日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の概要
特別支給の老齢厚生年金の受給要件および支給開始年齢
公的年金 · 特別支給の老齢厚生年金 / 受給資格期間 / 支給開始年齢
設例のAさん夫妻に関する資料に基づき、ファイナンシャル・プランナーのMさんが説明した公的年金制度からの老齢給付に関する文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を語句群から選択しなさい。 「老齢厚生年金の支給開始年齢は原則として65歳ですが、経過措置として、老齢基礎年金に係る( ① )の受給資格期間を満たし、かつ、厚生年金保険の被保険者期間が( ② )以上あることなどの所定の要件を満たしている方は、65歳到達前に特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。 1960年11月生まれのAさんは、原則として64歳から、1960年5月生まれの妻Bさんは、原則として( ③ )から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給することができます」
- イ
- 1カ月
- ロ
- 1年
- ハ
- 10年
- ニ
- 20年
- ホ
- 25年
- ヘ
- 61歳
- ト
- 62歳
- チ
- 63歳
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ロ、③ ト
解説
特別支給の老齢厚生年金は、受給資格期間10年以上、厚生年金保険の被保険者期間1年以上を満たす場合に65歳到達前に受給できます。支給開始年齢は生年月日と性別によって段階的に引き上げられています。
解き方
- 特別支給の老齢厚生年金の受給要件である基礎年金の受給資格期間(10年)および厚生年金被保険者期間(1年以上)を確認する。
- 妻Bさん(女性・1960年5月6日生まれ)の生年月日に基づき、女性の報酬比例部分の支給開始年齢(62歳)を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間である10年(保険料納付済期間、免除期間、合算対象期間を合算)を満たしている必要があります。
- 小問 ②:ロ
- 特別支給の老齢厚生年金の受給要件として、厚生年金保険の被保険者期間が1年(12カ月)以上あることが求められます。
- 小問 ③:ト
- 女性の場合、男性より5年遅れて引き上げが進められています。1960年(昭和35年)5月生まれの女性(妻Bさん)は「昭和35年4月2日〜昭和37年4月1日生まれ」に該当するため、報酬比例部分の支給開始年齢は62歳となります。
覚えるポイント
- 特別支給の老齢厚生年金の要件は「受給資格期間10年以上」かつ「厚生年金被保険者期間1年以上」です。
- 女性の支給開始年齢は男性のスケジュールよりちょうど5年遅れて適用されます。
間違えやすいところ
- 特別支給の老齢厚生年金の受給要件(1年以上の厚生年金加入)を、加給年金の受給要件(20年以上の厚生年金加入)と混同しないようにしましょう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的医療保険の高額療養費および傷病手当金
公的医療保険 · 高額療養費制度 / 傷病手当金 / 支給期間
公的医療保険に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 「Aさんが同一月内に同一の医療機関等に支払った医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超える場合、所定の手続により、その支払った一部負担金等の全額が高額療養費として支給されます」 ② 「仮に、AさんがX社に引き続き勤務し、業務外の事由による負傷または疾病の療養のために労務に服することができず、連続して3日間休業し、かつ、4日目以降の休業した日について事業主から賃金の支払がなかった場合、所定の手続により、4日目以降の休業した日について、傷病手当金が支給されます」 ③ 「傷病手当金の支給額は、休業1日につき、原則として、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する額となり、その支給を開始した日から2年を限度として支給されます」
- ○
- 記述の内容が適切である。
- ×
- 記述の内容が不適切である。
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ×
解説
健康保険において、自己負担が過大になったときは限度額超過分が高額療養費として還付され、業務外の事由で就労不能になった休業期間には最長1年6カ月間(基準日時点)傷病手当金が支給されます。
解き方
- 記述①:高額療養費の支給対象が「一部負担金の全額」か「限度額超過額」かを確認して正誤を判定する。
- 記述②:傷病手当金の待期要件(連続3日間の休業)と支給要件(4日目以降の無給休業)の充足を確認する。
- 記述③:傷病手当金の支給期間の限度(法令基準日時点では支給開始日から1年6カ月)を確認して正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 高額療養費として支給されるのは、支払った一部負担金等の「全額」ではなく、自己負担限度額を「超えた部分の金額」であるため不適切です。
- 小問 ②:○
- 業務外の傷病により労務不能となり、連続した3日間の待期期間を満了したうえで4日目以降も休業し給与の支払いがない場合、傷病手当金が支給されるため適切です。
- 小問 ③:×
- 傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から起算して「最長1年6カ月」(2021年4月1日施行法令に基づく)であり、「2年を限度」とする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 高額療養費は「自己負担限度額を超えた額」が支給されます(全額還付ではありません)。
- 傷病手当金の支給期間は「支給開始日から最長1年6カ月」です(2022年1月以降は通算化されましたが、いずれにしても2年ではありません)。
間違えやすいところ
- 労災保険の休業補償給付(業務上の事由)と健康保険の傷病手当金(業務外の事由)の制度の違いに注意してください。
- 傷病手当金の待期要件は「連続して3日間」であり、飛び飛びの3日間では待期が完成しません。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢給付の年金額計算(老齢基礎年金および老齢厚生年金)
