日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の概要
老齢給付の年金額計算(老齢基礎年金・老齢厚生年金)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 報酬比例部分 / 経過的加算 / 加給年金
設例の<Aさん夫妻に関する資料>および<資料>に基づき、Aさんが65歳から受給できる老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額(年額)を計算しなさい。年金額は2022年度価額に基づき、端数処理は円未満四捨五入とすること。
解答・解説を表示
解答
① 722,706円、② 1,080,854円
解説
公的年金の老齢給付において、老齢基礎年金は20歳以上60歳未満の保険料納付済月数等を反映し、老齢厚生年金は厚生年金加入全期間の報酬比例部分に経過的加算額および生計維持要件を満たす配偶者等の加給年金額を合算して計算します。
解き方
- 老齢基礎年金の計算対象となる20歳以上60歳未満の被保険者月数を求め、未加入期間34月を除いた446月を用いて年金額を計算する。
- 老齢厚生年金の報酬比例部分について、2003年3月以前と2003年4月以後の計算式に月数および平均標準報酬(月)額を代入して合算する。
- 経過的加算額を計算式(被保険者月数上限480月)に当てはめて算出し、配偶者が65歳到達済みで加給年金が加算されないことを確認して老齢厚生年金の合計額を求める。
答えの内訳
- ①:722,706(円)
- 老齢基礎年金の額は、満額777,800円×(保険料納付済月数/480月)で求めます。20歳以上60歳未満の480月のうち、未加入期間が34月あるため、納付済月数は446月(480月-34月)となります。777,800円×446月/480月=722,705.83…円となり、円未満を四捨五入して722,706円となります。
- ②:1,080,854(円)
- 老齢厚生年金額は「報酬比例部分+経過的加算額+加給年金額」で算出します。報酬比例部分は2003年3月以前分が250,000円×(7.125/1,000)×204月=363,375円、2003年4月以後分が400,000円×(5.481/1,000)×302月=662,104.8円で、合計1,025,479.8円(四捨五入して1,025,480円)。経過的加算額は1,621円×480月(上限480月)-777,800円×(446月/480月)=778,080円-722,705.83…円=55,374.16…円(四捨五入して55,374円)。加給年金は妻BさんがAさんの65歳到達時にすでに65歳に達しているため加算対象外(0円)です。合計して1,025,480円+55,374円=1,080,854円となります。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の月数上限は480月(20歳以上60歳未満)であること
- 厚生年金の経過的加算の上限月数は480月であること
- 加給年金は受給権者が65歳到達時点で配偶者が65歳未満の場合に加算されること
間違えやすいところ
- 60歳以後の厚生年金被保険者期間を老齢基礎年金の受給額算定月数に含めてしまうミス
- 妻の年齢確認を怠り、加給年金額(388,900円)を誤って加算してしまうミス
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令および2022年度価額
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の繰上げ・繰下げ受給の仕組みと改定率
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 繰上げ受給 / 繰下げ受給 / 減額率 / 増額率
老齢基礎年金の繰上げ支給および繰下げ支給に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を語句群の中から選びなさい。
- イ
- 9.6
- ロ
- 12
- ハ
- 14.4
- ニ
- 42
- ホ
- 60
- ヘ
- 84
- ト
- しなければなりません
- チ
- するかどうか選択できます
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解答
① イ、② ト、③ ヘ
解説
公的年金の支給開始時期は希望により60歳から75歳までの間で選択できます。繰上げ請求を行うと月0.4%減額され基礎と厚生は同時請求が原則です。繰下げ請求を行うと月0.7%増額され最大84%の増額となります。
解き方
- Aさんの生年月日(1963年6月11日)から、改正後の新減額率(月0.4%)が適用されることを確認し、繰上げ月数24カ月に0.4%を乗じて①を算出する。
- 繰上げ請求における老齢基礎年金と老齢厚生年金の同時請求の義務(原則同一請求)を確認して②を選択する。
- 繰下げ増額率が月0.7%であり、75歳受給開始(繰下げ期間120カ月)における増額率(0.7%×120カ月=84%)を算出して③を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:イ
- 2022年4月以降に60歳に達する者(1962年4月2日以後生まれ)の繰上げ減額率は月当り0.4%です。63歳0カ月での繰上げは24カ月の繰上げとなるため、0.4%×24カ月=9.6%となります。
- 小問 ②:ト
- 老齢基礎年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢厚生年金の受給権も有しているときは、原則として老齢厚生年金の繰上げ請求を同時に行わなければなりません。
- 小問 ③:ヘ
- 繰下げ支給の増額率は月当り0.7%です。2022年4月施行により繰下げ上限年齢が75歳(最長120カ月)まで引き上げられたため、75歳0カ月で繰下げた場合の増額率は0.7%×120カ月=84%となります。
覚えるポイント
- 1962年4月2日以後生まれの繰上げ減額率は1月あたり0.4%
