日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務の概要
公的年金制度における老齢給付の受給概要
ライフプランニングと資金計画 · 老齢給付 / 特別支給の老齢厚生年金 / 加給年金・振替加算
個人事業主のAさん(昭和38年8月5日生まれ、厚生年金加入歴120月)および同居して生計を維持している妻Bさん(昭和36年12月17日生まれ、国民年金加入のみ)が将来受給する公的年金制度の老齢給付の組み合わせとして、最も適切な図を選択しなさい。
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解答
1
解説
男性の場合、昭和36年4月2日以降に生まれた者には特別支給の老齢厚生年金は支給されず、原則として65歳から本来の老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給します。また、加給年金および妻の振替加算は、原則として厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あることが支給の前提条件となります。
解き方
- Aさんの生年月日(昭和38年8月5日)から特別支給の老齢厚生年金の受給資格を確認する(昭和36年4月2日以降生まれの男性は対象外)。
- Aさんの厚生年金保険の被保険者期間(120月)が加給年金の支給要件(240月以上)を満たしているか確認する(満たさないため妻Bさんに振替加算はつかない)。
- 妻Bさん(厚生年金加入歴なし)の受給内容が65歳からの老齢基礎年金のみであることを確認し、該当する図を選択する。
- 選択肢 1正解
- Aさんは昭和36年4月2日以降生まれの男性であるため特別支給の老齢厚生年金は受給できず65歳からの受給となり、厚生年金加入期間が20年未満のため妻Bさんに振替加算も加算されないため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)が64歳から支給される男性は昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれであり、昭和38年生まれのAさんは受給できないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 振替加算は配偶者の老齢厚生年金に加給年金が加算されていること等が前提となりますが、Aさんの厚生年金加入期間は120月(10年)であり20年以上ないため妻Bさんに振替加算は加算されず誤りです。
覚えるポイント
- 男性で昭和36年4月2日以降生まれは特別支給の老齢厚生年金の対象外
- 配偶者加給年金・振替加算の要件は厚生年金加入期間20年(240月)以上
間違えやすいところ
- 厚生年金の加入期間が10年(受給資格期間)あれば加給年金が付くと誤認しやすい
- 昭和36年4月2日以降生まれの特別支給の開始年齢と生年月日の区分を取り違えやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金の年金額の計算式(免除期間の反映)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 保険料免除期間 / 国庫負担割合
Aさんが60歳に達するまで国民年金保険料を納付した場合における原則65歳受給の老齢基礎年金の年金額(平成25年10月時点の満額778,500円)を算出する計算式として、正しいものを選択しなさい。
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解答
2
解説
老齢基礎年金の額は、満額に対して20歳以上60歳未満の納付済月数および免除月数を480月で按分して計算します。保険料全額免除期間のうち平成21年3月以前の月数は国庫負担が3分の1であるため「月数×1/3」、平成21年4月以降の月数は国庫負担が2分の1であるため「月数×1/2」として月数換算します。
解き方
- 20歳到達(昭和58年8月)から60歳到達(平成35年8月)までの40年間(480月)の内訳を整理する。
- 20歳以降の厚生年金加入期間(104月)および国民年金納付済(205月+111月=316月)を合算し、保険料納付済月数420月を算出する。
- 全額免除期間(平成9年7月〜平成14年6月の60月)は全期間が平成21年3月以前であるため、評価割合が1/3となることを確認する。
- 老齢基礎年金の計算式「778,500円 × (420月 + 60月 × 1/3) / 480月」を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 316月には20歳から28歳までの厚生年金被保険者期間(104月)が含まれておらず、老齢基礎年金の計算における保険料納付済月数として誤りです。
- 選択肢 2正解
- 20歳以上の厚生年金期間を含む納付済月数が420月であり、平成21年3月以前の全額免除期間60月に国庫負担割合である1/3を乗じているため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 全額免除期間に1/2を乗じるのは平成21年4月以降の期間であり、平成9年7月〜平成14年6月は平成21年3月以前のため1/3を乗じる必要があり誤りです。
覚えるポイント
