日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年9月 2級 学科の概要
FPの行為と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · ファイナンシャル・プランナーの職業倫理と関連法規
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客対応や業務上の行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
FP業務を行うにあたっては、税理士法、社会保険労務士法、弁護士法、著作権法等の各関連法規に抵触しないよう厳格に順守する必要があります。特に税理士業務である具体的な税務相談や税額計算は資格者以外行うことができません。
解き方
- 各選択肢の行為がどの法律の制限を受けるかを確認する。
- 税理士法第2条および第52条において、具体的税額計算が無資格者により禁止されていることを適用して不適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 国や地方公共団体等が作成・公表する広報資料等は、転載禁止の表示がない限り出典を明示して利用することが著作権法上認められています。
- 選択肢 2不正解
- 社会保険労務士法において、公的年金等の一般的な受給要件や請求方法について制度解説を行うことは、資格を有していなくても可能です。
- 選択肢 3正解
- 具体的な数値に基づき個別の相続税額を計算する行為は税務相談に該当し、税理士資格を持たない者が行うと有償・無償を問わず税理士法違反となります。
- 選択肢 4不正解
- 民法に定められた証人の欠格事由(未成年者、推定相続人・受遺者やその配偶者・直系血族等)に該当しなければ、FPが公正証書遺言の証人として立ち会うことができます。
覚えるポイント
- 税理士法違反は無償相談や試算であっても成立するため個別具体的な税額算出は行えない点に注意する。
間違えやすいところ
- 顧客からの報酬を受け取らない無料相談であれば具体的な税額計算を行ってもよいと誤認しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種係数の活用
ライフプランニングと資金計画 · 各種係数 / ライフプラン策定上の資金計算
ライフプラン作成時に活用される<資料>の各種係数(年率2%・期間5年:終価係数1.1041、現価係数0.9057、年金終価係数5.2040、減債基金係数0.1922、年金現価係数4.7135、資本回収係数0.2122)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
ライフプランの資金計画では、6つの係数(終価係数・現価係数・年金終価係数・減債基金係数・資本回収係数・年金現価係数)を用途に応じて正しく使い分ける必要があります。
解き方
- 求めたい金額が「単利/複利の一括元本・将来価値」なのか「年金の積立・取崩し」なのかを整理する。
- 将来毎年受け取る年金額から現在の元本を逆算する際は「年金現価係数」を選択することを適用して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 現在の額から将来の元利合計額を複利計算で求める場合には「終価係数」を乗じるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 将来の目標額を得るために毎期積み立てるべき金額を求める場合には「減債基金係数」を乗じるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 将来一定期間毎年一定額を取り崩して受け取るために必要な当初元本を求めるには「年金現価係数」を用いるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 将来の目標額を得るために現在必要な手元資金(元本)を求める場合には「現価係数」を乗じるため適切です。
覚えるポイント
- 年金現価係数は「毎年の受取額から必要元本を求める」、年金終価係数は「毎年の積立額から将来の元利合計を求める」係数である。
間違えやすいところ
- 年金現価係数と年金終価係数、減債基金係数と資本回収係数の組み合わせを取り違えやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の失業等給付
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 高年齢雇用継続給付
雇用保険の失業等給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
雇用保険の基本手当は離職理由や被保険者期間に応じて所定給付日数が決まります。自己都合退職等の一般受給資格者の算定基礎期間20年以上の給付日数は150日です。また、高年齢雇用継続給付の支給要件は60歳時点の賃金月額と比較して75%未満に低下していることです。
解き方
- 一般受給資格者の所定給付日数の上限(20年以上で150日)を確認する。
- 高年齢雇用継続給付の低下率基準(75%未満)を確認する。
- 失業等給付の保険料負担区分(事業主と被保険者で折半)を確認する。
- 基本手当の受給要件(原則離職前2年間に通算12か月以上)を確認して正解肢を導く。
- 選択肢 1不正解
- 一般の受給資格者で被保険者期間が20年以上の所定給付日数は150日です。180日ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 高年齢雇用継続基本給付金を受給するための要件は、60歳到達時の賃金月額の「75%未満」に低下していることです。
- 選択肢 3不正解
- 失業等給付に係る雇用保険料は、事業主と被保険者(労働者)の双方が折半して負担します。事業主が全額を負担するわけではありません。
- 選択肢 4正解
- 一般の離職理由による基本手当受給資格要件は、原則として離職日前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることであり適切です。
覚えるポイント
- 一般離職者の基本手当所定給付日数は最大150日(20年以上)、高年齢雇用継続給付は賃金75%未満低下が支給要件である。
間違えやすいところ
- 労災保険料(事業主全額負担)と雇用保険料(失業等給付分は労使折半)の負担区分を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の財政検証
タックス・年金等(ライフプランニングと資金計画) · 財政検証 / マクロ経済スライド / 所得代替率
国民年金および厚生年金に係る「財政の現況及び見通し」(財政検証)に関する次の文章の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「政府は、少なくとも( ア )ごとに、保険料、国庫負担の額、保険給付に要する費用の額などの現況および見通しを作成しなければならない。『財政の現況及び見通し』は、作成する年以降おおむね100年を財政均衡期間と定め、収入と支出のバランスをとる期間としているが、そのバランスをとるために年金の給付水準を調整する仕組みが( イ )である。一定の条件を満たす夫婦2人を想定した世帯が受給し始める年金額(いわゆるモデル年金)の現役男子の平均手取り収入額に対する割合である所得代替率が( ウ )を上回ることとなるような給付水準を将来にわたり確保することが求められている。」
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解答
2
解説
公的年金制度では、少なくとも5年ごとに財政の現況及び見通し(財政検証)を作成します。長期的な財政均衡を図るため「マクロ経済スライド」によって給付水準を自動調整し、モデル年金における所得代替率50%(100分の50)を上回る給付水準を確保することが法律上定められています。
解き方
- 年金数理上の財政検証の作成サイクルが「少なくとも5年ごと」であることを確認する。
- 少子高齢化に対応して年金給付水準を自動調整する仕組みが「マクロ経済スライド」であることを確認する。
- 法律で目標として定められている所得代替率が「50%(100分の50)」であることを確認し、組み合わせを選択する。
- 選択肢 1不正解
- (ア)は3年ではなく5年、(イ)は物価スライドではなくマクロ経済スライドであるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- (ア)は「5年」、(イ)は「マクロ経済スライド」、(ウ)は「100分の50」であり、全て正しい組み合わせです。
- 選択肢 3不正解
- (ア)は5年ごとであり、(ウ)の所得代替率は100分の50であるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- (イ)はマクロ経済スライドであり、(ウ)の所得代替率は100分の50であるため不適切です。
覚えるポイント
- 財政検証は「5年」ごと、調整機構は「マクロ経済スライド」、確保すべき所得代替率は「50%」をセットで覚える。
間違えやすいところ
- 物価変動のみを反映する「物価スライド」と、少子高齢化を織り込む「マクロ経済スライド」を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の保険料免除・納付猶予制度
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金保険料 / 法定免除 / 学生納付特例 / 納付猶予
国民年金の保険料に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
国民年金第1号被保険者の保険料には、法定免除、産前産後期間の免除、申請免除、学生納付特例、納付猶予制度があります。学生納付特例制度は本人の所得が一定以下であること(家族の所得は問わない)が要件とされています。
解き方
- 各保険料免除・猶予制度の要件(対象期間、所得基準、対象親族の範囲)を整理する。
- 学生納付特例制度において本人の所得制限が設けられている点を確認し、所得の多寡にかかわらないとする記述を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 障害基礎年金または1級・2級の障害厚生年金を受給している第1号被保険者は、届出により保険料が法定免除されます。
- 選択肢 2不正解
- 第1号被保険者の産前産後免除期間は、単胎の場合は出産予定月(または出産月)の前月から4か月間、多胎の場合は3か月前から6か月間です。
- 選択肢 3正解
- 学生納付特例制度は、学生「本人」の前年所得が一定以下(118万円+扶養親族等の数×38万円等)であることが要件であり、所得にかかわらず適用されるわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 学生を除く50歳未満の納付猶予制度は、本人および配偶者の前年所得がそれぞれ一定以下であれば申請により適用を受けられます(世帯主の所得は問われません)。
覚えるポイント
- 学生納付特例は「学生本人の所得」のみで判定され、一般の納付猶予は「本人と配偶者の所得」のみで判定される(世帯主の所得は問われない)。
間違えやすいところ
- 学生納付特例は親(世帯主)の所得が問われないことから、本人にも所得要件がないと誤解しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
厚生年金保険の給付と被保険者資格
ライフプランニングと資金計画 · 厚生年金保険 / 被保険者資格 / 加給年金 / 遺族厚生年金
厚生年金保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
厚生年金保険の被保険者は70歳未満であり、70歳到達で原則資格を喪失します。加給年金は厚生年金被保険者期間が20年以上(中高齢の特例を満たす場合を含む)ある者が受給権取得時に生計維持する65歳未満の配偶者や子がある場合に加算されます。
解き方
- 被保険者資格喪失年齢(70歳)を確認する。
- 離婚時年金分割の請求期限(離婚成立の翌日から2年)を確認する。
- 遺族厚生年金の基本計算式(報酬比例部分の4分の3)を確認する。
- 加給年金の要件である厚生年金被保険者期間が「原則20年以上」であることを確認して不適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 厚生年金保険の被保険者資格は70歳到達時に喪失するため、適用事業所で勤務していても原則として被保険者になりません。
- 選択肢 2不正解
- 離婚時年金分割の請求期限は、原則として離婚成立の日の翌日から起算して2年以内です。
- 選択肢 3不正解
- 遺族厚生年金の額は、原則として被保険者記録に基づいて計算された老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額となります。
- 選択肢 4正解
- 加給年金額の加算要件となる厚生年金保険の被保険者期間は、原則として「20年以上」(または所定の中高齢特例を満たすこと)であり、25年以上ではありません。
覚えるポイント
- 加給年金の支給要件となる厚生年金被保険者期間は「原則20年」、老齢年金の受給資格期間は「10年」である。
間違えやすいところ
- かつての老齢年金受給資格期間であった25年と、加給年金の要件である20年を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の老齢給付
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 特別支給の老齢厚生年金 / 年金の繰下げ
公的年金の老齢給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
65歳以降に受給する老齢給付について、老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ請求は別個に行うことができます。また、男性は昭和36年4月2日以降生まれから特別支給の老齢厚生年金は完全に支給されなくなります。
解き方
- 男性の生年月日と特別支給の老齢厚生年金の終了区分(昭和36年4月2日以降生まれは全額なし)を確認する。
- 公的年金の受給資格期間が10年以上であることを確認する。
- 老齢年金の繰下げ申出が基礎年金と厚生年金で別個に可能であることを確認する。
- 老齢基礎年金の繰下げに伴い付加年金も増額されるルールを確認して正解肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 昭和36年4月2日以降に生まれた男性には特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分を含む)は一切支給されません。
- 選択肢 2不正解
- 合算対象期間を含め受給資格期間が10年以上あれば、厚生年金被保険者期間を1か月以上有する者は65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できます。
- 選択肢 3正解