公的年金 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 報酬比例部分 / 経過的加算 / 配偶者加給年金
設例のAさん(1960年11月11日生まれ、65歳定年まで勤務予定)および妻Bさん(1960年5月6日生まれ)の資料と提示された計算式に基づき、Aさんが65歳から受給できる老齢給付の年金額(2021年度価額)について、次の①・②の金額を求めなさい。なお、年金額の端数処理は円未満四捨五入とすること。 ① 原則として、Aさんが65歳から受給できる老齢基礎年金の年金額 ② 原則として、Aさんが65歳から受給できる老齢厚生年金の年金額
解答・解説を表示
解答
① 733,721(円) ② 1,217,895(円)
解説
老齢基礎年金は20歳以上60歳未満の納付済月数等を基に計算します。老齢厚生年金は報酬比例部分と経過的加算を合算して算出し、受給権取得時に65歳未満の生計維持関係にある配偶者がいる場合に加給年金が上乗せされます。
解き方
- 老齢基礎年金の納付済月数を特定し、満額780,900円に納付済月数割合(451/480)を乗じて円未満四捨五入で算出する。
- 報酬比例部分について2003年3月以前と4月以後の計算式をそれぞれ適用して合算し、円未満四捨五入する。
- 経過的加算額を算出し(被保険者月数は上限480月を使用)、円未満四捨五入する。
- 加給年金の要件(配偶者の年齢等)を確認し、配偶者が既に65歳以上であるため不加算として合計額を求める。
答えの内訳
- ①:733,721(円)
- 20歳から60歳までの480月のうち、学生未加入期間29月を除いた厚生年金保険被保険者期間451月(=240月+271月-60月)が保険料納付済月数となります。780,900円×451月/480月=733,721.458…円となり、円未満を四捨五入して733,721円です。
- ②:1,217,895(円)
- 報酬比例部分はⓐ250,000円×(7.125/1,000)×240月=427,500円、ⓑ500,000円×(5.481/1,000)×271月=742,675.5円、合計1,170,175.5円(四捨五入で1,170,176円)です。経過的加算額は1,628円×480月-780,900円×(451月/480月)=781,440円-733,721.458…円=47,718.54…円(四捨五入で47,719円)です。Aさん65歳到達時に妻Bさんは既に65歳に達しているため加給年金額は加算されず、合計1,217,895円となります。
覚えるポイント
- 老齢基礎年金の計算月数は20歳以上60歳未満の期間のみが対象となる点
- 配偶者加給年金は本人が65歳到達時点で配偶者が65歳未満でなければ加算されない点
間違えやすいところ
- 経過的加算の定額部分の計算で被保険者期間511月をそのまま使ってしまい、上限480月を適用し忘れるミス
- 妻BさんがAさんの65歳到達時に既に65歳以上であることを確認せず、加給年金額390,500円を加算してしまうミス
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等(2021年度価額)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度における遺族給付(遺族基礎年金・遺族厚生年金・中高齢寡婦加算)
公的年金 · 遺族基礎年金 / 子の加算額 / 遺族厚生年金 / 短期要件 / 最低保障月数 / 中高齢寡婦加算
設例の会社員Aさん(35歳)が死亡した場合に、妻Bさん(35歳、子Cさん0歳)が受給できる公的年金の遺族給付について、文章中の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を語句群から選びなさい。 「現時点において、Aさんが死亡した場合、妻Bさんに対して遺族基礎年金および遺族厚生年金が支給されます。……妻Bさんが受け取る遺族基礎年金の額は、『子』が1人のため、( ① )円(2021年度価額)になります。 遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3相当額になります。ただし、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が( ② )月に満たない場合、( ② )月とみなして年金額が計算されます。 また、長男Cさんについて18歳到達年度の末日が終了し、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に中高齢寡婦加算が加算されます。中高齢寡婦加算の額は、遺族基礎年金の額(子の加算額を除く)の( ③ )相当額になります」
- イ
- 240
- ロ
- 300
- ハ
- 360
- ニ
- 780,900
- ホ
- 855,800
- ヘ
- 1,005,600
- ト
- 3分の1
- チ
- 3分の2
- リ
- 4分の3
解答・解説を表示
解答
① ヘ ② ロ ③ リ
解説
遺族基礎年金は生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に支給され、基本額に子の人数に応じた加算がなされます。遺族厚生年金は短期要件において被保険者期間が300月未満の場合に300月みなし保障があり、遺族基礎年金失権後の妻には65歳まで遺族基礎年金満額の4分の3相当の中高齢寡婦加算が支給されます。
解き方
- 遺族基礎年金の受給額(子1人の場合:基本額780,900円+第1子加算224,700円=1,005,600円)を特定し、空欄①に該当する記号を選ぶ。
- 在職中死亡による遺族厚生年金(短期要件)の最低保障月数である300月を特定し、空欄②に該当する記号を選ぶ。
- 遺族厚生年金に加算される中高齢寡婦加算の給付水準(遺族基礎年金本則額の4分の3相当額)を特定し、空欄③に該当する記号を選ぶ。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヘ
- 2021年度の遺族基礎年金の基本額は780,900円、第1子の加算額は224,700円であるため、子が1人の場合の支給額は合算して1,005,600円となり「ヘ」が適切です。
- 小問 ②:ロ
- 被保険者本人が死亡したことによる短期要件の遺族厚生年金では、被保険者期間の月数が300月未満の場合、300月とみなして報酬比例部分を計算するため「ロ」が適切です。
- 小問 ③:リ
