日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
老齢基礎年金の年金額計算式
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 公的年金 / 年金額計算
Aさん(昭和34年12月19日生)が60歳に達するまで国民年金の保険料を納付した場合において、原則として65歳から受給できる老齢基礎年金の年金額を算出する計算式として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、年金額は平成28年度価額(満額780,100円)に基づくものとする。
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解答
2
解説
老齢基礎年金の年金額は、20歳以上60歳未満の保険料納付済月数および免除月数を基に満額に対する月数按分で計算します。厚生年金被保険者期間のうち20歳未満の月数は基礎年金の算定対象に含まれません。また、平成21年3月以前の全額免除期間の国庫負担割合は3分の1として計算します。
解き方
- 厚生年金被保険者期間140月のうち、20歳に達する前(昭和53年4月から昭和54年11月までの20月)を除いた20歳以上の期間である120月を算出します。
- 保険料納付済月数の合計として、厚生年金期間120月、国民年金納付済期間294月、納付予定期間30月を合算して444月を求めます。
- 全額免除期間36月は平成17年7月から平成20年6月までで平成21年3月以前であるため、反映割合を3分の1とし、満額780,100円に乗じる計算式を組み立てます。
- 選択肢 1不正解
- 納付済期間の分子が324月となっており、厚生年金期間の20歳以上の月数(120月)が含まれていないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 20歳以降の厚生年金期間120月と国民年金納付済等324月を合わせた444月に、全額免除期間36月の3分の1を加算する正しい計算式です。
- 選択肢 3不正解
- 納付済期間の分子が464月となっており、20歳未満の厚生年金被保険者期間(20月)が除外されていないため誤りです。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の算定月数には20歳未満および60歳以後の厚生年金期間は含まれません。
間違えやすいところ
- 受給資格期間(10年等)には20歳未満の厚生年金期間も含まれますが、老齢基礎年金の額の計算からは除外される点を取り違えやすいです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の老齢給付
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 特別支給の老齢厚生年金 / 加給年金額 / 繰上げ受給
Aさんが受給できる公的年金制度からの老齢給付に関するFPの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
公的年金の老齢給付において、老齢厚生年金に加給年金額が加算されるには原則として厚生年金保険の被保険者期間が20年以上(240月以上)必要です。また、昭和34年4月2日~昭和36年4月1日生まれの男性に対する特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢は64歳です。繰上げ受給による減額率は1月あたり0.5%(施行基準日当時)です。
解き方
- 加給年金額の受給要件である厚生年金被保険者期間240月以上とAさんの実績(140月)を比較して選択肢1の当否を判断します。
- 昭和34年12月19日生まれの男性における特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(64歳)を確認し、選択肢2の正誤を判断します。
- 老齢基礎年金の繰上げ減額率(1カ月あたり0.5%)の規定を確認し、選択肢3が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 加給年金額が加算されるためには厚生年金保険の被保険者期間が原則20年(240月)以上必要ですが、Aさんは140月であるため加算されません。
- 選択肢 2不正解
- 昭和34年12月19日生まれの男性における特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢は64歳からであり、60歳からではありません。
- 選択肢 3正解
- 老齢基礎年金の繰上げ請求を行った場合、年金額は繰上げ1カ月当たり0.5%減額されます。
覚えるポイント
- 加給年金の要件は原則厚生年金20年(240月)以上です。
間違えやすいところ
- 男性の特別支給の老齢厚生年金の生年月日ごとの支給開始年齢(昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれは64歳)を取り違えやすいです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模企業共済制度の掛金と税務上の取扱い
ライフプランニングと資金計画 · 小規模企業共済 / 小規模企業共済等掛金控除 / 退職所得
小規模企業共済制度に関する説明文中の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「毎月の掛金は、1,000円から( ① )円の範囲内で、500円刻みで選択することができ、その全額が( ② )の対象となります。個人事業主が廃業した場合に受け取る『一括受取り』の共済金は、( ③ )所得として扱われます」
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解答
3
解説
