日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
公的医療保険(健康保険)の給付
ライフプランニングと資金計画 · 高額療養費 / 自己負担割合 / 傷病手当金
健康保険(協会けんぽ)の被保険者である会社員Aさんに対する保険給付の説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
健康保険における療養の給付では、現役世代の自己負担割合は原則3割であり、医療費が高額になった際は所得区分に応じた高額療養費が支給されます。また、休業時の傷病手当金には要件と支給期間の定めがあります。
解き方
- 各選択肢に記載された給付制度(高額療養費、一部負担金割合、傷病手当金)の要件と数値を照合します。
- 70歳未満の自己負担割合が3割であること、傷病手当金の支給期間が支給開始日から通算最長1年6か月であることを確認し、正しい記述を選びます。
- 選択肢 1正解
- 高額療養費制度は、暦月の医療費自己負担額が自己負担限度額を超えた場合に超過分が払い戻される制度であり、限度額は被保険者の標準報酬月額等の所得区分に応じて設定されています。
- 選択肢 2不正解
- 70歳未満の被保険者に係る医療費の一部負担金の割合は、義務教育就学後から70歳未満まで一律で3割となります(1割となるのは75歳以上の一般所得者等です)。
- 選択肢 3不正解
- 傷病手当金は、療養のため連続3日間の待期を完成した後の第4日目から支給され、支給期間は支給開始日から起算して最長1年6か月です(3年ではありません)。
覚えるポイント
- 傷病手当金の支給期間は支給開始日から最長1年6か月(待期3日間)
間違えやすいところ
- 70歳未満の自己負担割合3割を後期高齢者等の1割と混同しないこと
出題の前提:2018年4月1日現在施行の健康保険法
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の額および受給要件
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 短期要件 / 300月みなし / 中高齢寡婦加算
被保険者Aさんが現時点で死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族厚生年金および公的年金からの給付に関する説明文について、空欄①~③に入る語句の組合せとして最も適切なものはどれか。 「現時点においてAさんが死亡した場合、妻Bさんに対して遺族厚生年金と遺族基礎年金が支給されます。遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ① )に相当する額になります。ただし、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が( ② )に満たないときは、( ② )とみなして年金額が計算されます。また、長男Cさんの( ③ )到達年度の末日が終了すると、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。その後、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に中高齢寡婦加算が加算されます。」
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解答
3
解説
厚生年金保険の被保険者が死亡したときの遺族厚生年金の額は、被保険者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です。被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算します。
解き方
- 遺族厚生年金の基本計算式が老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3であることを確認します。
- 被保険者死亡(短期要件)の場合の月数保障が300月であることを確認します。
- 遺族基礎年金の対象となる子の年齢要件が「18歳到達年度の末日(3月31日)終了前」であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 給付割合は3分の2ではなく4分の3であり、最低保障期間は240月ではなく300月です。
- 選択肢 2不正解
- 最低保障期間は240月ではなく300月であり、子の年齢上限は原則18歳到達年度末日までです(20歳到達までとなるのは障害等級1級・2級に該当する場合のみ)。
- 選択肢 3正解
- 遺族厚生年金の額は報酬比例部分の4分の3、被保険者期間が300月未満の場合は300月みなし、遺族基礎年金の対象となる子は18歳到達年度末日までのため、空欄の組合せとして適切です。
覚えるポイント
- 短期要件の遺族厚生年金は報酬比例の4分の3で300月みなし保障
間違えやすいところ
- 老齢厚生年金の長期要件である240月と遺族厚生年金の300月みなしを混同しやすい
出題の前提:2018年4月1日現在施行の国民年金法・厚生年金保険法
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族基礎年金の年金額計算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 子の加算額 / 年金額計算
現時点(平成30年9月9日)においてAさんが死亡した場合、妻Bさんに支給される遺族基礎年金の年金額(平成30年度価額)として正しいものはどれか。
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解答
3
解説
遺族基礎年金の額は定額の基本額(老齢基礎年金の満額と同額)に、生計を維持されている子の数に応じた子の加算額(第1子・第2子は各224,300円、第3子以降は各74,800円/平成30年度価額)を合算して計算します。
解き方
- 妻Bさんが受給する遺族基礎年金の平成30年度基本額が779,300円であることを確認します。
- 対象となる子である長男Cさん(0歳)が第1子であることを確認し、加算額224,300円を適用します。
