日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
老齢基礎年金の額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 合算対象期間 / 年金額の計算式
設例のAさん(昭和38年10月17日生まれの女性)が老齢基礎年金を65歳から受給する場合の年金額の計算式として、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。なお、老齢基礎年金の満額は平成30年度価額(779,300円)に基づき計算するものとする。
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解答
1
解説
老齢基礎年金の額は、満額に「保険料納付済月数+保険料免除月数に応じた月数」を480月で除した割合を乗じて算出します。学生時代の任意未加入期間は合算対象期間(カラ期間)として受給資格期間には算入されますが、年金額の反映対象にはなりません。
解き方
- 設例より20歳から22歳までの学生期間(30月)は国民年金未加入(合算対象期間)であり年金額に反映されないことを確認します。
- 厚生年金保険の被保険者期間は204月+246月=450月であり、第2号被保険者期間として老齢基礎年金の保険料納付済期間に全額算入されるため、計算式は779,300円×450月/480月となります。
- 選択肢 1正解
- 納付済期間450月のみが年金額の計算に反映され、合算対象期間(30月)は金額計算には反映されないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 任意未加入であった期間は免除期間ではなく合算対象期間であるため、2分の1を乗じて年金額に加算することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 任意未加入であった期間は合算対象期間であり、国庫負担相当分の3分の1等を乗じて年金額に反映することはできません。
覚えるポイント
- 合算対象期間(カラ期間)は受給資格期間の10年には算入されるが年金額の計算には反映されない。
間違えやすいところ
- 保険料免除期間の計算式(国庫負担分を加算する端数計算)と合算対象期間を混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等(平成30年度老齢基礎年金満額779,300円)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の受給要件と繰上げ請求
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 加給年金 / 老齢年金の繰上げ請求
設例のAさんに対する老齢厚生年金に関するFPのMさんの説明として、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。
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解答
3
解説
公的年金の繰上げ受給は、原則として老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に請求する必要があります。また、女性の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢引き上げスケジュールは男性より5年遅れており、加給年金の対象となる子の要件には年齢制限が存在します。
解き方
- 女性の特別支給の老齢厚生年金は昭和41年4月1日以前生まれまで報酬比例部分が支給されるため、昭和38年10月生まれのAさんにも支給があることを確認します。
- 加給年金の対象となる「子」は18歳到達年度末日までの子または20歳未満で障害等級1・2級の子に限られるため、19歳で障害のない長男Cさんは加算対象外であることを判定します。
- 老齢厚生年金の繰上げ請求は老齢基礎年金の繰上げ請求と同時に行わなければならないルールを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 女性の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)は昭和41年4月1日以前生まれまで支給されるため、昭和38年10月生まれのAさんには62歳から支給されます。
- 選択肢 2不正解
- 加給年金の加算対象となる子は18歳到達年度の末日までの子等に限られるため、19歳で障害等級にない長男Cさんは対象とならず加給年金は加算されません。
- 選択肢 3正解
- 老齢厚生年金の繰上げ支給の請求は、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求と同時に行わなければならないため適切です。
覚えるポイント
- 繰上げ受給は基礎年金と厚生年金を同時に請求しなければならない(繰下げは別々に請求可能)。
間違えやすいところ
- 女性の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢スケジュールを男性(昭和36年4月1日以前生まれで終了)と混同しないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の学生納付特例制度
ライフプランニングと資金計画 · 学生納付特例制度 / 受給資格期間 / 追納制度
国民年金の学生納付特例制度に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。 「本制度は、国民年金の第1号被保険者で大学等の所定の学校に在籍する学生について、( ① )の前年所得が一定額以下の場合、被保険者等からの申請に基づき、国民年金保険料の納付を猶予する制度です。なお、本制度の適用を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間に算入( ② )。 本制度の適用を受けた期間の保険料は、( ③ )年以内であれば、追納することができます。ただし、本制度の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます」
