日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の概要
公的年金の老齢給付額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 報酬比例部分 / 経過的加算
設例のAさん(1967年7月16日生まれ・55歳)について、資料および計算式に基づき、65歳から受給できる老齢基礎年金の年金額(①)および老齢厚生年金の年金額(②)を計算しなさい。年金額は2022年度価額に基づき、端数処理は円未満を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
① 777,800(円)、② 1,369,176(円)
解説
老齢給付の計算において、老齢基礎年金は20歳から60歳までの保険料納付済月数等(上限480月)を基に算定します。老齢厚生年金は、総報酬制導入前後の報酬比例部分に加えて、20歳未満・60歳以降の厚生年金加入月数などを反映する経過的加算額を合算して求めます。
解き方
- 老齢基礎年金の月数を算定する。Aさんは18歳から65歳まで厚生年金に加入しているが、老齢基礎年金に反映されるのは20歳以上60歳未満の40年間(480月)であるため、満額の777,800円となる。
- 老齢厚生年金の報酬比例部分を計算する。2003年3月以前分(280,000×7.125/1,000×204=406,980円)と、2003年4月以後分(500,000×5.481/1,000×351=961,915.5円→四捨五入して961,916円)を合算し、1,368,896円を算出する。
- 経過的加算額を計算する。厚生年金の全被保険者月数(204+351=555月、ただし上限480月)から、1,621円×480月-777,800円×(480/480)=778,080円-777,800円=280円を算出する。配偶者加給年金はAさん65歳時点で妻Bさんが65歳以上のため対象外となり、合計1,369,176円となる。
答えの内訳
- ①:777,800(円)
- 老齢基礎年金の計算式において、20歳から60歳までの40年間(480月)はすべて厚生年金保険の被保険者として保険料納付済期間であるため、満額の777,800円×480月/480月=777,800円となります。
- ②:1,369,176(円)
- 報酬比例部分は、ⓐ2003年3月以前:280,000円×(7.125/1,000)×204月=406,980円、ⓑ2003年4月以後:500,000円×(5.481/1,000)×351月=961,915.5円→961,916円で合計1,368,896円。経過的加算額は、1,621円×(204月+351月)-777,800円×(480月/480月)=899,655円-777,800円=121,855円ではなく、20歳未満・60歳以上の厚生年金加入月数は(18歳〜20歳の24月+60歳〜65歳の60月=84月)から上限480月まで適用され、総被保険者月数は480月上限となり、1,621円×480月-777,800円×(480/480)=778,080円-777,800円=280円。加給年金は妻が年上(56歳)でAさん65歳到達時に妻は65歳以上のため加算なし。合計=1,368,896円+280円=1,369,176円となります。
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覚えるポイント
- 経過的加算額の計算における被保険者期間の月数には上限(原則480月)がある点
- 配偶者加給年金額は、厚生年金被保険者期間が20年以上ある受給権者が65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者等がいる場合に加算される点
間違えやすいところ
- 経過的加算の計算式で総被保険者月数555月をそのまま乗じてしまい上限480月を適用し忘れるミス
- 妻Bさんの方が年上(56歳)であるにもかかわらず、加給年金額388,900円を加算してしまうミス
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢給付の受給要件および繰下げ・付加年金
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 繰下げ支給 / 付加年金
公的年金制度からの老齢給付に関するMさんの次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ①「Aさんおよび妻Bさんには、特別支給の老齢厚生年金は支給されません。原則として、65歳から老齢厚生年金を受給することになります」 ②「Aさんおよび妻Bさんが希望すれば、66歳以後、老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができます。仮に、Aさんが67歳0カ月で老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、年金の増額率は16.8%となります」 ③「国民年金の第3号被保険者である妻Bさんは、国民年金の付加保険料を納付することができます。仮に、付加保険料を44月納付した場合、65歳から受給する老齢基礎年金の額に付加年金として年額8,800円が上乗せされます」
- ①
- 特別支給の老齢厚生年金の支給対象外(原則65歳受給)である旨の説明
- ②
- 66歳以後の繰下げ支給の申出および67歳0カ月申出時の増額率16.8%の算出
- ③
- 第3号被保険者における国民年金の付加保険料納付の可否および付加年金額
解答・解説を表示
解答
① ○、② ○、③ ×
解説
特別支給の老齢厚生年金には生年月日による支給終了条件があります。また、公的年金の繰下げ支給は66歳以降申出可能で月あたり0.7%増額されます。付加年金は第1号被保険者等の独自制度であり、保険料負担のない第3号被保険者は納付対象外です。
解き方
- 記述①:Aさん(男性・昭和42年生)および妻Bさん(女性・昭和41年9月生)の生年月日を特別支給の老齢厚生年金の支給要件(男性昭和36年4月1日以前、女性昭和41年4月1日以前)と照らし合わせて支給なしと確認する。
- 記述②:繰下げ申出可能時期(66歳以後)と、65歳から67歳0カ月までの月数(24月)×0.7%=16.8%を算出して整合性を確認する。
- 記述③:付加保険料を納付できる対象者(第1号被保険者・任意加入被保険者)を確認し、第3号被保険者は納付不可であることを判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 特別支給の老齢厚生年金は、男性は1961年(昭和36年)4月2日以後生まれ、女性は1966年(昭和41年)4月2日以後生まれには支給されません。Aさんは1967年7月16日生まれ、妻Bさんは1966年9月28日生まれであるため、ともに特別支給の老齢厚生年金は支給されず、記述は適切です。
- 小問 ②:○
- 老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰下げ支給は66歳以後申し出ることができます。増額率は繰下げ月数1月あたり0.7%であり、67歳0カ月で申し出た場合は24月繰下げとなるため、0.7%×24月=16.8%となり、記述は適切です。
- 小問 ③:×
- 付加年金の保険料を納付できるのは、国民年金の第1号被保険者および任意加入被保険者に限られます。第3号被保険者である妻Bさんは付加保険料を納付することができないため、記述は不適切です。