- 20歳未満の厚生年金期間は老齢基礎年金の計算月数に含まれない
- 全額免除月数は平成21年3月以前なら1/3、平成21年4月以降なら1/2を乗じる
間違えやすいところ
- 20歳前の厚生年金加入期間(16月分)を誤って老齢基礎年金の計算式に含めてしまう
- 平成21年3月以前の免除期間にも現行の1/2の国庫負担割合を適用してしまう
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等(平成25年10月時点価額:778,500円)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の老後資金準備と公的年金等の上乗せ制度
ライフプランニングと資金計画 · 付加年金 / 国民年金基金 / 小規模企業共済
個人事業主であるAさんの老後資金準備に関するファイナンシャル・プランナーMさんのアドバイスとして、次の記述のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
国民年金第1号被保険者や個人事業主は、老齢基礎年金に上乗せして給付を受けるために付加年金や国民年金基金を利用できます。付加保険料は月額400円を納付し、年金額は200円×納付月数で計算されます。付加年金と国民年金基金は併用できません。また小規模企業共済の掛金は全額が所得控除の対象です。
解き方
- 付加保険料の月額納付保険料(400円)と受給する付加年金の算式(200円×月数)を確認し、記述の誤りを判定する。
- 国民年金基金加入時に付加保険料の納付が制限される規定および小規模企業共済掛金の所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の規定が正しいか確認する。
- 選択肢 1正解
- 納付する付加保険料は月額400円(年金額の計算式が200円×納付月数)であるため、月額200円とする本記述は不適切であり、これが正解となります。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金基金に加入した者は、国民年金の付加保険料を納付することができないため、本記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 小規模企業共済の掛金は、税法上その全額が小規模企業共済等掛金控除として総所得金額等から控除されるため、本記述は適切です。
覚えるポイント
- 付加保険料は「納める額が月400円、もらえる年金額が年200円×納付月数」で2年受給すれば元が取れる仕組みです。
間違えやすいところ
- 付加保険料の納付額(月400円)と年金受給額の計算係数(200円)を取り違えて覚えないように注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISA(少額投資非課税制度)の概要と損益通算の可否
金融資産運用 · NISA / 非課税限度額 / 投資対象商品 / 損益通算
NISA(少額投資非課税制度)についてファイナンシャル・プランナーMさんがAさんに対して説明した文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「NISA口座に受け入れた公募株式投資信託の分配金や譲渡益は非課税となります。NISA口座には、年間で( ① )までの公募株式投資信託等を受け入れることができます。なお、( ② )はNISA口座への受入れの対象とはなりません。また、NISA口座内で譲渡損失が生じた場合、特定口座などの他の口座で生じた公募株式投資信託を含む上場株式等の譲渡益や配当金等と通算することが( ③ )」
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解答
3
解説
NISAは個人投資家のための非課税制度です。2014年開始当時の非課税投資枠は年間100万円であり、公募株式投資信託や上場株式、REITなどが対象ですが、公社債などは対象外です。また、非課税口座内で発生した損失は税制上存在しないものとみなされるため、他の口座との損益通算や繰越控除は認められません。
解き方
- 空欄①の年間投資可能額について確認する(2014年当時の一般NISA枠は年100万円)。
- 空欄②の受入れ対象外商品について確認する(REITは対象であり、公社債や公社債投資信託は対象外)。
- 空欄③の損益通算の可否を確認する(NISA口座内の譲渡損失は他の課税口座との損益通算ができない)。
- 選択肢 1不正解
- 年間投資限度額は50万円ではなく100万円であり、また損益通算はできないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 上場不動産投資信託(REIT)はNISA口座の受入れ対象商品であり、かつ損益通算はできないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 年間非課税枠は100万円、公社債は対象外、他の口座との損益通算はできないという組合せであり、最も適切です。
覚えるポイント
- NISA口座内の損失は「税務上ないもの」と扱われるため、特定口座や一般口座との損益通算や繰越控除は一切できません。
間違えやすいところ
