日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の概要
遺族基礎年金の年金額の算出式
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 子の加算額
会社員Aさん(40歳)が現時点(平成28年1月24日)で死亡した場合、生計を一にしている妻Bさん(36歳、長男3歳・二男0歳と同居)に支給される遺族基礎年金の年金額(年額)を算出する計算式として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、年金額は平成27年10月現在の価額に基づいて計算するものとする。
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解答
3
解説
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡したときに、生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に支給されます。年金額は定額の基本額に、対象となる子の数に応じた加算額を加えた金額となります。
解き方
- 受給権者と加算対象となる子の条件を確認します。長男Cさん(3歳)と二男Dさん(0歳)の2人はいずれも18歳到達年度の末日終了前の子に該当します。
- 遺族基礎年金の基本額(780,100円)に、第1子および第2子の加算額(各224,500円)を加算する式を組み立てます。
- 選択肢 1不正解
- 74,800円は第3子以降の加算額であり、本問のように対象となる子が2人いる場合の計算式としては誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 子の加算額は第1子および第2子までは各224,500円であるため、第2子に74,800円を適用している本式は誤りです。
- 選択肢 3正解
- 基本額780,100円に、第1子加算額224,500円および第2子加算額224,500円を合算した正しい計算式です。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金の子の加算額は第1子・第2子は各224,500円、第3子以降は各74,800円です。
間違えやすいところ
- 第2子の加算額を第3子以降の加算額(74,800円)と混同して計算してしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(平成27年度価額)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の支給額と中高齢寡婦加算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 中高齢寡婦加算 / 300月みなし
遺族厚生年金および中高齢寡婦加算に関する次の説明文の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 「現時点(平成28年1月24日)においてAさんが死亡した場合、妻Bさんに対して遺族厚生年金が支給されます。遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ① )に相当する額になります。ただし、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が( ② )に満たないときは、( ② )とみなして年金額が計算されます。 また、二男Dさんの18歳到達年度の末日が終了すると、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。その後、妻Bさんが( ③ )に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に中高齢寡婦加算が加算されます」
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解答
3
解説
在職中の死亡等による遺族厚生年金は、被保険者の報酬比例部分の4分の3相当額が支給され、被保険者期間が短期(300月未満)の場合は300月とみなして年金額を保障します。また、遺族基礎年金が終了した遺族の妻には65歳になるまで中高齢寡婦加算が行われます。
解き方
- 遺族厚生年金の額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の「4分の3」であるため、①は4分の3となります。
- 短期要件による遺族厚生年金の最低保障月数は「300月」であるため、②は300月となります。
- 遺族基礎年金が子の成長により失権した後に支給される中高齢寡婦加算は、自身の老齢基礎年金を受給開始する「65歳」まで支給されるため、③は65歳となります。
- 選択肢 1不正解
- 遺族厚生年金の給付割合は2分の1ではなく4分の3であり、中高齢寡婦加算の終了時期も60歳ではなく65歳です。
- 選択肢 2不正解
- 遺族厚生年金の給付割合は3分の2ではなく4分の3であり、最低保障期間の月数も240月ではなく300月です。
- 選択肢 3正解
- ①4分の3、②300月、③65歳であり、すべての空欄の記述が適切に揃っています。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の給付額は報酬比例部分の「4分の3」、短期要件の被保険者月数は「300月みなし」、中高齢寡婦加算は「65歳まで」です。