- 繰下げ増額率は1月あたり0.7%で上限は75歳(最長120月で84%)
- 繰上げは基礎と厚生を同時に請求しなければならない
間違えやすいところ
- 法改正前の繰上げ減額率0.5%を用いて減額率を計算してしまうミス
- 繰下げは基礎と厚生を別々に選択できるが、繰上げは同時請求が必要である点を取り違えるミス
出題の前提:2022年4月1日施行の年金制度改正法
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
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公的年金制度における特別支給の老齢厚生年金・任意加入・在職老齢年金
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 国民年金の任意加入被保険者 / 在職老齢年金
Aさん夫妻の公的年金加入歴等に基づき、Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「Aさんおよび妻Bさんには、特別支給の老齢厚生年金の支給はありません。原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することになります」 ② 「妻Bさんは、60歳以後、国民年金に任意加入し、国民年金の保険料を納付することにより、老齢基礎年金の年金額を増やすことができます」 ③ 「Aさんが、65歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務し、かつ、65歳から老齢厚生年金を受給する場合、Aさんの老齢厚生年金の報酬比例部分の額に基づく基本月額と総報酬月額相当額との合計額が47万円(支給停止調整額、2022年度価額)以下のときは調整が行われず、老齢厚生年金は全額支給されます」
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解答
① × ② × ③ ○
解説
公的年金制度では、性別や生年月日による支給開始年齢の経過措置(女性は男性より5年遅れ)、満額算定要件である40年(480月)の保険料納付実績、ならびに在職老齢年金の基準額(47万円)を的確に把握することが不可欠です。
解き方
- 受給権者の生年月日と性別から特別支給の老齢厚生年金の受給資格の有無を判定する。
- 20歳から60歳までの年金加入期間を確認し、老齢基礎年金が満額に達しているか判断する。
- 在職老齢年金における基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額基準(47万円)を満たしているか照合する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 男性は昭和36年4月2日以後生まれから特別支給の老齢厚生年金は支給されず、1963年6月生まれのAさんには支給されません。一方、女性は5年遅れで引き上げられるため、1963年(昭和38年)4月20日生まれの妻Bさんには63歳から報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給されます。したがって記述は不適切です。
- 小問 ②:×
- 妻Bさんは18歳から就職して厚生年金保険に加入し、20歳以降60歳までの40年間(480月)は第2号被保険者および第3号被保険者として保険料納付済期間を満たすため、老齢基礎年金はすでに満額受給予定です。国民年金の保険料納付済期間が480月に達している者は任意加入できないため、記述は不適切です。
- 小問 ③:○
- 65歳以後の在職老齢年金では、老齢厚生年金の報酬比例部分の基本月額と総報酬月額相当額との合計額が支給停止調整額(2022年度は47万円)以下のときは年金の支給調整は行われず、全額が支給されます。したがって記述は適切です。
覚えるポイント
- 女性の特別支給の老齢厚生年金の引き上げスケジュールは男性より5年遅れる
- 20歳から60歳までの納付済期間が480月に達している場合は任意加入できない
- 在職老齢年金の支給停止調整額は2022年度改正により一律47万円(2022年度価額)となった
間違えやすいところ
- 女性の支給開始年齢引き上げスケジュールを男性と同じと誤認すること
- 20歳未満の就職期間を含めて任意加入の可否を判定してしまうこと
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等(2022年度の年金額・支給停止調整額改定を含む)
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の高額療養費制度における自己負担限度額と限度額適用認定証の現物給付
リスク管理 · 公的医療保険 / 高額療養費制度 / 限度額適用認定証
Mさんは、Aさんに対して、全国健康保険協会管掌健康保険の高額療養費制度について説明した。以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を〈数値群〉の中から選び、その記号を解答しなさい。 「Aさんに係る医療費の一部負担金の割合は、( ① )割となりますが、同一月内に、医療機関等に支払った医療費の一部負担金の額が自己負担限度額を超えた場合、所定の手続により、自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給されます。この一部負担金の合計には、差額ベッド代、食事代、保険適用となっていない医療行為等は含まれません。また、過去12カ月以内に複数回高額療養費が支給されると、( ② )回目から自己負担限度額が軽減される仕組みがあります。 なお、事前に保険者から健康保険限度額適用認定証の交付を受け、医療機関の窓口に当該認定証と健康保険被保険者証を提示すると、一医療機関の窓口で支払う同一月内の一部負担金を自己負担限度額までとすることができます。 仮に、Aさんが病気により下記の<条件>で入院し、事前に健康保険限度額適用認定証の交付を受け、所定の手続をした場合、Aさんは、医療機関に一部負担金のうち( ③ )円を支払えばよく、実際の一部負担金との差額( ④ )円が現物給付されることになります」 <条件> ・Aさんの標準報酬月額は30万円である。 ・入院は1カ所の病院で、期間は2022年10月3日~12日までの10日間である。 ・総医療費(すべて全国健康保険協会管掌健康保険の保険給付の対象となるもの)は60万円である。 ・他に医療費はない。 <資料>医療費の自己負担限度額(月額) 自己負担限度額:80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
