日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金の額の計算式
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 保険料納付済期間 / 第2号被保険者期間
個人事業主のAさん(50歳)が60歳になるまで国民年金保険料を納付した場合に、原則として65歳から受給することができる老齢基礎年金の年金額(平成28年度価額:780,100円)の計算式として、最も適切なものを1つ選びなさい。 <Aさんの公的年金加入歴(20歳から60歳までの480月)> ・国民年金未加入期間:36月 ・厚生年金保険被保険者期間:120月 ・国民年金保険料納付済期間:214月 ・国民年金保険料納付予定:110月
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解答
2
解説
老齢基礎年金の年金額は、満額の年金額に「保険料納付済期間等の月数÷480月」を乗じて算出します。20歳以上60歳未満の厚生年金保険被保険者期間(第2号被保険者期間)は国民年金の保険料納付済期間として算入されますが、学生等の未加入期間(未納期間)は算入されません。
解き方
- 20歳から60歳までの480月のうち、老齢基礎年金の計算の基礎となる納付済月数を集計します(厚生年金120月+国民年金納付済214月+納付予定110月=444月)。
- 未加入期間の36月は分子に含めないため、受給額の計算式は「780,100円×444月/480月」となります。
- 選択肢 1不正解
- 分子の324月は国民年金の納付済期間と納付予定期間の合計(214月+110月)にすぎず、厚生年金保険の被保険者期間(120月)が漏れているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 厚生年金保険被保険者期間120月と国民年金保険料納付済(予定含む)324月を合計した444月が分子となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金の未加入期間(36月)があるため満額(480月/480月)にはならず、不適切です。
覚えるポイント
- 20歳以上60歳未満の厚生年金保険加入期間は老齢基礎年金の納付済期間に算入される
間違えやすいところ
- 第1号被保険者の期間のみを集計して第2号被保険者(厚生年金)の期間を除外してしまうミス
出題の前提:2016年10月1日現在施行法令等(平成28年度年金額基準)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の受給額を増やす方法(付加年金・基金・繰下げ)
ライフプランニングと資金計画 · 付加年金 / 国民年金基金 / 支給繰下げ
Aさんに対する老後の公的年金収入を増やす方法に関する次の説明のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
国民年金第1号被保険者は、月額400円の付加保険料を納付することで「200円×納付月数」の付加年金を老齢基礎年金に上乗せして受給できます。また、国民年金基金への加入や、65歳以降70歳までの繰下げ受給(1カ月あたり0.7%増額、最大42%)により受給額を増やすことができます。
解き方
- 選択肢1を確認:付加年金の受取年金額の算式は「200円×納付月数」であり、「400円×納付月数」は誤りです。
- 選択肢2を確認:第1号被保険者は国民年金基金に加入でき、掛金は給付の型・口数・年齢・性別で決定されるため正しい記述です。
- 選択肢3を確認:65歳から70歳0カ月までの繰下げ月数は60月であり、増額率は「0.7%×60月=42%」となるため正しい記述です。
- 選択肢 1正解
- 付加年金として受け取れる年金額は「200円×付加保険料納付済期間の月数」であり、400円ではないため最も不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金基金の掛金は、選択した給付の型、口数、加入時の年齢および男女の別によって定められているため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 繰下げによる増額率は「1カ月あたり0.7%」であり、70歳0カ月まで繰り下げた場合は「0.7%×60カ月=42%」となるため適切です。
覚えるポイント
- 付加年金:保険料月額400円、受取年金額は年額「200円×納付済月数」(2年で元が取れる)
- 繰下げ増額率:月0.7%増(65歳から70歳までの最大60月で+42%)
間違えやすいところ
- 付加保険料の「納付月額400円」と付加年金の「給付計算式200円」の数値を混同してしまうこと
出題の前提:2016年10月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金(個人型)の仕組みと税務
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 小規模企業共済等掛金控除 / 退職所得
