日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
遺族基礎年金の年金額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族給付 / 遺族基礎年金 / 子の加算額
会社員のAさん(44歳)が2019年9月8日時点で死亡した場合、生計を維持されていた妻Bさん(42歳)に支給される遺族基礎年金の年金額(2019年度価額)として、正しいものを1つ選びなさい。なお、長女Cさんは10歳、長男Dさんは7歳であり、障害等級には該当しないものとする。
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解答
3
解説
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡したときに、その者によって生計を維持されていた「子のいる配偶者」または「子」に支給されます。受給権者が子のいる配偶者の場合、基本額に加えて対象となる子の数に応じた加算額が上乗せされます。
解き方
- 加算の対象となる子(18歳到達年度の末日を経過していない子など)の人数を確認します。長女C(10歳)と長男D(7歳)の2人が対象です。
- 基本額780,100円に第1子・第2子の加算額(各224,500円)を合算し、合計年金額を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 加算対象となる子が2人いるにもかかわらず、子1人分の加算額しか計上されていないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 74,800円は第3子以降の加算額です。第2子までの加算額は1人につき224,500円であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 基本額780,100円に第1子加算224,500円および第2子加算224,500円を加えた1,229,100円が正しい金額です。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金の子の加算額は第1子・第2子が各224,500円、第3子以降は1人につき74,800円(2019年度価額)です。
間違えやすいところ
- 第2子の加算額を第3子以降の金額(74,800円)と取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の公的年金各法規
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の受給要件と支給額等の計算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 短期要件 / 300月みなし / 中高齢寡婦加算
Aさんが死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族厚生年金に関するFPのMさんの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
被保険者期間中の死亡等による遺族厚生年金(短期要件)では、被保険者期間の月数が300月(25年)未満の場合は300月とみなして報酬比例部分の額(原則4分の3相当)を計算します。また、遺族基礎年金の受給要件を満たさなくなった40歳以上65歳未満の妻には、中高齢寡婦加算が加算されます。
解き方
- Aさんの厚生年金被保険者期間(257月)を確認し、300月未満の短期要件に該当することを判定します。
- 遺族厚生年金の額の算出基準(老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3)および遺族基礎年金失権後の加算制度(中高齢寡婦加算)について各選択肢の正誤を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 遺族厚生年金の額は、原則として報酬比例部分の額の「4分の3相当額」であり、「3分の2」ではありません。
- 選択肢 2正解
- Aさんの厚生年金被保険者期間は257月と300月に満たないため、300月とみなして報酬比例部分の年金額が計算されます。
- 選択肢 3不正解
- 遺族基礎年金の受給権が消滅した後に妻が65歳に達するまでの間に遺族厚生年金に加算されるのは「中高齢寡婦加算」であり、加給年金額ではありません。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の報酬比例部分は「老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」、被保険者期間300月未満は「300月みなし計算」が適用されます。
間違えやすいところ
- 「中高齢寡婦加算」と老齢厚生年金に付加される「加給年金」の名称を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の厚生年金保険法
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の保険給付と自己負担割合
リスク管理 · 公的介護保険 / 第2号被保険者 / 特定疾病 / 自己負担割合
公的介護保険の保険給付に関するFPのMさんの説明として、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
介護保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)は、加齢に伴う16種類の特定疾病により要介護・要支援状態となった場合に給付を受けられます。第2号被保険者の利用者負担割合は所得に関係なく一律1割です。
解き方
