日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
健康保険の任意継続被保険者制度
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 任意継続被保険者 / 公的医療保険
Aさんが60歳でX社を定年退職し、その後再就職をしない場合の健康保険の任意継続被保険者制度に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「Aさんの退職後の公的医療保険制度への加入方法の1つとして、現在加入している健康保険に任意継続被保険者として加入する方法があります。任意継続被保険者の資格取得の手続は、原則として退職日の翌日から( ① )以内に行う必要があります。任意継続被保険者として健康保険に加入できる期間は、最長で( ② )です。また、任意継続被保険者として健康保険に加入する期間の保険料は( ③ )となります。なお、国民健康保険に加入する方法もありますので、事前に検討されることをお勧めします」
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解答
3
解説
退職に伴い健康保険の被保険者資格を喪失した者は、継続して2カ月以上の被保険者期間があれば、退職後も元の健康保険に任意継続被保険者として加入できます。ただし事業主負担がなくなるため保険料は全額自己負担となり、手続き期限や加入可能期間に厳格な制限が定められています。
解き方
- 資格取得の手続き期限を確認する:退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内であるため、①は「20日」となります。
- 加入可能期間および保険料負担を確認する:加入できる最長期間は「2年」、在職中に事業主と折半していた保険料は「全額自己負担」となるため、②は「2年」、③は「全額自己負担」となります。
- 選択肢 1不正解
- 手続期限は原則20日以内、最長加入期間は2年であるため、14日および1年とする本記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 手続期限は原則20日以内であり、退職後の保険料は会社負担分がなくなるため労使折半ではなく全額自己負担となります。
- 選択肢 3正解
- 手続期限「20日以内」、加入期間「最長2年」、保険料「全額自己負担」という組み合わせはすべて正確です。
覚えるポイント
- 任意継続被保険者の申出期限は資格喪失日から20日以内、期間は最長2年間、保険料は全額自己負担(上限額あり)です。
間違えやすいところ
- 国民健康保険への切り替え届出期間(14日以内)と任意継続の申出期限(20日以内)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2017年10月1日現在施行の健康保険法に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の給付(基本手当・高年齢雇用継続給付・高年齢求職者給付金)
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 高年齢雇用継続給付 / 高年齢求職者給付金
定年退職および継続勤務に関する雇用保険からの給付について、MさんがAさんに対して行った説明のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
定年退職等による離職は自己都合退職と同様に「一般受給資格者」として扱われ、算定基礎期間が20年以上の場合の所定給付日数は最大150日です。一方、60歳以上65歳未満で賃金が低下した場合は高年齢雇用継続給付、65歳以降に離職した場合は高年齢求職者給付金の一時金が支給されます。
解き方
- 離職理由と所定給付日数を確認する:定年退職は倒産・解雇等の特定受給資格者ではなく一般受給資格者となります。被保険者期間20年以上の一般受給資格者の所定給付日数は150日であるため、300日とする記述1は不適切です。
- 他の選択肢の妥当性を確認する:賃金が60歳到達時の75%未満となった場合は高年齢雇用継続基本給付金の対象となり、65歳以降に退職した場合は高年齢受給資格者として高年齢求職者給付金が支給されるため、2と3は適切です。
- 選択肢 1正解
- 定年退職は一般受給資格者となり、算定基礎期間が20年以上ある場合の基本手当の所定給付日数は150日であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 60歳以上65歳未満の被保険者の賃金が60歳到達時の75%未満に低下した要件を満たす場合、高年齢雇用継続基本給付金が受給できるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 65歳以降に退職した高年齢被保険者は、基本手当ではなく一時金である高年齢求職者給付金を受給できるため適切です。
覚えるポイント
- 定年退職(一般受給資格者)の所定給付日数は、被保険者期間20年以上で最長150日です。
間違えやすいところ
- 解雇や倒産による特定受給資格者の日数(最大330日等)と、自己都合・定年退職による一般受給資格者の日数を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2017年10月1日現在施行の雇用保険法に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の給付(特別支給の老齢厚生年金・繰上げ・加給年金)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 特別支給の老齢厚生年金 / 繰上げ受給 / 加給年金