ファイナンシャル・プランナーのMさんが、個人事業主であるAさんに対して説明した確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
個人型確定拠出年金(iDeCo)は加入者が自己責任で運用を行う私的年金制度です。拠出時・運用時・受取時の3段階で税制上の優遇措置が設けられており、拠出掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
解き方
- 確定拠出年金における運用実績と給付額の関係、運用リスクの所在を確認します。
- 国民年金第1号被保険者の掛金額の拠出限度(月額68,000円)および掛金の所得控除区分(小規模企業共済等掛金控除)を検証します。
- 老齢給付金を一時金として受給した場合の所得税法上の所得区分(退職所得)を確認し、最も不適切な記述を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 確定拠出年金は、加入者が自己の判断で運用商品を選択・指図するため、運用リスクは加入者個人が負い、給付額は運用成果に応じて変動します。
- 選択肢 2正解
- 第1号被保険者の掛金限度額は月額68,000円(下限5,000円、1,000円単位)ですが、拠出掛金は生命保険料控除ではなく「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除されます。
- 選択肢 3不正解
- 老齢給付金を一時金として受給した場合は退職所得として退職所得控除の対象となり、年金形式で受給した場合は雑所得(公的年金等控除)として扱われます。
覚えるポイント
- iDeCoの掛金は生命保険料控除ではなく「小規模企業共済等掛金控除」として全額控除される。
間違えやすいところ
- 一時金受取時の所得区分を一時所得と誤認しやすいが、退職所得として扱われる点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老後生活資金の各種統計データに関する理解
リスク管理 · 簡易生命表 / 平均寿命 / 老後最低日常生活費
ファイナンシャル・プランナーのMさんが、Aさんに対して老後生活資金の準備の必要性について各種データに基づき説明した次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
リタイアメントプランニングの提案では、公的統計データ(厚生労働省の簡易生命表や白書)や関連機関の調査データを正確に把握し、公的保障と自助努力の必要額を客観的に顧客へ示すことが求められます。
解き方
- 平成27年簡易生命表における男女の平均寿命の数値を照合し、長短の関係を確認します。
- 厚生労働白書における標準世帯の年金給付水準と老齢基礎年金の満額(780,100円)の定義を区別して検証します。
- 生命保険文化センターの調査による老後の最低日常生活費の平均水準(月額約22万円)と合致しているかを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 平成27年簡易生命表による平均寿命は男性が80.75年、女性が87.05年であり、女性のほうが長命であるため記述は男女の数値が逆です。
- 選択肢 2不正解
- 年額780,100円(平成28年度価額)は1人分の老齢基礎年金の満額であり、標準世帯の厚生年金給付水準(夫婦2人の基礎年金含む月額約22万円、年額約265万円)ではありません。
- 選択肢 3正解
- 生命保険文化センターの調査によれば、夫婦2人の老後における最低日常生活費は月額平均22.0万円とされており、説明として適切です。
覚えるポイント
- 平均寿命は女性(約87歳)の方が男性(約80歳)より長い。
間違えやすいところ
- 老齢基礎年金の満額数値(780,100円)を標準世帯の給付水準と混同しないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の課税関係(生命保険料控除・受取時の所得区分)
リスク管理 · 個人年金保険 / 個人年金保険料控除 / 雑所得 / 一時所得
生命保険会社の営業担当者Mさんが提案した個人年金保険(パターン1およびパターン2)の課税関係に関する説明について、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
個人年金保険では、契約者と受取人が同一である場合、年金受取時は公的年金等以外の雑所得、年金開始時の一括受取時は一時所得として課税されます。私的年金である個人年金保険の雑所得の計算では、総収入金額から対応する払込保険料(必要経費)を差し引くため、公的年金等控除は適用されません。
解き方
- 保険料払込時の控除について確認する。新契約の個人年金保険料控除の最高限度額は所得税4万円・住民税2.8万円である。
- 年金受取時の所得区分を確認する。契約者と受取人が同一で分割年金受給の場合は雑所得となるが、公的年金等控除の適用対象外であるため選択肢2が不適切と判定する。
- 一括受取時の一時所得該当性を確認する。年金受給開始時に将来の年金を一括受給する場合は一時所得として扱われる。
- 選択肢 1不正解