- 要介護認定・要支援認定の実施主体が市町村(特別区を含む)であることを確認します。
- 第2号被保険者の受給要件(特定疾病による要介護状態等)を確認します。
- 介護保険の利用者負担割合について、第2号被保険者は所得水準にかかわらず1割負担であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 介護保険の給付を受けるには、市町村(特別区含む)から要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 第2号被保険者は、初老期認知症や脳血管疾患など政令で定められた16種類の特定疾病が原因で要介護・要支援となった場合に限り給付を受けられます。
- 選択肢 3正解
- 一定以上の所得がある場合に自己負担割合が2割や3割になるのは第1号被保険者(65歳以上)であり、第2号被保険者は一律1割負担です。
覚えるポイント
- 第2号被保険者(40〜64歳)の自己負担割合は所得にかかわらず一律1割です。2割・3割負担は第1号被保険者のみの規定です。
間違えやすいところ
- 高所得者に対する2割・3割の自己負担割合が、第2号被保険者にも適用されると勘違いしないように注意しましょう。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の介護保険法
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標(PER・PBR)の計算と判断
金融資産運用 · 株式投資指標 / PER / PBR / 投資判断
設例の<X社に関する資料>(株価4,200円、発行済株式数8,000万株、当期純利益300億円、自己資本2,400億円)に基づく投資指標に関するFPの説明として、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
PER(株価収益率)は株価を1株当たり当期純利益(EPS)で割った指標、PBR(株価純資産倍率)は株価を1株当たり純資産(BPS)で割った指標です。いずれも数値が高いほど割高、低いほど割安と判断されます。
解き方
- EPS=当期純利益300億円÷8,000万株=375円。PER=4,200円÷375円=11.20倍。高いと割高、低いと割安となります。
- BPS=自己資本2,400億円÷8,000万株=3,000円。PBR=4,200円÷3,000円=1.40倍。高いと割高、低いと割安となります。
- 選択肢 1不正解
- PERは4,200円÷(300億円÷8,000万株)=11.20倍であり、一般に高いほうが割高、低いほうが割安と判断されます。
- 選択肢 2正解
- PBRの計算結果1.40倍は正しいですが、一般にPBRが高いほうが「割高」、低いほうが「割安」と判断されるため、記述が逆になっています。
- 選択肢 3不正解
- PERが高い銘柄は将来の成長期待が織り込まれている場合が多く、財務状況や業界環境等も考慮すべきであるため適切です。
覚えるポイント
- PERもPBRも、数値が高いほど株価は「割高」、低いほど「割安」と判断されます。
間違えやすいところ
- 倍率が高いほうを割安と逆に覚えてしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の関連法規および株式投資分析理論
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の仕組みと株価指数・運用手法
金融資産運用 · 投資信託 / TOPIX / インデックス運用 / つみたてNISA対象商品
設例のY投資信託(TOPIXインデックスファンド)に関するFPの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
インデックス型ファンドは特定の指数への連動を目指すパッシブ運用であり、銘柄選定のためのリサーチ費用が少ないため運用管理費用(信託報酬)がアクティブ型より低いのが一般的です。TOPIXは時価総額加重型で時価総額の大きい銘柄の影響を受けます。
解き方
- TOPIXは東証一部の全銘柄を対象とする時価総額加重型平均指数(時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい)であることを確認し、選択肢1を判定します。
- インデックス型とアクティブ型の信託報酬水準の一般的な違いを確認し、選択肢2を判定します。
- つみたてNISAの対象商品には、一定の要件を満たすアクティブ運用投信も含まれることを確認し、選択肢3を判定します。
- 選択肢 1不正解
- TOPIXの対象は東証第一部銘柄のみであり(第二部は含まない)、時価総額加重型であるため時価総額の大きい銘柄の影響を受けます。値がさ株の影響を受けやすいのは日経平均株価です。
- 選択肢 2正解
- インデックス運用は銘柄選定のリサーチコストを抑えられるため、アクティブ運用の投資信託に比べて信託報酬が低い傾向があります。
- 選択肢 3不正解
- つみたてNISAの対象商品はインデックス型に限定されておらず、手数料や純資産総額等の法令要件を満たしたアクティブ運用投資信託も対象となります。
覚えるポイント
- TOPIXは「東証一部全銘柄」「時価総額加重型」、日経平均は「225銘柄」「株価平均型(値がさ株の影響大)」です。
間違えやすいところ
- つみたてNISAはインデックス投信が中心ですが、要件を満たしたアクティブ型投信やETFも対象に含まれます。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の金融商品取引法および関連法令
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAとつみたてNISAの制度比較
金融資産運用 · 少額投資非課税制度 / 一般NISA / つみたてNISA / 非課税投資枠