公的年金制度における受給権および年金額について、MさんがAさんに対して行った説明のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある者が老齢厚生年金の受給権を取得した際、生計を維持している65歳未満の配偶者等がいる場合、加給年金が加算されます。男性で昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれの者は64歳から報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給されます。また、当時の繰上げ減額率は月0.5%です。
解き方
- 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を確認する:昭和34年4月11日生まれの男性は64歳から報酬比例部分が支給されるため、1の「支給されない」は誤りです。
- 繰上げ受給の減額率を確認する:当時の法令における老齢基礎年金の繰上げ減額率は1カ月あたり0.5%(0.7%は繰下げ増額率)であるため、2は誤りです。
- 加給年金の支給要件を確認する:Aさんの厚生年金被保険者期間は444月(20年以上)あり、65歳到達時に年下の妻Bさん(56歳)と生計同一関係にあるため、妻が65歳になるまで老齢厚生年金に加給年金が加算されます。したがって3が適切です。
- 選択肢 1不正解
- 昭和34年4月11日生まれの男性は、64歳から報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給されるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 繰上げ支給による減額率は1カ月あたり0.5%(最大30%減額)であり、0.7%は繰下げによる増額率であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 被保険者期間が20年以上あるAさんの老齢厚生年金には、生計を維持されている妻Bさんが65歳に達するまでの間、加給年金額が加算されるため適切です。
覚えるポイント
- 加給年金の加算要件は、原則として厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、65歳未満の生計維持関係にある配偶者等がいることです。
間違えやすいところ
- 繰上げ受給の「減額率(月0.5%、現行0.4%)」と繰下げ受給の「増額率(月0.7%)」を取り違えないように注意しましょう。
出題の前提:2017年10月1日現在施行の国民年金法・厚生年金保険法に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨預金の特徴と為替相場の変動要因
金融資産運用 · 外貨預金 / 預金保険制度 / 金利と為替相場 / 為替変動リスク
外貨預金の特徴および為替相場の関係について、MさんがAさんに対して行った説明のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
外貨預金は国内金融機関の取扱であっても預金保険制度の保護の対象外です。また、為替レートが円高(預入時より米ドル安)に動くと円換算額が減少し運用利回りは低下します。一般に金利差が拡大(相手国の金利が上昇)すると、高金利通貨が買われて相手国通貨高・自国通貨安要因となります。
解き方
- 預金保険制度の対象外であることを確認する:外貨預金は預金保険制度による保護の対象外であるため、1は不適切です。
- 為替変動と円貨利回りの関係を確認する:満期時に円高・米ドル安になると為替差損が発生し円貨での利回りは低下するため、2は不適切です。
- 金利動向と為替のメカニズムを確認する:米国の金利が上昇するとより高い利回りを求めてドル買い・円売りが進むため、円安・米ドル高要因となります。したがって3は適切です。
- 選択肢 1不正解
- 国内の金融機関に預け入れた預金であっても、外貨預金は預金保険制度の保護対象外であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 満期時に円高・米ドル安になると為替差損が生じるため、円換算の運用利回りは低下(悪化)します。
- 選択肢 3正解
- 米国の金利が上昇すると米ドル建て資産の運用需要が高まり、円売り・米ドル買いが優勢となるため円安・米ドル高要因となります。
覚えるポイント
- 外貨預金は日本国内の銀行であっても預金保険制度の対象外(全額保護されない)です。
間違えやすいところ
- 金利が上昇した国の通貨は一般に「高くなる(買われる)」という関係を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2017年10月1日現在施行の預金保険法等の法令に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨預金に係る課税関係
金融資産運用 · 外貨預金 / 利子所得 / 為替差損益 / 雑所得 / 損益通算
