日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2023年5月 2級 学科の概要
FPの職業倫理と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · FPの行為規範 / 弁護士法 / 税理士法 / 社会保険労務士法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為として、職業倫理や関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
FPは顧客の利益を優先し法令を遵守する義務を負います。他の法律で独占業務と定められている税理士業務・社労士業務・弁護士業務・保険募集業務等については、資格登録のないFPは個別具体的な相談や代理行為を行えず、一般的な法令・制度の解説や試算の範囲に留める必要があります。
解き方
- 各選択肢でFPが行っている行為が、社労士法、税理士法、保険業法、弁護士法などの各業法で制限されている独占業務に抵触するかどうかを確認する。
- 資格登録のないFPが有償で遺産分割の代理・交渉を行う行為は非弁行為に該当するため、最も不適切な選択肢と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 公的年金制度の仕組みや年金額の計算方法について一般的な解説を行う行為は社会保険労務士法に違反しないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 国税庁HP等の公表資料を基に一般的な税制の解説や確定申告の手順を説明する行為は税理士法に違反しないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 顧客の希望や家計状況を分析して必要保障額を試算する行為は保険募集や販売行為そのものではないため適切です。
- 選択肢 4正解
- 弁護士資格を有しない者が有償で遺産分割協議の代理人として交渉を行うことは弁護士法第72条に違反するため最も不適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 弁護士法により、資格のない者が有償で法律事務を取り扱う非弁行為は厳格に禁止されている。
間違えやすいところ
- 税務や社労士分野の一般的な説明は可能であるが、個別の確定申告書作成や具体的代理は禁止されている点と混同しないようにする。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の保険給付
ライフプランニングと資金計画 · 傷病手当金 / 出産育児一時金 / 埋葬料 / 高額療養費
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の保険給付に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
健康保険は労働者の業務外の病気、負傷、死亡、出産に関して必要な給付を行う制度です。業務上や通勤途上の傷病・死亡は労災保険の対象となるため健康保険の給付対象外となります。各種手当や一時金には要件や支給期間・限度額が法定されています。
解き方
- 各選択肢の給付内容(傷病手当金の支給可能期間、出産の重複受給、埋葬料の定額支給、高額療養費の払戻額)の要件を比較検討する。
- 埋葬料の支給要件および支給額(5万円)が正しく説明されている選択肢3を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 傷病手当金の支給期間は、その支給を始めた日から通算して最長「1年6ヵ月」であるため、最長2年とする本記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 夫婦がともに被保険者である場合、妻本人の保険から出産育児一時金が支給され、夫の保険からの家族出産育児一時金と重複して受給することはできないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 被保険者が業務外で死亡した際、生計を維持されていた埋葬を行う者に対し埋葬料として定額5万円が支給されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 高額療養費として支給されるのは、支払った一部負担金等の全額ではなく、自己負担限度額を超えた超過額であるため不適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 傷病手当金の支給期間は開始日から「通算1年6か月」、埋葬料の額は一律5万円である。
間違えやすいところ
- 高額療養費の支給額は「限度額を超えた超過分」であり、「窓口負担の全額」ではない点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働者災害補償保険の保険給付
ライフプランニングと資金計画 · 労災保険の適用範囲 / 休業補償給付 / 遺族補償年金 / 葬祭給付
労働者災害補償保険(労災保険)の保険給付に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
労災保険は、業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするための制度です。雇用形態にかかわらず全労働者に適用され、保険料は全額事業主が負担します。
解き方
- 労災保険の被保険者範囲、休業補償給付の待期期間、遺族補償年金の算出基準、通勤災害時の葬祭給付の規定を照合する。
- 休業補償給付の支給開始日が休業「第4日目」であるのに対し、選択肢2は「第3日目」としているため誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 労災保険は事業所で使用されるすべての労働者に適用され、パートやアルバイト等の雇用形態を問わず対象となるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 休業補償給付は業務上の事由で休業した第4日目から支給され、第1日目から第3日目までは待期期間となるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 遺族補償年金の額は、受給権者および生計を同じくする受給資格者の人数に応じて給付基礎日額の一定日数分が支給されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 労働者が通勤災害によって死亡した場合は、葬祭を行う者に対して「葬祭給付」が支給されるため適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 休業(補償)給付は休業第4日目から支給され、最初の3日間は待期期間である。
間違えやすいところ
- 業務災害で死亡した場合は「葬祭料」、通勤災害で死亡した場合は「葬祭給付」と呼称が分かれる点に留意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の育児休業給付および介護休業給付
ライフプランニングと資金計画 · 育児休業給付金 / 介護休業給付金 / 支給限度期間 / 賃金受給時の減額
雇用保険の育児休業給付および介護休業給付に関する記述として、最も不適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
雇用保険の育児休業給付金は原則として子が1歳に達する前日まで支給されますが、所定の要件を満たす場合は1歳6か月、最長で2歳まで支給期間を延長できます(パパ・ママ育休プラス制度利用時の1歳2か月とは異なる例外延長要件)。介護休業給付金は対象家族1人につき通算93日、3回まで取得可能です。
解き方
- 育児休業給付金の支給期間延長要件(1歳6か月および2歳)を確認する。
- 選択肢1が延長期間の最長を1歳2ヵ月としている誤りを指摘し、最も不適切な選択肢と判断する。
- 選択肢 1正解
- 保育所に入れない等の特別な事情がある場合、育児休業給付金は子が最長で2歳に達する日の前日まで延長して支給されるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 育児休業中に賃金が支払われ、その額が休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上となった支給単位期間については給付金は支給されないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 介護休業給付金は、同一の対象家族について通算して3回かつ93日を限度として支給されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 同一の対象家族について複数の被保険者が同時に介護休業を取得した場合でも、要件を満たせば各被保険者に給付金が支給されるため適切です。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 保育所に入所できない等の理由による育児休業給付金の再延長は最長で子が2歳に達するまで可能。
間違えやすいところ
- 両親が育児休業を取得する「パパ・ママ育休プラス」の特例期間(1歳2か月まで)と、保育所不承諾等による延長期間(最長2歳まで)を混同しないようにする。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の保険料免除制度および追納
ライフプランニングと資金計画 · 学生納付特例 / 法定免除 / 追納制度 / 産前産後期間の免除
国民年金に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
国民年金の保険料免除期間は受給資格期間には原則算入されますが、年金額への反映度合いは制度によって異なります。学生納付特例期間は追納しない限り年金額に反映されません。法定免除期間は2分の1(平成21年3月以前は3分の1)が年金額に反映されます。産前産後免除は全額納付済みとして扱われます。追納可能期間は過去10年以内です。
解き方
- 各選択肢の免除期間の受給資格期間および年金額への反映、追納可能期間の規定を照合する。
- 産前産後期間の免除が納付済期間として満額年金額に反映される正しい記述である選択肢4を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 学生納付特例期間は、追納がない場合でも老齢基礎年金の受給資格期間には算入される(年金額には反映されない)ため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 生活扶助による法定免除期間は、追納がない場合でも老齢基礎年金の国庫負担割合(2分の1)が年金額に反映されるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 免除期間の保険料を追納できる期間は、厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前「10年以内」であるため不適切です。
- 選択肢 4正解
- 産前産後期間の免除制度によって免除された月は、保険料納付済期間として扱われ、年金額に満額反映されるため適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 保険料の追納可能期間は承認を受けた月前「10年以内」である。
間違えやすいところ
- 学生納付特例は受給資格期間にはカウントされるが、追納しない限り受給金額には一切反映されない点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金基金・小規模企業共済・中小企業退職金共済
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金 / 小規模企業共済 / 中小企業退職金共済 / 掛金納付月数の通算
国民年金基金、小規模企業共済および中小企業退職金共済に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
国民年金基金は第1号被保険者の上乗せ年金制度で任意脱退や解約返戻金はありません。小規模企業共済は個人事業主等の退職金制度で掛金は月1,000円〜70,000円(全額所得控除)です。中小企業退職金共済は中小企業従業員の退職金制度で掛金は全額事業主負担です。
解き方
- 各共済制度の解約返戻金の有無、掛金月額の上限・下限、掛金負担者、月数通算の要件を確認する。
- 選択肢4の中退共における退職後3年以内の納付月数通算規定が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金基金には任意脱退の制度がなく、死亡以外の資格喪失時にも解約返戻金の支給はない(将来年金として受給する)ため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 小規模企業共済の掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で選択するため、5,000円から10万円とする本記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 中小企業退職金共済の掛金は全額事業主が負担しなければならず、従業員と折半することはできないため不適切です。
- 選択肢 4正解
- 退職後3年以内に退職金を請求せずに再就職し再度中退共の被共済者となった場合、所定の要件を満たせば掛金納付月数を通算できるため適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 小規模企業共済の掛金は月1,000円〜70,000円、中退共の掛金は全額事業主負担である。
間違えやすいところ
- 国民年金基金は一度加入すると任意解約できず途中の返戻金制度がない点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金等に係る税金
タックスプランニング · 公的年金の課税 / 遺族年金の非課税 / 確定拠出年金の老齢給付金 / 未支給年金
公的年金等に係る税金に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
公的年金等において、遺族年金や障害年金は非課税です。老齢給付は雑所得として課税されます。確定拠出年金の老齢給付金は、年金形式で受給すると「雑所得(公的年金等控除)」、一時金で受給すると「退職所得(退職所得控除)」となります。死亡に伴い遺族が受け取る未支給年金は、遺族自身の「一時所得」として課税されます。
解き方
- 年金給付の種類ごとに税務上の取扱い(非課税、雑所得、退職所得、一時所得)を確認する。
- 選択肢3で確定拠出年金の一時金受取を一時所得としている誤りを指摘し、最も不適切な選択肢と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 遺族基礎年金や遺族厚生年金などの遺族給付は、所得税法上非課税所得と定められているため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 老齢基礎年金および老齢厚生年金は、受取額から公的年金等控除額を控除した額が雑所得として課税されるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金で受け取る場合は一時所得ではなく「退職所得」として課税されるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 受給権者死亡に伴い遺族が請求して受給した未支給年金は、当該遺族自身の一時所得として課税されるため適切です。
覚えるポイント
- 確定拠出年金の一時金受給は「退職所得」、年金受給は「公的年金等控除の対象となる雑所得」となる。
間違えやすいところ
- 未支給年金は相続財産ではなく、受け取った遺族自身の「一時所得」となる点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
フラット35(買取型)の仕組みと商品性
ライフプランニングと資金計画 · フラット35 / フラット35S / 繰上げ返済 / 併用住宅の要件 / 抵当権設定
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した住宅ローンであるフラット35(買取型)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
