日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 経過的加算 / 加給年金
設例のAさん(1976年7月3日生まれ・会社員)が原則として65歳から受給できる老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額(2024年度価額)について、〈計算の手順〉の空欄①〜④に入る数値を計算しなさい。 〈計算の手順〉 1. 老齢基礎年金の年金額(円未満四捨五入):( ① )円 2. 老齢厚生年金の年金額 (1)報酬比例部分の額(円未満四捨五入):( ② )円 (2)経過的加算額(円未満四捨五入):( ③ )円 (3)基本年金額(上記「(1)+(2)」の額):□□□円 (4)加給年金額(要件を満たしている場合のみ加算) (5)老齢厚生年金の年金額:( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 759,900(円) ② 1,310,174(円) ③ 56,580(円) ④ 1,774,854(円)
解説
老齢年金の額を計算するときは、いくつもの上限や要件を正しく当てはめることが大切です。老齢基礎年金には月数の上限があり、厚生年金は2003年4月の前後で掛け率が変わります。経過的加算の定額部分は480月が上限で、加給年金は厚生年金の加入期間が20年以上あると足せます。
解き方
- 20歳から60歳までの納付済月数を数えて、老齢基礎年金の額を出します。
- 報酬比例部分は、2003年3月以前と2003年4月以後に分けて計算し、合計します。
- 経過的加算を計算するときは、定額部分の月数が最大480月であることに注意し、基本年金額を出します。
- 厚生年金の加入期間が20年以上かどうかと、生計を維持している配偶者がいるかを確認し、加給年金を足して老齢厚生年金の額を求めます。
答えの内訳
- ①:759,900
- 老齢基礎年金の満額は816,000円です。Aさんの20歳から60歳までの480月のうち、未納期間が33月あるため、保険料納付済月数は 480月-33月=447月 となります。したがって、年金額は 816,000円×(447月/480月)=759,900円 です。
- ②:1,310,174
- 報酬比例部分の額は、2003年3月以前の期間分ⓐと2003年4月以後の期間分ⓑを合算します。ⓐは 300,000円×(7.125/1,000)×48月=102,600円、ⓑは 480,000円×(5.481/1,000)×459月=1,207,574.16円 です。合計すると 102,600円+1,207,574.16円=1,310,174.16円 となり、円未満を四捨五入して 1,310,174円 となります。
- ③:56,580
- 経過的加算額は「定額部分-厚生年金期間に応じた老齢基礎年金相当額」で算出します。定額部分の被保険者期間月数は上限480月であるため、Aさんの厚生年金被保険者期間507月(48月+459月)のうち480月を用います。1,701円×480月-816,000円×(447月/480月)=816,480円-759,900円=56,580円 です。
- ④:1,774,854
- 基本年金額は 報酬比例部分1,310,174円+経過的加算56,580円=1,366,754円 です。Aさんは厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者(妻Bさん)がいるため、加給年金額408,100円が加算されます。したがって、老齢厚生年金の年金額は 1,366,754円+408,100円=1,774,854円 となります。
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覚えるポイント
- 経過的加算の定額部分に乗じる月数は、実期間にかかわらず最大480月が上限となります。
- 加給年金は厚生年金の被保険者期間が原則20年(240月)以上あることが受給の必須要件です。
間違えやすいところ
- 経過的加算では、厚生年金の加入月数の合計(507月)をそのまま上限を超えて掛けてしまわないようにしましょう。
- 老齢基礎年金の納付済月数に、60歳より後の厚生年金の加入期間を入れてしまわないように注意しましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の公的年金制度関連法令・2024年度年金額改定基準
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度概要
ライフプランニングと資金計画 · 個人型確定拠出年金 / iDeCo / 小規模企業共済等掛金控除 / 受給開始可能年齢
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)に関する以下の説明文の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉の中から選びなさい。 Ⅰ「個人型年金は、加入者の指図により掛金を運用し、その運用結果に基づく給付を受け取る制度です。個人型年金には、税制上の優遇措置が講じられており、支払った掛金は、その全額を所得税の( ① )として総所得金額等から控除することができます。また、老齢給付金を年金で受給する場合、当該給付金は雑所得として所得税の課税対象となり、雑所得の金額の計算上、当該給付金に係る収入金額から公的年金等控除額を控除することができます。なお、国民年金の第3号被保険者である妻Bさんは、個人型年金に加入することが( ② )」 Ⅱ「個人型年金は、原則として、60歳になるまで資産を引き出すことができません。なお、60歳から老齢給付金を受給するためには、通算加入者等期間が( ③ )年以上必要となります」 〈語句群〉 イ.5 ロ.10 ハ.15 ニ.20 ホ.できます ヘ.できません ト.社会保険料控除 チ.小規模企業共済等掛金控除 リ.生命保険料控除
- イ
- 5
- ロ
- 10
- ハ
- 15
- ニ
- 20
- ホ
- できます
- ヘ
- できません
- ト
- 社会保険料控除
- チ
- 小規模企業共済等掛金控除
- リ
- 生命保険料控除
解答・解説を表示
解答
① チ ② ホ ③ ロ
解説
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、お金を出すとき・運用するとき・受け取るときのそれぞれで税制の優遇があります。出した掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除になり、原則として60歳まで資産を引き出せません。
解き方
- iDeCoの掛金が、所得税で「小規模企業共済等掛金控除」として引けることを確認します。
