日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
遺族基礎年金の支給額の計算式
保険・リタイアメント · 遺族基礎年金 / 子の加算 / 支給要件
会社員Aさん(50歳)が平成29年9月10日に死亡した場合に、同居する妻Bさん(50歳)に支給される遺族基礎年金の年金額(年額)を算出する計算式として、最も適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。なお、長男Cさんは19歳、長女Dさんは15歳であり、いずれも障害等級に該当せず、年金額は平成29年度価額に基づいて計算するものとする。
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解答
2
解説
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡したときに、生計を維持されていた「子のいる配偶者」または「子」に支給されます。対象となる「子」とは、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子、または障害等級1級・2級の20歳未満の子に限られます。
解き方
- 設例の家族構成から遺族基礎年金における「子」の要件に該当する対象者を判定する(19歳の長男Cさんは対象外、15歳の長女Dさんは対象)。
- 平成29年度の基本額(779,300円)に、子1人分の加算額(224,300円)を合算する算式を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 長男Cさん(19歳)は18歳年度末を経過しているため加算対象外であり、第2子の加算額74,800円を含める計算式は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 遺族基礎年金の対象となる子は長女Dさん(1人)のみであるため、基本額779,300円+加算額224,300円とする本選択肢が適切です。
- 選択肢 3不正解
- 子の加算額が全く反映されておらず、生計を維持している15歳の長女Dさんがいる条件を満たしていません。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金の「子」は18歳到達年度末までの未婚の子(または20歳未満の障害1・2級の子)。
間違えやすいところ
- 大学に通っていても18歳年度末を過ぎた子は遺族基礎年金の加算対象外となる点を見落とすミスが多いです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等および平成29年度年金額改定基準
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金および中高齢寡婦加算の仕組み
保険・リタイアメント · 遺族厚生年金 / 短期要件 / 中高齢寡婦加算
Aさんが死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族厚生年金の金額や給付内容に関するファイナンシャル・プランナーMさんの説明として、最も適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。
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解答
3
解説
遺族厚生年金は、厚生年金被保険者等の死亡時に遺族へ支給される年金で、原則として被保険者の老齢厚生年金報酬比例部分の4分の3相当額です。被保険者期間が300月未満の場合は300月として計算する最低保障(短期要件)があります。また、遺族基礎年金を受給していた妻が子のある要件を喪失した際に40歳以上65歳未満であれば中高齢寡婦加算が支給されます。
解き方
- 各選択肢の遺族厚生年金の計算割合(4分の3)、短期要件の保障月数(300月)、中高齢寡婦加算の要件(40歳以上65歳未満)を照合する。
- 長女Dさんの18歳年度末終了時に妻Bさんが40歳以上65歳未満であり、中高齢寡婦加算が加算される3の説明が適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 遺族厚生年金の額は、原則として老齢厚生年金の報酬比例部分の額の「4分の3」に相当する額となります。全額(報酬比例部分の額そのもの)ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 死亡した被保険者の厚生年金期間が300月に満たない場合に300月とみなして計算する最低保障がありますが、「480月」とみなす規定ではありません(なおAさんは329月加入)。
- 選択肢 3正解
- 遺族基礎年金を受給していた妻が、子の対象年齢終了によって遺族基礎年金を失権した際、40歳以上65歳未満であれば遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の報酬比例部分は原則「4分の3」。短期要件の最低みなし月数は「300月」。
間違えやすいところ
- 老齢基礎年金の満額月数である480月と、遺族厚生年金の短期要件の最低みなし期間である300月を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の各種給付制度(窓口負担・高額療養費・傷病手当金)
保険・リタイアメント · 健康保険 / 一部負担金 / 傷病手当金 / 高額療養費
会社員Aさんに対する健康保険の給付制度について、ファイナンシャル・プランナーMさんが行ったアドバイスのうち、最も不適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。
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解答
3
解説
健康保険の傷病手当金は、被保険者が私傷病の療養のために労務に服することができず、給与を受けられない場合に、休業4日目から支給されます。支給日額は支給開始日以前の標準報酬月額の平均日額の「3分の2」相当額です。