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げは、一方のみを繰下げて他方を65歳から受給するなど、別々に申し出ることができます。
- 選択肢 4不正解
- 付加年金は老齢基礎年金と一体として取り扱われるため、老齢基礎年金を繰り下げた場合は付加年金も同率で増額されます。
覚えるポイント
- 年金の繰上げ・繰下げのうち、繰下げは「基礎年金と厚生年金を別々に選択可能」、繰上げは「同時に申出が必須」である。
間違えやすいところ
- 繰上げ受給(同時請求が必要)と繰下げ受給(別個に請求可能)のルールを取り違えやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金制度
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 企業型年金 / マッチング拠出 / 給付の税務
確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
確定拠出年金の企業型年金において従業員が掛金を上乗せ拠出するマッチング拠出では、加入者掛金額は「事業主掛金額以下」かつ「事業主掛金と合算して拠出限度額以下」でなければなりません。
解き方
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)の第2号被保険者(企業年金なし)の拠出限度額(月額23,000円、年額276,000円)を確認する。
- マッチング拠出における加入者掛金の制約(事業主掛金の額を超えてはならない)を確認する。
- 退職時の資産の移換(iDeCoへのポータビリティ)と給付の受取時の課税関係(公的年金等控除の適用)を確認し、誤りの選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 企業年金等の他の制度がない企業に勤務する第2号被保険者のiDeCo拠出限度額は月額23,000円(年額276,000円)です。
- 選択肢 2正解
- 企業型年金のマッチング拠出において、加入者掛金の額は事業主掛金の額を超えることはできず、事業主掛金と同額以下とする必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 退職して第3号被保険者となった場合、企業型年金の資産を国民年金基金連合会(iDeCo)へ移換して加入者または運用指図者となることができます。
- 選択肢 4不正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を年金形式で受給する場合、雑所得(公的年金等)として扱われ、公的年金等控除を適用できます。
覚えるポイント
- マッチング拠出の加入者掛金は「事業主掛金の額以下」かつ「合計が法定限度額以下」である。
間違えやすいところ
- 事業主掛金を超えて拠出できると誤認しやすいが、従業員が事業主より多く拠出することは認められていない。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
奨学金および教育ローン
ライフプランニングと資金計画 · 日本学生支援機構奨学金 / 国の教育ローン
奨学金および教育ローンに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
公的な教育資金調達制度には、学生本人を対象とする日本学生支援機構の奨学金(給付型・貸与型)と、保護者を対象とする日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)があり、制度の目的や貸付対象が異なるため併用が認められています。
解き方
- 各選択肢の奨学金制度および教育ローンの保証要件、併用可否、融資限度額の規定を確認する。
- 日本学生支援機構の奨学金と国の教育ローンは重複利用が可能であることから、最も適切な肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 日本学生支援機構の給付型奨学金には海外留学を対象とする制度(海外留学支援制度など)が設けられており、利用することができます。
- 選択肢 2不正解
- 日本学生支援機構の貸与型奨学金では、連帯保証人と保証人を立てる人的保証か、保証機関に保証料を支払う機関保証の「いずれか一方」を選択します。
- 選択肢 3正解
- 日本学生支援機構の奨学金と日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)は、両方を重複して利用(併用)することが可能です。
- 選択肢 4不正解
- 日本政策金融公庫の教育一般貸付の融資限度額は原則350万円であり、外国の教育施設に3か月以上在籍する場合は450万円となります(500万円ではありません)。
覚えるポイント
- 日本学生支援機構の奨学金は人的保証か機関保証の選択制であり、国の教育ローンとの併用が可能です。
間違えやすいところ
- 国の教育ローンの海外留学資金限度額は450万円ですが、500万円と誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表の構成要素
ライフプランニングと資金計画 · 財務諸表 / 貸借対照表 / 減価償却
貸借対照表に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
貸借対照表は一定時点における企業の財政状態を示す書類であり、資産・負債・純資産から構成されます。資産・負債は原則として1年基準(ワン・イヤー・ルール)等により流動と固定に分類され、有形固定資産のうち土地などの非減価償却資産は減価償却を行いません。
解き方
- 貸借対照表の各項目(流動資産、有形固定資産、流動負債、株主資本)の分類基準と会計処理を確認する。
- 有形固定資産に含まれる資産のうち、土地が非減価償却資産である点に着目して不適切な肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 1年基準(ワン・イヤー・ルール)に基づき、決算日の翌日から起算して1年以内に返済期限が到来する債務は流動負債に区分されます。
- 選択肢 2正解
- 有形固定資産には土地、建物、機械設備等が含まれますが、土地は使用や時間の経過によって価値が減少しないため減価償却は行われません。
- 選択肢 3不正解
- 資産の部の流動資産には、正常営業循環基準や1年基準に基づき、1年以内に資金化・費用化される売掛金、受取手形、棚卸資産(商品)などが含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 純資産の部の株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金および自己株式(控除項目)などによって構成されます。
覚えるポイント
- 土地や骨董品・絵画などの非減価償却資産は、有形固定資産であっても減価償却を行いません。
間違えやすいところ
- 有形固定資産のすべてが減価償却資産であると誤解しやすいため、土地が減価償却の対象外であることを押さえておきます。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
少額短期保険の商品性と法制度
リスク管理 · 少額短期保険 / 保険法 / 契約者保護機構
少額短期保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
少額短期保険は保険業法上の登録を受けた少額短期保険業者が引き受ける保険であり、保険期間は損害保険分野で2年以下、生命保険・医療保険分野で1年以下、保険金額総額は原則1人あたり1,000万円が上限です。保険契約者保護機構の救済対象外であり、保険料控除の適用対象外ですが、保険契約一般のルールを定めた保険法は適用されます。
解き方
- 少額短期保険に関する保険法、保険金額上限、契約者保護機構、保険料控除の適用関係をそれぞれ検証する。
- 少額短期保険契約が保険法の適用対象であるとする記述が正しいと判断する。
- 選択肢 1正解
- 保険法は保険契約全般に係る基本ルールを定めた私法であり、少額短期保険業者との間で締結された保険契約にも適用されます。
- 選択肢 2不正解
- 少額短期保険業者が1人の被保険者から引き受けることができる保険金額の総額は、原則として1,000万円(政令で定める特例を除く)が上限です。
- 選択肢 3不正解
- 少額短期保険業者は、生命保険契約者保護機構および損害保険契約者保護機構の対象外であり、破綻時の補償機構による救済はありません(供託金による還付制度等が存在します)。
- 選択肢 4不正解
- 少額短期保険業者に支払った保険料は、所得税法上の生命保険料控除や地震保険料控除の対象外とされています。
覚えるポイント
- 少額短期保険は「保険金額上限1,000万円」「契約者保護機構の対象外」「所得控除(生命保険料控除等)の対象外」「保険法は適用」の4点を整理します。
間違えやすいところ
- 一般の生損保と同様に契約者保護機構や生命保険料控除の対象になると誤認しやすい点に注意します。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の商品性
リスク管理 · 個人年金保険 / 確定年金 / 据置期間 / 保険料率
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
個人年金保険は老後の生活資金を準備する保険です。保険料払込満了から年金受取開始日までの据置期間が長ければ運用期間が延びて年金原資が増加します。また、終身年金では平均余命が長い女性の方が受取期間が長期にわたる可能性が高いため、保険料は女性の方が高く設定されます。
解き方
- 年金開始前の死亡給付金額、据置期間による年金額の変動、受取期間中の給付、男女別保険料の各条件を吟味する。
- 据置期間が長いほど積立金が増加し受取年金額が多くなるという正しい選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 年金受取開始日前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給付金は、原則として既払込保険料相当額(または責任準備金相当額)であり、年金受取総額ではありません。
- 選択肢 2正解
- 定額個人年金保険では、据置期間が長いほどその期間中に積立金が運用されて年金原資が増加するため、受け取る年金額は多くなります。
- 選択肢 3不正解
- 確定年金の受取期間中に被保険者が死亡した場合、遺族や受取人は残りの年金受取期間に対応する年金または一時金を受け取ります(既払込保険料相当額ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 終身年金では、女性の方が平均余命が長く年金の受取期間が長くなると見込まれるため、他の条件が同一であれば保険料は女性の方が高くなります。
覚えるポイント
- 個人年金保険の据置期間が長いほど年金額は増加し、終身年金の保険料は平均余命の長い女性の方が高くなります。
間違えやすいところ
- 死亡保険(定期・終身)は男性の保険料が高くなりますが、終身年金では女性の方が高くなるという違いを混同しないようにします。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険の商品性
リスク管理 · 総合福祉団体定期保険 / ヒューマン・ヴァリュー特約 / 保険期間
総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
総合福祉団体定期保険は、企業の慶弔見舞金規程や遺族補償規程の円滑な履行を目的とし、企業が保険料を全額負担して役員・従業員全員を原則加入させる1年更新の定期保険です。死亡・所定の高度障害のみを保障するため退職金の積立には向かず、法人の損失補填にはヒューマン・ヴァリュー特約(受取人は企業)を活用します。
解き方
- 総合福祉団体定期保険の被保険者・保険料負担者、満期保険金の有無、保険期間のルール、特約内容を確認する。
- 保険期間が1年更新であることと、被保険者ごとの個別設定ができない点から不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 総合福祉団体定期保険は、企業の遺族補償等の福利厚生を目的として、企業が保険料を負担し役員・従業員を被保険者として加入する団体定期保険です。
- 選択肢 2不正解
- 主契約は死亡または所定の高度障害に対して保険金が支払われる掛け捨ての定期保険であり、満期保険金がないため定年退職金の準備には適しません。
- 選択肢 3正解
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は原則として「1年(毎年更新)」であり、被保険者ごとに1〜10年の範囲で個別に設定することはできません。
- 選択肢 4不正解
- ヒューマン・ヴァリュー特約は役員・従業員の死亡や高度障害に伴う代替人員の採用育成費等の企業の経済的損失を補填するものであり、受取人は企業(団体)となります。
覚えるポイント
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は「1年更新」であり、被保険者ごとに設定期間を変えることはできません。
間違えやすいところ
- ヒューマン・ヴァリュー特約の保険金受取人は企業(団体)ですが、主契約の死亡保険金受取人は被保険者の遺族である点と混同しないようにします。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険金等の課税関係
リスク管理 · 死亡保険金 / 一時所得 / 非課税給付金 / 年金受給権
生命保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金・給付金等の受取人は個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
生命保険の保険金・給付金に係る税金は、契約者(保険料負担者)、被保険者、受取人の関係により課税区分が異なります。契約者と受取人が同一の場合は所得税、被相続人が契約者かつ被保険者で受取人が相続人の場合は相続税、被相続人以外の者が契約者で被相続人が被保険者・第三者が受取人の場合は贈与税が課税されます。
解き方
- 保険金・給付金ごとの契約関係(契約者・被保険者・受取人)を整理する。
- 契約者=受取人で被保険者が別人の死亡保険金は所得税(一時所得)であり、相続税ではないことを判断する。
- 選択肢 1正解
- 契約者(保険料負担者)と保険金受取人が同一人である場合、受け取った死亡保険金は一時所得として所得税・住民税の課税対象となり、相続税の対象ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 身体の傷害や疾病に起因して受給する入院給付金や手術給付金等は、非課税所得と規定されています。
- 選択肢 3不正解