- 中高齢寡婦加算の額は、遺族基礎年金の基本額(子の加算額を除く額)の4分の3相当額(780,900円×3/4=585,675円)と定められているため「リ」が適切です。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の短期要件における被保険者月数の最低保障は300月であること
- 中高齢寡婦加算の額は遺族基礎年金基本額の4分の3相当額であること
間違えやすいところ
- 老齢厚生年金の加給年金要件である240月と遺族厚生年金の最低保障300月を混同するミス
- 遺族基礎年金の額に子の加算額(第1子・第2子は各224,700円)を含め忘れるミス
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等(2021年度価額)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
必要保障額および死亡保険金額の計算
リスク管理 · 必要保障額の算出 / 生命保険の死亡保障設計
会社員Aさん(35歳)が死亡した場合の必要保障額、および提案を受けた生命保険に加入した年中に病気等(不慮の事故や所定の感染症以外)で死亡した場合に妻Bさんに支払われる死亡保険金額について、設例の<算式>および<条件>に基づいて空欄①および②に入る数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 2,220(万円)、② 2,700(万円)
解説
必要保障額は、世帯主死亡後の遺族に必要な総支出から遺族が得られる公的年金や資産等の総収入を差し引いて算出します。また、生命保険の給付額計算では、特約ごとの支払要件(疾病死亡・傷害死亡の区分)を正確に判定することが肝要です。
解き方
- 遺族の生活費(独立前・独立後)、整理資金、教育・結婚資金を合算して支出総額を算出する(団信加入住宅ローンは除外)。
- 遺族の収入見込額(公的年金・退職金・金融資産)を合計し、支出総額から差し引いて必要保障額を求める。
- 加入生命保険の特約一覧から病気死亡時に給付される特約(終身・定期・逓減定期)を特定し合算する。
答えの内訳
- ①:2,220
- 遺族に必要な生活資金等の支出総額は、独立前生活費4,620万円(25万円×70%×12カ月×22年)+独立後生活費4,800万円(25万円×50%×12カ月×32年)+死亡整理・緊急予備資金500万円+教育資金1,300万円+結婚援助費200万円=1億1,420万円です(住宅ローンは団信により完済扱い)。遺族の収入見込金額は、死亡退職金等2,000万円+公的年金等7,200万円=9,200万円となります。したがって、必要保障額は1億1,420万円-9,200万円=2,220万円です。
- ②:2,700
- 提案された保険のうち、病気等による死亡時に支払われる保障は、終身保険特約200万円、定期保険特約500万円、および逓減定期保険特約(初年度2,000万円)の合計となります。傷害特約は不慮の事故等による死亡に限定され、入院特約・先進医療特約には死亡保障がないため対象外です。合計して200万円+500万円+2,000万円=2,700万円となります。
覚えるポイント
- 団体信用生命保険加入済みの住宅ローンは死亡時に完済されるため、遺族の支出には含めない。
- 傷害特約は不慮の事故や感染症等による死亡・障害のみが対象で、病気死亡は支払対象外となる。
間違えやすいところ
- 団信に加入している住宅ローン残高を誤って遺族支出総額に加算してしまう。
- 病気死亡時の保険金額計算に傷害特約の500万円を含めて計算してしまう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等および問題文中の提示条件に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の特約性情および税務上の取扱い
リスク管理 · 生命保険料控除 / 先進医療特約 / リビング・ニーズ特約 / ライフステージと必要保障額
提案を受けた生命保険の保障内容および課税関係に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
- ①
- 必要保障額は、通常、末子が生まれた時に最大となり、その後、子どもの成長とともに逓減していきます。Aさんの今後のライフステージの変化に合わせて、保障内容を定期的に見直すことをお勧めします
- ②
- 先進医療の治療を受けた場合、診察料や投薬料等に係る費用は公的医療保険の対象となりますが、技術料に係る費用は全額自己負担となりますので、先進医療特約の付加をお勧めします
- ③
- Aさんが重い病気等で余命6カ月以内と判断された場合、リビング・ニーズ特約により所定の範囲内で死亡保険金の全部または一部を生前にAさんが受け取ることができます
- ④
- 当該生命保険の支払保険料のうち、終身保険特約、定期保険特約、逓減定期保険特約および傷害特約に係る保険料は一般の生命保険料控除の対象となり、入院特約および先進医療特約に係る保険料は介護医療保険料控除の対象となります
解答・解説を表示
解答
① ○、② ○、③ ○、④ ×
解説
生命保険契約において、保障内容はライフステージの変化に応じて見直しが必要であり、各種特約の給付条件や新契約における生命保険料控除の区分(身体傷害のみを保障する特約は控除対象外)を正しく理解しておく必要があります。
解き方
- 末子誕生から独立までの必要保障額の推移および見直しの妥当性を確認する。
- 先進医療における保険適用部分(診察料・検査等)と自己負担部分(技術料)の区分を確認する。
- リビング・ニーズ特約の要件(余命6カ月以内判定、生前給付)を確認する。
- 2012年以降の新生命保険料控除制度における各特約の区分(特に傷害特約が対象外となる点)を確認して正誤を判定する。
- 選択肢 ①正解
- 末子誕生時に将来の生活費・教育資金の負担期間が最も長いため必要保障額は最大となり、以後は成長とともに逓減します。
- 選択肢 ②正解
- 先進医療では技術料部分のみが全額自己負担となり、診察や検査等の基礎的部分は保険診療として扱われます。
- 選択肢 ③正解
- 余命6カ月以内と判断された場合に、死亡保険金の全部または一部を生前に前払いで受給できる特約です。
- 選択肢 ④不正解
- 傷害特約の保険料は、新生命保険料控除制度においてはいずれの控除区分にも該当せず対象外とされます。
答えの内訳
- ①:○
- 必要保障額は、末子が誕生した時点において将来必要となる生活費や教育費の総額が最大となり、子どもの成長や独立とともに年々逓減していくため、記述の内容は適切です。
- ②:○
- 先進医療を受けた場合、先進医療にかかる技術料は全額自己負担となりますが、通常の診察・投薬・検査・入院料等は公的医療保険が適用されるため、記述の内容は適切です。
- ③:○
