日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
老齢基礎年金の年金額の算定
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 公的年金 / 年金試算
Mさんは、Aさんが60歳に達するまで国民年金の保険料を納付した場合における原則65歳から受給できる老齢基礎年金の年金額を試算した。設例の条件に基づき、老齢基礎年金の年金額を算出する計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、年金額は平成27年10月時点の価額(満額780,100円)に基づくものとする。
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解答
1
解説
老齢基礎年金の額の計算において、保険料納付済期間に算入される厚生年金保険の被保険者期間は「20歳以上60歳未満」の期間に限られます。また、保険料免除期間の国庫負担割合は、法改正により平成21年3月以前は3分の1、平成21年4月以降は2分の1として計算されます。
解き方
- Aさんの公的年金加入歴から20歳到達月(昭和62年9月)を確認し、20歳未満の厚生年金期間(昭和61年4月~昭和62年8月の17月)を除外して20歳以上の厚生年金期間(84月-17月=67月)を算出します。
- 納付済月数(厚生年金67月+国民年金237月+納付予定140月=444月)と、平成21年3月以前の全額免除月数36月(国庫負担割合1/3)を老齢基礎年金の算定式に当てはめます。
- 選択肢 1正解
- 20歳以上60歳未満の納付済期間444月に、平成21年3月以前の全額免除期間36月(1/3換算)を加算して満額月数480月で除しており適切です。
- 選択肢 2不正解
- 461月は20歳未満の厚生年金期間17月を含んでしまっているため誤りです(20歳未満の期間は老齢基礎年金の納付済期間には算入されません)。
- 選択肢 3不正解
- 全額免除期間(平成7年7月~平成10年6月)は平成21年3月以前であるため、乗じる割合は1/2ではなく1/3となります。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の額に反映されるのは「20歳以上60歳未満」の期間のみである点
- 保険料全額免除期間の年金反映割合は平成21年3月以前が1/3、平成21年4月以降が1/2である点
間違えやすいところ
- 厚生年金保険の被保険者期間をすべて老齢基礎年金の計算月数に含めてしまうミス
- 平成21年3月以前と平成21年4月以降の国庫負担割合(免除期間の換算率)を混同してしまうミス
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(平成27年度価額基準)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度の仕組み(繰上げ・付加年金・加給年金)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢年金の繰上げ請求 / 付加年金 / 加給年金
MさんがAさんに対して行った公的年金制度に関する次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
老齢厚生年金の加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年(240月)以上ある受給権者が、65歳到達時点で生計を維持している配偶者や子がいる場合に加算されます。また、老齢年金の繰上げ請求は老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行う必要があります。
解き方
- 繰上げ請求の要件および付加年金の加入要件について、各記述の正誤を確認します。
- Aさんの厚生年金被保険者期間(84月)を確認し、老齢厚生年金に加給年金額が加算される要件(原則20年=240月以上)を満たしているかを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ支給の請求は、原則として同時に行わなければならないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金第1号被保険者は、月額400円の付加保険料を納付することで「200円×付加保険料納付済月数」の付加年金を老齢基礎年金に上乗せして受給できるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 加給年金額が加算されるためには厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年(240月)以上必要ですが、Aさんは84月しかないため加算されず不適切です。
覚えるポイント
- 加給年金の加算要件は厚生年金保険の被保険者期間が原則20年(240月)以上であること
- 繰上げ請求は老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行わなければならないこと
間違えやすいところ
- 繰上げ支給について、基礎年金と厚生年金のどちらか一方のみを繰り上げられると誤認するミス
- 被保険者期間の長短を考慮せず、配偶者がいれば誰でも加給年金が加算されると考えてしまうミス
