日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
特別支給の老齢厚生年金と在職老齢年金
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 在職老齢年金 / 受給資格期間
MさんがAさん(昭和34年5月11日生まれの男性)に対して説明した、65歳到達前の老齢給付に関する文章の空欄①〜③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「老齢基礎年金の受給資格期間である( ① )年を満たし、かつ、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あることなどの要件を満たしている方は、65歳到達前に特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。昭和34年5月生まれのAさんは、原則として、( ② )歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。 なお、Aさんが( ② )歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務し、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が( ③ )万円(平成30年度の支給停止調整開始額)を超えるときは、特別支給の老齢厚生年金の年金額の一部または全部が支給停止となります」
解答・解説を表示
解答
2
解説
公的年金の老齢給付を受けるための受給資格期間は原則10年です。男性の場合、昭和28年4月2日〜昭和36年4月1日生まれの人は生年月日に応じて段階的に特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)が支給され、60歳台前半の在職老齢年金では総報酬月額相当額と基本月額の合計が28万円を超えると支給停止の仕組みが適用されます。
解き方
- 公的年金の受給資格期間を確認し、①に10を当てはめる。
- 昭和34年5月生まれの男性の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の開始年齢を判定し、②に64を当てはめる。
- 60歳台前半の在職老齢年金における平成30年度の支給停止調整開始額(28万円)を確認し、③に28を当てはめる。
- 選択肢 1不正解
- 昭和34年5月生まれの男性の支給開始年齢は64歳であり、60歳台前半の在職老齢年金の基準額は28万円であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①受給資格期間は10年、②昭和34年5月生まれの男性の支給開始年齢は64歳、③60歳代前半の支給停止調整開始額は28万円となり、正しい組合せです。
- 選択肢 3不正解
- 受給資格期間は法改正により10年となっており25年ではありません。また、③の支給停止調整開始額も28万円であるため誤りです。
答えの内訳
- 空欄①:10
- 公的年金の受給資格期間は、平成29年8月1日の法改正により従来の25年から「10年」に短縮されました。
- 空欄②:64
- 昭和34年5月生まれの男性の場合、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は「64歳」です。
- 空欄③:28
- 60歳以上65歳未満の在職老齢年金において、年金の基本月額と総報酬月額相当額との合計が支給停止調整開始額「28万円」(平成30年度)を超えると年金の一部または全部が支給停止となります。
覚えるポイント
- 特別支給の老齢厚生年金の生年月日ごとの支給開始年齢の推移
- 60歳台前半の在職老齢年金の支給停止調整開始額(28万円)
間違えやすいところ
- 受給資格期間を旧制度の25年と混同すること
- 60歳台前半の在職老齢年金の基準額(28万円)と65歳以降の基準額(46万円・平成30年度)を混同すること
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
65歳以降の老齢給付(厚生年金・基礎年金・加給年金)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 老齢基礎年金 / 加給年金額
MさんがAさんに対して説明した、65歳以後に受給することができる公的年金制度からの老齢給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
本来支給の老齢厚生年金は、65歳到達時までの厚生年金被保険者記録に基づいて計算されます。老齢基礎年金は保険料納付済月数が480月に満たない場合は減額され、加給年金額は対象となる配偶者が65歳に達するまで支給されます。
解き方
- 老齢厚生年金の計算対象期間を確認する(65歳到達時点までの記録を反映する)。
- Aさんの年金記録から、国民年金の未加入期間(35月)があるため老齢基礎年金は満額とならないことを確認する。
- 配偶者加給年金の加算終了要件(配偶者が65歳に達するまで)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 65歳到達時に受給権が発生する老齢厚生年金は、原則として65歳到達時までの厚生年金保険被保険者記録に基づいて年金額が算定されます。
- 選択肢 2不正解
- Aさんには20歳から22歳までの間に国民年金の未加入期間が35月あるため、納付済月数が480月に満たず満額は受給できません。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者の加給年金額が加算されるのは、対象となる配偶者である妻Bさんが「65歳」になるまでの間であり、60歳ではありません。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の満額受給には480月の保険料納付済月数が必要
