日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
特別支給の老齢厚生年金の受給要件と支給開始年齢
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 公的年金 / 受給資格期間
Aさん(1959年9月生まれの男性)が受給できる公的年金制度の老齢給付に関する次の文章の空欄①〜③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「老齢厚生年金の支給開始年齢は原則として65歳ですが、経過的措置として、老齢基礎年金の受給資格期間( ① )年を満たし、かつ、厚生年金保険の被保険者期間が( ② )年以上あることなどの所定の要件を満たしている方は、65歳到達前に特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます。1959年9月生まれのAさんは、原則として、( ③ )歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます」
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解答
3
解説
特別支給の老齢厚生年金は、受給資格期間10年以上かつ厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある者に支給されます。男性の場合、生年月日に応じて段階的に支給開始年齢が引き上げられ、1959年9月生まれは64歳から報酬比例部分のみ受給できます。
解き方
- 老齢年金の受給資格期間が10年以上であることを確認し、空欄①を10とする。
- 特別支給の老齢厚生年金の被保険者期間要件が1年以上であることを確認し、空欄②を1とする。
- 1959年9月生まれの男性の支給開始スケジュール(1958年4月2日〜1960年4月1日生まれは64歳受給開始)を適用して空欄③を64とする。
- 選択肢 1不正解
- 受給資格期間は法改正により25年から10年に短縮されており、被保険者期間要件は10年ではなく1年、支給開始年齢も60歳ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 厚生年金保険の被保険者期間要件は10年ではなく1年であり、1959年9月生まれの男性の支給開始年齢は62歳ではなく64歳です。
- 選択肢 3正解
- 受給資格期間10年、厚生年金保険の被保険者期間1年以上、1959年9月生まれの男性の受給開始年齢64歳の組合せとして適切です。
答えの内訳
- ①:10
- 老齢基礎年金の受給資格期間は、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算して10年以上必要です。
- ②:1
- 特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上(原則として1年以上)あることが必要です。
- ③:64
- 1958年4月2日〜1960年4月1日生まれの男性の場合、報酬比例部分の支給開始年齢は64歳となります(定額部分はなし)。
覚えるポイント
- 特別支給の老齢厚生年金の厚生年金加入要件は1年以上、受給資格期間は10年である。
間違えやすいところ
- 受給資格期間要件の短縮(原則10年)と、配偶者加給年金の20年要件や被保険者期間要件(1年)を取り違えやすい点に注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金の年金額の計算式
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 合算対象期間 / 保険料納付済期間
Aさん(1959年9月13日生まれ)が老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額(2018年度価額)の試算式として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、20歳から22歳までの大学生期間(31月)は国民年金未加入、22歳から65歳までの厚生年金保険加入期間は合計509月(2003年3月以前252月、2003年4月以後257月)である。
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解答
1
解説
老齢基礎年金の計算では、20歳以上60歳未満の保険料納付済月数のみが分子に反映されます。60歳以後の厚生年金被保険者期間は老齢基礎年金の月数には含まれず、合算対象期間(カラ期間)は受給資格期間には算入されますが年金額には反映されません。
解き方
- 20歳から60歳までの総月数は40年間×12か月=480月であることを確認する。
- 20歳から22歳までの未加入期間31月は合算対象期間であり、年金額の計算対象外であるため控除する。
- 480月-31月=449月が老齢基礎年金の基礎となる保険料納付済月数であることを求める。
- 満額779,300円に449月/480月を乗じる計算式を導き出す。
- 選択肢 1正解
- 20歳以上60歳未満の厚生年金加入期間である449月のみが老齢基礎年金の年金額計算に反映されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 60歳以後の厚生年金加入期間(60月)は老齢基礎年金の算入対象外であるため、総加入月数509月を用いるのは誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 学生の任意未加入期間は合算対象期間(カラ期間)であり国庫負担分(1/2等)も反映されないため、年金額計算に加算するのは誤りです。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の額の計算に反映されるのは20歳以上60歳未満の保険料納付済期間・免除期間のみである。
間違えやすいところ