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解答
3
解説
国民年金の学生納付特例制度は、学生本人の前年所得が一定基準以下である場合に保険料の納付が猶予される制度です。承認期間は受給資格期間に算入されますが、追納しない限り老齢基礎年金の額には反映されません。追納可能期間は過去10年以内です。
解き方
- 学生納付特例制度の所得要件は、世帯主や親の所得は問われず「学生本人」の前年所得のみで判定されることを確認します(①は学生本人)。
- 猶予された期間は、受給資格期間(10年の要件)には算入されることを確認します(②はされます)。
- 保険料の追納可能期間は承認を受けた月から「10年」以内であることを確認します(③は10)。
- 選択肢 1不正解
- 一般の免除制度と異なり学生本人の所得のみが審査対象であり、また受給資格期間には算入されるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 受給資格期間には算入され、追納可能期間は5年ではなく10年以内であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- ①学生本人、②されます、③10の組み合わせが全て正確であるため適切です。
覚えるポイント
- 学生納付特例制度は学生本人の所得のみで審査され、親や世帯主の所得は不問である。
間違えやすいところ
- 一般の保険料免除(本人・配偶者・世帯主の所得審査)と学生納付特例(本人のみ審査)の所得要件を混同しないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
代表的な株価指数の特徴
金融資産運用 · TOPIX / 日経平均株価 / ダウ・ジョーンズ工業株価平均
株価指数に関するFPのMさんの説明として、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。
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解答
1
解説
TOPIXは東証一部の全銘柄を対象とした時価総額加重型の指数であり、大型株の影響を強く受けます。日経平均株価は東証一部の代表的な225銘柄を対象とした株価平均型(修正平均型)の指数で値がさ株の影響を受けます。ダウ平均株価は米国の代表的な30銘柄で構成される修正平均型指数です。
解き方
- TOPIXの対象銘柄(東証一部内国普通株式全銘柄)および算出方式(時価総額加重型で時価総額大の銘柄の影響大)を確認します。
- 日経平均株価は「東証一部の225銘柄」であり「400銘柄」や「市場第二部」を含む記述が誤りであることを確認します。
- ダウ平均株価は「代表的な30銘柄」で構成され、「全銘柄」とする記述が誤りであることを確認します。
- 選択肢 1正解
- TOPIXは東証一部全銘柄を対象とする時価総額加重型指数であり、大型株の影響を受けやすいため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 日経平均株価は東京証券取引所市場第一部に上場する代表的な225銘柄を対象としており、第二部は含まれず銘柄数も400銘柄ではないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- ダウ平均株価は米国の市場を代表する優良30銘柄で構成されており、上場全銘柄ではないため不適切です。
覚えるポイント
- TOPIX=時価総額加重型(大型株の影響大)、日経平均株価=225銘柄・修正平均型(値がさ株の影響大)。
間違えやすいところ
- 日経平均株価の採用銘柄数(225銘柄)やダウ平均株価の採用銘柄数(30銘柄)を取り違えないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標(PER・ROE)の計算と理解
金融資産運用 · PER / ROE / EPS
設例のX社に関する資料に基づき、株式の投資指標について説明した次の記述の中から、最も不適切なものを1つ選びなさい。 <X社に関する資料> 総資産:2,000億円、自己資本(純資産):600億円、当期純利益:45億円、年間配当金総額:18億円、発行済株式数:6,000万株、株価:1,200円、決算期:2月末
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解答
2
解説
PER(株価収益率)は「株価÷1株当たり当期純利益(EPS)」で計算されます。ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本×100」で計算され、企業の自己資本を活用した収益力を示します。総資産に対する当期純利益の割合はROA(総資産利益率)です。
解き方
- 1株当たり当期純利益(EPS)=当期純利益45億円÷発行済株式数6,000万株=75円を計算します。
- PER=株価1,200円÷EPS75円=16倍となり、記述1が正しいことを確認します。
- ROE=当期純利益45億円÷自己資本600億円×100=7.5%を計算し、記述2の「総資産に対する割合」「2.25%」はROA(45億円÷2,000億円×100=2.25%)の説明であり不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- EPSは45億円÷6,000万株=75円となり、PERは株価1,200円÷75円=16倍と正しく計算されています。
- 選択肢 2正解
- ROEは「自己資本」に対する当期純利益の割合(45億円÷600億円=7.5%)であり、選択肢の説明と数値はROA(総資産利益率)のものであるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 投資指標は同業他社比較や時系列比較を通じて総合的に判断することが適切です。
覚えるポイント
- ROE=当期純利益÷自己資本×100、ROA=当期純利益÷総資産×100。
間違えやすいところ
- ROE(自己資本利益率)の分母に「総資産」を入れてROAと混同して計算しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場不動産投資信託(J-REIT)の特徴と税務