- 一時払終身保険は金融類似商品(源泉分離課税の対象)には該当しないため、契約から5年以内に解約して得た解約返戻金は一時所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 被保険者死亡後に遺族が引き継いで受給する継続年金の受給権は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 「契約者=受取人」は所得税、「契約者=被保険者」は相続税、「契約者・被保険者・受取人がすべて別」は贈与税です。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険を5年以内に解約した場合は金融類似商品として源泉分離課税となりますが、一時払終身保険は一時所得(総合課税)となる違いに注意が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が加入する生命保険料の経理処理
リスク管理 · 法人保険 / 最高解約返戻率 / 定期保険の経理処理 / ハーフタックスプラン
法人を契約者(=保険料負担者)とする生命保険に係る保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも保険料は年払いで、いずれの保険契約も2020年4月に締結したものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人契約の定期保険等の保険料税務処理(2019年7月8日以後の契約)では、最高解約返戻率に応じて資産計上割合が定められています。最高解約返戻率が70%超85%以下の場合は、保険期間の前半4割相当期間において支払保険料の60%を資産計上、40%を損金算入します。
解き方
- 2019年7月改訂の新ルールにおける最高解約返戻率別の資産計上・損金算入割合を確認する。
- 最高解約返戻率80%は「70%超85%以下」に該当し、前半4割期間の資産計上率は60%(損金40%)であるため、記述が逆になっていることを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 役員・従業員全員を対象とし、死亡受取人を遺族、満期受取人を法人とする養老保険(ハーフタックスプラン)の保険料は、1/2を資産計上、1/2を福利厚生費等として損金算入できます。
- 選択肢 2不正解
- 受取人を法人とする終身保険の支払保険料は、将来確実に保険金または解約返戻金が法人に帰属するため、全額を資産(保険料積立金)に計上します。
- 選択肢 3正解
- 最高解約返戻率が70%超85%以下の定期保険では、保険期間の前半4割期間において「60%」を資産計上し、「40%」を損金算入するため、記述の割合は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 解約返戻金のない(または極めて少額な)医療保険の支払保険料は、法人が給付金受取人である場合、全額を損金の額に算入することができます。
覚えるポイント
- 最高解約返戻率が70%超85%以下の定期保険は、前半4割の期間において「60%資産計上・40%損金算入」です。
間違えやすいところ
- 資産計上割合と損金算入割合の数字(60%と40%)が入れ替わって出題されるため、どちらが資産計上であるかを正確に把握します。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の商品性
リスク管理 · 傷害保険 / 普通傷害保険 / 家族傷害保険 / 海外旅行傷害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来の事故」による身体のケガを補償する保険です。生命保険とは異なり、事故発生の危険度は性別や年齢よりも被保険者の職業・職務内容に大きく左右されるため、職種級別(職種区分)によって保険料が決定されます。
解き方
- 傷害保険の保険料決定要素(年齢・性別・職種等)を確認する。
- 普通傷害保険・家族傷害保険・海外旅行傷害保険の各補償範囲(食中毒、家族の範囲、地震の扱い)を精査する。
- 性別によって保険料が異なるとしている肢1を不適切と判定する。
- 選択肢 1正解
- 傷害保険の保険料は、被保険者の危険度(職種や業務内容に基づく職種級別)により決定され、性別や年齢による違いはありません。
- 選択肢 2不正解
- 細菌性食中毒やウイルス性食中毒は外来性や急激性の要件を満たさないため、特約を付帯しない限り普通傷害保険の補償対象外となります。
- 選択肢 3不正解
- 家族傷害保険における被保険者の範囲には、本人、配偶者、同居の親族のほか「生計を共にする別居の未婚の子」が含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 海外旅行傷害保険では、基本補償において旅行中に発生した地震・噴火またはこれらによる津波に起因する傷害も補償の対象となります。
覚えるポイント
- 傷害保険の保険料は「職種級別(職業)」で決まり、性別や年齢による差はありません。
間違えやすいところ
- 国内の普通傷害保険では地震によるケガは補償対象外(特約が必要)ですが、海外旅行傷害保険では基本契約で地震によるケガも補償される点に留意します。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
任意加入の自動車保険の一般的な商品性
リスク管理 · 自動車保険 / 対物賠償責任保険 / 人身傷害補償保険
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
対人・対物賠償責任保険は他人に対する法律上の損害賠償責任を補償する保険であり、被保険者本人やその父母・配偶者・子などの親族に対する損害は補償の対象外となります。
解き方
- 各選択肢が規定している補償内容と免責事由を比較・照合する。
- 対物賠償責任保険において父母所有の財物に対する損害が免責に該当することを確認し、誤りを選択する。
- 選択肢 1不正解
- 対人賠償保険は自賠責保険の上乗せ補償として機能するため、自賠責保険等の支払限度額を超過した部分が保険金の支払対象となります。
- 選択肢 2正解
- 対物賠償保険では、被保険者の父母、配偶者、子に対する損害については免責とされており、父の所有する車庫の損害は補償の対象になりません。
- 選択肢 3不正解
- 車両保険では、衝突や接触のほか、台風・洪水・高潮などの自然災害による水没損害も補償の対象となります(地震・噴火・津波による損害は原則免責)。
- 選択肢 4不正解
- 人身傷害補償保険は、過失割合にかかわらず、契約に定めた保険金額を限度として実際の損害額の全額が支払われる保険です。
覚えるポイント
- 対物賠償保険は親族(父母・配偶者・子)の財物への損害は免責となる。
間違えやすいところ
- 人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険(定額払い)の給付基準の違いを混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の損害保険の課税関係
リスク管理 · 損害保険の税務 / 地震保険料控除 / 死亡保険金
個人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
損害保険において、物損や身体の傷害等により実損填補として支払われる保険金は非課税です。一方、契約者本人が死亡して遺族が受け取る死亡保険金は相続税の課税対象となります。
解き方
- 保険料控除の対象区分、給付金・保険金の所得税上の非課税規定を確認する。
- 死亡保険金受取時の契約形態(契約者・被保険者・受取人)から課税区分を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険料控除の対象となるのは地震保険料の部分のみであり、火災保険料部分は控除の対象外です。
- 選択肢 2不正解
- 資産の損害に基因して受け取る損害保険金は、実損害を填補するものであるため非課税所得となります。
- 選択肢 3不正解
- 車両保険から受け取る保険金は、実際に修理をするかどうかにかかわらず非課税として扱われます。
- 選択肢 4正解
- 契約者(保険料負担者)と被保険者が同一である普通傷害保険で被保険者が死亡した場合、遺族が受け取る死亡保険金はみなし相続財産として相続税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 損害保険の実損填補の給付は非課税、契約者死亡による死亡保険金は生命保険と同様に相続税の対象。
間違えやすいところ
- 自動車保険の車両保険金を使わずに手元に残した場合に一時所得になると誤認しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険の一般的な商品性
リスク管理 · 医療保険 / ガン保険 / 特定疾病保障保険
第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
ガン保険はガン治療の長期化等に備える目的があるため、入院給付金の支払日数に上限が設けられていない(無制限保障)点が一般的な医療保険と異なります。
解き方
- ガン保険と一般的な医療保険の給付制限の違いを整理する。
- ガン入院給付金の支払限度日数が無制限であることを想起し、上限があるとする記述を不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- ガン保険の入院給付金は、一般的に支払日数に上限がなく無制限に保障されます。
- 選択肢 2不正解
- 特定疾病保障定期保険は、三大疾病で所定の状態になった場合に特定疾病保険金が支払われ、事由が発生せずに死亡した場合でも同額の死亡保険金が支払われます。
- 選択肢 3不正解
- 限定告知型(引受基準緩和型)の医療保険は、告知項目が少なく既往症があっても加入しやすい反面、保険料は通常より割高に設定されています。
- 選択肢 4不正解
- 更新型の医療保険は、所定の年齢範囲内であれば、過去の給付実績や健康状態にかかわらず自動更新が可能です。
覚えるポイント
- ガン保険の入院給付金は日数無制限(支払日数の上限なし)。
間違えやすいところ
- 特定疾病保障保険は三大疾病にならなければ掛け捨てになると誤解しやすいが、死亡時には死亡保険金が支払われる。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険等を活用した法人の福利厚生プラン
リスク管理 · 法人保険 / 養老保険 / 団体信用生命保険 / 財形貯蓄
生命保険等を活用した法人の福利厚生に係るアドバイスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
企業の福利厚生制度で活用される保険商品には、退職金準備の養老保険、自助努力保障の拠出型企業保険等、就業不能時の所得補償保険などがあり、目的に適した商品設計が必要です。
解き方
- 企業の福利厚生目的と各保険商品の機能・契約形態を照らし合わせる。
- 団体信用生命保険は金融機関等の債務弁済用であり、企業の自助努力死亡保障制度ではないことを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 被保険者を全役員・従業員、満期受取人を法人、死亡受取人を遺族とするハーフタックスプランの養老保険は、死亡退職金や定年退職金の準備に適しています。
- 選択肢 2正解
- 団体信用生命保険は住宅ローン等の返済を目的とする保険です。従業員の自助努力による死亡保障支援には、拠出型企業保険(団体定期保険)などが適しています。
- 選択肢 3不正解
- 勤労者財産形成貯蓄積立保険(一般財形)は、給与天引きにより従業員が自発的に資金形成を行うための福利厚生制度として適切です。
- 選択肢 4不正解
- 団体就業不能保障保険は、従業員が病気やケガで就業不能となった際に企業の就業規則等の休業補償給付原資として活用できます。
覚えるポイント
- 団体信用生命保険(団信)は住宅ローン等の債務弁済用であり、福利厚生の死亡保障用ではない。
間違えやすいところ
- 「団体定期保険(任意加入)」と「団体信用生命保険」の名称の類似による混同に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
景気動向指数の採用指標の系列分類
金融資産運用 · 景気動向指数 / 消費者物価指数 / 先行系列 / 一致系列 / 遅行系列
内閣府が公表する景気動向指数に採用されている経済指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
景気動向指数は、景気に対して先行して動く先行系列、ほぼ一致して動く一致系列、遅れて動く遅行系列の3つに分類され、各指標がどの系列に属するかを把握することが重要です。
解き方
- 各選択肢に登場する経済指標(消費者物価指数、消費者態度指数、TOPIX、有効求人倍率)の系列分類を確認する。
- 消費者物価指数(生鮮食品除く総合)が遅行系列であることを確認し、適切な選択肢を決定する。
- 選択肢 1正解
- 消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、景気の変動に遅れて現れるため、景気動向指数の遅行系列に採用されています。
- 選択肢 2不正解
- 消費者態度指数(二人以上の世帯・実質)は、消費者の将来の見通しを反映するため、先行系列に採用されています。
- 選択肢 3不正解
- 東証株価指数(TOPIX)は、将来の企業業績を先取りして動くため、先行系列に採用されています。
- 選択肢 4不正解
- 有効求人倍率(除学卒)は、現在の雇用動向を反映するため、一致系列に採用されています。
覚えるポイント
- 先行系列:TOPIX・消費者態度指数・新規求人数、一致系列:有効求人倍率(除学卒)・鉱工業生産指数、遅行系列:消費者物価指数・完全失業率。
間違えやすいところ
- 新規求人数(先行)と有効求人倍率(一致)の系列の違いを混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
預金の一般的な商品性
金融資産運用 · 貯蓄預金 / 当座預金 / 外貨預金 / 期日指定定期預金
銀行等の金融機関で取り扱う預金の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
各種預金には決済機能や満期設定のルールがあり、外貨預金では金利だけでなく満期時の為替変動(円安=為替差益、円高=為替差損)が総合的な実質利回りに影響します。
解き方
- 貯蓄預金・当座預金の口座振替・受取の制限事項を確認する。
- 外貨定期預金の為替変動が円換算利回りに与える影響を検討する。
- 期日指定定期預金の満期日指定タイミング(据置期間後)のルールを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 貯蓄預金は、自動支払い(公共料金やクレジットカードの自動振替)や自動受取(給与振込・年金受取)口座として指定することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 当座預金は、小切手や手形の決済用口座ですが、株式配当金の自動受取口座として指定することも可能です。
- 選択肢 3正解
- 満期時に預入時と比べて円安になれば為替差益が発生するため、円換算での利回りは高くなります。
- 選択肢 4不正解
- 期日指定定期預金は、預入時ではなく、1年の据置期間経過後から最長預入期日(3年)までの任意の日を満期日として預金者が指定します。
覚えるポイント
- 貯蓄預金は決済口座にできない。期日指定定期は1年経過後に満期日を指定する。
間違えやすいところ