外貨預金に係る課税関係に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんが外貨預金に預入れをした場合、外貨預金の利子に係る利子所得は、所得税および復興特別所得税と住民税を合わせて20.315%の税率による( ① )の対象となります」 ⅱ)「外貨預金による運用では、外国為替相場の変動により、為替差損益が生じることがあります。為替差益は( ② )として、所得税および復興特別所得税と住民税の課税対象となります。なお、為替差損による損失の金額は、外貨預金の利子に係る利子所得の金額と損益通算することが( ③ )」
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解答
2
解説
外貨預金の利息は、円貨預金と同様に利子所得として20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の源泉分離課税により源泉徴収で課税関係が完了します。一方、満期時等の為替差益は「雑所得」として総合課税の対象となり、為替差損が出ても源泉分離課税である利子所得や他の異なる所得グループとの損益通算はできません。
解き方
- 外貨預金の利子の課税方式を確認する:利子所得として20.315%の「源泉分離課税」となるため、①は源泉分離課税です。
- 為替差益の所得区分を確認する:為替予約を付していない場合の為替差益は「雑所得」となるため、②は雑所得です。
- 損益通算の可否を確認する:雑所得の損失(為替差損)は、源泉分離課税の利子所得とは通算できないため、③は「できません」となります。
- 選択肢 1不正解
- 利子所得は申告分離課税ではなく源泉分離課税であり、また為替差損は利子所得と損益通算できないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①源泉分離課税、②雑所得、③できません、の組み合わせはすべて税法上の規定に合致します。
- 選択肢 3不正解
- 為替差益は一時所得ではなく雑所得であり、為替差損と利子所得との損益通算は認められていないため誤りです。
覚えるポイント
- 外貨預金の利子は「20.315%の源泉分離課税」、為替差益は「雑所得(総合課税)」、為替差損と利子所得の通算は不可です。
間違えやすいところ
- 為替差益を一時所得や譲渡所得と混同したり、株式や投資信託のように譲渡損失と通算できると誤解しないよう注意が必要です。
出題の前提:2017年10月1日現在施行の所得税法等に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨定期預金の円貨ベース満期受取元利金の計算
金融資産運用 · 外貨預金 / 為替レート / TTSとTTB / 元利金計算
Aさんが10,000米ドルを期間1年・年利0.5%(満期時一括払)の定期預金に預け入れ、満期時に円貨で受け取った場合の元利金合計額として、最も適切なものはどれか。なお、手数料や税金は考慮せず、満期時の適用為替レートはTTS=113円、TTM=112円、TTB=111円とする。
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解答
1
解説
外貨預金の満期受取額を計算する際は、まず外貨建ての元利金を計算します。その後、顧客が外貨を売却して円貨を受け取る(金融機関側から見ると外貨を買い取る)取引であるため、適用される為替レートはTTB(Telegraphic Transfer Buying rate)を用います。
解き方
- 米ドルベースの元利金合計額を算出する:元本10,000米ドル + 利息(10,000米ドル × 0.5% × 1年)= 10,000 + 50 = 10,050米ドル。
- 適用される為替レートを選択する:外貨から円貨への転換には顧客が外貨を売るレートであるTTB(111円)を適用します。
- 円貨受取額を計算する:10,050米ドル × 111円 = 1,115,550円。
- 選択肢 1正解
- 10,050米ドル × 111円(TTB)= 1,115,550円となり、計算が正しいため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 仲値(TTM)である112円を用いて計算した数値(10,050米ドル × 112円 = 1,125,600円)であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 円から米ドルに換える際に適用されるTTS(113円)を用いて計算した数値(10,050米ドル × 113円 = 1,135,650円)であるため誤りです。
覚えるポイント
- 円を外貨に替える(預入時)はTTS、外貨を円に戻す(払出・受取時)はTTBを適用します。
間違えやすいところ
- 銀行側の視点(Selling/Buying)と顧客側の視点を取り違えてTTSとTTBを逆に適用しないようにしましょう。
出題の前提:2017年10月1日現在施行の取引慣行および法令に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得者の確定申告義務と金融類似商品の源泉分離課税
タックスプランニング · 確定申告 / 給与所得者 / 医療費控除 / 一時払変額個人年金保険 / 金融類似商品
