療保険料控除 / 年末調整 / 就業不能給付金の非課税
Aさんが提案を受けた定期保険特約付終身保険(就業不能サポート特約、総合医療特約、先進医療特約等が付加)の課税関係に関するFPの説明として、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
新契約の生命保険料控除は一般・介護医療・個人年金の3区分に分かれます。また、身体の傷害や病気に起因して本人が受け取る給付金は所得税法上非課税とされています。
解き方
- 主契約(終身保険)および各特約の保障内容から、適用される新生命保険料控除の区分(一般生命保険料控除か介護医療保険料控除か)を判定します。
- 給与所得者が生命保険料控除の適用を受ける際、契約初年でも年末調整で控除を受けられるかを確認します。
- 被保険者本人が受け取る就業不能給付金に対する所得税の課税・非課税の取扱いを判定します。
- 選択肢 1正解
- 死亡保障である終身保険・定期保険特約は一般生命保険料控除、医療や就業不能を保障する各特約は介護医療保険料控除の対象となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 給与所得者は保険に加入した年であっても、控除証明書を勤務先に提出することで年末調整による生命保険料控除の適用を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 病気やケガによる就業不能や入院等に基因して本人が受け取る給付金は、所得税法上、非課税所得として扱われ課税されません。
覚えるポイント
- 入院給付金、就業不能給付金、高度障害保険金などは原則として非課税
- 給与所得者の生命保険料控除は加入初年でも年末調整で申告可能
間違えやすいところ
- 就業不能給付金を年金形式で受け取る場合であっても、傷害に起因する給付金は雑所得ではなく非課税となる点
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の計算
将来、X社がAさんに役員退職金4,000万円を支給した場合における、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)は30年であり、これ以外の退職手当等の収入はなく、障害者となったことに起因する退職ではないものとする。
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解答
2
解説
退職所得の金額は、原則として「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」により計算します。勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。
解き方
- 役員在任期間(勤続年数)30年に応じた退職所得控除額を「800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円」と算出します。
- 退職手当等の収入金額4,000万円から控除額1,500万円を差し引き、2分の1を乗じて「(4,000万円-1,500万円)×1/2=1,250万円」を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 1,200万円という数値は、退職所得控除額の計算または2分の1の乗算処理を誤った計算結果です。
- 選択肢 2正解
- 退職所得控除額1,500万円を収入金額4,000万円から控除し、1/2を乗じた1,250万円が最も適切です。
- 選択肢 3不正解
- 2,500万円は「収入金額4,000万円-退職所得控除額1,500万円」を計算した後の「1/2を乗じる」手順が漏れています。
覚えるポイント
- 勤続年数20年超の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算します。
間違えやすいところ
- 退職所得の金額の計算において、退職所得控除額を引いた後の「1/2を掛ける」計算手順を忘れないように注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の低解約返戻金型終身保険の特徴と経理処理
リスク管理 · 低解約返戻金型終身保険 / 契約者貸付制度 / 生命保険の権利移転
設例の低解約返戻金型終身保険(契約者・死亡保険金受取人:X社、被保険者:Aさん)に関するファイナンシャル・プランナーの説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
低解約返戻金型終身保険は、払込期間中の解約返戻金を低く設定することで保険料が割安になる特徴があります。また、契約者貸付制度は解約返戻金の一定範囲内で資金の貸し付けを受ける制度であり、受け取った金銭は借入金として経理処理され益金にはなりません。
解き方
- 低解約返戻金型終身保険の保険料水準および退任時の名義変更(現物支給による契約継続)の可否を確認し、それぞれ適切であることを判断します。
- 契約者貸付制度を利用した際の経理処理を確認し、貸付金は負債(借入金)として計上され益金(雑収入)には算入されないことから、選択肢3が誤りであると特定します。
- 選択肢 1不正解
- 低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を低く設定することで、通常の終身保険に比べて保険料が割安に設定されているため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 法人が契約する生命保険は、役員の退職時に契約者および受取人を変更(名義変更)して役員退職金の現物支給とすることで、個人保険として継続できるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 契約者貸付制度による貸付金は借入金(負債)として処理されるため、雑収入として益金の額に算入するという説明は不適切です。