間違えやすいところ
- 老齢厚生年金の加給年金要件である「240月」と、遺族厚生年金の最低保障月数である「300月」を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の被保険者と給付要件・認定手続き
リスク管理 · 公的介護保険 / 第2号被保険者 / 要介護認定
公的介護保険に関するファイナンシャル・プランナー(Mさん)のアドバイスとして、次の記述のうち最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
公的介護保険の被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の第2号被保険者に区分されます。第1号被保険者は原因を問わず要介護・要支援状態になれば給付対象となりますが、第2号被保険者は初老期認知症や脳血管疾患など法令で定められた16種類の特定疾病が原因で要介護・要支援状態になった場合に限定して保険給付を受けることができます。また、要介護・要支援認定の申請先・認定者は市区町村(特別区を含む)となります。
解き方
- Aさんの年齢(40歳)から、公的介護保険の第2号被保険者に該当することを確認します。
- 第2号被保険者の給付要件が「加齢に伴う一定の特定疾病による要介護・要支援状態」に限定されていることを確認し、選択肢1が適切であると判断します。
- 要介護認定を行う機関(市区町村)および当時の自己負担割合の規定と照らし合わせ、選択肢2・3の誤りを検証します。
- 選択肢 1正解
- 第2号被保険者が介護保険の給付を受けるためには、初老期認知症や脳血管疾患など加齢に伴う16種類の特定疾病によって要介護・要支援状態になる必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 要介護認定および要支援認定を行うのは、被保険者の住所地の「市町村(特別区を含む)」であり、都道府県知事ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 介護保険の利用者負担は原則1割です(当時の法改正による一定以上所得者の2割負担は第1号被保険者が対象であり、第2号被保険者であるAさんは所得にかかわらず一律1割負担となります)。
覚えるポイント
- 第2号被保険者は「40歳以上65歳未満の医療保険加入者」で、16の特定疾病が原因の場合のみ給付対象。
- 要介護認定・要支援認定を行うのは「市区町村」である。
間違えやすいところ
- 認定を行う主体を市町村ではなく「都道府県」と混同しやすい点に注意する。
- 第1号被保険者は原因を問わず受給可能だが、第2号被保険者は特定疾病に限定される点を取り違えないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
必要保障額の概念と算出上の留意点
リスク管理 · 必要保障額 / 団体信用生命保険 / 遺族年金
住宅購入に伴う生命保険の見直しにあたり、ファイナンシャル・プランナー(Mさん)がAさんに対して説明した必要保障額の考え方に関するアドバイスとして、次の記述のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
必要保障額は「遺族に必要な支出総額(生活費・教育費・住居費など)-遺族の収入見込額(遺族年金・死亡退職金・就労収入など)」で算定します。団体信用生命保険に加入している場合、世帯主の死亡時に保険金で住宅ローン残債が全額弁済されるため、以後の住居費からローン返済額を除くことができます。また、遺族年金の受給権者が自ら就業して給与を得ても、在職老齢年金のように給与収入を理由として遺族給付が支給停止されることはありません。
解き方
- 団体信用生命保険の効果(死亡時にローン残債が完済されるため、以後の返済負担が生活資金総額に含まれない)を確認し、選択肢1が適切であることを確認します。
- 公的年金制度における遺族給付(遺族基礎年金・遺族厚生年金)が、受給者本人の就業に伴う給与額に応じて減額・支給停止される規定がないことを確認し、選択肢2が誤り(最も不適切)であると判断します。
- 家族の就職や子どもの成長・進学等のライフイベントに応じて必要保障額が変化し、見直しが必要であることを確認し、選択肢3が適切であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 団体信用生命保険(団信)に加入していれば、債務者死亡時に保険金で残債が弁済されるため、遺族の必要資金にローン返済額を計上する必要がなくなります。
- 選択肢 2正解
- 遺族基礎年金や遺族厚生年金には、在職老齢年金のような「本人の就労による給与額に応じた支給停止」の仕組みは存在しないため、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者の就業や子どもの進学・独立などライフステージの変化に応じて必要資金や収入見込額が変わるため、定期的な再計算と見直しが適切です。
覚えるポイント
- 団信に加入していれば、死亡後の住宅ローン返済は不要となり必要保障額を大幅に圧縮できる。
- 遺族年金は、受給者が働いて給与を得ても在職老齢年金のような給与比例の支給停止はない。
間違えやすいところ
- 在職老齢年金の仕組み(給与に応じて年金が停止される規定)が遺族年金にも適用されると誤解しやすい点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