小規模企業共済制度は、個人事業主等の退職金代わりとなる共済制度です。掛金は月額最高70,000円で全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)となり、個人事業主が廃業したときに一括受給する共済金は退職手当等とみなされて退職所得控除の適用を受ける退職所得として課税されます。
解き方
- 小規模企業共済の掛金の上限額が月額70,000円であることを確認します。
- 掛金全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となることを確認します。
- 個人事業の廃業に伴い一括受領する共済金が退職所得に該当することを確認し、選択肢3を選定します。
- 選択肢 1不正解
- 掛金上限額は30,000円ではなく70,000円であり、税務上の特典は税額控除ではなく所得控除です。
- 選択肢 2不正解
- 68,000円は国民年金基金等の上限月額であり、一括受取りの廃業共済金は一時所得ではなく退職所得として扱われます。
- 選択肢 3正解
- 掛金上限は70,000円、掛金の控除区分は所得控除、廃業による一括受取り共済金の所得区分は退職所得であり、すべて適切です。
覚えるポイント
- 小規模企業共済の掛金上限は月70,000円、全額所得控除、一括廃業共済金は退職所得です。
間違えやすいところ
- 国民年金基金・確定拠出年金個人型の月額上限(68,000円)と小規模企業共済の月額上限(70,000円)を混同しやすいです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ジュニアNISAの制度概要
金融資産運用 · ジュニアNISA / 非課税期間 / 投資限度額 / 払出し制限
ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)に関する説明文中の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「ジュニアNISA口座に受け入れることができる上場株式等の新規投資による受入限度額(非課税枠)は年間( ① )です。その非課税期間は最長で( ② )となります。なお、ジュニアNISA口座に受け入れた上場株式等の配当金等や譲渡代金は、原則として、口座開設者が3月31日時点で( ③ )である年の前年の12月31日まで、ジュニアNISAに係る口座外に払い出すことはできません」
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解答
3
解説
ジュニアNISAは日本国内に居住する未成年者を対象とした制度です。新規投資枠は年間80万円で、配当や譲渡益が最長5年間非課税となります。制度の趣旨である教育資金形成のため、3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までは原則払出し制限が課されます。
解き方
- ジュニアNISAの年間投資上限額が80万円であることを確認します(一般NISAは120万円)。
- 非課税となる保有期間が最長5年間であることを確認します。
- 払出制限の年齢要件が「3月31日時点で18歳である年の前年の12月31日」であることを確認し、選択肢3を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 非課税期間は3年間ではなく最長5年間であり、払出し制限の年齢基準は20歳ではなく18歳です。
- 選択肢 2不正解
- 年間投資枠120万円は一般NISAのものであり、ジュニアNISAは年間80万円です。また払出し制限の年齢基準は18歳です。
- 選択肢 3正解
- ①80万円、②5年間、③18歳という記述は、ジュニアNISAの規定としてすべて適切です。
覚えるポイント
- ジュニアNISAの非課税枠は年80万円、非課税期間5年、払出し制限は18歳到達前年12月末までです。
間違えやすいところ
- 一般NISA(年間120万円)とジュニアNISA(年間80万円)の投資限度額を混同しやすいです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資の基礎知識
金融資産運用 · 株式投資 / 為替変動リスク / 配当金 / 投資リスク
株式投資に関するFPの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
輸出関連企業にとって円高は現地通貨建て売上の円換算額減少や価格競争力低下を招くため一般に悪材料(株価下落要因)となります。また、配当額は定款ではなく業績等を踏まえて株主総会等の決議で決定されるため変動します。株式投資は元本保証がなく市場動向を含めた総合的分析が必要です。
解き方
- 輸出企業の業績と為替(円高・円安)の関係を検討し、選択肢1の誤りを判定します。
- 配当金の決定手続き(定款による固定ではなく株主総会等の決議による変動)を確認し、選択肢2の誤りを判定します。
- 株式投資のリスクおよび銘柄選定時の留意事項に関する選択肢3の記述が適切であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 輸出企業にとって円高の進行は採算悪化や国際競争力低下を招くため、一般的には業績および株価にとって悪材料となります。
- 選択肢 2不正解
- 配当金の額は定款で固定されているわけではなく、企業の業績や配当政策を踏まえて株主総会等の決議によって決定されます。
- 選択肢 3正解
- 株式投資における元本割れリスクと、企業の業績や取り扱い製品の市場動向を分析する重要性を正しく述べています。
覚えるポイント
- 輸出企業は円安が好材料・円高が悪材料、配当額は業績等に応じて決算ごとに変動します。
間違えやすいところ
- 輸出企業と輸入企業における円高・円安のプラス要因・マイナス要因を逆に捉えてしまいがちです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の投資指標(PER・PBR・配当利回り)