フラット35(買取型)は民間金融機関が融資した住宅ローン債権を住宅金融支援機構が買い取る全期間固定金利型のローンです。店舗併用住宅の場合は住宅部分の床面積が全体の2分の1以上(非住宅部分以上)であることが条件です。繰上げ返済手数料は無料で、窓口等での一部繰上げ返済は100万円以上ですが、「住・My Note」を利用したインターネット経由の場合は10万円以上から繰上げ返済が可能です。
解き方
- フラット35Sの金利優遇措置、繰上げ返済の最低返済額、併用住宅の床面積要件、担保設定の各ルールを確認する。
- インターネットサービス「住・My Note」を利用した際の一部繰上げ返済最低額が10万円であることを基に、選択肢2の100万円を誤りと特定する。
- 選択肢 1不正解
- フラット35Sは省エネ性・耐震性・バリアフリー性等の基準を満たす住宅を取得する際に借入金利が一定期間引き下げられる制度であるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 「住・My Note」を利用したインターネット経由の一部繰上げ返済の最低返済額は「10万円」であるため(金融機関窓口等の場合は100万円以上)不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 店舗付き住宅等の併用住宅では、全体の延床面積のうち住宅部分の床面積が非住宅部分以上(2分の1以上)であることが要件となるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- フラット35(買取型)では住宅金融支援機構が債権を買い取り、対象住宅に第1順位の抵当権を設定するため適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- フラット35の一部繰上げ返済額は、窓口では100万円以上、インターネット(住・My Note)では10万円以上。
間違えやすいところ
- 店舗併用住宅において住宅部分が「全体の半分以上」必要である基準を、非住宅部分と取り違えないように注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業の資金調達方法の一般的な特徴
ライフプランニングと資金計画 · 中小企業の資金調達 / 直接金融と間接金融 / インパクトローン / 第三者割当増資 / マル経融資
中小企業の資金調達方法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
企業の資金調達には、銀行融資などの間接金融と株式・社債発行による直接金融があります。新株を発行して第三者に割り当てると総株式数が増えるため、既存株主が新株を引き受けない限り持株比率は低下(希薄化)します。
解き方
- 間接金融と直接金融の違い、および外貨建インパクトローンの特徴を確認します。
- 増資に伴う発行済株式総数の増加と既存株主の持株比率の変動関係を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 銀行などの金融仲介機関から融資を受けて事業資金を調達する方法は、間接金融に分類されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- インパクトローンとは使途に制限のない外貨建て融資(資金調達方法)のことであり、記述のとおり適切です。
- 選択肢 3正解
- 既存株主以外の第三者が新株を引き受けた場合、発行済株式総数が増加するため既存株主の持株比率は低下(希薄化)します。上昇するとしている本記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- マル経融資は、商工会議所・商工会等の経営指導を受けた小規模事業者を対象とする、無担保・無保証人の公的融資制度です。
覚えるポイント
- 第三者割当増資を行うと既存株主以外の持株比率は低下(希薄化)する
間違えやすいところ
- インパクトローンを使途制限のある融資と誤解しないよう注意する
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
クレジットカードの一般的な利用と仕組み
ライフプランニングと資金計画 · クレジットカード / キャッシング / 信用情報機関 / 所有権と利用規約
クレジットカード会社(貸金業者)が発行するクレジットカードの一般的な利用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
クレジットカードのショッピング利用では1回払いや2回払いにおいて手数料が原則不要ですが、現金を借り入れるキャッシング機能では、翌月1回払いであっても借入日から返済日までの日数に応じた利息が発生します。
解き方
- ショッピング枠とキャッシング枠の違いおよび返済時の利息・手数料のルールを整理します。
- キャッシングは借入金であるため、返済回数にかかわらず利息が発生することを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 分割払いは、支払回数(3回、5回、10回など)を指定し、その回数に分割して支払う方式であるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 会員の信用情報は指定信用情報機関(CIC等)に登録・管理され、本人は開示請求を行うことができるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- クレジットカードの所有権はカード会社に帰属し、会員へは貸与されているにすぎないため、本人以外の利用は禁止されています。
- 選択肢 4正解
- キャッシングは金銭消費貸借にあたるため、返済方法として翌月一括払いを選択しても日数に応じた利息が発生します。利息がかからないとする記述は不適切です。
覚えるポイント
- キャッシングは翌月一括払いでも利息が発生する
間違えやすいところ
- ショッピングの翌月一括払い(手数料不要)とキャッシングを混同しないようにする
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の保険料等の一般的な仕組み
リスク管理 · 収支相等の原則 / 純保険料と付加保険料 / 予定利率 / 三差益
生命保険の保険料等の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
生命保険料は純保険料と付加保険料で構成されます。純保険料は将来の保険金・給付金支払財源であり予定死亡率と予定利率から計算され、付加保険料は事業経費財源であり予定事業費率から計算されます。
解き方
- 純保険料と付加保険料のそれぞれの構成要素と予定基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)の対応関係を確認します。
- 予定利率が付加保険料ではなく純保険料の割引要素として用いられることを確認して誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 収支相等の原則とは、契約者全体が払い込む保険料の総額と保険金等の支払総額が等しくなるように計算する原則です。
- 選択肢 2正解
- 純保険料は「予定死亡率」と「予定利率」に基づいて計算され、付加保険料は「予定事業費率」に基づいて計算されるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 予定利率が引き上げられると、将来の運用収益を多く見込めるため新規契約の保険料は安くなります。
- 選択肢 4不正解
- 見込んでいた事業費よりも実際の事業費が少なかった場合に生じる利益を「費差益」と呼びます。
覚えるポイント
- 純保険料=予定死亡率+予定利率、付加保険料=予定事業費率
間違えやすいところ
- 予定利率を引き上げると保険料は安くなり、引き下げると高くなる関係を逆に覚えない
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 変額保険 / 特定疾病保障定期保険 / 収入保障保険 / 低解約返戻金型終身保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
変額保険(終身型)は資産運用の実績に応じて保険金額や解約返戻金額が変動しますが、死亡保険金額については基本保険金額が最低保証されています。一方で解約返戻金には最低保証がありません。
解き方
- 変額保険の死亡保険金額と解約返戻金の最低保証の有無を確認します。
- 死亡保険金額には基本保険金額の最低保証があることを適用し、下回るとする肢1を誤りと判定します。
- 選択肢 1正解
- 変額保険(終身型)の死亡保険金額には基本保険金額の最低保証があるため、運用実績によって下回ることはありません。したがって不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 特定疾病保障定期保険は三大疾病に該当した場合に特定疾病保険金が支払われますが、それ以外の原因で死亡した場合にも同額の死亡保険金が支払われます。
- 選択肢 3不正解
- 一時金で受け取る場合、将来発生する利息相当分が控除(現価計算)されるため、年金形式で受け取る総額よりも少なくなります。
- 選択肢 4不正解
- 低解約返戻金型終身保険は、払込期間中の解約返戻金を約7割程度に抑えることで、一般の終身保険より保険料が割安に設定されています。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 変額保険(終身型)の死亡保険金は基本保険金額が保証されるが、解約返戻金には最低保証がない
間違えやすいところ
- 死亡保険金と解約返戻金の保証の有無を取り違えないように注意する
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建て生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 外貨建て生命保険 / 市場価格調整(MVA) / 生命保険料控除 / 円換算支払特約
外貨建て生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
外貨建て保険は保険料の払込みや保険金等の受取りを外貨で行う保険です。MVA(市場価格調整)は解約時の市場金利の変動を解約返戻金に反映させる仕組みであり、金利上昇時は返戻金が減少し、金利低下時は増加します。
解き方
- 外貨建て保険の基本構造(保険料支払・保険金受取時の通貨や特約の効果)を整理します。
- 生命保険料控除の対象可否およびMVA(市場価格調整)の機能を確認し、正しい記述を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 外貨建て生命保険は、保険料の払込み・保険金等の受取りを原則として外貨で行う保険であるため不適切です(円貨での受取りには特約が必要です)。
- 選択肢 2不正解
- 外貨建て終身保険であっても、要件を満たせば円換算した保険料が一般の生命保険料控除の対象となるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 円換算支払特約により円で受け取る場合、適用される為替相場は「契約時」ではなく「保険金支払時(指定日)」の為替レートであるため不適切です。
- 選択肢 4正解
- MVA(市場価格調整)は運用対象の債券価格変動を解約返戻金に反映させるため、解約時の市場金利に応じて解約返戻金額が増減します。
覚えるポイント
- MVA(市場価格調整)は解約時の市場金利の上昇で返戻金が減少し、金利低下で増加する
間違えやすいところ
- 円換算特約の適用レートは契約時ではなく支払時(請求時)である点に注意する
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の取扱い(新契約)
リスク管理 · 生命保険料控除 / 変額個人年金保険 / 自動振替貸付 / 傷害特約
2012年1月1日以後に締結された生命保険契約の保険料に係る生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
生命保険料控除は実際にその年中に払い込まれた保険料が対象です。自動振替貸付による払込みも契約者が保険料を払い込んだものとして扱われるため、貸付充当された年分の控除対象となり、返済時は対象外です。
解き方
- 自動振替貸付により保険料が充当された場合の生命保険料控除の適用年分を確認します。
- 充当された年分に控除され返済時は対象外であるルールに基づき、肢3の不適切性を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 保険料控除は実際に払い込まれた年の控除対象となるため、2023年1月に払い込まれた保険料は2023年分の控除対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 変額個人年金保険は、個人年金保険料税制適格特約を付加できないため、一般の生命保険料控除の対象となります。
- 選択肢 3正解
- 自動振替貸付により充当された金額は、保険料が払い込まれた(貸し付けられた)年分の控除対象となり、返済した年は対象外です。したがって不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 新契約(2012年以降)において、傷害特約や災害割増特約など身体の傷害のみに起因して保険金が支払われる特約の保険料は生命保険料控除の対象外です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 自動振替貸付による保険料は貸付充当された年分の控除対象となる(返済時ではない)
間違えやすいところ
- 傷害特約の保険料は新制度では介護医療保険料控除の対象にもならない点に注意する
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約者となる生命保険の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 養老保険 / 終身保険 / 医療保険 / 定期保険の資産計上ルール
法人を契約者(=保険料負担者)とする生命保険等に係る保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も保険料は年払いかつ全期払いで、2022年10月に締結したものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人が契約する生命保険において、終身保険は貯蓄性が極めて高いため、死亡保険金受取人が法人である場合、支払保険料の全額を保険料積立金等の「資産」に計上します(損金算入はできません)。
解き方
- 受取人が法人である終身保険の性格(掛け捨て部分がなく最終的に必ず資産が回収される)を確認します。
- 支払保険料全額を資産計上する必要があるため、全額損金算入可能とする肢2を不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 死亡保険金受取人・満期保険金受取人の双方が法人である養老保険の支払保険料は、全額資産計上(保険料積立金)します。
- 選択肢 2正解
- 死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、将来必ず保険金または解約返戻金が入るため全額「資産計上」となり、損金算入はできません。したがって不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 解約返戻金のない(またはごく少額の)医療保険の支払保険料は、全額を損金算入することができます。
- 選択肢 4不正解
- 最高解約返戻率が50%超70%以下の定期保険は、保険期間の前半4割期間において支払保険料の40%を資産計上し、残額60%を損金算入するため適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 契約者=法人、受取人=法人の終身保険は全額資産計上
間違えやすいところ
- 最高解約返戻率50%超70%以下の定期保険の資産計上割合(40%)と混同しない
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等(2019年法人税基本通達改正)
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険の一般的な商品性と補償範囲
リスク管理 · 火災保険 / 消火活動による水濡れ / 落雷 / 経年劣化 / 風災