- 第3号被保険者(専業主婦など)がiDeCoに加入できるかを確認します。
- 60歳から老齢給付金を受け取るのに必要な通算加入者等期間(10年)を確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:チ
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)の支払った掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります。
- 小問 ②:ホ
- 2017年1月の制度改正により、公務員や専業主婦等の国民年金第3号被保険者も個人型年金に加入できるようになりました。
- 小問 ③:ロ
- 60歳到達時点で老齢給付金を受給するためには、通算加入者等期間が10年以上必要とされています。
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覚えるポイント
- iDeCoの掛金は社会保険料控除ではなく「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除されます。
- 60歳時点で老齢給付金を受給するには「通算加入者等期間が10年以上」必要です。
間違えやすいところ
- 確定拠出年金の掛金を「社会保険料控除」と間違えやすいので注意しましょう。
- 第3号被保険者はiDeCoに加入できないと勘違いしないようにしましょう(2017年1月から加入できます)。
出題の前提:確定拠出年金法、所得税法第75条(小規模企業共済等掛金控除)
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の学生納付特例制度の要件と効力
年金・社会保険 · 国民年金 / 学生納付特例 / 社会保険料控除
MさんがAさんに対して説明した、国民年金の学生納付特例制度に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「長男Cさんが、2024年12月以降の大学生である期間について本制度の適用を受けるためには、Aさんの前年所得が一定金額以下である必要があります」 ② 「本制度の適用を受けた期間について国民年金保険料の追納がない場合、その期間は老齢基礎年金の受給資格期間には算入されません。本制度の適用を受けた期間に係る保険料について追納することができるのは、追納の承認を受けた月の前10年以内とされています」 ③ 「長男Cさんが本制度の適用を受け、その後、本制度の適用を受けた期間に係る保険料をAさんが長男Cさんの代わりに支払った場合、その支払った保険料は、所得税において、Aさんの社会保険料控除の対象となります」
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
国民年金の学生納付特例は、審査されるのが学生本人の所得だけの制度です。承認された期間は、後から追納しなくても老齢基礎年金の受給資格期間(10年)に数えられます。また、生計を一にする親族が立て替えて納めた保険料は、納めた人の社会保険料控除にできます。
解き方
- 学生納付特例の所得の基準が本人の所得だけかを確認し、世帯主の所得は問わないので記述①を×と判断します。
- 特例を受けた期間は、年金額には入らないものの受給資格期間には数えられるので、記述②を×と判断します。
- 生計を一にする親族の保険料を実際に払った人に社会保険料控除が使えるので、記述③を○と判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 学生納付特例制度の所得基準は学生本人の前年所得のみで判定され、親などの世帯主の所得要件は問われません。
- 小問 ②:×
- 学生納付特例制度の承認を受けた期間は、追納が行われなくても老齢基礎年金の受給資格期間に算入されます(年金額には反映されません)。
- 小問 ③:○
- 生計を一にする親族の負担すべき国民年金保険料を本人が支払った場合、支払った者の所得税において社会保険料控除の対象となります。
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覚えるポイント
- 学生納付特例は学生本人の所得のみで審査され親の所得は問われないこと
- 特例期間は受給資格期間には算入されるが追納しないと年金額には反映されないこと
間違えやすいところ
- 世帯主や配偶者の所得も見る一般の保険料免除制度と、本人の所得だけを見る学生納付特例を混同しないようにしましょう。
- 特例の期間は受給資格期間に数えられるので、数えられない合算対象期間(カラ期間)と勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の国民年金法および所得税法
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標(ROE・配当利回り)の計算
金融資産運用 · ROE / 配当利回り / 財務比率分析
《設例》の〈X社株式の情報〉および〈X社の財務データ〉に基づいて算出される次の①、②を求めなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は、表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。 ① 91期におけるROE(自己資本は90期と91期の平均を用いる) ② 91期における配当利回り 【前提条件】 ・株価:3,300円、発行済株式数:2億株 ・90期:純資産の部合計 620,000百万円、当期純利益 48,000百万円 ・91期:純資産の部合計 640,000百万円、当期純利益 50,000百万円、配当金総額 16,000百万円 ・純資産の金額と自己資本の金額は同じである。
解答・解説を表示
解答
① 7.94(%) ② 2.42(%)
解説
ROE(自己資本利益率)は、当期純利益を自己資本(期首と期末の平均)で割って求めます。会社が預かったお金でどれだけ利益を生んだかを示す指標です。配当利回りは、1株当たりの年間配当金を株価で割って求め、株価に対する配当の割合を示します。
解き方
- ROEは、90期と91期の純資産(自己資本)の平均を出し、91期の当期純利益をその平均で割って100を掛けて求めます。
- 配当利回りは、91期の配当金総額を発行済株式数で割って1株当たりの配当金を出し、それを株価3,300円で割って100を掛けて求めます。
- 指示どおり、それぞれ小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで表します。
答えの内訳
- ①:7.94(%)