- 基本額779,300円+第1子の加算額224,300円=1,003,600円を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 長男Cさん(子)がいるため子の加算額を加算する必要があり、基本額のみの779,300円とするのは不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 74,800円は第3子以降の子に対する加算額であり、第1子・第2子に対する加算額は224,300円です。
- 選択肢 3正解
- 遺族基礎年金は基本額779,300円に第1子の加算額224,300円を加算した1,003,600円となります。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金の子の加算額は第1子・第2子が各224,300円、第3子以降が各74,800円(平成30年度価額)
間違えやすいところ
- 第1子なのに第3子以降の加算額74,800円を誤って選ばないようにする
出題の前提:2018年4月1日現在施行の国民年金法(平成30年度年金額)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
つみたてNISAの制度概要
金融資産運用 · つみたてNISA / 非課税期間 / 年間投資限度額 / 投資対象商品
つみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
つみたてNISAは年間40万円を限度に、長期・積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託等を定期・継続的に購入する制度で、非課税期間は最長20年間です。
解き方
- つみたてNISAの年間投資枠(40万円)、買付方法(定期かつ継続的買付け)の適否を確認します。
- 非課税期間が最長20年間であることを確認し、25年間とする記述の誤りを見極めます。
- 投資対象商品が公募株式投資信託やETF等に限定され、個別株式は対象外であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- つみたてNISAの年間非課税投資枠は上限40万円であり、買付方法は定期かつ継続的な積立買付けに限定されているため適切です。
- 選択肢 2正解
- つみたてNISAの新規投資に係る非課税期間は最長20年間であり、25年間ではありません。
- 選択肢 3不正解
- つみたてNISAの対象商品は長期の積立・分散投資に適した一定の要件を満たす公募株式投資信託および上場投資信託(ETF)に限られ、上場株式は対象外であるため適切です。
覚えるポイント
- つみたてNISAは年40万円・最長20年間で対象は一定の投信・ETF
間違えやすいところ
- 一般NISA(当時年120万円・最長5年)やつみたてNISAの期間の数値を混同しない
出題の前提:2018年4月1日現在施行の租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の投資指標(PER・ROE・配当利回り)の定義
金融資産運用 · PER / ROE / 配当利回り
株式の投資指標に関する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
PERは株価を1株当たり純利益で割った倍率、ROEは自己資本に対する純利益の比率、配当利回りは株価に対する1株当たり配当金の比率、配当性向は純利益に対する配当金の比率を表します。
解き方
- 各指標の計算式(分子・分母)の定義を確認します。
- PERが「株価÷1株当たり純利益」であり、相対比較に用いる適切な説明であることを判断します。
- ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)、配当利回りと配当性向の取り違えをそれぞれ指摘します。
- 選択肢 1正解
- PER(株価収益率)は株価が1株当たり当期純利益(EPS)の何倍であるかを示し、業種水準や同業他社、自社の過去推移との相対比較によって割安度を測る指標であるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 総資産に対する当期純利益の割合を示す指標はROA(総資産利益率)です。ROE(自己資本利益率)は「自己資本」に対する当期純利益の割合です。
- 選択肢 3不正解
- 当期純利益の中から配当金がどの程度支払われているかを示す指標は「配当性向」です。配当利回りは「1株当たり年間配当金÷株価」で計算される指標です。
覚えるポイント
- PER=株価/EPS、ROE=当期純利益/自己資本、配当利回り=配当金/株価
間違えやすいところ
- ROEとROAの分母の違い、配当利回りと配当性向の分母の違いを混同しやすい
出題の前提:2018年4月1日現在施行の証券投資分析基準
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の権利確定と特定口座の課税・手数料
金融資産運用 · 権利付き最終日 / 特定口座 / 源泉徴収税率 / 株式売買手数料
X社株式の購入に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
上場株式の配当や株主優待を取得するには、権利確定日の権利付き最終日までに買付約定を行う必要があります(出題当時の受渡日は約定日から起算して4営業日目=3営業日前)。特定口座(源泉徴収あり)での譲渡所得には20.315%の税率で源泉徴収されます。
解き方
- 株主優待・配当を取得するための権利付き最終日の期日(権利確定日から起算して何営業日前か)を確認します。
- 売却益((1,500円-1,200円)×100株=3万円)に対する源泉徴収税率(所得税15.315%+住民税5%=20.315%)を確認します。
- 証券会社の売買委託手数料が会社ごとに異なる点を確認します。
- 選択肢 1正解