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金(個人型)の概要
ライフプランニングと資金計画 · 個人型確定拠出年金 / 掛金限度額 / 小規模企業共済等掛金控除 / 受給要件
確定拠出年金に関する次の文章の空欄①〜③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「国民年金の第1号被保険者であるAさんは、確定拠出年金の個人型年金に加入することができますが、掛金の限度額は月額( ① )となり、掛金はその全額が( ② )として所得控除の対象となります。また、60歳から老齢給付金を受給するためには通算加入者等期間が( ③ )以上あることが必要です」
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解答
3
解説
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、被保険者の種別等によって拠出限度額が定められており、支払った掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象として所得控除されます。また、60歳から老齢給付金を受給するには10年以上の通算加入者等期間を満たす必要があります。
解き方
- 国民年金第1号被保険者(自営業者等)の個人型年金掛金限度額(月額6万8,000円)を確認します。
- 確定拠出年金の掛金に適用される所得控除の区分が「小規模企業共済等掛金控除」であることを確認します。
- 60歳時点で老齢給付金の受給を開始するために求められる通算加入者等期間(10年以上)を確認し、正しい選択肢を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 所得控除の区分は社会保険料控除ではなく小規模企業共済等掛金控除であり、受給に必要な通算加入者等期間は5年ではなく10年以上であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金第1号被保険者の拠出限度額は月額6万8,000円(5万5,000円ではない)であり、所得控除の区分も社会保険料控除ではないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 第1号被保険者の掛金限度額は月額6万8,000円、控除区分は小規模企業共済等掛金控除、受給要件となる期間は10年以上であり、すべて正しい組合せです。
覚えるポイント
- 確定拠出年金の掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる
- 自営業者(第1号被保険者)の拠出限度額は月額6万8,000円(年額81万6,000円)
間違えやすいところ
- 公的年金保険料と同じ社会保険料控除と勘違いしやすい
- 通算加入者等期間が10年未満の場合、受給開始可能年齢が最大65歳まで繰り下がる点を見落としやすい
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の特徴と投資判断基準
金融資産運用 · 株式投資 / 為替変動の影響 / 配当金決定の仕組み / 業界分析
電子部品製造業のX株式会社の株式(X社株式)に関するファイナンシャル・プランナーの説明として、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
株式の配当金は企業の利益処分の一環として支払われるものであり、毎期の業績や配当方針に基づいて変動します。定款によって一定額の配当が保証・固定されているわけではありません。
解き方
- 輸出企業の株価に対する為替変動(円安)の影響を検討し、好材料となる記述の正誤を判断します。
- 株式の配当金の決定プロセスおよび定款との関係を確認し、毎期同額が支払われるという記述の不適切さを見抜きます。
- サプライヤー企業の業績を分析する際に、納入先最終製品の市場動向を考慮することの妥当性を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 輸出型企業では円安が進むと外貨建て売上の円換算額が増加し、業績改善要因となるため株価にとって好材料となります。
- 選択肢 2正解
- 1株当たりの配当金の額は定款で固定的に定められるものではなく、業績や方針を踏まえて株主総会等の決議で決定され、変動するため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 部品製造業の需要は完成品市場の動向に大きく影響を受けるため、部品を使用する最終製品の市況を確認することは重要です。
覚えるポイント
- 株式の配当金は確定利回りではなく、業績等に応じて増減や無配となることがある
- 輸出中心の企業は一般に円安が業績・株価にとってプラスに働く
間違えやすいところ
- 債券の利子(確定利率)と株式の配当金を混同し、配当も固定的に支払われると誤認しやすい
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標(PER・PBR・配当性向)の計算
金融資産運用 · PER / PBR / 配当性向