「一般NISA」および「つみたてNISA」に関するFPのアドバイスとして、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
少額投資非課税制度において、一般NISA(年間120万円・最長5年)とつみたてNISA(年間40万円・最長20年)は年単位の選択制であり、同一年内に重複して新規投資枠を利用することは認められていません。
解き方
- つみたてNISAの対象商品(公募株式投資信託・ETFに限定され、個別上場株式は対象外)を確認します。
- つみたてNISAの枠組み(年間40万円・最長20年間・定期定額買付)を確認します。
- 一般NISAとつみたてNISAは同一年中にはいずれか一方しか選択利用できないルールを確認します。
- 選択肢 1不正解
- つみたてNISAの対象は一定の要件を満たす投資信託等に限られるため、個別の上場株式を購入できるのは一般NISAです。
- 選択肢 2不正解
- つみたてNISAは積立投資(定期かつ継続的買付け)が要件で、非課税投資枠は年40万円、非課税期間は最長20年間です。
- 選択肢 3正解
- 一般NISAとつみたてNISAは年単位の選択制であり、同一年中に両方を併用して新規投資を行うことはできません。
覚えるポイント
- 一般NISAとつみたてNISAは年単位で選択し、同一年内の併用は不可です。
間違えやすいところ
- 年ごとに変更することは可能ですが、同一年に両方の非課税投資枠を同時に使うことはできません。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得および一時所得の計算と総所得金額の算出
タックスプランニング · 給与所得 / 一時払養老保険 / 一時所得 / 総所得金額
設例のAさんの2019年分の収入等に関する資料(給与収入800万円、10年満期一時払養老保険の満期保険金330万円・一時払保険料300万円)に基づく所得税における総所得金額として、正しいものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
給与所得は「給与収入金額-給与所得控除額」で計算します。契約から5年超経過して満期を迎えた一時払養老保険の満期差益は一時所得となり、「総収入金額-支出金額-特別控除(最高50万円)」を計算し、残額の2分の1を総所得金額に算入します。
解き方
- 給与所得の計算:給与収入800万円に対する控除額=800万円×10%+120万円=200万円。給与所得=800万円-200万円=600万円。
- 一時所得の計算:満期保険金330万円-保険料300万円=差益30万円。特別控除(最高50万円)を差し引くと一時所得の金額は0円(総所得金額への算入も0円)。
- 総所得金額の算出:給与所得600万円+一時所得の算入額0円=600万円。
- 選択肢 1正解
- 給与所得600万円と一時所得0円(差益30万円が特別控除50万円以下)の合計により、総所得金額は600万円となります。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の特別控除50万円を差し引かずに、差益30万円の2分の1(15万円)を加えて計算した誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の特別控除や2分の1計算を行わずに、差益30万円を全額加算してしまった誤りです。
覚えるポイント
- 一時所得の金額は「収入-支出-特別控除(最高50万円)」で計算し、総所得金額への算入は「一時所得の金額×1/2」です。
間違えやすいところ
- 特別控除額(最高50万円)の引き忘れや、保険期間5年超の一時払養老保険が一時所得(総合課税)になる点を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除(小規模企業共済等掛金控除・配偶者控除・扶養控除)の適用
タックスプランニング · 小規模企業共済等掛金控除 / 配偶者控除 / 扶養控除 / iDeCo
Aさんの2019年分の所得税における所得控除に関する文中の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 ⅰ)Aさんが拠出した確定拠出年金の個人型年金の掛金は、その全額が( ① )の対象となり、総所得金額から控除することができる。 ⅱ)Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ② )である。 ⅲ)Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、( ③ )である。
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解答
1
解説
確定拠出年金の個人型掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。控除対象配偶者(納税者の合計所得金額900万円以下・一般)の配偶者控除額は38万円です。扶養親族のうち16歳以上19歳未満は一般扶養親族に該当し、控除額は38万円です。
解き方
- 個人型確定拠出年金の掛金控除の区分が「小規模企業共済等掛金控除」であることを確認します。
- 妻Bさん(42歳、収入ゼロ)とAさん(合計所得金額600万円)から配偶者控除額を判定します(38万円)。
- 長女Cさん(17歳、収入ゼロ)は一般の控除対象扶養親族(16歳以上19歳未満)に該当するため扶養控除額を判定します(38万円。特定扶養親族の63万円は19歳以上23歳未満)。
- 選択肢 1正解
- ①小規模企業共済等掛金控除、②配偶者控除額38万円、③一般扶養控除額38万円のすべての組み合わせが正しいです。
- 選択肢 2不正解
