日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
健康保険の任意継続被保険者制度の申出期限・加入期間・不支給給付
社会保険・公的医療保険 · 任意継続被保険者 / 公的医療保険制度 / 傷病手当金
退職後の公的医療保険として健康保険の任意継続被保険者を選択する場合の手続期限、最長加入期間、および資格喪失後の継続給付該当者を除き原則として支給されない保険給付の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
退職により被用者保険の資格を喪失した者は、国民健康保険に加入するか健康保険の任意継続被保険者となる選択肢があります。任意継続被保険者制度は、資格喪失前までに継続して2カ月以上の被保険者期間がある場合に利用でき、手続き期限は資格喪失日から20日以内、最長加入期間は2年間と定められています。療養の給付や高額療養費等は現役時と同様に受けられますが、所得保障の性格を持つ傷病手当金や出産手当金は原則として支給対象外となります。
解き方
- 任意継続被保険者の申出期限が資格喪失日から原則「20日以内」であることを確認する(空欄①)。
- 任意継続被保険者として加入できる最長期間が「2年間」であることを確認する(空欄②)。
- 在職時の給付のうち任意継続被保険者に原則支給されない手当金が「傷病手当金」(および出産手当金)であることを確認し、空欄③を特定する。
- 選択肢 1正解
- 空欄①は20日以内、②は2年間、③は傷病手当金が入るため、この組み合わせが最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- 最長加入期間は3年間ではなく2年間であり、高額療養費は任意継続被保険者であっても支給されるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 申出手続の期限は30日以内ではなく20日以内であり、最長加入期間も3年間ではなく2年間であるため不適切です。
覚えるポイント
- 健康保険の任意継続被保険者は「退職前2カ月以上の加入」「喪失日から20日以内に申請」「最長2年間」が基本要件です。
間違えやすいところ
- 高額療養費や埋葬料などは任意継続でも受給できますが、傷病手当金と出産手当金は原則支給されない点を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の健康保険法に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の高年齢雇用継続給付・高年齢求職者給付金・教育訓練給付金
社会保険・雇用保険 · 高年齢雇用継続基本給付金 / 高年齢求職者給付金 / 教育訓練給付制度
雇用保険の保険給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以上65歳未満の一般被保険者で算定基礎期間が5年以上ある者が、60歳以後の賃金月額が60歳到達時の「75%未満」に低下した状態で就労を継続する場合に支給されます。また、65歳以後に離職した被保険者には基本手当に代えて一時金である「高年齢求職者給付金」が支給され、一定の要件を満たす被保険者が指定講座を修了した場合には「教育訓練給付金」が支給されます。
解き方
- 高年齢雇用継続基本給付金の受給要件における賃金低下率基準が「75%未満」であることを確認し、記述1の「85%未満」が誤りであることを判定する。
- 65歳以降に退職した被保険者に対する求職者給付が一時金である高年齢求職者給付金であることを確認し、記述2が適切であることを確認する。
- 雇用保険の一般被保険者が厚生労働大臣指定の一般教育訓練を修了した際の教育訓練給付金の受給要件を確認し、記述3が適切であることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給要件となる賃金低下率は「75%未満」であり、85%未満ではないため記述は不適切(正解)です。
- 選択肢 2不正解
- 65歳以降に退職した被保険者は、所定の受給要件を満たせば一時金として高年齢求職者給付金を受給できるため記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 被保険者期間等の要件を満たし、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を受講修了した場合は一般教育訓練給付金を受給できるため記述は適切です。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給要件は「60歳時点の賃金の75%未満に低下したこと」です(最大支給率は各月に支払われた賃金の15%)。
間違えやすいところ
- 65歳未満で退職した場合に支給される基本手当(失業給付)と、65歳以降に退職した場合の一時金である高年齢求職者給付金を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の雇用保険法に基づく出題条件
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度における支給開始年齢と加給年金
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 加給年金 / 国民年金保険料の後納
Aさん(昭和32年5月21日生まれの男性、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上)に対する公的年金制度の説明として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、妻Bさんは昭和35年8月15日生まれであり、同居して生計維持関係にあるものとする。
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解答