金融資産運用 · PER / PBR / 配当利回り / 投資指標の計算
設例のX社株式に関する資料に基づき算出した投資指標に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。 〈資料〉株価:3,000円、当期純利益:30億円、純資産(自己資本):400億円、総資産:1,500億円、発行済株式数:2,000万株、前期の配当金の額(年額):12億円
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解答
2
解説
代表的な株式指標の計算式は以下の通りです。 ・1株当たり当期純利益(EPS)=当期純利益÷発行済株式数 ・PER=株価÷EPS ・1株当たり純資産(BPS)=純資産÷発行済株式数 ・PBR=株価÷BPS ・1株当たり配当金=配当金総額÷発行済株式数 ・配当利回り=1株当たり配当金÷株価×100(%)
解き方
- EPSを計算:30億円÷2,000万株=150円。PER=3,000円÷150円=20倍となり、記述1は適切です。
- BPSを計算:400億円÷2,000万株=2,000円。PBR=3,000円÷2,000円=1.5倍となるため、記述2の「0.4倍」は不適切と判定します。
- 1株当たり配当金を計算:12億円÷2,000万株=60円。配当利回り=60円÷3,000円×100=2%となり、記述3は適切です。
- 選択肢 1不正解
- EPSは150円(30億円÷2,000万株)であり、PERは20倍(3,000円÷150円)であるため記述は適切です。
- 選択肢 2正解
- BPSは2,000円(400億円÷2,000万株)であり、PBRは1.5倍(3,000円÷2,000円)となるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 1株当たり配当金は60円(12億円÷2,000万株)であり、配当利回りは2%(60円÷3,000円×100)であるため記述は適切です。
覚えるポイント
- PBRは株価÷1株当たり純資産、PERは株価÷1株当たり当期純利益です。
間違えやすいところ
- PBRの計算で総資産を使ってしまったり、分子と分母を逆にして計算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告制度(特別控除と純損失の繰越し)
タックスプランニング · 青色申告 / 青色申告特別控除 / 純損失の繰越控除
所得税の青色申告制度に関する説明文中の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「ⅰ)( ① )または事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者が、その取引の内容を正規の簿記の原則により記帳し、それに基づいて作成した貸借対照表等を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出した場合、青色申告特別控除として最高( ② )を所得金額から控除することができる。 ⅱ)青色申告者の所得税の計算において、損益通算してもなお控除しきれない損失の金額(純損失の金額)が生じた場合、その損失の金額を翌年以後( ③ )にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができる」
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解答
2
解説
所得税の青色申告ができる所得は不動産所得・事業所得・山林所得の3つです。このうち最高65万円の青色申告特別控除が受けられるのは、正規の簿記の原則による記帳等を満たす不動産所得(事業的規模)または事業所得です。また、損益通算後に残る純損失の繰越控除期間は翌年以後3年間です。
解き方
- 最高65万円の青色申告特別控除の対象となる所得(不動産所得または事業所得)を確認し、空欄①が「不動産所得」であることを特定します。
- 正規の簿記の原則による記帳および貸借対照表等の添付要件を満たす青色申告特別控除の最高額が「65万円」であることを確認します。
- 青色申告における純損失の繰越控除期間が「3年間」であることを確認し、選択肢2を選定します。
- 選択肢 1不正解
- 青色申告特別控除の最高額は65万円であり、純損失の繰越控除期間は5年ではなく3年間です。
- 選択肢 2正解
- ①不動産所得、②65万円、③3年間という組合せは、税法の規定に合致しており適切です。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡所得は青色申告の対象となる所得(不動産所得・事業所得・山林所得)に含まれません。
覚えるポイント
- 青色申告特別控除は最高65万円(事業・不動産)、純損失の繰越控除は3年間です。
間違えやすいところ
- 法人の青色申告における欠損金繰越期間(9年または10年)と個人の純損失繰越期間(3年)を混同しやすいです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の適用要件
タックスプランニング · 青色事業専従者給与 / 配偶者控除 / 特定扶養親族 / 年少扶養親族
Aさんの平成28年分の所得税における所得控除に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。 〈家族構成〉 ・妻Bさん(46歳):青色事業専従者給与96万円の支払を受けている。 ・長男Cさん(21歳):大学生、収入なし。 ・長女Dさん(14歳):中学生、収入なし。
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解答
2
解説