- 60歳以降の厚生年金加入期間を老齢基礎年金の月数に含めて計算してしまうミス。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の在職老齢年金・加給年金額等の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 在職老齢年金 / 加給年金額
MさんがAさんに対して説明した老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
老齢厚生年金の受給権者が65歳に達した時点で被保険者期間が20年以上あり、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合、加給年金が加算されます。配偶者自身に厚生年金期間が20年以上ある受給権があると加算は停止されますが、20年未満であれば加算されます。
解き方
- 選択肢1について、60歳台前半の在職老齢年金は基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超えると支給停止が生じることを確認し、適切と判断する。
- 選択肢2について、65歳到達時に特別支給は終了し本来の老齢年金が発生し、65歳到達時点の記録で再計算されることを確認し、適切と判断する。
- 選択肢3について、加給年金の停止要件は配偶者自身の被保険者期間20年以上であり、妻Bは12年(144月)のため停止されず加算されることを確認し、不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 低在職老齢年金の仕組みにおいて、総報酬月額相当額と基本月額の合計額が28万円を超えると支給停止調整が行われるため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 65歳到達により特別支給の受給権は消滅し、新たに本来の老齢厚生年金が65歳到達時の被保険者記録に基づき裁定されるため正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者の厚生年金被保険者期間が20年(または中高齢特例の期間)以上ある場合に加給年金が停止されるため、12年の妻Bさんに対しては加算されます。したがって不適切です。
覚えるポイント
- 配偶者加給年金の支給停止は、配偶者が「被保険者期間20年以上」の老齢厚生年金の受給権を有する場合である。
間違えやすいところ
- 加給年金の要件である「本人の厚生年金期間20年以上」と「配偶者の被保険者期間20年以上による支給停止」の基準年数を混同しないこと。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨預金と外貨建保険の特徴
金融資産運用 · 外貨預金 / 預金保険制度 / 積立利率
MさんがAさんに対して説明した米ドル建定期預金および米ドル建一時払終身保険の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
外貨預金は為替変動リスクがあり、預金保険制度による保護(元本1,000万円までとその利息)の対象外です。また預金金利は各金融機関が独自に設定します。保険商品の積立利率は手数料等を控除した積立金に対する利率であり、保険料全額に対する利回りとは異なります。
解き方
- 選択肢1について、外貨預金の利率は各金融機関が独自に設定するため金融機関ごとに異なり、不適切と判断する。
- 選択肢2について、外貨預金は預金保険制度の対象外であることを確認し、適切と判断する。
- 選択肢3について、積立利率は一時払保険料全額に対する利回りではなく諸費用控除後の積立金に付利される利率であるため不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 外貨定期預金の適用利率は金融機関ごとに独自に設定されるため、預入条件が同一であっても金融機関によって異なります。
- 選択肢 2正解
- 外貨預金は預金保険制度の保護の対象外であるため、記述として最も適切です。
- 選択肢 3不正解
- 積立利率は一時払保険料から諸費用等を差し引いた積立金に適用される利率であり、保険料総額に対する実質利回りとは異なります。
覚えるポイント
- 外貨預金および譲渡性預金(CD)等は預金保険制度の保護対象外である。
間違えやすいところ
- 保険の「積立利率」と預金等の「利回り」を同一のものと誤解しやすい点に注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨定期預金の税務上の取扱い
金融資産運用 · 外貨預金 / 利子所得 / 為替差損益 / 雑所得
MさんがAさんに対して説明した米ドル建定期預金の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
個人が受け取る外貨預金の利子は利子所得として源泉分離課税(20.315%)されます。満期時や解約時に発生する為替差益は雑所得として総合課税の対象となり、為替差損が生じた場合でも雑所得以外の所得(不動産所得や給与所得など)と損益通算することはできません。
解き方
- 利子に対する課税関係を確認し、国内預金と同様に利子所得として20.315%の源泉分離課税となるため選択肢1を適切と判断する。
- 為替差益は一時所得ではなく雑所得(総合課税)であるため、選択肢2を不適切と判断する。
- 為替差損は雑所得の損失であり、損益通算の対象となる所得(不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得)には含まれないため、選択肢3を不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 外貨定期預金の利子は利子所得として20.315%の源泉分離課税が行われるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 外貨預金から生じる為替差益は一時所得ではなく、雑所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 為替差損は雑所得の赤字となるため、他の各種所得(不動産所得等)と損益通算することはできません。