3
解説
厚生年金の被保険者期間が20年以上ある者が65歳到達時に生計維持する65歳未満の配偶者等を有する場合、老齢厚生年金に加給年金が加算されます。また、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は生年月日と性別に応じて段階的に引き上げられています。
解き方
- Aさんの生年月日(昭和32年5月21日・男性)から、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が63歳であることを確認します。
- 厚生年金保険の被保険者期間(437月+見込み68月=505月)が20年以上あり、65歳到達時に年下の配偶者(妻Bさん)がいるため、加給年金が加算される要件を満たすと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金の任意未加入期間は合算対象期間(カラ期間)であり、後納制度によって保険料を後から納付することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 昭和32年5月21日生まれの男性の場合、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢は60歳ではなく63歳です。
- 選択肢 3正解
- 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あるAさんの老齢厚生年金には、生計維持関係にある妻Bさんが65歳に達するまでの間、加給年金が加算されます。
覚えるポイント
- 昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれの男性の報酬比例部分支給開始年齢は63歳です。
- 配偶者加給年金は厚生年金被保険者期間20年以上で、65歳未満の生計維持配偶者がいる場合に加算されます。
間違えやすいところ
- 学生等の任意未加入期間(カラ期間)と保険料未納期間を混同して、後納可能と誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の公的年金各法令(厚生年金保険法等)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAの非課税投資枠・非課税期間・対象商品
金融資産運用 · NISA / 非課税投資枠 / 非課税期間 / 対象金融商品
NISA(少額投資非課税制度)の仕組みに関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「平成28年中にNISA口座でX社株式を購入する場合、非課税投資枠の上限は( ① )となり、その非課税期間は最長で( ② )となります。また、NISA口座の受入れの対象となる金融商品には、上場株式のほかに、上場不動産投資信託(J-REIT)や( ③ )などがあります」
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解答
1
解説
一般NISAは上場株式や公募株式投資信託等から生じる配当金・分配金や譲渡益を非課税とする制度であり、年間投資枠の上限および非課税期間が法律で定められています。公社債や公社債投資信託は対象外です。
解き方
- 平成28年(2016年)におけるNISAの年間非課税投資枠の上限が120万円(平成27年までの100万円から引き上げ)であることを特定します。
- 非課税保有期間が購入年を含めて最長5年間であることを確認します。
- NISAの対象商品には上場株式や公募株式投資信託等が含まれ、公社債投資信託は含まれないことを確認して組み合わせを選択します。
- 選択肢 1正解
- ①120万円、②5年間、③公募株式投資信託のすべての語句の組み合わせが制度の規定に合致して適切です。
- 選択肢 2不正解
- 非課税期間は最長5年間であり3年間ではありません。また公社債投資信託はNISA口座の対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 平成28年分の非課税投資枠は120万円です(100万円は平成27年まで)。また公社債投資信託は対象外です。
覚えるポイント
- 一般NISAは年間非課税枠120万円、非課税期間最長5年間、公募株式投信等は対象、公社債投信は対象外です。
間違えやすいところ
- 国債やMMFなどの公社債投資信託はNISA口座で購入できない点に注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の租税特別措置法(平成28年度税制改正施行基準)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資の基礎知識(手数料・注文方法・適合性・断定的判断の提供禁止)
金融資産運用 · 株式取引のルール / 成行注文と指値注文 / 金融商品販売法
株式投資に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
上場株式の取引ルールにおいて、売買委託手数料は自由化されているため金融商品取引業者ごとに異なり、注文の約定においては価格・成行優先の原則が適用されます。また勧誘時には不確実な事項について断定的判断を提供することが禁止されています。
解き方
- 委託手数料の決定方式について、一律規制ではなく自由化されている事実を確認します。
- 取引所における成行注文と指値注文の優先順位(価格優先・時間優先)の性質を確認します。
- 金融商品販売等に関する法律等における不確実な事項への断定的判断提供の禁止規定に合致するか判断します。
- 選択肢 1正解
- 株式の売買委託手数料は1999年10月に完全自由化されたため、証券会社ごとに金額や算出方法が異なっており、「どの証券会社であっても同じ額である」とする本記述は誤り(最も不適切)です。
- 選択肢 2不正解