- 平均自己資本=(620,000+640,000)÷2=630,000百万円。ROE=(50,000÷630,000)×100=7.9365…%より、小数点以下第3位を四捨五入して7.94%となります。
- ②:2.42(%)
- 1株当たり配当金=16,000百万円÷2億株=80円。配当利回り=(80円÷3,300円)×100=2.4242…%より、小数点以下第3位を四捨五入して2.42%となります。
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覚えるポイント
- ROE=当期純利益÷自己資本×100(問題の指示により期中平均を用いる点に注意)
- 配当利回り=1株当たり年間配当金÷株価×100
間違えやすいところ
- 自己資本の平均を使わず、91期の期末自己資本(640,000百万円)だけで割ってしまう間違いに注意しましょう。
- 百万円と億株の単位の換算を間違えて、1株当たり配当金の計算を桁違いにしてしまわないようにしましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令・財務分析基準
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資の指標とNISA(成長投資枠)の活用
金融資産運用 · PBR / NISA / 成長投資枠 / 株式数比例配分方式
X社株式(株価3,300円、発行済株式数2億株、91期純資産合計640,000百万円)およびNISAの成長投資枠に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。1倍を下回ると、会社を解散したときの価値より株価が安い状態と考えられます。NISAの成長投資枠は多くの商品を買えますが、毎月分配型の投資信託や公社債などは対象外です。株式の配当金を非課税にするには、受け取り方をあらかじめ確認しておく必要があります。
解き方
- X社の財務データから1株当たり純資産(BPS)を出し、株価と比べてPBRが1倍を下回るかを確かめます。
- NISAの成長投資枠で買えない商品(毎月分配型の投信や社債など)と、配当金を非課税にする株式数比例配分方式の要件を確認して、各記述の正誤を判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- X社の1株当たり純資産(BPS)は「6,400億円÷2億株=3,200円」であり、PBRは「3,300円÷3,200円=1.03125倍」となります。したがって、PBRは1倍を下回っておらず1倍を超えているため不適切です。
- 小問 ②:×
- NISAの成長投資枠の対象商品には、上場株式やETF、一定の投資信託が含まれますが、信託期間20年未満のもの、毎月分配型の投資信託、高レバレッジ型投信、および公社債(国債や社債など)は対象外とされているため不適切です。
- 小問 ③:○
- NISA口座内で保有する上場株式等の配当金を非課税とするためには、証券口座で配当金を受領する「株式数比例配分方式」を選択する必要があるため適切です。
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覚えるポイント
- PBRの計算式は「株価÷1株当たり純資産(BPS)」である。
- NISA口座内の上場株式配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」の登録が必須である。
間違えやすいところ
- NISAの成長投資枠で、一般の社債や国債、毎月分配型の投資信託も買えると勘違いしないようにしましょう。
- 配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式を選ぶと、NISA口座で持っていても配当金に税金がかかる点に注意しましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の手数料とNISA(つみたて投資枠)の仕組み
金融資産運用 · 投資信託 / 運用管理費用(信託報酬) / つみたて投資枠 / 非課税保有限度額
公募株式投資信託であるY投資信託の特徴およびNISA(つみたて投資枠・保有限度額)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
投資信託を持っている間にかかる信託報酬は、長く運用するほど成果に影響します。今のNISAでは、生涯の非課税保有限度額1,800万円のうち、成長投資枠は1,200万円までと決まっています。一方、つみたて投資枠にはこのような内枠の制限がなく、1,800万円の全部を使うこともできます。
解き方
- インデックス型とアクティブ型の信託報酬の違いと、信託報酬が保有中ずっとかかる費用であることを確認します。
- NISAのつみたて投資枠の対象に、要件を満たす一部のアクティブ投資信託も入るかを確認します。
- 成長投資枠は1,200万円まで、つみたて投資枠は単独で1,800万円まで使えるという内枠のルールを当てはめます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 運用管理費用(信託報酬)は投資信託を保有している期間中に信託財産から日々差し引かれる間接的な費用です。指数連動を目指すインデックスファンドはアクティブファンドに比べて調査・分析費用が抑えられるため、信託報酬が低い傾向にあり適切です。
- 小問 ②:○
- NISAのつみたて投資枠の対象商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の要件を満たすインデックス投資信託のほか、法令の要件を満たしたアクティブ運用型の公募株式投資信託やETFも含まれているため適切です。
- 小問 ③:×
- NISAの非課税保有限度額は全体で1,800万円であり、そのうち成長投資枠は最大1,200万円までに制限されていますが、つみたて投資枠単独には上限がなく、1,800万円の全額をつみたて投資枠のみで利用して投資信託を買い付けることが可能です。
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覚えるポイント
- NISAの非課税保有限度額1,800万円は、全額をつみたて投資枠のみで利用することが可能である。
- つみたて投資枠の対象商品には、インデックス投信だけでなく要件を満たしたアクティブ投信や指定ETFも含まれる。
間違えやすいところ
- 非課税保有限度額1,800万円の内枠が「成長投資枠1,200万円・つみたて投資枠600万円」で固定されていると勘違いしないようにしましょう。
- つみたて投資枠にはインデックスファンドしかないと勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の控除期間・所得要件・償還期間