- 期日指定定期預金を満期日を預入時にあらかじめ決めるものと誤認しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場投資信託(ETF)の特徴
金融資産運用 · ETF / 信用取引 / インバース型 / 信託報酬
上場投資信託(ETF)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
ETF(上場投資信託)は株式市場で取引されるため、上場株式と同様の売買方法(成行・指値注文、信用取引など)が可能ですが、投資信託であるため保有期間中は信託報酬が差し引かれます。
解き方
- ETFの費用構造(売買委託手数料と信託報酬の有無)を確認する。
- インバース型(負の倍数)とレバレッジ型(正の倍数)の違いを整理する。
- 取引方法(信用取引の可否)および分配金の税務上の区分を確認する。
- 選択肢 1不正解
- ETFは保有期間中に信託財産から運用管理費用(信託報酬)が日々差し引かれます。
- 選択肢 2不正解
- インバース型のETFは、原指標の日々の変動率に一定の「負(マイナス)」の倍数を乗じた指数に連動します。「正(プラス)」の倍数はレバレッジ型です。
- 選択肢 3正解
- ETFは取引所で上場株式と同様に売買されるため、現物取引だけでなく信用取引も行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- ETFの分配金には一般の公募株式投信のような「元本払戻金(特別分配金)」の仕組みはなく、全額が配当所得として課税対象となります。
覚えるポイント
- ETFは上場株式と同様に信用取引可能。分配金に元本払戻金(特別分配金)はない。
間違えやすいところ
- ETFには信託報酬がかからないと誤解しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
代表的な株式指標の計算式と特徴
金融資産運用 · PER / PBR / 配当性向 / 配当利回り
株式指標の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
投資尺度指標には利益基準(PER)、純資産基準(PBR)、配当基準(配当性向・配当利回り)があり、分母と分子の組み合わせを正確に把握する必要があります。
解き方
- PER、PBR、配当性向、配当利回りの各定義式を確認する。
- 配当利回りの計算式における分母が「株価(または時価総額)」であることに対し、選択肢4が「純資産」となっている誤りを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- PER(株価収益率)は「株価÷1株当たり当期純利益(EPS)」で算出され、数値が高いほど割高、低いほど割安と判断されます。
- 選択肢 2不正解
- PBR(株価純資産倍率)は「株価÷1株当たり純資産(BPS)」で算出され、数値が高いほど割高、低いほど割安と判断されます。
- 選択肢 3不正解
- 配当性向は「配当金総額÷当期純利益×100(=1株当たり配当金÷EPS×100)」で計算され、当期純利益からどれだけ配当に充てたかを示します。
- 選択肢 4正解
- 配当利回りは「1株当たり配当金÷株価×100」で計算されます。分母が純資産となる指標は株主資本配当率(DOE)などです。
覚えるポイント
- 配当利回り=1株当たり年間配当金÷株価×100。配当性向=配当金総額÷当期純利益×100。
間違えやすいところ
- 配当利回り(株価に対する配当割合)と配当性向(利益に対する配当割合)の分母を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の信用取引のルールと仕組み
金融資産運用 · 信用取引 / 委託保証金 / 追加保証金
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
信用取引は、顧客が証券会社に委託保証金を担保として預け入れ、資金を借りて株式を買う(信用買い)、または株式を借りて売却する(信用売り)取引です。株価下落局面でも売りから入ることで利益を狙える特徴があります。
解き方
- 信用取引における制度信用取引と一般信用取引の区分や変更可否のルールを確認する。
- 信用売りの仕組み、法令で定められた委託保証金の最低額および委託保証金率、維持率割れ時の追加保証金(追証)のルールを照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 一度建てた一般信用取引の建株を制度信用取引の建株に変更することや、制度信用取引から一般信用取引へ変更することは認められていません。
- 選択肢 2正解
- 信用取引では、現物株式を所有していなくても証券会社から株券を借りて市場で売却する「売り(空売り)」から取引を開始することができます。
- 選択肢 3不正解
- 金融商品取引法等の法令上、信用取引を行う際の委託保証金の額は最低30万円以上、委託保証金率は約定代金の30%以上と規定されています。
- 選択肢 4不正解
- 相場変動により委託保証金の維持率が証券会社の定める最低委託保証金維持率を下回った場合、所定期日までに追証(追加保証金)を差し入れる必要があります。
覚えるポイント
- 委託保証金の法定基準は最低30万円以上かつ約定代金の30%以上であること。
間違えやすいところ
- 一般信用と制度信用を途中で相互に変更できると誤解しないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
デリバティブ取引(先物・スワップ・オプション)の特徴
金融資産運用 · 先物取引 / オプション取引 / クーポンスワップ
金融派生商品(デリバティブ)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
オプション取引において、買い手はプレミアムを支払って権利を取得するため損失は限定的で利益は大きく狙えますが、売り手はプレミアムを受け取る見返りに義務を負うため、最大利益は受け取ったプレミアムに限定され、損失は大幅または無限定となります。
解き方
- スワップ取引および先物ヘッジ取引の基本的な定義と効果を検証する。
- オプション取引における買い手・売り手ごとの損益特性(最大利益・最大損失)およびプレミアムと満期までの期間の関係を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 異なる通貨間で元本の交換を行わず、利息(クーポン)の支払いや受取りのみを定期的に交換する通貨スワップをクーポンスワップといいます。
- 選択肢 2不正解
- 将来の現物購入価格上昇リスクに備えて先物を買い建てておく買いヘッジでは、価格上昇時に現物コスト増を先物の決済利益で相殺できます。
- 選択肢 3正解
- プット・オプションであってもコール・オプションであっても、オプションの売り手の最大利益は受取プレミアム(オプション料)に限定されます。
- 選択肢 4不正解
- 満期までの残存期間が長いほど価格変動の可能性(時間価値)が大きくなるため、他の条件が同一であればプレミアムは高くなります。
覚えるポイント
- オプションの売り手の最大利益はコール・プットともに受け取ったプレミアムに限定される。
間違えやすいところ
- プットの売り手の最大損失は「権利行使価格-受取プレミアム」までで厳密には無限定ではないが、最大利益は常にプレミアム限定である点を混同しない。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオのリスク低減とパフォーマンス評価指標
金融資産運用 · 非システマティック・リスク / システマティック・リスク / トレイナーの測度
ポートフォリオのリスクに関する以下の文章の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「ポートフォリオの構成銘柄数が増加すると、分散投資の効果によりリスクが低減する。分散投資によって除去できるリスクを( ア )といい、市場全体に起因し分散投資によっても除去できないリスクを( イ )という。なお、パフォーマンス評価指標の一つである( ウ )は、( イ )であるベータをリスク尺度として用いている。」
解答・解説を表示
解答
2
解説
株式の個別要因に基づく固有のリスクは銘柄数を増やす分散投資で消去できますが、景気や金利など市場全体に共通するリスクは分散しても排除できません。ポートフォリオ評価では、総リスク(標準偏差)を基準にするシャープ測度と、市場リスク(ベータ)を基準にするトレイナー測度を区別します。
解き方
- 銘柄分散によって低減・消去できる個別リスクが「非システマティック・リスク」であることを特定する。
- 分散投資を行っても排除できない市場全体のリスクが「システマティック・リスク」であることを特定する。
- システマティック・リスクの尺度であるベータ(β)を超過リターンで割って評価する指標が「トレイナーの測度」であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- シャープの測度はリスク尺度としてベータではなく総リスクである「標準偏差」を用いるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- (ア)は非システマティック・リスク、(イ)はシステマティック・リスク、(ウ)はベータを用いるトレイナーの測度であり、組み合わせとして適切です。
- 選択肢 3不正解
- 分散投資で除去できるのは非システマティック・リスクであり、システマティック・リスクと逆になっています。
- 選択肢 4不正解
- 分散投資によって除去できるリスクは(ア)非システマティック・リスク、(イ)システマティック・リスクであるため語句が逆です。
覚えるポイント
- トレイナーの測度はベータ、シャープの測度は標準偏差をリスク尺度として用いる。
間違えやすいところ
- 「非」がつく方が分散で消せるリスクである点を取り違えやすいので注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAの非課税期間終了時の取扱いと各種ルール
金融資産運用 · NISA / 非課税期間終了 / 損益通算 / 配当金受取方式
2020年中に株式投資を行う場合のNISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
NISAは毎年一定限度額の新規買付資産から生じる譲渡益や配当金を非課税とする制度です。NISA口座内の損失は税務上ないものとみなされるため課税口座との通算はできず、既保有株式の課税口座からの移管もできません。また配当金を非課税にするには株式数比例配分方式の選択が必要です。
解き方
- NISA口座内の売買損失の税務上の扱い(損益通算・繰越控除不可)を確認する。
- 課税口座からNISA口座への株式移管の可否(不可)を確認する。
- 非課税期間終了時のデフォルトの取扱い(特定口座への自動移管)を確認する。
- 配当金を非課税とするための受取方式(株式数比例配分方式)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- NISA口座で生じた譲渡損失は税務上「ないもの」とみなされるため、特定口座や一般口座の譲渡益や配当等と損益通算することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 特定口座や一般口座ですでに保有している上場株式をNISA口座に移管することはできず、NISA口座での新規買付のみが対象となります。
- 選択肢 3正解
- 同一金融機関に特定口座がある場合、翌年の非課税投資枠への移管(ロールオーバー)手続きを行わずに非課税期間が終了すると、自動的に特定口座へ移管されます。
- 選択肢 4不正解
- NISA口座で保有する株式の配当金を非課税とするには、受取方法として「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。
覚えるポイント
- NISA口座の株式配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」が必須。
間違えやすいところ
- 課税口座で保有する株式をNISA口座へ移管できると誤解しないこと。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
預金保険制度の対象預金と保護限度額
金融資産運用 · 預金保険制度 / 保護の対象 / 通常貯金 / 決済用預金
預金保険制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
預金保険制度では、対象金融機関が破綻した場合、決済用預金(無利息、要求払い、決済サービスの3要件)は全額保護され、一般預金等(普通預金、定期預金、ゆうちょ銀行の通常貯金等)は預金者1人当たり合算で元本1,000万円までとその利息が保護されます。外貨預金等は対象外です。
解き方
- ゆうちょ銀行の預金等に対する預金保険制度上の保護限度額(元本1,000万円までとその利息)を確認する。
- 外貨預金が保護対象外であること、確定拠出年金制度で運用される円預金が保護対象であること、決済用預金が全額保護されることを確認する。
- 選択肢 1正解
- ゆうちょ銀行の通常貯金は一般預金等として保護され、その限度額は他の預金取扱金融機関と同様に「元本1,000万円までとその利息」です。郵政民営化法等の預入限度額1,300万円全額が保護されるわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 日本国内の銀行に預け入れられている外貨預金は、為替リスク等を預金者が負う商品であるため、預金保険制度による保護の対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 確定拠出年金の運用商品として指定されている国内銀行の円定期預金等も、預金保険制度の保護の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 無利息・要求払い・決済機能の3条件を満たす決済用預金は、金額の多寡にかかわらず全額が預金保険制度により保護されます。
覚えるポイント
- 一般預金等の保護上限は金融機関ごとに1人当たり元本1,000万円とその利息。
間違えやすいところ
- ゆうちょ銀行の通常貯金の預入限度額(1,300万円)と預金保険の保護限度額(1,000万円)を混同しないようにする。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品取引関連法令(金商法・金販法・消費者契約法等)
金融資産運用 · 金融商品販売法 / 消費者契約法 / 金融商品取引法 / 犯罪収益移転防止法
金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
金融商品取引では多面的な投資者・消費者保護が図られています。重要事項の説明義務違反等による損害賠償を規定する金融商品販売法と、不当な勧誘による意思表示の取消し等を認める消費者契約法は、要件を満たせば競合して適用可能であり、優先劣後は生じません。
解き方
- 金融商品販売法と消費者契約法の関係(重畳的・併用して適用可能)を確認する。