- 取引所の売買注文では「成行注文は指値注文に優先する」という原則があるため、約定(成立)を最優先させたい場合には成行注文が適しており、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 金融商品の販売等に関する法律等において、価格変動のリスクがある金融商品について「下落する可能性は全くない」といった断定的判断を提供して勧誘する行為は禁止されており、記述は適切です。
覚えるポイント
- 株式売買委託手数料は完全自由化されており各社で異なる
- 成行注文は指値注文に対して常に優先して約定する
- 元本欠損の恐れがないと誤認させる断定的判断の提供は禁止
間違えやすいところ
- 公的な手数料基準が存在して全社一律であると誤解してしまうこと
- 指値注文の方が成行注文より希望価格を指定するため優先されると勘違いすること
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等(金融商品取引法、金融商品の販売等に関する法律等)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式指標の計算(PBR・PER・配当利回り)
金融資産運用 · PBR / PER / 配当利回り
設例のX社株式の各種投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 なお、X社株式のデータは以下のとおりである。 ・株価:300円 ・当期純利益:75億円 ・純資産(自己資本):1,000億円 ・発行済株式数:5億株 ・前期の配当金の総額:30億円
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解答
3
解説
株式の主要な投資指標は、1株当たりの各数値(1株当たり純資産=BPS、1株当たり当期純利益=EPS、1株当たり配当金)を算出し、それらと株価を対比して計算します。
解き方
- 1株当たり純資産(BPS)を求め、PBR(株価÷BPS)を計算します:1,000億円÷5億株=200円、300円÷200円=1.5倍。
- 1株当たり当期純利益(EPS)を求め、PER(株価÷EPS)を計算します:75億円÷5億株=15円、300円÷15円=20倍。
- 1株当たり配当金を求め、配当利回り(1株当たり配当金÷株価×100)を計算します:30億円÷5億株=6円、6円÷300円×100=2%。
- 選択肢 1不正解
- 1株当たり純資産=1,000億円÷5億株=200円。PBR=300円÷200円=1.5倍となり、記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 1株当たり当期純利益=75億円÷5億株=15円。PER=300円÷15円=20倍となり、記述は適切です。
- 選択肢 3正解
- 1株当たり配当金=30億円÷5億株=6円。配当利回り=6円÷300円×100=2%であるため、「3%である」とする本記述は誤り(最も不適切)です。
覚えるポイント
- PBR=株価÷1株当たり純資産(BPS)
- PER=株価÷1株当たり当期純利益(EPS)
- 配当利回り=1株当たり年間配当金÷株価×100
間違えやすいところ
- 配当性向(配当金総額÷当期純利益=30億円÷75億円=40%)と配当利回り(配当金÷株価)を混同すること
- PERとPBRの分子・分母を取り違えて計算してしまうこと
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令・基準
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得者の所得税の確定申告義務と申告期限
タックスプランニング · 確定申告 / 給与所得者 / 申告期限
所得税の確定申告に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 ⅰ)給与所得者の給与から源泉徴収された所得税は、勤務先で行う年末調整によって精算されるため、その年分の所得が1カ所のみからの給与所得だけであれば、原則として確定申告は不要である。しかし、その年分の給与収入の金額が( ① )を超える給与所得者は、年末調整の対象とならないため、所得税の確定申告をしなければならない。 ⅱ)Aさんの平成28年分の給与収入は( ① )を超えていないが、給与所得および退職所得以外の所得金額が( ② )を超えている場合には確定申告が必要であり、Aさんの場合は給与所得および退職所得以外の所得金額が( ② )を超えているため、所得税の確定申告をしなければならない。平成28年分の所得税の確定申告書の提出期限は、原則として平成29年( ③ )である。
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解答
3
解説
給与所得者は原則として年末調整で税額が確定しますが、給与収入が2,000万円を超える場合や、給与所得・退職所得以外の所得金額(本問の不動産所得:120万円-40万円=80万円)が20万円を超える場合は確定申告義務が生じます。申告期限は原則として翌年2月16日から3月15日までです。
解き方
- 給与所得者が確定申告を要する給与収入基準(2,000万円超)を確認する。
- 副収入等に係る確定申告不要制度の基準(給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下)を確認する。
- 所得税の確定申告書の原則的な提出期限(翌年3月15日)を確認し、正しい組み合わせを選択する。
- 選択肢 1不正解
- 年末調整の対象外となる給与収入基準は「2,000万円超」であり、確定申告期限は「3月15日」であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 給与所得・退職所得以外の申告基準額は「20万円」であり、確定申告期限は「3月15日」であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 給与収入「2,000万円」、給与・退職所得以外の所得「20万円」、申告期限「3月15日」のすべての組み合わせが適切です。