- イ
- 1
- ロ
- 1.5
- ハ
- 2
- ニ
- 3
- ホ
- 4
- ヘ
- 80,100
- ト
- 83,430
- チ
- 96,570
- リ
- 180,000
- ヌ
- 516,570
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解答
① ニ ② ホ ③ ト ④ チ
解説
公的医療保険の高額療養費制度では、所得区分ごとの自己負担限度額を計算し、限度額適用認定証を提示することで窓口支払額を限度額までに抑え(現物給付化)、差額は保険者が負担します。
解き方
- 年齢区分に応じた原則の一部負担金割合(70歳未満は3割)を確認する。
- 多数回該当の要件(過去12カ月で4回目以降)を整理する。
- 資料の計算式に基づき、総医療費60万円に対応する自己負担限度額(窓口支払額)を算出する。
- 通常の3割負担額(18万円)から自己負担限度額を差し引いて、現物給付される高額療養費の額を求める。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ニ
- 70歳未満の被保険者の医療費の一部負担金の割合は原則3割(ニ)となります。
- 小問 ②:ホ
- 同一世帯で直近12カ月以内に高額療養費の支給が3回以上あった場合、4(ホ)回目から多数回該当となり自己負担限度額が軽減されます。
- 小問 ③:ト
- 自己負担限度額は「80,100円+(600,000円-267,000円)×1%=80,100円+3,330円=83,430円」となり、窓口で支払う額は83,430(ト)円です。
- 小問 ④:チ
- 本来の一部負担金は「600,000円×30%=180,000円」であるため、差額の高額療養費現物給付額は「180,000円-83,430円=96,570(チ)円」となります。
覚えるポイント
- 70歳未満の一部負担割合は3割、高額療養費の多数回該当は通算4回目から
- 限度額適用認定証を窓口提示すると、窓口支払額が自己負担限度額までとなる
間違えやすいところ
- 現物給付される額を求めるときに、総医療費から限度額を引いてしまうミス(通常の窓口負担額から引く必要がある)
- 多数回該当の適用開始回数を3回目と誤認すること
出題の前提:2022年4月1日現在施行の健康保険法
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
終身医療保険の保障内容および保険料払込方法
リスク管理 · 医療保険の給付金計算 / 先進医療特約 / 保険料払込期間(終身払と有期払)
Aさん(31歳)が提案を受けた無配当終身医療保険(主契約:入院日額10,000円・手術一時金等、特約:入院一時金10万円・三大疾病一時金100万円・先進医療特約)に関する次の記述①~③について、適切なものには○、不適切なものには×を判定しなさい。
- ①
- Aさんが生まれて初めてがん(悪性新生物)に罹患したと医師によって診断確定され、10日間入院(手術なし)した場合、提案を受けた終身医療保険から支払われる給付金および一時金の合計額は110万円である。
- ②
- 先進医療の治療を受けた場合、診察料や投薬料等に係る費用は公的医療保険の対象となるが、技術料に係る費用は全額自己負担となるため、先進医療特約の付加が勧められる。
- ③
- 提案を受けた終身医療保険の保険料払込期間を有期払込にすることで、毎月の保険料負担は減少し、保険料の払込総額も少なくなる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
医療保険では主契約の入院・手術給付金に加え、該当する特約給付金が重複して支給されます。また、保険料払込期間を有期払にすると毎月の負担は増す一方、老後の支払いをなくす設計となります。
解き方
- 設例の保障内容(入院給付金日額、各種一時金特約)から受取要件を満たす項目を漏れなく抽出して合計額を算出する。
- 公的医療保険における先進医療の給付範囲(技術料は全額自己負担、基礎部分は保険診療)を確認する。
- 終身払込と有期払込における月々の保険料水準と支払期間の仕組みの違いを正しく判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 主契約の入院給付金10万円(日額1万円×10日)、入院一時金特約の10万円、三大疾病一時金特約の100万円が合算されて支払われるため、合計額は120万円となります。110万円とする記述は誤りです。
- 小問 ②:○
- 先進医療を受けた場合、先進医療に係る技術料は全額自己負担となりますが、通常の診察・検査・投薬・入院料相当分には公的医療保険が適用されます。高額になりがちな技術料をカバーするために先進医療特約の付加が有効です。
- 小問 ③:×
- 終身医療保険において保険料払込期間を有期払込(60歳済や65歳済など)にした場合、一生涯払い続ける終身払込に比べて払込期間が限定される分、毎回の支払保険料負担(月払保険料)は高くなります。
覚えるポイント
- 先進医療の技術料は全額自己負担で、公的医療保険の対象外となる。
間違えやすいところ
- 有期払込は毎月の保険料が高くなり、終身払込は毎月の保険料が割安になる関係を取り違えやすい。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
告知義務・生命保険料控除・保障の見直し
リスク管理 · 告知義務と告知受領権 / 介護医療保険料控除の限度額 / 定期的な保障見直し
生命保険の加入手続きや税務上の取扱い等に関する次の記述①~③について、適切なものには○、不適切なものには×を判定しなさい。