住宅用建物および家財を保険の対象とする火災保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
火災保険では、火災による直接の焼失だけでなく、消火活動に伴う放水による水濡れ損害や建物の破壊等の損害も火災による損害に含まれ補償されます。一方、経年劣化による損害は対象外です。
解き方
- 火災保険における「火災による損害」の定義(消火活動による水濡れ損害を含む)を確認します。
- 消防活動による水濡れは補償の対象となるため、「対象とならない」とする肢1を不適切と判定します。
- 選択肢 1正解
- 消防活動による水濡れや破損等の損害は火災事故に起因する損害として補償の対象となります。対象とならないとする記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 火災保険の基本補償には「火災・落雷・破裂・爆発」が含まれており、落雷による家財の損害(電化製品のショート等)は補償対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 建物の老朽化や経年劣化、腐食等の自然の消耗によって生じた損害は、偶然の事故ではないため火災保険の補償対象外です。
- 選択肢 4不正解
- 竜巻や台風・暴風等による建物の損害は「風災」として一般的な火災保険の補償対象となります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 消防活動(消火活動)による水濡れ損害は火災保険の補償対象となる
間違えやすいところ
- 給排水設備の事故による水濡れと消防活動による水濡れの区別、経年劣化の免責事項に注意する
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
任意加入の自動車保険の補償内容
リスク管理 · 自動車保険 / 車両保険 / 対物賠償責任保険
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
自動車保険の車両保険は、一般条件であっても地震・噴火・津波による損害は原則として免責(対象外)とされており、これらを補償するには専用の特約付帯が必要です。
解き方
- 各選択肢の事故状況と自動車保険の各補償種目(車両保険、対物賠償保険)の約款上の取扱いを照らし合わせます。
- 地震・津波損害が一般条件の車両保険で補償されるか否かを確認し、免責事由に当たる不適切な選択肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 一般条件の車両保険では、相手が不明な当て逃げによる保有車両の損害も補償対象となります(エコノミー型・限定危険型では対象外となります)。
- 選択肢 2正解
- 地震・噴火またはこれらによる津波による損害は、一般条件の車両保険であっても免責事由とされ、補償の対象になりません。
- 選択肢 3不正解
- 対物賠償保険では、事故により他人の店舗を損壊させた直接の物的損害だけでなく、修理期間中の休業損害などの間接的な損害賠償責任も補償対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 対物賠償保険で免責となる親族は「記名被保険者、その配偶者、父母、子」等であり、別居・同居を問わず兄の所有物に対する損害賠償責任は補償対象となります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 地震・噴火・津波による車両損害は車両保険(一般条件を含む)では免責であり特約が必要。
間違えやすいところ
- 一般条件の車両保険なら天変地異も含めてあらゆる事故が対象になると誤認しやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令・標準約款基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の損害保険金に係る税務
リスク管理 · 損害保険の税務 / 非課税所得 / みなし相続財産
個人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする損害保険等の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
身体の傷害・疾病や資産の滅失損害に対して支払われる保険金は原則として非課税ですが、被保険者=契約者(保険料負担者)の死亡により遺族が受け取る死亡保険金は相続税の課税対象(みなし相続財産)となります。
解き方
- 各保険給付の種類(所得補償・火災実損害・死亡保険金)と課税関係(非課税、所得税、相続税)を確認します。
- 被保険者自身が保険料負担者である死亡保険金がみなし相続財産に該当することを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 身体の傷害や疾病に起因して受給する所得補償保険の保険金は、非課税所得とされており所得税は課税されません。
- 選択肢 2不正解
- 資産の損害に基因して支払を受ける火災保険金は、保険金で代替の家財を再購入するか否かにかかわらず全額非課税となります。
- 選択肢 3正解
- 契約者(保険料負担者)と被保険者が同一である場合、配偶者が受け取る搭乗者傷害保険の死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 損害保険契約に基づいて支払を受ける損害賠償金や保険金で、資産に加えられた損害に対するものは、新価基準で時価額を超えて支払われた場合であっても所得税は非課税となります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 自己負担の損害保険から出る死亡保険金は相続税の課税対象(みなし相続財産)。
間違えやすいところ
- 所得補償保険金や火災保険の超過差額が課税対象になると誤認しやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険の商品性
リスク管理 · 第三分野の保険 / 所得補償保険 / 先進医療特約 / がん保険
第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得補償保険は、被保険者が病気やケガによって就業不能となり喪失した所得を補償する保険であり、入院だけでなく医師の指示による自宅療養も給付の対象に含まれます。
解き方
- 各選択肢の第三分野保険(所得補償保険、先進医療特約、限定告知型医療保険、がん保険)の要件を整理します。
- 所得補償保険の就業不能の要件に入院必須が含まれるか否かを確認し、誤りである肢1を選定します。
- 選択肢 1正解
- 所得補償保険は、入院中だけでなく、医師の指示による自宅療養等によって就業不能状態にある場合も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 先進医療特約の対象となる先進医療は、保険契約時ではなく「療養を受けた時点」で厚生労働大臣により定められているものに限られます。
- 選択肢 3不正解
- 限定告知型(引受基準緩和型)の医療保険は、健康状態に関する告知項目が少なく引受リスクが高いため、通常型と比べて保険料が割高に設定されています。
- 選択肢 4不正解
- がん保険には通常、契約から90日間または3か月間の待機期間(免責期間)があり、この間にがんと診断確定されても保険給付は行われません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 所得補償保険は医師の指示による自宅療養も対象となり、入院に限定されない。
間違えやすいところ
- 先進医療の判定基準時を「保険契約締結時」と勘違いしやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令・標準約款基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した家庭のリスク管理
リスク管理 · 損害保険 / 火災保険の対象 / 個人賠償責任保険 / 地震保険
損害保険を利用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)は会社員の個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
火災保険における「家財」には、家具や衣類、家電製品等の生活用動産が含まれますが、自動車(法令上の自動車)は原則として保険の目的である家財に含まれません。
解き方
- 各記述におけるリスクと手当てする保険商品の対象範囲を照合します。
- 車庫内の自動車が家財保険の対象に含まれるかを確認し、対象外である肢4を不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 国内旅行傷害保険では、急激かつ偶然な外来の事故によるケガのほか、一般に細菌性食中毒やウイルス性食中毒も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 個人賠償責任特約では、同居の親族(同居の子)が日常生活で他人にケガをさせたり財物を損壊させたりして負った損害賠償責任も補償されます。
- 選択肢 3不正解
- 地震を原因とする火災による損害は火災保険単独では補償されないため、火災保険に地震保険を付帯して契約することが適切です。
- 選択肢 4正解
- 自動車は火災保険の「家財」の範囲に含まれないため、自動車の火災損害には自動車保険の車両保険等で備える必要があります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 自動車は火災保険の家財の対象外であり、車両保険で備える必要がある。
間違えやすいところ
- 自宅敷地内や車庫内にある自動車が家財に含まれると誤解しやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令・標準約款基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
為替相場や金利の変動要因
金融資産運用 · 為替レートの決定要因 / 購買力平価 / 金利差 / 公開市場操作
為替相場や金利の変動要因等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
購買力平価説に基づくと、相対的にインフレ率(物価上昇率)が高い国の通貨は実質的な購買力が低下するため、中長期的に減価(通貨安)する要因となります。
解き方
- 物価変動と為替レート(購買力平価)、金利差、貿易収支、公開市場操作の各影響メカニズムを確認します。
- 日本の相対的物価上昇が円の価値を低下させ「円安」を招くことを照合し、肢1が不適切であると判定します。
- 選択肢 1正解
- 日本の物価が米国と比べて相対的に上昇すると、円の購買力が低下するため、為替相場では一般に円安米ドル高の要因となります。
- 選択肢 2不正解
- 日米の金利差が拡大(米国金利が上昇)すると、より高い利回りを求めて円を売って米ドルを買う動きが強まり、円安米ドル高要因となります。
- 選択肢 3不正解
- 対米貿易赤字の拡大は、米ドルの支払いのための「円売り・米ドル買い」の実需を増加させるため、一般に円安米ドル高の要因となります。
- 選択肢 4不正解
- 日本銀行が国債買入オペで市場の国債を買い入れて資金を供給すると、国債価格の上昇(利回りの低下)や市場の資金余剰を通じて市中金利は低下します。
覚えるポイント
- 相対的な物価上昇=通貨の購買力低下=当該通貨安要因(購買力平価)。
間違えやすいところ
- 物価上昇と通貨価値の上昇・下落の関係を逆に取り違えやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の経済理論・金融政策基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資信託の運用手法
金融資産運用 · 投資信託の運用手法 / バリュー投資 / マーケット・ニュートラル / ボトムアップ・アプローチ
株式投資信託の一般的な運用手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
マーケット・ニュートラル運用(ロング・ショート戦略)では、割安と判断した銘柄を買い(ロング)、割高と判断した銘柄を売る(ショート)ことで、市場全体の変動リスクを相殺し絶対収益を目指します。
解き方
- バリュー投資、ボトムアップ・アプローチ、マーケット・ニュートラル運用の定義を確認します。
- マーケット・ニュートラルにおけるロング対象(割安)とショート対象(割高)の組み合わせが逆になっている肢3を誤りと判定します。
- 選択肢 1不正解
- 財務指標(PBRやPER等)から見て本来の価値よりも株価が割安と評価される銘柄を選定して投資する手法をバリュー投資と呼びます。
- 選択肢 2不正解
- マクロ経済の予測から入るトップダウンとは異なり、個別企業の調査・分析を積み上げて銘柄選択する手法をボトムアップ・アプローチと呼びます。
- 選択肢 3正解
- マーケット・ニュートラル運用は「割安な銘柄を買建て」「割高な銘柄を売建て」して同額程度保有することで市場変動の影響を排除する手法であり、記述は逆です。
- 選択肢 4不正解
- インデックス(ベンチマーク)への連動を目指すパッシブ運用は、個別調査や頻繁な売買が少ないため、アクティブ運用に比べて信託報酬等のコストが低くなります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- マーケット・ニュートラルは「割安買い・割高売り(ロング・ショート)」で市場中立にする。
間違えやすいところ
- ロング(買い)とショート(売り)の対象となる銘柄評価(割安・割高)を取り違えやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の投資理論基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券のデュレーションの性質
金融資産運用 · 債券投資 / デュレーション / 金利感応度 / 割引債券
債券のデュレーションに関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 デュレーションは、債券への投資資金の平均回収期間を表すとともに、債券投資における金利変動リスクの度合い(金利変動に対する債券価格の感応度)を表す指標としても用いられる。他の条件が同一であれば、債券の表面利率が( ア )ほど、また残存期間が長いほど、デュレーションは長くなる。なお、割引債券のデュレーションは、残存期間( イ )。
解答・解説を表示
解答
4
解説
デュレーションはキャッシュフローの現在価値加重平均回収期間です。クーポンが低いほど回収が満期に集中するためデュレーションは長くなり、利払いのない割引債では残存期間そのものと一致します。
解き方
- 表面利率とデュレーションの関係を整理します。クーポンが低いほど中途回収が少なく平均回収期間(デュレーション)は長くなるため、(ア)は「低い」となります。
- 割引債券の特性を整理します。中途利払いがないため投資資金の全額回収時期が満期時点となり、デュレーションは残存期間「と等しくなる」ため、(イ)を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 表面利率が高いほど中途での資金回収が進むためデュレーションは短くなります。したがって(ア)に「高い」を入れるのは誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 割引債券は満期一括でしかキャッシュフローが発生しないため、デュレーションは残存期間と等しくなり、「短くなる」とするのは誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 表面利率が「低い」ほどデュレーションは長くなり、割引債券のデュレーションは残存期間「と等しくなる」ため、両方とも誤りです。
- 選択肢 4正解
- 表面利率が低いほどデュレーションは長くなり、利払いのない割引債券のデュレーションは残存期間と等しくなるため、正しい組み合わせです。
答えの内訳
- ア:低い
- 表面利率(クーポン)が低いほど、中途で受け取る利息の割合が小さく最終償還時の受取割合が大きくなるため、平均回収期間であるデュレーションは長くなります。
- イ:と等しくなる