必要保障額の推移と生命保険の見直し
リスク管理 · 必要保障額 / 収入保障保険
会社員のAさん(40歳)の世帯において、必要保障額の試算結果を踏まえた生命保険の見直しに関するファイナンシャル・プランナーMさんのアドバイスとして、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
必要保障額とは、世帯主に万一のことがあった場合に遺族が必要とする生活費や教育費等の総額から、遺族年金や配偶者の就労収入などの収入見込額を差し引いた不足額を指します。末子が独立するまでの必要生活費・養育費は年々減少していくため、必要保障額は時間の経過とともに逓減するのが一般的です。
解き方
- 試算された必要保障額(5,200万円)と既存の死亡保障額(病気死亡時1,400万円)を比較し、保障が不足していることを確認する。
- 子どもの成長に伴う必要生活費・養育費の推移を考え、必要保障額が時間の経過とともに逓減(減少)する特性を確認して誤りを見極める。
- 選択肢 1不正解
- 試算された必要保障額5,200万円に対して現在の病気死亡保障は合計1,400万円であるため、保障の増額を検討するアドバイスは適切です。
- 選択肢 2正解
- 必要保障額は子どもの成長とともに独立までの期間が短くなるため逓減(減少)します。年金受取総額が逓増する保険を勧める記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 死亡保障だけでなく、就労不能状態や介護状態に陥った場合の生活費や治療費等の負担に備えて介護保障等を検討するアドバイスは適切です。
覚えるポイント
- 子どもの成長に伴い、末子独立までの必要生活費・教育費が減るため、必要保障額は年々逓減する。
間違えやすいところ
- 子どもの成長とともに教育費がかかるからといって、将来必要な総費用(必要保障額)が増加していくと誤認しないように注意する。
出題の前提:特に指示のない限り、2015年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の商品性と保険給付に対する税務
リスク管理 · 医療保険・特約 / 定期保険の型 / 給付金の非課税
生命保険の商品性や特徴に関するファイナンシャル・プランナーMさんのAさんに対するアドバイスとして、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
所得税法において、自己または生計を一にする配偶者その他の親族が、身体の傷害や疾病等に起因して受け取る保険金・給付金(入院給付金、通院給付金、特定疾病保険金、高度障害保険金、介護保険金など)は非課税所得と定められています。
解き方
- 各選択肢の生命保険の商品設計(医療保障の通院特約、定期保険の更新型と全期型)および給付金の税務上の取扱いを確認する。
- 障害や介護状態に起因して支払われる保険金は入院給付金と同様に非課税所得となるため、課税対象とする記述を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 近年の入院日数の短期化と通院治療の増加を踏まえ、入院保障だけでなく通院保障の有無や範囲を確認することは適切です。
- 選択肢 2不正解
- 定期保険特約には更新型と全期型があり、更新時の保険料上昇や総支払保険料の違いなどの特徴を比較検討することは適切です。
- 選択肢 3正解
- 身体の障害や病気・介護を事由として支払われる保険金は所得税法上非課税であり、一時所得として課税されるとする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 身体の疾病や傷害を起由とする給付金・保険金(高度障害・介護・入院・通院等)は原則として非課税である。
間違えやすいところ
- 満期保険金や死亡保険金などの課税関係と混同し、身体の損害・病気に対する保険金を一時所得として課税対象と考えてしまわないように注意する。
出題の前提:特に指示のない限り、2015年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の計算 / 役員退職金
株式会社X社の社長Aさん(40歳)が将来役員退職金6,000万円を受け取った場合における、退職所得の金額を算出する計算式として最も適切なものを1つ選びなさい。なお、役員在任期間は30年とし、他に退職手当等の収入はなく、障害者となったことによる退職ではないものとする。
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解答
1
解説
退職所得の金額は、原則として「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算します。退職所得控除額は勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年数」、20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。役員等としての勤続年数が5年以下の場合は1/2を乗じる計算を行いませんが、本問は30年であるため通常の1/2計算が適用されます。
解き方
- 勤続年数30年に基づき、20年超の算式「800万円+70万円×(30年-20年)」を用いて退職所得控除額(1,500万円)を算出する。