- 平成24年1月1日以降に締結した新契約の生命保険料控除において、個人年金保険料控除の年間最高限度額は所得税で40,000円、住民税で28,000円であるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 個人年金保険の年金は公的年金等以外の雑所得に分類され、対応する払込保険料が必要経費として差し引かれますが、公的年金等控除を適用することはできないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 契約者と受取人が同一である個人年金保険において、年金開始時に年金を一括受取した場合の給付金は一時所得に該当するため適切です。
覚えるポイント
- 個人年金保険の年金受取は「公的年金等以外の雑所得」で公的年金等控除は使えない
- 新契約の個人年金保険料控除の最高限度は所得税4万円・住民税2.8万円
間違えやすいところ
- 公的年金(国民年金・厚生年金)と民間保険会社の個人年金保険の受取時の控除制度を混同しやすい
- 一括受取した場合は雑所得ではなく一時所得となる点を見落としやすい
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(所得税法、地方税法)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の給付形態(保証期間付終身年金・確定年金)
リスク管理 · 個人年金保険 / 保証期間付終身年金 / 確定年金 / 解約返戻金
生命保険会社の営業担当者Mさんが提案した個人年金保険の商品内容等に関する説明について、次のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
個人年金保険の給付形態には終身年金や確定年金などがあります。保証期間付終身年金は、保証期間中は被保険者の生死に関わらず年金が支払われ、保証期間経過後は被保険者が生存している限り生涯にわたり支払われます。確定年金は被保険者の生死に関わらず定められた一定期間年金が支払われます。
解き方
- 早期解約時の返戻金に関する記述を確認する。新契約初期は付随費用等の控除があるため、早期解約返戻金は払込累計額を大きく下回る。
- 保証期間付終身年金の仕組みを確認する。保証期間中は被保険者が死亡しても遺族に年金が支払われるため、「保証期間中も生存に限り支払われる」とする選択肢2は誤りである。
- 確定年金の受取期間中の死亡時の取扱いを確認する。確定年金は一定期間の支払いが確定しているため、死亡後は遺族(相続人)が残余期間の年金等を受給できる。
- 選択肢 1不正解
- 個人年金保険を早期に解約した場合、契約初期費用等の控除などにより解約返戻金は払込保険料累計額を大幅に下回るため適切です。
- 選択肢 2正解
- 保証期間付終身年金は、保証期間中は被保険者の生死を問わず支払われ、死亡時は遺族が残余期間の年金または一時金を受け取れるため、「保証期間中も生存している場合に限る」とする説明は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 確定年金は被保険者の生死に関係なく契約期間中は年金が支払われるため、受取期間中に本人が死亡しても相続人等の受取人が残余期間分の年金を受け取ることができ、適切です。
覚えるポイント
- 保証期間付終身年金は「保証期間中は生死に関わらず支給、以降は生存中のみ支給」
- 確定年金は「生死に関わらず契約期間中ずっと支給(死亡時は遺族が受取)」
間違えやすいところ
- 保証期間中であっても被保険者が生存していなければ年金が打ち切られると誤認しやすい
- 確定年金と有期年金(生存している場合のみ支給される年金)の相違を混同しやすい
出題の前提:2016年10月1日現在施行の約款・生命保険実務基準
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の終身保険の活用と契約者貸付
リスク管理 · 法人保険 / 終身保険 / 役員退職金 / 契約者貸付制度
X社(契約者・死亡保険金受取人)が代表取締役Aさん(被保険者)を対象として加入する終身保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
法人が契約者および死亡保険金受取人となる終身保険は、解約返戻金を退職慰労金の原資として利用できるほか、契約者名義を変更して退職金の一部として現物支給することも可能です。また契約者貸付の上限は払込保険料累計額ではなく解約返戻金に基づきます。
解き方
- 解約返戻金を原資とした役員退職金の支給および契約者変更による現物支給の可否を確認する。
- 契約者貸付制度の利用可能限度額の基準が解約返戻金の所定割合であることを確認し、誤った記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 役員の退任時に終身保険を解約し、法人が受け取った解約返戻金を役員退職金の支払原資として充当することは適切です。
- 選択肢 2不正解
- 役員の退任時に、解約返戻金相当額で保険契約の権利を退職金として現物支給し、契約者を役員個人、受取人をその遺族・相続人に変更して継続することは認められています。
