日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2021年1月 2級 学科の概要
FPの顧客に対する行為と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · FPの職業倫理と関連法規 / 司法書士法 / 社会保険労務士法 / 税理士法 / 金融商品取引法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
FP業務では他法令との関係が重要です。弁護士法、税理士法、社会保険労務士法、司法書士法、金融商品取引法等により定められた各専門資格の独占業務に該当する行為は、たとえ無償であっても資格のないFPが行うことは禁止されています。一般的な制度の説明や公的資料に基づく概算試算は認められますが、個別具体的な書類作成・申請代行・投資助言・代理業務は行えません。
解き方
- 各選択肢の行為が士業等の独占業務に該当するかどうかを確認する。
- 抵当権抹消の登記申請書作成および登記手続の代行は司法書士法に抵触するため、選択肢4が不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 「ねんきん定期便」の記載内容を基に、制度に定められた計算式に従って試算する行為は社会保険労務士法に抵触しません。
- 選択肢 2不正解
- 個別具体的な投資助言ではなく、iDeCoで選択可能な一般的な運用商品の仕組みや特徴を説明する行為は金融商品取引法に抵触しません。
- 選択肢 3不正解
- 個別の税額計算や税務書類の作成ではなく、税法の一般的な仕組み(寄附金控除の枠組み)を解説する行為は税理士法に抵触しません。
- 選択肢 4正解
- 登記所に提出する登記申請書の作成や登記手続の代理・代行は司法書士の独占業務であり、司法書士法に違反するため不適切です。
覚えるポイント
- 登記申請書の作成・代行は無償であっても司法書士法違反となる。
- 一般的な制度説明や概算試算は各士業の独占業務には該当しない。
間違えやすいところ
- 「無償なら代行してもよい」と誤解しやすいですが、司法書士法や税理士法等の独占業務は無償であっても違反となります。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の関連法令(司法書士法、社会保険労務士法、税理士法、金融商品取引法)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
可処分所得の金額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 可処分所得 / ライフプランニングの基礎
会社員Aさんの2020年分の収入等の金額は、下記<資料>のとおりである。下記<資料>から算出されるAさんの可処分所得の金額として、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 <資料> 【収入金額等】 給与収入 700万円 給与所得控除 180万円 【税金・社会保険料】 所得税・住民税 60万円 社会保険料 90万円 【所得税の所得控除】 配偶者控除 38万円 基礎控除 48万円
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解答
4
解説
可処分所得(手取り収入)とは、個人の総収入から本人が自由に処分できない強制的に徴収される費用(所得税、住民税、社会保険料)を差し引いた金額を指します。給与所得控除や配偶者控除、基礎控除などの所得控除は税額計算の過程で用いられるものであり、可処分所得を算出する際には総収入から直接控除しません。
解き方
- 可処分所得の計算式「収入金額-(所得税・住民税+社会保険料)」を確認する。
- 資料の数値を当てはめ、700万円-(60万円+90万円)=550万円を算出する(給与所得控除や人的控除は減算しない)。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得控除や各種所得控除を誤って減算した誤答です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者控除や基礎控除などを誤って計算に組み込んだ誤答です。
- 選択肢 3不正解
- 給与収入700万円から給与所得控除180万円を引いた「給与所得の金額」であり、可処分所得ではありません。
- 選択肢 4正解
- 給与収入700万円から住民税・所得税60万円と社会保険料90万円を差し引いた550万円が正しい可処分所得です。
覚えるポイント
- 可処分所得=年収-(税金+社会保険料)
- 給与所得控除や各種所得控除は可処分所得の計算では引かない。
間違えやすいところ
- 給与所得控除や基礎控除・配偶者控除などの所得控除を差し引いてしまうミスが多く見られます。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等(FP実務におけるライフプランニング基準)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的医療保険の制度と給付
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 任意継続被保険者 / 傷病手当金 / 後期高齢者医療制度
公的医療保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
公的医療保険制度において、健康保険などの被用者保険や国民健康保険の加入者は、原則として75歳に達した日に被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療制度へ移行します。また、退職後の任意継続制度の加入可能期間は最長2年間、資格喪失後の継続給付としての傷病手当金は継続1年以上の被保険者期間が要件となります。
解き方
- 公的医療保険の各給付および後期高齢者医療制度の年齢要件を確認する。
- 選択肢3の後期高齢者医療制度の加入年齢が70歳と記載されている点に着目し、正しくは75歳であるため不適切と特定する。
- 選択肢 1不正解
- 健康保険の任意継続被保険者となることができる期間は、資格喪失日から最長で2年間です。
- 選択肢 2不正解
- 被保険者資格喪失の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間があれば、資格喪失後も傷病手当金を継続して受給できます。
- 選択肢 3正解
- 後期高齢者医療制度の対象となるのは75歳に達したときであり、70歳ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 後期高齢者医療制度の窓口負担割合は、現役並み所得者は3割、それ以外の一般所得者は1割とされています(2020年10月1日基準)。
覚えるポイント
- 後期高齢者医療制度への移行は原則75歳から。
- 任意継続被保険者の期間は最長2年、退職前継続被保険者期間は2カ月以上必要。
間違えやすいところ
- 70歳〜74歳の高齢受給者証(一般2割、現役並み3割)と、75歳以上の後期高齢者医療制度の年齢区分を混同しやすいです。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の高齢者の医療の確保に関する法律および健康保険法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
高年齢雇用継続基本給付金の要件と支給額
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 高年齢雇用継続基本給付金
1年後に60歳の定年退職を迎える会社員Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのBさんに定年後に継続雇用となった場合における雇用保険からの給付について相談した。Bさんが説明した雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金は、原則として、60歳に達した日において雇用保険の一般被保険者としての算定基礎期間に相当する期間が( ア )以上あり、かつ、60歳以降の支給対象月に支払われた賃金額が60歳時点のみなし賃金日額に30を乗じた額と比較して( イ )未満に低下している場合に支給の対象となります。支給期間は、60歳に達した月から( ウ )に達する月までです。支給額は、支給対象月に支払われた賃金額が60歳時点のみなし賃金日額に30を乗じた額の61%未満の場合は、支給対象月に支払われた賃金額の( エ )相当額となります。」
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解答
3
解説
雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以降の継続雇用に伴う賃金低下を補う制度です。受給要件は、60歳到達時点で雇用保険の被保険者であった期間(算定基礎期間)が5年以上あり、60歳以降の各月に受ける賃金が60歳到達時賃金の75%未満に低下していることです。支給期間は60歳から65歳に達する月までで、賃金が61%未満に低下した場合は支払賃金の最大15%が支給されます。
解き方
- 算定基礎期間の要件が「5年」以上であることを確認する(ア=5年)。
- 賃金低下要件が「75%」未満であることを確認する(イ=75%)。
- 支給終了年齢が「65歳」に達する月までであることを確認する(ウ=65歳)。
- 賃金低下率61%未満の場合の最大支給率が支払賃金の「15%」であることを確認する(エ=15%)。
- 選択肢 1不正解
- 算定基礎期間は2年ではなく5年であり、最大支給率は20%ではなく15%です。
- 選択肢 2不正解
- 算定基礎期間は5年以上、低下基準は75%未満、支給対象期間は65歳までです。
- 選択肢 3正解
- (ア)5年、(イ)75%、(ウ)65歳、(エ)15%のすべての組み合わせが正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 低下基準は80%ではなく75%、支給期間は70歳ではなく65歳まで、支給率は15%です。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続給付:算定基礎期間5年以上、75%未満に低下、65歳まで、最大15%支給。
間違えやすいところ
- 基本手当の所定給付日数算定要件や育児休業給付の要件(1年や2年)と混同して算定基礎期間を「2年」と誤らないように注意しましょう。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の雇用保険法第61条
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度の受給資格期間および被保険者資格
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 遺族厚生年金 / 厚生年金保険の被保険者資格
公的年金制度に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が( ア )以上あれば、原則として65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。 老齢厚生年金を受給している夫が死亡した場合、夫によって生計を維持されていた妻は、夫の国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が( イ )以上あれば、原則として遺族厚生年金を受給することができる。 厚生年金保険の適用事業所に常時使用される者のうち、( ウ )以上の者は、原則として厚生年金保険の被保険者とはならない。」
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解答
4
解説
公的年金の老齢給付の受給資格期間は法改正により25年から10年に短縮されました。しかし、老齢厚生年金の受給権者や受給資格期間を満たした者が死亡した場合に支給される遺族厚生年金(長期要件)の資格期間は原則25年以上のままです。また、厚生年金保険の適用事業所に常時使用される者の被保険者資格は70歳未満までとなります。
解き方
- 老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給資格期間が「10年」であることを確認する(ア=10年)。
- 受給権者本人が死亡したときの遺族厚生年金の長期要件としての資格期間が「25年」であることを確認する(イ=25年)。
- 厚生年金保険の適用被保険者の年齢上限が「70歳」であることを確認する(ウ=70歳)。
- 選択肢 1不正解
- 老齢年金の受給資格期間は10年であり、厚生年金の被保険者資格喪失年齢は70歳です。
- 選択肢 2不正解
- 老齢年金の受給資格期間は10年であり、遺族厚生年金の長期要件は25年です。
- 選択肢 3不正解
- 遺族厚生年金の長期要件は25年であり、厚生年金の被保険者資格喪失年齢は70歳です。
- 選択肢 4正解
- (ア)10年、(イ)25年、(ウ)70歳のすべての組み合わせが正しいです。
覚えるポイント
- 老齢年金の受給資格期間は10年。
- 死亡による遺族厚生年金の長期要件は25年。
- 厚生年金の被保険者は70歳未満まで(国民年金は60歳未満まで)。
間違えやすいところ
- 老齢年金の受給資格期間短縮(10年)に伴い、遺族厚生年金の長期要件まで10年になったと誤認しやすいです。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の国民年金法および厚生年金保険法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の加給年金額
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 加給年金額 / 繰下げ支給 / 在職老齢年金
老齢厚生年金に加算される加給年金額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が原則20年(または中高齢の特例)以上ある受給権者が65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者や子がいる場合に加算される年金の家族手当です。老齢厚生年金の報酬比例部分に加算される性格を持つため、報酬比例部分が全額支給停止になると加給年金も全額支給停止となります。また、繰下げ待機中は加給年金は受給できず、繰下げによる増額の対象にもなりません。
解き方
- 加給年金額の加算要件(被保険者期間20年以上、事実婚を含む配偶者等)を確認し、1と2を排除する。
- 在職老齢年金との関係(全額停止時は加給年金も停止)を確認し、4を排除する。
- 繰下げ受給における加給年金の取扱い(加給年金額は繰下げ増額の対象外)を確認し、3を適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 加給年金額が加算されるために必要な厚生年金保険の被保険者期間は原則として「20年(240月)」以上です。25年ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 公的年金制度における配偶者には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者(事実婚関係)も含まれます。
- 選択肢 3正解
- 老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、加給年金額は繰下げによる増額率の対象とはならず、増額されません。
- 選択肢 4不正解
- 在職老齢年金の仕組みにより報酬比例部分の全額が支給停止となった場合、加給年金額も全額支給停止となります。
覚えるポイント
- 加給年金の要件:厚生年金の被保険者期間20年以上。
- 事実婚も配偶者として対象となる。
- 繰下げても加給年金は増額されない(待機中は受給も不可)。
- 本体の年金が全額停止されると加給年金も全額停止。
間違えやすいところ
- 本体の老齢厚生年金が増額されるため、加給年金も同じ割合で増額されると勘違いしやすいです。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の厚生年金保険法第44条
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度の障害給付
ライフプランニングと資金計画 · 障害基礎年金 / 障害厚生年金 / 加給年金額 / 20歳前傷病による障害給付
公的年金制度の障害給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
