日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
遺族基礎年金の額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 子の加算額
会社員のAさん(50歳)が死亡した場合に妻Bさん(47歳)に支給される遺族基礎年金の年金額(平成29年度価額)を算出する式として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、子の長男Cさんは16歳、長女Dさんは13歳である。
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解答
3
解説
遺族基礎年金は、生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に支給されます。基本額に加えて第1子・第2子は1人につき224,300円、第3子以降は1人につき74,800円(平成29年度価額)が加算されます。
解き方
- 対象となる子の人数を確認します(長男16歳・長女13歳はいずれも18歳到達年度末日以前の子に該当するため2人)。
- 基本額779,300円に第1子・第2子の加算額(各224,300円)を加算する計算式を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 対象となる子が2人いるにもかかわらず、加算額が1人分しか加算されていないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 第2子の加算額が第3子以降の額(74,800円)で計算されているため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 基本額779,300円に第1子と第2子の加算額各224,300円を加算する式であり適切です。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金の子の加算は第1子・第2子が各224,300円、第3子以降が各74,800円(平成29年度)です。
間違えやすいところ
- 第2子から加算額が減額されると勘違いしないように注意が必要です。
出題の前提:平成29年度(2017年度)価額の法令基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の額と中高齢寡婦加算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 中高齢寡婦加算
Aさんが死亡した場合の遺族厚生年金に関する次の説明文の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額は、Aさんの老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ① )に相当する額です。また、長女Dさんの18歳到達年度末日終了により遺族基礎年金の受給権が消滅した場合、妻Bさんが( ② )に達するまでの間、( ③ )の加算が行われます」
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解答
1
解説
遺族厚生年金は、死亡した被保険者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3に相当する額が支給されます。また、遺族基礎年金を受給していた40歳以上65歳未満の妻が子の年齢到達等で受給要件を失った場合、65歳に達するまで遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が行われます。
解き方
- 遺族厚生年金の支給割合が報酬比例部分の4分の3であることを確認します。
- 遺族基礎年金の失権後、65歳までの間に加算される給付が中高齢寡婦加算であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- ①が4分の3、②が65歳、③が中高齢寡婦加算の組合せであり適切です。
- 選択肢 2不正解
- ①が3分の2、③が経過的寡婦加算となっており誤りです。
- 選択肢 3不正解
- ①が2分の1、②が60歳、③が経過的寡婦加算となっており誤りです。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金は報酬比例の3/4、中高齢寡婦加算は40歳以上65歳未満の妻に加算されます。
間違えやすいところ
- 中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算(65歳以降に加算)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2017年10月1日現在の社会保険諸法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の保険料免除・併給および健康保険の給付
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金保険料の免除 / 法定免除 / 埋葬料
Aさんが死亡した後の妻Bさんに関するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
国民年金の保険料の法定免除の対象は、障害基礎年金等の受給権者や生活保護法の生活扶助を受けている者等に限られており、遺族基礎年金等の遺族給付の受給者は法定免除の対象とはなりません(申請免除の要件を満たせば申請免除は可能)。
解き方
- 法定免除の対象要件を確認し、遺族年金の受給が該当するか判定します。
- 遺族年金の受給権者が再就職して給与を得ても在職老齢年金のような支給停止はないことを確認します。
- 健康保険の被保険者が業務外で死亡した際、生計を維持されていた遺族に埋葬料(5万円)が支給されることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 遺族給付の受給者は国民年金保険料の法定免除事由には該当しないため、記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 遺族年金には在職老齢年金のような給与による支給停止の仕組みはないため、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 被保険者が業務外の事由で死亡した場合、埋葬を行った被扶養者等に健康保険から埋葬料が支給されるため、記述は適切です。
覚えるポイント