- 割引債券(ゼロクーポン債)は満期まで利払いがなく、すべてのキャッシュフローを満期時に受け取るため、デュレーションは残存期間と完全に一致します。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- デュレーションは「低クーポン」「長残存期間」「低利回り」ほど長くなる。割引債は残存期間と一致。
間違えやすいところ
- 表面利率が高いほど受取金額が多くて長くなると直感的に誤解しやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の債券投資理論基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
東京証券取引所の市場区分と株価指標
金融資産運用 · 市場区分 / 日経平均株価 / 上場維持基準 / 市場区分変更
東京証券取引所の市場区分等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
日経平均株価(日経225)は、日本経済新聞社が東証プライム市場上場銘柄の中から流動性の高さや業種間のバランスを総合的に考慮して選定した225銘柄を対象に算出される修正平均型の株価指標です。
解き方
- 東証の現行市場区分(プライム・スタンダード・グロース・TOKYO PRO Market)および基準を確認します。
- 日経平均株価の算出対象銘柄の選定基準が「時価総額上位」ではなく「市場流動性とセクターバランスによる選定」であることを確認し、肢2を誤りと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 2022年4月の市場再編により、東証の株式市場はプライム市場、スタンダード市場、グロース市場およびプロ向け市場であるTOKYO PRO Marketの4つとなっています。
- 選択肢 2正解
- 日経平均株価は、プライム市場銘柄の中から流動性や産業バランス等を勘案して日本経済新聞社が選定した225銘柄を対象としており、単なる時価総額上位225銘柄ではありません。
- 選択肢 3不正解
- プライム市場はグローバル投資家向け市場であるため、株主数や流通株式数、流通株式時価総額などの上場維持基準がスタンダードやグロースよりも厳格で高い数値になっています。
- 選択肢 4不正解
- グロース市場の上場企業であっても、事業規模の拡大等によりプライム市場の上場基準等を満たせば、市場区分の変更手続きを行うことができます。
覚えるポイント
- 日経平均株価は単純な時価総額上位225銘柄ではなく流動性等を考慮して選定される。
間違えやすいところ
- 東証の市場区分がプライム・スタンダード・グロースの3つだけ(TOKYO PRO Marketを除外)と誤解しやすい点。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の証券市場規則基準
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資指標の計算
金融資産運用 · ROE / PER / PBR / 配当性向
提供されたX社の財務データ(株価2,700円、発行済株式数0.5億株、売上高2,000億円、経常利益120億円、当期純利益75億円、自己資本2,500億円、配当金総額30億円)に基づき算出される各投資指標に関する記述として、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
株式投資指標は企業の収益性、割安性、株主還元姿勢を測るために用いられます。各指標の定義と計算式を正確に把握することが重要です。
解き方
- 各財務指標の計算式を確認する。ROE=当期純利益÷自己資本、EPS=当期純利益÷発行済株式数、PER=株価÷EPS、BPS=自己資本÷発行済株式数、PBR=株価÷BPS、配当性向=配当金総額÷当期純利益。
- 与えられた数値を各算式に代入して計算を行い、各選択肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- ROEは当期純利益75億円÷自己資本2,500億円×100=3.0%となるため、3.75%とする本記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 1株当たり当期純利益(EPS)は75億円÷0.5億株=150円であり、PERは株価2,700円÷150円=18倍となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 1株当たり純資産(BPS)は2,500億円÷0.5億株=5,000円であり、PBRは株価2,700円÷5,000円=0.54倍となり適切です。
- 選択肢 4不正解
- 配当性向は配当金総額30億円÷当期純利益75億円×100=40%となり適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- ROE=当期純利益÷自己資本
- PER=株価÷EPS(当期純利益/株式数)
- PBR=株価÷BPS(純資産/株式数)
間違えやすいところ
- ROEの分子に経常利益や売上高を誤って代入してしまう計算ミス。
- 配当利回りと配当性向の計算式の混同。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外国株式の取引と制度
金融資産運用 · 外国株式 / 投資者保護基金 / 受渡日 / ディスクロージャー
外国株式の取引の一般的な仕組みや特徴に関する記述として、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
国内の金融商品取引業者(証券会社)が破綻した場合、分別管理が義務付けられている顧客資産について返還が円滑に行われないときは、日本投資者保護基金が1人当たり最高1,000万円まで補償します。これには外国株式も含まれます。
解き方
- 各選択肢の外国株式取引に関する制度的取り決め(口座区分、保護基金、受渡期日、法定開示)を確認する。
- 投資者保護基金の補償対象資産の範囲を検討し、外国株式が補償対象外とされている誤りを見つける。
- 選択肢 1不正解
- 国内店頭取引を含め、外国株式の取引を行うにあたっては、事前に外国証券取引口座を開設する必要があります。
- 選択肢 2正解
- 国内の証券会社を通じて取引・保管されている外国株式は、国内株式と同様に日本投資者保護基金の補償対象(上限1,000万円)となります。
- 選択肢 3不正解
- 国内取引所に上場する外国株式の国内委託取引の受渡日は、国内株式と同様に約定日から起算して3営業日目(T+2)です。
- 選択肢 4不正解
- 国内取引所に上場している外国株式等の一部を除き、一般の外国株式には金融商品取引法に基づく開示制度は適用されず、外国証券情報が交付されます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 日本投資者保護基金は国内証券会社に預託された外国株式も上限1,000万円まで補償対象。
- 国内取引所の株式受渡日は約定日から起算して3営業日目。
間違えやすいところ
- 外国株式だからという理由で投資者保護基金の対象外であると勘違いすること。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオ理論の基礎
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / アセットアロケーション / リバランス / リスクパリティ
ポートフォリオ理論の一般的な考え方等に関する記述として、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
ポートフォリオ運用では、資産配分の維持やリスク管理のために定期的な調整が行われます。リバランスは当初のアセットアロケーションの比率を回復させるため、相対的に上昇した資産を売り、下落した資産を買う逆張りの調整を行います。
解き方
- リバランスの基本定義(当初比率への復元手法)を確認する。
- 記述における値上がり資産と値下がり資産の売買方向が逆になっていることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 現代ポートフォリオ理論では、同一の期待リターンであればよりリスクが小さいポートフォリオを選ぶリスク回避的投資家を前提としています。
- 選択肢 2不正解
- アセットアロケーションとは、リスクやリターンの特性が異なる複数の資産クラスに投資資金を配分することを指します。
- 選択肢 3正解
- リバランスは比率を元に戻す手法であるため、値上がりして構成比が高まった資産を売却し、値下がりして構成比が低下した資産を購入します。
- 選択肢 4不正解
- リスクパリティ戦略では各資産のリスク寄与度を均等に保つため、ボラティリティ(リスク)が上昇した資産の保有比率を引き下げる(売却する)運用を行います。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- リバランスは「値上がりした資産を売却し、値下がりした資産を購入」して元の比率に戻すこと。
間違えやすいところ
- リバランスを「値上がりした調子の良い資産をさらに買い増す順張り」と誤解すること。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオの期待収益率の計算
金融資産運用 · ポートフォリオの期待収益率 / 加重平均
提示された表(預金の期待収益率0.1%・見直し前構成比60%・見直し後20%、債券の期待収益率2.0%・見直し前20%・見直し後30%、株式の期待収益率8.0%・見直し前20%・見直し後50%)に基づき、見直し後の期待収益率から見直し前の期待収益率を差し引いた差として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
ポートフォリオ全体の期待収益率は、各資産の期待収益率にその構成比率(投資比率)を掛け合わせたものの合計(加重平均)として算出されます。
解き方
- 見直し前の期待収益率を加重平均により計算する:0.1%×60%+2.0%×20%+8.0%×20%=0.06%+0.40%+1.60%=2.06%。
- 見直し後の期待収益率を加重平均により計算する:0.1%×20%+2.0%×30%+8.0%×50%=0.02%+0.60%+4.00%=4.62%。
- 見直し後の期待収益率から見直し前の期待収益率を差し引く:4.62%-2.06%=2.56%。
- 選択肢 1不正解
- 標準偏差などを誤って組み合わせて計算した誤った数値です。
- 選択肢 2不正解
- 見直し前のポートフォリオ期待収益率(2.060%)そのものであり、差額ではありません。
- 選択肢 3正解
- 見直し後4.620%-見直し前2.060%=2.560%となり、正確に差額を求めています。
- 選択肢 4不正解
- 見直し後のポートフォリオ期待収益率(4.620%)そのものであり、差額ではありません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- ポートフォリオの期待収益率は各資産の「期待収益率×構成比」の合計(加重平均)。標準偏差は計算に使用しない。
間違えやすいところ
- 問題文にある標準偏差を期待収益率の計算に混同して用いてしまうこと。
- 見直し後の数値そのものや見直し前の数値そのものを答えてしまうミス。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISA(少額投資非課税制度)の仕組み
金融資産運用 · NISA / 株式数比例配分方式 / 損益通算 / 金融機関変更
少額投資非課税制度(NISA)に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、本問における法令等の基準日は2022年10月1日現在とする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
NISA口座では譲渡益や配当金が非課税となる一方、譲渡損失は税務上ないものとみなされるため損益通算や繰越控除ができません。また、上場株式の配当金を非課税とするには「株式数比例配分方式」の選択が必須です。
解き方
- 上場株式の配当金非課税要件(株式数比例配分方式)と選択肢1を照合する。
- NISA口座の譲渡損失の損益通算可否と選択肢2を照合する。
- 成人年齢引き下げに伴う2023年開設可能年齢(18歳以上)と選択肢3を照合する。
- 金融機関変更の手続き受付期間(前年10月1日~当年9月30日)を確認し、選択肢4が適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税とするには「株式数比例配分方式」を選択する必要があり、登録配当金受領口座方式では課税されます。
- 選択肢 2不正解
- NISA口座で生じた譲渡損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座や一般口座の譲渡益との損益通算はできません。
- 選択肢 3不正解
- 民法の成年年齢引き下げに伴い、2023年1月1日時点で18歳以上の者がNISA口座(一般・つみたて)を開設可能です。
- 選択肢 4正解
- NISA口座の開設金融機関を変更する場合、変更したい年分の前年10月1日からその年分の属する年の9月30日までに変更手続きを行う必要があります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- NISAの配当金非課税は「株式数比例配分方式」が必須。
- NISA口座内の売却損は損益通算・繰越控除が一切できない。
間違えやすいところ
- 登録配当金受領口座方式でも非課税になると勘違いすること。
- 損失が生じた際に確定申告すれば損益通算できると思い込むこと。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融取引に係る関係法規
金融資産運用 · 金融サービス仲介業 / 金融商品取引法 / 消費者契約法
金融商品の取引等に係る各種法令に関する記述として、最も不適切なものを1つ選びなさい。なお、「金融サービスの提供に関する法律」を金融サービス提供法という。
解答・解説を表示
解答
1
解説
金融サービス仲介業は1つの登録で銀行・証券・保険・貸金のすべての分野の仲介業務を行える制度ですが、取り扱える商品は日常的で比較的簡易なものに限られ、高度な専門性を要する複雑・リスクの高い商品は除外されています。
解き方
- 金融サービス仲介業の制度概要と取扱可能商品の範囲を確認する。
- 選択肢1が「高度に専門的な説明を必要とする金融サービスの仲介が認められている」としている誤りを見抜く。
- 選択肢 1正解
- 金融サービス仲介業者は、特定の金融機関への所属を不要とする反面、顧客保護のため高度に専門的な説明を要する商品の仲介は禁止されています。
- 選択肢 2不正解
- 金融商品取引法において、契約締結前には手数料やリスク等の重要事項を記載した契約締結前交付書面の交付が義務付けられています。
- 選択肢 3不正解
- 総合取引所化に伴い、大阪取引所等で取り扱われる金・白金などの商品関連デリバティブ取引も金融商品取引法の適用対象となっています。
- 選択肢 4不正解
- 消費者契約法に基づき、事業者の不実告知や断定的判断の提供、不退去等の行為により消費者が誤認・困惑して行った契約の申込みや承諾は取り消すことができます。
覚えるポイント
- 金融サービス仲介業はワンストップ仲介が可能だが、高度に専門的な説明を要する商品は取り扱えない。
間違えやすいところ
- 金融サービス仲介業がすべての金融商品を無制限に仲介できると誤認すること。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
税制の基本構造と分類
タックスプランニング · 直接税と間接税 / 国税と地方税 / 申告納税方式と賦課課税方式 / 所得の分類
わが国の税制に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
租税はその性質に応じて「国税と地方税(課税権者別)」、「直接税と間接税(担税者と納税義務者の関係別)」、「申告納税方式と賦課課税方式(税額決定方式別)」などに分類されます。
解き方
- 各選択肢の税の分類および基本制度(所得区分数、納税方式、直接/間接、国税/地方税)を照合する。
- 所得税の所得区分が10種類であること、相続税が申告納税方式であること、固定資産税が地方税で登録免許税が国税であることを確認し、選択肢3の正しさを確定する。
- 選択肢 1不正解