- ①
- 生命保険の契約の際には、傷病歴等について事実を正しく告知する必要がある。告知受領権は生命保険募集人が有しているため、当該募集人に対して口頭で告知すればよい。
- ②
- Aさんが提案を受けた終身医療保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。介護医療保険料控除の控除限度額は、所得税で50,000円、住民税で25,000円である。
- ③
- 医療技術の進歩や社会保険制度の改正等に合わせて生命保険の商品改定が行われるため、一度加入して終わりにせず、ライフステージの変化等に伴い定期的に保障内容を見直すことが勧められる。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
保険募集人には原則として告知受領権がなく書面告知が必要です。また新契約の介護医療保険料控除の限度額は所得税4万円・住民税2.8万円と定められています。
解き方
- 生命保険募集人の権限(媒介権のみで原則として告知受領権がないこと)を確認する。
- 所得税の新制度における生命保険料控除(一般・介護医療・個人年金)の各控除限度額(所得税最高4万円、住民税最高2.8万円)を確認する。
- 社会環境やライフステージに応じた保険見直しの重要性に関する妥当性を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 生命保険募集人には告知受領権がありません。そのため、生命保険募集人に口頭で告知しても法的な告知義務を果たしたことにはならず、所定の告知書への正確な記入等が必要です。
- 小問 ②:×
- 所得税の新制度における介護医療保険料控除の控除限度額は、所得税が最高40,000円、個人住民税が最高28,000円です。所得税50,000円・住民税25,000円ではありません。
- 小問 ③:○
- 医療技術の進歩(入院日数の短期化や通院治療の増加等)や公的医療保険の改正、家族構成の変化等に応じて、適時適切な保障内容に見直すことが推奨されます。
覚えるポイント
- 新制度の生命保険料控除限度額は所得税各4万円(計12万円)、住民税各2.8万円(計7万円)。
間違えやすいところ
- 生命保険募集人に告知受領権があると誤解したり、旧制度の控除限度額(所得税5万円)と混同しやすい。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得控除額および退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除 / 勤続年数の端数処理
将来X社がAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合における、Aさんの役員退職金に係る①退職所得控除額および②退職所得の金額をそれぞれ求めなさい。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)は30年3カ月とし、これ以外の退職手当等の収入はなく、障害を直接の原因とする退職ではないものとする。単位は万円とすること。
解答・解説を表示
解答
① 1,570万円、② 1,715万円
解説
退職所得の計算において勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げて1年とします。勤続年数20年超の控除額は800万円に20年超1年あたり70万円を加算し、退職所得の金額は原則として控除後の金額を2分の1にして算出します。
解き方
- 勤続年数30年3カ月の端数を切り上げ、31年として勤続年数を確定します。
- 退職所得控除額として800万円+70万円×(31年-20年)=1,570万円を算出します。
- 退職金5,000万円から控除額1,570万円を差し引き、2分の1を乗じて1,715万円を求めます。
答えの内訳
- ①:1,570万円
- 勤続年数30年3カ月は1年未満を切り上げて31年として計算します。勤続年数20年超の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」であるため、800万円+70万円×(31年-20年)=1,570万円となります。
- ②:1,715万円
- 役員等としての勤続年数が5年を超えるため一般の退職所得の計算式が適用され、「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」により、(5,000万円-1,570万円)×1/2=1,715万円となります。
覚えるポイント
- 退職所得控除の勤続年数計算では1カ月でも端数があれば1年に切り上げます。
間違えやすいところ
- 勤続年数の端数3カ月を切り捨てて30年として計算しないよう注意が必要です。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業退職金共済制度および福利厚生プランの税務・特徴
リスク管理 · 中小企業退職金共済 / ハーフタックスプラン / 福利厚生費
中小企業退職金共済制度(中退共)および福利厚生プラン(養老保険)に関する次の記述①~④について、適切なものには○、不適切なものには×を判定しなさい。 ① 新しく中退共に加入する場合、加入後4カ月目から1年間、掛金月額の2分の1(従業員ごとに上限5,000円)について国の助成が受けられる。 ② 中退共に加入後、急な資金需要が生じた場合、中退共の契約者貸付制度を利用することにより、資金を調達することができる。 ③ 従業員が中途退職(生存退職)した場合、その従業員に係る福利厚生プランの解約返戻金はX社が受け取ることになるが、中退共の退職金は、X社を経由せず、その従業員に直接支給される。 ④ 福利厚生プランの保険料は、その2分の1相当額を福利厚生費として損金の額に算入することができる。
- ①
- 中退共は、退職金を社外に積み立てる退職金準備の共済制度です。新しく中退共に加入する場合、加入後4カ月目から1年間、掛金月額の2分の1(従業員ごとに上限5,000円)について国の助成が受けられます。
- ②