設例のX社株式に関する資料に基づき、空欄①~③に入る最も適切な組合せを選択しなさい。 「株価の相対的な割安・割高の度合いを測る指標としてPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)がありますが、X社のPERは( ① )、PBRは( ② )となっています。また、株主への利益還元の度合いを測る指標として配当性向がありますが、X社の配当性向は( ③ )となっています」
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解答
2
解説
株式の主要投資指標では、まず発行済株式数を用いて1株当たりの利益(EPS)や純資産(BPS)を算出し、それらを分母として株価や配当金との比率を求めます。配当性向は利益に対する配当金の還元比率を表します。
解き方
- 発行済株式数(1億株)で当期純利益(200億円)および純資産(2,500億円)を除して、EPS=200円、BPS=2,500円をそれぞれ算出します。
- 株価(2,000円)を用いて、PER(株価÷EPS=10倍)、PBR(株価÷BPS=0.8倍)を計算します。
- 1株当たり配当金(40円)をEPS(200円)で除して、配当性向(40÷200×100=20%)を算出します。
- 選択肢 1不正解
- PBRの計算で分子と分母を逆にして2,500÷2,000=1.25倍とし、配当性向ではなく配当利回り(40÷2,000×100=2%)を選択しているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- PERは10倍、PBRは0.8倍、配当性向は20%となり、すべての数値が正しく合致しています。
- 選択肢 3不正解
- PERが12.5倍と誤っており、また配当性向ではなく配当利回り(2%)を選択しているため不適切です。
答えの内訳
- 空欄①:10倍
- 1株当たり当期純利益(EPS)は200億円÷1億株=200円であり、PER(株価収益率)は株価2,000円÷200円=10倍となります。
- 空欄②:0.8倍
- 1株当たり純資産(BPS)は2,500億円÷1億株=2,500円であり、PBR(株価純資産倍率)は株価2,000円÷2,500円=0.8倍となります。
- 空欄③:20%
- 配当性向は1株当たり年間配当金÷1株当たり当期純利益×100=40円÷200円×100=20%となります。
覚えるポイント
- PER=株価÷1株当たり当期純利益(EPS)
- PBR=株価÷1株当たり純資産(BPS)
- 配当性向=1株当たり配当金÷1株当たり当期純利益(EPS)×100
間違えやすいところ
- 配当性向(配当金÷EPS)と配当利回り(配当金÷株価)を混同しないように注意が必要です。
- PBRの計算で株価と1株当たり純資産の分子・分母を逆に計算してしまうミスに気をつけましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の最終利回りの計算
金融資産運用 · 債券投資 / 最終利回り / 単利計算
設例の条件に基づき、Y社債(表面利率1.3%、残存期間3年、購入価格101.5円、償還価格100円)を購入した場合の最終利回り(年率・単利)として、最も適切なものを選択しなさい。なお、税金や手数料等は考慮せず、答は%表示における小数点以下第3位を四捨五入すること。
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解答
1
解説
最終利回り(単利)は、既発債を満期まで保有したときの年換算収益率を求める指標であり、毎年の利息収入と償還損益(年換算)の合計を購入価格で割って算出します。
解き方
- 1年当たりの償還差損益を計算します:(償還価格100円-購入価格101.5円)÷残存期間3年=-0.5円。
- 年間の合計収益を求めます:表面利率1.3円+(-0.5円)=0.8円。
- 購入価格で割って利回りを求めます:0.8円÷購入価格101.5円×100≒0.7881...%。
- 小数点以下第3位を四捨五入して、0.79%を求めます。
- 選択肢 1正解
- [1.3+(100-101.5)÷3]÷101.5×100=0.8÷101.5×100≒0.788...%となり、四捨五入して0.79%となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 計算手順が誤っており、直接利回り(1.3÷101.5×100≒1.28%)に近い数値になっているため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 償還差損を誤って加算した場合の計算([1.3+0.5]÷101.5×100≒1.77%)であるため不適切です。
覚えるポイント
- 最終利回り(%)=[表面利率+(償還価格-購入価格)÷残存年数]÷購入価格×100
- 購入価格が額面100円を上回っている場合は償還差損が発生し、利回りは表面利率より低くなります。
間違えやすいところ
- (償還価格-購入価格)の符号を逆に計算して、償還差損を加算してしまう誤り。
- 分母に償還価格(100円)を誤って置いてしまうミス(分母は必ず投資元本である「購入価格」)。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得者の所得税の確定申告要件と申告期限
タックスプランニング · 所得税の確定申告 / 給与所得者の確定申告義務 / 申告期限