- 退職金収入6,000万円から退職所得控除額を差し引いた差額に1/2を乗じて、退職所得の金額(2,250万円)を求める。
- 選択肢 1正解
- 勤続年数20年超の退職所得控除額の算式および1/2を乗じる計算の双方が正しく適用されています。
- 選択肢 2不正解
- 20年超の部分に乗じる金額が「40万円」となっている点が誤りであり、正しくは「70万円」です。
- 選択肢 3不正解
- 退職金収入から退職所得控除額を引いた後の金額に「1/2」を乗じる計算が抜けているため誤りです。
覚えるポイント
- 勤続年数20年超の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算します。
間違えやすいところ
- 役員勤続年数が5年以下の「特定役員退職手当等」と混同して1/2計算を忘れないように注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
長期平準定期保険の保険料払込時の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 長期平準定期保険 / 仕訳・経理処理
契約者および死亡保険金受取人が法人(株式会社X社)、被保険者が役員(Aさん)である長期平準定期保険(年払保険料210万円)について、第1回保険料払込時の経理処理(仕訳)として最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
法人が契約者および死亡保険金受取人となる長期平準定期保険では、保険期間の前半6割相当期間に支払った保険料について、2分の1相当額を資産(前払保険料)に計上し、残りの2分の1相当額を損金(定期保険料)に算入します。保険料の支払により現金・預金が減少するため貸方に計上されます。
解き方
- 法人が保険金受取人となる長期平準定期保険の支払保険料について、前半6割期間は1/2を資産計上、1/2を損金算入とする税務上の取扱いを確認する。
- 年払保険料210万円の半分である各105万円を借方に「定期保険料」「前払保険料」として計上し、支払対価の現金・預金210万円を貸方に配置する仕訳を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 借方と貸方が逆転しているうえに、全額を損金(定期保険料)として処理しているため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 支払保険料の全額を資産(前払保険料)に計上する処理となっているため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 支払保険料210万円の2分の1である105万円を定期保険料(損金)、105万円を前払保険料(資産)とし、貸方に現金・預金210万円を計上しており適切です。
覚えるポイント
- 長期平準定期保険の前半6割期間の保険料は「1/2資産計上・1/2損金算入」で処理します。
間違えやすいところ
- 全額損金算入となる短期の定期保険の経理処理と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法人税基本通達
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約する定期保険の活用と経理処理
リスク管理 · 法人保険 / 定期保険 / 事業保障資金 / 法人税の経理処理
株式会社X社の代表取締役Aさん(40歳)を被保険者として提案された無配当定期保険(契約者・死亡保険金受取人:X社、保険期間・保険料払込期間:10年自動更新、死亡保険金額:1億円、年払保険料:29万円)に関する説明として、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
法人が契約者・受取人、役員が被保険者となる定期保険(いわゆる掛け捨ての短期定期保険)は、支払保険料の全額を損金(定期保険料)として処理します。解約返戻金はほとんどないか極めて少額であるため、退職金準備ではなく死亡時の事業保障資金などの確保に適しています。
解き方
- 提案された無配当定期保険(10年更新型)の性質(掛け捨て型の普通定期保険)を確認する。
- 掛け捨て型定期保険の税務上の経理処理(全額損金算入、資産計上なし)と死亡時の会計処理を確認する。
- 死亡保険金の使途(事業保障資金・借入金返済等)および退職金積立適性の有無を照らし合わせて適切な記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 保険期間10年の無配当定期保険の支払保険料は全額損金算入されるため、資産計上された前払保険料は存在せず、受け取った死亡保険金の全額を雑収入として計上します。
- 選択肢 2正解
- 法人が受け取る死亡保険金は法人の資金となるため、金融機関等からの借入金返済や運転資金などの事業保障資金として活用することができます。
- 選択肢 3不正解
- 保険期間10年程度の普通定期保険は掛け捨て型であり、保険期間の途中で解約しても返戻金はほとんどないため、役員退職金の積立準備には適しません。
覚えるポイント
- 法人が契約者・受取人となる普通定期保険の保険料は全額損金算入となる。
- 掛け捨て型定期保険の死亡保険金は、役員死亡時の事業保障資金や死亡退職金・弔慰金の原資に活用される。
間違えやすいところ
- 長期平準定期保険(一定のピーク時に解約返戻金が高くなる)と普通定期保険(掛け捨て)の特徴を混同しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益通算・青色申告特別控除・医療費控除の要件