公的年金の障害給付では、障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級・2級・3級(および障害手当金)に対して支給されます。障害基礎年金の1級の額は2級の1.25倍です。障害等級1級・2級の障害厚生年金には配偶者加給年金額が加算されます。3級の障害厚生年金には最低保障額(2級の障害基礎年金の4分の3相当)が設けられています。20歳前傷病による障害基礎年金は本人の保険料拠出を前提としないため、本人の所得による支給制限があります。
解き方
- 障害基礎年金1級の額(2級の1.25倍=100分の125)を確認し、1を排除する。
- 障害厚生年金の配偶者加給年金の要件(1級・2級受給権者に配偶者加給がある)を確認し、2を適切と判断する。
- 障害厚生年金3級の最低保障基準(2級の障害基礎年金の4分の3)を確認し、3を排除する。
- 20歳前傷病による障害基礎年金における所得制限の有無を確認し、4を排除する。
- 選択肢 1不正解
- 障害等級1級の障害基礎年金の額は、2級の障害基礎年金の額の1.25倍(100分の125)に相当する額です。
- 選択肢 2正解
- 障害等級1級または2級の障害厚生年金の受給権者に生計を維持している65歳未満の配偶者があるときは、加給年金額が加算されます。
- 選択肢 3不正解
- 障害等級3級の障害厚生年金の最低保障額は、障害等級2級の障害基礎年金額の「4分の3」相当額です(3分の2ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 20歳前傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得に応じた支給停止(全部または半額)の仕組み(所得制限)があります。
覚えるポイント
- 障害基礎年金1級=2級の1.25倍。
- 子の加算は障害基礎年金(1・2級)、配偶者の加給年金は障害厚生年金(1・2級)に付く。
- 障害厚生年金3級の最低保障額は障害基礎年金2級の4分の3。
- 20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限がある。
間違えやすいところ
- 子の加算(基礎年金側)と配偶者加給年金(厚生年金側)の対象を混同しやすいです。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の国民年金法および厚生年金保険法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人型確定拠出年金(iDeCo)の仕組みと税務
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 個人型年金(iDeCo) / 脱退一時金 / 拠出限度額
確定拠出年金の個人型年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
確定拠出年金(iDeCo)は原則として60歳まで資産を引き出すことができません。脱退一時金を受給するには非常に厳格な要件が定められており、「通算拠出期間5年以下または資産額25万円以下」という単独の基準だけで自由に請求できるわけではありません。また、第1号被保険者は現時点で保険料未納・免除等がなければ加入でき、第3号被保険者の拠出限度額は月額2.3万円(年額27.6万円)です。老齢給付金の一時金受給は退職所得控除の対象となります。
解き方
- 第1号被保険者の加入要件(現時点で納付していれば過去の未納があっても可)を確認し、1は適切と判断する。
- 脱退一時金の要件を確認し、選択肢2は必要な複数要件の充足が無視されており誤りであると判断する。
- 第3号被保険者の拠出限度額(月額23,000円×12=年額276,000円)を確認し、3は適切と判断する。
- 老齢給付金を一時金で受け取る場合の税務区分(退職所得)を確認し、4は適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金第1号被保険者は、現時点で保険料を納付していれば(免除や猶予等を受けていなければ)、過去に未納期間があっても加入できます。
- 選択肢 2正解
- 脱退一時金の支給要件は、通算拠出期間が5年以下または資産額25万円以下を満たすことのみで請求できるものではなく、国民年金の保険料免除者であることなど複数の要件をすべて満たす必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金第3号被保険者(専業主婦等)の拠出限度額は月額2万3,000円、すなわち年額27万6,000円です。
- 選択肢 4不正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金として受給した場合、退職所得として退職所得控除の適用を受けられます(年金として受給する場合は公的年金等控除の対象となる雑所得)。
覚えるポイント
- iDeCoは原則60歳まで引き出し不可。脱退一時金の要件は極めて厳格。
- 第3号被保険者の拠出限度額は月額2.3万円(年額27.6万円)。
- 給付受取:一時金なら退職所得、年金なら公的年金等控除の雑所得。
間違えやすいところ
- 脱退一時金は退職しただけで受給できると誤解しやすいですが、60歳までの途中引き出しは原則できません。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の確定拠出年金法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
教育ローンおよび奨学金制度の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 国の教育ローン / 日本学生支援機構の奨学金 / 資金使途
日本学生支援機構の貸与型奨学金および日本政策金融公庫の教育一般貸付(以下「国の教育ローン」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
国の教育ローン(日本政策金融公庫)と日本学生支援機構の奨学金は、いずれも教育資金を支援する公的制度ですが、契約者(保護者か学生本人か)や資金使途の範囲、所得制限の要件などに違いがあります。
解き方
- 日本学生支援機構の第一種奨学金(無利子)の申込要件と人物・学力・家計基準を確認します。
- 日本政策金融公庫の教育一般貸付の世帯年収上限額要件、固定金利、返済期間(原則15年以内)を確認します。
- 国の教育ローンの資金使途が住居費や生活費等にも広く認められている点を確認し、限定列挙としている選択肢を誤りと判定します。
- 選択肢 1不正解
- 第一種奨学金(無利子貸与)は、特に優れた学生等であって経済的理由により著しく修学困難な者を対象としています。
- 選択肢 2不正解
- 国の教育ローンは保護者が借入申込人となり、世帯で扶養する子どもの人数に応じた世帯年収(所得)の上限基準が定められています。
- 選択肢 3不正解
- 国の教育ローンの金利体系は固定金利であり、返済期間は原則として15年以内(交通遺児家庭や母子家庭等は最長18年)とされています。
- 選択肢 4正解
- 資金使途は受験料や学校納付金にとどまらず、アパートの敷金・家賃、通学費、パソコン購入費など教育に伴う幅広い費用が対象となります。
覚えるポイント
- 国の教育ローンは固定金利・原則15年以内・住居費用等も幅広く対象
間違えやすいところ
- 国の教育ローンの資金使途が学校への直接納付金のみに限定されていると思い込むミス
出題の前提:2020年10月1日時点施行の公的金融支援制度(日本政策金融公庫法および日本学生支援機構規程)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
企業の損益計算書と財務比率・損益分岐点分析
ライフプランニングと資金計画 · 売上高営業利益率 / 売上高経常利益率 / 限界利益率 / 損益分岐点売上高
下記<資料>に基づき算出される中小企業のA社の財務分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。<資料>A社の損益計算書(単位:百万円):売上高400、売上原価200、[売上総利益]200、販売費及び一般管理費100、[営業利益]100、営業外収益30、営業外費用10、[経常利益]120、特別利益20、特別損失10、税引前当期純利益130、法人税・住民税及び事業税50、当期純利益80。
解答・解説を表示
解答
4
解説
損益計算書の各段階利益(売上総利益・営業利益・経常利益等)を正しく算定し、CVP分析における限界利益率(限界利益÷売上高)および損益分岐点売上高(固定費÷限界利益率)を公式に基づいて計算します。
解き方
- 損益計算書の空欄を埋め、売上総利益200百万円、営業利益100百万円、経常利益120百万円を算出します。
- 売上高営業利益率(100÷400=25%)および売上高経常利益率(120÷400=30%)を検証します。
- 変動費=200百万円、固定費=100百万円より限界利益=200百万円、限界利益率=50%を算出し、損益分岐点売上高を100÷0.5=200百万円と求めます。
- 選択肢 1不正解
- 営業利益は100百万円(売上総利益200-販管費100)であり、売上高営業利益率は100÷400×100=25%で適切です。
- 選択肢 2不正解
- 経常利益は120百万円(営業利益100+営業外収益30-営業外費用10)であり、売上高経常利益率は120÷400×100=30%で適切です。
- 選択肢 3不正解
- 限界利益=売上高400-変動費200=200百万円となり、限界利益率は200÷400×100=50%で適切です。
- 選択肢 4正解
- 損益分岐点売上高は固定費100百万円÷限界利益率50%=200百万円であるため、300百万円とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(限界利益÷売上高)
間違えやすいところ
- 限界利益の計算で固定費を引いてしまうことや、固定費と変動費の数値を混同するミス
出題の前提:2020年10月1日現在施行の財務諸表規則および管理会計手法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険制度および関連法規の規定
リスク管理 · クーリング・オフ制度 / ソルベンシー・マージン比率 / 保険法 / 生命保険契約者保護機構
わが国の保険制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
保険契約者の保護を図るため保険業法にはクーリング・オフ制度や早期是正措置、契約者保護機構の制度が設けられ、契約ルール全般を規定する保険法は共済にも適用されます。
解き方
- クーリング・オフ制度の適用除外事由(保険期間1年以内、医師の診査後、法人契約等)を確認します。
- ソルベンシー・マージン比率の健全性基準(200%以上)および保護機構による責任準備金補償割合(原則90%)を確認します。
- 保険法の適用範囲に共済契約が含まれることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 保険業法上、保険期間が1年以内の契約や、保険会社等の営業所・店舗等で申し込んだ契約などはクーリング・オフの対象外となります。
- 選択肢 2不正解
- ソルベンシー・マージン比率が200%未満となった場合、金融庁等の監督当局による早期是正措置(業務改善命令等)の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 保険法は、民間の保険契約だけでなく、各種協同組合等が取り扱う実質的に同内容の共済契約も適用対象としています。
- 選択肢 4不正解
- 生命保険契約者保護機構では、高予定利率契約を除き、原則として破綻時点における責任準備金等の90%までが補償限度とされます。
覚えるポイント
- 保険期間1年以内の契約はクーリング・オフ制度の適用除外
間違えやすいところ
- 保険法が共済契約に適用されないと誤解するミス
- 保護機構が元本や死亡保険金の額面そのものを90%保証すると誤認するミス
出題の前提:2020年10月1日現在施行の保険業法および保険法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険商品の一般的な特徴と商品性
リスク管理 · 変額保険 / 養老保険 / こども保険 / 収入保障保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
生命保険では、同一事故での重複給付制限(高度障害保険金支払による契約消滅)や、保険金の受取方法による現在価値・将来価値の違い、変額保険における最低保証の有無(死亡保険金には保証あり、解約返戻金には保証なし)などの基本設計があります。
解き方
- 養老保険で高度障害保険金が支払われた場合の契約状態(契約消滅)を確認します。
- こども保険における契約者死亡時の一般的取扱(保険料払込免除特則)を確認します。
- 収入保障保険の年金受取総額と一時金現価の違い(運用効果により年金総額の方が大きい)を確認します。
- 変額保険の死亡保険金(基本保険金額保証あり)と解約返戻金(保証なし)の特性を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 高度障害保険金が支払われると保険契約は消滅するため、その後に被保険者が保険期間満了まで生存しても満期保険金は支払われません。
- 選択肢 2不正解
- こども保険で契約者(親)が死亡した場合、以後の保険料払込が免除されるのが一般的であり、契約者死亡給付金が支払われるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 収入保障保険の保険金を年金形式で受け取る場合の総額は、将来の利息相当分が加算されるため、一時金で一括受領する場合の金額よりも多くなります。
- 選択肢 4正解
- 変額保険(終身型)の死亡保険金は運用実績に応じて増減しますが、基本保険金額が最低保証されています(解約返戻金には最低保証はありません)。
覚えるポイント
- 変額保険は死亡保険金には最低保証があるが解約返戻金・満期金には最低保証がない
間違えやすいところ
- 高度障害保険金を受け取った後でも満期保険金を受け取れると誤認するミス
出題の前提:2020年10月1日現在の生命保険実務・標準約款規定
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の税法上の取扱い
リスク管理 · 生命保険料控除 / 保険料払込期日 / 自動振替貸付 / 個人年金保険料控除
生命保険料控除の税法上の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
生命保険料控除は現実に払い込まれた年分の対象となり、自動振替貸付による充当も払込みとみなされます。また、2012年1月1日以後の新契約では身体の傷害のみに係る特約保険料は控除対象外であり、一時払個人年金保険は個人年金保険料税制適格特約を付加できないため一般生命保険料控除の対象となります。
解き方
- 保険料控除の帰属年分判定(払込日基準の現金主義)を確認します。
- 自動振替貸付充当額の取扱い(契約者貸付による払込みと同様に対象となる)を確認します。
- 新契約における身体の傷害特約(控除対象外)および一時払個人年金(一般生命保険料控除)の区分を整理します。
- 選択肢 1不正解
- 保険料の自動振替貸付により充当された金額は、契約者が貸付けを受けて保険料を払い込んだものとして、その年の生命保険料控除の対象になります。
- 選択肢 2正解
- 生命保険料控除は実際に保険料を払い込んだ年の控除対象となるため、2020年12月分であっても2021年1月払込分は2021年分の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 2012年1月1日以後に締結した新契約では、身体の傷害のみを原因として保険金が支払われる災害割増特約等の保険料は、生命保険料控除の対象外です。
- 選択肢 4不正解
- 個人年金保険料控除の対象となるには個人年金保険料税制適格特約の付加が必要ですが、一時払定額個人年金保険には付加できず、一般の生命保険料控除の対象となります。
覚えるポイント
- 生命保険料控除は実際に払い込んだ年分の対象(翌年1月払込は翌年分)
- 新契約の傷害特約保険料は控除対象外
間違えやすいところ
- 自動振替貸付による払込充当は控除対象外と勘違いするミス
- 一時払個人年金保険を個人年金保険料控除に含めてしまうミス
出題の前提:2020年10月1日現在施行の所得税法第76条および関連基本通達
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の生命保険に関する各種給付金・返戻金の課税関係
リスク管理 · 一時所得 / 解約返戻金 / リビング・ニーズ特約 / 死亡保険金 / 入院給付金
