日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
国民年金保険料と学生納付特例制度
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 国民年金保険料 / 学生納付特例制度 / 追納
MさんがAさんに対して説明した、長女Cさんに係る国民年金の保険料および学生納付特例制度に関する文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを選びなさい。 「長女Cさんは、原則として、国民年金の第1号被保険者として、国民年金の保険料を納付する義務があります。国民年金の保険料は、月額( ① )円(平成29年度)です。ただし、大学生である長女Cさんについては、長女Cさん本人の所得が一定額以下の場合には、学生納付特例制度を利用することにより、在学中の国民年金の保険料の納付が猶予されます。この制度を利用して納付が猶予された保険料は、所定の手続により、( ② )前まで遡って納めることができます。なお、保険料を追納しなかった場合、学生納付特例制度の承認を受けた期間は、老齢基礎年金の年金額の計算の対象となる月数に( ③ )」
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解答
2
解説
20歳以上の国内居住者は原則として国民年金の被保険者となります。学生納付特例制度は本人の所得基準を満たす場合に保険料納付が猶予される制度であり、受給資格期間には算入されますが、年金額を増やすには10年以内の追納が必要です。
解き方
- 平成29年度における国民年金第1号被保険者の保険料月額が16,490円であることを確認する。
- 学生納付特例制度により猶予された保険料の追納可能期間が過去10年以内であることを確認する。
- 追納を行わなかった場合、当該猶予期間は老齢基礎年金の合算対象・受給資格期間には含まれるが受給額の計算には算入されないことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 平成29年度の保険料額(16,490円)および追納可能期間(10年)の記述が誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①16,490円、②10年、③算入されません、の組み合わせがすべて正しく適切です。
- 選択肢 3不正解
- 追納可能期間(10年)および年金額計算への算入(算入されない)の記述が誤りです。一部算入されるのは国庫負担のある一部免除等の場合です。
覚えるポイント
- 学生納付特例の承認期間は受給資格期間には算入されるが、追納しない限り年金額には反映されない。追納は10年前まで可能。
間違えやすいところ
- 一部免除期間と混同して学生納付特例でも国庫負担分が年金額に一部反映されると誤解しやすい。
出題の前提:平成29年度(2017年度)施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度の老齢給付(在職老齢年金・加給年金・繰下げ)
ライフプランニングと資金計画 · 在職老齢年金 / 加給年金 / 老齢厚生年金の繰下げ
MさんがAさんに対して説明した公的年金制度からの老齢給付に関する次の説明のうち、最も適切なものを選びなさい。
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解答
1
解説
厚生年金保険に加入しながら受給する老齢厚生年金は在職老齢年金制度の対象となり、賃金と年金額に応じて支給調整が行われます。加給年金は厚生年金被保険者期間が20年以上ある受給権者が一定の生計維持関係にある配偶者等を有する場合に加算され、繰下げ受給は老齢基礎年金と老齢厚生年金で別々に申出が可能です。
解き方
- 特別支給の老齢厚生年金における在職老齢年金制度(支給停止の仕組み)の適用の有無を確認する。
- Aさんの厚生年金被保険者期間(20年以上)と生計維持関係にある65歳未満の妻Bさんの存在から加給年金が加算される点を確認する。
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ請求は別個に行えることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 厚生年金に加入して就労を継続する場合、在職老齢年金の仕組みにより特別支給の老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となることがあります。
- 選択肢 2不正解
- Aさんは厚生年金被保険者期間が20年以上あり、65歳未満で生計維持されている配偶者(妻Bさん)がいるため、原則として加給年金が加算されます。
- 選択肢 3不正解
- 老齢厚生年金と老齢基礎年金の繰下げ受給の申出は、それぞれ別々に行うことができます。
覚えるポイント
- 加給年金は厚生年金被保険者期間20年以上の受給権者に一定の生計維持配偶者・子がいる場合に加算される。繰下げは基礎・厚生で別個に選択可能。
間違えやすいところ
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ請求は必ずセットで行わなければならないと誤認しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 報酬比例部分 / 本来水準の額 / 総報酬制