タックスプランニング · 損益通算 / 青色申告特別控除 / 医療費控除 / 所得税の計算
所得税の計算等に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)各種所得金額の計算において、不動産所得、事業所得、山林所得、( ① )所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、一定の順序に従って他の所得金額から控除することができる。 ⅱ)Aさんは、所定の要件を満たすことで、青色申告特別控除として最高( ② )万円の控除を受けることができる。ただし、確定申告書を申告期限後に提出した場合、青色申告特別控除の額は、最高( ③ )万円となる。 ⅲ)Aさんが、生計を一にする配偶者その他の親族のために医療費を支払った場合、医療費控除の適用を受けることができる。ただし、平成27年中に支払った医療費の総額が( ③ )万円を超えていなければ、医療費控除額が算出されないため、医療費控除の適用を受けることはできない。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税の損益通算は「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得」(富士山譲渡)の損失に限られます。また、青色申告特別控除は正規の簿記の原則による記帳かつ期限内申告で最高65万円、期限後申告等では最高10万円となります。総所得金額等が200万円以上の場合の医療費控除は実質負担額から10万円を差し引いて算出します。
解き方
- 損益通算の対象となる4つの所得(不・事・山・譲)から空欄①が「譲渡所得」であることを確認する。
- 青色申告特別控除の最高額(65万円)および期限後申告時の限度額(10万円)から空欄②が「65」、空欄③が「10」であることを確認する。
- 総所得金額等が200万円を超える場合の医療費控除の足切り額が原則10万円であることを照らし合わせ、③が「10」と一致することを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 雑所得の損失は損益通算の対象外であり、青色申告特別控除の最高限度額は55万円ではなく65万円(2015年当時)です。
- 選択肢 2正解
- ①損益通算ができる所得は譲渡所得、②青色申告特別控除の最高限度額は65万円、③期限後申告の場合の控除額および医療費控除の原則の足切り額は10万円で全て適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の損失は他の所得と損益通算できず、期限後申告時の青色申告特別控除や医療費控除の足切り額は20万円ではなく10万円です。
覚えるポイント
- 損益通算できる所得の覚え方は「不・事・山・譲(ふじさんじょう)」。
- 青色申告特別控除は複式簿記・貸借対照表添付・期限内申告で65万円、期限後や単式簿記は10万円。
- 医療費控除の控除額=支払医療費-保険金等補填額-10万円(総所得金額等200万円未満は5%)。
間違えやすいところ
- 雑所得や一時所得の赤字は他の所得と損益通算できない点に注意する。
- 青色申告特別控除は確定申告書の提出期限を1日でも過ぎると10万円控除になってしまう点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における生命保険料控除額の計算
タックスプランニング · 生命保険料控除 / 旧契約の控除限度額
個人事業主Aさんの平成27年分の所得税における生命保険料控除の控除額として、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。 <Aさんが平成27年中に支払った保険料に関する資料> ①終身保険:契約年月 平成4年9月、年間支払保険料 180,000円 ②個人年金保険(税制適格特約付加):契約年月 平成13年10月、年間支払保険料 120,000円 ※上記①②ともに、平成24年以後に契約の更新・転換・特約の中途付加等を行っていない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
平成23年12月31日以前に締結した旧生命保険料控除の対象契約は、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除のそれぞれで最高5万円、合計で最高10万円の所得控除を受けることができます。
解き方
- 契約年月を確認し、2契約とも平成23年12月31日以前締結の旧契約であることを確認する。
- 終身保険(旧・一般生命保険料控除)は年18万円で10万円超のため控除額は50,000円となる。
- 個人年金保険(旧・個人年金保険料控除)は年12万円で10万円超のため控除額は50,000円となる。
- 旧契約の合計控除限度額は100,000円(50,000円+50,000円)であるため、合計控除額は100,000円となる。
- 選択肢 1不正解
- 50,000円は旧契約における1枠あたりの最高限度額であり、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除を合計した額ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 80,000円は平成24年1月1日以後に締結した新契約における全体の最高控除限度額(または旧契約と新契約を併用した場合の限度額等の誤認)であり、不適切です。