覚えるポイント
- 契約者貸付制度によって調達した資金は、法人・個人問わず「借入金」であり収入や益金ではありません。
間違えやすいところ
- 契約者貸付による受取金を解約返戻金の一部受取(収益・益金)と混同しないように区別が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の終身保険解約時における経理処理
タックスプランニング/リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 終身保険の経理処理 / 解約返戻金の仕訳
契約者および死亡保険金受取人を法人(X社)、被保険者を役員(Aさん)とする低解約返戻金型終身保険について、低解約返戻金期間経過後に解約し、解約返戻金4,600万円を受け取った(支払保険料累計額は4,400万円)。この場合のX社の解約時における経理処理(仕訳)として最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人契約の終身保険で契約者および受取人が法人である場合、保険料払込時は全額を「保険料積立金」として資産計上します。解約時には、受け取った解約返戻金を現金・預金に計上するとともに、これまでに計上した保険料積立金全額を取り崩し、受取額と資産計上額との差額を雑収入(受取額の方が多い場合)または雑損失(受取額の方が少ない場合)として計上します。
解き方
- 保険料払込時の経理処理を確認する。受取人が法人である終身保険の保険料は全額が「保険料積立金」として資産計上されているため、解約直前の保険料積立金残高は4,400万円である。
- 解約による受取金額を借方に計上する。受け取った解約返戻金4,600万円を「現金・預金」に計上する。
- 積立金の取り崩しと差額の計上を行う。貸方に「保険料積立金」4,400万円を計上して資産を取り崩し、受取超過額200万円(4,600万円-4,400万円)を貸方に「雑収入」として計上する。
- 選択肢 1正解
- 支払保険料の全額が保険料積立金として資産計上されているため、解約返戻金4,600万円から保険料積立金4,400万円を差し引いた差額200万円を雑収入に計上する本仕訳が適切です。
- 選択肢 2不正解
- 終身保険の保険料は「前払保険料」ではなく「保険料積立金」として資産計上されるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 本問の契約は終身保険であり、定期保険のように損金算入(定期保険料)や前払保険料として計上されることはないため不適切です。
覚えるポイント
- 受取人が法人である終身保険・養老保険(満期・死亡ともに法人)は、支払保険料全額を「保険料積立金」として資産計上する。
- 解約時の差額処理:解約返戻金 > 保険料積立金なら「雑収入」、解約返戻金 < 保険料積立金なら「雑損失」を計上する。
間違えやすいところ
- 終身保険と長期平準定期保険・逓増定期保険等の定期保険とを混同し、前払保険料や損金算入の処理と誤認しないように注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等に基づく(法人税基本通達9-3-4等)。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告制度の概要と特典
タックスプランニング · 青色申告 / 青色申告特別控除 / 純損失の繰越控除
所得税における青色申告制度に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 ⅰ)「青色申告をすることができる者は、( ① )、事業所得または山林所得を生ずべき業務を行う者です」 ⅱ)「事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者は、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則により記帳し、その記帳に基づいて作成された貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を確定申告書に添付して、法定申告期限内に提出すれば、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高65万円を控除することができます。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、青色申告特別控除額は最高( ② )万円となります」 ⅲ)「青色申告者が適用を受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除の適用、青色事業専従者給与の必要経費算入、翌年以後( ③ )年間の純損失の繰越控除、純損失の繰戻還付などがあります」
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税法上、青色申告ができるのは「不動産所得」「事業所得」「山林所得」を生ずべき業務を行う者です。青色申告者には、正規の簿記の原則による記帳と貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告を要件とする青色申告特別控除(最高65万円。要件を満たさない場合や期限後申告は最高10万円)、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の繰越控除(翌年以後3年間)や繰戻還付などの税制上の優遇措置が認められています。
解き方