覚えるポイント
- 給与年収2,000万円超、または副業等の所得20万円超で確定申告が必要となります。
間違えやすいところ
- 所得税の確定申告期限(3月15日)と、納付期限の延長や地方税の期日(3月31日など)を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
医療費控除の対象となる医療費の範囲と支払年の判定
タックスプランニング · 医療費控除 / 生計を一にする親族 / 支払年基準
Aさんおよびその家族が設例のような治療を受けていた場合の所得税の医療費控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費が対象となります。適用対象となる年は治療の時期ではなく「現実に医療費を支払った年」であり、通常の視力矯正用眼鏡の購入代金などは日常生活上の費用として医療費控除の対象外です。
解き方
- 医療費控除の帰属年分のルール(治療時期ではなく現実に支払った年の基準)を確認する。
- 生計を一にする親族の治療費を自己が負担した場合に対象となるかを確認する。
- 一般的な視力矯正眼鏡の購入費用が医療費控除の対象に含まれるかを確認し、最も不適切な記述を選択する。
- 選択肢 1正解
- 医療費控除は実際に支払った年分の控除対象となるため、平成27年に終了した治療であっても平成28年中に支払った費用は平成28年分の控除対象となります。したがって記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 生計を一にする親族(妻Bさん)のために支払った入院治療費は、支払者であるAさんの医療費控除の対象となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 通常の近視矯正用眼鏡の購入費用は医療費控除の対象外(治療目的の特殊なものを除く)であるため適切です。
覚えるポイント
- 医療費控除は治療を受けた年ではなく「現実に支払った年」に適用されます。
間違えやすいところ
- 治療が行われた時期を基準にして申告年を判定してしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得控除 / 不動産所得
会社員Aさんの平成28年分の収入等は、給与収入が800万円、不動産の賃貸収入が120万円(必要経費40万円、青色申告の承認なし)である。設例の給与所得控除額の速算表に基づき計算した場合、Aさんの平成28年分の総所得金額として最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
総所得金額は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得などの各総合課税の所得金額を合算(損益通算後)して算出します。給与所得は給与収入から給与所得控除額を差し引いて求め、不動産所得は総収入金額から必要経費(および該当する場合は青色申告特別控除額)を差し引いて算出します。
解き方
- 給与収入800万円に対し、速算表より「収入金額×10%+120万円」を適用して給与所得控除額200万円を算出し、給与所得金額600万円を求めます。
- 不動産所得は総収入金額120万円から必要経費40万円を差し引き、80万円と計算します(青色申告なし)。
- 給与所得600万円と不動産所得80万円を合算し、総所得金額680万円を求めます。
- 選択肢 1正解
- 給与所得600万円と不動産所得80万円の合計は680万円となり、正解です。
- 選択肢 2不正解
- 給与収入800万円と不動産所得80万円を単純合算した誤った計算値です。
- 選択肢 3不正解
- 給与収入800万円と不動産の総収入120万円を単純合算した誤った計算値です。
覚えるポイント
- 総所得金額は総合課税の所得を合算した金額であり、収入金額そのものではなく必要経費や給与所得控除を差し引いた後の金額を用います。
間違えやすいところ
- 給与所得の計算において、給与収入から給与所得控除額を控除し忘れたり、不動産所得で必要経費を差し引き忘れたりするミスに注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建ぺい率の計算
不動産 · 建ぺい率 / 敷地面積 / 建築面積
間口15m、奥行20mの長方形である甲土地に、建築面積150㎡、延べ面積300㎡の賃貸アパートを建築する場合、当該アパートの建ぺい率として最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合を指し、「建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100」という算式で求められます。都市計画等で定められた「指定建ぺい率」は建築可能な上限値を示しますが、実際に建築する建物の建ぺい率は、設計された建築面積を敷地面積で除して求めます。
解き方
- 甲土地の敷地面積を「間口15m×奥行20m=300㎡」と算出します。
- 建築面積150㎡を敷地面積300㎡で除し、100を掛けて50%を求めます。
- 選択肢 1正解
- 建築面積150㎡÷敷地面積300㎡×100=50%となり、計算結果と合致します。
- 選択肢 2不正解
- 60%は都市計画で定められている甲土地の指定建ぺい率の上限値であり、計画建物の建ぺい率ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 200%は甲土地の指定容積率であり、建ぺい率ではありません。
覚えるポイント
- 建ぺい率は「建築面積/敷地面積」、容積率は「延べ面積/敷地面積」でそれぞれ計算します。
間違えやすいところ