- 選択肢 3正解
- 旧契約の一般生命保険料控除50,000円と個人年金保険料控除50,000円を合算した100,000円が控除額となります。
覚えるポイント
- 旧契約の生命保険料控除は各枠最高5万円、全体で最高10万円まで控除可能です。
間違えやすいところ
- 新契約の各枠最高4万円・全体最高12万円の計算式と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益通算および一時所得の計算と総所得金額の算定
タックスプランニング · 総所得金額 / 損益通算 / 一時所得 / 満期保険金
Aさんの平成27年分の所得等に関する資料に基づき、平成27年分の総所得金額として最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。 <資料> ・事業所得の金額:800万円(青色申告特別控除後) ・不動産所得の金額:▲50万円(土地取得のための負債利子なし) ・一時払養老保険の満期保険金(平成17年9月契約、保険料負担者・被保険者・満期受取人はAさん):満期保険金530万円、一時払保険料500万円
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解答
1
解説
総所得金額の計算において、不動産所得の生じた損失(土地取得利子を除く)は事業所得と損益通算できます。一時所得は「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」で計算され、利益が50万円以下の場合は所得金額が0円となります。
解き方
- 契約から5年超経過した一時払養老保険の満期差益に係る一時所得を計算する:530万円-500万円=30万円。特別控除額(最高50万円)を差し引くと0円となる。
- 不動産所得の損失▲50万円について、対象外となる土地取得利子が含まれていないため、全額を事業所得800万円と損益通算する。
- 事業所得800万円-不動産所得の損失50万円+一時所得0円=750万円となり、総所得金額は750万円と求まる。
- 選択肢 1正解
- 事業所得800万円から不動産所得の赤字50万円を損益通算し、一時所得は特別控除により0円となるため、総所得金額は750万円となります。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の特別控除(最高50万円)を適用せずに満期差益30万円をそのまま加算するなどの誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 不動産所得の損失50万円を損益通算していない計算であり、不適切です。
覚えるポイント
- 一時所得の特別控除額は最高50万円であり、差引利益が50万円以下の場合は一時所得の金額は0円になります。
間違えやすいところ
- 不動産所得の赤字のうち、土地取得に要した負債の利子部分は損益通算の対象外となる点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割および自筆証書遺言の要件
相続・事業承継 · 遺産分割 / 配偶者の税額軽減 / 自筆証書遺言 / 検認手続
被相続人Aさんの遺産分割および自筆証書遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
配偶者の税額軽減は配偶者の今後の生活保障や財産形成への貢献を考慮した制度であり、申告期限までに未分割の財産があっても所定の手続きをとることで後からの適用が認められています。また、自筆証書遺言は要式行為として厳格な自書・押印が求められ、発見時には家庭裁判所での検認が必要です。
解き方
- 配偶者に対する相続税額の軽減の要件(分割要件および未分割時の特例規定)を確認し、記述1の妥当性を検討する。
- 自筆証書遺言の成立要件(自書・日付・氏名・押印)および家庭裁判所での検認手続の要否を確認し、記述2および記述3の正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 申告期限までに分割されていない場合でも、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておけば、3年以内に分割された際に特例の適用を受けることができるため、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 自筆証書遺言は遺言者が全文・日付・氏名を自書し押印する必要があり、パソコン等で作成された本文は無効となるため適切です(本試験当時の規定に基づく)。
- 選択肢 3不正解
- 自筆証書遺言の保管者またはこれを発見した相続人は、相続の開始を知った後、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないため適切です。
覚えるポイント
- 未分割財産でも「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付すれば後から配偶者の税額軽減を適用可能。
間違えやすいところ
- 申告期限までに遺産分割が完全に終わっていなければ配偶者の税額軽減が一切使えなくなると誤認しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の申告期限・基礎控除額・死亡保険金の非課税金額