Aさんの平成29年分の所得税の確定申告等に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)給与所得者であるAさんは、X社での年末調整により給与から源泉徴収された所得税が精算されて納税が完了するため、所得税の確定申告は不要である。ただし、「給与所得および退職所得以外の所得金額」が( ① )万円を超える場合は、所得税の確定申告をしなければならない。 なお、所得税の確定申告を要しない場合であっても、年末調整で控除されない( ② )などの適用を受ける場合には、所得税の還付を受けるために確定申告書を提出することができる。 ⅱ)Aさんは、一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を、保険期間の初日から5年以内に解約しているため、その解約差益は、20.315%(所得税および復興特別所得税と住民税の合算)の税率による( ③ )の対象となる。
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解答
2
解説
1カ所から給与の支払を受けている給与所得者は、給与所得・退職所得以外の各種所得の合計額が20万円を超えると確定申告が必要です。年末調整では医療費控除・寄附金控除・雑損控除は適用できないため申告が必要です。また、保険期間5年以下または5年以内に解約された一時払の個人年金保険等の差益は、金融類似商品として20.315%の源泉分離課税が適用されます。
解き方
- 給与所得者の確定申告不要基準を確認する:給与所得および退職所得以外の各種所得金額の合計が「20万円」以下であれば確定申告不要のため、①は20です。
- 年末調整で適用できない控除を確認する:地震保険料控除は年末調整で適用できますが、医療費控除は年末調整では適用できず確定申告が必要であるため、②は医療費控除となります。
- 5年以内解約の一時払年金保険の課税関係を確認する:契約日から5年以内に解約された一時払変額個人年金保険の解約差益は金融類似商品とみなされ、一律20.315%の「源泉分離課税」となるため、③は源泉分離課税です。
- 選択肢 1不正解
- 申告基準は10万円ではなく20万円を超える場合であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①20(万円)、②医療費控除、③源泉分離課税、の組み合わせは法令等の規定と一致しており適切です。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険料控除は年末調整で控除を受けられるほか、5年以内解約の一時払保険差益は申告分離課税ではなく源泉分離課税であるため誤りです。
覚えるポイント
- 給与所得以外の所得が20万円超で確定申告が必要。医療費控除は年末調整不可で確定申告が必要です。
間違えやすいところ
- 地震保険料控除や生命保険料控除は年末調整で適用可能ですが、医療費控除・雑損控除・寄附金控除は確定申告が必要であることを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成29年(2017年)分の所得税法に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の適用判定
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族 / 年少扶養親族
設例の家族情報に基づくAさんの平成29年分の所得税における所得控除に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
配偶者控除の適用要件は生計を一にする配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下(給与収入のみの場合は給与所得控除65万円を引いて給与収入103万円以下)であることです。また、扶養親族のうち16歳未満は扶養控除の対象外(年少扶養)であり、19歳以上23歳未満は特定扶養親族として63万円の控除が適用されます。
解き方
- 妻Bさんの所得金額を算出して配偶者控除の可否を判定する:妻Bさんの給与収入は80万円であり、給与所得控除額65万円を差し引くと給与所得は15万円(80万円-65万円)となります。38万円以下であるため控除対象配偶者となり、配偶者控除(38万円)の適用を受けられるため、1は「受けることができない」としており不適切です。
- 長女Cさんの扶養区分を判定する:21歳の長女Cさんは19歳以上23歳未満で収入がないため特定扶養親族となり、扶養控除額は63万円となるため、2は適切です。
- 長男Dさんの扶養区分を判定する:15歳の長男Dさんは16歳未満であるため、控除対象扶養親族に該当せず扶養控除は適用されないため、3は適切です。
- 選択肢 1正解
- 給与所得控除後の妻Bさんの所得は15万円であり、合計所得金額38万円以下(給与年収103万円以下)を満たすため配偶者控除の適用を受けられます。したがって本記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 長女Cさんは19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当し、扶養控除額63万円が適用されるため記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 16歳未満の親族は控除対象扶養親族に該当せず扶養控除を受けられないため記述は適切です。
覚えるポイント
- 配偶者控除の判定要件は「給与収入103万円以下(合計所得金額38万円以下)」です。
間違えやすいところ
- 給与収入そのものの金額と、給与所得控除後の「合計所得金額」を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:平成29年(2017年)分の所得税法に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得および総所得金額の計算