- 金融商品取引法の広告規制における文字サイズのルール、消費者契約法の誤認・困惑による取消権、犯罪収益移転防止法の取引時確認義務の各記述を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品取引法では、リスク等の重要事項が目立たなくなるのを防ぐため、元本欠損のおそれに関する文字や数字を最大文字と著しく異ならない大きさで表示することが定められています。
- 選択肢 2正解
- 金融商品販売法と消費者契約法は両立して適用できる関係にあり、一方が優先して他方の適用を排除することはありません。
- 選択肢 3不正解
- 消費者契約法に基づき、不実告知等の誤認や不退去・監禁等の困惑によって契約の申込み・承諾をした場合、消費者はその意思表示を取り消すことができます。
- 選択肢 4不正解
- 犯罪収益移転防止法により、金融機関などの特定事業者は口座開設や一定額以上の取引等の特定取引に際して、顧客の本人確認(氏名・住所・生年月日等の本人特定事項の確認)を行う義務があります。
覚えるポイント
- 金融商品販売法と消費者契約法は重複して適用可能(優先関係はない)。
間違えやすいところ
- 特別法と一般法の関係のように金融商品販売法が優先適用されると思い込まないこと。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税法における課税所得と非課税所得の判別
タックスプランニング · 非課税所得 / 雇用保険給付 / 老齢基礎年金 / 償還差益
次のうち、所得税における非課税所得に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税法および各種社会保障法では、社会政策的見地から一部の給付を非課税と定めています。雇用保険法に基づく失業等給付(基本手当や高年齢雇用継続基本給付金等)は全額非課税ですが、老齢を支給事由とする年金や不動産賃貸収入などは課税対象です。
解き方
- 提示された4つの所得の性質を確認する。
- 公的保険給付のうち、老齢年金は課税(雑所得)だが雇用保険給付は非課税である規定を適用する。
- 利付国債の償還差益(譲渡所得等として課税)、家賃(不動産所得として課税)を排除し、非課税となるものを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 利付国債の償還差益は、上場公社債等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象となり、非課税所得ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 老齢基礎年金などの公的老齢年金は、雑所得(公的年金等控除の対象)として所得税の課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 不動産の賃貸料(家賃)収入から必要経費を差し引いた金額は、不動産所得として所得税の課税対象となります。
- 選択肢 4正解
- 雇用保険から支給される高年齢雇用継続基本給付金は、雇用保険法第12条の規定により課税されず非課税所得となります。
覚えるポイント
- 雇用保険の給付(基本手当や育児休業給付、高年齢雇用継続給付等)は非課税。
間違えやすいところ
- 障害年金・遺族年金は非課税だが、老齢基礎年金は課税(雑所得)である点と混同しない。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における10種類の所得分類
タックスプランニング · 各種所得の分類 / 雑所得 / 不動産所得 / 退職所得 / 配当所得
所得税における各種所得の区分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税では担税力に応じた課税を行うため所得を10種類に分類しています。株式配当は配当所得、不動産の貸付けによる所得は規模にかかわらず不動産所得、退職金は退職所得、個人年金保険の年金受取(自己負担契約)は公的年金等以外の雑所得に分類されます。
解き方
- 各選択肢の取引から生じる所得の性質を確認する。
- 事業資金での購入株式の配当であっても配当所得であること、事業的規模の不動産賃貸でも不動産所得であること、役員退職金は退職所得であることを順次判定する。
- 個人年金保険の年金形式受取りが雑所得に区分されることの妥当性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 事業資金で購入した株式であっても、法人から受ける剰余金の配当金は「配当所得」に分類されます。
- 選択肢 2不正解
- 不動産の貸付けによる所得は、5棟10室基準などの「事業的規模」に該当する場合であっても、事業所得ではなく「不動産所得」となります。
- 選択肢 3不正解
- 会社役員が受給する役員退職金は、給与所得ではなく「退職所得」として分離課税の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 保険料負担者である個人が受け取る個人年金保険の年金は、公的年金等以外の「雑所得」として総合課税の対象となります。
覚えるポイント
- 不動産の貸付けは事業的規模であっても「不動産所得」に該当する。
間違えやすいところ
- 事業的規模の不動産貸付けを「事業所得」と混同しないようにする。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における損益通算の取扱い
タックスプランニング · 損益通算 / 事業所得 / 譲渡所得 / 一時所得
所得税における損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の損益通算は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(不・事・山・譲)の計算上生じた損失について、一定のルールに基づき他の所得の金額から控除する制度です。
解き方
- 損益通算が認められている所得の種類(不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得)と制限対象を確認します。
- 事業所得の損失は申告の種類(青色・白色)にかかわらず損益通算の対象となるため、選択肢3が不適切であると判定します。
- 選択肢 1不正解
- 上場株式等の譲渡損失と損益通算できる配当所得は、申告分離課税を選択したものに限られ、総合課税を選択した配当所得とは損益通算できません。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の金額の計算上生じた損失は、損益通算の対象となる4所得(不・事・山・譲)に含まれないため、給与所得等と損益通算することはできません。
- 選択肢 3正解
- 事業所得の計算上生じた損失は、青色申告の承認を受けていない白色申告者であっても他の各種所得と損益通算することができます。
- 選択肢 4不正解
- 別荘など主として趣味・娯楽・保養のために所有する資産(生活に通常必要でない資産)の譲渡損失は、他の所得と損益通算することができません。
覚えるポイント
- 損益通算できる4つの所得は「富士山譲(不動産・事業・山林・譲渡)」と覚えます。
間違えやすいところ
- 青色申告でなければ損失の損益通算ができないと誤認しがちですが、損失の繰越控除が青色申告の特典であり損益通算自体は白色申告でも可能です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の適用要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 床面積要件 / 所得要件
所得税における住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、住宅の取得は消費税率10%が適用された特別特定取得に該当し、2020年4月に取得して同月中に居住の用に供したものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅借入金等特別控除は、居住者が住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得・増改築した場合に、年末残高に応じた一定額を税額控除できる制度です。
解き方
- 住宅借入金等特別控除の所得制限(3,000万円以下)、一般住宅の借入限度額(4,000万円)、控除期間(原則10年・消費税10%特例時13年)の各条件を確認します。
- 床面積要件(50㎡以上かつ床面積の2分の1以上が居住用)が正しく記載されている選択肢4を正解と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローン控除の適用を受けることができるのは、その年分の合計所得金額が3,000万円以下の年分です(2,000万円ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 認定住宅以外の一般住宅の場合、年末残高の限度額は4,000万円(認定住宅の場合は5,000万円)です。
- 選択肢 3不正解
- 特別特定取得に該当する場合の控除期間は13年間(原則は10年間)であり、15年間ではありません。
- 選択肢 4正解
- 家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上であり、かつ床面積の2分の1以上が専ら自己の居住用に供されていることが適用の要件です。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の基本要件は「合計所得金額3,000万円以下」「登記床面積50㎡以上」「2分の1以上が自己居住」です。
間違えやすいところ
- 消費税率10%引き上げに伴う拡充期間は13年であり、15年と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業所得の青色申告者の特典
タックスプランニング · 青色申告の特典 / 純損失の繰越控除 / 青色事業専従者給与
次のうち、所得税における事業所得(総合課税に係るもの)を生ずべき事業を営む青色申告者が受けることができる青色申告の特典として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
青色申告制度は、一定水準の帳簿を備え付け正確な申告を行う納税者に対し、税制上の様々な特典を認める制度です。
解き方
- 所得税の青色申告特典(青色申告特別控除、純損失の3年間繰越控除・繰戻還付、青色事業専従者給与の必要経費算入、棚卸資産の低価法等)を整理します。
- 繰越控除の年数が「3年間」であるため、5年間としている選択肢1が誤りであると判断します。
- 選択肢 1正解
- 所得税における純損失の繰越控除期間は最長で3年間です(法人税の青色欠損金の繰越控除は10年間です)。
- 選択肢 2不正解
- 純損失が生じた場合、前年も青色申告を行っていれば前年の所得に繰り戻して所得税の還付を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 棚卸資産の評価方法として、届出により低価法を選択適用できることは青色申告者の特典の一つです。
- 選択肢 4不正解
- 事前に届出書を提出することにより、生計を一にする配偶者等に支払った適正な給料を全額必要経費に算入できます。
覚えるポイント
- 個人の純損失の繰越控除は3年、法人の欠損金繰越控除は10年という年数の違いを把握します。
間違えやすいところ
- 法人税の青色欠損金の繰越期間(10年)や減価償却の規定と混同しないように整理が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の仕組みと軽減税率・申告期限
タックスプランニング · 法人税の仕組み / 中小法人の軽減税率 / 確定申告期限 / 事業年度
法人税の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税は各事業年度の所得に対して課税され、企業会計上の当期純利益に申告調整を行って課税所得を算定します。中小法人には軽減税率の特例が設けられています。
解き方
- 法人税の計算体系(会計上の利益+加算項目-減算項目)と申告手続き(事業年度終了後2か月以内)を確認します。
- 期末資本金1億円以下の中小法人に対する軽減税率の適用基準が年800万円以下であることを確認し、1,000万円以下としている選択肢2が不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 法人税の所得金額は、企業会計上の当期純利益に益金算入・損金算入等の申告調整を行って計算します。
- 選択肢 2正解
- 中小法人に対する法人税の軽減税率は、所得金額のうち「年800万円以下」の部分に適用されます(年1,000万円以下ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 法人税の確定申告書は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に所轄税務署長へ提出します。
- 選択肢 4不正解
- 法人税法上の事業年度は、定款等で定めた1年以内の会計期間がある場合はその期間となります。
覚えるポイント
- 中小法人の法人税軽減税率は「所得年800万円以下の部分」に適用されます。
間違えやすいところ
- 消費税の簡易課税上限(5,000万円)や所得要件の数値と混同しないようにします。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法人税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における交際費等の損金不算入
タックスプランニング · 交際費等の損金不算入 / 損金算入限度額 / 飲食費の除外基準 / 福利厚生費
法人税における交際費等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人が支出する交際費等は原則損金不算入ですが、資本金1億円以下の中小法人については定額控除限度額(年800万円)または接待飲食費の50%損金算入の有利な方を選択適用できます。
解き方
- 中小法人の交際費等の損金算入限度額の計算(800万円定額控除または接待飲食費50%の選択適用で有利な「多い額」)を確認します。
- 選択肢1が「いずれか少ない額」と記述されているため、これが最も不適切であると判定します。
- 選択肢 1正解
- 損金算入限度額は、年800万円の定額控除限度額または接待飲食費の額の50%相当額の「いずれか多い額」を選択することができます。
- 選択肢 2不正解
- 社外の者との接待飲食費で、1人当たり5,000円以下であり所定の書類を保存しているものは交際費等から除外され全額損金算入できます。
- 選択肢 3不正解
- 社名入りのカレンダーやタオル等の少額の贈答品費用は、広告宣伝費として扱われ交際費等には該当しません。
- 選択肢 4不正解
- 専ら従業員の慰安のために行われる社会通念上一般的な社員旅行の費用は、福利厚生費となり交際費等には該当しません。
覚えるポイント
- 中小法人の交際費限度額は「800万円」または「接待飲食費の50%」の“いずれか多い額”です。
間違えやすいところ
- 1人当たり5,000円以下の飲食費除外の対象には、役員や従業員のみで行われた社内飲食費は含まれません。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の納税義務と課税区分・申告期限