給与所得者であるAさんの平成27年分の所得税の確定申告に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の適切な組合せを選択しなさい。 ⅰ)給与所得者の給与から源泉徴収された所得税は、勤務先で行う年末調整によって精算されるため、その年分の所得が給与所得だけであれば、通常、給与所得者は所得税の確定申告は不要である。しかし、その年分の給与収入の金額が( ① )を超える給与所得者は、年末調整の対象とならないため、所得税の確定申告をしなければならない。 ⅱ)Aさんの平成27年分の給与収入の金額は900万円であり、( ① )を超えていないが、Aさんは平成27年中に生命保険の解約返戻金を受け取っており、この解約返戻金に係る所得金額が( ② )を超えるため、Aさんは所得税の確定申告をしなければならない。なお、平成27年分の所得税の確定申告書の提出期限は、原則として、平成28年( ③ )である。
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解答
2
解説
給与所得者は原則として年末調整により所得税が精算されますが、年収2,000万円超の場合や給与・退職所得以外の所得が20万円を超える場合は確定申告義務が生じます。
解き方
- 給与所得者の年末調整対象外となる収入金額の基準(2,000万円超)を確認する。
- 給与・退職以外の所得金額が確定申告を要する基準(20万円超)を確認する。
- 所得税の確定申告書の原則的な提出期限(翌年3月15日)を確認し、正しい組み合わせを選択する。
- 選択肢 1不正解
- 給与収入基準は1,500万円ではなく2,000万円であり、給与以外の所得基準も10万円ではなく20万円であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ①2,000万円、②20万円、③3月15日の組み合わせは全て法令の規定に合致しており適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与以外の所得基準は10万円ではなく20万円であり、提出期限も原則3月31日ではなく3月15日であるため誤りです。
答えの内訳
- ①:2,000万円
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える給与所得者は、年末調整の対象とならないため確定申告が必要です。
- ②:20万円
- 1カ所から給与の支払を受けている給与所得者で、給与所得および退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える場合は確定申告が必要です。設例の一時所得の金額は(600万円-500万円-50万円)×1/2=25万円となり、20万円を超えています。
- ③:3月15日
- 平成27年分の所得税および復興特別所得税の確定申告書の提出期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。
覚えるポイント
- 給与所得者で確定申告が必要なのは給与年収2,000万円超、または副業等の所得が20万円超の場合である。
間違えやすいところ
- 「収入金額20万円」ではなく「所得金額20万円」が申告義務の判定基準である点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の適用要件と控除額
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族 / 年少扶養親族
Aさんの平成27年分の所得税における所得控除(配偶者控除・扶養控除)に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
配偶者控除および扶養控除の要件判定は「収入」ではなく「合計所得金額(38万円以下)」で行います。また扶養控除は16歳以上の親族が対象で、19歳以上23歳未満は特定扶養親族となります。
解き方
- 妻Bさんの給与収入96万円から給与所得(96万円-65万円=31万円)を算出し、38万円以下であるため配偶者控除の対象となることを確認する。
- 長女Cさん(20歳・収入なし)が特定扶養親族(19歳以上23歳未満)に該当し控除額63万円であることを確認する。
- 二女Dさん(15歳)が16歳未満の年少扶養親族であり、所得税の扶養控除の対象外となることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 控除対象配偶者の要件は年間の合計所得金額が38万円以下(給与収入のみなら103万円以下)です。妻Bさんの給与収入は96万円(給与所得31万円)であるため控除対象配偶者に該当し、記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- その年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族は特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円となるため記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- その年の12月31日現在の年齢が16歳未満の親族は年少扶養親族となり、扶養控除の適用を受けることはできないため記述は適切です。
覚えるポイント
- 扶養親族の対象は16歳以上であり、19歳以上23歳未満は特定扶養親族(控除額63万円)となる。