- 中退共に加入後、急な資金需要が生じた場合、中退共の契約者貸付制度を利用することにより、資金を調達することができます。
- ③
- 従業員が中途退職(生存退職)した場合、その従業員に係る福利厚生プランの解約返戻金はX社が受け取ることになりますが、中退共の退職金は、X社を経由せず、その従業員に直接支給されます。
- ④
- 福利厚生プランの保険料は、その2分の1相当額を福利厚生費として損金の額に算入することができます。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○ ④ ○
解説
中退共は国の助成がある退職金共済で退職金は従業員に直接支払われますが、事業主への貸付制度はありません。一方、全員加入の養老保険ハーフタックスプランでは保険料の半額を損金算入でき、解約返戻金は契約者である法人が受け取ります。
解き方
- 中退共の新規加入助成要件(加入4カ月目から1年間、掛金の1/2・上限5,000円)を確認します。
- 中退共には小規模企業共済のような事業主向け契約者貸付制度が存在しない点を確認します。
- 養老保険の解約返戻金(法人が受取)と中退共の退職金(従業員へ直接支給)の受取人の違いを確認します。
- ハーフタックスプラン(福利厚生プラン)における損金算入限度(保険料の2分の1)を確認します。
- 選択肢 ①正解
- 新加入助成制度として、加入後4カ月目から1年間、掛金月額の2分の1(従業員ごとに上限5,000円)が国から助成されます。
- 選択肢 ②不正解
- 中退共には事業主を対象とした契約者貸付制度は存在しないため、資金調達の手段としては利用できません。
- 選択肢 ③正解
- 契約者・満期受取人が法人である養老保険の解約返戻金は会社が受取人となり、中退共の退職金は機構から従業員へ直接支払われます。
- 選択肢 ④正解
- 全従業員を対象として満期受取人を法人、死亡受取人を遺族とする養老保険の支払保険料は、2分の1を福利厚生費として損金算入できます。
答えの内訳
- ①:○
- 新しく中退共に加入する事業主に対しては、加入後4カ月目から1年間、国から掛金月額の2分の1(上限5,000円)の助成が行われます。
- ②:×
- 中退共制度には契約者である事業主に対する契約者貸付制度は設けられていないため不適切です。
- ③:○
- 養老保険の満期保険金受取人が法人であるため解約返戻金は法人が受領しますが、中退共の退職金は退職した従業員本人へ直接支給されます。
- ④:○
- 全員加入で満期保険金受取人を法人、死亡保険金受取人を遺族とする福利厚生プラン(ハーフタックスプラン)の保険料は、2分の1を福利厚生費(損金)、2分の1を保険料積立金(資産)として処理します。
覚えるポイント
- 中退共の退職金は事業主を介さず従業員に直接支給され、契約者貸付制度はありません。
間違えやすいところ
- 小規模企業共済にある契約者貸付制度が中退共にもあると混同しないようにしましょう。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約する定期保険の保険料の経理処理
タックスプランニング · 定期保険の経理処理 / 最高解約返戻率 / 前払保険料
法人契約の定期保険(最高解約返戻率50%超)における支払保険料の経理処理に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、〈数値群〉の中から選びなさい。 「法人を契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人とし、役員または従業員を被保険者とする保険期間が3年以上の定期保険で、最高解約返戻率が50%を超えるものの支払保険料の経理処理については、最高解約返戻率が『50%超( ① )%以下』『( ① )%超85%以下』『85%超』である場合の3つの区分に応じて取り扱います。 <資料2>の定期保険の最高解約返戻率は『( ① )%超85%以下』であるため、保険期間開始日から保険期間の( ② )割に相当する期間を経過する日までは、当期分支払保険料の( ③ )%相当額を前払保険料として資産に計上し、残額は損金の額に算入します。( ② )割に相当する期間経過後は、当期分支払保険料の全額を損金の額に算入するとともに、資産に計上した金額については、保険期間の7.5割に相当する期間経過後から保険期間終了日までにおいて均等に取り崩し、損金の額に算入します」
- イ
- 4
- ロ
- 5
- ハ
- 6
- ニ
- 50
- ホ
- 55
- ヘ
- 60
- ト
- 65
- チ
- 70
解答・解説を表示
解答
① チ ② イ ③ ヘ
解説
2019年7月8日以後に締結した法人の定期保険契約等の保険料は、最高解約返戻率に応じて区分され、50%超70%以下は支払保険料の40%、70%超85%以下は支払保険料の60%を保険期間の当初4割相当期間において資産(前払保険料)に計上し、残額を損金算入します。
解き方
- 最高解約返戻率の区分基準である「50%超70%以下」「70%超85%以下」「85%超」を確認し、①に70を当てはめます。
- 資料2の最高解約返戻率83%は「70%超85%以下」に該当するため、資産計上期間が保険期間の「4割」、資産計上割合が「60%」であることを確認し、②に4、③に60を導きます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:チ
- 最高解約返戻率が50%超の定期保険等の経理処理ルールでは、「50%超70%以下」「70%超85%以下」「85%超」の3区分で判定するため、①には「70」(チ)が入ります。
- 小問 ②:イ
- 最高解約返戻率が70%超85%以下の場合、資産計上を行う期間は保険期間開始日から保険期間の「4割」(イ)に相当する期間を経過する日までとなります。
- 小問 ③:ヘ
- 最高解約返戻率が70%超85%以下の場合、資産計上期間中は支払保険料の「60%」(ヘ)相当額を前払保険料として資産計上し、残額40%を損金算入します。
覚えるポイント
- 70%超85%以下は「4割期間・60%資産計上」、50%超70%以下は「4割期間・40%資産計上」です。
間違えやすいところ