覚えるポイント
- 外貨預金の利子は利子所得(源泉分離課税)、為替差益は雑所得(総合課税)、為替差損は損益通算不可である。
間違えやすいところ
- 為替差益を一時所得や譲渡所得と混同したり、為替差損を他の所得と損益通算できると誤解するミス。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨定期預金の満期時元利金合計額の円換算
金融資産運用 · 外貨定期預金 / TTB / TTS / 利息計算
Aさんが《設例》の条件(預入金額50,000米ドル、預入期間1年、年利率0.5%、為替予約なし)で米ドル建定期預金に預け入れ、満期時に円貨で受け取った場合における元利金の合計額として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、税金等は考慮しないものとし、満期時の為替レートはTTS 113.00円、TTM 112.00円、TTB 111.00円である。
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解答
1
解説
外貨預金の満期時元利金を円貨で受け取る場合、外貨建て元利金合計額を計算した上で、金融機関が顧客から外貨を買い取って円を支払うレートであるTTB(Telegraphic Transfer Buying rate)を乗じて算出します。
解き方
- 1年後の満期時における米ドル建て元利金を計算する:50,000米ドル + (50,000米ドル × 0.5%) = 50,250米ドル。
- 円貨に戻す際に適用するレートを判定する:顧客がドルを売って円を買うため、金融機関の買値である満期時TTB(111.00円)を適用する。
- 米ドル元利金に満期時TTBを乗じる:50,250米ドル × 111.00円 = 5,577,750円。
- 選択肢 1正解
- 満期時の外貨元利金50,250米ドルに満期時TTBである111.00円を乗じた5,577,750円が正しい金額です。
- 選択肢 2不正解
- 満期時のTTM(仲値:112.00円)を用いて計算した金額(50,250 × 112.00 = 5,628,000円)であり誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 満期時のTTS(113.00円)を用いて計算した金額(50,250 × 113.00 = 5,678,250円)であり誤りです。
覚えるポイント
- 外貨から円貨への転換(払戻し時)には金融機関が外貨を買うレート「TTB」を適用する。
間違えやすいところ
- 預入時のTTS/TTBと満期時のTTS/TTBを取り違える、あるいは円貨受取時にTTSを適用してしまうミス。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得控除と不動産所得の損益通算による総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得控除 / 損益通算 / 不動産所得
Aさんの2018年分の所得税における総所得金額として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、給与収入金額は1,200万円(給与所得控除額は上限220万円)、不動産所得の金額は▲50万円(土地等の取得に係る負債の利子はない)である。
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解答
1
解説
総所得金額は総合課税の所得金額を合算して計算します。給与所得は給与収入から給与所得控除額を差し引いて求めます。不動産所得に生じた赤字は損益通算できますが、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分は損益通算の対象外です(本問では該当なし)。
解き方
- 給与収入1,200万円に対応する給与所得控除額(資料より上限220万円)を控除して給与所得を求める:1,200万円 - 220万円 = 980万円。
- 不動産所得の損失(▲50万円)のうち損益通算できない土地取得利子がないことを確認する。
- 給与所得と不動産所得の損失を損益通算する:980万円 + (▲50万円) = 930万円。
- 選択肢 1正解
- 給与所得980万円から不動産所得の赤字50万円を全額損益通算した930万円が正しい総所得金額です。
- 選択肢 2不正解
- 給与所得の金額(980万円)そのものであり、不動産所得の赤字(▲50万円)との損益通算が行われていません。
- 選択肢 3不正解
- 給与収入1,200万円から不動産所得の赤字50万円のみを控除した金額であり、給与所得控除が適用されていません。
覚えるポイント
- 不動産所得の赤字は損益通算できるが、土地取得に要した負債の利子分は通算対象外となる。
間違えやすいところ
- 給与所得控除の控除忘れ、あるいは不動産所得の赤字を通算できないと誤認するミス。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の配偶者控除および扶養控除の計算
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 合計所得金額 / 同居老親等
Aさんの2018年分の所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①〜③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 ⅰ)「妻Bさんの合計所得金額は( ① )万円を超えていないため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます。Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ② )万円です」 ⅱ)「Aさんが適用を受けることができる母Cさんに係る扶養控除の控除額は、( ③ )万円です」