- 権利確定日に株主名簿に記載されるために株式を購入すべき日は、権利確定日を含めて4営業日前(権利確定日の3営業日前)である権利付き最終日であり、7営業日前ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 売却益は(1,500円-1,200円)×100株=30,000円であり、特定口座(源泉徴収あり)では20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収されるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 株式の売買委託手数料は証券会社がそれぞれ定めており、定額制や約定代金ごとの体系など各社で異なるため、口座開設前に比較検討することは適切です。
覚えるポイント
- 出題当時の権利付き最終日は権利確定日の3営業日前(現行は2営業日前)
間違えやすいところ
- 特定口座(源泉徴収あり)の譲渡所得税率は合計20.315%(15%+復興0.315%+5%)
出題の前提:2018年4月1日現在施行の金融商品取引法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における青色申告制度の特典
タックスプランニング · 青色申告特別控除 / 純損失の繰越控除 / 棚卸資産の評価方法
所得税における青色申告制度に関する説明文について、空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして最も適切なものはどれか。 ⅰ)「事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することにより、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高( ① )万円を控除することができます。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、青色申告特別控除額は最高10万円となります」 ⅱ)「青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の( ② )年間の繰越控除、純損失の繰戻還付、棚卸資産の評価について( ③ )を選択することができることなどが挙げられます」
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解答
2
解説
青色申告の主な特典には、最高65万円の青色申告特別控除(正規の簿記の原則による記帳・貸借対照表等の添付・期限内申告)、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の3年間の繰越控除(および前年への繰戻還付)、棚卸資産の評価方法における低価法の選択などがあります。
解き方
- 平成30年当時の正規の簿記の原則・期限内申告における青色申告特別控除額の最高限度(65万円)を確認します。
- 青色申告における純損失の繰越控除期間が「3年間」であることを確認します。
- 白色申告では法定評価方法(最終仕入原価法等による原価法)に制限されますが、青色申告者は低価法を選択できる特典があることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 当時の正規の簿記要件を満たす青色申告特別控除の最高限度は65万円であり、棚卸資産の青色申告特有の選択特典は低価法です。
- 選択肢 2正解
- 青色申告特別控除は最高65万円、純損失の繰越控除は3年間、選択可能な棚卸資産評価方法は低価法であるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 純損失の繰越控除期間は3年間であり、7年間ではありません(法人の繰越欠損金等との混同)。また最終仕入原価法は届出がない場合の法定評価方法です。
覚えるポイント
- 青色申告の特典:特別控除最高65万円、専従者給与経費算入、損失の3年間繰越、低価法
間違えやすいところ
- 個人の純損失繰越期間は3年間(法人の繰越欠損金期間と混同しないこと)
出題の前提:2018年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除・公的年金の雑所得・不動産所得の損益通算
タックスプランニング · 青色事業専従者給与 / 配偶者控除 / 公的年金等控除 / 不動産所得の損失通算
個人事業主Aさんの平成30年分の所得税の課税に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
青色事業専従者給与の支払を受ける者は控除対象配偶者や扶養親族になることはできません。また、65歳未満の者の公的年金等控除額は最低70万円であり、不動産所得の赤字のうち土地等取得に係る負債利子は損益通算の対象外です。
解き方
- 妻Bさんが青色申告者であるAさんから青色事業専従者給与を受けている点を確認し、配偶者控除が受けられないルールを適用します。
- Aさんは62歳(65歳未満)であり公的年金収入30万円に対して控除額70万円が適用され、雑所得が0円になることを確認します。
- 不動産所得の損失100万円のうち土地取得借入金利子10万円は損益通算できない(通算可能額は90万円)ことを確認します。
- 選択肢 1正解
- 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける者は、所得税法上の控除対象配偶者に該当しないため、合計所得金額の多寡にかかわらず配偶者控除の適用を受けることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 65歳未満の者に対する公的年金等控除額の最低額は70万円であるため、公的年金等の収入が30万円であるAさんは雑所得の金額が算出されず0円となります。
- 選択肢 3不正解
- 不動産所得の金額の計算上生じた損失のうち、不動産所得を生ずべき土地等の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象外とされています。
覚えるポイント
- 青色事業専従者給与の支給を受ける者は配偶者控除・扶養控除の対象外
間違えやすいところ
- 所得が38万円以下であっても専従者給与を受けていれば配偶者控除は使えない点に注意