解き方
- 選択肢1および2の窓口負担割合(70歳未満は3割)と高額療養費の趣旨(月ごとの自己負担限度額超過額の支給)を確認する。
- 選択肢3の傷病手当金の支給額割合(正しくは3分の2)と記述(4分の3)を比較し、不適切であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 70歳未満の被保険者の医療費の一部負担割合は、入院・外来ともに原則3割であるため適切な説明です。
- 選択肢 2不正解
- 高額療養費制度は、同一月・同一医療機関で支払った一部負担金が自己負担限度額を超えた場合に超過分が支給される制度であり適切です。
- 選択肢 3正解
- 傷病手当金の1日当たりの支給額は、標準報酬日額相当の「3分の2」です。「4分の3」とする説明は不適切です。
覚えるポイント
- 傷病手当金の支給額は標準報酬日額相当の「3分の2」、待期期間は連続3日間で支給は4日目から。
間違えやすいところ
- 雇用保険の基本手当日額の給付率や労災保険の休業補償給付等と混同し、健康保険の傷病手当金の「3分の2」を誤認しやすいです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の健康保険法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
必要保障額の概念と算出時の留意点
保険・リタイアメント · 必要保障額 / 団体信用生命保険 / 遺族生活資金
会社員Aさん(37歳)の生命保険見直しにあたり、必要保障額の考え方についてファイナンシャル・プランナーMさんが行ったアドバイスのうち、最も不適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。
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解答
2
解説
必要保障額は「遺族に必要な支出総額(生活費・教育費・住居費など)- 遺族の収入見込総額(公的年金・遺族の就労収入・預貯金など)」で算出します。団体信用生命保険に加入していれば死亡時にローンが完済されるため、死亡後の住宅ローン返済支出は考慮不要となります。
解き方
- 必要保障額の基本構造と推移(子どもの成長に伴う逓減傾向)を確認する。
- 団体信用生命保険の機能を踏まえ、死亡時に残債務が保険金で相殺・消滅するため、遺族の必要資金に住宅ローン残債を含めないという原則に照らして判断する。
- 選択肢 1不正解
- 子どもの成長に伴って独立までの教育費や生活費の残存年数が減るため、必要保障額は通常逓減します。適切な説明です。
- 選択肢 2正解
- 団体信用生命保険により住宅ローン残債は保険金で弁済されるため、妻が弁済する必要はなく、遺族に必要な資金総額に住宅ローン残債を含める説明は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 遺族の収入見込金額には、公的遺族年金や遺族の現実的な就労収入などを算入するため適切なアドバイスです。
覚えるポイント
- 団体信用生命保険(団信)があれば死亡時に住宅ローン残債はゼロになり、必要保障額に含めない。
間違えやすいところ
- 住宅ローン残債をそのまま遺族の支出に加算してしまう誤り。団信加入の有無によって住居費用の計上方法が異なる点に注意。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等および保険実務慣行
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
提案された生命保険・特約の保障内容の理解
保険・リタイアメント · 収入保障特約 / 重度疾病保障特約 / 総合医療特約
ファイナンシャル・プランナーMさんが提案した生命保険の主契約および特約の内容について、Aさんに対して行った説明のうち、最も不適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。
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解答
2
解説
特定疾病保障や重度疾病保障定期保険特約は、所定の疾病に該当した際に保険金が前払いで支払われると特約が消滅し、以後の死亡保障は消滅する仕組みが一般的です(死亡保険金と特定疾病保険金は重複して受け取れません)。
解き方
- 設例の資料および注記(注2:重度疾病保険金を支払った場合、本特約は消滅する)を確認する。
- 重度疾病で300万円受取後に死亡保険金300万円がさらに支払われるとする選択肢2の記述が消滅規定と矛盾することを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 収入保障特約は年金形式で受取期間満了まで支給されるため、保険期間の経過とともに年金受取総額が逓減します(最低支払保証期間を除く)。適切な説明です。
- 選択肢 2正解
- 重度疾病保険金が支払われると本特約は消滅するため、その後に死亡しても重ねて本特約から死亡保険金300万円が支払われることはありません。
- 選択肢 3不正解
- 基本医療特約に加えて、がん特化保障や通院特約の付加を個々のニーズに応じて検討することは適切なアドバイスです。
覚えるポイント
- 特定疾病(三大疾病・重度疾病)保障特約は、給付金を受け取ると特約が消滅し、死亡保険金との重複受取はできない。
間違えやすいところ
- 特約の名称に「定期保険特約」とついているため、疾病保険金と死亡保険金の両方が独立して支払われると誤解しやすい点に注意。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等および約款規定
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の見直しにおける適切なアドバイス
保険・リタイアメント · 生命保険の見直し / ライフステージ / 保険乗り換えの注意点