金融資産運用 · J-REIT / 不動産投資信託 / 配当所得
上場不動産投資信託(J-REIT)に関するFPのMさんのアドバイスとして、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。
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解答
2
解説
J-REIT(上場不動産投資信託)は、投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの実物不動産を取得・運用し、その賃料収入や売買益を原資として投資家に分配する仕組みです。証券取引所で上場株式と同様に取引され、分配金は税法上「配当所得」として扱われます。
解き方
- J-REITの投資対象が不動産会社の株式ではなく「実物不動産等」であることを確認します(選択肢1は誤り)。
- 上場株式と同様に証券取引所で売買でき、実物不動産に比べ流動性が高く少額から投資可能という特徴を確認します(選択肢2は正しい)。
- J-REITの分配金は「配当所得」に区分され、「不動産所得」ではないことを確認します(選択肢3は誤り)。
- 選択肢 1不正解
- J-REITの主たる投資対象はオフィスビルや商業施設、住宅などの実物不動産であり、不動産会社の株式ではないため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 証券取引所を通じて売買でき、実物不動産に比べ流動性が高く少額資金で投資できるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- J-REITの分配金は税法上「配当所得」に分類され、不動産所得ではないため不適切です。
覚えるポイント
- J-REITの分配金は「配当所得」、譲渡損益は「譲渡所得等」として上場株式と同様に課税される。
間違えやすいところ
- 不動産を対象とする投資信託であることから、受け取る分配金を「不動産所得」と勘違いしないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得控除および総所得金額の計算
タックスプランニング · 給与所得 / 給与所得控除 / 総所得金額
設例の資料に基づき、Aさんの平成30年分の所得税における総所得金額として、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。 <Aさんの平成30年分の収入等に関する資料> (1)給与収入の金額:930万円 (2)不動産所得の金額:120万円 <給与所得控除額の速算表(抜粋)> ・給与収入660万円超~1,000万円以下:収入金額 × 10% + 120万円
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解答
2
解説
総所得金額は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の各総合課税の所得金額を損益通算した後の合計額です。給与所得は給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算します。
解き方
- 給与収入930万円に対する給与所得控除額を計算します:930万円 × 10% + 120万円 = 213万円。
- 給与所得の金額を算出します:930万円 - 213万円 = 717万円。
- 総所得金額を算出するため、給与所得と不動産所得を合算します:717万円 + 120万円 = 837万円。
- 選択肢 1不正解
- 717万円は給与所得の金額のみであり、不動産所得120万円が合算されていないため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 給与所得717万円に不動産所得120万円を合算した837万円が総所得金額として正しいため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 1,050万円は給与収入930万円と不動産所得120万円の単純合計額であり、給与所得控除が考慮されていないため不適切です。
覚えるポイント
- 総所得金額を求める際は、収入金額から控除額を差し引いて所得金額を求めてから合算する。
間違えやすいところ
- 給与所得の計算で終わらず、設例にある不動産所得を漏れなく合算すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
年末調整・配偶者控除・扶養控除の適用判定
タックスプランニング · 年末調整 / 配偶者控除 / 扶養控除
Aさんの平成30年分の所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。 ⅰ)( ① )、医療費控除および寄附金控除の3種類の所得控除については、年末調整では適用を受けることができないため、これらの控除の適用を受けるためには所得税の確定申告が必要となる。 ⅱ)Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ② )である。 ⅲ)Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、( ③ )である。 <資料:配偶者控除額の金額(抜粋)> 合計所得金額900万円以下:一般の控除対象配偶者 38万円 合計所得金額900万円超950万円以下:一般の控除対象配偶者 26万円
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解答
1
解説
所得控除のうち「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」の3つは年末調整で受けることができず確定申告が必要です。配偶者控除は納税者本人の合計所得金額が900万円以下であれば満額38万円が適用されます。扶養控除は、年間の合計所得金額が38万円以下(給与収入103万円以下)の生計を一にする親族が対象で、16歳以上19歳未満は一般扶養親族(38万円)となります。
解き方
- 年末調整で適用を受けられない所得控除は「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」であるため、①は「雑損控除」と特定します。