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 住宅ローン控除 / 所得要件
住宅ローンを利用して新築マンション(認定長期優良住宅)を取得し、2024年中に居住の用に供した場合における住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)について、空欄①~③に入る最も適切な数値を〈数値群〉から選ぶ問題です。 「住宅ローンを利用して新築住宅を取得し、2024年中に居住した場合、所定の要件を満たせば、居住の用に供した年分以後、最大で( ① )年間、本控除の適用を受けることができます。なお、Aさんが新築マンションに入居した2024年以後、合計所得金額が( ② )万円を超える年があった場合、その年分については本控除の適用を受けることができません。また、本控除の対象となる住宅借入金等は、契約において償還期間等が( ③ )年以上であることが要件とされているため、Aさんが当該マンションに係る住宅ローンについて繰上げ返済を行い、返済期間が当初の契約により定められていた最初に償還した月から( ③ )年未満となった場合は、その年分以降について本控除の適用を受けることができなくなります」
- イ
- 5
- ロ
- 10
- ハ
- 13
- ニ
- 15
- ホ
- 20
- ヘ
- 1,000
- ト
- 1,500
- チ
- 2,000
解答・解説を表示
解答
① ハ ② チ ③ ロ
解説
住宅借入金等特別控除は、住宅ローンを使ってマイホームを新築したり買ったりしたときに、税金を減らせる制度です。今の制度では、新築住宅の控除を受けられる期間は最長13年です。また、合計所得金額が2,000万円以下であること、ローンの返済期間が10年以上であることが必要です。
解き方
- 2024年に住み始めた新築住宅の住宅ローン控除は、最長で13年間受けられることを確認します。
- 控除を受けられるのは、合計所得金額が2,000万円以下の人であることを確認します。
- 対象の借入金は返済期間が10年以上必要で、繰上げ返済で通算10年未満になると以後は受けられないルールを当てはめます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 2024年中に新築住宅等(認定長期優良住宅等)を取得して居住した場合、住宅借入金等特別控除の控除期間は最大で13年間となります。
- 小問 ②:チ
- 住宅借入金等特別控除の適用を受ける年の合計所得金額は2,000万円以下である必要があり、2,000万円を超える年分は控除が受けられません。
- 小問 ③:ロ
- 控除対象となる住宅借入金等は割賦償還期間が10年以上であることが要件であり、繰上げ返済により最初の償還月から通算10年未満となった場合は適用対象外となります。
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覚えるポイント
- 新築住宅における住宅借入金等特別控除の控除期間は最長13年間である。
- 適用を受ける年の合計所得金額は2,000万円以下でなければならない。
- 住宅ローンの返済期間要件は10年以上であり、繰上げ返済による短縮時も10年基準が適用される。
間違えやすいところ
- 昔の税制の所得要件である合計所得金額3,000万円以下と混同しないように注意しましょう。
- 中古住宅の控除期間(原則10年)と、新築住宅などの控除期間(13年)を間違えないようにしましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の手続・控除不足額の取扱・単身赴任特例
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 確定申告 / 所得税の税額控除 / 年末調整
住宅借入金等特別控除に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① 「Aさんは、2024年分の所得税において、住宅ローンに係る年末残高証明書等を所定の期日までに勤務先に提出することにより、年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます」 ② 「住宅借入金等特別控除の控除額がその年分の所得税額から控除しきれない場合、その控除しきれない金額については、翌年以後、3年間にわたって各年の所得税額から控除することができます」 ③ 「転勤等のやむを得ない事由によりAさんが単身赴任で転居した場合、妻Bさんや長女Cさん、母Dさんが引き続きマンションに居住していたとしても、単身赴任後は住宅借入金等特別控除の適用を受けることができません」
- ○
- 記述の内容が適切である
- ×
- 記述の内容が不適切である
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ×
解説
住宅借入金等特別控除は、住み始めた最初の年は、給与をもらっている人でも確定申告が必要で、年末調整では受けられません。税金から引ききれなかった分は、翌年度の住民税から引かれ、所得税には繰り越せません。また、転勤で単身赴任になっても、家族が住み続けていれば控除を受けられます。
解き方
- 記述①は、最初の年は年末調整では受けられず確定申告が必要なので、×と判断します。
- 記述②は、引ききれない分は翌年度の住民税から引かれ、所得税には繰り越せないので、×と判断します。
- 記述③は、単身赴任でも生計を一にする家族が住み続けていれば受けられるので、×と判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 給与所得者が住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合、居住した最初の年分は確定申告を行う必要があり、年末調整で適用を受けられるのは2年目以降となります。
- 小問 ②:×
- 所得税額から控除しきれなかった金額は、翌年度の個人住民税から一定の限度額内で控除されますが、翌年以後の所得税額から繰越控除することはできません。
- 小問 ③:×
- 転勤等のやむを得ない事由により単身赴任した場合であっても、生計を一にする親族が引き続き居住していれば、単身赴任後も控除の適用を継続して受けることができます。
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覚えるポイント
- 住宅借入金等特別控除の適用を受ける最初の年分は、給与所得者であっても必ず確定申告が必要である。
- 所得税から控除しきれなかった控除額は、翌年以後の所得税ではなく翌年度の個人住民税から控除される。