AさんがX社を65歳で退職した場合に原則65歳から受給できる老齢厚生年金の額(平成29年度価額)のうち、報酬比例部分の額(本来水準の額)を算出する計算式として、最も適切なものを選びなさい。
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解答
3
解説
老齢厚生年金の報酬比例部分は、平成15年(2003年)4月の総報酬制導入前後で計算式が区分されます。平成15年3月以前は平均標準報酬月額に7.125/1,000を乗じ、平成15年4月以後は賞与を含む平均標準報酬額に5.481/1,000を乗じて月数を掛けます。
解き方
- 資料より、平成15年3月以前の厚生年金期間が252月、平均標準報酬月額が320,000円であることを確認する。
- 平成15年4月以後の厚生年金期間が254月(425月-252月+81月=254月)、平均標準報酬額が410,000円であることを確認する。
- 平成15年3月以前に乗じる乗率は7.125/1,000、平成15年4月以後に乗じる乗率は5.481/1,000であるため、それぞれの式を正しく合算した選択肢3を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 平成15年4月以後の乗率に平成15年3月以前の7.125/1,000が使用されているため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 加入期間の区分が総報酬制導入前後の月数(252月と254月)ではなく、現在までの月数(425月)と今後の見込み(81月)で分けられているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 平成15年3月以前(252月・乗率7.125/1,000)と平成15年4月以後(254月・乗率5.481/1,000)が正しく適用されています。
覚えるポイント
- 報酬比例部分の乗率は、平成15年3月以前が7.125/1,000、平成15年4月以後が5.481/1,000。
間違えやすいところ
- 経過期間(見込み期間)と平成15年4月の制度改正時期を取り違えて月数を当てはめてしまうミスが多い。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAの制度概要(非課税投資枠・非課税期間・対象商品)
金融資産運用 · NISA / 少額投資非課税制度 / 非課税投資枠 / 投資信託
MさんがAさんに対して説明した、平成29年におけるNISAの概要に関する文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを選びなさい。 「NISAは、個人投資家がNISA口座を利用して上場株式等に投資する場合に配当等や譲渡益等が非課税となる税制優遇制度です。 平成29年中にNISA口座でX社株式を購入する場合、非課税投資枠の上限は( ① )万円となり、その非課税期間は最長で( ② )年間となります。また、NISA口座の受入れの対象となる金融商品には、上場株式のほかに、( ③ )や公募株式投資信託などがあります」
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解答
2
解説
旧一般NISAは上場株式や株式投資信託等の値上がり益や配当金を非課税とする制度です。平成28年以降の年間非課税投資枠は120万円、保有期間は最長5年間で、対象商品は株式や株式投資信託、J-REIT等に限られ、公社債や公社債投信は受入れできません。
解き方
- 平成29年におけるNISAの年間非課税限度額が120万円であることを確認する(平成28年より100万円から拡充)。
- 非課税期間が最長5年間であることを確認する。
- NISAの対象資産を確認し、J-REITは対象となるが公社債投資信託や個人向け国債は対象外であることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 非課税期間は最長5年間であり、公社債投資信託はNISAの受入対象外であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 非課税枠120万円、最長5年間、J-REIT(上場不動産投資信託)が対象であるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 平成29年当時の非課税投資枠は120万円であり、また個人向け国債などの公社債はNISAの対象外であるため誤りです。
覚えるポイント
- 一般NISA(当時)は年間投資枠120万円、最長5年間非課税。公社債や公社債投資信託は対象外。
間違えやすいところ
- 公社債投資信託や国債などの公社債もNISAで購入できると勘違いしやすい点に注意。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式市場の取引ルール(受渡日・価格優先・成行優先)
金融資産運用 · 株式の売買 / 受渡期日 / 指値注文 / 成行注文 / 売買の優先原則
MさんがAさんに対して説明した株式投資の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。