- 設例に記載されている「指定建ぺい率(60%)」と、実際に建築するアパート自体の建ぺい率(50%)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税の賦課期日・評価替え・標準税率
不動産 · 固定資産税の基本事項
固定資産税に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものを選びなさい。 「毎年( ① )現在において土地・家屋の所有者として固定資産課税台帳に登録されている者に対しては、土地・家屋に係る地方税である固定資産税が課される。固定資産税の税額は課税標準に税率を乗じて計算され、その課税標準の基礎となる価格(固定資産税評価額)は、原則として、( ② )に1度評価替えが行われる。また、土地・家屋に係る固定資産税の標準税率は( ③ )であるが、各市町村はこれを超える税率を条例によって定めることができる。」
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点で固定資産課税台帳に登録されている所有者に対して課される市町村税です。課税の公平性を期すため、評価額は原則3年ごとに見直され、標準的な税率として1.4%が設定されています。
解き方
- 固定資産税の賦課期日を確認する(毎年1月1日現在)。
- 土地および家屋の固定資産税評価額が見直される評価替えの周期を確認する(原則として3年ごと)。
- 地方税法に規定されている固定資産税の標準税率を確認する(1.4%。0.3%は都市計画税の制限税率)。
- 選択肢 1不正解
- 評価替えの周期は5年ではなく3年ごとであり、標準税率は0.3%ではなく1.4%です(0.3%は都市計画税の制限税率の上限です)。
- 選択肢 2不正解
- 賦課期日は4月1日ではなく1月1日であり、標準税率は0.3%ではなく1.4%です。
- 選択肢 3正解
- 賦課期日は毎年1月1日、評価替えは原則として3年に1度、標準税率は1.4%であり、すべて正しく記述されています。
覚えるポイント
- 固定資産税の賦課期日は1月1日、評価替えは3年ごと、標準税率は1.4%であること。
間違えやすいところ
- 都市計画税の制限税率(上限0.3%)と固定資産税の標準税率(1.4%)を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等(地方税法)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における最大延べ面積の計算
不動産 · 容積率の制限 / 最大延べ面積
設例の甲土地(間口15m、奥行き20mの長方形、指定建ぺい率60%、指定容積率200%、幅員6mの公道に接面、住居系用途地域で前面道路幅員による容積率制限は幅員×4/10)に賃貸アパートを新築する際の建築基準法による最大延べ面積として、最も適切な計算式および数値を選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築物の延べ面積の限度は、敷地面積に容積率の最高限度を乗じて求めます。容積率の限度は、指定容積率と、前面道路の幅員に用途地域に応じた法定乗数(住居系地域は原則4/10)を乗じた数値のいずれか小さい方(厳しい方)となります。
解き方
- 甲土地の敷地面積を算出する(間口15m×奥行き20m=300㎡)。
- 前面道路幅員(6m)による容積率制限を計算する(6m×4/10=240%)。
- 指定容積率(200%)と前面道路による容積率制限(240%)を比較し、小さい方の200%を甲土地の容積率限度として採用する。
- 敷地面積に容積率限度を乗じて最大延べ面積を算出する(15m×20m×200%=600㎡)。
- 選択肢 1不正解
- 150%という容積率制限を適用する根拠はなく、誤った計算式です。
- 選択肢 2正解
- 前面道路幅員による制限240%と指定容積率200%を比較して小さい方の200%が適用されるため、15m×20m×200%=600㎡が正しい計算です。
- 選択肢 3不正解
- 道路幅員による制限240%を指定容積率200%と比較せずにそのまま適用して計算しているため不適切です。
覚えるポイント
- 容積率の制限は「指定容積率」と「前面道路幅員×法定乗数」を比較して小さい方を適用すること。
間違えやすいところ
- 道路幅員による容積率制限が指定容積率を上回る場合に、指定容積率に制限されることを失念して大きい方の数値を採用してしまう誤りが頻出します。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等(建築基準法第52条)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の遺産に係る基礎控除額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続人の数
設例において、Aさんの相続が平成28年9月11日時点で開始した場合における遺産に係る基礎控除額として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の遺産に係る基礎控除額は、平成27年1月1日以後の相続について「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の算式によって計算されます。法定相続人の数には、配偶者および民法に定める順位に基づく血族相続人が含まれます。
解き方
- 親族関係図から法定相続人を特定します。被相続人Aさんには配偶者(妻Bさん)と第1順位の子2人(長男Cさん、長女Dさん)がいるため、法定相続人の数は合計3人です。
- 遺産に係る基礎控除額の算式に当てはめて計算します。「3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円」となります。
- 選択肢 1不正解