- Aさんの合計所得金額は837万円(900万円以下)であり、妻Bさんは無収入のため、配偶者控除額は「38万円」となります(②は38万円)。
- 長男Cさんは給与収入150万円(給与所得85万円>38万円)のため控除対象外。長女Dさん(17歳)は無収入のため一般の控除対象扶養親族に該当し、控除額は「38万円」となります(③は38万円)。
- 選択肢 1正解
- ①雑損控除、②38万円、③38万円の組み合わせが全て正確であるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 住宅借入金等特別控除は税額控除であり、配偶者控除額も26万円ではなく38万円であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 小規模企業共済等掛金控除は年末調整で受けることができ、長男Cは所得基準を超えて扶養控除の対象外となるため不適切です。
覚えるポイント
- 年末調整で受けられない控除は「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」の3つ。
間違えやすいところ
- 給与収入150万円の長男C(アルバイト)を特定扶養親族(63万円)として控除に含めてしまわないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の確定申告の手続きと要件
タックスプランニング · ふるさと納税ワンストップ特例 / 医療費控除の確定申告 / 確定申告の提出期間
Aさんの平成30年分の所得税の確定申告に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
ふるさと納税ワンストップ特例制度は確定申告が不要な給与所得者等で寄附先自治体が5団体以内の場合に利用できる制度です。5団体を超える場合や、医療費控除の適用等のために確定申告を行う場合にはワンストップ特例の適用は受けられず、すべての寄附金について確定申告書で控除を申告する必要があります。
解き方
- 設例におけるAさんの寄附先自治体数(10自治体)および医療費控除の適用の有無を確認する。
- ワンストップ特例の適用要件(5自治体以内、確定申告を行わないこと)に照らし合わせ、適用可否を判断する。
- 選択肢 1正解
- ふるさと納税ワンストップ特例制度は年間の寄附先が5自治体以内の場合に限り利用できます。Aさんは10の自治体に寄附しているため本制度は利用できず、寄附金控除を受けるためには確定申告が必要です。また医療費控除を受けるために確定申告を行う際にもワンストップ特例は無効となるため、本記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 医療費控除の適用を受けるためには、確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付して提出する必要があります(医療費の領収書は5年間の保存義務があります)。したがって適切です。
- 選択肢 3不正解
- 所得税の確定申告書の提出期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までであり、納税者の住所地を所轄する税務署長に対して提出します。したがって適切です。
覚えるポイント
- ふるさと納税ワンストップ特例は寄附先が5自治体以内で確定申告を要しない給与所得者等が対象です。
間違えやすいところ
- 医療費控除等で確定申告をする場合、ワンストップ特例を申請済みであっても全寄附分を申告書に記載しなければ控除対象外となる点に注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建蔽率・容積率に基づく建築可能面積の計算
不動産 · 建築面積の上限 / 延べ面積の上限 / 道路幅員による容積率制限
設例の甲土地における①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
建築面積の上限は「敷地面積×適用建蔽率」で求めます。延べ面積の上限は「敷地面積×適用容積率」で求め、適用容積率は指定容積率と前面道路幅員に法定乗数を乗じた基準容積率のいずれか小さい方(厳しい制限)となります。
解き方
- 甲土地の敷地面積(180㎡)と指定建蔽率(60%)を確認し、防火地域・角地等の緩和がないため180㎡×60%=108㎡と算出する。
- 前面道路幅員6mに法定乗数4/10を乗じて24%(240%)を算出し、指定容積率200%と比較して小さい方の200%を適用容積率とする。
- 延べ面積の上限を180㎡×200%=360㎡と算出し、組合せ(①108㎡、②360㎡)を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 建築面積108㎡は正しいですが、容積率を216㎡とするのは誤りです(216㎡は延べ面積計算の誤りです)。
- 選択肢 2正解
- 建築面積の上限は180㎡×60%=108㎡、容積率の上限は200%と240%(6m×4/10)の小さい方である200%を採用して180㎡×200%=360㎡となり、正しく合致しています。
- 選択肢 3不正解
- 甲土地に建蔽率の緩和条件はなく144㎡にはなりません。また延べ面積432㎡も誤りです。
覚えるポイント
- 住居系用途地域における前面道路幅員制限の法定乗数は原則4/10、その他の地域は原則6/10です。
間違えやすいところ
- 前面道路幅員による制限(240%)と指定容積率(200%)を比較する際、大きい方を選んでしまわないよう注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的管理価格と相続税路線価の表示
不動産 · 地価公示価格 / 相続税路線価 / 借地権割合
不動産の価格に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)土地の価格には、「実勢価格(取引価格)」「公示価格」「基準地標準価格」「相続税路線価」「固定資産税評価額」の5つがあるといわれ、このうち相続税路線価は( ① )の8割程度に設定されている。( ① )は、毎年1月1日を基準日として、国土交通省の土地鑑定委員会が判定し、3月に公表されるものである。 ⅱ)《設例》の図では相続税路線価が表示されているが、この道路に示された「200D」とは、1㎡当たりの価額が( ② )万円、借地権割合が( ③ )%であることを示している。