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解答
1
解説
上場株式の普通取引では、約定日から一定日数後に売買代金の決済と株式の引き渡しが行われます(出題当時は起算して4営業日目、2019年7月以降は起算して3営業日目に短縮)。株式市場の注文処理では「価格優先の原則」と「時間優先の原則」があり、成行注文は指値注文に常に優先します。
解き方
- 出題当時における上場株式の普通取引の受渡期日(約定日から起算して4営業日目)を確認する。
- 価格優先の原則により、買い注文は高価格優先、売り注文は低価格優先であることを確認する。
- 成行注文が指値注文よりも優先して執行される「成行優先の原則」を確認する。
- 選択肢 1正解
- 2017年当時の法令・取引ルールにおいて、普通取引の受渡日は約定日から起算して4営業日目であったため、3営業日目とする記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 価格優先の原則に基づき、買い指値注文は高い注文が低い注文に優先して成立するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 成行注文はすべての指値注文に優先して執行されるため適切です。
覚えるポイント
- 取引の優先順位は成行優先・価格優先(買いは高値優先、売りは安値優先)・時間優先。
間違えやすいところ
- 2019年7月16日に株式の受渡期日がT+2(起算して3営業日目)に短縮されたが、本問出題当時はT+3(起算して4営業日目)であった制度変更の経緯に留意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標の計算(PER・自己資本比率・配当利回り)
金融資産運用 · 株式投資指標 / PER / 自己資本比率 / 配当利回り / EPS
設例のX社に関する資料に基づき算出した、X社株式の投資指標等に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。
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解答
3
解説
PERは「株価÷1株当たり当期純利益(EPS)」、自己資本比率は「純資産(自己資本)÷総資産×100」、配当利回りは「1株当たり年間配当金÷株価×100」によって求められます。
解き方
- EPS(1株当たり当期純利益)を計算する:35億円 ÷ 3,500万株 = 100円。PERは「1,200円 ÷ 100円 = 12倍」となり正しい。
- 自己資本比率を計算する:350億円 ÷ 1,000億円 × 100 = 35%となり正しい。
- 1株当たり配当金を計算する:12億6,000万円 ÷ 3,500万株 = 36円。配当利回りは「36円 ÷ 1,200円 × 100 = 3%」となり、5%とする記述は誤り。
- 選択肢 1不正解
- EPSが100円(35億円÷3,500万株)であり、PERは1,200円÷100円=12倍となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 自己資本比率は350億円÷1,000億円×100=35%となるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 配当利回りは(36円÷1,200円)×100=3%であり、記述の「5%」は不適切です。
覚えるポイント
- 配当利回り = 1株当たり配当金 ÷ 株価 × 100。PER = 株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)。
間違えやすいところ
- 配当性向(配当金÷純利益)や配当利回り(配当金÷株価)の分子・分母の混同に注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の確定申告要件と還付申告
タックスプランニング · 確定申告 / 給与所得者 / 20万円基準 / 医療費控除 / 年末調整
所得税の確定申告に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを選びなさい。 「給与所得者の給与から源泉徴収された所得税は、勤務先で行う年末調整によって精算されるため、その年分の所得が1カ所のみからの給与所得だけであれば、原則として、給与所得者は、所得税の確定申告が不要である。ただし、その年分の給与収入の金額が( ① )万円を超える給与所得者の場合は、勤務先での年末調整の対象とならないため、所得税の確定申告をしなければならない。 Aさんは、平成29年分の給与収入の金額は( ① )万円を超えていないが、給与所得および退職所得以外の所得金額が( ② )万円を超えているため、平成29年分の所得税の確定申告をしなければならない。なお、所得税の確定申告を要しない場合であっても、年末調整では控除されない( ③ )などの適用を受ける場合には、所得税の還付を受けるために確定申告書を提出することができる」
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解答
2
解説