出題の前提:2018年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における総所得金額の計算(損益通算と公的年金等控除)
タックスプランニング · 損益通算 / 総所得金額 / 不動産所得の赤字 / 公的年金等控除
設例の飲食店を営む青色申告者であるAさん(62歳)の平成30年分の収入等の資料(事業所得の金額:350万円〈青色申告特別控除後〉、特別支給の老齢厚生年金の年金額:30万円、不動産所得:▲100万円〈土地等の取得に係る負債の利子10万円を含む〉)に基づき、Aさんの平成30年分の所得税における総所得金額として、次のうち最も適切なものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
総所得金額は各総合課税の所得を合算して求めますが、不動産所得の損失のうち土地等の取得に要した負債の利子に相当する部分は損益通算の対象外となります。また、65歳未満の公的年金等の雑所得は収入金額が70万円以下の場合は0円となります。
解き方
- 公的年金等の収入金額30万円から公的年金等控除額70万円を控除し、雑所得の金額が0円であることを確認する。
- 不動産所得の赤字100万円から損益通算が認められない土地取得に係る負債の利子10万円を除外し、通算対象損失額を90万円と算出する。
- 事業所得350万円から通算対象の不動産所得の損失90万円を控除し、総所得金額を260万円と算出する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産所得の損失100万円を全額損益通算して350万円-100万円=250万円とするのは、土地取得に係る負債利子10万円の通算除外を考慮していないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 不動産所得の損失100万円のうち土地取得利子10万円を除いた90万円のみを通算し、350万円-90万円=260万円とする計算が正当です。
- 選択肢 3不正解
- 不動産所得の赤字を通算せず、公的年金30万円を加算して380万円とするのは、損益通算の規定および公的年金等控除を無視しているため誤りです。
覚えるポイント
- 不動産所得の赤字のうち、土地(土地の上に存する権利を含む)取得に要した負債の利子部分は損益通算の対象外となる。
間違えやすいところ
- 不動産所得の損失全額をそのまま事業所得から引いてしまうミスや、年金収入全額を所得として加算してしまうミス。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の所得税法(第69条:損益通算、租税特別措置法第41条の4)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における建築面積の最高限度の計算
不動産 · 建蔽率 / 商業地域 / 防火地域 / 建蔽率の緩和・適用除外
設例の甲土地(商業地域、指定建蔽率80%、指定容積率400%、防火地域、敷地面積300㎡)に賃貸マンション(耐火建築物)を建築する場合における建築面積の上限として、次のうち最も適切なものを選びなさい。
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解答
3
解説
建蔽率は都市計画により指定されますが、防火地域内に耐火建築物を建てる場合で指定建蔽率が80%の用途地域(商業地域など)にある敷地では、建蔽率制限の適用除外となり建蔽率は実質100%として計算されます。
解き方
- 甲土地の指定建蔽率が80%で防火地域内にあり、計画建築物が耐火建築物である条件を確認する。
- 建築基準法第53条の規定に基づき、建蔽率の制限が適用されず100%となることを判定する。
- 敷地面積300㎡に建蔽率100%を乗じて、建築面積の上限300㎡を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 指定建蔽率80%をそのまま適用した300㎡×80%=240㎡は、防火地域内の耐火建築物による緩和規定を適用していないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 建蔽率を+10%緩和した90%として計算した300㎡×90%=270㎡は、指定建蔽率80%+防火地域+耐火建築物の適用除外(100%)を誤認した数値です。
- 選択肢 3正解
- 指定建蔽率80%の地域かつ防火地域内の耐火建築物であるため建蔽率の制限がなくなり(100%)、建築面積の上限は300㎡となります。
覚えるポイント
- 指定建蔽率80%の地域+防火地域+耐火建築物の組み合わせは建蔽率制限が適用除外(建蔽率100%)となる。
間違えやすいところ
- 通常の10%加重緩和(80%+10%=90%)と混同して270㎡と計算してしまう間違い。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の建築基準法(第53条第6項第1号)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における延べ面積の最高限度の計算
不動産 · 容積率 / 前面道路の幅員制限 / 商業地域 / 延べ面積の限度
設例の甲土地(商業地域、指定容積率400%、幅員6mの道路に接道、前面道路幅員による法定乗数6/10、敷地面積300㎡)に賃貸マンション(耐火建築物)を建築する場合における延べ面積の上限として、次のうち最も適切なものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
容積率は、都市計画で定められた指定容積率と、前面道路の幅員に法定乗数を乗じて求めた道路幅員制限による容積率のいずれか小さい方が上限となります。延べ面積の上限は、敷地面積に適用される容積率を乗じて算出します。
解き方
- 前面道路幅員6mに商業地域の法定乗数6/10を乗じて、道路幅員による容積率制限(6m×6/10=360%)を求める。
- 指定容積率400%と道路幅員による容積率360%を比較し、小さい方の360%を基準容積率として採用する。