- 所得税における所得の種類は、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類に区分されます(8種類ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 相続税は納税者が自ら税額を計算して申告納付する「申告納税方式」を採用しています(税務署長が決定する賦課課税方式ではありません)。
- 選択肢 3正解
- 相続税は納税義務者と税金を負担する者が一致する直接税であり、消費税は事業者が納付し消費者が負担する間接税です。
- 選択肢 4不正解
- 固定資産税は市町村が課税する地方税であり、登録免許税は国に納付する国税であるため、記述は逆になっています。
覚えるポイント
- 所得税の所得区分は10種類。
- 相続税・贈与税は申告納税方式かつ直接税。
- 固定資産税は地方税、登録免許税は国税。
間違えやすいところ
- 住民税や固定資産税のような賦課課税方式と、所得税・法人税・相続税・贈与税の申告納税方式の混同。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額の計算方法
タックスプランニング · 利子所得 / 不動産所得 / 一時所得 / 退職所得
所得税における各種所得の金額の計算方法に関する記述として、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税の各所得区分では、収入から控除できる必要経費や控除額が定められています。利子所得は必要経費の概念がなく、収入金額がそのまま所得金額となります。配当所得では元本取得のための負債利子の控除が認められる場合がありますが、利子所得には認められません。
解き方
- 利子所得、不動産所得、一時所得、退職所得の計算規定を確認する。
- 利子所得の計算式において必要経費(負債の利子)を差し引くとしている誤りを特定する。
- 選択肢 1正解
- 利子所得の金額の計算上、必要経費は認められておらず、収入金額がそのまま利子所得の金額となります(負債の利子は控除できません)。
- 選択肢 2不正解
- 不動産所得の金額は、原則として総収入金額から必要経費を控除して計算されます。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の金額は、総収入金額からその収入を得るために直接要した支出額を差し引き、さらに最高50万円の特別控除額を差し引いて計算します。
- 選択肢 4不正解
- 退職所得の金額は、一般の場合、(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2により算出されます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 利子所得=収入金額そのもの(必要経費・負債利子は引けない)。
- 配当所得では株式取得のための負債利子を控除可能。
間違えやすいところ
- 配当所得で認められている「元本取得要負債利子の控除」が利子所得でも認められると混同すること。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の損益通算
タックスプランニング · 損益通算 / 不動産所得 / 事業所得 / 雑所得
所得税における損益通算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税において損益通算の対象となる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(富士山譲渡)の4つの所得から生じた赤字に限られます。ただし、これらの所得であっても土地取得に係る負債利子や生活に通常必要でない資産の損失など、一部の損失は通算対象から除外されます。
解き方
- 損益通算が認められている所得の種類(不動産・事業・山林・譲渡)を確認する。
- 例外規定(不動産所得における土地取得のための負債利子、分離課税の雑所得、一時所得の損失不可など)に該当しないか判断する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産所得の損失のうち、土地等の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象外とされています。
- 選択肢 2不正解
- 先物取引に係る雑所得は申告分離課税であり、その損失は他の総合課税の所得(不動産所得等)と損益通算することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の金額の計算上生じた損失は、他の所得と損益通算することが認められていません。
- 選択肢 4正解
- 農業から生じる事業所得の赤字は事業所得の損失に該当するため、不動産所得等の他の所得の金額と損益通算することができます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 損益通算ができる所得は「不・事・山・譲(富士山譲渡)」
- 不動産所得の赤字のうち土地取得に係る借入金利子は通算対象外
間違えやすいところ
- 一時所得や雑所得で損失が生じた場合でも他の所得と損益通算できると勘違いしやすいです。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除の種類と取扱い
タックスプランニング · 所得控除 / 社会保険料控除 / 医療費控除 / 小規模企業共済等掛金控除
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得控除は納税者の個人的な事情を考慮して所得金額から一定額を控除する制度です。社会保険料控除には国民年金基金の掛金が含まれますが、確定拠出年金の掛金は小規模企業共済等掛金控除に区分されるなど、掛金の種類に応じた制度区分を正確に把握する必要があります。
解き方
- 各支出項目(医療費、医薬品購入費、公的年金掛金、私的年金掛金)がどの所得控除に該当するかを確認する。
- 控除額の計算方法(全額控除か、足切り限度額があるか)を適用して正誤を判別する。
- 選択肢 1不正解
- 医療費控除の控除額は「支払った医療費の総額-保険金等で補填される金額-10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)」であり、支払った全額を控除できるわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- セルフメディケーション税制における控除額は、支払った特定一般用医薬品等購入費から1万2,000円を控除した額(上限8万8,000円)であり、全額控除ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)の掛金は、社会保険料控除ではなく「小規模企業共済等掛金控除」として全額控除の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 納税者が支払った国民年金基金の掛金は、その全額が社会保険料控除の対象として総所得金額等から控除されます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 国民年金基金の掛金は「社会保険料控除」
- iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」
間違えやすいところ
- 国民年金基金掛金とiDeCo掛金の両方を社会保険料控除や小規模企業共済等掛金控除と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件
タックスプランニング · 住宅ローン控除 / 居住用割合 / 床面積要件 / 重複適用の禁止
所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、2023年3月に住宅ローンを利用して住宅を取得し、同年中にその住宅を居住の用に供したものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
住宅ローン控除の適用対象となる家屋は、登記簿上の床面積が原則50㎡以上(所得制限付き特例で40㎡以上)かつ、床面積の2分の1以上が専ら自己の居住用でなければなりません。また、取得後6か月以内の入居要件や、居住用財産の譲渡所得に係る特例との重複適用排除規定があります。
解き方
- 住宅ローン控除の床面積および居住割合の要件を照合する(居住用割合は1/2以上)。
- 入居期限(6か月以内)、中古住宅の建築時期基準(1982年1月1日以降)、譲渡特例との併用制限などの要件を確認し、誤っている肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローン控除を受けるためには、原則として新築または取得の日から6カ月以内に居住の用に供し、適用を受ける年分の12月31日まで引き続き居住している必要があります。
- 選択肢 2正解
- 併用住宅などの場合、もっぱら自己の居住の用に供される部分は床面積の「2分の1以上」で足りるため、「3分の2以上」とする記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 既存(中古)住宅の場合、新耐震基準に適合していること(1982年1月1日以後に建築されたもの、または耐震基準適合証明書等があるもの)が要件となります。
- 選択肢 4不正解
- 居住年に居住用財産を譲渡した際の3,000万円特別控除の適用を受ける場合は、住宅ローン控除との重複適用は認められません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の居住割合要件は「2分の1以上」
- 3,000万円特別控除等の譲渡特例とは重複適用不可
間違えやすいところ
- 居住用割合を「3分の2以上」や「4分の3以上」と誤って覚えてしまうケースがあります。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の仕組みと手続き
タックスプランニング · 法人税 / 納税地 / 異動届出 / 確定申告期限 / 軽減税率
法人税の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
内国法人の法人税の納税地は原則として本店または主たる事務所の所在地です。事業年度終了の日の翌日から2か月以内に確定申告書を提出する必要があります。納税地が移転した場合は異動前の所轄税務署長へ届出を行います。
解き方
- 納税地の原則(本店所在地)および異動時の手続を確認する。
- 確定申告書の提出期限(事業年度終了の翌日から2か月以内)と中小法人の軽減税率適用限度額(年800万円以下)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 内国法人の法人税の納税地は、代表者の住所地ではなく、原則として「本店または主たる事務所の所在地」です。
- 選択肢 2正解
- 内国法人の納税地に異動があった場合、遅滞なく異動前の納税地の所轄税務署長に「異動届出書」を提出しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 法人税の確定申告書は、原則として各事業年度終了の日の翌日から「2ヵ月以内」に提出しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 期末資本金1億円以下の普通法人の軽減税率は、年所得「800万円以下」の部分に適用され、1,000万円ではありません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 法人税の確定申告期限は事業年度終了の翌日から「2か月以内」
- 中小法人の軽減税率は所得年「800万円以下」に適用
間違えやすいところ
- 法人税の申告期限を所得税と同様のイメージで1か月以内と勘違いしやすいです。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の損金算入・不算入
タックスプランニング · 法人税 / 損金算入 / 損金不算入 / 租税公課 / 罰科金
法人税の損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税の計算において、納付した租税公課のうち、法人税や法人住民税の本税は損金不算入となります。一方、法人事業税は損金算入が認められます。また、法令違反に対して課される罰金・科料・交通反則金等は、政策的見地から損金不算入とされます。
解き方
- 納付した各租税公課(法人税、法人住民税、法人事業税)の損金算入の可否を整理する。
- 行政罰・刑事罰としての反則金・罰金の損金不算入の原則を確認し、誤っている記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 法人が納付した法人税の本税は、所得に対する課税そのものであるため、損金の額に算入できません。
- 選択肢 2正解
- 法人が納付した法人住民税(道府県民税・市町村民税)の本税は、損金の額に算入することができません。
- 選択肢 3不正解
- 法人が納付した法人事業税の本税は、申告書が提出された事業年度の損金の額に算入することができます。
- 選択肢 4不正解
- 法人が負担した従業員の交通違反に係る交通反則金や罰金等は、税制上のペナルティ効果を減殺させないため損金の額に算入できません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 法人税・法人住民税の本税は「損金不算入」
- 法人事業税の本税は「損金算入」できる
間違えやすいところ
- 地方税である法人住民税と法人事業税の取扱いを逆に覚えてしまうミスが多いです。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の課税関係と簡易課税制度
タックスプランニング · 消費税 / 非課税取引 / 新設法人 / 簡易課税制度 / 確定申告期限
消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
消費税における簡易課税制度は、中小事業者の事務負担軽減のための制度であり、基準期間における課税売上高が5,000万円以下である課税期間について届出書を事前に提出することで適用可能です。また、新設法人の資本金基準(1,000万円以上は免税不可)や個人事業者の申告期限(翌年3月31日)などのルールが定められています。
解き方
- 簡易課税制度の要件である基準期間の課税売上高の上限(5,000万円以下)を確認する。
- 土地の非課税性、資本金1,000万円以上の新設法人、個人事業者の消費税申告期限等の各選択肢の正誤を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 土地の譲渡や貸付け(一時的な利用等を除く)は、消費税の非課税取引に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 新たに設立した普通法人で、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人は、基準期間のない事業年度であっても納税義務が免除されません。
- 選択肢 3正解
- 簡易課税制度の適用を受けられるのは、基準期間における課税売上高が「5,000万円以下」の事業者であり、1億円の事業者は適用を受けられません。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業者の消費税の確定申告書の提出期限および納期限は、原則として課税期間の翌年3月31日です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 簡易課税制度が適用できる基準期間の課税売上高は「5,000万円以下」
- 個人事業者の消費税確定申告期限は「翌年3月31日」
間違えやすいところ
- 個人事業者の所得税申告期限(3月15日)と消費税申告期限(3月31日)を取り違える間違いがよく見られます。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務
タックスプランニング · 役員間取引 / 役員退職金 / 低額譲渡 / 社宅貸与 / 経済的利益
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
会社と役員間の取引では、独立第三者間取引と異なり恣意的な利益移転が生じやすいため、時価や適正利息を基準に課税関係が調整されます。会社から役員に供与された無償社宅や無利息融資などの経済的利益は、役員に対する「給与所得(現物給与)」として取り扱われます。
解き方
- 役員社宅の無償供与がもたらす経済的利益の所得区分(給与所得)を確認する。