生命保険の見直しにあたり、ファイナンシャル・プランナーMさんがAさんに対して行ったアドバイスのうち、最も不適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。
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解答
3
解説
生命保険の見直しは、結婚・出産・住宅購入・退職などのライフサイクルの変化に合わせて行うのが基本です。保険会社の改定や新商品の発売に合わせて無批判に乗り換えることは、契約者にとって不利益となるリスクが高いため不適切です。
解き方
- 生命保険見直しの目的(家族の生活設計・ライフイベント対応)を確認する。
- 選択肢3の新商品の発売に合わせて機械的に乗り換えるという手法が、加入者の不利益につながる不適切なアドバイスであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- ライフステージや家族環境の変化(第2子誕生や住宅取得など)に合わせて見直すことは保険設計の基本であり適切です。
- 選択肢 2不正解
- まとまった資金が必要な葬儀費・教育費は一時金、毎月発生する生活費は年金形式で準備するという組み合わせは適切です。
- 選択肢 3正解
- 新商品が発売されるたびに乗り換えると保険料が高くなったり有利な契約を失うおそれがあるため、商品改定に合わせて乗り換えるべきとする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 生命保険の見直しは「ライフイベント」に応じて行い、安易な転換・乗り換えは避ける。
間違えやすいところ
- 新商品の方が常に有利であると盲信し、年齢上昇や再告知による引受制限のリスクを見落とす誤りに注意。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等およびFP職業倫理・顧客本位の相談原則
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の金額 / 勤続年数の端数切上げ
株式会社X社の代表取締役社長Aさんが役員退職金5,000万円を受け取った場合における退職所得の金額の計算式として、最も適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。なお、Aさんの役員在任期間(勤続期間)は29年3カ月とし、障害退職ではなく、他の退職手当等の収入はないものとする。
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解答
1
解説
退職所得の金額は、原則として「(収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2」で算出します。退職所得控除額は、勤続年数20年以下の部分が1年につき40万円(最低80万円)、20年超の部分が1年につき70万円であり、勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げて1年とします。
解き方
- 役員在任期間29年3カ月の1年未満の端数を切り上げ、勤続年数を30年と算出する。
- 退職所得控除額を計算する:800万円 + 70万円 × (30年 - 20年) = 1,500万円。
- 控除後の残額に1/2を乗じて退職所得の金額を求める:(5,000万円 - 1,500万円) × 1/2 = 1,750万円。
- 選択肢 1正解
- 勤続年数を端数切り上げの30年とし、20年超の控除額(70万円×超年数)を適用した上で1/2を乗じているため最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- 勤続年数の端数切上げを行わず29年として計算しているため誤りです(税務上、1年未満の端数は1年に切り上げます)。
- 選択肢 3不正解
- 20年超の部分の控除額が年70万円ではなく年40万円として計算されているため誤りです。
覚えるポイント
- 退職所得控除額の端数月は「1年に切上げ」。20年以下は年40万円、20年超は年70万円。控除後は原則「1/2」。
間違えやすいところ
- 勤続年数の端数を切り捨ててしまったり、20年超の部分も年40万円のまま計算してしまうミスが多いです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法第30条
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約者となる長期平準定期保険の保険料経理処理
保険・リタイアメント · 法人保険 / 長期平準定期保険 / 損金算入と資産計上
設例の<資料>①「契約者・死亡保険金受取人をX社、被保険者をAさん(40歳)とする長期平準定期保険(保険期間98歳満了、年払保険料200万円)」について、第1回保険料払込時の経理処理(仕訳)として最も適切なものを次の選択肢の中から選びなさい。
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解答
3
解説
法人契約の長期平準定期保険(加入時年齢+保険期間×2>105かつ満期年齢70歳超)の支払保険料は、保険期間の前半6割相当期間において、払込保険料の2分の1を資産(前払保険料)に計上し、残りの2分の1を損金(定期保険料)に算入する経理処理を行います。
解き方
- 長期平準定期保険の要件を確認する:加入時40歳+保険期間58年×2=156>105、満了時98歳>70歳に該当する。
- 第1回払込時は前半6割期間に該当するため、年払保険料200万円の1/2(100万円)を定期保険料(損金)、1/2(100万円)を前払保険料(資産)として仕訳を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 現金を支払う取引であるにもかかわらず借方に現金・預金が記載されており、貸借が逆であるとともに全額損金処理となっているため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 全額を前払保険料(資産計上)とする処理は逓増定期保険の特定期間などの一部処理であり、長期平準定期保険の1/2損金・1/2資産計上ルールに合致しません。