- 加給年金額の対象配偶者は65歳未満であることが条件
間違えやすいところ
- 加給年金の支給停止・終了年齢を60歳と勘違いすること
- 未加入期間があるにもかかわらず老齢基礎年金を満額支給と判断すること
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
継続雇用と公的年金・健康保険・雇用保険
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金第3号被保険者 / 健康保険の被扶養者 / 高年齢雇用継続基本給付金
MさんがAさんに対して説明した、継続雇用制度利用後の社会保険に関する各種取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)に生計を維持されている60歳未満の配偶者は第3号被保険者となります。また雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以降の賃金額が60歳到達時等の賃金月額と比較して75%未満に低下したときに支給されます。
解き方
- 妻Bさんの年齢(52歳)と第2号被保険者であるAさんの被扶養配偶者要件から、第3号被保険者および健保被扶養者の該当性を確認する。
- 雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金の支給要件(賃金が60歳到達時の75%未満に低下)を確認する。
- 設例の雇用条件が「60歳到達時の80%」であることから、給付金の支給要件を満たさないため記述3が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 65歳未満で厚生年金保険に加入する夫に生計を維持されている20歳以上60歳未満の妻は、国民年金の第3号被保険者となります。
- 選択肢 2不正解
- Aさんは60歳以後も健康保険の被保険者であり、専業主婦で年収要件を満たす妻Bさんを引き続き健康保険の被扶養者とすることができます。
- 選択肢 3正解
- 高年齢雇用継続基本給付金は、賃金が60歳到達時の賃金月額の「75%未満」に低下した場合に支給されるため、80%に低下したAさんには支給されません。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給基準は賃金低下率「75%未満」
- 第3号被保険者は65歳未満の第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者
間違えやすいところ
- 高年齢雇用継続給付の支給基準割合を85%や80%と誤認すること
- 夫が60歳を超えて勤務しても65歳未満であれば妻が第3号被保険者になれる点を見落とすこと
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の見直しと公的医療保険制度
リスク管理 · 必要保障額 / 予定利率 / 高額療養費制度
Mさんが個人事業主であるAさんに対して行った、加入中の生命保険の保障内容確認に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
公的医療保険(健康保険や国民健康保険)には、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合にその超過額を支給する高額療養費制度が共通して設けられています。一方、傷病手当金や出産手当金は原則として国民健康保険にはありません。
解き方
- 子どもの成長に伴う必要保障額の減少と生存保障へのシフトという一般的な見直し方針を確認する(記述1は適切)。
- 平成2年契約の終身保険は高予定利率(いわゆるお宝保険)であり継続が有利であることを確認する(記述2は適切)。
- 国民健康保険における高額療養費制度の有無を確認し、制度が存在するため記述3が不適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 子どもが独立すると必要な遺族生活資金は減少するため、死亡保障を減らしつつ医療・介護保障を重視する見直しは適切です。
- 選択肢 2不正解
- 平成2年当時に契約された終身保険は予定利率が高く貯蓄性が高いため、解約せずに保有し続けることが望ましい選択です。
- 選択肢 3正解
- 国民健康保険にも高額療養費制度は設けられており、高額な自己負担を軽減する仕組みが存在するため不適切です。
覚えるポイント
- 高額療養費制度は国民健康保険にも存在する
- 国民健康保険には原則として「傷病手当金」や「出産手当金」がない
間違えやすいところ
- 健康保険(被用者保険)にしかない給付(傷病手当金等)と高額療養費制度を混同すること
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老後資金準備のための諸制度(国民年金基金・iDeCo・小規模企業共済)
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金 / 個人型確定拠出年金 / 小規模企業共済
MさんがAさんに対して説明した、老後の生活資金を準備するための諸制度に関する文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者を対象に、老齢基礎年金に上乗せする年金を支給する任意加入の年金制度です。なお、国民年金基金の加入員は、( ① )を納付することができません」 ⅱ)「確定拠出年金の個人型年金は、将来の年金受取額が加入者の指図に基づく運用実績により左右される年金制度です。通算加入者等期間が( ② )年以上ある場合は、60歳から老齢給付金を受給することができます」 ⅲ)「小規模企業共済制度は、個人事業主が廃業をした場合に必要となる資金を準備しておくための共済制度です。共済金(死亡事由以外)の受取方法には『一括受取り』『分割受取り』『一括受取り・分割受取りの併用』がありますが、税法上、『一括受取り』の共済金(死亡事由以外)は( ③ )所得として課税されます」