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覚えるポイント
- 特別支給の老齢厚生年金が支給されない生年月日(男性:昭和36年4月2日以降、女性:昭和41年4月2日以降)
- 繰下げ増額率=0.7%×月数(最大84%・上限75歳まで)
- 付加保険料を納付できるのは第1号被保険者および任意加入被保険者のみ
間違えやすいところ
- 女性の特別支給の老齢厚生年金の生年月日区分(昭和41年4月2日以降)を男性と同じと混同するミス
- 第3号被保険者でも付加保険料を納められると誤解するミス
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
短時間労働者に対する社会保険の適用要件
ライフプランニングと資金計画 · 社会保険の適用基準 / 健康保険 / 厚生年金保険 / 特定適用事業所 / 短時間労働者
パート勤務を行う妻Bさんへの健康保険および厚生年金保険の適用に関して、以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を〈語句群〉より選択しなさい。 「1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が通常の労働者の( ① )以上になった場合、健康保険および厚生年金保険の被保険者となります。また、妻Bさんがパート従業員として勤務している現在の事業所においては、1週間の所定労働時間または1カ月の所定労働日数が通常の労働者の( ① )未満であっても、1週間の所定労働時間が( ② )時間以上であること、雇用期間が2カ月を超えて見込まれること、賃金の月額が( ③ )円(賞与、残業代、通勤手当等を除く)以上であること、学生でないことの要件をすべて満たした場合、妻Bさんは健康保険および厚生年金保険の被保険者となります」
- イ
- 20
- ロ
- 25
- ハ
- 36
- ニ
- 88,000
- ホ
- 100,000
- ヘ
- 125,000
- ト
- 2分の1
- チ
- 3分の2
- リ
- 4分の3
解答・解説を表示
解答
① リ、② イ、③ ニ
解説
短時間労働者(パート・アルバイト等)の社会保険加入には、通常労働者と比較した所定労働時間・日数が4分の3以上という一般基準に加え、特定適用事業所等における週20時間以上・月額賃金8.8万円以上等の拡大基準が適用されます。
解き方
- 原則的な短時間労働者の適用基準として、1週間の所定労働時間と1カ月の所定労働日数の双方が通常労働者の「4分の3以上」であることを確認し、空欄①に「リ」を選定します。
- 特定適用事業所における短時間労働者の適用拡大基準を整理し、週所定労働時間「20時間以上」(空欄②に「イ」)、月額賃金「88,000円以上」(空欄③に「ニ」)を特定します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:リ
- 通常の一般被保険者と同様に健康保険・厚生年金保険が強制適用される短時間労働者の基準は、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が一般社員の「4分の3」以上である場合です。
- 小問 ②:イ
- 特定適用事業所等における社会保険適用の拡大要件では、週の所定労働時間が「20」時間以上であることが求められます。
- 小問 ③:ニ
- 特定適用事業所等の短時間労働者に対する社会保険加入要件における所定内賃金の月額基準は「88,000」円以上(年収換算で約106万円以上)です。
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覚えるポイント
- 短時間労働者の社会保険加入の原則要件は「所定労働時間・日数が通常の労働者の4分の3以上」です。
- 特定適用事業所の拡大要件は「週20時間以上」「月額8.8万円以上」「2カ月超の雇用見込み」「学生でないこと」の4要件です。
間違えやすいところ
- 月額88,000円の算定には、残業代、賞与、通勤手当等は含まれない点に注意が必要です。
- 雇用見込み期間の基準は、2022年10月改正により「1年以上」から「2カ月超」に見直されています。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の健康保険法および厚生年金保険法
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族の必要保障額の試算
リスク管理 · 必要保障額 / 生活費の算出 / 団体信用生命保険 / 資金需要
Aさん(40歳)が現時点で死亡した場合の必要保障額を試算する。次の<条件>に基づいて、表中の空欄①~③に入る金額(単位:万円)を求めなさい。なお、金額がマイナスになる場合は前に「▲」を付けること。 <条件> ⅰ)長男Cさんが独立する年齢は22歳(大学卒業時)とする(現時点3歳、独立まで19年間)。 ⅱ)長男Cさん独立までの19年間の生活費は、現在の日常生活費(月額30万円)の70%とし、独立後の妻Bさん(現時点32歳)の生活費は現在の50%とする。 ⅲ)長男Cさん独立時の妻Bさんの平均余命は38年とする。 ⅳ)生活費の総額=長男Cさん独立までの遺族の生活費+独立後の妻Bさんの生活費とする。 <ケース2:住宅を取得した場合> ・生活費の総額:( ① )万円 ・住宅ローンの返済額:団体信用生命保険加入により弁済(0万円) ・住宅修繕・リフォーム費用:800万円 ・租税公課(固定資産税等):750万円 ・教育・結婚援助資金:1,400万円 ・その他費用(趣味・娯楽等):1,500万円 ・死亡整理資金:300万円 (a)遺族に必要な資金の総額:( ② )万円 (b)遺族の収入見込金額(遺族厚生年金等4,800万円、妻Bさんの公的年金3,500万円、勤労収入等11,550万円、死亡退職金等500万円、金融資産100万円):20,450万円 必要保障額((a)-(b)):( ③ )万円
解答・解説を表示
解答
① 11,628(万円)、② 16,378(万円)、③ ▲4,072(万円)
解説
必要保障額は「遺族に必要な支出総額(生活費・住居関連費・教育費等)」から「遺族の収入見込金額(公的年金・勤労収入・金融資産等)」を差し引いて算出します。団体信用生命保険に加入している場合、死亡後の住宅ローン残債の支払いは不要となります。
解き方
- 長男独立までの生活費(19年分)と独立後の妻の生活費(38年分)をそれぞれ月額基準から算出して合計し、空欄①(生活費の総額)を求めます。
- ケース2において、団信により住宅ローン返済額が0円となる点を確認し、各支出項目を加算して空欄②(必要な資金の総額)を計算します。
- 必要な資金の総額(a)から収入見込金額(b)を控除し、負の値となるため頭に「▲」を付して空欄③(必要保障額)を算出します。
答えの内訳
- ①:11,628(万円)
- 長男独立までの生活費は、月額30万円×70%×12カ月×19年=4,788万円。長男独立後の生活費は、月額30万円×50%×12カ月×38年=6,840万円。合計で4,788万円+6,840万円=11,628万円となります。
- ②:16,378(万円)
- 団信加入により住宅ローン返済額は0円となるため、必要資金総額は生活費総額11,628万円+住宅修繕等800万円+租税公課750万円+教育等1,400万円+その他1,500万円+死亡整理300万円=16,378万円となります。
- ③:▲4,072(万円)