解答・解説を表示
解答
2
解説
地価公示法に基づく公示価格は国土交通省土地鑑定委員会が判定し毎年1月1日時点の価格を3月に公表します。相続税路線価は公示価格の80%程度を目安に国税庁が公表します。路線価図の数値は1㎡あたりの千円単位の価格を表し、アルファベット(A〜G)は10%刻みで借地権割合(90%〜30%)を表します。
解き方
- 問題文ⅰの「1月1日基準日・国土交通省土地鑑定委員会判定・3月公表」および路線価がその8割程度である点から、①が「公示価格」であることを特定する。
- 路線価記号「200D」の数値「200」は千円単位であるため、200×1,000円=20万円/㎡(②は20)を特定する。
- 借地権割合の記号(A=90%、B=80%、C=70%、D=60%、E=50%…)より、Dが60%(③は60)であることを特定する。
- 選択肢 1不正解
- ①が実勢価格となっている点、またDに対応する借地権割合が50%となっている点(50%はE)が誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①は公示価格、②は200千円=20万円、③は記号Dに対応する借地権割合60%であり、正しく合致しています。
- 選択肢 3不正解
- ②は単位が「万円」とされているため20が正しく(200とすると200万円になる)、また借地権割合70%は記号Cであるため誤りです。
覚えるポイント
- 路線価のアルファベットはA(90%)からG(30%)まで10%刻みで借地権割合を示します。数値は千円単位です。
間違えやすいところ
- 路線価の数字をそのまま万円単位と勘違いして200万円と誤答しないように注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の地価公示法および財産評価基本通達
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記事項証明書の記載内容と取得手続
不動産 · 不動産登記簿の構成 / 全部事項証明書の請求先 / 法務局
不動産登記簿の見方およびその調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産登記制度は国の機関である法務局(登記所)が管轄しています。登記簿の表題部には不動産の物理的現況、権利部甲区には所有権に関する事項、権利部乙区には所有権以外の権利(抵当権等)が記録されます。登記事項証明書は手数料を納付すれば利害関係の有無にかかわらず誰でも法務局で取得可能です。
解き方
- 不動産登記事項証明書を交付する管轄機関(法務局)と市区町村役場の違いを整理する。
- 選択肢3で「市区町村役場に申請する」とされている内容が誤りであることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産登記簿の権利部は甲区と乙区に分かれており、所有権に関する事項は甲区に記録されます。したがって適切です。
- 選択肢 2不正解
- 全部事項証明書は手数料を納付すれば誰でも交付を受けられます。申請の際は住所(住居表示)ではなく土地の「地番」や建物の「家屋番号」を指定して申請します。したがって適切です。
- 選択肢 3正解
- 不動産登記簿の全部事項証明書を取得する窓口は法務局(登記所)であり、市区町村役場ではありません。オンライン請求も法務省の登記・供託オンライン申請システム等を利用します。よって不適切です。
覚えるポイント
- 登記事項証明書の取得先は法務局(登記所)であり、固定資産課税台帳などを扱う市区町村役場と混同しないようにします。
間違えやすいところ
- 住民票や固定資産評価証明書(役所)と、登記簿謄本(法務局)の窓口の混同に注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の不動産登記法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産に係る基礎控除額・死亡退職金非課税枠・小規模宅地特例
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 死亡退職金の非課税限度額 / 特定居住用宅地等の減額割合
Aさんの相続に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)Aさんの相続税における遺産に係る基礎控除額は( ① )万円である。 ⅱ)妻Bさんが受け取った死亡退職金5,000万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は( ② )万円である。 ⅲ)妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、特定居住用宅地等として小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、その敷地は330㎡までの部分について( ③ )%の減額が受けられる。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。死亡退職金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です。被相続人に実子がある場合、法定相続人の数に算入できる養子の数は1人までです。また、小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の限度面積は330㎡で、減額割合は80%です。
解き方
- 法定相続人をカウントする:配偶者(妻B)、実子(長女C)、普通養子(D)の3人(実子がいるため養子は1人まで算入可能)。
- 基礎控除額を計算する:3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円(空欄①)。
- 死亡退職金の課税価格算入額を計算する:非課税限度額は500万円 × 3人 = 1,500万円。算入額は5,000万円 - 1,500万円 = 3,500万円(空欄②)。
- 特定居住用宅地等の減額割合を確認する:80%(空欄③)。