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解答
2
解説
自営業者等の老後資金形成制度において、国民年金基金の加入員は付加保険料の重複納付が禁止されています。iDeCoは通算加入者等期間10年以上で60歳受給開始が可能であり、小規模企業共済の一括受取共済金は退職所得控除が受けられる退職所得として課税されます。
解き方
- 国民年金基金と付加年金の重複加入制限を確認し、①を「国民年金の付加保険料」と特定する。
- 確定拠出年金で60歳から受給できる通算加入者等期間の要件を確認し、②を「10」と特定する。
- 小規模企業共済の一括受取り時の税制上の所得区分(退職所得)を確認し、③を「退職」と特定する。
- 選択肢 1不正解
- 確定拠出年金の60歳受給に必要な通算加入者等期間は10年以上であり、小規模企業共済の一括受取金は退職所得となるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①国民年金の付加保険料、②10年、③退職所得の組合せがすべて正しく一致しています。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金基金と個人型確定拠出年金は合計月額6.8万円の枠内で併用可能です。また小規模企業共済の一括受取は退職所得であるため誤りです。
答えの内訳
- 空欄①:国民年金の付加保険料
- 国民年金基金の加入員は、国民年金の付加保険料を併せて納付することはできません。
- 空欄②:10
- 確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)において、60歳から老齢給付金を受給するためには通算加入者等期間が「10年」以上必要です。
- 空欄③:退職
- 小規模企業共済の共済金を一括受取りした場合(死亡退職等を除く廃業等)、税法上は「退職所得」として課税されます。
覚えるポイント
- 国民年金基金と付加年金は重複加入不可
- iDeCoの老齢給付金を60歳から受給するには通算10年以上の加入が必要
- 小規模企業共済の一括受取は「退職所得」、分割受取は「公的年金等控除適用の雑所得」
間違えやすいところ
- 小規模企業共済の一括受取金を一時所得と誤認すること
- 国民年金基金とiDeCoを併用できないと混同すること(枠を合算して併用可能)
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の種類と税制適格特約
リスク管理 · 個人年金保険料税制適格特約 / 変額個人年金保険 / 保証期間付終身年金
Mさんが個人事業主であるAさんに対して行った、個人年金保険に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
個人年金保険料税制適格特約を付加するための要件は、年金受取人が被保険者と同一で契約者またはその配偶者であること、保険料払込期間が10年以上であること、年金支払開始が原則60歳以降で受取期間が10年以上の定期年金または終身年金であること等です。終身年金や保証期間付終身年金もこの対象に含まれます。
解き方
- 変額個人年金保険の運用の仕組みを確認する(特別勘定で運用され年金額が変動する記述1は適切)。
- 保証期間付終身年金における元本割れリスクを確認する(保証期間終了直後に死亡した場合等で受取総額が払込保険料を下回る記述2は適切)。
- 個人年金保険料税制適格特約の適用要件を確認し、保証期間付終身年金も条件を満たせば対象となるため記述3が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 変額個人年金保険は特別勘定で株式や債券等を中心に運用され、その運用実績により将来受け取る年金額が変動します。
- 選択肢 2不正解
- 終身年金は長生きリスクに対応する保険であるため、保証期間経過後すぐに被保険者が死亡した場合など、受取総額が払込保険料を下回ることがあります。
- 選択肢 3正解
- 保証期間付終身年金であっても、年金支払開始年齢や保険料払込期間等の要件を満たせば税制適格特約を付加でき、個人年金保険料控除の対象となります。
覚えるポイント
- 個人年金保険料税制適格特約の要件(10年以上の払込期間、60歳以降の年金受取、10年以上の確定年金または終身年金等)
- 変額年金保険の保険料は一般生命保険料控除の対象(税制適格特約は付加不可)
間違えやすいところ
- 終身年金には個人年金保険料税制適格特約が付加できないと誤解すること
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の金額 / 役員退職金
X社を勇退するAさん(役員在任期間35年)に役員退職金5,000万円が支給された場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、最も適切なものはどれか。なお、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者となったことが退職の直接の原因ではないものとする。
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解答
2
解説
退職所得の金額は、原則として「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」により計算します。勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります(役員等としての勤続年数が5年以下の場合は1/2計算の特例除外がありますが、本問は35年のため通常の1/2計算が適用されます)。
解き方
- 勤続年数35年に基づき退職所得控除額を計算する:40万円×20年+70万円×(35-20)年=1,850万円。
- 収入金額5,000万円から控除額1,850万円を差し引く:5,000万円-1,850万円=3,150万円。