- REITやETFは上場株式等に含まれるためNISA対象となりますが、公社債や公社債投信は対象外となる点を混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の費用と仕組み
金融資産運用 · 投資信託の手数料 / 信託財産留保額 / 運用管理費用(信託報酬)
投資信託の手数料や費用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
投資信託の費用には購入時の購入時手数料、保有期間中の運用管理費用(信託報酬)、換金時の信託財産留保額などがあります。信託財産留保額は保有者間の公平性を保つための費用ですが、設定の有無はファンドによって異なります。
解き方
- 販売会社ごとに購入時手数料が異なる場合(ノーロード含む)があるかを確認する。
- 信託財産留保額の趣旨を理解したうえで、全ファンドへの設定義務があるかどうかを確認する。
- 保有期間中に日々差し引かれる運用管理費用(信託報酬)の性質を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおり適切です。同一の投資信託であっても、取扱販売会社によって購入時手数料が異なる場合や手数料無料(ノーロード)となる場合があります。
- 選択肢 2正解
- 記述は不適切です。信託財産留保額は途中解約時の組入資産売却コストを換金者に負担させて残存受益者との公平を図るものですが、すべての投資信託に設定されているわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 記述のとおり適切です。運用管理費用(信託報酬)は、投資信託の運用や管理の対価として保有期間中に信託財産から日々間接的に差し引かれます。
覚えるポイント
- 信託財産留保額はファンド財産に留保される費用だが、設定されていない投資信託も存在する。
間違えやすいところ
- 信託財産留保額の目的(受益者間の公平確保)は正しいが、「すべての投資信託に設定されている」という部分が誤りである点を見落としやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債の最終利回りの計算
金融資産運用 · 債券投資 / 最終利回り / 単利計算
設例のY社社債(購入価格101.5円、表面利率年1.2%、残存期間4年、額面100円)を購入した場合の最終利回り(年率・単利)として、最も適切なものはどれか。なお、税金や手数料等は考慮せず、小数点以下第3位を四捨五入すること。
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解答
1
解説
最終利回り(単利)は、既発債を時価で購入して償還期限まで保有した場合の年換算利回りです。年間の利息収入に1年当たりの償還差損益を加えた合計額を、購入価格で割って百分率を求めます。
解き方
- 1年当たりの償還差損益を計算する:(償還価額100円 - 購入価格101.5円) ÷ 残存年数4年 = -0.375円。
- 年間の総収益を求める:表面利率1.2円 + (-0.375円) = 0.825円。
- 年収益を購入価格101.5円で除して百分率を算出する:0.825 ÷ 101.5 × 100 = 0.8128...%。
- 小数点以下第3位を四捨五入して、0.81%を導く。
- 選択肢 1正解
- [1.2+(100-101.5)/4]/101.5×100≒0.8128%となり、小数点以下第3位を四捨五入すると0.81%で最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- 償還差損の年数按分計算や分母の購入価格の設定を誤った計算結果であり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 購入価格が額面を超えているため償還差損が発生しますが、符号を誤って償還差益として加算した場合の数値であり、不適切です。
覚えるポイント
- 最終利回り=[表面利率+(額面100-購入価格)/残存年数]/購入価格×100の公式を正確に適用する。
間違えやすいところ
- 分母を額面100円にしてしまう誤りや、100円を超える価格で購入した際の償還差損(マイナス)をプラスとして計算してしまう誤りが多い。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得の源泉徴収票の読み取り(各種控除の判定)
タックスプランニング · 源泉徴収票 / 扶養控除 / 配偶者特別控除 / 地震保険料控除
Aさんの平成25年分の「給与所得の源泉徴収票」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
源泉徴収票では、扶養親族のうち16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満が一般の控除対象扶養親族(控除額38万円)となり、16歳未満の年少扶養親族は扶養控除の対象外となります。
解き方
- 源泉徴収票の控除対象扶養親族欄を確認し、「その他」に1人と記載され、摘要欄に「子:C 子:D(年少)」とあることを確認する。
- 18歳の子Cさんは一般控除対象扶養親族(38万円)、14歳の子Dさんは年少扶養親族(控除対象外)となるため、扶養控除額が38万円であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 源泉徴収票の摘要欄にある「配偶者の合計所得 600,000」は給与所得の金額であり、給与収入金額は給与所得控除額65万円を加算した125万円と推定されます。