- リビング・ニーズ特約は、医師から余命6カ月以内と診断された場合に、死亡保険金の全部または一部(通算上限3,000万円等)を生前給付金として請求・受領できるため、記述の内容は適切です。
- ④:×
- 傷害特約などの身体の傷害のみに基因して支払を受ける特約に係る保険料は、2012年1月1日以後の新契約では生命保険料控除の対象外となるため、一般の生命保険料控除の対象とする本問の記述は不適切です。
覚えるポイント
- 新生命保険料控除では、身体の傷害のみに基因する傷害特約や災害割増特約などの保険料は控除の対象外となる。
- 先進医療にかかる費用のうち技術料のみが自己負担であり、通常の診察・投薬・検査・入院費等は保険給付対象となる。
間違えやすいところ
- 傷害特約を旧契約の感覚で一般の生命保険料控除の対象として誤認してしまう。
- 先進医療は診察や入院等を含めた医療費の全額が自己負担になると誤認してしまう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得控除額および退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除 / 勤続年数の端数切上げ
X社が創業社長であるAさんに役員退職金4,000万円を支給した場合における、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得控除額および退職所得の金額をそれぞれ求めなさい。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)は33年3カ月とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者となったことに基因する退職ではないものとする。単位は万円とすること。
解答・解説を表示
解答
① 1,780万円 ② 1,110万円
解説
退職所得は、退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した後の残額に2分の1を乗じて計算します。勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げて計算し、20年以下の期間は年40万円、20年を超える期間は年70万円を乗じて控除額を求めます。
解き方
- 勤続年数33年3カ月の端数を1年に切り上げ、勤続年数を34年とします。
- 勤続年数20年超の控除算式に基づき、800万円+70万円×(34年-20年)=1,780万円を算出します。
- 役員在任期間が5年を超えるため1/2を乗じ、(4,000万円-1,780万円)×1/2=1,110万円を求めます。
答えの内訳
- ①:1,780万円
- 勤続年数は33年3カ月であり、1年未満の端数は切り上げて34年として計算します。勤続年数が20年を超えるため、退職所得控除額=800万円+70万円×(34年-20年)=1,780万円となります。
- ②:1,110万円
- 役員等の特定役員退職手当等であっても勤続年数が5年を超えるため、通常の退職所得の計算方法である1/2課税が適用されます。退職所得の金額=(4,000万円-1,780万円)×1/2=1,110万円となります。
覚えるポイント
- 勤続年数の1年未満の端数は切り上げて1年として計算すること。
- 役員等であっても勤続年数5年超であれば退職所得の1/2課税が適用されること。
間違えやすいところ
- 端数の3カ月を切り捨てて勤続年数33年として計算してしまう誤り。
- 役員退職金であることから、勤続年数5年以下の特定役員退職手当等と混同して1/2を掛け忘れるミス。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が加入する逓増定期保険の見直し・経理処理・契約変更
リスク管理 · 逓増定期保険 / 払済保険への変更 / 解約時の経理処理
X社が加入している逓増定期保険に関する次の記述①~④について、適切なものには○、不適切なものには×を解答用紙に記入しなさい。
- ①
- 当該生命保険の単純返戻率(解約返戻金額÷払込保険料累計額)は、逓増率変更年度の前後でピークを迎え、その後、単純返戻率は低下し、保険期間満了時には0(ゼロ)になります。現在のキャッシュバリューを確保するには、解約あるいは払済終身保険への変更を検討してください。
- ②
- 現時点で当該生命保険を解約した場合、解約時の資産計上額である1,400万円との差額である1,100万円を雑収入として経理処理します。
- ③
- 現時点で当該生命保険を払済終身保険に変更する場合、契約は継続するため、経理処理は必要ありません。
- ④
- 現時点で当該生命保険を払済終身保険に変更する場合、Aさんは改めて健康状態等についての告知または医師の診査を受ける必要があるため、変更時の健康状態によっては、払済終身保険に変更することができない場合があります。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ × ④ ×
解説
法人が契約する逓増定期保険は、保険期間満了に向かって返戻率が急激に低下してゼロになるため、ピーク時の解約や払済保険への変更が活用されます。変更や解約時には資産計上額との差額を損益処理する必要があり、払済保険への変更時には告知・診査は不要とされています。
解き方
- 記述①:逓増定期保険の特性として解約返戻率の推移および満了時に0になる点と見直し方針の妥当性を確認します。
- 記述②:解約返戻金額(2,500万円)から資産計上額(1,400万円)を差し引いた差額(1,100万円)の雑収入計上が正しいかを判定します。
- 記述③:払済終身保険への変更時に生じる資産計上額の振替および差額の損益計上義務の有無を検証します。
- 記述④:保険契約を払済保険に変更する際における告知・医師の診査の要否を確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 逓増定期保険の解約返戻率は逓増率変更年度前後にピークを迎え、満期時には0となるため、ピーク時前後に解約や払済保険へ変更してキャッシュバリューを確保することは適切です。
- 小問 ②:○
- 解約返戻金2,500万円とこれまでの資産計上額1,400万円(保険料積立金)との差額1,100万円は、益金(雑収入)として経理処理するため適切です。
- 小問 ③:×
- 払済終身保険へ変更する場合、変更時の解約返戻金相当額を保険料積立金(終身保険)等として計上し、それまでの資産計上額との差額を雑収入等に計上する経理処理が必要となります。
- 小問 ④:×
- 払済保険への変更は、解約返戻金をもとに保険期間を変えずに保障額を減額した保険等に変更する手続であり、新たな告知や医師の診査は不要です。