間違えやすいところ
- 配偶者控除の判定要件である「所得38万円以下」を「給与収入38万円以下」と混同しないようにする(給与収入なら103万円以下)。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
平成27年分の総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得控除 / 一時所得
給与収入900万円を得ている会社員Aさんが、契約から5年超経過した一時払変額個人年金保険を解約し、解約返戻金600万円(正味払込保険料500万円)を受け取った場合における、Aさんの平成27年分の総所得金額として最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総所得金額は、給与所得や一時所得など総合課税の対象となる各種所得の金額を合計して算出します。給与所得は収入金額から給与所得控除額を差し引いて求め、一時所得は総収入金額から支出金額と最高50万円の特別控除額を差し引いた金額の2分の1を総所得金額に算入します。
解き方
- 給与所得控除額の速算表より、給与収入900万円に対する給与所得控除額を「900万円×10%+120万円=210万円」と算出し、給与所得金額「900万円-210万円=690万円」を求めます。
- 一時所得の金額「解約返戻金600万円-正味払込保険料500万円-特別控除50万円=50万円」を計算し、総所得金額に算入する金額としてその2分の1である「25万円」を求めます。
- 給与所得690万円と一時所得の算入額25万円を合算して、総所得金額「715万円」を算出します。
- 選択肢 1正解
- 給与所得690万円と一時所得の2分の1である25万円を合計した715万円が正しい総所得金額となります。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の金額50万円を2分の1にせずそのまま給与所得690万円に加算した場合の計算(740万円)であり誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 解約返戻金から払込保険料を差し引いた差益100万円を特別控除や2分の1の適用をせずに加算した場合の計算(790万円)であり誤りです。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入額は「(総収入金額-支出金額-特別控除額50万円)×1/2」です。
間違えやすいところ
- 一時所得を総所得金額に合算する際に2分の1を乗じるのを忘れてしまうミスに注意しましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地取得・賃貸アパート建築の税務と登記・規制
不動産 · 不動産取得税 / 建ぺい率の緩和 / 建物の表題登記
相続による土地の取得および当該土地(防火規制なし)への賃貸アパート建築に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建ぺい率の緩和規定において、耐火建築物の建築による指定建ぺい率10%加算の適用を受けるためには、対象地が「防火地域内」等の指定地域内にあることが必要です。また、相続による不動産取得は形式的な所有権移転であるため不動産取得税は非課税とされ、建物を新築した者は1か月以内に表題登記を申請する義務があります。
解き方
- 設例の甲土地の防火規制を確認すると「なし」と記載されていることを把握します。
- 防火規制のない地域では、耐火建築物を建築しても建ぺい率の10%加算の適用対象外となるため、記述2が誤りであると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 相続(包括遺贈を含む)による不動産の取得に対しては、不動産取得税は課されません。
- 選択肢 2正解
- 甲土地は「防火規制:なし」であるため、耐火建築物を建築しても建ぺい率の緩和(10%加算)は受けられず、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 新築した建物の所有権を取得した者は、新築の日から1か月以内に表題登記を申請しなければなりません。
覚えるポイント
- 耐火建築物による建ぺい率10%緩和は「防火地域内」であることが要件(防火指定なしでは適用不可)です。
間違えやすいところ
- 耐火建築物を建てれば無条件に建ぺい率が10%加算されると思い込んでしまう点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における最大延べ面積の計算
不動産 · 建築基準法 / 容積率 / 延べ面積の限度
甲土地(敷地面積300㎡、第一種中高層住居専用地域、指定建ぺい率60%、指定容積率200%、前面道路幅員6m・法定乗数4/10)に賃貸アパートを建築する場合の最大延べ面積として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築物の延べ面積の限度(最大延べ面積)は敷地面積に容積率の限度を乗じて求めます。前面道路の幅員が12m未満の場合、指定容積率と道路幅員制限(前面道路の幅員×法定乗数)を比較し、いずれか小さい方の数値が適用されます。
解き方
- 前面道路幅員による容積率制限を計算する(道路幅員6m×4/10=24/10=240%)。