- 転勤等で本人が単身赴任しても、生計を一にする家族が居住していれば控除の適用は継続する。
間違えやすいところ
- 2年目以降は年末調整で受けられますが、1年目からも受けられると勘違いしやすいので注意しましょう。
- 引ききれなかった分を、翌年以後の所得税に繰り越せると勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税額の計算(総所得金額・各種所得控除・住宅借入金等特別控除)
タックスプランニング · 給与所得控除 / 所得金額調整控除 / 配偶者控除 / 扶養控除 / 住宅借入金等特別控除
会社員Aさんの2024年分の所得税額の計算において、設例の家族構成・収入情報・住宅取得情報に基づき、下記の表の空欄①~④に入る数値を計算しなさい。 ・給与収入金額:900万円 ・妻Bさん(42歳):パートタイマー、給与収入90万円 ・長女Cさん(14歳):中学生、収入なし ・母Dさん(68歳):公的年金等の老齢給付収入70万円 ・家族全員同居、生計を一にしている。 ・取得した新築マンション:認定長期優良住宅、取得価額5,000万円、2024年12月末の借入金残高1,980万円(返済期間25年) 表の空欄: (a)総所得金額( ① )円 配偶者控除( ② )円 扶養控除( ③ )円 (e)税額控除(住宅借入金等特別控除)( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 7,000,000(円) ② 380,000(円) ③ 380,000(円) ④ 138,600(円)
解説
給与所得を出すときは、給与所得控除に加えて、23歳未満の扶養親族がいて給与収入が850万円を超える場合に所得金額調整控除が使えます。扶養控除では年齢の区分に注意し、16歳未満は対象外、70歳以上は老人扶養親族です。住宅借入金等特別控除は、住宅の性能に応じた借入限度額と0.7%の控除率で計算します。
解き方
- 給与収入900万円から給与所得控除195万円と所得金額調整控除5万円を引いて、総所得金額を出します。
- 妻Bさんには配偶者控除38万円、長女Cさんは16歳未満で対象外、母Dさん(68歳・一般扶養親族)には38万円の扶養控除が使えるかを判断します。
- 認定長期優良住宅の借入限度額5,000万円と年末残高1,980万円を比べ、年末残高に0.7%を掛けて控除額を出します。
答えの内訳
- ①:7,000,000(円)
- 給与収入900万円に対する給与所得控除額は上限の195万円です。また、給与等の収入金額が850万円を超え、23歳未満の扶養親族(14歳の長女Cさん)がいるため子ども等を有する場合の所得金額調整控除が適用されます。控除額は(900万円-850万円)×10%=5万円となります。したがって、総所得金額(給与所得の金額)は 900万円-195万円-5万円=700万円(7,000,000円)です。
- ②:380,000(円)
- 妻Bさんの合計所得金額は給与収入90万円-給与所得控除55万円=35万円であり、48万円以下です。また控除を受けるAさんの合計所得金額は900万円以下であるため、配偶者控除の額は380,000円となります。
- ③:380,000(円)
- 長女Cさんは14歳(16歳未満)のため扶養控除の対象外です。母Dさんは68歳で公的年金収入70万円(65歳以上の公的年金等控除110万円を差し引くと雑所得は0円)であり、控除対象扶養親族となります。年齢が70歳未満であるため老人扶養親族ではなく一般の控除対象扶養親族に該当し、控除額は380,000円です。
- ④:138,600(円)
- 2024年中に入居した新築の認定長期優良住宅における住宅ローン控除の年末残高限度額は5,000万円です。年末残高1,980万円全額が限度額内となるため、控除額は借入金年末残高に控除率0.7%を乗じて、19,800,000円×0.7%=138,600円となります。
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覚えるポイント
- 給与収入850万円超で23歳未満の扶養親族等がいる場合、(給与収入-850万円)×10%(上限15万円)が所得金額調整控除として控除される。
- 16歳未満の年少扶養親族は所得税の扶養控除の対象外である。
- 老人扶養親族に該当するのはその年の12月31日時点で70歳以上の扶養親族である。
間違えやすいところ
- 母Dさんは68歳なので老人扶養親族(同居老親等58万円)と勘違いし、一般扶養親族の38万円を当てはめ忘れないようにしましょう。
- 16歳未満の長女Cさんを扶養控除の対象に入れてしまわないようにしましょう。
- 給与収入が850万円を超えているときの所得金額調整控除を引き忘れないようにしましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法(建蔽率および容積率の上限計算)
不動産 · 建蔽率の緩和 / 道路幅員による容積率制限 / 建築面積の上限 / 延べ面積の上限
設例の甲土地上に耐火建築物を建築する場合における、次の①、②の上限値を求めなさい。 〈甲土地の概要〉 ・敷地面積:600㎡ ・用途地域:第一種住居地域 ・指定建蔽率:60%、指定容積率:300% ・前面道路幅員による容積率の低減係数:前面道路幅員×4/10 ・防火規制:準防火地域 ・前面道路:北側幅員8m(公道)、東側幅員6m(公道) ・特定行政庁が指定する角地である。 ① 建蔽率の上限となる建築面積 ② 容積率の上限となる延べ面積
解答・解説を表示
解答
① 480(㎡) ② 1,800(㎡)
解説
建築面積の上限は「敷地面積×適用する建蔽率」で、延べ面積の上限は「敷地面積×適用する容積率」で計算します。建蔽率は、角地の指定や防火地域などの条件による緩和を足します。容積率は、指定容積率と前面道路の幅員から出る容積率を比べ、小さい方を使います。
解き方
- 甲土地の指定建蔽率60%に、角地の緩和10%と準防火地域の耐火建築物の緩和10%を足し、適用建蔽率を80%と出します(600㎡×80%=480㎡)。
- 前面道路は広い方の8mを使い、住居系地域の係数4/10を掛けて、道路による容積率の制限320%を求めます。
- 指定容積率300%と道路による制限320%を比べ、小さい300%を敷地面積600㎡に掛けて、延べ面積の上限1,800㎡を出します。
答えの内訳
- ①:480(㎡)
- 指定建蔽率は60%です。特定行政庁が指定する角地であるため10%の緩和が適用され、準防火地域内に耐火建築物を建築するためさらに10%の緩和が適用されます。適用される建蔽率は 60%+10%+10%=80% となります。したがって、建築面積の上限は 600㎡×80%=480㎡ です。
- ②:1,800(㎡)