覚えるポイント
- 払済保険への変更時には新たな告知や医師の診査は不要であること。
- 法人の生命保険を払済保険へ変更した際は、解約返戻金相当額で資産計上額を振り替え損益の経理処理を行うこと。
間違えやすいところ
- 払済保険への変更は契約継続であるため会計処理が一切不要であると誤認すること。
- 保険の変更には常に医師の診査や告知が必要であると思い込んでしまうこと。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法人税基本通達および実務慣行に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険の商品内容と取扱い
リスク管理 · 総合福祉団体定期保険 / 団体保険 / 被保険者の範囲 / 保険期間
総合福祉団体定期保険の一般的な商品内容等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 総合福祉団体定期保険は、一般に従業員の遺族の生活保障を主たる目的としており、法人の役員を被保険者とすることはできない。 ② 総合福祉団体定期保険の加入申込みに際しては、一般に加入予定者の個別告知や医師による診査が必要となる。 ③ 総合福祉団体定期保険の保険期間は、一般に1年から10年の範囲内で、被保険者ごとに設定することができる。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ×
解説
総合福祉団体定期保険は、企業が従業員や役員の遺族の生活保障および福利厚生の充実等を目的として全員加入を原則として契約する1年更新の定期保険です。全員加入等により危険選択が団体の特性によって行われるため、加入者個別の診査や詳細な告知を要しない点に特色があります。
解き方
- 総合福祉団体定期保険の対象者が従業員のみか役員も含むかを確認する(役員も対象可能)。
- 加入時の診査要件を確認する(原則として医師の診査や個別告知は不要)。
- 保険期間の定めについて確認する(全員一律で1年更新)。
答えの内訳
- ①:×
- 総合福祉団体定期保険は、法人の従業員だけでなく役員も被保険者の対象とすることができます。
- ②:×
- 総合福祉団体定期保険は団体全員一括加入等の要件を満たすことで、個別の告知や医師の診査は原則不要とされています。
- ③:×
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は原則として全員一律1年(1年更新)であり、被保険者ごとに個別設定することはできません。
覚えるポイント
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は原則1年更新で、被保険者には役員も含まれます。
間違えやすいところ
- 個人の定期保険と混同して、医師の診査や個別告知が必要であると誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険解約・所得控除の課税関係
タックスプランニング · 一時払変額個人年金保険 / 一時所得 / 配偶者控除 / 医療費控除 / 年末調整
Aさんの2021年分の所得税の課税等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんが受け取った一時払変額個人年金保険の解約返戻金は、契約から10年以内の解約のため、金融類似商品に該当し、源泉分離課税の対象となる。 ② Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、38万円である。 ③ 会社員のAさんは、勤務先に所定の書類を提出することにより、年末調整によって医療費控除の適用を受けることができる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
一時払変額個人年金保険の解約返戻金は一時所得(総合課税)に分類されます。また、配偶者控除は納税者本人の合計所得金額(900万円以下で満額38万円)および配偶者の合計所得金額(48万円以下)により判定します。医療費控除・寄附金控除・雑損控除は年末調整では適用できず、確定申告が必須となります。
解き方
- 一時払変額個人年金保険の解約返戻金にかかる所得区分(一時所得)および金融類似商品の該否を確認する。
- 妻Bさんの給与所得を計算(50万円-給与所得控除55万円=0円≦48万円)し、Aさんの所得基準(給与収入750万円は合計所得900万円以下)から配偶者控除額が38万円であることを確認する。
- 医療費控除が年末調整の対象外であり、確定申告が必要であることを確認する。
答えの内訳
- ①:×
- 一時払変額個人年金保険の解約返戻金は金融類似商品には該当せず、契約者と受取人が同一の場合は一時所得として総合課税の対象となります。
- ②:○
- 妻Bさんのパート給与収入は50万円で合計所得金額が48万円以下であり、Aさんの合計所得金額も900万円以下であるため配偶者控除額は38万円となります。
- ③:×
- 医療費控除は年末調整で受けることができない控除項目であるため、適用を受けるには納税者自身が確定申告を行う必要があります。
覚えるポイント
- 医療費控除、寄附金控除、雑損控除は年末調整では手続きできず確定申告が必要です。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険等の5年以内解約(金融類似商品・源泉分離課税)と、一時払変額年金の解約(一時所得・総合課税)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
医療費控除およびセルフメディケーション税制の控除限度額等の計算要件
タックスプランニング · 医療費控除 / セルフメディケーション税制 / 所得控除
所得税における医療費控除およびセルフメディケーション税制に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、〈数値群〉の中から選びなさい。 「通常の医療費控除は、その年分の総所得金額等の合計額が200万円以上である納税者の場合、その年中に支払った医療費の総額から保険金などで補填される金額を控除した金額が( ① )万円を超えるときは、その超える部分の金額(最高200万円)をその納税者のその年分の総所得金額等から控除することができます。また、通常の医療費控除との選択適用となるセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)では、定期健康診断や予防接種などの一定の取組みを行っている者が自己または自己と生計を一にする配偶者等のために特定一般用医薬品等購入費を支払った場合、その額が( ② )円を超えるときは、その超える部分の金額(最高( ③ )円)を総所得金額等から控除することができます」 〈数値群〉 イ.5 ロ.10 ハ.20 ニ.12,000 ホ.24,000 ヘ.38,000 ト.68,000 チ.88,000 リ.120,000