- 選択肢 3正解
- 契約者貸付制度を利用できる限度額は、利用時点の解約返戻金の一定範囲内(所定の割合)であり、払込保険料相当額を基準とするわけではありません。
覚えるポイント
- 契約者貸付制度の借入限度額は「解約返戻金の所定の範囲内(一般に70~90%)」である。
間違えやすいところ
- 契約者貸付の借入上限を「払込保険料累計額」や「死亡保険金額」と取り違えないように注意する。
出題の前提:特に指示のない限り、2016年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の終身保険における保険料の経理処理
リスク管理 · 法人保険 / 終身保険 / 経理処理 / 仕訳
X社(契約者・死亡保険金受取人)が代表取締役Aさん(被保険者)を対象として加入した終身保険(年払保険料160万円)の第1回保険料払込時の経理処理(仕訳)として、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
法人が支払う生命保険料の税務処理は、受取人と保険種類によって決まります。終身保険で満期がなく、死亡時に受取人である法人が保険金を受け取る契約形態では、将来の資産形成とみなされるため支払保険料の全額を資産(保険料積立金)に計上します。
解き方
- 終身保険の契約形態(契約者:法人、被保険者:役員、死亡保険金受取人:法人)を確認する。
- 死亡保険金受取人が法人の終身保険は全額資産計上(保険料積立金)となる原則を適用し、年払保険料160万円全額を保険料積立金とする仕訳を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 半額を損金(福利厚生費)、半額を資産(保険料積立金)とする処理は、全員加入の養老保険(ハーフタックスプラン)の経理処理であり不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 全額を損金(福利厚生費)とする処理は、被保険者を役員とし受取人を法人とする終身保険には適用されません。
- 選択肢 3正解
- 契約者・死亡保険金受取人がともに法人である終身保険の保険料は、支払時に全額を資産計上(保険料積立金)します。
覚えるポイント
- 法人契約の終身保険(受取人=法人)の支払保険料は「全額資産計上(保険料積立金)」となる。
間違えやすいところ
- 養老保険の福利厚生プラン(1/2資産計上・1/2損金算入)と終身保険の経理処理を混同しないようにする。
出題の前提:特に指示のない限り、2016年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
養老保険を活用した福利厚生プランの取扱い
リスク管理 · 福利厚生プラン / ハーフタックスプラン / 法人契約の経理処理
X社(代表者Aさん)が全従業員30名を被保険者、死亡保険金受取人を被保険者の遺族、満期保険金受取人をX社とする養老保険(いわゆる福利厚生プラン)を導入する場合の説明として、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。
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解答
1
解説
法人が契約者となり、満期保険金受取人を法人、死亡保険金受取人を被保険者の遺族とする養老保険は、福利厚生制度として全員加入(普遍的加入)等を条件に、支払保険料の半分を損金算入、半分を資産計上することが認められています(ハーフタックスプラン)。
解き方
- 契約形態(契約者・満期保険金受取人=法人、被保険者=全従業員、死亡保険金受取人=従業員の遺族)を確認する。
- ハーフタックスプランの要件および税務処理(保険料の1/2損金・1/2資産計上)と解約返戻金の帰属(契約者である法人)に照らして正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 満期保険金受取人が法人で死亡保険金受取人が遺族の養老保険では、支払保険料の2分の1を資産計上し、残りの2分の1を損金算入(福利厚生費等)とします。
- 選択肢 2不正解
- 普遍的加入の原則は必要ですが、健康上の理由等で保険に加入できない従業員がいる場合でも、同等の弔慰金規程を設ける等の合理的な配慮があればプランの導入は認められます。
- 選択肢 3不正解
- 契約者および満期保険金受取人は法人であるため、中途退職に伴い解約した場合の解約返戻金は法人に支払われます(従業員へ直接支払われるわけではありません)。
覚えるポイント
- ハーフタックスプラン(養老保険)は保険料の1/2が損金(福利厚生費)、1/2が資産計上(保険料積立金)となる。
間違えやすいところ
- 解約返戻金は契約者である法人が受け取るものであり、退職する従業員へ直接保険会社から支払われると誤解しないよう注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の要件と控除額
タックスプランニング · 所得控除 / 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族