- 法定免除の対象は「障害年金の受給権者」「生活保護の生活扶助受給者」などであり、遺族年金受給者は含まれません。
間違えやすいところ
- 遺族基礎年金を受給していると国民年金保険料が自動的に法定免除になると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2017年10月1日現在の社会保険諸法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標(PER・PBR・ROE)の計算
金融資産運用 · PER / PBR / ROE
X社株式の資料(株価500円、当期純利益200億円、純資産2,000億円、発行済株式数4億株)に基づくPER、PBR、ROEに関する説明文の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
PER(株価収益率)は株価÷1株当たり当期純利益(EPS)、PBR(株価純資産倍率)は株価÷1株当たり純資産(BPS)、ROE(自己資本利益率)は当期純利益÷自己資本×100で求められます。
解き方
- 1株当たり当期純利益(EPS)を計算します:200億円 ÷ 4億株 = 50円。PER = 500円 ÷ 50円 = 10倍。
- 1株当たり純資産(BPS)を計算します:2,000億円 ÷ 4億株 = 500円。PBR = 500円 ÷ 500円 = 1倍。
- ROEを計算します:200億円 ÷ 2,000億円 × 100 = 10%。
- 選択肢 1不正解
- PERが1倍、PBRが10倍と逆になっているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- PERは10倍、PBRは1倍、ROEは10%であり適切です。
- 選択肢 3不正解
- PBRおよびROEの数値が誤っているため不適切です。
覚えるポイント
- PER=株価÷EPS、PBR=株価÷BPS、ROE=当期純利益÷自己資本×100です。
間違えやすいところ
- PERとPBRの分母(利益か純資産か)を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:一般的な財務指標の定義に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
信用格付と債券の利回り・課税関係
金融資産運用 · 信用格付 / 投資適格債 / 債券の課税
社債の購入に関する留意点についての次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
信用格付において、投資適格とされるのは「BBB(トリプルB)格以上」です。「BB(ダブルB)格以下」は投資不適格(投機的格付け)と位置付けられます。
解き方
- 投資適格債の基準がBBB格以上であるかを確認します。
- 信用度が高いほどリスクが低いため、価格が高く利回りが低くなる原則を確認します。
- 公社債の利子に対する税率が20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 投資適格債券とされるのはBBB格相当以上であるため、BB格相当以上とする記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 格付が高い債券はデフォルトリスクが低いため価格が高くなり利回りは低くなるので、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一般公社債の利子には20.315%の源泉(特別)徴収が行われるため、記述は適切です。
覚えるポイント
- 投資適格はBBB以上、BB以下は投機的格付け(投資不適格)です。
間違えやすいところ
- Bが2つ(BB)で適格と勘違いしやすいので、トリプルB(BBB)が境界と覚えましょう。
出題の前提:金融市場慣行および金融商品取引法等の基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債の最終利回りの計算
金融資産運用 · 債券利回り / 最終利回り / 単利計算
購入価格102円(額面100円当たり)、表面利率0.6%、残存期間4年、償還価格100円のY社債を購入した場合の最終利回り(年率・単利)として、最も適切なものはどれか。なお、%表示の小数点以下第3位を四捨五入すること。
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解答
1
解説
最終利回り(%)は、〔表面利率+(償還価格-購入価格)÷残存年数〕÷購入価格×100 で求められます。
解き方
- 1年あたりの償還差損益を計算します:(100円 - 102円) ÷ 4年 = -0.5円。
- 年間の収益合計を求めます:表面利率 0.6円 + (-0.5円) = 0.1円。
- 購入価格で割って利回りを求めます:0.1円 ÷ 102円 × 100 = 0.09803...%。
- 小数点以下第3位を四捨五入して 0.10% となります。
- 選択肢 1正解
- 計算結果の約0.098%の小数点以下第3位を四捨五入すると0.10%となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 償還差損を誤って足してしまう等の計算誤りによる数値であり不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 分母を額面100円にするなどの計算誤りによる数値であり不適切です。
覚えるポイント
- 最終利回りの公式:〔年利率+(償還価格-購入価格)/残存期間〕/購入価格×100。
間違えやすいところ
- 購入価格102円で割るべきところを、額面100円で割ってしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:債券利回り(単利)の標準計算式に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除(特定・老人同居)の控除額
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族 / 同居老親等
Aさんの平成29年分の所得税における所得控除に関する次の記述の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)控除対象配偶者に該当する妻Bさん(48歳、収入なし)の配偶者控除:( ① )万円 ⅱ)特定扶養親族に該当する長男Cさん(20歳、大学生、収入なし)の扶養控除:( ② )万円 ⅲ)老人扶養親族(同居老親等)に該当する母Dさん(80歳、年金120万円)の扶養控除:( ③ )万円