- 選択肢 2不正解
- 地震保険料控除額は支払額が5万円以下の場合は支払保険料全額(最高5万円)となります。控除額が3万円であることから、支払った地震保険料は3万円であると推定されます。
- 選択肢 3正解
- 扶養親族のうち子Cさん(18歳)は一般控除対象扶養親族(38万円)に該当し、子Dさん(14歳)は控除対象外となるため、年末調整で控除された扶養控除額は38万円です。
覚えるポイント
- 16歳未満の年少扶養親族は所得税の扶養控除の対象外(控除額0円)となります。
間違えやすいところ
- 源泉徴収票の摘要欄に記載された配偶者の金額は「給与収入」ではなく「合計所得金額」です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得者の確定申告義務および提出期間
タックスプランニング · 確定申告 / 給与所得者 / 申告期限
給与所得者における所得税の確定申告に関する文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 「給与所得者のうち,その年中に支払を受ける給与等の金額が( ① )を超える者は,年末調整の対象者とならないため,確定申告をしなければならない。また,1カ所から給与等の支払を受けている者で,給与所得および退職所得以外の所得金額が( ② )を超える者も,確定申告をしなければならない。なお,その年分の確定申告書(還付申告書を除く)の提出期間は,原則として,その年の翌年2月16日から( ③ )までである。」
解答・解説を表示
解答
2
解説
給与所得者は原則として年末調整で税額精算が完結しますが、一定の高額給与者や副収入等の所得が一定額を超える場合は確定申告書を翌年3月15日までに提出する義務があります。
解き方
- 年末調整の対象から除外され確定申告が必要となる給与等の年収基準が2,000万円超であることを確認する。
- 1カ所から給与の支払いを受けている給与所得者が、給与所得・退職所得以外の所得が20万円超ある場合に確定申告を要することを確認する。
- 所得税の確定申告書の提出期間が翌年2月16日から3月15日までであることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 給与・退職所得以外の所得金額の基準は10万円ではなく20万円であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 給与収入2,000万円超、他の所得20万円超、提出期限3月15日という組み合わせがすべて正しく適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与等の金額基準は1,000万円ではなく2,000万円、提出期限は3月31日ではなく3月15日であるため不適切です。
覚えるポイント
- 給与所得者の確定申告義務は「給与収入2,000万円超」または「給与・退職以外の所得20万円超」です。
間違えやすいところ
- 給与所得以外の所得基準は「収入金額」ではなく「所得金額」が20万円超である点に注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得と一時所得による総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得控除 / 一時所得 / 生命保険解約返戻金
会社員のAさんの平成25年分の収入は給与収入950万円(源泉徴収票記載)であり、同年に契約後10年経過した一時払終身保険を解約して解約返戻金1,100万円(差引払込保険料1,000万円)を受領した。資料の給与所得控除額の表に基づき計算した場合の、Aさんの平成25年分の総所得金額として最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
総所得金額は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の金額を合計した金額です。給与所得は「給与等の収入金額-給与所得控除額」で計算します。一時払終身保険の解約返戻金(契約から5年超経過)は一時所得となり、「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」で計算され、総所得金額に算入する際はその金額に2分の1を乗じます。
解き方
- 給与所得控除額を計算する:給与収入950万円×10%+120万円=215万円。給与所得の金額は950万円-215万円=735万円となる。
- 一時所得の金額を計算する:解約返戻金1,100万円-払込保険料1,000万円-特別控除額50万円=50万円。総所得金額への算入額はその2分の1で25万円となる。
- 総所得金額を合算する:給与所得735万円+一時所得の算入額25万円=760万円となる。
- 選択肢 1正解
- 給与所得735万円と一時所得の2分の1算入額25万円の合計は760万円となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の金額50万円を2分の1にせずそのまま全額加算した誤った計算(735万円+50万円=785万円)です。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得控除や一時所得の特別控除・2分の1算入を適切に反映していない計算であり不適切です。