- 前面道路が2つある場合、広い方の幅員を採用するため8mとなります。第一種住居地域の前面道路幅員制限は 8m×4/10=320% です。指定容積率300%と道路幅員による制限320%を比較し、厳しい方(小さい方)である300%が適用されます。したがって、延べ面積の上限は 600㎡×300%=1,800㎡ です。
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覚えるポイント
- 準防火地域内の耐火建築物(または延焼防止建築物)は建蔽率が10%緩和される。
- 特定行政庁が指定する角地は建蔽率が10%緩和される(防火要件と併用可能)。
- 2以上の前面道路がある場合、最も広い幅員の道路を基準として幅員制限を計算する。
間違えやすいところ
- 準防火地域の耐火建築物による建蔽率10%の緩和を忘れて、70%で計算しないようにしましょう。
- 前面道路の幅員を出すとき、2つの道路のうち狭い方(6m)を使わないようにしましょう。
- 指定容積率と道路による制限では小さい方を使うのに、大きい方を選ばないようにしましょう。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の売却手続および譲渡所得の税務
不動産 · 専任媒介契約 / 概算取得費 / 相続税の取得費加算
甲土地の売却に関する次の記述①~③について、それぞれ適切・不適切を判定しなさい。 ① 甲土地の売却にあたって宅地建物取引業者と専任媒介契約を締結する場合、当該契約の有効期間は2カ月を超えることができませんが、当該契約の有効期間内に甲土地の買主が見つからなかったときは、契約を更新することができます。 ② 甲土地の売却に係る譲渡所得の金額の計算上、取得費は、原則として、被相続人(父親)が甲土地を取得した際の購入代金や購入手数料等の合計額となりますが、その金額が不明である場合、甲土地の売却価額の10%相当額を取得費とすることができます。 ③ 甲土地の売却に係る譲渡所得の金額の計算上、「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(相続税の取得費加算の特例)の適用を受けるためには、甲土地を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの間に譲渡する必要があります。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
不動産を売るときは、媒介契約の有効期間などのルールと、譲渡所得の計算方法を正しく知っておくことが大切です。相続で手に入れた不動産を売る場合には、概算取得費のしくみや、取得費加算の特例の要件が関わるからです。
解き方
- 媒介契約の種類ごとに、有効期間の上限を確認します。専任と専属専任は3カ月です。
- 取得費が分からないときは、譲渡価額の5%を概算取得費として使えることを確認します。
- 相続税の取得費加算の特例は、相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売る必要があることを確認し、各記述の正誤を判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 宅地建物取引業法において、専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)の有効期間は最長で「3カ月」と定められており、2カ月を超えることができないとする記述は誤りです(なお、依頼者の申出により契約を更新することは可能です)。
- 小問 ②:×
- 譲渡所得の計算において、先祖伝来の土地などで実際の取得費が不明な場合や実額が譲渡価額の5%を下回る場合は、売却価額(譲渡価額)の「5%」相当額を概算取得費として差し引くことができます。10%ではありません。
- 小問 ③:○
- 相続税の取得費加算の特例を適用するためには、相続税の申告書を提出した者が、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに当該相続財産を譲渡する必要があります。
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覚えるポイント
- 専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間の上限は3カ月である。
- 取得費が不明な場合の概算取得費は譲渡価額の5%である。
- 相続税の取得費加算の譲渡期限は「相続開始の翌日から相続税申告期限の翌日以後3年以内」である。
間違えやすいところ
- 専任媒介契約の有効期間を、3カ月ではなく短い期間だと思い込んでしまうことです。
- 概算取得費の割合を、5%ではなく10%だと勘違いしてしまうことです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地有効活用における建設協力金方式の特徴と税務
不動産 · 建設協力金方式 / 固定資産税の納税義務者 / 貸家建付地評価
建設協力金方式の一般的な特徴等に関する次の記述①~③について、それぞれ適切・不適切を判定しなさい。 ① 建設協力金方式は、AさんがX社から建設資金の一部または全部を借り受けて、X社の要望に沿った店舗を建設し、その店舗をX社に賃貸する手法です。Aさんが借り受けた建設資金は、通常、賃料の一部で返済していくことになります。 ② 建設協力金方式では、建設した店舗に係る固定資産税の納税義務はX社が負い、甲土地に係る固定資産税の納税義務はAさんが負うことになります。 ③ 建設協力金方式では、AさんがX社に店舗を賃貸した後、その賃貸期間中にAさんの相続が開始した場合、相続税額の計算上、店舗は貸家として評価され、甲土地は貸宅地として評価されます。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
建設協力金方式では、土地の持ち主がテナントから資金を借りて、注文に合わせた建物を建てて所有し、貸し出します。土地と建物の所有者が誰かによって、税務や評価の扱いが変わるため、そこを理解することが大切です。
解き方
- 建設協力金方式では、土地の持ち主が資金を借り、建物を所有してテナントに貸す関係を確認します。
- 建物の所有者が誰かをもとに、固定資産税を納める義務がある人を判断します。
- 自分の土地に自分の賃貸用建物を建てている場合、その土地は貸家建付地として扱うと判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 建設協力金方式は、土地所有者が出店希望企業(テナント)から建設資金(建設協力金)を無利息または低利で借り受けてテナントの仕様に沿った建物を建設・賃貸し、賃料収入から借入金を分割返済していく手法です。