年末調整の対象外となる給与所得者の代表例は「年間の給与収入金額が2,000万円を超える人」です。また、1か所から給与の支払を受けている人で「給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える人」は確定申告が必要です。医療費控除、寄附金控除、雑損控除は年末調整で控除できません。
解き方
- 給与所得者で確定申告が必要となる給与収入基準が2,000万円超であることを確認する(①は2,000)。
- 給与所得以外の所得金額が20万円を超えると確定申告が必要となる基準を確認する(②は20)。
- 年末調整で受けることができず確定申告が必要な所得控除(医療費控除、寄附金控除、雑損控除)のうち、選択肢2の医療費控除が合致することを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得・退職所得以外の所得基準は10万円ではなく20万円です。
- 選択肢 2正解
- ①2,000万円、②20万円、③医療費控除の組み合わせが正しく適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与収入基準は2,000万円であり、生命保険料控除は年末調整で適用を受けることができる控除であるため誤りです。
覚えるポイント
- 年末調整を受けられない給与所得者は給与収入2,000万円超。副業等の他所得20万円超で確定申告必要。医療費控除は年末調整不可。
間違えやすいところ
- 生命保険料控除や地震保険料控除は年末調整で適用可能であるのに対し、医療費控除・寄附金控除・雑損控除は年末調整で申告できない点を見落としやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除(配偶者控除・扶養控除)の判定
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族 / 年少扶養親族
Aさんの平成29年分の所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。
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解答
3
解説
配偶者控除は合計所得金額38万円以下(給与収入103万円以下)の生計を一にする配偶者が対象です。扶養控除は16歳以上の扶養親族が対象で、16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満は一般の控除対象扶養親族(38万円)、19歳以上23歳未満は特定扶養親族(63万円)となります。16歳未満は扶養控除の対象外です。
解き方
- 妻Bさん(給与収入90万円)の所得を計算する:90万円-65万円=25万円 ≦ 38万円であるため、控除対象配偶者(控除額38万円)に該当する(記述1は適切)。
- 長男Cさん(20歳、無収入)の年齢区分を確認する:19歳以上23歳未満であるため特定扶養親族(控除額63万円)に該当する(記述2は適切)。
- 長女Dさん(15歳、無収入)の年齢区分を確認する:16歳未満であるため年少扶養親族となり、扶養控除の対象外である(記述3は不適切)。
- 選択肢 1不正解
- 妻Bさんの合計所得金額は25万円(給与収入90万円-給与所得控除65万円)で38万円以下であるため、配当・配偶者控除38万円の適用を受けられ適切です。
- 選択肢 2不正解
- 長男Cさんは20歳で無収入であり、19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当するため控除額63万円の適用を受けられ適切です。
- 選択肢 3正解
- 長女Dさんは15歳であり、16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)は扶養控除の対象外となるため、記述は不適切です。
覚えるポイント
- 扶養控除の対象となる控除対象扶養親族はその年の12月31日時点で16歳以上の親族。16歳未満は控除対象外。
間違えやすいところ
- 中学生等の16歳未満の子供でも一般の扶養控除が受けられると誤認しやすい点に注意(子ども手当創設時に廃止)。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得および一時所得に係る総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得控除 / 一時所得
会社員Aさんの平成29年分の収入は給与収入800万円であり、同年中に契約後5年超が経過した一時払変額個人年金保険を解約して解約返戻金900万円(正味払込保険料800万円)を受領した。資料の給与所得控除額の速算表に基づき計算した場合、Aさんの平成29年分の所得税における総所得金額として最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は、給与所得などの総合課税の対象となる各種所得金額を合計して算出します。一時払変額個人年金保険を契約から5年超で解約して得た差益は一時所得として総合課税され、総収入金額から支出金額を差し引き、特別控除額(最高50万円)を控除した後の金額の2分の1が総所得金額に算入されます。
解き方
- 給与収入800万円から給与所得控除額(800万円×10%+120万円=200万円)を差し引き、給与所得金額600万円を計算する。