- 資産計上期間(4割)と資産計上割合(60%や40%)の数値を逆に取り違えるミスに注意しましょう。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における青色申告制度の特典と要件
タックスプランニング · 青色申告特別控除 / 期限後申告 / 純損失の繰越控除 / 棚卸資産の評価方法
所得税における青色申告制度に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉の中から選びなさい。 Ⅰ「事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高( ① )万円を控除することができます。( ① )万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することに加えて、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う必要があります。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、青色申告特別控除額は最高( ② )万円となります」 Ⅱ「青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の( ③ )年間の繰越控除、純損失の繰戻還付、棚卸資産の評価について( ④ )を選択できることなどが挙げられます」
- イ
- 3
- ロ
- 5
- ハ
- 7
- ニ
- 10
- ホ
- 38
- ヘ
- 55
- ト
- 65
- チ
- 低価法
- リ
- 原価法
- ヌ
- 定額法
解答・解説を表示
解答
① ト ② ニ ③ イ ④ チ
解説
青色申告者は適正な記帳を行う見返りとして、最高65万円の青色申告特別控除、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の3年間の繰越控除や前年への繰戻還付、棚卸資産の評価における低価法の選択などの税制上の優遇措置を受けられます。
解き方
- 青色申告特別控除の最大控除額(e-Tax・電子帳簿保存ありの期限内申告で65万円、期限後申告で10万円)を確認し、①に65(ト)、②に10(ニ)を選択します。
- 純損失の繰越期間が「3年間」である知識から③に3(イ)を選び、青色申告者の特例として認められる棚卸資産の評価方法である「低価法」から④に低価法(チ)を選択します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ト
- 正規の簿記の原則による記帳、貸借対照表等の添付、期限内申告に加え、e-Tax申告または電子帳簿保存を行うことで、青色申告特別控除の最高限度額は「65」(ト)万円となります。
- 小問 ②:ニ
- 正規の簿記の原則で記帳していても、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合は65万円や55万円の控除は受けられず、控除額は最高「10」(ニ)万円となります。
- 小問 ③:イ
- 青色申告者は、事業所得等に生じた純損失の金額を翌年以後「3」(イ)年間にわたって繰り越して各年分の所得金額から控除することができます。
- 小問 ④:チ
- 棚卸資産の評価方法として、所得税法上、青色申告者は税務署長への届出により「低価法」(チ)を選択することができます(白色申告者は原則として原価法のみ)。
覚えるポイント
- 青色申告特別控除は「電子化+期限内」で65万円、「期限後」では10万円となります。
間違えやすいところ
- 期限後申告になると正規の簿記で記帳していても10万円控除に減額される点を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色事業専従者・扶養控除・生命保険料の必要経費性
タックスプランニング · 青色事業専従者控除 / 扶養控除 / 個人事業主の生命保険料
個人事業主であるAさんの2022年分の所得税の課税等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ①「妻Bさんは、青色事業専従者として給与の支払を受けていますので、妻Bさんの合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者には該当せず、Aさんは配偶者控除の適用を受けることはできません」 ②「Aさんは母Cさんに係る扶養控除の適用を受けることができます。母Cさんに係る扶養控除の額は58万円です」 ③「契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人をAさん、被保険者を妻Bさんとする定期保険(10年更新)に加入した場合、Aさんが支払う保険料は、事業所得の金額の計算上、必要経費として認められます」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
所得税法上、青色事業専従者給与の支給対象となった者は配偶者控除や扶養控除の対象外となります。扶養控除では合計所得金額要件(48万円以下)を満たし、かつ70歳以上で納税者と同居している場合は同居老親等(58万円控除)として取り扱われます。また、個人事業主が支払う自身を受取人とする生命保険料は家事関連費とみなされ、事業の必要経費にはなりません。
解き方
- 妻Bさんが青色事業専従者給与の支払を受けている事実を確認し、配偶者控除の適用可否を判定する。
- 母Cさんの公的年金等控除後の合計所得金額を算出し、同居老親等の扶養控除要件および控除額(58万円)を確認する。
- 個人事業主が支払う親族を被保険者とする生命保険料の税務上の取扱い(家事費・生命保険料控除対象)を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けた者は、所得税法上の控除対象配偶者や扶養親族に該当しないため、合計所得金額にかかわらず配偶者控除を受けることはできません。
- 小問 ②:○
- 母Cさん(81歳)の公的年金等控除額は110万円であり、年金収入60万円に対して雑所得は0円(合計所得金額48万円以下)となります。同居している70歳以上の父母等のため同居老親等に該当し、扶養控除額は58万円です。