青色事業専従者給与の支払を受ける配偶者は、控除対象配偶者になれず配偶者控除は受けられません。扶養控除の対象となる親族(生計を一にし合計所得38万円以下)のうち、その年の12月31日時点で16歳未満の者は年少扶養親族として扶養控除の対象外です。また、19歳以上23歳未満の者は特定扶養親族となり、控除額は63万円です。
解き方
- 妻Bさんは青色事業専従者給与の支払を受けているため、配偶者控除の適用対象外であると判断します。
- 長男Cさんは21歳・収入なしであるため、19歳以上23歳未満の特定扶養親族(控除額63万円)に該当すると判断します。
- 長女Dさんは14歳であるため16歳未満の年少扶養親族に該当し、扶養控除は適用されない(控除額0円)と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 青色事業専従者給与の支払を受けている者は、所得要件を満たしていても控除対象配偶者には該当せず、配偶者控除の適用は受けられません。
- 選択肢 2正解
- 21歳の長男Cさんは特定扶養親族(19歳以上23歳未満)に該当するため、控除額63万円の扶養控除の適用を受けられます。
- 選択肢 3不正解
- 14歳の長女Dさんは16歳未満であるため年少扶養親族に該当し、所得税の扶養控除の対象外です。
覚えるポイント
- 青色事業専従者は配偶者控除不可、特定扶養(19〜22歳)は63万円、16歳未満は扶養控除なしです。
間違えやすいところ
- 青色事業専従者給与の受給者が配偶者控除の対象外となる点や、16歳未満の扶養親族に扶養控除が適用されない点を見落としやすいです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 事業所得 / 一時所得 / 解約返戻金
設例のAさん(青色申告の個人事業主)の平成28年分の総所得金額として、正しいものはどれか。なお、事業所得の金額は750万円(青色申告特別控除後)、一時払変額個人年金保険(契約から5年超経過)の解約返戻金は450万円、正味払込済保険料は360万円である。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は、事業所得などの各種所得金額に、総合課税となる一時所得の金額に2分の1を乗じた金額等を合算して計算します。生命保険の解約返戻金(契約から5年超)は一時所得に該当し、特別控除額(最高50万円)を差し引いた後の2分の1が総所得金額に算入されます。
解き方
- 一時払変額個人年金保険の解約返戻金に係る一時所得の金額を計算する:450万円-360万円-50万円(特別控除額)=40万円。
- 総所得金額に算入する一時所得の金額(2分の1)を求める:40万円×1/2=20万円。
- 事業所得750万円に一時所得の算入額20万円を合算する:750万円+20万円=770万円。
- 選択肢 1正解
- 事業所得750万円に、一時所得の2分の1である20万円を加算した770万円となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の特別控除後金額40万円を2分の1にせずにそのまま合算した金額(750万円+40万円=790万円)であり不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 差益90万円(450万円-360万円)の2分の1である45万円を合算した金額(特別控除額50万円を控除していない誤り)であり不適切です。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入額は「(総収入金額-支出金額-特別控除50万円)×1/2」です。
間違えやすいところ
- 一時所得の総所得金額への算入にあたり、2分の1を掛け忘れるミスに注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買契約の留意点
不動産 · 手付解除 / 固定資産税の精算 / 登録免許税
不動産を売買する場合の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
不動産売買における解約手付では、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄し、売主は倍額を償還することで契約を解除できます。また、固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者であり、登録免許税の課税標準は固定資産税評価額です。
解き方
- 手付解除のルール(買主は手付放棄、売主は倍額償還、相手方の履行着手前まで)を確認する。
- 固定資産税の賦課期日(毎年1月1日)および登録免許税の課税標準(固定資産税評価額)と照合して各選択肢の正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 民法上、売主は買主(相手方)が契約の履行に着手するまでは、受領した手付金の倍額を償還して契約解除が可能です。
- 選択肢 2不正解
- 固定資産税の納税義務者は「毎年1月1日現在(賦課期日)」で固定資産課税台帳に登録されている者であり、「4月1日現在」ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 登録免許税の課税標準となる不動産の価額は、実際の売買金額ではなく、原則として「固定資産税評価額」です。
覚えるポイント
- 固定資産税の賦課期日は1月1日、登録免許税の課税標準は固定資産税評価額です。
間違えやすいところ
- 登録免許税の課税標準を「実際の売買価格」と勘違いしないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法、地方税法、登録免許税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記記録の構成
不動産 · 不動産登記記録 / 表題部 / 甲区 / 乙区