- 選択肢 3正解
- 長期平準定期保険の前半6割期間のルールに従い、支払保険料200万円の半分(100万円)を定期保険料、半分(100万円)を前払保険料として借方に計上し、貸方に現金・預金200万円を充てる仕訳が適切です。
覚えるポイント
- 長期平準定期保険(前半6割期間)は「2分の1損金(定期保険料)」「2分の1資産計上(前払保険料)」。
間違えやすいところ
- 普通定期保険(全額損金)と混同して全額を費用計上してしまう誤りや、借方と貸方の科目を逆にしてしまうミスに注意。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法人税基本通達(9-3-5の2)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の定期保険の経理処理と更新
リスク管理 · 法人保険 / 定期保険 / 契約の自動更新 / 損金算入
株式会社X社の代表取締役社長Aさん(40歳)に対する生命保険の提案のうち、資料②「無配当定期保険(10年満期、自動更新タイプ、死亡保険金1億円、年払保険料28万円、契約者・死亡保険金受取人:X社、被保険者:Aさん)」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
定期保険の自動更新条項では、被保険者の健康状態にかかわらず無審査・無告知で契約を更新できる権利が保障されています。ただし、更新時の年齢に応じた保険料率が適用されるため、更新後の保険料は通常高くなります。
解き方
- 設例の無配当定期保険が「10年(自動更新タイプ)」であることを確認する。
- 自動更新の要件として、健康告知や医師の診査が不要であることを適用し、各選択肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 保険期間10年の定期保険の支払保険料は原則として全額損金算入され、解約返戻金を受け取った際は資産計上額がないため受取額の全額を雑収入(益金)として計上します。
- 選択肢 2不正解
- 短期間の掛け捨て型定期保険は解約返戻金がほとんど蓄積されないため生存退職金の原資には適しませんが、割安な保険料で高額な死亡保障を準備することに適しています。
- 選択肢 3正解
- 自動更新タイプの定期保険は、更新時に健康状態の告知や診査を行うことなく同額の保障で更新できるため、「告知内容等によっては更新できないこともある」とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 自動更新タイプの定期保険は無告知・無診査で更新可能だが、更新時の年齢で保険料が再計算されるため高くなる。
間違えやすいところ
- 更新時に再告知が必要であると誤解しやすいので注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険料控除・配偶者控除・扶養控除
タックスプランニング · 所得控除 / 地震保険料控除 / 配偶者控除 / 扶養控除
Aさんの平成29年分の所得税における所得控除に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)地震保険料控除の控除額は、( ① )円である。 ⅱ)妻Bさんの合計所得金額は( ② )万円を超えていないため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができる。 ⅲ)扶養控除の控除額は、( ③ )万円である。
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解答
1
解説
地震保険料控除は年間支払保険料5万円以下ならその全額が控除されます。配偶者控除は配偶者の合計所得金額が38万円以下(給与収入103万円以下)であることが要件です。扶養控除は16歳以上の扶養親族が対象で、70歳以上の同居老親等は58万円となります。
解き方
- 地震保険料12,000円は50,000円以下のため、控除額は全額の12,000円となる(火災保険料27,000円は控除対象外)。
- 配偶者控除の適用要件となる合計所得金額は38万円以下であることを判定する(給与収入100万円-給与所得控除65万円=35万円≦38万円)。
- 扶養控除について、7歳の長女Cさんは16歳未満のため対象外、71歳の母Dさんは同居老親等(所得0円で38万円以下)に該当するため控除額は58万円となる。
- 選択肢 1正解
- ①地震保険料控除12,000円、②配偶者控除の合計所得金額要件38万円、③同居老親等の扶養控除額58万円のすべての数値が正しく対応しています。
- 選択肢 2不正解
- ②の103万円は給与等の収入金額基準であり、合計所得金額基準としては38万円が正しいため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- ①は火災保険料を含めて合算してしまっており不適切です。火災保険料は地震保険料控除の対象外です。
覚えるポイント
- 16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)には所得税の扶養控除が適用されない。同居老親等の扶養控除額は58万円。
間違えやすいところ
- 火災保険料を地震保険料控除に含めて計算してしまうミスや、配偶者の「収入金額(103万円)」と「合計所得金額(38万円)」を混同するミスが多いです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件と手続
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 住宅ローン控除 / 確定申告 / 年末調整