- iDeCo掛金は社会保険料控除ではなく小規模企業共済等掛金控除であり、17歳の子に対する控除額は特定扶養親族(63万円)ではなく一般扶養親族(38万円)です。
- 選択肢 3不正解
- Aさんの合計所得金額は900万円以下のため配偶者控除額は満額の38万円(26万円ではない)であり、扶養控除額も63万円ではなく38万円です。
覚えるポイント
- 一般扶養親族(16歳以上19歳未満)の扶養控除額は38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は63万円です。
間違えやすいところ
- 高校生である17歳の子を特定扶養親族(63万円)と誤認しないように年齢要件(19歳以上23歳未満)をしっかり確認しましょう。
出題の前提:2019年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の確定申告の手続きと要件
タックスプランニング · 確定申告 / ふるさと納税 / 一時払養老保険の差益 / 提出先
会社員Aさんの2019年分の所得税の確定申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
所得税の確定申告において、寄附金控除や医療費控除、初年度の住宅借入金等特別控除などは年末調整で処理できないため確定申告が必要です。また申告書の提出先は納税地(原則として住所地)を所轄する税務署長となります。
解き方
- ふるさと納税の寄附金控除は年末調整では受けられず、自治体数が8箇所のためワンストップ特例も使えないため確定申告が必要であることを確認する。
- 契約期間10年の一時払養老保険の差益は一時所得であり、特別控除(最高50万円)を差し引くと所得が生じないため申告義務は生じないことを判定する。
- 所得税の確定申告書の提出先は勤務地ではなく原則として住所地の所轄税務署長であることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 寄附金控除は年末調整の対象外であり、かつ寄附先が8自治体あるためワンストップ特例(5自治体まで)も適用できず確定申告が必要です。
- 選択肢 2不正解
- 保険期間5年超の一時払養老保険の満期保険金差益は一時所得(総合課税)に該当します。差益(30万円)から特別控除(最高50万円)を引くと所得は0円となり、申告義務は生じません。
- 選択肢 3不正解
- 所得税の確定申告書の提出先は、原則として納税者の「住所地」を所轄する税務署長であり、勤務地ではありません。
覚えるポイント
- ふるさと納税のワンストップ特例は年間5自治体以内まで利用可能
- 所得税の確定申告書の提出先は原則として住所地の所轄税務署長
間違えやすいところ
- 一時払養老保険の保険期間が5年以内(または5年以内解約)の場合は源泉分離課税となるが、本問は10年満期のため一時所得になる点
出題の前提:2019年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建蔽率および容積率の上限面積の計算
不動産 · 建築基準法 / 建蔽率の緩和 / 前面道路による容積率の制限
甲土地(敷地面積400㎡、近隣商業地域、指定建蔽率80%、指定容積率400%、防火地域、前面道路幅員8m、道路幅員乗数6/10)に耐火建築物を建築する場合の、①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
建築基準法において、建蔽率は防火地域内の耐火建築物かつ指定建蔽率80%の地域では100%(建蔽率制限なし)となります。容積率は前面道路幅員に法定乗数を乗じた数値と指定容積率のいずれか小さい方が適用上限となります。
解き方
- 建蔽率を計算する:指定建蔽率80%の地域で防火地域内に耐火建築物を建築するため、制限が適用されず建蔽率は100%となる。建築面積上限=400㎡×100%=400㎡。
- 前面道路による容積率制限を計算する:前面道路幅員8m×6/10=48/10=480%。
- 容積率の上限を判定する:指定容積率400%と道路制限480%の小さい方である400%が上限となる。
- 延べ面積上限を計算する:400㎡×400%=1,600㎡。
- 選択肢 1不正解
- 建蔽率の緩和規定(80%地域かつ防火地域の耐火建築物は100%)が適用されていないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 建築面積の上限は400㎡(建蔽率100%)、延べ面積の上限は1,600㎡(容積率400%)で正しく計算されています。
- 選択肢 3不正解
- 延べ面積上限について、指定容積率(400%)より大きい前面道路制限(480%)を採用してしまっているため誤りです。
覚えるポイント
- 指定建蔽率80%地域かつ防火地域内の耐火建築物は建蔽率制限が撤廃(100%)
- 容積率は指定容積率と前面道路幅員×乗数のいずれか小さい方を適用
間違えやすいところ
- 建蔽率の緩和で「+10%で90%」と勘違いしがちだが、指定80%+防火地域耐火建築物は100%になる
出題の前提:2019年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
不動産 · 空き家特例 / 譲渡所得 / 特別控除
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
被相続人の居住用財産(空き家)の譲渡所得の特別控除の特例では、相続により取得した昭和56年5月31日以前建築の家屋および敷地等について、一定の耐震基準を満たして家屋ごと売却するか、家屋を取り壊して更地として売却する場合に譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
解き方
- 空き家特例の控除額が最高3,000万円であることを確認する(選択肢1は適切)。