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解答
3
解説
所得税の所得控除において、配偶者控除(一般)は38万円です。扶養控除は、一般の扶養親族(16歳以上)が38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)が63万円、老人扶養親族(70歳以上)のうち同居老親等は58万円(同居老親等以外は48万円)です。
解き方
- 妻Bさん(48歳)の配偶者控除額を判定します:38万円。
- 長男Cさん(20歳)は特定扶養親族に該当するため、扶養控除額は63万円。
- 母Dさん(80歳、同居)は同居老親等に該当するため、扶養控除額は58万円。
- 選択肢 1不正解
- 長男Cさんが一般扶養親族(38万円)、母Dさんが同居老親等以外(48万円)の額になっており不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者控除が48万円、同居老親等の控除額が48万円と誤っており不適切です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者控除38万円、特定扶養親族63万円、同居老親等58万円の組合せであり適切です。
覚えるポイント
- 特定扶養親族(19~22歳)は63万円、老人扶養親族の同居老親等は58万円です。
間違えやすいところ
- 同居老親等(58万円)と同居老親等以外の老人扶養親族(48万円)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成29年分所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
医療費控除の対象要件と支払年の原則
タックスプランニング · 医療費控除 / 人間ドック / 支払年分基準 / 足切り額
Aさんの平成29年分の所得税における医療費控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
健康診断や人間ドックの費用は原則として対象外ですが、異常・重大な疾病が発見され引き続き治療を受けた場合に限り対象となります。また、医療費控除は実際に支払った年の控除対象となり、総所得金額等が200万円以上の場合は一律10万円(保険金等の補填後)を超えた部分が控除対象です。
解き方
- 人間ドックで異常が発見されなかった場合の医療費控除の適否を判断します(対象外)。
- 過去の治療費を年をまたいで支払った場合の帰属年を判断します(実際に支払った年に対象)。
- 医療費控除の足切り限度額(10万円または総所得金額等の5%のいずれか低い方)を確認します。
- 選択肢 1正解
- 人間ドックの結果、重大な疾病が発見されず治療に結びついていないため、医療費控除の対象とならず適切です。
- 選択肢 2不正解
- 治療自体が前年中であっても、実際に支払ったのが平成29年中であれば平成29年分の医療費控除の対象となるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- Aさんの総所得金額等は200万円を超えているため、控除額算出にあたって差し引く額は原則10万円であり、20万円超である必要はないため不適切です。
覚えるポイント
- 人間ドック費用は「重大な疾病が発見され引き続き治療を行った場合」のみ控除対象となります。
間違えやすいところ
- 医療費控除は「治療を受けた年」ではなく「実際に支払った年」で判定することを見落とさないように注意が必要です。
出題の前提:所得税法第73条(医療費控除)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の総所得金額の計算
タックスプランニング · 給与所得 / 不動産所得 / 総所得金額
Aさんの平成29年分の収入等(給与収入900万円、不動産所得50万円)に基づく所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、給与所得控除額は与えられた速算表(660万円超1,000万円以下は収入金額×10%+120万円)を用いること。
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解答
2
解説
総所得金額は、給与所得や不動産所得などの総合課税の対象となる各種所得金額を合算(損益通算後)して算出します。給与所得は給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算します。
解き方
- 給与収入900万円に対する給与所得控除額を「900万円×10%+120万円=210万円」と計算します。
- 給与所得の金額を「900万円-210万円=690万円」と算出します。
- 給与所得690万円に不動産所得50万円を加算し、総所得金額740万円を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得690万円のみの金額であり、不動産所得50万円が合算されていないため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 給与所得690万円(900万円-210万円)と不動産所得50万円を合計した740万円であり、適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与収入900万円から控除を行わずに不動産所得50万円を単純合算した数値であり不適切です。
覚えるポイント
- 給与所得の計算式(収入金額-給与所得控除額)と総合課税の合算ルール
間違えやすいところ
- 給与所得控除を差し引く前の収入金額をそのまま他の所得と合算してしまうミス
出題の前提:2017年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法の接道義務と2項道路
不動産 · 接道義務 / 建築基準法第42条第2項道路 / 敷地条件
《設例》の土地および接道状況に関する文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「建築基準法の規定では、都市計画区域内の建築物の敷地は、原則として、幅員( ① )以上の道路に( ② )以上接しなければならないが、幅員が( ① )未満の道路であっても、特定行政庁に指定された建築基準法第42条第2項に規定される道路とみなされた場合は、一定の条件のもとに建築物を建築することができる。したがって、仮に、《設例》の( ③ )のみを購入した場合、現状のままでは自宅の建築は不可能であると判断できる。」