Aさんの平成29年分の所得税の確定申告(住宅借入金等特別控除の適用)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、初年度のみ居住地を所轄する税務署へ確定申告を行う必要がありますが、サラリーマン等の給与所得者は2年目以降、税務署から交付される証明書等を勤務先に提出することで年末調整で控除を受けられます。
解き方
- 給与所得者の住宅ローン控除の手続要件(初年度は確定申告必須、2年目以降は年末調整可能)を確認する。
- 選択肢2の「毎年、確定申告を行う必要があります」という記述が誤りであることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅借入金等特別控除は税額控除であり、住宅ローンの年末残高に所定の控除率を乗じた金額を所得税額から直接控除できるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 給与所得者であるAさんは、初年度こそ確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で控除の適用を受けられるため、「毎年、確定申告を行う必要がある」とする説明は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 初年度の確定申告は、居住年分の翌年2月16日から3月15日までの間に住所地を所轄する税務署長に申告書を提出して行うため適切です。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除はサラリーマンであっても適用初年次は確定申告が必須だが、2年目以降は年末調整で処理可能。
間違えやすいところ
- 2年目以降も毎年確定申告が必要であると思い込んでしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算(給与所得と一時所得)
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得控除 / 一時所得 / 養老保険の満期保険金
設例の資料に基づいて計算した、Aさんの平成29年分の所得税における総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、給与収入金額は700万円、一時払養老保険(10年満期)の満期保険金は330万円(払込保険料300万円)である。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は各総合課税の所得金額を合算して求めます。給与所得は給与収入から給与所得控除額を控除します。保険期間5年超の一時払養老保険の満期保険金は一時所得となり、「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」で計算し、残額がある場合はその2分の1が総所得金額に算入されます。
解き方
- 給与所得控除額を速算表から計算する:700万円×10%+120万円=190万円。給与所得の金額=700万円-190万円=510万円。
- 一時払養老保険(保険期間10年)の満期保険金に係る一時所得の金額を計算する:330万円-300万円-特別控除額(最高50万円)=0円(差引利益30万円全額が控除内)。
- 総所得金額を合算する:給与所得510万円+一時所得0円=510万円。
- 選択肢 1正解
- 給与所得控除後の給与所得が510万円、一時所得の課税対象額が特別控除により0円となるため、総所得金額は510万円となり正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 特別控除50万円を差し引く前の利益30万円の2分の1(15万円)を加算してしまうと525万円となりますが、一時所得には最高50万円の特別控除があるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 利益30万円の全額を加算してしまうと540万円となりますが、一時所得の特別控除および2分の1課税が反映されていないため誤りです。
覚えるポイント
- 一時所得の金額の計算式は「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」で、総所得金額への算入はさらにその2分の1。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除額(最高50万円)を差し引くのを忘れて利益をそのまま加算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続分・配偶者の税額軽減・相続税の申告期限
相続・事業承継 · 法定相続分 / 配偶者に対する相続税額の軽減 / 相続税の申告書の提出期限
Aさんの相続に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)普通養子Eさんの法定相続分は、( ① )である。 ⅱ)配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合、妻Bさんが相続により取得した財産の金額が配偶者の法定相続分相当額と( ② )とのいずれか多い金額までであれば、納付すべき相続税額は算出されない。 ⅲ)相続税の申告書は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )以内に提出しなければならない。
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解答
2
解説
配偶者と子(実子・養子を問わない)が相続人の場合、配偶者の法定相続分は2分の1、子の法定相続分は2分の1を子の人数で均等に按分します。配偶者の税額軽減は「法定相続分相当額」または「1億6,000万円」のいずれか多い方まで相続税がかかりません。相続税の申告期限は「10カ月以内」です。
解き方
- 民法上の法定相続人とその相続分を確認する:配偶者Bが1/2、長女C・二女D・普通養子Eの3人の子どもが残り1/2を3等分するため、養子Eの法定相続分は 1/2 × 1/3 = 1/6 となる。