不動産登記記録に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「不動産登記記録は、表題部と権利部に分かれており、権利部はさらに甲区および乙区に分かれている。表題部の土地の表示には、所在・地番・地目・( ① )等が、区分建物ではない建物の表示には、所在・( ② )・構造・床面積等が記載されている。一方、権利部の甲区には( ③ )に関する登記事項が記載されており、乙区には( ③ )以外の権利に関する登記事項が記載されている。」
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産登記記録は表題部と権利部(甲区・乙区)から成ります。表題部には不動産の物理的現況(土地なら所在・地番・地目・地積、建物なら所在・家屋番号・構造・床面積等)が記録されます。権利部の甲区には所有権に関する登記事項、乙区には地上権や抵当権など所有権以外の権利が記録されます。
解き方
- 土地の表題部に記録される物理的現況を確認する(①は地積)。
- 建物の表題部に記録される建物の特定番号を確認する(②は家屋番号)。
- 権利部の甲区と乙区の区分を確認する(③は所有権、乙区は所有権以外の権利)。
- 選択肢 1正解
- ①地積、②家屋番号、③所有権の組合せは全て正確です。
- 選択肢 2不正解
- ①は地積であり住居表示ではありません。また③は所有権であり抵当権は乙区に記載されます。
- 選択肢 3不正解
- ②は家屋番号であり、住宅性能評価は登記記録の記載事項ではありません。
覚えるポイント
- 登記記録の甲区は所有権、乙区は所有権以外の権利(抵当権等)です。
間違えやすいところ
- 登記記録上の土地の表示は「地番」であり、「住居表示(住所)」とは異なる点に注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の不動産登記法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の3,000万円特別控除と課税譲渡所得の計算
不動産 · 譲渡所得 / 居住用財産の3,000万円特別控除 / 概算取得費
設例の物件X(譲渡価額4,500万円、取得価額不明、譲渡費用150万円)の売却にあたって「居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円の特別控除の特例)」の適用を受けた場合における課税譲渡所得の金額の計算式として、最も適切なものはどれか。なお、取得費は概算取得費を用いるものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
譲渡所得の金額は「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」により計算します。取得価額が不明な場合、譲渡価額(収入金額)の5%相当額を取得費とする概算取得費を用いることができます。
解き方
- 概算取得費を計算する:4,500万円×5%=225万円。
- 必要経費(取得費+譲渡費用)を合算する:225万円+150万円=375万円。
- 収入金額から必要経費と3,000万円特別控除額を控除する:4,500万円-(225万円+150万円)-3,000万円=1,125万円。
- 選択肢 1不正解
- 取得費を譲渡価額の10%(450万円)として計算しており不適切です。概算取得費は5%です。
- 選択肢 2正解
- 概算取得費(5%の225万円)と譲渡費用(150万円)を合算して差し引き、さらに特別控除3,000万円を控除する正しい計算式です。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡費用150万円の控除が漏れているため不適切です。
覚えるポイント
- 概算取得費は「譲渡価額(収入金額)の5%」です。
間違えやすいところ
- 譲渡費用の差し引きを忘れたり、概算取得費の割合を10%等と取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産に係る基礎控除額・準確定申告・相続税の申告期限
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 準確定申告 / 相続税申告期限
Aさんの相続に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「ⅰ)Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、( ① )である。 ⅱ)Aさんが平成29年分の所得税の確定申告書を提出しなければならない者に該当する場合、相続人は、原則として、相続の開始のあったことを知った日の翌日から( ② )以内に、所得税の準確定申告書を提出しなければならない。 ⅲ)相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )以内に、提出しなければならない。」
解答・解説を表示
解答
2
解説
遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。被相続人の死亡に伴う所得税の準確定申告期限は「相続開始を知った日の翌日から4カ月以内」、相続税の申告書の提出期限は「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」と定められています。
解き方
- 法定相続人の数を確認する:妻B、長男C、長女Dの計3人。
- 遺産に係る基礎控除額を計算する:3,000万円+600万円×3=4,800万円(①)。
- 所得税の準確定申告の期限を確認する:相続開始を知った日の翌日から4カ月以内(②)。
- 相続税の申告書の提出期限を確認する:相続開始を知った日の翌日から10カ月以内(③)。
- 選択肢 1不正解