Aさんの平成28年分の所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、最も適切なものを選択肢の中から1つ選びなさい。 ⅰ)妻Bさんの平成28年分の合計所得金額は( ① )万円を超えないため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができる。 ⅱ)Aさんが適用を受けることができる長女Cさん(21歳・収入なし)に係る扶養控除の控除額は、( ② )万円である。 ⅲ)Aさんが適用を受けることができる二女Dさん(17歳・収入なし)に係る扶養控除の控除額は、( ③ )万円である。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の配偶者控除の適用要件は控除対象配偶者の合計所得金額が38万円以下であることです。扶養控除は16歳以上の扶養親族が対象で、年末現在の年齢が19歳以上23歳未満の場合は特定扶養親族として控除額が63万円、それ以外の一般扶養親族(16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満)は38万円となります。
解き方
- 妻Bさんの給与収入は95万円であり、給与所得控除65万円を差し引いた合計所得金額は30万円となり、合計所得金額38万円以下の要件を満たすことを確認する(①=38)。
- 長女Cさん(21歳)は19歳以上23歳未満に該当するため、特定扶養親族として控除額は63万円となる(②=63)。
- 二女Dさん(17歳)は16歳以上19歳未満に該当するため、一般の控除対象扶養親族として控除額は38万円となる(③=38)。
- 選択肢 1不正解
- 長女Cさんは21歳で特定扶養親族に該当するため控除額は63万円、二女Dさんは17歳で一般扶養親族のため控除額は38万円であり、②と③の数値が逆になっています。
- 選択肢 2不正解
- 空欄①は「合計所得金額」を問うているため103万円(収入金額の基準)ではなく38万円(所得金額の基準)が入ります。また17歳の二女Dさんの控除額は63万円ではなく38万円です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者控除の合計所得金額要件は38万円以下であり、21歳の長女Cさんに係る特定扶養親族の控除額は63万円、17歳の二女Dさんに係る一般扶養親族の控除額は38万円で適切です。
覚えるポイント
- 扶養控除は16歳以上が対象、19歳以上23歳未満の特定扶養親族は63万円、一般扶養親族は38万円。
間違えやすいところ
- 配偶者控除の要件で「給与収入103万円以下」と「合計所得金額38万円以下」を混同して空欄①に103を選んでしまうミスに注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(平成28年分所得税)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における総所得金額の計算
タックスプランニング · 給与所得 / 一時所得 / 総所得金額
会社員のAさんの平成28年分の収入等は、給与収入が1,000万円、平成22年7月に契約した一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金が700万円(一時払保険料500万円)である。設例および給与所得控除額の資料に基づいて計算したAさんの平成28年分の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は、利子・配当・不動産・事業・給与・譲渡・一時・雑の各所得金額(損益通算後)を合計して算出します。生命保険の解約返戻金は契約から5年超経過している場合、総合課税の一時所得となり、総所得金額に合算する際には一時所得の金額の2分の1を算入します。
解き方
- 給与収入1,000万円に対する給与所得控除額を「1,000万円×10%+120万円=220万円」と計算し、給与所得「1,000万円-220万円=780万円」を求めます。
- 契約から5年超の一時払変額個人年金保険の解約返戻金は一時所得となるため、「解約返戻金700万円-一時払保険料500万円-特別控除50万円=150万円」を計算します。
- 総所得金額に算入する一時所得の金額は2分の1となるため「150万円×1/2=75万円」とし、給与所得780万円と合計して「780万円+75万円=855万円」を導き出します。
- 選択肢 1正解
- 給与所得780万円に、一時所得150万円の2分の1である75万円を加算した855万円が正しい総所得金額です。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の特別控除額50万円を差し引かずに計算した場合の金額(給与所得780万円+100万円=880万円)であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得を2分の1にせず全額加算してしまった場合の金額(給与所得780万円+150万円=930万円)であるため不適切です。