- 選択肢 1不正解
- 基礎控除額4,200万円(法定相続人を2人とした誤り)および減額割合50%(貸付事業用宅地等と混同)が誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 死亡退職金の課税価格算入額が非課税限度額(1,500万円)の数値になっており、また特定居住用宅地等の減額割合が50%となっている点が誤りです。
- 選択肢 3正解
- ①基礎控除額4,800万円、②課税価格算入額3,500万円、③特定居住用宅地等の減額割合80%であり、すべて正しく合致しています。
覚えるポイント
- 実子がいる場合の養子の法定相続人算入限度は1人、実子がいない場合は2人までです。
間違えやすいところ
- 死亡退職金の問題で「非課税限度額」そのものを問われているのか「課税価格に算入される金額」を問われているのかを読み違えないように注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の相続税法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続手続(準確定申告・遺言書の検認・相続税申告期限)
相続・事業承継 · 準確定申告の期限 / 自筆証書遺言の検認 / 相続税の申告期限と提出先
Aさんの相続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
被相続人が死亡した場合、準確定申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に被相続人の住所地所轄税務署長に提出します。自筆証書遺言を発見した場合は遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を受けなければなりません。相続税の申告および納付期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内であり、提出先は被相続人の住所地所轄税務署長です。
解き方
- 準確定申告の期限(4カ月)と選択肢1の「3カ月」を照らし合わせて誤りと判断する。
- 遺言書の検認機関(家庭裁判所)と選択肢2の「所轄税務署長」を照らし合わせて誤りと判断する。
- 相続税申告の提出期限(10カ月以内)および提出先(被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署長)を確認し、選択肢3が適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 所得税の準確定申告の提出期限は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から「4カ月以内」です。「3カ月以内」は相続放棄や限定承認の熟慮期間です。
- 選択肢 2不正解
- 自筆証書遺言の検認を請求する先は「家庭裁判所」です。税務署長ではありません。
- 選択肢 3正解
- 相続税の申告書は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。したがって適切です。
覚えるポイント
- 相続手続の期限:放棄・限定承認は3カ月、準確定申告は4カ月、相続税の申告・納付は10カ月以内です。
間違えやすいところ
- 相続税の申告書の提出先は「相続人」の住所地ではなく「被相続人」の死亡時の住所地を所轄する税務署長である点に注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の民法、所得税法、相続税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 法定相続分 / 相続税の速算表 / 相続税の総額
Aさんの相続に係る課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が2億4,000万円であった場合の相続税の総額は、次のうちどれか。
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解答
1
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を実際の遺産分割割合にかかわらず各法定相続人が「法定相続分」に応じて取得したものと仮定して各人の取得金額を計算し、それぞれに速算表の税率を適用して税額を求めた後、それらを合算して求めます。
解き方
- 法定相続人と法定相続分を確認する:配偶者B=1/2、子(実子C・養子Dで均等分割)=各1/4。
- 課税遺産総額2億4,000万円を法定相続分で按分する:妻B=1億2,000万円、長女C=6,000万円、養子D=6,000万円。
- 速算表を適用して各人の相続税額を計算する:妻Bは1億2,000万円×40%-1,700万円=3,100万円、長女Cは6,000万円×30%-700万円=1,100万円、養子Dは6,000万円×30%-700万円=1,100万円。
- 各人の相続税額を合計する:3,100万円+1,100万円+1,100万円=5,300万円。
- 選択肢 1正解
- 妻Bの税額3,100万円、長女Cの税額1,100万円、養子Dの税額1,100万円の合計は5,300万円となり、計算結果と完全に一致します。
- 選択肢 2不正解
- 6,200万円は法定相続人の按分計算や速算表の適用を誤った計算結果です。
- 選択肢 3不正解
- 8,100万円は2億4,000万円に直接速算表(45%-2,700万円=8,100万円)を適用してしまうなどの計算誤りです。
覚えるポイント
- 相続税の総額の計算では、実際の取得割合ではなく必ず「法定相続分」で按分して各人の税額を求めます。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額全体に対して直接速算表を適用してしまう間違いが非常に多いため注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年1月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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