覚えるポイント
- 総所得金額に算入する際、一時所得の金額は2分の1を乗じて合算することを忘れないようにしましょう。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除額(最高50万円)の控除忘れや、総所得金額に合算する際の2分の1掛け忘れに注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
異なる地域にわたる敷地の用途制限・防火規制・建ぺい率緩和
不動産 · 建築基準法 / 用途地域 / 防火地域 / 建ぺい率の緩和
甲土地(敷地面積375㎡:第一種低層住居専用地域225㎡・準防火地域/第二種低層住居専用地域150㎡・防火地域)に計画建物を建築する場合の建築基準法の規制について、空欄①~③に入る語句の組合せとして最も適切なものはどれか。 「建物や敷地の全部について( ① )の用途制限が適用される。また、防火規制に関しては原則として建物の全部について( ② )内の規定が適用される。仮に耐火建築物とした場合、( ② )内の規定により建ぺい率の上限は( ③ )加算される。」
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解答
3
解説
建築物の敷地が異なる用途地域にまたがる場合、敷地の過半(50%超)が属する地域の用途制限が敷地・建物全体に適用されます。一方、建築物が防火地域と準防火地域(または無指定地域)にまたがる場合は、最も厳しい地域の規定(防火地域)が建築物の全部に適用されます。さらに、防火地域内で耐火建築物を建築する場合、建ぺい率の上限が10%緩和(加算)されます。
解き方
- 敷地の用途地域を確認する:第一種低層住居専用地域が225㎡(60%)、第二種低層住居専用地域が150㎡(40%)であり、過半が属する「第一種低層住居専用地域」が全体に適用されるため①に入る。
- 建物の防火規制を確認する:建築物が準防火地域と防火地域にまたがっているため、より厳しい「防火地域」の規定が建築物全体に適用され、②に入る。
- 建ぺい率の緩和規定を適用する:防火地域内で耐火建築物を建築する場合、指定建ぺい率に「10%」加算されるため③に入る。
- 選択肢 1不正解
- 防火規制はより厳しい地域の規定が適用されるため②は「防火地域」となり、建ぺい率の加算割合も20%ではなく10%であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 用途地域は過半が属する地域の規定が適用されるため①は第一種低層住居専用地域であり、建ぺい率加算も10%であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 過半の用途地域である「第一種低層住居専用地域」、厳しい方の「防火地域」、耐火建築物による緩和「10%」の組合せで正解です。
覚えるポイント
- 用途地域は「敷地の過半」、防火規制は「より厳しい方」、防火地域内の耐火建築物は建ぺい率「10%加算」と整理して覚えましょう。
間違えやすいところ
- 用途地域の過半ルールと、防火規制の厳しい方ルールを混同しないように区別して記憶しましょう。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産取得に係る税金と登記手続き
不動産 · 不動産取得税 / 登記所(法務局) / 登録免許税
母親から甲土地(駐車場)を平成26年4月に相続により取得したAさんに関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
不動産を相続により取得した場合、形式的な権利移転とみなされるため不動産取得税は非課税となりますが、登記手続きを行う際には登録免許税が課税されます。また、不動産の登記手続きを管轄するのは市区町村役場ではなく法務局(登記所)です。
解き方
- 相続による不動産取得における不動産取得税の課税関係(非課税)を確認する。
- 不動産の所有権移転登記の管轄機関(法務局・登記所)を確認し、市区町村役場ではないことを判断する。
- 相続による所有権移転登記に伴う登録免許税の課税義務の有無を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 相続(包括遺贈および相続人に対する特定遺贈を含む)による不動産の取得に対しては、不動産取得税は課されません(非課税)。
- 選択肢 2正解
- 不動産の登記に関する事務は法務局(登記所)が管轄しており、市区町村役場への申請により登記を受けることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 相続を原因とする不動産の所有権移転登記を受ける場合であっても、登録免許税(税率は不動産の固定資産税評価額の0.4%)が課されます。
覚えるポイント
- 相続による不動産取得は不動産取得税が非課税だが、登録免許税は課税される
- 不動産登記の管轄は市区町村役場ではなく法務局(登記所)である
間違えやすいところ
- 相続だからといって登録免許税まで非課税になると勘違いしやすい