生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金・給付金等の受取人は個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
契約者自身が受取人となる解約返戻金は原則として一時所得となります。金融類似商品(一時払養老保険・一時払変額保険など)を5年以内に解約した場合は20.315%源泉分離課税ですが、一時払終身保険は金融類似商品から除外されています。また、心身の損害に起因する給付金やリビング・ニーズ特約保険金は非課税です。
解き方
- リビング・ニーズ特約保険金および医療保険の入院給付金が非課税規定に該当することを確認します。
- 契約者と被保険者が同一である場合の死亡保険金は、受取人が相続人かどうかにかかわらず遺贈等による「相続税」の対象となることを確認します。
- 一時払終身保険が金融類似商品に該当せず、5年以内の解約返戻金も一時所得課税となる点を確認します。
- 選択肢 1不正解
- リビング・ニーズ特約に基づいて被保険者本人が受け取る特約保険金は、非課税所得として扱われます。
- 選択肢 2正解
- 一時払終身保険は金融類似商品に該当しないため、加入から5年以内に解約した場合に受け取る解約返戻金は一時所得として総合課税されます。
- 選択肢 3不正解
- 契約者と被保険者が同一人の場合の死亡保険金は、受取人が法定相続人でない場合であっても遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 身体の傷害や疾病に起因して支払われる医療保険の入院給付金は、所得税法上、非課税所得とされています。
覚えるポイント
- 一時払終身保険の解約差益は5年以内解約でも源泉分離課税ではなく一時所得
間違えやすいところ
- 相続人以外の者が受け取る死亡保険金を贈与税課税と誤解するミス(契約者と被保険者が同一なら相続税)
出題の前提:2020年10月1日現在施行の所得税法第9条、第34条、租税特別措置法第41条の10、相続税法第3条
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険に係る保険料等の税務経理処理
リスク管理 · 法人税の保険料経理処理 / 定期保険の解約返戻率区分 / 少額保険料の損金算入特例 / 終身保険
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険に係る保険料等の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も2020年10月に締結し、他に加入している保険契約はなく、保険料は年払いであるものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法人契約の定期保険等に関する新税務ルール(2019年通達改正)では、最高解約返戻率に応じて資産計上割合が定められています。50%超70%以下の場合、資産計上割合は40%、損金算入割合は60%となります。また、被保険者1人あたり年間30万円以下の少額短期払保険料の損金算入特例も重要です。
解き方
- 受取人法人の医療保険給付金(益金算入)および終身保険料(全額資産計上)の基本ルールを確認します。
- 短期払医療保険等の年間保険料30万円以下の損金特例を確認します。
- 定期保険の解約返戻率区分(50%超70%以下:資産計上40%・損金60%)と問題文の数値を照合し、資産計上割合の誤りを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 法人が受取人となる入院給付金等は、法人税法上、受取時に全額が益金に算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 受取人が法人の終身保険は貯蓄性が高いため、支払保険料の全額を資産(保険料積立金)に計上します。
- 選択肢 3不正解
- 解約返戻金のない短期払医療保険等の保険料は、被保険者1人当たり年間30万円以下であれば、支払日の属する事業年度の損金に算入できます。
- 選択肢 4正解
- 最高解約返戻率が50%超70%以下の定期保険では、前半4割相当期間における資産計上割合は40%(損金算入割合が60%)です。
覚えるポイント
- 最高解約返戻率50%超70%以下の定期保険は前半4割期間に40%資産計上(60%損金算入)
間違えやすいところ
- 資産計上割合と損金算入割合(40%と60%)を逆にしてしまうミス
出題の前提:2019年6月28日付法人税基本通達改正(2020年10月1日施行中)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の一般的な補償範囲と商品性
リスク管理 · 交通事故傷害保険 / 普通傷害保険 / 家族傷害保険 / 国内旅行傷害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
各種傷害保険は「急激・偶然・外来の事故」によるケガを補償しますが、保険の種類ごとに補償対象となる事故の範囲(交通事故・乗用具事故・食中毒・地震災害等)や被保険者の範囲が異なります。
解き方
- 交通事故傷害保険における「交通乗用具」の定義(エレベーター・エスカレーター等も含む)を確認します。
- 普通傷害保険の免責事由(地震・噴火・津波は特約がない限り免責)を確認します。
- 家族傷害保険における被保険者の範囲(契約後に生まれた子も自動的に追加される)を確認します。
- 国内旅行傷害保険の補償範囲(細菌性食中毒が含まれる)を確認します。
- 選択肢 1正解
- エスカレーターやエレベーター、動く歩道等は交通乗用具に含まれるため、搭乗中の事故によるケガは交通事故傷害保険の補償対象です。
- 選択肢 2不正解
- 普通傷害保険では、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とするケガは免責条項に該当し、補償の対象外です(天災危険補償特約が必要)。
- 選択肢 3不正解
- 家族傷害保険では、保険期間中に生まれた子や婚姻した配偶者などは、通知手続きをしなくても自動的に被保険者の対象に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 国内旅行傷害保険では、旅行行程中の飲食を原因とする細菌性食中毒やウイルス性食中毒も補償の対象となります。
覚えるポイント
- エスカレーター搭乗中の事故は交通事故傷害保険の補償対象
- 国内旅行傷害保険は細菌性食中毒も補償
間違えやすいところ
- エスカレーターを交通乗用具ではないと誤認するミス
- 普通傷害保険で地震によるケガも補償されると誤解するミス
出題の前提:2020年10月1日現在の普通保険約款および損害保険実務基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自動車保険のノンフリート等級別料率制度における事故の種類
リスク管理 · 自動車保険 / ノンフリート等級別料率制度 / 事故有係数
任意加入の自動車保険(保険期間1年)のノンフリート等級別料率制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
ノンフリート等級別料率制度では、保険事故を「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」「ノーカウント事故」等に区分し、翌年度の等級および事故有係数適用期間を決定します。
解き方
- 各選択肢の保険金請求事由がどの事故類型(3等級ダウン、1等級ダウン、ノーカウント)に該当するかを照合する。
- 自動車同士の衝突事故は3等級ダウン、人身傷害や搭乗者傷害のみの請求はノーカウント、盗難は1等級ダウンとなる原則に照らして正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 衝突事故など相手方への損害賠償を伴う対人・対物賠償保険の支払いは、典型的な3等級ダウン事故に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 人身傷害保険の保険金のみが支払われる事故は、等級が下がらない「ノーカウント事故」として取り扱われます。
- 選択肢 3不正解
- 搭乗者傷害保険の保険金のみが支払われる事故は、「ノーカウント事故」として取り扱われます(等級据え置き事故は廃止されています)。
- 選択肢 4不正解
- 車両の盗難、火災・爆発、台風・洪水・飛来物による損害等で車両保険が支払われる場合は、「1等級ダウン事故」となります。
覚えるポイント
- 盗難や台風・落書き等による車両保険金の支払いは1等級ダウン、人身傷害単独請求はノーカウント事故となる。
間違えやすいところ
- かつて存在した「等級据え置き事故」は改定により1等級ダウン事故などに移行・整理されているため混同しないこと。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令・保険実務基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の損害保険に係る税金
リスク管理 · 損害保険と税金 / 人身傷害補償保険 / 保険料控除 / 一時所得
個人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の税金に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
損害賠償金として受ける保険金は原則非課税ですが、自己の過失部分に対応して支払われる自身の保険金は生命保険金と同様に契約関係に応じた所得税や相続税の対象となります。
解き方
- 所得補償保険や地震保険料控除の対象保険料の要件を確認する。
- 人身傷害補償保険の死亡保険金のうち、相手方過失部分(賠償金相当)と自身の過失割合部分(自己保険部分)の税務上の扱いの相違を整理する。
- 選択肢 1不正解
- 所得補償保険や傷害保険の医療特約などの保険料は、新生命保険料控除の「介護医療保険料控除」の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 居住用建物や家財を対象とする損害保険契約のうち、地震保険部分の保険料のみが地震保険料控除の対象となります。
- 選択肢 3正解
- 人身傷害保険の死亡保険金のうち、被保険者の過失割合に対応する部分は相続税の課税対象(みなし相続財産)となります。
- 選択肢 4不正解
- 契約者(=保険料負担者)が被保険者である配偶者の死亡により受取人として得た死亡保険金は、一時所得として所得税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 人身傷害保険の死亡保険金は、相手方過失分は非課税(損害賠償金)、自己過失分は生命保険金と同様にみなし相続財産となる。
間違えやすいところ
- 身体の障害や病気治療の給付金は非課税だが、死亡保険金を保険料負担者が受け取った場合は一時所得になる点に注意する。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の税法基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の損害保険に係る経理処理
リスク管理 · 法人契約 / 損害保険 / 経理処理 / 圧縮記帳 / 積立損害保険
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険に係る保険料等の経理処理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人が契約者で保険金受取人を従業員の遺族とする場合、支払保険料は福利厚生費等として損金算入されますが、事故発生時に遺族へ直接支払われた保険金は会社の損益に計上されません。
解き方
- 保険料の一括前払(前払費用)、全損時の保険差益に対する圧縮記帳、積立保険の満期時の会計処理を確認する。
- 遺族直接受取の保険金について、会社が資金を支出・受領していないにもかかわらず損金算入できるかを法人の経理原則から検討する。
- 選択肢 1不正解
- 長期の火災保険料を一括で支払った場合、支払額は前払費用等に計上し、当期の期間経過分のみを損金算入します。
- 選択肢 2不正解
- 車両の全損に伴い受領した保険金で代替車両を取得した場合、保険差益について圧縮記帳の適用が認められています。
- 選択肢 3正解
- 死亡保険金が遺族に直接支払われた場合、法人の財産を経由しないため法人は経理処理を行わず、損金算入もできません。
- 選択肢 4不正解
- 満期返戻金と配当金を益金に計上し、それまで資産計上していた積立保険料累計額を取り崩して損金に算入する処理(または差額を損益計上)を行います。
覚えるポイント
- 保険金受取人が従業員の遺族である場合、保険事故発生時に法人は仕訳を行わない(仕訳なし)。
間違えやすいところ
- 会社が死亡保険金を受け取ってから死亡退職金を遺族に支払うケース(益金算入+損金算入)と、直接支払われるケースを混同しやすい。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法人税法・通達基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
医療保険・がん保険の一般的な商品性
リスク管理 · 医療保険 / がん保険 / 先進医療特約 / 免責期間
医療保険等の一般的な商品性に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
公的医療保険に連動する特約や医療保険の保障対象は、医学の進歩や制度改定に対応するため、契約時ではなく療養(治療)時点の定義や基準に基づき判定されます。
解き方
- がん保険の入院日数制限(無制限)および待機期間(90日または3ヶ月免責)の基本事項を確認する。
- 医療保険の入院要件(治療目的の入院)を確認する。
- 先進医療の認定基準が契約時基準か療養時基準かを正確に判定する。
- 選択肢 1不正解
- 一般的ながん保険では、がん治療による入院給付金について1入院あたりの支払日数および通算支払日数が無制限とされています。
- 選択肢 2不正解
- 人間ドックの検査自体は対象外ですが、異常が発見され医師の指示により治療目的で入院した場合は入院給付金の支払対象となります。
- 選択肢 3正解
- 先進医療特約の対象となる先進医療は、保険契約時ではなく「療養を受けた時点」で厚生労働大臣が認めている技術に限られます。
- 選択肢 4不正解
- がん保険には通常90日間または3ヶ月の免責期間(待機期間)があり、期間中に診断確定された場合は給付金が支払われず契約は無効等になります。
覚えるポイント
- 先進医療特約の対象判定は「療養を受けた日(治療時)」基準である。契約時に先進医療であっても治療時に外れていれば対象外となる。
間違えやすいところ
- 「契約時点」で対象だった先進医療が将来外れた場合に対象になるかどうかの引っかけ問題が頻出。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令および保険約款基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
わが国のGDP(国内総生産)の構成要素と規模
金融資産運用 · GDP / 民間最終消費支出 / 国内総生産の内訳 / 経済指標
わが国のGDP(国内総生産)に関する次の文章の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「内閣府が2020年9月に公表した2019年(暦年・2次速報)の名目GDPは約553兆円である。名目GDPに占める民間最終消費支出の割合は( ア )であり、民間企業設備の割合は( イ )である。また、政府最終消費支出は( ウ )であり、財貨・サービスの輸出よりも( エ )。」
解答・解説を表示
解答
3
解説
日本の名目GDP(約550兆円規模)において、民間最終消費支出は全体の過半数(約55%)、民間企業設備(設備投資)は約15~16%を占めます。政府最終消費支出は約110兆円(約20%)で、輸出(約90兆円規模)より大きいです。
解き方
- GDPの最大構成項目である民間最終消費支出が5割超(約55%)であることを確認し、(ア)を「約55%」に絞る。
- 民間企業設備投資は約15%(約80〜90兆円)であり、約25%は過大であるため(イ)を「約15%」とする。
- 政府最終消費支出は約110兆円(約20%)であり、輸出(100兆円未満)よりも多いことから(ウ)約110兆円、(エ)多い を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 民間最終消費支出は約55%、民間企業設備は約15%であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 民間企業設備は約15%であり、政府最終消費支出(約110兆円)は輸出(約90兆円台)より多いため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 民間最終消費支出は約55%、民間企業設備は約15%、政府最終消費支出は約110兆円で輸出より多く、全て適切です。