- 小問 ③:×
- 個人事業主自身を受取人とする家族被保険者の定期保険料は、事業の業務上の直接の経費とは認められず、事業所得の必要経費には算入できません(生命保険料控除の対象となります)。
覚えるポイント
- 青色事業専従者給与の適用を受ける親族は、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除の対象外となる。
- 同居老親等の扶養控除額は58万円、同居以外の老人扶養親族は48万円である。
間違えやすいところ
- 給与収入100万円の配偶者は基礎控除等の範囲内であっても、青色事業専従者給与を受けている場合は配偶者控除を重ねて受けることはできない。
- 個人事業主自身の生命保険料を事業の必要経費に誤って算入してしまうミスに注意する。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額・基礎控除・所得税額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 一時所得 / 雑所得 / 基礎控除 / 超過累進税率
設例の資料に基づき、Aさんの2022年分の所得税の算出税額を計算した表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。 (a)総所得金額 :( ① )円 所得控除の額の合計額 : 2,000,000円(基礎控除( ② )円を含む) (c)課税総所得金額((a)-(b)) (d)算出税額((c)に対する所得税額) :( ③ )円
解答・解説を表示
解答
① 5,350,000(円) ② 480,000(円) ③ 242,500(円)
解説
総所得金額は、事業所得や雑所得などの経常的な所得に加え、一時所得の金額に2分の1を乗じた金額を合算して求めます。基礎控除は合計所得金額2,400万円以下であれば48万円が控除され、課税総所得金額に超過累進税率の速算表を適用して算出税額を計算します。
解き方
- 雑所得(収入-経費)と一時所得((総収入-支出-50万円)×1/2)を計算し、事業所得に加算して総所得金額を算出する。
- 合計所得金額から基礎控除の額(48万円)を特定する。
- 総所得金額から所得控除合計額を差し引いて課税総所得金額を求め、速算表を適用して税額を算出する。
答えの内訳
- ①:5,350,000
- 事業所得500万円に加え、個人年金の雑所得が20万円(100万円-80万円)、平準払養老保険の満期保険金の一時所得が15万円((440万円-360万円-特別控除50万円)×1/2)となり、合計で5,350,000円となります。
- ②:480,000
- 納税者の合計所得金額が2,400万円以下であるため、所得税における基礎控除額は480,000円となります。
- ③:242,500
- 課税総所得金額は5,350,000円-2,000,000円=3,350,000円です。速算表(195万円超330万円以下を超え、330万円超695万円以下:税率20%、控除額42万7,500円)により、3,350,000円×20%-427,500円=242,500円となります。
覚えるポイント
- 一時所得の総所得金額への算入額は、特別控除(最高50万円)を差し引いた後の金額の2分の1である。
- 合計所得金額2,400万円以下の基礎控除額は所得税48万円(住民税43万円)である。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除50万円の控除忘れ、または2分の1の乗算忘れ。
- 課税総所得金額の算出時に千円未満端数処理(切り捨て)の要否を確認するが、本問では端数が発生しない。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額の計算 / 遺産に係る基礎控除額 / 課税遺産総額
設例の父Cさんの相続において、相続税の課税価格の合計額が1億7,000万円である場合における、下表の空欄①〜③に入る数値を求めなさい(単位:万円)。法定相続人は子であるAさんおよび姉Bさんの2人である。
解答・解説を表示
解答
① 4,200(万円) ② 1,220(万円) ③ 2,440(万円)
解説
相続税の総額は、課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を求め、それを民法の法定相続分に従って按分した各法定相続人の取得金額に超過累進税率を適用して各税額を算出し、それらを合計して計算します。
解き方
- 法定相続人の数を確認し、基礎控除額「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を算出して課税遺産総額を計算する。
- 課税遺産総額を法定相続分で按分し、各人の金額に速算表の税率・控除額を適用して各税額を求め、合算して総額を算出する。
答えの内訳
- ①:4,200
- 遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。法定相続人は子2人(Aさん、姉Bさん)であるため、3,000万円+600万円×2人=4,200万円となります。
- ②:1,220
- 課税遺産総額は1億7,000万円-4,200万円=1億2,800万円です。これを法定相続分(各自2分の1)で按分すると、Aさんの取得金額は6,400万円となります。速算表(5,000万円超1億円以下:税率30%、控除額700万円)を適用し、6,400万円×30%-700万円=1,220万円となります。
- ③:2,440
- 姉Bさんの法定相続分に応ずる税額もAさんと同額の1,220万円となるため、相続税の総額は各自の税額を合計した1,220万円+1,220万円=2,440万円となります。
覚えるポイント
- 基礎控除額の計算式は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
- 相続税の総額の計算では、実際の遺産分割割合ではなく法定相続分で仮に按分して税額を算出します。
間違えやすいところ