解答・解説を表示
解答
① ロ ② ニ ③ チ
解説
医療費控除は納税者本人および生計を一にする親族のために支払った医療費等を所得から控除する制度であり、通常の医療費控除(足切り額10万円または総所得金額等の5%、上限200万円)とセルフメディケーション税制(足切り額12,000円、上限88,000円)のいずれか一方を選択して適用します。
解き方
- 通常の医療費控除における足切り額(総所得金額等200万円以上なら10万円)を確認する。
- セルフメディケーション税制における足切り額(12,000円)および控除限度額(88,000円)の基準数値を適用する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 総所得金額等の合計額が200万円以上である納税者の場合、支払った医療費等の額から補填金額を差し引いた純負担額から「10万円」を控除した額が医療費控除額となります(200万円未満の場合は総所得金額等の5%)。したがって「ロ」の10が適切です。
- 小問 ②:ニ
- セルフメディケーション税制では、一定の健康維持・予防の取り組みを行っている納税者が特定一般用医薬品等の購入費用を支払った場合、その実質負担額から「12,000円」を差し引いた額が控除対象となります。したがって「ニ」の12,000が適切です。
- 小問 ③:チ
- セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)における控除限度額は、最高で「88,000円」と定められています。したがって「チ」の88,000が適切です。
覚えるポイント
- 通常の医療費控除の足切り額は「10万円」または「総所得金額等×5%」のいずれか低い方で、限度額は200万円です。
- セルフメディケーション税制の足切り額は「12,000円」、控除限度額は「88,000円」で、通常控除と重複適用はできません。
間違えやすいところ
- セルフメディケーション税制と通常の医療費控除は併用できず、確定申告での選択適用である点に注意が必要です。
- セルフメディケーション税制の控除限度額(88,000円)と、購入費用の足切り額(12,000円)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額、所得控除額(扶養控除・基礎控除)および算出税額の計算
タックスプランニング · 給与所得控除 / 一時所得 / 総所得金額 / 扶養控除 / 基礎控除 / 所得税の速算表
設例のAさん(会社員・58歳)の2021年分の所得税の算出税額を計算した表の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 <家族構成・年齢等> ・Aさん(58歳):会社員、給与収入750万円 ・妻Bさん(60歳):専業主婦、給与収入50万円 ・長男Cさん(24歳):大学院生、収入なし ・二男Dさん(21歳):大学生、収入なし ※生計を一にしており、障害者には該当しない。 <2021年中の保険金等> ・養老保険(平準払)満期保険金:500万円(正味払込保険料400万円、1991年契約) ・一時払変額個人年金保険(10年確定)解約返戻金:500万円(正味払込保険料400万円、2012年契約) <所得控除・税額表等の条件> ・生命保険料控除:100,000円、地震保険料控除:30,000円 ・所得控除の合計額(b):3,000,000円 ・給与所得控除額および所得税の速算表は問題文の資料に従うものとする。
解答・解説を表示
解答
① 6,400,000(円) ② 1,010,000(円) ③ 480,000(円) ④ 252,500(円)
解説
総所得金額は給与所得と総合課税の一時所得(1/2を乗じた金額)等を合算して求めます。扶養控除では扶養親族の年齢(特定扶養親族は19歳以上23歳未満で63万円、一般は38万円)を正しく判定し、課税総所得金額に超過累進税率を適用して所得税額を算出します。
解き方
- 給与収入から給与所得控除額を差し引いて給与所得を求め、保険の一時所得を算出して1/2した額を合算し、総所得金額(①)を算出する。
- 親族の年齢区分に応じて扶養控除額(②:一般38万円+特定63万円=101万円)および基礎控除額(③:48万円)を特定する。
- 総所得金額から所得控除合計額を差し引いて課税総所得金額を求め、速算表を適用して算出税額(④)を計算する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:6,400,000(円)
- 給与所得控除額=750万円×10%+110万円=185万円より、給与所得=750万円-185万円=565万円です。一時所得の対象となる満期保険金および解約返戻金(契約後5年超経過のため金融類似商品に非該当)の総収入金額は1,000万円、支出金額は800万円です。一時所得の金額=1,000万円-800万円-特別控除50万円=150万円。総所得金額に算入する金額はその1/2である75万円となります。したがって総所得金額(①)=565万円+75万円=6,400,000円です。
- 小問 ②:1,010,000(円)
- 長男Cさん(24歳・所得なし)は一般の控除対象扶養親族となり控除額は38万円、二男Dさん(21歳・所得なし)は特定扶養親族(19歳以上23歳未満)となり控除額は63万円です。よって扶養控除額(②)の合計は38万円+63万円=1,010,000円となります。
- 小問 ③:480,000(円)
- Aさんの合計所得金額は640万円であり、2,400万円以下であるため、基礎控除額(③)は一律480,000円となります。
- 小問 ④:252,500(円)
- 課税総所得金額(c)=総所得金額6,400,000円-所得控除合計額3,000,000円=3,400,000円です。速算表より330万円超695万円以下の区分(税率20%、控除額427,500円)が適用されるため、算出税額(④)=3,400,000円×20%-427,500円=252,500円となります。
覚えるポイント
- 特定扶養親族の控除額は63万円(19歳以上23歳未満)、一般の控除対象扶養親族は38万円(16歳以上)です。