- 役員退職金の損金算入、無利息貸付けの認定利息、低額譲渡におけるみなし譲渡課税の各ルールを検証する。
- 選択肢 1不正解
- 適法な手続きを経て支給された役員退職金は、不相当に高額な部分を除き、法人の損金の額に算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 役員に対する無利息融資では、通常受け取るべき適正利息相当額が会社の益金に算入され、同額が役員への給与(損金不算入)と認定されます。
- 選択肢 3不正解
- 個人である役員が法人に対して時価の2分の1未満の低額で土地を譲渡した場合、時価で譲渡があったものとみなされて譲渡所得が計算されます。
- 選択肢 4正解
- 役員が社宅に無償で居住している場合、通常の賃料相当額は雑所得ではなく「給与所得」の収入金額に算入されます。
覚えるポイント
- 役員が会社から受ける経済的利益は「給与所得」
- 時価の1/2未満で法人に譲渡すると「みなし譲渡所得課税」
間違えやすいところ
- 役員への現物給与や経済的利益を「雑所得」や「一時所得」と誤認してしまうケースがあります。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務諸表の一般的な特徴と構造
タックスプランニング · 損益計算書 / 経常利益 / 貸借対照表 / キャッシュフロー計算書
損益計算書、貸借対照表およびキャッシュフロー計算書の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
損益計算書(P/L)の段階利益は、売上総利益、営業利益(売上総利益-販管費)、経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)、税引前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)、当期純利益の順に計算されます。特別損益が反映されるのは税引前当期純利益です。
解き方
- 損益計算書の各利益の計算順序と区分項目を思い出す。
- 経常利益に営業外損益が加減されること、特別損益が加減されるのは税引前当期純利益であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 損益計算書において、営業利益は「売上総利益-販売費及び一般管理費」で計算されます。
- 選択肢 2正解
- 経常利益は「営業利益+営業外収益-営業外費用」で計算されます。営業利益に特別利益・特別損失を加減するものではありません。
- 選択肢 3不正解
- 貸借対照表では常に「資産の部=負債の部+純資産の部」という貸借平均の等式が成り立ちます。
- 選択肢 4不正解
- キャッシュフロー計算書は、企業の一会計期間における現金および現金同等物の収入と支出(資金の増減)を示す計算書です。
覚えるポイント
- 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
- 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失
間違えやすいところ
- 経常利益と税引前当期純利益に加減される項目(営業外損益と特別損益)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の鑑定評価手法
不動産 · 不動産鑑定評価基準 / 原価法 / 取引事例比較法 / 収益還元法
不動産鑑定評価基準に規定されている不動産の価格を求める鑑定評価手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産の鑑定評価における価格を求める三手法には、原価面に着目する原価法、市場での取引事例に着目する取引事例比較法、生み出す収益に着目する収益還元法があり、適切に適用・試算します。
解き方
- 各選択肢に記載されている鑑定評価手法(収益還元法、直接還元法、原価法、取引事例比較法)の定義・要件を確認する。
- 取引事例比較法における取引時点と価格時点との乖離に対する時点修正の必要性について照合し、誤りを含む肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 収益還元法は、賃貸用不動産のみならず自己用不動産を含め、文化財指定建造物等の一般に市場性を有しない不動産を除いて基本的にすべての不動産に適用すべきとされています。
- 選択肢 2不正解
- 収益還元法のうち直接還元法は、対象不動産のある一期間の純収益を還元利回りで還元して収益価格を求める手法であり、適切な記述です。
- 選択肢 3不正解
- 原価法は、価格時点において対象不動産を再調達した場合に要する原価(再調達原価)を求め、減価修正を行って積算価格を求める手法です。
- 選択肢 4正解
- 取引事例の取引時点と評価対象の価格時点の間に価格水準の変動がある場合は、取引事例の価格について時点修正を行う必要があるため不適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 取引事例比較法では、事情補正および時点修正を行って比準価格を求める。
間違えやすいところ
- 時点修正は価格変動がある場合に必須の手続きであり、修正不要とする記述に注意する。
出題の前提:不動産鑑定評価基準(価格を求める手法)
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法
不動産 · 媒介報酬限度額 / 手付金の制限 / 手付解除 / 専任媒介契約
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業法は、一般消費者等の保護のため、媒介報酬の上限額、自ら売主となる場合の各種制限(手付額の制限、手付解除等)、媒介契約の有効期間などを厳格に定めています。
解き方
- 貸借の媒介報酬の上限規制(借賃の1か月分+消費税等)を確認し、選択肢1の「2か月分」の誤りを判断する。
- 自ら売主制限(手付の額の制限、解約手付)および専任媒介契約の有効期間規制が正しいことを確認する。
- 選択肢 1正解
- 宅地建物取引業者が建物の貸借媒介で依頼者の双方から受取れる報酬合計額の上限は、借賃の「1ヵ月分」+消費税等であり、2ヵ月分ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 宅建業者が自ら売主となる場合、売買代金の10分の2(20%)を超える手付金を受領することは禁止されています。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業者が自ら売主となる場合、受領した手付はいかなる性質であっても解約手付とみなされ、相手方が履行に着手する前であれば手付の倍額を現実に提供して契約解除ができます。
- 選択肢 4不正解
- 専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)の有効期間は最長3ヵ月であり、3ヵ月を超える期間を定めたときは3ヵ月とされます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 貸借媒介の報酬合計額の上限は借賃の1か月分(+消費税等)。
間違えやすいところ
- 売買の媒介報酬上限の計算式(速算式:代金400万円超の場合3%+6万円)と貸借の報酬限度額(1ヵ月分)を混同しない。
出題の前提:宅地建物取引業法第34条の2、第39条、第46条
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買契約に係る民法の規定
不動産 · 二重譲渡と登記 / 危険負担 / 共有持分の譲渡 / 履行不能による解除
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
民法上の不動産売買では、物権変動の対抗要件(登記)、当事者双方の責めに帰することができない滅失等に伴う危険負担(代金支払拒絶権)、共有持分の自由処分権、履行不能時の無催告解除権が規律されています。
解き方
- 不動産の二重譲渡では登記を備えた者が優先することを確認する(肢1の誤り)。
- 目的物の滅失における危険負担では買主は代金支払を拒絶できることを確認する(肢2の誤り)。
- 各共有者は自己の持分を単独で自由に譲渡できることを確認する(肢3の誤り)。
- 引渡債務の全部が履行不能となったときは買主は無催告で直ちに契約解除できることを確認する(肢4が適切)。
- 選択肢 1不正解
- 不動産の二重売買において、譲受人相互間での権利の優劣は契約の先後ではなく、先に対抗要件(所有権移転登記)を備えた者が所有者となります。
- 選択肢 2不正解
- 当事者双方の責めに帰することができない事由により目的物が滅失した場合、買主は売主からの代金請求に対して支払いを拒むことができます。
- 選択肢 3不正解
- 共有物全体の処分には共有者全員の同意が必要ですが、各共有者が自己の持分のみを譲渡する場合は他の共有者の同意は不要で自由に譲渡できます。
- 選択肢 4正解
- 買主の責めに帰することができない事由によって引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は催告を要せず直ちに契約を解除できます。
覚えるポイント
- 債務の全部の履行が不能となった場合は、催告なしで直ちに契約解除できる。
間違えやすいところ
- 共有物全体の変更・処分には全員の同意が必要だが、自己の持分の処分は単独で自由に行える。
出題の前提:民法第177条、第536条、第542条、第206条等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(借地権)
不動産 · 一般定期借地権 / 普通借地権 / 存続期間 / 法定更新
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条の借地権を一般定期借地権といい、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
解答・解説を表示
解答
2
解説
借地借家法における借地権には普通借地権と定期借地権等があり、存続期間や更新の有無、利用目的の制限について各類型ごとの要件が規定されています。
解き方
- 一般定期借地権の使途制限(使途制限はなく事業用建物でも可能)を確認する。
- 一般定期借地権の存続期間が「50年以上」であることを確認する(肢2が適切)。
- 普通借地権の存続期間(当初30年だが契約でそれ以上の長期を定めることは有効)を確認する。
- 普通借地権の請求による法定更新には「借地上に建物が存在すること」が必要であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 一般定期借地権には建物の用途制限はなく、居住用だけでなく事業用建物の所有を目的として設定することも可能です。
- 選択肢 2正解
- 借地借家法第22条に規定される一般定期借地権の存続期間は、50年以上としなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 普通借地権の存続期間は原則30年ですが、契約でこれより長い期間を定めることは有効です(30年未満を定めた場合は30年とされる)。
- 選択肢 4不正解
- 借地権者の更新請求による法定更新は、「建物がある場合」に限り認められるため、建物があるかどうかにかかわらず更新されるわけではありません。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 一般定期借地権は用途制限なし・期間50年以上・公正証書等の書面で契約。
間違えやすいところ
- 事業用定期借地権等は専ら事業の用に供する建物に限られるが、一般定期借地権は事業用にも利用できる。
出題の前提:借地借家法第3条、第5条、第22条
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法
不動産 · 区域区分 / 防火地域・準防火地域 / 開発許可の特例 / 農林漁業用建築物
都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
都市計画法では、都市計画区域における区域区分や地域地区の指定ルール、ならびに乱開発防止のための開発許可制度および各種適用除外事由を定めています。
解き方
- 区域区分(線引き)が全国すべての都市計画区域で義務付けられているかを確認する(非線引き区域があるため義務ではない)。
- 用途地域における防火地域・準防火地域の指定義務の有無を確認する(必要に応じて定める地域地区であり義務ではない)。
- 市街化調整区域における農林漁業従事者の居住用建築物の開発許可不要要件を確認する(肢3が適切)。
- 土地区画整理事業等の公的事業の施行として行われる開発行為の許可不要規定を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 区域区分(市街化区域と市街化調整区域の区分)は、三大都市圏等一定の区域を除き必ず定めなければならないものではなく、区分を定めていない非線引き都市計画区域もあります。
- 選択肢 2不正解
- 防火地域および準防火地域は、火災の危険を防除するため市街地において必要があるときに都市計画で定める地域地区であり、用途地域内に必ず定めなければならないものではありません。
- 選択肢 3正解
- 市街化調整区域等において、農業・林業・漁業を営む者の居住用建築物や農林漁業用施設を建築するための開発行為は、開発許可を受ける必要がありません。
- 選択肢 4不正解
- 土地区画整理事業、市街地再開発事業などの施行として行う開発行為は、都市計画法上の開発許可を受ける必要がありません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 農林漁業用の建築物および農林漁業従事者の居住用建築物の開発行為は、市街化調整区域等で開発許可不要。
間違えやすいところ
- 市街化区域では農林漁業用建築物であっても一定規模以上の場合は開発許可が必要となる点と混同しない。
出題の前提:都市計画法第7条、第9条、第29条
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法の規定
不動産 · 道路後退(セットバック) / 低層住居専用地域の高さ制限 / 日影規制 / 防火地域・準防火地域
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
建築基準法では、敷地と道路の関係(セットバック部分の敷地面積からの除外)、用途地域ごとの高さ制限(低層住居専用地域の絶対的高さ制限、日影規制の対象区域指定)、複数地域にわたる防火規制などを定めています。
解き方
- セットバック部分の敷地面積算入の可否を確認する(算入不可で適切)。
- 低層住居専用地域・田園住居地域における絶対的高さ制限(10mまたは12m)を確認する(適切)。
- 日影規制の指定対象外区域(商業地域、工業地域、工業専用地域)を確認し、近隣商業地域は対象にできるため肢3が不適切と判断する。
- 建築物が防火・準防火地域にまたがる場合の原則(厳しい方である防火地域が全体に適用)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 2項道路において道路境界線とみなされる線まで後退したセットバック部分は道路とみなされ、建蔽率・容積率算定の敷地面積に算入できません。
- 選択肢 2不正解
- 第一種・第二種低層住居専用地域および田園住居地域内の建築物の高さは、原則として都市計画で定められた10mまたは12mの限度を超えてはなりません。
- 選択肢 3正解
- 日影規制の対象外とされている用途地域は「商業地域」「工業地域」「工業専用地域」の3つです。近隣商業地域は条例で指定することが可能です。
- 選択肢 4不正解
- 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、原則としてより厳しい「防火地域」の規定がその全部に適用されます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 日影規制の対象外となる用途地域は「商業地域」「工業地域」「工業専用地域」の3つ。
間違えやすいところ
- 近隣商業地域と商業地域を混同しやすい。商業地域は日影規制対象外だが、近隣商業地域は対象に指定できる。
出題の前提:建築基準法第42条第2項、第55条、第56条の2、第65条
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税および都市計画税