タックスプランニング · 給与所得控除 / 総所得金額 / 一時払養老保険等の差益
給与収入700万円を得ている会社員Aさん(52歳)の平成29年分の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、Aさんは平成29年10月に契約から5年以内の給付事由に該当する一時払変額個人年金保険を解約し、30万円の差益が生じている。また、給与所得控除額は速算表(660万円超1,000万円以下:収入金額×10%+120万円)に従うものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は利子・配当・不動産・事業・給与・譲渡・一時・雑などの総合課税対象の各所得を合計した金額です。保険期間5年以下の一時払変額個人年金保険の解約差益は金融類似商品として源泉分離課税となり、総所得金額には算入されません。
解き方
- 給与収入700万円から給与所得控除額(700万円×10%+120万円=190万円)を差し引き、給与所得510万円を算出します。
- 契約から5年以内に解約した一時払変額個人年金保険の差益30万円は源泉分離課税であるため除外し、総所得金額を510万円と確定します。
- 選択肢 1正解
- 給与所得控除後の給与所得510万円のみが総合課税の総所得金額となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 一時払変額個人年金保険の解約差益30万円を誤って一時所得等として加算した計算であり不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与収入700万円そのものであり、給与所得控除が考慮されていないため不適切です。
覚えるポイント
- 保険期間5年以内の一時払保険解約差益は金融類似商品として20.315%源泉分離課税になります。
間違えやすいところ
- 生命保険の解約返戻金をすべて一時所得の対象と勘違いし、5年以内の金融類似商品を総所得金額に足してしまうミスに注意しましょう。
出題の前提:平成29年分所得税法および2017年10月1日施行法令
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記記録と公信力
不動産 · 登記記録の構成 / 権利部乙区 / 不動産登記の公信力
甲土地を取得する際の権利関係の調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
不動産登記記録は表題部、権利部甲区(所有権に関する事項)、権利部乙区(所有権以外の権利に関する事項)で構成されます。登記記録は誰でも閲覧・交付請求が可能であり、所有者の承諾は不要です。また、日本の不動産登記には公信力がないため、登記名義人を真実の所有者と信じて取引しても所有権を取得できないのが原則です。
解き方
- 登記記録の公開原則を確認し、誰でも手数料を納付すれば登記事項証明書の交付請求ができることを想起します。
- 権利部の構成(甲区=所有権、乙区=所有権以外)と不動産登記の公信力の有無(公信力なし)を各選択肢に照らし合わせて正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 登記事項証明書の交付申請は手数料を納付すれば誰でも行うことができ、所有者の承諾書は不要です。
- 選択肢 2正解
- 抵当権などの所有権以外の権利に関する事項は登記記録の権利部乙区に記載されるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 日本の不動産登記には公信力がないため、無権利者の登記を信頼して取引しても原則として所有権を取得できません。
覚えるポイント
- 登記記録の甲区は所有権、乙区は抵当権などの所有権以外の権利です。不動産登記に公信力はありません。
間違えやすいところ
- 自動車等の登録や動産の即時取得と混同して、不動産登記にも公信力があると誤認しないようにしましょう。
出題の前提:不動産登記法および民法(2017年10月1日施行法令)
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における最大延べ面積の計算
不動産 · 容積率制限 / 前面道路幅員制限 / 延べ面積の算定
間口20m・奥行き18mの長方形である甲土地(第一種中高層住居専用地域、指定建ぺい率60%、指定容積率200%、前面道路幅員4m・乗数4/10)の上に賃貸アパートを新築する場合、建築基準法上の最大延べ面積として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築物の延べ面積の上限は、敷地面積に適用される上限容積率を乗じて算出します。前面道路の幅員が12m未満の場合、指定容積率と「前面道路幅員×法定乗数(住居系地域は原則4/10)」を比較し、小さい方の数値が適用容積率となります。
解き方
- 敷地面積を計算します(間口20m×奥行18m=360㎡)。
- 前面道路幅員制限を計算します(4m×4/10=160%)。
- 指定容積率(200%)と道路幅員制限(160%)を比較し、低い方の160%を適用容積率として決定します。
- 敷地面積360㎡×160%=576㎡を最大延べ面積として算出します。
- 選択肢 1不正解
- 建ぺい率60%を乗じて建築面積の上限を求めた計算式であり、最大延べ面積の計算としては誤りです。