- 敷地面積300㎡に容積率360%を乗じて、延べ面積の最高限度1,080㎡を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 住居系地域の法定乗数4/10を誤って乗じた容積率240%(6m×4/10=240%、300㎡×240%=720㎡)や他の誤った計算に基づくため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 道路幅員制限による容積率360%が指定容積率400%より低いため適用され、敷地面積300㎡×360%=1,080㎡となります。
- 選択肢 3不正解
- 前面道路幅員による制限を考慮せず、指定容積率400%をそのまま適用した300㎡×400%=1,200㎡となっているため誤りです。
覚えるポイント
- 前面道路の幅員が12m未満の場合は、道路幅員×法定乗数(商業地域は原則6/10)と指定容積率の小さい方を適用する。
間違えやすいところ
- 道路幅員制限の比較を失念して指定容積率400%でそのまま計算してしまうミス。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の建築基準法(第52条第2項)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地活用に伴う税務上の取扱いとリスク管理
不動産 · 貸家建付地 / 小規模住宅用地 / 固定資産税の住宅用地の特例 / 賃貸事業リスク
賃貸マンションの建築を検討しているAさんに対するファイナンシャル・プランナーのアドバイスとして、次のうち最も不適切なものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例では、住宅1戸につき200㎡までの小規模住宅用地は価格の6分の1、200㎡を超える一般住宅用地は価格の3分の1とされます。小規模宅地等の特例(330㎡)等の相続税の数値と混同しないことが肝要です。
解き方
- 貸家建付地の相続税評価額の算式が適切であるかを確認する。
- 固定資産税の住宅用地の課税標準の特例における面積上限(200㎡)および軽減割合(1/6)を確認し、選択肢2の誤りを判定する。
- 賃貸経営に伴う空室リスクや金利・返済リスクに対する留意点の説明の適切性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおり、貸家建付地の相続税評価額は「自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」で計算されます。
- 選択肢 2正解
- 固定資産税の小規模住宅用地の特例は、住戸1戸当たり「200㎡以下」の部分について課税標準を「6分の1」とする特例であり、記述内容は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 賃貸事業を行う際には節税メリットだけでなく賃料下落や空室リスク、返済リスクを十分に勘案する必要があるため、適切なアドバイスです。
覚えるポイント
- 固定資産税の住宅用地特例:小規模住宅用地(200㎡以下)は1/6、一般住宅用地(200㎡超)は1/3。
間違えやすいところ
- 相続税の「小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等は330㎡まで80%減額)」の数値と固定資産税の住宅用地特例を混同するミス。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の地方税法(第349条の3の2)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除額と申告期限および準確定申告の期限
相続・事業承継 · 基礎控除額 / 相続税の申告期限 / 準確定申告の申告期限
設例のAさんの相続(法定相続人は長男Bさんの1人のみ)に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを選びなさい。 ⅰ)Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、( ① )万円である。 ⅱ)相続税の申告書は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から( ② )カ月以内に提出しなければならない。 ⅲ)賃貸アパートを経営していたAさんが平成30年分の所得税および復興特別所得税について確定申告書を提出しなければならない場合に該当するとき、長男Bさんは、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )カ月以内に準確定申告書を提出しなければならない。
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解答
3
解説
遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内であり、被相続人の所得税準確定申告の提出期限は相続開始を知った日の翌日から4カ月以内です。
解き方
- 法定相続人が長男Bさんの1人であることを確認し、基礎控除額=3,000万円+600万円×1人=3,600万円(①)を算出する。
- 相続税の申告・納期限が「相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内」(②)であることを確認する。
- 被相続人が死亡した年の準確定申告の申告・納期限が「相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内」(③)であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- ①が3,000万円(法定相続人分の加算漏れ)、③が3カ月(相続放棄の熟慮期間と混同)となっており誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ②の相続税の申告期限が4カ月、③の準確定申告の期限が3カ月となっており期限の月数が誤りです。
- 選択肢 3正解
- ①基礎控除額3,600万円、②相続税申告期限10カ月以内、③準確定申告期限4カ月以内の組合せが正しいです。