- 一時払変額個人年金保険の解約返戻金900万円から正味払込保険料800万円と特別控除額50万円を差し引き、一時所得50万円を計算する。
- 一時所得の金額の2分の1である25万円を給与所得600万円に合算し、総所得金額625万円を算出する。
- 選択肢 1正解
- 給与所得600万円と、一時所得の金額50万円の2分の1である25万円を合計すると625万円となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の2分の1課税(1/2を乗じる処理)を失念して50万円全額を合算した場合の金額であり不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得の計算において給与所得控除を考慮していない等の誤りであり不適切です。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入割合は2分の1(50万円控除後の残額×1/2)となります。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除50万円の控除忘れや、総所得金額に算入する際の2分の1計算の失念に注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
区分所有法における専有部分・大規模滅失・建替え決議
不動産 · 区分所有法 / 専有部分 / 復旧決議 / 建替え決議
区分所有法に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「区分所有法では、区分所有権の目的たる建物の部分を( ① )といい、区分所有権を有する区分所有者は、全員で、建物ならびにその敷地および附属施設の管理を行うための団体を構成し、集会を開き、規約を定め、および管理者を置くことができるとされている。また、区分所有法では、災害などで区分所有建物の一部が滅失した場合の復旧の手続や、建替えに関しても規定されている。規定によれば、建物の価格の2分の1超に相当する部分が滅失(大規模滅失)したときは、集会において、区分所有者および議決権の各( ② )以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができるとされている。また、集会において、区分所有者および議決権の各( ③ )以上の多数で、区分所有建物の建替え決議をすることができるとされている。」
解答・解説を表示
解答
2
解説
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)において、独立して住居や店舗等の用途に供することができる部分は専有部分と定義されます。また、集会における決議要件について、大規模滅失の復旧決議は区分所有者および議決権の各4分の3以上、建替え決議は各5分の4以上の特別多数決議が定められています。
解き方
- 区分所有権の対象となる建物部分が「専有部分」であることを確認する(①)。
- 建物価格の2分の1超が滅失した大規模滅失の復旧決議の要件が区分所有者および議決権の各「4分の3以上」であることを確認する(②)。
- 建替え決議の要件が区分所有者および議決権の各「5分の4以上」であることを確認する(③)。
- 選択肢 1不正解
- 大規模滅失の復旧決議は4分の3以上、建替え決議は5分の4以上の多数が必要であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- ①専有部分、②4分の3、③5分の4の組合せは区分所有法の規定に完全に合致しており適切です。
- 選択肢 3不正解
- ①は共用部分ではなく専有部分であり、大規模滅失の復旧決議要件は4分の3以上であるため不適切です。
覚えるポイント
- 区分所有法の決議要件:規約の設定・変更・廃止および大規模滅失の復旧は各4分の3以上、建替え決議は各5分の4以上です。
間違えやすいところ
- 小規模滅失(建物価格の2分の1以下)の復旧決議は普通決議(過半数)ですが、大規模滅失(2分の1超)は各4分の3以上の特別多数決議となります。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中古マンション購入時の売買契約・面積表示・住宅ローン控除
不動産 · 手付解除 / 壁芯面積と内法面積 / 住宅借入金等特別控除
Aさんが中古マンション(甲マンション:平成10年7月建築、RC造、専有面積71.00㎡・壁芯面積、売主は宅建業者でない個人)を購入する場合の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は新築住宅だけでなく、一定の要件を満たす既存住宅(中古住宅)の取得にも適用されます。中古マンション等の耐火建築物の場合、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、登記簿上の床面積が50㎡以上であることなどの要件を満たせば適用を受けられます。
解き方
- 解約手付の法的効力(相手方が履行に着手するまで買主は手付放棄により解除可能)を確認する。
- マンションの広告上の面積(壁芯面積)と登記記録の面積(内法面積)の違いを確認する。
- 中古マンションに対する住宅借入金等特別控除の適用要件(築年数・床面積等)を検討し、適用対象外とする記述の適否を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 手付金が解約手付である場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄して契約を解除できます。