- 選択肢 2正解
- 道路幅員制限による容積率160%を採用し、敷地面積360㎡に乗じた576㎡が正しい最大延べ面積です。
- 選択肢 3不正解
- 前面道路幅員による制限(160%)を考慮せず、指定容積率200%をそのまま乗じているため誤りです。
覚えるポイント
- 前面道路が12m未満の場合、指定容積率と道路幅員×乗数のいずれか小さい方が適用されます。
間違えやすいところ
- 延べ面積(容積率)の計算において、建ぺい率を使って建築面積の上限を求めてしまう間違いに注意しましょう。
出題の前提:建築基準法第52条(2017年10月1日施行法令)
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
アパート経営に伴う免許・消費税・相続税評価
不動産 · 宅地建物取引業の免許 / 住宅家賃の消費税 / 貸家建付地の相続税評価
個人が賃貸アパートを建築して経営するうえでの留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
自ら所有する不動産の賃貸管理は「自ら貸借」にあたり宅地建物取引業の「取引」に該当しないため宅建業の免許は不要です。また、居住用建物の家賃は消費税が非課税です。所有土地に建築した貸家の敷地は貸家建付地となり、借地権割合と借家権割合および賃貸割合を乗じた減額が認められます。
解き方
- 自己物件の賃貸は宅建業免許が必要かを判定します(不要)。
- アパート賃貸料に係る消費税の取扱いを判定します(住宅用賃料は非課税)。
- 貸家建付地の評価方法の計算式(自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合))を確認し、適切性を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 自ら所有する不動産を賃貸する行為(自ら貸借)は宅地建物取引業に該当しないため免許は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 居住用アパートの家賃は消費税の非課税取引であるため、消費税を受領して申告納付する必要はありません。
- 選択肢 3正解
- 貸家建付地の評価額は自用地評価額から借地権割合×借家権割合×賃貸割合を乗じた額を控除して求めるため適切です。
覚えるポイント
- 自ら賃貸は宅建業免許不要、居住用家賃は消費税非課税、アパート敷地は貸家建付地評価です。
間違えやすいところ
- 店舗や事務所などの事業用建物の賃貸料は消費税課税ですが、居住用アパートの家賃は非課税である点を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:宅地建物取引業法、消費税法、財産評価基本通達(2017年10月1日施行法令)
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言書の方式(自筆証書遺言と公正証書遺言)
相続・事業承継 · 自筆証書遺言の要件 / 公正証書遺言の要件 / 検認手続
自筆証書遺言および公正証書遺言に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)遺言者が、遺言の内容をパソコンで入力し、それを出力した用紙に日付および氏名を自書し、これに押印して遺言書を作成した場合、その遺言書は、自筆証書遺言として( ① )である。 ⅱ)公正証書遺言は、遺言者が、公証役場において遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がそれを筆記して作成する遺言であり、作成にあたっては証人の立会いは( ② )である。 ⅲ)公正証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所における検認の手続が( ③ )である。
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解答
2
解説
自筆証書遺言は遺言者が全文・日付・氏名を自書し押印する必要があります(パソコン作成の本文は無効)。公正証書遺言は公証人と2人以上の証人の立会いのもとで作成され、公証人が原本を保管するため偽造・変造の恐れがなく、家庭裁判所での検認は不要とされています。
解き方
- 自筆証書遺言の成立要件を確認し、パソコンで入力・出力した本文は無効(①無効)と判断します。
- 公正証書遺言作成における証人の要否を確認し、2人以上の立会いが必要(②必要)と判断します。
- 公正証書遺言の検認の要否を確認し、偽造の懸念がないため検認は不要(③不要)と判断します。
- 選択肢 1不正解
- ①パソコン作成の本文は自筆証書遺言として無効であり、③公正証書遺言の検認は不要であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①無効、②必要、③不要の組合せがすべて正しいため適切です。
- 選択肢 3不正解
- ②公正証書遺言には証人2人以上の立会いが必要であり、③検認は不要であるため誤りです。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言の本文は自書必須(無効)。公正証書遺言は証人2人以上必要、家庭裁判所の検認は不要です。
間違えやすいところ
- 自筆証書遺言の財産目録のパソコン作成(民法改正)と本文の自書要件を混同しないようにしましょう。本文は常に自書が必要です。