- 指定容積率(200%)と道路幅員制限(240%)を比較し、小さい方の200%を採用する。
- 敷地面積300㎡に適用容積率200%を乗じて、最大延べ面積600㎡を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 300㎡×60%=180㎡は、建築面積の最高限度(建ぺい率による制限)を求める計算式であり、延べ面積の計算ではありません。
- 選択肢 2正解
- 指定容積率200%と道路幅員制限容積率240%のうち小さい方の200%が適用されるため、300㎡×200%=600㎡となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 道路幅員制限による容積率240%は指定容積率200%を上回っているため適用されず、720㎡とするのは誤りです。
覚えるポイント
- 容積率は指定容積率と道路幅員制限容積率の「小さい方」を適用する
間違えやすいところ
- 延べ面積の計算において、建ぺい率と容積率を取り違えて計算してしまうミス
出題の前提:2015年10月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税の基本事項
不動産 · 固定資産税 / 賦課期日 / 評価替え / 標準税率
固定資産税に関する文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「毎年( ① )現在において土地・家屋の所有者として固定資産課税台帳に登録されている者に対しては、土地・家屋に係る地方税である固定資産税が課される。固定資産税の税額は課税標準に税率を乗じて計算され、その課税標準の基礎となる価格(固定資産税評価額)は、原則として、( ② )に1度評価替えが行われる。また、土地・家屋に係る固定資産税の標準税率は1.4%であり、各市町村はこれを超える税率を条例によって定めることが( ③ )。」
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定資産税は毎年1月1日現在の固定資産課税台帳上の所有者に課税される市町村税です。土地および家屋の評価額は原則3年ごとに見直される基準年度制度が採られており、税率は地方税法上の標準税率1.4%に対して市町村が条例で別段の税率を定めることが可能です。
解き方
- 固定資産税の賦課期日が毎年「1月1日」であることを確認する。
- 固定資産税評価額の評価替えの周期が原則として「3年」に1度であることを確認する。
- 標準税率(1.4%)に対して市町村が条例で上回る税率を定めることが「できる」ことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 評価替えの周期は5年ではなく3年であり、市町村は条例で標準税率を超える税率を定めることができるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 固定資産税の賦課期日は4月1日ではなく1月1日であり、条例で標準税率を超える税率を定めることができるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- ①1月1日、②3年、③できる、のすべての組み合わせが地方税法の規定に合致しており最も適切です。
覚えるポイント
- 固定資産税の賦課期日は1月1日、評価替えは原則3年に1度、超過税率の設定は可能
間違えやすいところ
- 会計年度の初日である4月1日を賦課期日と混同してしまうミス
出題の前提:2015年10月1日現在施行の地方税法
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例
相続・事業承継 · 教育資金の一括贈与 / 贈与税の非課税特例
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例に関する次の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の適用を受けるためには、受贈者の年齢は、教育資金管理契約を締結する日において( ① )未満でなければならない。また、この特例の適用を受けた場合、非課税拠出額の限度額は、受贈者1人につき( ② )とされており、その非課税拠出額のうち、一定の教育資金に支出し、かつ、領収書等の提出により金融機関等に教育資金支出額として記録された部分が最終的に非課税となる。なお、学校等以外の者に教育に関する役務の提供の対価として直接支払われる金銭で一定のものに係る支出については、( ③ )を限度として非課税となる。
解答・解説を表示
解答
3
解説
祖父母や父母などの直系尊属が、30歳未満の子や孫のために教育資金を一括信託等した場合、受贈者1人あたり1,500万円(学習塾や習い事など学校等以外への支払いは500万円)まで贈与税が非課税となります。
解き方
- 受贈者の年齢要件を確認する:信託契約等の締結日時点で受贈者が「30歳未満」であることが要件です(①は30歳)。
- 非課税拠出限度額の総額を確認する:受贈者1人あたりの拠出限度額は最大「1,500万円」です(②は1,500万円)。
- 学校等以外の者に支払われる金銭の限度額を確認する:学習塾や水泳教室などの学校等以外の支払いは最大「500万円」まで非課税対象となります(③は500万円)。
- 選択肢 1不正解