- 小問 ②:×
- 建設協力金方式では、土地だけでなく建設した建物(店舗)も土地所有者であるAさんが所有するため、土地および建物の両方について固定資産税の納税義務はAさんが負います。
- 小問 ③:×
- Aさんが自己所有の土地に自己所有の建物を建てて第三者に賃貸している場合、建物の敷地は「貸宅地(借地権が設定された土地)」ではなく「貸家建付地」として相続税評価が行われます。
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覚えるポイント
- 建設協力金方式では土地・建物ともに土地所有者が所有するため、双方の固定資産税は土地所有者が負担する。
- 自己所有地上の自己所有賃貸建物の敷地は「貸家建付地」であり、「貸宅地」ではない。
間違えやすいところ
- 土地だけを貸す方式と混同して、土地の相続税評価を「貸宅地」としてしまうことです。
- テナントが資金を出したことから、建物の固定資産税を納めるのがテナントになると誤解することです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺留分の計算、公正証書遺言の要件および小規模宅地等の特例
相続・事業承継 · 遺留分の算定 / 公正証書遺言の証人・検認 / 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)
Aさんの相続に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉の中から選びなさい。 Ⅰ 「遺言により、自宅および現預金等を妻Bさん、X社株式を長男Cさんに相続させた場合、長女Dさんの遺留分を侵害するおそれがあります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額を3億円とした場合、長女Dさんの遺留分の金額は、( ① )万円となります」 Ⅱ 「遺言は、自筆証書遺言や公正証書遺言などの種類によって作成方式が異なっており、公正証書遺言の作成にあたっては、証人2人以上の立会いが必要とされています。仮に、Aさんの公正証書遺言を作成する場合、妻Bさんおよび長男Cさんは証人となることが( ② )。なお、作成した公正証書遺言は、Aさんの相続開始後、家庭裁判所における検認が( ③ )です」 Ⅲ 「妻Bさんが自宅建物とその敷地を相続により取得し、当該敷地(相続税評価額7,000万円)について、特定居住用宅地等として限度面積まで『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、相続税の課税価格に算入すべき当該敷地の価額は( ④ )万円となります」 〈語句群〉 イ.1,400 ロ.1,720 ハ.1,875 ニ.3,500 ホ.3,750 ヘ.7,500 ト.できます チ.できません リ.必要 ヌ.不要
- イ
- 1,400
- ロ
- 1,720
- ハ
- 1,875
- ニ
- 3,500
- ホ
- 3,750
- ヘ
- 7,500
- ト
- できます
- チ
- できません
- リ
- 必要
- ヌ
- 不要
解答・解説を表示
解答
① ホ ② チ ③ ヌ ④ ロ
解説
遺留分の金額は、法定相続人の組み合わせによって計算方法が変わります。公正証書遺言では証人になれない人のルールと検認が不要な点を押さえ、小規模宅地等の特例では面積が限度を超えるときに按分して計算します。
解き方
- 相続人の関係から総遺留分(2分の1)と長女Dの法定相続分(4分の1)を掛け、3億円に対する遺留分3,750万円を求めます。
- 遺言の証人になれない人(推定相続人など)のルールと、公正証書遺言は検認が不要というルールを当てはめます。
- 特定居住用宅地等の限度面積330㎡と80%の減額を使い、敷地350㎡・評価額7,000万円から5,280万円を引いて、課税価格1,720万円を求めます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ホ
- 遺留分を算定するための財産3億円に対し、相続人が配偶者と子であるため総遺留分は2分の1です。長女Dさんの法定相続分は4分の1(配偶者2分の1、長男4分の1、長女4分の1)であるため、長女Dさんの遺留分は3億円×(1/2)×(1/4)=3,750万円となります。
- 小問 ②:チ
- 公正証書遺言を作成する際の証人には欠格条項があり、推定相続人およびその配偶者ならびに直系血族は証人になることができません。したがって、妻Bさんおよび長男Cさんは証人になれません。
- 小問 ③:ヌ
- 公正証書遺言は公証人が作成した公文書であるため偽造や変造のおそれがなく、相続開始後に家庭裁判所での検認手続きを受ける必要はありません(検認不要)。
- 小問 ④:ロ
- 特定居住用宅地等の限度面積は330㎡、減額割合は80%です。敷地全体350㎡のうち限度面積330㎡まで適用されるため、減額額は7,000万円×(330㎡/350㎡)×80%=5,280万円となり、課税価格に算入すべき価額は7,000万円-5,280万円=1,720万円となります。
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覚えるポイント
- 直系尊属のみが相続人の場合は総遺留分が3分の1、それ以外の場合は総遺留分が2分の1となる。
- 公正証書遺言および法務局保管の自筆証書遺言は検認が不要である。
- 特定居住用宅地等の限度面積は330㎡、減額割合は80%である。
間違えやすいところ
- 遺留分の計算で、法定相続分(4分の1)だけを掛け、総遺留分(2分の1)を掛け忘れることです。
- 小規模宅地等の限度面積(330㎡)を超えていても、宅地全体に80%をそのまま掛けてしまう計算ミスです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の民法および相続税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
相続・事業承継 · 住宅取得等資金の贈与税の非課税 / 家屋の床面積要件 / 受贈者ごとの限度額 / 相続開始前贈与加算の適用関係