- 空き家特例の対象形態として、家屋を取り壊して更地として敷地を譲渡する場合も認められていることを確認する(選択肢2は不適切)。
- 特例の適用には市区町村長が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が必要であることを確認する(選択肢3は適切)。
- 選択肢 1不正解
- 本特例の適用を受けた場合、譲渡所得の金額から最高3,000万円を控除することができます。
- 選択肢 2正解
- 家屋を取り壊して更地として譲渡する場合も特例の対象となるため、「適用を受けることはできない」とする記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 本特例を適用するためには、確定申告書に所在地の市区町村から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」を添付する必要があります。
覚えるポイント
- 空き家特例は「耐震改修して譲渡」または「取壊し更地譲渡」のいずれかで適用可能
- 市区町村長発行の被相続人居住用家屋等確認書が必要
間違えやすいところ
- 更地にすると特例が使えないと誤認しやすいが、更地譲渡も対象である
出題の前提:2019年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業用定期借地権方式の特徴
不動産 · 土地の有効活用 / 事業用定期借地権 / 借地借家法
事業用定期借地権方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
事業用定期借地権方式は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的として10年以上50年未満の期間を定めて設定される借地権です。契約の更新、建物の築造による存続期間の延長、建物買取請求権がなく、契約終了時には更地で返還されます。
解き方
- 選択肢1の「借受人が建設資金を貸し付けて土地所有者が建設する手法」は建設協力金方式(リースバック方式等)の説明であり、事業用定期借地権方式ではないことを判断する。
- 選択肢2の事業用定期借地権は契約の更新がない定期借地権であるため、自動更新されるという記述は誤りであることを判断する。
- 選択肢3のメリット(地代収入、更地返還、初期資金不要等)の内容が適切であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- この記述は「建設協力金方式」の説明です。事業用定期借地権方式では土地を貸し、事業者が自ら建物を建築・所有します。
- 選択肢 2不正解
- 事業用定期借地権は定期借地権の一種であるため、契約の更新がなく、期間満了によって契約は確実に終了します。
- 選択肢 3正解
- 事業用定期借地権方式では、土地所有者は資金調達リスクを負わずに地代収入を得られ、満了時には更地で返還されるメリットがあります。
覚えるポイント
- 定期借地権は契約の更新・建物の築造による延長・建物買取請求権がない
- 事業用定期借地権の存続期間は10年以上50年未満で公正証書による契約が必須
間違えやすいところ
- 建設協力金方式と定期借地権方式を混同しやすい
出題の前提:2019年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
準確定申告および相続税申告の期限と提出先
相続・事業承継 · 準確定申告の期限 / 相続税の申告期限 / 申告書の提出先
現時点(2019年9月8日)において、Aさんの相続が開始した場合に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんが2019年分の所得税について確定申告書を提出しなければならない者に該当する場合、相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ① )以内に準確定申告書を提出しなければなりません」 ⅱ)「相続税の申告書の提出期限は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ② )以内です。なお、申告書の提出先は( ③ )の住所地の所轄税務署長になります」
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解答
1
解説
被相続人が死亡した際の税務申告において、所得税の準確定申告は相続開始を知った日の翌日から4カ月以内、相続税申告は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に行います。いずれも被相続人の住所地を所轄する税務署長へ提出します。
解き方
- 準確定申告の期限が「相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内」であることを確認する(①は4カ月)。
- 相続税申告書の提出期限が「相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内」であることを確認する(②は10カ月)。
- 相続税申告書の提出先が相続人の住所地ではなく「被相続人」の住所地の所轄税務署長であることを確認する(③は被相続人)。
- 選択肢 1正解
- ①4カ月、②10カ月、③被相続人となり、すべて正しい組合せです。
- 選択肢 2不正解
- 準確定申告の期限は3カ月ではなく4カ月以内であり、提出先も相続人ではなく被相続人の所轄税務署長です。
- 選択肢 3不正解
- 準確定申告の期限は4カ月以内、相続税申告の期限は10カ月以内であるため誤りです。
覚えるポイント
- 準確定申告は4カ月以内
- 相続税の申告納付は10カ月以内
- 申告書の提出先は被相続人の住所地の所轄税務署長
間違えやすいところ
- 相続税申告書の提出先を「各相続人の住所地」と勘違いしやすい