- 一時所得を総所得金額へ算入する際は、特別控除50万円を差し引いた後の金額の「2分の1」とします。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除(最高50万円)の控除と、総所得金額へ参入する際の「1/2」の計算を忘れないように注意が必要です。
- 契約から5年超経過した一時払変額個人年金保険の解約返戻金は、源泉分離課税ではなく総合課税の一時所得となります。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除額・小規模宅地等の特例・生命保険金の非課税限度額
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等) / 死亡保険金の非課税金額
Aさんの相続に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を語句群から選びなさい。 Ⅰ「仮に、Aさんの相続が現時点で開始した場合、Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は( ① )万円となります」 Ⅱ「妻Bさんが自宅の敷地および建物を相続により取得した場合、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることで、自宅の敷地(相続税評価額1億円、敷地面積400㎡)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( ② )万円とすることができます」 Ⅲ「妻Bさんが受け取る死亡保険金(2,500万円)は、みなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることで、相続税の課税価格に算入される金額は、( ③ )万円となります」
- イ
- 500
- ロ
- 1,000
- ハ
- 1,500
- ニ
- 2,000
- ホ
- 3,400
- ヘ
- 4,200
- ト
- 4,800
- チ
- 5,400
- リ
- 6,600
解答・解説を表示
解答
① ヘ、② ホ、③ ハ
解説
相続税の課税価格を算出する際は、法定相続人の数に応じた「遺産に係る基礎控除額」および「生命保険金の非課税限度額」を正確に把握するとともに、特定居住用宅地等の限度面積(330㎡)と減額割合(80%)を適用して宅地評価額を減額します。
解き方
- 親族関係図から法定相続人を特定し(妻B・長女Cの2人)、基礎控除額(3,000万円+600万円×2=4,200万円)を計算する。
- 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)について、限度面積330㎡・減額率80%を適用し、評価額1億円から減額分6,600万円を引いた課税価格算入額3,400万円を求める。
- 死亡保険金の非課税限度額(500万円×2人=1,000万円)を死亡保険金額2,500万円から差し引き、課税価格算入額1,500万円を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 500は法定相続人1人あたりの生命保険金非課税枠(500万円)の数値であり、空欄①~③のいずれの計算結果とも一致しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 1,000は死亡保険金の非課税限度額(1,000万円)そのものであり、課税価格に算入される金額(差引後の1,500万円)ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 空欄③の正答です。死亡保険金2,500万円から非課税枠1,000万円を差し引いた課税価格算入額1,500万円を示しています。
- 選択肢 ニ不正解
- 2,000は自宅建物の評価額(2,000万円)と同じ数値ですが、空欄①~③の解には該当しません。
- 選択肢 ホ正解
- 空欄②の正答です。自宅敷地1億円から小規模宅地等の特例による減額額6,600万円を差し引いた、課税価格に算入すべき価額3,400万円です。
- 選択肢 ヘ正解
- 空欄①の正答です。法定相続人2人における遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×2=4,200万円)を示しています。
- 選択肢 ト不正解
- 4,800は法定相続人が3人の場合の基礎控除額(3,000万円+600万円×3=4,800万円)であり、誤りです。
- 選択肢 チ不正解
- 5,400は法定相続人が4人の場合の基礎控除額であり、本問の相続人構成(2人)には適合しません。
- 選択肢 リ不正解
- 6,600は特定居住用宅地等の特例による「減額される金額」であり、「課税価格に算入すべき価額(3,400万円)」ではありません。
答えの内訳
- ①:ヘ
- Aさんの法定相続人は配偶者である妻Bさんと長女Cさんの計2人です。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」により、3,000万円+600万円×2人=4,200万円となります。
- ②:ホ
- 配偶者が取得する特定居住用宅地等は、限度面積330㎡まで80%減額されます。自宅敷地400㎡のうち330㎡部分が80%減額されるため、減額金額は1億円×(330㎡/400㎡)×80%=6,600万円です。したがって課税価格に算入すべき価額は1億円-6,600万円=3,400万円となります。
- ③:ハ
- 相続人が受け取った死亡保険金のうち「500万円×法定相続人の数」が非課税限度額となります。本問では500万円×2人=1,000万円が非課税となるため、課税価格に算入される金額は受取額2,500万円-1,000万円=1,500万円です。
覚えるポイント
- 特定居住用宅地等の特例は限度面積330㎡・減額割合80%。
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」。
間違えやすいところ
- 小規模宅地等の特例で「減額される金額」をそのまま課税価格として記入してしまう誤り。
- 死亡保険金の「非課税金額」をそのまま課税価格算入額として答えてしまうミス。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
暦年課税における贈与税額の計算および相続時精算課税制度の仕組み
相続・事業承継 · 贈与税の計算(特例贈与財産) / 暦年課税の基礎控除 / 相続時精算課税制度の特別控除額・税率