- 固定資産税等の窓口である市区町村役場と、不動産登記の窓口である法務局を混同しやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等(地方税法、不動産登記法、登録免許税法)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における最大延べ面積の計算
不動産 · 指定容積率 / 道路幅員による容積率制限 / 延べ面積の算定
Aさんが甲土地上に賃貸アパートを建築する場合における最大延べ面積を求める計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
建築基準法における建物の延べ面積の上限は、敷地面積に容積率を乗じて算出します。容積率は「指定容積率」と「前面道路の幅員に法定の係数を乗じた数値」のいずれか小さい方が限度となります。敷地が複数の地域にまたがる場合は、地域ごとの面積に適用容積率を乗じた数値を合算します。
解き方
- 甲土地の各部分(上側225㎡、下側150㎡)における前面道路幅員による容積率の限度を計算する(幅員4m×4/10=160%)。
- 指定容積率(100%)と前面道路による容積率の限度(160%)を比較し、小さい方の100%を採用する。
- 敷地各部分の敷地面積に適用される容積率をそれぞれ乗じて合算し、最大延べ面積(225㎡×100%+150㎡×100%=375㎡)を求める。
- 選択肢 1不正解
- 建ぺい率(50%)を乗じて建築面積の上限(187.5㎡)を計算している式であり、最大延べ面積の計算式ではありません。
- 選択肢 2正解
- 指定容積率(100%)が道路幅員による容積率限度(4m×4/10=160%)を下回るため、各地域の容積率100%を適用した延べ面積の計算式として正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 前面道路幅員による制限(160%)のみを用いており、指定容積率(100%)と比較して小さい方を適用するというルールを満たしていません。
覚えるポイント
- 容積率の制限は「指定容積率」と「前面道路幅員による容積率制限」の厳しい方(小さい方)が適用される
- 最大延べ面積の算定では建ぺい率(建築面積の制限)と容積率を混同しない
間違えやすいところ
- 前面道路幅員による制限値(160%)をそのまま上限容積率として採用してしまう
- 最大延べ面積を求める問題なのに建ぺい率を乗じて最大建築面積を計算してしまう
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等(建築基準法第52条)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
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民法上の法定相続人と法定相続分
相続・事業承継 · 法定相続人 / 法定相続分 / 相続順位
被相続人Aさん(70歳)が死亡し、同居親族として妻Bさん(67歳)、父Cさん(96歳)、長男Dさん(40歳)、長女Eさん(35歳)がいる。この場合における民法上の相続人およびその法定相続分の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
民法上、配偶者は常に相続人となります。血族相続人には順位があり、第1順位が子(直系卑属)、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です。先順位の血族相続人が1人でもいる場合、後順位の者は相続人になれません。配偶者と第1順位の子が相続人となる場合の法定相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1(複数の場合は均等按分)です。
解き方
- 相続人の判定:配偶者である妻Bさんは常に相続人となります。また第1順位の子として長男Dさん・長女Eさんがいるため、第2順位の父Cさんは相続人になりません。
- 法定相続分の計算:妻Bさんの法定相続分は2分の1です。残る2分の1を子2人(長男D・長女E)で均等に按分するため、各自の法定相続分は 1/2 × 1/2 = 4分の1 となります。
- 選択肢 1不正解
- 第1順位の相続人である子(長男D・長女E)が存在するため、第2順位である父Cさんは相続人にはなれません。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者と直系尊属が相続人の場合の法定相続分は配偶者3分の2・直系尊属3分の1ですが、本問では子が相続人であるため配偶者の法定相続分は2分の1です。
- 選択肢 3正解
- 法定相続人は妻Bさん、長男Dさん、長女Eさんであり、それぞれの法定相続分は妻Bさんが2分の1、長男Dさん・長女Eさんが各4分の1で適切です。
覚えるポイント
- 配偶者は常に相続人、第1順位は子、第2順位は直系尊属、第3順位は兄弟姉妹。
- 配偶者と子が相続人の場合、配偶者が2分の1、子が2分の1(均等分割)。
間違えやすいところ
- 同居している親(直系尊属)がいても、子がいる場合は親は相続人にならない点を見落としやすいです。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等(民法第887条、第889条、第900条)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の減額特例(特定居住用宅地等)の要件と限度面積・減額割合