覚えるポイント
- 相続税の申告期限は10カ月以内、準確定申告は4カ月以内、相続放棄・限定承認の熟慮期間は3カ月以内。
間違えやすいところ
- 相続税の申告期限(10カ月)と準確定申告の期限(4カ月)を取り違えてしまうミス。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の相続税法(第15条、第27条)、所得税法(第125条)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続人が1人の場合における相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 相続税の速算表 / 法定相続分
設例において、Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億円であった場合の相続税の総額として、速算表を用いて算出した金額として次のうち最も適切なものを選びなさい。 <資料>相続税の速算表(一部抜粋) ・法定相続分に応ずる取得金額 1,000万円以下:税率10%(控除額なし) ・1,000万円超 3,000万円以下:税率15%(控除額50万円) ・3,000万円超 5,000万円以下:税率20%(控除額200万円) ・5,000万円超 1億円以下:税率30%(控除額700万円)
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解答
3
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を各法定相続人の法定相続分に応じて按分した額に速算表の税率を乗じて税額を求め、それらを合算して算出します。法定相続人が1人の場合は、課税遺産総額全額に対して直接速算表を適用します。
解き方
- 法定相続人が長男Bさん1人(法定相続分100%)であるため、法定相続分に応ずる取得金額を1億円と確認する。
- 速算表の「5,000万円超 1億円以下」の区分(税率30%、控除額700万円)を適用する。
- 計算式「10,000万円×30%-700万円=2,300万円」を実行して相続税の総額を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者と子がいるなど他の法定相続割合で誤って計算した場合の数値であり不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 子が2人いて各5,000万円ずつ取得したと仮定した計算(5,000万円×20%-200万円=800万円、2人で1,600万円)等の誤認計算です。
- 選択肢 3正解
- 法定相続人が長男1人のため、1億円×30%-700万円=2,300万円となり最も適切です。
覚えるポイント
- 相続税の総額の計算では、実際の遺産分割割合ではなく「民法に定める法定相続分」で一旦按分して計算する。
間違えやすいところ
- 相続人が1人であることを忘れ、配偶者がいる前提で法定相続分を半分にして計算してしまうミス。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の相続税法(第16条)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
空き家に係る譲渡所得の特別控除と相続手続
相続・事業承継 · 空き家の3000万円特別控除 / 小規模宅地等の特例 / 相続税の申告先
実家の売却等を検討している長男Bさんに対するアドバイスとして、次のうち最も適切なものを選びなさい。
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解答
2
解説
被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の3,000万円特別控除は、相続により取得した旧耐震基準の空き家(昭和56年5月31日以前建築)等の譲渡について適用されます。一方、小規模宅地等の貸付事業用宅地等の減額割合は50%であり、相続税の申告先は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署です。
解き方
- 小規模宅地等の特例における「貸付事業用宅地等」の減額割合が50%(限度面積200㎡)であることを確認し、選択肢1の「80%」の誤りを判定する。
- 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の限度額が「最高3,000万円」であることを確認し、選択肢2の妥当性を判断する。
- 相続税の申告書提出先が「被相続人(Aさん)の死亡時の住所地を所轄する税務署長」であることを確認し、選択肢3の誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 小規模宅地等の特例における貸付事業用宅地等の減額割合は「50%」です(特定居住用宅地等や特定事業用宅地等が80%)。
- 選択肢 2正解
- 一定の要件を満たす被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡した場合、譲渡所得の金額から最高3,000万円の特別控除が受けられます。
- 選択肢 3不正解
- 相続税の申告書の提出先は、相続人ではなく「被相続人Aさんの死亡の時における住所地」を所轄する税務署長です。
覚えるポイント
- 相続税の申告先は「被相続人の住所地」を所轄する税務署。小規模宅地の貸付事業用は200㎡まで「50%」減額。
間違えやすいところ
- 相続税の提出先を財産を取得した相続人の住所地と勘違いしてしまうミスや、貸付事業用の減額割合を80%と誤認するミス。
出題の前提:平成30年4月1日現在施行の租税特別措置法(第35条第3項、第69条の4)、相続税法(第27条)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2018年9月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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