覚えるポイント
- 一時所得の金額=総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)
- 総所得金額に算入する一時所得の金額は2分の1(損益通算後の残額)
間違えやすいところ
- 総所得金額を求める際に一時所得の2分の1計算を忘れて全額を足してしまうミス
- 一時払養老保険等の金融類似商品(5年以内解約で源泉分離課税)と混同すること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得者の確定申告要件と手続き
タックスプランニング · 確定申告 / 寄附金控除 / 提出期間
Aさんの平成28年分の所得税の確定申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
1か所から給与の支払いを受けている給与所得者は、原則として年末調整で課税関係が完了しますが、給与所得・退職所得以外の各種所得金額の合計額が20万円を超える場合には、所得税の確定申告書を提出しなければなりません。
解き方
- 給与所得以外の所得金額を確認すると、総所得金額に算入される一時所得が75万円あり、20万円を超えているため確定申告が必要であることを判定します。
- ふるさと納税は所得控除である寄附金控除の対象であり、自己負担額(2,000円)が差し引かれるため「全額が所得税額から控除」は誤りであると確認します。
- 所得税の確定申告書の提出期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までであり、「3月31日」は誤りであると判断します。
- 選択肢 1正解
- 給与所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える給与所得者は所得税の確定申告をしなければならないため、適切です。
- 選択肢 2不正解
- ふるさと納税(寄附金控除)は所得税においては所得控除であり、かつ適用にあたり自己負担額2,000円があるため、全額が所得税額から控除されるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 所得税の確定申告書の提出期間は、原則として翌年2月16日から3月15日まで(休日等による繰下げを除く)であるため、3月31日までとする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 1か所給与所得者の確定申告義務:給与所得・退職所得以外の所得合計が20万円超
- 確定申告の受付・提出期間は原則として翌年2月16日から3月15日まで
間違えやすいところ
- ふるさと納税が所得税では「所得控除」、住民税では「税額控除」となる仕組みを混同すること
- 確定申告の期限を3月末日(会社の事業年度末等)と勘違いすること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公正証書遺言と自筆証書遺言の手続き・証人欠格事由
相続・事業承継 · 遺言 / 公正証書遺言 / 自筆証書遺言 / 証人の欠格事由
資産家Aさん(73歳、推定相続人は妻Bさん、長女Cさん、長男Dさん)の遺言書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
遺言の有効性と公正性を担保するため、民法では証人・立会人の欠格事由を定めており、未成年者や推定相続人、受遺者、およびこれらの配偶者や直系血族は証人になれません。
解き方
- 公正証書遺言の作成手続き(証人2人以上の立会い、公証人への口授・筆記)の適法性を確認する。
- 民法第974条に規定される証人欠格者(推定相続人等)に長女Cさんや長男Dさんが該当するかどうかを判断する。
- 自筆証書遺言が発見された場合の家庭裁判所における検認手続き義務を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもとで遺言者が公証人に趣旨を口授し、公証人が筆記して作成するため適切です。
- 選択肢 2正解
- 推定相続人およびその直系血族・配偶者は証人欠格者となるため、妻Bさんのみならず長女Cさんや長男Dさんも証人になれません。
- 選択肢 3不正解
- 自筆証書遺言を発見した相続人は、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求する必要があるため適切です。
覚えるポイント
- 推定相続人とその配偶者・直系血族は、利害関係があるため遺言作成の証人になれません。
間違えやすいところ
- 配偶者だけが証人になれず、子どもなら証人になれると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
死亡保険金の非課税限度額・遺留分・小規模宅地等の特例
相続・事業承継 · 生命保険金のみなし相続財産 / 遺留分 / 小規模宅地等の特例
Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)Aさんが加入を検討している一時払終身保険の死亡保険金は、長女Cさんが受け取る場合「( ① )×法定相続人の数」を限度として非課税金額の規定の適用を受けることができる。 ⅱ)妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、長男Dさんの( ② )を侵害する可能性がある。Aさんの相続開始時の長男Dさんの( ② )の割合は、8分の1である。 ⅲ)妻Bさんが特定居住用宅地等に該当する自宅の敷地を相続等により取得して特例の適用を受ける場合、当該敷地は330㎡までの部分について( ③ )の減額が受けられる。
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解答
1
解説
相続税の生命保険金非課税枠、相続人の最低限の取り分を保障する遺留分制度、および居住の安定を図る小規模宅地等の特例の各要件・割合を正しく整理して理解する必要があります。
解き方
- 空欄①について、相続税法上の生命保険金の非課税限度額の計算式(500万円×法定相続人の数)を適用する。
- 空欄②について、法定相続割合ではなく遺言によっても奪えない権利である「遺留分(総遺留分1/2×長男の法定相続分1/4=1/8)」であることを確認する。
- 空欄③について、小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の限度面積(330㎡)と減額割合(80%)を照合する。
- 選択肢 1正解
- ①500万円、②遺留分、③80%のすべての語句・数値の組み合わせが正しいため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 長男Dの割合1/8は法定相続分(1/4)ではなく遺留分であり、特定居住用宅地等の減額割合も100%ではなく80%です。
- 選択肢 3不正解
- 死亡保険金の非課税限度額の乗数は600万円(基礎控除の乗数)ではなく500万円であり、権利も法定相続分ではなく遺留分です。
覚えるポイント
- 生命保険金の非課税枠は500万円×法定相続人の数、遺産に係る基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。
間違えやすいところ
- 生命保険金の非課税枠の「500万円」と遺産に係る基礎控除の「600万円」を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の税法および民法
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 課税遺産総額
Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が3億円であった場合における、相続税の総額として正しいものはどれか。なお、推定相続人は妻Bさん、長女Cさん、長男Dさんの3人である。
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解答
2
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を実際の遺産分割割合ではなく法定相続分に応じて各相続人に按分し、それぞれの取得金額に速算表の税率・控除額を適用して計算した税額を合算して求めます。
解き方
- 法定相続人と法定相続分を確認する。配偶者である妻Bさんが2分の1、子である長女Cさんと長男Dさんがそれぞれ4分の1ずつとなる。
- 課税遺産総額3億円を法定相続分で按分する。妻Bさんは1億5,000万円、長女Cさんと長男Dさんは各7,500万円となる。
- 速算表を用いて各人の算出税額を計算する。妻Bさんは「1億5,000万円×40%-1,700万円=4,300万円」、長女Cさんと長男Dさんはそれぞれ「7,500万円×30%-700万円=1,550万円」となる。
- 算出した税額を合計して相続税の総額を求める。「4,300万円+1,550万円+1,550万円=7,400万円」となる。
- 選択肢 1不正解
- 妻Bさんの税額4,300万円と長女Cさん・長男Dさんの各税額1,550万円を合計すると7,400万円になるため、6,900万円は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 法定相続分に応じた取得金額に基づき各人の算出税額(妻4,300万円、長女1,550万円、長男1,550万円)を合計すると7,400万円となります。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額3億円に直接税率(45%-2,700万円=1億800万円)を乗じる誤った計算手法による数値であり不適切です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は実際の按分割合ではなく、必ず民法上の法定相続分で按分して算出する。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額に直接税率を乗じて計算してしまうミスが多いので注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