- 選択肢 2不正解
- マンションの広告面積は壁その他の区画の中心線で囲まれた「壁芯面積」ですが、登記記録上の床面積は壁の内側で囲まれた「内法面積」となるため一致しません。
- 選択肢 3正解
- 甲マンションは耐火建築物で築25年以内かつ床面積要件(登記簿上50㎡以上)等を満たすため、中古住宅であっても住宅ローン控除の対象となり得ます。
覚えるポイント
- マンションの登記簿面積は「内法(うちのり)面積」で表示され、広告の「壁芯(かべしん)面積」より狭くなります。
間違えやすいところ
- 住宅借入金等特別控除は新築限定の制度ではなく、耐震要件や築年数要件(耐火建築物は25年以内など)を満たせば中古住宅でも適用可能です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における売主の瑕疵担保責任
不動産 · 瑕疵担保責任 / 権利行使期間 / 任意規定 / 無過失責任
民法における売買契約の瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい(※売主は宅地建物取引業者ではない個人)。
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解答
1
解説
民法上の瑕疵担保責任において、買主が目的物に隠れた瑕疵を発見した場合、契約解除または損害賠償の請求が可能です。この権利行使期間は買主が瑕疵を知った時から1年以内とされています。また、民法の規定は任意規定であるため個人間売買では特約による免責が有効であり、売主の責任は無過失責任とされています。
解き方
- 民法上の瑕疵担保責任の権利行使期間(知った時から1年以内)を確認する。
- 民法の規定が任意規定であり、宅建業者以外の個人間売買では免責特約が有効であることを確認する。
- 売主の瑕疵担保責任が無過失責任であり、善意無過失の売主も責任を負うことを確認する。
- 選択肢 1正解
- 民法における瑕疵担保責任の権利行使期間は、買主が隠れた瑕疵を知った時から1年以内と規定されているため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 民法の瑕疵担保責任の規定は任意規定であるため、売主が宅建業者でない個人間売買では責任を負わない特約(免責特約)も原則有効です。
- 選択肢 3不正解
- 売主の瑕疵担保責任は無過失責任であるため、売主が瑕疵の存在を知らなかったとしても責任を負う必要があります。
覚えるポイント
- 民法上の瑕疵担保責任の権利行使期間は「知った時から1年以内」です。
間違えやすいところ
- 宅建業者が自ら売主となる場合は宅建業法により引渡しから2年以上の特約義務(強行規定)がありますが、個人間売買では民法の任意規定が適用され免責特約も有効です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴と手続
相続・事業承継 · 自筆証書遺言 / 公正証書遺言 / 検認手続
遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
普通方式の遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。公正証書遺言は証人2人以上の立会いのもと公証人が作成し、原本が公証役場に原則20年間保管されるため偽造等のリスクがなく、家庭裁判所による検認が不要です。自筆証書遺言は全文・日付・氏名を自書して押印する必要があり、家庭裁判所の検認が必要です。
解き方
- 自筆証書遺言の作成方式(全文の自書が必要でパソコン作成は無効)を確認する。
- 公正証書遺言の作成に必要な証人の数(2人以上)を確認する。
- 公正証書遺言の保管方法および相続開始後の家庭裁判所での検認の要否(検認不要)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自書しなければならず、パソコンで本文を作成したものは無効となります。
- 選択肢 2不正解
- 公正証書遺言の作成には、証人2人以上の立会いが必要です(1人では作成できません)。
- 選択肢 3正解
- 公正証書遺言は原本が公証役場に保管されるため偽造等の恐れがなく、家庭裁判所での検認手続も不要であるため適切です。
覚えるポイント
- 公正証書遺言のポイント:証人は2人以上、原本は公証役場保管、検認手続は不要です。
間違えやすいところ
- 自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要ですが、公正証書遺言は検認が不要であるという対比を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除・教育資金贈与の非課税・死亡保険金の非課税限度額
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 教育資金の一括贈与の非課税特例 / 死亡保険金の非課税限度額