- 配偶者に対する相続税額の軽減の限度額が「配偶者の法定相続分相当額」または「1億6,000万円」のいずれか多い方であることを確認する。
- 相続税の申告書の提出期限が、相続の開始があったことを知った日の翌日から「10カ月以内」であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- ①の養子Eの法定相続分は1/6であり、③の申告期限は10カ月以内であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①養子Eの法定相続分「6分の1」、②配偶者の税額軽減「1億6,000万円」、③相続税の申告期限「10カ月」のすべての組合せが正しいです。
- 選択肢 3不正解
- ①の法定相続分(1/8ではなく1/6)および②の金額(2億1,000万円ではなく1億6,000万円)が誤っています。
覚えるポイント
- 相続税の申告・納付期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から「10カ月以内」。配偶者の税額軽減は「1億6,000万円」または「法定相続分相当額」。
間違えやすいところ
- 所得税の準確定申告の期限(4カ月以内)と相続税の申告期限(10カ月以内)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産に係る基礎控除額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続人の数 / 養子の算入制限
設例の家族構成において、Aさんの相続税における遺産に係る基礎控除額として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
相続税の遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出します。被相続人に実子がいる場合、基礎控除の法定相続人の数に算入できる養子の人数は1人までに制限されます。
解き方
- 実子の有無と養子の人数を確認する:実子が2人(長女C、二女D)いるため、法定相続人の数に算入できる養子は1人(普通養子E)までである。
- 相続税法上の法定相続人の数をカウントする:配偶者B+長女C+二女D+養子E=4人。
- 基礎控除額を計算する:3,000万円+600万円×4人=5,400万円。
- 選択肢 1不正解
- 養子を法定相続人の数に算入せず3人として計算した金額(3,000万円+600万円×3人=4,800万円)であり誤りです。
- 選択肢 2正解
- 実子がいる場合の養子の算入限度1人を適用し、法定相続人4人として計算した5,400万円(3,000万円+600万円×4人)が正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 平成26年12月31日以前の旧税制の算式(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)で計算した数値であり誤りです。
覚えるポイント
- 実子がいる場合の相続税上の養子の算入限度は1人(実子がいない場合は2人)。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数。
間違えやすいところ
- 実子がいる場合に養子をまったく算入できないと勘違いして3人で計算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税価格の合計額の計算
相続・事業承継 · 課税価格の合計額 / みなし相続財産 / 生命保険金の非課税限度額 / 死亡退職金の非課税限度額
設例の<資料>に基づいて計算した、Aさんに係る相続税における課税価格の合計額として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
相続税の課税価格の合計額は、本来の相続財産の価額に、みなし相続財産(死亡保険金・死亡退職金)からそれぞれの非課税限度額(500万円×法定相続人の数)を控除した額を加算して算出します。
解き方
- 本来の相続財産の価額を合計する:預金等3,000万円+自宅敷地1,000万円+自宅建物1,000万円+X社株式1億2,000万円=1億7,000万円。
- 死亡保険金および死亡退職金の非課税限度額を計算する:法定相続人は4人であるため、それぞれ 500万円×4人=2,000万円 となる。
- みなし相続財産の課税対象額を計算する:死亡保険金は3,000万円-2,000万円=1,000万円。死亡退職金は6,000万円-2,000万円=4,000万円。
- 課税価格の合計額を計算する:1億7,000万円+1,000万円+4,000万円=2億2,000万円。
- 選択肢 1正解
- 本来の相続財産1億7,000万円に、非課税枠控除後の死亡保険金1,000万円と死亡退職金4,000万円を加えた2億2,000万円が正しい計算結果です。
- 選択肢 2不正解
- 死亡保険金または死亡退職金のどちらか一方の非課税限度額(2,000万円)のみを控除して計算した場合の金額であり誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 死亡保険金および死亡退職金の非課税限度額(各2,000万円)を一切控除せずに全額合算した場合の金額(2億6,000万円)であり誤りです。
覚えるポイント
- 死亡保険金・死亡退職金の非課税限度額はそれぞれ「500万円×法定相続人の数」で個別に計算できる。
間違えやすいところ
- 非課税限度額の計算において死亡保険金と死亡退職金で枠を合算・共有してしまうミスや、非課税控除を忘れるミスに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年9月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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