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下、「本制度」という)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 「本制度の適用を受けるためには、取得等した住宅用家屋の床面積が50㎡以上200㎡以下でなければならず、また、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものである必要があります」 ② 「長女Dさんが、Aさんおよび妻Bさんのそれぞれから住宅取得等資金の贈与を受けてマンションを購入し、本制度の適用を受ける場合、当該マンションが一定の省エネ等住宅に該当するときは、Aさんおよび妻Bさんから贈与を受けた資金について、それぞれ1,000万円を限度として贈与税が非課税となります」 ③ 「長女Dさんが、Aさんから贈与を受けた住宅取得等資金について本制度の適用を受け、その後、Aさんの相続が開始した場合、本制度の適用を受けたことにより贈与税が非課税とされた金額を相続税の課税価格に加算する必要はありません」
- ①
- 取得等した住宅用家屋の床面積は50㎡以上200㎡以下で、床面積の2分の1以上が居住用でなければならない。
- ②
- 父母それぞれから贈与を受けた場合、省エネ等住宅であればそれぞれ1,000万円を限度として非課税となる。
- ③
- 本制度により非課税とされた金額は、その後の相続開始時に相続税の課税価格に加算する必要はない。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
直系尊属から住宅の資金を贈与されたときの非課税のしくみは、もらう人の条件や家の条件を満たす必要があります。非課税の限度額はもらう人ごとに決まっており、非課税になった金額は相続開始前贈与加算の対象にならない点も大切です。
解き方
- 住宅用家屋の床面積の上限が240㎡以下であることを確認し、記述①の「200㎡以下」を誤りと判断します。
- 非課税の限度額は贈与した人ごとではなく、もらう人1人ごとに決まることを確認し、記述②の「それぞれ1,000万円」を誤りと判断します。
- この特例で非課税になった金額は、相続開始前贈与加算の対象外であることを確認し、記述③を正しいと判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 本制度の床面積要件は、原則として登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下(受贈者の合計所得金額が1,000万円以下の場合は40㎡以上240㎡以下)です。上限が200㎡以下とされている点が誤りです。
- 小問 ②:×
- 本制度の非課税限度額は受贈者(長女Dさん)ごとに適用されるため、父と母の双方から贈与を受けた場合でも合算して判定され、省エネ等住宅の場合は合計で最大1,000万円までとなります。それぞれ1,000万円ではありません。
- 小問 ③:○
- 本制度の適用を受けて贈与税が非課税となった金額については、贈与者が死亡して相続が開始した場合であっても、生前贈与加算(相続開始前贈与加算)の対象とはならず、相続税の課税価格に加算する必要はありません。
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覚えるポイント
- 住宅取得等資金の非課税の家屋床面積要件は原則50㎡以上240㎡以下(合計所得1,000万円以下は40㎡以上240㎡以下)。
- 非課税限度額は受贈者ごとに上限(省エネ等住宅1,000万円、一般住宅500万円)が適用される。
- 本制度で非課税となった資金は相続開始前贈与加算の対象外となる。
間違えやすいところ
- 住宅ローン控除や小規模宅地等と混同して、床面積の上限(240㎡)を間違えることです。
- 贈与した人ごとに枠があると勘違いし、父と母から合わせて2,000万円まで非課税になると思い込むことです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続分に応じた取得金額 / 相続税の総額
被相続人Aさんの相続が開始した場合における相続税の総額の試算について、課税遺産総額が2億円であるときの空欄①〜③に入る最も適切な数値を求めなさい。 親族関係:妻Bさん、長男Cさん、長女Dさん(法定相続人は妻と子2人の計3人) 表の項目: (b)遺産に係る基礎控除額:[ ① ]万円 課税遺産総額:2億円 相続税の総額の基となる税額: 妻Bさん:□□□万円 長男Cさん:[ ② ]万円 長女Dさん:□□□万円 (c)相続税の総額:[ ③ ]万円
解答・解説を表示
解答
① 4,800(万円) ② 800(万円) ③ 3,900(万円)
解説
相続税の総額は、課税遺産総額を実際の分け方ではなく、各法定相続人の法定相続分で分けて計算します。分けた金額それぞれに超過累進税率(金額が大きいほど税率が高くなるしくみ)を当てはめて税額を出し、最後に合計します。
解き方
- 法定相続人の人数を決め、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で遺産に係る基礎控除額を計算します。
- 課税遺産総額2億円を、各法定相続人の法定相続分(配偶者2分の1、子それぞれ4分の1)で分けます。
- 分けた各人の取得金額に相続税の速算表を当てはめ、各人の税額を計算します。
- 計算した各人の税額を合計して、相続税の総額を求めます。
答えの内訳
- ①:4,800
- 遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。本問の法定相続人は妻Bさん、長男Cさん、長女Dさんの計3人であるため、3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。
- ②:800
- 課税遺産総額2億円を法定相続分で按分すると、長男Cさんの取得金額は2億円×4分の1=5,000万円となります。速算表より「3,000万円超5,000万円以下」の税率20%・控除額200万円を適用し、5,000万円×20%-200万円=800万円となります。
- ③:3,900
- 各法定相続人の相続税の基となる税額を合算して相続税の総額を求めます。妻Bさんは1億円×30%-700万円=2,300万円、長女Dさんは長男Cさんと同じく800万円となるため、2,300万円+800万円+800万円=3,900万円となります。

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覚えるポイント
- 遺産に係る基礎控除額の計算式は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」。
- 相続税の総額は実際の遺産分割割合ではなく、民法上の法定相続分で按分して計算する。
間違えやすいところ
- 基礎控除で数える法定相続人に、子の配偶者や孫まで入れてしまう誤りです。
- 速算表を使うときに、控除額を引くのを忘れてしまうミスです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2024年9月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