相続・事業承継 · 小規模宅地等の減額特例 / 特定居住用宅地等 / 配偶者の特例要件
妻Bさんが被相続人Aさんの自宅敷地(300㎡)について「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」における特定居住用宅地等として適用を受ける場合の限度面積(①)、評価減の割合(②)、および申告期限までの保有継続要件の要否(③)の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例において、特定居住用宅地等は限度面積まで課税価格を80%減額できます(本試験の法令基準日時点の限度面積は240㎡)。取得者が配偶者である場合、生活保障の観点から要件が緩和されており、同居要件や相続税申告期限までの保有継続・居住継続の要件を満たす必要はありません(無条件で適用可能)。
解き方
- 限度面積と減額割合の確認:本試験の法令基準日(2013年10月1日現在)における特定居住用宅地等の限度面積は240㎡、減額割合は80%です。
- 配偶者の取得要件の判定:取得者が配偶者の場合、居住要件や申告期限までの所有継続要件は課されないため、「保有する必要はない」となります。
- 選択肢 1正解
- 限度面積240㎡、減額割合80%、配偶者は申告期限までの保有継続要件が課されないため「必要はない」とする組合せで正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 特定居住用宅地等の減額割合は50%ではなく80%であり、配偶者は保有継続の必要もありません。
- 選択肢 3不正解
- 400㎡は特定事業用宅地等等の限度面積であり特定居住用宅地等ではありません。また配偶者は申告期限までの保有継続の必要はありません。
覚えるポイント
- 特定居住用宅地等の限度面積は240㎡(2013年10月当時)、減額率は80%。
- 配偶者が取得する場合は、居住継続要件や申告期限までの保有継続要件は課されない(無条件適用)。
間違えやすいところ
- 同居親族などが取得する場合に課される「申告期限までの居住継続・保有継続要件」を、配偶者にも適用されると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第69条の4)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の遺産に係る基礎控除額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続人の数
設例の被相続人Aさん(平成26年3月死亡)の相続に係る相続税の計算において、遺産に係る基礎控除額として最も適切なものはどれか。なお、本試験の法令基準日(2013年10月1日現在施行の法令等)に基づいて解答すること。
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解答
3
解説
相続税の遺産に係る基礎控除額は、課税遺産総額を算出する際に遺産総額から差し引かれる控除枠です。本試験の法令基準日(2015年1月1日改正前)では「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」により計算されます。被相続人に実子がいる場合、直系尊属(父母)は法定相続人になりません。
解き方
- 被相続人Aさんの民法上の法定相続人を確定する。第1順位の子(長男D・長女E)がいるため直系尊属(父C)は相続人にならず、配偶者である妻Bと子2人の合計3人となる。
- 試験の施行法令基準日に基づく算式「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」に3人を代入し、5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 6,000万円は法定相続人が1人の場合の計算額(5,000万円+1,000万円×1人)であり、本問の相続人3人には適合しません。
- 選択肢 2不正解
- 7,000万円は法定相続人が2人の場合の計算額(5,000万円+1,000万円×2人)であり、誤りです。
- 選択肢 3正解
- 法定相続人は配偶者と子の合計3人であり、5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円となり最も適切です。
覚えるポイント
- 改正前(2014年12月31日以前)の基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」であること。
間違えやすいところ
- 子が存命であるにもかかわらず同居している親(父Cさん)を法定相続人に含めて人数を誤認してしまうミスに注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等(2014年度試験条件)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2014年5月 3級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