- 差引額に1/2を乗じて退職所得の金額を算出する:3,150万円×1/2=1,575万円。
- 選択肢 1不正解
- 計算過程で控除額や端数処理の誤りがあるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 退職所得控除額は1,850万円となり、(5,000万円-1,850万円)×1/2=1,575万円となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 勤続年数20年超の70万円加算や1/2乗算の適用誤りによる数値であり不適切です。
答えの内訳
- 退職所得控除額:1,850万円
- 勤続年数が35年(20年超)のため、40万円×20年+70万円×(35年-20年)=800万円+1,050万円=1,850万円となります。
- 退職所得の金額:1,575万円
- 退職所得の金額=(収入金額5,000万円-退職所得控除額1,850万円)×1/2=3,150万円×1/2=1,575万円となります。
覚えるポイント
- 退職所得控除額:20年以下は40万円×勤続年数、20年超は800万円+70万円×(勤続年数-20年)
- 退職所得の金額=(収入金額-控除額)×1/2(特定役員退職手当等を除く)
間違えやすいところ
- 退職所得控除後の金額から1/2を掛けるのを忘れること
- 役員退職金だからといって勤続5年超であるにもかかわらず1/2計算を行わないこと
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の長期平準定期保険の経理処理と返戻率
リスク管理 · 長期平準定期保険 / 法人の保険経理処理 / 解約返戻金
MさんがAさんに対して行った、法人契約の長期平準定期保険(保険期間99歳満了、長男Bさん被保険者・43歳加入、受取人X社)に関する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
長期平準定期保険(被保険者の加入時年齢に保険期間の2倍を加えた数が105超かつ加入時年齢に保険期間を加えた数が70超などの要件に該当するもの)は、保険期間の前半6割相当期間において保険料の1/2を前払保険料として資産計上し、1/2を損金算入します。解約時には資産計上額を取り崩し、解約返戻金が資産計上額を上回る差額は雑収入(益金)として処理します。
解き方
- 長期平準定期保険の税務上の取扱規程(前半6割期間は1/2資産計上・1/2損金算入)を確認する(記述1は適切)。
- 定期保険であるため満了時の解約返戻金はゼロになり、途中にピークがあることを確認する(記述2は適切)。
- 長男Bさん65歳時の解約返戻金4,900万円と資産計上累計額(2,640万円)を比較し、解約返戻金のほうが大きいため差額は「雑収入(益金算入)」となることを確認して記述3を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 長期平準定期保険では、保険期間開始から保険期間の6割相当期間において支払保険料の2分の1を前払保険料(資産計上)とし、2分の1を損金算入します。
- 選択肢 2不正解
- 定期保険の一種であるため、解約返戻金および返戻率は保険期間中盤にピークを迎えた後減少し、満了時にはゼロとなります。
- 選択肢 3正解
- 65歳時の解約返戻金4,900万円は資産計上額累計2,640万円(240万円×1/2×22年間)を上回るため、その差額は雑損失ではなく「雑収入」として益金算入されます。
覚えるポイント
- 法人契約の長期平準定期保険:前半6割期間は1/2資産計上・1/2損金算入
- 解約時:解約返戻金 > 資産計上額 の差額は「雑収入(益金算入)」
間違えやすいところ
- 解約返戻金と資産計上額の大小関係を逆と勘違いして雑損失としてしまうこと
- 定期保険の満了時に返戻金が残ると誤認すること(定期保険なので満了時は0)
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人の生命保険の活用方法と契約者貸付制度
リスク管理 · 契約者貸付制度 / 長期平準定期保険 / 事業保障対策
生命保険の活用方法に関するMさんのAさんに対する次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
契約者貸付制度は、契約している生命保険の解約返戻金の一定範囲内で保険会社から貸付けを受けられる制度であり、融資であるため所定の利息が発生します。
解き方
- 契約者貸付制度の融資条件および利息発生の有無に関する基本的な仕組みを確認します。
- 貸付金には保険会社所定の利息が課されるため、利息がかからないとする記述を不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 長期平準定期保険の解約返戻金は、役員退職金の支払財源や運転資金等の事業資金として幅広く活用することができます。
- 選択肢 2不正解
- 役員の就労不能による売上減少や信用維持に備えて、重い病気等で一時金を受け取れる生前給付型保険に法人が加入することは適切な対策です。
- 選択肢 3正解
- 契約者貸付制度を利用した場合、保険会社所定の貸付利息が発生するため、利息はかかりませんとする点は誤りです。
覚えるポイント
- 契約者貸付制度は解約返戻金の所定範囲内で利用できるが所定の利息が発生する
間違えやすいところ
- 契約者貸付は自己の解約返戻金を原資とするため無利息で借りられると勘違いしやすい
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の各種控除および各種所得の取扱い
タックスプランニング · 配偶者控除 / 一時所得 / 扶養控除
Aさんの平成30年分の所得税の課税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