解答・解説を表示
解答
2
解説
配偶者控除の対象は合計所得金額38万円以下の配偶者で、控除額は納税者の合計所得金額により段階的に減少します(900万円超950万円以下は26万円)。また、70歳以上の直系尊属と同居している場合は「同居老親等」として扶養控除額が58万円になります。
解き方
- 配偶者控除の配偶者側の所得要件は合計所得金額38万円以下であるため、空欄①を38とする(妻の給与所得は100万円-65万円=35万円で要件を満たす)。
- Aさんの合計所得金額930万円を資料の配偶者控除額の表に照らし、900万円超950万円以下における一般控除対象配偶者の控除額が26万円であることを確認して空欄②を26とする。
- 母Cさん(83歳、同居、合計所得金額0円)は「同居老親等」に該当し、扶養控除額が58万円であることを求めて空欄③を58とする。
- 選択肢 1不正解
- 合計所得金額の要件は103万円ではなく38万円(103万円は給与収入ベース)であり、同居老親等に係る扶養控除額は48万円(別居等の老人扶養親族の額)ではなく58万円です。
- 選択肢 2正解
- 合計所得金額要件38万円、Aさんの所得に応じた配偶者控除額26万円、同居老親等の扶養控除額58万円の組合せとして適切です。
- 選択肢 3不正解
- 空欄①は給与収入の103万円ではなく合計所得金額の38万円であり、空欄②は配偶者控除額の表から26万円(13万円は950万円超1,000万円以下)、扶養控除額も特定扶養親族の63万円ではなく58万円です。
答えの内訳
- ①:38
- 配偶者控除の適用対象となる配偶者の合計所得金額要件は、年38万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)です。
- ②:26
- 納税者本人(Aさん)の合計所得金額は930万円(900万円超950万円以下)であり、一般の控除対象配偶者(妻Bさんは55歳)に対する配偶者控除額は資料より26万円となります。
- ③:58
- 同居している70歳以上の母Cさん(83歳、年金収入70万円で所得0円)は同居老親等に該当するため、扶養控除額は58万円となります。
覚えるポイント
- 配偶者控除の対象要件は合計所得金額38万円以下、同居老親等の扶養控除額は58万円である。
間違えやすいところ
- 給与収入要件(103万円)と合計所得金額要件(38万円)の混同、および同居老親等の扶養控除(58万円)と別居等の老人扶養控除(48万円)や特定扶養控除(63万円)の取り違え。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における医療費控除の取扱い
タックスプランニング · 医療費控除 / セルフメディケーション税制 / 通院費
Aさんの2018年分の所得税における医療費控除に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費が一定額を超える場合に受けられる所得控除です。診療を受けるための電車やバス代などの一般的な通院費も対象となります。
解き方
- 通常の医療費控除の控除額の算出式および足切り額(原則10万円、総所得金額等200万円未満の場合は総所得金額等の5%)を確認する。
- 通院費について、電車・バス等の公共交通機関の運賃が医療費控除の対象に含まれるか判断する。
- 選択肢 1不正解
- Aさんの総所得金額等は200万円を超えているため、足切り額は一律10万円となり、支払った医療費の総額が10万円以下であれば医療費控除額は算出されません。
- 選択肢 2不正解
- 通常の医療費控除とセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)は、選択適用とされており併用はできません。
- 選択肢 3正解
- 通院費のうち、患者の通院のために通常必要な電車・バスなどの公共交通機関の交通費は、医療費控除の対象に含まれます(自家用車のガソリン代や駐車料金等は対象外)。
覚えるポイント
- 医師等の診療等を受けるために直接必要な公共交通機関の通院費は医療費控除の対象となる。
間違えやすいところ
- 自家用車で通院した際のガソリン代や駐車場代は対象外だが、電車やバスの運賃は対象となる点を取り違えやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における建蔽率および容積率の計算
不動産 · 建蔽率の緩和 / 容積率制限 / 建築面積・延べ面積
設例の甲土地(敷地面積400㎡、近隣商業地域、指定建蔽率80%、指定容積率400%、防火地域、特定行政庁が指定する角地、前面道路幅員6m)に賃貸マンション(耐火建築物)を建築する場合の、①建蔽率の上限となる建築面積と、②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建蔽率は防火地域内の耐火建築物や角地指定により緩和・適用除外(100%制限なし)の規定が適用されます。容積率は指定容積率と前面道路幅員制限(法定乗数を乗じた値)のいずれか小さい方が上限となります。
解き方
- 建蔽率の計算:指定建蔽率80%の地域で「防火地域内の耐火建築物」に該当するため建蔽率の制限がなくなり100%となります。建築面積上限=400㎡×100%=400㎡。
- 容積率の計算:前面道路幅員6m×法定乗数6/10=360%と、指定容積率400%を比較し、小さい方の360%が上限となります。延べ面積上限=400㎡×360%=1,440㎡。
- 選択肢 1不正解
- 建蔽率の適用除外規定(100%)や容積率の前面道路幅員による制限の比較計算が反映されておらず不適切です。
- 選択肢 2正解
- 建蔽率上限は100%(建築面積400㎡)、容積率上限は360%(延べ面積1,440㎡)となるため最も適切です。
- 選択肢 3不正解
- 延べ面積について、前面道路幅員制限(6m×6/10=360%)を考慮せず指定容積率400%のまま計算しているため不適切です。