- 空欄①を判定する。青色申告ができる所得は「不動産所得」「事業所得」「山林所得」の3つであるため、空欄①には「不動産所得」が入る(譲渡所得は青色申告の対象外)。
- 空欄②を判定する。最高65万円の青色申告特別控除を受けるには「法定申告期限内に提出」する必要があり、期限後申告となった場合の特別控除額は最高「10」万円となる。
- 空欄③を判定する。青色申告者の純損失の繰越控除の期間は、翌年以後「3」年間である。
- すべての空欄に合致する組合せ(① 不動産所得、② 10、③ 3)である選択肢1を選択する。
- 選択肢 1正解
- ①不動産所得、②10(万円)、③3(年間)のすべての組み合わせが所得税法の規定と合致しており適切です。
- 選択肢 2不正解
- ①譲渡所得は青色申告の対象とならず(不動産所得が正しい)、また③純損失の繰越控除期間は7年間ではなく3年間であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- ②法定申告期限後に申告書を提出した場合の特別控除額は最高10万円であり、③純損失の繰越期間は3年間であるため不適切です。
覚えるポイント
- 青色申告ができる3つの所得区分:不動産所得・事業所得・山林所得(覚え方:ふ・じ・さん)。
- 青色申告の期限後申告:最高65万円(電子申告等要件なしの場合は55万円)の要件から外れ、最高10万円の控除となる。
- 青色申告の純損失の繰越控除期間は翌年以後「3年間」。
間違えやすいところ
- 法人の青色申告における欠損金の繰越控除期間(最大10年)と、所得税の個人における純損失の繰越控除期間(3年)を混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等に基づく(所得税法第143条、第144条、第70条等)。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における人的控除(配偶者控除・扶養控除)の判定
タックスプランニング · 青色事業専従者 / 配偶者控除 / 特定扶養親族 / 年少扶養親族
個人事業主であるAさんの2019年分の所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 <Aさんとその家族に関する資料> ・妻Bさん(47歳):Aさんが営む飲食店の事業に専ら従事し、2019年中に青色事業専従者として給与収入80万円を得ている。 ・長女Cさん(20歳):大学生。2019年中に塾講師のアルバイトとして給与収入90万円を得ている。 ・二女Dさん(15歳):中学生。2019年中の収入はない。 ※家族は全員Aさんと同居・生計を一にしており、障害者・特別障害者には該当しない。年齢は2019年12月31日現在である。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税の人的控除において、青色事業専従者として給与の支払を受ける者は合計所得金額にかかわらず配偶者控除の対象外となります。扶養控除は合計所得金額38万円以下の生計を一にする親族が対象で、16歳未満は控除対象外、19歳以上23歳未満は特定扶養親族として63万円が控除されます。
解き方
- 妻Bさんは青色事業専従者給与の支払を受けているため、配偶者控除・配偶者特別控除の対象外と判断する。
- 長女Cさんの給与所得は25万円(90万円-65万円)で38万円以下であり、20歳(19歳以上23歳未満)であることから特定扶養親族(控除額63万円)に該当することを確認する。
- 二女Dさんは15歳(16歳未満の年少扶養親族)であるため、所得税上の扶養控除の適用対象外(控除額0円)と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度でも給与の支払を受けた者は、たとえ合計所得金額が38万円以下であっても、配偶者控除および配偶者特別控除の適用を受けることはできません。
- 選択肢 2正解
- 長女Cさんの給与所得は25万円(給与収入90万円-給与所得控除65万円)で38万円以下です。また、その年の12月31日現在の年齢が20歳(19歳以上23歳未満)であるため「特定扶養親族」となり、扶養控除の額は63万円となります。
- 選択肢 3不正解
- 二女Dさんはその年の12月31日現在の年齢が15歳(16歳未満)であり、年少扶養親族に該当するため、所得税の扶養控除の適用を受けることはできず、控除額は0円です。
覚えるポイント
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の控除額は63万円であること
- 青色事業専従者給与の支給を受ける者は配偶者控除・扶養控除の対象外であること
- 16歳未満の親族は年少扶養親族となり扶養控除が適用されないこと
間違えやすいところ
- 青色専従者の給与が基礎控除・給与所得控除の範囲内(年間103万円以下)であっても配偶者控除の対象にできると誤解すること
- 16歳未満の扶養親族について一般の扶養控除(38万円)が適用できると誤認すること
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の総所得金額の計算(事業所得と保険解約返戻金に係る一時所得)
タックスプランニング · 総所得金額 / 事業所得 / 一時所得 / 変額個人年金保険
Aさんの2019年分の所得税における総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。 <Aさんの2019年分の収入等に関する資料> ・事業所得の金額:400万円(青色申告特別控除後) ・一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金 契約年月:2010年6月 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん 解約返戻金額:620万円 一時払保険料:500万円 ※他の所得や繰越損失等はないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