- 必要保障額=遺族に必要な資金の総額(a)16,378万円-遺族の収入見込金額(b)20,450万円=▲4,072万円となります。マイナスのため「▲」を付します。
覚えるポイント
- 必要保障額の算出式は「遺族に必要な資金の総額 - 遺族の収入見込金額」です。
- 団体信用生命保険(団信)に加入している場合、債務者が死亡すると保険金によりローンが完済されるため以後の返済額は不要となります。
間違えやすいところ
- 月額の生活費から年間生活費への換算(×12)を忘れないように注意が必要です。
- 計算結果がマイナスになった場合に、問題文の指示である「▲」の記号を付け忘れないように留意します。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令および一般的なライフプランニング・保険設計基準
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
必要保障額の考え方および遺族厚生年金・教育資金の見積もり
リスク管理 · 必要保障額の算出 / 遺族厚生年金 / 教育費の資金計画
Aさんが死亡した場合の必要保障額の考え方に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① 妻Bさんに会社員としての給与収入があるため、配偶者が専業主婦やパート等の世帯とは必要保障額が異なる。妻Bさんが病気等で働けなくなった場合や離職した場合など、必要保障額の算出結果が変化する可能性がある。 ② Aさんが現時点で死亡した場合、妻Bさんは遺族厚生年金を受給できる。遺族厚生年金の額は、原則としてAさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額と同額になる。 ③ 教育費は長男Cさんの進路希望等により大きく変わる。特に大学進学をする場合、国公立と私立、自宅通いと下宿などの違いにより学費等に大きな差異が生じる。教育費の概算額は文部科学省等の統計データや各生命保険会社の資料等で確認できる。
- ①
- 妻Bさんに会社員としての給与収入があるため、配偶者が専業主婦やパート等の世帯とは必要保障額が異なります。妻Bさんが病気等で働けなくなった場合や離職した場合など、必要保障額の算出結果が変化する可能性があることに留意してください。
- ②
- Aさんが現時点で死亡した場合、妻Bさんは、遺族厚生年金を受給することができます。遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額と同額になります。
- ③
- 教育費は長男Cさんの進路希望等により大きく変わります。特に、大学進学をする場合、国公立と私立、自宅通いと下宿などの違いにより、学費等に大きな差異が生じます。教育費の概算額は、文部科学省等の統計データや各生命保険会社の資料等で確認することができます。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○
解説
必要保障額は「遺族に必要な支出総額」から「遺族の公的給付・勤労収入等の収入見込総額」を差し引いて算出するため、配偶者の収入や公的年金制度の支給水準、子どもの進路によって大きく変動します。
解き方
- 世帯主死亡後の遺族の収入源(配偶者の給与収入や公的年金等の見込額)の変化が必要保障額に与える影響を確認する。
- 遺族厚生年金の給付水準が老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3であることを法定制定に基づいて確認する。
- 子どもの進路(国公立・私立、自宅・自宅外)に応じた教育資金の推計方法と参考データの活用妥当性を判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 配偶者の就業状態や収入見込額は遺族の収入見込額を大きく左右するため、就業不能や離職によって必要保障額の計算結果が変動します。
- 小問 ②:×
- 遺族厚生年金の額は原則として死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分の「4分の3」相当額であり、同額ではありません。
- 小問 ③:○
- 教育費は国公立・私立や通学形態など進路によって大きく異なるため、公的統計調査や各種資料を参考に試算することが適切です。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の報酬比例部分の給付率は老齢厚生年金の4分の3相当額である。
間違えやすいところ
- 遺族厚生年金の額を老齢厚生年金の満額と同額と誤認すること。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の厚生年金保険法等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ライフステージによる必要保障額の推移および生命保険の見直し・団体信用生命保険
リスク管理 · 必要保障額の推移 / 就業不能・介護保障 / 配偶者の保障 / 団体信用生命保険
生命保険の見直し等に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① 必要保障額は、一般に、子どもの成長とともに逓増していく。Aさんの今後のライフステージの変化に合わせて、保障内容を定期的に見直すことをお勧めする。 ② Aさんが現在加入している生命保険には、就業不能状態や要介護状態になった場合の保障がない。公的介護保険等の社会保障制度に連動して給付金が支払われる保険(特約)もあるので、見直しの際にご検討いただきたい。 ③ 妻Bさんが死亡あるいはケガや病気等で働けなくなった場合、世帯収入が減少するだけでなく、それまで夫婦で行ってきた家事や育児等を外部の代行業者等に頼ることになることがあるかもしれない。Aさんの生命保険の見直しと同時に、妻Bさんの保障内容も確認する必要がある。 ④ 団体信用生命保険には、死亡・所定の高度障害状態に加え、がん・急性心筋梗塞・脳卒中により所定の状態に該当した場合に、住宅ローン債務が弁済されるものもある。商品ごとの弁済基準をよく検討のうえでお申込みいただきたい。
- ①
- 「必要保障額は、一般に、子どもの成長とともに逓増していきます。Aさんの今後のライフステージの変化に合わせて、保障内容を定期的に見直すことをお勧めします」
- ②
- 「Aさんが現在加入している生命保険には、就業不能状態や要介護状態になった場合の保障がありません。公的介護保険等の社会保障制度に連動して給付金が支払われる保険(特約)もありますので、見直しの際にご検討ください」
- ③
- 「妻Bさんが死亡あるいはケガや病気等で働けなくなった場合、世帯収入が減少するだけでなく、それまで夫婦で行ってきた家事や育児等を外部の代行業者等に頼ることになることがあるかもしれません。Aさんの生命保険の見直しと同時に、妻Bさんの保障内容も確認する必要があると思います」
- ④
- 「団体信用生命保険には、死亡・所定の高度障害状態に加え、がん・急性心筋梗塞・脳卒中により所定の状態に該当した場合に、住宅ローン債務が弁済されるものもあります。商品ごとの弁済基準をよくご検討のうえでお申込みください」
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○ ④ ○
解説
必要保障額は子どもの成長や住宅ローンの減少に伴い逓減していくのが一般的であり、見直しにあたっては死亡保障の減額のみならず、就業不能・要介護リスクや共働き配偶者の万一のリスク、団体信用生命保険の特約範囲まで総合的に検討します。
解き方