出題の前提:民法第968条・第969条・第1004条(2017年10月1日施行法令)
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除・生命保険非課税限度額・小規模宅地特例
相続・事業承継 · 代襲相続人の数 / 遺産に係る基礎控除額 / 死亡保険金の非課税限度額 / 特定居住用宅地等の限度面積
被相続人Aさん(妻B、長女C、死亡した二女Dの子である孫F、長男Eの計4人が相続人)の相続における相続税の取扱いのうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
被相続人の子が相続開始前に死亡しているときはその子が代襲相続人となり法定相続人の数に含まれます。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」、死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です。また小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の限度面積は330㎡で80%減額されます。
解き方
- 法定相続人の数を判定します(妻B、長女C、代襲相続人である孫F、長男Eの合計4人)。
- 基礎控除額を計算します(3,000万円+600万円×4人=5,400万円となり選択肢1は適切)。
- 生命保険金非課税枠の計算式(500万円×法定相続人の数)を確認し選択肢2は適切と判定します。
- 特定居住用宅地等の特例の限度面積(330㎡)を確認し、記述の400㎡が誤りであると判定します。
- 選択肢 1不正解
- 法定相続人は妻、長女、代襲相続人の孫、長男の4人であるため、3,000万円+600万円×4人=5,400万円となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算されるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の限度面積は330㎡(減額率80%)であり、400㎡ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 特定居住用宅地等の限度面積は330㎡(減額80%)、貸付事業用宅地等は200㎡(減額50%)です。
間違えやすいところ
- 特定事業用宅地等の限度面積(400㎡)と特定居住用宅地等の限度面積(330㎡)の数値を混同しないようにしましょう。
出題の前提:相続税法第12条・第15条、租税特別措置法第69条の4(2017年10月1日施行法令)
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続分に応じた相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 課税遺産総額 / 法定相続分 / 相続税の速算表 / 相続税の総額
被相続人Aさんの相続における課税遺産総額が1億5,000万円であった場合、相続税の総額として最も適切なものはどれか。なお、法定相続人は妻B(法定相続分1/2)、長女C(1/6)、二女Dを代襲相続した孫F(1/6)、長男E(1/6)の4人である。
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解答
2
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を民法に定める法定相続分に従って各相続人に按分し、按分後の取得金額に相続税の速算表の税率を適用して各人ごとの算出税額を求め、それらを合計して計算します。
解き方
- 課税遺産総額1億5,000万円を各法定相続人に按分します(妻B:7,500万円、長女C・孫F・長男E:各2,500万円)。
- 妻Bの税額を速算表(5,000万円超1億円以下:30%、控除額700万円)により計算します(7,500万円×30%-700万円=1,550万円)。
- 子3人(長女C、孫F、長男E)の税額を速算表(1,000万円超3,000万円以下:15%、控除額50万円)により計算します(各2,500万円×15%-50万円=325万円)。
- 全員の税額を合計します(1,550万円+325万円×3人=2,525万円)。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順または適用税率の誤りにより算出された値であり不適切です。
- 選択肢 2正解
- 妻1,550万円と子3人分各325万円(合計975万円)を足し合わせた2,525万円が正しい相続税の総額です。
- 選択肢 3不正解
- 速算表の控除額の差し引き忘れや配分割合の計算誤りによる値であり不適切です。
覚えるポイント
- 相続税の総額の計算では、実際の遺産分割割合ではなく法定相続分で按分して各税額を合計します。
間違えやすいところ
- 代襲相続人の法定相続分は被代襲者(死亡した親)の相続分と同じであることを失念して均等分割等と間違えないようにしましょう。
出題の前提:相続税法第16条および速算表(2017年10月1日施行法令)
出典:金融財政事情研究会『2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2018年5月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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