生前贈与に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。 Ⅰ「Aさんが生前贈与を実行するにあたっては、暦年課税による贈与、相続時精算課税制度による贈与、教育資金の非課税制度を活用した贈与などが考えられます。仮に、長女Cさんが暦年課税(各種非課税制度の適用はない)により、2021年中にAさんから現金600万円の贈与を受けた場合、贈与税額は( ① )万円となります」 Ⅱ「Aさんが長女Cさんに現金を贈与し、長女Cさんが相続時精算課税制度を選択した場合、累計で( ② )万円までの贈与について贈与税は課されませんが、その額を超える部分については、一律( ③ )%の税率により贈与税が課されます」
解答・解説を表示
解答
① 68、② 2,500、③ 20
解説
直系尊属からその年の1月1日時点で20歳以上の子・孫への贈与には「特例税率」が適用されます。基礎控除額110万円を控除した後の金額に速算表を適用して税額を求めます。また、相続時精算課税制度では累計2,500万円の特別控除と、超過分に対する一律20%の税率が定められています。
解き方
- 受贈者(長女C・40歳)と贈与者(父A・75歳)の関係および受贈者の年齢から、特例贈与財産に該当することを確認する。
- 贈与額600万円から暦年課税の基礎控除110万円を差し引き、課税価格490万円を算出する。
- 特例贈与財産の速算表(400万円超600万円以下:税率20%、控除額30万円)に当てはめ、490万円×20%-30万円=68万円を計算する。
- 相続時精算課税制度の特別控除限度額(2,500万円)および超過部分の一律税率(20%)を確認して記入する。
答えの内訳
- ①:68
- 長女Cさんは贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上(40歳)であり、直系尊属である父Aさん(75歳)からの贈与であるため「特例贈与財産」の速算表を適用します。課税価格は600万円-基礎控除110万円=490万円です。速算表より税額は490万円×20%-30万円=68万円となります。
- ②:2,500
- 相続時精算課税制度を選択した場合、同一の贈与者からの贈与について、累計で2,500万円の特別控除額が認められており、2,500万円に達するまでは贈与税が課されません。
- ③:20
- 相続時精算課税制度において、累計2,500万円の特別控除額を超えた部分の贈与については、一律20%の税率が適用されて贈与税が計算されます。
覚えるポイント
- 特例贈与財産は「贈与年の1月1日時点で20歳(改正後は18歳)以上の直系卑属が直系尊属から受ける贈与」。
- 相続時精算課税制度の特別控除額は累計2,500万円、超過分の税率は一律20%。
間違えやすいところ
- 特例贈与財産ではなく「一般贈与財産」の速算表を誤って適用してしまうミス(一般贈与だと490万×30%-65万=82万円)。
- 暦年課税の基礎控除110万円を控除し忘れて計算してしまう誤り。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度
相続・事業承継 · 教育資金の一括贈与の非課税制度 / 非課税限度額 / 贈与者死亡時の取扱い / 契約終了時の贈与税課税
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 本制度の適用を受けた場合、受贈者1人につき1,000万円を限度に贈与税が非課税となる。ただし、学習塾などの学校等以外の者に対して直接支払われる金銭については500万円が限度となる。 ② 贈与者であるAさんが死亡した場合において、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額があるときは、当該残額は受贈者のその年分の贈与税の課税価格に算入される。 ③ 受贈者である孫Dさんが30歳に達したことにより教育資金管理契約が終了した場合において、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額があるときは、当該残額は受贈者のその年分の贈与税の課税価格に算入される。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度は、受贈者1人あたり最高1,500万円(学校等以外は最高500万円)まで非課税拠出が認められます。契約期間中に贈与者が死亡した場合は残額が相続税の対象とされ、受贈者が30歳到達等で契約終了した場合は残額が受贈者のその年の贈与税の課税対象となります。
解き方
- 教育資金一括贈与の非課税限度額が全体で受贈者1人につき1,500万円(学校等以外は500万円)であることを確認し、記述①の正誤を判断する。
- 信託期間中の贈与者死亡時における使い残し残額の税目が「相続税」であることを確認し、記述②の正誤を判断する。
- 受贈者が30歳に達したことによる契約終了時の残額が、終了年の「贈与税」の課税価格に算入されることを確認し、記述③の正誤を判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 本制度における非課税拠出限度額は受贈者1人につき1,500万円(学校等以外に支払われるものは500万円)であるため、1,000万円とする記述は誤りです。
- 小問 ②:×
- 贈与者が死亡した場合、教育資金の非課税拠出額から支出額を控除した管理残額は原則として相続税の課税対象(遺贈により取得したものとみなす)となり、贈与税ではありません。
- 小問 ③:○
- 受贈者が30歳に達して教育資金管理契約が終了した際、支出されずに残った残額は、契約終了年の受贈者の贈与税の課税価格に算入されるため正しい記述です。
覚えるポイント
- 教育資金一括贈与の非課税限度額は受贈者1人につき最大1,500万円(学校等以外は最大500万円)。
- 贈与者死亡時の管理残額は相続税の課税対象、30歳到達による契約終了時の管理残額は贈与税の課税対象。
間違えやすいところ
- 結婚・子育て資金の一括贈与(上限1,000万円)の限度額と教育資金の一括贈与(上限1,500万円)の限度額を混同しやすい。
- 贈与者死亡時の残額精算(相続税課税)と受贈者30歳到達終了時の残額精算(贈与税課税)の税目の違いを混同しやすい。
出題の前提:2021年4月1日現在施行の租税特別措置法第70条の2の2(直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税)
出典:金融財政事情研究会『2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2021年9月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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