- 選択肢 4不正解
- 民間最終消費支出の割合は約55%であり、政府最終消費支出は約110兆円であるため不適切です。
覚えるポイント
- 日本の名目GDP構成比の目安:民間消費約55%、政府消費約20%、民間設備投資約15%。
間違えやすいところ
- 民間設備投資と民間最終消費支出の割合を逆に誤認したり、輸出大国という印象から輸出の比率を過大評価しないよう注意する。
出題の前提:2020年9月公表 内閣府国民経済計算(2019年暦年2次速報)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融機関で取り扱う預金商品の一般的な特徴
金融資産運用 · スーパー定期預金 / 期日指定定期預金 / 貯蓄預金 / 仕組預金
銀行等の金融機関で取り扱う預金の一般的な商品性に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
スーパー定期預金(預入期間3年以上)には単利型と半年複利型が存在しますが、半年複利型が選択できるのは個人預金者に限られています。
解き方
- 預金商品ごとの特徴(期日指定定期の据置期間後の指定、貯蓄預金の決済口座利用制限、仕組預金の期限前償還条項)を確認する。
- スーパー定期預金の複利型と単利型の対象者制限について確認し、法人と個人の適用区分を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 期日指定定期預金は、1年の据置期間経過後、最長預入期日(3年)までの間で預金者が任意の日を満期日として指定できます。
- 選択肢 2正解
- スーパー定期の半年複利型を利用できるのは「個人」に限られ、法人は単利型しか利用できません。
- 選択肢 3不正解
- 貯蓄預金は出し入れ自由ですが、公共料金等の自動振替や給料・年金等の自動受取口座としては利用できません。
- 選択肢 4不正解
- 仕組預金には、コール条項(繰上償還特約)により金融機関側の判断で満期日が短縮・繰り上がる商品があります。
覚えるポイント
- スーパー定期の半年複利型は個人限定。法人は単利型しか預入できない。
間違えやすいところ
- 期日指定定期預金(据置期間1年・最長3年)とスーパー定期預金の仕組みを取り違えないこと。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の銀行預金取引約款・法令基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資信託の運用手法および運用スタイル
金融資産運用 · アクティブ運用 / パッシブ運用 / トップダウン・アプローチ / ボトムアップ・アプローチ
株式投資信託の運用手法および運用スタイルに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
投資信託の運用手法において、ベンチマーク(指標)に連動することを目指す手法を「パッシブ(インデックス)運用」、ベンチマークを上回る超過収益を目指す手法を「アクティブ運用」と呼びます。
解き方
- バリュー投資(割安株重視)とグロース投資(成長性重視)の違いを確認する。
- パッシブ運用(指標連動型)とアクティブ運用(超過収益追求型)の定義を確認する。
- ボトムアップ(個別企業リサーチの積上げ)とトップダウン(マクロ経済から配分決定)の違いを確認する。
- 選択肢 1不正解
- PBRやPERなどから株価が本来の価値・利益水準より割安と判断される銘柄に投資する手法はバリュー投資です。
- 選択肢 2正解
- ベンチマークを上回る運用成果を目指す手法は「アクティブ運用」であり、パッシブ運用は連動を目指す手法です。
- 選択肢 3不正解
- 企業の財務分析や個別調査・リサーチを積み上げてポートフォリオを組む手法をボトムアップ・アプローチと呼びます。
- 選択肢 4不正解
- マクロ経済動向や金利予測などから資産・業種等の配分比率を先に決め、その枠内で銘柄を選ぶ手法をトップダウン・アプローチと呼びます。
覚えるポイント
- ベンチマーク連動=パッシブ運用。ベンチマークを上回る成績追求=アクティブ運用。
間違えやすいところ
- ボトムアップ(個別から積み上げ)とトップダウン(マクロからブレイクダウン)の方向性を逆に覚えないこと。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の金融商品取引基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債券の利回りと市場金利変動の関係
金融資産運用 · 固定利付債券 / 債券価格と金利 / 所有期間利回り / 応募者利回り
固定利付債券の利回り(単利・年率)と市場金利の変動との関係に関する次の文章の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとする。 「表面利率が0.2%、償還期限が10年の固定利付債券(以下「債券A」という)が額面100円当たり100円で新規に発行された。発行から5年後、市場金利が上昇したことに伴い、債券Aの最終利回りも0.4%に上昇した。この状況において、債券Aを新規発行時に購入し、発行から5年後に売却した場合の所有期間利回りは( ア )。また、債券Aを新規発行時に購入し、償還まで保有した場合の応募者利回りは( イ )。」
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定利付債券において、市場金利が上昇すると既発債の利回りが上昇し、債券価格は下落(額面割れ)します。途中売却すると売却損が発生するため所有期間利回りは表面利率より低くなります。一方、発行時に購入して償還まで保有した場合の応募者利回りは、途中の金利変動の影響を受けず表面利率(0.2%)のまま変わりません。
解き方
- 市場金利上昇に伴い最終利回りが0.4%に上昇したときの債券価格を考える。残存5年、クーポン0.2%で利回り0.4%になる債券価格は100円を下回る(債券価格の下落)。
- 購入価格100円に対し5年後の売却価格が100円未満となるため、売却損が発生し、所有期間利回りは表面利率(0.2%)よりも低くなる(ア)。
- 応募者利回りは新規発行(100円)から満期償還(100円)まで保有した利回りであるため、途中金利に関係なく表面利率と同じ0.2%で確定している(イ)。
- 選択肢 1不正解
- 償還まで保有した場合の応募者利回りは途中の金利変動の影響を受けず0.2%で変わらないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 金利上昇により債券価格が下落しているため、5年後に売却した際の所有期間利回りは0.2%より低くなります。
- 選択肢 3正解
- 金利上昇による債券価格下落で途中売却利回りは0.2%より低くなり、償還まで保有する応募者利回りは0.2%で変わらないため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 所有期間利回りは途中の債券価格下落により0.2%より低くなり、応募者利回りは変わらないため不適切です。
覚えるポイント
- 「金利上昇=債券価格下落」により途中売却利回りは下がる。発行時購入・償還時保有の応募者利回りは途中の市場金利に左右されない。
間違えやすいところ
- 金利が上昇したからといって、発行時に買って満期まで持つ場合の確定利回り(応募者利回り)まで変動すると誤解しないこと。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の金融理論・債券利回り計算基準
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式市場の各種指数
金融資産運用 · 株価指数 / JASDAQ / JPX日経400 / ナスダック / S&P500
株式市場の各種指数に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
国内外の主要な株価指数は、対象市場(東証一部、新興市場、米国市場等)および採用銘柄数(全銘柄加重平均か代表銘柄抽出か)によって特徴付けられます。
解き方
- 各選択肢が示す株価指数の構成銘柄の選定母体(市場区分)を確認する。
- 指数の算出対象となる銘柄数や計算方法の正誤を照合して最も適切な選択肢を判定する。
- 選択肢 1正解
- ジャスダック・インデックスは、当時のJASDAQ市場に上場していた内国普通株式全銘柄を対象に時価総額加重平均で算出されていた指数であり正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- JPX日経インデックス400の選定対象は東証一部に限られず、東証二部、マザーズ、JASDAQの上場銘柄も含めて選定されます。
- 選択肢 3不正解
- ナスダック総合指数はナスダック市場に上場する全銘柄(3,000以上)を対象とする指数です。代表的な30銘柄を対象とするのはNYダウ(ダウ工業株30種平均)です。
- 選択肢 4不正解
- S&P500種株価指数は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)だけでなくナスダック等に上場している代表的な大型株500銘柄を対象としています。
覚えるポイント
- JPX日経400は市場一部だけでなく二部や新興市場も選定対象となる点
間違えやすいところ
- ナスダック総合指数(全銘柄対象)とNYダウ(30銘柄)の混同に注意する
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外国株式の取引の仕組み
金融資産運用 · 外国株式 / 海外委託取引 / 受渡日 / 投資者保護基金
外国株式の取引の一般的な仕組みや特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
外国株式の取引形態には、海外の取引所に取り次ぐ「海外委託取引」、国内取扱証券会社と投資家が相対で取引する「国内店頭取引」、東証等に重複上場している銘柄を売買する「国内委託取引」があります。
解き方
- 外国株式取引における海外委託取引と国内店頭取引、国内委託取引の定義や取引ルールを整理する。
- 取引に必要な口座開設要件、受渡日、日本投資者保護基金の保護対象範囲を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 外国株式を国内店頭取引(仕切り取引)によって売買する場合であっても、事前に外国証券取引口座を開設する必要があります。
- 選択肢 2正解
- 海外委託取引とは、国内の証券会社を通じて国外の証券取引所に注文を取り次ぎ、現地の取引所で売買する取引のことです。
- 選択肢 3不正解
- 国内の証券取引所に上場する外国株式を国内委託取引で売買した場合の受渡日は、国内株式と同様に約定日から起算して3営業日目(約定日の2営業日後)です。
- 選択肢 4不正解
- 国内の証券会社(金融商品取引業者)に分別管理・保護預かりされている一般顧客の外国株式も、日本投資者保護基金の補償対象(上限1,000万円)に含まれます。
覚えるポイント
- 日本投資者保護基金は国内証券会社が預かる外国株式も補償対象に含まれる
間違えやすいところ
- 国内店頭取引であれば外国証券取引口座が不要であると誤認しやすい
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオ理論
金融資産運用 · 現代ポートフォリオ理論 / 期待収益率 / リスク低減効果 / 相関係数
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
ポートフォリオ理論では、期待収益率は組入資産の単純な加重平均となりますが、リスク(標準偏差)は資産間の相関係数が1未満であれば加重平均よりも小さくなり分散効果が得られます。
解き方
- 期待収益率の算出式(組入比率による加重平均)を確認する。
- 相関係数とポートフォリオのリスク低減効果(分散投資効果)の関係、および低減可能なリスクの種類(非システマティック・リスク)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 組入れ銘柄数を増やすことで低減できるのは個別企業固有の「アンシステマティック・リスク」であり、市場全体に起因する「システマティック・リスク」は分散投資によって低減できません。
- 選択肢 2不正解
- 相関係数が-1である場合、互いの価格変動が完全に逆方向に動くため、ポートフォリオのリスク低減効果は最大(リスクをゼロにすることが可能)になります。
- 選択肢 3正解
- ポートフォリオ全体の期待収益率は、各組入資産の期待収益率をそれぞれの組入比率で加重平均することによって算出されます。
- 選択肢 4不正解
- 相関係数が1でない限り、ポートフォリオのリスク(標準偏差)は各資産のリスクを加重平均した値よりも小さくなります(相関係数が1のときに加重平均と等しくなり、上回ることはありません)。
覚えるポイント
- ポートフォリオの期待収益率は加重平均、リスクは相関係数が1未満なら加重平均より小さい
間違えやすいところ
- システマティック・リスク(市場リスク)が銘柄分散で減らせると誤解しやすい
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISAおよびつみたてNISAの取扱い
金融資産運用 · 一般NISA / つみたてNISA / 損益通算 / 金融機関変更
一般NISAおよびつみたてNISAに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
NISA(少額投資非課税制度)は利益に対して非課税となる制度である反面、発生した損失も税務上認識されないため、課税口座との損益通算や繰越控除の適用は一切認められません。
解き方
- NISA勘定の年単位での金融機関変更ルールおよび年間の非課税投資枠を確認する。
- つみたてNISAの投資対象商品の要件を確認する。
- NISA口座内で損失が発生した場合の税務上の取扱い(損益通算・繰越控除の可否)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- NISA勘定は年単位で金融機関を変更することが可能であり、前年に買付けを行っていても翌年分として別の金融機関に勘定を設定できます。
- 選択肢 2不正解
- 一般NISAの年間非課税投資限度額は120万円(つみたてNISAは年間40万円)と定められています。
- 選択肢 3不正解
- つみたてNISAの対象商品は、販売手数料がノーロードで信託報酬が一定水準以下など、長期・積立・分散投資に適した所定の要件を満たす公募株式投資信託およびETFに限定されています。
- 選択肢 4正解
- NISA口座内で生じた譲渡損失は税務上生じなかったものとみなされるため、特定口座や一般口座内の譲渡益と損益通算することはできません。
覚えるポイント
- NISA口座内の売却損は他の課税口座との損益通算や繰越控除が一切不可
間違えやすいところ
- 特定口座で生じた損失と同様に損益通算ができると勘違いしやすい
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品販売法・消費者契約法・金融商品取引法
金融資産運用 · 金融商品販売法 / 消費者契約法 / 金融商品取引法 / 損害賠償責任
金融商品の販売等に関する法律(以下「金融商品販売法」という)、消費者契約法および金融商品取引法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
金融商品取引に関する法律関係において、金融商品販売法(損害賠償の特則・元本割れ損害の推定)と消費者契約法(不当勧誘による契約の取消し)は競合して併用適用される関係にあります。
解き方
- 金融商品販売法における立証責任軽減規定(元本欠損額の損害額推定など)を確認する。
- 金融商品販売法と消費者契約法の適用関係(両法が併せて適用され、一方が排除されない関係)を検討する。
- 消費者契約法に基づく意思表示の取消し規定および金融商品取引法のデリバティブ対象範囲を精査する。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品販売法では、重要事項不説明の事実を顧客が立証すれば、元本割れとなった損害額が法的に推定され、因果関係を直接立証する負担が軽減されています。
- 選択肢 2正解
- 金融商品販売法と消費者契約法の双方が適用可能な場合、双方が併せて適用可能であり、消費者契約法が優先して金融商品販売法の適用が排除されるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 消費者契約法では、不実告知や断定的判断の提供、不利益事実の不告知等によって消費者が誤認・困惑して行った意思表示を取り消すことができます。