契約者と受取人が同一である個人年金保険を解約した場合の解約返戻金差益は一時所得として総合課税されます。一時所得の金額は「総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)」で計算し、総所得金額へは一時所得の金額の2分の1を合算します。
解き方
- 解約返戻金が一時所得に該当することを確認し、一時所得の金額を算出する:620万円-500万円-特別控除50万円=70万円。
- 総所得金額に算入すべき金額として一時所得を2分の1にする:70万円×1/2=35万円。
- 事業所得の金額に算入額を合算して総所得金額を求める:400万円+35万円=435万円。
- 選択肢 1正解
- 一時所得の金額は「620万円-500万円-50万円=70万円」となり、総所得金額に算入するのはその2分の1の35万円です。これに事業所得400万円を加算すると「400万円+35万円=435万円」となります。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の2分の1を乗じる前の金額(70万円)をそのまま事業所得(400万円)に足した470万円となっており、総所得金額の算入ルールの適用を誤っています。
- 選択肢 3不正解
- 解約返戻金と一時払保険料の差額(620万円-500万円=120万円)から特別控除(50万円)を引かず、さらに2分の1も適用せずに事業所得400万円に加算した金額(520万円)です。
覚えるポイント
- 契約者=受取人の一時払生命保険・変額年金保険を5年超経過後に解約した差益は一時所得となること
- 一時所得の金額計算では最高50万円の特別控除額を差し引くこと
- 総所得金額へ合算する際は一時所得の金額を2分の1にすること
間違えやすいところ
- 一時所得の計算において特別控除額(最高50万円)を控除し忘れること
- 総所得金額を求める際に一時所得の2分の1を乗じるのを忘れて全額合算してしまうこと
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
代襲相続・遺産に係る基礎控除額・相続税の申告期限
相続・事業承継 · 代襲相続 / 遺産に係る基礎控除額 / 相続税の申告期限
Aさんの相続に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「孫Fさんおよび孫Gさんの法定相続分はそれぞれ( ① )となります」 ⅱ)「Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は( ② )万円となり、課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を上回るため、相続税の申告が必要です」 ⅲ)「相続税の申告書は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )カ月以内にAさんの死亡の時における住所地の所轄税務署長に提出しなければなりません」
解答・解説を表示
解答
3
解説
被相続人の子が相続開始前に死亡している場合、その子(孫)が代襲相続人となり、本来その被代襲者が受けるべき相続分を代襲相続人間の頭数で均等に按分します。また、遺産に係る基礎控除額の計算における法定相続人の数には代襲相続人もそのまま含め、相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内と定められています。
解き方
- 法定相続人を特定する:妻B(1/2)、長女C(1/6)、長男D(1/6)、二男Eの代襲相続人として孫F(1/12)および孫G(1/12)の計5人となる。
- 孫F・Gの法定相続分を計算する:二男Eの相続分1/6を2人で分けるため、それぞれ1/12となる(①は12分の1)。
- 遺産に係る基礎控除額を計算する:3,000万円+600万円×5人=6,000万円(②は6,000)。
- 相続税の申告期限を確認する:相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内(③は10)。以上より正解は選択肢3となる。
- 選択肢 1不正解
- ①の8分の1、②の5,400万円がいずれも不適切です(法定相続人の数を4人として基礎控除等を誤認しています)。
- 選択肢 2不正解
- ②の5,400万円(正しくは6,000万円)、③の4カ月(所得税の準確定申告の期限と混同)が不適切です。
- 選択肢 3正解
- ①が12分の1、②が6,000万円、③が10カ月となり、全ての組合せが正しいです。
覚えるポイント
- 遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
- 代襲相続人の法定相続分は被代襲者の取り分を人数で等分する
- 相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内(準確定申告は4カ月以内)
間違えやすいところ
- 代襲相続人が複数いる場合に被代襲者1人分としてカウントし、法定相続人の数を間違えるミス
- 相続税の申告期限(10カ月以内)と被相続人の所得税の準確定申告期限(4カ月以内)を取り違えるミス
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険金の非課税限度額・配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例