Aさんに係る相続および相続対策に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「ⅰ)仮に、Aさんの相続が現時点(平成29年9月10日)で開始した場合、相続における遺産に係る基礎控除額は、『3,000万円+( ① )万円×法定相続人の数』の算式により算出される。 ⅱ)仮に、孫EさんがAさんから『直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例』の適用を受けて教育資金の贈与を受ける場合、( ② )万円までは贈与税が非課税となる。 ⅲ)仮に、Aさんが相続対策として生命保険に加入した場合、相続人が相続で取得する相続税の課税対象となる死亡保険金のうち、( ③ )万円に法定相続人の数を乗じた金額を限度として相続税が非課税となる。」
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解答
2
解説
相続税の遺産に係る基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算します。祖父母等からの教育資金一括贈与の特例では受贈者1人あたり最高1,500万円まで非課税となります。生命保険金の非課税限度額は500万円×法定相続人の数となります。
解き方
- 相続税の基礎控除額の計算式における法定相続人1人あたりの加算額が「600万円」であることを確認する(①)。
- 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税限度額が「1,500万円」であることを確認する(②)。
- 死亡保険金の非課税限度額の計算式における法定相続人1人あたりの金額が「500万円」であることを確認する(③)。
- 選択肢 1不正解
- 教育資金一括贈与の限度額は1,500万円、死亡保険金の非課税限度額は500万円×法定相続人の数であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- ①600、②1,500、③500の組合せは法令の規定どおりであり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 基礎控除の加算額は600万円、死亡保険金の非課税限度額の乗数は500万円であり、数値が逆になっているため不適切です。
覚えるポイント
- 基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人の数。死亡保険金・死亡退職金の非課税枠:500万円×法定相続人の数。
間違えやすいところ
- 基礎控除の「600万円」と死亡保険金非課税枠の「500万円」を逆に覚えないよう整理が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
課税遺産総額に基づく相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 税率速算表
Aさんの相続が平成29年9月10日に開始し、課税遺産総額が1億2,000万円であった場合の相続税の総額として、提供された相続税の速算表を用いて計算した次の記述のうち最も適切なものを1つ選びなさい。 親族関係:妻Bさん、長男Cさん、長女Dさんの3名が法定相続人である。
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解答
3
解説
相続税の総額を計算する際は、課税遺産総額を実際の遺産分割割合に関わらず各法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして按分し、各人の取得金額に相続税の速算表(税率・控除額)を適用して税額を算出し、それらを全員分合計します。
解き方
- 法定相続人を特定し、各法定相続分(妻B:2分の1、長男C:4分の1、長女D:4分の1)を確認する。
- 課税遺産総額1億2,000万円を各人の法定相続分で按分する(妻B:6,000万円、長男C:3,000万円、長女D:3,000万円)。
- 速算表を適用して各人の税額を算出する(妻B:6,000万円×30%-700万円=1,100万円、長男C・長女D:各3,000万円×15%-50万円=各400万円)。
- 各人の算出税額を合算して相続税の総額を求める(1,100万円+400万円+400万円=1,900万円)。
- 選択肢 1不正解
- 法定相続人への按分や税率適用の計算手順が誤っており不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 課税遺産総額に直接税率を乗じてしまう等の計算ミスであり不適切です。
- 選択肢 3正解
- 法定相続分に応じた各人の税額(妻1,100万円、子各400万円)を合計すると1,900万円となり適切です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は、法定相続分に応ずる取得金額を基に各人の税額を求めてから合算します(配偶者控除等を引く前の段階の税額)。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額全体に直接速算表を適用してしまう誤りや、子の人数で等分した按分計算の誤りに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年9月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