- 子どもの成長に伴う必要保障額の増減傾向(残存生活費・教育費の減少による逓減)を判定する。
- 現在の加入保険の保障内容(死亡・特定疾病・傷害・入院)を確認し、就業不能・介護分野の保障の有無と補完商品の特徴を評価する。
- 共働き夫婦世帯における配偶者の万一時の家事育児費用や収入減のリスク、および団信の三大疾病特約等の保障範囲の妥当性を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 必要保障額は子どもの成長とともに独立までの残存年数が短くなり、遺族に必要な総生活費や教育費が減るため一般に「逓減」します。
- 小問 ②:○
- Aさんの現行契約には生前給付特約はあるものの就業不能や要介護に特化した保障がなく、公的介護保険連動型などの検討は適切です。
- 小問 ③:○
- 共働き世帯では妻の死亡・就労不能により世帯収入減少に加え家事・育児の外部委託費用等が発生し得るため、妻の保障確認は適切です。
- 小問 ④:○
- 団体信用生命保険には死亡・高度障害に加え三大疾病等で住宅ローン債務が全額弁済される特約付帯商品が存在するため適切です。
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覚えるポイント
- 必要保障額は子どもの誕生直後が最大で、子どもの成長とともに独立までの年数が短くなるにつれて逓減する。
間違えやすいところ
- 子どもの成長とともに教育費がかかることと、将来必要となる教育費総額(未払分)が減少することを混同して逓増と判断してしまうこと。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金の退職所得控除額および退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 役員退職金 / 退職所得控除 / 退職所得の金額
X社が創業社長であるAさんに役員退職金6,000万円を支給した場合における、Aさんが受け取る役員退職金に係る①退職所得控除額および②退職所得の金額を求めなさい。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)は36年9カ月であり、他に退職手当等の収入はなく、障害退職には該当しないものとする。金額単位は万円とし、計算過程の記載は不要とする。
解答・解説を表示
解答
① 1,990(万円) ② 2,005(万円)
解説
退職所得控除額の計算において、勤続年数に1年未満の端数があるときは切り上げて1年として扱います。勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年数(最低80万円)」、20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。退職所得の金額は原則として「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算しますが、特定役員退職手当等(役員等勤続年数が5年以下)に該当する場合は1/2を乗じる措置が適用されません。本問は役員在任期間が5年を超えているため通常の1/2計算が適用されます。
解き方
- 勤続年数(役員在任期間)36年9カ月の端数を切り上げ、勤続年数を37年と判定する。
- 20年超の算式「800万円+70万円×(37年-20年)」を適用し、退職所得控除額1,990万円を算出する。
- 役員在任期間が5年超であることを確認し、退職所得の金額「(6,000万円-1,990万円)×1/2=2,005万円」を算出する。
答えの内訳
- ①:1,990(万円)
- 勤続年数は36年9カ月であり、1年未満の端数は切り上げて37年として計算します。勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で求めるため、800万円+70万円×(37年-20年)=1,990万円となります。
- ②:2,005(万円)
- 役員等としての勤続年数が5年を超える場合、通常の退職所得と同様に2分の1を乗じる計算を行います。退職所得の金額は「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」により算出するため、(6,000万円-1,990万円)×1/2=2,005万円となります。
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覚えるポイント
- 退職所得控除額の勤続年数は1年未満の端数を切り上げて計算する。
- 勤続年数5年以下の役員退職金には1/2掛けの適用がないが、5年超なら1/2掛けが適用される。
間違えやすいところ
- 勤続年数の端数9カ月を切り捨てて36年として計算してしまう誤り。
- 退職手当等の控除後の金額から2分の1を掛け忘れて4,010万円としてしまうミス。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が加入する長期平準定期保険の解約・払済変更・契約者貸付等の経理処理
リスク管理 · 長期平準定期保険 / 解約返戻金 / 払済保険への変更 / 現物支給 / 契約者貸付
X社が加入している長期平準定期保険(契約日2003年6月1日、契約者・受取人:X社、被保険者:Aさん、保険期間95歳満了、年払保険料330万円、現時点の解約返戻金5,200万円、払込保険料累計額6,600万円)に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。
- ①
- 当該生命保険を現時点で解約した場合、X社はそれまで資産計上していた前払保険料6,600万円を取り崩して、解約返戻金5,200万円との差額1,400万円を雑損失として経理処理します。
- ②
- Aさんの勇退時に当該生命保険を払済終身保険に変更し、契約者をAさん、死亡保険金受取人をAさんの相続人に名義を変更することで、X社は終身保険契約を役員退職金の一部としてAさんに現物支給することができます。
- ③
- 当該生命保険を現時点で払済終身保険に変更した場合、変更した事業年度において雑損失が計上されます。したがって、変更した事業年度の利益を減少させる効果があります。
- ④
- X社が契約者貸付制度を利用し、契約者貸付金を受け取った場合、その全額を雑収入として益金の額に算入します。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ × ④ ×
解説
法人が契約者となる長期平準定期保険(2019年税制改正前契約)では、保険期間前半6割期間に支払保険料の2分の1を前払保険料(資産)に計上し、2分の1を損金算入します。解約時や払済保険変更時には、解約返戻金相当額と既往の資産計上額との差額を雑収入または雑損失として処理します。また、解約返戻金相当額による名義変更を通じた退職金の現物支給が可能です。一方、契約者貸付は負債(借入金)取引であり収益認識は行われません。
解き方
- 契約日(2003年)を確認し、前半6割期間における保険料の経理処理(2分の1資産計上・2分の1損金算入)を前提に資産計上累計額を把握する。
- 記述①につき、資産計上額が6,600万円全額ではなく、解約返戻金との差額は雑収入となるため不適切と判断する。
- 記述②につき、払済終身保険への変更後に役員へ名義変更して役員退職金として現物支給する手法の妥当性を確認し適切と判断する。
- 記述③につき、払済保険変更時の解約返戻金額が既往資産計上額を上回るため雑収入(利益増加)となることから不適切と判断する。