タックスプランニング · 消費税の非課税取引 / 免税事業者 / 課税事業者選択届出書 / 確定申告期限
消費税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税は国内において事業者が対価を得て行う資産の譲渡等に課税されますが、有価証券の譲渡など税の性格上なじまない取引は非課税取引として規定されています。
解き方
- 消費税の免税事業者基準(基準期間の課税売上高1,000万円以下)、課税事業者選択の拘束期間(2年間)、個人の確定申告期限(翌年3月31日)を確認します。
- 有価証券の譲渡が非課税取引に該当することを確認し、選択肢2を正解と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 免税事業者となる基準期間における課税売上高は1,000万円以下です(5,000万円以下は簡易課税制度の適用上限です)。
- 選択肢 2正解
- 有価証券の譲渡は、消費税法において非課税取引として定められています。
- 選択肢 3不正解
- 課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となった場合、原則として2年間は免税事業者に戻ることができません(3年ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業者の消費税の確定申告書の提出期限は、その年の翌年3月31日までです(所得税の3月15日とは異なります)。
覚えるポイント
- 個人の消費税の確定申告期限は「3月31日」、所得税は「3月15日」です。
間違えやすいところ
- 課税売上高5,000万円は簡易課税の要件であり、小規模事業者の免税判定基準(1,000万円)と混同しやすいです。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の消費税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務
タックスプランニング · 会社と役員間の取引 / 役員への無利息貸付 / 低額譲渡 / 受贈益
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
会社と役員間の取引では、時価と異なる取引を行った場合に法人税法上の益金・損金や所得税法上の給与所得等の課税関係が発生しますが、個人が会社に無利息貸付を行った場合の利息認定課税は原則生じません。
解き方
- 会社と役員間の金銭貸借において、会社が役員に無利息貸付した場合は経済的利益として役員の給与所得になりますが、役員が会社に無利息貸付した場合は役員に認定利息課税は生じない点を確認します。
- 役員の雑所得の収入金額になるとする選択肢3を最も不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 役員退職金は、業務の対価として不相当に高額な部分を除き、法人の損金の額に算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 会社が役員に対して資産を低額譲渡した場合、時価と譲渡対価との差額は役員に対する経済的利益(給与所得の収入金額)とみなされます。
- 選択肢 3正解
- 役員(個人)が会社に無利息で金銭を貸し付けた場合、役員に対して受取利息相当額の認定課税は行われないため、雑所得の収入金額にはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 役員から会社への無償譲渡(贈与)があった場合、会社は時価で受贈したものとして受贈益を益金の額に算入します。
覚えるポイント
- 「会社から役員への無利息貸付」は役員の給与課税ですが、「役員から会社への無利息貸付」は役員側に課税されません。
間違えやすいところ
- 会社から役員への貸付と、役員から会社への貸付で課税関係の方向性を逆に取り違えやすいです。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の所得税法および法人税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益計算書および貸借対照表の構造
タックスプランニング · 貸借対照表 / 損益計算書 / 純資産 / 経常利益
一般的な損益計算書および貸借対照表に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
貸借対照表は「資産=負債+純資産」で構成され、損益計算書は売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益へと段階的に利益が計算されます。
解き方
- 貸借対照表の貸借一致の原則(資産=負債+純資産)と、債務超過時の純資産の符号を確認します。
- 累積赤字が資本等を上回ると純資産の部がマイナス(債務超過)になるため、マイナスになることはないとする選択肢3を不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 経常利益は、本業の営業利益に本業以外の財務活動等である営業外収益を加算し、営業外費用を控除して算出します。
- 選択肢 2不正解
- 営業利益は、売上高から売上原価を引いた売上総利益から、販売費及び一般管理費を差し引いて算出します。
- 選択肢 3正解
- 赤字が蓄積して負債が資産を超過する状態(債務超過)になると、純資産の部の合計額はマイナスになります。
- 選択肢 4不正解
- 貸借対照表の左側(借方)の資産合計と、右側(貸方)の負債・純資産の合計額は必ず一致します。
覚えるポイント
- 負債が資産を上回る債務超過の状態では、純資産の部合計はマイナスになります。
間違えやすいところ
- 営業利益(売上総利益-販管費)と経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)の計算順序を混同しないようにします。
出題の前提:企業会計原則および2020年4月1日現在施行の関連法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記および調査
不動産 · 不動産登記 / 公信力 / 登記事項証明書 / 公図
不動産の登記や物件調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産登記法上、不動産登記には第三者に対抗するための対抗力は認められていますが、登記内容が真実であると信じた者を保護する「公信の原則(公信力)」は認められていません。
解き方
- 各選択肢について、不動産登記の効力、記録構成、調査資料の性質を確認する。
- 不動産登記における公信力の有無を検討し、誤っている選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 借地権は登記がなくても、借地上の建物を登記していれば第三者に対抗できるため、土地の登記記録に記載がなくても借地権が存在することがあります。
- 選択肢 2不正解
- 公図(旧土地台帳附属地図)は登記所に備え付けられており、土地の形状や隣接する土地との位置関係を確認するための調査資料として有用です。
- 選択肢 3不正解
- 不動産の登記記録の権利部乙区には、所有権以外の権利に関する事項が記載されるため、抵当権の債権額や抵当権者などが記録されます。
- 選択肢 4正解
- 日本の法制度において不動産登記に公信力はないため、無権利者の登記記録を真実と信じて取引した場合でも、原則として保護されません。
覚えるポイント
- 不動産登記には対抗力はあるが公信力はない
間違えやすいところ
- 動産の引渡しには公信力(善意取得)があるのに対し、不動産登記には公信力がない点を混同しないように注意する
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の鑑定評価方式
不動産 · 不動産鑑定評価基準 / 原価法 / 取引事例比較法 / 収益還元法
不動産鑑定評価基準における不動産の価格を求める鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産の鑑定評価には、費用性に着目した原価法、市場性に着目した取引事例比較法、収益性に着目した収益還元法の3手法があります。原価法では再調達原価から経年劣化等に応じた減価額を控除する減価修正を行います。
解き方
- 不動産鑑定評価の3大手法(原価法、取引事例比較法、収益還元法)の定義を確認する。
- 原価法の評価手順において、再調達原価に対して行われる修正が減価修正であることを見抜く。
- 選択肢 1正解
- 原価法は、対象不動産の再調達原価を求めた上で「減価修正」を行って試算価格(積算価格)を求める手法であり、増価修正ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 取引事例比較法は、収集した多数の取引事例から適切に選択し、事情補正・時点修正・地域要因や個別的要因の比較を行って試算価格を求める手法です。
- 選択肢 3不正解
- 直接還元法は、対象不動産の1期間(通常1年間)の純収益を還元利回りで還元して収益価格を求める手法です。
- 選択肢 4不正解
- DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)は、連続する複数期間の純収益と保有期間終了時の復帰価格を現在価値に割り引いて合計する手法です。
覚えるポイント
- 原価法=再調達原価に「減価修正」を行って積算価格を求める
間違えやすいところ
- 直接還元法(1期間の純収益÷還元利回り)とDCF法(複数期間のキャッシュフロー+復帰価格の現在価値合計)の相違を混同しないようにする
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買契約と民法上の規定
不動産 · 売買契約の成立要件 / 共有持分の処分 / 二重売買と対抗要件 / 抵当権の追及力
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
民法上の不動産売買は当事者の意思表示の合致のみで成立する諾成・不要式契約です。共有持分の処分は各人が自由に行えます。物権変動の優劣は契約の先後ではなく対抗要件(登記)の先後で決まり、登記された抵当権には追及力があります。
解き方
- 売買契約の成立要件(諾成・不要式契約)、共有持分の処分の自由、対抗関係(民法177条)の各規定を照合する。
- 登記された抵当権の効力(追及力)と第三取得者の地位を検討して、最も適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産の売買契約は諾成・不要式契約であるため、書面の作成は成立要件ではなく、口頭の合意のみでも有効に成立します。
- 選択肢 2不正解
- 共有物全体の変更や処分には全員の同意が必要ですが、各共有者が自己の有する共有持分のみを譲渡する場合は、他の共有者の同意は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 二重譲渡が生じた場合、譲受人相互間における所有権の優劣は、売買契約締結の先後ではなく、先に登記を備えた方が権利を取得します。
- 選択肢 4正解
- 抵当権が登記されたまま不動産を譲り受けた第三取得者は、抵当権が実行されて競売されると、その不動産の所有権を失うことになります。
覚えるポイント
- 売買契約は不要式契約(合意のみで成立)
- 共有持分の譲渡は単独で自由、共有物全体の処分は全員同意が必要
- 二重売買の対抗関係は登記の先後で決定
間違えやすいところ
- 共有物全体の処分(全員の合意要)と、自己の共有持分の処分(単独で可能)を混同しやすい
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(普通借地権・定期借地権等)
不動産 · 普通借地権の存続期間 / 普通借地権の更新期間 / 事業用定期借地権等 / 公正証書
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
借地借家法上の普通借地権の当初存続期間は原則30年、更新時は初回20年、2回目以降10年です。一方、事業用定期借地権等は専ら事業用の建物を目的とし、公正証書による契約締結が要件とされています。
解き方
- 普通借地権の存続期間および更新期間の法的制限を確認する。
- 事業用定期借地権等の対象となる建物の使途(居住用除外)および契約方式(公正証書必須)を確認して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借地権の設定契約において存続期間の定めがない場合、存続期間は30年となります(50年ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 借地権の更新後の存続期間は、最初の更新では最低20年、2回目以降は最低10年と定められており、最初の更新で10年と定めても借地人に不利な特約として無効になり20年となります。
- 選択肢 3正解
- 事業用定期借地権等は「専ら事業の用に供する建物」の所有を目的とするため、居住用建物である社宅の所有を目的として設定することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 事業用定期借地権等の設定契約は、必ず「公正証書」によって締結しなければならず、私署証書による書面では効力を生じません。
覚えるポイント
- 普通借地権:期間定めなしは30年、更新は1回目20年・2回目以降10年
- 事業用定期借地権等:居住用は不可(専ら事業用)、公正証書が必須
間違えやすいところ
- 一般定期借地権(公正証書等の書面で可)と事業用定期借地権等(公正証書限定)の契約要件の違い
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(定期建物賃貸借契約)
不動産 · 定期借家契約 / 存続期間 / 造作買取請求権 / 賃料減額特約
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第38条による定期建物賃貸借契約を定期借家契約という。
解答・解説を表示
解答
4
解説
定期建物賃貸借(定期借家)契約は、期間満了によって更新なく終了する建物賃貸借です。期間の下限・上限の制限はなく、居住用・事業用のいずれでも締結可能です。また普通借家とは異なり、賃料を減額しない特約も有効と認められています。
解き方
- 定期建物賃貸借契約の要件(期間設定の制限、用途の範囲、造作買取請求の特約)を確認する。
- 借賃改定に関する特約において、普通借家契約と定期借家契約での相違点(減額しない特約の有効性)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 定期借家契約には存続期間の下限の制限はなく、6ヵ月未満の期間を定めることも有効です(普通借家と異なり1年未満でも期間の定めなしとはなりません)。
- 選択肢 2不正解
- 定期借家契約は、居住用建物だけでなく、店舗や事務所等の事業用建物を対象として締結することも可能です。
- 選択肢 3不正解
- 造作買取請求権に関する規定は任意規定であるため、期間満了時に造作の買取りを請求しない旨の特約を有効に定めることができます。