- 基礎控除額の定額部分(3,000万円)と比例部分(600万円×人数)を旧法令の数値と混同しないように注意が必要です。
- 速算表を適用する際、課税遺産総額そのものに適用するのではなく、必ず法定相続分で按分した後の金額に適用します。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
申告期限(準確定申告・相続税)および貸付事業用宅地等の小規模宅地特例
相続・事業承継 · 準確定申告の期限 / 相続税の申告期限 / 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 / 貸付事業用宅地等
父Cさんの相続に関する説明文の空欄①~③に入る適切な数値を答えなさい。①被相続人の所得税の準確定申告期限、②相続税の申告期限、③敷地面積300㎡・相続税評価額5,400万円の賃貸アパート敷地に貸付事業用宅地等として小規模宅地等の特例を適用した場合の減額金額(万円)。
解答・解説を表示
解答
① 4(カ月) ② 10(カ月) ③ 1,800(万円)
解説
相続発生時の各種手続には厳格な申告・納付期限が定められており、準確定申告は4カ月以内、相続税申告は10カ月以内に行う必要があります。また、小規模宅地等の特例における貸付事業用宅地等は限度面積200㎡まで50%の評価減が認められます。
解き方
- 準確定申告(4カ月以内)および相続税申告(10カ月以内)の法定申告期限を確認する。
- 貸付事業用宅地等の限度面積(200㎡)と減額割合(50%)を整理し、敷地全体の面積に対する按分計算を行って減額金額を算出する。
答えの内訳
- ①:4
- 被相続人が死亡した年分の所得税の確定申告(準確定申告)は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に提出しなければなりません。
- ②:10
- 相続税の申告書の提出期限は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
- ③:1,800
- 小規模宅地等の特例において、貸付事業用宅地等は200㎡を限度面積として50%が減額されます。敷地300㎡・評価額5,400万円の場合、減額される金額は5,400万円×(200㎡/300㎡)×50%=1,800万円となります。
覚えるポイント
- 準確定申告の期限は「相続開始を知った日の翌日から4カ月以内」です。
- 相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」です。
- 貸付事業用宅地等の限度面積は200㎡、減額割合は50%です。
間違えやすいところ
- 貸付事業用宅地等の減額割合(50%)を、特定居住用宅地等や特定事業用宅地等の減額割合(80%)と取り違えないように注意が必要です。
- 敷地面積が限度面積を超える場合は、限度面積までの割合(限度面積/敷地面積)を乗じる必要があります。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
相続・事業承継 · 空き家に係る譲渡所得の特別控除 / 相続税の取得費加算の特例 / 譲渡所得の税額計算
父Cさんの死亡に伴い、相続手続終了後に実家(敷地および建物)を売却する場合における「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ × ④ ×
解説
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例は、一定の要件を満たす空き家または取壊し後の更地を譲渡した場合に譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。適用期限や他の特例との重複適用の可否を正確に整理して判断します。
解き方
- 空き家特例の適用対象者(共有時の各人適用要件)と譲渡対象(更地渡しを含む)の要件を確認する。
- 譲渡の期限(相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日)と相続税申告期限の違い、および取得費加算の特例との併用可否を確認して判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 本特例は被相続人の居住用家屋またはその敷地等を相続した相続人ごとに適用されるため、共有名義で取得して譲渡した場合は各人がそれぞれ最高3,000万円の特別控除の適用を受けることができます。
- 小問 ②:×
- 本特例は、耐震基準に適合しない建物を耐震改修して譲渡する場合だけでなく、建物を取り壊して更地として敷地を譲渡する場合にも適用が可能です。したがって「更地で譲渡した場合に適用を受けられない」とする記述は不適切です。
- 小問 ③:×
- 本特例の適用を受けるための譲渡期限は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。「相続税の申告期限まで」ではありません。
- 小問 ④:×
- 「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」と「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(相続税の取得費加算の特例)」は選択適用であり、重複して適用を受けることはできません。
覚えるポイント
- 空き家特例の譲渡期限は「相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」である。
- 空き家特例と相続税の取得費加算の特例は重複適用できず選択適用となる。
間違えやすいところ
- 相続税の申告期限(10カ月以内)や取得費加算特例の期限(申告期限の翌日以後3年以内)と空き家特例の期限を混同しないこと。
- 耐震基準を満たさない建物でも、取り壊して更地で譲渡すれば適用可能であることを失念しやすい。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2022年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