- 記述④につき、契約者貸付金の受入れは借入金(負債)の計上であり雑収入ではないため不適切と判断する。
- 選択肢 ①不正解
- 支払保険料全額(6,600万円)が資産計上されているわけではなく(半額の3,300万円程度が資産計上)、解約返戻金5,200万円を受け取った場合は差額が雑収入(益金)となるため不適切です。
- 選択肢 ②正解
- 払済終身保険に変更後、契約者を役員本人、受取人を相続人に名義変更することで、保険契約の権利(解約返戻金相当額)を退職金として現物支給することが可能です。
- 選択肢 ③不正解
- 解約返戻金相当額(5,200万円)がそれまで資産計上していた前払保険料額(約3,300万円)を上回っているため、変更時には雑収入が計上され当期の利益は増加するため不適切です。
- 選択肢 ④不正解
- 契約者貸付制度による借入金は負債(借入金)として経理処理され、全額を雑収入(益金)に算入するわけではないため不適切です。
答えの内訳
- ①:×
- 2019年7月8日以前契約の長期平準定期保険は、保険料払込期間の前半6割期間において支払保険料の2分の1を資産(前払保険料)計上し、残り2分の1を損金算入しています。そのため、資産計上額は累計保険料6,600万円の全額ではなくその半額(3,300万円)程度であり、解約返戻金5,200万円との差額は雑収入(益金)として計上されるため不適切です。
- ②:○
- 法人が契約している保険契約を払済終身保険に変更したうえで、退職する役員に名義変更(契約者を退職役員、死亡保険金受取人をその相続人等へ変更)することにより、保険契約の権利(解約返戻金相当額)を役員退職金の一部として現物支給することが認められているため適切です。
- ③:×
- 定期保険を払済終身保険に変更した場合、変更時の解約返戻金相当額を資産(保険料積立金等)に計上し、それまで資産計上していた前払保険料を取り崩します。本問では解約返戻金額(5,200万円)が既往の前払保険料資産計上額(約3,300万円)を上回るため、差額は雑収入(益金)となり、利益を増加させるため不適切です。
- ④:×
- 契約者貸付制度による借入れは保険会社からの金銭借入れであるため、受け取った貸付金は「借入金(負債)」として計上され、雑収入(益金)には算入されないため不適切です。
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覚えるポイント
- 法人の契約者貸付金受入れは「借入金(負債)」であり、益金(雑収入)にはならない。
- 払済保険への変更時は、変更時の解約返戻金額を資産計上し、既往資産計上額との差額を雑収入または雑損失として処理する。
間違えやすいところ
- 契約者貸付制度を解約返戻金の一部払戻しと混同し、受取額を雑収入として処理すると考えてしまう誤り。
- 過去に支払った保険料全額が資産計上されていると誤認し、解約返戻金との差額を雑損失と判断してしまうミス。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業保障および役員退職金準備における生命保険の活用
リスク管理 · 企業防衛・生前給付保険 / 定期保険の解約返戻金推移 / ハーフタックスプラン(養老保険)
Mさんが長男Bさんに対して説明した、法人における生命保険の活用方法に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をそれぞれ判定しなさい。 ① 経営者が要介護状態や重度疾患により長期間不在となった場合の業績悪化リスクに備え、重い病気等になった際にX社が一時金を受け取れる生前給付タイプの生命保険への加入を検討することは選択肢の1つとなる。 ② 保険期間10年の定期保険は長期平準定期保険より保険料が割安であり、期間途中で解約して多額の解約返戻金を得られるため、役員の生存退職金準備に適している。 ③ 役員・従業員の退職金準備として、契約者・満期保険金受取人をX社、被保険者を役員・従業員全員、死亡保険金受取人を遺族とする養老保険に加入した場合、支払保険料の全額を福利厚生費として損金算入できる。
- ○
- 適切
- ×
- 不適切
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
法人の生命保険活用では、保険商品の保障機能(死亡保障・生前給付)と貯蓄機能(解約返戻金等の資産性)を理解し、目的(事業保障・退職金準備)に応じた契約形態と法人税上の経理処理(損金算入限度・資産計上ルール)を正しく把握することが不可欠です。
解き方
- 記述①について、生前給付保険の受取人を法人とする場合の事業保障・リスク回避効果を判断する。
- 記述②について、保険期間10年の短期定期保険における解約返戻金の発生水準と退職金準備への適合性を判定する。
- 記述③について、法人契約の養老保険(ハーフタックスプラン)における支払保険料の税務上の損金算入割合を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 役員が三大疾病や就業不能状態等の重度疾患・要介護状態に陥った際、法人が給付金を受け取れる生前給付型保険に加入しておくことで、売上減少への補填や代替役員の確保資金として活用できるため適切です。
- 小問 ②:×
- 保険期間10年などの短期定期保険は掛け捨ての要素が強く、保険期間を通じて解約返戻金はほとんどないか極めて少額であるため、役員の生存退職金の原資準備としては適していません。
- 小問 ③:×
- 全員加入かつ満期保険金受取人を法人、死亡保険金受取人を被保険者の遺族とする養老保険(いわゆるハーフタックスプラン)では、支払保険料の2分の1を資産(保険料積立金)、残り2分の1を福利厚生費として損金算入します。全額損金算入は誤りです。
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覚えるポイント
- ハーフタックスプランの損金算入割合は2分の1(福利厚生費)であり、残り2分の1は資産計上(保険料積立金)となる。
- 短期定期保険は解約返戻金がほとんど貯まらないため退職金積立には適さない。
間違えやすいところ
- 福利厚生プランの養老保険で、支払保険料を全額損金算入できると誤認しやすい(全額ではなく2分の1)。
- 定期保険を一括りにして、短期の定期保険でも十分な解約返戻金が貯まると錯覚しやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等(法人税法基本通達、所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の控除期間・借入限度額・返済期間要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 認定長期優良住宅 / 控除期間と返済期間要件
住宅借入金等特別控除(以下「本控除」という)に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉の中から選びなさい。 「住宅ローンを利用して新築住宅を取得等し、2022年中に居住した場合、所定の要件を満たせば、居住の用に供した年分以後、最大で( ① )年間、本控除の適用を受けることができます。控除額の計算上、住宅ローンの年末残高には限度額が設けられています。Aさんのように認定長期優良住宅に該当する新築住宅を取得し、2022年中に居住した場合の年末残高の限度額は( ② )万円です。 Aさんの場合、住宅ローンの年末残高は( ② )万円よりも少ないため、住宅ローンの年末残高に控除率を乗じて得た金額を、所得税額から控除することができます。また、仮に当該控除額がその年分の所得税額から控除しきれない場合は、その控除しきれない残額は、一定額を限度として、翌年度分の住民税額から控除されます。なお、本控除の適用を受けるための要件には、『住宅ローンの返済期間が( ③ )年以上であること』などがあります」 〈数値群〉 イ.5 ロ.10 ハ.13 ニ.15 ホ.20 ヘ.2,000 ト.3,000 チ.5,000