出題の前提:2019年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 代襲相続 / 法定相続分
Aさんの相続が現時点(2019年9月8日)で開始し、課税遺産総額が2億円であった場合の相続税の総額は、次のうちどれか。なお法定相続人は、妻Bさん、長男Cさん、死亡した二男Dさんの代襲相続人である孫Gさん・孫Hさんの計4人である。
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解答
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解説
相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして各人の取得金額を算出し、相続税の速算表を適用して各人ごとの算出税額を計算したうえで、それらをすべて合算して求めます。
解き方
- 法定相続人と法定相続分を確認する:妻B(1/2)、長男C(1/4)、孫G(二男の代襲相続人:1/8)、孫H(二男の代襲相続人:1/8)。
- 各人の法定相続分に応ずる取得金額を求める:妻B=2億円×1/2=1億円、長男C=2億円×1/4=5,000万円、孫G=2億円×1/8=2,500万円、孫H=2億円×1/8=2,500万円。
- 速算表を適用して各人の税額を算出する:妻B=1億円×30%-700万円=2,300万円、長男C=5,000万円×20%-200万円=800万円、孫G=2,500万円×15%-50万円=325万円、孫H=2,500万円×15%-50万円=325万円。
- 合算して相続税の総額を求める:2,300万円+800万円+325万円+325万円=3,750万円。
- 選択肢 1正解
- 各法定相続人の法定相続分に応じた税額(2,300万円+800万円+325万円+325万円)の合計は3,750万円となります。
- 選択肢 2不正解
- 計算手順または法定相続分の按分・控除額の適用に誤りがあります。
- 選択肢 3不正解
- 代襲相続人の法定相続分を考慮せずに計算するなど、誤った按分に基づく数値です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は、実際の按分割合ではなく「法定相続分」で仮に按分して算出する
- 死亡した子の直系卑属は代襲相続人となり、その子の相続分を等分で引き継ぐ
間違えやすいところ
- 二男の相続分1/4を孫2人で分け合うため、孫G・Hの相続分はそれぞれ1/8になる点を忘れて1/4で計算してしまうミス
出題の前提:2019年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例・相続税額の加算・配偶者の税額軽減
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 相続税額の2割加算 / 配偶者の税額軽減
Aさんの相続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
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解説
配偶者の税額軽減は配偶者の生活保障や財産形成への貢献を考慮し、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い額まで無税となります。特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等を併用する場合は面積の完全併用ができず調整計算が必要です。また代襲相続人となった孫は2割加算の対象外です。
解き方
- 特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等の併用時は限度面積の調整が必要であることを確認する(選択肢1は不適切)。
- 孫Gさんは既に死亡した二男Dの代襲相続人であるため、相続税額の2割加算の対象とならないことを確認する(選択肢2は不適切)。
- 配偶者の税額軽減の基準が「配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円のいずれか多い金額」であることを確認する(選択肢3は適切)。
- 選択肢 1不正解
- 特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等を併用する場合、限度面積の調整計算を行う必要があります(特定居住用330㎡と特定事業用400㎡の併用のような完全併用はできません)。
- 選択肢 2不正解
- 孫Gさんは被相続人の子(二男Dさん)が既に死亡していることによる代襲相続人であるため、相続税額の2割加算の対象外です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者の税額軽減により、配偶者が取得した遺産額が法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか多い金額までは配偶者の納税額は算出されません。
覚えるポイント
- 配偶者の税額軽減は「1億6,000万円」または「法定相続分」のいずれか多い金額まで
- 代襲相続人である直系卑属(孫)は2割加算の対象外
間違えやすいところ
- 養子縁組した孫(孫養子)は2割加算の対象となるが、子が先に死亡した代襲相続人の孫は2割加算の対象外となる点
出題の前提:2019年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年9月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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