覚えるポイント
- 指定建蔽率80%の地域かつ防火地域内で耐火建築物を建てる場合、建蔽率は制限なし(100%)となる。
間違えやすいところ
- 容積率について、前面道路幅員による制限(幅員×乗数)の計算を忘れて指定容積率のまま計算してしまう。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の譲渡に係る税金
不動産 · 長期譲渡所得 / 相続取得した資産の取得費 / 譲渡所得の税率
甲土地の売却に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
相続により取得した土地の所有期間や取得費は被相続人のものを引き継ぎます。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得となります。
解き方
- 相続による取得資産の取得時期・取得費の引継ぎルールを確認する(被相続人の取得時期・取得費を引き継ぐ)。
- 所有期間が譲渡年の1月1日時点で5年を超えるか否かにより、短期か長期かを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続により取得した土地の取得費は、相続税評価額ではなく、被相続人が当該土地を取得した際の購入代金や取得に要した費用等を引き継ぎます。
- 選択肢 2正解
- 相続による取得資産の所有期間は被相続人の所有期間が引き継がれ、譲渡年の1月1日時点で5年を超えているため長期譲渡所得に区分されます。
- 選択肢 3不正解
- 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は、青空駐車場として賃貸している土地(非居住用)の譲渡には適用されません。
覚えるポイント
- 相続等により取得した資産の所有期間および取得費は、被相続人の取得時期・取得費がそのまま引き継がれる。
間違えやすいところ
- 相続税評価額を取得費として差し引くことができると誤認しやすいが、原則は被相続人の購入時の実額等を引き継ぐ。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の有効活用と税務上の特例
不動産 · 貸家建付地 / 小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等) / 住宅用地の課税標準の特例
甲土地の有効活用に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、相続税の課税価格の計算上、甲土地は( ① )として評価されます。また、甲土地が貸付事業用宅地等に該当すれば、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます。貸付事業用宅地等は、200㎡までの部分について( ② )の減額が受けられます」 ⅱ)「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、甲土地に係る固定資産税は、住宅1戸につき200㎡までの部分(小規模住宅用地)について課税標準となるべき価格を( ③ )の額とする特例の適用を受けることができます」
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解答
2
解説
自己所有の土地に自己所有の賃貸マンションを建てた土地は貸家建付地として相続税評価されます。貸付事業用宅地等の小規模宅地特例減額率は50%、固定資産税の小規模住宅用地の課税標準特例は6分の1です。
解き方
- 空欄①:土地所有者が自ら建物を建てて他人に賃貸する場合の土地は「貸家建付地」であることを特定する。
- 空欄②:貸付事業用宅地等の特例減額割合が200㎡まで「50%」であることを確認する。
- 空欄③:固定資産税における住宅用地の特例で、200㎡以下の小規模住宅用地は価格の「6分の1」となることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 貸宅地は他人に借地権等を設定している土地を指し、また小規模住宅用地の固定資産税の課税標準は3分の1ではなく6分の1であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- ①貸家建付地、②50%、③6分の1というすべての語句の組合せが正しく適切です。
- 選択肢 3不正解
- 貸付事業用宅地等の減額率は80%ではなく50%(特定居住用や特定事業用が80%)、小規模住宅用地の特例割合は6分の1であるため不適切です。
覚えるポイント
- 小規模宅地等の特例において貸付事業用宅地等は限度面積200㎡・減額率50%である。
間違えやすいところ
- 固定資産税の特例で、小規模住宅用地(200㎡以下)は6分の1、一般住宅用地(200㎡超)は3分の1である点を取り違えやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続分・遺産に係る基礎控除額・特定居住用宅地等の特例
相続・事業承継 · 法定相続分 / 遺産に係る基礎控除額 / 小規模宅地等の特例
Aさんの相続が開始した場合に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんの相続に係る法定相続人は、妻Bさん、妹Cさん、弟Dさんの3人となる。妻Bさんの法定相続分は( ① )である」 ⅱ)「Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、( ② )である」 ⅲ)「Aさんの相続により、妻Bさんが自宅の敷地を取得し、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、当該敷地は( ③ )までの部分について80%の減額が受けられる」
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解答
3
解説