- 選択肢 4正解
- 定期借家契約では借賃改定に関する特約が認められており、経済事情の変動にかかわらず賃料を減額しない旨の特約も有効となります。
覚えるポイント
- 定期借家契約では「賃料を減額しない特約」も有効(普通借家では無効)
- 定期借家には期間の制限(下限・上限)がない
間違えやすいところ
- 普通借家契約では借家人保護のため賃料減額請求権を排除する特約が無効とされる点と混同しないようにする
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法(高さ制限・日影規制)
不動産 · 隣地斜線制限 / 北側斜線制限 / 日影規制 / 用途地域
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法における建築物の高さ制限には、道路斜線制限(全地域)、隣地斜線制限(低層住居専用地域等を除く)、北側斜線制限(低層・中高層住居専用地域・田園住居地域等)、日影規制などがあり、用途地域ごとに適用関係が異なります。
解き方
- 斜線制限(道路・隣地・北側)それぞれの適用対象地域を確認する。
- 北側斜線制限が商業地域に適用されるかどうかを照合し、誤っているものを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 第一種・第二種低層住居専用地域および田園住居地域には絶対的高さ制限があるため、隣地斜線制限は適用されません。
- 選択肢 2正解
- 北側斜線制限は、良好な住居の環境を保護するための制限であり、商業地域内の建築物には適用されません。
- 選択肢 3不正解
- 日影規制の対象区域外にある高さ10m超の建築物であっても、冬至日に対象区域内に日影を生じさせる場合は、対象区域内にあるものとみなして日影規制が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 商業地域、工業地域、工業専用地域の3つの地域は、地方公共団体の条例であっても日影規制の対象区域として指定することはできません。
覚えるポイント
- 北側斜線制限:低層住居専用地域・中高層住居専用地域・田園住居地域に適用
- 隣地斜線制限:低層住居専用地域・田園住居地域には不適用
- 日影規制の対象外地域:商業地域・工業地域・工業専用地域
間違えやすいところ
- 道路斜線制限はすべての用途地域に適用されるのに対し、隣地斜線制限や北側斜線制限には除外地域がある点を取り違えないようにする
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
区分所有法(専有部分・共用部分・建替え決議等)
不動産 · 建物の区分所有等に関する法律 / 専有部分の共有 / 共用部分の持分割合 / 建替え決議 / 敷地利用権の分離処分
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)では、共用部分の持分割合や敷地利用権の分離処分禁止などは原則の規定があるものの、規約によって別段の定めをすることが認められています。
解き方
- 区分所有法における共用部分の共有持分割合の決定ルールを確認する。
- 規約による別段の定めの可否を判断し、誤っている選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は集会において議決権を行使すべき者1人を定めなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 共用部分の持分割合は原則として専有部分の床面積割合によりますが、規約で別段の定めをすることが認められています。
- 選択肢 3不正解
- 建替え決議は、区分所有者集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による決議が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 敷地利用権と専有部分の分離処分は原則として禁止されていますが、規約で別段の定めをすることにより分離処分を認めることができます。
覚えるポイント
- 共用部分の持分=原則床面積割合だが「規約で別段の定め可能」
- 建替え決議=区分所有者および議決権の「各5分の4以上」
間違えやすいところ
- 共用部分の持分割合を強行規定(規約変更不可)と誤認しやすい点に注意する
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税および都市計画税の仕組み
不動産 · 固定資産税 / 都市計画税 / 小規模住宅用地の特例 / 納税義務者 / 制限税率
不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課される市町村税です。住宅用地には特例があり、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準が6分の1、一般住宅用地(200㎡超の部分)は3分の1となります。都市計画税は市街化区域内に制限税率0.3%で課税されます。
解き方
- 住宅用地の課税標準の特例における面積要件(小規模住宅用地と一般住宅用地の境界)を確認する。
- 200㎡と300㎡の数値を照合し、誤っている記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 固定資産税の納税義務者は賦課期日である毎年1月1日時点の登記簿上の所有者であるため、年の中途で売却してもその年度分の全額を納付する義務があります。
- 選択肢 2正解
- 小規模住宅用地として固定資産税の課税標準が価格の6分の1になるのは、住宅1戸当たり「200㎡以下」の部分です(300㎡以下ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画税は原則として市街化区域内に所在する土地・家屋に課されるため、市街化調整区域内の物件には課されません。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画税は市町村の条例で税率を定めますが、制限税率として最高でも0.3%(100分の0.3)を超えることはできません。
覚えるポイント
- 固定資産税の住宅用地特例:200㎡以下は6分の1、200㎡超は3分の1
- 都市計画税:市街化区域内のみ課税、制限税率は0.3%
間違えやすいところ
- 小規模住宅用地の限度面積「200㎡」を「300㎡」や「330㎡(小規模宅地等の減額特例の特定居住用宅地等)」と混同しないようにする
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の譲渡所得の計算と区分
不動産 · 譲渡所得 / 短期譲渡所得 / 長期譲渡所得 / 概算取得費
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
土地や建物の譲渡所得は、他の所得と区分して分離課税により計算されます。税率の区分は譲渡した年の1月1日現在の所有期間により行われ、5年以下が短期、5年超が長期となります。
解き方
- 譲渡した年の1月1日時点での所有期間に基づき、短期譲渡所得(5年以下)と長期譲渡所得(5年超)の区分基準を確認する。
- 選択肢1の「10年以下」という記述が誤りであることを判定する。
- 選択肢 1正解
- 土地の譲渡所得において短期譲渡所得となるのは、譲渡した年の1月1日時点における所有期間が5年以下のものです。10年以下ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 取得費が不明である場合や実際の取得費が譲渡価額の5%を下回る場合は、譲渡収入金額の5%相当額を概算取得費とすることができます。
- 選択肢 3不正解
- 土地を譲渡するために直接要した仲介手数料や契約書の印紙代などは、譲渡費用の金額に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 土地や建物の譲渡所得は、短期・長期を問わず、他の所得と合算せずに分離課税(申告分離課税)により税額が計算されます。
覚えるポイント
- 短期譲渡所得と長期譲渡所得の分岐点は「譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年超かどうか」であること。
間違えやすいところ
- 軽減税率の特例(10年超所有の居住用財産)と混同して、短期・長期の判定基準を10年と誤認しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の所得税法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の有効活用手法の特徴
不動産 · 等価交換方式 / 事業受託方式 / 建設協力金方式 / 定期借地権方式
不動産の有効活用の手法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
等価交換方式には「全部譲渡方式」と「部分譲渡方式」があります。全部譲渡方式は土地の全部をデベロッパーに売却した対価で建物と土地持分を買い戻す方式であり、部分譲渡方式は建物取得に必要な土地持分のみを譲渡する方式です。
解き方
- 等価交換方式における「全部譲渡方式」と「部分譲渡方式」の仕組みの違いを確認する。
- 記述4が「全部譲渡方式」の内容を説明しており、「部分譲渡方式」の説明として不適切であることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 建設協力金方式は、入居予定テナントから預託された資金(建設協力金)を用いて建物を建築し、賃料収入から返済する方式です。
- 選択肢 2不正解
- 定期借地権方式は、土地を事業者に貸し出して地代を得る方式であり、建物は借地人が建築するため土地所有者の資金負担はありません。
- 選択肢 3不正解
- 事業受託方式は、業務全般をデベロッパーに委託するものの、事業主体や資金調達・返済義務は土地所有者にあります。
- 選択肢 4正解
- 土地の全部をいったんデベロッパーに譲渡し、完成後に土地・建物の一部を買い戻すのは「全部譲渡方式」の説明です。部分譲渡方式では土地の一部のみを譲渡します。
覚えるポイント
- 部分譲渡方式は土地の一部を譲渡、全部譲渡方式はいったん土地全部を譲渡して買い戻す。
間違えやすいところ
- 事業受託方式(土地所有者が資金調達)と等価交換方式(資金負担なし)の資金面の相違を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令・実務慣行
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の贈与契約および死因贈与
相続・事業承継 · 贈与契約 / 定期贈与 / 負担付贈与 / 死因贈与
贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
贈与は民法上の無償・諾成・片務契約です。死亡を原因として効力が生じる死因贈与は、実質的に遺贈と同様の経済的効果を持つため、相続税法上は遺贈とみなされて相続税が課税されます。
解き方
- 民法の贈与契約の基本(諾成契約、定期贈与の失効、負担付贈与の責任)を確認する。
- 死因贈与に対する税法上の取扱い(相続税法第1条の3等による遺贈みな認)を照らし合わせ、贈与税ではなく相続税対象であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 民法549条に基づき、贈与は無償で財産を与える意思表示に対し相手方が受諾することで成立する諾成契約です。
- 選択肢 2不正解
- 民法552条に基づき、定期の給付を目的とする贈与は、贈与者または受贈者のいずれかが死亡したときに効力を失います。
- 選択肢 3不正解
- 民法551条2項に基づき、受贈者に一定の給付義務を課す負担付贈与では、贈与者はその負担の限度において売主と同様の契約不適合責任(担保責任)を負います。
- 選択肢 4正解
- 死因贈与により取得した財産は、相続税法上、遺贈により取得した財産とみなされるため、贈与税ではなく相続税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 死因贈与によって取得した財産には「相続税」が課税される(贈与税ではない)。
間違えやすいところ
- 名前に「贈与」とついているため贈与税が課されると誤解しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の民法および相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の税額計算と各種制度
相続・事業承継 · 暦年課税 / 基礎控除 / 配偶者控除 / 相続時精算課税
贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
贈与税の暦年課税は、受贈者を基準に1年間(1月1日〜12月31日)に贈与を受けた合計財産から基礎控除額110万円を差し引いて計算します。贈与者の人数に応じて基礎控除が増えるわけではありません。
解き方
- 暦年課税の基礎控除が受贈者ごとに年110万円であることを確認する。
- 父母2人から贈与を受けても基礎控除額は合算して110万円が限度となるため、選択肢2の「最高で220万円」が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 暦年課税の税率は、基礎控除後の課税価格に応じて10%から55%までの超過累進税率が適用されます。
- 選択肢 2正解
- 暦年課税の基礎控除額は受贈者1人あたり年間110万円です。複数の人から贈与を受けても控除額は220万円にはならず110万円です。
- 選択肢 3不正解
- 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)は、最高2,000万円の配偶者控除と基礎控除110万円を併せて最高2,110万円まで控除できます。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税制度では、特別控除額(累計2,500万円)を超えた部分に対して一律20%の税率で贈与税が課税されます。
覚えるポイント
- 暦年課税の基礎控除110万円は「受贈者(もらう側)1人につき年110万円」。
間違えやすいところ
- 贈与者ごとに110万円ずつ控除できると誤解しやすい点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続人・相続分と代襲相続
相続・事業承継 · 法定相続分 / 代襲相続 / 相続の放棄
民法上の相続人および相続分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
代襲相続の原因となるのは、被相続人の開始以前の「死亡」「相続人の欠格事由への該当」「廃除」の3つに限られます。「相続の放棄」は初めから相続人でなかったものとみなされるため代襲相続は発生しません。
解き方
- 代襲相続の原因(死亡・欠格・廃除)と放棄の効果(初めから相続人とならない)を確認する。