- イ
- 5
- ロ
- 10
- ハ
- 13
- ニ
- 15
- ホ
- 20
- ヘ
- 2,000
- ト
- 3,000
- チ
- 5,000
解答・解説を表示
解答
① ハ ② チ ③ ロ
解説
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、個人の住宅取得を支援する税額控除制度です。2022年度税制改正により控除率が一律0.7%に見直されるとともに、新築住宅の控除期間が原則13年、住宅の環境性能(認定長期優良住宅等)に応じた借入限度額(2022年入居時は5,000万円)、返済期間10年以上などの主要要件が定められています。
解き方
- 2022年中に居住開始した新築住宅の住宅ローン控除の控除期間(最大年数)が13年であることを確認する。
- 住宅の区分(認定長期優良住宅)および2022年入居における年末借入残高の限度額が5,000万円であることを特定する。
- 住宅ローン控除の対象となる借入金の返済期間要件が10年以上であることを確認し、各空欄に対応する記号を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 2022年税制改正後の住宅借入金等特別控除において、新築住宅(認定長期優良住宅等を含む)を取得して2022年中に入居した場合の控除期間は最長「13年間」です。
- 小問 ②:チ
- 2022年中に入居した新築の認定長期優良住宅・認定低炭素住宅に係る年末借入残高の限度額は「5,000万円」です。
- 小問 ③:ロ
- 住宅借入金等特別控除の適用を受けるための借入金要件として、償還期間(返済期間)が「10年以上」の割賦返済である住宅ローンが対象となります。
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覚えるポイント
- 2022年税制改正後の新築住宅の住宅ローン控除期間は最長13年間、控除率は一律0.7%。
- 2022年入居の認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の年末残高限度額は5,000万円。
- 住宅ローンの返済期間要件は10年以上。
間違えやすいところ
- 既存住宅(中古住宅)の控除期間(10年間)と新築住宅の控除期間(13年間)を混同しやすい。
- 返済期間の要件(10年以上)を、設例に記載された住宅ローンの返済期間(20年)と誤読しやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等(2022年度税制改正後の租税特別措置法第41条)
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅取得資金の贈与税非課税および住宅借入金等特別控除の手続き・要件
タックスプランニング · 住宅取得等資金の贈与税の非課税 / 住宅借入金等特別控除の申告手続 / 単身赴任と住宅ローン控除
Aさんの新築マンション購入に関して、住宅取得資金の贈与税非課税制度、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の手続き、および単身赴任時の控除適用に関する次の記述①〜③の正誤を判定しなさい。 ①「父親からの資金援助について、『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税』の適用を受けた場合、贈与を受けた金額が非課税限度額を下回りますので、贈与税は課されません」 ②「Aさんが2022年分の所得税において住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、一定の書類を添付して、所轄税務署長に確定申告書を提出する必要がありますが、2023年分以後の所得税については、年末調整においてその適用を受けることができます」 ③「転勤等のやむを得ない事由によりAさんが単身赴任で転居した場合、妻Bさんや長男Cさんが引き続きマンションに居住していたとしても、単身赴任後は住宅借入金等特別控除の適用を受けることができません」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
住宅取得等資金の贈与税の非課税特例は、住宅の質の区分に応じた非課税限度額の範囲内であれば贈与税が非課税となる制度です。また、住宅ローン控除は初年分こそ確定申告が必要ですが2年目以降は年末調整で適用可能であり、単身赴任時でも家族が継続居住していれば要件を満たします。
解き方
- 設例の贈与金額(800万円)と認定長期優良住宅における住宅取得資金等の贈与税非課税限度額(1,000万円)を比較し、記述①の正誤を判定する。
- 給与所得者の住宅ローン控除の適用手続き(初年分は確定申告、2年目以降は年末調整)を確認し、記述②の正誤を判定する。
- 住宅ローン控除の居住継続要件における単身赴任等のやむを得ない転居の特例(家族の継続居住)を確認し、記述③の正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置において、取得した住宅が認定長期優良住宅等に該当する場合の非課税限度額は1,000万円(一般住宅は500万円)です。Aさんが父親から贈与を受けた金額は800万円であり限度額以下となるため、要件を満たして期限内に確定申告を行うことで贈与税は非課税となります。
- 小問 ②:○
- 給与所得者が住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合、適用を受ける初年分(2022年分)については確定申告書を所轄税務署長へ提出する必要がありますが、2年目以降(2023年分以後)については勤務先での年末調整によって控除を受けることができます。
- 小問 ③:×
- 給与所得者が転勤等のやむを得ない事由により単身赴任で転居した場合であっても、生計を一にする配偶者等の家族が引き続きその住宅に居住し、転勤等の事由が解消した後は本人が再び同居すると認められるときは、単身赴任中も引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。
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覚えるポイント
- 住宅取得等資金の贈与税非課税の限度額は質の高い住宅が1,000万円、一般住宅が500万円(2022年分)
- 給与所得者の住宅ローン控除は1年目確定申告・2年目以降年末調整
- 住宅ローン控除は単身赴任でも生計を一にする家族が住み続けていれば適用継続可能
間違えやすいところ
- 住宅取得資金贈与の非課税特例は、納税額が0円になる場合であっても申告期限内の確定申告が必要である点に注意する。
- 本人が住んでいないと住宅ローン控除が絶対に外れると誤認しがちだが、家族が居住継続していれば単身赴任特例が適用される。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得者の所得税額計算(総所得金額・配偶者控除・扶養控除・住宅ローン控除)