- 選択肢 4不正解
- 金融商品取引法では、取引所での有価証券デリバティブ取引のみならず、店頭デリバティブ取引である通貨スワップや金利スワップ取引なども規制対象に含まれます。
覚えるポイント
- 金融商品販売法と消費者契約法は両方を重ねて適用・主張できる関係にある
間違えやすいところ
- 民法や消費者契約法と金融商品販売法の間で一方のみが優先適用されると誤解しやすい
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貿易統計における日本の輸出入相手国
金融資産運用 · 貿易統計 / 輸出相手国 / 輸入相手国 / 経済動向
下記の表は、財務省の貿易統計に基づく日本の過去3年間の輸出相手国上位5ヵ国の推移(年ベース)と輸入相手国上位5ヵ国の推移(年ベース)を示したものである。表中の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
日本の貿易において、輸出は米国と中国がトップ2を争っており、輸入は1位中国、2位米国に次いで石炭・LNG等の鉱物性燃料を多く輸入するオーストラリアや原油輸入国が上位に入ります。
解き方
- 輸出相手国の上位2カ国が中国と米国であることを把握し、2018年に1位(約15.9兆円)となったのが(ア)中国、2017年・2019年に1位となったのが(イ)米国であることを特定する。
- 輸入相手国において、中国・米国に次ぐ第3位(約4.4兆円〜5.1兆円)は資源輸入相手国である(ウ)オーストラリアであることを判断する。
- 輸入第4位・5位で韓国と並びランクインしている主要原油輸入国(エ)がサウジアラビアであることを特定する。
- 選択肢 1正解
- (ア)中国、(イ)米国、(ウ)オーストラリア、(エ)サウジアラビアの組み合わせが統計データと完全に合致しており最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- 輸入3位の(ウ)はタイではなくオーストラリアであり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- (ア)と(イ)が逆であり、また(ウ)もタイではないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- (ア)と(イ)が逆であり、また(ウ)もシンガポールではないため不適切です。
覚えるポイント
- 日本の輸出1位・2位は米中が争い、輸入は中国・米国・豪州(資源国)が上位
間違えやすいところ
- 2018年のみ輸出首位が中国、2017年と2019年は米国首位という入れ替わりを取り違えやすい
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等(財務省貿易統計)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の基本的仕組み
タックスプランニング · 所得税 / 納税義務者 / 納税地 / 権利確定主義 / 申告納税方式
所得税の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税は個人に課される国税であり、原則として住所地を納税地とし、納税者自らが税額を計算して確定申告を行う申告納税方式を採用しています。収入計上時期は現金の受領時ではなく権利確定時が原則です。
解き方
- 所得税の納税義務者が「個人」であり、国籍ではなく居住形態で区分される点を確認する。
- 納税地の原則(住所地)と例外(居所や事業所とする場合の届出要件)を検討する。
- 収入金額の計上基準(権利確定主義)および課税方式(申告納税方式)の正誤を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 所得税の納税義務者は個人(居住者・非居住者)であり、国籍は問われません。なお、法人は法人税の納税義務者です。
- 選択肢 2不正解
- 居所地や事業所等の所在地を納税地とする特例を選択する場合には、納税地の所轄税務署長に「所得税・消費税の納税地の指定受取・変更に関する届出書」を提出する必要があります。
- 選択肢 3正解
- 所得税法では原則として権利確定主義が採られているため、現実に受領していなくてもその年に収入すべき権利が確定した未収の金額も収入金額に計上します。
- 選択肢 4不正解
- 所得税は、納税者自らが所得金額と税額を計算して申告・納付する「申告納税方式」を採用しています(税務署長が税額を決定する賦課課税方式ではありません)。
覚えるポイント
- 所得税の収入計上は現金の受取り時ではなく「収入すべきことが確定した年(権利確定主義)」
間違えやすいところ
- 所得税の納税義務者が国籍基準であると誤認しやすい(居住形態基準)
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額の計算方法
タックスプランニング · 給与所得 / 退職所得 / 雑所得 / 一時所得
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税法上の各種所得の計算式において、「2分の1」を乗じる規定がある所得(退職所得、長期譲渡所得、一時所得の総所得金額算入額など)と乗じない所得を正確に区別する必要があります。
解き方
- 各所得区分の基本的な計算算式を確認する。
- 退職所得の計算において「2分の1」が所得金額そのものの算定式に含まれることを確認する。
- 給与所得・雑所得には2分の1の乗算がなく、一時所得は「一時所得の金額」ではなく「総所得金額に算入する金額」の段階で2分の1を乗じる点を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得の金額は「給与等の収入金額-給与所得控除額(-所得金額調整控除)」であり、1/2を乗じる計算はありません。
- 選択肢 2正解
- 退職所得の金額(特定役員退職手当等を除く)は、「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」の算式により正しく計算されます。
- 選択肢 3不正解
- 公的年金等以外の雑所得の金額は「総収入金額-必要経費」であり、1/2を乗じる計算はありません。
- 選択肢 4不正解
- 一時所得の金額自体は「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」です。1/2を乗じるのは、総所得金額に合算(算入)する段階です。
覚えるポイント
- 退職所得の金額は計算式そのものに「×1/2」が入るが、一時所得の金額自体には入らない
間違えやすいところ
- 一時所得の金額そのものの算式と総所得金額への算入額(1/2)の混同に注意する
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益通算と総所得金額の計算
タックスプランニング · 損益通算 / 総所得金額 / 不動産所得 / 事業所得 / ゴルフ会員権の譲渡損失
Aさんの2020年分の所得の金額が下記のとおりである場合、所得税における総所得金額として最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項は考慮せず、▲は損失を表すものとする。 ・不動産所得の金額:500万円 ・事業所得の金額:▲50万円(飲食店の経営により生じた損失) ・譲渡所得の金額:▲200万円(ゴルフ会員権の譲渡により生じた損失)
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税において損益通算の対象となる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(「富士山乗」)に限られます。ただし、譲渡所得のうち生活に通常必要でない資産(ゴルフ会員権や別荘など)の譲渡によって生じた損失は、他の所得の黒字と損益通算することはできません。
解き方
- 飲食店の経営から生じた事業所得の損失▲50万円は、損益通算の対象となる損失であることを確認します。
- ゴルフ会員権の譲渡により生じた譲渡所得の損失▲200万円は、生活に通常必要でない資産に係る損失のため損益通算できないことを確認します。
- 不動産所得500万円から事業所得の損失50万円を差し引き、総所得金額を500万円-50万円=450万円と算出します。
- 選択肢 1不正解
- 事業所得の損失に加え、損益通算が認められないゴルフ会員権の譲渡損失▲200万円まで通算してしまっているため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 事業所得の損失を差し引かず、ゴルフ会員権の譲渡損失▲200万円のみを通算して計算しているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 不動産所得500万円から事業所得の損失50万円を損益通算した450万円が正しい総所得金額となります。
- 選択肢 4不正解
- 事業所得の損失▲50万円の損益通算を行っていないため誤りです。事業所得の損失は損益通算の対象となります。
覚えるポイント
- 損益通算できる所得は不動産・事業・山林・譲渡(富士山乗)
- ゴルフ会員権や別荘の譲渡損失は損益通算不可
間違えやすいところ
- ゴルフ会員権の譲渡損失を総合譲渡所得の損失として損益通算に含めてしまうミス
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の各種所得控除等
タックスプランニング · 基礎控除 / 配偶者控除 / 特定扶養親族 / 給与所得控除
所得税における所得控除等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税の基礎控除は2020年分より改正され、合計所得金額が2,400万円以下の場合は48万円(従前の38万円から引き上げ)となり、高所得層では段階的に逓減・消失します。また、扶養控除や給与所得控除などの各控除額の数値要件も正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 各選択肢の控除額や適用要件について検討します。
- 選択肢1の基礎控除額は、合計所得金額2,400万円以下で48万円とされており正確です。
- 選択肢2は38万円、選択肢3は63万円、選択肢4は最低55万円(上限195万円)が正しい控除額であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 納税者の合計所得金額が2,400万円以下である場合、基礎控除の額は48万円となるため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 合計所得金額900万円以下の納税者が控除対象配偶者(合計所得金額48万円以下)を有する場合の配偶者控除額は38万円です。
- 選択肢 3不正解
- 12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満の特定扶養親族に係る扶養控除の額は、58万円ではなく63万円です。
- 選択肢 4不正解
- 2020年分以後、給与等の収入金額が180万円以下の場合の給与所得控除額の最低額は55万円(収入金額×40%と55万円のいずれか高い額)です(旧法は65万円)。上限は850万円超で195万円です。
覚えるポイント
- 基礎控除額は合計所得金額2,400万円以下で48万円
- 特定扶養親族の扶養控除額は63万円
- 給与所得控除の最低額は55万円、上限は195万円
間違えやすいところ
- 基礎控除改正前の38万円や給与所得控除の旧最低額65万円と混同すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の適用要件
タックスプランニング · 住宅ローン控除 / 合計所得金額要件 / 床面積要件 / 確定申告 / 居住開始時期
住宅を新築または取得した場合の所得税における住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅借入金等特別控除の適用を受けるには、新築・取得の日から原則として6ヵ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していることが要件とされています。また、合計所得金額3,000万円以下、登記簿上の床面積50㎡以上かつ2分の1以上が自己居住用であることなどの要件があります。
解き方
- 住宅ローン控除の各要件(所得要件、床面積要件、手続要件、居住開始要件)を確認します。
- 所得要件(3,000万円以下)、床面積要件(50㎡以上かつ1/2以上自己居住用)、初年度の確定申告義務はいずれも正しいことを確認します。
- 居住開始の期限は新築・取得の日から「6ヵ月以内」であり、「3ヵ月以内」とする選択肢4が不適切であると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 適用を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下でなければならないため適切な記述です。
- 選択肢 2不正解
- 家屋の床面積(登記簿面積)が50㎡以上であり、床面積の2分の1以上が自己の居住用でなければならないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得者であっても控除を受ける最初の年分については確定申告が必要であり、2年目以降は年末調整で控除を受けられるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 住宅ローン控除の適用を受けるためには、新築または取得の日から「3ヵ月以内」ではなく「6ヵ月以内」に自己の居住の用に供さなければならないため不適切です。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の居住開始要件は取得後6ヵ月以内
- 床面積50㎡以上・自己居住割合1/2以上
- 初年度は給与所得者でも確定申告が必須
間違えやすいところ
- 居住開始要件の「6ヵ月以内」を「3ヵ月以内」と誤認してしまうミス
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告の特典
タックスプランニング · 青色申告の特典 / 青色事業専従者給与 / 純損失の繰戻還付 / 雑損失の繰越控除 / 低価法
次のうち、青色申告者のみが適用を受けることができる所得税の青色申告の特典として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
青色申告の主な特典には、青色申告特別控除、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の繰越し(3年間)と繰戻しによる還付、棚卸資産の低価法評価などがあります。一方で、災害等による雑損控除の控除不足額(雑損失)の繰越控除は、白色申告者を含めすべての納税者に認められている制度です。
解き方
- 各制度が「青色申告者のみの特典」であるか「白色申告者も適用可能」であるかを判別します。
- 青色事業専従者給与、純損失の繰戻還付、低価法の選択は青色申告者限定の特典であることを確認します。
- 雑損失の繰越控除は申告要件(確定申告書の連続提出)はあるものの青色申告者に限られないため、これが不適切であると特定します。
- 選択肢 1不正解
- 青色事業専従者給与の額を必要経費に算入できる特典は、青色申告者のみに認められる特典であるため青色申告の特典として適切です。
- 選択肢 2不正解
- 前年も青色申告をしている場合に、生じた純損失を前年分に繰り戻して還付を受けることができる制度は青色申告者のみの特典です。
- 選択肢 3正解
- 雑損失の金額の繰越控除は青色申告者に限られず、白色申告者であっても適用を受けることができるため不適切(本問の正答)です。
- 選択肢 4不正解
- 棚卸資産の評価方法として低価法を選択できるのは青色申告者のみの特典であるため適切です。
覚えるポイント
- 純損失の繰越控除・繰戻還付は青色申告者の特典
- 雑損失の繰越控除は白色申告者でも適用可能
間違えやすいところ
- 「純損失」の繰越控除(青色特典)と「雑損失」の繰越控除(誰でも可)を混同すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の基本的な仕組み
タックスプランニング · 事業年度 / 青色申告承認申請書 / 法人税の納税地 / 中小法人の軽減税率
内国法人(普通法人)に係る法人税の基本的な仕組み等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