相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合、配偶者の法定相続分は4分の3(兄弟姉妹が4分の1)です。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で求められ、特定居住用宅地等の限度面積は330㎡(80%減額)となります。
解き方
- 空欄①:被相続人に子および直系尊属がおらず兄弟姉妹が相続人となる場合の配偶者の法定相続分(3/4)を求める。
- 空欄②:法定相続人3人(妻B、妹C、弟D)における基礎控除額「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」を計算する。
- 空欄③:自宅敷地(特定居住用宅地等)の限度面積が330㎡であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 基礎控除額は4,800万円であり、自宅敷地(特定居住用宅地等)の限度面積は330㎡であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合の配偶者の法定相続分は3分の2(直系尊属の場合)ではなく4分の3であり、基礎控除額も4,800万円であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者の法定相続分が4分の3、基礎控除額が4,800万円、特定居住用宅地等の限度面積が330㎡とすべて一致しており適切です。
覚えるポイント
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1(均等分割)となる。
間違えやすいところ
- 配偶者と直系尊属が相続人の場合の相続分(配偶者2/3、尊属1/3)と混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 課税遺産総額 / 法定相続分に応ずる取得金額 / 相続税の総額
仮に、Aさんの相続が現時点で開始し、課税遺産総額が2億円であった場合の相続税の総額として、最も適切なものはどれか。なお、法定相続人は妻Bさん、妹Cさん、弟Dさんの3人である。
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解答
1
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして按分し、それぞれの金額に超過累進税率を適用して算出した税額を合計して求めます。
解き方
- 各法定相続人の法定相続分に応ずる取得金額を算出する:妻Bは2億円×3/4=1億5,000万円、妹Cは2億円×1/8=2,500万円、弟Dは2億円×1/8=2,500万円。
- 速算表を適用して各人の相続税額を算出する:妻Bは1億5,000万円×40%-1,700万円=4,300万円。妹Cは2,500万円×15%-50万円=325万円。弟Dは2,500万円×15%-50万円=325万円。
- 各人の相続税額を合計する:4,300万円+325万円+325万円=4,950万円。
- 選択肢 1正解
- 妻4,300万円、妹325万円、弟325万円の合計で4,950万円となり最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- 法定相続分の按分割合の誤りや速算表の控除額の計算ミス等による誤った計算結果です。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額に直接税率を乗じるなど、法定相続分に応じた分割計算を行っていない誤った計算結果です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は、実際の遺産分割割合ではなく、法定相続人が法定相続分通りに按分取得したと仮定して各税額を合算する。
間違えやすいところ
- 兄弟姉妹が複数いる場合、兄弟姉妹の取り分(今回は1/4)を頭数で等分(各1/8)することを忘れやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言書の効力および種類と手続
相続・事業承継 · 兄弟姉妹の遺留分 / 公正証書遺言の保管 / 自筆証書遺言の検認
遺言書に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
自筆証書遺言を発見した者は遅滞なく家庭裁判所で検認の手続きを行う必要があります。なお、兄弟姉妹には遺留分が認められておらず、公正証書遺言の原本は公証役場に保管されます。
解き方
- 遺留分権利者の範囲を確認し、兄弟姉妹に遺留分があるかを判断する(兄弟姉妹には遺留分がない)。
- 公正証書遺言の原本の保管先を確認する(公証役場に保管される)。
- 自筆証書遺言の検認義務(遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求する)について確認する。
- 選択肢 1不正解
- 兄弟姉妹(妹C・弟D)には遺留分が認められていないため、遺言で全財産を妻Bに相続させても遺留分を侵害することはありません。
- 選択肢 2不正解
- 公正証書遺言の原本が保管されるのは家庭裁判所ではなく「公証役場」です。
- 選択肢 3正解
- 自筆証書遺言の保管者または発見した相続人は、相続の開始後、遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して検認を請求しなければなりません。
覚えるポイント
- 兄弟姉妹には遺留分が一切ないため、遺言によって全財産を配偶者等に遺贈・相続させることが可能。
間違えやすいところ
- 公正証書遺言の原本保管先を「家庭裁判所」と混同しやすいが、正しくは「公証役場」である。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年5月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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