- 基礎控除額(法定相続人2人と誤認)および相続税申告期限(12カ月と誤認)が誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①4,800万円、②4カ月、③10カ月の組合せはすべて正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 準確定申告の期限は6カ月ではなく4カ月以内です。
覚えるポイント
- 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数。準確定申告は4カ月以内、相続税申告は10カ月以内です。
間違えやすいところ
- 準確定申告の申告期限(4カ月以内)と相続税の申告期限(10カ月以内)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の相続税法、所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生前贈与財産の相続税課税価格への加算
相続・事業承継 · 生前贈与加算 / 贈与税の配偶者控除 / 相続時精算課税制度
設例のAさんの相続に関する生前贈与の取扱いについて、次の記述のうち最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続開始前3年以内の暦年贈与財産は原則として相続税の課税価格に加算されますが、贈与税の配偶者控除の適用を受けた部分(特定贈与財産)は加算対象から除外されます。また、相続開始前3年より前の贈与は加算されず、相続時精算課税制度を適用した財産は「贈与時の価額」で加算されます。
解き方
- 妻Bへの贈与(相続開始前3年以内)における配偶者控除適用財産の加算ルール(控除額を除いた価額を加算)を確認する。
- 長男Cへの贈与時期(平成25年10月)と相続開始(平成29年3月)の間隔を確認する(3年超前のため加算対象外)。
- 長女Dの相続時精算課税適用財産の評価時点(相続開始時ではなく贈与時の価額)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産は、特定贈与財産の額を控除した価額のみが相続税の課税価格に加算されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 長男Cへの贈与は平成25年10月であり、相続開始(平成29年3月)の3年より前に行われているため、相続開始前3年以内の贈与加算の対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 相続時精算課税制度を適用して贈与された財産は、「贈与時」の価額で相続税の課税価格に加算します。「相続開始時」ではありません。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度を適用した財産は「贈与時の価額」で相続税の課税価格に加算します。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税の加算額を「相続開始時の価額」と誤解しやすいので注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の相続税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 相続税の速算表
設例において、Aさんの相続に係る課税遺産総額が2億1,000万円であった場合の相続税の総額として、正しいものはどれか。なお、法定相続人は妻Bさん、長男Cさん、長女Dさんの計3人である。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を民法に定める法定相続分に従って按分し、各法定相続人に応ずる取得金額を算定したうえで、それぞれに相続税の速算表を適用して税額を算出し、それらを合算して求めます。
解き方
- 各人の法定相続分を確認する:妻Bは2分の1、長男Cは4分の1、長女Dは4分の1。
- 法定相続分に応ずる取得金額を計算する:妻Bは2億1,000万円×1/2=1億500万円、長男C・長女Dは各2億1,000万円×1/4=5,250万円。
- 各人の算出税額を速算表から計算する:妻Bは1億500万円×40%-1,700万円=2,500万円。長男C・長女Dはそれぞれ5,250万円×30%-700万円=875万円。
- 全員の税額を合計する:2,500万円+875万円+875万円=4,250万円。
- 選択肢 1正解
- 妻の算出税額2,500万円と長男・長女の算出税額各875万円を合算した4,250万円となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 法定相続分で按分せず課税遺産総額2億1,000万円に直接45%の税率を適用して速算控除を差し引いた値(2億1,000万円×45%-2,700万円=6,750万円)等と混同した誤った選択肢です。
- 選択肢 3不正解
- 法定相続分に応ずる取得金額への按分を行わずに計算した場合の金額であり不適切です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は「課税遺産総額を法定相続分で按分→速算表を適用→全員分を合算」の手順で求めます。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額に直接税率を掛けてしまうミスをしないように、必ず法定相続分に応ずる取得金額に按分してから税率を適用しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の相続税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年5月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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