- 4,200万円は法定相続人が2人の場合の基礎控除額(3,000万円+600万円×2=4,200万円)であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 法定相続人が妻B・長男C・長女Dの3人であるため、3,000万円+600万円×3=4,800万円となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 8,000万円は平成26年12月31日以前の旧税制における基礎控除額(5,000万円+1,000万円×3=8,000万円)であるため不適切です。
覚えるポイント
- 相続税の基礎控除額の計算式は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
間違えやすいところ
- 平成26年以前の旧税制(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)の計算式と混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告および納付手続き
相続・事業承継 · 贈与税の申告 / 贈与税の配偶者控除 / 納税地
贈与税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
贈与税は受贈者が1年間に取得した財産の価額を基に計算し申告・納付します。配偶者控除などの各種特例控除は、確定申告書の提出が適用要件となっているため、控除適用後に税額が生じない場合でも申告書の提出が必須となります。
解き方
- 各選択肢の贈与税の申告要件・提出先・提出期間について確認します。
- 選択肢1について、贈与税の配偶者控除の特例は申告手続きを行うことが適用要件とされているため、「申告書を提出する必要はない」という記述は誤り(不適切)と判断できます。
- 選択肢 1正解
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、控除により納付すべき税額が0円となる場合であっても申告書の提出が必要であるため、最も不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の申告書は、贈与者ではなく「受贈者(もらった人)」の納税地を所轄する税務署長に提出するため記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 暦年課税において贈与財産の総額が基礎控除額(110万円)を超える場合、翌年2月1日から3月15日までに申告書を提出する必要があるため記述は適切です。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除は、税額がゼロになる場合でも申告書の提出が必須要件です。
間違えやすいところ
- 贈与税の申告書の提出先を受贈者ではなく贈与者の納税地と取り違えやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
暦年課税による贈与税額の計算(特例贈与財産)
相続・事業承継 · 贈与税の計算 / 暦年課税 / 特例贈与財産 / 基礎控除
平成28年4月に父であるAさんから現金300万円、同年6月に母である妻Bさんから現金150万円を自動車購入資金として贈与された長男Cさん(40歳)について、暦年課税および特例税率を適用して計算した平成28年分の贈与税額として、正しい計算式および金額はどれか。なお、長男Cさんが同年中に受けた他の贈与はないものとする。
- 1
- (300万円-110万円)×10%+(150万円-110万円)×10%=23万円
- 2
- {(300万円-110万円)+(150万円-110万円)}×15%-10万円=24.5万円
- 3
- {(300万円+150万円)-110万円}×15%-10万円=41万円
解答・解説を表示
解答
3) {(300万円+150万円)-110万円}×15%-10万円=41万円
解説
暦年課税における贈与税は受贈者(もらった人)ごとに1年間の受贈財産合計額を基準に計算します。直系尊属からその年の1月1日時点で20歳以上の子や孫への贈与は「特例贈与財産」となり、基礎控除110万円は贈与者ごとではなく受贈者1人あたり年110万円を適用します。
解き方
- 受贈者である長男Cさんが年間に受けた特例贈与財産の金額を合算します(300万円+150万円=450万円)。
- 合計額から暦年課税の基礎控除額110万円を差し引いて課税価格を算出します(450万円-110万円=340万円)。
- 課税価格340万円に応じた特例贈与財産の速算表の税率15%と控除額10万円を適用し、贈与税額を計算します(340万円×15%-10万円=41万円)。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の基礎控除額110万円は贈与者ごとではなく受贈者1人につき年間110万円であるため、贈与者ごとに分けて控除し別々に税率を掛ける計算は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の基礎控除は受贈者1人あたり年110万円であるにもかかわらず、贈与者ごとに基礎控除を重複して控除しているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 同一年に父母から受けた特例贈与財産の金額を合算し、基礎控除額110万円を差し引いた課税価格340万円に特例税率15%を乗じて控除額10万円を差し引く正しい計算式です。
覚えるポイント
- 暦年課税の基礎控除110万円は贈与者ごとではなく、受贈者1人につき年1回のみ適用されます。
間違えやすいところ
- 父からの贈与と母からの贈与で別々に基礎控除110万円を差し引いて計算してしまう誤りが頻出します。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年9月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