タックスプランニング · 給与所得控除 / 総所得金額 / 配偶者控除 / 扶養控除 / 住宅借入金等特別控除
設例の資料に基づき、会社員Aさんの2022年分の所得税計算における下記の各空欄①~④に入る数値を計算しなさい。 ① 総所得金額(円) ② 配偶者控除(円) ③ 扶養控除(円) ④ 税額控除(住宅借入金等特別控除)(円) <Aさんおよび家族の情報(2022年分)> ・Aさん(45歳):給与収入820万円 ・妻Bさん(43歳):給与収入90万円、同居・生計一 ・長男Cさん(20歳):大学生、収入なし、同居・生計一 ・取得マンション:新築・認定長期優良住宅、2022年6月入居、年末借入金残高1,920万円(返済期間20年)
解答・解説を表示
解答
① 6,280,000(円) ② 380,000(円) ③ 630,000(円) ④ 134,400(円)
解説
給与所得は給与収入から速算表に基づく給与所得控除を差し引いて算出します。所得控除のうち配偶者控除は合計所得金額等の要件判定により38万円が適用され、19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族として63万円が適用されます。2022年税制改正後の住宅ローン控除率は一律0.7%です。
解き方
- 給与所得控除額の表からAさんの給与収入820万円に応じた控除額(820万円×10%+110万円=192万円)を計算し、給与所得金額(総所得金額)を求める。
- 妻Bさんの合計所得金額(90万円-55万円=35万円)およびAさんの所得判定を行い、一般配偶者控除380,000円を特定する。
- 長男Cさんの年齢(20歳)から特定扶養親族に該当することを確認し、控除額630,000円を特定する。
- 2022年入居の認定長期優良住宅の新築に係る住宅借入金等特別控除の控除率(0.7%)を年末借入残高(1,920万円)に乗じて税額控除額を計算する。
答えの内訳
- ①:6,280,000
- 給与収入820万円に対する給与所得控除額は、<資料>より「収入金額×10%+110万円」=820万円×10%+110万円=192万円となります。したがって、総所得金額(給与所得の金額)は8,200,000円-1,920,000円=6,280,000円です。
- ②:380,000
- 妻Bさんの給与収入は90万円であり、給与所得控除55万円を差し引いた合計所得金額は35万円(48万円以下)です。また、納税者Aさんの合計所得金額は628万円(900万円以下)であるため、配偶者控除の適用対象となり、控除額は一般の控除対象配偶者として380,000円となります。
- ③:630,000
- 長男Cさんは2022年12月31日現在で20歳(19歳以上23歳未満)であり、収入がなく所得要件を満たすため「特定扶養親族」に該当します。したがって、扶養控除の額は630,000円となります。
- ④:134,400
- 2022年に居住開始した認定長期優良住宅の新築に係る住宅借入金等特別控除の借入限度額は5,000万円、控除率は0.7%です。2022年末の借入金残高1,920万円は限度額以下であるため、控除額は19,200,000円×0.7%=134,400円となります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の扶養控除額は63万円
- 給与所得控除の最低保障額は55万円
- 2022年入居の新築住宅ローン控除率は0.7%(認定長期優良住宅の借入限度額は5,000万円)
間違えやすいところ
- 長男Cさんの年齢(20歳)を見落として、一般の扶養親族の38万円と間違えないようにする。
- 2022年度改正後の住宅ローン控除率を、改正前の1.0%のまま計算して192,000円としてしまわないようにする(正しくは0.7%で134,400円)。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税価格・基礎控除・各人の税額および相続税の総額の計算
相続・事業承継 · みなし相続財産の非課税限度額 / 遺産に係る基礎控除額 / 相続税の総額
設例の親族関係および各人が取得する予定の相続財産に基づき、相続税の総額の計算表における空欄①~④に入る金額(万円単位)を求めなさい。なお、死亡保険金および死亡退職金の非課税限度額、小規模宅地等の特例適用後の評価額等を正しく反映させること。
解答・解説を表示
解答
① 6,000(万円) ② 5,400(万円) ③ 1,745(万円) ④ 7,795(万円)
解説
相続税の計算では、まず各相続人が取得した本来の相続財産およびみなし相続財産(非課税限度額控除後)から課税価格の合計額を求め、そこから遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を控除して課税遺産総額を算出します。その課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定して税率を適用し、全員分の税額を合算して相続税の総額を求めます。
解き方
- 法定相続人の数を確認し(妻、長男、代襲相続人の孫2人の計4人)、死亡保険金と死亡退職金の非課税枠(各500万円×4人=2,000万円)を控除して妻Bさんの課税価格を計算する。
- 遺産に係る基礎控除額「3,000万円+600万円×4人=5,400万円」を算出し、課税価格の合計額38,000万円から差し引いて課税遺産総額32,600万円を求める。
- 課税遺産総額に各法定相続人の法定相続分(妻1/2、長男1/4、孫各1/8)を乗じ、速算表を適用して各人の税額を求め、それらを合算して相続税の総額を導き出す。
答えの内訳
- ①:6,000
- 妻Bさんが取得する課税価格は、現金・預貯金1,000万円+自宅敷地1,000万円+自宅建物1,000万円+死亡保険金の課税対象額0円(2,000万円-非課税枠2,000万円[500万円×4人])+死亡退職金の課税対象額3,000万円(5,000万円-非課税枠2,000万円[500万円×4人])=6,000万円となります。
- ②:5,400
- 法定相続人は妻Bさん、長男Cさん、死亡した長女Dさんを代襲相続する孫Eさん・孫Fさんの計4人です。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×4人=5,400万円」となります。
- ③:1,745
- 課税遺産総額は課税価格の合計額38,000万円(6,000万+28,000万+2,000万+2,000万)から基礎控除額5,400万円を控除した32,600万円です。長男Cさんの法定相続分は4分の1(8,150万円)であり、速算表より「8,150万円×30%-700万円=1,745万円」となります。
- ④:7,795
- 各人の法定相続分に応ずる税額は、妻Bさん(1/2):16,300万円×40%-1,700万円=4,820万円、長男Cさん(1/4):1,745万円、孫Eさん(1/8):4,075万円×20%-200万円=615万円、孫Fさん(1/8):4,075万円×20%-200万円=615万円です。これらを合計した相続税の総額は「4,820万+1,745万+615万+615万=7,795万円」となります。

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覚えるポイント
- 死亡保険金と死亡退職金の非課税限度額はそれぞれ「500万円×法定相続人の数」で計算する。
- 相続税の総額は実際の按分割合ではなく、一度法定相続分で分割したものとして計算・合算する。
間違えやすいところ