相続・事業承継 · 生命保険金等の非課税枠 / 配偶者に対する相続税額の軽減 / 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
Aさんの相続に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
被相続人の居住の用に供されていた宅地(特定居住用宅地等)について小規模宅地等の特例を適用する場合、330㎡を上限として評価額の80%が減額されます。課税価格に算入される金額は減額後の「20%相当額」です。また、死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」であり、配偶者の税額軽減は「法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い額」まで非課税となります。
解き方
- 記述1を検討:法定相続人は5人(妻B、長女C、長男D、孫F、孫G)であるため、死亡保険金の非課税限度額は500万円×5人=2,500万円。死亡保険金4,000万円から非課税限度額2,500万円を控除した1,500万円が課税価格に算入されるため適切。
- 記述2を検討:配偶者の税額軽減は、課税価格が法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続税が課されないため適切。
- 記述3を検討:自宅敷地300㎡は特定居住用宅地等に該当し、限度面積330㎡以内のため敷地全体に80%減額が適用される。減額後の課税価格は6,000万円×(1-0.8)=1,200万円となるため、4,800万円とする記述は不適切と判断。
- 選択肢 1不正解
- 法定相続人の数は代襲相続人2人を含む5人であるため、非課税限度額は500万円×5人=2,500万円となり、課税価格への算入額は4,000万円-2,500万円=1,500万円で適切です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者に対する相続税額の軽減により、課税価格が法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか多い金額までは納付税額が算出されないため適切です。
- 選択肢 3正解
- 特定居住用宅地等の減額割合は80%であるため、課税価格に算入すべき価額は減額後の20%である1,200万円となります。4,800万円は減額される金額であるため不適切です。
覚えるポイント
- 特定居住用宅地等は限度面積330㎡まで80%減額(算入額は20%)
- 死亡保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人の数
- 配偶者の税額軽減=法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い方まで相続税非課税
間違えやすいところ
- 小規模宅地等の特例において、「減額される金額(80%)」と「課税価格に算入すべき価額(20%)」を取り違えるミス
- 代襲相続人を1人分としてカウントして生命保険金の非課税枠を誤認するミス
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 代襲相続
Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が7,200万円であった場合における、相続税の総額として最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の総額の計算では、課税遺産総額を実際の遺産分割割合ではなく各法定相続人の法定相続分に応じて按分し、それぞれの取得金額に速算表の税率を掛けて税額を算出した後、それらを合算します。
解き方
- 法定相続人の確認と法定相続分を算出する:配偶者である妻Bさんは2分の1、長女Cさんと長男Dさんは各6分の1、死亡した二男Eさんを代襲相続した孫Fさんと孫Gさんは各12分の1となる。
- 課税遺産総額7,200万円に法定相続分を乗じて各人の取得金額を算出する:妻Bさんは3,600万円、長女Cさんは1,200万円、長男Dさんは1,200万円、孫Fさんは600万円、孫Gさんは600万円となる。
- 速算表により各人の算出税額を計算する:妻Bさんは3,600万円×20%-200万円=520万円、長女Cさんと長男Dさんは各1,200万円×15%-50万円=130万円、孫Fさんと孫Gさんは各600万円×10%=60万円となる。
- 各人の算出税額を合算して相続税の総額を求める:520万円+130万円+130万円+60万円+60万円=900万円となる。
- 選択肢 1正解
- 各法定相続分の取得金額に基づく算出税額の合計は、520万円+130万円×2+60万円×2=900万円となり正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 計算過程で法定相続分の割合や速算表の控除額の適用を誤った場合に算出される誤った税額です。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額全体に直接税率を乗じて計算するなどの誤った計算方法により算出された数値です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は「法定相続分で取得したものと仮定して各人の税額を出し、それらを合算する」手順で計算します。
間違えやすいところ
- 代襲相続人の孫の相続分を子の相続分と同等にしてしまう誤りや、課税遺産総額に直接速算表を適用してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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