内国法人における法人税の納税地は、その本店又は主たる事務所の所在地と法定されています。代表者の住所地等を自由に選択することは認められていません。設立事業年度からの青色申告承認申請書の提出期限(設立後3ヵ月経過日と事業年度終了日のいずれか早い日の前日)や、資本金1億円以下の中小法人の所得800万円以下の部分に対する軽減税率(本則19%・特例15%)などの基本事項も重要です。
解き方
- 内国法人の納税地の原則(法人税法第16条:本店又は主たる事務所の所在地)を確認します。
- 選択肢3では「本店の所在地または代表者の住所地のいずれかを任意に選択できる」としているため、法令の規定と異なり誤りです。
- 事業年度の定義、青色申告承認申請書の設立時の提出期限、中小法人の所得年800万円以下の軽減税率がそれぞれ正しいことを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 法令または定款等で定められた1年以内の会計期間がある場合、その期間が事業年度となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 新設法人が設立第1期目から青色申告を適用する場合、設立の日以後3ヵ月を経過した日と事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までに提出が必要なため適切です。
- 選択肢 3正解
- 内国法人の法人税の納税地は原則として「本店又は主たる事務所の所在地」と決まっており、代表者の住所地を任意に選択することはできないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 期末資本金1億円以下の普通法人等の場合、所得金額のうち年800万円以下の部分には軽減税率が適用されるため適切です。
覚えるポイント
- 内国法人の納税地は本店又は主たる事務所の所在地(任意選択不可)
- 新設法人の青色申請期限は設立後3ヵ月経過日と期末のいずれか早い日の前日
間違えやすいところ
- 個人の所得税における納税地(住所地・居所地・事業所等の選択特例)と法人の納税地を混同すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の簡易課税制度
タックスプランニング · 簡易課税制度 / 基準期間の課税売上高 / 届出書の提出期限 / 2年継続適用 / 不適用届出書
消費税の簡易課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
消費税の簡易課税制度は、中小事業者の事務負担を軽減するため、仕入控除税額を実際の課税仕入れではなく、課税売上高にみなし仕入率を乗じて計算する制度です。適用対象は、基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が「5,000万円以下」の事業者に限られます。
解き方
- 簡易課税制度の適用対象となる基準期間の課税売上高の上限を確認します(正しくは5,000万円以下)。
- 選択肢1は「1億円以下」と記述されているため不適切であると判定します。
- 選択届出書の提出期限(適用を受けようとする課税期間初日の前日)、2年継続適用義務、不適用届出書の提出期限(取りやめようとする課税期間初日の前日)がいずれも正しいことを確認します。
- 選択肢 1正解
- 簡易課税制度を選択できるのは、基準期間における課税売上高が「1億円以下」ではなく「5,000万円以下」の事業者であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 簡易課税制度を初めて適用する場合、原則としてその課税期間の初日の前日までに届出書を提出する必要があるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 届出書を提出して簡易課税制度を適用した場合、事業廃止等を除き原則として2年間は適用を継続しなければならないため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 簡易課税の適用を取りやめる場合は、取りやめようとする課税期間の初日の前日までに不適用届出書を提出しなければならないため適切です。
覚えるポイント
- 簡易課税制度の要件は基準期間の課税売上高5,000万円以下
- 選択届出書を出した場合は2年間継続適用が義務付けられる
間違えやすいところ
- 事業者免税点の判定(基準期間の課税売上高1,000万円以下)や他の特例の数値と混同すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務
タックスプランニング · 会社と役員間の取引 / 低額譲渡 / 役員給与 / 無償譲渡 / 社宅 / 無利息貸付け
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
会社と役員間の取引では、時価による取引が原則とされます。会社が役員に資産を低額譲渡した場合、時価と対価との差額は役員側で給与所得(役員賞与)となり、会社側でも役員賞与として原則損金不算入となります。役員から会社への無利息貸付けは役員側に課税関係は生じません。
解き方
- 各取引における役員側・会社側の所得税・法人税の課税関係を分析します。
- 選択肢1:会社が無償譲渡を受けた場合、時価の全額が受贈益として益金算入されます(2分の1ではない)。
- 選択肢2:会社から役員への低額譲渡では、時価と対価の差額が経済的利益として役員の給与所得の収入金額に算入されます(適切)。
- 選択肢3:役員社宅を無償貸与した場合、通常の賃貸料相当額が給与所得として課税されます。
- 選択肢4:役員が会社に無利息で貸し付けた場合、役員側に利息相当額の雑所得は生じません。
- 選択肢 1不正解
- 役員が土地を会社に無償譲渡した場合、会社側では適正な時価の全額が受贈益として益金算入されるため不適切です(2分の1ではありません)。
- 選択肢 2正解
- 会社が所有する土地を適正な時価より低い価額で役員に譲渡した場合、時価と譲渡価額との差額は経済的利益(賞与)として役員の給与所得の収入金額に算入されるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、通常の賃貸料相当額が役員の現物給与として給与所得の収入金額に算入されるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 役員が会社に無利息で金銭を貸し付けた場合、個人である役員側に利息相当額が雑所得として認定課税されることは原則としてないため不適切です。
覚えるポイント
- 会社から役員への低額譲渡は差額が役員の給与所得になる
- 役員から会社への無利息融資では役員に認定利息の課税は生じない
間違えやすいところ
- 役員から会社への貸付け(利息課税なし)と、会社から役員への貸付け(認定利息課税あり)を混同すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
決算書(財務諸表)の構造と項目
タックスプランニング · 貸借対照表 / 損益計算書 / 売上総利益 / 営業利益 / 営業外損益
企業の決算書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
損益計算書(P/L)の段階利益の計算構造は、①売上高-売上原価=売上総利益、②売上総利益-販売費及び一般管理費=営業利益、③営業利益+営業外収益-営業外費用=経常利益、④経常利益+特別利益-特別損失=税引前当期純利益となります。営業外損益を加減するのは経常利益の計算過程です。
解き方
- 貸借対照表(B/S)の基本等式(資産=負債+純資産)および現金残高が0以上である性質を確認します(選択肢1・2は正しい)。
- 損益計算書における売上総利益(売上高-売上原価)の算出式を確認します(選択肢3は正しい)。
- 営業利益の算出式(売上総利益-販売費及び一般管理費)と経常利益の算出式(営業利益+営業外収益-営業外費用)を比較し、選択肢4の記述が営業利益ではなく経常利益の説明であることを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 手元の現金実査に基づく現金の残高が負(マイナス)になることは物理的・会計上あり得ないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 貸借対照表において、資産の部の合計額は常に負債の部と純資産の部の合計額と一致(貸借平均の原理)するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いて算出されるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 損益計算書の営業利益は売上総利益から「販売費及び一般管理費」を差し引いて算出し、営業利益に営業外収益・営業外費用を加減算して算出するのは「経常利益」であるため不適切です。
覚えるポイント
- 営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
- 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
間違えやすいところ
- 本業の利益である営業利益と、財務活動等を含めた経常利益の計算構造を取り違えること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記制度および対抗要件
不動産 · 不動産登記 / 対抗要件 / 登記事項証明書
不動産の登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産の物権変動は登記を対抗要件とし(民法177条)、二重譲渡では先に登記を備えた者が優先します。また不動産登記記録は一般に公開されており、誰でも手数料を納付すれば登記事項証明書の交付を請求できます。
解き方
- 物権変動の対抗要件に関する民法第177条の規定を確認し、登記の先後で優劣が決まる原則を照合する。
- 登記事項証明書の公開性、建物の床面積の算出基準(壁芯と内法)、表示登記の手続規定を確認して各肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 民法第177条により、二重売買契約における譲受人同士は、契約締結の時期にかかわらず先に所有権移転登記を完了した者が所有権を対抗できます。
- 選択肢 2不正解
- 不動産登記は公示を目的としているため、利害関係人に限らず誰でも手数料を納付すれば登記事項証明書の交付を請求できます。
- 選択肢 3不正解
- 区分建物を除く一般の建物登記記録における床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた壁芯面積により算出されます。
- 選択肢 4不正解
- 登記原因を証する情報(登記原因証明情報)の提供が原則義務付けられているのは権利に関する登記であり、表示に関する登記では原則不要です。
覚えるポイント
- 二重譲渡の対抗問題は登記の早い者勝ちである点
- 一般建物の登記床面積は壁芯面積、区分建物の専有部分は内法面積である点
間違えやすいところ
- 登記事項証明書の請求権者を住民票や戸籍謄本のように利害関係人に限定されていると誤認すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の民法および不動産登記法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的土地評価の基準日と評価水準
不動産 · 公示価格 / 基準地標準価格 / 固定資産税評価額 / 相続税評価額
土地の価格に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
土地の公的価格には、地価公示法に基づく公示価格、都道府県地価調査による標準価格、相続税評価額(公示価格の約80%目安)、固定資産税評価額(公示価格の約70%目安)があり、基準日や評価割合がそれぞれ定められています。
解き方
- 地価公示(1月1日基準)および都道府県地価調査(7月1日基準)の基準日を確認する。
- 固定資産税評価額の決定主体(市町村長等)と公示価格に対する評価割合(約70%目安)を照合して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 公示価格は国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日時点を基準日として判定し公表しています。
- 選択肢 2不正解
- 都道府県地価調査による標準価格は、各都道府県知事が毎年7月1日時点を基準日として判定しています。
- 選択肢 3不正解
- 固定資産税評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づき、原則として市町村長(東京都23区は都知事)が決定します。
- 選択肢 4正解
- 宅地の固定資産税評価額は地価公示価格等の約70%を目途として評定されます。80%を目途としているのは相続税路線価です。
覚えるポイント
- 公的土地価格の割合は相続税路線価が約80%、固定資産税評価額が約70%である点
- 公示価格は1月1日、都道府県地価調査は7月1日が基準日である点
間違えやすいところ
- 相続税路線価(80%)と固定資産税評価額(70%)の評価割合を取り違えること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の地価公示法および地方税法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における普通借地権と定期借地権
不動産 · 借地借家法 / 普通借地権 / 一般定期借地権
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条の借地権を一般定期借地権といい、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
借地借家法上の普通借地権は存続期間を最低30年とし、これより短い期間を定めても無効となり30年とされます。一方、一般定期借地権(存続期間50年以上)は公正証書等を含む書面により3特約を定める必要があります。
解き方
- 普通借地権の存続期間要件(30年以上・短縮不可)および更新要件(地上建物の存在)を確認する。
- 一般定期借地権の書面要件(公正証書等の書面)および利用目的制限(制限なし)を確認して適切な記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借地権の当初の存続期間は30年以上でなければならず、30年未満の期間を定めても契約は無効となり期間は30年とみなされます。
- 選択肢 2不正解
- 普通借地権の存続期間が満了する場合に借地権者が更新請求をして契約が更新されるには、借地上に建物が存在していることが必要です。
- 選択肢 3正解
- 一般定期借地権(存続期間50年以上)において、契約の更新排除等の特約を有効とするには、公正証書等の書面によって契約しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 一般定期借地権は建物の用途に制限がなく、居住用だけでなく事業用建物の所有を目的とする場合でも設定することができます。
覚えるポイント
- 普通借地権の最短存続期間は30年であり短縮は認められない点
- 一般定期借地権は存続期間50年以上で公正証書等の書面が必要、用途制限はない点
間違えやすいところ
- 事業用建物の所有目的には事業用定期借地権しか使えないと誤認し、一般定期借地権を除外してしまうこと
出題の前提:2020年10月1日現在施行の借地借家法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における建物賃貸借の成立と効力
不動産 · 借地借家法 / 普通借家契約 / 定期借家契約 / 賃借権の対抗力
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第38条による定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建物の賃貸借において、借地借家法第31条により建物の引渡しがあれば登記がなくとも第三者への対抗力が認められます。また、普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合は「期間の定めのない賃貸借」とみなされます。
解き方
- 普通借家契約における1年未満の期間設定の効力(期間の定めのないものとみなす)を確認する。
- 借地借家法第31条に基づく建物の引渡しによる対抗力要件を確認し、定期借家の期間制限・書面要件を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借家契約で期間を1年未満と定めた場合、期間は1年とみなされるのではなく「期間の定めのない建物の賃貸借」とみなされます。
- 選択肢 2正解