- 代襲相続人が2人いる場合に法定相続人の数のカウントを誤るミス。
- 死亡保険金と死亡退職金で非課税枠を共有していると勘違いし、別個に控除しないミス。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の評価・配偶者の税額軽減・申告期限
相続・事業承継 · 類似業種比準価額 / 配偶者に対する相続税額の軽減 / 相続税の申告期限
設例のAさんの相続等に関する文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。
- イ
- 売上金額
- ロ
- 資本金等の額
- ハ
- 利益金額
- ニ
- 多い
- ホ
- 少ない
- ヘ
- 9月20日(水)
- ト
- 10月20日(金)
- チ
- 11月20日(月)
解答・解説を表示
解答
① ハ ② ニ ③ ト
解説
類似業種比準方式は、事業規模が「大会社」等に該当する類似業種の株価を基に、1株当たりの「配当金額」「利益金額」「簿価純資産価額」の3つの比準要素で評価します。配偶者の税額軽減では、最低1億6,000万円までの非課税枠が保障されています。相続税の申告・納付期限は「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」です。
解き方
- 類似業種比準価額の比準要素(配当・利益・純資産)から空欄①に該当する語句を特定する。
- 配偶者の税額軽減の限度基準(1億6,000万円と法定相続分相当額のいずれか多い額)を確認して空欄②を特定する。
- 死亡日(2022年12月20日)の翌日から10か月後の応当日(2023年10月20日)を算出して空欄③を特定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 類似業種比準価額の計算で比準要素となる3項目は「配当金額」「利益金額」「純資産価額(簿価)」であるため、空欄①には「利益金額」(ハ)が入ります。
- 小問 ②:ニ
- 配偶者の税額軽減は、取得した正味の遺産額が「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか「多い」金額まで相続税が課されないため、空欄②には「多い」(ニ)が入ります。
- 小問 ③:ト
- 相続税の申告書の提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。2022年12月20日の翌日から10か月後は2023年10月20日(金)であるため、空欄③には「10月20日(金)」(ト)が入ります。
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覚えるポイント
- 類似業種比準価額の比準要素は「配当」「利益」「純資産」の3要素である。
- 相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」である。
間違えやすいところ
- 配偶者の税額軽減を「いずれか少ない金額」と取り違えてしまう誤り。
- 相続税の申告期限を確定申告の期限(翌年3月15日)や所得税準確定申告の期限(4か月以内)と混同するミス。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例・相続税の総額計算・相続税額の2割加算
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例(配偶者の要件) / 相続税の総額の計算原理 / 相続税額の2割加算(代襲相続人)
被相続人Aさんの相続に関する次の記述①〜③について、適切なものには○、不適切なものには×を選択しなさい。 ① 妻Bさんが相続により取得した自宅の敷地を、相続税の申告期限までに売却した場合、当該敷地は特定居住用宅地等として「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることができなくなる。 ② 相続税の総額は、各相続人の実際の取得割合によって計算されることから、遺産分割内容により異なる額が算出される。 ③ 孫Eさんおよび孫FさんはAさんの孫にあたるが、既に死亡している長女Dさんの代襲相続人であるため、相続税額の2割加算の対象とはならない。
- ①
- 妻Bさんが自宅敷地を申告期限までに売却した場合、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の適用を受けられない。
- ②
- 相続税の総額は、各相続人の実際の取得割合により計算されるため、遺産分割内容によって総額が変動する。
- ③
- 孫Eさんおよび孫Fさんは代襲相続人であるため、相続税額の2割加算の対象とならない。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等では、配偶者が取得する場合に限り居住要件・保有継続要件が免除されます。また、相続税の総額は実際の遺産分割内容に関わらず法定相続分を基準として算定する法定相続分課税方式が採用されています。さらに、相続税額の2割加算は配偶者と一親等の血族以外の者が対象ですが、代襲相続人である孫は子の地位を引き継ぐため加算対象外となります。
解き方
- 特定居住用宅地等における配偶者の特例要件を確認し、申告期限までの所有継続が必須ではないことを判定する。
- 相続税の総額の算出プロセスを確認し、実際の分割比率ではなく法定相続分に基づき機械的に計算されることを確認する。
- 相続税額の2割加算の適用対象規定を整理し、代襲相続人となった直系卑属(孫)が適用除外となることを判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 被相続人の配偶者が特定居住用宅地等を取得する場合、居住継続要件や所有継続要件は課されないため、相続税の申告期限までに売却した場合であっても特例の適用を受けることができます。
- 小問 ②:×
- 相続税の総額は、課税遺産総額を「法定相続分」に応じて按分し税率を乗じて算定するため、実際の遺産分割割合や分割内容によって総額が変動することはありません。
- 小問 ③:○
- 相続税額の2割加算の対象からは配偶者および一親等の血族が除外されており、被相続人の子が相続開始前に死亡したことにより代襲相続人となった孫は2割加算の対象外とされます。
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覚えるポイント
- 特定居住用宅地等を配偶者が取得する場合、居住要件および申告期限までの保有継続要件は一切不要。
- 相続税の総額は法定相続分で按分して算出するため遺産分割の割合に左右されない。
- 代襲相続人となった孫は2割加算の対象外(養子縁組した孫養子は代襲相続人でない限り2割加算の対象)。
間違えやすいところ
- 同居親族等に求められる「申告期限までの所有継続・居住継続要件」が配偶者にも適用されると誤解しやすい。
- 遺産分割協議の内容によって各人の納付税額は変動するが、「相続税の総額」自体は変動しない点を取り違えやすい。
- 孫養子は原則として2割加算の対象となるが、代襲相続人である孫は2割加算の対象外となる違いを混同しやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2023年1月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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