不動産 · 固定資産税の納税義務 / 小規模住宅用地の課税標準の特例 / 都市計画税の課税対象 / 都市計画税の制限税率
不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
固定資産税・都市計画税は市町村税であり、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。住宅用地には税負担軽減のための課税標準の特例(小規模住宅用地と一般住宅用地)が設けられています。
解き方
- 固定資産税の賦課期日(1月1日)ルールと年中途滅失時の納税義務を確認する(肢1は適切)。
- 住宅用地の課税標準の特例割合(固定資産税の小規模住宅用地は価格の6分の1)を確認し、肢2が不適切と判断する。
- 都市計画税の課税対象(原則として市街化区域内の土地・家屋)を確認する(肢3は適切)。
- 都市計画税の税率(制限税率0.3%)を確認する(肢4は適切)。
- 選択肢 1不正解
- 固定資産税は毎年1月1日現在の所有者に課税されるため、年の中途で家屋を取り壊した場合であっても、その年度分の全額を納付する義務があります。
- 選択肢 2正解
- 固定資産税における住宅用地の課税標準の特例では、住宅1戸当たり200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は価格の「6分の1」相当額となります。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画税は、原則として都市計画法による市街化区域内に所在する土地や家屋の所有者に対して課されます。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画税の税率は各市町村等の条例で定められますが、地方税法上の制限税率である0.3%を超えることはできません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 小規模住宅用地(200㎡以下):固定資産税は1/6、都市計画税は1/3。
間違えやすいところ
- 固定資産税の「6分の1(200㎡以下)・3分の1(200㎡超)」と都市計画税の「3分の1(200㎡以下)・3分の2(200㎡超)」の軽減割合を取り違えない。
出題の前提:地方税法第349条の3の2、第359条、第702条等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人の土地譲渡所得
不動産 · 譲渡所得の税率 / 長期譲渡所得・短期譲渡所得 / 相続取得時の所有期間引継ぎ / 譲渡費用の範囲
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
個人が土地・建物を譲渡したときの譲渡所得は分離課税となり、譲渡した年の1月1日における所有期間が5年超か5年以下かによって長期譲渡所得と短期譲渡所得に区分され、それぞれ異なる税率が適用されます。
解き方
- 相続による取得時の所有期間引継ぎルールを確認する(被相続人の取得時期を引き継ぐため適切)。
- 長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率を確認する(長期:計20.315%、短期:計39.63%)。
- 肢2の税率が短期譲渡所得のものであることを特定し、不適切と判断する。
- 所有期間の判定基準日(譲渡した年の1月1日)および仲介手数料の譲渡費用該当性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 相続等により取得した土地の所有期間を判定する場合、被相続人の取得の日がそのまま引き継がれます。
- 選択肢 2正解
- 長期譲渡所得に対する税率は、原則として所得税15.315%(復興特別所得税を含む)、住民税5%の合計20.315%です。30.63%および住民税9%(合計39.63%)は短期譲渡所得の税率です。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下である場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得に区分されます。
- 選択肢 4不正解
- 土地の売却のために直接要した不動産業者への仲介手数料は、譲渡所得の計算上、譲渡費用に含まれます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 長期譲渡所得(所有期間5年超)の税率は所得税15.315%+住民税5%=20.315%。
間違えやすいところ
- 短期譲渡所得の税率(所得税30.63%+住民税9%=39.63%)と長期譲渡所得の税率を取り違えない。
出題の前提:租税特別措置法第31条、第32条、所得税法第60条
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産賃貸に係る所得税の取扱い
不動産 · 不動産所得 / 減価償却 / 必要経費 / 事業的規模
不動産賃貸に係る所得税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産所得の金額は「総収入金額-必要経費」で計算されます。減価償却費の計算において、1998年4月1日以後に取得した建物の償却方法は定額法のみに限定されており、定率法は選択できません。
解き方
- 1998年4月1日以後に取得した建物の減価償却方法が定額法のみである点を確認します。
- 所得税・住民税が必要経費不算入であること、賃貸料の収入計上時期、5棟10室基準による事業的規模の判定ルールをそれぞれ確認します。
- 選択肢 1正解
- 1998年4月1日以後に取得した建物の減価償却方法は定額法のみが適用され、定率法を選択することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 所得税および住民税は個人的な税金であるため、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 不動産所得の賃貸料収入の計上時期は、契約等によって支払日が定められている場合は、原則としてその定められた支払日となります。
- 選択肢 4不正解
- アパートやマンション等の貸付けが事業的規模であるかどうかは、独立した室数が概ね10室以上(いわゆる5棟10室基準)である場合に事業的規模として取り扱われます。
覚えるポイント
- 1998年4月1日以後取得の建物は定額法のみ(2016年4月1日以後取得の建物附属設備・構築物も定額法のみ)
間違えやすいところ
- 事業用資産の固定資産税等は必要経費になりますが、所得税や住民税は必要経費にならない点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資判断手法
不動産 · レバレッジ効果 / DCF法 / NPV法 / IRR法
不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産投資判断において、NPV(正味現在価値)法ではNPVが0より大きい(収益の現在価値合計が投資額を上回る)場合に有利と判断します。IRR(内部収益率)法では、内部収益率が投資家の期待収益率(ハードルレート)を上回っている場合に有利と判断します。
解き方
- 各投資評価手法(レバレッジ効果、DCF法、NPV法、IRR法)の定義を確認します。
- IRR法の判断基準として、対象不動産の「内部収益率>期待収益率」であるときに有利と判定されることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 総資本利益率が借入金利を上回っている場合、他人資本(借入金)を活用することで自己資金に対する利回り(ROE)が高まる効果を正のレバレッジ効果といいます。
- 選択肢 2不正解
- DCF(ディスカウンテッド・キャッシュフロー)法は、保有期間中の純収益と期間満了時の復帰価格を現在価値に割り引いて合計し、収益価格を求める手法です。
- 選択肢 3不正解
- NPV法は、将来得られるキャッシュフローの現在価値合計から投資額を差し引いた正味現在価値がプラス(上回る)であれば有利と判断します。
- 選択肢 4正解
- IRR法では、対象不動産の内部収益率が投資家の期待収益率を「上回っている」場合に、その投資は有利であると判定されます。
覚えるポイント
- IRR(内部収益率)>期待収益率のときに投資有利、NPV>0(収益現価>投資額)のときに投資有利
間違えやすいところ
- IRR法における「内部収益率」と「投資家の期待収益率」のどちらが上回るべきかを逆に取り違えやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告と納付
相続・事業承継 · 贈与税の申告期間 / 贈与税の納付義務者 / 延納 / 物納
贈与税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税は財産を取得した受贈者が納税義務を負い、贈与があった年の翌年2月1日から3月15日までに申告・納付します。延納は納付税額が10万円を超える等の要件で最長5年認められますが、贈与税には物納制度はありません。
解き方
- 贈与税の納税義務者が「受贈者」であること、申告期間が「2月1日~3月15日」であることを確認します。
- 贈与税の延納要件が「納付税額10万円超」であること、および贈与税には「物納制度がない」ことを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の申告および納付の義務を負うのは財産を取得した「受贈者」であり、贈与者ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の申告書の提出期間は、原則として贈与を受けた年の翌年「2月1日から3月15日まで」です(所得税の2月16日からとは異なります)。
- 選択肢 3正解
- 贈与税の延納は、納付すべき贈与税額が10万円を超え、かつ金銭での一括納付が困難な事由がある場合に認められます。
- 選択肢 4不正解
- 相続税には物納の制度が認められていますが、贈与税には物納制度は認められていません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 贈与税申告期間は翌年2月1日~3月15日、延納は10万円超で最長5年、物納はなし
間違えやすいところ
- 所得税の申告期間(2月16日~3月15日)と贈与税の申告期間(2月1日~3月15日)を混同しやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続分
相続・事業承継 · 法定相続分 / 配偶者相続人 / 血族相続人の順位
相続人が次の(ア)~(ウ)である場合、民法上、それぞれの場合における被相続人の配偶者の法定相続分の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 (ア)被相続人の配偶者および子の合計2人 (イ)被相続人の配偶者および母の合計2人 (ウ)被相続人の配偶者および兄の合計2人
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法における配偶者の法定相続分は、ともに相続人となる血族の順位によって異なります。第1順位(子)と相続する場合は配偶者1/2・子1/2、第2順位(直系尊属)と相続する場合は配偶者2/3・直系尊属1/3、第3順位(兄弟姉妹)と相続する場合は配偶者3/4・兄弟姉妹1/4となります。
解き方
- (ア)配偶者と子(第1順位)のケース:配偶者の法定相続分は1/2。
- (イ)配偶者と母(第2順位)のケース:配偶者の法定相続分は2/3。
- (ウ)配偶者と兄(第3順位)のケース:配偶者の法定相続分は3/4。
- (ア)1/2、(イ)2/3、(ウ)3/4の組み合わせを選択します。
- 選択肢 1不正解
- (イ)および(ウ)における配偶者の法定相続分が誤りです(血族側の相続分が記載されています)。
- 選択肢 2正解
- (ア)は子と等分で1/2、(イ)は母(直系尊属)とで2/3、(ウ)は兄(兄弟姉妹)とで3/4となり、正しい組み合わせです。
- 選択肢 3不正解
- (ア)と(ウ)の数値が逆転しており誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (ア)の配偶者の法定相続分が1/3となっているため誤りです。
答えの内訳
- ア:1/2
- 配偶者と第1順位の血族(子)が相続人である場合、配偶者の法定相続分は1/2です。
- イ:2/3
- 配偶者と第2順位の血族(直系尊属である母)が相続人である場合、配偶者の法定相続分は2/3です。
- ウ:3/4
- 配偶者と第3順位の血族(兄弟姉妹である兄)が相続人である場合、配偶者の法定相続分は3/4です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 配偶者の法定相続分:子と1/2、親と2/3、兄弟姉妹と3/4
間違えやすいところ
- 配偶者側の割合と、共同相続人である血族側の割合を取り違えないように注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産の分割方法および税務上の取扱い
相続・事業承継 · 遺産分割協議 / 換価分割 / 代償分割 / 代償財産の課税
遺産の分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
遺産分割の方法には現物分割・換価分割・代償分割・共有分割があります。代償分割は特定の相続人が現物を取得し、他の相続人に債務を負担(金銭等の代償財産を交付)する方法で、相続人間の協議のみで有効に成立します。家庭裁判所の申立てや審判は必須ではありません。
解き方
- 遺産の一部分割協議が認められていることを確認します。
- 換価分割および代償分割の定義と成立要件を確認します。
- 代償分割は共同相続人間の合意(協議)で可能であり、家庭裁判所の審判が必須ではないため、記述3が不適切であると判定します。
- 選択肢 1不正解
- 共同相続人は遺産の全部を一括して分割するだけでなく、遺産の一部のみを分割する一部分割協議を行うことができます。
- 選択肢 2不正解
- 換価分割は、相続財産を第三者に売却して金銭に換え、その売却代金を共同相続人間で分割する方法です。
- 選択肢 3正解
- 代償分割は家庭裁判所の審判を受けずとも、共同相続人間の遺産分割協議の合意のみによって行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- 代償分割により交付された代償財産は、相続によって取得した財産として相続税の課税対象(課税価格の計算に反映)となります。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 代償分割は相続人間の協議で成立可能(家庭裁判所の審判は必須ではない)
間違えやすいところ
- 代償分割で代償財産を交付した側は課税価格から控除し、交付を受けた側は課税価格に加算される税務上の仕組みを混同しやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言の方式と検認・保管制度
相続・事業承継 · 公正証書遺言 / 遺言の撤回 / 自筆証書遺言の財産目録 / 自筆証書遺言書保管制度
遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
自筆証書遺言は原則として家庭裁判所の検認が必要ですが、法務局の遺言書保管所に保管されている自筆証書遺言は、偽造・改ざんの恐れがないため検認が不要とされています(公正証書遺言も同様に検認不要です)。
解き方
- 公正証書遺言の作成要件(証人2人以上)および遺言撤回の自由(方式を問わず後の遺言で撤回可能)を確認します。
- 自筆証書遺言の財産目録はパソコン等で作成可能(署名押印は必要)である点を確認します。
- 遺言書保管所に保管された自筆証書遺言は検認が不要である点から、記述4が誤りであると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要と民法で定められています。
- 選択肢 2不正解
- 遺言はいつでも遺言の方式に従って全部または一部を撤回できます。公正証書遺言の内容を自筆証書遺言によって撤回することも可能です。
- 選択肢 3不正解
- 自筆証書遺言の本文は自書が必要ですが、添付する財産目録についてはパソコンで作成したり通帳の写し等を添付することが認められています(各頁に署名押印が必要)。
- 選択肢 4正解
- 自筆証書遺言書保管制度を利用して法務局に保管されている遺言書は、家庭裁判所の検認を受ける必要はありません。