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解答
2
解説
都市計画区域内の建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接道しなければなりません(接道義務)。幅員4m未満でも第42条第2項により指定された道路に2m以上接していればセットバックを条件に建築可能ですが、接道長さが2mに満たない敷地には建築できません。
解き方
- 接道義務の原則要件が「幅員4m以上の道路に2m以上接する」ことである点から、空欄①が4m、空欄②が2mであることを確認します。
- 各土地の接道状況を確認し、乙土地の通路部分の幅(接道幅)が1.5mであり2m未満となっているため、単独購入では建築できない土地(空欄③)が乙土地であることを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 接道義務における接道幅は2m以上であり、また甲土地は通路幅3.5mで接道しているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- ①4m、②2m、③乙土地(接道幅1.5mで接道義務未達)の組合せであり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 道路幅員の原則は4m以上であり、また丁土地は2項道路に10m接道しておりセットバックにより建築可能です。
覚えるポイント
- 接道義務の原則は幅員4m以上の道路に2m以上接道すること
間違えやすいところ
- 2項道路(みなし道路)に面する土地はセットバックすれば建築可能であることを見落とすミス
出題の前提:2017年10月1日現在施行の建築基準法第42条・第43条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
敷地後退(セットバック)を伴う建築面積の最高限度
不動産 · 建築基準法第42条第2項 / セットバック / 建ぺい率 / 建築面積
仮に、Aさんが丙土地と丁土地を購入し、一体とした敷地上に住宅を建築する場合、建築基準法による最大の建築面積を求める計算式として、最も適切なものはどれか。なお、南側道路(市道)は幅員2mの建築基準法第42条第2項道路であり、中心線は道路の中心にある。用途地域の指定建ぺい率は60%である。
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解答
2
解説
幅員4m未満の2項道路に面する土地は、道路中心線から2m後退(セットバック)した線が道路境界線とみなされます。セットバックした部分は道路とみなされるため敷地面積から除外され、建ぺい率や容積率の計算対象には含められません。
解き方
- 南側道路(幅員2m、反対側は宅地)の中心線から2mの位置まで後退するため、境界線から「2m-1m=1m」のセットバックが生じることを確認します。
- 一体とする敷地の奥行を「丙土地10m+丁土地(10m-セットバック1m)=19m」と求め、敷地面積を「間口10m×奥行19m=190㎡」と計算します。
- 指定建ぺい率60%を乗じて「10m×19m×60%=114㎡」と建築面積の最高限度を算出します。
- 選択肢 1不正解
- セットバック長さを2mとして計算しており(10m×18m)、誤った後退幅であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- セットバック1mを控除した敷地面積(10m×19m)に建ぺい率60%を乗じた正しい計算式です。
- 選択肢 3不正解
- 指定容積率100%を乗じて延べ面積の最高限度を計算しており、建築面積の算定として不適切です。
覚えるポイント
- 2項道路の両側後退では道路幅員2mの場合、境界から1m後退(セットバック)となること
間違えやすいところ
- セットバックした部分を敷地面積に算入したまま建築面積を計算してしまうミス
出題の前提:2017年10月1日現在施行の建築基準法第42条第2項および第53条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得・保有に係る税金
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 固定資産税の住宅用地の特例
土地の購入あるいは住宅の建築における税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅用地に係る固定資産税は、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)については課税標準が価格の6分の1、一般住宅用地(200㎡を超える部分)については3分の1に軽減されます。一方、宅地の不動産取得税の課税標準は2分の1、新築住宅の所有権保存登記の登録免許税の軽減税率は1,000分の1.5です。
解き方
- 宅地取得に係る不動産取得税の課税標準特例は「2分の1」であるため、選択肢1の「3分の1」が誤りであることを確認します。
- 自己居住用の新築住宅に係る登録免許税(所有権保存登記)の軽減税率は「1,000分の1.5」であるため、選択肢2の「1,000分の3」が誤りであることを確認します。
- 丙土地(100㎡)に住宅を新築した場合、200㎡以下の小規模住宅用地に該当し、課税標準が6分の1となるため選択肢3が適切であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 宅地の不動産取得税の課税標準の特例により乗じる割合は「2分の1」であり、3分の1ではないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 住宅用家屋の新築に伴う所有権保存登記の軽減税率は「1,000分の1.5」であり、1,000分の3ではないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 住宅用地のうち200㎡以下の小規模住宅用地に該当するため、課税標準は課税標準となるべき価格の6分の1となり適切です。
覚えるポイント
- 小規模住宅用地(200㎡以下)の固定資産税課税標準は6分の1に軽減される
間違えやすいところ
- 固定資産税の小規模住宅用地の特例(6分の1)と一般住宅用地(3分の1)の数値を混同するミス
出題の前提:2017年10月1日現在施行の地方税法および租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続分