- 受贈者の年齢上限は25歳ではなく「30歳未満」であり、学校等以外の者への支払限度額は1,000万円ではなく「500万円」です。
- 選択肢 2不正解
- 非課税拠出額の総額限度額は2,000万円ではなく「1,500万円」であり、学校等以外の者への支払限度額は1,000万円ではなく「500万円」です。
- 選択肢 3正解
- ①30歳、②1,500万円、③500万円という組み合わせは、教育資金一括贈与の非課税特例の各要件に完全に合致しており適切です。
覚えるポイント
- 教育資金一括贈与の非課税枠は1人最大1,500万円で、学校等以外は最大500万円まで。
- 契約締結時の受贈者の年齢は30歳未満であること。
間違えやすいところ
- 結婚・子育て資金の一括贈与(上限1,000万円・受贈者18歳以上50歳未満)と年齢要件や非課税限度額を混同しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特例贈与財産に係る贈与税額の計算
相続・事業承継 · 贈与税の計算 / 暦年課税 / 特例税率
二女Dさん(35歳)が、平成27年中に父であるAさん(70歳)から受けた現金500万円の贈与について、二女Dさんが納付すべき平成27年分の贈与税額を算出する計算式および金額として、最も適切なものはどれか。なお、二女Dさんは相続時精算課税を選択せず暦年課税を選択し、これ以外の贈与は受けていないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
直系尊属(父母や祖父母等)からその年の1月1日時点で20歳以上(現行法令では18歳以上)の子や孫へ贈与が行われた場合、特例贈与財産として「特例税率」が適用されます。贈与税額は、贈与額から基礎控除110万円を引いた課税価格に速算表の税率を掛け、控除額を引いて算出します。
解き方
- 特例税率の適用可否を判定する:贈与者は父Aさん(直系尊属)、受贈者は二女Dさん(贈与年の1月1日時点で35歳であり20歳以上)であるため、特例贈与財産の税率を適用します。
- 基礎控除後の課税価格を計算する:贈与額500万円から暦年課税の基礎控除110万円を差し引き、500万円-110万円=390万円となります。
- 速算表より税額を計算する:基礎控除後の課税価格390万円は「200万円超400万円以下」の区分に該当するため、税率15%、控除額10万円を適用し、390万円×15%-10万円=48万5,000円を求めます。
- 選択肢 1正解
- 基礎控除110万円を差し引いた課税価格390万円に税率15%を乗じ、控除額10万円を差し引く正しい計算式および算出額となっています。
- 選択肢 2不正解
- 暦年課税における基礎控除110万円が差し引かれておらず、また税率区分の判定も誤っています。
- 選択肢 3不正解
- 控除額30万円を課税価格から控除してから税率を乗じており、速算表の計算順序が誤っています。
覚えるポイント
- 暦年課税の贈与税計算は、「(課税価格-基礎控除110万円)×税率-控除額」の手順で行う。
- 受贈者が成人で直系尊属からの贈与の場合は「特例贈与財産(特例税率)」が適用される。
間違えやすいところ
- 基礎控除110万円の控除を忘れて贈与総額に直接税率を乗じてしまう誤り。
- 速算表の控除額を、税率を掛ける前の課税価格から差し引いてしまう誤り。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告・納付の手続き
相続・事業承継 · 贈与税の申告手続 / 申告期限 / 納付期限 / 受贈者の納税地
贈与税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
贈与税の納税義務者は財産を取得した受贈者であり、原則として財産を取得した年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地を所轄する税務署長に申告および金銭一括納付を行わなければなりません。
解き方
- 受贈者が申告すべき所轄税務署(受贈者の納税地)を確認し、申告義務者の規定と照合します。
- 贈与税の申告期間(翌年2月1日~3月15日)および納付期限(原則申告期限と同様に3月15日)の各要件と照らし合わせて正誤を判定します。
- 選択肢 1正解
- 贈与税の申告書は、原則として財産を取得した受贈者が、受贈者の住所地等の納税地を所轄する税務署長に対して提出するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の申告書の提出期間は、原則として贈与を受けた年の「翌年2月1日から3月15日まで」であり、3月31日ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 贈与税の納付期限は、原則として申告書の提出期限と同じ「贈与を受けた年の翌年3月15日まで」であり、申告書提出日の翌日から6カ月以内ではありません。
覚えるポイント
- 贈与税の申告・納付期限は「翌年2月1日~3月15日」であり、提出先は「受贈者の納税地の所轄税務署長」です。
間違えやすいところ
- 贈与者の住所地所轄税務署長へ提出すると誤解したり、納付期限を申告後一定期間内と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年1月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