相続・事業承継 · 申告期限 / 遺産に係る基礎控除額 / 生命保険金の非課税限度額
平成28年1月7日に死亡したAさんに係る相続に関する次の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。 ⅰ)相続税の申告書の提出期限は、原則として( ① )である。 ⅱ)Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、( ② )である。 ⅲ)長男Cさんが受け取った死亡保険金(5,000万円)のうち、相続税の課税価格に算入される金額は( ③ )である。
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解答
3
解説
相続税の申告期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。被相続人の死亡に伴い相続人が受取人として取得した生命保険金は、「500万円×法定相続人の数」を限度として非課税となり、それを超える部分が課税価格に算入されます。
解き方
- Aさんの死亡日(平成28年1月7日)の翌日から10か月後となる申告期限を算定する(平成28年11月7日)。
- 法定相続人(妻B、長男C、長女Dの3人)を確認し、基礎控除額「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」を計算する。
- 死亡保険金の非課税限度額「500万円×3人=1,500万円」を求め、受取額5,000万円から差し引いて課税価格算入額3,500万円を計算する。
- 選択肢 1不正解
- 申告期限が9か月後と誤っており、基礎控除額の計算も法定相続人2人分で算出されているため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 基礎控除額が法定相続人2人分(4,200万円)となっており、また死亡保険金の非課税限度額(1,500万円)そのものを課税価格としてしまっているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 申告期限は平成28年11月7日、基礎控除額は4,800万円、死亡保険金の課税価格算入額は3,500万円であり、すべて正しい組合せです。
覚えるポイント
- 相続税の申告期限は10か月以内、基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数、死亡保険金の非課税枠は500万円×法定相続人の数。
間違えやすいところ
- 問われているのが「非課税限度額(1,500万円)」なのか「課税価格に算入される金額(3,500万円)」なのかを読み違えるミスが多い。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額 / 法定相続分 / 課税遺産総額の按分
被相続人Aさんの相続人(配偶者である妻Bさん、長男Cさん、長女Dさんの計3人)において、課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が7,200万円であった場合の相続税の総額として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、速算表は問題文に与えられたものを用いることとする。
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解答
1
解説
相続税の総額を計算する際は、課税遺産総額を実際の遺産分割割合ではなく各法定相続人の法定相続分で按分した上で、速算表の税率を適用して各人ごとの算出税額を求め、最後にそれらを合算します。
解き方
- 法定相続人とその法定相続分を確認する(配偶者である妻Bさんが2分の1、長男Cさんおよび長女Dさんがそれぞれ4分の1)。
- 課税遺産総額7,200万円を法定相続分で按分し、妻Bさん3,600万円、長男Cさん1,800万円、長女Dさん1,800万円を算出する。
- 速算表に基づき各人の算出税額を計算する(妻B:3,600万円×20%-200万円=520万円、長男C・長女D:各1,800万円×15%-50万円=220万円)。
- 各人の算出税額を合計して相続税の総額(520万円+220万円+220万円=960万円)を求める。
- 選択肢 1正解
- 法定相続分に応じた取得金額から求めた各人の税額(妻B:520万円、長男C:220万円、長女D:220万円)を合算すると960万円となり、正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 1,040万円は計算過程の誤り等による誤った金額であり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 課税遺産総額7,200万円に直接速算表(7,200万円×30%-700万円=1,460万円)を適用した誤りであり、不適切です。
覚えるポイント
- 相続税の総額は、実際の分割割合に関係なく、法定相続人が法定相続分どおりに取得したものとして計算する。
間違えやすいところ
- 課税遺産総額全体に直接速算表の税率を掛けて計算してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年1月 3級 実技 保険顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