- 借地借家法第31条第1項により、建物の引渡しがあったときは、登記がなくてもその後に建物の所有権等を取得した者に対抗することができます。
- 選択肢 3不正解
- 定期借家契約には存続期間の下限・上限の制限がないため、当事者の合意があれば存続期間を1年未満(6か月未満を含む)とすることも可能です。
- 選択肢 4不正解
- 定期借家契約は公正証書等の書面によって契約しなければなりませんが、公正証書に限定されず、一般の書面(契約書)でも有効に締結できます。
覚えるポイント
- 建物の引渡しにより賃借権は登記なしで第三者に対抗できる点
- 普通借家で1年未満の定めは「期間の定めなし」とみなされる点
- 定期借家契約は公正証書「等」の書面で足り、公正証書に限定されない点
間違えやすいところ
- 定期借家契約が公正証書必須であると誤認すること(事業用定期借地権と混同しやすい)
出題の前提:2020年10月1日現在施行の借地借家法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法における区域区分と地域地区
不動産 · 都市計画法 / 市街化区域 / 市街化調整区域 / 防火地域
都市計画法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
都市計画法において、市街化区域には用途地域を必ず定めますが、防火地域・準防火地域は火災危険を防除するため都市計画上必要と判断された場合に任意で指定される地域地区であり、必須の指定義務はありません。
解き方
- 防火地域および準防火地域の指定要件(義務的指定ではない)を確認する。
- 市街化区域・市街化調整区域の定義、用途地域の指定ルール(市街化区域は必置、調整区域は原則定めない)、区域区分の義務的指定区域を確認する。
- 選択肢 1正解
- 用途地域が定められている区域であっても、防火地域または準防火地域を必ず定めなければならないわけではなく、必要に応じて定められます。
- 選択肢 2不正解
- 都市計画法上、市街化区域には少なくとも用途地域を定めるものとされ、市街化調整区域には原則として用途地域を定めません。
- 選択肢 3不正解
- 市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいいます。
- 選択肢 4不正解
- 首都圏・近畿圏・中部圏の既成市街地等を含む都市計画区域など一定の大都市の区域では、都市計画に区域区分(線引き)を定めるものとされています。
覚えるポイント
- 市街化区域は用途地域の指定が必須である点
- 防火地域・準防火地域は用途地域内であっても指定は必須(義務)ではない点
間違えやすいところ
- 用途地域内に防火地域または準防火地域が必ず指定されるものと誤解すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の都市計画法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における敷地・用途・容積率・建蔽率の規制
不動産 · 建築基準法 / 接道義務 / 用途制限 / 容積率 / 建蔽率の緩和
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建築基準法では、防火地域内の耐火建築物に対して建蔽率の10%緩和(指定建蔽率80%地域なら制限なし)の特例が設けられていますが、容積率については防火上の措置による緩和規定は存在しません。
解き方
- 接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接道)および工業専用地域の用途制限(住宅建築不可)を確認する。
- 前面道路12m未満の容積率制限(法定乗数による計算値と指定容積率の小さい方)を確認する。
- 防火地域内の耐火建築物に対する緩和対象が建蔽率のみ(容積率は対象外)であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 建築基準法第43条により、建築物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないという接道義務があります。
- 選択肢 2不正解
- 工業専用地域は工業の利便を増進するための地域であり、いかなる場合でも住宅を建てることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 前面道路の幅員が12m未満の場合、指定容積率と前面道路幅員に法定乗数を乗じて求めた容積率を比較し、低い方が容積率の限度となります。
- 選択肢 4正解
- 防火地域内に耐火建築物を建築することによって緩和されるのは建蔽率(10%加算または適用除外)であり、容積率の緩和はありません。
覚えるポイント
- 工業専用地域には住宅を一切建築できない点
- 防火地域内耐火建築物の緩和措置は建蔽率のみであり、容積率には適用されない点
間違えやすいところ
- 防火地域の耐火建築物緩和が容積率にも及ぶと錯覚すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の基礎知識
不動産 · 区分所有法 / 管理組合 / 規約共用部分 / 集会の決議要件
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
区分所有法において管理組合は法律上当然に成立し、区分所有者全員が自動的に構成員となります(脱退不可)。また規約変更は各4分の3以上の多数決、集会招集通知は原則として会日より1週間前までに発します。
解き方
- 管理組合の成立と構成員要件(区分所有者全員で構成、当然加入)を確認する。
- 規約共用部分の可否、規約変更の決議要件(4分の3以上)、集会招集の通知期間(1週間前)を照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 区分所有者は全員で建物・敷地等の管理を行うための団体(管理組合)を構成するものとされており、区分所有者は当然に組合員となります。
- 選択肢 2不正解
- 構造上および利用上の独立性を備えた部分であっても、規約によって共用部分(規約共用部分)とすることができます(例:集会室や管理人室)。
- 選択肢 3不正解
- 規約の設定・変更・廃止は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要です(各5分の4以上は建替え決議)。
- 選択肢 4不正解
- 集会の招集通知は、規約で別段の定めをしない限り、会日より少なくとも1週間前に目的たる事項を示して各区分所有者に発しなければなりません。
覚えるポイント
- 区分所有者は全員が当然に管理組合の構成員になる点
- 規約変更の決議要件は4分の3以上、建替え決議は5分の4以上である点
- 集会の招集通知は原則1週間前までである点
間違えやすいところ
- 規約変更の特別決議要件(4分の3)と建替え決議要件(5分の4)を混同すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産取得税および登録免許税の仕組み
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 抵当権設定登記
不動産の取得等に係る税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
抵当権設定登記の登録免許税の課税標準は債権金額(根抵当権は極度金額)で税率は原則0.4%です。不動産取得税の新築住宅特例控除額は原則1戸につき1,200万円であり、所有権移転登記の登録免許税率は相続(0.4%)の方が贈与(2.0%)より低く設定されています。
解き方
- 不動産取得税の新築住宅の課税標準の控除額(1戸あたり最高1,200万円)を確認する。
- 等価交換における不動産取得税の課税関係(原則課税)を確認する。
- 抵当権設定登記の課税標準(債権金額・極度金額)および所有権移転登記の税率(相続0.4%、贈与2.0%)を比較して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 新築住宅の不動産取得税の課税標準の特例控除額は、1戸につき最高1,200万円(認定長期優良住宅等の場合は1,300万円)です。
- 選択肢 2不正解
- 等価交換方式であっても不動産の所有権を取得しているため、原則として取得者に対して不動産取得税が課されます。
- 選択肢 3正解
- 抵当権設定登記の登録免許税の課税標準は債権金額、根抵当権設定登記の場合は極度金額となります(本則税率は0.4%)。
- 選択肢 4不正解
- 所有権移転登記の登録免許税の本則税率は、相続による場合は0.4%、贈与による場合は2.0%であり、相続による場合の方が低くなります。
覚えるポイント
- 抵当権設定登記の課税標準は債権金額(根抵当権は極度金額)である点
- 新築住宅の不動産取得税の控除額は原則1,200万円である点
- 所有権移転登記の登録免許税は相続(0.4%)が贈与(2.0%)より低い点
間違えやすいところ
- 相続による登記の税率(0.4%)が贈与による登記(2.0%)より高いと誤認すること
出題の前提:2020年10月1日現在施行の地方税法および登録免許税法
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人が土地を譲渡した場合における譲渡所得の計算
不動産 · 譲渡所得 / 所有期間の判定 / 長期譲渡所得と短期譲渡所得
個人が土地を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
土地等の譲渡所得では、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えるか否かで長期・短期が区分され、相続による取得は被相続人の取得時期が引き継がれます。
解き方
- 相続による取得資産の所有期間判定において、被相続人の取得日を引き継ぐ規定を確認する。
- 譲渡所得の短期・長期の判定基準日(譲渡年の1月1日)および適用される税率・譲渡費用の範囲を検証する。
- 選択肢 1正解
- 相続により取得した土地の所有期間を判定する際、被相続人の取得時期がそのまま引き継がれるため、登記をした日とする本記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 土地を譲渡した日の属する年の1月1日において、所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得に区分されます。
- 選択肢 3不正解
- 土地を譲渡するために売主が直接支払った仲介手数料や測量費等は、譲渡所得の計算上、譲渡費用に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 課税長期譲渡所得金額に対する税率は、原則として所得税15%、復興特別所得税0.315%(15%×2.1%)、住民税5%の合計20.315%となります。
覚えるポイント
- 相続による取得時期・取得費は被相続人のものを引き継ぐ
- 長期・短期の判定は譲渡年の1月1日時点の所有期間で判定する
間違えやすいところ
- 所有期間の判定を譲渡日当日の期間で計算してしまう誤り
- 相続登記の日を自身の取得日と勘違いしてしまう誤り
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の有効活用手法の特徴
不動産 · 土地活用 / 事業受託方式 / 等価交換方式 / 建設協力金方式
不動産の有効活用の手法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
不動産の有効活用手法には各種形態があり、土地所有者が建設資金を調達・負担するのか、デベロッパーやテナントが負担するのかという資金負担関係の理解が重要です。
解き方
- 事業受託方式の定義と、業務委託範囲および建設資金の負担主体を確認する。
- 定期借地権方式、等価交換方式、建設協力金方式における資金調達と所有権の帰属をそれぞれ照合する。
- 選択肢 1不正解
- 定期借地権方式では、土地を貸し出して借地人が建物を建築するため、土地所有者は建設資金を負担することなく安定した地代収入を得られます。
- 選択肢 2不正解
- 等価交換方式では、デベロッパーが建設資金を負担して建物を建築し、土地所有者は提供した土地の価額に見合う区分所有権等を取得します。
- 選択肢 3不正解
- 建設協力金方式では、出店を予定しているテナントから預かる保証金や建設協力金を建築資金の全部または一部に充当して建物を建設します。
- 選択肢 4正解
- 事業受託方式では、事業の企画や施工管理等をデベロッパーに委託するものの、建設資金は土地所有者自身が負担・調達する必要があるため不適切です。
覚えるポイント
- 事業受託方式の資金負担者は土地所有者本人である
- 等価交換方式は土地を提供することで資金負担なしに建物区分等を取得できる
間違えやすいところ
- 事業受託方式と等価交換方式の資金負担主体を混同する誤り
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法および税法における贈与の取扱い
相続・事業承継 · 贈与契約の成立要件 / 書面によらない贈与の解除 / 相続時精算課税制度
贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
贈与は双方の合意により成立する諾成・無償・片務契約であり、相続時精算課税制度の選択後は同一の贈与者に対して暦年課税への変更は認められません。
解き方
- 民法上の贈与の成立要件(当事者の意思表示と受諾)および書面によらない贈与の解除権を確認する。
- 相続時精算課税制度の選択後の取消不能性(特定贈与者ごとの撤回不可)を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与は契約であるため、当事者の一方が無償で与える意思を表示し、相手方がこれを受諾することによって効力が生じます。
- 選択肢 2不正解
- 書面によらない贈与は、履行が終わっていない部分については各当事者が解除することができます。
- 選択肢 3不正解
- 書面によらない贈与における財産の取得時期は、原則としてその履行があった時(実際に引き渡された時等)とされます。
- 選択肢 4正解
- 相続時精算課税を選択した受贈者は、その年以後、その特定贈与者からの贈与について暦年課税へ変更することができません。
覚えるポイント
- 贈与は受託があって初めて成立する契約である
- 相続時精算課税は一度選択すると同一贈与者については暦年課税に変更不可
間違えやすいところ
- 贈与を相手の同意が不要な単独行為と混同してしまう誤り
- 書面によらない贈与でも一度口頭合意すれば解除できないと誤解する点
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の非課税財産および課税対象外財産
相続・事業承継 · 贈与税の非課税財産 / 名義変更 / 生前贈与加算
贈与税の非課税財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
親族間であっても対価の授受なく不動産等の名義を変更した場合はみなし贈与として贈与税が課税されます。一方、生活費・教育費や社会通念上相当な香典等は非課税です。
解き方
- 不動産等の資産を無償で名義変更した際のみなし贈与該当性を確認する。
- 生活費・教育費や慶弔金等の贈与税非課税規定、および相続開始年に被相続人から受けた贈与の相続税加算規定を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 扶養義務者相互間で生活費または教育費に充てるために取得した財産のうち、通常必要と認められるものは非課税となります。
- 選択肢 2不正解
- 個人から受ける社交上必要な香典、祝物、見舞金等で、社会通念上相当と認められるものは贈与税が非課税とされます。
- 選択肢 3正解
- 対価の授受なく土地の名義を変更した場合は、原則として親から子へのみなし贈与として贈与税の課税対象となるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 相続開始年に被相続人から贈与を受けた財産は原則として相続税の課税価格に加算されるため、贈与税の課税対象からは除かれます。
覚えるポイント
- 対価なしでの名義変更はみなし贈与として贈与税の対象となる
- 生活費・教育費の都度贈与は社会通念上必要な範囲で非課税
間違えやすいところ
- 単なる名義変更であれば売買代金が動いていなくても贈与税はかからないと誤認する点
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税額の計算と特例
相続・事業承継 · 暦年課税 / 基礎控除額 / 贈与税の配偶者控除 / 相続時精算課税税率
贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税の配偶者控除では、居住用不動産またはその取得資金の贈与について最高2,000万円までが課税価格から控除されます(基礎控除110万円と合わせて最大2,110万円控除)。
解き方
- 贈与税の配偶者控除額の法定上限額(2,000万円)を確認する。
- 暦年課税の基礎控除額(受贈者1人あたり年間110万円)および超過累進税率、相続時精算課税の一律20%税率を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 暦年課税の基礎控除額は受贈者1人につき年間110万円であるため、父母双方から受けても控除額は最高110万円です。
- 選択肢 2不正解
- 暦年課税に係る贈与税の税率は、課税価格が高くなるにつれて税率が上がる超過累進税率が採用されています。
- 選択肢 3正解
- 贈与税の配偶者控除において課税価格から控除できる金額は最高2,000万円であるため、最高2,500万円とする本記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税制度では、特別控除額(2,500万円)を超えた部分に対して一律20%の税率が適用されます。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除の限度額は最高2,000万円
- 相続時精算課税の特別控除限度額が2,500万円で税率は一律20%
間違えやすいところ
- 配偶者控除の2,000万円と相続時精算課税の特別控除2,500万円を取り違えてしまうミス
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割協議および遺産分割協議書の実務
相続・事業承継 · 遺産分割協議書 / 預貯金の遺産分割 / 家庭裁判所の分割審判 / 一部分割
遺産分割協議書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
共同相続された預貯金は遺産分割の対象に含まれ、当然に分割承継されるわけではありません。そのため、全額払戻しには遺産分割協議書の提出等が必要となります。
解き方
- 共同相続における預貯金債権の性質(遺産分割の対象である最高裁判決の法理)を確認する。
- 遺産分割協議書の作成形式の自由性、家裁への審判・調停請求、一部遺産分割の有効性を照合する。
- 選択肢 1正解
- 共同相続された預貯金は当然には分割されず遺産分割の対象となるため、預金の払戻しには原則として遺産分割協議書等の提出が必要であり不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 遺産分割協議書の形式に法的な制限はなく、相続人全員の合意内容が明記され署名押印があれば私署証書でも有効です。
- 選択肢 3不正解
- 相続人間で遺産分割の協議が調わない場合や協議ができないときは、各共同相続人は家庭裁判所に調停や審判を申し立てることができます。
- 選択肢 4不正解
- 遺産の一部について先行して合意が成立した場合、その部分のみを対象とした一部遺産分割協議書を作成することが認められています。
覚えるポイント
- 預貯金は当然分割されず遺産分割協議の対象となる
- 遺産分割協議書は公正証書でなく私署証書でも作成可能
間違えやすいところ
- 金銭債権全般が当然に分割される旧判例のイメージのまま預貯金も当然分割されると誤認する点
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融資産等の相続税評価
相続・事業承継 · 外貨預金の評価 / ゴルフ会員権の評価 / 上場利付公社債の評価 / 生命保険契約に関する権利の評価
各種金融資産等の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
上場利付公社債の相続税評価額は、課税時期の終値(最終価格)に既経過利息(源泉徴収税額控除後)を加算して評価します。
解き方
- 上場利付公社債の評価方法において「発行価額」ではなく市場の「最終価格」を用いる規定を確認する。
- 外貨預金のTTB換算、プレー権のみのゴルフ会員権の評価対象外規定、保険契約権利の解約返戻金相当額評価を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 相続税の財産評価において、外貨預金は原則として課税時期における取引金融機関のTTB(対顧客直物電信買相場)で邦貨換算します。
- 選択肢 2不正解
- 譲渡性や預託金の返還請求権がなく、単にゴルフ場でプレーできるだけの会員権は財産的価値がないため評価しません。
- 選択肢 3正解
- 上場利付公社債の評価額は、課税時期の市場の「最終価格」に既経過利息の額(源泉税控除後)を加算して算出するため、発行価額とする本記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 相続開始時に保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利は、原則として解約返戻金の額によって評価します。
覚えるポイント
- 上場利付公社債は最終価格+既経過利息で評価する
- 外貨預金の換算は円転時のレートであるTTBを用いる
間違えやすいところ
- 上場公社債の評価基準を発行価額や額面金額と誤認してしまう点
- 外貨預金の評価でTTS(売相場)とTTB(買相場)を混同する点
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税における宅地の評価方法
相続・事業承継 · 画地の判定 / 路線価方式と倍率方式 / 不整形地の補正 / 正面路線の判定
相続税における宅地の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
財産評価基本通達において、宅地の評価は筆数に関わらず「1画地の宅地」を評価単位とし、路線価地域か倍率地域かは国税局長により指定され任意選択はできません。
解き方
- 宅地の評価単位が登記上の筆数ではなく利用単位である1画地である原則を確認する。
- 評価方式の決定権(地域指定制)、倍率方式における固定資産税評価額の性質、二方面接道時の正面路線(高い方)の判定規則を検証する。
- 選択肢 1正解
- 宅地の評価は1画地(利用の単位)ごとに行うため、登記上2筆であっても一体として利用されていれば全体を1画地として評価します。
- 選択肢 2不正解
- 路線価方式と倍率方式は地域ごとに定められており、納税者が任意に選択することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 倍率方式では、固定資産税評価額にすでに形状等の補正が反映されているため、原則として固定資産税評価額に倍率を乗じるのみで、別途補正率を乗じることはしません。
- 選択肢 4不正解
- 二方面に路線がある場合、それぞれの路線価に奥行価格補正率を乗じた価額を比較し、「高い方」の路線が正面路線となります。
覚えるポイント
- 宅地評価は登記上の筆数ではなく1画地ごとに行う
- 正面路線は奥行価格補正後の路線価が高い方とする
間違えやすいところ
- 倍率地域と路線価地域を納税者が自由に選べると思ってしまう誤り
- 二方面路線の角地評価で低い方を正面路線と勘違いする誤り
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税における宅地等の評価区分
相続・事業承継 · 宅地評価 / 借地権 / 貸家建付地 / 貸宅地 / 青空駐車場
宅地および宅地の上に存する権利に係る相続税における評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、評価対象の宅地は借地権の取引慣行のある地域に所在し、定期借地権および一時使用目的の借地権等は除くものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の財産評価において、土地の上に建物の所有を目的とする賃借権(借地借家法上の借地権)が設定されている場合は「貸宅地」として自用地評価額から借地権割合を控除して評価します。一方、建物の所有を目的としない青空駐車場のような土地の賃貸借は、土地利用の制約が極めて弱いため自用地として評価されます。
解き方
- 各選択肢の利用形態(自己使用、建物所有目的の賃貸、青空駐車場等)を確認する。
- 青空駐車場は借地借家法が適用される建物の所有目的ではないため、貸宅地ではなく自用地評価となることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 建物の所有を目的として地代・通常の権利金を支払って賃借している宅地上の権利は借地権として評価されるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 車庫等の施設がない青空駐車場として賃貸している宅地は、建物の所有を目的とする賃貸借ではないため貸宅地ではなく、自用地として評価されます。
- 選択肢 3不正解
- 自己所有の宅地の上に自己所有の賃貸アパート等を建築して他人に賃貸している場合、その宅地は貸家建付地として評価されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 借地権者がその借地上に自己名義の賃貸アパートを建築して他人に賃貸している場合、その借地権は貸家建付借地権として評価されるため適切です。
覚えるポイント
- 建物の所有を目的としない青空駐車場や資材置場などの敷地は自用地として評価する。
間違えやすいところ
- 他人に賃貸している土地であっても、青空駐車場は「貸宅地」にはならず「自用地」評価となる点に注意する。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
資産承継対策および納税資金対策
相続・事業承継 · 資産承継 / 住宅取得等資金贈与 / 配偶者控除 / 代償分割 / 物納・延納
不動産等に係る資産承継対策や納税資金対策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相続税は金銭による一括納付が原則ですが、困難な場合は延納、さらに金銭納付が困難な場合は物納が認められます。延納許可後であっても資力の変化により延納による納付が困難となった場合は、一定の要件の下で延納から物納への変更が認められています。
解き方
- 各制度の要件(贈与者の年齢要件、婚姻期間、代償金の税制上の扱い、変更物納の可否)を確認する。
- 延納から物納への変更(変更物納)が認められている点に基づき、選択肢4が適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」において、贈与者の年齢要件はありません(受贈者側には贈与年の1月1日時点で20歳以上等の要件があります)。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)の適用を受けるためには、婚姻期間が20年以上(15年以上ではない)でなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 代償分割により交付された代償財産(現金等)は、相続により取得したものとみなされ相続税の課税対象となるため、贈与税は課税されません。
- 選択肢 4正解
- 延納許可を受けた相続税額について、延納条件の履行が困難となった場合など所定の要件を満たせば、延納から物納への変更(変更物納)が認められます。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除の婚姻期間は20年以上、住宅取得等資金贈与の贈与者に年齢制限はない。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税制度(贈与者が60歳以上)と住宅取得等資金贈与の非課税(贈与者に年齢制限なし)の要件を混同しないようにする。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
純資産価額方式における不動産の取得・活用と株価
相続・事業承継 · 取引相場のない株式 / 純資産価額方式 / 課税時期前3年以内取得 / 貸家建付地
純資産価額方式による自社株式の評価上、不動産の取得や有効活用による株価の引下げ効果に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
非上場株式の純資産価額方式による評価では、相続税対策としての駆け込み取得を防止するため、評価会社が課税時期前3年以内に取得した土地・建物等の不動産については路線価評価ではなく「通常の取引価額(時価)」で評価することとされています。
解き方
- 取引相場のない株式の純資産価額方式における3年以内取得土地等の評価ルールを確認する。
- 3年以内に取得した土地・建物は「通常の取引価額」で評価され、取得直後の株価引き下げ効果がないことを示す選択肢1を正解と判断する。
- 選択肢 1正解
- 課税時期前3年以内に取得した土地・建物は、原則として通常の取引価額(時価)で評価するため、不動産を取得しても直ちに評価額引き下げ効果は生じません。
- 選択肢 2不正解
- 従業員に貸与する社宅は福利厚生施設であり、借家権の及ぶ賃貸借とは認められないため、敷地は「貸家建付地」ではなく「自用地」として評価されます。
- 選択肢 3不正解
- 第三者に賃貸するマンションを建築した場合、その敷地は貸家建付地として自用地評価額より低く評価されるため、純資産価額の引下げ効果があります。
- 選択肢 4不正解
- 立体駐車場を建築して自社で運営・提供する場合、その敷地は貸宅地(借地権の目的となっている宅地)には該当せず、自用地等として評価されます。
覚えるポイント
- 純資産価額方式では、取得後3年以内の土地等は路線価等ではなく「通常の取引価額」で評価される。
間違えやすいところ
- 従業員用社宅の敷地は「貸家建付地」ではなく「自用地」として評価される点に注意する。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達185)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法の相続編(配偶者居住権・特別寄与・遺留分・自筆証書遺言)
相続・事業承継 · 配偶者居住権 / 特別の寄与 / 遺留分侵害額請求権 / 自筆証書遺言
民法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
2018年(平成30年)成立の民法(相続法)改正により、配偶者居住権の新設、自筆証書遺言の財産目録のパソコン作成許容、遺留分減殺請求権から金銭請求権への変更(遺留分侵害額請求権)、相続人以外の親族による特別寄与料請求制度などが規定されました。
解き方
- 相続法改正に伴う各制度(配偶者居住権の存続期間、特別寄与料の請求、遺留分侵害額請求の請求相手、自筆証書遺言の目録の要件)を確認する。
- 特別寄与者が相続人に対して特別寄与料の支払いを請求できるとする記述が民法の規定に合致することを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者居住権の存続期間は、原則として配偶者の終身の間とされており、別段の定めにより一定の期間を定めることも可能です。「終身に設定することはできない」とする記述は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 被相続人の親族(相続人等を除く)で無償の療養看護等により特別の寄与をした者は、特別寄与者として相続人に対し特別寄与料の支払いを請求できます。
- 選択肢 3不正解
- 遺留分侵害額請求権の請求相手は、受遺者だけでなく受贈者(生前贈与を受けた者)も対象となります。「受遺者に限られる」とする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 自筆証書遺言に添付する財産目録については自書する必要はなく、パソコン等で作成した目録や通帳のコピー等を添付することができます(各ページに署名・押印は必要です)。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言の「財産目録」は自書不要(毎頁に署名押印は必要)。配偶者居住権は終身設定可能。
間違えやすいところ
- 遺留分侵害額請求権の相手方は受遺者だけでなく受贈者も含まれる点を見落とさないようにする。
出題の前提:2020年10月1日現在施行の法令等(民法)
出典:金融財政事情研究会『2021年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2021年1月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2021年1月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