- 子が相続放棄をしてもその子(被相続人の孫)への代襲相続は生じないため、選択肢4が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者と直系尊属が相続人の場合、法定相続分は配偶者が3分の2、直系尊属(母)が3分の1となります。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹(姉)が4分の1となります。
- 選択肢 3不正解
- 兄弟姉妹が相続開始前に死亡している場合、その子(甥・姪)は代襲して相続人となります(再代襲は不可)。
- 選択肢 4正解
- 相続の放棄をした者は「初めから相続人とならなかったもの」とみなされるため、その者の子が代襲相続人になることはありません。
覚えるポイント
- 相続放棄は代襲相続の原因にならない(代襲原因は死亡・欠格・廃除のみ)。
間違えやすいところ
- 相続欠格や廃除と相続放棄の代襲相続の可否を取り違えやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の遺言の要件と効力
相続・事業承継 · 遺言能力 / 自筆証書遺言の財産目録 / 遺言の撤回 / 公正証書遺言の証人欠格
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
遺言の撤回は自由であり、遺言の方式(公正証書・自筆証書・秘密証書)による優劣はありません。前の遺言と後の遺言が抵触する場合や後の遺言で前の遺言を撤回した場合は、方式の如何にかかわらず後の遺言が優先します。
解き方
- 民法における遺言の撤回の自由および遺言形式相互の効力の対等性を確認する。
- 公正証書遺言であっても自筆証書遺言により撤回可能であるため、選択肢3が誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 民法961条および962条に基づき、満15歳に達した者は遺言能力があれば法定代理人の同意なしに単独で遺言を作成できます。
- 選択肢 2不正解
- 2019年1月施行の法改正により、自筆証書遺言に添付する財産目録については、各頁に署名・押印するなどの要件を満たせばパソコン作成や通帳のコピー等による添付(非自書)が認められています。
- 選択肢 3正解
- 遺言は方式を問わずいつでも撤回できます。公正証書遺言で作成された内容であっても、後の自筆証書遺言によって有効に撤回することができます。
- 選択肢 4不正解
- 民法974条に基づき、遺言者の配偶者、直系血族、推定相続人、受遺者等は公正証書遺言作成時の証人・立会人の欠格事由に該当し、証人になれません。
覚えるポイント
- 遺言の方式に優劣はなく、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能。
間違えやすいところ
- 公正証書遺言の方が自筆証書遺言より法的に優先・強力であり、自筆証書では撤回できないと錯覚しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税財産と非課税・損害賠償金
相続・事業承継 · 非課税財産 / 損害賠償金 / みなし相続財産 / 生前贈与加算
相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
死亡に伴い発生する各種金銭のうち、加害者等から支払われる損害賠償金や慰謝料は所得税法および相続税法上、非課税とされています。一方、生命保険金(みなし相続財産)や生前贈与財産等は相続税の対象となります。
解き方
- 交通事故の死亡により加害者の保険会社等から遺族へ支払われる賠償金の非課税規定を確認する。
- 選択肢1が相続税の課税対象と述べているため不適切であると判定する。
- 選択肢 1正解
- 被相続人の死亡に関して加害者の対人賠償保険から遺族に支払われる損害賠償金は非課税所得であり、相続税の課税対象にもなりません。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金はみなし相続財産となり、相続放棄した者が受取人であっても遺贈により取得したものとみなされ相続税の対象となります(ただし非課税限度額の適用は不可)。
- 選択肢 3不正解
- 相続時精算課税制度を適用して贈与を受けた財産は、その者が相続・遺贈で財産を取得したかどうかにかかわらず、必ず相続税の課税価格に加算されます。
- 選択肢 4不正解
- 相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から受けた暦年課税の贈与財産は、原則として相続税の課税価格に加算されます。
覚えるポイント
- 交通事故等の対人賠償責任保険から支払われる損害賠償金・慰謝料は相続税の課税対象外(非課税)。
間違えやすいところ
- 被相続人が契約者・被保険者である「生命保険金」と加害者側から支払われる「賠償金」の性質を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税価格の計算における債務控除・葬式費用
相続・事業承継 · 債務控除 / 公租公課 / 葬式費用 / 非課税財産
相続人が負担した次の費用等のうち、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から債務控除することができるものはどれか。なお、相続人は債務控除の適用要件を満たしているものとする。
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解答
1
解説
相続税の計算において控除できる債務は、相続開始時に現に存する確実な債務(未払いの公租公課を含む)です。墓碑などの非課税財産に係る債務や、葬式後の法要費用・香典返し費用は債務・葬式費用として控除できません。
解き方
- 相続開始時点に存する公租公課の債務控除の適用要件(1月1日時点で賦課期日が到来していれば未払でも控除可能)を確認する。
- 非課税財産の未払金、香典返し、法会費用(四十九日等)が控除対象外であることを判定し、選択肢1を正解として選定する。
- 選択肢 1正解
- 被相続人が納税義務を負っていた固定資産税は、相続開始時点で未払(納期限未到来)であっても被相続人の債務(公租公課)として控除できます。
- 選択肢 2不正解
- 墓地や墓碑などの祭祀財産は非課税財産であるため、その未払金などの債務を相続財産から控除することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 香典返しに要した費用は葬式費用には含まれず、債務控除の対象になりません(香典自体も非課税)。
- 選択肢 4不正解
- 初七日や四十九日などの法要(追悼会)に要した費用は、葬式費用には該当せず控除対象になりません。
覚えるポイント
- 納期限未到来の確定固定資産税は債務控除可能。墓碑の未払代金、香典返し、法要費用は控除不可。
間違えやすいところ
- 葬式費用として控除できるもの(通夜・告別式・火葬・納骨等)と、控除できないもの(香典返し・法会・墓碑購入等)を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
使用貸借による土地の相続税評価額
相続・事業承継 · 使用貸借 / 財産評価 / 自用地評価額
子が父から甲土地を使用貸借により無償で借り受け、自己資金で建物を建築して自己の居住の用に供していた。父の相続開始に伴い、その子が甲土地を相続によって取得した場合における、甲土地の相続税評価額として最も適切なものを1つ選べ。 <甲土地の自用地評価額および借地権割合> 自用地としての相続税評価額:5,000万円 借地権割合:70%
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解答
4
解説
民法上の使用貸借による宅地の借受権は、賃借権と異なり極めて弱い権利であるため、相続税評価において使用貸借に係る借地権の価額は「0」と評価されます。その結果、土地所有者側の評価は他人に貸している場合のような減額(借地権控除)を行わず、自用地(更地)として評価します。
解き方
- 父と子における土地の権利関係が無償の使用貸借であることを確認する。
- 使用貸借の場合、借地権の価値はゼロとなり、貸主側では自用地評価額で評価するため、5,000万円となる。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人である父が甲土地の所有権を有しているため、評価額が0円になることはありません。
- 選択肢 2不正解
- 貸宅地(自用地評価額×(1-借地権割合)=5,000万円×30%=1,500万円)の計算式ですが、使用貸借では借地権割合による控除は行われません。
- 選択肢 3不正解
- 借地権(自用地評価額×借地権割合=5,000万円×70%=3,500万円)の計算式であり、不適切です。
- 選択肢 4正解
- 使用貸借による土地は借地権の価値をゼロとして評価するため、自用地評価額そのままの5,000万円となります。
覚えるポイント
- 使用貸借による借地権の相続税評価額はゼロであり、土地所有者側は自用地として評価する。
間違えやすいところ
- 有償の賃貸借(貸宅地)と混同して、借地権割合を控除して計算してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
家屋等の相続税評価
相続・事業承継 · 財産評価 / 家屋評価 / 貸家 / 建築中の家屋
相続税における家屋等の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
家屋の相続税評価は原則として固定資産税評価額を基準とします。他人に賃貸している家屋(貸家)については、賃借人の権利(借家権)の分だけ所有権の価値が減額されるため、「自用家屋としての価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」として計算します。
解き方
- 各選択肢の評価方法の定義・計算式を確認する。
- 貸家の価額算式が減額控除の形式「(1-借家権割合×賃貸割合)」になっているかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 自用家屋の評価額は、原則として「固定資産税評価額×1.0」によって求められます。
- 選択肢 2正解
- 貸家の価額は「自用家屋としての価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」で算出するため、「1-」が抜けている本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 建築中の家屋の価額は、課税時期までに投下された建築費用(費用現価)の70%相当額によって評価します。
- 選択肢 4不正解
- 電気設備、冷暖房設備などの家屋と構造上一体となっている設備は、家屋の価額に含めて評価します。
覚えるポイント
- 貸家の評価式は「自用家屋評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」である。
間違えやすいところ
- 借家権の価値を求める式(自用家屋×借家権割合)と貸家そのものの評価式を混同しないようにする。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産に係る相続対策・延納・物納等
相続・事業承継 · 延納 / 物納 / 小規模宅地等の特例 / 相続時精算課税制度
不動産に係る相続対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の納付は金銭一括納付が原則です。それが困難な場合に金銭による「延納」が認められ、延納によっても金銭納付が困難であると認められる理由がある場合に限り、例外的に現物財産で納める「物納」が認められます。
解き方
- 相続税の納付方法の優先順位(金銭一括納付>延納>物納)を確認する。
- 納税者が自由に物納を選択できるわけではないため、選択肢2が不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 延納の担保として提供できる財産には、相続により取得した土地などの不動産も含まれます。
- 選択肢 2正解
- 物納は延納によっても金銭で納付することが困難な場合に限り認められるため、任意に選択することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 小規模宅地等の特例を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、特例適用後の減額された評価額となります。
- 選択肢 4不正解
- 住宅取得等資金の非課税特例は、暦年課税だけでなく相続時精算課税制度とも併用して適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 物納は延納によっても金銭納付が困難な場合に限られる二次的な納付手段である。
間違えやすいところ
- 延納と物納が同等の選択肢であると誤解しないよう注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場企業の事業承継対策
相続・事業承継 · 事業承継税制 / 非上場株式 / 納税猶予 / 生命保険活用
非上場企業の事業承継対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
事業承継税制(非上場株式等についての贈与税の納税猶予・免除の特例)は、後継者への事業承継を円滑に進めるための制度です。平成30年度税制改正により設けられた特例措置では、対象株式数の上限が撤廃されて全株式(100%)が対象となったほか、相続時精算課税制度との併用も可能となっています。
解き方
- 事業承継税制における特例措置の適用要件および併用関係を確認する。
- 贈与税の納税猶予特例と相続時精算課税制度は併用可能であるため、選択肢3が不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 法人が契約者・受取人となって経営者を被保険者とする生命保険に加入することは、退職慰労金の財源準備として一般的です。
- 選択肢 2不正解
- 後継者に株式買い取り原資を蓄積させるため、役員報酬を適正な範囲内で増額しておく手法は有効な対策の一つです。
- 選択肢 3正解
- 法人版事業承継税制(特例措置)では、相続時精算課税制度と併用して適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 特例措置のもとでは、従来の一般措置にあった上限(発行済完全議決権株式総数の3分の2)が撤廃され、全株式が対象となります。
覚えるポイント
- 法人版事業承継税制の特例措置では、株式対象上限が100%になり相続時精算課税とも併用可能である。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税との併用不可と誤認しやすいが、特例措置では併用が可能である点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年9月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年9月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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