配偶者控除の適用には納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下かつ配偶者の合計所得金額が38万円以下であることが要件です。また扶養控除の対象となる扶養親族は16歳以上です。
解き方
- 給与収入1,020万円から給与所得控除220万円を控除し、Aさんの給与所得金額が800万円であることを確認します。
- 妻Bさんのパート収入80万円から給与所得控除65万円を控除した所得金額が15万円(38万円以下)となり、配偶者控除の適用対象であることを確認します。
- 解約返戻金による損失の取扱いおよび長男Cさんの年齢(8歳のため扶養控除対象外)を確認し選択肢を判定します。
- 選択肢 1正解
- Aさんの合計所得金額は800万円(1,000万円以下)であり、妻Bさんの合計所得金額も15万円(38万円以下)であるため配偶者控除の適用を受けられます。
- 選択肢 2不正解
- 解約返戻金240万円から払込保険料270万円を差し引くと損失となり一時所得は生じないため確定申告は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 所得税法上の控除対象扶養親族はその年の12月31日時点で年齢16歳以上の親族に限られるため8歳の長男Cさんは扶養控除の対象外です。
覚えるポイント
- 控除対象扶養親族に該当するのは16歳以上の扶養親族である
間違えやすいところ
- 16歳未満の年少扶養親族にも扶養控除が適用されると誤解しやすい
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の控除限度額と手続き
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 年末残高限度額 / 確定申告の提出先
住宅借入金等特別控除に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんの場合、平成30年分の所得税に係る住宅借入金等特別控除の控除額は( ① )万円です。住宅借入金等特別控除の控除期間は、最長で( ② )年間となります」 ⅱ)「住宅借入金等特別控除の適用を受ける最初の年分は所得税の確定申告を行う必要があります。確定申告書は、Aさんの( ③ )を所轄する税務署長に提出してください」
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅借入金等特別控除は年末残高(一般住宅は上限4,000万円)の1%を最長10年間控除できる制度であり、初年度は納税者の住所地を所轄する税務署へ確定申告を行います。
解き方
- 年末借入金残高2,500万円に控除率1%を乗じて初年分の控除額25万円を計算します。
- 控除期間が原則として最長10年間であることを確認します。
- 所得税の確定申告書は勤務地ではなく原則として住所地を所轄する税務署長へ提出することを確認します。
- 選択肢 1正解
- 控除額は2,500万円×1%=25万円、控除期間は最長10年、申告書の提出先は住所地の所轄税務署長であり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 控除期間は20年ではなく10年であり、確定申告書の提出先は勤務地ではなく住所地を所轄する税務署長です。
- 選択肢 3不正解
- 控除限度額の計算(2,500万円×1%=25万円)および控除期間(10年)が誤っています。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の初年度適用は住所地の所轄税務署への確定申告が必要である
間違えやすいところ
- 所得税の確定申告書の提出先を勤務地の所轄税務署と誤認しやすい
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算(給与所得と一時所得の通算関係)
タックスプランニング · 給与所得 / 総所得金額 / 損益通算
Aさんの平成30年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
給与所得は収入金額から給与所得控除額を差し引いて求めます。一時所得の損失は他の所得と損益通算できないため、総所得金額は給与所得のみの金額となります。
解き方
- 給与収入1,020万円に対する給与所得控除額(1,000万円超は上限220万円)を差し引き、給与所得を800万円と計算します。
- 終身保険の解約返戻金240万円から払込保険料270万円を引いた損失額(▲30万円)は損益通算できず一時所得は0円となることを確認します。
- 総所得金額は給与所得の800万円のみとなるため選択肢2を選定します。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得800万円から解約返戻金の損失30万円を誤って差し引いた金額であり不適切です。
- 選択肢 2正解
- 給与所得控除後の給与所得800万円がそのまま総所得金額となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得控除額の計算または一時所得の取り扱いが正しく反映されていません。
覚えるポイント
- 一時所得に生じた損失は他の所得と損益通算することができない
間違えやすいところ
- 生命保険の解約損を給与所得から損益通算できると誤認して控除してしまう
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
死亡保険金の非課税限度額・遺産に係る基礎控除額・申告期限
相続・事業承継 · 死亡保険金の非課税限度額 / 遺産に係る基礎控除額 / 相続税の申告期限
母Dさんの相続に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんが受け取る死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることで、相続税の課税価格に算入される金額は( ① )万円となります」 ⅱ)「母Dさんの相続における遺産に係る基礎控除額は( ② )万円です。課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を上回りますので、相続税の申告が必要となります」 ⅲ)「相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )カ月以内に提出しなければなりません」