相続・事業承継 · 法定相続分 / 配偶者と子 / 普通養子の相続分
被相続人Aさん(死亡)の家族が妻Bさん、長男Cさん、長女Dさん、養子Eさん(普通養子)である場合の民法上の法定相続分の組合せとして、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
民法上、配偶者と子が相続人となる場合の法定相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1です。子が複数いる場合は均等按分となり、普通養子の法定相続分は実子と全く同等(同じ割合)として扱われます。
解き方
- 相続人を確定します(配偶者である妻Bさんと、子である長男Cさん、長女Dさん、養子Eさんの計4人)。
- 配偶者の法定相続分を「1/2」と決定します。
- 子の法定相続分「1/2」を3人の子(Cさん、Dさん、Eさん)で等分し、1人あたり「1/2÷3=1/6」と算出します。
- 選択肢 1不正解
- 養子の法定相続分を実子の半分として計算していますが、民法上の普通養子は実子と同等の相続分を有するため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者と子が同等の均等割合(各1/4)になっており、民法の法定相続分の配分規定と異なるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者が1/2、3人の子が均等に各1/6(1/2×1/3)となり、民法上の規定に合致して適切です。
覚えるポイント
- 民法上の法定相続分において実子と普通養子で相続割合の差別はないこと
間違えやすいところ
- 養子の相続分を非嫡出子の旧規定などと混同して実子の半分にしてしまう誤解
出題の前提:2017年10月1日現在施行の民法第900条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 特定居住用宅地等 / 限度面積 / 減額割合
Aさんの自宅の敷地(地積400㎡、相続税評価額8,000万円)を配偶者である妻Bさんが取得した場合、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用により減額される金額を算出する計算式として、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
被相続人の居住の用に供されていた宅地等(特定居住用宅地等)を配偶者等が取得した場合、330㎡までの部分について相続税評価額の80%が減額されます。敷地面積が限度面積を超える場合は、限度面積相当部分のみが減額の対象となります。
解き方
- 自宅の敷地を配偶者Bさんが取得したため、特定居住用宅地等の適用要件を満たすことを確認します。
- 特定居住用宅地等の限度面積が「330㎡」、減額割合が「80%」であることを確認します。
- 敷地全体400㎡・評価額8,000万円に適用し、「8,000万円×(330㎡/400㎡)×80%=5,280万円」と計算します。
- 選択肢 1不正解
- 限度面積(330㎡)を超えて敷地全体(400㎡)に特例を適用して計算しているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 特定居住用宅地等の限度面積330㎡と減額割合80%を正しく適用した計算式であり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 貸付事業用宅地等の限度面積(200㎡)や減額割合(50%)を用いて計算しているため不適切です。
覚えるポイント
- 特定居住用宅地等の限度面積は330㎡、減額割合は80%
間違えやすいところ
- 敷地面積全体が限度面積を超えているのに敷地全体に80%を乗じてしまうミス
出題の前提:2017年10月1日現在施行の租税特別措置法第69条の4に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除と申告手続・生前贈与加算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 生前贈与加算 / 相続税の申告期限
Aさんの相続に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内(死亡年含む)に被相続人から暦年課税に係る贈与を受けた財産は相続税の課税価格に加算されます。特に死亡した年に受けた贈与については、贈与税の課税価格に算入されず贈与税申告も不要とされています(相続税の対象となります)。
解き方
- 基礎控除額を「3,000万円+600万円×4人(配偶者・実子2人・普通養子1人)=5,400万円」と計算し、記述1が適切であることを確認します。
- 死亡年(平成29年)に被相続人から贈与を受けた財産について、相続財産を取得した長女Dさんは贈与税申告ではなく相続税の課税価格への加算対象となるため、記述2が不適切であることを確認します。
- 相続税の申告期限が「相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内」であることを確認し、記述3が適切であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 実子がいる場合の普通養子は1人まで法定相続人の数に算入できるため、4人分で5,400万円となり適切です。
- 選択肢 2正解
- 相続開始の年に被相続人から受けた贈与財産は相続税の課税価格に加算され、贈与税申告書の提出は要しないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 相続税の申告書の提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内と規定されており適切です。
覚えるポイント
- 相続開始の年の被相続人からの贈与財産は相続人が取得した場合は贈与税申告不要(相続税に加算)
間違えやすいところ
- 普通養子がいる場合の税法上の法定相続人の数(実子ありの場合は1人まで)のカウントミス
出題の前提:2017年10月1日現在施行の相続税法第15条、第21条の2、第27条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2018年1月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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