覚えるポイント
- 法務局に保管された自筆証書遺言と公正証書遺言は、家庭裁判所の検認が不要
間違えやすいところ
- 自宅などで保管されていた通常の自筆証書遺言は検認が必要ですが、法務局保管分は検認不要となる特例を混同しやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の計算における債務控除の対象
相続・事業承継 · 債務控除 / 非課税財産に係る債務 / 公租公課 / 葬式費用 / 税理士報酬
相続人が負担した次の費用等のうち、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から債務控除をすることができるものはどれか。なお、相続人は債務控除の適用要件を満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の債務控除の対象となるのは、被相続人が死亡したときに確定していた債務(公租公課を含む)および所定の葬式費用です。墓碑等の非課税財産に係る未払金、法会(初七日・四十九日)費用、相続税申告のための税理士報酬は債務控除の対象外です。
解き方
- 墓地・墓碑などの非課税財産の購入代金未払金は債務控除できない点を確認します。
- 被相続人が納税義務を負う公租公課は、相続開始時点で未払いであれば納期限未到来でも債務控除できることを確認します。
- 法会費用(初七日や四十九日)や相続税申告に係る税理士報酬が債務控除の対象外であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 墓碑等の非課税財産を取得するための未払代金は、相続税の債務控除の対象になりません。
- 選択肢 2正解
- 被相続人が納付すべき固定資産税について、相続開始日時点で賦課期日を過ぎて納税義務が発生しているものは、納期限が未到来でも債務控除の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 初七日や四十九日などの法要(法会)に要した費用は、葬式費用に含まれず、債務控除の対象になりません。
- 選択肢 4不正解
- 相続税の申告書作成のために支払った税理士報酬は、相続人自身が負担すべき費用であり、被相続人の債務ではないため債務控除の対象外です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 相続開始日時点で納税義務がある公租公課は未納付でも控除可。法会費用・墓碑未払金・税理士報酬は控除不可。
間違えやすいところ
- 通夜・告別式等の葬式費用は控除できますが、初七日や四十九日の法要費用は控除できない点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の遺産に係る基礎控除額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続人の数 / 相続放棄 / 普通養子
下記<親族関係図>において、Aさんの相続が開始した場合の相続税額の計算における遺産に係る基礎控除額として、最も適切なものはどれか。なお、Cさんは相続の放棄をしている。また、Eさんは、Aさんの普通養子(特別養子縁組以外の縁組による養子)である。 <親族関係図> 被相続人Aさん == 妻Bさん ├ 実子Cさん(相続放棄)──(子:孫Fさん、孫Gさん) ├ 実子Dさん └ 養子Eさん(普通養子)
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。相続の放棄をした者がある場合、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数を用います。また、実子がいる場合の養子は1人まで法定相続人の数に算入できます。相続放棄によって代襲相続は生じません。
解き方
- 相続放棄をした実子Cさんは、相続税法上、放棄がなかったものとして法定相続人の数に含めます(代襲相続は発生せず孫F・Gは不算入)。
- 被相続人に実子(C、D)がいるため、普通養子Eさんは1人まで法定相続人の数に算入できます。
- 法定相続人は、妻B・実子C・実子D・養子Eの計4人となります。
- 基礎控除額=3,000万円+600万円×4人=5,400万円を計算します。
- 選択肢 1不正解
- 法定相続人を2人とした場合の計算(3,000万円+600万円×2=4,200万円)であり誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 相続放棄したCさんを除外して養子Eのみを加えた3人で計算した金額(3,000万円+600万円×3=4,800万円)であり誤りです。
- 選択肢 3正解
- 法定相続人の数は妻B、実子C(放棄なしとみなす)、実子D、養子E(実子がいるため1人まで)の計4人となり、3,000万円+600万円×4人=5,400万円となります。
- 選択肢 4不正解
- 法定相続人を5人とした場合の計算(3,000万円+600万円×5=6,000万円)であり誤りです。
答えの内訳
- 法定相続人の数:4人
- 妻Bさん、実子Cさん(放棄がなかったものとして算入)、実子Dさん、普通養子Eさん(実子がいるため養子は1人まで算入可)の合計4人となります。相続放棄があっても代襲相続は発生しないため孫は含まれません。
- 基礎控除額:5,400万円
- 3,000万円 + 600万円 × 4人 = 5,400万円 と算出されます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 相続放棄は「放棄がなかったもの」として法定相続人の数に算入、実子ありの養子算入は1人まで
間違えやすいところ
- 相続放棄によって代襲相続が起きると勘違いして孫を含めてしまったり、放棄したCさんを除外してしまうミスが多い。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
取引相場のない株式の評価方式
相続・事業承継 · 取引相場のない株式 / 類似業種比準方式 / 純資産価額方式 / 配当還元方式
相続税における取引相場のない株式(特定の評価会社の株式を除く)の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
取引相場のない株式の評価では、同族株主等(原則的評価方式)とそれ以外の少数株主等(特例的評価方式=配当還元方式)に区分されます。原則的評価方式では、会社規模に応じて大会社は原則として類似業種比準方式、中会社は類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式、小会社は原則として純資産価額方式により評価します。
解き方
- 株主の態様を確認し、同族株主等には原則的評価方式、同族株主以外の少数株主には配当還元方式が適用されるルールを確認する。
- 原則的評価方式における会社規模(大・中・小)ごとの原則的な評価方式(大会社=類似業種比準、中会社=併用、小会社=純資産価額)を照合する。
- 類似業種比準方式の3要素(配当金額、利益金額、純資産価額・帳簿価額基準)が正しい記述であると判断する。
- 選択肢 1正解
- 類似業種比準方式における比準要素は、評価会社の1株当たりの配当金額、年利益金額、および純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)の3要素です。
- 選択肢 2不正解
- 大会社の株式を取得した同族株主の株式評価は、原則として「類似業種比準方式」により行われます(純資産価額方式の選択も可能ですが、併用方式ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 小会社の株式を取得した同族株主の株式評価は、原則として「純資産価額方式」により行われます(併用方式の選択も可能です)。
- 選択肢 4不正解
- 同族株主のいる会社において、同族株主以外の少数株主が取得した株式の評価は、会社規模にかかわらず原則として特例的評価方式である「配当還元方式」によります。
覚えるポイント
- 類似業種の3要素は配当・利益・純資産(帳簿価額)
- 大会社=類似業種、中会社=併用、小会社=純資産、少数株主=配当還元
間違えやすいところ
- 大会社と小会社の原則的評価方式を取り違えること
- 少数株主に対して原則的評価方式を適用してしまう誤り
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地および宅地の上に存する権利の相続税評価
相続・事業承継 · 宅地評価 / 自用地 / 貸宅地 / 貸家建付地 / 借地権 / 青空駐車場
宅地および宅地の上に存する権利の相続税における評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、対象となる宅地は「借地権の取引慣行のある地域」にあり、定期借地権および一時使用目的の借地権等を除くものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
貸宅地とは、借地権(建物の所有を目的とする地上権・賃借権)が設定されている土地を指します。青空駐車場のように土地そのものの利用権の制限が弱い場合は借地借家法の適用がなく、貸宅地ではなく「自用地」として評価されます。一方、自所有の土地に自所有のアパートを建てて賃貸している敷地は「貸家建付地」、他人の土地に借地権を設定してアパートを建てて賃貸している場合の借地権は「貸家建付借地権」として評価されます。
解き方
- 各選択肢の利用形態と設定されている権利(地上権・賃借権の性質、借地借家法の適用の有無)を整理する。
- 青空駐車場は建物の所有を目的とする賃貸借ではないため、借地権が発生せず「自用地」として評価されることを確認する。
- 選択肢1の「貸宅地として評価する」という記述が不適切であると判定する。
- 選択肢 1正解
- 車庫等の施設がない青空駐車場(月極駐車場)は、建物所有を目的とする借地権が発生しないため、貸宅地ではなく「自用地」として評価されます。
- 選択肢 2不正解
- 自己所有の宅地に自己名義の賃貸アパート等を建築して賃貸している場合、その宅地は「貸家建付地」として評価されます。
- 選択肢 3不正解
- 権利金を支払って土地を賃借し、その上に自己所有の居住用家屋を建築している場合、その権利は「借地権」として評価されます。
- 選択肢 4不正解
- 借地権を有する宅地の上に自己名義の賃貸アパートを建築して賃貸している場合、その借地権は「貸家建付借地権」として評価されます。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 青空駐車場(施設なし)は自用地評価
- 自所有地+賃貸物件=貸家建付地
- 借地+賃貸物件=貸家建付借地権
間違えやすいところ
- 青空駐車場を有償で他人に貸していることから「貸宅地」と誤認しやすい点に注意する
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺留分に関する民法の特例(経営承継円滑化法)
相続・事業承継 · 経営承継円滑化法 / 遺留分に関する民法の特例 / 除外合意 / 固定合意
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律における「遺留分に関する民法の特例」(本特例)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
経営承継円滑化法に基づく「遺留分に関する民法の特例」は、非上場企業の後継者が旧経営者から贈与された自社株式について、推定相続人全員の合意により、遺留分算定基礎財産から除外する「除外合意」や、遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の価額に固定する「固定合意」を認める制度です。適用には非上場企業であることのほか、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可が必要です。
解き方
- 除外合意(遺留分算定財産への不算入)および固定合意(合意時点の価額で固定)の規定内容を確認する。
- 特例适用の手続き要件(推定相続人全員の合意、経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可)を確認する。
- 本特例の対象株式が「非上場株式」に限定されていることを踏まえ、上場株式も対象とする選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 「除外合意」により、後継者が贈与等で取得した非上場自社株式の全部または一部を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことができます。
- 選択肢 2不正解
- 「固定合意」により、後継者が取得した非上場株式の価額について、遺留分算定の基礎財産に算入すべき価額を合意時点の価額に固定することができます。
- 選択肢 3不正解
- 特例の効力を発生させるためには、推定相続人全員の書面による合意後、経済産業大臣の確認を受け、さらに家庭裁判所の許可を受ける必要があります。
- 選択肢 4正解
- 本特例の対象となる会社は非上場の中小企業に限られており、上場株式については本特例の適用を受けることはできません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 除外合意(遺留分算定から除外)と固定合意(合意時価額に固定)
- 対象は非上場株式のみ
- 手続きは大臣確認と家裁許可
間違えやすいところ
- 上場株式にも適用できると誤解すること
- 経済産業大臣の確認だけで足り、家庭裁判所の許可が不要と誤認すること
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者居住権の要件・効力
相続・事業承継 · 配偶者居住権 / 民法 / 存続期間 / 共有建物の制限
民法における配偶者居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
配偶者居住権(民法第1028条等)は、被相続人の配偶者が、相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、終身または一定期間その建物に無償で居住できる権利です。一身専属的な権利であるため譲渡はできず、相続開始時に被相続人と配偶者以外の第三者(子など)が建物を共有していた場合には成立しません。
解き方
- 配偶者居住権の成立要件(配偶者であること、相続開始時に当該建物に居住していたこと、被相続人が所有または配偶者と共有していたこと)を確認する。
- 権利の効力・性質(存続期間は原則終身、譲渡不可)を確認する。
- 原則終身とする選択肢1が適切であり、譲渡可能とする選択肢2、第三者共有でも取得可能とする選択肢3、居住していなくても取得可能とする選択肢4が不適切であると判定する。
- 選択肢 1正解
- 配偶者居住権の存続期間は、遺産分割協議や遺言等で期間を別途定めた場合を除き、原則として配偶者の終身の間とされています。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者居住権は配偶者に一身専属的な権利であるため、他人に譲渡することはできません(民法第1032条第2項)。
- 選択肢 3不正解
- 相続開始時において、居住建物が被相続人と配偶者以外の者(子など)との共有であった場合には、配偶者居住権を取得することはできません(民法第1028条第1項ただし書)。
- 選択肢 4不正解
- 配偶者居住権を取得するためには、被相続人の配偶者が「相続開始時において被相続人の財産に属する建物に居住していたこと」が必要要件とされています。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 配偶者居住権の存続期間は原則終身
- 配偶者居住権は譲渡不可
- 相続開始時に居住していたことが要件
- 被相続人と子など第三者の共有物件には設定不可
間違えやすいところ
- 配偶者居住権が譲渡可能と誤認すること
- 配偶者短期居住権(最低6カ月)と存続期間(原則終身)を取り違えること
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年5月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2023年5月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2023年5月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