解答・解説を表示
解答
2
解説
死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」、遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」であり、相続税申告は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に行います。
解き方
- 法定相続人は子3人(A・B・C)であるため、死亡保険金の非課税限度額を500万円×3人=1,500万円と計算し、算入額を2,000万円-1,500万円=500万円と求めます。
- 遺産に係る基礎控除額を3,000万円+600万円×3人=4,800万円と算出します。
- 相続税の申告期限が相続開始を知った日の翌日から10カ月以内であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 遺産に係る基礎控除額(4,800万円)および相続税申告期限(10カ月以内)の数値が誤っています。
- 選択肢 2正解
- 課税価格算入額500万円、基礎控除額4,800万円、申告期限10カ月以内の組合せがすべて適切です。
- 選択肢 3不正解
- 非課税限度額1,500万円をそのまま算入額とし、申告期限を4カ月以内としている点が誤りです。
覚えるポイント
- 相続税の申告書の提出期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内である
間違えやすいところ
- 準確定申告の期限(4カ月以内)と相続税の申告期限(10カ月以内)を混同しやすい
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 相続税の速算表
母Dさんの相続に係る課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が3,000万円であった場合の相続税の総額は、次のうちどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして按分し、各取得金額に応じた速算表の税率・控除額を適用して算出した税額を合計して求めます。
解き方
- 課税遺産総額3,000万円に各相続人の法定相続分(3分の1ずつ)を乗じ、各人の法定相続分に応ずる取得金額を1,000万円と計算します。
- 速算表より1,000万円以下の税率10%(控除額なし)を適用し、各人の税額を1,000万円×10%=100万円と計算します。
- 3人分の税額を合算し、相続税の総額を100万円×3人=300万円と算出します。
- 選択肢 1正解
- 法定相続分に応じた取得金額1,000万円に対する税額100万円を3人分合算した300万円が正しい総額です。
- 選択肢 2不正解
- 計算手順または法定相続分の按分割合の誤りによる不適切な税額です。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額3,000万円に直接15%の税率を乗じて控除額50万円を差し引く等の誤った計算です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は実際の按分ではなく法定相続分で按分した金額を基に算出する
間違えやすいところ
- 課税遺産総額に直接速算表の税率を乗じて税額を計算してしまうミスが多い
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例・相続登記・空き家譲渡特例の適用要件
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 家なき子特例 / 相続登記の手続き / 空き家の3,000万円特別控除
実家(敷地および建物)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
特定居住用宅地等の適用において同居していない親族が適用を受ける(家なき子特例)には、相続開始前3年以内に自己所有の家屋に居住したことがない等の要件を満たす必要があります。
解き方
- 相続人A・B・Cはいずれも自己所有の自宅に居住しており、家なき子特例の要件を満たさないため小規模宅地等の特例が受けられないことを確認します。
- 不動産の相続登記の手続きを行う管轄機関は法務局(登記所)であり市役所ではないことを確認します。
- 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除額は最高3,000万円であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 別居親族が特定居住用宅地等として特例を受ける要件(持家に住んでいないこと等)を満たさないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 相続を原因とする所有権移転登記を行う機関は管轄の法務局であり市役所ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例における控除限度額は最高3,000万円であり、1,000万円ではありません。
覚えるポイント
- 家なき子特例は相続開始前3年以内に自己等の所有する家屋に居住していないことが必要である
間違えやすいところ
- 不動産の登記申請先を市区町村役場と混同してしまう間違いが多い
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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